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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】スパークルスポットライト
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240328BHJP
   F21Y 105/16 20160101ALN20240328BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20240328BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240328BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240328BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240328BHJP
【FI】
F21S2/00 311
F21S2/00 340
F21Y105:16
F21Y113:13
F21Y115:10 300
F21Y115:30
F21Y115:15
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021561886
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2020060656
(87)【国際公開番号】W WO2020212467
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】19170049.1
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19172690.0
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】デ ベスト アンナ ヴィルヘルミナ マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッセンベルフ ミシェル コルネリス ヨセフス マリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴレーヘン ヨリス ヤン
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/195479(WO,A1)
【文献】特開2005-181687(JP,A)
【文献】特開2010-231938(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0244061(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101846281(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 105/16
F21Y 113/13
F21Y 115/10
F21Y 115/30
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)光源光を生成するように構成される複数の光源と、(ii)前記光源の下流に構成される光学系とを備える、照明システムであって、当該照明システムは、前記光源の総数のうちの少なくとも一部の2Dアレイを備え、前記2Dアレイ内の最近傍光源は、平均第1最短距離を有し、当該照明システムは、動作モードにおいて、前記光源の総数のうちのサブセットの光源光を含む照明システム光を生成するように構成され、前記動作モードにおいて前記照明システム光のための光源光を生成するように構成される最近傍光源は、平均第2最短距離を有し、前記平均第2最短距離は、前記平均第1最短距離よりも大きく、
当該照明システムは、1つ以上の追加光源を備え、前記追加光源は、前記2Dアレイの外側で、該追加光源から前記2Dアレイ内の最近傍光源への第3最短距離に構成され、前記第3最短距離は、前記平均第2最短距離よりも少なくとも20%大きく、
前記光源の総数のうちの2つ以上の異なるサブセットが、前記照明システム光を生成するように構成され、当該照明システムは、前記2つ以上の異なるサブセットのうちの2つ以上のサブセットを経時的に交代させ、前記動作モードにおいて前記照明システム光を生成するように構成され、
異なるサブセットは、最大で50%、同一の光源を有し、各サブセット内の光源の数は、少なくとも4である、照明システム。
【請求項2】
前記光学系は、レンズ及びコリメータから成る群から選択される光透過性光学系を含む、請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記光学系は、40°以下の開き角を有する照明システム光のビームを生成するように構成される、請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記光源は、第1の長さ、第1の幅、第1の対角長さ、及び第1の径の群から選択される第1の寸法を有する固体光源を含み、前記第1の寸法は、100μm~2mmの範囲から選択される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記平均第2最短距離は、前記第1の寸法以上であり、前記第1の寸法は、第1の長さ及び第1の幅から選択される、請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
当該照明システムは、10Hz以下の周波数で前記2つ以上の異なるサブセットを交代させるように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項7】
当該照明システムは、前記照明システム光の固定されたビーム幅を維持しながら前記2つ以上の異なるサブセットを交代させるように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記光源の総数のうちの2つ以上の光源は、色点、色温度、及び演色評価数のうちの1つ以上が異なる光源光を提供するように構成される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項9】
当該照明システムは、制御システムを備え、前記制御システムは、経時的に前記照明システム光の一定の光束を維持するように構成される、請求項乃至のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記2Dアレイ内の光源の総数は、36以上であり、前記動作モード中に、光源の総数の35%以下がオンされる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項11】
前記2Dアレイに含まれる光源のみが、前記光学系に光学的に結合される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項12】
照明デバイスを含む、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明システムであって、前記照明デバイスは、前記複数の光源及び前記光学系を含む、照明システム。
【請求項13】
前記照明デバイスは、スポットライトである、請求項12に記載の照明システム。
【請求項14】
物体を照らすための、ショールーム、ショップ、ミュージアム、又はホスピタリティエリアにおける請求項1乃至13のいずれか一項に記載の照明システムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
スパークルライトバルブは、当技術分野で知られている。例えば、US6,685,339は、回路基板上に所定の間隔で設けられる複数の異なる色の発光ダイオード(LED)バルブと、複数の異なる色のLEDバルブをカラーウォッシュモード及びカラーダンスモードのいずれかで選択的に動作させるための複数の異なる色のLEDバルブと電気的に動作可能に通信するコントローラ回路手段であって、コントローラ回路手段はさらに、複数の異なる色のLEDバルブを所望の色パターンにさらに選択的にロックするためのメモリ手段を含み、メモリ手段を含む、コントローラ回路手段は、スパークルライトバルブを12VAC電源に電気的に接続するための手段と電気的に動作可能に通信する、コントローラ回路手段と、生成された光を放出するための複数の異なる色のLEDバルブが露出されている、開近位端部と、スパークルライトバルブを12VAC電源に電気的に接続するための手段が位置する、閉遠位端部とを有するライトバルブハウジングと備える、スパークルライトバルブを述べている。複数の異なる色のLEDライトバルブは、赤色、緑色及び青色のLEDバルブの組み合わせを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近の(狭いビーム)スポットは、COB等、単一のLED光源、又は複数の個別のLEDの密集(closely packed)を含み、その前に光学部品が、光を所定のビーム角にコリメートするために置かれることがよくある。LED光源は、一般に、単一の電流源によって駆動される。調光は、LED光源を介す電流を変化させることにより実現される。スポットの輝度(luminance)は一定である。外観はまぶしく(glary)又はまぶしくなくあり得るが、キラキラしている(sparkly)と知覚されることはない。
【0004】
しかしながら、スパークリング効果(sparkling effect)は望ましい場合がある。特に、スパークリング照明デバイスは、(異なる位置で)見た場合又は照明デバイスの光で照らされる(鏡面反射)物体上で見た場合に本質的に心地よい効果(pleasant effect)を提供し得るので、望ましい場合がある。
【0005】
したがって、本発明の一態様は、好ましくはさらに上述した不利な点のうちの1つ以上を少なくとも部分的に取り除く、代替的な照明システム(又は照明デバイス)を提供することである。本発明は、従来技術の不利な点の少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することを目的として有してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(「美しいグレア(beautiful glare)」又は「魅力的なグレア(attractive glare)」としても知られる)「スパークル(Sparkle)」は、特に、空間的及び/又は時間的効果に基づいてもよい。とりわけ、本明細書では、ある実施形態では特定の位置のLEDをオン及びオフすることによる等、空間的効果及び/又は時間的なダイナミクスを加えることが提案される。これは、例えば、ビーム角度に及び/又は中央ビーム強度にほとんど又はまったく影響しない可能性がある。拡散反射面を有するスポット内の物体の外観は本質的に一定のままである可能性があるが、鏡面反射面を有する物体は特にスパークルを示す可能性がある。また、スポット、又は他のタイプの照明デバイス自体が、ビーム外の方向から見る場合にキラキラしている外観(sparkling appearance)を有する可能性がある。
【0007】
したがって、第1の態様において、本発明は、(i)光源光を生成するように構成される複数の光源を備える、照明システムを提供する。さらに、照明システムは、(ii)光源の下流に構成される(結像)光学系を備えてもよい。特に、照明システムは(さらに)、(複数の)光源の総数のうちの少なくとも一部の2Dアレイを備える。特定の実施形態では、2Dアレイ内の最近傍(nearest neighboring)光源は、平均第1最短距離(dd1)を有する。さらに、特定の実施形態では、照明システムは、動作モードにおいて、光源の総数のうちのサブセットの光源光を含む照明システム光を生成するように構成される。このような特定の実施形態では、動作モードにおいて照明システム光のための光源光を生成するように構成される最近傍光源は、平均第2最短距離(dd2)を有し、平均第2最短距離(dd2)は、平均第1最短距離(dd1)よりも大きい。したがって、特に、本発明は、(i)光源光を生成するように構成される複数の光源と、(ii)光源の下流に構成される光学系とを備える、照明システムであって、当該照明システムはさらに、光源の総数のうちの少なくとも一部の2Dアレイを備え、2Dアレイ内の最近傍光源は平均第1最短距離(dd1)を有し、さらに、当該照明システムは、動作モードにおいて、(複数の)光源の総数のうちのサブセットの光源光を含む照明システム光を生成するように構成され、動作モードにおいて照明システム光のための光源光を生成するように構成される最近傍光源は、平均第2最短距離(dd2)を有し、平均第2最短距離(dd2)は、平均第1最短距離(dd1)よりも大きく、当該照明システムは、1つ以上の追加光源を備え、追加光源は、2Dアレイの外側で、追加光源から2Dアレイ内の最近傍光源への第3最短距離(dd3)に構成され、第3最短距離(dd3)は、平均第2最短距離(dd2)よりも少なくとも20%大きい、照明システムを提供する。
【0008】
このような照明システムを用いて、スパークリング効果が、(動作モードにおいて)照明システム光によって照らされる鏡面反射面上に作り出されることができる。さらに、照明システムの発光面を見た場合にも、スパークリング効果が知覚されることができる。このような照明システムは、とりわけ、物体を照らすために、ショールーム、ショップ、ミュージアム、又はホスピタリティエリア等において使用されてもよい。また、照明システムは、例えば物体を照らすために、家庭用等、屋内照明に使用されてもよい。
【0009】
上述したように、本発明は、(i)光源光を生成するように構成される複数の光源を備える、照明システムを提供する。斯くして、照明システムは、特に、ピクセル化された(pixelated)照明デバイス、又は、複数のピクセル化された照明デバイスを備える。用語「光源」は、発光ダイオード(LED)、共振空洞発光ダイオード(RCLED:resonant cavity light emitting diode)、垂直共振器型レーザダイオード(VCSEL:vertical cavity laser diode)、エッジ放射レーザ(edge emitting laser)等、半導体発光デバイスを指してもよい。用語「光源」はまた、パッシブマトリクス(PMOLED)又はアクティブマトリクス(AMOLED)等の有機発光ダイオードを指してもよい。特定の実施形態では、光源は、(LED又はレーザダイオード等の)固体光源を含む。一実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)を含む。用語「LED」はまた、複数のLEDを指してもよい。さらに、用語「光源」はまた、実施形態では、いわゆるチップオンボード(COB:chips-on-board)光源を指してもよい。用語「COB」は、特に、封入されても接続されてもいないが、PCB等、基板上に直接載置された半導体チップの形態のLEDチップを指す。したがって、複数の半導体光源が、同じ基板上に構成されてもよい。実施形態では、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0010】
また、用語「光源」は、チップスケールパッケージ(CSP:chip scaled package)を指してもよい。CSPは、単一の固体ダイを備え、発光材料を含む層がその上に設けられてもよい。また、用語「光源」は、ミッドパワーパッケージを指してもよい。ミッドパワーパッケージは、1つ以上の固体ダイを含んでもよい。ダイは、発光材料を含む層によって覆われてもよい。ダイの寸法は、例えば0.2~2mmの範囲等、2mm以下であってもよい。
【0011】
また、本明細書では、用語「光源」は、特に、ミニサイズ又はマイクロサイズを有する等、小型の固体光源を指してもよい。例えば、光源は、1つ以上のミニLED及びマイクロLEDを含んでもよい。特に、ある実施形態では、光源は、マイクロLED又は「microLED」又は「μLED」を含む。本明細書では、ミニサイズ又はミニLEDという用語は、特に、100μm~1mmの範囲から選択される、ダイの寸法等の寸法、特に長さ及び幅を有する固体光源を示す。本明細書では、マイクロサイズ又はマイクロLEDという用語は、特に、100μm以下の範囲から選択される、ダイの寸法等の寸法、特に長さ及び幅を有する固体光源を示す。
【0012】
したがって、特定の実施形態では、光源は、固体光源を含んでもよい。特に固体光源等、光源は、第1の長さ、第1の幅、第1の対角長さ、及び第1の径の群から選択される第1の寸法d1を有してもよく、第1の寸法d1は、1mm以下等、最大で2mmであってもよい。さらなる特定の実施形態では、第1の寸法d1は、最小で100μmである。用語「第1の寸法」は、特に、光源の発光面の第1の寸法を指す。
【0013】
したがって、ある実施形態では、第1の寸法は、100μm~2mmの範囲から選択されてもよい。第1の寸法は、特に、ダイの発光エリア等、光源の発光エリアの寸法を指す。他の実施形態では、第1の寸法は、固体光源上の発光層の寸法を指してもよい。ある実施形態では、このような発光層は、特に、CSPの場合のように、本質的にダイと同じ寸法を有してもよい。このようなダイ又はこのような発光層は、光源光が光源から脱出する発光エリアを提供する。これらの発光エリアは、ピクセル化された照明デバイス又は照明システムのピクセルを提供してもよい。さらに、これらの発光エリアは、2Dアレイを効果的に提供してもよい。
【0014】
発光エリアが本質的に正方形である場合、第1の寸法は第1の長さ又は第1の幅であり、これらは本質的に同一である(すなわち、第1の幅は第1の長さである)。発光エリアが本質的に矩形である場合、第1の寸法は、第1の長さ、第1の幅、又は第1の対角長さであってもよく、第1の対角線さは、第1の長さよりも大きく、第1の長さは、第1の幅よりも大きくてもよい。特に、第1の寸法は第1の幅であるが、任意選択的に第1の長さが選択されてもよい。したがって、ある実施形態では、第1の寸法(d1)は、第1の長さ及び第1の幅から選択され、特に、第1の寸法は、第1の幅であってもよい。発光エリアが本質的に円形である場合、第1の寸法は直径となる。このような実施形態では、実際には、第1の幅は(第1の)直径である。さらに、他の形状の場合、円形相当の円径(circular equivalent circular diameter)が、第1の寸法として選択されてもよい。したがって、ある実施形態では、幅、直径、又は円相当の径が、(特徴的な)第1の寸法として選択されてもよい。
【0015】
また、用語「光源」は、2~2000個の固体光源等、複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関連してもよい。ある実施形態では、光源は、LED等、単一の固体光源の下流に、又は複数の固体光源の下流に(すなわち、例えば、複数のLEDによって共有される)1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を含んでもよい。ある実施形態では、光源は、オンチップ光学系を有するLEDを含んでもよい。ある実施形態では、光源は、(ある実施形態ではオンチップビームステアリング(on-chip beam steering)を提供する)(光学系を有する又は有さない)ピクセル化された単一のLEDを含む。
【0016】
「異なる光源」又は「複数の異なる光源」というフレーズ、及び同様のフレーズは、ある実施形態では、少なくとも2つの異なるビンから選択される複数の固体光源を指してもよい。同様に、「同一の光源」又は「複数の同一の光源」というフレーズ、及び同様のフレーズは、ある実施形態では、同じビンから選択される複数の固体光源を指してもよい。「複数の異なる光源」というフレーズは、少なくとも2つである、光源の総数の中に、少なくとも2つの異なる光源があることを示す。したがって、「複数の異なる光源」があり、合計でn個の光源がある場合、2~n個の異なる光源がある。
【0017】
特に、複数の光源が適用される場合、さらには複数の異なる光源が適用される場合、2つ以上の光源、特にすべての光源は、個別に制御されてもよく、又は光源の総数のうちのサブセットで制御されてもよい。
【0018】
例えば、特定の実施形態では、光源の総数のうちの2つ以上の光源は、色点、色温度、及び演色評価数のうちの1つ以上が異なる光源光を提供するように構成される。このようにして、照明システム光(以下も参照)の色点、色温度、及び/又は演色評価数が制御されることができる。無論、2つ以上の個別に制御可能な光源がある場合、照明システム光の強度(及び/又はビーム形状)も制御されてもよい。強度が制御されることができる1つ以上の光源がある場合、照明システム光の強度も制御されてもよい。
【0019】
用語「制御する」及び同様の用語は、特に、要素の挙動を決定する、又は要素の実行を監視する(supervise)ことを少なくとも指す。したがって、本明細書では、「制御する」及び同様の用語は、例えば、測定、表示、作動、開放、シフト、温度変更等のような、挙動を要素に課すこと(要素の挙動を決定する、又は要素の実行を監視すること)等を指してもよい。そのほか、「制御する」という用語及び同様の用語は加えて、モニタリングを含んでもよい。したがって、「制御する」という用語及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、及び要素に挙動を課し、要素をモニタリングすることを含んでもよい。要素の制御は、「コントローラ」としても示され得る、制御システムを用いて行われることができる。斯くして、制御システム及び要素は、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。要素は、制御システムを含んでもよい、実施形態では、制御システム及び要素は物理的に結合されなくてもよい。制御は、有線及び/又は無線制御を介して行われることができる。「制御システム」という用語はまた、特に機能的に結合され、それらのうちの例えば1つの制御システムが、マスタ制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムが、スレーブ制御システムであってもよい、複数の異なる制御システムを指してもよい。制御システムは、ユーザインターフェースを含んでもよく、又はユーザインターフェースに機能的に結合されてもよい。
【0020】
また、制御システムは、リモートコントロールからの命令を受信及び実行するように構成されてもよい。ある実施形態では、制御システムは、スマートフォン又はI-phone、タブレット等のポータブルデバイス等、デバイス上のアプリ(App)を介して制御されてもよい。斯くして、デバイスは、必ずしも照明システムに結合されず、照明システムに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0021】
したがって、ある実施形態では、制御システムは(また)、リモートデバイス上のアプリによって制御されるように構成されてもよい。このような実施形態では、照明システムの制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又は、スレーブモードで制御してもよい。例えば、照明システムは、コード、特に、それぞれの照明システムに固有のコードで識別可能であってもよい。照明システムの制御システムは、(固有の)コードの知識(光学センサ(例えば、QRコードリーダ)を備えるユーザインターフェースによる入力)に基づいて照明システムにアクセスできる外部制御システムによって制御されるように構成されてもよい。また、照明システムは、例えば、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBee、BLE若しくはWiMAX、又は他のワイヤレス技術に基づいて、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を備えてもよい。
【0022】
システム、装置、又はデバイスは、「モード」、「動作モード(operation mode)」又は「動作のモード(mode of operation)」においてアクションを実行してもよい。同様に、方法において、アクション、段階、又はステップは、「モード」、「動作モード」又は「動作のモード」において実行されてもよい。「モード」という用語はまた、「制御モード」として示されてもよい。これは、システム、装置、又はデバイスが、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するように適合されてもよいことを除外するものではない。同様に、これは、モードを実行する前に、及び/又はモードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行されてもよいことを除外しない。
【0023】
しかしながら、ある実施形態では、少なくとも制御モードを提供するように適合される、制御システムが、利用可能であってもよい。他のモードが利用可能であれば、そのようなモードの選択は、センサ信号又は(時間)スキームに依存してモードを実行する等他のオプションも可能であるが、特にユーザインターフェースを介して実行されてもよい。動作モードは、ある実施形態では、単一の動作モード(すなわち、「オン」であり、さらなる調整可能性なし)においてのみ動作することができるシステム、装置、又はデバイスを指してもよい。
【0024】
したがって、ある実施形態では、制御システムは、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して制御してもよい。用語「タイマ」は、時計及び/又は所定の時間スキーム(time scheme)を指してもよい。
【0025】
さらに、照明システムは、光源の下流に構成される光学系を備えてもよい。「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特に光源)からの光の伝播に対するアイテム又は特徴の配置に関連する。光生成手段からの光ビーム内の第1の位置に対し、光生成手段により近い当該光ビーム内の第2の位置は、「上流」であり、光生成手段からより遠い当該光ビーム内の第3の位置は、「下流」である。
【0026】
光学系は、特に、(動作モード中に)光源光を生成する1つ以上の光源の光源光のビームを整形するように構成される。特定の実施形態では、光学系は、光透過性光学系であり、すなわち、光透過性材料を含み、それを介して光源光は、その下流にビーム成形された照明システム光を提供するように伝搬することになる。
【0027】
また、用語「光学系」は、複数の同じ又は異なる光学系を指してもよい。2つ以上の光学系がある場合、光学系は、アレイに構成されてもよく、又は、光学系は、スタックに構成されてもよく、又は、光学系は、スタックされたアレイに構成されてもよい。
【0028】
特に、照明システムから出る本質的にすべての光は、光学系を通過する。
【0029】
したがって、ある実施形態では、光学系は、光透過性光学系を含む。特に、ある実施形態では、光学系は、レンズ及びコリメータから成る群から選択される。コリメータは、ある実施形態では、全反射(TIR:total internal refraction)コリメータであってもよい。特に、ある実施形態では、光学系は、フレネルレンズを含む。フレネルレンズは、ある実施形態では、TIRフレネルレンズであってもよい。したがって、特定の実施形態では、光学系は、コリメーティング光学系を含む。
【0030】
上述したように、ある実施形態では、照明システムは、スポットライトとして構成されてもよく、又は、スポット光を提供するように構成されてもよい。したがって、特定の実施形態では、光学系は、36°以下、例えば、25°以下等、40°以下の開き角(θ)を有する照明システム光のビームを生成するように構成されてもよい。このような開き角内では、特に、この開き角内の強度(すなわち、特に光度(ルーメン/ステラジアン(lm/sr)又は(cd)))は、最大強度の50%以上であり、開き角よりも大きい角度では、強度は、最大強度の50%よりも小さい。したがって、ビーム角度は、特に、ビームの半値全幅(FWHM:full width half maximum)強度の角度によって定義される。FWHMは、照明システムの光軸を中心に対称的に又は非対称的に配置されてもよい。
【0031】
照明システムの光源の総数のうちの少なくとも一部は、2Dアレイに配置されてもよい。このアレイは、規則的又は(疑似ランダム等)ランダムであってもよい。しかしながら、一般的には、アレイは規則的に構成される。例えば、ある実施形態では、光源は、照明システムの光軸を中心に本質的に対称的に構成されてもよい。したがって、アレイ内の光源は、1つ以上のピッチを有してもよい。光源は、キュービック構成又は六角形構成等で構成されてもよい。2Dアレイに構成されるこれらの光源に加えて、任意選択的に、有効的にアレイに属さない、さらなる光源があってもよい。例えば、これらのさらなる光源は、本質的に上記ピッチと同一である、任意の他の光源への(ハートトゥハート(heart to heart)距離を有さなくてもよい。さらに以下も参照されたい。したがって、ある実施形態では、さらに、照明システムは、光源の総数のうちの少なくとも一部の2Dアレイを備える。
【0032】
アレイにおいて、2Dアレイ内の最近傍光源は、平均第1最短距離(dd1)を有してもよい。六角形2Dアレイ又はキュービック2Dアレイにおいて、最も近いネイバー(nearest neighbor)間の最短距離は、すべての光源について同一であってもよい。六角形2Dアレイにおいて、各光源(エッジにあるものを除く)は、6つの最近傍光源を有してもよい。キュービック2Dアレイにおいて、各光源は、4つの最近傍光源を有してもよい。非規則的なアレイでは、最近傍光源間に2つ以上の異なる距離があってもよい。このような実施形態では、(数)平均が取られてもよい。最も近いネイバーの決定のために、ユークリッド平面のボロノイ図が使用されてもよい。最も近いネイバーは、最も近いネイバーが決定される必要がある光源を有するセルとエッジを共有するセル内にある。ボロノイ図は、平面を、該平面の特定のサブセットにおける点への距離に基づいて領域分けしたものである。これらの点は「シード」とも呼ばれる。ここでは、シードは、「光源」(特にそれらの発光面)を指す。各シードについて、当該シードに他よりも近いすべての点から成る対応する領域がある。これらの領域は、ボロノイセルと呼ばれる。
【0033】
照明システムは、(動作中に)照明システム光を提供するように構成される。すべての光源がオンされる場合、スパークル効果はない可能性がある。したがって、特定の実施形態では、照明システムは、動作モードにおいて、光源の総数のうちのサブセットの光源光を含む照明システム光を生成するように構成されてもよい。
【0034】
ここで、用語「サブセット」は、特に、光源の総数よりも少ない数の光源を指す。さらに、動作モードの文脈では、用語「光源のサブセット」は、一般的に、少なくとも4つ等、少なくとも2つの数の光源を指すことになるが、サブセット内のはるかに多くの光源も可能である。さらに、光源のサブセットは、特に、2Dアレイの1つ以上の光源を含んでもよい。
【0035】
上述したように(及び以下で述べるように)、用語「動作モード」は、複数の異なる動作モードを指してもよい。さらに、本明細書で述べられる動作モードは、1つ以上の他の動作モードの可能性を排除するものではない。しかしながら、本発明の文脈では、特に、スパークル効果を提供し得る動作モードが述べられる。
【0036】
動作モード(又は複数の動作モード(上記も参照))中、特に、動作モードにおいて照明システム光のための光源光を生成するように構成される最近傍光源は、平均第2最短距離(dd2)を有し、平均第2最短距離(dd2)は、平均第1最短距離(dd1)よりも大きい。したがって、アレイ内の最も近いネイバー間の相互距離は、動作モード中に照明システムの光を提供するための照明システムのサブセットを形成する(最も近いネイバー)光源間の相互距離よりも小さい。したがって、動作モード中に特にアクティブである光源は、(動作モード中にアクティブであるか否かにかかわらず)(アレイの)すべての光源よりも平均して大きな相互距離を有する。
【0037】
特に、光源光を生成する照明エリアを光学系を介して見る場合、個々の光源は本質的に解像可能(resolvable)でなくてもよいが、動作モードにおいて照明システム光を提供する個々の光源(すなわち、アクティブな光源)は解像可能であってもよい。したがって、光学系を介して見る場合の解像度は、個々の光源の寸法よりも小さくてもよい(ゆえに、これらの個々の光源は識別可能でなくてもよい)が、動作モードにおいて照明システム光を提供し得る光源の寸法以上であってもよい。このようにして、照明システム光で照らされる拡散反射性物体は、スパークル効果を示し得る。さらに、このようにして、照明エリアもスパークル効果を提供し得る。「照明エリア」という用語は、2Dアレイの光源を含む、光源(すなわち、発光面)を有するエリアを指す。「個々の光源は本質的に解像可能であっても(なくても)よい」というフレーズ、及び同様のフレーズは、特に、人間が(それぞれの光源の)個々の発光面を解像できても(できなくても)よいことを示す。ここで、「人間」という言葉は、人間のパネル(panel of humans)を指してもよい。
【0038】
それゆえ、特定の実施形態では、照明システムはさらに、動作モードにおいて、光源の総数のうちのサブセットの光源光を含む照明システム光を生成するように構成され、動作モードにおいて照明システム光のための光源光を生成するように構成される最近傍光源(すなわち、アクティブな光源)は平均第2最短距離(dd2)を有し、平均第2最短距離(dd2)は、平均第1最短距離(dd1)よりも大きい。特に、平均第2最短距離は、平均第1最短距離の少なくとも2倍であり、さらに特に、平均第2最短距離は、平均第1最短距離の少なくとも5倍である等、平均第2最短距離は、平均第1最短距離の少なくとも4倍である。典型的には、比較的大きな第3最短距離で、2Dアレイの外側に位置する追加光源は、光学系と結合されず、2Dアレイ内に位置する光源のみが、光学系と光学的に結合される。本発明の文脈において、光学的に結合されるとは、光学的に結合される場合、光源からの光が、本質的に光学系を介して照明デバイスから発せられることを意味する。追加光源は光学的に結合されないので、ビームの外側の所望のスパークリング効果の視認性が高められることになる。
【0039】
さらなる特定の実施形態では、照明システムはさらに、動作モードにおいて、光源の総数のうちのサブセットの光源光を含む照明システム光を生成するように構成され、動作モードにおいて照明システム光のための光源光を生成するように構成される最近傍光源(すなわち、アクティブな光源)は平均第2最短距離(dd2)を有し、平均第2最短距離(dd2)は、第1の寸法(d1)(上記も参照)以上である、すなわち、平均第2最短距離は、dd2≧d1である。特に、ある実施形態では、平均第2最短距離は、dd2≧1.1*d1であり、さらに特に、平均第2最短距離は、dd2≧1.5*d1である。しかしながら、特定の実施形態では、平均第2最短距離は、dd2≦10*d1、例えば、平均第2最短距離は、特に4*d1以下である等、5*d1以下である。後者の実施形態では、(例えばサブセットが時間と共に交代される場合)例えば4~8%のLEDが動作モード中にオンであってもよい。
【0040】
動作モードにおいて照明システム光のための光源光を生成するように構成される最近傍光源(すなわち、アクティブな光源)間の距離が大きいほど、光学系は大きくてもよい。
【0041】
動作モードにおいて照明システム光を提供する最近傍光源(すなわち、アクティブな光源)間の距離は、すべて同じでなくてもよいが、他の実施形態では、これらの距離は、すべて同じであってもよい。(動作モード中に)照明システム光を生成するために選択される光源は、ランダムに選択されてもよく、又は、固定されたセットに基づいてもよいことに留意されたい。したがって、特に、平均第2最短距離は、(動作モードにおいて照明システム光を提供する最近傍光源間の)(数)平均された最短距離である。同様に、平均第1最短距離は、((2Dアレイの)最近傍光源間の)(数)平均された最短距離である。
【0042】
ある実施形態では、2Dアレイ内の光源の総数は、24以上であり、例えば、64以上等、36以上である。また、アレイ内の光源の数は、少なくとも100等、例えば少なくとも400、例えば少なくとも2500等々、はるかに多くてもよい。
【0043】
少なくとも24以上の2Dアレイ内の光源のこのような(最小)数は、スパークル効果を生み出すことが可能であり得る。照明エリア内の独立した発光エリア(例えば、LEDダイ)が例えば16個よりも少ない等、光源の数が少なすぎる場合、スパークル効果は生み出されない可能性がある。
【0044】
さらに、ある実施形態では、動作モード中に、光源の総数のうちの50%以下、例えば、25%以下等、35%以下がオンされる。パーセンテージが非自然数になる場合、最も近い自然数が選択されてもよい(例えば、32.5は33になってもよく、32.4は32になってもよい)。平均第2最短距離(dd2)が平均第1最短距離(dd1)よりも大きい、特に、平均第2最短距離が平均第1最短距離の少なくとも2倍であるという条件が(容易に)達成され得るように、動作モード中に使用されるサブセット内の光源の数が選択されてもよい。
【0045】
(動作モードのためのサブセットの)光源がランダムに選択される場合、これは、(i)平均第2最短距離(dd2)が平均第1最短距離(dd1)よりも大きい、特に、平均第2最短距離が平均第1最短距離の少なくとも2倍であることを条件としてもよい、及び/又は、(ii)平均第2最短距離(dd2)が第1の寸法(d1)以上である、特に、平均第2最短距離がdd2≧d1であることを条件としてもよい。したがって、この選択は、完全にランダムでなくてもよい。
【0046】
特定の実施形態では、動作モード中に使用されるすべての光源(すなわち、アクティブな光源)は、サブセット内の他の近傍の光源との距離が、平均第1距離(dd1)よりも大きく、少なくとも平均第1距離(dd1)の4倍以上、特に、少なくとも平均第1距離(dd1)の5倍以上等、少なくとも平均第1距離(dd1)の2倍以上、例えば、平均第1距離(dd1)の約10倍以下であることを適用してもよい。特定の実施形態では、動作モード中に使用されるすべての光源(すなわち、アクティブな光源)は、サブセット内の他の近傍の光源との距離が、少なくとも2*(dd1+d1)以上等、少なくともdd1+d1以上、例えば、約4*(dd1+d1)まで等、約5*(dd1+d1)までである。ここで、dd1は、平均第1最短距離を示す。
【0047】
一般的に、光源の第1の寸法は、すべての光源に対して同一である。そうでない場合、(数)平均第1寸法が選択されてもよい。
【0048】
したがって、他の特定の実施形態では、光源の総数の少なくとも50%、特に、ある実施形態では、動作モード中に使用されるすべての光源(すなわち、アクティブな光源)について、これらは、(アクティブな光源の)サブセット内の他の近傍の光源との距離が、d1以上であることを適用してもよい。
【0049】
光源の総数のうちのサブセットが、動作モード中に、照明システム光を提供する。ある実施形態では、これは、特に、(2Dアレイ内の)他の光源がオフされることを意味する。照明システム光を提供する光源は、それぞれの最大出力(しかしながら、必ずしもその限りではなく、一般的には、それぞれの最大出力の少なくとも50%)で動作されてもよい。斯くして、他の光源は、オフされてもよく、又は、さらに他の特定の実施形態では、減光されてもよい。したがって、オン及びオフする代わりに、他の実施形態では、光源は、増光又は減光されてもよい。したがって、ある実施形態では、光源のサブセットが主に照明システム光を提供してもよく、複数の光源のうちの1つ以上の他の光源も照明システム光に加わってもよいが、比較的低い出力でのみ、例えば、総出力の10%以下が、照明システム光を提供するサブセット内ではない光源によって提供されてもよい。光源は、その最大出力の約10%を下回って減光されない場合、アクティブであると見なされてもよい。
【0050】
上述したように、ある実施形態では、単一の動作モードのみがあって、光源の固定された構成(fixed configuration of light sources)が、当該モード中に照明システム光を提供してもよい。これはなお、他の動作モードがあることを排除するものではない。光源の固定された構成を有するこのような単一の動作モードでは、動作モード中に照明システム光を提供する光源の時間的な変更はなくてもよい。しかしながら、動作モードにおいて照明システム光を提供する光源の変更は、特に、(照明システム光で鏡面反射物体を照らす場合)スパークル効果を提供し得る。
【0051】
したがって、特定の実施形態では、制御システムは、動作モード中に照明システム光を提供する光源の異なるサブセットを時間と共に生成するように構成されてもよく、無論、異なるサブセットは、動作モードにおいて照明システム光のための光源光を生成するように構成される最近傍光源(すなわち、アクティブな光源)が、平均第2最短距離dd2を有し、平均第2最短距離(dd2)は、平均第1最短距離(dd1)よりも大きい(及び/又は平均第2最短距離はdd2≧d1)という条件を満たす。(2つ以上の)異なるサブセットの動作モードにおいて照明システム光を提供する光源は、固定された(時間)スキームに従って選択されてもよく、又は、(疑似)ランダムに選択されてもよい。それゆえ、光源の総数のうちの(2つ以上の)異なるサブセットが照明システム光を生成するように構成されてもよい。
【0052】
したがって、(特に2Dアレイの)複数の光源の光源は各々、1つ以上のサブセットの一部であってもよい。1つの動作モードがある場合、単一のサブセットがあってもよい。動作モード中にサブセットが時間と共に変更される場合、複数のサブセットがある。これらのサブセットは、(動作モード中の)サブセット内の光源の空間的配置が異なる。2つ以上のサブセットがある場合、異なるサブセットは、例えば、最大で35%等、最大で50%、同一の光源(すなわち、特定の位置にある光源で、これは1つのサブセットで使用されるが、別のサブセットでも使用され得る)を有してもよい。上述のように、パーセンテージが非自然数になる場合、最も近い自然数が選択されてもよい。
【0053】
したがって、特定の実施形態では、光源の総数のうちの(2つ以上の)異なるサブセットが、照明システム光を生成するように構成され、特に、照明システムは、(2つ以上の)異なるサブセットのうちの2つ以上のサブセットを経時的に交代させ、動作モードにおいて照明システム光を生成するように構成されてもよい。2つ以上の異なるサブセットの間で経時的に交代される場合、照明システム光のビーム内の(正確な)強度分布は、経時的に変化し得る。これは、照明エリアを見る場合、及び/又は、照明システム光で照らされている鏡面反射性を有する物体を見る場合、スパークル効果を提供し得る。本明細書では、用語「交代させる(alternate)」及び同様の用語は、特に、時間的に、すなわち、次々と交代する(alternating in time, i.e. one after the other)ことを指す。
【0054】
「動作モードにおいて照明システム光を生成するように構成される照明システム」というフレーズ、又は「(2つ以上の)異なるサブセットのうちの2つ以上のサブセットを経時的に交代させ、動作モードにおいて照明システム光を生成するように構成される照明システム」というフレーズ、及び同様のフレーズは、特に、制御システムが、経時的に異なるサブセットの(異なる)光源によって等、照明システム光が提供されるように光源を制御することを示してもよい。
【0055】
上述したように、複数の光源があってもよい。このような場合、個々の光源、又は光源の個々のサブセットを制御することに関心があってもよい。これは、照明システム光の強度を制御することを可能にしてもよい。さらに、これは、動作モード中に、あるサブセット又は種々のサブセットをそれぞれ選択することを可能にしてもよい。上述したように、ある実施形態では、制御システムは、(2つ以上の)異なるサブセットのうちの2つ以上のサブセットを経時的に交代させ、動作モードにおいて照明システム光を生成する(照明システムに生成させる)ように構成されてもよい。したがって、制御システムは、照明システム光を提供する(又は提供しない)光源のサブセットを(それぞれ)交代させるように構成されてもよい。しかしながら、ある実施形態では、これは、任意選択的に、(例えば、動作モード中に)照明システム光の色点、色温度、及びレンダリングインデックスのうちの1つ以上を制御することも可能にしてもよい。しかしながら、本明細書で述べられるもの以外の動作モードであってもよい。
【0056】
(2つ以上の)異なるサブセットの間で交代される、特定の実施形態では、照明システム光の全体的な強度が本質的に一定であることが望ましくてもよい。したがって、ある実施形態では、制御システムは、経時的に照明システム光の一定の光束を維持するように構成されてもよい。「経時的に照明システム光の一定の光束」というフレーズは、光束の所定の値から、±5%以内等、約±10%以内にとどまる光束を指してもよい。
【0057】
特定の実施形態では、照明システムは、25Hz以下、例えば10Hz以下、例えば5Hz以下、例えば1Hz以下の周波数で2つ以上の異なるサブセットを交代させるように構成される。したがって、各サブセットは、少なくとも0.04秒、例えば少なくとも0.1秒、例えば少なくとも0.2秒の間、照明システム光を提供してもよく、このような期間の後、システムは、照明システム光を提供する光源の別のサブセットに変更してもよい。このようにして、ユーザは、経時的にスパークリング効果を見ることができる。ある実施形態では、サブセットが別のサブセットに変更する前に照明システム光を提供し得る時間の上限は、例えば、2分、例えば1分以下、例えば30秒以下、例えば15秒以下であってもよい。一方、高すぎる周波数は、ユーザに受け入れられない可能性があるため、周波数は、5Hz以下、例えば1Hz以下、例えば最大で0.2Hzとすることができる。上記から判断され得るように、「照明システムが交代させるように構成される(the lighting system is configured to alternate)」というフレーズ、及び同様のフレーズは、ある実施形態では、制御システムが、照明システムが異なるサブセットを(斯くして、光源を)交代させるように光源を制御するように構成されることを示してもよい。
【0058】
特に、大きなアレイでは、特に最大強度が必要ではない場合、サブセットの選択に比較的大きな自由度があってもよい。したがって、サブセットは、ビーム内の空間強度分布が本質的に同じままであるように選択されることもできる。このようにして、ビーム幅は本質的に同じままであってもよい。したがって、ある実施形態では、照明システムは、照明システム光の固定されたビーム幅を維持しながら2つ以上の異なるサブセットを(動作モードにおいて)交代させるように構成される。したがって、照明システム光を経時的に提供する光源のサブセットを交代させながら、最大で例えば約40°の開き角は本質的に同じままであってもよい。
【0059】
基本的に、スパークル効果を得るために2つのやり方があってもよい。これら2つのオプションは、ある実施形態では、組み合わされてもよく、又は、他の実施形態では、2つのオプションのうちの一方が選択されてもよい。ある実施形態では、照明システム光を生成するセットのすべての最も近いネイバーまでの平均距離が、平均第1最短距離よりも大きい(又は第1の寸法以上)という条件を満たす光源は、2Dアレイに含まれる光源から選択されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、このような光源の1つ以上は、代替的又は追加的に、2Dアレイから外部に構成される光源から選択されてもよい。したがって、ある実施形態では、1つ以上の光源は、2Dアレイの光源から任意の最近傍光源への第3最短距離(dd3)に構成され、第3最短距離(dd3)は、平均第1最短距離(dd1)の少なくとも5倍であり、例えば第3最短距離(dd3)は平均第1最短距離(dd1)の少なくとも10倍であり、例えば第3最短距離(dd3)は平均第1最短距離(dd1)の少なくとも15倍であり、例えば、dd3≧20*dd1であり、例えば、第3最短距離dd3は、平均第1最短距離(dd1)の約1000倍までであってもよい。特定の実施形態では、1つ以上の光源について、2Dアレイの光源から任意の最近傍光源への最短距離dd3は、第1の寸法d1以上であり、例えば、第3最短距離dd3は、少なくとも1.1*d1以上であり、例えば、dd3は、少なくとも1.5*d1以上であってもよい(d1は、ある実施形態では、特性寸法(characteristic dimension)の長さである)。
【0060】
ある実施形態では、照明システムは、一緒に複数の光源を提供し得る、1つ以上の照明デバイスを備えてもよい。したがって、いずれの照明デバイスも、それ自体では照明システムに関する本明細書で述べられる条件を必ずしも満たさないが、一緒になると満たす光源を含まなくてもよく、又は、1つ以上の照明デバイスが、このような光源を含んでもよい。しかしながら、他の実施形態では、照明デバイスの1つ以上は、本明細書で述べられる条件を満たしてもよく、斯くして、それ自体照明システムであってもよい。
【0061】
後者の実施形態では、1つ以上の照明デバイスは、例えば、照明デバイスの外部の制御システムによって制御されてもよいが、他の変形例では、照明デバイスの1つ以上は、(照明デバイスの照明デバイス光を制御するための)制御システムを含んでもよい。さらに、このような実施形態では、1つ以上の照明デバイスは、特に、ピクセル化された照明デバイスを含んでもよい。「ピクセル化された(pixelated)」という用語、及び同様の用語は、特に、複数の光源、より特には、その発光エリアを指す。複数の光源は、少なくとも、発光エリアの2Dアレイを提供するように構成される。
【0062】
したがって、用語「照明システム」は、ある実施形態では、(例えば制御システムを介して)機能的に結合される、複数の照明システムを指してもよい。
【0063】
さらに、特定の実施形態では、用語「照明システム」又は「照明システム光」、及び同様の用語は、斯くして、それぞれ、照明デバイス及び照明デバイス光(及び同様の用語)を指してもよい。それゆえ、ある実施形態では、照明システムは、照明デバイスを含み、照明デバイスは、複数の光源及び光学系を含んでもよい。したがって、特に、本発明はまた、(i)光源光を生成するように構成される複数の光源と、(ii)光源の下流に構成される光学系とを備える、照明デバイスであって、照明デバイスはさらに、光源の総数のうちの少なくとも一部の2Dアレイを備え、2Dアレイ内の最近傍光源は平均第1最短距離(dd1)を有し、照明デバイスはさらに、動作モードにおいて、光源の総数のうちのサブセットの光源光を含む照明デバイス光を生成するように構成され、動作モードにおいて照明デバイス光のための光源光を生成するように構成される最近傍光源は平均第2最短距離(dd2)を有し、平均第2最短距離(dd2)は、平均第1最短距離(dd1)よりも大きい、照明デバイスを提供する。斯くして、このような照明デバイスは、特に、ピクセル化された照明デバイスであり、ピクセルは、複数の光源の発光エリアによって定義される。
【0064】
特定の実施形態では、このような照明デバイスは、スポットライトであってもよい。例えば、特定の実施形態では、照明デバイス(の光学系)は、36°以下、例えば、25°以下等、40°以下の開き角(θ)を有する照明デバイス光のビームを生成するように構成されてもよい。
【0065】
ある実施形態では、動作モード中の照明システム光は、本質的に可視光のみであってもよく、例えば、スペクトルパワーの少なくとも80%が、380~780nmの範囲内にあってもよい。ある実施形態では、動作モード中の照明システム光は、白色光であってもよい。
【0066】
本願明細書における用語「白色光」は、当業者に既知である。これは、特に、約2000~20000K、特に2700~20000K、一般照明の場合は特に約2700K~6500Kの範囲、バックライティング目的の場合は特に約7000K~20000Kの範囲おける相関色温度(CCT:correlated color temperature)を有し、特にBBL(黒体軌跡(black body locus))から約15SDCM(等色標準偏差(standard deviation of color matching))以内、特にBBLから約10SDCM以内、さらに特にBBLから約5SDCM以内の光に関する。
【0067】
用語「可視」、「可視光」又は「可視発光」、及び同様の用語は、約380~780nmの範囲内の1つ以上の波長を有する光を指す。
【0068】
照明システム(又はデバイス)は、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム(household application system)、店舗用照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、プロジェクションシステム、自発光ディスプレイシステム(self-lit display system)、ピクセル化されたディスプレイシステム(pixelated display system)、セグメント化されたディスプレイシステム(segmented display system)、警標システム(warning sign system)、医療用照明アプリケーションシステム、指示標示システム(indicator sign system)、装飾用照明システム、ポータブルシステム、オートモーティブアプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、グリーンハウス照明システム、園芸用照明等の一部であってもよく、又はこれらに適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
ここで、本発明の実施形態を、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して、単なる例として説明する。
図1図1a~1dは、照明システムの実施形態のいくつかの態様を概略的に示す(光学系は示されていない)。
図2図2a~2bは、照明システムの実施形態のいくつかのさらなる態様を概略的に示す。
図3図3a~3cは、照明システムの実施形態のいくつかのさらに他の態様を概略的に示す。
図4図4は、照明システムのアプリケーションの一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
概略図は必ずしも縮尺どおりではない。
【0071】
ソース及び光学系の異なる組み合わせをなすことにより、いくつかのビーム幅が作り出されることができる。ハウジングは、生成されることができる最大フラックスを大まかに決定する。LEDソースの最大許容入力電力は、周囲に伝達されることができる熱の量によって決定され得る。一般的に、小型のソース(小さな発光エリアを有するCOB、又はチップスケールパッケージ(Chip Scaled Package)、ミッドパワーパッケージ(Mid Power Package)又はマイクロLED(MicroLED)の密集したアレイ(closely packed array))は、高いピーク強度を有する比較的狭いビームを提供し得、大型のソース(より大きな発光エリアを有するCOB、又はより大きな間隔を有するCSPのアレイ)は、低いピーク強度を有する広いビームをもたらし得る。しかしながら、同等の(comparable)フラックスが得られ得る。CSP間の間隔が大きい場合、又はCOBソースの色が均一ではない場合、コリメーティング光学要素が、ビームを均一にするためにある程度の混合を提供してもよい。
【0072】
図1aは、左側に、狭いビームを生成するLEDの密集したアレイを概略的に示している。また、図1aは、中央に、同じフラックスを得るために調光される、より広いビームを生成する、LEDの密集したアレイを概略的に示している。さらに、図1aは、右側に、同じフラックスを有するより広いビームを生成するより大きな間隔を有するLEDのアレイを概略的に示している。図1aに示されるように光源のサブセットを変更する場合、光源によって生成される光のビーム形状も付随して変化し得る。
【0073】
左側の円内及び右側の円内のハッチングされた正方形の面は、例えば最大キャパシティにおける光源を指す。中央の図の円内のハッチングされた正方形の面は、総フラックスが本質的に左側と同じであるように、調光される光源を指してもよい。白い正方形のエリアは、オフされている(又は、特定の実施形態では、最大出力の最大で10%における)光源を指す。左側又は中央の円の外側の破線で囲まれた正方形のエリアは、光源として残されてもよい(原則として、右側の図にも適用されてもよい)。
【0074】
小さなエリア(小さな正方形)は、参照符号10で示される、光源を指す。小さな正方形は、特に、発光面(又は、それぞれの光源がオンされる場合に光を発する面)を表す。光源は、第1の寸法d1を有し、これは、この場合は、長さ又は幅である(これらは、本質的に正方形の光源10/正方形の発光エリアのこの概略的に描かれた実施形態では等しい)。光源10は、近傍の光源10との距離dd1を有する。この概略的に描かれた実施形態における光源10は、(本質的にdd1+d1である)ピッチを有する。さらに、光源10は、本質的に、光軸Oを中心に対称的に構成されている。光源10は、立方体対称を有するアレイに構成されている。
【0075】
すべての小さなエリアのうちのより大きなエリア、すなわち、すべての発光面のうちのより大きなエリアは、「発光エリア」又は「照明エリア」として示されてもよい。参照符号110は、アレイを示す。光源10のアレイ、又は有効的に光源10の発光面のアレイは、アレイ110を画定する。また、アレイの外部に光源10があってもよい(以下も参照)。アレイ110は、本質的に、(個々の光源の発光面又は発光エリアを含む)照明エリアを画定する。
【0076】
また、図1aは、ランダムに選択された光源の最も近いネイバーを示している。この光源は、参照符号10'で示されている。この光源10'は、4つの最も近いネイバーを有し、これらは、太字のエッジ及び参照符号10nbで図に示されている。光源の発光面がボロノイ図に構成されるとすると(以下も参照)、4つのボロノイセルは、光源10'のボロノイセルとエッジを共有する唯一のボロノイセルとなる。したがって、2Dアレイ110内の最近傍光源10は、平均第1最短距離dd1を有する。より正確には、この例では、すべての光源10は、距離dd1に最近傍光源を有する。したがって、図面に示された距離dd1は、斯くして、平均第1最短距離dd1でもある。
【0077】
図1aの右側では、アレイ110の光源のサブセットがオンされていて、残りの光源はオンされていない。前者は、「アクティブな光源」、及び同様の用語として示されてもよい。
【0078】
オン及びオフする代わりに、他の実施形態では、光源は、増光又は減光されてもよいことに留意されたい。したがって、光源のサブセットが主に照明システム光を提供してもよく、複数の光源のうちの1つ以上の他の光源も照明システム光に加わってもよいが、比較的低い出力でのみ、例えば、総出力の10%以下が、照明システム光を提供するサブセット内ではない光源によって提供されてもよい。光源は、その最大出力の約10%を下回って減光されない場合、アクティブであると見なされてもよい。
【0079】
図1aの右側の光源のサブセットでは、照明システム光を提供する最も近いネイバー(すなわち、アクティブな光源10)の間の距離は、アレイ110の光源10の間(この距離はdd1である)よりも大きい。ここで、サブセットにおいてオンされるこれらの光源10の間の距離は、少なくとも、d1で示される、光源の寸法である。これらの(アクティブな)光源の間の距離は、dd2で示されている。したがって、動作モード中に照明システム光を提供するサブセットのこれらの光源10は、第2最短距離dd2を有する。ここで、これらの第2最短距離dd2は異なってもよく、dd2の長さが光源10'及びそのアクティブな最も近いネイバーの異なるセットの間で異なる図面も参照されたい。サブセットの光源10の各光源についての第2最短距離dd2は平均化されてもよく、これは、平均第2最短距離dd2をもたらす。
【0080】
したがって、図1aの右側では、光源光を生成するように構成される複数の光源10を備える照明システム1000の実施形態が概略的に提供されている。照明システム1000は、光源10の総数のうちの少なくとも一部の2Dアレイ110を備え、2Dアレイ110内の最近傍光源10は、平均第1最短距離dd1を有する。さらに、照明システム1000は、動作モードにおいて、光源10の総数のうちのサブセットの光源光を含む照明システム光1001を生成するように構成され、動作モードにおいて照明システム光1001のための光源光を生成するように構成される最近傍光源10(すなわち、サブセットを形成するアクティブな光源)は、平均第2最短距離dd2を有し、平均第2最短距離(dd2)は、平均第1最短距離(dd1)よりも大きい。ここで、平均第2最短距離dd2は、少なくともd1である。
【0081】
従来技術のスポットの輝度は一定である。外観はまぶしく(glary)又はまぶしくなくあり得るが、キラキラしている(sparkly)と知覚されることはない。(「美しいグレア(beautiful glare)」又は「魅力的なグレア(attractive glare)」としても知られる)「スパークル(Sparkle)」は、特に、空間的及び/又は時間的効果に基づく。とりわけ、本明細書では、ビーム角及び中心ビーム強度にほとんど又はまったく影響を及ぼすことなく、特定の位置のLEDをオン及びオフすることによって空間的(とりわけ図1aの右側参照)及び/又は時間的なダイナミクスを加えることが提案される。拡散反射面を有するスポット内の物体の外観は本質的に一定のままである可能性があるが、鏡面反射面を有する物体はスパークル効果を示す可能性がある。また、スポット自体が、ビームの外側の方向から見る場合にキラキラしている外観(sparkling appearance)を有することになる。
【0082】
本発明の一実施形態では、特定のエリアに広がるLED(例えば、チップスケールパッケージ、ミッドパワーパッケージ又はMicroLED)のマトリクスアレイが提供されてもよい。図1bを参照すると、時刻t1に、固定数のLEDがオンされる。これらは、正しいビームが生成されるように、特定のエリア内でパターンを形成する。その後の時間t2に、同じ数であるが、異なるパターンで、やはり特定のエリアを満たす、別のLEDのグループがオンされる。時間t3に、同じ数のLEDを用いる第3のパターンが選択される、等々といった具合である。スイッチング周波数は、ビームの外側の一定方向から光学系を又は投影されたビーム内の鏡面反射物体を見た場合にスパークル効果を生み出すように選択される。これは、図1bに概略的に描かれている。図1bは、異なる時点に、同じ数のLEDがオンされるが、特定のエリア内で異なるパターンでオンされる実施形態を概略的に示している。
【0083】
相対的に非常に低い周波数では、見る方向が時間的に変化しても外観は依然としてキラキラすることになる。
【0084】
この8*8の光源アレイで概略的に示されるように、照明システム光を提供する同じ数の光源を用いて複数(ここでは5つの例)のサブセットを作り出すことができる。経時的にこれらのサブセットを交代させることにより、スパークル効果が生み出され得る。したがって、照明システム1000について、照明システム光を生成するために選択されることができる光源10の総数のうち2つ以上の異なるサブセットがあり得ることが適用されてもよい。斯くして、照明システム1000は、特に、2つ以上の異なるサブセットのうちの2つ以上のサブセットを経時的に交代させ、動作モードにおいて照明システム光を生成するように構成されてもよい。ある実施形態では、照明システム1000は、10Hz以下の周波数で2つ以上の異なるサブセットを交代させるように構成されてもよい。したがって、制御システム(以下も参照)は、照明システムに、(時間的に)交代する異なる光源のサブセットを用いて提供される照明システム光を、10Hz以下の(交代(alternation)の)周波数で生成させるように構成されてもよい。
【0085】
また、図1bに示されるように、(経時的に)それぞれのサブセット内の光源10の光源光に基づく照明システム光のビーム形状へ影響は低く又は本質的に影響はなくし得る。したがって、照明システム1000は、照明システム光1001の本質的に固定されたビーム幅を維持しながら2つ以上の異なるサブセットを交代させるように構成されてもよい。同様に、(動作モード中にサブセットを交代させながら)経時的な照明システム光の一定の光束が維持されてもよい。
【0086】
斯くして、図1bは、複数の異なるサブセットが、動作モード中に照明システム光を生成するために経時的に使用され得る実施形態も概略的に示している。これらのサブセットは、(動作モード中の)サブセット内の光源の空間的配置が異なる。2つ以上のサブセットがある場合、異なるサブセットは、例えば、最大で35%等、最大で50%、同一の光源を有してもよい。
【0087】
また、図1bは、2Dアレイ110内の光源10の総数が36個以上である実施形態を概略的に示している。さらに、図1bは、動作モード中、光源10の総数の35%以下がオンされる実施形態も概略的に示している。特に、動作モード中、光源10の総数の35%以下がアクティブであってもよい。
【0088】
図1cは、もう少し詳細に、可能性のあるサブセットを、ここでは、1つ以上の光源10がアレイ110内に構成されず、その外部に構成される、特定の実施形態と組み合わせて概略的に示している。これらの光源は、参照符号10''で示されている。したがって、ある実施形態では、LED等の光源は、特定エリアの外側に構成されてもよい。このような光源は、例えば、選択されたパターン及び/又は周波数でオン及びオフされることができる。これらの光源は、遠距離場の強度分布(far field intensity distribution)に非常に限られた影響しか及ぼさなくてもよいが、ビームの外側の方向から光学系を見た場合にスパークル効果を高めるために使用されることができる。追加光源は、特に、それらのピーク強度が主ビームのテールの外側にあるように、主ソースから十分に離れて配置されてもよい。ここでは、追加光源からアレイ110内の最も近いネイバーへの距離は、dd3で示されている。したがって、図1cは、2Dアレイ110の光源10から任意の最近傍光源10への第3最短距離dd3に構成される1つ以上の光源10を含む照明システム1000の実施形態を概略的に示している。特に、第3最短距離(dd3)は、平均第1最短距離(dd1)の少なくとも5倍である。ある実施形態では、dd3≧d1である。平均(アレイ110内に構成されない光源10''の総数での平均)では、dd3は、1.1*d1以上等、d1以上であってもよい。
【0089】
アレイ110内の光源10に加えて、アレイ外の光源10もある場合、一般的に、dd3の平均値は、dd2の平均値よりも大きくなり、例えば、少なくとも10%大きく、例えば、少なくとも20%大きく、例えば、少なくとも50%大きくなる。
【0090】
とりわけ、図1a、図1b及び図1cを参照すると、固体光源等の光源10は、第1の長さ、第1の幅、第1の対角長さ、及び第1の径の群から選択される第1の寸法d1を有してもよい。ある実施形態では、第1の寸法は、100μm~2mmの範囲から選択されてもよい。さらに、ある実施形態では、第2平均最短距離dd2は、第1の寸法d1以上であってもよく、第1の寸法d1は、第1の幅等、第1の長さ及び第1の幅から選択されてもよい。
【0091】
図1dは、非規則的アレイ110を概略的に示している。近傍の光源10間の等距離を示すボロノイ線が示されている。エッジを共有するセルは、近傍の光源10を含む。
【0092】
上述の実施形態は、光学要素がなく描かれ、述べられた。図2a及び図2bは、光学要素を含む照明システム1000のいくつかの実施形態を概略的に示している。ここでは、光源光11を生成するように構成される複数の光源10と、光源10の下流に構成される光学系20とを備える照明システム1000の実施形態が描かれている。上述したように、照明システム1000は、光源10の総数のうちの少なくとも一部の2Dアレイ110を備える。さらに、照明システム1000は、光源10のうちの1つ以上の光源の光源光11を含む照明システム光1001を生成するように構成される。特定の動作モードでは、照明システム光1001は、光源10の総数のうちのサブセットの光源光11を含む。参照符号Oは、光軸を示す。参照符号θは、照明システム光1001のビーム1002の開き角を示す。
【0093】
光学系20は、特に、レンズ21(図2a参照)及びコリメータ22(図2b参照)から成る群から選択される光透過性光学系を含んでもよい。レンズは、例えば、フレネルレンズであってもよい。特に、光学系20は、照明システム光1001のビーム1002を生成するように構成される。図2bに示されるように、光学系はキャリア35に設けられ、2Dアレイ110の外側でキャリア35に設けられる追加光源10''は、光学系20と結合されず、2Dアレイ内に位置する光源10のみが光学系と光学的に結合される。
【0094】
特定の実施形態では、光学系20は、90°以下の開き角θを有する照明システム光1001のビーム1002を生成するように構成されてもよい。スポットライトアプリケーションでは、開き角はより小さくてもよい。したがって、特定の実施形態では、光学系20は、36°以下、例えば、25°以下等、40°以下の開き角θを有する照明システム光1001のビーム1002を生成するように構成されてもよい。
【0095】
光透過性光学系は、特に、光透過性材料(light transmissive material)、特に光透明材料(light transparent material)を含む。光透過性材料は、紫外放射、可視光、及び赤外放射のうちの1つ以上、特に少なくとも可視光に対して透明であってもよい。光透過性材料は、PE(ポリエチレン(polyethylene))、PP(ポリプロピレン(polypropylene))、PEN(ポリエチレンナフタレート(polyethylene napthalate))、PC(ポリカーボネート(polycarbonate))、PMA(ポリメチルアクリレート(polymethylacrylate))、PMMA(ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate))(プレキシグラス(Plexiglas)又はパースペクス(Perspex))、CAB(セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate))、シリコーン(silicone)、PVC(ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride))、ある実施形態ではPETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(glycol modified polyethylene terephthalate))を含む、PET(ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate))、PDMS(ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane))及びCOC(シクロオレフィンコポリマー(cyclo olefin copolymer)))から成る群から選択される等、透過性有機材料から成る群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。特に、光透過性材料は、例えば、PC(ポリカーボネート(polycarbonate))、P(M)MA(ポリ(メチル)メタクリレート(poly (methyl)methacrylate))、ポリグリコライド(polyglycolide)又はPGA(ポリグリコール酸(polyglycolic acid))、PLA(ポリ乳酸(polylactic acid))、PCL(ポリカプロラクトン(polycaprolactone))、PEA(ポリエチレンアジペート(polyethylene adipate))、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート(polyhydroxy alkanoate))、PHB(ポリヒドロキシブチレート(polyhydroxy butyrate))、PHBV(ポリ(3‐ヒドロキシブチレート‐コ‐3‐ヒドロキシバレレート(poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate))、PET(ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate))、PBT(ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate))、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate))、PEN(ポリエチレンナフタレート(polyethylene napthalate))等、芳香族ポリエステル又はその(コ)ポリマーを含んでもよい。特に、光透過性材料は、PET(ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate))を含んでもよい。したがって、光透過性材料は、特に、ポリマー光透過性材料である。しかしながら、別の実施形態では、光透過性材料は、無機材料を含んでもよい。特に、無機光透過性材料は、ガラス、(溶融)石英、透過性セラミック材料、及びシリコーンから成る群から選択されてもよい。また、無機部分及び有機部分の両方を含むハイブリッド材料が適用されてもよい。特に、光透過性材料は、PMMA、透明PC、又はガラスのうちの1つ以上を含む。
【0096】
また、図2a~2bは、照明システム1000がさらに制御システム30を備える実施形態を概略的に示している。制御システム30は、ある実施形態では、制御モードにおいて経時的にサブセットを交代させるように構成されてもよい。また、制御システム30は、経時的に照明システム光1001の一定の光束を維持するように構成されてもよい。また、制御システム30は、他の動作モード(又は制御モード)において照明システム光を制御するように構成されてもよい。制御システム30は、色点、色温度、及び演色評価数のうちの1つ以上を制御するように構成されてもよい。また、制御システムは、動作モード中にサブセットを選択するように構成され、これにより、照明システム光が、光源のサブセットの光源光に基づくようにしてもよい。経時的にサブセットが別のサブセットに変更されない場合、依然としてスパークル効果はあり得る(上記、とりわけ、図1aを参照)。
【0097】
また、図2a~2bは、光源10及び光学要素20が単一の照明デバイス100に含まれる実施形態を概略的に示している。したがって、これらの図は、照明システム1000が照明デバイス100を含み、照明デバイス100が複数の光源10及び光学要素20を備える実施形態も概略的に示している。例えば、ある実施形態では、照明デバイス100は、スポットライトである。照明デバイスは、特に、照明デバイス光101を生成するように構成される。ある実施形態では、照明デバイス光101は、本質的に、照明システム光1001であってもよいことに留意されたい。したがって、照明システム光1001に関連して本明細書で述べられるすべての実施形態は、照明デバイス光101にも適用され得る。
【0098】
参照符号25は、リフレクタを指し、例えば、アルミニウム層又は他の鏡面反射材料を備える。参照符号120は、ハウジングを示す。
【0099】
ある実施形態では、アレイ110は、図3a~3bに概略的に示されるように、(相互に)異なる色(すなわち、異なるスペクトルパワー分布)を発するように構成される、LED等の光源を含んでもよい。個々のハッチングは、ある実施形態では、特定の時点で、まとまって白色点をもたらしてもよい。これは、ある実施形態では、混合構造が適用されたとしても、ビームのエッジで色を招く可能性がある。ある実施形態では、RGB(W)LEDのクラスタが使用される場合(図3b参照)、ある実施形態では、各クラスタは、(時間平均された色がある白色であり、空間平均された色がある白色であるように)経時的に色が変化してもよい。
【0100】
ある実施形態では、LED等の色付き(colored)の光源が、特定エリアの外側に(遠くに)構成され、特定エリア内のLED等の光源は、白色であってもよい。このようにして、ビームの外側に色付きのスパークルが作り出される(例えば、図3c、特に図1cも参照)。
【0101】
図3a~3cを参照すると、ある実施形態では、光源10の総数のうちの2つ以上の光源10が、色点、色温度、及び演色評価数のうちの1つ以上が異なる光源光11を提供するように構成されてもよい。
【0102】
非常に概略的に、アプリケーションが、図4に示されている。ここで、照明システム1000は、2つの照明デバイス(照明器具等)を含み、各々が、本明細書で述べられるようなスパークル効果を有する、照明システム光1001/照明デバイス光101のビームを生成してもよい。例えば、照明システム1000は、物体を照らすために、ショールーム、ショップ、ミュージアム、又はホスピタリティエリアにおいて使用されてもよい。
【0103】
用語「複数」は、2つ以上を指す。
【0104】
本明細書の「実質的に(substantially)」又は「本質的に(essentially)」という用語は、当業者には理解されるであろう。用語「実質的に」又は「本質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態も含み得る。それゆえ、実施形態では、この形容詞「実質的に」又は「本質的に」は、削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」又は用語「本質的に」はまた、95%以上、特に99%以上、さらに特に99.5%以上等の、100%を含めた90%以上にも関連し得る。
【0105】
用語「含む(comprise)」は、用語「含む(comprise)」が「から成る(consists of)」を意味する実施形態もまた含む。
【0106】
用語「及び/又は」は、特に、「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関連する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関連し得る。用語「含む(comprising)」は、一実施形態では、「から成る(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義されている種、及びオプションとして1つ以上の他の種を包含する」も指す場合がある。
【0107】
さらには、明細書本文及び請求項での、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されるもの以外の、他の順序での動作が可能である点を理解されたい。
【0108】
デバイス、装置、又はシステムは、本明細書では、とりわけ、動作中について述べられている。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法又は動作時のデバイス、装置、又はシステムに限定されるものではない。
【0109】
上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計できることに留意されたい。
【0110】
請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0111】
動詞「含む(to comprise)」及び活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。文脈上別段の意味を有することが明らかな場合を除き、明細書及び特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」等の用語は、排他的(exclusive)又は網羅的な(exhausitive)意味ではなく、包含的な(inclusive)意味、すなわち、「含むがそれに限定されない(including, but not limited to)」という意味で解釈されるべきである。
【0112】
要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。
【0113】
本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実装されてもよい。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項、装置の請求項、又はシステムの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、同一のハードウェアのアイテムによって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0114】
本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得る、又は本明細書で述べられる方法若しくはプロセスを実行し得る、制御システムを提供する。またさらには、本発明はまた、デバイス、装置、又はシステムに機能的に結合されるか又はそれに含まれるコンピュータ上で実行されると、斯かるデバイス、装置、又はシステムの1つ以上の制御可能要素を制御するコンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0115】
本発明はさらに、明細書本文で述べられる特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイス、装置、又はシステムに適用される。本発明はさらに、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0116】
本特許で論じられている様々な態様は、さらなる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。さらには、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。さらには、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4