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特許7461496後のレーザマーキングに対する保護がなされたデータキャリア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】後のレーザマーキングに対する保護がなされたデータキャリア
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/328 20140101AFI20240327BHJP
   B42D 25/41 20140101ALI20240327BHJP
   B42D 25/23 20140101ALI20240327BHJP
   B42D 25/29 20140101ALI20240327BHJP
【FI】
B42D25/328 120
B42D25/41
B42D25/23
B42D25/29
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022558594
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2021059337
(87)【国際公開番号】W WO2021205019
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】20169033.6
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】522230381
【氏名又は名称】タレス ディアイエス フランス エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ザイラー
(72)【発明者】
【氏名】ステファン エグリ
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-064198(JP,A)
【文献】特開2012-144011(JP,A)
【文献】特開2019-155727(JP,A)
【文献】特表2018-512306(JP,A)
【文献】特開2018-183961(JP,A)
【文献】特表2008-529851(JP,A)
【文献】特表2012-506328(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0204617(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03321095(EP,A1)
【文献】特開2007-090567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/02
25/00-25/485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード本体(2)を備えたデータキャリア(1)であって、
前記カード本体(2)が、第1の外観(A1)を呈するレーザマーキング(M1)を保護要素(3)がない場合に前記カード本体(2)の衝突領域にあらかじめ発生させるように、衝突する電磁放射(R)と相互作用するように構成されており、
前記データキャリア(1)が少なくとも1つの保護要素(3)を更に備え、
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、前記第1の外観(A1)と異なる第2の外観(A2)を呈するレーザマーキング(M2)を前記カード本体(2)に発生させるように、衝突する電磁放射(R)と相互作用するように構成され
前記少なくとも1つの保護要素(3)は、前記電磁放射(R)の電磁スペクトルの紫外領域及び/又は赤外領域の前記電磁放射(R)を吸収するように構成され、
前記少なくとも1つの保護要素(3)は、接着力を発揮する部分と接着力を発揮しない部分とに区画されて構成され、
前記少なくとも1つの保護要素(3)は、1つ以上の領域(6a、6b、...)において、少なくとも2つの後に配置されたカバー層(4a、4b)間に設けられ、前記少なくとも1つの保護要素(3)は前記1つ以上の領域における前記少なくとも2つの後に配置されたカバー層に及ぼす接着力が、前記少なくとも2つの後に配置されたカバー層間の保護要素(3)が存在しない他の領域(7a、7b、...)間に発現される接着力より小さいデータキャリア(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、前記電磁放射(R)と相互作用したときに1種類以上のガスを発生させるように構成されている、請求項1に記載のデータキャリア(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、衝突する電磁放射を回折する及び/又は散乱及び/又は偏向させるように構成されている、請求項1に記載のデータキャリア(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、レーザ反応性顔料、レーザ反応性添加剤、及びレーザ反応性着色剤の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のデータキャリア(1)。
【請求項5】
英数字及び/又は画像の少なくとも1つのパーソナライゼーションアイテムを更に備え、前記パーソナライゼーションアイテムが、前記少なくとも1つの保護要素(3)及びインクジェット用インクを含む、請求項1に記載のデータキャリア(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、ワックス、シリコン含有物質、2‐ヒドロキシフェニル‐s‐トリアジン及びその誘導体のUV吸収剤、IR吸収剤、及び熱硬化性樹脂、UV硬化性(メタ)アクリレート、エポキシド及び/又はビニルエーテルを含む化合物の硬化性熱硬化性樹脂のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のデータキャリア(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、前記カード本体(2)上にドットグリッド(11)の形態で設けられ、前記グリッドを構成するドット(12)が、ワニス及び前記少なくとも1つの保護要素(3)を含む、請求項1に記載のデータキャリア(1)。
【請求項8】
前記データキャリア(1)が、前記カード本体(2)上に配置されている1つ以上のカバー層(4a、4b)を備え、
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、前記1つ以上のカバー層(4a、4b)内及び/又は前記1つ以上のカバー層(4a、4b)上に設けられ、
前記1つ以上のカバー層(4a、4b)、ワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、具体的には非晶質ポリエステル及び/又はコポリエステル及び/又は半結晶性ポリエステルのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のデータキャリア(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、前記1つ以上のカバー層(4a、4b)の表面(5a、5b)のインプリントとして、及び/又は前記1つ以上のカバー層(4a、4b)に組み込まれている1つ以上の粒子として設けられ、前記1つ以上の粒子が、ナノ粒子、二酸化ケイ素及び/又は二酸化チタンである、請求項に記載のデータキャリア(1)。
【請求項10】
前記1つ以上のカバー層(4a、4b)に対向する前記カード本体(2)の表面(8)が、1つ以上の凸部及び凹部(9a、9b)を含む、及び/又は
1つ以上の回折素子が、前記カバー層(4a、4b)の1つ以上に設けられる、及び/又は
1つ以上の視覚要素(10)、1つ以上のカラー画像、1つ以上のインクジェットカラー画像が前記カバー層(4a、4b)の1つ以上に設けられる、請求項8に記載のデータキャリア(1)。
【請求項11】
分証明書、パスポート、クレジットカード、紙幣である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のデータキャリア(1)を備えたセキュリティ文書。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のデータキャリア(1)を製造する方法であって、
‐カード本体(2)を設けるステップ、
‐少なくとも1つの保護要素(3)を設けるステップを含み、
前記カード本体(2)が、第1の外観(A1)を呈するレーザマーキング(M1)を保護要素がない場合に前記カード本体(2)の衝突領域に発生させるように、衝突する電磁放射(R)と相互作用するように構成されており、
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、前記第1の外観(A1)と異なる第2の外観(A2)を呈するレーザマーキング(M2)を前記カード本体(2)に発生させるように、衝突する電磁放射(R)と相互作用するように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの保護要素(3)が、混合物を形成するために、ワニス、インク層、ポリカーボネート、PVC、並びにポリエステル、非晶質ポリエステル及び/又はコポリエステル及び/又は半結晶性ポリエステルのうちの少なくとも1つに添加され、前記混合物が前記カード本体(2)上に塗布される、及び/又は
ワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、並びにポリエステル、非晶質ポリエステル及び/又はコポリエステル及び/又は半結晶性ポリエステルのうちの少なくとも1つが、1つ以上のカバー層(4a、4b)を形成するために前記カード本体(2)上に塗布され、前記少なくとも1つの保護要素(3)が、前記1つ以上のカバー層(4a、4b)の表面(5a、5b、...)のインプリントとして形成される、及び/又は
ワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、並びにポリエステル、非晶質ポリエステル及び/又はコポリエステル及び/又は半結晶性ポリエステルのうちの少なくとも1つが、2つ以上のカバー層(4a、4b)を形成するために前記カード本体(2)上に塗布され、前記少なくとも1つの保護要素(3)が、少なくとも部分的に少なくとも2つの後に配置されたカバー層(4a、4b)間に設けられている、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のデータキャリア、請求項13に記載のかかるデータキャリアを備えたセキュリティ文書、及び請求項15に記載のデータキャリアを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
身分証明書やパスポートなどのセキュリティ文書で使用されるデータキャリアは一般に所有者の情報を含む。例えばデータキャリアに所有者の氏名、国籍、生年月日又は画像を提供することはごく一般的である。このため、上記の情報をデータキャリアに追加又は生成し得る様々な方法が知られている。このいわゆるパーソナライゼーションは、レーザ放射に感受性のあるデータキャリアの材料を選ぶことによって行われることが多い。この場合、情報は、情報を構成するレーザマークを発生させるレーザ放射を照射することによって簡単にデータキャリアの材料に書き込むことができる。しかしながら、このレーザが追加した情報は通常、その後の追加のレーザマーキングに基づく変更から保護されていない。つまり、偽造者がなりすましに必要な場合に、人間の顔にひげなどの情報を簡単に追加するおそれがある。偽造の別の例として、例えば肌の色が明るい金髪の人物がレーザ彫刻された明るい写真が別の人物に相当するより暗い写真で上書きされるおそれがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、偽造に対する保護が強化されたデータキャリアを提供することである。
【0004】
この目的は、請求項1に記載のデータキャリアによって達成される。具体的にはカード本体を備えたデータキャリアが提供される。カード本体は、第1の外観を呈するレーザマーキングを保護要素がない場合にカード本体の衝突領域にあらかじめ発生させるように、衝突する電磁放射と相互作用するように構成されている。データキャリアは少なくとも1つの保護要素を更に備える。少なくとも1つの保護要素は、第1の外観と異なる第2の外観を呈するレーザマーキングをカード本体に発生させるように、衝突する電磁放射と相互作用するように構成されている。
【0005】
つまり、カード本体は、第1の外観を呈するレーザマーキングをカード本体に電磁放射が照射されたときに発生させる放射線感受性材料を含む。このようにして、氏名、国籍、日付、国旗、国章、画像又は写真などのオリジナル情報をデータキャリアに書き込むことができる。そして偽造者がデータキャリアに電磁放射を照射することによってこのオリジナル情報を操作しようとする場合、保護要素は、オリジナルのレーザマーキングの外観と異なる外観を呈するレーザマーキングを発生させるように上記電磁放射と相互作用する。この異なる外観によって偽造は容易に明らかになる。その結果、本発明に係る保護要素は偽造に対して強化された保護を与える。
【0006】
カード本体は、好ましくは当技術分野で知られているカード本体に相当する。したがって、カード本体は、少なくとも1つがレーザマーキングの発生下で電磁放射と相互作用するように構成されている1つ以上の層を備える可能性がある。かかる層は本明細書では処理層と呼ばれる。考えられる層は、透明層、好ましくはプラスチック層、特に好ましくはポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、非晶質ポリマー(A‐PET)、コポリエステル(PET‐G)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(boPET)などの熱可塑性層である。
【0007】
電磁放射の照射によって、照射位置において照射された層の黒化が起こることになる。黒化は通常、データキャリアにプラスチック層が使用される場合に、レーザ添加剤により強化されることが多い主に透明層における材料の炭化に基づいている。この技術は標準プロセスであり、プラスチック業界で広く用いられている。本発明に係る少なくとも1つの保護要素がない場合、上記の黒化は正確な及び/又ははっきりした形状のものになる。この正確な形状を本発明においては第1の外観を呈するレーザマーキングと理解することができる。一方、保護要素がある場合、偽造者はもはやこの正確な及び/又ははっきりした形状を有するレーザマーキングを発生させることができない。代わりに、以下で更により詳細に説明されるように、本明細書では第2の外観を呈するレーザマーキングと呼ばれる、乱れた、不鮮明又は不正確な暗色化が起こる。カード本体は、伸長方向について上述の少なくとも1つの処理層より下に配置されている不透明層などの1つ以上の別の層を備える可能性がある。1つ以上の不透明層は、不透明なプラスチック層、例えば不透明なポリカーボネート層に相当する可能性がある。当該技術水準で知られているような別の層も当然考えられる。
【0008】
少なくとも1つの保護要素は、好ましくはカード本体上に、特に好ましくはカード本体の上部、すなわち最上面に設けられる。保護要素をカード本体、特にカード本体の上部に配置することは簡単な塗布という利点をもたらす。実際、オリジナルのレーザマーキングが既に設けられているデータキャリアの上部に単に付加される可能性がある。
【0009】
少なくとも1つの保護要素は、電磁放射と相互作用したときに1種類以上のガスを発生させるように構成される可能性がある。この場合、偽造者がデータキャリアに電磁放射を照射する場合、保護要素は照射された電磁放射とガスの発生下で相互作用することになる。発生したガスは、泡、隆起、強い黒化、際立った色合い、ブリーディング、不鮮明又は不明瞭なレーザマーキングをもたらす可能性がある。
【0010】
少なくとも1つの保護要素は、衝突する電磁放射を回折する及び/又は散乱及び/又は偏向させるように構成される可能性がある。したがって、偽造者がデータキャリア上に電磁放射を照射する場合、保護要素は、例えば照射された電磁放射が拡散又は部分的に反射されるように照射された電磁放射と相互作用することになる。結果として、不鮮明かつ不正確なレーザマーキングが得られる。
【0011】
少なくとも1つの保護要素は、電磁放射、好ましくは電磁スペクトルの紫外領域及び/又は赤外領域の電磁放射を吸収するように構成される可能性がある。偽造者により電磁放射が照射されると、かかる保護要素は照射された電磁放射を少なくとも部分的に遮断することになる。その結果、不鮮明かつ不正確なレーザマーキングが得られる。付加的又は代替的に、少なくとも1つの保護要素は接着力を発揮するように構成される可能性がある。一方、保護要素が接着力を発揮しないことも考えられる。このため、電磁放射を吸収するように構成されている組成物と、その周辺に確立された接着力と比較して低い又は存在すらしない接着力を確立するように構成されている組成物との結合体として保護要素を提供することが好ましい。かかる結合体は先に述べたブリーディング効果をもたらす。実際、ブリーディング効果は、例えば2つの連続する層間に確立される接着性が弱いことと吸収性が強いことが相まって生じる。吸収性が強いため、材料の局部加熱の強化及び結果として生じる材料の燃焼が達成される。このことはひいては、接着性が弱い又は接着性がない領域に広がる(「ブリーディング」)、後のレーザマーキングが明らかになるガス形成及び黒化をもたらす。考えられる化学組成物の例を以下に更に示す。
【0012】
少なくとも1つの保護要素は、好ましくはレーザ反応性顔料、レーザ反応性添加剤、及びレーザ反応性着色剤の少なくとも1つを含む。これらの成分が電磁放射で照射された場合、上述の泡又は隆起をもたらすガスが生成される。これらの成分は市販されており、考えられる成分は、例えばSicpa社が商品番号3Z0U13Fで提供する赤色UV蛍光インクである。
【0013】
データキャリアは、英数字及び/又は画像などの少なくとも1つのパーソナライゼーションアイテムを更に備える可能性があり、パーソナライゼーションアイテムは、少なくとも1つの保護要素と、インク、好ましくはインクジェット用インクとを含む。
【0014】
つまり、衝突する電磁放射を回折する及び/又は散乱及び/又は偏向させるように構成されている保護要素、好ましくはレーザ反応性顔料及び/又はレーザ反応性添加剤及び/又はレーザ反応性着色剤及び/又は粒子を、インクジェットパーソナライゼーションで使用されるインクジェット用インクなどのインクに単に添加することが考えられる。かかるパーソナライゼーションは、好ましくはカード本体の上部に、すなわちカード本体の最上面に印刷される。この場合、カード本体表面からの保護要素、例えば反応媒体の検知されない除去は、パーソナライゼーションが損傷することになるため不可能になり、結果として明らかになる。
【0015】
少なくとも1つの保護要素は、好ましくはワックス、シリコン含有物質、2‐ヒドロキシフェニル‐s‐トリアジン及びその誘導体などのUV吸収剤、IR吸収剤、及び熱硬化性樹脂、好ましくはUV硬化性(メタ)アクリレート、エポキシド及び/又はビニルエーテルを含む化合物などの硬化性熱硬化性樹脂のうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
これらの成分も市販されている。例えばspectraCARD IRB、MSD4800及びMSC3600がIR吸収剤として使用される可能性がある。考えられるUV吸収剤は、BASF社のTinuvin(登録商標)1600として知られている2‐ヒドロキシフェニル‐s‐トリアジン誘導体をベースとするもの、又はBASF社のTinuvin(登録商標)360などのヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールクラスのUV吸収剤、又はSolvay社のCyasorb(登録商標)UV‐3638Fなどのベンゾオキサジノン系UV吸収剤である。特に好ましくは、一方の側のワックス及びシリコン含有物質の1つ以上と、他方の側のUV吸収剤、IR吸収剤及び熱硬化性樹脂の1つ以上との組み合わせが保護要素を提供するのに使用される。つまり、保護要素を化学的に異なる材料の組み合わせとして提供することが特に好ましい。この場合、層間の局部的な接着弱さ(人為的な結合弱さ)が、化学的に異なる組成物を導入することによって作り出される可能性がある。これを背景にして、かかる接着弱さは、接着阻害効果を示す1つ以上のワックス又はシリコン含有物質をベースとした異質層の形で提供される可能性があり、結合剤はUV吸収剤、IR吸収剤及び熱硬化性樹脂をそれぞれベースとする。
【0017】
少なくとも1つの保護要素は、カード本体上のドットグリッドの形態で提供される可能性があり、グリッドを構成するドットは、好ましくはワニス及び少なくとも1つの保護要素を含む。
【0018】
つまり、保護要素はカード本体上に断続的に設けられる可能性があり、好ましくはワニス又はインク層に混合される、具体的には分散される。これはカード本体への保護要素の全面塗布とは対照的である。ドットグリッドは、規則的又は不規則なパターンを生成するように互いに隣接して配置されている個々のドロップに対応する。ワニスは、好ましくは当該技術水準で知られている市販のワニス、例えばプラスチックカード用のインクジェットワニスである。
【0019】
データキャリアは、カード本体上に配置されている1つ以上のカバー層を備える可能性があり、少なくとも1つの保護要素は、1つ以上のカバー層内及び/又は1つ以上のカバー層上に設けられる。
【0020】
したがって、保護要素をドロップの形態で設ける代わりに、保護要素を1つ以上の層内及び/又は1つ以上の層上にそれぞれ設けることも考えられる。これらの1つ以上の層がカード本体上、具体的にはカード本体の最上面に配置される場合、これらの1つ以上の層はカバー層と呼ばれる。
【0021】
1つ以上のカバー層は、好ましくはワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、具体的には非晶質ポリエステル及び/又はコポリエステル及び/又は半結晶性ポリエステルのうちの少なくとも1つを含む。これらの成分もまた当該技術水準で知られている市販の成分である。
【0022】
少なくとも1つの保護要素は、1つ以上のカバー層の表面のインプリントとして、及び/又は1つ以上のカバー層に組み込まれている1つ以上の粒子として設けられる可能性がある。
【0023】
インプリントは、後のレーザマーキングが明確な形状を有さず、上記のように不鮮明又は不明瞭に見えるように、衝突する電磁放射を回折するという目的に役立つ。同様に、1つ以上の粒子は、後のレーザマーキングの場合に衝突する電磁放射の回折をもたらす。1つ以上の粒子は、好ましくはナノ粒子、特に好ましくは二酸化ケイ素及び/又は二酸化チタンである。
【0024】
少なくとも1つの保護要素は、1つ以上の領域における少なくとも2つの後に配置されたカバー層間に設けられる可能性があり、少なくとも1つの保護要素が上記1つ以上の領域における少なくとも2つの後に配置されたカバー層に及ぼした接着力が、少なくとも2つの後に配置されたカバー層間の保護要素が存在しない他の領域間に発現された接着力より小さい。保護要素の周辺が及ぼした接着力より小さい接着力を保護要素が及ぼすのではなく、保護要素が接着力を全く及ぼさない可能性もある。
【0025】
少なくとも1つの保護要素は、上述のように、好ましくはワックス、シリコン含有物質、2‐ヒドロキシフェニル‐s‐トリアジン及びその誘導体などのUV吸収剤、IR吸収剤、及び熱硬化性樹脂、好ましくはUV硬化性(メタ)アクリレート、エポキシド及び/又はビニルエーテルを含む化合物などの硬化性熱硬化性樹脂のうちの少なくとも1つを含む。つまり、カバー層間に人為的な結合弱さを発生させることが好ましい。
【0026】
1つ以上のカバー層に対向するカード本体の表面は、1つ以上の凸部及び凹部を含む可能性がある。これらの凸部及び凹部は、1つ以上のカバー層のカード本体への付着を改善する固定具と見ることができる。上記の凸部及び凹部は、カード本体が発生するときに実行される積層プロセス中に生成される可能性がある。付加的又は代替的に、1つ以上の回折素子がカバー層の1つ以上に設けられる可能性がある。
【0027】
上記の回折素子は、好ましくはデータキャリアの外側に面するカバー層の最上面に生成される。回折素子を設けることはまた、偽造目的の保護要素の除去をより明らかにする。回折素子は、当技術分野で知られている回折構造に相当する可能性がある。例えば、データキャリアを日光の下や照明時に観察するときに虹色又はその他の視覚効果を生じる回折構造が生成される可能性がある。付加的又は代替的に、1つ以上の視覚要素、好ましくは1つ以上のカラー画像、特に好ましくは1つ以上のインクジェットカラー画像がカバー層の1つ以上に設けられる可能性がある。これらの1つ以上の視覚要素は、上述のレーザ反応性媒体又は1つ以上の粒子などの保護要素を含むことが好ましい。
【0028】
データキャリアが保護要素を1つのみ又は2つ以上備え得ることに留意されたい。上記2つ以上の保護要素は同じタイプ又は異なるタイプである可能性がある。
【0029】
更なる態様では、以上で説明したデータキャリアを備えたセキュリティ文書が提供される。セキュリティ文書は、好ましくは身分証明書、パスポート、クレジットカード、紙幣などである。この時点で、データキャリアそれ自体がセキュリティ文書に相当し得ることが理解されるべきである。これはデータキャリアが例えば身分証明書の形態で設けられる場合である。一方、データキャリアをセキュリティ文書に導入する又は組み入れることも考えられる。例えばパスポートの場合、データキャリアは、1つ以上の保護要素を備えたカード本体が配置されるパスポートのページに相当する可能性がある。
【0030】
更なる態様では、データキャリア、好ましくは以上で説明したデータキャリアを製造する方法が提供される。方法は、i)カード本体を設けるステップ、及びii)少なくとも1つの保護要素を設けるステップを含む。カード本体は、第1の外観を呈するレーザマーキングを保護要素がない場合にカード本体の衝突領域にあらかじめ発生させるように、衝突する電磁放射と相互作用するように構成されている。少なくとも1つの保護要素は、第1の外観と異なる第2の外観を呈するレーザマーキングをカード本体に発生させるように、衝突する電磁放射と相互作用するように構成されている。
【0031】
使用時、パスポート機関や銀行などの発行体は、好ましくは第1のステップにおいて第1の外観を呈するレーザマーキング、すなわちオリジナルのレーザマーキングをカード本体に発生させる。後続の第2のステップにおいて、以上で説明した1つ以上の保護要素がカード本体に付加される。保護要素が更なるレーザ操作の外観を変えるため、偽造者による後のレーザマーキングが容易に明らかになる。
【0032】
具体的には、少なくとも1つの保護要素は、混合物を形成するために、ワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、並びにポリエステル、特に非晶質ポリエステル及び/又はコポリエステル及び/又は半結晶性ポリエステルのうちの少なくとも1つに添加される可能性があり、上記の混合物はカード本体に塗布される。付加的又は代替的に、ワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、並びにポリエステル、特に非晶質ポリエステル及び/又はコポリエステル及び/又は半結晶性ポリエステルのうちの少なくとも1つが、1つ以上のカバー層を形成するためにカード本体上に塗布され、少なくとも1つの保護要素が、1つ以上のカバー層の表面のインプリントとして形成される、及び/又はワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、並びにポリエステル、特に非晶質ポリエステル及び/又はコポリエステル及び/又は半結晶性ポリエステルのうちの少なくとも1つが、2つ以上のカバー層を形成するためにカード本体上に塗布される可能性があり、少なくとも1つの保護要素は、少なくとも2つの後に配置されたカバー層間に分かれて設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の好ましい実施形態を、本発明の好ましい実施形態を説明するためのものであって、限定するためのものではない図面を参照して以下で説明する。
【0034】
図1a】画像の形態をとるオリジナルのレーザマーキングを含むデータキャリアの平面図。
図1b】画像の形態をとるオリジナルのレーザマーキング及び眼鏡の形態をとる偽造されたレーザマーキングを含むデータキャリアの平面図。
図1c】画像の形態をとるオリジナルのレーザマーキング、少なくとも1つの保護要素、及び眼鏡の形態をとる偽造されたレーザマーキングを含むデータキャリアの平面図。
図1d】画像の形態をとるオリジナルのレーザマーキング、別の実施形態に係る少なくとも1つの保護要素、及び眼鏡の形態をとる偽造されたレーザマーキングを含むデータキャリアの平面図。
図2】偽造が試みられたときのオリジナルのレーザマーキング及び保護要素を含むデータキャリアの分解断面図。
図3】偽造が試みられたときのオリジナルのレーザマーキング及び別の実施形態に係る保護要素を含む別の実施形態に係るデータキャリアの分解断面図。
図4】偽造が試みられたときのオリジナルのレーザマーキング及び別の実施形態に係る保護要素を含む別の実施形態に係るデータキャリアの分解断面図。
図5】ドットグリッドの形態をとる保護要素を含むデータキャリアの表面の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1a乃至1dは本発明の効果を示すものである。すなわち図1aは、画像の形態をとるレーザマーキングM1を有するカード本体2を備えたデータキャリア1を示している。ここで画像M1は、パスポートや身分証明書などのセキュリティ文書に提供され得る写真に相当する。このデータキャリア1は、オリジナルの、すなわち本物のデータキャリア1に相当する。本発明に係る1つ以上の保護要素3がない場合、偽造者が更なる要素を追加することによって画像の形態の上記レーザマーキングM1を操作する可能性がある。この状況は、偽造者が眼鏡の形態をとる更なるレーザマーキングM2を追加している図1bに示されている。オリジナルのレーザマーキングM1及び偽造されたレーザマーキングM2が、同じ外観A1、ここでは鮮明かつはっきりした構造であるため、偽造が検知されない危険性が高い。一方、本発明に係る少なくとも1つの保護要素3がある場合、偽造されたレーザマーキングM2は、オリジナルのレーザマーキングM1と異なる外観A2であるため(図1c及び1d参照)、偽造されたレーザマーキングとして容易に認識可能になる。つまり、それぞれ図1cに記載の保護要素3を含むデータキャリア1の偽造が泡立、隆起、不鮮明及び曖昧効果を生じさせ、図1dに記載の保護要素3を含むデータキャリア1の偽造が、「ブリーディング」の外観A2を呈するレーザマーキングM2を生じさせる。図2~4を参照して、これらの効果を生じさせる要素をより詳しく説明する。
【0036】
つまり、図2~4は、各ケースにおいてカード本体2を備えたデータキャリア1を示している。そしてカード本体2は、互いの上部に積層されているいくつかの層13、14、15を備える。このため、層13、14、15は当該技術水準で知られている層に相当する。また、層の少なくとも1つ、ここではカード本体2の上層13は、レーザマーキングを発生させるように電磁放射と相互作用するように構成されている材料を含む。したがって、この層13は処理層と呼ばれる。この例では、上記の処理層13は透明なポリカーボネート膜でできている。処理層13の下に、不透明なポリカーボネート膜でできている層14が配置されている。また、上記の不透明な層14の下に、ポリカーボネート膜でできている透明層15が配置されている。したがって、これらの実施形態に示されるカード本体2は、伸長方向Eに沿って続いて配置されている3つの層13、14、15から構成され、最上層13は処理層によって構成されている。図2~4に記載のデータキャリア1は、特にその保護要素3が互いに異なる。これらの例では、保護要素3は、データキャリア1に第1の外観A1を呈するオリジナルのレーザマーキングM1が設けられた後にデータキャリア1に付加されている。
【0037】
図2に記載のデータキャリア1は、データキャリア1の最上面8に、ここでは処理層13の上面8に配置されているカバー層4aを備える。カバー層4aは、ワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、及びポリエステルのうちの少なくとも1つでできており、上面8にインプリント5aの形態をとる保護要素3を備える。上記インプリント5aは通常、衝突する放射Rに影響を及ぼすために、寸法目盛の格子を有するパターンを有するエンボススタンプを使用することによって作られ、後の偽造レーザマーキングの場合に衝突する電磁放射Rを回折したり、散乱及び偏向させたりするように構成されている。この回折、散乱、偏向などによって、オリジナルのレーザマーキングと同じ外観を呈するレーザマーキングを発生させることがもはや不可能になる。代わりに図1cに示す眼鏡M2;A2などの不明瞭で曖昧なレーザマーキングを発生させる。上記のカバー層4aはまた、オリジナルのインクジェットカラー画像の形態をとる視覚要素10を備える。偽造者がカバー層4aを除去することによって保護要素3を取り除こうとする場合、視覚要素10を破壊することによって偽造の試みを明らかにする。保護要素3の除去を明らかにする別の要素は、例えば保護要素3の存在を示す光回折視覚効果を生じさせる回折素子をカバー層4aに設けることである。回折視覚効果は通常、可視光の波長及び衝突する放射Rの波長内にある。それらは部分的に同じ波長の範囲内にある可能性がある。一般的にそれらは表面に互い違いに位置する。
【0038】
図3に記載のデータキャリア1は、データキャリア1の最上面8に、ここではまた処理層13の上面8に配置されているカバー層4aを備える。カバー層4aは、ワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、及びポリエステルのうちの少なくとも1つでできており、カバー層4a内に設けられている保護要素3を備える。上記の保護要素3は、レーザ反応性媒体に及び/又は衝突する電磁放射Rのビームに摂動を与える摂動媒体に相当する可能性がある。前者の場合に係るレーザ反応性媒体は、電磁放射Rとの相互作用時に1種類以上のガスを発生させるように構成されており、レーザ反応性顔料、レーザ反応性添加剤、及びレーザ反応性着色剤のうちの少なくとも1つに相当する。したがって、偽造者が偽造の試みにおいて電磁放射Rを照射する場合、レーザ反応性媒体は、データキャリア1に泡及び隆起をもたらすガスを発生させる。このレーザ反応性媒体はカバー層4aを構成する材料に組み込まれる可能性がある。一方、データキャリア1に、例えばインクジェットカラー写真を構成する視覚要素10を発生させるのに使用されるインクジェット用インクなどに導入される別の成分にレーザ反応性媒体を添加することも考えられる。後者の場合に係る摂動媒体は、衝突する電磁放射Rを回折する、及び/又は散乱及び/又は偏向させるように構成されており、1つ以上の粒子、好ましくはカバー層4aに組み入れられる二酸化ケイ素及び/又は二酸化チタンナノ粒子などのナノ粒子に相当する。偽造の試みにおいて、照射された電磁放射Rは、はっきりした又は鮮明なレーザマーキングの発生を防ぐように上記の粒子による摂動を受けることになる。代わりに不明瞭で曖昧なレーザマーキングが生成される。データキャリア1のカード本体2へのカバー層の付着を強化するために、カバー層4aに対向するカード本体2の表面8、ここでは処理層13の上面8は、いくつかの凸部及び凹部9a、9bを備える。この不規則な表面構造は、カバー層4aと処理層13との間に確立される接着力を強める。その上、カバー層4aが本ケースのようにインクからできた視覚要素10を含む場合、上記の表面構造9a、9bはまた、処理層13の表面8へのインクの付着を高めるインク定着具の役割を果たす。かかる不規則な表面構造が、同様に図2又は図4に記載のデータキャリア1に存在する可能性がある。
【0039】
図4に示すデータキャリア1は、お互いの上に配置されている2つのカバー層4a、4bを備える。下カバー層4aは、図2に記載のデータキャリア1の場合のように、カード本体2の最上面8、ここでは処理層13の上面8に付着されている。図4に記載のデータキャリア1では、2つのカバー層4a、4bはまた、ワニス、インク層、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、及びポリエステルのうちの少なくとも1つを含む。更に、保護要素3は2つのカバー層4a、4b間に配置されている。具体的には保護要素3は、一部の領域6a、6bでは2つのカバー層4a、4b間に保護要素3が存在する一方、他の領域7a、7bでは保護要素3が存在しないように分かれて配置されている。後者の場合、2つのカバー層4a、4bは好ましくは互いの真上にある。カバー層4a、4b間に確立される接着力は、保護要素3が存在しない領域7a、7bと比べて保護要素3が存在する領域6a、6bで低い。保護要素3が存在する領域6a、6bではカバー層4a、4b間に接着力が確立されないことも考えられる。この場合、2つのカバー層4a、4bは、保護要素3がない領域7a、7bに及ぼされる接着力によって結合されている。したがって、低い接着力を提供する又は接着力を提供しない保護要素3がカバー層4a、4b間に結合弱さをもたらすと言える。いずれの場合でも、保護要素3は衝突する電磁放射Rを吸収するように更に構成されている。吸収性が強いため、保護要素3の局部加熱の強化及び結果として生じる保護要素3を構成する材料の材料燃焼が達成される。このいわゆる「ブリーディング」は、例えば図1dに示される黒い縞模様で現れる可能性がある。保護要素3は、好ましくはUV吸収剤、IR吸収剤から選択された1つ以上の化合物と混合されるワックス、シリコン含有化合物及び熱硬化性樹脂を含む。カバー層4a、4b、この例ではカバー層4aのみが、以上で説明したレーザ反応性媒体及び/又は摂動粒子を任意選択で含むオリジナルのインクジェットカラー画像などの視覚要素10も含み得ることに留意されたい。
【0040】
各ケースにおいて本目的を達成するために考察したデータキャリア1は、カバー層4a、4b上に付加される又はカバー層4a、4b内に設けられる保護要素3を備え、カバー層4a、4bは、カード本体2の表面全体にわたり、具体的には処理層13の上面8全体にわたり延在する層である。一方、上記の層4a、4bがカード本体2の表面8に部分的にのみ延在することも考えられる。また、カバー層4a、4b上又はカバー層4a、4b内ではなく、保護要素3はパターン状に、すなわち不連続に設けられる可能性もある。例えばレーザ反応性媒体及び/又は摂動粒子の形態をした保護要素3は、次にカード本体2の最上面8、具体的には処理層13の上面8(図5参照)に分布されるワニスと混合される可能性がある。
【0041】
参照符号の一覧
1 データキャリア
2 カード本体
3 保護要素
4a,4b カバー層
5a,5b インプリント
6a,6b 領域
7a、7b 領域
8 表面
9a 凸部
9b 凹部
10 視覚要素
11 ドットグリッド
12 ドット
13 層
14 層
15 層
R 電磁放射
M1 レーザマーキング
M2 レーザマーキング
A1 第1の外観
A2 第2の外観
E 伸長方向
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5