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特許7461716通信装置並びにその通信方法、情報処理装置並びにその制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】通信装置並びにその通信方法、情報処理装置並びにその制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20240328BHJP
   H04W 28/18 20090101ALI20240328BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240328BHJP
   H04W 88/08 20090101ALN20240328BHJP
【FI】
H04W28/06 110
H04W28/18
H04W84/12
H04W88/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019085798
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020182180
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小森谷 光央
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0317796(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0116513(US,A1)
【文献】特開2019-033373(JP,A)
【文献】特開2019-004342(JP,A)
【文献】IEEE Computer Society,Part 11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications Amendment 1: Enhancements for High Efficiency WLAN,IEEE P802.11ax/D4.0,2019年02月
【文献】Sigurd Schelstraete (Quantenna Communications),An evaluation of 802.11 error-correcting codes, IEEE 802.11-18/1948r0 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/18/11-18-1948-00-0eht-an-evaluation-of-802-11-error-correcting-codes.pptx>,2018年11月12日
【文献】Yonggang Fang (ZTE),Functional Requirements, IEEE 802.11-19/0105r1 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/19/11-19-0105-01-0eht-functional-requirements.pptx>,2019年01月16日
【文献】Sigurd Schelstraete (Quantenna Communications),An evaluation of 802.11 error-correcting codes, IEEE 802.11-18/1948r0 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/18/11-18-1948-00-0eht-an-evaluation-of-802-11-error-correcting-codes.pptx>,2018年11月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理レイヤ(PHY)のプリアンブルとデータフィールドとを有する無線フレームを送信する通信手段と、
通信の相手装置が使用可能な誤り訂正符号の種類に応じて、前記データフィールドに含まれるデータの伝送において使用可能な3種類以上の誤り訂正符号化方法のうちの、使用する誤り訂正符号化方法を決定する決定手段と、を有し、
前記プリアンブルは、L-SIG(Legacy Signal Field)と、前記L-SIGよりも少なくとも後ろに位置するSignal Fieldを含み、
前記Signal Fieldと前記データフィールドに含まれるMACフレームとの少なくともいずれかは、前記データを符号化するのに使用すると決定されて当該データの符号化に用いられた1つの誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上のフィールドを含
前記無線フレームはマルチユーザ通信のための無線フレームであり、前記Signal Fieldには、マルチユーザ通信を行うべき各相手先用に複数のユーザフィールドが含まれており、各ユーザフィールド内に、使用すると決定された前記誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上の前記フィールドが設けられており、前記ユーザフィールドは22ビット以上を有する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信装置はアクセスポイント装置であることを特徴とする請求項に記載の通信装置。
【請求項3】
前記3種類以上の誤り訂正符号化方法は、バイナリ畳み込み符号、低密度パリティ検査符号、Turbo符号、Polar符号、BCH符号、Golay符号、リード・ソロモン符号の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
使用すると決定された誤り訂正符号化方法がバイナリ畳み込み符号の場合に前記フィールドに値0が設定され、当該誤り訂正符号化方法が低密度パリティ検査符号の場合に前記フィールドに値1が設定され、当該誤り訂正符号化方法がTurbo符号の場合に前記フィールドに値2が設定され、当該誤り訂正符号化方法がPolar符号の場合に前記フィールドに値3が設定される、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記フィールドは3ビット以上のフィールドであり、当該フィールドにより、5種類以上の誤り訂正符号化方法のうちのいずれかが示される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記無線フレームは、EHT(Extremely High Throughput) SU(Single User) PPDU(Physical layer Protocol Data Unit)と、EHT ER(Extended Range) SU PPDUと、EHT MU(Multi User) PPDUと、のいずれかであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
物理レイヤ(PHY)のプリアンブルとデータフィールドとを有する無線フレームを生成する生成手段と、
前記無線フレームの送信先の装置が使用可能な誤り訂正符号の種類に応じて、前記データフィールドに含まれるデータの伝送において使用可能な3種類以上の誤り訂正符号化方法のうちの、使用する誤り訂正符号化方法を決定する決定手段と、を有し、
前記プリアンブルは、L-SIG(Legacy Signal Field)と、前記L-SIGよりも少なくとも後ろに位置するSignal Fieldを含み、
前記Signal Fieldと前記データフィールドに含まれるMACフレームとの少なくともいずれかは、前記データを符号化するのに使用すると決定されて当該データの符号化に用いられた1つの誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上のフィールドを含
前記無線フレームはマルチユーザ通信のための無線フレームであり、前記Signal Fieldには、マルチユーザ通信を行うべき各相手先用に複数のユーザフィールドが含まれており、各ユーザフィールド内に、使用すると決定された前記誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上の前記フィールドが設けられており、前記ユーザフィールドは22ビット以上を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
通信装置によって実行される通信方法であって、
物理レイヤ(PHY)のプリアンブルとデータフィールドとを有する無線フレームを送信する通信工程と、
通信の相手装置が使用可能な誤り訂正符号の種類に応じて、前記データフィールドに含まれるデータの伝送において使用可能な3種類以上の誤り訂正符号化方法のうちの、使用する誤り訂正符号化方法を決定する決定工程と、を有し、
前記プリアンブルは、L-SIG(Legacy Signal Field)と、前記L-SIGよりも少なくとも後ろに位置するSignal Fieldを含み、
前記Signal Fieldと前記データフィールドに含まれるMACフレームとの少なくともいずれかは、前記データを符号化するのに使用すると決定されて当該データの符号化に用いられた1つの誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上のフィールドを含
前記無線フレームはマルチユーザ通信のための無線フレームであり、前記Signal Fieldには、マルチユーザ通信を行うべき各相手先用に複数のユーザフィールドが含まれており、各ユーザフィールド内に、使用すると決定された前記誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上の前記フィールドが設けられており、前記ユーザフィールドは22ビット以上を有する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項9】
情報処理装置によって実行される制御方法であって、
物理レイヤ(PHY)のプリアンブルとデータフィールドとを有する無線フレームを生成する生成工程と、
前記無線フレームの送信先の装置が使用可能な誤り訂正符号の種類に応じて、前記データフィールドに含まれるデータの伝送において使用可能な3種類以上の誤り訂正符号化方法のうちの、使用する誤り訂正符号化方法を決定する決定工程と、を有し、
前記プリアンブルは、L-SIG(Legacy Signal Field)と、前記L-SIGよりも少なくとも後ろに位置するSignal Fieldを含み、
前記Signal Fieldと前記データフィールドに含まれるMACフレームとの少なくともいずれかは、前記データを符号化するのに使用すると決定されて当該データの符号化に用いられた1つの誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上のフィールドを含
前記無線フレームはマルチユーザ通信のための無線フレームであり、前記Signal Fieldには、マルチユーザ通信を行うべき各相手先用に複数のユーザフィールドが含まれており、各ユーザフィールド内に、使用すると決定された前記誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上の前記フィールドが設けられており、前記ユーザフィールドは22ビット以上を有する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から6のいずれか1項に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項7に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LANにおける通信制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(Wireless Local Area Network)に関する通信規格として、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11規格が知られている。IEEE802.11規格シリーズのうちの最新規格であるIEEE802.11ax規格では、OFDMA(直交周波数分割多元接続)を用いて、高いピークスループットに加え、混雑状況下での通信速度向上を実現している(特許文献1参照)。
【0003】
現在、さらなるスループット向上のために、IEEE802.11axの後継規格として、IEEE802.11EHT(Extremelyly High Throughput)と呼ばれるStudy Groupが結成されている。EHTでは、SNR(Signal to Noise Ratio)等の無線品質が低い状態においても十分なスループットを得るために、従来使用されていない誤り訂正符号を導入することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-050133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線フレームを受信した通信装置が、その無線フレームによるデータ伝送において使用されている誤り訂正符号の種類を迅速に確認することが有用である。一方、従来の規格において使用されていない新たに導入される種類の誤り訂正符号については、その使用の有無を通信装置間で通知する仕組みが存在しない。
【0006】
本発明は、新規に定義された誤り訂正符号が使用されていることを無線フレームにおいて特定可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による通信装置は、物理レイヤ(PHY)のプリアンブルとデータフィールドとを有する無線フレームを送信する通信手段と、通信の相手装置が使用可能な誤り訂正符号の種類に応じて、前記データフィールドに含まれるデータの伝送において使用可能な3種類以上の誤り訂正符号化方法のうちの、使用する誤り訂正符号化方法を決定する決定手段と、を有し、前記プリアンブルは、L-SIG(Legacy Signal Field)と、前記L-SIGよりも少なくとも後ろに位置するSignal Fieldを含み、前記Signal Fieldと前記データフィールドに含まれるMACフレームとの少なくともいずれかは、前記データを符号化するのに使用すると決定されて当該データの符号化に用いられた1つの誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上のフィールドを含前記無線フレームはマルチユーザ通信のための無線フレームであり、前記Signal Fieldには、マルチユーザ通信を行うべき各相手先用に複数のユーザフィールドが含まれており、各ユーザフィールド内に、使用すると決定された前記誤り訂正符号化方法を示すための連続する2ビット以上の前記フィールドが設けられており、前記ユーザフィールドは22ビット以上を有する、ことを特徴とする。

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規に定義された誤り訂正符号が使用されていることを無線フレームにおいて特定可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】無線通信ネットワークの構成例を示す図である。
図2】通信装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】通信装置の機能構成例を示す図である。
図4】EHT SU PPDUのPHYフレーム構造の例を示す図である。
図5】EHT ER PPDUのPHYフレーム構造の例を示す図である。
図6】EHT MU PPDUのPHYフレーム構造の例を示す図である。
図7】MACフレームフォーマットの構成例を示す図である。
図8】HT Controlフィールドの構成例を示す図である。
図9】EHT variantのA-Controlフィールドの構成例を示す図である。
図10】Controlサブフィールドの構成例を示す図である。
図11】EHT link adaptationのControl Informationサブフィールドの構成例を示す図である。
図12】Unsolicited MFBサブフィールドが1の場合の、MSI/Partial PPDU Parametersサブフィールドの構成例を示す図である。
図13】無線フレームを送信する装置が実行する処理の流れの例を示す図である。
図14】無線フレームを受信する装置が実行する処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
(ネットワーク構成)
図1に、本実施形態の無線通信ネットワークの構成例を示す。本無線通信ネットワークは、1台のアクセスポイント(AP)と3台のステーション(STA)とを含んで構成される。ここで、AP102とSTA103~STA105は、IEEE802.11EHT(Extremely High Throughput)に準拠しており、IEEE802.11EHT規格以前に策定された規格に準拠した無線通信を実行可能に構成される。なお、IEEE802.11EHTという名称は便宜上設けられたものであり、規格が確定した状態において別の名称となりうるが、本明細書及び添付の特許請求の範囲は、後述の処理をサポートしうるすべての規格をカバーすることを予定している。以下では、特定の装置を指さない場合等において、参照番号を付さずに、アクセスポイントを「AP」と呼び、ステーション(端末)を「STA」と呼ぶ場合がある。なお、図1では、一例として1台のAPと3台のSTAとを含んだ無線通信ネットワークを示しているが、これらの通信装置の台数は、図示されるより多くても少なくてもよい。一例において、STA同士の通信が行われる場合、APが存在しなくてもよい。図1では、AP102が形成するネットワークの通信可能範囲が円101によって示されている。なお、この通信可能範囲は、より広い範囲をカバーしてもよいし、より狭い範囲のみをカバーしてもよい。なお、EHTは、Extreme High Throughputの頭字語と解されてもよい。
【0012】
(装置の構成)
図2は、通信装置(AP及びSTA)のハードウェア構成例を示す。通信装置は、そのハードウェア構成の一例として、記憶部201、制御部202、機能部203、入力部204、出力部205、通信部206、及びアンテナ207を有する。
【0013】
記憶部201は、ROM、RAMの両方、または、いずれか一方により構成され、後述する各種動作を行うためのプログラムや、無線通信のための通信パラメータ等の各種情報を記憶する。なお、記憶部201として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体が用いられてもよい。
【0014】
制御部202は、例えば、CPUやMPU等の1つ以上のプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等により構成される。ここで、CPUはCentral Processing Unitの、MPUは、Micro Processing Unitの頭字語である。制御部202は、記憶部201に記憶されたプログラムを実行することにより装置全体を制御する。なお、制御部202は、記憶部201に記憶されたプログラムとOS(Operating System)との協働により装置全体を制御するようにしてもよい。
【0015】
また、制御部202は、機能部203を制御して、撮像や印刷、投影等の所定の処理を実行する。機能部203は、装置が所定の処理を実行するためのハードウェアである。例えば、装置がカメラである場合、機能部203は撮像部であり、撮像処理を行う。また、例えば、装置がプリンタである場合、機能部203は印刷部であり、印刷処理を行う。また、例えば、装置がプロジェクタである場合、機能部203は投影部であり、投影処理を行う。機能部203が処理するデータは、記憶部201に記憶されているデータであってもよいし、後述する通信部206を介して他のAPやSTAと通信したデータであってもよい。
【0016】
入力部204は、ユーザからの各種操作の受付を行う。出力部205は、ユーザに対して各種出力を行う。ここで、出力部205による出力とは、例えば、画面上への表示や、スピーカによる音声出力、振動出力等の少なくとも1つを含む。なお、タッチパネルのように入力部204と出力部205の両方を1つのモジュールで実現するようにしてもよい。
【0017】
通信部206は、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線通信の制御や、IP通信の制御を行う。通信部206は、いわゆる無線チップであり、それ自体が1つ以上のプロセッサやメモリを含んでいてもよい。本実施形態では、通信部206は、少なくともIEEE802.11EHT規格に準拠した処理を実行することができる。また、通信部206はアンテナ207を制御して、無線通信のための無線信号の送受信を行う。装置は、通信部206を介して、画像データや文書データ、映像データ等のコンテンツを他の通信装置と通信する。アンテナ207は、例えば、サブGHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯、及び6GHz帯の少なくともいずれかを送受信可能なアンテナである。なお、アンテナ207によって対応可能な周波数帯(及びその組み合わせ)については特に限定されない。アンテナ207は、1本のアンテナであってもよいし、MIMO(Multi-Input and Multi-Output)送受信を行うための2本以上のアンテナのセットであってもよい。例えば、アンテナ207は、IEEE802.11EHT規格の16空間ストリームでのMIMO通信に対応するために、16本のアンテナ素子を含んで構成されうる。
【0018】
図3に、通信装置(AP及びSTA)の機能構成例を示す。通信装置は、一例として、プリアンブル生成部301、MACフレーム生成部302、スキャン処理部303、接続処理部304、符号化方法決定部305、及びデータ送受信部306を有する。
【0019】
プリアンブル生成部301は、通信装置が生成する無線フレームのPHY(物理レイヤ)ヘッダを生成する。MACフレーム生成部302は、通信装置が送信する無線フレームのMAC(媒体アクセス制御)フレームを生成する。プリアンブル生成部301とMACフレーム生成部302との少なくともいずれかは、それぞれ、無線フレームで使用される符号化の種類を示す情報が格納されたPHYプリアンブル及び/又はMACフレームを生成する。ここでの無線フレームは、ユーザデータの送受信用のデータフレームである。ただし、これに限られず、無線フレームは、例えば、Beaconフレーム、Probe Requestフレーム、及びProbe Responseフレームのいずれかを含んでもよい。また、無線フレームは、Association Requestフレーム、Association Responseフレームのいずれかを含んでもよい。さらに、無線フレームは、Reassociation Requestフレーム、Reassociation Responseフレームのいずれかを含んでもよい。すなわち、制御用の無線フレームとユーザデータを送信するための無線フレームとのいずれにおいて誤り訂正符号に関する情報を含んでもよい。なお、接続制御用の無線フレームでは、その無線フレームで使用されている誤り訂正符号の種類が通知されてもよいし、その後のユーザデータの通信のための無線フレームで使用される誤り訂正符号の種類が通知されてもよい。また、接続制御用の無線フレームでは、その無線フレームを送信する通信装置が使用可能な誤り訂正符号の種類が通知されてもよい。これによれば、通信装置と相手装置とが共に使用可能な誤り訂正符号化方法を確認し、その使用可能な誤り訂正符号のうちのいずれかを用いて通信を行うことが可能となる。また、ユーザデータを送信するための無線フレームでは、例えば、その無線フレームで使用されている誤り訂正符号の種類が通知されうる。
【0020】
スキャン処理部303は、STAがAPのネットワーク情報を取得するための処理を実行する。例えば、通信装置がSTAである場合、スキャン処理部303は、周囲のAPからのBeaconフレームを受信し、また、Probe Requestフレームを送信して、APからProbe Responseフレームを受信する処理を実行する。また、通信装置がAPである場合、スキャン処理部303は、Beaconフレームを送信し、また、STAからProbe Requestフレームを受信した場合にProbe Responseフレームを送信する処理を実行する。接続処理部304は、STAがAPの管理するネットワークへ接続するための処理を行う。接続処理部304は、通信装置がSTAである場合、Association RequestフレームをAPへ送信し、APからAssociation Responseフレームを受信する。また、接続処理部304は、通信装置がAPである場合、STAからAssociation Requestフレームを受信すると、そのフレームへの応答としてAssociation ResponseフレームをSTAへ送信する。
【0021】
符号化方法決定部305は、通信に使用する誤り訂正符号の種類を決定する。データ送受信部306は、符号化方法決定部305において決定された種類の誤り訂正符号によって符号化されたデータを含んだデータフレームを送信する。また、データ送受信部306は、例えば接続制御時に示された、又は受信したデータフレームにおいて示された、誤り訂正符号に対応する復号方法で、無線フレーム内のデータを復号する。
【0022】
なお、本実施形態では、符号化方法決定部305は、BCC(バイナリ畳み込み符号)、LDPC(低密度パリティ検査符号)、Turbo符号、及び、Polar符号のいずれかを、使用する誤り訂正符号として決定しうる。ただし、これに限られず、例えば、BCH符号、Golay符号、リード・ソロモン符号などの他の誤り訂正符号化方法が、上述の4種類の符号化方法に代えて、又はこれらに加えて、使用されてもよい。
【0023】
(フレーム構造)
IEEE802.11EHT規格で用いられる無線フレーム(PPDU、Physical layer (PHY) Protocol Data Unit)の例を図4図6に示す。図4は、シングルユーザ通信用のPPDUであるEHT SU(Single User) PPDUの例を示し、図5は、長距離伝送用のEHT ER(Extended Range) SU PPDUの例を示している。EHT ER SU PPDUは、APと単一のSTAとの間での通信において、通信範囲を拡張すべき場合に用いられる。また、図6は、マルチユーザ通信用のEHT MU(Multi User) PPDUの例を示している。
【0024】
PPDUは、STF(Short Training Field)、LTF(Long Training Field)、SIG(Signal Field)の各フィールドを含む。図4に示すように、PPDU先頭部には、IEEE802.11a/b/g/n/ax規格に対して後方互換性を確保するための、L(Legacy)-STF401、L-LTF402、及びL-SIG403を有する。なお、図5及び図6のフレームフォーマットにおいても、L-STF(L-STF501、601)、L-LTF(L-LTF502、602)、L-SIG(L-SIG503、603)が含まれる。なお、L-LTFはL-STFの直後に配置され、L-SIGはL-LTFの直後に配置される。なお、図4図6の構成では、さらに、L-SIGの直後に配置されるRL-SIG(Repeated L-SIG、RL-SIG404、504、604)が含まれる。RL-SIGフィールドでは、L-SIGの内容が繰り返し送信される。RL-SIGは、IEEE802.11ax規格以降の規格に準拠したPPDUであることを受信者が認識することができるようにするものであり、場合によってはIEEE802.11EHTにおいては省略されてもよい。また、RL-SIGに代えて、IEEE802.11EHTのPPDUであることを受信者が認識可能とするためのフィールドが設けられてもよい。
【0025】
L-STF401は、物理レイヤ(PHY)フレーム信号の検出、自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)やタイミング検出などに用いられる。L-LTF402は、周波数・時刻の高精度な同期や伝搬チャネル情報(CSI:channnel state information)の取得等に用いられる。L-SIG403は、物理層データレート、MCS(変調及び符号化方式)、PHYフレーム長等の情報を含んだ制御情報を送信するために用いられる。IEEE802.11a/b/g/n/ax規格に従うレガシー機器(Non-EHT機器)は、上記各種レガシーフィールドを復号することができる。
【0026】
各PPDUは、さらに、RL-SIGの直後に配置される、EHT用の制御情報を送信するためのEHT-SIG(EHT-SIG-A405、EHT-SIG-A505、EHT-SIG-A605、EHT-SIG-B606)を含む。EHT-SIGフィールドは、EHT PPDUの受信処理に用いられる。また、各PPDUは、EHT用のSTF(EHT-STF406、506、607)、EHT用のLTF(EHT-LTF407、507、608)を有する。各PPDUでは、これらの制御用のフィールドの後にデータフィールド408、508、609と、Packet extentionフィールド409、509、610を有する。各PPDUのL-STFからEHT-LTFまでのフィールドが、PHYプリアンブルと呼ばれる。なお、PPDUの各フィールドは、必ずしも図4図6に示す順番に並んでいなくてもよいし、図4図6に示していない新規のフィールドを含んでいてもよい。
【0027】
なお、図4図6は、一例として、後方互換性を確保可能なPPDUを示しているが、後方互換性を確保する必要がない場合には、例えば、レガシーフィールドが省略されてもよい。この場合、例えば、同期の確立のために、L-STF及びL-LTFに代えて、EHT-STFやEHT-LTFが用いられる。そして、この場合、EHT-SIGフィールドの後のEHT-STFや複数のEHT-LTFのうちの1つが省略されうる。
【0028】
EHT SU PPDU及びEHT ER SU PPDUに含まれるEHT-SIG-A405及び505は、以下の表1及び表2に示すように、PPDUの受信に必要なEHT-SIG-A1とEHT-SIG-A2とを含む。本実施形態では、そのPPDUにおけるデータフィールドに含まれるデータの伝送において使用される誤り訂正符号の種類を、EHT-SIG-A2のCodingサブフィールドによって示す。一例において、Codingサブフィールドの値「0」がBCCに、値「1」がLDPCに、値「2」がTurbo符号に、値「3」がPolar符号に、それぞれ対応する。なお、BCC、LDPC、Turbo符号、Polar符号は一例であり、これら以外の符号化方法が用いられてもよい。また、本実施形態では、Codingサブフィールドに2ビットが割り当てられている例を示しているが、これより多くのビット数が割り当てられてもよい。この場合、例えば、BCC、LDPC、Turbo符号、Polar符号に加えて、BCH符号、Golay符号、リード・ソロモン符号などの他の符号を指定することが可能となる。また、以下の例では、EHT-SIG-A2の8ビット目~9ビット目(B7~B8)をCodingサブフィールドとして使用する例を示しているが、これに限られない。例えば、EHT-SIG-A2の8ビット目(B7)と15ビット目(B14)など、他の位置のビットがCodingサブフィールドとして使用されてもよい。この場合、例えば、8ビット目と13ビット目との組み合わせによって4通りの値が示されうる。また、EHT-SIG-A1の15ビット目(B14)等によってさらなる情報が示されてもよい。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
また、図6のEHT MU PPDUのEHT-SIG-A605は、以下の表3及び表4に示すように、PPDUの受信に必要なEHT-SIG-A1とEHT-SIG-A2とを含む。さらに、EHT-SIG-B606は表5、表6に示すように、PPDUの受信に必要なCommon fieldとUser Block fieldで構成される情報を含んでいる。表6に示すように、User Block fieldはUser fieldを含んで構成され、User fieldは、Non-MU-MIMO allocationであるかMU MIMO allocationであるかに応じて内容が異なる。Non-MU-MIMO allocationとMU MIMO allocationの場合のUser fieldの内容を、図7及び図8に示す。本実施形態では、図7及び図8のように、そのPPDUにおけるデータフィールドに含まれるデータの伝送において使用される誤り訂正符号の種類を、User fieldの2ビットのCodingサブフィールドで示す。一例において、Codingサブフィールドの値「0」がBCCに、値「1」がLDPCに、値「2」がTurbo符号に、値「3」がPolar符号に、それぞれ対応する。なお、BCC、LDPC、Turbo符号、Polar符号は一例であり、これら以外の符号化方法が用いられてもよい。また、本実施形態では、Codingサブフィールドに2ビットが割り当てられている例を示しているが、これより多くのビット数が割り当てられてもよい。この場合、例えば、BCC、LDPC、Turbo符号、Polar符号に加えて、BCH符号、Golay符号、リード・ソロモン符号などの他の符号を指定することが可能となる。また、以下の例では、User fieldの21ビット目~22ビット目(B20~B21)をCodingサブフィールドとして使用する例を示しているが、これに限られない。すなわち、ビット位置は一例に過ぎず、表7及び表8とは異なるビット位置のビットがCodingサブフィールドに用いられてもよい。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
上述のようにして、PHYプリアンブルによって、無線フレームで使用される誤り訂正符号の種類が提示される。これにより、この無線フレームの復号を、使用されている誤り訂正符号に対応する適切な復号方法を用いて実行することが可能となる。
【0039】
なお、上述のPHYプリアンブルでの情報の提示に代えて、又は、これに加えて、データフィールドに含まれるMAC(媒体アクセス制御)フレーム(MACヘッダ)によって、使用される誤り訂正符号の種類が示されてもよい。MACフレームは、MACヘッダと、MACデータとを含んで構成され、MACヘッダは、MACフレームの先頭に配置され、MAC層での制御のための情報を含む。図7に、IEEE802.11 EHT規格で用いられるMACフレームのフォーマットの例を示す。図7の例は、従来のIEEE802.11n/a/b/g/ac/axの規格と同様のフレームフォーマットが用いられる場合の例を示しているが、これとは異なるであるフォーマットが用いられてもよい。本実施形態では、一例として、図7に示すフレームフォーマットのうち、HT Controlフィールド710を用いて誤り訂正符号の種類が提示される。
【0040】
HT Controlフィールドの構成を図8に示す。HT Controlフィールドは、HT variant、VHT variant、HE variant、EHT variantの4つの形態を有する。これらの形態は、それぞれVHTサブフィールド、HEサブフィールド、EHTサブフィールドの値によって区別される。すなわち、VHTサブフィールドが「0」に設定されていることによって、HT variantの形態のHT Controlフィールドであることが特定される。同様に、VHTサブフィールドが「1」でHEサブフィールドが「0」に設定されていることによって、VHT variantの形態のHT Controlフィールドであることが特定される。また、VHTサブフィールドが「1」で、HEサブフィールドが「1」で、EHTサブフィールドが「0」に設定されていることによって、HE variantの形態のHT Controlフィールドであることが特定される。また、VHTサブフィールドが「1」で、HEサブフィールドが「1」で、EHTサブフィールドが「1」に設定されていることによって、EHT variantの形態のHT Controlフィールドであることが特定される。本実施形態に係る、EHTの誤り訂正符号の通知には、EHT variantが用いられる。EHT variantのA-Controlサブフィールドと、これに含まれるControlサブフィールドの構成を図9及び図10に示す。A-Controlサブフィールドには、1つ以上のControlサブフィールドが含まれる。すなわち、A-Controlサブフィールドは、1つのControlサブフィールド901を含み、オプションとして、2つ目以降のControlサブフィールド902を含む。Controlサブフィールド901~902は、それぞれ、図10に示すように、Control IDサブフィールド1001とControl Informationサブフィールド1002を含んで構成される。Control IDサブフィールド1001は、3ビットでのフィールドであり、このサブフィールドに設定される値によって、表9のように、Controlサブフィールドの内容が特定される。
【0041】
【表9】
【0042】
本実施形態に係る、EHTの誤り訂正符号の通知の際には、EHT link adaptationを意味する「2」がControl IDサブフィールド1001に設定される。EHT link adaptationが指定された際の、Control Informationサブフィールド1002の構成を図11に示す。誤り訂正符号の種類が通知される際には、Control Informationサブフィールド1002において、Unsolicited MFB1101が「1」に設定される。そして、MSI/Partial PPDU Parametersサブフィールド1108によって、誤り訂正符号の種類が通知される。Unsolicited MFBが1の場合のMSI/Partial PPDU Parametersサブフィールドの構成と、そのサブフィールドに含まれる値の意味を図12及び表10に示す。
【0043】
【表10】
【0044】
図12に示すように、Unsolicited MFBが1の場合のMSI/Partial PPDU Parametersサブフィールドは、PPDU Formatサブフィールド1201とCoding Typeサブフィールド1202を含む。PPDU Formatサブフィールド1201の値により、PPDUが、EHT SU PPDU、EHT ER PPDU が「0」の場合は、PPDUがEHT SU PPDUであることを意味する。PPDU Formatサブフィールドの値が1の場合は、PPDUがEHT MU PPDUであることを意味する。PPDU Formatサブフィールドの値が2の場合は、PPDUがEHT ER SU PPDUであることを意味する。PPDU Formatサブフィールドの値が3の場合は、PPDUがEHT TB PPDUであることを意味する。Coding Typeサブフィールド1202は、PPDUで使用されている誤り訂正符号の種類を示す。一例において、Coding Typeサブフィールド1202は、上述のように、BCC、LDPC、Turbo符号、Polar符号を特定可能となるように2ビットのフィールドとして構成されうる。ただしこれに限られず、3ビット以上のフィールドを用意して、5種類以上の誤り訂正符号を特定するようにしてもよい。
【0045】
以上のようにして、MACフレーム(MACヘッダ)によって、無線フレームで使用される誤り訂正符号の種類が提示される。これにより、この無線フレームの復号を、使用されている誤り訂正符号に対応する適切な復号方法を用いて実行することが可能となる。なお、上述のフィールドの名称や、ビットの位置・サイズはこの例に限定されず、同様の情報が、異なるフィールド名のフィールドに格納されてもよいし、情報の格納される順序やサイズが上述のものと異なってもよい。
【0046】
(処理の流れ)
続いて、図13及び図14を用いて、通信装置が実行する処理の流れの例について説明する。図13は、通信装置が無線フレームを送信する場合の処理の流れの例を示しており、図14は、通信装置が無線フレームを受信した場合の処理の流れの例を示している。
【0047】
図13において、通信装置は、例えば自装置内に記憶されているデータやユーザ操作によって入力されたデータ等の、送信対象データを取得する(S1301)。そして、通信装置は、そのデータの送信の際に使用する誤り訂正符号化方法を決定する(S1302)。通信装置は、例えば、BCC、LDPC、Turbo符号、Polar符号の中から、使用する誤り訂正符号を選択する。なお、通信装置は、例えば相手装置が使用可能な誤り訂正符号の種類に応じて、使用する誤り訂正符号化方法を決定してもよい。通信装置は、S1302で決定した種類の誤り訂正符号を用いて、送信対象データの誤り訂正符号化を実行する(S1303)。また、通信装置は、S1302で決定された誤り訂正符号の種類を示す情報を含めた、PHYプリアンブルとMACフレーム(MACヘッダ)との少なくともいずれかを生成する(S1304)。そして、通信装置は、S1303で誤り訂正符号化されたデータと、S1304で生成されたPHYプリアンブル/MACヘッダとに基づいて、送信すべき無線フレームを生成し(S1305)、生成した無線フレームを送信する(S1306)。
【0048】
図14において、通信装置は、相手装置から無線フレームを受信する(S1401)と、その無線フレームのPHYプリアンブル/MACヘッダに基づいて、その無線フレームで送信されるデータに対して使用されている誤り訂正符号を特定する(S1402)。そして、通信装置は、その特定した誤り訂正符号に対応する復号方法で、データを復号する(S1403)。
【0049】
このようにして、通信装置は、PHYプリアンブルとMACヘッダとの少なくともいずれかによって、無線フレーム内のデータに対する誤り訂正符号化方法を相手装置に通知することができる。また、通信装置は、相手装置から送信された無線フレームで使用されている誤り訂正符号化方法を、その無線フレームのPHYプリアンブルとMACヘッダとの少なくともいずれかを解析することによって、特定することができる。このとき、2ビット以上のフィールドを用いて誤り訂正符号化方法を指定することにより、使用可能な3種類以上の誤り訂正符号化方法のうちの1つを指定することが可能となる。また、フィールドを予め大きく確保しておき、将来新たに使用可能となる誤り訂正符号化方法に対応することができるようにしておいてもよい。また、通信装置が相手装置と接続処理を実行中に複数の誤り訂正符号化方法のうち、使用可能性のある少数(例えば2つ)の誤り訂正符号を特定し、その後の通信では、使用する誤り訂正符号化方法を少数ビット(例えば1ビット)の情報で指定してもよい。この場合、通信装置と相手装置は、相互に使用可能な誤り訂正符号化方法の情報を交換し、共通して使用可能な誤り訂正符号のうちのいずれを使用可能とするかを、接続処理中に交渉してもよい。なお、使用すべき1つの誤り訂正符号化方法を接続処理中に交換しておくことにより、その後の通信においては誤り訂正符号化方法の情報が送信されないようにしてもよい。なお、通信装置であるAP102やSTA103~105の他、上記のPHYプリアンブルとMACフレームとの少なくともいずれかを生成する情報処理装置(例えば、無線チップ)により、本発明を実施することも可能である。
【0050】
なお、上述の実施形態では、PHYプリアンブルと、MACフレームとのそれぞれが、無線フレームで使用されている誤り訂正符号の種類を指定する情報を含むように説明したが、これに限られない。例えば、PHYプリアンブルに、従来使用可能な誤り訂正符号(BCC及びLDPC)と異なる新たに定義された符号が使用されるか否かを示す1ビットの情報を含め、新たに定義された符号が使用される場合に、MACフレームに詳細情報を含めてもよい。すなわち、PHYプリアンブルに格納された情報とMACフレームに格納された情報の両方に基づいて、無線フレームで使用されている誤り訂正符号が特定されるようにしてもよい。このようにすることにより、使用可能なビット数に制約がある条件でも、多種類の誤り訂正符号を特定するように情報を構成することが可能となる。
【0051】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0052】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0053】
201:記憶部、202:制御部、206:通信部、207:アンテナ、301:プリアンブル生成部、302:MACフレーム生成部、303:スキャン処理部、304:接続処理部、305:符号化方法決定部、306:データ送受信部
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図10
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図14