(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】圧電デバイス
(51)【国際特許分類】
H03H 9/25 20060101AFI20240328BHJP
【FI】
H03H9/25 A
(21)【出願番号】P 2020111420
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】320009163
【氏名又は名称】NDK SAW devices株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】弁理士法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴大
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/081240(WO,A1)
【文献】特開2006-352430(JP,A)
【文献】特開2016-123020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H3/007-H03H3/10
H03H9/00-H03H9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板に形成された圧電素子と、
前記圧電素子を囲むように前記圧電基板に設けられた囲壁と、前記圧電基板に対向する区画用対向部と、を備え、前記圧電素子が臨む中空領域を形成する非導電性の区画部と、
前記圧電素子から前記囲壁の下方を介して前記圧電基板の周縁へ向けて形成される導電パターンと、
前記導電パターンと接続されるように前記圧電基板に対向する対向面を備え、前記中空領域の外側において前記囲壁から前記区画用対向部に亘って形成される配線部と、
前記導電パターンにおける前記囲壁の外側に設けられる部位であり、前記対向面よりも前記中空領域とは反対側における前記圧電基板の周縁側に突出する接続用端部と、
を備え
、
前記区画部の囲壁と前記導電パターンとの間には非導電性の薄層が介在し、
前記配線部は前記囲壁に沿って前記圧電基板側から前記区画用対向部側へ向けて形成された脚部と、当該脚部における前記圧電基板側から当該圧電基板の周縁部へ向けて突出することで前記対向面を形成する支持部と、を備え、
前記薄層の端が、前記脚部の外面よりも前記中空領域寄りに位置する圧電デバイス。
【請求項2】
前記薄層は、前記圧電基板においてその周縁部から前記囲壁に重なる領域に亘って形成され、且つ前記対向面と前記接続用端部とを接続するための開口部を備え、
前記薄層の端は、当該開口部における前記中空領域側の口縁である請求項
1記載の圧電デバイス。
【請求項3】
前記開口部は、前記接続用端部の周縁と重ならない請求項
2記載の圧電デバイス。
【請求項4】
前記圧電素子はIDT電極からなる弾性表面波素子である請求項1ないし
3のいずれか一つに記載の圧電デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電基板に圧電素子が形成された圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電基板に圧電素子が形成された圧電デバイスとして、SAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波)デバイスが知られている。そして、圧電デバイスとしては小型化が図られており、ウエハの状態で配線等を形成した後にダイシングを行うことでパッケージとして形成されるWLCSP(Wafer Level Chip Size Package)と呼ばれるフリップチップ構造が採用される場合が有る。例えば特許文献1においては、このWLCSPであるSAWデバイスについて示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
WLCSPのSAWデバイスについて、発明の実施の形態にて比較例として示すように、配線間の接続箇所にて比較的強い熱応力が加わる場合が有る。その熱応力によって、デバイスが破損してしまう懸念が有る。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱応力が抑えられることで信頼性が高い圧電デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の圧電デバイスは、圧電基板と、
前記圧電基板に形成された圧電素子と、
前記圧電素子を囲むように前記圧電基板に設けられた囲壁と、前記圧電基板に対向する区画用対向部と、を備え、前記圧電素子が臨む中空領域を形成する非導電性の区画部と、
前記圧電素子から前記囲壁の下方を介して前記圧電基板の周縁へ向けて形成される導電パターンと、
前記導電パターンと接続されるように前記圧電基板に対向する対向面を備え、前記中空領域の外側において前記囲壁から前記区画用対向部に亘って形成される配線部と、
前記導電パターンにおける前記囲壁の外側に設けられる部位であり、前記対向面よりも前記中空領域とは反対側における前記圧電基板の周縁側に突出する接続用端部と、
を備え、
前記区画部の囲壁と前記導電パターンとの間には非導電性の薄層が介在し、
前記配線部は前記囲壁に沿って前記圧電基板側から前記区画用対向部側へ向けて形成された脚部と、当該脚部における前記圧電基板側から当該圧電基板の周縁部へ向けて突出することで前記対向面を形成する支持部と、を備え、
前記薄層の端が、前記脚部の外面よりも前記中空領域寄りに位置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の圧電デバイスによれば、圧電素子が格納される中空領域を形成する区画部の側壁に形成される配線部と、圧電素子から圧電基板の周縁部へ向けて形成される導電パターンとの接続箇所において熱応力が抑制される。その結果として、当該熱応力による圧電デバイスの破損を防ぎ、当該圧電デバイスの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るSAWデバイスの縦断正面図である。
【
図2】前記SAWデバイスの配線の接続部を示す縦断正面図である。
【
図3】前記SAWデバイスを構成する圧電基板の概略平面図である。
【
図4】前記SAWデバイスを構成する樹脂膜を示す横断平面図である。
【
図5】比較例に係るSAWデバイスの配線の接続部を示す縦断正面図である。
【
図6】前記比較例に係るSAWデバイスの樹脂膜の平面図である。
【
図7】前記比較例に係るSAWデバイスについての評価試験の結果を示す模式図である。
【
図8】前記第1の実施形態についての評価試験の結果を示す模式図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係るSAWデバイスの配線の接続部を示す縦断正面図である。
【
図10】前記第2の実施形態についての評価試験の結果を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施形態に係る圧電デバイスであるSAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波)デバイス1について、
図1、
図2の縦断正面図を参照しながら説明する。
図2は、
図1の一部を拡大して示している。SAWデバイス1はWLCSP型のSAWデバイスであり、フリップチップ実装により実装基板に搭載される。SAWデバイス1は角型の圧電基板11を備えている。
【0010】
以降、SAWデバイス1について、当該実装基板への接続側(=圧電基板11の表面側)を上側として説明する。
図1、
図2においても当該接続側が上側になるように示している。また、圧電基板11の長辺、短辺に夫々沿った方向を夫々前後方向、左右方向と記載する場合が有る。なお、デバイスの構成の説明の便宜上、このように各方向を定義するが、SAWデバイス1はどのような向きで使用されてもよい。
【0011】
圧電基板11は、例えばタンタル酸リチウムなどの圧電材料により構成されている。圧電基板11の表面には、圧電素子としてIDT(Interdigital Transducer)電極及び反射器を備えたSAWフィルタ12が形成されている。圧電基板11の表面を概略的に示した平面図である
図3も参照すると、弾性表面波素子であるSAWフィルタ12を構成するIDT電極から、圧電基板11の周縁部へ向かうように、例えばアルミニウム膜である下側導電パターン13が6つ形成されている。6つの下側導電パターン13のうちの3つはSAWフィルタ12の左側から圧電基板11の左側端部へ、他の3つはSAWフィルタ12の圧電基板11の右側端部へ向けて、夫々伸びている。
【0012】
各下側導電パターン13上にはデバイスの配線抵抗値を低減させるために、アルミニウム膜である上側導電パターン14が積層されている。上側導電パターン14は、SAWフィルタ12の近傍から下側導電パターン13よりも圧電基板11の端寄りの位置に亘って形成されている。これらの上側導電パターン14及び下側導電パターン13については、まとめて導電パターン15として示す場合が有る。
【0013】
そして圧電基板11の周縁部は樹脂膜21によって被覆されており、従って、上記の導電パターン15において圧電基板11の周縁部寄りに形成された部位は、当該樹脂膜21に被覆されている。非導電性の薄層である樹脂膜21は、導電パターン15と後述する囲壁32とを接着する役割をなすと共に、SAWデバイス1の製造時のダイシングのために圧電基板11の周縁に形成される金属性のパターン(不図示)について、不要な露出を防止する役割を有する。
【0014】
以降、樹脂膜21の表面を示した平面図である
図4も参照しながら説明する。なお、
図4では当該樹脂膜21の表面に、上記の
図3では導電パターン15の表面に、夫々多数のドットを付して示している。樹脂膜21は、2×3の行列状(左右方向に2個、前後方向に3個)に並んだ矩形状の開口部22を備えており、
図4ではそのうちの一つを示している。より具体的には、
図3の左下に示す導電パターン15に対応する開口部22を示している。各開口部22は上記の導電パターン15に重なり、開口部22の各辺の向きは圧電基板11の各辺の向きに対して揃っている。
【0015】
また圧電基板11上には非導電性部材、例えば樹脂からなる区画部31が設けられており、当該区画部31は囲壁32と、天井板33とを備える。囲壁32は圧電基板11の周に沿ってSAWフィルタ12を囲み、既述した樹脂膜21の内周側に重なるように設けられている。従って、当該樹脂膜21については圧電基板11においてその周縁部から囲壁32に重なる領域に亘って形成されている。なお、上記の樹脂膜21における各開口部22は、この囲壁32から離れて圧電基板11の周縁部寄りに設けられている。
【0016】
区画部31の説明に戻ると、囲壁32と圧電基板11によって囲まれる領域を上から塞ぐように、圧電基板11に対向する区画用対向部である天井板33が設けられており、囲壁32の上面に支持されている。囲壁32、圧電基板11及び天井板33により、SAWフィルタ12が臨むと共にデバイスの外部から区画された中空領域35が形成されている。天井板33の側周は、囲壁32の側周よりも圧電基板11の中心寄りに位置し、天井板33及び囲壁32により段が形成されている。
【0017】
上記の樹脂膜21上から、囲壁32の表面及び天井板33の表面に沿って天井板33上に向けて伸びるように、例えば銅によって構成される金属膜である配線部41が設けられている。上記の囲壁32と天井板33とがなす段に沿うことで、配線部41は階段状に形成されている。この配線部41において、囲壁32の側周面に沿って設けられた部位を脚部42とし、この脚部42の下端部から圧電基板11の周縁に向けて伸びる部位を支持部43とする。この支持部43の下面を44として示しており、当該下面44は、圧電基板11に対向する対向面をなす。
【0018】
配線部41は6つ設けられており、各配線部41の下面44が開口部22上に位置し、この開口部22を介して導電パターン15に対して電気的に接続される。そして天井板33上において、各配線部41上には、実装基板への実装用のはんだボール45が設けられている。つまりSAWデバイス1には、開口部22、配線部41、導電パターン15、はんだボール45の組が6つ設けられており、図示は省略するが配線部41及びはんだボール45については樹脂膜21の開口部22と同様に、平面視2×3の行列状に配置されている。
【0019】
そして以上のような構成により、SAWデバイス1とはんだボール45とが、導電パターン15及び配線部41を介して電気的に接続されている。また、圧電基板11の周縁部上には、溶融したはんだボール45が配線部41に沿って流れることを防止するための樹脂層46が設けられている。当該樹脂層46は区画部31を囲うように形成されることで配線部41のうち、天井板33上に形成された部位以外の部位を被覆する。
【0020】
続いて樹脂膜21の開口部22、配線部41及び導電パターン15の位置関係について、さらに詳しく説明する。説明にあたり、導電パターン15において囲壁32よりも圧電基板11の周縁側に突出して形成された部位を接続用端部16とする。接続用端部16は矩形状であり、その各辺が圧電基板11の各辺に揃うように形成されている。また、樹脂膜21の開口部22の口縁について、中空領域35側の部位を中空領域側口縁22A、中空領域35とは反対側における圧電基板11の周縁側の部位を基板周縁側口縁22Bとして述べる場合が有る。なお、上記のように開口部22、配線部41及び導電パターン15の組は6つ設けられるが、6つとも同様の位置関係である。
【0021】
同じ組をなす導電パターン15の接続用端部16及び配線部41の下面44について見ると、接続用端部16は下面44よりも、中空領域35とは反対側の圧電基板11の周縁側に向けて突出している。つまり左右方向において下面44の端と接続用端部16との端との位置はずれており、このずれの大きさW1(
図2、
図3参照)は、例えば1μm~4μmであり、より具体的には例えば2.5μmである。なお、前後の幅について比べると、配線部41の下面44の幅の方が導電パターン15の接続用端部16の幅よりも若干大きい。
【0022】
また、平面視、開口部22については配線部41の下面44及び接続用端部16よりも小さく形成されており、
図4に示すように、当該開口部22の周縁は当該下面44の周縁及び接続用端部16の周縁に囲まれている。つまり開口部22は、下面44の周縁及び接続用端部16の周縁に重ならないように形成されている。
【0023】
ここで、比較例のSAWデバイスの配線構造について説明する。この比較例については、以下に述べる差異点を除いて、発明の実施例である既述のSAWデバイス1と同様の構成である。
図5は比較例のSAWデバイスの縦断正面図であり、
図6は当該比較例における樹脂膜21の上面を示す平面図である。
【0024】
比較例における導電パターン15の接続用端部16について、前後、左右の幅が、実施例における接続用端部16の前後、左右の幅よりも夫々小さい。そのように左右の幅が小さいことで、開口部22の基板周縁側口縁22Bと、接続用端部16の端との位置が揃っている。また、前後方向における開口部22の端の位置と接続用端部16の端の位置とについても揃っている。従って、SAWデバイス1と比較例のSAWデバイスとの関係を端的に述べると、比較例における接続用端部16を前後方向及び左右方向における圧電基板11の周縁に向けて拡張させ、拡張された分を樹脂膜21の開口部22の口縁部下方に潜り込ませたものが、SAWデバイス1の構成となる。そのように接続用端部16が広げられているため、上記したように開口部22は接続用端部16の周縁とは重なっていない。
【0025】
図7は、シミュレーションによる実験によって取得された、温度変化が生じたときの比較例のSAWデバイスの導電パターン15におけるミーゼスの応力の分布を示したものである。なお実際に実験で取得されたコンター図は、カラーのグラデーションで応力の分布を表示するものであるが、
図7では図示の便宜上、応力範囲に応じた等高線を引き、等高線で囲まれた領域にその領域の圧力範囲に対応する模様を付すことで、応力分布の概要を示している。
【0026】
この
図7に示すように比較例では導電パターン15の接続用端部16について、開口部22に重なる領域、即ち配線部41の下面44との接続領域に比較的高い応力が加わっている。より詳しく述べると当該接続領域の周縁部、特に前方側の端部及び後方側の端部における応力が高かった。このように接続用端部16に比較的高い応力が加わると、接続用端部16が設けられる圧電基板11の破損を招くおそれが有る。
【0027】
図8はSAWデバイス1について、比較例のSAWデバイスで行ったシミュレーションと同様のシミュレーションを行って得た試験結果を、
図7と同様に表した応力分布の概要図である。この
図8から分かるように比較例に比べるとSAWデバイス1では、上記の接続領域についての前後方向の端部の応力に関して周囲への分散がなされており、当該端部の応力について緩和されている。従って、接続領域の縁(開口部22の縁)と接続用端部16の縁とが離れることで応力分布が改善された。さらに述べるとこの応力分布の改善は、いわば柱をなす配線部41の下面44の面積に対して土台をなす接続用端部16の面積が大きくなったことで、配線部41の安定性が増したことによると考えられる。
【0028】
上記した導電パターン15の接続用端部16が配線部41の下面44よりも周縁側に向けて突出するように構成することは、下面44の面積に対して当該接続用端部16の面積を増大させ、応力分布を改善することに寄与している。以上に述べたように、SAWデバイス1では温度変化時に過度な応力が接続用端部16に加わることが抑制される。より具体的に述べると、例えば+25℃を基準にしてデバイスの温度が上昇あるいは低下すると熱応力が生じる。そして、周囲環境について高温、低温のサイクルが繰り返される状態となったり、デバイスに熱衝撃が加えられたりしたときに、そのような熱応力が生じるが、SAWデバイス1では比較例に比べて、接続用端部16におけるこの熱応力が緩和されるので、信頼性が高い。
【0029】
続いて、第2の実施形態のSAWデバイス1Aについて、SAWデバイス1との差異点を説明する。
図9は当該SAWデバイス1Aの縦断正面図である。SAWデバイス1Aでは樹脂膜21の開口部22について、中空領域35側に向けて拡大されている。そのように開口部22が広げられることで、当該開口部22を形成する中空領域側口縁22Aの位置(
図9中L1)は、配線部41の脚部42における外面の位置(
図9中L2)よりも、中空領域35寄りに位置する。例えばL1とL2との間隔W2は1μm~10μmであり、より具体的には例えば5μmである。
【0030】
図10はSAWデバイス1Aについて、比較例のSAWデバイスで行ったシミュレーションと同様のシミュレーションを行って得た試験結果を、
図7と同様に表した応力分布の概要図である。SAWデバイス1の試験結果である
図8と比べると、
図8では接続用端部16における中空領域側口縁22Aが位置する付近に、前後に帯状に伸びるように応力が若干高い領域が存在している。しかしこの
図10に示すようにSAWデバイス1Aでは、接続用端部16においてそのようにSAWデバイス1で若干応力が高くなった領域の応力が周囲に分散されることで緩和されている。そしてSAWデバイス1Aにおいて中空領域側口縁22Aが位置する付近の応力は比較的低い
【0031】
このように比較例の試験結果に対して、SAWデバイス1AではSAWデバイス1よりもさらなる応力の分散、緩和が見られた。また、最も高い応力が加わった箇所の応力についてSAWデバイス1AとSAWデバイス1とを比べると、SAWデバイス1Aの応力の方が低く、SAWデバイス1Aについては熱応力に対する配線の信頼性がより高いことが示された。
【0032】
なお、開口部22の中空領域側口縁22Aについて、
図9に示した位置よりもさらに囲壁32寄りにすることで開口部22を広げ、導電パターン15の接続用端部16と配線部41の下面44との接続領域の面積を増加させ、さらなる応力の緩和を図ることも考えられる。しかし、デバイスの製造誤差を考慮して、囲壁32と導電パターン15との接着が確実になされるように、当該中空領域側口縁22Aについては既述の各例のように囲壁32から圧電基板11の周縁側に離れた位置とすることが好ましい。
【0033】
例えば圧電デバイスとしてSAWデバイスを例示したが、本発明の圧電デバイスはSAWデバイスには限られず、水晶発振器やMEMS共振器など、各種のデバイスに適用することが可能である。なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更、組み合わせが行われてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 SAWデバイス
11 圧電基板
12 SAWフィルタ
15 導電パターン
16 接続用端部
31 区画部
35 中空領域
41 配線部
44 下面