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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20240328BHJP
   H04W 4/35 20180101ALI20240328BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20240328BHJP
【FI】
H04L67/00
H04W4/35
H04W76/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019210770
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021082148
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000106690
【氏名又は名称】サン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 匡生
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-281104(JP,A)
【文献】特開2007-329563(JP,A)
【文献】国際公開第2019/098312(WO,A1)
【文献】鶴岡 行雄,仮想クライアント端末の構成について,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.109 No.204,日本,社団法人電子情報通信学会,2009年09月17日,第109巻,第21頁-第26頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
H04W 4/35
H04W 76/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置であって、
サーバとの通信を実行可能に構成されている通信モジュールを介して、前記サーバから接続要求を受信することなく、端末装置との間でTCP(Transmission Control Protocolの略)に従った第1のTCP通信リンクを確立する第1の確立部であって、前記通信モジュールは、前記サーバと前記端末装置との間のデータ通信を中継するためのモジュールである、前記第1の確立部と、
前記第1のTCP通信リンクが確立される場合に、前記第1のTCP通信リンクを利用して、前記端末装置とのデータ通信を実行するデータ通信実行部と、
前記端末装置とのデータ通信が実行された後に、前記第1のTCP通信リンクを切断する切断部と、
を備え、
前記第1の確立部は、前記端末装置との間で、前記第1のTCP通信リンクを繰り返し確立する、
制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、さらに、
前記通信モジュールを介して、前記サーバから前記接続要求を受信することなく、前記サーバとの間で前記TCPに従った第2のTCP通信リンクを確立する第2の確立部と、
前記第1のTCP通信リンクと前記第2のTCP通信リンクとを利用して、前記通信モジュールを介して、前記端末装置と前記サーバとの間のデータ通信を中継する中継部と、
を備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記端末装置とのデータ通信は、前記制御装置が前記端末装置から対象データを受信することを含み、
前記中継部は、
前記第1のTCP通信リンクを利用して、前記端末装置から前記対象データが受信される場合に、前記対象データをメモリに記憶し、
前記対象データが前記メモリに記憶された後に、所定条件が満たされる場合に、前記第2のTCP通信リンクを利用して、前記通信モジュールを介して、前記メモリ内の前記対象データを前記サーバに送信することによって、前記端末装置と前記サーバとの間のデータ通信を中継する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
制御装置であって、
サーバとの通信を実行可能に構成されている通信モジュールを介して、前記サーバから接続要求を受信することなく、端末装置との間でTCP(Transmission Control Protocolの略)に従った第1のTCP通信リンクを確立する第1の確立部であって、前記通信モジュールは、前記サーバと前記端末装置との間のデータ通信を中継するためのモジュールである、前記第1の確立部と、
前記第1のTCP通信リンクが確立される場合に、前記第1のTCP通信リンクを利用して、前記端末装置とのデータ通信を実行するデータ通信実行部であって、前記端末装置とのデータ通信は、前記制御装置が前記端末装置から対象データを受信することを含む、前記データ通信実行部と、
前記通信モジュールを介して、前記サーバから前記接続要求を受信することなく、前記サーバとの間で前記TCPに従った第2のTCP通信リンクを確立する第2の確立部と、
前記第1のTCP通信リンクと前記第2のTCP通信リンクとを利用して、前記通信モジュールを介して、前記端末装置と前記サーバとの間のデータ通信を中継する中継部と、
を備え、
前記中継部は、
前記第1のTCP通信リンクを利用して、前記端末装置から前記対象データが受信される場合に、前記対象データをメモリに記憶し、
前記対象データが前記メモリに記憶された後に、所定条件が満たされる場合に、前記第2のTCP通信リンクを利用して、前記通信モジュールを介して、前記メモリ内の前記対象データを前記サーバに送信することによって、前記端末装置と前記サーバとの間のデータ通信を中継する、
制御装置。
【請求項5】
前記通信モジュールは、前記サーバとの間で常時通信を実行可能な常時通信リンクを確立するモジュールである、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記常時通信リンクは、LTE(Long Term Evolution)規格に従った通信リンクである、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記端末装置は、自動販売機である、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、端末装置とのデータ通信を実行させるための技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動販売機等の端末装置と、端末装置に設けられる取引デバイス等の通信モジュールと、端末装置のデータを管理するサーバと、を備える通信システムが開示されている。通信モジュールは、サーバと端末装置との間のデータ通信(例えば、自動販売機等における販売データの通信等)を中継するためのデバイスである。この通信システムでは、通信モジュールとサーバとの間で無線通信リンクが確立されることにより、端末装置とサーバとの間で、無線通信リンクを介したデータ通信の実行が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-525265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、このような通信システムにおいては、通信モジュールとサーバとの間の無線通信の規格として、3G(3rd Generation)規格が採用されていた。3G規格による場合、通信モジュールとサーバとの間の無線通信リンクは、データ通信を開始すべき状況において、一方から他方に向けて、無線通信リンクの確立を要求するための接続要求コマンド(例えばRINGリザルトコード)が送信されることをトリガとして確立される。そのため、通信モジュールと端末装置との間の通信リンクも、通信モジュールによる接続要求コマンドの受信(又は送信)をトリガとして確立されていた。即ち、通信モジュールと端末装置との間の通信は、接続要求コマンドをトリガとして実行されていた。
【0005】
近年、3G規格に変わる無線通信の規格として、4G(4th Generation)規格(即ちLTE(Long Term Evolution)規格)、5G(5th Generation)規格等の次世代規格の普及が進んでいる。このような次世代規格においては、通信モジュールとサーバとの間で、常時通信を実行可能な常時通信リンクが確立されることが知られている。このような常時通信では、データ通信を開始すべき状況において、一方から他方に向けて接続要求コマンドが送信されないことが知られている。仮に上記の通信システムにおいて次世代規格が採用される場合、通信モジュールとサーバとの間で行われる処理が、従来の3G規格による場合に行われる処理とは異なってくる。
【0006】
また、自動販売機等の端末装置の仕様は、当該端末装置のメーカが加入する協会の規格等に従って決定される。このため、通信モジュールと端末装置との間の通信リンクが接続要求コマンドをトリガとして確立されるという上記の仕様は、協会の規格が変更されない限り、変更されない。このため、3G規格及び次世代規格(例えば4G規格)において、端末装置の仕様を変更することなく、通信モジュールと端末装置との間の通信リンクを適切に確立するための技術が求められている。
【0007】
本明細書は、従来の3G規格及び次世代規格において、端末装置とのデータ通信を適切に実行させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で開示する制御装置は、サーバとの通信を実行可能に構成されている通信モジュールを介して、前記サーバから接続要求を受信することなく、端末装置との間でTCP(Transmission Control Protocolの略)に従った第1のTCP通信リンクを確立する第1の確立部であって、前記通信モジュールは、前記サーバと前記端末装置との間のデータ通信を中継するためのモジュールである、前記第1の確立部と、前記第1のTCP通信リンクが確立される場合に、前記第1のTCP通信リンクを利用して、前記端末装置とのデータ通信を実行するデータ通信実行部と、を備える。
【0009】
「制御装置」は、一般的な(即ち製品としての)通信モジュール(通信端末装置と呼んでもよい)と一体的に構成されていてもよいし、別個に構成されていてもよい。「接続要求」は、無線通信リンクの確立を要求するためのコマンドを含む。「サーバとの通信」は、3G規格に従った通信であってもよいし、次世代規格(例えばLTE規格)に従った通信であってもよい。
【0010】
上記の構成によると、制御装置は、通信モジュールを介して、サーバから接続要求を受信することなく、制御装置が主導して、端末装置とのデータ通信を実行することができる。制御装置が主導しているので、サーバから接続要求が送信されるような従来の3G規格でも、サーバから接続要求が送信されない次世代規格でも、端末装置とのデータ通信を適切に実行することができる。例えば、制御装置は、サーバから接続要求を受信することなく、第1のTCP通信リンクを利用して、端末装置から端末装置のデータを受信し、通信モジュールを利用して、適当なタイミングで端末装置のデータをサーバに送信することができる。
【0011】
前記通信モジュールは、前記サーバとの間で常時通信を実行可能な常時通信リンクを確立するモジュールであってもよい。
【0012】
上記したように、次世代規格においては、常時通信リンクが確立されるため、サーバから接続要求を受信することができなくなる可能性が高い。この構成によると、通信モジュールとサーバとの間で、常時通信を実行可能な常時通信リンクが確立されている場合(即ち次世代規格が採用されている場合)においても、端末装置とのデータ通信を適切に実行させることができる。
【0013】
前記常時通信リンクは、LTE(Long Term Evolution)規格に従った通信リンクであってもよい。
【0014】
この構成によると、通信モジュールとサーバとの間でLTE規格に従った通信リンクが確立されている場合においても、制御装置は、端末装置とのデータ通信を適切に実行させることができる。
【0015】
前記制御装置は、さらに、前記端末装置とのデータ通信が実行された後に、前記第1のTCP通信リンクを切断する切断部を備え、前記第1の確立部は、前記端末装置との間で、前記第1のTCP通信リンクを繰り返し確立してもよい。
【0016】
一般的に、通信モジュールとサーバとの間で確立される常時通信リンクを用いた通信は、外部キャリア等を介して行われる場合があるため、従量制で料金が発生する方式が採用される場合がある。一方で、端末装置と制御装置との間で確立される第1のTCP通信リンクを用いた通信は、通常は端末装置と通信モジュールとの間の通信(具体的には内部的な通信)である場合が多く、通信量に応じた料金を要しない場合が多い。そのような場合において、上記の構成によると、第1のTCP通信リンクを繰り返し確立して、端末装置と制御装置との間で高頻度に通信を行ったとしても、制御装置の設置者の費用負担が少なくすむ。
【0017】
前記制御装置は、さらに、前記通信モジュールを介して、前記サーバから前記接続要求を受信することなく、前記サーバとの間で前記TCPに従った第2のTCP通信リンクを確立する第2の確立部と、前記第1のTCP通信リンクと前記第2のTCP通信リンクとを利用して、前記通信モジュールを介して、前記端末装置と前記サーバとの間のデータ通信を中継する中継部と、を備えてもよい。
【0018】
上記の構成によると、通信モジュールとサーバとの間で、常時通信を実行可能な常時通信リンクが確立されている場合(例えば次世代規格が採用されている場合)においても、サーバから接続要求を受信することなく、端末装置とサーバとの間でデータ通信を適切に実行させることができる。
【0019】
前記端末装置とのデータ通信は、前記制御装置が前記端末装置から対象データを受信することを含み、前記中継部は、前記第1のTCP通信リンクを利用して、前記端末装置から前記対象データが受信される場合に、前記対象データをメモリに記憶し、前記対象データが前記メモリに記憶された後に、所定条件が満たされる場合に、前記第2のTCP通信リンクを利用して、前記通信モジュールを介して、前記メモリ内の前記対象データを前記サーバに送信することによって、前記端末装置と前記サーバとの間のデータ通信を中継してもよい。
【0020】
「メモリ」は、制御装置に含まれるメモリであってもよいし、制御装置と通信可能に接続されている外部のメモリであってもよい。「所定条件」は、例えば、端末装置の稼働状態が所定の状態(例えば、端末装置が自動販売機である場合には、自動販売機内の在庫数が所定の在庫数未満である状態)に変化すること、制御装置の稼働状態が所定の状態(例えば、メモリ内の対象データの個数が所定の個数以上である状態)に変化することである。
【0021】
例えば、端末装置から対象データが受信される場合に、受信済みの対象データをサーバに直ちに送信する比較例が想定される。この比較例では、複数個の対象データをサーバに送信する場合において、1個の対象データをサーバに送信することを繰り返す。このため、サーバとのデータ通信の回数が増大する。これに対して、上記の構成によると、制御装置は、メモリ内に対象データを蓄積することができ、メモリ内の対象データをまとめてサーバに送信することができる。サーバとのデータ通信の回数が増大することを抑制することができる。
【0022】
前記端末装置は、自動販売機であってもよい。
【0023】
この構成によると、制御装置は、通信モジュールとサーバとの間で、常時通信を実行可能な常時通信リンクが確立されている場合においても、自動販売機とのデータ通信を適切させることができる。
【0024】
上記の制御装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記制御装置と他の装置(例えば、サーバ、端末装置)を備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】通信システム2の構成を示す。
図2】具体的なデータ通信のシーケンス図である。
図3図3の続きを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、本実施例の通信システム2は、端末装置10と、中継装置20と、キャリア網50と、サーバ60と、を備える。図1の状態では、中継装置20は、端末装置10に組み付けられて設けられている。キャリア網50は、無線通信(移動体通信と呼んでもよい)の提供者である通信事業者(いわゆる通信キャリア事業者)によって設置される複数個の基地局のうち、中継装置20の通信先として指定されている特定の基地局と、特定の基地局と通信可能なコアネットワーク(いわゆるバックボーン)と、を含む。中継装置20とキャリア網50とは、LTE(Long Term Evolution)規格に従った通信リンクであるLTE通信リンク4を介して相互に常時通信を実行することができる。そして、キャリア網50とサーバ60とは、ネットワーク6を介して相互に通信を実行することができる。
【0027】
(端末装置10)
本実施例では、端末装置10は、飲料等の自動販売機である。端末装置10は、端末制御部12を備える。端末制御部12は、端末装置10の動作を制御する制御部(即ちコントロールユニット)である。端末制御部12は、端末装置10の稼働状態に関するデータ通信(例えば、端末装置10(自動販売機)の販売データの通信等)をサーバ60と実行する制御部としても動作する。本明細書における「データ通信」とは、データパケットの通信であり、例えば、TCPパケットの通信のことである。端末制御部12は、図示しない接続ポートを介して中継装置20と接続されている。以下では、端末制御部12が処理を実行することによって端末装置10が動作を実行することを、端末装置10の動作として説明する場合がある。
【0028】
(中継装置20)
中継装置20は、端末装置10に組み付けられて設けられている。本実施例の中継装置20は、いわゆるモデムルータである。中継装置20は、端末装置10とサーバ60との間のデータ通信を中継するための装置である。中継装置20は、制御装置30と、第1の通信モジュール40と、第2の通信モジュール42と、を備えている。
【0029】
(制御装置30)
制御装置30は、第1の通信モジュール40との間、及び、端末制御部12との間、のそれぞれにおいて通信リンクを確立することによって、端末装置10とサーバ60との間のデータ通信を実行可能とするための装置である。なお、端末制御部12との間で通信リンクを確立することを、以下では、「端末装置10との間で通信リンクを確立する」と表現する場合がある。制御装置30は、プログラムを記憶するメモリ32を備える。制御装置30は、メモリ32内のプログラムに従って、様々な処理を実行する。なお、メモリ32は、端末装置10から受信する対象データ(例えば販売データ等)を記憶可能である。また、メモリ32には、サーバ60のIPアドレスが予め記憶されている。
【0030】
(第1の通信モジュール40)
第1の通信モジュール40は、キャリア網50との間でLTE通信リンク4を確立し、キャリア網50との常時通信を実行可能な状態を構築するモジュールである。第1の通信モジュール40は、キャリア網50を介して、サーバ60と端末装置10との間のデータ通信を中継することができる。第1の通信モジュール40も、プログラムを記憶しており、当該プログラムに従って様々な処理を実行する。
【0031】
(第2の通信モジュール42)
第2の通信モジュール42は、携帯端末100との近距離の無線通信を実行するためのモジュールである。ここで、「携帯端末」は、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、タブレット端末、腕部に装着して用いられる装置(いわゆるスマートウォッチ)、頭部に装着して用いられる装置(いわゆるヘッドマウントディスプレイ)等、ユーザが携帯している可搬型の端末装置である。また、「近距離の無線通信」は、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi等のLTEとは異なる通信プロトコルに従った無線通信である。なお、変形例では、中継装置20は、第2の通信モジュール42を備えなくてもよい。
【0032】
例えば、制御装置30は、第2の通信モジュール42を介して、メモリ32内の対象データを携帯端末100に送信する。これにより、携帯端末100には、対象データによって表される端末装置10の稼働状態が表示される。例えば、端末装置10を管理する管理者は、携帯端末100を利用して、端末装置10の稼働状態を知ることができる。また、例えば、制御装置30は、メモリ32内の対象データを利用して、端末装置10の稼働状態に応じた販促情報(例えば在庫数が多い商品の宣伝)を生成する。そして、制御装置30は、第2の通信モジュール42を介して、生成済みの販促情報を示す販促データをブロードキャストに外部に送信する。これにより、携帯端末100を携帯するユーザが端末装置10の近くに居る場合に、携帯端末100に販促データが受信され、販促情報が携帯端末100に表示される。端末装置10の近くに居るユーザに販促情報を知らせることができる。
【0033】
(キャリア網50)
キャリア網50は、上記の通り、第1の通信モジュール40の通信先として指定されている特定の基地局と、コアネットワークと、を含む。キャリア網50は、第1の通信モジュール40とのLTE通信リンク4を確立するとともに、ネットワーク6に接続されている。
【0034】
(サーバ60)
サーバ60は、端末装置10のデータ(例えば、端末装置10(自動販売機)の販売データ等)を管理するためのサーバである。サーバ60は、ネットワーク6に接続されている。
【0035】
(データ通信を実行するための動作の具体例;図2図3
続いて、図2図3を参照して、本実施例の通信システム2において、中継装置20を介して端末装置10とサーバ60との間のデータ通信(即ち、TCPパケットの通信)が実行される際の各装置の動作の具体例について説明する。
【0036】
S2では、ユーザ操作によって、中継装置20(即ち制御装置30及び第1の通信モジュール40)の電源がオンされる。
【0037】
中継装置20の電源がオンされると、続くS4において、第1の通信モジュール40とキャリア網50との間で所定のLTE通信リンク確立処理が行われ、第1の通信モジュール40とキャリア網50との間でLTE通信リンク4(図1参照)が確立される。これにより、第1の通信モジュール40とキャリア網50との間で、LTE通信リンク4を利用した常時通信が実行可能となる。
【0038】
S4において、第1の通信モジュール40とキャリア網50との間でLTE通信リンク4が確立されると、S12において、制御装置30は、RINGリザルトコードを端末装置10に送信する。ここで、「RINGリザルトコード」とは、送信先(この場合は端末装置10)とのPPP(Point to Point Protocol)に従った通信リンク(以下では「PPP通信リンク」と呼ぶ場合がある)の確立を要求するためのコマンドである。なお、「RINGリザルトコード」は、本来は、送信元(この場合は制御装置30)が、送信すべきTCPパケットを他装置(例えば第1の通信モジュール40)から受信したことをトリガとする接続要求コマンド(この場合はリザルトコード)である。本実施例では、制御装置30は、第1の通信モジュール40から送信すべきTCPパケットを受信することなく、RINGリザルトコードを端末装置10に自発的に送信する。
【0039】
続くS14では、制御装置30は、CONNECTリザルトコードを端末装置10に送信する。ここで、「CONNECTリザルトコード」とは、相手の装置とのPPP接続の確立を開始するためのコードである。この結果、S18において、制御装置30と端末装置10との間で第1のPPP通信リンクが確立される。これにより、制御装置30と端末装置10との間で、第1のPPP通信リンクを利用した通信が可能になる。
【0040】
続くS20~S24では、制御装置30は、第1のPPP通信リンクを利用して、TCP通信リンクを確立するための確立通信を端末装置10と実行する。確立通信は、いわゆる3way-handshakeである。具体的には、制御装置30は、S20において、ヘッダ部としてSYNを含むTCPパケットを端末装置10に送信し、S22において、端末装置10から、ヘッダ部としてSYN及びACKを含むTCPパケットを受信する。そして、制御装置30は、ヘッダ部としてACKを含むTCPパケットを端末装置10に送信する。この結果、S26において、制御装置30と端末装置10との間で第1のTCP通信リンクが確立される。これにより、制御装置30と端末装置10との間で、第1のTCP通信リンクを利用した通信が可能になる。
【0041】
続くS30では、制御装置30は、第1のTCP通信リンク(S26)を利用して、データ部として対象データ(例えば販売データ等)の送信を要求するリクエストを含むTCPパケットを端末装置10に送信する。
【0042】
端末装置10は、S30において、制御装置30からリクエストを含むTCPパケットを受信すると、S32において、データ部として対象データを含むTCPパケットを制御装置30に送信する。
【0043】
制御装置30は、S32において、端末装置10から対象データを含むTCPパケットを受信すると、S34において、受信済みのTCPパケット内の対象データをメモリ32に記憶する。
【0044】
続くS40では、制御装置30は、TCP通信リンクを切断するための切断通信を端末装置10と実行する。制御装置30は、ヘッダ部としてACK及びFINを含むTCPパケットを端末装置10に送信する。制御装置30は、S42において、端末装置10からヘッダ部としてACKを含むTCPパケットを受信する。そして、同様の通信が、端末装置10を主体としてさらに実行される。これにより、第1のTCP通信リンク(S26)が切断され、さらに、第1のPPP通信リンク(S18)が切断される。このような構成によると、第1のTCP通信リンクが確立されている状態が不必要に維持されることを抑制することができる。
【0045】
制御装置30は、S12~S42の処理を所定周期(例えば1分)で繰り返し実行する。これにより、制御装置30は、端末装置10から対象データを繰り返し受信する。この結果、制御装置30のメモリ32には、対象データが蓄積される(即ち複数個の対象データが記憶される)。
【0046】
図3は、図2の続きである。S50では、制御装置30は、所定条件が満たされるのか否かを判断する。所定条件は、例えば、メモリ32内の対象データのうちの最新の対象データによって表される数値(例えば在庫数、つり銭数等の販売に関する数値)が所定値未満である条件である。また、所定条件は、例えば、メモリ32内の対象データによって計算される変化量(例えば在庫数の変化量、つり銭数の変化量等の販売に関する数値の変化量)が所定値以上である条件である。また、例えば、メモリ32に蓄積されている対象データの個数が所定の個数以上である条件である。また、例えば、これら条件を含む様々な条件の組み合わせでもよい。
【0047】
制御装置30は、所定条件が満たされると判断する場合(S50でYES)に、S52に進み、所定条件が満たされないと判断する場合(S50でNO)に、図2の処理に戻る。
【0048】
S52では、制御装置30は、ATDコマンドを第1の通信モジュール40に送信する。ここで、「ATDコマンド」とは、送信元(この場合は制御装置30)が自発的に送信する接続要求コマンドであり、送信先(この場合は第1の通信モジュール40)との間でPPP通信リンクの確立を要求するためのコマンドである。
【0049】
第1の通信モジュール40は、S52において、ATDコマンドを受信すると、S54において、CONNECTリザルトコードを制御装置30に送信する。この結果、S56において、制御装置30と第1の通信モジュール40との間で第2のPPP通信リンクが確立される。これにより、制御装置30と第1の通信モジュール40との間で、第2のPPP通信リンクを利用した通信が可能になる。なお、制御装置30と第1の通信モジュール40との間の通信リンクは、第2のPPP通信リンクに限らない。例えば、SLIP(Serial Line Internet Protocol)、NDIS(Network Driver Interface Specification)、Remote NDIS、ECM(Ethernet Control Model)、EEM(Ethernet Emulation Model)、NCM(Network Control Model)等に従った通信リンクであってもよい。
【0050】
続くS60は、第2のPPP通信リンク(S56)及びLTE通信リンク4を利用して、ネットワーク6を介して、確立通信が実行される点を除いて、図2のS20と同様である。この結果、S66において、制御装置30とサーバ60との間で第2のTCP通信リンクが確立される。これにより、制御装置30とサーバ60との間で、第2のTCP通信リンクを利用した通信が可能になる。
【0051】
続くS70では、制御装置30は、第2のTCP通信リンク(S66)及びLTE通信リンク4を利用して、ネットワーク6を介して、データ部としてメモリ32に蓄積されている対象データを含むTCPパケットをサーバ60のIPアドレスを宛先として送信する。これにより、サーバ60は、制御装置30から対象データを受信して、当該対象データを自身のデータベース(図示省略)に記憶する。
【0052】
続くS80は、第2のTCP通信リンク(S66)及びLTE通信リンク4を利用して、ネットワーク6を介して、切断通信が実行される点を除いて、図2のS40と同様である。この結果、第2のTCP通信リンク(S66)が切断され、さらに、第2のPPP通信リンク(S56)が切断される。
【0053】
以上、本実施例における各装置の動作について説明した。続いて、本実施例の作用効果をより明確に説明するために、従来の通信システムにおいてサーバ60主導でデータ通信を実行する場合の従来例について言及しておく。
【0054】
(サーバ60主導でデータ通信を実行する従来例)
従来例では、キャリア網50と第1の通信モジュール40との間の無線通信の規格が、3G(3rd Generation)規格である点が本実施例とは異なる。一般的に知られているように、3G規格による場合、第1の通信モジュール40とキャリア網50の間の無線通信リンクは、データ通信を開始すべき状況(即ち、TCPパケットを送受信すべき状況)において、一方から他方に向けて、無線通信リンクの確立を要求するための接続要求コマンド(例えばRINGリザルトコード)が送信されることをトリガとして確立される。
【0055】
そのため、従来例では、キャリア網50は、サーバ60から、リクエストを含むTCPパケットを受信すると、まず第1の通信モジュール40に対してRINGリザルトコードを送信し、RINGリザルトコードをトリガとして、第1の通信モジュール40との間でPPP通信リンク及びTCP通信リンクを確立する。次いで、第1の通信モジュール40は、制御装置30に対してRINGリザルトコードを送信し、RINGリザルトコードをトリガとして、制御装置30との間でPPP通信リンク及びTCP通信リンクを確立する。次いで、制御装置30は、端末装置10に対してRINGリザルトコードを送信し、RINGリザルトコードをトリガとして、端末装置10との間でPPP通信リンク及びTCP通信リンクを確立する。この結果、端末装置10とキャリア網50の間で、各TCP通信リンクを利用したデータ通信が実行可能な状態が構築される。その後、キャリア網50は、サーバ60から受信されたTCPパケットを、各TCP通信リンクを介して端末装置10に送信する。これを受けて、端末装置10は、各TCP通信リンク及びネットワーク6を介して、対象データを含むTCPパケットを、サーバ60に送信する。
【0056】
(本実施例の作用効果)
これに対し、本実施例の通信システム2では、キャリア網50と第1の通信モジュール40との間で常時通信を実行可能なLTE通信リンク4が確立されている(図2のS4)。このような常時通信では、データ通信を開始すべき状況において、一方から他方に向けて接続要求コマンドが送信されないことが知られている。そのため、本実施例では、サーバ60主導でデータ通信が行われる場合において、第1の通信モジュール40とキャリア網50の間で行われる処理が、従来例(3G規格による場合)とは異なっている。
【0057】
この点、本実施例によると、制御装置30は、第1の通信モジュール40を介して、サーバ60から接続要求コマンドを受信することなく、端末装置10との間で第1のTCP通信リンクを確立して(図2のS26)、端末装置10から対象データを含むTCPパケットを受信する(S32)。従って、第1の通信モジュール40とサーバ60との間で、常時通信を実行可能なLTE通信リンクが確立されている場合においても、サーバ60から接続要求コマンドを受信することなく、端末装置10とのデータ通信(即ち端末装置10から対象データを受信すること)を適切に実行させることができる。
【0058】
LTE通信リンク4を用いた通信は、キャリア網50を介して行われるため、従量制で料金が発生する方式が採用される場合がある。一方で、端末装置10と制御装置30との間で確立される第1のTCP通信リンクを用いた通信は、内部的な通信であり、通信量に応じた料金を要しない場合が多い。そのような場合において、上記の構成によると、第1のTCP通信リンクを繰り返し確立して、端末装置10と制御装置30との間で高頻度に通信を行ったとしても、制御装置30の設置者の費用負担が少なくすむ。
【0059】
また、制御装置30は、サーバ60から接続要求コマンドを受信することなく、サーバ60との間で第2のTCP通信リンクを確立して(図3のS66)、メモリ32内の対象データ(即ち第1のTCP通信リンクを利用して端末装置10から受信した対象データ)を含むTCPパケットをサーバ60に送信する。即ち、制御装置30は、第1のTCP通信リンクと第2のTCP通信リンクとを利用して、第1の通信モジュール40を介して、端末装置10とサーバ60との間のデータ通信を中継する。従って、第1の通信モジュール40とサーバ60との間で、常時通信を実行可能なLTE通信リンクが確立されている場合においても、サーバ60から接続要求コマンドを受信することなく、端末装置10とサーバ60との間でデータ通信を適切に実行させることができる。
【0060】
また、例えば、端末装置10から対象データが受信される場合に、受信済みの対象データをサーバ60に直ちに送信する比較例が想定される。この比較例では、複数個の対象データをサーバ60に送信する場合において、1個の対象データをサーバ60に送信することを繰り返す。このため、サーバ60とのデータ通信の回数が増大する。上記のように、LTE通信リンク4を利用した通信はキャリア網50を介する。このため、従量制で通信料金が発生する場合がある。サーバ60とのデータ通信の回数が増大すると、通信毎に通信料金が必要である。これに対して、上記の構成によると、制御装置30は、メモリ32内に対象データを蓄積することができ、メモリ32内の対象データをまとめてサーバ60に送信することができる。サーバ60とのデータ通信の回数が増大することを抑制することができる。そのため、比較例の構成に比べ、通信料金を抑え得る。
【0061】
また、制御装置30は、所定条件が満たされ場合(図3のS50でYES)に、メモリ32に蓄積されている対象データをサーバ60に送信する(S70)。例えば、メモリ32に蓄積されている対象データを所定条件とは無関係なタイミングでサーバ60に送信する比較例が想定される。所定条件は、例えば、対象データによって表される在庫量が所定値未満である条件である。所定条件が満たされることは、端末装置10の管理者が端末装置10のデータを知りたい状況であるとも言える。上記の比較例では、端末装置10のデータが不要な状況でも、メモリ32に蓄積されている対象データをサーバ60に送信し得る。これに対して、実施例の構成によると、端末装置10のデータが必要な状況において対象データをサーバ60に送信するので、比較例と比べて、不必要な通信を実行することを抑制することができる。そのため、比較例と比べて、通信料金を抑え得る。
【0062】
また、サーバ60からの接続要求コマンドをトリガとして対象データをサーバ60に送信する従来例では、端末装置10の管理者が端末装置10のデータを知るべきタイミングであるにも関わらず、サーバ60が接続要求コマンドを送信していない状況が発生し得る。これに対して、本実施例の構成によると、端末装置10の管理者が端末装置10のデータを知るべきタイミング、即ち、所定条件が満たされる場合(図3のS50でYES)に、対象データがサーバ60に送信される(S70)。このため、管理者は、サーバ60にアクセスすることによって、管理者が知るべき端末装置10の最新のデータを知ることができる。
【0063】
また、本実施例の構成によると、制御装置30は、サーバ60から接続要求コマンドを受信することなく、制御装置30主導で、端末装置10から対象データを受信する(図2のS32)。制御装置30主導なので、本実施例の構成は、次世代規格が利用される場合に限らず、サーバ60から接続要求コマンドが送信される従来の3G規格が利用される場合でも採用可能である。別言すれば、本実施例の技術は、従来の3G規格及び次世代規格において、端末装置10とのデータ通信を適切に実行させることができる。本実施例の技術は、従来の3G規格が利用される状況でも、新規で有用である。
【0064】
(対応関係)
端末装置10が、「端末装置」の一例である。制御装置30、メモリ32、第1の通信モジュール40が、それぞれ、「制御装置」、「メモリ」、「通信モジュール」の一例である。サーバ60が、「サーバ」の一例である。従来例で説明した接続要求コマンドが、「接続要求」の一例である。LTE通信リンク4が、「常時通信リンク」の一例である。図2のS26の第1のTCP通信リンク、図3のS66の第2のTCP通信リンクが、それぞれ、「第1のTCP通信リンク」、「第2のTCP通信リンク」の一例である。
【0065】
以上、実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例が含まれる。
【0066】
(変形例1)上記の各実施例では、第1の通信モジュール40とキャリア網50との間で、常時通信を実行可能なLTE通信リンク4が確立されている場合の例を説明した。これに限られず、第1の通信モジュール40とキャリア網50との間では、他の規格に従って、常時通信を実行可能な通信リンクが確立されていてもよい。例えば、第1の通信モジュール40とキャリア網50との間で、5G(5th Generation)規格に従った通信リンクが確立されていてもよい。これらの通信リンクも「常時通信リンク」の一例である。
【0067】
(変形例2)上記の各実施例では、端末装置10が自動販売機である場合の例を説明した。しかしながら、端末装置10は、自動販売機に限られず、他の装置(例えば、作業用の機械装置、運搬装置、乗り物、等)であってもよい。
【0068】
(変形例3)上記の各実施例では、制御装置30は、第1のTCP通信リンクを所定周期で繰り返し確立する(図2)。これに代えて、制御装置30は、第1のTCP通信リンクをランダムなタイミングで繰り返し確立してもよい。
【0069】
(変形例4)上記の各実施例では、制御装置30は、第1のTCP通信リンクを切断して、第1のTCP通信リンクを繰り返し確立する(図2)。これに代えて、制御装置30は、中継装置20の電源がオンである間、第1のTCP通信リンクを維持していてもよい。本変形例では、「切断部」を省略可能である。
【0070】
(変形例5)上記の各実施例では、制御装置30は、サーバ60から接続要求コマンドを受信することなく、サーバ60との間で第2のTCP通信リンクを確立する(図3)。これに代えて、制御装置30は、サーバ60から何らかのコマンドを受信する場合に、サーバ60との間で第2のTCP通信リンクを確立してもよい。本変形例では、「第2の確立部」を省略可能である。
【0071】
(変形例6)上記の各実施例では、制御装置30は、所定条件が満たされる場合(図3のS50でYES)に、メモリ32内の対象データをサーバ60に送信する(S70)。これに代えて、制御装置30は、端末装置10から対象データが受信される場合に、受信済みの対象データをサーバ60に直ちに送信してもよい。端末装置10から受信した対象データをサーバ60に直ちに送信することは、「前記第1のTCP通信リンクと前記第2のTCP通信リンクとを利用して、前記通信モジュールを介して、前記端末装置と前記サーバとの間のデータ通信を中継する」ことの一例である。本変形例では、「メモリ」と「所定条件」を省略可能である。
【0072】
(変形例7)上記の各実施例では、制御装置30は、第1のTCP通信リンクが確立された後に、所定条件が満たされる場合に、サーバ60との間で第2のTCP通信リンクを確立する(図3のS66)。これに代えて、制御装置30は、ユーザ操作によって、中継装置20の電源がオンされることに応じて、第1のTCP通信リンクを確立する前に、サーバ60との間で第2のTCP通信リンクを確立してもよい。一般的に言えば、第2のTCP通信リンクを確立するタイミングは、第1のTCP通信リンクを確立する前でもよいし、第1のTCP通信リンクを確立した後でもよい。
【0073】
(変形例8)上記の各実施例では、制御装置30は、第1のTCP通信リンクを利用して、リクエストを含むTCPパケットを端末装置10に送信する(図2のS30)。これに代えて、制御装置30は、端末装置10に記憶させるべきデータを含むTCPパケットを端末装置10に送信してもよい。当該データは、例えば、端末装置10の設定値(例えば商品の値段、商品の保管温度等)を示す。設定値を示すデータが端末装置10に送信されることによって、端末装置10の設定が更新される。本変形例によれば、端末装置10に記憶させるべきデータを端末装置10に送信することが、「端末装置とのデータ通信」の一例である。
【符号の説明】
【0074】
2 :通信システム
4 :LTE通信リンク
6 :ネットワーク
10 :端末装置
12 :端末制御部
20 :中継装置
30 :制御装置
32 :メモリ
40 :第1の通信モジュール
42 :第2の通信モジュール
50 :キャリア網
60 :サーバ
100 :携帯端末
図1
図2
図3