(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】光ファイバーケーブルに設けられる、パーティションの通過部分の構造
(51)【国際特許分類】
G02B 6/46 20060101AFI20240328BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
G02B6/46 301
H05K9/00 Q
(21)【出願番号】P 2021542306
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(86)【国際出願番号】 SE2020050104
(87)【国際公開番号】W WO2020162819
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-11-22
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】506259461
【氏名又は名称】ロックステック アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【氏名又は名称】太田 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【氏名又は名称】渡邉 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ストラング ダニエル
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-542702(JP,A)
【文献】特開2016-172997(JP,A)
【文献】実開昭60-036602(JP,U)
【文献】特開平02-051300(JP,A)
【文献】特開2006-135173(JP,A)
【文献】国際公開第2010/147534(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00
G02B 6/02
G02B 6/245 - 6/25
G02B 6/26 - 6/27
G02B 6/30 - 6/34
G02B 6/42 - 6/43
G02B 6/46 - 6/54
H02G 3/22 - 3/40
H05K 9/00
JSTPlus/JSTChina/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバーケーブル(11)に設けられる、パーティションの通過部分の構造であって、光ファイバーケーブル(11)はシールドパイプ(1、4)の内側に受け入れられ、前記シールドパイプ(1、4)は導電性材料であり、前記シールドパイプ(1、4)の一端は、シール機能を有する保持手段の内側に受け入れられ、前記シールドパイプ(1、4)は、前記保持手段の軸方向貫通開口(6、21)内に受け入れられ、前記保持手段は、パーティションの開口に配置されているか、または、前記開口に固定されたフレーム(12)もしくはスリーブに配置されており、前記保持手段は電磁妨害に対するシールド機能を有する手段を含み、前記シールドパイプ(1,4)の外面は、シールド機能を有する前記手段と接触し、かつ、前記フレーム(12)、前記スリーブまたは前記パーティションに電気的に接触し、前記シールドパイプ(1、4)の前記一端が前記保持手段の前記軸方向貫通開口(6、21)内に配置され、前記シールドパイプ(1、4)の前記一端が前記保持手段の端部から離れた場所に配置されることを特徴とする、通過部分の構造。
【請求項2】
膨張性材料(3)が、前記シールドパイプ(1、4)の内側に、または前記保持手段に受け入れられる前記シールドパイプ(1、4)の端部に受け入れられる、請求項1に記載の通過部分の構造。
【請求項3】
前記膨張性材料(3)がリングの形態である、請求項2に記載の通過部分の構造。
【請求項4】
前記膨張性材料(3)がコーティングとして塗布される、請求項2に記載の通過部分の構造。
【請求項5】
前記保持手段が導電性ゴム材料でできているという点でシールド機能が与えられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の通過部分の構造。
【請求項6】
前記保持手段の表面上の導電性コーティングによってシールド機能が与えられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の通過部分の構造。
【請求項7】
前記保持手段の前記軸方向貫通開口(6、21)に横方向に配置され、前記保持手段の外側まで延びる導電性ゴム材料のシールド(9、24)によってシールド機能が与えられる、請求項1~6のいずれか1項に記載の通過部分の構造。
【請求項8】
導電性テープ(10、23)が、前記保持手段の前記軸方向貫通開口(6、21)の内側の前記シールドパイプ(1、4)の外側と接触するために提供され、前記導電性テープ(10、23)は、前記保持手段の外側の周りを横方向に延びる、請求項1~7のいずれか1項に記載の通過部分の構造。
【請求項9】
前記保持手段は2つの部分から形成され、それにより、前記軸方向貫通開口(6、21)は、前記保持手段の2つの部分の半円筒形の凹所(7、25)から形成される、請求項1~8のいずれか1項に記載の通過部分の構造。
【請求項10】
前記保持手段の内側に受け入れられた前記シールドパイプ(1、4)の前記一端が、軸方向の保持力を与えるためにフレア状になっている、請求項1に記載の通過部分の構造。
【請求項11】
前記保持手段の内側に受け入れられた前記シールドパイプ(1、4)の前記一端が、軸方向の保持力を与えるために刻み目またはコーティングを有する、請求項1に記載の通過部分の構造。
【請求項12】
前記保持手段は、他のいくつかのモジュール、ステープレート(13)および圧縮ユニット(14)とともに前記フレーム(12)の内側に配置されるモジュール(5、26)であり、前記モジュール(5、26)は、前記フレーム(12)の内側に列をなして配置され、前記ステープレート(13)は、前記フレーム(12)の内側の前記モジュール(5、26)の列の間に配置され、前記圧縮ユニット(14)は、前記フレーム(12)の内側の前記モジュール(5、26)を圧縮するように配置される、請求項1~11のいずれか1項に記載の通過部分の構造。
【請求項13】
前記保持手段は、圧縮性本体(17)、第1のフィッティング(18)および第2のフィッティング(19)を含む円筒形シール(16)であり、前記第1のフィッティング(18)は前記圧縮性本体(17)の一方の端部に設けられ、前記第2のフィッティング(19)は、前記圧縮性本体(17)の他方の端部に設けられ、前記第1のフィッティング(18)および前記第2のフィッティング(19)は、前記圧縮性本体(17)を圧縮するために互いに向かって移動可能である、請求項1~
11のいずれか1項に記載の通過部分の構造。
【請求項14】
前記保持手段が導電性ゴム材料でできている、請求項1~13のいずれか1項に記載の通過部分の構造。
【請求項15】
前記保持手段が、前記保持手段の前記軸方向貫通開口(6、21)内に配置された剥離可能層(8、22)の複数のセクションを有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の通過部分の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバーケーブルの遷移に関する。より具体的には、本発明は、ある種のパーティションを通過する光ファイバーケーブルの電磁シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバーケーブルの使用は時間とともに増加している。光ファイバがパーティションを通過する一部の設備では、パーティションの内側または外側にあるさまざまな電気または電子機器を保護するために、電磁妨害を減衰させることが不可欠である。
【0003】
電気および電子機器は、多かれ少なかれ電磁妨害に敏感である。電磁妨害(electromagnetic disturbance)は、通常の動作の副産物として、急速に変化する信号を運ぶ電気回路によって放出されることが多く、他の電気回路に不要な信号(干渉またはノイズ)を誘発させる電磁放射である。これにより、これらの他の回路の実効性能が中断、妨害、または低下または制限される。電磁妨害は、ある種の電子戦のように意図的に、またはスプリアス放射、相互変調生成物などの結果として意図せずに誘発される可能性がある。
【0004】
ほとんどの光ファイバーケーブルは、外乱をシールドするために使用できる導電性部品を有していない。光ファイバーケーブルをシールドする一般的な方法は、導波路を使用することである。導波路は基本的に導電性材料のパイプである。シールドの結果は、パイプの長さと内径に依存することが知られている。パイプの長さは、パイプの内径の少なくとも4~5倍にする必要がある。要求に応じて、パイプの内径は、光ファイバーケーブルの外径に近くなるように選択されることがよくある。
【0005】
電磁妨害のシールドに加えて、光ファイバーケーブルを受け入れるパーティションの開口を密閉し、防火を行う必要がある場合がよくある。シーリングと可能な防火に対する要求は、各インストールの状況に依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記を考慮して、パーティションの通過に関連する電磁妨害から光ファイバーケーブルの遷移をシールドする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、請求項1に記載の遷移(transition)によって達成される。従属請求項は、さらなる特徴を指定する。
【0008】
一実施形態では、最大3つの異なるタイプの保護、すなわち、シールド、シーリング、および任意選択で防火が存在する。
【0009】
本発明のさらなる目的および利点は、異なる実施形態の詳細な説明を読むとき、当業者には明らかであろう。
【0010】
本発明は、例として、添付図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】
図3は、第2の実施形態によるシールドパイプの断面図である。
【
図4】
図4は、シールドパイプを取り囲むモジュールの斜視図である。
【
図7】
図7は、光ファイバーケーブルを受け入れた状態の、
図5に対応する図である。
【
図9】
図9は、シールドパイプを取り囲むモジュールの斜視図である。
【
図10】
図10は、シールドパイプを取り囲む円筒形シールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によれば、シールドパイプ1、4は、光ファイバーケーブル11の導波路として使用される。シールドパイプ1、4は、光ファイバーケーブル11が、家、船、電気キャビネット、コンテナ等の、壁、屋根または上部、床または底部の開口を通過するときに使用することを意図している。壁、屋根または上部、および床または底部は、任意の分割構造またはパーティションとして表すことができる。簡単にするために、「パーティション」という用語は、この説明では主に、光ファイバーケーブルが通るさまざまなパーツの一般的な用語として使用される。
【0013】
この説明で使用されているように、「軸方向」、「半径方向」という用語および対応する用語は、ケーブルが遷移を通過することを考慮したものである。
【0014】
一実施形態では、シールドパイプ1は、一端に内部凹所2を有する。前記凹所2は、膨張性材料のリング3を受け入れることを意図している。膨張性材料のリング3は、一実施形態では別個の部品である。別の実施形態では、膨張性材料のリング3は、シールドパイプ1の内側のコーティングとして与えられる。
【0015】
さらなる実施形態では、シールドパイプ4は、内部凹所を有さない。膨張性材料のリング3が使用される場合、膨張性材料の前記リング3は、シールドパイプ4の一端に配置される。膨張性材料のリング3は、接着剤によってシールドパイプ4の端部に取り付けられている。
【0016】
さらなる実施形態では、膨張性材料のリング3は、シールドパイプの一端のシールドパイプの延長部分の内側に配置される。
【0017】
膨張性材料のリング3は防火として使用される。当業者によく知られているように、膨張性材料3は、火の場合など、過度の熱にさらされると膨潤する。示されている実施形態では、膨張性材料3はリングの形態を有し、シールドパイプ1、4の一端に配置されている。膨張性材料のリング3は、火災安全のために必要な場合にのみ使用され得る。したがって、防火が問題にならない場合、膨張性材料3は通常含まれていない。
【0018】
シールドパイプ1、4は、シールドパイプ1、4の内側に受け入れられる光ファイバーケーブル11の外径に理想的に近い内径を有する。シールドパイプ1、4の長さは、シールドパイプ1、4の直径の4~5倍以上にする必要がある。シールドパイプ1、4は、導波路として機能するために導電性材料でできている。導波路として機能するシールドパイプ1、4は、電磁妨害に対するフィルタとして機能する。多くの光ファイバーケーブルには金属部品が含まれていないため、電磁妨害に対するシールドを有していない。
【0019】
シールドパイプ1、4は、パーティションの開口に配置されたある種の保持手段に配置され、この保持手段は、シールド機能と組み合わされるシール機能も有する。
【0020】
一実施形態によれば、保持手段は、圧縮可能な材料でできているモジュール5である。前記モジュール5は、第1のモジュール半部5aおよび第2のモジュール半部5bを含む。モジュール5の中央には、軸方向の貫通開口6が形成されている。前記軸方向貫通開口6は、それぞれのモジュール半部5a、5bの半円筒形の凹所7によって形成される。したがって、軸方向貫通開口6は、半円筒形の凹所7が互いに向き合うように2つのモジュール半部5a、5bが互いに向かい合って配置されるように形成される。
【0021】
モジュール5の軸方向貫通開口6の内側に、いくつかの剥離可能な層8が配置されている。剥離可能層8は、軸方向に2つ以上のセクションに配置されている。モジュール5の前記層8は、モジュール5の貫通開口6の内径を、モジュール5の内部に受け入れられる光ファイバーケーブル11の外径およびモジュール5の内部に受け入れられるシールドパイプ1、4の外径に適合させるために剥がされる。通常、光ファイバーケーブル11およびシールドパイプ1、4にそれぞれ適合させるために、異なる数の層8が剥がされる。
【0022】
モジュール5の軸方向貫通開口6には、導電性ゴム材料のバリアまたはシールド9が設けられている。前記シールド9は、開口6を介して軸方向に対して横方向に配置される。シールド9は、モジュール5のすべての側面で外側に出て、軸方向貫通開口6を遮断する。シールド9の目的は、空中擾乱がモジュール5を通過するのを阻止することである。受け入れるシールドパイプ1、4の外径にモジュール5を適合させるために層8を可能な限り除去した後、シールド9は、モジュール5の軸方向貫通開口6の内径と同一平面になるように切断される。
【0023】
導電性テープ10が、シールド9の領域の各モジュール半部5a、5bの周りを回って提供される。いくつかの実施形態では、シールド9は通常十分なシールドを与えるので、導電性テープ10は存在しない。導電性テープ10は、シールド9の軸方向延長を超える軸方向延長を有し、シールド9は、導電性テープ10の下に配置される。示される実施形態では、シールド9は、軸方向に見られるように、導電性テープ10の中央に配置される。他の実施形態では、シールド9は、軸方向に見られるように他の位置に配置される。モジュール内にシールドパイプ1、4を配置する前に、オプションの導電性テープ10が、シールド9を覆うモジュール5の軸方向貫通開口6の内周上に配置される。モジュール5の貫通開口6にシールドパイプ1、4が配置された状態で、シールドパイプ1、4の外面は、導電性テープ10またはシールド9と接触する。
【0024】
軸方向に見られるように、剥離可能な層8の異なるセクションが、シールド9の反対側に配置されている。
【0025】
シールドパイプ1、4は、剥離可能な層8の1つのセクションに隣接して配置されるシールドパイプ1、4の一端とともに、軸方向貫通開口6の内側に配置される。シールドパイプ1、4の前記一端は、モジュール5の一端から距離を置いて配置されている。シールドパイプ1、4のもう一方の端部は、モジュール5の端部またはその外側に配置される。シールドパイプ1、4は通常、モジュール5内のそのような位置に配置され、シールドパイプ1、4の端部は、導電性テープ10の縁とほぼフラッシュし、それにより、導電性テープ10は、シールドパイプ1、4の端部領域を覆う。
【0026】
モジュール5は、いくつかのモジュール5がフレーム12の内側に配置され、そのフレームがパーティションの開口に受け入れられる遷移において使用される。
図8の例では、いくつかのモジュール5がフレーム12の内側の列に配置されている。ステープレート13は、フレーム12の内側のモジュール5の列の間に配置される。さらに、ここではくさびの形の圧縮ユニット14がフレーム12の内側に配置されている。圧縮ユニット14は、2つのねじ15を含み、それにより圧縮ユニット14は、圧縮状態と非圧縮状態との間で移動可能である。圧縮ユニット14の圧縮状態では、フレーム12内のモジュール5が圧縮され、それにより各モジュール5は、前記モジュール5内に受け入れられた光ファイバーケーブル11およびシールドパイプ1、4に対して押し付けられる。
【0027】
シールドパイプ1、4がモジュール5の内側に配置されるとき、それは、導電性テープ10または、導電性テープ10が使用されない場合にはシールド9と接触するように配置される。フレーム12の内側に配置されたモジュール5の導電性テープ10またはシールド9は、互いとそしてフレーム12と接触するであろう。したがって、モジュール内に配置された各シールドパイプ1、4は、フレーム12と電気的に接触し、フレーム12は、導電性材料であるか、または導電性表面を有するべきである。
【0028】
多数の剥離可能な層8を有するモジュール5の代わりに、層を有さない対応するモジュールを使用し得る。
図9には、そのようなモジュール26の半部が示されている。層がないことを除いて、モジュール26は上記のモジュール5と対応する。対応する部品については、同じ参照記号が使用される。各モジュール半部は半円筒形の凹所7を有し、それにより、2つのモジュール半部が互いに向き合うように互いの上に配置されると、軸方向貫通開口が形成される。
【0029】
モジュール26は、
図9には見えないシールド9と導電性テープ10とを有する。前記シールド9および導電性テープ10(存在する場合)の機能および目的は、上記のモジュール5の場合と同じであり、ここでは繰り返さない。シールドパイプ1、4は、モジュール26の端部から距離を置いて、一端がモジュール26の内側にある状態でモジュール26内に配置される。シールドパイプ1、4のもう一方の端部は、モジュール26の端部またはその外側に配置される。
【0030】
さらなる実施形態によれば、シールドパイプ1、4の保持手段は、円筒形シール16である。前記円筒形シール16は、圧縮性本体17、第1のフィッティング18および第2のフィッティング19を含み、これらの第1および第2のフィッティング18、19は、圧縮性本体17の両端に配置される。圧縮性本体17を圧縮するために、圧縮性本体17の両端にあるフィッティング18、19を互いに向かって移動させるためのねじ20が設けられている。 円筒形シール16は、通常、パーティションの開口内に直接配置される。
【0031】
円筒形シール16の圧縮性本体17は、軸方向貫通開口21を有する。圧縮性本体17は2つの半部で形成され、各半部は半円筒形の凹所25を有し、前記軸方向貫通開口21は、2つの半部が互いに向かい合うように配置されたときに互いに面する半円筒形の凹所25とともに形成される。剥離可能な層22は、軸方向に見られるように2つ以上のセクションで、軸方向貫通開口21の内側に配置される。前記層22は、光ファイバーケーブル11の外径およびシールドパイプ1、4の外径にそれぞれ適合して、軸方向貫通開口21に受け入れられるように剥がされる。通常、光ファイバーケーブル11およびシールドパイプ1、4にそれぞれ適合させるために、異なる数の層22が剥がされる。
【0032】
導電性ゴム材料のシールド24が、円筒形シール16の軸方向貫通開口21に設けられている。前記シールド24は、軸方向貫通開口21に対して横方向に配置される。シールド24は、円筒形シール16の外側まで延び、軸方向貫通開口21を遮断する。示されている実施形態では、シールド24は、軸方向に見られるように、円筒形シール16の中央に配置されている。他の実施形態では、シールド24は、円筒形シール16の両端間の他の軸方向位置に配置される。シールド24は導電性ゴム材料でできている。シールド24の目的は、空中擾乱が円筒形シール16を通過するのを阻止することである。受け入れるシールドパイプ1、4の外径に円筒形シール16を適合させるために層22を可能な限り除去した後、シールド24は、円筒形シール16の軸方向貫通開口21の内径と同一平面になるように切断される。
【0033】
導電性テープ23が、シールド24の領域内の円筒形シール16の各半部の周りを回って提供される。いくつかの実施形態では、シールド24は通常十分なシールドを与えるので、導電性テープ23は存在しない。導電性テープ23は、シールド24の軸方向延長を超える軸方向延長を有し、シールド24は、導電性テープ23の下に配置される。円筒形シール16の内側にシールドパイプ1、4を配置する前に、オプションの導電性テープ23が、円筒形シール16の軸方向貫通開口21の内周に配置されて、シールド24を覆う。したがって、使用中、シールドパイプ1、4は、円筒形シール16の軸方向貫通開口21内に配置され、シールドパイプ1、4の外面は、導電性テープ23と接触するか、または導電性テープが使用されない場合にはシールド24と接触する。
【0034】
軸方向に見られるように、剥離可能な層22の異なるセクションが、シールド24の反対側に配置される。
【0035】
シールドパイプ1、4は、軸方向貫通開口21の内側に配置され、シールドパイプ1、4の一端は、剥離可能層22の1つのセクションに隣接して配置される。シールドパイプ1、4の前記一端は、円筒形シール16の端部から距離を置いて配置されている。シールドパイプ1、4のもう一方の端部は、円筒形シール16の端部またはその外側に配置される。
【0036】
当業者は、保持手段が多くの異なる設計を有することができることを理解している。パーティションの開口に固定されたある種のフレームまたはスリーブに配置されているか、パーティションの開口に直接配置されているかに関係なく、それは長方形または円形の断面を有することができる。
【0037】
モジュール5、26および円筒形シール16などの保持手段は、導電性ゴム材料で作ることができ、その場合、通常、シールド9、24は提供されない。そのような場合、シールド9、24のシールド機能は、保持手段の導電性ゴム材料のシールド効果によって置き換えられる。さらなる可能性は、シールド9、24または導電性材料の代わりに導電性コーティングを使用することであり、この導電性コーティングは、保持手段の外面に配置される。
【0038】
シールドパイプ1、4は、保持手段の内側に受け入れられるように、端部でわずかに外側にフレア状になっている。フレア端は軸方向の保持力を与える。そのような軸方向の保持力は、少なくとも端部領域で、シールドパイプの外側の摩擦を増加させることなどによって、他の方法で与えることができる。摩擦の増加は、例えば、ローレット加工またはコーティングによって与えることができる。
【0039】
本発明によれば、異なるタイプの保護の組み合わせが、パーティションでの遷移における光ファイバーケーブル11に対して利用可能である。シールドパイプ1、4は、電磁妨害に対する保護を提供する。さらに、保持手段は、保護シールド9、24を有する。したがって、電磁妨害に対する保護は、そのような電磁妨害が光ファイバーケーブルに沿って進行するか、または空中にあるかに関係なく与えられる。モジュール5、26および円筒形シール16は、シーリングを与える。必要に応じて、防火も膨張性材料3の形で提供される。