(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】仕訳作成装置、仕訳作成方法、および仕訳作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240328BHJP
【FI】
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2021041747
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020056326
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 和茂
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-032765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える仕訳作成装置であって、
回収予定番号、事業所、部門、および回収予定金額を管理する回収予定データテーブルと、
入金番号、事業所、部門、金種、および入金金額を管理する入金データテーブルと、
入金消込番号、入金番号、事業所、部門、回収予定番号、および入金消込金額を管理する入金消込データテーブルと、
支払予定番号、事業所、部門、支払予定金額を管理する支払予定データテーブルと、
支払番号、事業所、部門、金種、および支払金額を管理する支払データテーブルと、
支払消込番号、支払番号、事業所、部門、支払予定番号、および支払消込金額を管理する支払消込データテーブルと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
1)
入金番号、金種として手形が設定されている
前記入金データテーブルの入金レコード、当該入金レコードに
含まれる前記入金番号に紐付く
前記入金消込データテーブルの入金消込レコード、および当該入金消込レコードに
含まれる回収予定番号に紐付く
前記回収予定データテーブルの回収予定レコードを基に、債権の発生に関係する
前記回収予定レコードに含まれる事業所と部門、入金と入金消込の発生に関係する
前記入金レコード及び前記入金消込レコードに含まれる事業所と部門、および、各レコード内の各金額が部門が受け取った受取手形に対するものであることを、それぞれ認識して、受取手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として
所定の前記受取手形の振出日が他方の仕訳データには発生日として
所定の前記受取手形の受取期日が格納されているものを作成する処理と、2)
支払番号、金種として手形が設定されている
前記支払データテーブルの支払レコード、当該支払レコードに
含まれる支払番号に紐付く
前記支払消込データテーブルの支払消込レコード、および当該支払消込レコードに
含まれる支払消込番号に紐付く
前記支払予定データテーブルの支払予定レコードを基に、債務の発生に関係する前記
支払予定レコードに含まれる事業所と部門、支払と支払消込の発生に関係する
前記支払レコード及び前記支払消込レコードに含まれる事業所と部門、及び、各レコード内の各金額が部門が振り出した支払手形に対するものであることを、それぞれ認識して、支払手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として
所定の支払手形の振出日が他方の仕訳データには発生日として
所定の支払手形の支払期日が格納されているものを作成する処理と、を実行する作成手段
を備えること、
を特徴とする仕訳作成装置。
【請求項2】
前記制御部は、1)の処理で認識した部門と事業所に振替えるために、
受取手形の振出における部門の振替仕訳として、借方に勘定科目を「受取手形」、債権の発生に関係する前記回収予定レコードの事業所と部門、及び、前記回収予定レコードの前記事業所と前記部門に対応する前記回収予定レコードに含まれる金額を前記事業所と前記部門毎に合計して仕訳データに格納し、貸方に勘定科目を「受取手形」、入金の発生に関係する前記入金レコードに含まれる事業所と部門、及び、前記入金レコードに含まれる前記事業所と前記部門に対応する前記入金レコードに含まれる金額を仕訳データに格納し、
受取手形の期日到来における部門の振替仕訳として、借方に勘定科目を「受取手形」、入金消込の発生に関係する前記入金消込レコードに含まれる事業所と部門及び前記入金消込レコードに含まれる前記事業所と前記部門に対応する前記入金消込レコードに含まれる金額を仕訳データに格納し、貸方に勘定科目を「受取手形」、債権の発生に関係する前記回収予定レコードの事業所と部門及び前記回収予定レコードの前記事業所と前記部門に対応する前記回収予定レコードに含まれる金額を前記事業所と前記部門毎に合計して仕訳データに格納する請求項1に記載の仕訳作成装置。
【請求項3】
前記制御部は、2)の処理で認識した部門と事業所に振替えるために、
支払手形の振出における部門の振替仕訳として、借方に勘定科目を「支払手形」、支払の発生に関係する前記支払レコードに含まれる事業所と部門、及び、前記支払レコードに含まれる前記事業所と前記部門に対応する前記支払レコードに含まれる金額を仕訳データに格納し、貸方に勘定科目を「支払手形」、債務の発生に関係する前記支払予定レコードの事業所と部門、及び、前記支払予定レコードの前記事業所と前記部門に対応する前記支払予定レコードに含まれる金額を前記事業所と前記部門毎に合計して仕訳データに格納し、
支払手形の期日到来における部門の振替仕訳として、借方に勘定科目を「支払手形」、債務の発生に関係する前記支払予定レコードの事業所と部門、及び、前記支払予定レコードの前記事業所と前記部門に対応する前記支払予定レコードに含まれる金額を前記事業所と前記部門毎に合計して仕訳データに格納し、貸方に勘定科目を「支払手形」、支払消込の発生に関係する前記支払消込レコードに含まれる事業所と部門及び前記支払消込レコードの前記事業所と前記部門に対応する前記支払消込レコードに含まれる金額を仕訳データに格納する請求項1に記載の仕訳作成装置。
【請求項4】
回収予定番号、事業所、部門、および回収予定金額を管理する回収予定データテーブルと、入金番号、事業所、部門、金種、および入金金額を管理する入金データテーブルと、入金消込番号、入金番号、事業所、部門、回収予定番号、および入金消込金額を管理する入金消込データテーブルと、支払予定番号、事業所、部門、支払予定金額を管理する支払予定データテーブルと、支払番号、事業所、部門、金種、および支払金額を管理する支払データテーブルと、支払消込番号、支払番号、事業所、部門、支払予定番号、および支払消込金額を管理する支払消込データテーブルと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置の前記制御部が、
1)
入金番号、金種として手形が設定されている
前記入金データテーブルの入金レコード、当該入金レコードに
含まれる前記入金番号に紐付く
前記入金消込データテーブルの入金消込レコード、および当該入金消込レコードに
含まれる回収予定番号に紐付く
前記回収予定データテーブルの回収予定レコードを基に、債権の発生に関係する
前記回収予定レコードに含まれる事業所と部門、入金と入金消込の発生に関係する
前記入金レコード及び前記入金消込レコードに含まれる事業所と部門、および、各レコード内の各金額が部門が受け取った受取手形に対するものであることを、それぞれ認識して、受取手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として
所定の前記受取手形の振出日が他方の仕訳データには発生日として
所定の前記受取手形の受取期日が格納されているものを作成する処理と、2)
支払番号、金種として手形が設定されている
前記支払データテーブルの支払レコード、当該支払レコードに
含まれる支払番号に紐付く
前記支払消込データテーブルの支払消込レコード、および当該支払消込レコードに
含まれる支払消込番号に紐付く
前記支払予定データテーブルの支払予定レコードを基に、債務の発生に関係する前記
支払予定レコードに含まれる事業所と部門、支払と支払消込の発生に関係する
前記支払レコード及び前記支払消込レコードに含まれる事業所と部門、及び、各レコード内の各金額が部門が振り出した支払手形に対するものであることを、それぞれ認識して、支払手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として
所定の支払手の振出日が他方の仕訳データには発生日として
所定の支払手形の支払期日が格納されているものを作成する処理と、含む作成ステップ
を実行することを特徴とする仕訳作成方法。
【請求項5】
回収予定番号、事業所、部門、および回収予定金額を管理する回収予定データテーブルと、入金番号、事業所、部門、金種、および入金金額を管理する入金データテーブルと、入金消込番号、入金番号、事業所、部門、回収予定番号、および入金消込金額を管理する入金消込データテーブルと、支払予定番号、事業所、部門、支払予定金額を管理する支払予定データテーブルと、支払番号、事業所、部門、金種、および支払金額を管理する支払データテーブルと、支払消込番号、支払番号、事業所、部門、支払予定番号、および支払消込金額を管理する支払消込データテーブルと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置の前記制御部を、
1)
入金番号、金種として手形が設定されている
前記入金データテーブルの入金レコード、当該入金レコードに
含まれる前記入金番号に紐付く
前記入金消込データテーブルの入金消込レコード、および当該入金消込レコードに
含まれる回収予定番号に紐付く
前記回収予定データテーブルの回収予定レコードを基に、債権の発生に関係する
前記回収予定レコードに含まれる事業所と部門、入金と入金消込の発生に関係する
前記入金レコード及び前記入金消込レコードに含まれる事業所と部門、および、各レコード内の各金額が部門が受け取った受取手形に対するものであることを、それぞれ認識して、受取手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として
所定の前記受取手形の振出日が他方の仕訳データには発生日として
所定の前記受取手形の受取期日が格納されているものを作成する処理と、2)
支払番号、金種として手形が設定されている
前記支払データテーブルの支払レコード、当該支払レコードに
含まれる支払番号に紐付く
前記支払消込データテーブルの支払消込レコード、および当該支払消込レコードに
含まれる支払消込番号に紐付く
前記支払予定データテーブルの支払予定レコードを基に、債務の発生に関係する前記
支払予定レコードに含まれる事業所と部門、支払と支払消込の発生に関係する
前記支払レコード及び前記支払消込レコードに含まれる事業所と部門、及び、各レコード内の各金額が部門が振り出した支払手形に対するものであることを、それぞれ認識して、支払手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として
所定の支払手の振出日が他方の仕訳データには発生日として
所定の支払手形の支払期日が格納されているものを作成する処理と、を実行する作成手段
として機能させるための仕訳作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕訳作成装置、仕訳作成方法、および仕訳作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、手形の部門管理を実現するためには、同一券面の手形の場合でも伝票計上を部門毎に分けて運用する必要があった。
【0003】
なお、特許文献1には、会計システムにおける電子記録債権にかかる債権債務の消込処理を支援するための電子記録債権受付装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発生部門の数に比例して登録業務や手形管理業務が煩雑となる問題を抱えていた。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、入金時に発生した手形情報や支払時に発生した手形情報を基に、仕訳上において部門管理(手形の部門分割)を可能とする仕訳作成装置、仕訳作成方法、および仕訳作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る仕訳作成装置は、制御部を備える仕訳作成装置であって、回収予定番号、事業所、部門、および回収予定金額を管理する回収予定データテーブルと、入金番号、事業所、部門、金種、および入金金額を管理する入金データテーブルと、入金消込番号、入金番号、事業所、部門、回収予定番号、および入金消込金額を管理する入金消込データテーブルと、支払予定番号、事業所、部門、支払予定金額を管理する支払予定データテーブルと、支払番号、事業所、部門、金種、および支払金額を管理する支払データテーブルと、支払消込番号、支払番号、事業所、部門、支払予定番号、および支払消込金額を管理する支払消込データテーブルと、にアクセス可能であり、前記制御部は、1)金種として手形が設定されている入金レコード、当該入金レコードに紐付く入金消込レコード、および当該入金消込レコードに紐付く回収予定レコードを基に、債権の発生に関係する事業所と部門、入金と入金消込の発生に関係する事業所と部門、および、各レコード内の各金額が部門が受け取った受取手形に対するものであることを、それぞれ認識して、受取手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として振出日が他方の仕訳データには発生日として期日が格納されているものを作成する処理と、2)金種として手形が設定されている支払レコード、当該支払レコードに紐付く支払消込レコード、および当該支払消込レコードに紐付く支払予定レコードを基に、債務の発生に関係する事業所と部門、支払と支払消込の発生に関係する事業所と部門、および、各レコード内の各金額が部門が振り出した支払手形に対するものであることを、それぞれ認識して、支払手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として振出日が他方の仕訳データには発生日として期日が格納されているものを作成する処理と、を実行する作成手段を備えること、を特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係る仕訳作成方法は、回収予定番号、事業所、部門、および回収予定金額を管理する回収予定データテーブルと、入金番号、事業所、部門、金種、および入金金額を管理する入金データテーブルと、入金消込番号、入金番号、事業所、部門、回収予定番号、および入金消込金額を管理する入金消込データテーブルと、支払予定番号、事業所、部門、支払予定金額を管理する支払予定データテーブルと、支払番号、事業所、部門、金種、および支払金額を管理する支払データテーブルと、支払消込番号、支払番号、事業所、部門、支払予定番号、および支払消込金額を管理する支払消込データテーブルと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置の前記制御部が、1)金種として手形が設定されている入金レコード、当該入金レコードに紐付く入金消込レコード、および当該入金消込レコードに紐付く回収予定レコードを基に、債権の発生に関係する事業所と部門、入金と入金消込の発生に関係する事業所と部門、および、各レコード内の各金額が部門が受け取った受取手形に対するものであることを、それぞれ認識して、受取手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として振出日が他方の仕訳データには発生日として期日が格納されているものを作成する処理と、2)金種として手形が設定されている支払レコード、当該支払レコードに紐付く支払消込レコード、および当該支払消込レコードに紐付く支払予定レコードを基に、債務の発生に関係する事業所と部門、支払と支払消込の発生に関係する事業所と部門、および、各レコード内の各金額が部門が振り出した支払手形に対するものであることを、それぞれ認識して、支払手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として振出日が他方の仕訳データには発生日として期日が格納されているものを作成する処理と、含む作成ステップを実行することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係る仕訳作成プログラムは、回収予定番号、事業所、部門、および回収予定金額を管理する回収予定データテーブルと、入金番号、事業所、部門、金種、および入金金額を管理する入金データテーブルと、入金消込番号、入金番号、事業所、部門、回収予定番号、および入金消込金額を管理する入金消込データテーブルと、支払予定番号、事業所、部門、支払予定金額を管理する支払予定データテーブルと、支払番号、事業所、部門、金種、および支払金額を管理する支払データテーブルと、支払消込番号、支払番号、事業所、部門、支払予定番号、および支払消込金額を管理する支払消込データテーブルと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置の前記制御部を、1)金種として手形が設定されている入金レコード、当該入金レコードに紐付く入金消込レコード、および当該入金消込レコードに紐付く回収予定レコードを基に、債権の発生に関係する事業所と部門、入金と入金消込の発生に関係する事業所と部門、および、各レコード内の各金額が部門が受け取った受取手形に対するものであることを、それぞれ認識して、受取手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として振出日が他方の仕訳データには発生日として期日が格納されているものを作成する処理と、2)金種として手形が設定されている支払レコード、当該支払レコードに紐付く支払消込レコード、および当該支払消込レコードに紐付く支払予定レコードを基に、債務の発生に関係する事業所と部門、支払と支払消込の発生に関係する事業所と部門、および、各レコード内の各金額が部門が振り出した支払手形に対するものであることを、それぞれ認識して、支払手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として振出日が他方の仕訳データには発生日として期日が格納されているものを作成する処理と、を実行する作成手段として機能させるための仕訳作成プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入金時に発生した手形情報や支払時に発生した手形情報を基に、仕訳上において部門管理(手形の部門分割)を可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、仕訳作成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、回収予定データ106aの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、入金ヘッダデータ106bの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、入金明細データ106cの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、入金消込ヘッダデータ106dの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、入金消込明細データ106eの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、支払予定データ106fの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、支払ヘッダデータ106gの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、支払明細データ106hの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、支払消込ヘッダデータ106iの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、支払消込明細データ106jの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、仕訳作成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、受取手形に対し本実施形態で作成される仕訳等の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、支払手形に対し本実施形態で作成される仕訳等の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る仕訳作成装置、仕訳作成方法、および仕訳作成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[1.構成、および、処理の具体例]
ここでは、本実施形態に係る仕訳作成装置100の構成等の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、仕訳作成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
仕訳作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、仕訳作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0015】
仕訳作成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。仕訳作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0016】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、仕訳作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、仕訳作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0017】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0018】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0019】
記憶部106には、例えば、回収予定データ106a(テーブル)、入金ヘッダデータ106b(テーブル)、入金明細データ106c(テーブル)、入金消込ヘッダデータ106d(テーブル)、入金消込明細データ106e(テーブル)、支払予定データ106f(テーブル)、支払ヘッダデータ106g(テーブル)、支払明細データ106h(テーブル)、支払消込ヘッダデータ106i(テーブル)、支払消込明細データ106j(テーブル)、および仕訳データ106k(テーブル)などが格納される。
【0020】
ここで、回収予定データ106aは、本発明の回収予定データテーブルに相当する。回収予定データ106aに格納される各レコードは、本発明の回収予定レコードに相当する。回収予定データ106aの具体例は、
図2を参照されたい。回収予定データ106aは、例えば販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)が有する売上計上処理機能により売上データと紐付けて作成・管理されるものでもよい。
【0021】
入金ヘッダデータ106bおよび入金明細データ106cは、概念的に本発明の入金データテーブルに包含されるものである。入金ヘッダデータ106bおよび入金明細データ106cのそれぞれに格納される各レコードは、概念的に本発明の入金レコードに包含されるものである。入金ヘッダデータ106bおよび入金明細データ106cの具体例は、
図3,4を参照されたい。入金ヘッダデータ106bおよび入金明細データ106cは、例えば販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)が有する入金入力機能により作成・管理されるものでもよい。入金明細データ106cで管理される金種は、例えば、手形の他、現金、小切手、振込などが挙げられる。
【0022】
入金消込ヘッダデータ106dおよび入金消込明細データ106eは、概念的に本発明の入金消込データテーブルに包含されるものである。入金消込ヘッダデータ106dおよび入金消込明細データ106eのそれぞれに格納される各レコードは、概念的に本発明の入金消込レコードに包含されるものである。入金消込ヘッダデータ106dおよび入金消込明細データ106eの具体例は、
図5,6を参照されたい。入金消込ヘッダデータ106dおよび入金消込明細データ106eは、例えば販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)が有する入金入力機能により作成・管理されるものでもよい。
【0023】
支払予定データ106fは、本発明の支払予定データテーブルに相当する。支払予定データ106fに格納される各レコードは、本発明の支払予定レコードに相当する。支払予定データ106fの具体例は、
図7を参照されたい。支払予定データ106fは、例えば販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)が有する仕入計上処理機能により仕入データと紐付けて作成・管理されるものでもよい。
【0024】
支払ヘッダデータ106gおよび支払明細データ106hは、概念的に本発明の支払データテーブルに包含されるものである。支払ヘッダデータ106gおよび支払明細データ106hのそれぞれに格納される各レコードは、概念的に本発明の支払レコードに包含されるものである。支払ヘッダデータ106gおよび支払明細データ106hの具体例は、
図8,9を参照されたい。支払ヘッダデータ106gおよび支払明細データ106hは、例えば販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)が有する支払入力機能により作成・管理されるものでもよい。支払明細データ106hで管理される金種は、例えば、手形の他、現金、小切手、振込などが挙げられる。
【0025】
支払消込ヘッダデータ106iおよび支払消込明細データ106jは、概念的に本発明の支払消込データテーブルに包含されるものである。支払消込ヘッダデータ106iおよび支払消込明細データ106jのそれぞれに格納される各レコードは、概念的に本発明の支払消込レコードに包含されるものである。支払消込ヘッダデータ106iおよび支払消込明細データ106jの具体例は、
図10,11を参照されたい。支払消込ヘッダデータ106iおよび支払消込明細データ106jは、例えば販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)が有する支払入力機能により作成・管理されるものでもよい。
【0026】
仕訳データ106kに格納される各レコードは、本発明の仕訳データに相当する。仕訳データ106kに格納される各レコードで管理される仕訳に関する情報は、
図13,14の各図の下段に記されている各仕訳(「本実施形態」というタイトルと関連付けて記されている各仕訳)を参照されたい。
【0027】
図1に戻り、制御部102は、仕訳作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、作成部102aなどを備える。作成部102aは、本発明の作成手段に相当する。なお、作成部102aで行われる仕訳作成処理の一例を示すフローチャートは、
図12を参照されたい。
【0028】
作成部102aは、「金種として手形が設定されている入金明細レコードおよび当該レコードに紐付く入金ヘッダレコード」、「当該入金明細レコードまたは当該入金ヘッダレコード内の入金伝票Noに紐付く入金消込ヘッダレコードおよび当該レコードに紐付く入金消込明細レコード」、ならびに、「当該入金消込明細レコード内の回収予定Guidに紐付く回収予定レコード」を基に、「債権の発生に関係する事業所と部門」、「入金と入金消込の発生に関係する事業所と部門」、および、「各レコード内の各金額が、部門が受け取った受取手形に対するものであること」を、それぞれ認識して、少なくとも、受取手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として振出日が他方の仕訳データには発生日として期日が格納されているもの(
図13の下段に記されている振出仕訳(2)と期日到来仕訳(3)に相当)を作成し、当該作成した仕訳データを仕訳データ106kに格納する処理を実行する。なお、作成部102aは、さらに、売掛の消込に係る消込仕訳データ(
図13の下段に記されている消込仕訳(1)に相当)を作成し、仕訳データ106kに格納してもよい。また、作成部102aは、さらに、期日到来仕訳データ(
図13の下段に記されている期日到来仕訳(4)に相当)を作成し、仕訳データ106kに格納してもよく、また、例えば手形システム(アプリケーションソフトウェア)と連携して、当該手形システムで作成された期日到来仕訳データ(
図13の下段に記されている期日到来仕訳(4)に相当)を取り込んで仕訳データ106kに格納してもよい。
【0029】
また、作成部102aは、「金種として手形が設定されている支払明細レコードおよび当該レコードに紐付く支払ヘッダレコード」、「当該支払明細レコードまたは当該支払ヘッダレコード内の支払伝票Noに紐付く支払消込ヘッダレコードおよび当該レコードに紐付く支払消込明細レコード」、ならびに、「当該支払消込明細レコード内の支払予定Guidに紐付く支払予定レコード」を基に、「債務の発生に関係する事業所と部門」、「支払と支払消込の発生に関係する事業所と部門」、および、「各レコード内の各金額が部門が振り出した支払手形に対するものであること」を、それぞれ認識して、少なくとも、支払手形の部門振替に係る2つの仕訳データであって互いに貸借が反転しており且つ一方の仕訳データには発生日として振出日が他方の仕訳データには発生日として期日が格納されているもの(
図14の下段に記されている振出仕訳(2)と期日到来仕訳(3)に相当)を作成し、当該作成した仕訳データを仕訳データ106kに格納する処理を実行する。なお、作成部102aは、さらに、買掛の消込に係る消込仕訳データ(
図14の下段に記されている消込仕訳(1)に相当)を作成し、仕訳データ106kに格納してもよい。また、作成部102aは、さらに、期日到来仕訳データ(
図14の下段に記されている期日到来仕訳(4)に相当)を作成し、仕訳データ106kに格納してもよく、また、例えば手形システム(アプリケーションソフトウェア)と連携して、当該手形システムで作成された期日到来仕訳データ(
図14の下段に記されている期日到来仕訳(4)に相当)を取り込んで仕訳データ106kに格納してもよい。
【0030】
[2.本実施形態のまとめ]
部門別損益を適切に把握する上で、「社内金利制度」を設ける業務運用がある。特に、古い商習慣が残る業界(例えば鉄鋼業界など)では、手形を用いた取引運用が多いため、部門別の手形取引量に応じた社内金利制度を設ける業務運用がある。ここで、社内金利とは、事業部等の業績評価を行うにあたって、会社資金使用量の多寡を業績に反映させるために擬似的に付す金利のことである。例えば、全く同様の営業利益を計上している2つの事業があったとした場合でも、一つの事業が在庫等で多額の資金を使用している事業である場合、会社全体としては資金を使用していない事業の方を高く評価するべきであると考えられるため、このような資金使用量の多寡を業績評価に数値として反映させるための仕組みが社内金利制度である。
【0031】
そして、この業務運用に対応するには、受取手形や支払手形を、会計システム(アプリケーションソフトウェア)上、部門管理する科目として保持し、発生金額を部門別に捉える必要があるが、この必要性に対し、会計システムのオプションとしての手形管理システム(アプリケーションソフトウェア)にて対応するのが一般的であった。
【0032】
しかし、この一般的なシステム対応には、以下の2点の課題があった。
(1)販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)上で手形に対し付与できる部門情報は伝票単位となるため、部門ごとに券面を分ける必要が生じるが、販売管理システムから手形管理システムにデータ連携を行う際に券面を統合することができないので、手形管理システムにおいて個別の管理を行う必要があった。
(2)手形管理システムでは、手形の券面単位で顛末管理を行うものの、一つの券面に対し保持できる部門情報は一つのみであるので、手形顛末の仕訳生成の際、一つの部門情報で仕訳を起票することしかできず、故に、振替仕訳を別途起票する必要があった。
【0033】
本実施形態によれば、入金時に発生した手形情報や支払時に発生した手形情報を基に、仕訳上において部門管理(手形の部門分割)を可能とする。本実施形態は、手形(でんさいを含む)の券面別管理と、B/S科目の独立採算管理を可能とするための、手形科目の部門分割機能に関するものである。具体的には以下の2点の機能にて実現する。一つ目は、手形の消込対象となる売掛金・買掛金の発生部門を基に自動的に部門分割を行う機能である。二つ目は、手形の顛末管理運用のため、手形期日到来を想定した振替仕訳を自動生成する機能である。本実施形態により、下記効果が見込まれる。手形管理について、券面別の顛末管理を行うことで多重管理から解放される。財務会計について、B/S科目に部門を付与することで部門別の独立採算管理が可能となる。与信管理について、部門別の手形未決済額を加味して与信管理を行うことが可能となる。
【0034】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0035】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0036】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0037】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0038】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0039】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0040】
また、仕訳作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0041】
例えば、仕訳作成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて仕訳作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0042】
また、このコンピュータプログラムは、仕訳作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0043】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0044】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0045】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0046】
また、仕訳作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、仕訳作成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0047】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、特に、商社・鉄鋼などの、手形業務があり部門別の独立採算管理を行っている企業などにおいて有用である。
【符号の説明】
【0049】
100 仕訳作成装置
102 制御部
102a 作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 回収予定データ
106b 入金ヘッダデータ
106c 入金明細データ
106d 入金消込ヘッダデータ
106e 入金消込明細データ
106f 支払予定データ
106g 支払ヘッダデータ
106h 支払明細データ
106i 支払消込ヘッダデータ
106j 支払消込明細データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク