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特許7461683メンテナンス記録簿管理システム、サーバ装置、メンテナンス記録簿管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】メンテナンス記録簿管理システム、サーバ装置、メンテナンス記録簿管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240328BHJP
   G06Q 50/163 20240101ALI20240328BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/163
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023095284
(22)【出願日】2023-06-09
【審査請求日】2023-07-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508378023
【氏名又は名称】有限会社HOMETEC
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】弁理士法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上杉 俊紀
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-068412(JP,A)
【文献】特開2022-177845(JP,A)
【文献】特開2002-024323(JP,A)
【文献】特開2013-235547(JP,A)
【文献】特開2021-125191(JP,A)
【文献】特表2010-533340(JP,A)
【文献】鈴木 進,竣工後の住まい手とのコミュニケーションをどうする?,[online],1~6ページ,日本,一般社団法人 住宅医協会,2020年04月06日,第1ページ第14行目~第5ページ第14行目,[令和5年10月27日検索], インターネット<URL: https://sapj.or.jp/column200410/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00ー99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置と通信するサーバ装置であって、
前記ユーザの端末装置からのユーザ自身によるセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを受信する受信部と、
ナビゲーション情報と、メンテナンス記録簿を少なくとも記憶する記憶部と、
前記記憶部のナビゲーション情報を読み出し、前記ユーザの端末装置に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行するナビゲーション部と、
前記ナビゲーション情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、
前記ユーザの端末装置からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を前記受信部が受信すると、前記記憶部のメンテナンス記録簿の内容を更新する管理部と、
前記メンテナンス記録簿を参照して、ユーザ自身によるセルフメンテナンス、業者による定期メンテナンスの評価を行う評価部と、を有し、
前記ナビゲーション情報は、セルフメンテナンスの作業、手順を説明するためのテキストデータ、画像データを含み、
前記メンテナンス記録簿には、前記ユーザ自身によるセルフメンテナンスの項目、前回実施時期、次回実施推奨日時、メンテナンスに関わるコメント、重要度に係る情報と、業者による定期メンテナンス、定期検査、定期点検の実施項目、実施内容、重要度に係る情報とが、記録されており、
前記評価部は、前記重要度に基づいて各項目の得点を重みづけ加算して前記ユーザ自身によるセルフメンテナンス、前記業者による定期メンテナンスの評価を行う
サーバ装置。
【請求項2】
前記メンテナンス記録簿に基づき、セルフメンテナンスの次回実施時期より所定日数前であることを検知すると、前記ユーザの端末装置に対して、セルフメンテナンスを勧める案内を送信する期限管理部を更に有する
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
ユーザの端末装置とサーバ装置とならなるメンテナンス記録簿管理システムであって、
前記ユーザの端末装置は、
前記サーバ装置にユーザ自身によるセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを送信する送信部と、
前記サーバ装置からの表示データを受信する受信部と、
前記サーバ装置からの表示データに基づいて表示を行う表示部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの端末装置からの前記リクエストを受信する受信部と、
ナビゲーション情報と、メンテナンス記録簿を少なくとも記憶する記憶部と、
前記記憶部のナビゲーション情報を読み出し、前記ユーザの端末装置に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行するナビゲーション部と、
前記ナビゲーション情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、
前記ユーザの端末装置からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を前記受信部が受信すると、前記記憶部のメンテナンス記録簿の内容を更新する管理部と、
前記メンテナンス記録簿を参照して、ユーザ自身によるセルフメンテナンス、業者による定期メンテナンスの評価を行う評価部と、を有し、
前記ナビゲーション情報は、セルフメンテナンスの作業、手順を説明するためのテキストデータ、画像データを含み、
前記メンテナンス記録簿には、前記ユーザ自身によるセルフメンテナンスの項目、前回実施時期、次回実施推奨日時、メンテナンスに関わるコメント、重要度に係る情報と、業者による定期メンテナンス、定期検査、定期点検の実施項目、実施内容、重要度に係る情報とが、記録されており、
前記評価部は、前記重要度に基づいて各項目の得点を重みづけ加算して前記ユーザ自身によるセルフメンテナンス、前記業者による定期メンテナンスの評価を行う
メンテナンス記録簿管理システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記メンテナンス記録簿に基づき、セルフメンテナンスの次回実施時期より所定日数前であることを検知すると、前記ユーザの端末装置に対して、セルフメンテナンスを勧める案内を送信する期限管理部を更に有する
請求項に記載のメンテナンス記録簿管理システム。
【請求項5】
ユーザの端末装置と通信するサーバ装置によるメンテナンス記録簿管理方法であって、
受信部が、前記ユーザの端末装置からのユーザ自身によるセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを受信し、
記憶部が、ナビゲーション情報と、メンテナンス記録簿を少なくとも記憶し、
ナビゲーション部が、前記記憶部のナビゲーション情報を読み出し、前記ユーザの端末装置に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行し、
送信部が、前記ナビゲーション情報を前記ユーザの端末装置に送信し、
管理部が、前記ユーザの端末装置からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を前記受信部が受信すると、前記記憶部のメンテナンス記録簿の内容を更新し、
評価部が、前記メンテナンス記録簿を参照して、ユーザ自身によるセルフメンテナンス、業者による定期メンテナンスの評価を行し
前記ナビゲーション情報は、セルフメンテナンスの作業、手順を説明するためのテキストデータ、画像データを含み、
前記メンテナンス記録簿には、前記ユーザ自身によるセルフメンテナンスの項目、前回実施時期、次回実施推奨日時、メンテナンスに関わるコメント、重要度に係る情報と、業者による定期メンテナンス、定期検査、定期点検の実施項目、実施内容、重要度に係る情報とが、記録されており、
前記評価部は、前記重要度に基づいて各項目の得点を重みづけ加算して前記ユーザ自身によるセルフメンテナンス、前記業者による定期メンテナンスの評価を行う
メンテナンス記録簿管理方法。
【請求項6】
期限管理部が、前記メンテナンス記録簿に基づき、セルフメンテナンスの次回実施時期より所定日数前であることを検知すると、前記ユーザの端末装置に対して、セルフメンテナンスを勧める案内を送信する
請求項に記載のメンテナンス記録簿管理方法。
【請求項7】
ユーザの端末装置と通信するサーバ装置により実行されるプログラムであって、
サーバ装置を、
前記ユーザの端末装置からのユーザ自身によるセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを受信する受信部、
記憶部のナビゲーション情報を読み出し、前記ユーザの端末装置に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行するナビゲーション部、
前記ナビゲーション情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部、
前記ユーザの端末装置からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を前記受信部が受信すると、前記記憶部のメンテナンス記録簿の内容を更新する管理部、及び
前記メンテナンス記録簿を参照して、ユーザ自身によるセルフメンテナンス、業者による定期メンテナンスの評価を行う評価部、として機能させ、
前記ナビゲーション情報は、セルフメンテナンスの作業、手順を説明するためのテキストデータ、画像データを含み、
前記メンテナンス記録簿には、前記ユーザ自身によるセルフメンテナンスの項目、前回実施時期、次回実施推奨日時、メンテナンスに関わるコメント、重要度に係る情報と、業者による定期メンテナンス、定期検査、定期点検の実施項目、実施内容、重要度に係る情報とが、記録されており、
前記評価部は、前記重要度に基づいて各項目の得点を重みづけ加算して前記ユーザ自身によるセルフメンテナンス、前記業者による定期メンテナンスの評価を行う
プログラム。
【請求項8】
前記メンテナンス記録簿に基づき、セルフメンテナンスの次回実施時期より所定日数前であることを検知すると、前記ユーザの端末装置に対して、セルフメンテナンスを勧める案内を送信する期限管理部として更に機能させる
請求項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産物件のユーザ自身によるセルフメンテナンス作業を的確にナビゲートすると共に、セルフメンテナンス内容等と業者による定期メンテナンス内容等とをメンテナンス記録簿としてまとめて出力、管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不動産物件については、その購入後に定期的に業者による定期メンテナンスが実施され、点検内容は記録されている。その一方で、ユーザ自身により、例えば換気扇の洗浄等、各種のセルフメンテナンスが実施されるのが一般的であるが、セルフメンテナンスの内容については、記録されていない。
【0003】
ここで、例えば、特許文献1では、管理手段としてパソコンからなる電子機器と、情報提供手段としてパソコンからなる電子機器とが履歴サービス機関に設けられ、電子機器では、新築から改修に至る住居の履歴と将来計画・設計ならびに工事監理を、住居の設計・施工図書および工事監理記録等の各種住居情報を用いて顧客の住居ごとに一元管理し、電子機器は、住居情報を顧客の住居ごとに検索し表示する機能を有するとともに、その検索結果として得られた住居情報を顧客に提供するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-70811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、ユーザ自身によるセルフメンテナンスの作業をナビゲートし、セルフメンテナンスの内容と業者による定期メンテナンスの内容とをまとめて出力、管理することは開示されていない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、不動産物件のユーザ自身によるセルフメンテナンス作業を的確にナビゲートすると共に、セルフメンテナンスの内容と業者による定期メンテナンス、定期検査・点検等の内容と法令検査・点検等の内容とをメンテナンス記録簿としてまとめて出力、管理することで、不動産物件の価値の評価を的確に行うことを可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一の態様に係るサーバ装置は、ユーザの端末装置と通信するサーバ装置であって、前記ユーザの端末装置からのユーザ自身によるセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを受信する受信部と、ナビゲーション情報と、メンテナンス記録簿を少なくとも記憶する記憶部と、前記記憶部のナビゲーション情報を読み出し、前記ユーザの端末装置に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行するナビゲーション部と、前記ナビゲーション情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、前記ユーザの端末装置からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を前記受信部が受信すると、前記記憶部のメンテナンス記録簿の内容を更新する管理部と、前記メンテナンス記録簿を参照して、ユーザ自身によるセルフメンテナンス、業者による定期メンテナンスの評価を行う評価部と、を有し、前記ナビゲーション情報は、セルフメンテナンスの作業、手順を説明するためのテキストデータ、画像データを含み、前記メンテナンス記録簿には、前記ユーザ自身によるセルフメンテナンスの項目、前回実施時期、次回実施推奨日時、メンテナンスに関わるコメント、重要度に係る情報と、業者による定期メンテナンス、定期検査、定期点検の実施項目、実施内容、重要度に係る情報とが、記録されており、前記評価部は、前記重要度に基づいて各項目の得点を重みづけ加算して前記ユーザ自身によるセルフメンテナンス、前記業者による定期メンテナンスの評価を行う。
【0008】
本発明の他の態様に係るメンテナンス記録簿管理システムは、ユーザの端末装置とサーバ装置とならなるメンテナンス記録簿管理システムであって、前記ユーザの端末装置は、前記サーバ装置にユーザ自身によるセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを送信する送信部と、前記サーバ装置からの表示データを受信する受信部と、前記サーバ装置からの表示データに基づいて表示を行う表示部と、を有し、前記サーバ装置は、前記ユーザの端末装置からの前記リクエストを受信する受信部と、ナビゲーション情報と、メンテナンス記録簿を少なくとも記憶する記憶部と、前記記憶部のナビゲーション情報を読み出し、前記ユーザの端末装置に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行するナビゲーション部と、前記ナビゲーション情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、前記ユーザの端末装置からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を前記受信部が受信すると、前記記憶部のメンテナンス記録簿の内容を更新する管理部と、前記メンテナンス記録簿を参照して、ユーザ自身によるセルフメンテナンス、業者による定期メンテナンスの評価を行う評価部と、を有し、前記ナビゲーション情報は、セルフメンテナンスの作業、手順を説明するためのテキストデータ、画像データを含み、前記メンテナンス記録簿には、前記ユーザ自身によるセルフメンテナンスの項目、前回実施時期、次回実施推奨日時、メンテナンスに関わるコメント、重要度に係る情報と、業者による定期メンテナンス、定期検査、定期点検の実施項目、実施内容、重要度に係る情報とが、記録されており、前記評価部は、前記重要度に基づいて各項目の得点を重みづけ加算して前記ユーザ自身によるセルフメンテナンス、前記業者による定期メンテナンスの評価を行う。
【0009】
本発明の他の態様に係るメンテナンス記録簿管理方法は、ユーザの端末装置と通信するサーバ装置によるメンテナンス記録簿管理方法であって、受信部が、前記ユーザの端末装置からのユーザ自身によるセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを受信し、記憶部が、ナビゲーション情報と、メンテナンス記録簿を少なくとも記憶し、ナビゲーション部が、前記記憶部のナビゲーション情報を読み出し、前記ユーザの端末装置に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行し、送信部が、前記ナビゲーション情報を前記ユーザの端末装置に送信し、管理部が、前記ユーザの端末装置からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を前記受信部が受信すると、前記記憶部のメンテナンス記録簿の内容を更新し、評価部が、前記メンテナンス記録簿を参照して、ユーザ自身によるセルフメンテナンス、業者による定期メンテナンスの評価を行し前記ナビゲーション情報は、セルフメンテナンスの作業、手順を説明するためのテキストデータ、画像データを含み、前記メンテナンス記録簿には、前記ユーザ自身によるセルフメンテナンスの項目、前回実施時期、次回実施推奨日時、メンテナンスに関わるコメント、重要度に係る情報と、業者による定期メンテナンス、定期検査、定期点検の実施項目、実施内容、重要度に係る情報とが、記録されており、前記評価部は、前記重要度に基づいて各項目の得点を重みづけ加算して前記ユーザ自身によるセルフメンテナンス、前記業者による定期メンテナンスの評価を行う。
【0010】
本発明の他の態様に係るプログラムは、ユーザの端末装置と通信するサーバ装置により実行されるプログラムであって、サーバ装置を、前記ユーザの端末装置からのユーザ自身によるセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを受信する受信部、記憶部のナビゲーション情報を読み出し、前記ユーザの端末装置に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行するナビゲーション部、前記ナビゲーション情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部、前記ユーザの端末装置からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を前記受信部が受信すると、前記記憶部のメンテナンス記録簿の内容を更新する管理部、及び前記メンテナンス記録簿を参照して、ユーザ自身によるセルフメンテナンス、業者による定期メンテナンスの評価を行う評価部、として機能させ、前記ナビゲーション情報は、セルフメンテナンスの作業、手順を説明するためのテキストデータ、画像データを含み、前記メンテナンス記録簿には、前記ユーザ自身によるセルフメンテナンスの項目、前回実施時期、次回実施推奨日時、メンテナンスに関わるコメント、重要度に係る情報と、業者による定期メンテナンス、定期検査、定期点検の実施項目、実施内容、重要度に係る情報とが、記録されており、前記評価部は、前記重要度に基づいて各項目の得点を重みづけ加算して前記ユーザ自身によるセルフメンテナンス、前記業者による定期メンテナンスの評価を行う。

【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、不動産物件のユーザ自身によるセルフメンテナンス作業を的確にナビゲートすると共に、セルフメンテナンスの内容と業者による定期メンテナンス、定期検査・点検等の内容と法令検査・点検等の内容とをメンテナンス記録簿としてまとめて出力、管理することで、不動産物件の価値の評価を的確に行うことを可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るメンテナンス記録簿管理システムの構成図である。
図2】同システムのサーバ装置の構成図である。
図3】同システムの端末装置の構成図である。
図4】同システムによるメンテナンスのレコメンドに係る処理手順を示すフローチャートである。
図5】同システムによるセルフメンテナンスのナビゲーションに係る処理手順を示すフローチャートである。
図6】同システムによる定期メンテナンスを依頼する業者の選定に係る処理手順を示すフローチャートである。
図7】同システムによる業者による定期メンテナンスのナビゲーション、及び記録簿の更新に係る処理手順を示すフローチャートである。
図8】メンテナンス記録簿の出力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1には、本発明の実施形態に係るメンテナンス記録簿管理システムの構成を示し説明する。
【0015】
同図に示されるように、本実施形態に係るメンテナンス記録簿管理システムは、サーバ装置1と、ユーザ(例えば、不動産物件の保有者)の端末装置2と、メンテナンス業者の端末装置3とを備える。サーバ装置1と端末装置2、3は、インターネット等の通信網4を介して無線又は有線で接続されている。
【0016】
このような構成において、サーバ装置1は、不動産物件ごとのメンテナンス時期を管理しており、メンテナンス時期が到来すると、ユーザに対してセルフメンテナンスを推奨する通知を電子メール等により送信する。この通知を受けたユーザがセルフメンテナンスを実施する場合には、メンテナンス箇所に予め貼り付けられている二次元コートを端末装置2により撮像することで、サーバ装置1に対してセルフメンテナンス作業のナビゲーションをリクエストする。サーバ装置1は、このリクエストを受け付けると、メンテナンス箇所に対するメンテナンス作業の手順や説明等をテキスト、動画、静止画により端末装置2に送信する。端末装置2では、これら説明等に係るデータを受信すると、それを表示、再生することで、ナビゲーションが実現される。ユーザによるセルフメンテナンスの作業内容については、メンテナンス記録簿に記録される。
【0017】
サーバ装置1は、業者による定期メンテナンスの時期が到来すると、業者を選定し、当該業者に対して定期メンテナンス実施に関するリクエストを電子メール等で送信する。リクエストを受けた業者が、定期メンテナンスの実施を承諾すると、サーバ装置1は、当該業者に対する定期メンテナンス作業のナビゲーションを実行する。業者に対しては、作業完了時にアンケートを実施し、アンケート結果は、メンテナンス作業内容と合わせてメンテナンス記録簿に記録される。
【0018】
このように、本実施形態に係るメンテナンス記録簿管理システムでは、ユーザによるセルフメンテナンスの作業内容と業者による定期メンテナンスの作業内容が、メンテナンス記録簿に併せて記録されるので、不動産物件に関わるメンテナンスの全容が一元管理されることになり、当該不動産物件の価値の評価の際に、大いに役立つことになる。
【0019】
図2には、本発明の実施形態に係るメンテナンス記録簿管理システムにおけるサーバ装置の構成を示し説明する。
【0020】
同図に示されるように、サーバ装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを有する。制御部11と、通信部12と、記憶部13とは、バスラインを介して通信可能に接続されている。これら構成のほか、キーボードやマウス等の入力部や、各種表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部を有してもよい。
【0021】
通信部12は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、端末装置2、3等との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0022】
記憶部13は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部11で実行されるプログラムを予め記憶している。また、記憶部13は、ユーザ情報記憶部14、業者情報記憶部15、記録簿記憶部16、ナビゲーション情報記憶部17、及びアンケート情報記憶部18を有する。
【0023】
ユーザ情報記憶部14は、ユーザIDと紐付けて、ユーザ(不動産物件の所有者)の氏名、年齢、性別、住所、電話番号、メールアドレス等の属性情報、所有している不動産物件のメンテナンス記録簿ID等が記憶されている。業者情報記憶部15には、業者IDと紐付けて、業者の所在地、担当者、及び連絡先(電子メールアドレス、電話番号、ファクシミリ番号等)、が記憶されている。そして、記録簿記憶部16は、メンテナンス記録簿IDと紐づけて、ユーザのセルフメンテナンス情報、業者の定期メンテナンス情報、定期検査・点検情報、設備導入情報、法令検査・点検情報(国土交通省;瑕疵担保責任)、メーカー特有のメンテナンス情報、定期検査・点検情報等が記憶されている。
【0024】
より詳細には、セルフメンテナンス情報としては、例えば、メンテナンス項目(例えば換気扇等)、次回実施推奨日時、履歴情報として前回実施日時、メンテナンスに関わるコメントや画像等が記憶されている。定期メンテナンス情報としては、例えば、メンテナンス項目(例えば、外壁等)、次回実施推奨日時、履歴情報として前回実施日時、担当した業者の業者ID、メンテナンスに関わるコメント(アンケート結果を含む)や画像等が記憶されている。設備導入情報としては、例えば、ソーラー発電設備等の導入日時、業者、当該設備の次回メンテナンス時期等が記憶されている。法令検査・点検情報(国土交通省;瑕疵担保責任)としては、法令で定められた5年、10年等といった定期的な時期での検査・点検に関わる情報が記憶され、メーカー特有の定期検査・点検情報としては、ハウスメーカー固有の、例えば6カ月検査・点検などといった所定の件さ・点検に関わる情報が記憶される。
【0025】
制御部11は、CPUやMPU等で実現される。制御部11は、ASICやFPGA等の集積回路で構成される。制御部11は、記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、送受信制御部11a、ナビゲーション部11b、管理部11c、業者選定部11d、アンケート制御部11e、及び主制御部11fとして機能する。
【0026】
このような構成において、送受信制御部11aは、ユーザの端末装置2や業者の端末装置3からのリクエストを受信する受信部、及びユーザの端末装置2や業者の端末装置3に表示データや電子メール等を送信する送信部、として機能する。
【0027】
ナビゲーション部11bは、ユーザの端末装置2からセルフメンテナンスのナビゲーションのリクエストを送受信制御部11aが受信すると、ナビゲーション情報記憶部17を参照して、セルフメンテナンスの作業や手順等を説明するためのテキストデータ、動画や静止画の画像データ等を読み出し、送受信制御部11aを介してユーザの端末装置2に送信するように制御する。また、ナビゲーション部11bは、業者の端末装置3から定期メンテナンスのナビゲーションのリクエストを送受信制御部11aが受信すると、ナビゲーション情報記憶部17を参照して、定期メンテナンスの過去の履歴情報等を読み出し、送受信制御部11aを介して業者の端末装置3に送信するように制御する。
【0028】
管理部11cは、ユーザ情報記憶部1に記憶されているユーザ情報、業者情報記憶部15に記憶されている業者情報、及び記録簿記憶部16に記憶されているメンテナンス記録簿等を更新、管理する。例えば、ユーザの端末装置2からのセルフメンテナンス作業完了の通知を送受信制御部11aが受信すると、管理部11cは、記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿に当該セルフメンテナンスに関わる情報を追加するように同記録簿の内容を更新する。これと同様に、例えば、業者の端末装置3からの定期メンテナンス作業完了の通知を送受信制御部11aが受信すると、管理部11cは、記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿に当該定期メンテナンスに関わる情報を追加するように同記録簿の内容を更新する。
【0029】
業者選定部11dは、主制御部11fが記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿を定期的に確認し、定期メンテナンス期限の到来を検知すると、業者情報記憶部15を参照して当該定期メンテナンスの実施に好適な業者を選定する。例えば、過去に定期メンテナンスを実施した業者、不動産物件の施工会社の関連企業等、予め定められた優先順位に基づいて業者の選定を行う。主制御部11fは、選定された業者に対して定期メンテナンスの担当が可能かどうかの確認を電子メール等の通知により行う。これら業者とのやり取りにより、引き受け可能と回答があった場合には、管理部11cが、記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿の内容を更新する。
【0030】
アンケート制御部11eは、送受信制御部11aが業者の端末装置3からのアンケートのリクエストを受信すると、アンケート情報記憶部18を参照して、アンケートに関わる表示データ等を読み出し、送受信制御部11aを介して、業者の端末装置3に送信するように制御する。更に、業者からアンケートに関わる回答を送受信制御部11aが受信すると、それを受けて、アンケート記憶部18にアンケート情報を記憶する。そして、管理部11cは、アンケート情報をメンテナンス記録簿に反映させるように、当該メンテナンス記録簿の内容を更新する。このアンケート情報には、申し送り事項や引継事項等も含まれることは勿論である。
【0031】
主制御部11fは、定期的に記録簿記憶部16を参照して、セルフメンテナンスや定期メンテナンスの期限管理を実施し、期限到来のメンテナンスを確認すると、送受信制御部11aを介して、ユーザの端末装置2等に、メンテナンスのレコメンドに関わる電子メール等を送信する期限管理部として機能する。更に、主制御部11fは、メンテナンス記録簿に基づく不動産物件の評価を実施する評価部としても機能する。評価手法は、様々な手法を採用することができるが、例えばメンテナンス項目ごとに重みづけをして、当該重みづけを用いた加点計算により不動産物件の得点を算定し、当該得点に基づいて、不動産物件のランクを決定するようにしてもよい。
【0032】
図3には、本発明の実施形態に係るメンテナンス記録簿管理システムにおける端末装置の構成を示し説明する。ここでは、ユーザの端末装置2の構成を示すが、業者の端末装置3についても、同様の構成である。
【0033】
同図に示されるように、端末装置2(3)は、制御部21と、通信部22と、撮像部23、操作部24と、表示部25と、記憶部26とを有する。各部21~26は、バスライン27を介して通信自在に接続されている。通信部22は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、サーバ装置1等との間で通信を行う通信インタフェースである。撮像部23は、不動産物件のメンテナンスエリア等において動画、静止画等の撮影を行う。操作部24は、マウスやキーボード等で実現され、ユーザによる各種操作入力を受け付ける。表示部25は、液晶ディスプレイ等により実現されるもので、各種表示を行う。尚、操作部24と表示部25とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。記憶部26は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部21で実行されるプログラムを記憶している。
【0034】
制御部21は、CPUやMPU等で実現されるもので、ASICやFPGA等の集積回路で構成されてよい。制御部21は、記憶部26に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、送受信制御部21a、閲覧部21b、及びコード処理部21cとして機能する。より詳細には、送受信制御部21aは、サーバ装置1からの電子メールや表示データを受信する受信部、及びサーバ装置1に対して各種リクエストやアンケート情報(回答)を送信する送信部、として機能する。閲覧部21bは、サーバ装置1から送られてきたHTML形式等の表示データに基づいて、表示部25に各種の表示を行う。そして、コード処理部21cは、撮像部23により撮像された二次元コードを処理して、サーバ装置1に対して送信する各種リクエストを生成する。
【0035】
以下、図4のフローチャートを参照して、本発明の実施形態に係るメンテナンス記録簿管理システムによるメンテナンスのレコメンドに関する処理手順を説明する。
【0036】
サーバ装置1では、主制御部11fが、記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿を参照して、セルフメンテナンスの項目と次回実施推奨時期を確認し、当該時期より所定日数前であることを検知すると(S1)、ユーザの端末装置2にメンテナンス提案に係る電子メールを、送受信制御部11aを介して送信する(S2)。ユーザの端末装置2では、送受信制御部21aが電子メールを受信し、閲覧部21bが表示部25に当該電子メールの内容を表示する(S3)。そして、ユーザの端末装置2では、操作部24の操作により、回答の入力がなされると、送受信制御部21aが、回答をサーバ装置1に送信する(S4)。
【0037】
サーバ装置1では、送受信制御部11aが、ユーザの端末装置2からの回答を受信すると(S5)、主制御部11fは、ユーザのセルフメンテナンスの作業をナビゲートすることが可能である旨等の案内メールを、送受信制御部11aを介して、ユーザの端末装置2に送信する(S6)。ユーザの端末装置2では、送受信制御部21aが、案内メールを受信すると、閲覧部21bが表示部25に案内メールの内容を表示する(S7)。この案内メールでは、例えば、各設備に貼り付けられている二次元コードをカメラで撮像することで、当該設備に関わるセルフメンテナンスの作業内容、作業手順等を説明するテキストデータ、動画や静止画等の画像データを取得できる旨等が説明されている。
【0038】
次に図5のフローチャートを参照して、本発明の実施形態に係るメンテナンス記録簿管理システムによるセルフメンテナンスのナビゲーションに関する処理手順を説明する。
【0039】
ユーザの端末装置2の撮像部23によりセルフメンテナンスを実施する設備等に予め貼り付けられた二次元コードが撮像されると(S11)、コード処理部21cが、二次元コードを処理し、ナビゲーションのリクエストを生成し、送受信制御部21aがセルフメンテナンスのナビゲーションに係るリクエストをサーバ装置1に送信する(S12)。サーバ装置1では、送受信制御部11aが、このリクエストを受信すると(S13)、ナビゲーション部11bが、ナビゲーション情報記憶部17よりナビゲーション情報を読み出し、送受信制御部11aが、ナビゲーション情報をユーザの端末装置2に送信する(S14)。このナビゲーション情報は、セルフメンテナンスの実施内容、手順等を説明するテキストデータや動画、静止画等の画像データを含む。
【0040】
ユーザの端末装置2では、送受信制御部21aがナビゲーション情報を受信すると、閲覧部21bが表示部25にナビゲーション情報を表示する(S15)。この表示により、ユーザはセルフメンテナンスに係る作業内容や手順を確認することが可能となる。
【0041】
こうして、セルフメンテナンスに関わる作業が完了し、ユーザの端末装置の送受信制御部21aが完了通知を送信すると(S16)、サーバ装置1では、送受信制御部11aが完了通知を受信し(S17)、管理部11cが、記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿の内容を更新する(S18)。例えば、実施されたセルフメンテナンス項目に対応する実施時期や実施内容等が追加・更新されることになる。
【0042】
次に図6のフローチャートを参照して、本発明の実施形態に係る定期メンテナンスを依頼する業者の選定に係るメンテナンスのレコメンドに関する処理手順を説明する。
【0043】
サーバ装置1では、業者選定部11dが、業者情報記憶部15の業者情報と、記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿を参照して、定期メンテナンスに好適な業者を選定する(S21)。例えば、メンテナンス記録簿に、定期メンテナンスについて前回担当した業者が記録されている場合には、当該業者を優先したり、不動産会社の下請け業者として記録がある場合には、当該業者をしたり、することが可能である。
【0044】
続いて、サーバ装置1では、主制御部11fが、選定した業者に対して、定期メンテナンスの引き受けの可否を確認する電子メールを送信する(S22)。
【0045】
業者の端末装置3では、送受信制御部21aがこの電子メールを受信し、閲覧部21bの制御の下、表示部25にその内容を表示する(S23)。そして、業者の端末装置3において、操作部24の操作により、回答(引き受けの可否等)が入力されると、送受信制御部21aの制御の下、回答がサーバ装置1に送信される(S24)。サーバ装置1では、送受信制御部11aが、この回答を受信すると(S25)、管理部11cが、記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿の内容を更新する(S26)。
【0046】
次に図7のフローチャートを参照して、本発明の実施形態に係るメンテナンス記録簿管理システムによる業者による定期メンテナンスのナビゲーション、及び記録簿の更新に関する係る処理手順を説明する。
【0047】
業者の端末装置3において、送受信制御部21aが、定期メンテナンスのナビゲーションに係るリクエストを、サーバ装置1に送信する(S31)。サーバ装置1では、送受信制御部11aが、このナビゲーションのリクエストを受信すると(S32)、ナビゲーション部11bが、ナビゲーション情報記憶部17よりナビゲーション情報を読み出し、送受信制御部11aが、ナビゲーション情報を業者の端末装置3に送信する(S33)。このナビゲーション情報は、定期メンテナンスの実施内容、申し送り事項などを説明するテキストデータや動画、静止画等の画像データを含む。
【0048】
業者の端末装置3では、送受信制御部21aがナビゲーション情報を受信すると、閲覧部21bが表示部25にナビゲーション情報を表示する(S34)。この表示により、業者は定期メンテナンスに係る作業内容等を確認することが可能となる。
【0049】
こうして、定期メンテナンスに関わる作業が完了し、業者の端末装置3の送受信制御部21aが完了通知を送信すると(S35)、サーバ装置1では、送受信制御部11aが完了通知を受信し(S36)、管理部11cが、記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿の内容を更新する(S37)。例えば、実施された定期メンテナンス項目に対応する実施時期や実施内容等が追加・更新されることになる。
【0050】
続いて、業者の端末装置3において、撮像部23によりアンケートに係る二次元コードが撮像されると、コード処理部21cが当該二次元コードを処理し、アンケート実施のリクエストを生成し、送受信制御部21aが、アンケート実施のリクエストを、サーバ装置1に送信する(S38)。サーバ装置1では、送受信制御部11aが、このリクエストを受信すると(S39)、アンケート制御部11eが、アンケート情報記憶部18のアンケート情報を読み出し、送受信制御部11aが、アンケート情報を業者の端末装置3に送信する(S40)。このアンケート情報は、アンケートに関わる表示データ等を含む。
【0051】
業者の端末装置3では、送受信制御部21aがアンケート情報を受信すると、閲覧部21bが表示部25にアンケート情報を表示する(S41)。この表示により、業者はアンケート内容を確認し、回答を入力することが可能となる。
【0052】
こうして、アンケートの回答が入力され、業者の端末装置3の送受信制御部21aが回答を送信すると(S42)、サーバ装置1では、送受信制御部11aが回答を受信し(S43)、アンケート制御部11eがアンケート情報記憶部18にアンケート情報を記憶すると共に、管理部11cが、記録簿記憶部16のメンテナンス記録簿にその内容を反映させる(S44)。例えば、アンケート情報に、申し送り事項等がテキストデータで含まれている場合には、メンテナンス記録簿のメンテナンス項目に対応するものとして、申し送り事項等が追記されることになる。
【0053】
次に、図8には、メンテナンス記録簿の表示例を示し説明する。
【0054】
同図に示されるように、メンテンテナンス記録簿の確認画面では、セルフメンテナンスの実施状況と、業者による定期メンテナンス/定期検査・点検の実施状況と、法令検査・点検等(瑕疵担保点検(国土交通省)/ハウスメーカー特有の定期検査・点検)の実施状況が表示される。これらのセルフメンテナンスの実施状況としては、項目(ID)とその内容、前回実施記事、実施内容、次回実施時期、ステータス、及び各項目の重要度が表示される。定期メンテナンスの実施状況としては、項目(ID)とその内容、前回実施記事、実施内容、次回実施時期、ステータス、担当業者、及び各項目の重要度が表示される。そして、法令検査・点検の実施状況としては、項目(ID)とその内容、前回実施記事、実施内容、次回実施時期、ステータス、及び各項目の重要度が表示される。実施内容については、詳細ボタンを選択すると、ポップアップして、実施履歴(実施内容に関わるテキスト、画像等)を詳細に確認することが可能となる。
【0055】
サーバ装置1の主制御部11fは、評価部として機能し、各項目に付された重要度に基づいて、各項目の得点について重み付けした上で加算して、セルフメンテナンス、定期メンテナンスの各評価、及びそれらを加味した総合評価を行うことができる。
【0056】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、ユーザの端末装置と通信するサーバ装置1であって、ユーザの端末装置2からのセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを受信する受信部11aと、ナビゲーション情報と、メンテナンス記録簿を少なくとも記憶する記憶部13と、記憶部13のナビゲーション情報を読み出し、ユーザの端末装置2に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行するナビゲーション部11bと、ナビゲーション情報をユーザの端末装置2に送信する送信部11aと、ユーザの端末装置2からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を受信部11aが受信すると、記憶部13のメンテナンス記録簿の内容を更新する管理部11cとを有し、メンテナンス記録簿には、セルフメンテナンスに関わる情報と、業者による定期メンテナンスの情報が併せて記録されているサーバ装置が提供される。
【0057】
また、メンテナンス記録簿に基づき、セルフメンテナンスの次回実施時期より所定日数前であることを検知すると、前記ユーザの端末装置に対して、セルフメンテナンスを送信する期限管理部11fを更に有してもよい。
【0058】
従って、不動産物件のユーザ自身によるセルフメンテナンス作業を的確にナビゲートすると共に、セルフメンテナンス内容等と業者による定期メンテナンス内容等とをメンテナンス記録簿としてまとめて出力、管理することで、不動産物件の価値の評価を的確に行うことを可能とする。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。例えば、メンテナンス記録簿は一例にすぎず、そのほかの各種情報を併せて提示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…サーバ装置、2…ユーザの端末装置、3…業者の端末装置、4…通信網、11…制御部、11a…送受信制御部、11b…ナビゲーション部、11c…管理部、11d…業者選定部、11e…アンケート制御部、11f…主制御部、12…通信部、13…記憶部、14…ユーザ情報記憶部、15…業者情報記憶部、16…記録簿記憶部、17…ナビゲーション情報記憶部、18…アンケート情報記憶部、21…制御部、21a…送受信制御部、21b…閲覧部、21c…コード処理部、22…通信部、23…撮像部、24…操作部、25…表示部、26…記憶部、27…バスライン。
【要約】
【課題】不動産物件の価値の向上を図れる管理を実現する。
【解決手段】本発明は、ユーザの端末装置2からのセルフメンテナンスに係るナビゲーションのリクエストを受信する受信部11aと、ナビゲーション情報と、メンテナンス記録簿を少なくとも記憶する記憶部13と、記憶部13のナビゲーション情報を読み出し、ユーザの端末装置2に対してセルフメンテナンスの作業に関わるナビゲーションを実行するナビゲーション部11bと、ナビゲーション情報をユーザの端末装置2に送信する送信部11aと、ユーザの端末装置2からセルフメンテナンスの完了に関わる通知を受信部11aが受信すると、メンテナンス記録簿の内容を更新する管理部11cとを有し、メンテナンス記録簿には、セルフメンテナンスに関わる情報と、業者による定期メンテナンス、定期検査、定期点検の情報が併せて記録されているサーバ装置が提供される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8