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▶ サーモ エレクトロン サイエンティフィック インストルメンツ リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】光学科学機器におけるミラー位置合わせ
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/08 20060101AFI20240328BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20240328BHJP
   G02B 7/00 20210101ALI20240328BHJP
   G01J 3/45 20060101ALI20240328BHJP
   G02B 7/182 20210101ALI20240328BHJP
【FI】
G02B26/08 E
G02B26/10 101
G02B7/00 B
G01J3/45
G02B7/182
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2020536036
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 US2018067927
(87)【国際公開番号】W WO2019133851
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】62/610,999
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509027021
【氏名又は名称】サーモ エレクトロン サイエンティフィック インストルメンツ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】コフィン ジョン マギー
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05105297(US,A)
【文献】国際公開第2015/087581(WO,A1)
【文献】米国特許第05805325(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第02175303(EP,A1)
【文献】特表2002-524767(JP,A)
【文献】特開2001-038484(JP,A)
【文献】特開2016-075858(JP,A)
【文献】特開昭60-012527(JP,A)
【文献】米国特許第05898495(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0002039(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0231530(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/08,26/10,7/00-7/24
G01J 3/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビーム(103)を正確に制御するためのミラーアセンブリ(10)であって、
第1の回転軸(119)を含む第1のマウントと、
前記第1の回転軸にほぼ垂直な表面平面を有する反射面(106,106a)を含む、前記第1のマウントに結合された第1のミラー(104,104a)と、
前記光ビーム(103)を前記反射面(106,106a)に向けるように構成された光源(102)と、
前記第1のマウントに結合されるフレクシャベアリング(153)と、を備え、
前記表面平面は、前記第1の回転軸に垂直な平面から0度よりも大きく約4度以下であり、
前記第1の回転軸の回転により、前記光ビームをターゲット表面(111a,117)上の第1の制御可能な距離にわたって移動させ、
前記フレクシャベアリングによって規定される前記第1の回転軸(119)は、前記第1のミラーの前記反射面の中心からオフセットされている、ミラーアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記第1の制御可能な距離は、入射する光ビームに対する反射する光ビームの傾斜の量によって提供される、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項3】
前記反射する光ビームの前記傾斜の量は、約0.001度~約5度の範囲の傾斜を含む、請求項2に記載のミラーアセンブリ。
【請求項4】
前記反射面(106,106a)は、実質的に平面である、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の制御可能な距離は、前記ターゲット表面(111a,117)上のX軸またはY軸における前記光ビーム(103)の移動を含む、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の制御可能な距離は、前記第1のミラーの表面から約300mmのターゲット距離での前記ターゲット表面上の約0.1mm~約50mmの距離にわたる前記光ビームの移動を含む、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の回転軸の前記回転は、約1~約20度の回転を含む、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の回転軸の前記回転は、約20度以下の回転に制限されている、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の回転軸の前記回転は、約5度以下に制限されている、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の回転軸の前記回転が約5度以下になると、前記ターゲット表面での前記光ビームの前記移動の曲率誤差が最小限に抑えられる、請求項9に記載のミラーアセンブリ。
【請求項11】
前記光源は、前記ターゲット表面にスポットを生成するレーザを備えている、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項12】
前記表面平面は、前記第1の回転軸に垂直な平面から約1度~約4度である、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項13】
前記表面平面は、前記第1の回転軸に垂直な平面から0度よりも大きく1度未満である、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項14】
前記フレクシャベアリング(153)は、1つ以上のブレードフレクシャ(153a,153b)を含む、請求項に記載のミラーアセンブリ。
【請求項15】
前記第1のマウントは、第1および第2のベアリングに結合されている、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項16】
前記第1および前記第2のベアリングは、互いに約4度のオフセット角度を構成する、請求項15に記載のミラーアセンブリ。
【請求項17】
前記第1および前記第2のベアリングはそれぞれ、回転制御システムを含む、請求項15に記載のミラーアセンブリ。
【請求項18】
前記回転制御システムは、手動ネジ、電気モータ、ステッピングモータ、またはリニアモータを備える、請求項17に記載のミラーアセンブリ。
【請求項19】
前記第1のマウントは、モータに結合されている、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項20】
第2の回転軸(113e)を含む第2のマウント(152)と、
前記第2の回転軸(113e)にほぼ垂直な表面平面を有する反射面(112a)を含む、前記第2のマウント(152)に結合された第2のミラー(110a)と、をさらに備え、
前記第1のミラー(104,104a)は前記光ビームを前記第2のミラー(110a)の前記反射面(112a)に向け、前記第2の回転軸の回転により、前記光ビームを前記ターゲット表面(117)上の第2の制御可能な距離にわたって移動させる、請求項1に記載のミラーアセンブリ。
【請求項21】
前記第1の制御可能な距離は、前記第2の制御可能な距離の前記第2の回転軸に垂直な前記第1の回転軸に沿っている、請求項20に記載のミラーアセンブリ。
【請求項22】
前記第1の制御可能な距離は、前記第2の制御可能な距離の前記第2の回転軸から約0.1度~約10度だけオフセットされた第1の軸に沿っている、請求項20に記載のミラーアセンブリ。
【請求項23】
前記第2の回転軸の前記回転は、約5度以下に制限されている、請求項20に記載のミラーアセンブリ。
【請求項24】
約5度以下の前記第2の回転軸の前記回転により、前記ターゲット表面上の前記第1のミラーからの前記光ビームの前記移動の曲率誤差が修正される、請求項23に記載のミラーアセンブリ。
【請求項25】
干渉計ミラーアセンブリであって、
入射(103)および出射光路(107,113)を規定するビームスプリッタ(202)と、
前記入射および出射光路のうちの一方に少なくとも部分的に配置された第1の可動ミラーアセンブリであって、第1の運動軸を含む第1のマウントと、前記第1の運動軸にほぼ垂直な表面平面を有する反射面(106a)を含む、前記第1のマウントに結合された第1のミラー(104a)と、ビームを前記反射面に向けるように構成された光源(102)と、を備える、第1の可動ミラーアセンブリと、
前記第1のマウントに結合されるフレクシャベアリング(153)と、
前記入射(103)および出射(113)光路のもう一方に少なくとも部分的に配置された第2の可動ミラーアセンブリであって、第2の運動軸を含む第2のマウント(152)と、前記第2の運動軸にほぼ垂直な表面平面を有する反射面(112a)を含む、前記第2のマウントに結合された第2のミラー(110a)と、を備える、第2の可動ミラーアセンブリと、を備え、
前記表面平面の各々は、それぞれ、前記第1の運動軸又は前記第2の運動軸に垂直な平面から0度よりも大きく約4度以下であり、
前記第1の運動軸の回転により、前記ビームをターゲット表面(111a,117)上の第1の制御可能な距離にわたって移動させ、
前記第1のミラー(104a)からの反射光(107)は、前記第2のミラー(110a)の前記反射面(102a)に向けられ、
前記第2の運動軸の回転により、前記第1の制御可能な距離に実質的に垂直である前記ターゲット表面(111a,117)上の第2の制御可能な距離にわたって前記ビーム(113)を移動させ、
前記フレクシャベアリングによって規定される前記第1の運動軸は、前記第1のミラー(104a)の前記反射面の中心からオフセットされている、干渉計ミラーアセンブリ。
【請求項26】
前記第1のマウントは、前記第1の運動軸に実質的に直交する第3の運動軸を含む、請求項25に記載の干渉計ミラーアセンブリ。
【請求項27】
前記第1の運動軸および前記第2の運動軸はそれぞれ回転軸であり、前記第3の運動軸は並進軸である、請求項26に記載の干渉計ミラーアセンブリ。
【請求項28】
干渉計ミラーアセンブリであって、
入射(103)および出射(107,113)光路を規定するビームスプリッタ(202)と、
前記入射および出射光路のうちの一方に少なくとも部分的に配置された第1の可動ミラーアセンブリであって、第1の運動軸を含む第1のマウントと、前記第1の運動軸にほぼ垂直な表面平面を有する反射面(106a)を含む、前記第1のマウントに結合された第1のミラー(104a)と、長手方向軸(133)に沿って直線的に前記第1のミラーを移動させる第1のリニア駆動アセンブリと、ビーム(103)を前記反射面に向けるように構成された光源(102)と、を備える、第1の可動ミラーアセンブリと、
前記第1のマウントに結合されるフレクシャベアリング(153)と、
前記入射(103)および出射(113)光路のもう一方に少なくとも部分的に配置された第2の可動ミラーアセンブリであって、第2の運動軸を含む第2のマウント(152)と、前記第2の運動軸にほぼ垂直な表面平面を有する反射面(112a)を含む、前記第2のマウント(152)に結合された第2のミラー(110a)と、を備える、第2の可動ミラーアセンブリと、を備え、
前記表面平面の各々は、それぞれ、前記第1の運動軸又は前記第2の運動軸に垂直な平面から0度よりも大きく約4度以下であり、
前記第1の運動軸の回転により、前記ビーム(113)をターゲット表面(111a,117)上の第1の制御可能な距離にわたって移動させ、
前記第1のミラーからの反射光(107)は、前記第2のミラー(110a)の前記反射面(112a)に向けられ、
前記第2の運動軸の回転により、前記第1の制御可能な距離に実質的に垂直である前記ターゲット表面(111a,117)上の第2の制御可能な距離にわたって前記ビーム(113)を移動させ、
前記フレクシャベアリングによって規定される前記第1の運動軸は、前記第1のミラー(104a)の前記反射面の中心からオフセットされている、干渉計ミラーアセンブリ。
【請求項29】
前記第2の可動ミラーアセンブリは、前記第1のミラーを長手方向軸に沿って直線的に移動させる第2のリニア駆動アセンブリを含む、請求項28に記載の干渉計ミラーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月28日に出願され、「MIRROR ALIGNMENT IN OPTICAL SCIENTIFIC INSTRUMENTS」と題された米国仮出願第62/610,999号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、光学科学機器の技術分野に関する。より具体的には、本開示は、マイケルソン干渉計または顕微鏡などの光学科学機器用のミラー位置合わせシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
フーリエ変換赤外(FTIR)干渉分光計は、化合物の分析に広く使用されている。赤外線スペクトルのさまざまな波長での不明なサンプルによる赤外線放射の吸収を測定し、その結果を既知の標準と比較することにより、これらの機器は、不明なサンプルの化学組成に関する有用な情報を生成する。典型的なFTIR分光計では、赤外線放出源からの赤外線放射が収集され、干渉計を通過し、分析されるサンプルを通過し、赤外線検出器に焦点を合わせる。干渉計システムは、サンプルと組み合わせて、検出器に衝突する赤外線放射の強度を変調し、それによって時変強度信号を形成する。この時変強度信号を対応する時変電流に変換するのが検出器の機能である。次に、電流は、時変電圧に変換され、この時変電圧は、アナログ-デジタル変換器に提示され、次いで、分光計に関連付けられたプロセッサで処理される一連のデジタル数字として保存される。
【0004】
FTIR分光計の1つの重要な特徴は、サンプルを研究するために機器が使用する分析放射を変調する可動ミラー要素である。可動ミラーにより、時間領域のインターフェログラムを生成することができ、これを分析すると、高解像度の周波数領域スペクトルを生じさせることができる。コンピュータは、データに対してフーリエ変換を実行して、スペクトルエネルギー対周波数を示すスペクトルを生じる。
【0005】
これらのタイプの機器では、ミラー位置の精度が重要である。なぜなら、ミラー位置合わせの偏差が、時間領域のインターフェログラムに小さな誤差を生じ、これは周波数領域のスペクトルに大きな誤差をもたらす可能性があるためである。典型的な干渉計では、使用する分析放射の波長の1/20より大きいミラーの偏差は重大であると見なされ、機器全体の品質を著しく低下させる可能性がある。
【0006】
ミラーの位置合わせは、通常、エアベアリングなどの高精度のベアリングでミラーを支持し、ベアリングを望ましい精度に位置合わせする試みによって遂行される。位置合わせは通常、可動ミラーを可能な限り完全に位置合わせするために手動で調整される差動ネジによって遂行される。これはかなりのスキルを必要とする時間のかかる手順である。また、再位置合わせが必要になることが多いため、製造費とフィールドサービスコストも増加する。さらに、非常に高価であり得る非常に正確なベアリングの使用を義務付けている。
【0007】
高精度のベアリングを手動で位置合わせする必要をなくす努力がなされている。高精度のベアリングを使用する必要が依然としてあるが、自動静的位置合わせにより、ユーザーは時間のかかる再位置合わせを実行することから少なくとも解放される。例えば、可動ミラーを自動的に位置合わせする一部のデバイスは、ステッピングモータを使用して、手動位置合わせ手順の実質的に自動のシミュレーションを遂行する。これらのデバイスは、典型的には、定期的なサービス間隔で静的ミラーの位置合わせを支援するコンピュータを使用する。これらのデバイスの欠点には、低速、大型サイズ、高コスト、および高精度ベアリングへの依存の継続が含まれる。
【0008】
ミラーの傾斜を動的に調整して、不正確なベアリングを修正し、望ましい位置合わせを実現することは、実際には遂行することが困難であった。このような従来の調整デバイスは、非常に高価で、遅く、かさばり、性能が悪い傾向がある。例えば、1つのデバイスが圧電ポジショナーを使用して、ミラーの傾斜を動的に調整する。しかしながら、ポジショナーは大型で高価であり、最大1000ボルトの駆動レベルを使用する。大型かつ高価であることに加えて、そのような高電圧用の電源は、望ましくない動作の危険を引き起こす。
【0009】
前述の従来の問題にいくらか対処するために、ミラー位置合わせデバイスが開発されてきた。このようなデバイスは、次の米国特許(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載され、特許請求されている。「MIRROR ALIGNMENT AND DAMPING DEVICE」と題された1994年1月4日発行の米国特許第5,276,545号、「DYNAMIC MIRROR ALIGNMENT DEVICE FOR THE INTERFEROMETER OF AN INFRARED SPECTROMETER」と題された1993年8月24日発行の米国特許第5,239,361号、「INTERFEROMETER OF AN INFRARED SPECTROMETER WITH DYNAMIC MOVING MIRROR ALIGNMENT」と題された1999年3月16日発行の米国特許第5,883,712号、および「INTERFEROMETER HAVING GLASS GRAPHITE BEARING」と題された1999年4月20日発行の米国特許第5,896,197号。これらのミラー位置合わせデバイスによって提供される進歩にもかかわらず、改善の余地が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第5,276,545号明細書
【文献】米国特許第5,239,361号明細書
【文献】米国特許第5,883,712号明細書
【文献】米国特許第5,896,197号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本開示は、FTIR干渉計などの科学光学干渉計で利用される改善されたミラー位置合わせデバイスの必要性に対処する。そのようなミラー位置合わせデバイスはまた、光ビームの角度の正確な制御を必要とする顕微鏡、望遠鏡、およびプリンタなどの他の光学システムでも使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
高精度ベアリングの必要性を減らす試みは、ミラーのうちの1つ以上の角度が制御システムによって傾けられ、データ収集中にリニアベアリングによって引き起こされる誤差を修正する動的位置合わせを使用することで成功している。動的位置合わせはまた、時間の経過に伴う温度によって引き起こされる傾斜誤差も修正する。干渉計のほとんどの傾斜誤差は十分に遅いため、動的修正システムでは、誤差を修正するのに約0.1秒以上かる。本明細書に記載される回転ミラーシステムは、動的位置合わせを用いて作動中の干渉計の誤差を修正するのに十分迅速な応答を実証した。
【0013】
本開示の態様は、マイケルソン干渉計または顕微鏡のミラーとしての使用に適した改善されたミラー位置合わせデバイスに関連している。改善されたミラー位置合わせデバイスは、1つ以上の運動軸を有している。例示的な実施形態は、可動であり、その運動軸に直交する平面と鋭角を形成する反射ミラー表面を含む。さらなる例示的な実施形態は、可動であり、第1の運動軸に直交する平面と鋭角を形成し、かつ第2の運動軸に対してさらに可動である反射ミラー表面を含む。さらなる例示的な実施形態によれば、そのようなデバイスは、干渉計ミラーアセンブリの一部であり、かつ可動であり、その運動軸に直交する平面と鋭角を形成する入射光路内の第1の反射ミラー表面を含み、さらに、可動であり、その運動軸に直交する平面と鋭角を形成する出射光路内の第2の反射ミラー表面を含む。
【0014】
例示的な実施形態によれば、光ビームを正確に制御するためのミラーアセンブリは、第1の回転軸を含む第1のマウントを含む。第1のミラーは、第1のマウントに結合され、第1の回転軸の平面にほぼ垂直な表面平面を有する反射面を含む。光源は、ビームを反射面に向けるように構成されており、第1のマウントの回転により、ビームをターゲット表面上の第1の制御可能な距離にわたって並進させる。
【0015】
さらなる例示的な実施形態によれば、ミラーアセンブリは、回転軸を備える第2のマウントを含む。第2のミラーは、第2のマウントに結合され、回転軸にほぼ垂直な表面平面を有する反射面を含む。第1のミラーは、ビームを第2のミラーの反射面に向け、第2のマウントの回転により、ターゲット表面上の第2の制御可能な距離にわたってビームを並進させる。
【0016】
さらなる例示的な実施形態によれば、干渉計ミラーアセンブリは、入射および出射光路を規定するビームスプリッタを含む。第1の可動ミラーアセンブリは、少なくとも部分的に当該入射および出射光路のうちの1つに配置され、第1の運動軸を含む第1のマウントを含む。第1のミラーは、第1のマウントに結合され、第1の回転軸にほぼ垂直な表面平面を有する反射面を含む。光源は、ビームを反射面に向けるように構成されており、第1のマウントの回転により、ビームをターゲット表面上の第1の制御可能な距離にわたって並進させる。第2の可動ミラーアセンブリは、少なくとも部分的に当該入射および出射光路のうちのもう一方に配置され、第2の運動軸を含む第2のマウントを含む。第2のミラーは、第2のマウントに結合され、第2の回転軸にほぼ垂直な表面平面を有する反射面を含む。第1のミラーからの反射光は、第2のミラーの反射面に向けられ、第2のマウントの回転により、第1の制御可能な距離に実質的に垂直なターゲット表面上の第2の制御可能な距離にわたってビームを並進させる。
【0017】
本明細書に開示される、これらおよびさらなる特徴および利点は、特定の実施形態の以下の詳細な開示、その図面、および特許請求の範囲からさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の態様による位置合わせ原理の単一ミラー実装を実証する概略図である。
図2】本開示の態様による位置合わせ原理の二重ミラー実装を実証する概略図である。
図3A】本開示の態様によるさまざまなミラー位置合わせ原理を実証する概略図である。
図3B】本開示の態様による追加のミラー位置合わせ原理を実証した図1Aの概略図である。
図3C】本開示の態様によるさらなるミラー位置合わせ原理を実証した図1Aの概略図である。
図4】本開示の態様による追加のミラー位置合わせ原理を実証する概略図である。
図5】本開示の態様によるFTIR干渉計におけるフレクシャ(flexure)ミラーベアリングの例の概略図である。
図6A】本開示の態様による図5のフレクシャミラーベアリングの概略図である。
図6B】本開示の態様によるフレクシャミラーベアリングの代替例の概略図である。
図7】本開示の態様による図6Bのフレクシャミラーベアリングの概略図である。
図8A】本開示の態様による二重フレクシャミラーベアリングの例の斜視図である。
図8B図8Aの二重フレクシャミラーベアリングの右側面図である。
図8C図8Aの二重フレクシャミラーベアリングの左側面図である。
図8D図8Aの二重フレクシャミラーベアリングの上面図である。
図8E図8Aの二重フレクシャミラーベアリングの底面図である。
図8F図8Aの二重フレクシャミラーベアリングの背面図である。
図8G図8Aの二重フレクシャミラーベアリングの正面図である。
図9】本開示の態様による別の二重フレクシャミラーベアリングの斜視図である。
図10】本開示の態様によるFTIR干渉計における可動ミラーアセンブリの別の例の概略図である。
図11】本開示の態様によるFTIR干渉計における可動ミラーアセンブリのさらに別の例の概略図である。
図12】ラマン分光器による位置合わせ原理の二重ミラー実装を実証する概略図である。
図13】レーザ走査によりサンプルマップを作成する際に使用する位置合わせ原理の二重ミラー実装を実証する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面は、開示の例示および/または関係する原理を提示すると理解されるべきである。本開示の知識を有する当業者には明らかであるように、他のデバイス、方法、および特にFTIR干渉計などの科学光学干渉計に使用される機器は、それらの特定の使用によって部分的に決定された構成および構成要素を有するであろう。同様の参照番号は、図面のいくつかの図を通じて、対応する構成部分を指している。
本明細書中の開示の説明において、別段、暗黙的または明示的に理解または記載されない限り、単数で現れる単語は、その複数の同等のものを包含し、複数で現れる単語は、その単数の同等のものを包含することが理解される。さらにまた、別段、暗黙的または明示的に理解または記載しない限り、本明細書に記載された任意の所与の構成要素または実施形態について、その構成要素について列挙された可能な候補または代替物のいずれかが、一般に個々にまたは互いに組み合わせて使用され得ることが理解される。さらに、本明細書で示した図は、必ずしも縮尺通りに描画されておらず、要素のうちのいくつかは、単に明確さのために描画されている場合があることが理解されるべきである。また、対応するかまたは類似する要素を示すために、さまざまな図の中で参照符号が繰り返されている場合がある。さらに、別段、黙示的または明示的に理解または記載されない限り、かかる候補または代替物のいかなる列挙も、単なる図示であり、限定ではないことが理解されるだろう。さらに、別段の指示がない限り、明細書および特許請求の範囲において使用された長さ、幅、深さ、厚さ、角度、期間などの大きさを表す数は、用語「約(about)」によって修飾されるものとして理解されるべきである。
【0020】
したがって、反対の表示がなされない限り、明細書および添付の特許請求の範囲において記載された数値パラメータは、本明細書中に提示された主題によって得られることが求められる、所望の特性に応じて変化することがある近似値である。最低でも、特許請求の範囲に対する均等の原則の適用を限定することを企図しないように、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有意な数字の数に照らして、且つ通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本明細書中に提示された主題の広範な範囲を記載している数値範囲およびパラメータは近似値であるにも関わらず、特定の例に記載された数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、本質的に、それぞれの試験的測定において見られた標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を含有する。
【0021】
干渉計およびそれらの動作は、当業者にはよく知られており、したがって、この説明では詳細に論じられない。しかしながら、一般に、マイケルソン干渉計は干渉計の一種であり、ビームスプリッタ、固定ミラー、入射光用の第1の導管および出射光用の第2の導管が取り付けられた剛性ベースを含む。ビームスプリッタ、固定ミラー、および導管は、従来のマイケルソン干渉計の設計に従って構築および位置決めされている。
【0022】
一般的な動作原理として、線源からの赤外線放射の入力ビームは、第1の導管を通過するように誘導され、ビームスプリッタによって受け取られる。その後、固定ミラーは、ビームスプリッタから固定長の光路上で第1のビームを受け取って返す。後述する可動アセンブリの一部としての調整可能な平面ミラーは、ビームスプリッタから可変長の光路上で第2のビームを受け取って返す。ビームスプリッタと調整可能な平面ミラーの間の第2のビームの光路長は、第1のビームと第2のビームの間の光路差を提供するために1つ以上の制御機器によって生成される。ビームはビームスプリッタで結合され、第2の導管を通過するように誘導され、結果として得られるインターフェログラムを測定できるようにする。しかしながら、この議論はマイケルソン構成に向けられているが、本明細書に開示されるミラーベアリング構成は、当業者に知られているように、他の光学的/機械的機器、例えば顕微鏡にも利用でき、組み合わせによって提供される有益な側面を活用することが望まれることを理解されたい。
【0023】
以下でより詳細に論じるように、例示的な実施形態は、ミラーの表面に対してほぼ垂直な回転軸を有するベアリング上に取り付けられたミラーの回転を使用する。ベアリング上のミラーを小さな角度(例えば、約1度~約20度の回転)で回転させると、反射光ビームに約0.001度~約5度の制御可能な量の傾斜が提供される。傾斜のこの変化は、ミラーの反射面のオフセット角度の向きに応じて、垂直面、水平面、または任意の角度を基準にできる。これにより、1つのベアリングミラーアセンブリに1つの制御軸が提供される。特定の実施形態では、ミラーは、約1度~約20度の角度でベアリング上を回転してもよい。
【0024】
本明細書で使用される際、「約」という用語は、ミラー位置合わせシステムの製造および使用の分野における実際的な、商業エンジニアリング目標、コスト、製造公差、および機能の制約内で、特定の値に近い、またはほぼ特定の値であることを意味する。同様に、本明細書で使用される際、「実質的に」という用語は、実際的な、商業的なエンジニアリング目標、コスト、製造公差、および機能の制約内で、ほとんど、またはほぼ同じであることを意味する。
【0025】
2つの制御軸が必要な場合、つまり、水平(X)方向と垂直(Y)方向の場合、2つの別々のミラーシステムが必要である。あるいは、以下でより詳細に論じられるように、回転軸間にオフセット角度を持つ2つの別々のベアリングシステムを使用して、単一ミラーの2つの制御軸をサポートすることができる。
【0026】
反射光ビームの傾斜の範囲は、ベアリング軸に対して垂直から、例えば1度などの小さな角度でミラーを取り付けることによって制御され、これによって、ベアリング回転が5度で約300秒角の光ビーム傾斜を導入する手法を提供する。より大きな角度、例えば、ベアリング軸に対して垂直から4度ずれている場合、同じ5度のミラー回転により、1200秒角の範囲の制御が導入される。この制御範囲は、システムのニーズに応じて、回転軸からのミラー角度オフセットをほぼゼロから6度以上に変更することにより、広範囲にわたって調整可能である。
【0027】
あるいは、単一ミラーを、2つのベアリングシステムとミラーの反射面との間に約4度の角度オフセットを共に有する2つの異なるベアリングセット上に取り付けることができる。これにより、ベアリングシステムの角度オフセットが互いに90度オフセットされている場合、2つの異なる直交軸での反射光ビームの傾斜を制御できる。各ベアリングには、手動ネジ、電気モータ、ステッピングモータ、またはリニアモータによって制御できる個別の回転制御システムがあり得、単一ミラーでX軸とY軸を独立して制御できる。この2つのベアリング設計は、干渉計以外の複数の用途で使用できる。このようなミラーマウントにより、XとYの小さな移動が必要な多くの精密光学システムで使用できる、低コストの汎用ミラー位置合わせシステムが可能になる。
【0028】
以下でより詳しく論じるように、調整可能な回転ミラーマウントは、DCモータ(例えば、リニアボイスコイルモータもしくは標準の回転モータ)、ステッピングモータ、またはオペレーターによる手動調整によって(例えば、手で調整可能なネジ、ノブ等を介して)制御できる。ミラーの回転軸は、ミラーの中心と同軸にすること、または中心から外れる(例えば、ミラーの側面から離れている)ことができ、これにより、可動ミラー回転ベアリングを複数の異なる位置に取り付けることができる。
【0029】
例示的な実施形態は、単一ミラーの移動の2つのオフセット軸を制御するための2つのモータの使用を含む。各モータは、回転のためのそれぞれの移動軸を有する別個のミラーマウントを駆動することができ、それにより、2つの直交する配向軸に沿ったミラー表面の移動のX、Y制御を提供する。
【0030】
図1を参照すると、例示的な実施形態10は、その反射面106がモータアセンブリ108の回転軸119にほぼ垂直に取り付けられたミラー104を含む。以下でより詳細に論じるように、これにより、レーザなどの光源102からの光103は、ミラーが回転する際の反射光107の角度115の小さな変化で反射される。例えば、ミラー表面106が回転軸119に対して垂直から1度離れて(平行から89度離れて)取り付けられている場合、反射光107は、狭い円錐の形状を有する経路で、およびターゲット領域で見た場合、半径2度の円111a内で移動するスポットをターゲット領域上に生成する。ミラー角度が回転軸119に対して垂直から2度離れて(平行から88度離れて)増加する場合、半径が4度のより大きな円111aが生じる。したがって、ミラー104の回転により、ターゲット表面である円111a上の制御可能な距離にわたって反射光107を移動させることができる。特定の実施形態では、反射光107は、ミラー表面から約300mmのターゲット距離で、円111aのターゲット表面上を約0.1mm~約50mmの距離にわたって移動することができる。
【0031】
特定の実施形態では、ミラー表面は、ミラー表面の並進および回転運動(例えば、回転)を可能にするように実質的に平面である。曲面ミラーを使用することもできるが、曲面ミラーを使用する場合、ミラーの光軸中心とミラーマウントの回転中心を慎重に位置合わせする必要がある。そのため、実質的に平面のミラーを使用する方が簡単であり、典型的な選択肢である。
【0032】
図2を参照すると、別の例示的な実施形態20では、2つのモータ108、114および2つのミラー104、110を使用して、ターゲット領域111bに関連付けられた垂直軸(X、Y)に対する最終反射光113に影響を与えるミラー表面106、112の動きの制御を提供することができる。例えば、第1のミラー104およびモータ108は、1つの軸に沿った最終反射光113の移動に関連付けられ得、一方、第2のミラー110およびモータ114は、他の軸に沿った最終反射光113の移動に関連付けられ得る(例えば、第1のミラー104およびモータ108は、X軸に沿った最終反射光113の移動に影響を与えるように制御され、第2のミラー110およびモータ114は、Y軸に沿った最終反射光113の移動に影響を与えるように制御される)。
【0033】
ミラーは定義された軸上で回転しているため、反射光ビームは、円形の経路を進む。ほとんどの場合、光ビームの望ましい移動は直線形のXまたはY軸の移動であるため、光ビームの経路の曲率は誤差になる。ミラーの回転が+または-5度未満に制限されている場合、光ビームの経路の曲率による誤差は小さく、多くの場合、無視できる。
【0034】
ほとんどの場合、光学システムには2つの制御軸がある。ミラーの回転を約5度未満に制限することにより、最初の制御軸での円曲線により生じる誤差は小さく、他の制御軸での小さな補正で補正できる。この補正は、XY軸制御システムで数学的に計算すること、または動的位置合わせシステムの場合のように閉ループフィードバックを有する制御システムによって自動的に提供することができる。
【0035】
図3Aを参照すると、例示的な実施形態によれば、可動ミラーアセンブリ(例えば、図1に描写されるものなど)は、移動軸105d(例えば、回転)に垂直な軸105cから角度105aを形成する反射面を有する可動ミラー104の表面での反射のために、例えば、レーザビームなどの光ビーム103を提供する光源102を含む。そのような角度105aは既知であり、例えば約4度と小さく、入射光103に対して同様の角度を形成する反射光107を生成する。上述したように、この反射光107は、ミラー表面の角度105aおよびミラー表面の移動(例えば、回転)量に依存する点109bでターゲット領域109に衝突するスポットを生成する。上述のように、このように単一ミラーを使用すると、ミラー表面の現在の回転に応じて、単一軸内での制御が可能になる。ミラーの移動は、典型的には、反射光107を比較的小さな円弧109a内で移動させるように制限されている。
【0036】
ここに見られるように、反射光107は、角度Φだけ偏向される。ミラー104が回転すると、反射光107は、半径r=RΦを有する円の周りを移動する。ミラー104のより小さな回転θにより、反射光107は、x=rΦだけ図3Aの平面に出入りする。
【数1】
【0037】
その結果、角度Φはミラーアセンブリの角度移動を変更する便利な手法であり、角度Φは非常に小さいため、可動ミラーアセンブリの移動範囲を非常に小さくして、反射面からの光ビームの角度の非常に細かい正確な制御を達成できる。
【0038】
反射光107は完全な円の周りを移動しないことを理解されたい。図3Cに見られ、以下で論じられるように、反射光を円弧109aおよび別の円弧111に沿って移動させることが望ましい。これらの小さな円弧は、互いにほぼ垂直で、適度にまっすぐである。円弧109および111は、完全な円の約1/10、またはθmax=157ミリラジアンに沿って延在し得る。このように、可動ミラーアセンブリの最大偏差は、αmax=Φθmaxである。同様に、可動ミラーアセンブリの分解能は、Δα=ΦΔθであり、ここで、Δθは、モータ可動ミラー104の分解能である。
【0039】
角度Φを選択すると、モータの大きな回転で任意の小さな偏差角度αを生成できるため、比較的粗いメカニズムで非常に細かい偏差制御をもたらすことができる。実用的な利点には、小型のステッピングモータの比較的低コスト、およびハードストップまたはリミットスイッチなどの既知の位置にモータを駆動する機能が含まれる。また、本明細書に記載の実施形態では、モータは高精度である必要がないことを理解されたい。
【0040】
より長いモータの場合のように、モータ内でベアリングをより離れて位置決めすることにより、モータシャフトのぐらつきまたは傾斜を減らすことができることを理解されたい。したがって、そのような長いモータは、低コストのベアリングを使用できる。さらに、特定の実施形態では、追加のベアリングを追加することができ、それにより、より低コストのベアリングおよび短いモータを使用することが可能になる。
【0041】
図3Bを参照すると、ミラー表面の反時計回りの回転により、反射光107の衝突点を、その第1の点109bから円弧109内の第2の点109cにさらに変位させる。
【0042】
図3Cを参照すると、例えば約90度だけミラー表面がさらに回転すると、反射光107の衝突点111bが新しい円弧111内に移動し、そこで反射光は実質的に垂直軸に沿って移動する。
【0043】
図4を参照すると、さらなる例示的な実施形態によれば、図2について上述したように、二重ミラーシステムを使用することができる。上述のように、一方の可動ミラー104は、水平方向109の小さな円弧内の移動を制御するために使用できるのに対して、他方のミラー110は、垂直方向111内の小さな円弧内の移動を制御するために使用できる。
【0044】
図5を参照すると、そのような可動ミラーアセンブリは、マイケルソン干渉計などのFTIR干渉分光計、または顕微鏡を含む光学機器で有利に使用することができる。周知の原理によれば、そのようなデバイスは、ビームスプリッタ202を通過し、第1の可動ミラー104aの反射面106aで反射される入射光ビーム103を有する。反射光107はビームスプリッタ202に再び入り、ビームスプリッタ202から反射されて第2の可動ミラー110aから反射された光と結合され、その反射面112aが最終反射光113をターゲット117に向ける。周知のマイケルソン干渉計の原理に従って、第1の可動ミラー104aは、第1の軸133に沿って往復部材132によって往復される。第1の軸133は、第1の軸133に沿った第1のミラー104aの直線移動を提供するので、並進軸である。この往復部材132は、ベース136に固定されたその支持部材134内に配置されたモータ(図示せず)によって制御することができる。ミラー104aの反射面106aは、上述のように垂直からわずかにオフセットされており、往復部材132に実質的に平行に配置された金属ガイドバー142の移動の制御下で回転させることができる。往復部材132に取り付けられた磁石144は、ガイドバー142に結合されたシャフト140を駆動するモータ138の制御下で往復部材132の周りを回転するとき、金属ガイドバー142に引き付けられ、それに追従し、それにより往復部材132をまた、その軸133を中心に回転させる。
【0045】
以下でより詳細に論じるように、第2のミラー110aの移動(例えば、回転による動き)は、反射面112aの平面113cがミラーマウント152によって利用可能な移動(例えば、回転)の軸113eからわずかに角度113aでオフセットされるように、ミラー110aが取り付けられるミラーマウント152を使用することによって達成できる。以下でより詳細に論じるように、そのような移動は、制御アーム156を駆動してミラー取り付けアセンブリ内で移動を生じさせる駆動シャフト155(例えば、ねじ駆動)を備えた(例えば、リニアまたはステッピング)モータ154の使用を通じて誘発できる。例えば、そのような移動は、ミラーマウント152内に組み込まれたフレクシャ153(例えば、ブレードフレクシャ)のようなベアリングの使用を通じてもたらされ得る。
【0046】
図6Aを参照すると、例示的な実施形態によれば、ミラー110aは、取り付けフランジ156aおよびフレクシャ153を介してマウント152に取り付けることができる。次に、マウント152は、例えば、ボルト164などのハードウェアを介して、ベース部材163に固定することができる。ステッピングモータ154の制御下で、ねじ駆動シャフト155の回転は、制御アーム156を第1または第2の方向(例えば、上または下)のいずれかに移動させ、それにより、取り付けられたミラー110aを、取り付けフランジ156aに対するフレクシャ153の位置によって規定される軸の周りに回転させる。制御アーム156に(例えば、各回転ごとに)与えられる移動の量は、ステッピングモータ154内の嵌合ねじと係合する駆動シャフト155上のねじのピッチに従って制御することができる。
【0047】
図6Bおよび図7を参照すると、他の例示的な実施形態によれば、ステッピングモータ154の代わりに、リニアまたはボイスコイルのモータ174を使用してもよい。周知の原理によれば、制御電流の形態の制御信号は、制御ワイヤ175を介してモータ174を駆動し、可変磁場を生成させることができ、これにより、磁石176を第1または第2の方向のいずれか(例えば、上または下)に移動させ、それによって、制御アーム156に同様の移動が与えられる。
【0048】
図8Aを参照すると、例示的な実施形態によれば、第2の可動ミラーアセンブリ(図5)は、ミラーマウント162がブレードフレクシャ153a、153bの二重セットを含む実施形態で実装され得、2つのそれぞれの移動軸周りのミラー110bの反射面の動き(例えば、回転)を可能にする。この例について描写されているように、ミラー110bは、ブレードフレクシャ153bを介して下部マウント部分152aに結合されているミラーマウント162の上部マウント部分152bに取り付けられている。次に、この下部取り付け部分152aは、追加のブレードフレクシャ153aを介して、例えば取り付けスロット165内の取り付けハードウェア(図示せず)を介して固定できるベース164に結合される。ミラー110bは、2つの手法のうちの一方で、上部マウント部分152bに取り付けられてもよい。1つの取り付け技術は、ミラー表面110bの中心を2つの上部フレクシャ153bによって規定される軸と同軸に位置決めし、その場合、上部マウント部分152bの移動により、ミラー110bをそのような同軸軸を中心に回転させる。あるいは、ミラー110bは、その中心が2つのフレクシャ153bによって規定される軸と平行であるが同軸ではない、すなわちオフセットされているように取り付けることができ、その場合、上部マウント部分152bの移動により、2つのフレクシャ153bによって規定される軸の周りのミラー110bの回転を引き起こす。
【0049】
ミラー110bの反射面の動きは、下部駆動要素154a、155a、156aおよび上部駆動要素154b、155b、156bの動作によって制御される。例えば、上部ステッピングモータ154bの動作により、上部駆動シャフト155bは、上部制御アーム156bおよび上部制御アームマウント157bの上向きまたは下向きへの移動を与える。これにより、上部ミラーマウント部分152bは、そのフレクシャ153bによって規定される軸の周りを回転する。したがって、(上述のように)ミラー110bがどのように取り付けられるかに応じて、ミラー110bはそのような軸の周りを回転する。
【0050】
同様に、ミラーの動きは、少なくとも部分的に、その駆動シャフト155a、制御アーム156a、および制御アームマウント157aを介して上向きまたは下向きの移動を生成する下部ステッピングモータ154aによって与えられ、それによって、下部マウント部分152aを、それをベース164に結合するそのフレクシャ153aによって規定される下部軸を中心に回転させる。下部マウント部分152aのこの移動により、ミラー110bを、下部フレクシャ153aによって規定される軸を中心に回転させる。
【0051】
その結果、ミラー110bの反射面の動きは、上部フレクシャ153bによって規定される上部軸の周りの回転として発生し、その上部軸は、ミラー110bの中心と同軸であり得るかまたはオフセットされ得、また、下部フレクシャ153aによって規定される下部軸の周りの回転として発生する。
【0052】
図8Bおよび8Cを参照すると、図8Aの可動ミラーアセンブリの側面図は、下部フレクシャ153aによって規定された回転軸159aが、マウントベース164によって規定された軸159bと平行から角度159だけオフセットされている様子を例示する。また、1つのエッジ(図8Bのビューアーに面する110bのエッジ)をより厚くして、反対側のエッジ(図8Cのビューアーに面する110bのエッジ)をより薄くするように先細りミラー110b構造を使用してミラー110bの反射面112bの角度オフセットを実現する様子も見ることができる。
【0053】
図8Dおよび図8Eを参照すると、可動ミラーアセンブリの上面図(図8D)および下面図(図8E)は、その反射面112bが、取付面112cとの平行から離れて角度161を形成するような、ミラー110bの先細りの性質をさらに例示する。
【0054】
図8Fおよび図8Gを参照すると、背面図(図8F)および正面図(図8G)は、上部152bおよび下部152aマウント部分に対するミラー110bの例示的な取り付け位置を例示する。
【0055】
図9を参照すると、他の実施形態によれば、図8Aの可動ミラーアセンブリは、下部マウント部分152aの移動が下部駆動機構(例えば、リニアまたはボイスコイルモータ174aおよび磁石176a)、および図8Aのアセンブリと同様に、下部制御アーム156aによって制御されるように実装することができる。第2の、または上部のマウント部分152bの動きは、第2の、または上部の駆動機構(例えば、リニアまたはボイスコイルモータ174bおよび磁石176b)ならびに上部制御アーム156bを用いて、下部マウント部分152aに対して制御できる。この実施態様では、上部制御アーム156bおよび制御アームマウント157bを介した上部駆動機構174b、176bは、下部マウント部分152aに対して上部マウント部分152bに動きを与える。上述の例のように、上部マウント部分152bへのミラー110bの取り付けに応じて、下部フレクシャ153aによって規定される軸の周りのミラー110bの回転、または上部フレクシャ153bによって規定される軸の周りのミラー110bの回転をもたらし、これは、ミラー110bの中心と同軸であり得るか、またはミラー110bの中心からオフセットされ得る。
【0056】
図10を参照すると、さらなる例示的な実施形態によれば、図5の干渉計は、第1の可動ミラーアセンブリの代替の実施態様を使用して実装することができる。前述のように、ミラー104a、110aの反射面106a、112aは、それぞれの駆動機構182、114によって与えられる運動軸に直交するそれぞれの軸との平行からわずかにオフセットされた平面を規定する。この実施態様では、第1のリニア駆動アセンブリ181は、ミラー104aに線形移動を与える。第1のリニア駆動アセンブリ181は、磁石184が長手方向軸183に沿って往復運動して可動ミラー104aの長手方向の動きをもたらすように、可変磁場によって動きを与えるリニア駆動モータ182を含む(例えば、米国特許第5,883,712号を参照)。ミラー104aのこの移動は、リニアベアリング188によって支持されたシャフト186を介して与えられる。回転の安定性および移動は、ラジアルカップリングシャフト194を介してシャフト186に取り付けられた磁石192を介して制御される。この可動ミラーアセンブリの動作中、磁石184がリニアモータ182内で往復運動する際、シャフト186をリニアベアリング188内で往復運動させ、回転安定性は、磁石192がシャフト186に平行に延在するガイドレール196に引き付けられることにより維持される。シャフト186の回転制御は、この磁石192およびガイドレール196によって制御され得る。回転が望まれる場合、源(図示せず)からの駆動電流が駆動コイル198に提供され、これにより、ガイドレール196をコイル198の軸199に平行に移動させる。この軸199に平行なこのガイドレール196の小さな移動により、磁石192がそのような移動に追従することをもたらし、それによりシャフト186の回転移動を与える(例えば、米国特許第5,896,197号を参照)。必要な直線移動量が少ない(例えば、約8mm未満である)場合、ガイドレール196を所定の位置に固定し、コイル198からの磁場が、磁石192に直接力を加えて、可動ミラー104aを良好な制御で約2度回転させることができる。場合によっては、その限られた移動量だけで十分である。
【0057】
したがって、少なくとも3つの基本的な例示的な実施形態を実現することができ、そこから当業者は多数の代替変形を実施してもよい。例えば、単一ミラーを(例えば、回転軸を使用して1つの制御軸を与える)単一ベアリング上に取り付けてもよい。この場合、そのように取り付けられた2つのミラーは、X、Y(例えば、水平および垂直の)動き制御をもたらす。また、単一ミラーをリニアラウンドベアリングに取り付けて、(Z軸に沿った)直線移動と(X軸またはY軸制御のいずれかをもたらすための)回転を提供してもよい。干渉計では、第2の平面ミラーを使用して、欠落しているX軸またはY軸制御をもたらすことができるため、マイケルソン干渉計で必要な2軸の傾斜制御と1軸の直線移動が可能になる。
【0058】
図11を参照すると、図10のミラーアセンブリの代替の実施形態が例示されている。この実施形態では、ミラー110aは、図10のミラー104aと同様に可動ミラー110aの長手方向の動きをもたらすために長手方向軸183に沿って往復運動するリニア駆動モータ182および磁石184を備えた第2のリニア駆動アセンブリ197を含む。ミラー110aのこの移動は、リニアベアリング188によって支持されたシャフト186を介して与えられる。回転の安定性および移動は、ラジアルカップリングシャフト194を介してシャフト186に取り付けられた磁石192を介して制御される。この可動ミラーアセンブリの動作中、磁石184がリニアモータ182内で往復運動する際、シャフト186をリニアベアリング188内で往復運動させ、回転安定性は、磁石192がシャフト186に平行に延在するガイドレール196に引き付けられることにより維持される。シャフト186の回転制御は、この磁石192およびガイドレール196によって制御され得る。回転が望まれる場合、源(図示せず)からの駆動電流が駆動コイル198に提供され、これにより、ガイドレール196をコイル198の軸199に平行に移動させる。この軸199に平行なこのガイドレール196の小さな移動により、磁石192がそのような移動に追従することをもたらし、それによりシャフト186の回転移動を与える(例えば、米国特許第5,896,197号を参照)。必要な直線移動量が少ない(例えば、約8mm未満である)場合、ガイドレール196を所定の位置に固定し、コイル198からの磁場が、磁石192に直接力を加えて、可動ミラー110aを良好な制御で約2度回転させることができる。場合によっては、その限られた移動量だけで十分である。
【0059】
可動ミラー104a、110aの長手方向の移動は、上述のリニア駆動モータおよび磁石以外の機構によって実施できることを理解されたい。例えば、長手方向の移動は、2018年7月13日に出願された「Mirror Bearing for Interferometer」と題された米国特許出願第16/034,970号に開示されているように、グラファイトベアリング上のグラファイトを備えた磁気ドライブを使用して実装することができ、その出願の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
本明細書で論じる例示的な実施形態によれば、ミラーが運動軸に対して平行から約89.5度離れて(垂直から0.5度離れて)取り付けられると、ミラーの180度の回転により1度の反射光角度が生じる。1度回転すると、反射光の角度差は0.0175度になる(1度に1度の正弦関数を掛けたもの)。光ビームの傾斜の減少と比較した、ベアリング軸の周りの回転量の比率は、光学ギア比と呼ぶことができ、この場合、約57:1である。ミラー角度が回転軸に対して平行から89.0度離れて(垂直から1.0度離れて)2倍になった場合、1度の回転で2度の反射光角度差と、0.034度の反射光角度差(2度に1度の正弦関数を掛けたもの)が生じ、これは約28:1の光学ギア比を生じる。この光学ギア比は、ミラーアセンブリが低コストのモータを使用して、多くの光学システムで必要とされる小さな角度の変化を非常に細かく制御できるようにする方法に良い感触を与える。
【0061】
上記のように、そのようなミラーアセンブリは、干渉計以外のデバイスで使用できる。図12に見られるように、2つのミラーを備えたミラーアセンブリが、ラマン分光器に実装されている。
【0062】
レーザからの光は、光ファイバ200によってシステムに導入され、レンズ202によってコリメートされて、レーザビーム203を生成する。第1のミラー204および第2のミラー206はそれぞれ、それらの表面が、それらが接続されるモータ210のシャフト208のベアリング軸に垂直な平面に対して角度を成すように、上述のように取り付けられ得る。モータ210はステッピングモータであってもよいことを理解されたい。第1のミラー204および第2のミラー206は、それらが2つの直交軸に沿って可変偏差を生成するように取り付けられてもよい。これは、レーザビーム203の2軸偏差を提供する。
【0063】
レーザビーム203は、ダイクロイックフィルタ212によって反射され得、メインビーム経路214を形成し、これは、レンズ216によってサンプル218に集束され得る。(例えば、ラマン散乱による)サンプルからの散乱光は、同じビーム経路214に沿って戻り、ダイクロイックフィルタ212を通過してビーム220を形成し得、このビーム220は、次いで、第2のダイクロイックフィルタ222を通過し、レンズ224によって第2の光ファイバ226に集束される。
【0064】
ラマン分光法を用いた実験を効果的に行うには、レーザビーム203と戻りのメインビーム経路214が、ミリラジアン以内に平行でなければならない。第1のミラー204および第2のミラー206は、上述のようにこの位置合わせを達成することを可能にし、ソフトウェア制御下で操作することができる。
【0065】
ラマン分光法用の2つのミラーを備えたミラーアセンブリを使用する可能な実施形態は、以下のように機能する。ラマン散乱を生成することが知られているサンプルは、サンプル218にある。ラマン散乱の強度は、光ファイバ226を分光器に結合することにより、光ファイバ226において測定される。モータ210は、ラマン散乱強度が最大になるまで、第1のミラー204および第2のミラー206を回転させるように作動される。
【0066】
図13に見られるように、2つのミラーを有する追加のミラーアセンブリが、レーザスキャナでマッピングするために実装される。そのような実施形態は、上述のように、図12で上に見られるアセンブリを、レーザを分光器に位置合わせする手段として使用する。この実施形態は、レーザ走査によってサンプルマップを作成する特徴を追加する。
【0067】
歴史的に、高解像度レーザ走査マップは、ピエゾチップチルトミラーを使用して、または2つの検流計のセットを使用して作成されてきた。しかしながら、これらの方法は一般的に高価である。本明細書に開示される実施形態は、(ミラーがモータのシャフトに取り付けられる角度に応じて)かなり高い画像解像度を可能にするが、非常に低コストである。このシステムを魅力的なものにしているのは、高解像度と低コストのこの組み合わせである。
【0068】
本実施形態は、サンプル上でレーザを走査し、ピクセルごとに画像を構築することによって機能する。これは、既存のステージを使用してサンプルをマップできない場合に役立つ。さらに、サンプルが速い動きに敏感な場合は、サンプルを移動するのではなく、レーザを走査してマッピングする方が有利であり得る。
【0069】
この実施形態では、レーザビーム220の一部は、エッジフィルタ230によって反射されて、リレー望遠鏡234に伝達されるレーザビーム232を生成することができる。レーザビーム232は、ミラー236を介して反射され得るか、またはリレー望遠鏡234に直接伝達され得る。ビーム232の角度は、第3のミラー238および第4のミラー240を用いて上記のように制御され得る。第3のミラー238および第4のミラー240はそれぞれ、それらの表面が、それらが接続されるモータ210のシャフト208のベアリング軸に垂直な平面に対して角度が付けられるように、上述のように取り付けられ得る。モータ210はステッピングモータであってもよいことを理解されたい。第3のミラー238および第4のミラー240は、2つの直交軸に沿って可変偏差を生成するように取り付けられてもよい。これは、レーザビーム232の2軸偏差を提供する。
【0070】
レーザビーム232は、第4のミラー240からリレー望遠鏡234に進み、リレー望遠鏡234は、第1のリレーレンズ242および第2のリレーレンズ244を含み得る。次に、レーザビーム232は、第1のリレーレンズ242および第2のリレーレンズ244を通って進み、対物レンズ248を通ってサンプル250へとミラー246によって反射され得る。
【0071】
第1のリレーレンズ242および第2のリレーレンズ244のそれぞれは、焦点距離fを有する。リレー望遠鏡234は、角度が変化すると、4*f離れたスポットを同じスポットにマッピングする。したがって、この実施形態では、第3のミラー238と第4のミラーとの間の任意のスポット252は、対物レンズ248のバックアパーチャ254からの距離4*fに設定される。次に、リレー望遠鏡234は、任意のスポット252とバックアパーチャ254の間の中心に配置される。
【0072】
第3のミラー238および第4のミラー240は、信号またはトリガをスペクトルカメラ260に送信することができるコントローラ256によって制御され得、DXRxiスタイルのデータ収集が実行されることを可能にすることを理解されたい。各ピクセルで停止して取得するのではなく、スペクトルカメラ260は、第3のミラー238と第4のミラー240が動いている間にデータを取得している。PC260または他の適切なコンピュータが、例えば、USB接続または他の適切な接続によって、コントローラ256に接続され得ることを理解されたい。
【0073】
したがって、回転軸に対するミラー角度の変動は、利用可能な光学ギア比に変動をもたらすことができ、それにより、低コストのモータの使用に関連することが多い速度と誤差の低減の制御を可能にしながら、望遠鏡、顕微鏡、および干渉計などの多くの光学システムで必要な小さな光角度調整に対してより正確で細かい制御を実現する。言い換えると、速度と制御範囲が多少減少する可能性はあるが、光学ギア比を大きくすると、制御速度の減少を犠牲にして剛性と制御が向上する。さらに、小さいオフセット角度を使用することにより、光学ギア比は、より低い精度およびより低い剛性の駆動モータの使用を可能にし、それによってコストを削減する。光学ギア比によってもたらされる剛性と細かい制御の向上により、移動中の車両などの高振動環境での操作と制御を改善できる。また、図2に関して上述したような二重のモータおよびミラーシステムは、小さな物体またはサンプルで望遠鏡または顕微鏡の正確な照準を可能にすることができる。さらに、ミラーとモータの複数の「Z折り」構成が光学システム内の利用可能なスペースに配置されているシステムなど、光学システムのさまざまな部分を互いに位置合わせ(複数可)することができる。
【0074】
本明細書に開示されたミラーアセンブリは、コンピュータまたはプロセッサ(図示せず)を介して制御され得、これは、アクチュエータ、コントロールアームなどを所望の方向(複数可)に移動させるように、モータアセンブリに所望の方向(複数可)および所望の量(複数可)の電流(複数可)ならびに必要に応じて他の制御信号を選択的に提供するように構成されている、専用のコンピューティングデバイス、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された適切なコンピュータ実行可能命令で特別にプログラムされたコンピューティングデバイス、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路などであり得る。適切な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、機械/コンピュータによって読み取られ(すなわち、走査/検知され)得、機械/コンピュータのハードウェアおよび/またはソフトウェアによって解釈され得る形式で提供される符号化情報を有するものを含む。特に、コンピュータ可読記憶媒体としては、ローカルハードディスク、フロッピーディスク、CD-ROMまたはDVD、RAM、ROM、USBメモリデバイス、およびリモートメモリ記憶デバイスを含むローカルまたはリモートメモリ記憶デバイスを挙げることができる。コンピュータまたはプロセッサはまた、1つもしくは複数の他の分析機器、ならびに表示画面、プリンタなどの出力デバイス、および/またはキーボード、ポインティングデバイス、スタイラス、タッチスクリーン、ネットワーク接続などなどの1つもしくは複数の入力デバイスに電子的に結合されてもよい。したがって、本明細書に開示されるミラーベアリングに結合されたコンピュータまたはプロセッサは、ミラーベアリングの制御を組織化することができ、これは、上述したように干渉計に組み込むことができる。
【0075】
本開示の全体的な態様は、干渉計などの分析機器用の可動ミラーアセンブリを対象とする。本開示から得られた知識を有する当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、これらおよび他の利点を達成するために開示されたデバイスおよび方法にさまざまな変更を行うことができることを認識する。したがって、本明細書に記載の特徴は、変更または置換を受けやすいことを理解されたい。本明細書に例示および記載される特定の実施形態は、例示のみを目的としており、添付の特許請求の範囲に規定される主題を限定するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図9
図10
図11
図12
図13