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特許7461672ファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】ファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システム
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240328BHJP
【FI】
H05H1/46 M
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022510959
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2020076761
(87)【国際公開番号】W WO2021036214
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-04-24
(31)【優先権主張番号】201910783185.0
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519453825
【氏名又は名称】江蘇魯▲もん▼儀器股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU LEUVEN INSTRUMENTS CO. LTD
【住所又は居所原語表記】Liaohe West Road 8, Pizhou Economic Development Zone Xuzhou, Jiangsu 221300, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】劉 海洋
(72)【発明者】
【氏名】胡 冬冬
(72)【発明者】
【氏名】劉 小波
(72)【発明者】
【氏名】李 娜
(72)【発明者】
【氏名】程 実然
(72)【発明者】
【氏名】郭 頌
(72)【発明者】
【氏名】呉 志浩
(72)【発明者】
【氏名】許 開東
【審査官】小林 幹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0053782(US,A1)
【文献】特開2014-154421(JP,A)
【文献】特開2018-014337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0186568(US,A1)
【文献】特開2011-253916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応チャンバーと、バイアス電極と、ウェーハと、チャンバー蓋と、洗浄機構と、を含み、
前記チャンバー蓋は前記反応チャンバーの上端面に取り付けられ、前記バイアス電極は前記反応チャンバーの内側に取り付けられ、前記ウェーハは前記バイアス電極の上端面に取り付けられ、前記洗浄機構は前記チャンバー蓋の上面側に設けられ、
前記洗浄機構は、結合窓、ガス入口ノズルおよびファラデー層を含み、前記結合窓は前記チャンバー蓋の上端面に取り付けられ、前記ガス入口ノズルは前記結合窓の内側に取り付けられ、前記ファラデー層は前記結合窓の上端面に取り付けられ、
前記ファラデー層が2段ファラデーである場合、前記ファラデー層は、第1内側ファラデー、第1外側ファラデー、前記第1内側ファラデーと前記第1外側ファラデーとの間の上端の第1ファラデーコンデンサおよび前記第1ファラデーコンデンサの上端の第1ファラデー電極シートを含み、前記第1内側ファラデーと前記第1外側ファラデーとの間に隙間があり、前記第1ファラデーコンデンサは前記第1内側ファラデーおよび前記第1外側ファラデーのそれぞれと重なり合う部分を有し、
前記ファラデー層が3段ファラデーである場合、前記ファラデー層は、第2内側ファラデー、第2外側ファラデーおよび前記第2内側ファラデーと前記第2外側ファラデーとの間の中央ファラデー、前記第2内側ファラデーと前記中央ファラデーとの間の上端の第2内側コンデンサ、前記第2外側ファラデーと前記中央ファラデーとの間の上端の第2外側コンデンサ、前記第2内側コンデンサの上端の第2内側ファラデー電極シートおよび前記第2外側コンデンサの上端の第2外側ファラデー電極シートを含み、前記第2内側ファラデーと前記中央ファラデーとの間および前記中央ファラデーと前記第2外側ファラデーとの間にそれぞれ隙間があり、前記第2内側コンデンサは前記第2内側ファラデーおよび前記中央ファラデーのそれぞれと重なり合う部分を有し、前記第2外側コンデンサは前記中央ファラデーおよび前記第2外側ファラデーのそれぞれと重なり合う部分を有する、
ファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システム。
【請求項2】
前記ファラデー層が2段ファラデーである場合、前記ファラデー層の最も外側の直径は、前記結合窓の前記チャンバー蓋に露出された最大直径よりも0%~10%大きく、前記第1内側ファラデーの最大直径は、前記ファラデー層全体の40%~65%を占め、前記第1ファラデー電極シートのサイズは、前記第1ファラデーコンデンサのサイズと一致し、厚さは、前記第1内側ファラデーおよび前記第1外側ファラデーのそれぞれの厚さと一致する、ことを特徴とする請求項1に記載のファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システム。
【請求項3】
前記第1内側ファラデーは、2つの扇形導電性部材からなり、前記2つの扇形導電性部材の間には隙間があり、前記2つの扇形導電性部材はそれぞれ、導電性リングおよび互いの間に隙間がある花弁形状アセンブリからなり、前記花弁形状アセンブリは、互いに分離されており、垂直軸を中心に周りを回転しながら均一に対称分布され、前記花弁形状アセンブリの間の隙間の形状およびサイズは、同じである、ことを特徴とする請求項2に記載のファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システム。
【請求項4】
前記ファラデー層が3段ファラデーである場合、前記第2内側ファラデーの最大直径は、前記ファラデー層全体の15%~35%を占め、前記中央ファラデーの範囲は、前記ファラデー層全体の15%~35%を占め、前記第2内側ファラデー電極シートおよび前記第2外側ファラデー電極シートのサイズはそれぞれ、前記第2内側コンデンサおよび前記第2外側コンデンサのサイズと一致し、厚さは、前記第2内側ファラデー、前記中央ファラデーおよび前記第2外側ファラデーの厚さと一致する、ことを特徴とする請求項1に記載のファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ洗浄装置の技術分野に関し、特にファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造プロセスにおいて、エッチングは最も重要なプロセスの一つであり、プラズマエッチングは一般的に使用されるエッチング方法の一つである。通常、エッチングは真空反応チャンバー内で行われ、通常の真空反応チャンバー内には、ウェーハおよびRF負荷の吸着搬送やウェーハの冷却などに用いられる静電吸着チャックが含まれる。プラズマエッチングプロセスでは、ファラデー洗浄装置(faraday cleaning device)およびプラズマ処理システムが必要である。
【0003】
従来技術においては、既存のファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムを使用する際、洗浄が完全ではなく、使用効果が良くない問題がある。このため、これらの問題が解決可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムの提供が急がれている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、構造が適切で、組み立てやすく、良好な洗浄効果および実用性の強いファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システムを提供することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するための本発明に係るファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システムは、
反応チャンバーと、バイアス電極と、ウェーハと、チャンバー蓋と、洗浄機構と、を含み、
前記チャンバー蓋は前記反応チャンバーの上端面に取り付けられ、前記バイアス電極は前記反応チャンバーの内側に取り付けられ、前記ウェーハは前記バイアス電極の上端面に取り付けられ、前記洗浄機構は前記チャンバーカバーの上面側に設けられ、
前記洗浄機構は、結合窓、ガス入口ノズル、垂直コイルおよびファラデー層を含み、前記結合窓は前記チャンバー蓋の上端面に取り付けられ、前記ガス入口ノズルは前記結合窓の内側に取り付けられ、前記ファラデー層は前記結合窓の上端面に取り付けられ、前記垂直コイルは前記ファラデー層の上端面に取り付けられている。
【0006】
さらに、前記ファラデー層は、2段ファラデーまたは3段ファラデーである。
【0007】
さらに、前記2段ファラデーは、中央ファラデー、エッジファラデー、ファラデーコンデンサおよびファラデー電極シートを含み、前記2段ファラデーの最も外側の直径は、前記チャンバー蓋に露出された前記結合窓の最大直径よりも0%~10%大きく、前記中央ファラデーの最大直径は、前記2段ファラデー全体の40%~65%を占め、前記2段ファラデーのファラデー電極シートのサイズは、前記ファラデーコンデンサのサイズと一致し、厚さは、前記中央ファラデーおよび前記エッジファラデーのそれぞれの厚さと一致する。
【0008】
さらに、前記ファラデーコンデンサの厚さ、前記中央ファラデーと前記エッジファラデーとの重なり合う部分のサイズおよび前記中央ファラデーと前記エッジファラデーとの間の隙間は、必要に応じて調整でき、具体的な調整および計算方法は、C=εS/4πkd との静電容量計算式により行い、ここで、εは定数、Sはコンデンサ極板の対向面積、dはコンデンサ極板間の距離、kは静電力定数であり、平行平板コンデンサの場合、静電容量は C=εS/d であり、ここで、εは極板間の誘電体の誘電率、Sは極板面積、dは極板間の距離である。
【0009】
さらに、前記2段ファラデーの中央ファラデーは、2組の同一の扇形導電性部材からなり、前記2組の扇形導電性部材の間には隙間があり、前記2組の扇形導電性部材はそれぞれ、導電性リングおよび互いの間に隙間がある花弁形状アセンブリからなり、前記花弁形状アセンブリは、互いに分離されており、垂直軸を中心に周りを回転しながら均一に対称分布され、前記花弁形状アセンブリの間の隙間の形状およびサイズは、同じである。
【0010】
さらに、前記3段ファラデーは、内側ファラデー、中央ファラデー、外側ファラデー、内側コンデンサ、内側電極シート、外側コンデンサおよび外側電極シートを含み、前記3段ファラデーの最も外側の直径は、前記チャンバー蓋に露出された前記結合窓の最大直径よりも0%~10%大きく、前記内側ファラデーの最大直径は、前記3段ファラデー全体の15%~35%を占め、前記中央ファラデーの範囲は、前記3段ファラデー全体の15%~35%を占め、前記3段ファラデーの前記内側電極シートおよび前記外側電極シートのサイズはそれぞれ、前記内側コンデンサおよび前記外側コンデンサのサイズと一致し、厚さは、前記内側ファラデー、前記中央ファラデーおよび前記外側ファラデーの厚さと一致する。
【0011】
さらに、前記内側コンデンサおよび前記外側コンデンサの厚さ、前記内側ファラデーと、前記中央ファラデーと、前記外側ファラデーとの三者それぞれの重なり合う部分のサイズ、前記内側ファラデーと、前記中央ファラデーと、前記外側ファラデーとの三者それぞれの間の隙間は、必要に応じて調整でき、具体的な調整および計算方法は、C=εS/4πkd との静電容量計算式により行い、ここで、εは定数、Sは対コンデンサ極板の対向面積、dはコンデンサ極板間の距離、kは静電力定数であり、平行平板コンデンサの場合、静電容量は C=εS/d であり、ここで、εは極板間の誘電体の誘電率、Sは極板面積、dは極板間の距離である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以下の有益な効果を有する。本発明に係るファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システムにおいて、結合窓、ガス入口ノズル、垂直コイルおよびファラデー層が追加され、このような設計により、反応チャンバーの内側の洗浄に役立ち、それによって、既存のファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システムにおける使用効果が不十分の問題が解決され、本発明の実用性が向上される。
【0013】
ファラデー層は、2段ファラデーと3段ファラデーとに分けて構成され、このような設計の適切性が向上される。2段ファラデーは、中央ファラデー、エッジファラデー、ファラデーコンデンサおよびファラデー電極シートを含み、2段ファラデーの最も外側の直径は、チャンバー蓋に露出された結合窓の最大直径よりも0%~10%大きく、中央ファラデーの最大直径は、2段ファラデー全体の40%~65%を占め、2段ファラデーのファラデー電極シートのサイズは、ファラデーコンデンサのサイズと一致し、厚さは、中央ファラデーおよびエッジファラデーのそれぞれの厚さと一致する。本発明は、適切な構造を有し、組み立てが容易であり、良好な洗浄効果があり、実用性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の他の特徴、目的および効果は、以下の図面を参照して説明される非限定的な実施形態の詳細な説明によってさらに明確になる。
図1】本発明に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムの概略構造を示す図である。
図2】本発明に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムにおける2段ファラデー構造の断面図である。
図3】本発明に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムにおける2段ファラデー構造の平面図である。
図4】本発明に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムにおける3段ファラデー構造の断面図である。
図5】本発明に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムにおける3段ファラデー構造の平面図である。
図6】本発明の実施形態1に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムを示す図である。
図7】本発明の実施形態1に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システム動作フローチャートである。
図8】本発明の実施形態2に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムを示す図である。
図9】本発明の実施形態2に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システム動作フローチャートである。
図10】本発明の実施形態3に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムを示す図である。
図11】本発明の実施形態3に係るファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システム動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る技術的解決手段、創作的特徴、達成されるべき目的および効果を理解しやすくするため、以下では、具体的な実施形態を介して本発明についてさらに詳しく説明する。
【0016】
図1図11に示されるように、本発明に係るファラデー洗浄装置を含むプラズマ処理システムは、反応チャンバー1、バイアス電極2、ウェーハ3、チャンバー蓋4および簡便な洗浄機構5を含む。チャンバー蓋4は、反応チャンバー1の上端面に取り付けられている。バイアス電極2は、反応チャンバー1の内側に取り付けられている。ウェーハ3は、バイアス電極2の上端面に取り付けられている。簡便な洗浄機構5は、チャンバー蓋4の上面側に設けられている。
【0017】
簡便な洗浄機構5は、結合窓(coupling window)10、ガス入口ノズル11、垂直コイル80およびファラデー層100を含む。結合窓10は、チャンバー蓋4の上端面に取り付けられている。ガス入口ノズル11は、結合窓10の内側取り付けられている。ファラデー層100は、結合窓10の上端面に取り付けられている。垂直コイル80は、ファラデー層100の上端面に取り付けられている。本発明において、結合窓10、ガス入口ノズル11、垂直コイル80およびファラデー層100が追加され、このような設計により既存のファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムにおける使用効果が不十分の問題が解決される。
【0018】
ファラデー層100は、2段ファラデーおよび3段ファラデーに分けられ、このような設計により適切性を向上している。2段ファラデーは、中央ファラデー110、エッジファラデー120、ファラデーコンデンサ130およびファラデー電極シート140を含む。2段ファラデーの最も外側の直径は、チャンバー蓋4に露出された結合窓10の最大直径よりも0%~10%大きい。中央ファラデー110の最大直径は、2段ファラデー全体の40%~65%を占める。2段ファラデーのファラデー電極シート140のサイズは、ファラデーコンデンサ130のサイズと一致し、厚さは、中央ファラデー110およびエッジファラデー120のそれぞれの厚さと一致する。
【0019】
ファラデーコンデンサ130の厚さ、中央ファラデー110とエッジファラデー120との重なり合う部分のサイズおよび中央ファラデー110とエッジファラデー120との間の隙間は、必要に応じて調整でき、具体的な調整および計算方法は、C=εS/4πkd との静電容量計算式により行う。ここで、εは定数、Sはコンデンサ極板の対向面積、dはコンデンサ極板間の距離、kは静電力定数である。一般的な平行平板コンデンサの場合、静電容量は C=εS/d である(ここで、εは極板間の誘電体の誘電率、Sは極板面積、dは極板間の距離である)。このような設計により、接続箇所の隙間の計算および調整が容易になる。
【0020】
2段ファラデーの中央ファラデー110は、2組の同一の扇形導電性部材111および112からなり、扇形導電性部材111と112との間には隙間がある。また、扇形導電性部材111および112はそれぞれ、導電性リング51および互いの間に隙間がある花弁形状アセンブリ50からなり、花弁形状アセンブリ50は、互いに分離されている。花弁形状アセンブリ50は、垂直軸を中心に周りを回転しながら均一に対称分布され、花弁形状アセンブリ50の間の隙間の形状およびサイズは、同じである。このような設計により、結合窓10の中央の洗浄が容易になる。
【0021】
3段ファラデーは、内側ファラデー150、中央ファラデー160、外側ファラデー170、内側コンデンサ181、内側電極シート182、外側コンデンサ183および外側電極シート184を含む。3段ファラデーの最も外側の直径は、チャンバー蓋4に露出された結合窓10の最大直径よりも0%~10%大きい。内側ファラデー150の最大直径は、3段ファラデー全体の15%~35%を占める。中央ファラデー160の範囲は、3段ファラデー全体の15%~35%を占める。3段ファラデーの内側電極シート182および外側電極シート184のサイズはそれぞれ、内側コンデンサ181および外側コンデンサ183のサイズと一致し、厚さは、内側ファラデー150、中央ファラデー160および外側ファラデー170の厚さと一致する。
【0022】
内側コンデンサ181および外側コンデンサ183の厚さ、内側ファラデー150と、中央ファラデー160と、外側ファラデー170との三者それぞれの重なり合う部分のサイズ、内側ファラデー150と、中央ファラデー160と、外側ファラデー170との三者それぞれの間の隙間は、必要に応じて調整でき、具体的な調整および計算方法は、C=εS/4πkd との静電容量計算式により行う。ここで、εは定数、Sは対コンデンサ極板の対向面積、dはコンデンサ極板間の距離、kは静電力定数である。一般的な平行平板コンデンサの場合、静電容量は C=εS/d である(ここで、εは極板間の誘電体の誘電率、Sは極板面積、dは極板間の距離である)。このような設計により、接続箇所の隙間の計算および調整が容易になる。
【0023】
(実施形態1)
図6に示されるように、垂直コイル80の中央およびエッジにある2つの独立した部分の2つの単一の垂直コイルは、それぞれ、一端が外部高周波数装置に一緒に接続され、他端が一緒に接地されている。内側と外側のコイルの接地されていない端部は、両方とも高周波数整合器の配電ボックスに接続されている。配電ボックスは、中央およびエッジに分配される電力を設定し、さまざまなプロセス要件にしたがって中央およびエッジの電力を調整することにより、チャンバー内のプラズマの密度を調整する。さらに、高周波数整合器と配電ボックスとの間には、RF切換ボックスが設けられ、RF切換ボックスから2つのパスが引き出され、一方のパスが配電ボックスに接続され、他方のパスがファラデー層100に接続される。装置においてプロセスの準備ができたら、RF切換ボックスは高周波数整合器のすべての電力を配電ボックスに出力し、ファラデー層100には電力が供給されない。続いて、配電ボックスは、必要に応じて中央およびエッジのコイルに電力を分配する。プロセスが終了し、チャンバーの洗浄が開始されると、RF切換ボックスはすべての電力をファラデー層100に出力し、内側コイルおよび外側コイルのそれぞれにおける電力はゼロになる。この場合、チャンバーについて洗浄を行い、同時に結合窓10について完全な洗浄を行うことにより、上部への不揮発性金属粒子の堆積を減らす。図7は、本実施形態に係る動作フローチャートである。
【0024】
(実施形態2)
図8には実施形態2が示され、図9には本実施形態に係るプロセスおよび洗浄のフローチャートが示されている。2つの高周波数整合器を含み、1つの整合器は高周波数電力をファラデー層に出力し、他の1つの整合器は内側コイルおよび外側コイルに高周波数電力を出力する。2つの高周波数整合器は1つの高周波数電源により制御され、高周波数電源と高周波数整合器との間のRF切換ボックスにより、どちらの整合器の動作を開始させるかを制御する。チャンバー内においてプロセスが開始される場合、RF切換ボックスは高周波数電源をコイル高周波数整合器に接続させ、ファラデー高周波数整合器は通電されない。コイル整合器からの電力は、配電ボックスを介して中央およびエッジのコイルに出力され、チャンバー内のプロセスガスがイオン化されてプラズマエッチングプロセスシートを形成する。プロセスが終了したら、チャンバーの洗浄を開始し、RF切換ボックスは高周波数電源をファラデー高周波数整合器に接続させ、コイル整合器は通電されない。ファラデー整合器からのすべての電力は、ファラデー層100に出力され、チャンバーの上部において洗浄ガスがイオン化されて活性プラズマが形成され、反応チャンバー1、特に結合窓10の下表面について完全に洗浄する。
【0025】
(実施形態3)
図10には実施形態3が示され、図11には本実施形態に係るプロセスおよび洗浄のフローチャートが示されている。2つの高周波数電源および2つの整合器を含み、1つの高周波数電源および整合器は、内側コイルおよび外側コイルのみに使用され、他の1つの高周波数電源および整合器は、ファラデー層100のみに使用され、両者は互いに干渉しない。チャンバー内においてプロセスが開始される場合、コイル高周波数電源がオンになり、ファラデー高周波数電源がオフになる。コイル整合器は、電力分配ボックスを介して、高周波数電力を垂直コイル80の中央およびエッジのコイルに出力する。チャンバー内のプロセスガスがイオン化されて、エッチングするためのプラズマが形成される。プロセスが終了したら、チャンバーの洗浄を開始し、コイル高周波数電源がオフになり、ファラデー高周波数電源がオンになり、すべての高周波数電力がファラデー層100に出力され、チャンバーの上部において洗浄ガスがイオン化されて活性プラズマが形成され、反応チャンバー1、特に結合窓10の下表面について完全に洗浄する。このように、本発明の実用性が向上される。
【0026】
以上のとおり、本発明に係る基本原理および主な特徴ならびに本発明の利点を説明したが、いわゆる当業者にとって、本発明は上述の例示的な実施形態の詳細に限定されず、本発明の技術的思想または基本的特徴から逸脱しない範囲で、他の具体的な形態で実施できることは明らかである。したがって、上述した実施形態は、あらゆる点で例示的かつ非限定的であると見なされるべきであり、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲により定まれ、上述した説明に限定されない。また、特許請求の範囲の均等の範囲内におけるすべての変更および改良は、本発明に含まれるべきである。なお、特許請求の範囲に記載された符号は、特許請求の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0027】
さらに、本発明は実施形態に従って説明されているが、各実施形態は1つの独立した技術的解決手段しか含まれていないことではないことには理解されたい。本発明に関する上述の説明は単に明確にするためのものであって、いわゆる当業者は、各実施形態の技術的解決手段を適切に組み合わせることができ、当業者が理解できる他の形態により実施できる。
【符号の説明】
【0028】
1 反応チャンバー、
2 バイアス電極、
3 ウェーハ、
4 チャンバー蓋、
5 簡単な洗浄機構、
10 結合窓、
11 ガス入口ノズル、
80 垂直コイル、
100 ファラデー層、
110 中央ファラデー、
120 エッジファラデー、
130 ファラデーコンデンサ、
140 ファラデー電極シート、
50 導電性リング、
51 花弁形状アセンブリ、
150 内側ファラデー、
160 中央ファラデー、
170 外側ファラデー、
181 内側コンデンサ、
182 内側電極シート、
183 外側コンデンサ、
184 外側電極シート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11