(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】レーザスペクトルオンライン測定装置及びレーザスペクトルオンライン測定方法
(51)【国際特許分類】
G01J 9/02 20060101AFI20240327BHJP
H01S 3/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G01J9/02
H01S3/00 G
(21)【出願番号】P 2022560159
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2020136825
(87)【国際公開番号】W WO2021196744
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202010244202.6
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】323005533
【氏名又は名称】北京科益虹源光▲電▼技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲広▼▲義▼
(72)【発明者】
【氏名】江 ▲鋭▼
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ ▲暁▼泉
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 江山
(72)【発明者】
【氏名】沙 ▲鵬▼▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】殷 青青
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 華
(72)【発明者】
【氏名】胡 馨月
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-186086(JP,A)
【文献】米国特許第07554667(US,B1)
【文献】国際公開第2019/111315(WO,A1)
【文献】特開2002-122481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 9/00-9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザから出射されたレーザビームに対して均一化処理を行うために用いられる第一光路コンポーネントと、
前記第一光路コンポーネントとともに測定光路を構成し、前記第一光路コンポーネントにより均一化処理されたレーザビームに分散結像を行うために用いられる第二光路コンポーネントと、
を含み、
前記第二光路コンポーネントは、
均一化処理された前記レーザビームがFPエタロンを通過して干渉縞を生成するFPエタロンと、
前記FPエタロンを通過したレーザビームに分散処理を行うために用いられる格子と、
前記測定光路に沿って順に設置された拡散シート、視野絞り及びコリメートレンズと、
前記測定光路に沿って順に設置された第二ミラー、第二集光レンズ及び撮像装置と、
を含み、
前記格子は、前記測定光路において前記FPエタロンの後ろに設置され、又は前記FPエタロンの前に設置され
、
前記拡散シートは、前記第一光路コンポーネントにより均一化処理されたレーザビームに対して発散処理を行うために用いられ、
前記視野絞りは、前記拡散シートにより発散処理されたレーザビームの前記分散結像プロセスにおける結像範囲を制御するために用いられ、
前記コリメートレンズは、前記測定光路において前記FPエタロンの前に設置され、前記FPエタロンに入射するレーザビームのコリメート特性を保証するために用いられる
レーザスペクトルオンライン測定装置。
【請求項2】
前記第一光路コンポーネントは、前記測定光路に沿って順に設置された第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ及び光均一化コンポーネントを含み、
前記第一ビームスプリッタは、レーザから出射された一部のレーザビームを前記第二ビームスプリッタに反射するために用いられ、
前記第二ビームスプリッタは、前記第一ビームスプリッタで反射された一部のレーザビームを前記光均一化コンポーネントに入射するために用いられ、
前記光均一化コンポーネントは、前記第二ビームスプリッタを介して入射されたレーザビームに対して均一化処理を行うために用いられる
請求項1に記載のレーザスペクトルオンライン測定装置。
【請求項3】
前記光均一化コンポーネントは、前記測定光路に沿って順に設置された光学的な光均一化素子、第一集光レンズ及び第一ミラーを含み、
前記光均一化素子は、前記レーザビームを均一化することにより、レーザビームのスポットの不均一性及び方向不安定性によるレーザスペクトル測定への影響を除去するために用いられ、
第一集光レンズは、前記光均一化素子により均一化処理されたレーザビームを前記第一ミラーに集光するために用いられ、
第一ミラーは、前記第一集光レンズにより集光されたレーザビームを前記第二光路コンポーネントに反射するために用いられる
請求項2に記載のレーザスペクトルオンライン測定装置。
【請求項4】
前記第二ビームスプリッタで反射された他の一部のレーザビームの光路に対応して設置され、前記レーザのレーザビームのエネルギーをリアルタイムに測定するために用いられるエネルギー測定コンポーネントをさらに含む
請求項2に記載のレーザスペクトルオンライン測定装置。
【請求項5】
前記第二ミラーは、前記測定光路において前記格子の後ろに設置され、前記格子の分散処理を介したレーザビームを前記第二集光レンズに反射するために用いられ、
前記第二集光レンズは、前記第二ミラーで反射されたレーザビームを前記撮像装置に集光するために用いられ、
前記撮像装置は、前記第二集光レンズを通過したレーザビームを撮像するために用いられる
請求項1に記載のレーザスペクトルオンライン測定装置。
【請求項6】
前記格子は、中階段格子であり、
前記中階段格子のフレア角はαであり、α≧70度である
請求項1に記載のレーザスペクトルオンライン測定装置。
【請求項7】
請求項1-6のいずれか一項に記載のレーザスペクトルオンライン測定装置を用いて、レーザで生成されたレーザビームのスペクトルパラメータに対するオンライン測定を実現する
レーザスペクトルオンライン測定方法。
【請求項8】
取得された前記レーザから出射されたレーザビームの中心波長λは、以下のとおりであり、
【数1】
λgは前記レーザスペクトルオンライン測定装置の前記格子に基づいて取得された前記レーザビームの第一中心波長であり、λfは前記レーザスペクトルオンライン測定装置の前記FPエタロンに基づいて取得された前記レーザビームの第二中心波長であり、kは整数であり、FSRは前記FPエタロンのフリースペクトル範囲であり、
前記レーザビームの中心波長λと前記FPエタロンにより取得された干渉縞の半径r及びその幅drに基づいて、取得された前記レーザビームのスペクトル線幅Δλは以下のとおりであり、
【数2】
fは前記レーザスペクトルオンライン測定装置の第二集光レンズの焦点距離であり、
前記レーザビームのスペクトル線幅Δλに基づいて前記スペクトルパラメータのスペクトル線幅FWHM及びE95を取得する
請求項7に記載のレーザスペクトルオンライン測定方法。
【請求項9】
前記レーザビームのスペクトル線幅Δλに基づいて取得された前記スペクトルパラメータのスペクトル線幅FWHM及びE95は、以下のことを含み、
【数3】
【数4】
dr1、dr2、dr3、dr4、・・・drpは前記FPエタロンの異なる干渉縞の異なる高さでの幅値であり、Δλ1、Δλ2、Δλ3、Δλ4、・・・Δλpはdr1、dr2、dr3、dr4、・・・drpに対応するレーザスペクトルの異なるスペクトル線幅であり、H=[h1h2・・・hphp+1]Tはレーザビームの線幅FWHMの係数であり、E=[e1e2・・・epep+1]TはレーザビームのE95の係数である
請求項8に記載のレーザスペクトルオンライン測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スペクトル測定の技術分野に関し、具体的にはレーザスペクトルオンライン測定装置及びレーザスペクトルオンライン測定方法、レーザに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップの加工分野において、ICチップの特徴サイズに対する要求がますます小さくなるに連れて、フォトリソグラフィー装置の性能に対する要求がますます高くなり、より細い線を実現するために、フォトリソグラフィー装置が採用する光源の中心波長がますます小さくなり、元の365nm水銀ランプから248nm及び193nmのエキシマレーザ光源、及び13.5nmのEUV光源になることが望まれる。そのうち、エキシマレーザは、エネルギーが大きく、線幅が狭く、波長が短く、効率が高いため、半導体チップの加工分野に最も広く応用された光源であり、例えば、KrFエキシマレーザ及びArFエキシマレーザが常用され、中心波長はそれぞれ248nm及び193nmである。
【0003】
フォトリソグラフィー装置の露光過程においてエキシマレーザの中心波長、線幅及びE95等のスペクトルパラメータが安定であることを要求し、そうでなければ露光線が広くなり、チップの良品率が低下することを引き起こす。110nmプロセスノードに対して、レーザの中心波長の安定性が0.05pmより高いことを要求し、28nmプロセスノードに対して、レーザの中心波長の安定性が0.03pmより高いことを要求する。同時に、フォトリソグラフィー装置の投影対物レンズの分散校正能力の制限により、露光光源が非常に狭い線幅を有することを要求し、110nmプロセスノードに対して、一般的にレーザの線幅が0.35pmより小さく、E95が0.75pmより小さいことを要求し、28nmプロセスノードに対して、レーザの線幅が0.2pmより小さく、E95が0.4pmより小さいことを要求する。即ち、フォトリソグラフィー用エキシマレーザ光源が高い波長安定性及び非常に狭い線幅を有することが求められる。
【0004】
このために、エキシマレーザの内部に検出モジュールを設置することができ、レーザの中心波長、線幅及びE95をオンラインでリアルタイムに測定し、レーザのスペクトルパラメータをリアルタイムに測定することができるとともに、レーザがスペクトルパラメータのクローズドループフィードバックを実現するのに重要なパラメータを提供する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様によれば、レーザスペクトルオンライン測定装置を提供し、第一光路コンポーネントと第二光路コンポーネントを含み、第一光路コンポーネントは、レーザから出射されたレーザビームに対して均一化処理を行うために用いられ、第二光路コンポーネントは、第一光路コンポーネントと測定光路を構成し、第一光路コンポーネントにより均一化処理されたレーザビームに分散結像を行うために用いられ、ここで、第二光路コンポーネントは、FPエタロン及び格子を含み、均一化処理されたレーザビームがFPエタロンを通過して干渉縞を生成し、格子は、測定光路においてFPエタロンの後ろに設置され、又は前記FPエタロンの前に設置され、FPエタロンを通過したレーザビームに分散処理を行うために用いられる。前記第二光路コンポーネントは、前記測定光路に沿って順に設置された拡散シート、視野絞り及びコリメートレンズを含む。前記第二光路コンポーネントは、前記測定光路に沿って順に設置された第二ミラー、第二集光レンズ及び撮像装置を含む。前記拡散シートは、前記第一光路コンポーネントにより均一化処理されたレーザビームに対して発散処理を行うために用いられる。前記視野絞りは、前記拡散シートにより発散処理されたレーザビームの前記分散結像プロセスにおける結像範囲を制御するために用いられる。前記コリメートレンズは、前記測定光路において前記FPエタロンの前に設置され、前記FPエタロンに入射するレーザビームのコリメート特性を保証するために用いられる。
【0006】
本開示の実施例によれば、第一光路コンポーネントは、測定光路に沿って順に設置された第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ及び光均一化コンポーネントを含み、第一ビームスプリッタは、レーザから出射された一部のレーザビームを第二ビームスプリッタに反射するために用いられ、第二ビームスプリッタは、第一ビームスプリッタで反射された一部のレーザビームを光均一化コンポーネントに入射するために用いられ、光均一化コンポーネントは、第二ビームスプリッタを介して入射されたレーザビームに対して均一化処理を行うために用いられる。
【0007】
本開示の実施例によれば、光均一化コンポーネントは、測定光路に沿って順に設置された光学的な光均一化素子、第一集光レンズ及び第一ミラーを含み、ここで、光均一化素子は、レーザビームを均一化することにより、レーザビームのスポットの不均一性及び方向不安定性によるレーザスペクトルオンライン測定への影響を除去するために用いられ、第一集光レンズは、光均一化素子により均一化処理された後のレーザビームを第一ミラーに集光するために用いられ、第一ミラーは、第一集光レンズにより集光されたレーザビームを第二光路コンポーネントに反射するために用いられる。
【0008】
本開示の実施例によれば、該レーザスペクトル測定装置は、第二ビームスプリッタで反射された他の一部のレーザビームの光路に対応して設置され、レーザのレーザビームのエネルギーをリアルタイムに測定するために用いられるエネルギー測定コンポーネントをさらに含む。
【0010】
本開示の実施例によれば、第二ミラーは、測定光路において格子の後ろに設置され、格子の分散処理を介したレーザビームを第二集光レンズに反射するために用いられ、第二集光レンズは、第二ミラーで反射されたレーザビームを撮像装置に集光するために用いられ、撮像装置は、第二集光レンズを通過したレーザビームを撮像するために用いられる。
【0011】
本開示の実施例によれば、FPエタロンは、第一光学ミラーと第二光学ミラーを含み、第一光学ミラーの第一光入射面と、FPエタロンに入射するレーザビームの入射方向とは、互いに直交しておらず、第二光学ミラーの第二光入射面と第一光学ミラーの第一バックライト面は互いに平行であり、第二光学ミラーの第二バックライト面とFPエタロンから出射されるレーザビームの出射方向とは互いに直交しない。
【0012】
本開示の実施例によれば、第一光学ミラーの第一バックライト面に第一高反射フィルムがメッキされ、第二光学ミラーの第二光入射面に第二高反射フィルムがメッキされる。
【0013】
本開示の実施例によれば、格子は中階段格子であり、中階段格子のフレア角はαであり、α≧70度である。
【0014】
本開示の他の態様によれば、レーザスペクトルオンライン測定方法を提供し、上記レーザスペクトルオンライン測定方法は、上記レーザスペクトルオンライン測定装置を用いて、レーザで生成されたレーザビームのスペクトルパラメータに対するオンライン測定を実現する。
【0015】
本開示の実施例によれば、レーザスペクトルオンライン測定方法は、以下のことを含む。
【0016】
取得された前記レーザから出射されたレーザビームの中心波長λは、以下のとおりである。
【0017】
【0018】
ここで、λgは前記レーザスペクトルオンライン測定装置の格子に基づいて取得された前記レーザビームの第一中心波長であり、λfは前記レーザスペクトルオンライン測定装置のFPエタロンに基づいて取得されたレーザビームの第二中心波長であり、kは整数であり、FSRはFPエタロンのフリースペクトル範囲である。
【0019】
前記レーザビームの中心波長λと前記FPエタロンにより取得された干渉縞の半径r及びその幅drに基づいて、取得された前記レーザビームのスペクトル線幅Δλは以下のとおりである。
【0020】
【0021】
ここで、fは前記レーザスペクトルオンライン測定装置の第二集光レンズの焦点距離である。
【0022】
前記レーザビームのスペクトル線幅Δλに基づいてスペクトルパラメータのスペクトル線幅FWHM及びE95を取得する。
【0023】
本開示の実施例によれば、レーザビームのスペクトル線幅Δλに基づいてスペクトルパラメータのスペクトル線幅FWHM及びE95を取得することは以下を含む。
【0024】
【0025】
【0026】
ここで、dr1、dr2、dr3、dr4、・・・drpはFPエタロンの異なる干渉縞の異なる高さでの幅値であり、Δλ1、Δλ2、Δλ3、Δλ4、・・・Δλpはdr1、dr2、dr3、dr4、・・・drpに対応するレーザスペクトルの異なるスペクトル線幅であり、H=[h1h2・・・hphp+1]Tはレーザビームの線幅FWHMの係数であり、E=[e1e2・・・epep+1]TはレーザビームのE95の係数である。
【0027】
本開示の他の態様によれば、レーザを提供し、上記のレーザスペクトルオンライン測定装置、放電装置、電源装置、および線幅狭幅装置を含み、放電装置は、レーザスペクトルオンライン測定装置に入射するレーザビームを生成するために使用され、電源装置は、放電装置がレーザビームを発生するように放電装置をポンピングするために使用され、線幅狭幅装置は、線幅が非常に狭いレーザビームを発生するために使用され、レーザビームの中心波長と出力安定性を調整する。ここで、レーザスペクトルオンライン測定装置は、レーザビームのスペクトルパラメータをリアルタイムに監視し、線幅狭幅装置にフィードバックするために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本開示の実施例に係るレーザスペクトルオンライン測定装置の構造概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施例に係るレーザスペクトルオンライン測定方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は、本開示の実施例に係るレーザの構造概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例に係るレーザビームの中心波長及びその対応する干渉縞の分布概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例に係るレーザビームの線幅とE95の計算原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下に具体的な実施例を結合し、かつ図面を参照して、本開示をさらに詳細に説明する。
【0030】
レーザ中心波長及び線幅をオンラインで測定する方法は、主に、Fabry-Perotエタロン(以下FPエタロンと略称する)に基づく測定方法であり、FPエタロン法は体積が小さく、スペクトル分解能が高いため、エキシマレーザの中心波長、線幅及びE95を高精度に測定する一般的な方法である。しかしながら、サブピコメートル(0.2~0.35pm)線幅及び高精度の中心波長測定精度(0.01~0.1pm)を実現するために、一般的にFPエタロンの自由スペクトルが十数から数十ピコメートルであることが要求され、したがってエキシマレーザの波長調整範囲(約400pm)全体をカバーすることができない。
【0031】
従来の技術において、FPエタロンと格子との組み合わせによって中心波長、線幅及びE95を測定し、内部ではビームスプリッタによってレーザのレーザビームを二つのビームに分け、一つがコリメート光路を介して格子に照射し、格子により分散された後に、集光レンズを介してCCDカメラに照射し、中心波長の粗測定に用いられ、もう一つが均一化光路を通過した後にFPエタロンに照射し、FPエタロンにより干渉された後にCCDカメラに入射し、中心波長の精密測定及び線幅とE95の測定に用いられる。上記光路構造の設計により、格子の干渉縞とFPエタロンの干渉縞を同一のCCDに照射させることができるが、依然として光ビームの分岐及び結合を必要とし、それにより光路構造が複雑であり、実装難度が大きく、同時にアルゴリズムに、格子の干渉縞及びFPエタロンの干渉縞の位置情報をそれぞれ計算する必要があり、次にレーザビームの中心波長を計算することができ、計算方法は非常に複雑である。
【0032】
また、二つのFPエタロンを採用してレーザ中心波長、線幅及びE95を測定し、そのうちの一つのFPエタロンは自由スペクトル(400pm)が大きく、中心波長の粗測定に用いられ、もう一つのFPエタロンは自由スペクトル(10pm)が小さく、中心波長の精密測定及び線幅とE95の測定に用いられる。そのためにビームスプリッタを採用してレーザで生成されたレーザビームを二つのビームに分け、さらに二つの光均一化コンポーネント、二つのCCDを追加し、これにより、測定装置の体積を大きくし、コストを高くし、また二つのFPエタロンの中心波長を同時に計算して中心波長の正確値を取得する必要があり、計算量が大きすぎ、二つのFPエタロンのデータが同期しなければならないことを要求し、収集回路に対する要求が高い。
【0033】
最後に、従来では、FPエタロンと格子との直列的な接続という方式が存在し、光ビームはまずFPエタロンを通過し、その後に一つのスリットを介して光ビームを選択し、該スリットを透過した光ビームはコリメート光路を通過した後に格子に照射し、格子により回折された光ビームはさらに別のスリットを通過してPMT(光電子増倍管)に照射する。この時、エキシマレーザの中心波長が変化すれば、PMTの光強度が急速に低下し、それにより中心波長の高精度測定を実現する。しかし、レーザの中心波長が変化する場合、二つのスリットの位置を変更し、又は格子の角度を回転し、FPエタロンの距離を調整し、又はFPエタロンの間の窒素圧力室を変更する必要があり、精度が極めて高い変位ステージ又は圧力制御構造及び高精度のガス制御構造、及び同期制御システムを必要とし、構造が複雑すぎ、コストが高すぎ、動作安定性が悪い。
【0034】
従来の技術におけるレーザスペクトルオンライン測定に応用される光路構造が複雑すぎ、体積が大きすぎ、コストが高すぎ、及び計算量が大きすぎ、動作安定性が低すぎるなどの技術的問題を解決するために、本開示は、レーザスペクトルオンライン測定装置及び方法、レーザを提供する。
【0035】
本開示の一態様は、レーザスペクトルオンライン測定装置4を提供し、
図1に示すように、第一光路コンポーネントG1及び第二光路コンポーネントG2を含み、第一光路コンポーネントG1は、レーザから出射されたレーザビームに対して均一化処理を行うために用いられ、第二光路コンポーネントG2は、第一光路コンポーネントG1により均一化処理された後のレーザビームに分散結像を行うために用いられる。
【0036】
ここで、第二光路コンポーネントG2と第一光路コンポーネントG1は該レーザスペクトルオンライン測定装置4の測定光路を構成し、第二光路コンポーネントG2は該測定光路に沿って第一光路コンポーネントG1の後に設置される。
【0037】
ここで、
図1に示すように、第二光路コンポーネントG2は、FPエタロン15及び格子18を含み、均一化処理されたレーザビームがFPエタロン15を通過して干渉縞を生成し、格子18が測定光路においてFPエタロン15の後に設けられ、即ち該FPエタロン15と格子18は「直列接続」という形式の光路設計を採用する。該格子18はFPエタロン15に対応して設けられ、FPエタロン15を通過したレーザビームに対して分散処理を行うために用いられる。
【0038】
本開示の実施例によれば、格子18は、測定光路においてFPエタロン15の後ろに設置され、又は前記FPエタロン15の前に設置される。当業者であれば理解されるように、本開示のレーザスペクトルオンライン測定装置4に対して、格子18がFPエタロン15の前に設置されると、レーザビームに対する分散処理を実現することができ、次に該レーザビームをFPエタロン15に入射させ、該設定に基づいて得られたレーザビームと、格子18が測定光路においてFPエタロン15の後ろに設置されて得られたレーザビームは、いずれも本開示の実施例のレーザスペクトルオンライン測定を実現することができる。
【0039】
本開示の実施例によれば、具体的には、格子18は、中階段格子であってもよく、異なる波長のレーザビームは格子18を介した分散角が一致せず、これにより、レーザビームに対する大角度分散を実現するために用いられる。ここで、該中階段格子のフレア角はαであり、α≧70度であり、それにより分散効果がより高い。
【0040】
また、該格子は測定光路においてFPエタロンの前に設置されてもよく、これにより、第一光路コンポーネントG1により均一化されたレーザビームは、まずこの格子で分散され、さらにFPエタロンに入って干渉縞を生成する。この干渉-分散の過程は、上記実施例における分散-干渉の過程と比べ、該レーザスペクトルのオンライン測定装置4のスペクトルパラメータの測定が明らかに異なることがない。具体的には、本開示の実施例において、前述の格子が測定光路においてFPエタロンの後に設置されたことを例として、該レーザスペクトルオンライン測定装置4について詳細に説明する。当業者であれば理解されるように、それは特許請求の範囲を限定するものではない。
【0041】
したがって、本開示のFPエタロン15及び格子18の「直列接続」形式の光路設計により、レーザビームが分岐及び結合を必要とせず、測定に必要な全てのスペクトル情報を含む干渉縞を得ることができ、スペクトルパラメータ測定はアルゴリズムが簡単である。レーザビームの中心波長の広い範囲に対する高精度測定、及び相応的な線幅及びE95のスペクトルパラメータに対する正確な測定を実現し、この測定光路において移動部品がなく、構造が簡単でコンパクトであり、測定精度が高く、安定性が高く、その相応的な測定アルゴリズムが簡単で効率的であり、極めて高い科学研究又は商業応用価値を有する。
【0042】
本開示の実施例によれば、
図1に示すように、第一光路コンポーネントG1は、測定光路に沿って順に設置された第一ビームスプリッタ5、第二ビームスプリッタ6、光均一化コンポーネント8を含み、第一ビームスプリッタ5は、レーザから出射された一部のレーザビームを第二ビームスプリッタ6に反射するために用いられ、ここで、レーザから出射されたレーザビームのうち、大きな割合の他の一部のレーザビームが第一ビームスプリッタ5を透過してこのレーザスペクトルオンライン測定装置4の外に直接に出射することができる。第二ビームスプリッタ6は、第一ビームスプリッタ5で反射されたレーザ光の一部を光均一化コンポーネント8に入射させるために用いられる。光均一化コンポーネント8は、第二ビームスプリッタ6を介して入射されたレーザビームを均一化処理するために用いられる。ここで、第一ビームスプリッタ5及び第二ビームスプリッタ6は、板ガラスであってもよく、その材料はCaF2又はエキシマグレードのフューズドシリカであってもよい。また、第一ビームスプリッタ5と第二ビームスプリッタ6の外表面にコーティングを行わず、両者の耐用年数をより長く確保することができる。
【0043】
本開示の実施例によれば、
図1に示すように、レーザスペクトルオンライン測定装置4はさらに、第二ビームスプリッタ6で反射された他の一部のレーザビームの光路に対応して設置され、レーザから出射されたレーザビームのエネルギーをリアルタイムに測定するために用いられるエネルギー測定コンポーネント7を含む。具体的には、第一ビームスプリッタ5で反射された大きな割合の一部のレーザビームは、第二ビームスプリッタ6を透過した後に光均一化コンポーネント8に入射し、少ない割合の他の一部のレーザビームは、第二ビームスプリッタ6により他の光路に反射し、該光路はレーザビームのエネルギーを測定するために用いられる。エネルギー測定コンポーネント7は、該光路に対応して設置され、具体的にはエネルギー検出器又はフォトダイオードで構成された構造コンポーネントであってもよく、これにより、第二ビームスプリッタ6で反射されたレーザビームを受信し、レーザがレーザビームを出射する時、該レーザビームのエネルギーをリアルタイムに測定するために用いられる。
【0044】
本開示の実施例によれば、
図1に示すように、光均一化コンポーネント8は、測定光路に沿って順に設置された光学光均一化素子9、第一集光レンズ10及び第一ミラー11を含む。ここで、光均一化素子9は、マイクロレンズアレイ又は積分棒であってもよく、第二ビームスプリッタ6により入射されたレーザビームを均一化することにより、該レーザビームのスポットの不均一性及び方向不安定性によるレーザスペクトルオンライン測定への影響を除去するために用いられる。第一集光ミラー10は、光学光均一化素子9によって均一化処理されたレーザビームを第一ミラー11に集光するために用いられる。第一ミラー11の光入射面に一層の高反射膜をメッキすることができ、第一集光レンズ10により集光されたレーザビームを第二光路コンポーネントG2に反射するために用いられ、第一ミラー11は、測定光路の構造設計を変更することにより、その構造がよりコンパクトになり、該レーザスペクトルオンライン測定装置の体積を小型化することに役立つ。
【0045】
本開示の実施例によれば、
図1に示すように、第二光路コンポーネントG2は、測定光路に沿って順に設置された拡散シート12、視野絞り13、コリメートレンズ14を含む。ここで、拡散シート12は、第一光路コンポーネントG1の光均一化コンポーネント8により均一化処理されたレーザビームを発散させるために用いられ、具体的には、このレーザビームは、第一ミラー11により反射されて拡散シート12の光入射面に入射する。視野絞り13は、拡散シート12により発散処理されたレーザビームの分散結像プロセスにおける結像範囲を制御するために用いられ、レーザビームは最後に測定光路を通過して、撮像装置に照射され、かつ撮像装置により捕捉されて干渉画像を形成し、視野絞り13は、撮像装置での撮像範囲を制御するために用いられる。コリメートレンズ14は測定光路においてFPエタロン15の前に設置され、FPエタロン15に入射するレーザビームのコリメート特性を保証するために用いられる。
【0046】
本開示の実施例によれば、
図1に示すように、第二光路コンポーネントG2は、さらに、測定光路に沿って順に設置された第二ミラー19、第二集光レンズ20、撮像装置21を含む。ここで、第二ミラー19は、測定光路において格子18の後に設置され、格子18により分散処理されたレーザビームを第二集光ミラー20に反射するために用いられる。第二集光ミラー20は、第二反射ミラー19により反射されたレーザビームを撮像装置21に集光するために用いられ、該撮像装置21は、レーザビームの捕捉又は受信機能を有するCCDカメラであってもよく、CCDカメラは、レーザビームに対する干渉-分散撮像を実現するために用いられる。撮像装置21は、第二集光ミラー20を通過して入射されたレーザビームを撮像するために用いられる。ここで、第二ミラー19は、さらに測定光路の構造設計を変更することにより、その構造がよりコンパクトであり、このレーザスペクトルオンライン測定装置のさらなる小型化に役立つ。
【0047】
本開示の実施例によれば、
図1に示すように、FPエタロン15は、第一光学ミラー16及び第二光学ミラー17を含み、第一光学ミラー16と第二光学ミラー17は、形状構造が同じであり、高さが互いに平行に設置されたミラーであってもよく、具体的には、断面が直角台形である平板構造であってもよく、各ミラーはいずれも光入射面及び光出射面を含む。ここで、第一光学ミラー16の第一光入射面とFPエタロン15に入射するレーザビームの入射方向とは互いに垂直しなく、第二光学ミラー17の第二光入射面と第一光学ミラー16の第一バックライト面とは互いに平行であり、第二光学ミラー17の第二バックライト面とFPエタロン15から出射されたレーザビームの出射方向とは互いに垂直しない。換言すれば、第一光学ミラー16の第一光入射面と第二光学ミラー17の第二光出射面とは互いに平行であってもよい。具体的には、コリメートレンズ14によりコリメートに入射されたレーザビームは、FPエタロンに入り、該第一光学ミラー16の第一光入射面に入射し、入射方向は該コリメートレンズ14が入射する方向である。レーザビームは、第一光学ミラー16に入り、かつ第一光学ミラー16の第一光出射面を通過して出射され、第一光学ミラー16の第一光出射面と第二光学ミラー17の第二光入射面との間の隙間に入り、該隙間において第一光学ミラー16の第一光出射面と第二光学ミラー17の第二光入射面とにより複数回繰り返して反射され、最後に第二光学ミラー17を通過して、該第二光学ミラー17の第二光出射面から出射され、即ち、該FPエタロン15から格子18に出射され、該レーザビームの出射方向は格子18に入射する方向である。
【0048】
本開示の実施例によれば、第一光学ミラー16の第一バックライト面に第一高反射膜がメッキされ、第二光学ミラー17の第二入射面に第二高反射膜がメッキされる。FPエタロン15は、高精密な光学素子として、そのメッキされた高反射膜の膜層反射係数は一般的に95%より大きい必要があり、それにより光ビームがFPエタロン15に入射する時、この二つの高反射膜により複数回反射され、マルチビーム干渉が発生する。
【0049】
本開示は、FPエタロンと格子の測定光路での「直列接続」設置により、レーザビームの中心波長の広い範囲に対する高精度測定、及び相応的な線幅とE95のスペクトルパラメータに対する正確な測定を実現し、該測定光路に移動部品がなく、構造が簡単でコンパクトで、測定精度が高く、安定性が高く、その相応的な測定アルゴリズムが簡単で効率的であり、極めて高い科学研究又は商業応用価値を有する。
【0050】
本開示のさらに別の態様は、レーザスペクトルオンライン測定方法を提供し、上記レーザスペクトルオンライン測定装置に応用され、レーザにより生成されたレーザビームのスペクトルパラメータに対するオンライン測定を実現する。
【0051】
具体的には、該スペクトルパラメータは、レーザビームのエネルギー、中心波長、線幅及びE95などのパラメータを含むことができる。以下、上記
図1又は
図3に示すようなレーザスペクトルオンライン測定装置4により測定された放電装置1から出射されたレーザビームのスペクトルパラメータを例として、このレーザスペクトルオンライン測定の計算方法をさらに説明する。
【0052】
図2に示すように、本開示の実施例によれば、レーザスペクトルオンライン測定方法は、ステップS210-S230を含むことができる。
【0053】
ステップS210において、レーザから出射されたレーザビームの中心波長を取得する。
【0054】
まず、FPエタロン15に対して、入射された光ビームは以下の式(1)を満たす。
【0055】
【0056】
ここでλfはレーザの第二中心波長であり、nはFPエタロン15内のガスの屈折率であり、dはFPエタロン15の第一光学ミラー16と第二光学ミラー17との間の間隔であり、mはFPエタロン15の撮像装置21で取得された干渉縞の次数であり、θはFPエタロン15のレーザビームの出射角であり、このFPエタロン15に対応するレーザビームの第二中心波長は式(2)を満たす。
【0057】
【0058】
ここで、rは撮像装置21上で取得されたFPエタロン15に対応する干渉縞の半径であり、fは第二集光レンズ20の焦点距離である。
【0059】
また、格子18に入射するレーザビームの第一中心波長は、格子の式(3)を満たす。
【0060】
【0061】
ここで、dgは格子定数であり、mgは格子次数であり、θgはレーザビームが格子18に入射する入射角であり、βgは格子18からのレーザビームの出射角である。これから分かるように、波長λgの変化は出射角βgに比例し、すなわち式(4)を満たす。
【0062】
【0063】
ここで、kgは格子の角度分散係数である。
【0064】
換言すれば、FPエタロン15により干渉されて生成された干渉縞は、格子18の回折効果によりdβ
gだけ平行移動される。
図4に示すように、該干渉縞の中心オフセット量がd
cである場合、上記式(3)はさらに以下の式(5)に変換することができる。
【0065】
【0066】
ここで、dc/fは、格子の線形分散係数である。該第一中心波長λgは、格子18を通過したレーザビームの中心波長の粗測定結果である。FPエタロン15により測定されたこのレーザビームの第二中心波長λf(すなわち式(2))に基づいて、FPエタロン15の自由スペクトルがFSRであると仮定すると、該レーザビームの実際の中心波長は以下の式(6)を満たす。
【0067】
【0068】
ここで、kは整数であり、該式(6)のλは即ち上記測定すべきレーザビームの中心波長の正確値である。これにより、レーザビームの中心波長をリアルタイムに監視することを実現することができ、上記式(6)のλを
図3に示すレーザの線幅狭幅装置3にフィードバックし、レーザビームの中心波長に対するクローズドループフィードバックを実現することもできる。
【0069】
ステップS220において、FPエタロンに基づいて取得された干渉縞の半径及びその幅に基づいて、レーザビームのスペクトル線幅Δλを取得する。
【0070】
また、測定すべきレーザビームの線幅FWHM及びE95は、FPエタロンの干渉縞の幅drに関する関数である。ここでレーザスペクトルのスペクトル線幅Δλと干渉縞の幅drとの間の変化関係は式(7)を満たす。
【0071】
【0072】
ステップS230において、レーザビームのスペクトル線幅に基づいてスペクトルパラメータのスペクトル線幅FWHM及びE95を取得する。
【0073】
レーザの線幅FWHM及びE95を正確に測定するとともに、積分演算を回避するために、FPエタロンの異なる干渉縞の異なる高さの幅値d
r1、d
r2、d
r3、d
r4、・・・d
rpを取り、上記式(7)に代入し、レーザスペクトルの異なるスペクトル線幅Δλ
1、Δλ
2、Δλ
3、Δλ
4、・・・Δλ
pを計算し、
図5に示すように、この時にレーザビームの線幅FWHM及びE95は、以下の式(8)及び式(9)を表すことができる。
【0074】
【0075】
【0076】
ここで、H=[h1h2・・・hphp+1]Tはレーザビームの線幅FWHMの係数である。E=[e1e2・・・epep+1]TはレーザビームのE95の係数である。
【0077】
上記式(8)及び式(9)における対応するレーザビームの線幅FWHM係数H及びE95係数Eについて、i組の線幅及びE95の真値(i≧p+1)を測定し、i組の線幅FWHM、E95及び対応する異なる高さのスペクトル線幅値Δλ1、Δλ2、Δλ3、Δλ4、・・・Δλpを得て、以下の式(10)及び式(11)を確立する。
【0078】
【0079】
【0080】
上記式(10)及び式(11)に基づいて、最小二乗法又は多元線形回帰などの方法により、測定すべきレーザビームの線幅FWHM係数H及びE95係数Eを取得することができる。具体的には、上記式(10)及び式(11)の線幅FWHM係数H及びE95係数Eを、式(8)及び式(9)に代入すれば、レーザビームの線幅FWHM及びE95をリアルタイムに計算することができ、かつレーザにフィードバックすることにより、放電遅延時間の制御によりレーザ線幅FWHM及びE95のクローズドループフィードバックを実現することができる。
【0081】
本開示の他の態様は、レーザを提供し、
図3に示すように、このレーザは、上記レーザスペクトルオンライン測定装置4及び放電装置1、電源装置2、線幅狭幅装置3を含む。ここで、放電装置1は、放電キャビティを含み、放電キャビティの内部にフッ素ガス(F
2)又は不活性ガス(例えばアルゴンガスA
r又はクリプトンガスK
rなど)などを含み、電源装置2の高圧ポンプを通過した後、レーザスペクトルオンライン測定装置に入射するレーザビーム、例えば中心波長が193nm又は248nmであるレーザビームを生成するために用いられる。電源装置2は高圧電源を含み、放電装置1の放電キャビティに対して高圧ポンプを行うことにより放電装置1がレーザビームを生成するために用いられる。線幅狭幅装置3は、線幅狭幅モジュールを含み、極めて狭い線幅のレーザビームを生成し、レーザビームの中心波長及び出力安定性を調整するために用いられる。レーザスペクトルオンライン測定装置4は、放電装置1から出射されたレーザビームのスペクトルパラメータをリアルタイムに監視し、かつ線幅狭幅装置にリアルタイムにフィードバックするために用いられる。
【0082】
具体的には、レーザにはオンラインフィードバック制御装置を設置することができ、記憶モジュール及び制御モジュールを含み、記憶モジュールは、例えばレーザビームのエネルギー、中心波長、線幅及びE95パラメータなどの、レーザスペクトルオンライン測定装置4が測定したレーザスペクトルパラメータを記憶するために用いられる。制御モジュールは、上記記憶モジュールの記憶データと対照パラメータとの比較に基づいて、上記スペクトルパラメータを線幅狭幅装置3にフィードバックすることにより、レーザが安定したレーザビームで出力するように制御し、レーザの状態監視及びクローズドループフィードバックを実現する。
【0083】
ここで、レーザスペクトルオンライン測定装置4は、具体的に上記開示内容に基づくことができ、ここで繰り返し説明しない。また、本開示のレーザは高周波エキシマレーザであってもよい。
【0084】
したがって、本開示のレーザスペクトルオンライン測定装置に基づいて、該レーザスペクトルオンライン測定方法は干渉縞の中心及びピークを処理するだけで、測定すべきレーザビームの中心波長、線幅及びE95を直接に取得することができ、該レーザスペクトルオンライン測定装置の光路設計構造が簡単であり、測定方法が簡単で実用的であり、測定精度が極めて高く、極めて大きい科学研究及び商業的価値を有する。
【0085】
以上に述べた具体的な実施例は、本開示の目的、技術案及び有益な効果をさらに詳細に説明し、理解すべきこととして、以上の記載は本開示の具体的な実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神及び原則内で行われたいかなる修正、等同置換、改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。