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特許7461876デビルズクロー抽出物、それを含有する各種組成物及びデビルズクロー抽出物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】デビルズクロー抽出物、それを含有する各種組成物及びデビルズクロー抽出物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/185 20060101AFI20240328BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240328BHJP
   A61P 39/00 20060101ALI20240328BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240328BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240328BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20240328BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240328BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20240328BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240328BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
A61K36/185
A61P17/00
A61P39/00
A61K8/9789
A61Q19/00
A61Q19/02
A61Q19/08
A61Q17/00
A61Q17/04
A61P43/00 111
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020521782
(86)(22)【出願日】2019-04-16
(86)【国際出願番号】 JP2019016339
(87)【国際公開番号】W WO2019230233
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】P 2018101557
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018184174
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】林 裕也
(72)【発明者】
【氏名】羽賀 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】船越 彩花
(72)【発明者】
【氏名】向 瓏
【審査官】春田 由香
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-346545(JP,A)
【文献】特開2003-201208(JP,A)
【文献】特開2009-242309(JP,A)
【文献】特表2008-518042(JP,A)
【文献】特開2002-058451(JP,A)
【文献】特開2016-088929(JP,A)
【文献】MNCWANGI NP et al.,What the devil is in your phytomedicine? Exploring species substitution in Harpagophytum through chemometric modeling of 1H-NMR and UHPLC-MS datasets,Phytochemistry,2014年,Vol.106,p.104-115,ISSN 0031-9422
【文献】WERMELINGER S, KREUTER MH,薬用ハーブの機能性とその利用についてVII デビルスクロー根(Harpago phyti radix),食品と開発,2001年07月01日,第36巻, 第7号,p.46-48,ISSN 0911-3932
【文献】HOSTANSKA K et al.,Alteration of anti-inflammatory activity of Harpagophytum procumbens (devil's claw) extract after external metabolic activation with S9 mix,Journal of Pharmacy and Pharmacology,2014年,Vol.66, No.11,p.1606-1614,ISSN 0022-3573
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00-36/9068
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A23L 33/00-33/29
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
医中誌WEB
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デビルズクロー乾燥粉末に対し、30%~70%(w/w)のエタノール水溶液によって加熱抽出し、抽出液を得る工程、及び疎水性樹脂カラムを用い、上記抽出液から疎水性成分を除去する工程
を含む製造方法によって取得され、乾燥重量当たりのハルパゴシド含有量が1.0重量%以下である、デビルズクロー抽出物
を含有する外用組成物。
【請求項2】
ラニン合成酵素遺伝子発現抑制用である、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
白用である、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項4】
ラーゲン産生促進用である、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項5】
ラスチン線維形成促進用である、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項6】
アルロン酸産生促進用である、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項7】
膚のバリア機能亢進用である、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項8】
ンチポリューション用である、請求項1に記載の外用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デビルズクロー抽出物、それを含有する各種組成物及びデビルズクロー抽出物の製造方法に関する。また、本発明は、外用組成物、内服用組成物、食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
いつの時代も人々の健康、美容への関心は尽きない。近年特に、美白、抗シワ、アンチエイジング効果のある化粧品、機能性食品、サプリメント等が注目されている。また、大気汚染物質には、PM2.5や黄砂、排気ガス、ハウスダストなど様々な微小粒子物質があり、眼、呼吸器、心臓などの循環器への影響については以前よりよく知られている。さらにこれら部位での疾患に加えて、大気汚染物質により、アトピーやアレルギー、バリア機能の低下等の皮膚疾患(皮膚障害)を引き起こすことも知られるようになった。そのため、抗炎症、肌あれ改善等の効果のある化粧品、機能性食品、サプリメント等も注目されている。このような中、美白、抗シワ、アンチエイジング、抗炎症、肌あれ改善等に対してより優れた効果を奏する新規の素材が常に求められている。
【0003】
一方、デビルズクロー(Harpagophytum procumbens)は南アフリカ原産のゴマ科の多年草植物で、硬いトゲのある実ができることからデビルズクローと呼ばれ、薬用植物として古くから利用されている。その作用としては、抗炎症作用、抗菌作用、消炎鎮痛作用等が知られており、伝統的に解熱鎮痛、消化不良の治療に使用されてきた。また、変形性膝関節症、リウマチ等の免疫性疾患の予防及び症状改善に有効であることも知られている(非特許文献1及び2、並びに特許文献1及び2参照)。さらに、デビルズクロー抽出物には肌荒れ改善効果、肌のはり、シワ改善効果が認められ、その作用を利用した皮膚外用剤が開示されている(特許文献3参照)。その有効成分としては、ハルパゴシド等のイリドイド類の存在が明らかとなっている。これら有効成分には各種薬理作用があり、抗炎症作用に拮抗する成分も含まれていたり、また投与経路、適用部位、適用対象によっては使用が制限されるなどの不利な状況になることもある(特許文献4及び5並びに非特許文献3参照)。さらにこれら成分は苦味剤としても知られている(特許文献6参照)。
【0004】
大気エアロゾル粒子に起因する皮膚炎症の抑制剤としては、グミ科ヒッポファエ属の抽出物を有効成分とする製剤が知られている(特許文献7参照)。また、大気汚染物質等からの保護を目的とした、所定量のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、オクチルメトキシシンナメート及び/又はジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとを含有するスキンケア化粧料(特許文献8参照)、ヒアルロン酸および/またはその塩を有効成分として含有する、アンチポリューション剤(特許文献9参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-346545号公報
【文献】特開2003-159030号公報
【文献】特開2002-161043号公報
【文献】特表2000-501113号公報
【文献】特開2002-201136号公報
【文献】特開2015-528425号公報
【文献】特開2016-216366号公報
【文献】特開2017-105825号公報
【文献】特開2017-186276号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】Joint Bone Spine.2000;67(5):462-467
【文献】Holist Nurs Pract.2007 Jul-Aug;21(4):203-207
【文献】J.Smooth Muscle Res.2009、45(5):231-239
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる状況下においてなされたものであり、健康、美容、特に美白、抗シワ、アンチエイジング、抗炎症、肌あれ改善等に優れた効果を奏する、新規の素材を提供すること、またそのような素材の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、美白、抗シワ、アンチエイジング等の美容効果や、関節症の緩和・改善、健康増進効果、抗炎症、肌あれ改善効果等を奏する、新しい素材を探求する中で、デビルズクロー抽出物の有効成分の1種であるハルパゴシドを除去した後の残渣の各種作用を検討したところ、予想外の種々の有効性を確認することができ、新たな素材として活用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
【0010】
[1]ハルパゴシド含有量が1.0重量%以下である、デビルズクロー抽出物。
[2]スタキオースの含有量(重量%)に対するハルパゴシドの含有量(重量%)が、0~1.0である、[1]に記載のデビルズクロー抽出物。
[3]デビルズクロー抽出物が乾燥粉末である場合、又はデビルズクロー抽出物が液体である場合にはそれを乾燥粉末とした場合、その0.5重量%濃度の水溶液の、可視光領域の波長における吸光度が0.1以下となることを特徴とする、[1]又は[2]に記載のデビルズクロー抽出物。
[4][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、メラニン合成酵素遺伝子発現抑制用組成物。
[5][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、美白用組成物。
[6][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、コラーゲン産生促進用組成物。
[7][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、エラスチン線維形成促進用組成物。
[8][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、ヒアルロン酸産生促進用組成物。
[9][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、皮膚のバリア機能亢進用組成物。
[10][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、アンチポリューション組成物。
[11][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、大気汚染物質誘発炎症用の抗炎症組成物。
[12][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、大気汚染物質による皮膚障害改善用組成物。
[13][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、Gobi Kosa Dust誘発炎症用の抗炎症組成物。
[14][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、関節症の緩和・改善用組成物。
[15][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物を含有する、炎症性物質発現抑制用組成物。
[16]炎症性物質が、IL-1β、IL-6又はIL-8である、[15]に記載の組成物。
[17][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物、又は[4]~[16]のいずれかに記載の組成物を含有する、外用組成物。
[18][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物、又は[4]~[13]、[15]、[16]のいずれかに記載の組成物を含有する、化粧料組成物。
[19][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物、又は[4]~[16]のいずれかに記載の組成物を含有する、経口用組成物。
[20][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物、又は[4]~[16]のいずれかに記載の組成物を含有する、食品組成物。
[21][1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物、又は[6]~[8]、[10]、[11]、[13]、[15]、[16]のいずれかに記載の組成物を含有する、眼科用組成物。
[22](A)デビルズクロー乾燥粉末の抽出液を得る工程、及び
(B)上記抽出液を、疎水性成分を吸着させる樹脂で処理して精製抽出液を得る工程
を含む、デビルズクロー抽出物の製造方法。
[23](A)デビルズクロー乾燥粉末の抽出液を得る工程、及び
(B)上記抽出液を、疎水性成分を吸着させる樹脂で処理して精製抽出液を得る工程
を含む製造方法により製造される、[1]~[3]のいずれかに記載のデビルズクロー抽出物。
【発明の効果】
【0011】
本発明のデビルズクロー抽出物は、従来のデビルズクロー抽出物から、有効成分として知られていたハルパゴシド等の疎水性の物質を除去したものであり、ハルパゴシドの含有量が1.0重量%以下と顕著に抑えられた新規のエキスである。従来のデビルズクロー抽出物と異なり、独特の着色や臭い、苦味が生じないことから安定性にも優れ、溶解性も高いことから、様々な製品に配合し易いという利点がある。また、投与経路、適用部位、適用対象による不都合な事象の発現が抑制されることも期待できる。さらに、この本発明のデビルズクロー抽出物は、皮膚におけるメラニン合成酵素遺伝子発現抑制作用、コラーゲン産生促進作用、エラスチン線維形成促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、大気汚染物質により誘発される炎症性物質の産生抑制効果、大気汚染物質により誘発される皮膚障害(バリア機能低下を含む)を改善する効果等を有し、美白、抗シワ、アンチエイジング、関節症の緩和・改善効果、抗炎症効果(アンチポリューション)、皮膚のバリア機能亢進効果も期待できる。以上のことから、本発明のデビルズクロー抽出物は、化粧品、医薬品、医薬部外品、食品(機能性食品、サプリメント、ドリンク剤等)等として、その形態については外用組成物、経口用組成物、眼科用組成物等として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来品及び本発明のデビルズクロー抽出物の水溶液の可視光領域における着色評価の結果を示す図である。
図2】従来品及び本発明のデビルズクロー抽出物の水溶液の可視光領域における着色評価の結果を示す図である。
図3】従来品及び本発明のデビルズクロー抽出物の水溶液の写真である。
図4】従来品及び本発明のデビルズクロー抽出物の水溶液の熱安定性評価(着色変化評価)の結果を示す図である。
図5】従来品及び本発明のデビルズクロー抽出物の水溶液の透過率を示す図である。
図6】従来品及び本発明のデビルズクロー抽出物の水溶液の臭い試験の結果を示す図である。
図7】本発明のデビルズクロー抽出物のメラニン合成酵素遺伝子(Tyrosinase,TYR)発現抑制効果を示す図である。
図8】本発明のデビルズクロー抽出物のメラニン合成酵素遺伝子(Tyrosinase related protein 1,TYRP1)発現抑制効果を示す図である。
図9】本発明のデビルズクロー抽出物のメラニン合成酵素遺伝子(Dopachrome tautomerase,DCT)発現抑制効果を示す図である。
図10】本発明のデビルズクロー抽出物のメラニン合成酵素遺伝子(Dopachrome tautomerase,DCT)発現抑制効果の経時的解析結果を示す図である。
図11】本発明のデビルズクロー抽出物の正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)におけるコラーゲン産生促進効果を示す図である。
図12】スタキオースの正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)におけるコラーゲン産生促進効果を示す図である。
図13】スクロースの正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)におけるコラーゲン産生促進効果を示す図である。
図14】ラフィノースの正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)におけるコラーゲン産生促進効果を示す図である。
図15】本発明のデビルズクロー抽出物の正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)におけるエラスチン線維形成促進効果を示す図である。
図16】本発明のデビルズクロー抽出物のウサギ由来軟骨培養細胞におけるヒアルロン酸産生促進効果を示す図である。
図17】本発明のデビルズクロー抽出物の正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)におけるヒアルロン酸産生促進効果を示す図である。
図18】本発明のデビルズクロー抽出物の正常ヒト表皮細胞(NHEK)におけるGobi Kosa Dust誘発炎症性サイトカイン産生抑制効果を示す図である。
図19】本発明のデビルズクロー抽出物のヒト角膜上皮細胞(HCET)におけるGobi Kosa Dust誘発炎症性サイトカイン産生抑制効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書中で使用される用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で解釈される。
【0014】
[デビルズクロー抽出物]
本発明のデビルズクロー抽出物は、従来のデビルズクロー抽出物から、有効成分として知られていたハルパゴシド等の疎水性の物質を、樹脂等を用いて除去したものであり、ハルパゴシドの含有量が1.0重量%以下であることを特徴とする新規のエキスである。
【0015】
デビルズクロー(Harpagophytum procumbens)は南アフリカ原産のゴマ科の多年草植物で、その塊茎部分は薬用植物として古くから利用されている。このデビルズクローには、抗炎症作用や鎮痛作用があることが知られているイリドイド配糖体であるハルパゴシドが多く含まれている。また、ポリフェノール類、桂皮酸、多糖類等の様々な成分が含まれていることが知られている。
【0016】
(内容成分)
本発明のデビルズクロー抽出物は上述のとおり、樹脂等を用いて疎水性の物質を除去して得られるものであるため、ハルパゴシドの含有量が1.0重量%以下である。本発明のデビルズクロー抽出物においては、その安定性、着色の度合い、臭いの観点から、ハルパゴシドの含有量は少ない方が好ましく、0.5重量%以下であることが好ましく、0.3重量%以下であることがより好ましく、0.1重量%以下であることがさらに好ましく、0.05重量%以下であることが特に好ましい。即ち、本発明のデビルズクロー抽出物におけるハルパゴシドの含有量は、0~1.0重量%であり、0~0.5重量%であることが好ましく、0~0.3重量%であることがより好ましく、0~0.1重量%であることがさらに好ましく、0~0.05重量%であることが特に好ましい。なお、ハルパゴシドの含有量は、HPLCを使用した分析により定量することができる。
【0017】
本発明のデビルズクロー抽出物はハルパゴシド以外の成分として、ハルパギド、スタキオース、スクロース、ラフィノース等の多糖類、アントシアニン等のポリフェノール類、桂皮酸等を含んでいてもよい。本発明のデビルズクロー抽出物は、樹脂等により疎水性の成分を吸着させて除去しているので、従来のデビルズクロー抽出物と比較して、上記ポリフェノール類の含有量は少ない傾向にある。本発明のデビルズクロー抽出物におけるポリフェノールの含有量は、2重量%以下であり、1.8重量%以下であることが好ましく、1.5重量%以下であることがより好ましく、1.0重量%以下であることがさらに好ましい。即ち、本発明のデビルズクロー抽出物におけるポリフェノールの含有量は、0~2.0重量%であり、0~1.8重量%であることが好ましく、0~1.5重量%であることがより好ましく、0~1.0重量%であることがさらに好ましい。なお、ポリフェノールの含有量は、分光光度計を使用した分析により定量することができる。
【0018】
本発明のデビルズクロー抽出物における上記スタキオースの含有量としては、50重量%以上であり、55重量%以上あることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましく、65重量%~以上であることがさらに好ましい。
【0019】
本発明のデビルズクロー抽出物におけるスタキオースの含有量(重量%)に対するハルパゴシドの含有量(重量%)の比、即ち、ハルパゴシドの含有量(重量%)/スタキオースの含有量(重量%)の値は、0~0.02であり、0~0.01であることが好ましく、0~0.005であることがより好ましく、0~0.003であることがさらに好ましく、0~0.001であることが特に好ましい。スタキオースの含有量(重量%)に対するハルパゴシドの含有量(重量%)の比が上記範囲内であると、本発明のデビルズクロー抽出物は、着色や臭いが生じ難いことから安定性にも優れ、溶解性も高くなることから、様々な製品に配合し易くなる。
【0020】
本発明のデビルズクロー抽出物は、液体でもよく、液体をスプレードライにより乾燥粉末としたものでもよい。本発明のデビルズクロー抽出物が液体である場合には、抽出溶媒が含まれていてもよい。上記抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等の極性有機溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いてもよい。有機溶媒の中では、特に、化粧品、医薬品、食品製造等に安全に用いることができ、かつ水に溶けやすいエタノールが好ましく、又はこれらを組み合わせて用いてもよい。なお、本発明のデビルズクロー抽出物は、上記抽出液を濃縮、乾固したものを極性溶媒に再度溶解したり、スプレードライにより乾燥粉末としたものを再度溶解したものでもよい。
【0021】
本発明のデビルズクロー抽出物が乾燥粉末である場合、乾燥粉末化する過程で添加されたデキストリン等の粉末化基材、カゼインソーダ、ホエー、ゼラチン、乳類、卵白等の蛋白質、庶糖、乳糖等の少糖類、アラビアガム、澱粉又はその分解物等が含まれていてもよい。
【0022】
(特性)
本発明のデビルズクロー抽出物のpHは、通常2.0~10.0であり、3.0~9.0であることが好ましく、4.0~8.0であることがより好ましく、5.0~7.5であることがさらに好ましい。
【0023】
本発明のデビルズクロー抽出物は、従来のデビルズクロー抽出物と比較して、着色が顕著に抑えられていることも特徴とひとつである。具体的には、本発明のデビルズクロー抽出物が乾燥粉末である場合、又はデビルズクロー抽出物が液体である場合にはそれを乾燥粉末とした場合、その0.5重量%濃度の水溶液の、可視光領域の波長における吸光度が0.1以下となる。上記可視光領域とは、400nm~500nmの波長をいう。上記吸光度は、0.08以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましく、0.03以下であることがさらに好ましい。
【0024】
さらに、本発明のデビルズクロー抽出物は、従来のデビルズクロー抽出物と比較して、長期保存後の着色変化が顕著に抑えられ、安定性にも優れる。そのため、本発明のデビルズクロー抽出物は原料として、又はそれを含む製品としての保管期間を長期とすることが可能である。
【0025】
本発明のデビルズクロー抽出物は、従来のデビルズクロー抽出物と比較して、ハルパゴシド特有の臭いが顕著に抑えられている。具体的には、精製水を陰性対照として官能試験を行うことで確認することができる。
【0026】
本発明のデビルズクロー抽出物は、従来のデビルズクロー抽出物と比較して、水溶性溶媒に対する溶解度が高いので、透過度が精製水と同程度であり、透明性に優れる。そのため、化粧品、飲料等の様々な製品に使用することが可能となる。
【0027】
(作用効果及び用途)
本発明のデビルズクロー抽出物は、細胞内のメラニン合成酵素遺伝子の発現を抑制する作用を有する。上記メラニン合成酵素遺伝子としては、例えは、TYR(Tyrosinase,TYR)、TYRP1(Tyrosinase related protein 1)、DCT(Dopachrome tautomerase)等が挙げられる。本発明のデビルズクロー抽出物をメラノサイト等の細胞に作用させると、上記メラニン合成酵素遺伝子の発現を抑制することができる。したがって、本発明のデビルズクロー抽出物は、美白効果を有し、日焼けや、エイジングによるシミ・くすみを改善することができる。即ち、本発明のデビルズクロー抽出物はメラニン合成酵素遺伝子発現抑制用組成物、メラニン合成酵素遺伝子発現抑制剤、美白用組成物、美白剤として好適に使用することができる。
【0028】
本発明のデビルズクロー抽出物は、線維芽細胞等の各種細胞のコラーゲン産生能を向上させる作用、即ちコラーゲン産生促進作用を有する。このコラーゲン産生促進作用は、本発明のデビルズクロー抽出物が含有するスクロース、スタキオース、ラフィノース等の多糖類による効果が組み合わさって得られるものである可能性が考えられる。本発明のデビルズクロー抽出物は、細胞からのコラーゲン産生を促進させることで、シワ・たるみに対して優れた効果を示す抗シワ、アンチエイジング素材として、またコラーゲン産生促進用組成物、コラーゲン産生促進剤として、種々の製品において好適に使用することができる。
【0029】
本発明のデビルズクロー抽出物は、線維芽細胞等の各種細胞によるエラスチン線維形成促進作用を有する。本発明のデビルズクロー抽出物はシワ・たるみに効果を示す抗シワ、アンチエイジング素材として、またエラスチン線維形成促進用組成物、エラスチン線維形成促進剤として、種々の製品において好適に使用することができる。
【0030】
本発明のデビルズクロー抽出物は、線維芽細胞、軟骨細胞等の各種細胞のヒアルロン酸産生能を向上させる作用、即ちヒアルロン酸産生促進作用を有する。本発明のデビルズクロー抽出物は、細胞からのヒアルロン酸産生を促進させることで、シワ・たるみに対して優れた効果を示す抗シワ、アンチエイジング素材として好適に使用することができる。また、加齢に伴う関節の痛みの原因の一つにヒアルロン酸など関節成分の減少が挙げられるが、本発明のデビルズクロー抽出物の摂取によって関節痛を弱める効果が期待される。本発明のデビルズクロー抽出物は、ヒアルロン酸産生促進用組成物、ヒアルロン酸産生促進剤として、種々の製品において好適に使用することができる。
【0031】
本発明のデビルズクロー抽出物は、大気汚染物質により誘発される炎症性物質の産生抑制効果を有する。即ち、本発明のデビルズクロー抽出物は、Gobi Kosa Dust、PM2.5等の大気汚染物質により誘発される、(ヒト正常皮膚)表皮細胞、(ヒト)角膜上皮細胞等の各種細胞からの炎症性物質の産生を抑制する作用を有する。そのため、本発明のデビルズクロー抽出物は抗炎症用組成物、特に大気汚染物質により誘発される炎症用の抗炎症組成物、大気汚染物質により誘発される皮膚障害(バリア機能低下も含む)改善用組成物、皮膚のバリア機能亢進用組成物、アンチポリューション組成物として、種々の製品において好適に使用することができる。
【0032】
[デビルズクロー抽出物の製造方法]
本発明のデビルズクロー抽出物の製造方法は、(A)デビルズクロー乾燥粉末の抽出液を得る工程、及び(B)上記抽出液を、疎水性成分を吸着させる樹脂で処理して精製抽出液を得る工程を含む。さらに、(C)粉末化工程、(D)粉末の再溶解工程を有していてもよい。各工程について、以下に詳細に説明する。
【0033】
(A)デビルズクロー乾燥粉末の抽出液を得る工程
デビルズクローの塊茎部分の乾燥物を、必要によりミキサー等で裁断、粉砕する。これを抽出溶媒で抽出する。上記抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等の極性有機溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いてもよい。有機溶媒の中では、特に、化粧品、医薬品、食品製造等に安全に用いることができ、かつ水に溶けやすいエタノールが好ましく、又はこれらを組み合わせて用いてもよく、例えば30%~70%(W/W)エタノール水溶液、50%(W/W)エタノール水溶液をより好ましく用いることができる。
【0034】
上記抽出の際の温度は特に限定されないが、抽出効率を向上させる観点から加熱抽出が好ましい。加熱温度としては、40℃~100℃が好ましく、50℃~90℃がより好ましい。抽出時間は、抽出時の温度により適宜変更できるが、加熱抽出の場合には通常0.5時間~48時間であり、1時間~15時間が好ましく、1.5時間~10時間がより好ましい。また、常温抽出の場合には、通常2日~20日であり、5日~15日が好ましく、8日~12日がより好ましい。抽出の間は、撹拌することで抽出の効率を向上させることができる。抽出後、活性炭等で処理を行ってもよい。その後、濾紙等で濾過して抽出液を得る。
【0035】
(B)上記抽出液を、疎水性成分を吸着させる樹脂で処理して精製抽出液を得る工程
本工程においては、上記抽出液をカラム精製して精製抽出液を取得する。上記カラムとしては、ハルパゴシド等の疎水性成分を吸着させることができる樹脂から構成されるカラムを用いることができる。そのような樹脂としては、疎水性成分を吸着させることができるものであれば特に限定されないが、例えばダイヤイオン(登録商標)HP20、HP21、HP20SS、;セパビーズ(登録商標)SP825L、SP850、SP700、SP70、SP207、SP207SS、SP20SS等の芳香族系合成吸着剤、ダイヤイオン(登録商標)HP2MGL、HP2MGS等のメタクリル系合成吸着剤(いずれも三菱ケミカル社製)等が挙げられる。なお、本工程における精製は、上記樹脂を用いたバッチ精製としてもよい。上記樹脂から構成されるカラムによる精製及びバッチ精製は、それぞれの樹脂に適した方法で、仕様書等に従い行うことができる。本工程により、(A)工程で得られた抽出液から疎水性成分の一部又は全部が除去された精製抽出液を得ることができる。
【0036】
(C)粉末化工程
本工程においては、(B)工程で得られた精製抽出液を粉末とする。精製抽出液を粉末にする方法としては、例えば凍結乾燥法、スプレードライ法、濃縮・乾固による方法等が挙げられる。
【0037】
(D)粉末の再溶解工程
本工程においては、(C)工程で得られた粉末を溶媒に再度溶解する。上記溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等の極性有機溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いてもよい。これらのうち、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等が好ましく、1,3-ブチレングリコールがより好ましい。
【0038】
本発明の製造方法により得られた本発明のデビルズクロー抽出物は、上記工程を経ることで、従来のデビルズクロー抽出物から、有効成分として知られていたハルパゴシド等の疎水性の物質が除去され、各成分の効果が適度に組み合わされることで、上述した様々な効果を奏することができる。
【0039】
なお、上記(A)工程によって得られるデビルズクロー抽出液は、消炎鎮痛効果以外に、皮膚におけるメラニン合成酵素遺伝子発現抑制作用、コラーゲン産生促進作用、エラスチン線維形成促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、大気汚染物質により誘発される炎症性物質(IL-6、IL-8等)の産生抑制効果、大気汚染物質により誘発される皮膚障害(バリア機能低下も含む)改善効果等を有し、美白、抗シワ、アンチエイジング、関節症への効果、抗炎症効果(アンチポリューション)も期待できる。工程(A)によって得られるデビルズクロー抽出物も、着色等の問題はあるものの、化粧品、医薬品、医薬部外品食品(機能性食品、サプリメント、ドリンク剤等)等として、またその形態としては外用組成物、経口用組成物(食品組成物を含む)、眼科用組成物等として使用することができる。なお、上記(A)工程によって得られるデビルズクロー抽出液は、苦味を有しかつ様々な薬理効果を有することが知られているハルパゴシド等のイリドイド類が含まれているため、投与経路、適用部位、または適用対象によっては、不都合が生じることがある。
【0040】
[デビルズクロー抽出物を含有する各種組成物、各種剤]
上述のとおり、本発明のデビルズクロー抽出物はメラニン合成酵素遺伝子発現抑制作用を有することから、本発明のデビルズクロー抽出物を含有する組成物は、メラニン合成酵素遺伝子発現抑制用組成物、メラニン合成酵素遺伝子発現抑制剤、美白用組成物、美白剤として使用できる。本発明は、本発明のデビルズクロー抽出物を含有する、メラニン合成酵素遺伝子発現抑制用組成物、メラニン合成酵素遺伝子発現抑制剤、美白用組成物、美白剤も含む。
【0041】
上述のとおり、本発明のデビルズクロー抽出物は、各種細胞に対してコラーゲン産生促進作用を示すことから、本発明のデビルズクロー抽出物を含有する組成物は、コラーゲン産生促進用組成物、コラーゲン産生促進剤として使用できる。本発明は、本発明のデビルズクロー抽出物を含有するコラーゲン産生促進用組成物、コラーゲン産生促進剤も含む。
【0042】
上述のとおり、本発明のデビルズクロー抽出物は、線維芽細胞等に対してエラスチン線維形成促進作用を有することから、本発明のデビルズクロー抽出物を含有する組成物は、エラスチン線維形成促進用組成物、エラスチン線維形成促進剤として使用できる。本発明は、本発明のデビルズクロー抽出物を含有するエラスチン線維形成促進用組成物、エラスチン線維形成促進剤も含む。
【0043】
上述のとおり、本発明のデビルズクロー抽出物は各種細胞のヒアルロン酸産生促進作用を有することから、本発明のデビルズクロー抽出物を含有する組成物は、ヒアルロン酸産生促進用組成物、ヒアルロン酸産生促進剤として使用できる。また、関節症の緩和・改善用組成物としても使用できる。本発明は、本発明のデビルズクロー抽出物を含有するヒアルロン酸産生促進用組成物、ヒアルロン酸産生促進剤、関節症の緩和・改善用組成物も含む。
【0044】
上述のとおり、本発明のデビルズクロー抽出物は大気汚染物質により誘発される炎症性物質の産生抑制効果を有する。即ち、本発明のデビルズクロー抽出物は、Gobi Kosa Dust、PM2.5等の大気汚染物質により誘発される、(ヒト正常皮膚)表皮細胞、(ヒト)角膜上皮細胞等の各種細胞からの炎症性物質(IL-1β、IL-6、IL-8等)の産生を抑制する作用を有することから、本発明は、本発明のデビルズクロー抽出物を含有する抗炎症用組成物、特に大気汚染物質により誘発される炎症用の抗炎症組成物、大気汚染物質による皮膚障害(バリア機能低下も含む)改善用組成物、皮膚のバリア機能亢進用組成物、アンチポリューション組成物を含む。
【0045】
本発明のデビルズクロー抽出物を含有するメラニン合成酵素遺伝子発現抑制用組成物、メラニン合成酵素遺伝子発現抑制剤、美白用組成物、美白剤、コラーゲン産生促進用組成物、コラーゲン産生促進剤、エラスチン線維形成促進用組成物、エラスチン線維形成促進剤、ヒアルロン酸産生促進用組成物、ヒアルロン酸産生促進剤、抗炎症組成物、抗炎症剤、皮膚のバリア機能亢進用組成物、皮膚のバリア機能亢進剤、アンチポリューション組成物、アンチポリューション剤、大気汚染物質誘発炎症用の抗炎症組成物、大気汚染物質誘発炎症用の抗炎症剤、大気汚染物質による皮膚障害改善用組成物、大気汚染物質による皮膚障害改善剤、Gobi Kosa Dust誘発炎症用の抗炎症組成物、Gobi Kosa Dust誘発炎症用の抗炎症剤、関節症の緩和・改善用組成物、関節症の緩和・改善剤、炎症性物質発現抑制用組成物、炎症性物質発現抑制剤、IL-1β、IL-6又はIL-8発現抑制用組成物、IL-1β、IL-6又はIL-8発現抑制剤等の組成物は、外用又は内服など様々な形態に適用できる。即ち、上述の各種組成物及び各種剤は、外用組成物であってもよいし、内服用組成物、食品組成物等の経口用組成物(アイケアサプリ等も含む)、点眼剤や眼洗浄剤、眼軟膏等の眼科用組成物であってもよい。具体的には、医薬品、医薬部外品、局所(手、足、膝、ひじ、かかと、顔、目周り等)又は全身用の皮膚化粧料や皮膚洗浄剤、頭皮・頭髪に適用する薬用又は化粧用の製剤類をはじめとする各種の皮膚外用剤、浴用剤、経口摂取する医薬品・医薬部外品の内服用組成物、点眼等による医薬品・医薬部外品(洗眼剤、眼軟膏を含む)、一般的な飲食品、サプリメントやドリンク剤、機能性食品として使用することができる。
【0046】
本発明のデビルズクロー抽出物を含有する各種組成物及び各種剤におけるデビルズクロー抽出物の含有量は、その剤型、用途によって適宜調整すればよく、特に制限はないが、一般的には、デビルズクロー抽出物に含有されるスタキオースの量に換算して、0.00001重量%~10重量%であり、0.00005重量%~5重量%であることが好ましく、0.0001~2重量%であることがより好ましく、0.0005~2重量%であることがさらにより好ましい。
【0047】
本発明のデビルズクロー抽出物を含有する上記の各種組成物、各種剤は、必須成分であるデビルズクロー抽出物以外に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含んでもよい。例えば、通常の外用又は内用素材への処理等で使用されている薬剤等と組み合わせて使用することができ、併用薬剤により本発明の効果がより発現しやすくなる組合わせは好ましい。
【0048】
これらの他の成分としては、例えば、抗炎症剤(本発明のデビルズクロー抽出物を除く)、清涼化剤、抗菌・殺菌剤、ビタミン類、有機酸、糖類、保湿成分、多価アルコール、スクラブ剤、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、収斂成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、洗浄成分、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、老化防止成分、抗糖化成分、血行促進作用成分、美白成分、充血除去成分、眼筋調節薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ポリフェノール類等が挙げられる。なお、本発明の上記各種組成物、各種剤において、これらの成分はそれぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
上記抗炎症剤としては、例えば、植物(例えば、コンフリー、オウレン、ドクダミ、カミツレ、ビルベリー、イザヨイバラ、エンメイソウ、ビワ、ニガハッカ、グリセリルグルコシド、ローヤルゼリー、メリアアザジラクタ、ゼニアオイ、オウゴン、シャクヤク、チンピ)に由来する成分、アラントイン及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、サリチル酸誘導体、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体、酸化亜鉛、カラミン、トラネキサム酸、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、アゼライン酸、酢酸トコフェロール、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン並びにこれらの塩等が挙げられる。中でもアラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体、酢酸トコフェロール、トラネキサム酸、ビルベリー葉エキス、チンピエキス、イザヨイバラエキス、ゼニアオイ花エキス、ドクダミエキスとの組み合わせが好ましい。
【0050】
上記清涼化剤としては、例えば、メントール及びその誘導体、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール等のテルペン類(これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、テレビン油等の精油等が挙げられる。中でも特にメントール及びその誘導体、カンフル、ユーカリ油、ペパーミント油、ハッカ油との組み合わせが好ましい。
【0051】
上記抗菌・殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、炭素数5~10のアルカンジオール(例えば、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールなど)、塩酸アルキルジアミノグリシン、ピロクトオラミン、ミコナゾール若しくはその塩、塩化セチルトリメチルアンモニウム、ジンクピリチオン、塩化セチルピリジニウム、ミコナゾール、クロロブタノール、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、メチルイソチアゾリノン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、β-グリチルレチン酸、アゼライン酸、塩化ポリドロニウム、安息香酸ナトリウム、グルコン酸クロルヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸アルキル、硫酸オキシキノリン、ビグアニド化合物、植物(例えば、アロエ、クララ、ローズマリー、クワ、ユーカリ、キナ、チョウジなど)に由来する成分等が挙げられる。中でも特にイソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、エタノール、グルコン酸、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、アゼライン酸、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、ローズマリーエキス、ユーカリエキス、アロエエキス、キナエキスとの組み合わせが好ましい。
【0052】
上記ビタミン類としては、水溶性ビタミン及び油溶性ビタミンのいずれであってもよく、例えば、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、5’-リン酸ピリドキサール、及びそれらの塩(例えば、塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン)等のビタミンB6類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D-パンテサイン、D-パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル、及びそれらの塩等のパントテン酸類;ニコチン酸、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β-ブトキシエチル、ニコチン酸1-(4-メチルフェニル)エチル、ニコチン酸アミド、及びそれらの塩等のニコチン酸類;γ-オリザノール、チアミン、ジベンゾイルチアミン、チアミンセチル、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミントリリン酸エステル、及びそれらの塩(例えば、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩)等のビタミンB1類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル、及びそれらの塩等のビタミンB2類;ビオチン、ビオシチン、及びそれらの塩等のビオチン類;葉酸、プテロイルグルタミン酸、及びそれらの塩等の葉酸類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン、及びそれらの塩等のビタミンB12類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸-2-グルコシド、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム)等の水溶性のビタミンC類、ステアリン酸アスコルビル、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、ジパルミチン酸L-アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル)、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム等の油溶性または両親媒性のビタミンC類;δ-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、リノール酸トコフェロール、(リノール酸/オレイン酸)トコフェロール、トコフェロール、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、マレイン酸アスコルビルトコフェリル等のビタミンE類;アスコルビゲン-A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L-アスコルビル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル等の油溶性のビタミンC及びその塩類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;レチノール、レチナール、レチノイン酸、3-デヒドロレチノール、3-デヒドロレチナール、3-デヒドロレチノイン酸、水添レチノールなどのビタミンA類及びその誘導体であるパルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール、酢酸レチノール、レチノイン酸レチノール、d-δ-トコフェリルレチノエート、α-トコフェリルレチノエート、β-トコフェリルレチノエートなどのビタミンA誘導体類、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、クリプトキサンチン、リコピン、ゼアキサンチン、エキネノンなどのプロビタミンA類;フェルラ酸、ピロロキノリンキノン又はその塩、ヘスペリジン及びグルコシルヘルペリジン等のヘスペリジン誘導体、ユビキノン、グルクロラクトン、グルクロン酸アミド、オロチン酸、L-カルニチン、α-リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子等が挙げられる。中でもビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンE類、ビタミンA類、ビタミン様作用因子との組み合わせが好ましく、特に塩酸ピリドキシン、パントテニルアルコール(パンテノール)、ニコチン酸アミド、リボフラビン、シアノコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸-2-グルコシド、3-O-エチルアスコルビン、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、酢酸dl-α-トコフェロール、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、レチノール、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酢酸レチノール、ピロロキノリンキノン又はその塩、ユビキノン、γ-オリザノールから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより好ましい。
【0053】
上記有機酸としては、例えば、グルコン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、クエン酸、グルタミン酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、プロピオン酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、パントテン酸、グリチルレチン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、安息香酸、アジピン酸、グルタミン酸、アゼライン酸及びこれらの塩が挙げられる。塩としては、例えば、硫酸、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、亜鉛、銅、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩、トリエタノールアミンのようなアミン塩等が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、亜鉛、銅から選ばれることが好ましく、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン塩、亜鉛、銅がより好ましい。中でもグルコン酸、クエン酸、グルタミン酸、コハク酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、酒石酸、乳酸、グリチルレチン酸から選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより好ましい。
【0054】
上記糖類としては、例えば、例えば単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、マルトース、トレハロース、スクロース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
【0055】
上記保湿成分としては、例えば、ジグリセリントレハロース、グリコシルトレハロース、トレハロース;ヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸等のヒアルロン酸類又はその塩(ナトリウム、カリウム、亜鉛等の塩)又はその誘導体、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類;MPCポリマー;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン等とそれらの加水分解物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニン等のアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の天然保湿因子;セラミド、グルコシルセラミド、コレステロール、フィトステロール、コレステロール誘導体、フィトステロール誘導体、リン脂質等の脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキス、グレープフルーツエキス等の植物抽出エキス;グリセリン、PPG-17ブテス-17、PPG-25ソルビトール、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリンなどの多価アルコールまたはその誘導体;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース・ショ糖縮合物(グルコオリゴ糖)、加水分解キシラン(キシロオリゴ糖)などの糖アルコール;ヒドロキシエチルウレア等が挙げられる。中でもヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸亜鉛、乳酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、トリメチルグリシン、MPCポリマー、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、コラーゲン、セラミド、水素添加レシチンリン脂質、カミツレエキス、グレープフルーツエキス、多価アルコール、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ヒドロキシエチルウレアから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより好ましい。
【0056】
上記多価アルコールとしては、炭素数2~10のものが好ましく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-プロパンジオール等が挙げられる。中でもグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより好ましい。
【0057】
上記スクラブ剤としては、例えば、アプリコット核粉末、アーモンド殻粉末、アンズ核粉末、塩化ナトリウム粒、オリーブ核粉末、海水乾燥物粒、キャンデリラワックス、くるみ殻粉末、さくらんぼ核粉末、サンゴ粉末、炭粉末、はしばみ殻粉末、ポリエチレン末、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0058】
上記紫外線吸収成分としては、例えば、オクチルトリアゾン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、パラアミノ安息香酸およびその誘導体、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、ジヒドロキシベンゾフェノン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール等が挙げられる。中でもパラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、オクチルトリアゾン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより好ましい。
【0059】
上記紫外線散乱成分としては、例えば、含水ケイ酸、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、無水ケイ酸等の無機化合物、これらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したもの等が挙げられる。
【0060】
上記収斂成分としては、例えば、エタノール、硫酸亜鉛、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛等の金属塩、タンニン酸等の有機酸、植物(例えば海藻、タイム、紅茶、ウーロン茶、緑茶、オトギリソウ、ハマメリス、ビワ、ボタンピ、ユキノシタ、ルイボス、レンゲソウ、アーティチョーク、カミツレ、ユーカリ、レモン、ローズマリー、ワレモコウなど)に由来する成分等が挙げられる。
【0061】
上記ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、サクシニル化アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。中でもケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、魚由来コラーゲンエラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、加水分解シルク、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、から選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより好ましい。
【0062】
上記アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、トレオニン、チロシン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン、イプシロンアミノカプロン酸、トリプトファン、オルニチン、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、ジラウロイルグルタミン酸リシン及びその塩、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)等が挙げられる。またこれらアミノ酸又はその誘導体は、水和物等の溶媒和物であってもよく、更にd体、l体、dl体の何れであってもよい。中でもl体のアミノ酸又はその誘導体から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0063】
上記洗浄成分としては、例えば、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム又はステアリン酸カリウム等のアルカリ金属塩、アルカノールアミド塩又はアミノ酸塩等から選ばれる石けん類;ココイルグルタミン酸塩、ココイルメチルタウリンNa、ココイルメチルタウリンタウリン塩、ココイルグリシン塩、ステアロイルグルタミン酸塩、ミリストイルグルタミン酸塩等のアミノ酸系界面活性剤;ラウレス硫酸Na等のエーテル硫酸エステル塩;ラウリルエーテル酢酸Na等のエーテルカルボン酸塩;アルキルスルホコハク酸エステルNa等のスルホコハク酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のモノアルキルリン酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等のベタイン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(80)ソルビタン等のソルビタン系界面活性剤等が挙げられる。塩としては、例えば、硫酸、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、亜鉛、銅、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩、トリエタノールアミンのようなアミン塩等が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、亜鉛、銅から選ばれることが好ましく、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン塩、亜鉛、銅がより好ましい。
【0064】
上記角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、乳酸、サリチル酸、グルコン酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、フルーツ酸、フィチン酸、尿素、イオウ、酒石酸、フェルラ酸等が挙げられる。なかでも、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、サリチル酸、フィチン酸、クエン酸が好ましい。
【0065】
上記細胞賦活化成分としては、例えば、植物(たとえば、ビルベリー、ダイズ、レモングラス、アロエベラ、クロレラ、ヒオウギ、ヨクイニン、カミツレ、ドクダミ、ホップ、ニンジンなど)に由来する成分;ローヤルゼリー、ローヤルゼリーエキス;ホエイ、ヨーグルトエキス、加水分解乳タンパク等の乳清由来エキス、酵母エキスなど)に由来する成分、γ-アミノ酪酸等のアミノ酸類;レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸、ピロロキノリンキノン類等のビタミン類;グリコール酸、乳酸等のα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、プラセンタ、プロテオグリカン、感光素301号等が挙げられる。
【0066】
上記老化防止成分としては、例えば、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノール及びその誘導体、レチノイン酸、レチナール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトン、ペプチド類(カプロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24など)、植物(アーティチョーク、イザヨイバラ、海藻、ビルベリー、シラカバ、セイヨウオオバコ、トウキ、オウゴン、オトギリソウ、コンフリー、ニーム、ノバラ、ヒオウギ、ヒメフウロ、ボダイジュ、ボタンピ)に由来する成分等が挙げられる。中でも、加水分解大豆タンパク、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、カプロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24、アーティチョーク葉エキス、海藻エキス、ビルベリー葉エキス、コンフリー葉エキス、ニーム葉エキス、ヒメフウロエキスが好ましい。
【0067】
上記抗糖化成分としては、例えば、ブドレジャアキシラリス葉エキス、ウメ果実エキス、エーデルワイスエキス、イチョウエキス、サクラ葉エキス、ザクロエキス、セイヨウオオバコエキス、セイヨウサンザシエキス、シャクヤクエキス、ドクダミエキス、ビルベリー葉エキス、緑茶エキス、紅茶エキス、マロニエエキス、ローマカミツレエキス、ヨモギエキス等の植物エキス、月見草油、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物、L-アルギニン、L-リジン、加水分解カゼイン、加水分解性タンニン、カルノシン等が挙げられる。
【0068】
上記血行促進作用成分としては、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、ショウガ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウガラシ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、リョクチャ、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ等)に由来する成分;カフェイン、トウガラシチンキ、ガンマーオリザノール、カプサイシン、アセチルコリン、イクタモール、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、セファランチン、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン等が挙げられる。
【0069】
上記美白成分としては、例えば、トコフェロール、トラネキサム酸、アスコルビン酸とその塩、アスコルビン酸誘導体等のビタミンC類(アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシドなど)、アルブチン、コウジ酸、プラセンタ、エラグ酸、ニコチン酸アミド、ハイドロキノン、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、リノール酸及びその誘導体、バチルアルコール、植物(例えば、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、アセロラ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アセンヤク、キウイ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、タイム、チョウジ、チンピ、カンゾウ、カミツレ、プルーン、シモツケソウ、ムラサキシキブ、ソウズク、グレーブフルーツ、トゲナシ、レモン、キウイ、マツ、ニーム、アーティチョーク、スギナ、オオバク、メマツヨイグサ、ビルベリー、ヒメフウロ、アッケシソウ、セイヨウシロヤナギ、ユキノシタ、ツボクサ、ローズマリー、ラベンダー、サンシュユ等)に由来する成分等が挙げられる。中でもアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、アルブチン、コウジ酸、プラセンタ、ニコチン酸アミドから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより好ましい。
【0070】
上記充血除去成分としては、例えば、α-アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリン等が挙げられる。なお、これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
【0071】
上記眼筋調節薬成分としては、例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピン等が挙げられる。
【0072】
上記抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分としては、例えば、アシタザノラスト、ジフェンヒドラミン又はその塩酸塩などの塩、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ケトチフェン、レボカバスチン又はその塩酸塩などの塩、アンレキサノクス、イブジラスト、タザノモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム等が挙げられる。
【0073】
上記ポリフェノール類には、クルクミノイド、フラバノン、スチルペノイド、ポリメトキシフラボノイド類、フラボノール、キサントノイド、カルコン、リグノイド、フラバノール、イソフラボン等のフラボノイド系ポリフェノール類、フェノール酸系ポリフェノール類があげられる。中でもクルクミノイド、ヘスペリジン、レスベラトロール、ノビレチン、ルチン、ケルセチン、マンジフェリン、カルタミン、リグナン、カテキン、イソフラボン、アントシアニン、タンニン、カカオマスポリフェノール、クロロゲン酸が特に好ましい。
【0074】
(pH)
本発明の上記各種組成物及び各種剤のpHは、通常pH2.0~9.0であり、pH3~8.5であることが好ましく、pH3.5~8.0であることがより好ましく、pH4.0~7.5であることがさらに好ましい。なお、このpHはpH調整剤の使用により調整することができる。
【0075】
(各種組成物及び各種剤の製造方法)
本発明の上記各種組成物及び各種剤の製造方法は特に制限されず、必須成分である本発明のデビルズクロー抽出物、必要に応じて配合される上記他の成分、各種組成物又は各種剤を製造するのに必要な基剤又は担体、添加剤等を適宜選択、配合して、常法により製造することができる。
【0076】
本発明の上記各種組成物及び各種剤は、その必須成分及び上記で説明した他の成分等を、化粧品、医薬品、医薬部外品、食品等に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて、後述する添加剤と共に常法に従い混合して、必要に応じて乳化又は可溶化を行い、各種の製剤形態の外用組成物とすることができる。
【0077】
上記基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、イソパラフィン、ハードファット、マイクロクリスタリンワックス、ポリブテン、ポリエチレン末、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、オゾケライト、α-オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィン等の炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、架橋型シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジン等のシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバター、アボガド油、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ブドウ種子油、ヒマワリ油、アーモンド油、サザンカ油、ナタネ油、ゴマ油、カカオ脂、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、モクロウ、小麦胚芽油、米胚芽油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、ククイナッツ油、ヘーゼルナッツ油等の油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリンまたはラノリン誘導体等のロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロール等の高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のエステル類;デキストリン、マルトデキストリン等の多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル;水等が挙げられる。以上説明した基剤又は担体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
【0078】
本発明の各種組成物及び各種剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬品、医薬部外品、食品等に添加される公知の添加剤、例えば、界面活性剤、安定化剤、緩衝剤、等張化剤、酸化防止剤、着色剤、パール光沢付与剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、保存剤、増粘剤、刺激低減剤、賦形剤、潤沢剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、油脂、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、増粘剤、甘味料、着色剤、香料、酸化防止剤、酸味剤、果汁などの食品添加剤等を添加することができる。これらの添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0079】
上記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のいずれでもよく、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
【0080】
上記安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。
【0081】
上記緩衝剤としては、例えば、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤等が挙げられる。具体的には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等が挙げられる。
【0082】
上記等張化剤として、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。
【0083】
上記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸ステアリン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコトリエノール、亜硫酸水素塩、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、EDTAカルシウム二ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、L-システイン塩酸塩、コエンザイムQ10等のユビキノン類、セサミン等のリグナン、クルクミン、カプサイシン、ジンゲロール、レスベラトロール、アントシアニン、シアニジン、ビルベリーエキスおよびこれらの類縁体もしくは誘導体等が挙げられる。中でも、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、トコフェロール、酢酸トコフェロール、コエンザイムQ10、レスベラトロール、アントシアニン、セサミン、クルクミン、カプサイシン、ジンゲロール、ビルベリーエキスが好ましい。
【0084】
上記着色剤としては、例えば、無機顔料、天然色素等が挙げられる。
【0085】
上記パール光沢付与剤としては、例えばジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール等が挙げられる。
【0086】
上記分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
【0087】
上記キレート剤としては、例えば、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩、アスコルビン酸等が挙げられる。
【0088】
上記pH調整剤としては、例えば無機酸(リン酸、塩酸、硫酸等)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸ナトリウム等)、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二酸化炭素、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)等が挙げられる。
【0089】
上記保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ソルビン酸、チモール、イソプロピルメチルフェノール、カプリルヒドロキサム酸、メチルイソチアゾリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール又はその塩等が挙げられる。
【0090】
上記増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系増粘剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系増粘剤、グアーガム、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、グルコマンナン、カードラン、ジェランガム、スクレロチウムガム、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー等が挙げられる。
【0091】
上記刺激低減剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル酸系高分子、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、甘草エキス、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等が挙げられる。
【0092】
上記賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、硅酸等が挙げられる。
【0093】
上記結合剤としては、精製白糖、ブドウ糖、トレハロース、乳糖、マルトース、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マルトデキストリン等の多糖、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプンおよびこれらのα化デンプン、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、スクラロース等の糖アルコール、結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースカルシウム、ヒプロメロースフタル酸エステル、セルロースアセテートフタレート等のセルロース系高分子、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンがあげられる。中でも、結晶セルロース、バレイショデンプン、マルトデキストリンが好ましい。
【0094】
上記崩壊剤としては、例えばデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖などが挙げられる。
【0095】
上記滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セタノール、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン、ミツロウ、サラシミツロウ、ホウ砂、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
【0096】
上記油脂としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、ヒマワリ油、サフラワー油、落花生油、ココアバター、綿実油、大豆油、菜種油、米油、コメ胚芽油、シソ油、亜麻仁油などの天然植物油等、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、バター、バターオイル等の動物油脂並びにこれらの硬化油、脂肪酸(中鎖脂肪酸を含む)のグリセリド(グリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドなど)、ミツロウ等が挙げられる。中でも、ミツロウが好ましい。
【0097】
上記乳化剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールのような多価アルコール;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、レシチン類、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カオリン、キサンタンガム、メチルセルロース、トラガント等が挙げられる。
【0098】
上記甘味料としては、ショ糖、果糖、麦芽糖、トレハロース、甘草抽出物、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア加工甘味料、ラカンカ抽出物、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、還元水飴、還元麦芽糖水飴などが挙げられる。
【0099】
上記酸味剤としては、アジピン酸、イタコン酸、クエン酸、クエン酸カリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フィチン酸、フマル酸、フマル酸ナトリウム、リンゴ酸、リン酸などが挙げられる。
【0100】
上記果汁としては、レモン果汁、オレンジ果汁、ベリー系果汁、リンゴ果汁、バナナ果汁などが挙げられる。
【0101】
(製剤形態)
本発明の各種組成物及び各種剤の形態は特に限定されず、例えば、軟膏剤、液剤、懸濁剤、乳化剤(乳液及びクリーム)、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、貼付剤、ミスト剤、フォーム剤、エアゾール剤、スティック剤、パウダー、顆粒、錠剤(素錠、糖衣錠、口腔内速崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、トローチ剤、フィルムコーティング錠等を含む)、洗浄剤、石鹸、固形剤、カプセル剤、フィルム剤、製菓剤(飴、グミ剤、ヌガー剤等を含む)、シロップ剤、ドリンク剤、ジュース、清涼飲料、茶等の液状食品、ビスケット、タブレット、顆粒粉末、粉末、カプセル等の固形、ペースト、ゼリー、スープ、調味料、ドレッシング等の半流動状等が挙げられる。これらの製剤は、常法、例えば第17改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
【実施例
【0102】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0103】
[試験1]デビルズクロー抽出物の製造
本発明のデビルズクロー抽出物を、以下の製造方法により取得した。本製造方法は、デビルズクロー乾燥粉末のエタノール抽出工程、抽出物の精製及び粉末化工程、及び粉末の再溶解工程から構成される。まず、原材料となるデビルズクロー乾燥粉末に対し50%(w/w)エタノール水溶液によって加熱抽出を行い、抽出液を得た。得られた抽出液は活性炭処理後、ろ過を行い、カラム精製を実施した。上記カラム精製では疎水性樹脂カラムを用い、抽出液から疎水性成分を除去し、精製抽出液を得た。次にこの精製抽出液からスプレードライ法により乾燥粉末を得た(製造例1~4)。得られた乾燥粉末、或いは必要に応じて1,3-BG水溶液に溶解したものを以下の試験に用いた。
【0104】
[試験2]Harpagoside(ハルパゴシド)の定量
試験1で得られた本発明のデビルズクロー抽出物の乾燥粉末4ロット(実生産スケールで製造した(製造例1~4))及び従来品4種について、Harpagosideの定量を行った。具体的には、各サンプルを秤量し、精製水に溶解後、水系0.45μmフィルター(GLサイエンス)にてフィルター後、試験サンプルとした。Harpagosideの定量は、Harpagosideの標品(SIGMA社)の検量線に基づいて行った。分析はHPLC(Agilent HPLC 1200)を使用し、以下の条件にて実施した。結果を表1に示す。表中の「N.D.」は検出限界以下であったことを示す。
紫外線吸光光度計 288nm、
カラム:Inertsil ODS 2 (5um, 4.6mm*150mm)、
移動相:23%MeCN:77% MiliQ water、
カラム温度 40℃、
流速 1.0 mL/min、
分析周期 30min、
インジェクション 20 uL
【0105】
【表1】
【0106】
上記表1に示すとおり、従来品4種には、Harpagosideが1.0%を超える高濃度で含まれているのに対し、本発明品である4ロットは、0.048%、0.003%又は検出限界以下と、従来品に比べて極めて低い濃度であった。
【0107】
[試験3]ポリフェノールの定量
試験1で得られた本発明のデビルズクロー抽出物の乾燥粉末4ロット(実生産スケールで製造した(製造例1~4))及び従来品4種について、ポリフェノールの定量を行った。具体的には、各サンプルを0.2g秤量し、50%エタノールを添加後、超音波照射による抽出を30分間行ったのち100mLに定容した。遠心分離後、上清をフィルターでろ過し、測定用のサンプルを得た。サンプル1mLに2倍希釈のFolin-Ciocalteu試薬(メルク株式会社)0.5mL及び0.4mоl/Lの炭酸ナトリウム水溶液5mLを添加し、30℃で30分間放置した。遠心分離後の上清の吸光度測定を、紫外可視分光光度計(V-630:日本分光株式会社)を使用し、660nmの測定波長にて実施した。ポリフェノールの定量は、(+)-カテキン水和物の標品(東京化成工業株式会社)の検量線に基づいて行った。結果を表2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】
上記表2に示すとおり、従来品4種には、ポリフェノールは3.0%を超える高濃度で含まれているのに対し、本発明品である4ロットは、従来品に比べて極めて低い濃度であった。
【0110】
[試験4]着色評価試験
試験1で得られた本発明のデビルズクロー抽出物の乾燥粉末4ロット(実生産スケールで製造したもの)及び従来品4種について、着色評価を行った。具体的には、吸光度計を用いて着色量の評価を行った。測定検体としては、試験例1で使用した乾燥粉末を用いた。具体的には、それぞれの乾燥粉末を100mg秤量し、20mL精製水に懸濁、溶解させた(0.5%)。分光光度計又は光電光度計UV-2450(島津製作所製)で400-500nmの吸光度を測定した。ブランクとしては精製水を用いた。結果を図1及び図2に示す。また、目視により、従来品4種のデビルズクロー抽出物の乾燥粉末の溶液は茶色~褐色を帯びているのに対して、本発明のデビルズクロー抽出物の乾燥粉末4ロットの溶液はほぼ無色であることが確認できた(図3)。
【0111】
図1及び2に示すとおり、従来品4種のデビルズクロー抽出物の乾燥粉末の溶液は着色の度合いが高いのに対して、本発明のデビルズクロー抽出物の乾燥粉末4ロットの溶液は着色の度合いが顕著に低いことがわかった。目視による結果(図3)とも相関した。このように、本発明のデビルズクロー抽出物は製剤において、見た目を損なうことなく配合することが可能であり、製剤原料として優れていることが明らかとなった。
【0112】
[試験5]着色変化評価試験
原料の熱安定性は、製品の品質を確保することにおいて重要である。また、製品の着色変化は品質の劣化を示す指標ともなり得る。そこで製品に配合するデビルズクロー抽出物の安定性を評価するため、高温条件で保管したデビルズクロー抽出物の着色変化量を確認した。具体的には、試験1で得られた本発明のデビルズクロー抽出物(製造例1~4)及び従来品4種について、それぞれの乾燥粉末を100mg秤量し、20mL精製水に懸濁、溶解させた(0.5%(w/v))。60℃に設定した恒温槽に1週間保存し、1週間経過後に取り出し、分光光度計又は光電光度計UV-2450(島津製作所製)で400-500nmの吸光度を測定し、面積値を算出した。ブランクとしては精製水を用いた。結果を図4に示す。
【0113】
図4に示すとおり、本発明のデビルズクロー抽出物の水溶液(製造例1~4)は、従来品4種のデビルズクロー抽出物の水溶液と比較して着色変化量が少ないことがわかった。即ち本発明のデビルズクロー抽出物は保管時変色が進みにくいことから、原料としての保管期間を延ばすことが可能となるため、原料として優れていることが明らかになった。
【0114】
[試験6]透過度評価試験
原料の水に対する溶解性は、製剤中での析出等の観点から、製品の品質を確保することにおいて重要である。そこで原料の水に対する溶解性を、原料を精製水に懸濁、溶解させたサンプル(5%(w/w))の透過率を用いて評価した。従来品4種のデビルズクロー抽出物の乾燥粉末及び本発明のデビルズクロー抽出物(製造例1~4)をそれぞれ精製水に懸濁、溶解させたサンプルは、透明又は半透明の外観を呈していた。透過率の測定は、第17改正日本薬局方[B]一般試験法 2.物理的試験法 分光学的測定法 2.24紫外可視吸光度測定法に記載の方法に準ずる方法により行った。なお、本明細書において、原料の溶解性については以下のように判断した。すなわち、原料の水溶液(或いは水懸濁液)が、紫外可視吸光度測定法により、分光光度計又は光電光度計UV-2450(島津製作所製)を用いて波長700nmの透過率として、水の透過率を100%としたときに、85~100%、好ましくは90~100%の範囲にある場合、透過率が高く、水に対する溶解性に優れる、と判断する。結果を図5に示す。
【0115】
図5に示すとおり、従来品4種のデビルズクロー抽出物の水溶液は、本発明のデビルズクロー抽出物の水溶液と比較して、同じ濃度で比較した場合、透過率が非常に低いことが判明した。即ち、従来のデビルズクロー抽出物は水に溶解させた際、濁りや析出を引き起こすことが判明した。一方、本発明のデビルズクロー抽出物を水に溶解させても、濁りや析出等が起こらず、製品の品質低下を引き起こしにくいことが明らかになった。
【0116】
[試験7]臭い試験
臭いは製品の評価に大きな影響を与えるが、従来のデビルズクロー抽出物は水に溶解させた際に特有の臭いを放つことが知られていた。本発明のデビルズクロー抽出物の乾燥粉末4ロット(実生産スケールで製造したもの(製造例1~4))及び従来品4種について、臭い官能試験を実施した。具体的には、それぞれの乾燥粉末5.0gを95mLの精製水に懸濁、溶解した(5%(w/w))。各サンプルを10mLガラスバイアルに分注し、60℃で1週間保存後、それぞれの臭いを官能試験によって確認した。官能試験は、健常な20-30代の男女3名にて行った。被験者にアンケートを記入してもらい、精製水(左)と各サンプル(右)の比較により臭いを数値化した。その際の臭いの数値化は以下のように行った。各サンプルにおける被験者の数値を平均化した結果を図6に示す。
【0117】
左が非常に臭い:-3点
左が臭い:-2点
左が少し臭い:-1点
同じ:0点
右が少し臭い:1点
右が臭い:2点
右が非常に臭い:3点
【0118】
図6に示すとおり、従来品4種のデビルズクロー抽出物のサンプルは、本発明のデビルズクロー抽出物のサンプルと比較して、臭いが強いことが判明した。本発明のデビルズクロー抽出物のサンプルは、ほぼ精製水に近い数値となり、臭いをほとんど有していないことがわかった。このように本発明のデビルズクロー抽出物は、従来品に比べて臭いが少ないことから、様々な種類の製品に配合することが可能であり、好ましい。
【0119】
[試験8]メラニン合成酵素遺伝子発現解析
試験1で得られた本発明のデビルズクロー抽出物(製造例3)の美白における有効性を確認するために、メラノサイトにおけるメラニン合成酵素(3種のメラニン合成酵素;TYR、TYRP1、DCT)の発現に対する作用を遺伝子レベルで解析した。6well plateにNHEM(ヒト正常表皮メラノサイトAD)(KURABO,KM-4109)を1×10cells/2mL/wellで播種し、37℃、5%CO条件下にて培養した。72時間後、培養液を除去し、本発明品が0.1%、0.5%、1.0%の濃度で含まれる培地を2mL加え、さらに培養を行った。一定時間培養した後、Buffer RLT(QIAGEN)用いてRNAを回収した。粗抽出されたRNAは、RNeasy Mini Kit(Qiagen)を用いてカラム精製を行った。NanoDrop 1000 Spectrophotometer(Thermo Fisher Scientific)を使用しtotal RNAの濃度を測定した。逆転写反応液を調製し、Applied Biosystems(商標) Thermal Cycler(Thermo Fisher Scientific)を用いて、RNAの逆転写反応を行った。Premix Ex TaqTMキット(TaKaRa)およびQuantStudio 7 Flex Real-Time PCR System(Thermo Fisher Scientific)を用いて、リアルタイムPCR反応を行った。PCR反応回数は最大50サイクルとした。遺伝子発現量は、リアルタイムPCRにより得られた一定の増幅産物量になるサイクル数(threshold cycle値:Ct値)から2^-ΔΔCT値を算出し、r18Sをそれぞれ内部標準遺伝子とし、コントロールの値を1.00とした時の相対値を用いて比較した。各遺伝子のPCRプライマーは、Thermo Fisher Scientific社より市販されている推奨プライマーを用いた。結果を図7~10に示す。
【0120】
本発明のデビルズクロー抽出物によって、NHEMにおける3種のメラニン合成関連酵素の遺伝子発現が抑制された。また、抑制レベルが最も大きいDCTについて経時的に解析した結果、いずれのタイムポイントにおいても本発明のデビルズクロー抽出物のDCT発現抑制作用が確認された。以上のことから、本発明のデビルズクロー抽出物は、メラニン合成酵素の発現を抑制する美白素材になる可能性が示唆された。
【0121】
[試験9]コラーゲン産生試験
試験1の製法により得た本発明のデビルズクロー抽出物(製造例5)及び本発明のデビルズクロー抽出物が含む各成分(スタキオース、スクロース、ラフィノース)の、シワ・たるみにおける有効性を確認するために、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)におけるコラーゲン産生に対する作用をELISAにより検討した。本発明のデビルズクロー抽出物(製造例5)又は上記各成分を添加した培地でNHDFを培養し、その培地中に産生されたコラーゲン前駆体量をHuman Pro-Collagen I alpha 1 DuoSet ELISA(R&D社製)にて測定し、コラーゲン産生量の指標として評価した。結果を図11~14に示す。
【0122】
本発明のデビルズクロー抽出物(1%)によって、顕著なコラーゲン産生促進作用が確認された。また、本発明品レベルには及ばないが、いずれの有効成分(スタキオース、スクロース、ラフィノース)においても濃度依存的なコラーゲン産生促進作用が確認された。本発明のデビルズクロー抽出物(1%)で確認された効果は、これらの有効成分の効果が合わさって見られたものであることが示唆された。以上のことから、本発明のデビルズクロー抽出物はシワ・たるみに優れた効果を示す抗シワ、アンチエイジング素材になる可能性が示唆された。
【0123】
[試験10]エラスチン線維形成試験
試験1で得られた製造例3の本発明のデビルズクロー抽出物のシワ・たるみにおける有効性を確認するために、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)によるエラスチン線維形成に対する作用を免疫染色にて検討した。本発明のデビルズクロー抽出物(製造例3)を添加した培地でNHDFを培養し、エラスチン線維形成を免疫染色にて評価した。結果を図15に示す。
【0124】
足場となる2%FBSの添加によりエラスチン線維形成が起こり、0.05%の濃度で本発明のデビルズクロー抽出物を添加した培地で培養することで、その線維形成がさらに促進されたことを確認した。以上のことから、本発明のデビルズクロー抽出物はシワ・たるみに効果を示す抗シワ、アンチエイジング素材になる可能性が示唆された。
【0125】
[試験11]ヒアルロン酸産生試験-1
ウサギ由来軟骨培養細胞(プライマリーセルより入手)を用いて、ヒアルロン酸産生試験において、外用剤および経口、食品素材としての試験1で得られた本発明品(製造例4)の有用性評価を行った。
【0126】
具体的には、ウサギ由来軟骨培養細胞を、1.5mL用マイクロチューブ中で三次元培養した。その際、培地には本発明品製造例3(最終濃度0.1、1、10mg/mL)添加分化培地および無添加分化培地を用いた。培地交換は5-7日ごとに行った。培養は18日間行い、回収日の1週間前に最終の培地交換を行った。培養液を採取し、培養液中に分泌されたヒアルロン酸量を酵素結合免疫測定法(Hyaluronan Quantikine ELISA Kit;R&D社製)で定量した。結果を図16に示す。
【0127】
図16に示すとおり、本発明品を10mg/mL添加することで軟骨細胞においてヒアルロン酸産生量が大幅に向上することが判明した。即ち、加齢に伴う関節の痛みの原因の一つにヒアルロン酸など関節成分の減少が挙げられるが、本発明品の摂取によって関節症を改善する効果が期待される。
【0128】
[試験12]ヒアルロン酸産生試験-2
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)(KURABOより入手)を用いて、ヒアルロン酸産生試験において、外用剤および経口、食品素材としての試験1で得られた本発明品(製造例4)の有用性評価を行った。
【0129】
具体的には、NHDFを本発明のデビルズクロー抽出物(製造例4)又は陽性対照のN-アセチルグルコサミン(Wako)を添加した培地で48時間培養し、培地中に産生されたヒアルロン酸量をHyaluronan Quantikine ELISA Kit(R&D社製)にて測定した。また、培地採取後、Hoechst33342(DOJINDO)を添加した培地に入れ替え、37℃,5%CO条件下にて30分間培養し、染色された核をカウントして細胞生存率の指標とした。ヒアルロン酸量を細胞生存率で除すことで、細胞当たりのヒアルロン酸産生量を評価した。結果を図17に示す。
【0130】
図17に示すとおり、本発明のデビルズクロー抽出物(0.5%)を添加することによって、正常ヒト皮膚線維芽細胞においてヒアルロン酸産生量が大幅に向上することが判明した。即ち、加齢に伴う皮膚のシワ、たるみ等の原因の一つにヒアルロン酸の減少が挙げられるが、本発明品の摂取によってこれらの症状を改善する効果が期待され、シワ・たるみに効果を示す抗シワ、アンチエイジング素材になる可能性が示唆された。
【0131】
[試験13]Gobi Kosa Dust(GKD)誘発炎症試験-1
正常ヒト表皮細胞(NHEK)(KURABOより入手)を用いて、大気汚染の原因物質であるGKDが誘発する炎症に対する、外用剤および経口、食品素材としての試験1で得られた本発明品(製造例4)の有用性評価を行った。
【0132】
具体的には、NHEKを本発明のデビルズクロー抽出物(製造例4)およびGKDを添加した培地で24時間培養し、NHEKのRNAを回収し、IL-8およびIL-6遺伝子発現量をリアルタイムPCR反応にて解析した。
【0133】
図18に示すとおり、本発明のデビルズクロー抽出物(1.0%および1.5%)を添加することによって、正常ヒト表皮細胞においてGKDが誘発する炎症性サイトカインであるIL-8およびIL-6の発現を有意に抑制させることが判明した。即ち、本発明品の摂取、または塗布、洗浄によってGKD曝露に伴う皮膚の炎症等を改善する効果が期待された。
【0134】
[試験14]Gobi Kosa Dust(GKD)誘発炎症試験-2
ヒト角膜上皮細胞(HCET)(RIKEN BRCより入手)を用いて、大気汚染の原因物質であるGKDが誘発する炎症に対する、外用剤(皮膚化粧品、洗浄剤等含む)、眼科用製剤(点眼剤、洗眼剤、眼軟膏等)、および経口、食品素材としての試験1で得られた本発明品(製造例4)の有用性評価を行った。
【0135】
具体的には、HCETを本発明のデビルズクロー抽出物(製造例4)を添加した培地で1時間培養し、その後GKDを添加した。24時間培養した後、HCETのRNAを回収し、IL-1β、IL-8およびIL-6の遺伝子発現量をリアルタイムPCR反応にて解析した。
【0136】
図19に示すとおり、本発明のデビルズクロー抽出物(0.5%)を添加することによって、ヒト角膜上皮細胞においてGKDが誘発する炎症性サイトカインであるIL-1β、IL-8およびIL-6の発現を有意に抑制させることが判明した。即ち、本発明品の摂取、または本発明品による洗浄・塗布によってGKD曝露に伴う眼の炎症等を改善する効果が期待された。
【0137】
以下に、本発明のデビルズクロー抽出物を含有する外用組成物(化粧品、医薬部外品、医薬品)、経口用組成物(医薬品、サプリメント、ドリンク、一般食品等)の製剤処方例を示す。
【0138】
[外用組成物]
下記表中の数値は各成分の濃度(重量%)を示している。
【0139】
【表3-1】
【0140】
【表3-2】
【0141】
[ソフトカプセル]
下記表中の数値はソフトカプセルの各処方例における各成分の一日摂取量(mg)を示している。
【表4】
【0142】
[錠剤]
下記表中の数値は錠剤の各処方例における各成分の一日摂取量(mg)を示している。
【0143】
【表5】
【0144】
[顆粒剤]
下記表中の数値は顆粒剤の処方例における各成分の一日摂取量(mg)を示している。
【0145】
【表6】
【0146】
[ドリンク]
下記表中の数値はドリンクの処方例における各成分の一日摂取量(mg)を示している。
【0147】
【表7】
【0148】
[ゼリー]
下記表中の数値はゼリーの各処方例における各成分の一日摂取量(mg)を示している。
【0149】
【表8】
【0150】
[グミ]
下記表中の数値はグミの各処方例における各成分の一日摂取量(mg)を示している。
【0151】
【表9】
【0152】
[外用組成物]
下記表には、外用組成物の処方例(処方例20~33)を示す。各表中の数値は各成分の濃度(重量%)を示している。
【0153】
下記表10(表10-1及び10-2)は、アンチポリューション作用を有する外用剤の処方例である。
【0154】
【表10-1】
【0155】
【表10-2】
【0156】
下記表11は、洗浄剤(泡吐出タイプ)の処方例である。
【0157】
【表11】
【0158】
下記表12は、シャンプーの処方例(処方例30)である。
【0159】
【表12】
【0160】
下記表13は、クレンジングの処方例(処方例31)である。
【0161】
【表13】
【0162】
下記表14は、洗浄剤(クリームタイプ)の処方例(処方例32)である。
【0163】
【表14】
【0164】
下記表15は、洗眼剤の処方例(処方例33)である。
【0165】
【表15】
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明のデビルズクロー抽出物は、従来のデビルズクロー抽出物から、有効成分として知られていたハルパゴシド等の疎水性の物質を除去したものであり、ハルパゴシドの含有量が1.0重量%以下と顕著に抑えられた新規のエキスである。従来のデビルズクロー抽出物と異なり、独特の着色や臭い、苦味が生じないことから安定性にも優れ、溶解性も高いことから、様々な製品に配合し易いという利点がある。また、この本発明のデビルズクロー抽出物は、皮膚におけるメラニン合成酵素遺伝子発現抑制作用、コラーゲン産生促進作用、エラスチン線維形成促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、大気汚染物質により誘発される炎症性物質の産生抑制効果等を有し、美白、抗シワ、アンチエイジング、関節症改善効果、抗炎症効果(アンチポリューション)も期待できる。さらに、ハルパゴシド等のイリドイド類は苦味を有しかつ様々な薬理効果を有することが知られており、従来のデビルズクロー抽出物は、投与経路、適用部位、適用対象によっては、不都合が生じることがあった。しかし、本発明のデビルズクロー抽出物はイリドイド類の含有量が顕著に抑えられているため、上記の制限が不要であり、安全性にも優れている。以上のことから、本発明のデビルズクロー抽出物は、化粧品、医薬品、医薬部外品、食品(機能性食品、サプリメント、ドリンク剤等)等として、また、その形態については外用組成物、経口用組成物(食品組成物を含む)、眼科用組成物等として好適に使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19