(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】台間機接続装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/02 20060101AFI20240328BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20240328BHJP
B65H 5/38 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
B65H5/02 F
A63F7/02 352F
B65H5/38
(21)【出願番号】P 2020006273
(22)【出願日】2020-01-17
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000128946
【氏名又は名称】マミヤ・オーピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏直
(72)【発明者】
【氏名】小島 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中村 晋
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-040596(JP,A)
【文献】特開2005-343682(JP,A)
【文献】特開2007-276944(JP,A)
【文献】特開2005-021340(JP,A)
【文献】特開2016-174663(JP,A)
【文献】実開昭63-096882(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/38
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台間機と紙幣搬送装置とを接続する接続具と、紙幣搬送装置の上面に設けられたガイド溝とを備え、
接続具は、
台間機に固定される接続具本体と、接続具本体に対して紙幣搬送装置と台間機の間をスライド自在に連結された連結体とを備え、連結体に被掛合体が設けられ、
連結体は、ガイド溝の上端に載置されるスライド体を備え、被掛合体が上下方向の軸を有する締結具を介してスライド体に対して回転自在、且つ締結自在に連結され、
ガイド溝は、溝方向を紙幣搬送装置の搬送方向および戻り方向と平行に設けられ、
ガイド溝内には、被掛合体がガイド溝内で掛合される掛合体が設けられていることを特徴とする台間機接続装置。
【請求項2】
被掛合体には、締結具の締結方向の回転に伴う被掛合体の回転において、ガイド壁の内壁に当接して被掛合体の回転を阻止する当接部と、締結具の締結解除方向の回転に伴う被掛合体の回転において、ガイド壁の内壁への当接が回避される非当接部とが備えられていることを特徴とする請求項
1に記載の台間機接続装置。
【請求項3】
さらに、台間機と紙幣取込装置との間に介在される第2接続具を備え、第2接続具は、台間機に固定される接続具本体と、接続具本体に対して連結されていると共に、紙幣搬送装置側に取付けられる接続体とを備え、接続具本体は、紙幣搬送装置と対向する台間機の裏面と対面して固定される固定部と、接続体が紙幣搬送装置と台間機の間をスライド自在に連結された支持部とを有して、固定部と支持部とが、上面視L型を呈するように一体形成されていると共に、固定部と支持部との境部が折曲自在な可撓性を有していることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の台間機接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台間機接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
台間機接続装置は、例えば、パチンコ、パチスロ(パチンコ型スロットマシン)等の遊技場の島における遊技機間に配置された台間機を紙幣搬送装置に接続するものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、台間機は、紙幣搬送路装置に対して接続具を介して連結されており、接続具は、台間機を所定の位置に配置した状態で、紙幣搬送装置にねじ止めによって固定される。
ところで、島の施工不良や機器類の設置位置の誤差等によって、台間機の配置位置がずれることがあり、これを解消するために台間機の位置調整を行っている。
しかしながら、この台間機の位置調整では、台間機の位置調整に伴って、紙幣搬送装置に対する接続具の固定位置も変更されるため、紙幣搬送装置側に変更位置に対応した接続具のねじ止め用のねじ孔を開ける必要があり、これらの作業が大きな手間となっていた。 このため、台間機の配置位置のずれに容易に対応できるようにすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の課題を解決するために本発明は、台間機と紙幣搬送装置とを接続する接続具と、紙幣搬送装置の上面に設けられたガイド溝とを備え、接続具は、台間機に固定される接続具本体と、接続具本体に対して紙幣搬送装置と台間機の間をスライド自在に連結された連結体とを備え、連結体に被掛合体が設けられ、連結体は、ガイド溝の上端に載置されるスライド体を備え、被掛合体が上下方向の軸を有する締結具を介してスライド体に対して回転自在、且つ締結自在に連結され、ガイド溝は、溝方向を紙幣搬送装置の搬送方向および戻り方向と平行に設けられ、ガイド溝内には、被掛合体がガイド溝内で掛合される掛合体が設けられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明を実施した紙幣搬送装置の配置例を示す概略図である。
【
図2】紙幣搬送装置の拡大上面図であり、一部切欠して示す。
【
図3】(a)は、駒部材の拡大斜視図、(b)は、
図1の要部拡大図、(c)は、紙幣搬送装置の曲面範囲における環状体1の曲がり状態を示す要部拡大上面図である。
【
図4】環状体の直進範囲および曲面範囲の一形態を示す斜視図である。
【
図5】紙幣搬送装置の下流端側を示す拡大斜視図である。
【
図6】環状体の方向変換を示す上面図であり、(a)は、紙幣送出口の送出方向に対して直進範囲における紙幣搬送方向を同方向とした状態を示し、(b)(c)は、紙幣送出口の送出方向に対して直進範囲における紙幣搬送方向が傾いている状態を示す。
【
図7】台間機の取付け状態を示す拡大上面図である。
【
図8】台間機の取付け状態を示す拡大斜視図である。
【
図9】紙幣案内装置を示し、(a)は紙幣案内装置の取付け状態を示し、(b)は、紙幣案内装置を示す斜視図であり、(c)は、紙幣案内装置の先端部材および中間部材並びにベース部材を示す斜視図である。
【
図10】台間機接続装置の取付け状態を示す斜視図である。
【
図11】台間機接続装置の取付け状態を示す斜視図である。
【
図12】(a)は、
図8の(12)-(12)線断面図、(b)は、連結体の斜視図、(c)は、(a)の要部拡大図である。
【
図13】(a)は、紙幣搬送装置から台間機接続装置を取外した状態の断面図であり、(b)は、連結体の斜視図、(c)は、(a)の要部拡大図である。
【
図14】紙幣回収金庫における紙幣回収ユニットの閉状態を示す概略上面図である。
【
図15】紙幣回収金庫における紙幣回収ユニットの開状態を示す概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら説明する。
【0008】
[全体の構成]
図1に示すように、パチンコ、パチスロ等の遊技場の島100は、紙幣搬送装置A、紙幣回収金庫B、台間機C、遊技機D、台間機接続装置E等を備え、さらに、
図7および
図8に示すように、紙幣案内装置4、接続装置Fを備えて構成されている。
一つの島100に、複数の台間機Cと遊技機Dとが交互に並べられた列が背中合わせに2列設けられ、この2列の間に紙幣搬送装置Aが列に沿って設けられている。
台間機Cに挿入された紙幣は、紙幣搬送装置Aに送られて、この紙幣搬送装置Aが島100の下流端を構成する端板101に設けられた紙幣回収金庫Bに搬送し、紙幣が搬送された紙幣回収金庫Bで、紙幣を処理・識別等を行いながら回収するようにされている。
ここでいう台間機Cとは、挿入された紙幣の真偽を判別する紙幣処理装置を内蔵して構成されたものおよび紙幣処理装置を外付けにより接続して構成されたものの双方を意味する。
なお、本明細書において台間機Cが図示された
図7等の各図を用いて説明する台間機Cは、紙幣処理装置を外付けにより接続して構成されたものであり、台間機Cが図示された各図においては、台間機Cに接続された紙幣処理装置部分を図示している。
【0009】
[紙幣搬送装置の構成]
紙幣搬送装置Aは、
図2~
図4に示すように、搬送方向の上流側と下流側とにそれぞれ軸支された従動回転体(第1回転体)aと駆動回転体(第2回転体)bに、無端回転自在に巻回された環状体1と、複数のアイドルローラ102を備えている。
環状体1は、周方向に沿って連結された複数の駒部材1aを有し、周方向で隣合う駒部材1a同士が、回転体a、bの軸と平行な軸を有する支軸1bにより連結されていると共に、環状体1の無端回転範囲における直進範囲で、駒部材1aの紙幣支持面10aが同面となるように配置されている。
環状体1は、
図1に示すように、遊技場の形状や面積等によって、島100を中途で曲げなければならないときに、これに伴って駒部材1aを、支軸1bを中心として回転させることで、
図3(c)および
図4に示すように、環状体1を湾曲させることができる。
これによって、紙幣搬送装置Aを島100の形状に対応させて湾曲させることができる。
【0010】
駒部材1aは、合成樹脂材からなり、
図3に示すように、周方向の一端部11aに延設された延出部1cを備えている。
延出部1cは、駒部材の厚みよりも薄くされて弾性を有すると共に、紙幣支持面10aと同面とする第2紙幣支持面10cを有し、且つ延出部1cの端部11cが、直進範囲において隣合う駒部材1aの周方向の他端部12aに近接するように対面している。
そして、紙幣支持面10aおよび第2紙幣支持面10cに、アイドルローラ102がスプリング(図示せず)の反発力で押し付けられるように接触することで紙幣200を挟んで搬送する紙幣搬送部10が構成される。
【0011】
駒部材1aの他端部12aは、紙幣支持面10aの一端部11a側から厚み方向に向かって他端部12a側に傾斜するように形成された傾斜面12bを有している。
延出部1cの端部11cは、第2紙幣支持面10c側から厚み方向に向かって駒部材1a側へ傾斜するように形成された傾斜面12cを有している。
傾斜面12b、12c同士は、
図3(b)および
図4に示すように、直進範囲において略同じ角度で対面するようにされている。
また、
図3(b)および
図4に示す曲面範囲おいて、延出部1cの端部11cと駒部材1aの他端部12aとが互いに近接する方向の力が加わるが、この力は、
図3(c)に示すように、傾斜面12cが傾斜面12bに案内されて紙幣支持面10aへと移動し、傾斜面12cの移動に伴って延出部1cが弾性変形することで吸収するようにされている。
【0012】
すなわち、曲面範囲において、曲面範囲での環状体1の駒部材1a同士の近接する方向の力を、延出部1cの弾性変形および延出部1cの紙幣支持面1aへの乗り上げるような移動によって吸収することができる。
これによって、直進範囲において、紙幣支持面10aと第2紙幣支持面10cとで隙間がない平坦な面とすることができ、この平坦な面とアイドルローラ102とで紙幣200を挟んで搬送することができる。
したがって、紙幣を変形させることなく、紙幣の搬送を行うことができるので、搬送中での紙幣の傷付きや紙幣の滑りによる搬送不良を防止することができ、紙幣を傷付けずに安定して搬送できる紙幣搬送装置Aを構成することができる。
曲面範囲においては、
図3(c)に示すように、延出部1cが弾性変形して紙幣支持面10aに乗り上げることで段差が生じるが、曲面範囲は
図1および
図4に示すように、長い距離ではないため、紙幣搬送における悪影響は極めて少ないものである。
【0013】
紙幣搬送装置Aの下流側には、
図5および
図6に示すように、紙幣送出口3aを有する紙幣送出部3が設けられている。
紙幣送出部3は、島100の端板101に固定されており、軸支板3bが上下に2個固定されている。
紙幣搬送部10には、回転支持板3cが上下に2個固定されており、この回転軸支板3cが軸支板3bを上下で挟むように配置されている。
軸支板3bと回転支持板3cとは、駆動回転体bの回転軸b1が貫通されている。
回転軸b1は、回転支持板3cを回転自在に軸支しており、回転支持板3cの回転に伴って、紙幣搬送部10が回転するようにされている。
また、支持板3bと回転支持板3cとにわたり、回転支持板3cの回転を制限する回転制限部3dが設けられている。
回転制限部3dは、回転軸b1を中心として湾曲状に開孔された長孔30dと、長孔30dを貫通して支持板3dにねじ込まれたねじ31dとから構成され、ねじ31dを緩めることによって、長孔30dの範囲で回転支持板3cを回転させることができると共に、ねじ31dを締め付けることによって、回転支持板3cを固定できるようにされている。
【0014】
すなわち、遊技場の形状や島100の設置不良等によって、紙幣送出方向が紙幣送出口3aに対して斜めの方向になった場合でも、
図6(b)(c)に示すように、回転支持板3cを回転させることによって、
図6(a)に示す状態と同様に、紙幣送出方向を紙幣送出口3aに対してまっすぐな方向にすることができる。
したがって、紙幣の挿入不良を防止できると共に、この紙幣の挿入不良を要因とする紙幣搬送装置の搬送不良を防止でき、これによって、紙幣挿入口に対して紙幣を安定して挿入することができる紙幣搬送装置Aを構成することができる。
【0015】
[紙幣案内装置の構成]
紙幣案内装置4は、
図9(a)~(c)示すように、台間機Cの裏面C1に固定されるベース部材4aと、紙幣搬送装置Aに配置された紙幣取込装置20に固定される先端部材4bと、ベース部材4aと先端部材4bとの間に介在された複数の中間部材4cとを備えている。
ベース部材4a、先端部材4b、中間部材4cは、弾性変形自在な合成樹脂材から筒状に形成され、筒状の内側を紙幣が通過するようにされている。
【0016】
ベース部材4aの前方には、
図9(c)に示すように、中間部材4cの後方に設けられた嵌合凹部40cに嵌合する嵌合凸部40aが突設されている。
ベース部材4aの側部には、中間部材4cの側部に開孔された嵌合孔41cに嵌合される嵌合突起41aと、中間部材4cの後方端から前方に向けて凹設された位置決め凹部42cに嵌合される位置決め板42aとが設けられている。
このようなベース部材4aに中間部材4cを取り付けるには、ベース部材4aの前方から嵌合凸部40aに中間部材4cの嵌合凹部40cを嵌合する。
このとき、位置決め凹部42cを位置決め板42aに嵌合することで、嵌合凹部40cが嵌合凸部40aに正常に嵌合されると共に、嵌合孔41cが嵌合突起41aに嵌合されて、中間部材4cがベース部材4aに固定される。
【0017】
先端部材4bの前方には、
図9(c)に示すように、紙幣取込装置20に挿入される挿入凸部40bが突設され、先端部材4bの後方には、中間部材4cの前方に突設された嵌合凸部43cが嵌合される嵌合凹部41bが設けられている。
先端部材4bの上下には、中間部材4cの上下に突設された嵌合軸44cが回転自在に軸支される軸支孔42bが開孔されている。
このような先端部材4bに中間部材4cを取り付けるには、先端部材4bの後方から嵌合凹部41bに中間部材4cの嵌合凸部43cを嵌合する。
このとき、中間部材4cの嵌合軸44cを先端部材4bの軸支孔42bに嵌合することで、中間部材4cが先端部材4bに対して回転自在に軸支される。
先端部材4bには、中間部材4cの位置決め凹部42cおよび嵌合孔41cと同じ構成の位置決め凹部43bおよび嵌合孔44bが設けられており、ベース部材4aに対して直接取り付けることができるようにされている。
【0018】
中間部材4cには、
図9(c)に示すように、前述した嵌合凹部40c、嵌合孔41c、位置決め凹部42c、嵌合凸部43c、嵌合軸44cの他に、嵌合凹部40c側の上下に嵌合孔45cが設けられている。
中間部材4c同士は、隣り合う一方の中間部材4cの嵌合凸部43cを他方の中間部材4cの嵌合凹部40cに嵌合する。
このとき、嵌合凸部43cの上下に設けられた嵌合軸44cが嵌合孔45cに嵌合することで、中間部材4c同士が互いに回転自在に連結される。
中間部材4cの個数は、台間機Cと紙幣取込装置20との距離に応じて増減される。
【0019】
このような紙幣案内装置4は、
図7に示すように、台間機Cが紙幣搬送部10の搬送方向に対して直交している場合(
図7において右側)には、ベース部材4aから先端部材4bにわたり、台間機Cと紙幣取込装置20との距離に応じた個数の中間部材4cを直交方向にまっすぐ連結することができる。
また、台間機Cが紙幣搬送部10の搬送方向に対して斜めに交差している場合(
図7において左側)には、
図9(a)に示すように、中間部材4cを回転させて斜めに交差する方向に沿って曲げながら連結することで、先端部材4bを紙幣取込装置20に対して、搬送方向と直交する方向にまっすぐに挿入することができる。
また、台間機Cの配置位置が、紙幣取込装置20に対して紙幣搬送部10の搬送方向に平行にずれていたとしても、中間部材4cを回転させてずれを吸収する方向に曲げながら連結することで、先端部材4bを紙幣取込装置20に対して、搬送方向と直交する方向にまっすぐに挿入することができる。
【0020】
[台間機接続装置の構成]
台間機接続装置Eは、
図7~
図11に示すように、接続装置Fを備えている。
接続装置Fは、台間機Cを紙幣搬送装置Aに取付けるものである。
【0021】
[接続装置の構成]
接続装置Fは、
図7、
図8および
図10~
図13に示すように、台間機Cと紙幣搬送装置Aとを接続する接続具5と、紙幣搬送装置Aに設けられたガイド溝6と、台間機Cと紙幣取込装置20との間に介在される第2接続具7とを備えている。
【0022】
接続具5は、
図7、
図8、
図11~
図13に示すように、台間機Cの裏面C1に固定される接続具本体5aと、接続具本体5aに対して紙幣搬送装置Aと台間機Cの間をスライド自在に連結された連結体5bと、連結体5bに設けられたスライド体50bに締結された被掛合体5cとを備えている。
接続具本体5aと連結体5bとは、接続具本体5aに接続具本体5aの長手方向に沿って開孔された長孔50aに対して連結体5bからねじ51aを貫通するように締め付けることで連結固定され、ねじ51aを緩めることで、長孔50aの範囲で連結体5bがスライドするように連結されている。
すなわち、台間機Cとガイド溝6との距離に応じて連結体5bをスライドさせることで、接続具5の長さを調節することができる。
【0023】
ガイド溝6は、
図7、
図8、
図12(a)(c)、
図13(a)(c)に示すように、紙幣搬送部10の上面に、搬送方向の全長にわたって設けられている。
ガイド溝6は、溝方向を紙幣搬送装置Aの搬送方向および戻り方向と平行として設けられており、ガイド溝6内には、被掛合体5cがガイド溝6内で掛合される掛合体6aが設けられている。
掛合体6aは、ガイド溝6の内壁60a、60aのそれぞれに設けられており、掛合体6aの先端部60同士が対向するように、それぞれ対向する内壁60a、60aに向かって突設されていると共に、対向する先端部60同士の間に溝開放部60bを確保して突設されている。
【0024】
スライド体50bは、
図12(a)(c)および
図13(a)(c)に示すように、ガイド溝6の掛合体6aの上端に載置されており、被掛合体5cは、掛合体6aの下方でスライド体50bとで掛合体6aを挟むようにされている。
スライド体50bと被掛合体5cとは、ねじ(締結体)5dをスライド体50bの上方から締め込むことで締結されてガイド溝6に対して固定され、緩めることでスライド体50bと被掛合体5cとがガイド溝6に対してスライド自在となり、このスライドによって接続具5をスライドさせることができる。
また、スライド体50bは、ねじ5dを緩めることによってねじ5dの軸を中心に回転自在となり、このスライド体50bの回転に伴って接続具5全体を回転させることができる。
すなわち、
図7および
図8に示すように、台間機Cの配置位置に合わせて接続具5をスライドさせることができ、所定の位置でねじ5dを締め付けることによって固定することができる。
また、台間機Cが紙幣搬送部10の搬送方向と斜めに交差している場合に、接続具5を所定の角度となるように回転させることによって、接続具5の角度を台間機Cの角度に合わせることができる。
【0025】
スライド体50bには、
図12(b)(c)および
図13(b)(c)に示すように、ガイド溝6の外壁部61a、61aと対向するようにガイド板52が設けられており、ガイド板52は、ガイド溝6の外壁部61a、61aとの間にスライド体50bの回転空間Sが設けられている。
スライド体50bの回転は、ガイド板52がガイド溝6の外壁部61a、61aに接触する範囲で行われる。
【0026】
被掛合体5cは、ねじ5dの回転によって回転するようにされており、
図12(b)(c)および
図13(b)(c)に示すように、長手側の幅が溝開放部60bの幅よりも幅広とし、短手方向の幅が溝開放部60bの幅未満とする略長方形に形成されている。
すなわち、被掛合体5cの長手方向が溝開放部60bに対して幅方向で交差する状態(
図12(b)(c)参照)においてガイド溝6から抜け止めされ、被掛合体5cの長手方向が溝開放部60bの溝方向に沿っている状態(
図13(b)(c)参照)においてガイド溝6から抜き取りおよび嵌合ができるようにされている。
【0027】
被掛合体5cは、
図12(b)(c)および
図13(b)(c)に示すように、ねじ5dの締め込み方向の回転に伴う被掛合体5bの回転において、ガイド壁6の内壁60a、60aに当接して被掛合体5bの回転を阻止する当接部50と、ねじ5dを緩める方向の回転に伴う被掛合体5bの回転において、ガイド壁6の内壁60a、60aへの当接が回避される非当接部51とが形成されている。
当接部50は、被掛合体5cの一方の対角線上に位置する角部であり、非当接部51は、他方の対角線上に位置する角部を円弧状に形成してなるものである。
すなわち、ねじ5dの締め込み時には、当接部50がガイド壁6の内壁60a、60aに接触することによって回転が阻止され、これにより、ねじ5dを締め込むことができる。
また、ねじ5dを緩める方向の回転時には、非当接部51がガイド壁6の内壁60a、60aへの当接が回避されるので、ねじ5dの回転によって被掛合体5cを回転させることができる。
【0028】
第2接続具7は、
図7および
図8、
図10および
図11に示すように、台間機Cに固定される接続具本体7aと、接続具本体7aに対して連結されていると共に、紙幣搬送装置A側に取付けられる接続体7bとを備えている。
接続具本体7aは、紙幣搬送装置Aと対向する台間機Cの裏面C1と対面して固定される固定部70aと、接続体7bが紙幣搬送装置Aと台間機Cの間をスライド自在に連結された支持部71aとが、上面視L型を呈するように一体形成されている。
また、固定部70aと支持部71aとの境部72aが折曲自在な可撓性を有しており、台間機Cが紙幣搬送部10の搬送方向と斜めに交差している場合に、境部72aを折り曲げることで、第2接続具7を台間機Cの角度に合わせて取付けることができる。
具体的には、支持部71aの方向を紙幣搬送部10の搬送方向と直交する方向とし、この方向を維持した状態で、境部72aを曲げながら固定部70aを台間機Cの裏面C1に固定することで、第2接続具7を紙幣搬送装置Aに対して取付けることができる。
【0029】
支持部71aと接続体7bとは、支持部71aに、紙幣搬送装置Aに向かう方向に沿って支持部71aに開孔された長孔74aから接続体7bにねじ75aを貫通するように締め付けることで連結固定され、ねじ75aを緩めることで、長孔74aの範囲で接続体7bがスライドするように連結されている。
【0030】
このような接続装置Fは、島100の施工不良や機器類の設置位置の誤差等によって、台間機Cの配置位置がずれたとしても、接続具5のスライドおよび回転並びに伸縮によって台間機Cの配置位置のずれを吸収することで、紙幣取込装置の位置調整や台間機の位置調整等の各種作業を行うことなく台間機Cを紙幣搬送装置Aに接続することができる。
また、接続具5のスライドおよび回転並びに伸縮に応じて、第2接続具7の伸縮および境部72aの折り曲げによって、台間機Cを紙幣搬送装置Aに接続することができる。
【0031】
[紙幣回収金庫の構成]
紙幣回収金庫Bは、
図1に示すように、開閉自在な開閉扉B1を備えて島100の端板101に固定されたボックスB2内に紙幣回収ユニットGが内蔵されている。
紙幣回収ユニットGは、
図14に示すように、紙幣送出口3aと連通する紙幣挿入口G1が備えられており、紙幣送出口3aから送出される紙幣200が紙幣挿入口G1に挿入され、挿入された紙幣200を最下流に配置された紙幣収納部Hに搬送するようにされている。
紙幣回収ユニットGは、
図14に示すように、上流側の紙幣挿入口G1から紙幣収納部Hに至る下流側の紙幣出口G2まで、図面上、縦方向と横方向とにジグザグ状とした紙幣搬送通路部Jが設けられている。
紙幣搬送通路部Jは、
図14に示すように、紙幣挿入口G1を含む入口通路部J1と、入口通路部J1の下流側に配置された紙幣処理通路部J2と、紙幣処理通路部J2の下流側に配置された第1の副通路部J3と、第1の副通路部J3の下流側に配置された第2の副通路部J4と、開閉センサ400と、被検出体401とから構成されている。
【0032】
紙幣処理通路部J2および第1の副通路部J3並びに第2の副通路部J4は、
図15に示すように、内部のメンテナンスのために、開閉自在な構成を有している。
紙幣処理通路部J2は、駆動ローラR1が内蔵された駆動部J20と、アイドルローラR2が内蔵された開閉部J21とから構成されている。
駆動部J20は、不動状に固定されており、一方開閉部J21は、上流側の端部が入口通路部J1に対して支軸300によって回転自在に軸支され、支軸300を中心とする回転によって開閉動するようにされている。
そして、
図14に示すように、開閉部J21が閉じられたときに、駆動部J20と開閉部J21とで、紙幣200を搬送する通路が構成され、開閉部J21が開けられたときに、紙幣処理通路部J2の内部が露出するようにされている。
【0033】
第1の副通路部J3は、紙幣の搬送方向を横方向とする紙幣処理通路部J2と、紙幣の搬送方向を下流側において縦方向とする第2の副通路部J4との曲がり部分を構成するものであり、駆動ローラR3が内蔵された駆動部J30と、アイドルローラR4が内蔵された開閉部J31とから構成されている。
駆動部J30は、開閉部J31に対して一体に設けられている。
開閉部J31は、上流側の端部が紙幣処理通路部J2の駆動部J20の下流側の端部に対して支軸301によって回転自在に軸支され、支軸301を中心とする回転によって駆動部J30とともに開閉動するようにされている。
そして、
図14に示すように、開閉部J31が閉じられたときに、紙幣処理通路部J2と上下流方向で正対して、紙幣処理通路部J2から第1の副通路部J3に紙幣200を移送することができる。
また、
図15に示すように、開閉部J31が開けられたときには、開閉部J21により開けられた下流側の端部から紙幣処理通路部J2の内部を大きく露出させることができるようにされている。
【0034】
第2の副通路部J4は、搬送方向を縦方向とする上流側の通路と、搬送方向を横方向とする下流側の通路とを連設して構成され、最下流側には、紙幣出口G2が設けられている。
第2の副通路部J4では、第1の副通路部J3と駆動部J30を共有しており、駆動部J30の駆動ローラR3の駆動回転よって、第1の副通路部J3および第2の副通路部J4での紙幣200の搬送を行うようにされている。
第2の副通路部J4は、前述の駆動部J30と、アイドルローラR5が内蔵された開閉部J41とから構成されている。
開閉部J41は、上流側の端部が第1の副通路部J3の下流側の端部に対して支軸302によって回転自在に軸支され、支軸302を中心とする回転によって開閉動するようにされている。
そして、
図14に示すように、開閉部J41が閉じられたときに、駆動部J30と開閉部J41とで、紙幣200を搬送する通路が構成されると共に、開閉部J41を閉方向に回転させることによって、駆動部J30に同方向に回転する力が加わり、この力に伴って駆動部J30と一体の第1の副通路部J3の開閉部J31が閉方向に回転して閉じられる。
また、
図15に示すように、開閉部J41が開けられたときに、第2の副通路部J4の内部が露出するようにされている。
開閉部J41には、閉状態において紙幣処理通路部J2の開閉部J21の開方向の回転を防止する回転防止部J42が設けられており、後述する保持装置J5が保持解除されただけでは開閉部J21が開かないようにされている。
【0035】
図14および
図15に示すように、紙幣処理通路部J2の開閉部J21と第1の副通路部J3の駆動部J30とにわたって、開閉部J21の閉状態を保持及び保持解除する保持装置J5が設けられている。
保持装置J5は、駆動部J30に形成されたフック部J50と、開閉部J21に回転自在に軸支され、回転によってフック部J50に対して掛脱される掛合杆J51と、掛合杆J51をフック部J50に対して掛合させる方向に付勢するばねJ52とから構成されている。
【0036】
また、第2の副通路部J4の開閉部J41と駆動部J30とにわたって、開閉部J41の閉状態を保持及び保持解除する保持装置J6が設けられている。
保持装置J6は、駆動部J30に形成されたフック部J60と、開閉部J41に回転自在に軸支され、回転によってフック部J60に対して掛脱される掛合杆J61と、掛合杆J61をフック部J60に対して掛合させる方向に付勢するばねJ62とから構成されている。
【0037】
保持装置J5、J6は、
図14に示すように、フック部J50、J60に、掛合杆J51、J61が掛合された状態において、紙幣処理通路部J2、第1の副通路部J3、第2の副通路部J4の閉状態を保持する。
フック部J50、J60に対する掛合杆J51、J61の掛合では、ばねJ52、J62の付勢力によって掛合状態が保持されている。
そして、ばねJ52、J62の付勢力に抗して掛合杆J51、J61を掛合解除方向へ回転させることで、
図15に示すように、フック部J50、J60から外れ、これによって、紙幣処理通路部J2、第1の副通路部J3、第2の副通路部J4を開くことができる。
【0038】
紙幣収納部Hは、紙幣搬送通路部Jに対して取外し自在に設けられている。
前述の紙幣処理通路部J2の開閉部J21は、
図15に示すように紙幣収納部Hを取り外すことで、紙幣収納部が配置されていた範囲が、開閉部J21の開閉動空間S1となり、この開閉動空間S1で開閉動することができるようになっている。
また、紙幣処理通路部J2の開閉部J21が閉じられていないと、紙幣収納部Hを配置できないようになっている。
紙幣収納部Hは、収納部本体H1の上流側に、紙幣収納部Hの配置状態において紙幣出口G2と正対する紙幣識別通路部H2が設けられている。
紙幣識別通路部H2には、駆動ローラR6と、アイドルローラR7と、識別センサH20とが備えられており、駆動ローラR6とアイドルローラR7とで紙幣200を挟んで収納部本体H1へ搬送するようにされている。
【0039】
開閉センサ400は、第2の副通路部J4の開閉部J41に設けられた被検出体401を検出するものであり、開閉部J31、J41が閉じられた状態での被検出体401を検出する位置に配置されており、被検出体401を検出することで、紙幣搬送通路部Jが閉じられていると判断される。
なお、開閉センサ400は、開閉部J41の開いた状態を検出するようにしてもよく、この場合、開いていることの検出が継続されている状態において紙幣搬送通路部Jが閉じられてなく、開いていることの検出がされなくなったときに紙幣搬送通路部Jが閉じられていると判断される。
【0040】
なお、紙幣処理通路部J2の開閉部J21が開いており、第1の副通路部J3および第2の副通路部J4が閉じられているときでも、紙幣搬送通路部Jが閉じられていることが検出される。
これについては、前述したように紙幣収納部Hを配置する場合、紙幣処理通路部J2の開閉部J21が閉じられていないと配置できないため、必然的に紙幣処理通路部J2の開閉部J21を閉じる動作が発生する。
すなわち、最終的に、すべての開閉部J21、J31、J41が閉じられることになり、これによって、紙幣搬送通路部Jが閉じられた紙幣搬送の運用状態となる。
【0041】
第2の副通路部J4の駆動ローラR3は、
図16に示すように、駆動ローラR3と駆動軸R30の間にワンウェイクラッチR31が介在されている。
駆動軸R30は、モータ(図示せず)の動力を歯車列(図示せず)等の動力伝達機構を介して搬送方向に駆動回転するようにされている。
ワンウェイクラッチR31は、駆動軸R30の搬送方向への駆動回転を、駆動ローラR3の搬送方向の回転として伝達する方向にのみ作動するように介在されている。
駆動軸R30による駆動ローラR3の駆動搬送速度は、紙幣識別通路部H2の駆動ローラR6の駆動搬送速度よりも低く設定されており、モータおよび歯車列(いずれも図示せず)によって搬送方向へ駆動回転する駆動ローラR6が、駆動ローラR3から搬送される紙幣200を引っ張り出すようにされている。
駆動ローラR6の回転で紙幣200を引っ張り出すときには、駆動ローラR3には紙幣200の接触摩擦力が生じ、この接触摩擦力によって、駆動ローラR3が駆動軸R30の駆動搬送速度を超える駆動搬送速度で回転しようとすることになる。
【0042】
すなわち、駆動ローラR3の駆動搬送速度が駆動軸R30の駆動搬送速度を超えたときに、駆動ローラR3がワンウェイクラッチR31に対して搬送方向へ空転し、これにより、駆動ローラR6が紙幣200を引っ張り出す際の負荷を軽減することができると共に、駆動ローラR6での搬送滑りを防止することができる。
したがって、駆動ローラR6での搬送滑りを防止することができるので、紙幣識別通路部H2での紙幣の識別を確実に行うことができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0044】
また、前述の各実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
C:台間機
A:紙幣搬送装置
5:接続具
6:ガイド溝
5a:接続具本体
5b:連結体
5c:被掛合体
6a:掛合体
60a:内壁
60:先端部
60b:溝開放部
61:底壁
50b:スライド体
5d:締結具
50:当接部
51:非当接部
7:第2接続具
7a:接続具本体
7b:接続体
C1:裏面
70a:固定部
71a:支持部
72a:境部