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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】不眠症の治療および改善システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240328BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023007724
(22)【出願日】2023-01-22
【審査請求日】2024-01-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522174281
【氏名又は名称】ロゴスサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】弁理士法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下川 千草
(72)【発明者】
【氏名】中島 栄彦
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-068362(JP,A)
【文献】特開2019-162382(JP,A)
【文献】特開2017-225823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不眠症を診断するための疾患特異的な指標と、ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌と、不眠症の疾患特異的な心理療法を実行する治療モジュールと、ユーザの不眠症のタイプに応じた治療モジュールのリストを記憶したメモリと、
前記不眠症を診断するための指標に対するユーザの回答の入力および/または前記ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌への日々の記録の入力と、前記治療モジュールをユーザに提供するためのユーザ端末と、
前記ユーザの回答および/または前記日々の記録の統計分析又はAI分析により、ユーザの不眠症のタイプをアセスメントし、かつ、前記タイプに応じた治療モジュールを、前記メモリに記憶された前記リストに基づいて前記ユーザ端末に提供する制御部
含む不眠症の治療・改善・セルフケア用のシステム。
【請求項2】
前記メモリに、診断横断的な指標と診断横断的な心理療法を実行する治療モジュールとが記憶され、
前記ユーザ端末は、さらに前記診断横断的な指標に対するユーザの回答入力するために利用され、
前記アセスメントに前記診断横断的な指標に対するユーザの回答がさらに用いられることを特徴とする請求項1の不眠症の治療・改善・セルフケア用のシステム。
【請求項3】
不眠症を診断するための疾患特異的な指標と、ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌と、不眠症の疾患特異的な心理療法を実行するユーザの不眠症のタイプに応じた治療モジュールを記憶したメモリと、
前記不眠症を診断するための指標に対するユーザの回答の入力と、前記ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌への日々の記録の入力と、前記複数の治療モジュールをユーザに提供するためのユーザ端末と、
前記ユーザの回答と前記日々の記録の統計分析又はAI分析により、ユーザの不眠症のタイプをアセスメントし、前記アセスメント結果を前記ユーザ端末に提供し、かつ、ユーザの不眠症のタイプに応じた治療モジュールを前記ユーザ端末に提供する制御部
を含む不眠症の治療・改善・セルフケア用のシステム。
【請求項4】
不眠症の疾患特異的な心理療法を実行する治療モジュールと、ユーザの不眠症のタイプに応じた治療モジュールのリストを記憶したメモリと、
前記治療モジュールをユーザに提供するためのユーザ端末と、
ユーザの不眠症のタイプを入力するための医療機関端末または前記ユーザ端末と、
前記メモリに記憶された前記リストに基づいて、前記タイプに応じた治療モジュールを前記ユーザ端末に提供する制御部
を含む不眠症の治療・改善・セルフケア用のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不眠症の治療を支援するための不眠症治療支援システムおよび不眠症治療支援用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
不眠症とは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などの睡眠に関する問題が長期にわたって続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する疾患である。 不眠症の原因はストレス、身体の病気、薬の副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要と言われている。また、不眠症に類似した睡眠障害として、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、概日リズム睡眠・覚醒障害などが知られているが本発明の対象としては主に前者を対象とする。
【0003】
特許文献1には、ユーザの就寝時刻、入眠時刻、覚醒時刻、起床時刻に関する情報に基づいて、上記ユーザの睡眠効率を算出する睡眠効率算出部と、 上記睡眠効率算出部により算出される上記睡眠効率に基づいて、上記ユーザの就寝時刻および当該就寝時刻より第1所定時間前における眠気テストの実施時刻を設定する時刻設定部と、 上記時刻設定部により設定された実施時刻またはそれより第2所定時間前もしくは後の時刻になったときに、上記眠気テストの実施を促すメッセージを上記ユーザに提示する催告メッセージ提示部とを備えたことを特徴とする不眠症治療支援装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】再表2018/069968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、就寝時刻を強制的に遅くすることにより、無理して早くからベッドに入らなくてもよいのだという安心感をユーザに与えて不眠症を改善することを意図しているが、不眠症の原因は不安だけではないので、必ずしも不眠症の改善につながらないという問題があった。
本発明の課題は、幅広く不眠症の症状を訴える患者に対して症状の緩和・改善あるいは、睡眠習慣改善のトレーニングを手軽に、かつ安全に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1)
不眠症を診断するための指標と、ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌と、不眠症の疾患特異的な心理療法を実行する治療モジュールと、を記憶したメモリと、
前記不眠症を診断するための指標に対するユーザの回答の入力と、前記ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌に日々の記録の入力と、前記複数の治療モジュールをユーザに提供するためのユーザ端末と、
前記ユーザの回答と前記日々の記録の統計分析またはAI処理により、ユーザの不眠症のタイプをアセスメントし、かつ、ユーザの睡眠の計画を立て、前記タイプに応じた治療モジュールを、前記睡眠の計画を前記ユーザ端末に提供する制御部と、を含む不眠症の治療・改善・セルフケア用のシステム。
(請求項2)
前記メモリに、診断横断的な指標と診断横断的な心理療法を実行する治療モジュールとが記憶され、
前記ユーザ端末は、前記診断横断的指標に対するユーザの回答の入力するために利用され、
前記アセスメントに前記診断横断的な指標に対するユーザの回答が用いられることを特徴とする請求項1の不眠症の治療・改善・セルフケア用のシステム。
(請求項3)
不眠症を診断するための指標と、ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌と、不眠症の疾患特異的な心理療法を実行する治療モジュールと、を記憶したメモリと、
前記不眠症を診断するための指標に対するユーザの回答の入力と、前記ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌に日々の記録の入力と、前記複数の治療モジュールをユーザに提供するためのユーザ端末と、
前記ユーザの回答と前記日々の記録の統計分析またはAI処理により、ユーザの不眠症のタイプをアセスメントし、かつ、ユーザの睡眠の計画を立て、前記アセスメント結果と前記睡眠の計画を前記ユーザ端末に提供する制御部と、を含む不眠症の治療・改善・セルフケア用のシステム。
(請求項4)
不眠症の疾患特異的な心理療法を実行する治療モジュールと、を記憶したメモリと、
前記複数の治療モジュールをユーザに提供するためのユーザ端末と、
ユーザの不眠症のタイプを入力するための医療機関端末または前記ユーザ端末と、
前記タイプに応じた治療モジュールを前記ユーザ端末に提供する制御部と、を含む不眠症の治療・改善・セルフケア用のシステム。
(請求項5)
心因性疾患または心身症の治療・改善・セルフケア用のシステムであって、
システムには、疾患特異的な複数の治療モジュールおよび/またはと診断横断的な複数の治療モジュールとを収容するメモリと、前記疾患特異的な複数の治療モジュールおよび/または前記診断横断的な複数の治療モジュールとを提供する制御部とを含み、
前記制御部は患者に複数の治療モジュールを治療効率を考慮に入れて順序だったプログラムとして提供することを特徴とするシステム。
【発明の効果】
【0007】
本発明の治療・予防・セルフケア用アプリ(以下、治療用アプリと称する)によれば、不眠症の原因や症状の状況に応じて改善提案をすることができるので、幅広い不眠症患者の症状の緩和、セルフケアをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のシステムを示す概念図である。
図2】本発明の睡眠日誌の例を示す図である。
図3】本発明のアセスメント項目の入力方法の例を示す図である。
図4】本発明の実施例の治療用アプリの制御フローを示す図である。
図5】本発明の床上時刻のユーザへの提案画面の例を示す図である。
図6】本発明の治療モジュールの提供プログラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(治療用アプリを含むシステムの構成)
本発明の一実施形態として、インターネット上に設置されたネットワークシステムにインストールされたプログラムを挙げる。ネットワークシステムは、サーバやクラウド上の大容量の記憶装置を備え、ノートパソコンやスマートフォン、タブレットなどのユーザ端末がインターネットを介して接続されたサーバであり、このサーバ装置は、本実施形態に係るプログラムを実行することで、ユーザ端末とのデータ通信を通じて、ユーザ端末から入力された情報や、サーバの記憶装置に格納されている情報を用いてユーザ端末を介してユーザに不眠症の治療や緩和、セルフケアを可能とする治療用アプリや不眠症に関わる疾患教育等の各種情報を提供するものである。また、本システムはサーバとユーザ端末が協同して利用者、不眠症患者の症状を改善する例として示したが、すべての要素をサーバ側だけに保持し、ユーザ端末は情報入出力と情報表示のためだけに用いるシステム、あるいは、必要なデータやプログラムをユーザ端末にダウンロードして、すべての処理をユーザ端末で実行できるシステムや、ユーザーがアクセスできるウェブページでの提供も本発明の範囲に含まれる。
【0010】
図1にユーザ端末101とサーバ106を含むネットワークシステム100の構成の概略を示した。ユーザ端末101は、インターネット110を介してユーザサーバ106と通信するための通信部102、個人情報や、データ、プログラムを記録するための記憶装置104、表示装置105、ユーザからの入力を受け付ける入力装置111、これらの制御を行う制御装置103などを含む。サーバ106は、インターネット110を介してユーザ端末101と通信するための通信部108、大容量の記憶装置109、および制御装置107などを含む。制御装置107には、通信部108を介してユーザ端末101と通信するための通信制御プログラムが実装されているとともに、記憶装置109に構築されたデータベースを管理するプログラムと、ユーザの現在または過去の症状・状態を記録した症状の記録(日誌)を管理する専用のプログラム(以下、症状日誌プログラムとも言う)や、治療用アプリのサーバ側プログラム、治療用アプリの治療用のモジュールであるワークや疾患教育の動画などのデータが実装されている。そして、サーバ側の治療用プログラムは、ユーザ側の治療用アプリと連携して診断・治療・緩和・改善・維持またはセルフケアを実行し、制御装置107が治療に必要な情報を通信制御プログラムやデータベース管理プログラムと連携させながらユーザ端末に提供する。それによってサーバ106による診断・治療・緩和・改善・維持あるいはセルフケアがユーザに提供される。この例では治療用アプリはサーバ側部分とユーザ端末側部分に分けられ、診断・治療・緩和・改善・維持またはセルフケアが実行される例を示すが、必要なプログラム・データ等をすべてユーザ端末101にダウンロードし、ユーザ端末101で独立して実行できる構成としてもよい。または、ユーザー端末101は入力手段および表示手段としてのみ機能し、サーバ106はユーザ端末101からの入力、例えば専用のウェブページを介した、に基づいてプログラムを実行するように構成してもよい。
【0011】
(睡眠日誌(症状日誌))
図2(a)に記憶装置109(場合によっては記憶装置104)に記憶される睡眠日誌のデータの一例を示した。本睡眠日誌は、患者の就寝時刻、入眠時刻、覚醒時刻、起床時刻、睡眠の質(例えば、5段階)、目覚めた回数(あるいは、目覚めていた時間)、昨日の昼寝の時間、睡眠効率、実質睡眠時間、床上時間、翌日業務、睡眠剤やアルコールの摂取などの項目が設けられ、不眠症治療用アプリを含むシステムは例えばスマホなどのユーザ端末101の入力画面から、患者に定期的、典型的には起床後、迅速に、ユーザ端末101を介してこれらの項目の値を入力することを求める。また、翌日業務などは帰宅後などで就寝時刻の設定前に入力するようにしてもよい。ここで、翌日業務は、翌日の業務や作業内容の危険度を示す入力値で例えば、居眠りなどをすることによって身体的な危険が及ぶ業務や作業を行う場合が該当する。ここにチェックが入っている場合や5段階で4以上の場合に、就寝時刻の設定で、実質睡眠時間が短くなるような設定を通常(例えば昼間の眠気が5段階評価の5の場合、短くすることを避ける)よりも避けるように設定(例えば昼間の眠気が5段階評価の4の場合、短くすることを避ける)すると安全面から好ましい。このほか、睡眠回数など他のパラメータを入力し、記憶してもよい。また、人の体温の周期と概日リズムについて相関があることが知られており、人の体温の周期と睡眠周期との相関があることも知られているので、定期的に体温を測定し、そのユーザの一日の体温の変化のグラフと就寝時刻との関係をグラフィカルに表示したり、この体温の変化を就寝又は入眠時刻あるいは覚醒時刻または起床時刻の設定に役立ててもよい(例えば、体温が下がっていくときに就寝時刻を合わせる、あるいは、体温が上がっていくときに起床時刻を合わせる)。このように、ユーザのバイタルサインと就寝又は入眠時刻、あるいは覚醒時刻または起床時刻との関係を表示、あるいはこのデータをそれらの時間設定に役立ててもよい。また、図2(a)では7月1日から7月7日の1週間分のデータとして記憶データを示したが、治療の継続期間や、必要期間分の記録を保存することは言うまでもない。また、上記例では睡眠日誌への入力はユーザ端末101へのユーザの入力としたが、ウェアラブルデバイス等のユーザ端末からの自動的な入力でも構わない。
【0012】
睡眠効率とは、ベッド等の寝床にいる全体の時間のうち、実際に眠れている時間の割合をいう。すなわち、睡眠効率は、以下の式により算出される。
睡眠効率=(入眠時刻から覚醒時刻までの時間)/(就寝時刻から起床時刻までの時間)×100[%]
床上時間とは、以下の式により算出される。
床上時間=就寝時刻から起床時刻までの時間
また、睡眠時間は、以下の式により算出される。
睡眠時間=入眠時刻から覚醒時刻までの時間
実質睡眠時間は、以下の式により算出される。
実質睡眠時間=入眠時刻から覚醒時刻までの時間-目覚めた時間
また、これらの時間や睡眠の質はユーザの入力に変えて、アクチグラフィ、睡眠ポリグラフィや、スマートベッド、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスなどによるデータによって取得するようにしてもよい。
さらに、これらのデータはユーザ端末101や管理者や医療者の端末(図示しない)から、特定日の患者のデータの呼び出し、平均データの呼び出し、特定期間のデータの推移(折れ線グラフ等で)を表示できるようにすることによって、患者の状態の確認や、ユーザのセルフケアに役立てることができる。
【0013】
(心理アセスメント)
不眠症の疾患特異的な質問票として、不眠症状質問票(ISQ:Insomnia Symptom Questionnaire)、不眠症重症度質問票(ISI: Insomnia Severity Index)、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI: Pittsburgh Sleep Quality Index)、睡眠に関する非機能的な信念と態度質問票(DBAS: Dysfunctionl Beliefs and Attitudes About Sleep Questionnaire)、エブワース眠気尺度(ESS: Epworth Sleepiness Scale)、アテネ不眠尺度(AIS:Athens Insomnia Scale)のいずれかまたはそれらの組み合わせと、必要があれば不眠症とは別に患者のパーソナリティ特性のような心理社会生物的な特性を調査するための診断横断的な指標として、ベック抑うつ質問票、ベック不安質問票、全般性不安障害尺度(GAD-7),こころとからだの健康評価尺度(PHQ-9、PHQ-15),うつ病の疫学研究用の自己評価尺度の幸福度(CES-D)、PFQなどを用いることができる。これらの質問項目は記憶装置109に記憶され、ユーザ端末101で実行される治療用アプリからの要求にしたがって提供される。提供される質問項目はこれらの質問票の質問項目だけでなく、それらの抜粋、新たに追加された項目として、不眠症を診断するための所定の質問項目セットが提供されるが、ユーザのタイプや治療の段階に応じて変更してもよい。
図3(a)、図3(b)、図3(c)にAIS、GAD-7、PHQ-9による質問項目をユーザ端末101で入力する例を示した。このほか、身体症状、精神症状、社会的症状等に関する質問項目を設ける、あるいは、EMA(Ecological Momentary Assessment、経験サンプリング法)と同時に記録することができる。本例では、ユーザ端末101の表示装置105に入力項目が表示され、表示装置105の表面に設けられたタッチパネルである入力装置111によってそれぞれの項目について該当する・該当しないという判断に基づいて0-3の数値を選択する例を示したが、スライダバーを利用して入力することなど、表示や入力方法はこれに限られず、自由記載やチェックボックスを利用してもよい。さらに、入力方法は、音声入力や、バイタルサインによる入力などでも構わない。
これらの質問項目の回答の統計処理、あるいは、AIによる処理によって、患者の不眠症のタイプを分類することができる。
【0014】
上記質問票や心理検査だけでなく、さらに、疾患特異的なアセスメントのための指標や診断横断的なアセスメントのための指標を追加してもよい。例えば、アクセプタント&コミットメント・セラピー(ACT)で用いられる診断横断的な指標は、心理社会的問題、生活適応やストレス等に対して、患者がどの程度適応的に行動できているのか、或いは非適応的に行動しているのかをアセスメントするためのものであり、量的測定指標を用いてアセスメントを行う。例えば、適応的な行動として、不快な思考や感情を回避しないで、そのままにしておく「アクセプタンス」、考えと現実を区別して、不快な思考や感情にのみ込まれない「脱フュージョン」、目の前の現実への気づきを保持する「今、この瞬間との接触」、俯瞰的な視点から、自分自身が気づいていることに気づく「視点としての自己」、生きたい「生き方」を明確にする「価値の明確化」、生きたい「生き方」を追求する「コミットメント」等を想定している。心理社会的問題、生活適応やストレス等に対して、上述の適応的な行動をアセスメントすることにより、アクセスしたユーザー(患者:対象者)の心理的柔軟性をアセスメントする。そして、心理社会的問題、生活適応やストレス等に対して、上述の適応的な行動が見られる対象者であれば、健康的であり、生活の質が高く、ストレスが低く、各種疾患に対する抵抗力が高い状態にあると判断できる。また、これらの心理的柔軟性を高めることによって疾患特異的な介入の効果を高めることができるので、認知行動療法においてこれらの評価をするために用いられている公知の指標を用いて、その量的評価を行い、例えば、脱フュージョンで問題があればそこに介入する治療モジュールを追加して、治療を行うことが好ましい。ここでは好例として認知行動療法の指標に言及したが、そのほかの診断横断的な指標を用いることもできる。
【0015】
(教育コンテンツ)
睡眠についての生理的、心理的メカニズム、健全な日常生活の活動やリズム、不眠症の症状を改善するために、患者の生物学的特性やパーソナリティ特性といった素質的要因と、睡眠と覚醒のパターンを混乱させるストレスや状況といった促進要因と、睡眠不足の不安、昼寝や過剰にベッド上で過ごす習慣などの持続要因など不眠症を発症させる不眠症のメカニズム、不眠状態を持続させる信念や、不安、習慣を修正するための必要性などの、疾患教育コンテンツ、本プログラムによる治療プログラムや、認知行動療法などの心理療法による認知のゆがみの改善や行動の修正の原理と期待効果に関する、心理教育コンテンツ。さらに、アセスメントを実行する場合は患者の睡眠障害をもたらしている要因とその典型的な治療計画、その治療経過の例示などに関するタイプ別教育コンテンツ。これらの教育コンテンツによって患者のアドヒアランスを向上させることができる。
【0016】
(心理療法に基づく治療モジュール(ワーク))
疾患特異的なワークとしては、「睡眠に関する認知の歪み1」(加齢によって睡眠時間は徐々に変化するが、若いころの睡眠リズムに固執し、若いころのように寝れないと駄目であるとこだわることにより睡眠に対する認知が歪み、結果的に睡眠を悪化させる。加齢によって睡眠の質や量は変わることを理解させるカウンセリング)、「睡眠に関する認知の歪み2」(睡眠不足の影響を恐れ、昼寝をしたり、早く就寝したりして不眠症状を悪化させたり、長引かせたリスることがあることを理解させるカウンセリング)、「睡眠の認知の再構成」(生理的には十分な睡眠をとっているにも関わらず、睡眠が足りないと思いこみ、それによって不眠の苦痛を増大させている、など不眠についての誤った認知や信念を妥当なものに変えるカウンセリング)、「リラクゼーション」(睡眠時に、過緊張や過覚醒によって眠気が来ない場合がある。そうしたとき、呼吸法や筋弛緩法、自律訓練法といったリラクゼーション法を実施することにより、緊張や覚醒を和らげ、適度に眠気を誘うためのカウンセリング)、「問題解決」(不眠症は日常生活のストレスや困りごとによって相当影響を受けるので、そうしたことを布団の中で考えてしまい、それが原因となって覚醒し、不眠を引き起こすメカニズムに関するカウンセリング)、「心配の枠づけ」(やり残した仕事を寝室に持ち込み、覚醒や苦痛を作り出し不眠となる、就寝時間に思い出して覚醒させる原因となる課題と解決策を就寝前にワークシートに書き出して整理する)、「思考記録表」(不眠症に対処できないのではないかという恐れ、不眠の結果として病気になるのではないか、不眠が続くと頭がおかしくなると心配する思考を、思考記録表を作成してこういったうつ症状の傾向を弱める)などが挙げられる。
一方で、診断横断的なワークとしては、「白くま実験」(「シロクマ」のことだけは絶対に考えないでください!と言われるとつい白くまのことを考えてしまうという現象に基づく認知のメカニズムに関するカウンセリング)、「アクセプタンス」(思考に逃げないことに関するカウンセリング)、「脱フュージョン」(事実とネガティブな思考や感情と同一化し起きてもいないことに対して不安になってしまう認知のとらえ方をネガティブな思考や感情と自分を切り離して、否定的な感情に巻き込まれないようにするカウンセリング)、「今、この瞬間」(過去や未来は思考でしかないことに気付くようにするカウンセリング)、「価値とゴール」(個人の価値を明確にし、思考に引きずられることなく、その価値に基づいて、人生を生きることに意味を感じ、心理的柔軟性を増して思考から行動していけるようにするカウンセリング)、「マインドフルネス呼吸法」、「自律訓練法」(自分自身の力で適度なリラックス状態を得られるようになるための訓練)、などが挙げられる。これらの、疾患特異的なワークだけでなく、診断横断的なワークとを、その患者のタイプに応じて、複数組み合わせて順序だててプログラム化して提供することによって、例えば、その患者の元々のパーソナリティとしての認知の歪みが改善されたうえで、不眠症状に関する認知の歪みが改善されるので、疾患特異的な治療のみの場合に比べて、より一層症状の改善が期待できる。ここで、不眠症の場合、複数の認知の問題が関連していることが多いので少なくとも3以上のワークをプログラム化したものであると好ましい。
カウンセリングは医療機関で行われるカウンセリングの問答をベースにしたデータが記憶装置109に記憶され、そのデータを治療用アプリのプログラムがチャットボット形式で提供するものである。ただし、ここでは、チャットボットを用いて、文書としてユーザ端末101を介して提供することを想定しているが、ユーザ端末101を介して音声での対話など他の方法でユーザに提供してもよい、またこれらをユーザが選択できるように構成してもよい。
【実施例
【0017】
(実施例1)
図4(a)に本発明の第一の実施例の不眠症治療用アプリによる症状の改善フローを示した。まず、ユーザ(患者)がユーザ端末101にシステム100(またはGoogle Play(登録商標)やApple Store(登録商標)のようなダウンロードサーバ)から不眠症治療用アプリ(本アプリ)をダウンロードしてインストールする。次にユーザは本アプリを起動すると、まず、図2(b)の入力画面に従って、毎日の睡眠状況に関する情報を入力する(A4-1)。入力された値はネットワーク110を介してシステム100に送信され、記憶装置109に図2(a)の様式で保存される。この初期の睡眠日誌の記録期間はユーザまたは医療機関によって設定されるが2週間以上が好ましい。次に、睡眠日誌の開始と前後して(睡眠日誌の記入の前でも、途中でも、初期入力の終了後でもよいがここでは睡眠日誌の入力開始と同時に設定した)、教育コンテンツをシステム100から本アプリまで提供する。教育コンテンツについては適宜、疾患教育コンテンツ、心理教育コンテンツ、タイプ別教育コンテンツを順次提供する(A4-2)。これらの教育コンテンツの提供後、理解度テストを実施し、コンテンツの理解度を確認することが可能となっている。また、一度提供されたコンテンツについてはユーザが再度視聴できるようにユーザ端末101から呼び出し可能とする。
【0018】
教育コンテンツの終了後(場合によっては並行して)、図3に示したように、システム100から送信された質問項目に基づいて、ユーザが入力装置111を介して入力し、ネットワーク110を介してシステム100に送信され、記憶装置109にユーザ情報とともに記憶される(A4-3)。ユーザに関しては固有のIDが付与され、そのIDに紐づけられて本システムで用いられる情報が記憶されている。
【0019】
次にシステム100に収容されたプログラムによって、入力された質問項目の統計分析に基づいてアセスメント(ユーザのタイプ分け)を行う(A4-4)。ここで、たとえば、システム100のプログラムは、図3(a)で入力されたAISの質問項目の値、図3(b)で入力されたGAD-7の値,図3(c)で入力されたPHQ-9の値を分析し、典型的にはそれぞれの合計得点を用いて、(0)AISの値が10以上、GAD-7、PHQ―9の少なくともいずれかの値が15点以上(重度、この場合、医療機関等へアラートを発する)、(1)AISの値が3点以下はタイプ1(健康状態)、(2)AISの値が4-9点以上、GAD-7の値が4以下、PHQ―9の値が4以下(不安型タイプ)、(3)AISの値が4-9点以上、GAD-7の値が5-14、PHQ―9の値が4以下(うつ型タイプ)、(4)AISの値が4-9点以上、GAD-7の値が4以下、PHQ―9の値が5-14、(5)AISの値が4-9点、GAD-7とPHQ―9の値がともに5-14点(うつ・不安混合タイプ)と判断する。ここでタイプ分けのアルゴリズムは指標の項目や、数値、あるいは他の統計分析手段やAIによる解析によってさらにおおざっぱ、あるいは細分化することもできる。
【0020】
次に睡眠日誌のアセスメントを行う。睡眠日誌のアセスメントも疾患特異的アセスメントの一つといえる。睡眠日誌による睡眠のアセスメントは実質睡眠時間が6時間より短い時は短睡眠時間タイプ、就寝から入眠までの時間が30分以上の場合は入眠異常がある、睡眠の質の評価が低い場合、睡眠品質異常(例えば、5段階で評価した睡眠品質が2以下の場合)がある睡眠異常タイプと判断する。例えば、ある患者の場合、実質睡眠時間が平均400分で平均床上時間が540分の場合、入眠異常タイプと判断する。
【0021】
床上時間から2週間の平均床上時間を、実質睡眠時間から平均実質睡眠時間を求める。ここでは目標とする床上時間を次式で設定する。
目標床上時間=平均実質睡眠時間+30分
ただし、この目標床上時間は医療者との相談あるいは患者の睡眠品質に応じて変更することができる。そして、この目標床上時間に基づいて、就寝時間を設定する。基本としてこの就寝時間は睡眠日誌において睡眠の質が良かった日の就寝時間を基本として設定するが、患者の希望により変更することができる。睡眠日誌は治療期間中は図2(b)を介して患者に入力もとめ、記憶装置109に結果を記憶する。
図5(a)に、平均実質睡眠時間420分、平均床上時間500分で、平均就寝時間がPM10:30の患者に対するシステムからの睡眠の推奨時間を示した画面表示である。画面上の上下アイコンをタッチすることによって就寝時刻、起床時刻を設定することができる。このシステムからの推奨時刻は毎日設定するようにもできるが、1週間毎に治療効果を確認しながら設定するようにすると都合がよい。1週間毎に設定値を達成しているかどうかを評価すると都合がよい。この評価時に目的とする就寝時刻および起床時刻が達成されても睡眠品質が向上していない場合、次週の就寝時刻および起床時刻は床上時間が+15分になるように設定する。増分については適宜設定してもよい。
【0022】
次に、患者のアセスメント結果により患者のタイプが決定されると、記憶装置109に記憶されたリスト(タイプ毎にどの治療モジュールが提供されるかが記録されている。治療モジュールだけでなく、心理教育、疾患教育等をタイプ別に必要に応じて提供するような記録とすることもできる)に基づいて、治療モジュールのプログラムが決定される。図6(a)で、タイプ1が不安型タイプ、タイプ2がうつ型タイプ、タイプ3がうつ型タイプ・入眠異常タイプを示している。その他のタイプについては説明の簡略化のため省略した。1~2週目は疾患教育、アセスメントを行うため、治療は3週目から行われ、大文字の英数字は上述したような診断横断的な治療モジュール、小文字の英数字は上述したような疾患特異的な治療モジュールを示している。患者がタイプ1の場合、スケジュールに従って、治療モジュールA,B,a,b,c,dがシステム100からユーザ端末101に提供され、患者はユーザ端末101を利用して治療を受ける。リストに記載された、疾患の教育や治療モジュール群の構成はそれぞれのタイプに応じて構成されており、リラクゼーションのための治療モジュール、ストレスマネジメントのための治療モジュール、認知再構成のための治療モジュールなどの治療モジュールが治療効果を高めるために順序だって前述のリストに基づいて提供される。また、オプショナルな要素としてマインドフルネス瞑想などの追加の治療モジュールを追加してもよい。このプログラムはシステム100に蓄積された治療データから修正してもよい。またAIを利用して自動的に改良するように修正しても、あるいは、患者の治療状況によって治療モジュールを変更する条件付けを用いたリストとしたり、Iを用いて適宜適切な治療モジュールを選択して提供するようにしてもよい。また、それぞれのモジュールの実施後に、記憶装置109に記憶された睡眠に関する指標などをユーザ端末101を介してユーザに提供および、その入力手段により回答させ、その回答を記憶装置109に記憶された閾値と評価し、その閾値を超えていない場合は同じモジュールを再度ユーザに提供する、あるいは同様の効果をもたらす別の治療モジュールを提供するように、あるいは、図示しない医師端末を介して医師に伝え、医師の応答によって、次のモジュールに進む、あるいは、前回のモジュール、または前回と同様のモジュールを提供するようにしても良い。心因性の症状は複数の要因(ユーザーの心理生物社会的要因で、うつ傾向が強い、不安傾向が強いなど)が連関して、あるいは深く関連しあって症状をもたらすケースが多い。特に、不安症の場合は、ストレスが強くて、認知の歪みを正せないで不安症となった患者の場合、早く床につけば眠れるはずという間違った認知を直そうとしても、ストレス状態が改善されていない場合、認知の歪みについての教示を受けても、焦ってしまって、認知の歪みを改善できず、不眠症が治らないといったことが起こりうる。このような理由から、特定の疾患特有の症状を改善するためにも、特に、生物心理社会的な要因に働きかける、診断横断的な治療モジュールを患者に提供することは大きな効果をもたらす。
【0023】
本プログラムでは患者が治療モジュールを行った場合、毎週治療モジュールを更新する例を示したが、睡眠日誌での治療効果の評価結果で前回との比較から効果が見られない場合、不図示のバイタルサインの計測によるバイオフィードバックの結果、改善が見られない場合、図示しない医師端末との通信により、医師による指示入力があった場合には、前週のモジュールを再度提供する、あるいは、治療モジュールの理解度テストを行って理解度が低い結果が出た場合、再度、同じモジュールを提供するなど修正を行ってもよい。
【0024】
(実施例2)
図4(b)に本発明の第二の実施例の不眠症治療用アプリによる症状の改善フローを示した。
本実施例では1-2週間で教育コンテンツと典型的な診断横断的な治療モジュールをシステム100からユーザ端末101に提供し、質問用およびアセスメントが疾患横断的なものだけ行われ(診断横断的なアセスメントが行われることは妨げない)、タイプ分けが行われて、図6(b)のような、そのタイプに応じた治療モジュールを提供する治療プログラムが提供される。それ以外の点では実施例1と同様の流れで治療用アプリの制御が行われる。
【0025】
(実施例3)
図4(c)に本発明の第三の実施例の不眠症治療用アプリによる症状の改善フローを示した。
本実施例では1-2週間で教育コンテンツをシステム100からユーザ端末101に提供し、質問用およびアセスメントが疾患横断的なものだけ行われ(診断横断的なアセスメントが行われることは妨げない)、タイプ分けが行われて、そのタイプに応じた疾患特異的な治療モジュールを提供する治療プログラムが提供される。それ以外の点では実施例1と同様の流れで治療用アプリの制御が行われる。
【0026】
上述の実施例1-3では一連の制御が治療用アプリによって制御される例を示したが、例えば、実施例1でA4-4のフローの後に医療機関にアセスメント結果を提示する。あるいは、システム100に接続された医療機関の入力端末(図示しない)でタイプの指定を行い(入力はユーザ端末101からできるようにしてもよい)、その結果に基づいてA4-5の治療モジュールのシステムからの提供からのフローをユーザ端末101で受け、治療を開始するように設定することもできる。
【0027】
さらに、治療用アプリは患者の服薬スケジュールを管理する機能を持ち、服薬と併用して治療モジュールをユーザに提供するように構成されてもよい。服薬の為の処方については医療機関や医師、薬剤師の利用する端末と連携してもよい。
【0028】
本発明の治療用モジュールとして、メタバースやVR、ARなどの技術を利用してユーザに提供することもできる。
【0029】
各フローはシステムに搭載されたソフトウェアプログラムの機能単位として示しているが、これに限られず、各機能単位を実行するハードウェア(FPGA等)を用いたハードウェアから構成したシステム、あるいはそれらの組み合わせれたシステムとしてもよい。
【0030】
各指標のユーザの入力結果から症状の状態が深刻であると判断された場合、あるいは、本治療用アプリの効果が得られていないと判断された場合は、本システムと通信回線を介して接続された医療機関等の端末(図示しない)にアラートを発し、医療機関からのこのアラートに対する応答としての指示をユーザに伝達する、あるいは、アラートを発すると同時にユーザに本治療用アプリの利用を停止するように即する表示を行うようにしてもよい。
【0031】
不眠症の場合、不眠状態を改善するために好ましくない行為が知られている。例えば、カフェインをとること、昼寝をすること、眠れないまま床に就き続けることなどである。毎日患者がユーザ端末101を介して記録する睡眠日誌に自由記入欄を設け、自由記入欄に記入された行為が、記憶装置109に記憶された上述のような好ましくない行為の一つと一致するような場合、端末にアラートメッセージ等のアラートを発し、患者に意識づけると効果的である。
【0032】
実施例1ないし実施例5にそれぞれ実例を示して説明してきたがそれぞれの実施例に用いられた要素を他の実施例の構成に追加して用いることが可能なことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0033】
101 ユーザ情報端末
102 通信部
103 制御装置
104 記憶装置
105 表示装置
106 サーバ
107 制御装置
108 通信部
109 記憶装置
110 インターネット
111 入力装置
【要約】
【課題】不眠症治療用アプリを提供する。
【解決手段】
不眠症を診断するための指標と、ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌と、不眠症の疾患特異的な心理療法を実行する治療モジュールと、を記憶したメモリと、
前記不眠症を診断するための指標に対するユーザの回答の入力と、前記ユーザの睡眠状態を記録した睡眠日誌に日々の記録の入力と、前記複数の治療モジュールをユーザに提供するためのユーザ端末と、
前記ユーザの回答と前記日々の記録の統計分析またはAI処理により、ユーザの不眠症のタイプをアセスメントし、かつ、ユーザの睡眠の計画を立て、前記タイプに応じた治療モジュールと前記睡眠の計画を前記ユーザ端末に提供する制御部と、を含む不眠症の治療・改善・セルフケア用のシステム。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6