(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】製造管理装置、製造管理方法、及び製造管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240328BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2020198672
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020053366
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 真一
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 友教
(72)【発明者】
【氏名】飯田 香
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-082790(JP,A)
【文献】特開2018-128901(JP,A)
【文献】特開2002-251502(JP,A)
【文献】特開2011-008308(JP,A)
【文献】特開2007-219675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備えた製造管理装置であって、
前記記憶部には、
商品毎に品目区分を登録した第1のマスタと、
担当者毎に、構成マスタに登録可能な品目区分を登録した第2のマスタと、
商品である製造品毎に、当該製造品を構成する商品の構成情報を登録する構成マスタと、
が格納されており、
前記制御部は、
登録画面上での担当者の入力操作に応じて、製造品を構成する商品の構成情報を前記構成マスタに登録し、その際、前記第1のマスタ及び前記第2のマスタを参照して、当該製造品の品目区分を当該担当者が登録可能か否かを判定して、登録可能な場合は、製造品を構成する商品の構成情報の登録を許可し、登録可能でない場合は、製造品を構成する商品の構成情報の登録を禁止する構成マスタ登録手段を備えたことを特徴とする製造管理装置。
【請求項2】
前記第2のマスタは、
担当者毎に、権限区分を登録した担当者マスタと、
権限区分毎に、前記構成マスタに登録可能な品目区分を登録した品目別権限マスタと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造管理装置。
【請求項3】
前記製造品は、製品、半製品、バルク品を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造管理装置。
【請求項4】
前記第2のマスタは、さらに、担当者毎に閲覧可能な品目区分を登録しており、
前記制御部は、さらに、
照会画面上で担当者が製造品の構成情報を照会する場合に、当該担当者が前記第2のマスタで登録されている閲覧可能な品目区分の範囲で構成情報を表示する構成情報照会手段を備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の製造管理装置。
【請求項5】
前記商品は、配合製造業を含む化学業及び食品業で製造される商品を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の製造管理装置。
【請求項6】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される製造管理方法であって、
前記記憶部には、
商品毎に品目区分を登録した第1のマスタと、
担当者毎に、構成マスタに登録可能な品目区分を登録した第2のマスタと、
商品である製造品毎に、当該製造品を構成する商品の構成情報を登録する構成マスタと、
が格納されており、
前記制御部において実行される、
登録画面上での担当者の入力操作に応じて、製造品を構成する商品の構成情報を前記構成マスタに登録し、その際、前記第1のマスタ及び前記第2のマスタを参照して、当該製造品の品目区分を当該担当者が登録可能か否かを判定して、登録可能な場合は、製造品を構成する商品の構成情報の登録を許可し、登録可能でない場合は製造品を構成する商品の構成情報の登録を禁止する構成マスタ登録工程を含むことを特徴とする製造管理方法。
【請求項7】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための製造管理プログラムであって、
前記記憶部には、
商品毎に品目区分を登録した第1のマスタと、
担当者毎に、構成マスタに登録可能な品目区分を登録した第2のマスタと、
商品である製造品毎に、当該製造品を構成する商品の構成情報を登録する構成マスタと、
が格納されており、
前記制御部において、
登録画面上での担当者の入力操作に応じて、製造品を構成する商品の構成情報を前記構成マスタに登録し、その際、前記第1のマスタ及び前記第2のマスタを参照して、当該製造品の品目区分を当該担当者が登録可能か否かを判定して、登録可能な場合は、製造品を構成する商品の構成情報の登録を許可し、登録可能でない場合は製造品を構成する商品の構成情報の登録を禁止する構成マスタ登録工程を実行させるための製造管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造管理装置、製造管理方法、及び製造管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、化粧品業界では、社内であっても製品の一部の構成情報を開示できない場合があり、一部の構成が外部に漏れることで、他社に類似製品を製造される可能性がある。製造情報のセキュリティを管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、秘匿管理者のみが全ての商品の構成情報を、マスタ登録をする手間を省略し、秘匿管理者以外も登録可能な範囲でマスタ登録を許可することで、秘匿情報のセキュリティを維持しつつ、マスタへの商品の構成情報の登録の作業負担を軽減することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、秘匿管理者のみが全ての商品の構成情報を、マスタ登録をする手間を省略し、秘匿管理者以外も登録可能な範囲でマスタ登録を許可することで、秘匿情報のセキュリティを維持しつつ、マスタへの商品の構成情報の登録の作業負担を軽減することが可能な製造管理装置、製造管理方法、及び製造管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備えた製造管理装置であって、前記記憶部には、商品毎に品目区分を登録した第1のマスタと、
担当者毎に、構成マスタに登録可能な品目区分を登録した第2のマスタと、商品である製造品毎に、当該製造品を構成する商品の構成情報を登録する構成マスタと、が格納されており、前記制御部は、登録画面上での担当者の入力操作に応じて、製造品を構成する商品の構成情報を前記構成マスタに登録し、その際、前記第1のマスタ及び前記第2のマスタを参照して、当該製造品の商品区分を当該担当者が登録可能か否かを判定して、登録可能な場合は、製造品を構成する商品の構成情報の登録を許可し、登録可能でない場合は製造品を構成する商品の構成情報の登録を禁止する構成マスタ登録手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記第2のマスタは、担当者毎に、権限区分を登録した担当者マスタと、権限区分毎に、前記構成マスタに登録可能な品目区分を登録した品目別権限マスタと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記製造品は、製品、半製品、バルク品を含むことにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記第2のマスタは、さらに、担当者毎に閲覧可能な品目区分を登録しており、前記制御部は、さらに、照会画面上で担当者が製造品の構成情報を照会する場合に、当該担当者が前記第2のマスタで登録されている閲覧可能な品目区分の範囲で構成情報を表示する構成情報照会手段を備えることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記製造品は、配合製造業を含む化学業及び食品業で製造される商品を含むことにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される製造管理方法であって、前記記憶部には、商品毎に品目区分を登録した第1のマスタと、担当者毎に、構成マスタに登録可能な品目区分を登録した第2のマスタと、商品である製造品毎に、当該製造品を構成する商品の構成情報を登録する構成マスタと、が格納されており、前記制御部において実行される、登録画面上での担当者の入力操作に応じて、製造品を構成する商品の構成情報を前記構成マスタに登録し、その際、前記第1のマスタ及び前記第2のマスタを参照して、当該製造品の品目区分を当該担当者が登録可能か否かを判定して、登録可能な場合は、製造品を構成する商品の構成情報の登録を許可し、登録可能でない場合は製造品を構成する商品の構成情報の登録を禁止する構成マスタ登録工程を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための製造管理プログラムであって、前記記憶部には、商品毎に品目区分を登録した第1のマスタと、担当者毎に、構成マスタに登録可能な品目区分を登録した第2のマスタと、商品である製造品毎に、当該製造品を構成する商品の構成情報を登録する構成マスタと、が格納されており、前記制御部において、登録画面上での担当者の入力操作に応じて、製造品を構成する商品の構成情報を前記構成マスタに登録し、その際、前記第1のマスタ及び前記第2のマスタを参照して、当該製造品の品目区分を当該担当者が登録可能か否かを判定して、登録可能な場合は、製造品を構成する商品の構成情報の登録を許可し、登録可能でない場合は製造品を構成する商品の構成情報の登録を禁止する構成マスタ登録工程を実行させるための製造管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、秘匿管理者のみが全ての商品の構成情報を、マスタ登録をする手間を省略し、秘匿管理者以外も登録可能な範囲でマスタ登録を許可することで、秘匿情報のセキュリティを維持しつつ、マスタへの商品の構成情報の登録の作業負担を軽減することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施の形態の製造管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、商品マスタの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、担当者マスタの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、品目別権限マスタの登録例を示す図である。
【
図5】
図5は、構成マスタの登録例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態の製造管理装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態の製造管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態の製造管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態の製造管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態の製造管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る製造管理装置、製造管理方法、及び製造管理プログラムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
例えば、化粧品業界では、社内であっても製品の一部の構成情報を開示できない場合があり、一部の構成が外部に漏れることで、他社に類似製品を製造される可能性がある。
【0017】
従来、構成情報を秘匿するために、構成マスタ自体の登録者制限を行い、一部の管理者のみ登録可能とする制御を行う必要があった。そのため、秘匿情報以外(外箱や瓶等)の構成情報の変更も、管理者が行う必要があるため、管理者の作業負担が大きかった。
【0018】
しかしながら、構成情報のマスタ登録も同様、秘匿される構成情報は一部の管理者のみ登録・参照可能にする必要があるが、製品を構成する資材(例えば、箱・瓶)等は、秘匿管理者以外も登録ができる必要がある。
【0019】
そこで、本実施の形態では、商品の品目区分と担当者の組合せでマスタに商品の構成情報を登録可能な権限の範囲を設定することで、秘匿管理者のみが全ての構成情報のマスタ登録をする手間を省略し、秘匿管理者以外も登録可能な範囲でマスタ登録を許可することで、秘匿情報のセキュリティを維持しつつ、マスタへの商品の構成情報の登録の作業負担を軽減する。本発明は、例えば、化粧品等の配合を行う配合製造業等を含む化学業や食品業等で製造される商品に適用でき、構成を秘匿する必要がある商品全般に適用可能である。
【0020】
以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る製造管理装置100の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の製造管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
製造管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、製造管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
製造管理装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。製造管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、製造管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、製造管理装置100と、端末400・・・やサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0025】
端末400・・・は、担当者の端末装置である。担当者は端末400を使用して製造管理装置100にアクセスして、構成マスタ106dのデータの登録やその構成情報を照会することが可能となっている。製造管理装置100は、端末400のリクエストに応じて、端末400に各種画面(例えば、構成マスタ登録画面、構成情報照会画面)を提供し、端末400の画面上での担当者の操作に応じて、各種処理を行う。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。また、「出力」とは、出力装置114のモニタに表示することや出力装置114のプリンタで印刷することを含む。また、モニタ114に表示される情報に対して入力装置112等でユーザが操作等をすることを、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0028】
また、記憶部106は、商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106c、構成マスタ106dと、を備えている。
図2は、商品マスタ106aの構成例を示す図である。
図3は、担当者マスタ106bの構成例を示す図である。
図4は、品目別権限マスタ106cの登録例を示す図である。
図5は、構成マスタ106dの登録例を示す図である。
【0029】
商品マスタ106aは、
図2に示すように、商品と、品目区分を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
図2に示す例では、1行目は、商品「商品A」、品目区分「製品」、2行目は、商品「商品B」、品目区分「バルク品」、3行目は、商品「商品C」、品目区分「原料」、4行目は、商品「商品D」、品目区分「半製品」、5行目は、商品「商品E」、品目区分「原料」、6行目は、商品「商品F」、品目区分「資材」となっている。
【0030】
担当者マスタ106bは、
図3に示すように、担当者と、権限区分を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
図3に示す例では、1行目は、担当者「担当者1」、権限区分「1」、2行目は、担当者「担当者2」、権限区分「2」、3行目は、担当者「担当者3」、権限区分「3」となっている。
【0031】
品目別権限マスタ106cは、
図4に示すように、権限区分と、閲覧及び登録が可能な品目区分とを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
図4に示す例では、1行目は、権限区分「1」、品目区分「製品、バルク品、半製品、原料、資材」、2行目は、権限区分「2」、品目区分「バルク品、原料、資材」、3行目は、権限区分「3」、品目区分「製品、半製品、原料、資材」となっている。
【0032】
図2の商品マスタ106a、
図3の担当者マスタ106b、及び
図4の品目別権限マスタ106cより、担当者1は、権限区分「1」で全構成閲覧・登録可能となっている。担当者2は、権限区分「2」でバルク構成のみ閲覧・登録可能となっている。担当者3は、権限区分「3」となっており、バルク構成以外の閲覧・登録可能となっている。
【0033】
構成マスタ106dは、製品、バルク品、又は半製品の製造品の構成情報を登録するためのマスタであり、
図5に示すように、製品、バルク品、又は半製品である製造品と、当該製造品を構成する1又は複数の払出品である商品の構成量(構成単位である構成分子(kg、個)、構成分子の必要量である構成分母(個)))を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。全体の構成情報の登録では、製品・バルク品・半製品の登録の順序はどのような順序でもよい。
【0034】
図5に示す例では、製造品「商品B(バルク品)」は、払出品「商品C(原料)」、構成分子「4kg」、構成分母「1個」で構成されている。また、製造品「商品A(製品)」は、払出品「商品B(バルク品)」、構成分子「4kg」、構成分母「10個」、払出品「商品D(半製品)」、構成分子「3個」、構成分母「10個」で構成されている。また、製造品「商品D(半製品)」は、払出品「商品E(原料)」、構成分子「1個」、構成分母「1個」、払出品「商品F(資材)」、構成分子「1個」、構成分母「1個」で構成されている。
図6に示す構成マスタ106dにより、商品A(製造品)の構成情報のイメージは、図の右側のようになる。
【0035】
制御部102は、製造管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、マスタメンテ部102aと、構成マスタ登録部102bと、構成情報照会部102cと、画面表示制御部102dとを備えている。
【0036】
マスタメンテ部102aは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面上での管理者の操作に応じて、商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cに対して、データの入力・追加・変更・更新等の編集を行う。商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cの設定により、構成マスタ106dに対して、構成情報の登録・展開・照会のセキュリティを設定することができる。
【0037】
構成マスタ登録部102bは、例えば、端末400に表示される構成マスタ登録画面上での担当者の操作に応じて、構成マスタ106dに対して、データの入力・追加・変更・更新等の編集を行う。
【0038】
構成マスタ登録部102bは、第1のマスタ(商品マスタ106a)、第2のマスタ(担当者マスタ106b、及び品目別権限マスタ106c)を参照して、担当者が製造品(製品、半製品、バルク品)を構成する商品の構成情報を登録する権限があるか否かを判断し、権限がある場合は、構成マスタ登録画面上での当該担当者の入力を許可して、当該担当者により入力される製造品の構成情報を構成マスタ106dに登録する。他方、権限がない場合は、構成マスタ登録画面上での当該担当者の入力を禁止(ブロック)する。
【0039】
構成情報照会部102cは、例えば、端末400に表示される構成情報照会画面上での担当者の操作に応じて、商品マスタ106a、担当者マスタ106b、及び品目別権限マスタ106cを参照して、閲覧が許可された範囲で構成マスタ106dに基づいた商品の構成情報を表示する。
【0040】
画面表示制御部102dは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、マスタメンテ画面)や端末400に提供する各種画面(例えば、構成マスタ登録画面、構成情報照会画面)の表示及びその入力を制御する。
【0041】
[3.具体例]
図1~
図10を参照して、本実施の形態に係る製造管理装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
図6は、本実施の形態に係る製造管理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。以下の説明では、
図2~
図5の商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cのデータ例を使用した場合を説明する。
【0042】
(全体の処理)
図6を参照して、本実施の形態に係る製造管理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。
図6において、マスタメンテ部102aは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面上での管理者の操作に応じて、商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cにデータを登録する(ステップS1)。商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cの設定により、構成マスタ106dに対して、構成情報の登録・展開・照会のセキュリティを設定することができる。
【0043】
構成マスタ登録部102bは、例えば、端末400に表示される構成マスタ登録画面上での担当者の操作に応じて、構成マスタ106dに製造品を構成する商品の構成情報を登録する(ステップS2)。この場合、構成マスタ登録部102bは、商品マスタ106a、担当者マスタ106b、及び品目別権限マスタ106cを参照して、担当者が製造品(製品、半製品、バルク品)を構成する商品の構成情報を登録する権限があるか否かを判断し、権限がある場合は端末400に表示される構成マスタ登録画面上での当該担当者の入力を許可して、当該担当者により入力される製造品の構成情報を構成マスタ106dに登録する。他方、権限がない場合は端末400に表示される構成マスタ登録画面上での当該担当者の入力を禁止(ブロック)する。
【0044】
構成情報照会部102cは、例えば、端末400に表示される構成情報照会画面上での担当者の操作に応じて、商品マスタ106a、担当者マスタ106b、及び品目別権限マスタ106cを参照して、閲覧が許可された範囲で構成マスタ106dに基づいた商品の構成情報を端末400の構成情報照会画面に表示する(ステップS3)。
【0045】
(構成マスタの登録)
図7~
図9は、本実施の形態に係る製造管理装置100の制御部102による構成マスタ106dの登録の処理の具体例を説明するための図である。
図7~
図9を参照して、本実施に係る製造管理装置100の制御部102による構成マスタ106dの登録の処理の具体例を説明する。
【0046】
図7は、構成マスタ登録部102bが担当者の登録可能な範囲を判定する処理を説明するための図である。構成マスタ登録部102bは、ログインした担当者の権限を担当者マスタ106bから取得する。また、構成マスタ登録部102bは、当該担当者が入力した商品の品目区分を商品マスタ106aから取得する。そして、構成マスタ登録部102bは、品目別権限マスタ106cを参照して、取得した権限で取得した商品の品目区分が登録・閲覧可能な範囲内であるかを判定する。
【0047】
例えば、担当者2が商品Bを登録する場合は、担当者マスタ106bから担当者2の権限「2」を取得する。また、商品マスタ106aから商品Bの品目区分「バルク品」取得する。そして、品目別権限マスタ106cを参照して、権限「2」は品目区分「バルク品」の登録・閲覧可能であるので、担当者2の商品Bの登録を許可する。
【0048】
図8及び
図9は、構成マスタ106dの登録の例を説明するためのである。
図8及び
図9を参照して、構成マスタ106dの登録の例を説明する。構成マスタ106dの製造品の全体の構成情報の登録では、製品・バルク品・半製品の登録の順序はどのような順序でもよい。
【0049】
図8を参照して、バルク品の構成情報を登録する場合を説明する。ここでは、製造品「商品B(バルク品)」の構成情報を登録する場合の例を説明する。
【0050】
図8(A)において、担当者1と担当者3は、
図2~
図4に示す商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cの設定により、バルク品の登録が可能であるため、商品Bの構成情報を登録することができる。この例では、製造品「商品B(バルク品)」について、払出品「商品C(原料)」、構成分子「4kg」、構成分母「1個」が入力されて構成マスタ106dに登録される。
【0051】
図8(B)において、担当者3は、
図2~
図4に示す商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cの設定により、バルク品の構成登録・閲覧が不可のため、製造品に商品Bを入力した時点でエラー「例えば、現在の権限では、商品Bを入力することはできません。システム管理者へご連絡ください。」を表示する。
【0052】
図9を参照して、バルク品以外の商品の構成情報を登録する場合を説明する。ここでは、製造品「商品A(製品)」と「商品D(半製品)」の構成情報を登録する場合の例を説明する。
【0053】
図9(A)において、担当者1と担当者3は、
図2~
図4に示す商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cの設定により、商品A(製品)の登録が可能であるため、商品A(製品)の構成情報を登録することができ、担当者2は、製品の構成情報の登録が不可のため、商品A(製品)の構成情報を登録することができない。バルク品を払出品として紐付ける作業は、バルク構成(商品C)が秘匿されているため登録可能である。この例では、担当者1又は担当者3により、製造品「商品A(製品)」について、払出品「商品B(バルク品)」、構成分子「4kg」、構成分母「10個」と、払出品「商品D(半製品)」、構成分子「3個」、構成分母「10個」が構成マスタ106dに登録される。
【0054】
図9(B)において、担当者1と担当者3は、
図2~
図4に示す商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cの設定により、半製品の登録が可能であるため、商品D(半製品)の構成情報を登録することができ、担当者2は、半製品の構成情報の登録が不可のため、商品D(半製品)の構成情報を登録することができない。この例では、担当者1又は担当者3により、製造品「商品D(半製品)」について、払出品「商品E(原料)」、構成分子「1個」、構成分母「1個」、払出品「商品F(資材)」、構成分子「1個」、構成分母「1個」が構成マスタ106dに登録される。
【0055】
(構成情報の照会)
図10は、本実施の形態に係る製造管理装置100の制御部102による構成マスタ106dの構成情報の照会の処理の具体例を説明するための図である。
図10を参照して、本実施に係る製造管理装置100の制御部102による構成マスタ106dの構成情報の照会の処理の具体例を説明する。
【0056】
図10は、担当者1の商品の構成情報の照会での表示例を示す図である。担当者1は、
図2~
図4に示す商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cの設定により、全品目の閲覧が可能であるため、全商品の全構成情報を展開した状態で表示可能である。
図10(A)において、例えば、担当者1が、「商品A(製品)」を照会した場合は、「商品A(製品)」の全構成情報を展開した状態で表示可能である。
【0057】
図10(B)は、担当者2の商品の構成情報の照会での表示例を示す図である。担当者2は、
図2~
図4に示す商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cの設定により、バルク品の閲覧のみが可能であるため、バルク品の構成情報のみが表示可能である。バルク品以外の製品、半製品の構成情報の表示は不可である。
図10(B)において、例えば、担当者2が、「商品B(バルク品)」を照会した場合は、「商品B(バルク品)」の全構成情報を展開した状態で表示可能である。
【0058】
図10(C)は、担当者3の商品の構成情報の照会での表示例を示す図である。担当者3は、
図2~
図4に示す商品マスタ106a、担当者マスタ106b、品目別権限マスタ106cの設定により、バルク品以外の全ての閲覧が可能であるため、バルク品以外の構成情報を展開した状態で表示可能である。
図10(C)において、例えば、担当者3が、「商品A(製品)」を照会した場合は、商品B(バルク品)」の構成情報(商品C(原料))以外の構成情報を展開した状態で表示可能である。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態によれば、商品毎に品目区分を登録した第1のマスタと、担当者毎に、構成マスタに登録可能な品目区分を登録した第2のマスタと、商品である製造品毎に、当該製造品を構成する商品の構成情報を登録する構成マスタと、が格納されており、前記制御部は、登録画面上での担当者の入力操作に応じて、製造品を構成する商品の構成情報を前記構成マスタに登録し、その際、前記第1のマスタ及び前記第2のマスタを参照して、当該製造品を当該担当者が登録可能か否かを判定して、登録可能な場合は、製造品を構成する商品の構成情報の登録を許可し、登録可能でない場合は製造品を構成する商品の構成情報の登録を禁止する構成マスタ登録手段を備えているので、秘匿管理者のみが全ての商品の構成情報を、マスタ登録をする手間を省略し、秘匿管理者以外も登録可能な範囲でマスタ登録を許可することで、秘匿情報のセキュリティを維持しつつ、マスタへの商品の構成情報の登録の作業負担を軽減することが可能となる。
【0060】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0061】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0062】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0063】
また、製造管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0064】
例えば、製造管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて製造管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0065】
また、このコンピュータプログラムは、製造管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0066】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0067】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0068】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0069】
また、製造管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、製造管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0070】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0071】
100 製造管理装置
102 制御部
102a マスタメンテ部
102b 構成マスタ登録部
102c 構成情報照会部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 商品マスタ
106b 担当者マスタ
106c 品目別権限マスタ
106d 構成マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 端末