(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/22 20240101AFI20240328BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
B60K35/22
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2021553483
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2020039506
(87)【国際公開番号】W WO2021085260
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】P 2019197417
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020163020
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】矢田 直人
【審査官】中野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-206275(JP,A)
【文献】特開2018-200533(JP,A)
【文献】特表2019-516156(JP,A)
【文献】特開2013-105192(JP,A)
【文献】特開2012-094109(JP,A)
【文献】特開2018-124792(JP,A)
【文献】特開2012-068823(JP,A)
【文献】特開2019-075022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部と、
画像を表示するディスプレイ
を収容するケース部材に板バネが取り付けられ、前記板バネが前記支持部に取り付けられることにより、前記支持部に振動可能に支持される振動表示部とを備え、
前記振動表示部には、前記ディスプレイを覆うとともに使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサが前記タッチ操作を検出すると前記振動表示部を振動させる駆動部とが設けられ
、
前記ケース部材は、前記支持部に対応するように設けられる基部を備え、
前記基部には、前記支持部に向けて突出形成された突出部が設けられ、
前記突出部に緩衝部材を固定するとともに前記支持部には前記緩衝部材を取り囲む障壁部が設けられていることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
支持部と、
画像を表示する
ディスプレイを収容するケース部材に板バネが取り付けられ、前記板バネが前記支持部に取り付けられることにより、前記支持部に振動可能に支持される振動表示部とを備え、
前記振動表示部には、前
記ディスプレイを覆うとともに使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサが前記タッチ操作を検出すると前記振動表示部を振動させる駆動部とが設けられ
、
前記ケース部材は、前記支持部に対応するように設けられる基部を備え、
前記支持部には、前記基部に向けて突出形成された突出部が設けられ、
前記突出部に緩衝部材を固定するとともに前記基部には前記緩衝部材を取り囲む障壁部が設けられていることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項3】
支持部と、
画像を表示する
複数のディスプレイが設けられ、前記複数のディスプレイを収容するケース部材に
複数の板バネが取り付けられ
るとともに複数の前記板バネが前記支持部に取り付けられることにより、前記支持部に振動可能に支持される振動表示部とを備え、
前記振動表示部には、前記
複数のディスプレイのうち少なくとも1つのディスプレイを覆うとともに使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサが前記タッチ操作を検出すると前記振動表示部を振動させる駆動部とが設けられ
、
前記ケース部材は、前記支持部に対応するように設けられる基部を備え、
前記基部には、前記支持部に向けて突出形成された突出部が設けられ、
前記突出部に緩衝部材を固定するとともに前記支持部には前記緩衝部材を取り囲む障壁部が設けられていることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項4】
支持部と、
画像を表示する複数のディスプレイが設けられ、前記複数のディスプレイを収容するケース部材に複数の板バネが取り付けられるとともに複数の前記板バネが前記支持部に取り付けられることにより、前記支持部に振動可能に支持される振動表示部とを備え、
前記振動表示部には、前記複数のディスプレイのうち少なくとも1つのディスプレイを覆うとともに使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサが前記タッチ操作を検出すると前記振動表示部を振動させる駆動部とが設けられ
、
前記ケース部材は、前記支持部に対応するように設けられる基部を備え、
前記支持部には、前記基部に向けて突出形成された突出部が設けられ、
前記突出部に緩衝部材を固定するとともに前記基部には前記緩衝部材を取り囲む障壁部が設けられていることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項5】
前記板バネは、前記ディスプレイに取り付けられる第一の取付片と、前記支持部に取り付けられる第二の取付片と、前記第一の取付片及び前記第二の取付片を連結する連結片とを備え、
複数の前記板バネは、前記連結片の向きが揃って設けられていることを特徴とする請求項
3又は請求項4に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記駆動部は、前記振動表示部を左右方向に振動させ、
複数の前記板バネは、前記振動表示部の重心位置を通り左右方向に延びる直線から略等距離の位置に上下対になって設けられていることを特徴とする請求項
3乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記駆動部は、前記ディスプレイに複数設けられ、
複数の前記駆動部は、前記振動表示部を左右方向に振動させるとともに、前記振動表示部の重心位置を通り左右方向に延びる直線上に、又は、前記直線から略等距離の位置に上下対になって設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
前記ケース部材を収容する収容部材を備え、
前記ケース部材の周壁部と前記収容部材との間に緩衝部材を介在させる構成としたことを特徴とする
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項9】
前記支持部には前記駆動部の駆動時に出力される振動波形を打ち消すための他の駆動部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項
8のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者によるタッチ操作を検出し、その検出を使用者に振動でフィードバックする車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者によるタッチ操作を検出し、その検出を使用者に振動でフィードバックするハプティクス機能を有する表示装置が知られている。例えば特許文献1に記載の触覚伝達装置では、携帯情報端末等の電子機器の表示部(ディスプレイ)を含むタッチ入力モジュールが、表示部のタッチ操作面に交差する弾性厚さを有する弾性ゴム材により筐体に支持され、振動アクチュエータによりタッチ操作面に沿った横振動をして触覚フィードバックを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の触覚伝達装置では、タッチ入力モジュールが弾性ゴム材により筐体に支持されているが、車両において、複数(もしくは単一)のディスプレイが設けられて使用者のタッチ操作により振動する大型の振動表示部を弾性ゴム材により支持しようとすると、支持と振動を両立させる弾性ゴム材の設計が難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ディスプレイが設けられて重量がある振動表示部を弾性ゴム材によらずに振動可能に支持することができる車両用表示装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、支持部と、画像を表示するディスプレイを収容するケース部材に板バネが取り付けられ、前記板バネが前記支持部に取り付けられることにより、前記支持部に振動可能に支持される振動表示部とを備え、前記振動表示部には、前記ディスプレイを覆うとともに使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサが前記タッチ操作を検出すると前記振動表示部を振動させる駆動部とが設けられ、前記ケース部材は、前記支持部に対応するように設けられる基部を備え、前記基部には、前記支持部に向けて突出形成された突出部が設けられ、前記突出部に緩衝部材を固定するとともに前記支持部には前記緩衝部材を取り囲む障壁部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、支持部と、画像を表示するディスプレイを収容するケース部材に板バネが取り付けられ、前記板バネが前記支持部に取り付けられることにより、前記支持部に振動可能に支持される振動表示部とを備え、前記振動表示部には、前記ディスプレイを覆うとともに使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサが前記タッチ操作を検出すると前記振動表示部を振動させる駆動部とが設けられ、前記ケース部材は、前記支持部に対応するように設けられる基部を備え、前記支持部には、前記基部に向けて突出形成された突出部が設けられ、前記突出部に緩衝部材を固定するとともに前記基部には前記緩衝部材を取り囲む障壁部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、支持部と、画像を表示する複数のディスプレイが設けられ、前記複数のディスプレイを収容するケース部材に複数の板バネが取り付けられるとともに複数の前記板バネが前記支持部に取り付けられることにより、前記支持部に振動可能に支持される振動表示部とを備え、前記振動表示部には、前記複数のディスプレイのうち少なくとも1つのディスプレイを覆うとともに使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサが前記タッチ操作を検出すると前記振動表示部を振動させる駆動部とが設けられ、前記ケース部材は、前記支持部に対応するように設けられる基部を備え、前記基部には、前記支持部に向けて突出形成された突出部が設けられ、前記突出部に緩衝部材を固定するとともに前記支持部には前記緩衝部材を取り囲む障壁部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、支持部と、画像を表示する複数のディスプレイが設けられ、前記複数のディスプレイを収容するケース部材に複数の板バネが取り付けられるとともに複数の前記板バネが前記支持部に取り付けられることにより、前記支持部に振動可能に支持される振動表示部とを備え、前記振動表示部には、前記複数のディスプレイのうち少なくとも1つのディスプレイを覆うとともに使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサが前記タッチ操作を検出すると前記振動表示部を振動させる駆動部とが設けられ、前記ケース部材は、前記支持部に対応するように設けられる基部を備え、前記支持部には、前記基部に向けて突出形成された突出部が設けられ、前記突出部に緩衝部材を固定するとともに前記基部には前記緩衝部材を取り囲む障壁部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記板バネは、前記ディスプレイに取り付けられる第一の取付片と、前記支持部に取り付けられる第二の取付片と、前記第一の取付片及び前記第二の取付片を連結する連結片とを備え、複数の前記板バネは、前記連結片の向きが揃って設けられていることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記駆動部は、前記振動表示部を左右方向に振動させ、複数の前記板バネは、前記振動表示部の重心位置を通り左右方向に延びる直線から略等距離の位置に上下対になって設けられていることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記駆動部は、前記ディスプレイに複数設けられ、複数の前記駆動部は、前記振動表示部を左右方向に振動させるとともに、前記振動表示部の重心位置を通り左右方向に延びる直線上に、又は、前記直線から略等距離の位置に上下対になって設けられていることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記ケース部材を収容する収容部材を備え、前記ケース部材の周壁部と前記収容部材との間に緩衝部材を介在させる構成としたことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記支持部には前記駆動部の駆動時に出力される振動波形を打ち消すための他の駆動部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る車両用表示装置によれば、ディスプレイが設けられて重量がある振動表示部を弾性ゴム材によらずに振動可能に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態による車両用表示装置の正面図である。
【
図2】
図1の車両用表示装置のA-A線に沿った断面図である。
【
図3】
図1の車両用表示装置の板バネを示す斜視図である。
【
図4】
図2のBの箇所を拡大して示す説明図である。
【
図5】
図2のCの箇所を拡大して示す説明図である。
【
図6】
図2のDの箇所を拡大して示す説明図である。
【
図7】
図1の車両用表示装置のディスプレイ部を示す背面図である。
【
図8】同実施形態の変形例1による車両用表示装置の断面図である(
図1中、デイスプレイ26にある板バネの設置位置を横切る車両用表示装置の横断面図である)。
【
図9】
図8のEの箇所を拡大して示す要部拡大断面図である。
【
図10】同実施形態の変形例2による車両用表示装置の断面図である。
【
図11】同実施形態の変形例3による車両用表示装置の断面図である。
【
図12】同実施形態の変形例4による車両用表示装置の断面図である。
【
図13】同実施形態の変形例4による駆動部の振動波形と他の駆動部の振動波形とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための一実施形態について、
図1~
図7に基づいて説明する。
【0020】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態に係る車両用表示装置1は、図示を略す車両のクラスターに設けられ、車両に設けられる車体側支持体2と、車体側支持体2に板バネ3を介して支持されるディスプレイ部4とを備える。
【0021】
車体側支持体2は、前側(
図1において紙面手前側、
図2において上側)が開口する箱状を呈し、ディスプレイ部4が取り付けられる背面板5と、背面板5の上縁から前方に延在する天面板6と、背面板5の下縁から前方に延在する底面板7と、背面板5の左右の側縁から前方に延在する側面板8,9とを有する。なお、ここでの車体側支持体2は、車体のフレームから延出する金属製の取付ステーに取り付けられた金属製のベース部材(ベース板)として構成される。
【0022】
背面板5は、車両の運転席に座る運転者と略正対する平板状のセンター部10と、センター部10の左縁から前方に起立し、さらに左方に折曲してセンター部10から遠ざかるにつれて前方に(センター部10に対して斜めに)延在するウイング部11と、センター部10の右縁から前方に起立し、さらに右方に折曲してセンター部10から遠ざかるにつれて前方に(センター部10に対して斜めに)延在するウイング部12とを有する。
【0023】
板バネ3は、
図3に示すように、帯状の金属板の長手方向の2か所が略直角に山折りと谷折りされてなり、取付片13,14と、取付片13,14を連結する連結片15とを備える。取付片13,14には、円形の挿通穴16,17がそれぞれ設けられ、背面板5のセンター部10には、
図4に示すように、その挿通穴17と重なり合うネジ穴18が設けられている。
【0024】
また、ウイング部11には、
図5に示すように、台座19が形成され、台座19には、センター部10と略平行で取付片14が取り付けられる取付面20、及び、挿通穴17と重なり合うネジ穴21が設けられている。ウイング部12には、
図6に示すように、凹部22が形成され、凹部22には、センター部10と略平行で取付片14が取り付けられる取付面23、及び、挿通穴17と重なり合うネジ穴24が設けられている。
【0025】
ディスプレイ部4は、ディスプレイ支持体25と、ディスプレイ支持体25の背面側(後ろ側)に支持された3つのディスプレイ(表示手段)26,27,28と、使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサ29が略全面に貼着されたカバーレンズ30とを備える。
【0026】
ディスプレイ支持体25は、ディスプレイ26,27,28の表示を覆い隠さない印刷シートが透明部材に貼着されてなり、ディスプレイ部4が車体側支持体2に支持されたときに、センター部10の前方でセンター部10と略平行に配置される平板状のセンター部31と、ウイング部11の前方に配置される湾曲板状のウイング部32と、ウイング部12の前方に配置される湾曲板状のウイング部33とを有する。
【0027】
ディスプレイ26は、センター部31に設けられ、車両のメーターパネルの画像を表示する。ディスプレイ27は、ウイング部32に設けられ、電子ドアミラーの画像等を表示し、ディスプレイ28は、ウイング部33に設けられ、CID(Center Information Display)として機能する。このように本例の場合、ディスプレイ26,27,28は、所定情報(画像等)を表示可能な表示媒体として構成される。ディスプレイ26,27,28の表示は、センター部10、ウイング部11又はウイング部12の背面側に設けられた図示を略す制御基板により制御される。なお、ディスプレイ26は、後述する特許請求の範囲の請求項1に記載されているディスプレイに相当する。
【0028】
図7に示すように、ディスプレイ26の背面には、使用者によるタッチ操作をタッチセンサ29が検出するとディスプレイ部4を左右方向に振動させる6つのアクチュエータ34,35,36,37,38,39が設けられている。アクチュエータ34,35は、ディスプレイ部4の重心位置Gを通り左右方向に延びる直線Lから略等距離の位置に上下対になって設けられ、アクチュエータ36,37は、直線L上に設けられ、アクチュエータ38,39は、直線Lから略等距離の位置に上下対になって設けられている。
【0029】
また、ディスプレイ26の背面には、4つの板バネ3が直線Lから略等距離の位置に2つずつ上下対になって設けられ、ディスプレイ27の背面には、2つの板バネ3が直線Lから略等距離の位置に上下対になって設けられ、ディスプレイ28の背面には、4つの板バネ3が直線Lから略等距離の位置に2つずつ上下対になって設けられている。
【0030】
詳しくは、ディスプレイ26の背面には、挿通穴16と重なり合うネジ穴40が設けられ(
図4)、図示を略すネジが挿通穴16を挿通してネジ穴40にネジ止めされることにより、取付片13がディスプレイ26に取り付けられる。
【0031】
一方、ディスプレイ27の背面には、台座41が形成され、台座41には、センター部31と略平行で取付片13が取り付けられる取付面42、及び、挿通穴16と重なり合うネジ穴43が設けられ(
図5)、図示を略すネジが挿通穴16を挿通してネジ穴43にネジ止めされることにより、取付片13がディスプレイ27に取り付けられる。
【0032】
同様に、ディスプレイ28の背面には、台座44が形成され、台座44には、センター部31と略平行で取付片13が取り付けられる取付面45、及び、挿通穴16と重なり合うネジ穴46が設けられ(
図6)、図示を略すネジが挿通穴16を挿通してネジ穴46にネジ止めされることにより、取付片13がディスプレイ28に取り付けられる。
【0033】
ディスプレイ部4は、ディスプレイ26に取り付けられた板バネ3の挿通穴17を図示を略すネジが挿通してネジ穴18にネジ止めされ、ディスプレイ27に取り付けられた板バネ3の挿通穴17を図示を略すネジが挿通してネジ穴21にネジ止めされ、ディスプレイ28に取り付けられた板バネ3の挿通穴17を図示を略すネジが挿通してネジ穴24にネジ止めされることにより、車体側支持体2に支持される。
【0034】
この状態で、車体側支持体2の天面板6、底面板7及び側面板8,9はカバーレンズ30の背面に当接し、各板バネ3は、連結片15の向きが、連結片15の法線方向が左右方向となり揃っている。
【0035】
本実施の形態に係る車両用表示装置1は、車両に設けられる車体側支持体2と、画像を表示するディスプレイ26,27,28が設けられ、ディスプレイ26,27,28のそれぞれに板バネ3が取り付けられ、各板バネ3が車体側支持体2に取り付けられることにより、車体側支持体2に振動可能に支持されるディスプレイ部4とを備え、ディスプレイ部4には、ディスプレイ26,27,28を覆うとともに、使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサ29と、タッチセンサ29がタッチ操作を検出するとディスプレイ部4を振動させるアクチュエータ34,35,36,37,38,39とが設けられているので、重量物であるディスプレイ26,27,28のそれぞれを、変形しやすい方向と変形しにくい方向とがある板バネ3を重量がかかる鉛直方向は変形しにくく、振動方向は変形しやすい向きに配置して支持することが可能で、複数のディスプレイが設けられて重量があるディスプレイ部4を弾性ゴム材によらずに振動可能に支持することができる。
【0036】
本実施の形態では、板バネ3は、ディスプレイ26,27,28に取り付けられる取付片13と、車体側支持体2に取り付けられる取付片14と、取付片13,14を連結する連結片15とを備え、各板バネ3は、連結片15の向きが揃って設けられているので、ディスプレイ部4の振動時に各板バネ3が揃って同様に振動し、ある板バネ3の変形動作が他の板バネ3の変形動作を妨げてハプティクス振動にロスが生じる事態が防止される。
【0037】
また、アクチュエータ34,35,36,37,38,39は、ディスプレイ部4を左右方向に振動させ、各板バネ3は、ディスプレイ部4の重心位置Gを通り左右方向に延びる直線Lから略等距離の位置に上下対になって設けられているので、各板バネの直線Lからの距離に差がある場合に生じる回転方向の力がディスプレイ部4に作用しにくく、ディスプレイ部4を効率的に振動させることができる。
【0038】
さらに、アクチュエータ34,35,36,37,38,39は、直線L上に、又は、直線Lから略等距離の位置に上下対になって設けられているので、各アクチュエータの直線Lからの距離に差がある場合に生じる回転方向の力がディスプレイ部4にやはり作用しにくく、ディスプレイ部4を効率的に振動させることができる。
【0039】
以上、本発明を実施するための形態について例示したが、本発明の実施形態は上述したものに限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更等してもよい。例えば下記に示す変形例1~4を挙げることができる。
【0040】
(変形例1)例えば上述した実施形態では、板バネ3がディスプレイ26と金属製の車体側支持体2とに取り付けられるものであったが、車体側支持体2と、ディスプレイ26,27,28を収容する金属製のケース部材50とに少なくとも1つの板バネ3を取り付ける構成を採用している(
図8参照)。より具体的には、車体側支持体2と、ケース部材50に備えられる後述する基部とに少なくとも1つの板バネ3が取り付けられる。
【0041】
この変形例1において、ディスプレイ部4の一構成部品であるケース部材50は、センター部10(車体側支持体2)に対応(対峙)するようにもうけられる略平板状の基部51を備え、基部51には車体側支持体2側に向けて突出形成された突出部52が設けられ、この突出部52に緩衝部材53を固定するとともにセンター部10(車体側支持体2)には緩衝部材53(後述する径小円筒部)を取り囲む障壁部10aが設けられた構成となっている(
図9参照)。
【0042】
突出部52は、略平板状の基部51の裏面側角部の付近に(例えば4つ)設けられ、裏面側に向けて凸となる凸形状をなしている。緩衝部材53は、柔軟性を有する円環状のクッション材等を適用することができ、個々の突出部52にそれぞれ圧入した状態で取り付けられる。また、ここでの緩衝部材53は、径大円筒部53aと径小円筒部53bとを備え、例えば突出部52と障壁部10aとの接触時に生じる音を抑制する機能を有している。径大円筒部53aは、その上面部分が適宜固定手段を用いて基部51に固定され、径小円筒部53bは、その外形形状が径大円筒部53aの外形形状よりも小さくなっており、その裏面部分とセンター部10(車体側支持体2)との間には微少なクリアランスである間隙Hが設けられる。
【0043】
一方、センター部10(車体側支持体2)には、径大円筒部53aよりも径小の径小円筒部53bを包囲するような円環状の障壁部10aが設けられる。この障壁部10aは、センター部10から屹立した屹立部として構成され、その設置個数は突出部52(緩衝部材53)の個数と同数である。なお、障壁部10aの内壁面と径小円筒部53bの外表面とは当接していてもよいし、上述した径小円筒部53bとセンター部10との位置関係と同様にして、障壁部10aの内壁面と径小円筒部53bの外表面との間に間隙(微少クリアランス)が形成されていてもよい。
【0044】
以上のように、この変形例1にあっては、ディスプレイ26,27,28を収容するケース部材50に少なくとも1つの板バネ3が取り付けられ、少なくとも1つの板バネ3が車体側支持体2に取り付けられることにより、車体側支持体2に振動可能に支持されるディスプレイ部4を備える。そして、ディスプレイ部4には、ディスプレイ26,27,28を覆うとともに使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサ29と、タッチセンサ29がタッチ操作を検出するとディスプレイ部4を振動させるアクチュエータ34,35,36,37,38,39とが設けられていることで、上述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
また、突出部52に緩衝部材53を固定するとともに車体側支持体2には径小円筒部53b(緩衝部材53)を取り囲む障壁部10aが設けられている。このように構成することで、車両(車体)に過度な車体振動が発生し、この車体振動の振幅がアクチュエータ34,35,36,37,38,39駆動時における振動の振幅よりも大きい状況下であっても、前記車体振動は、車両に設けられる車体側支持体2、車体側支持体2の障壁部10aへと順次伝播した後、緩衝部材53によって吸収される。よって、ケース部材50(ディスプレイ部4)へと伝播する車体振動が十分に抑制されることになり(つまりアクチュエータ34,35,36,37,38,39駆動時に板バネ3に作用する応力が緩和されることになり)、板バネ3の破損を防止することができるという利点がある。さらには、この変形例1の構成を採用することで、板バネ3の厚さや個数、アクチュエータ駆動時における振動の大きさ、アクチュエータの個数を最適化することが可能となる。
【0046】
(変形例2)上述した変形例1では、ケース部材50の基部51に突出部52及び緩衝部材53を設け、車体側支持体2に障壁部10aを設けたものであったが、これとは逆に車体側支持体2に突出部52及び緩衝部材53を設け、ケース部材50の基部51に障壁部10aを設ける構成としてもよい(
図10参照)。つまり、この変形例2の場合、車体側支持体2には基部51に向けて突出形成された突出部52が設けられ、突出部52に緩衝部材53を固定するとともに基部51には径小円筒部53b(緩衝部材53)を取り囲む障壁部10aが設けられていることにより、上述した変形例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
(変形例3)上述した変形例1、2では、緩衝部材53を突出部52に固定したものであったが、例えばディスプレイ部4(ケース部材50)を収容するインストルメントパネルである収容部材60を備え、ケース部材50の周壁部54と収容部材60との間にクッション材等で形成された略角形(例えば直方体形状)の緩衝部材61を介在させる構成としてもよい(
図11参照)。ここでの緩衝部材61は上述した緩衝部材53と同等の機能を有する。例えば、周壁部54が4つの周壁で構成されている場合、緩衝部材61は当該4つの周壁と収容部材60との間に複数個(例えば4つ)設ければよい。このように構成することで、車両に設けられた収容部材60に前記車体振動が伝播した場合であっても、前記車体振動は緩衝部材61によってある程度減衰された状態でケース部材50(ディスプレイ部4)へと伝播することになり、板バネ3の破損を防止することができるという利点がある。
【0048】
(変形例4)例えば上述した実施形態及び変形例1~3では、ディスプレイ部4に駆動部としてのアクチュエータ34,35,36,37,38,39を搭載したものであったが、このアクチュエータ34,35,36,37,38,39に加えて車体側支持体2に他の駆動部としての他のアクチュエータ70を搭載する構成としてもよい(
図12参照)。なお、
図12は、上記変形例1の構成に適用した例を示している。この車体側支持体2に設けられる他のアクチュエータ70は、例えばセンター部10の上面側中央に載置され、アクチュエータ34,35,36,37,38,39の駆動時に出力される振動波形を打ち消すために設けられたものである。
【0049】
図13中、実線で示すW1は、アクチュエータ34,35,36,37,38,39の駆動時に出力される振動波形であり、
図13中、点線で示すW2は、他のアクチュエータ70の駆動時に出力される他の振動波形である。なお、
図13で縦軸は加速度、横軸は時間である。ここで、これら振動波形W1と他の振動波形W2とに着目すると、他の振動波形W2は、振動波形W1の逆位相の波形となっている。このように構成することで、アクチュエータ34,35,36,37,38,39の駆動時に生じる振動がディスプレイ部4以外に板バネ3を介して車体側支持体2にも伝播することが考えられるが、この車体側支持体2に伝播する振動は、その波形が他のアクチュエータ70の駆動時に発生する振動の波形と逆位相の波形となっていることに起因して、十分に抑制されることになり、車体に伝わる不慮の振動を十分に防止できるという利点がある。
【0050】
なお、ディスプレイの数や配置、表示内容、アクチュエータの仕様や数、配置、板バネの仕様(形状を含む。)や数、配置等は任意でよい。一例として、ディスプレイの数について説明すると、ディスプレイの個数は1つでもよい(具体的には上述したディスプレイ27、28を廃止してディスプレイ26のみを採用してもよい)。さらには、このようにディスプレイの個数を1つとした場合において、アクチュエータの個数(もしくは板バネの個数)は1つでもよい。
【0051】
また、タッチセンサはカバーレンズの全面ではなく一部に設けられ、CIDや前記メータパネルの画像を表示するディスプレイ等の一部のディスプレイのみを覆って機能するものであってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 車両用表示装置
2 車体側支持体(支持部)
3 板バネ
4 ディスプレイ部(振動表示部)
10a 障壁部
13 取付片(第一の取付片)
14 取付片(第二の取付片)
15 連結片
26?28 ディスプレイ
29 タッチセンサ
34?39 アクチュエータ(駆動部)
50 ケース部材
51 基部
52 突出部
53 緩衝部材
54 周壁部
60 収容部材(インストルメントパネル)
70 他の駆動部(他のアクチュエータ)