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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】クロマ予測方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/593 20140101AFI20240328BHJP
   H04N 19/132 20140101ALI20240328BHJP
   H04N 19/136 20140101ALI20240328BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20240328BHJP
   H04N 19/186 20140101ALI20240328BHJP
   H04N 19/59 20140101ALI20240328BHJP
【FI】
H04N19/593
H04N19/132
H04N19/136
H04N19/176
H04N19/186
H04N19/59
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022002794
(22)【出願日】2022-01-12
(62)【分割の表示】P 2020502227の分割
【原出願日】2018-05-22
(65)【公開番号】P2022050585
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】201710582094.1
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,ハイタオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ホーン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シャン
【審査官】鉢呂 健
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-512439(JP,A)
【文献】特表2014-525176(JP,A)
【文献】特開2013-034162(JP,A)
【文献】国際公開第2012/175646(WO,A1)
【文献】KIM, Jungsun et al.,AHG7: The performance of extended intra chroma prediction for non 4:2:0 format, Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11 12th Meeting: Geneva, CH, 14-23 Jan. 2013, [JCTVC-L0240],JCTVC-L0240 (version 4),ITU-T,2013年01月22日,<URL:http://phenix.it-sudparis.eu/jct/doc_end_user/documents/12_Geneva/wg11/JCTVC-L0240-v4.zip>: JCTVC-L0240_r1.doc: pp.1-5
【文献】SERIES H: AUDIOVISUAL AND MULTIMEDIA SYSTEMS Infrastructure of audiovisual services - Coding of moving video,Recommendation ITU-T H.265 (12/16) High efficiency video coding,ITU-T,2017年03月16日,pp.299,353-362,<URL:https://www.itu.int/rec/dologin_pub.asp?lang=e&id=T-REC-H.265-201612-S!!PDF-E&type=items>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00-19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック予測の方法であって、
処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングを実行して、前記ルーマ成分の初期信号を取得することと、
前記ルーマ成分の前記取得された初期信号から予測信号を減じることによって前記ルーマ成分の残差信号を取得することであり、前記予測信号は、前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の再構成画素が前記処理されるべき画像ブロックの隣接再構成画素に基づき生成されて参照画素として使用される場合に取得された予測信号である、ことと、
前記ルーマ成分の前記残差信号に対して変換を実行して、変換係数を取得することと、
前記取得された変換係数に対して量子化を実行して、量子化係数を取得することと、
前記量子化係数に対してエントロピ符号化を実行して、ビットストリームを取得することと、
前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の前記再構成画素を用いて前記処理されるべき画像ブロックのクロマ成分を予測することによって、前記処理されるべき画像ブロックの前記クロマ成分を符号化することであり、前記予測中に、前記処理されるべき画像ブロックのクロマ成分の解像度は、前記処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の解像度と同じであることを確かにされる、ことと
を有する方法。
【請求項2】
前記ビットストリームは、前記ダウンサンプリングが前記ルーマ成分に対して実行されるかどうかを示すために使用される第1識別子情報を含む第1処理情報を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1識別子情報は0又は1であり、0は、前記ダウンサンプリングが前記ルーマ成分に対して実行されないことを示し、1は、前記ダウンサンプリングが前記ルーマ成分に対して実行されることを示す、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1処理情報は、前記ルーマ成分に対して前記ダウンサンプリングを実行するフィルタを指示するために使用される第1インデックス情報を更に含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ビットストリームは、前記ダウンサンプリングが前記クロマ成分に対して実行されるかどうかを示すために使用される第2識別子情報を含む第2処理情報を更に有する、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第2識別子情報は0又は1であり、0は、前記ダウンサンプリングが前記クロマ成分に対して実行されないことを示し、1は、前記ダウンサンプリングが前記クロマ成分に対して実行されることを示す、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマットは、4:2:0である、
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ブロック予測の方法であって、
ビットストリームに対してエントロピ復号化を実行して、量子化係数を取得することと、
前記取得された量子化係数に対して逆量子化を実行して、変換係数を取得することと、
前記取得された変換係数に対して逆変換を実行して、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の残差信号及び前記処理されるべき画像ブロックのクロマ成分の残差信号を取得することと、
前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の隣接再構成画素に基づき前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の予測信号を生成することと、
前記ルーマ成分の予測信号と前記ルーマ成分の残差信号とを加算した後にフィルタリングを実行して、前記ルーマ成分の再構成画素を取得することと、
前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の前記再構成画素を用いて前記処理されるべき画像ブロックのクロマ成分の予測信号を取得することであり、前記処理されるべき画像ブロックの前記クロマ成分の解像度は、前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の解像度と同じであることを確かにされる、ことと、
前記クロマ成分の予測信号と前記クロマ成分の残差信号とを加算した後にフィルタリングを実行して、前記クロマ成分の再構成画素を取得することと、
ダウンサンプリング符号化が前記ルーマ成分に対して実行されていると決定する場合に前記ルーマ成分の前記再構成画素に対してアップサンプリングを実行して、前記処理されるべき画像ブロックの原解像度ルーマ成分の再構成画素を取得することと、
前記ダウンサンプリング符号化が前記クロマ成分に対して実行されてないと決定する場合に、前記処理されるべき画像ブロックの前記原解像度ルーマ成分の再構成画素及び前記クロマ成分の前記再構成画素に基づき前記処理されるべき画像ブロックを再構成することと
を有する方法。
【請求項9】
前記処理されるべき画像ブロックの第1処理情報及び第2処理情報を取得することと、
前記第1処理情報に基づき、前記ダウンサンプリング符号化が前記ルーマ成分に対して実行されているかどうかを決定することと、
前記第2処理情報に基づき、前記ダウンサンプリング符号化が前記クロマ成分に対して実行されているかどうかを決定することと
を更に有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1処理情報は、前記ダウンサンプリング符号化が前記ルーマ成分に対して実行されていることを示すために使用される第1識別子情報を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1識別子情報は、前記ダウンサンプリング符号化が前記ルーマ成分に対して実行されていることを示す1である、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1処理情報は、前記ダウンサンプリング符号化を前記ルーマ成分に対して実行するフィルタを指示するために使用される第1インデックス情報を更に含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2処理情報は、前記ダウンサンプリング符号化が前記クロマ成分に対して実行されていないことを示すために使用される第2識別子情報を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第2識別子情報は、前記ダウンサンプリング符号化が前記クロマ成分に対して実行されていないことを示す0である、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマットは、YUV420である、
請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記処理されるべき画像ブロックの前記第1処理情報及び前記第2処理情報を取得することは、
前記ビットストリームから前記第1処理情報及び前記第2処理情報を取得すること、又は
前記ビットストリームから前記第1処理情報を取得し、前もってセットされた第2処理情報を取得すること、又は
前記ビットストリームから前記第2処理情報を取得し、前もってセットされた第1処理情報を取得すること、又は
前記前もってセットされた第1処理情報及び前記前もってセットされた第2処理情報を取得すること
を有する、
請求項9乃至14のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
プロセッサと、
前記プロセッサへ結合され、プロセッサ実行可能命令を記憶している非一時的なメモリと
を有し、
前記プロセッサ実行可能命令は、前記プロセッサによって実行される場合に、前記プロセッサに、
ビットストリームに対してエントロピ復号化を実行して、量子化係数を取得することと、
前記取得された量子化係数に対して逆量子化を実行して、変換係数を取得することと、
前記取得された変換係数に対して逆変換を実行して、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の残差信号及び前記処理されるべき画像ブロックのクロマ成分の残差信号を取得することと、
前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の隣接再構成画素に基づき前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の予測信号を生成することと、
前記ルーマ成分の予測信号と前記ルーマ成分の残差信号とを加算した後にフィルタリングを実行して、前記ルーマ成分の再構成画素を取得することと、
前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の前記再構成画素を用いて前記処理されるべき画像ブロックのクロマ成分の予測信号を取得することであり、前記処理されるべき画像ブロックの前記クロマ成分の解像度は、前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分の解像度と同じであることを確かにされる、ことと、
前記クロマ成分の予測信号と前記クロマ成分の残差信号とを加算した後にフィルタリングを実行して、前記クロマ成分の再構成画素を取得することと、
ダウンサンプリング符号化が前記ルーマ成分に対して実行されていると決定する場合に前記ルーマ成分の前記再構成画素に対してアップサンプリングを実行して、前記処理されるべき画像ブロックの原解像度ルーマ成分の再構成画素を取得することと、
前記ダウンサンプリング符号化が前記クロマ成分に対して実行されてないと決定する場合に、前記処理されるべき画像ブロックの前記原解像度ルーマ成分の再構成画素及び前記クロマ成分の前記再構成画素に基づき前記処理されるべき画像ブロックを再構成することと
を実行させる、
ブロック予測デバイス。
【請求項18】
前記プロセッサ実行可能命令は、前記プロセッサによって実行される場合に、前記プロセッサに更に、
前記処理されるべき画像ブロックの第1処理情報及び第2処理情報を取得することと、
前記第1処理情報に基づき、前記ダウンサンプリング符号化が前記ルーマ成分に対して実行されているかどうかを決定することと、
前記第2処理情報に基づき、前記ダウンサンプリング符号化が前記クロマ成分に対して実行されているかどうかを決定することと
を実行させる、
請求項17に記載のブロック予測デバイス。
【請求項19】
前記第1処理情報は、前記ダウンサンプリング符号化が前記ルーマ成分に対して実行されていることを示すために使用される第1識別子情報を含む、
請求項18に記載のブロック予測デバイス。
【請求項20】
前記第2処理情報は、前記ダウンサンプリング符号化が前記クロマ成分に対して実行されていないことを示すために使用される第2識別子情報を含む、
請求項18又は19に記載のブロック予測デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「CHROMA PREDICTION METHOD AND DEVICE」と題されて2017年7月17日付けで中国特許庁に出願された中国特許出願第201710582094.1号の優先権を主張する。なお、先の中国特許出願は、その全文を参照により本願に援用される。
【0002】
本願は、画像処理の分野に、より具体的には、クロマ予測方法及びデバイスに関係がある。
【背景技術】
【0003】
デジタルビデオ圧縮符号化及び復号化技術は、放送分野、通信分野、記憶分野、及びマルチメディアサービス分野に広く適用されている。収集デバイスによって取得される原ビデオコンテンツは、比較的に大量のデータを有しており、記憶及び伝送に適さない。従って、効率的なビデオ圧縮符号化技術が、原データを圧縮するために使用される必要がある。画像全体に対してダウンサンプリングが実行されるときに、一部の詳細が失われることがある。結果として、ビデオ符号化/復号化プロセスにおけるクロマ予測は、十分に正確ではなく、再構成された画像は、不鮮明である。
【0004】
従って、ビデオ符号化/復号化プロセスにおけるクロマ予測の精度を改善し且つ再構成された画像の品質を改善する方法が、解決されるべき差し迫った課題である。
【発明の概要】
【0005】
本願は、ビデオ符号化/復号化プロセスにおけるクロマ予測の精度を改善し且つ再構成された画像の品質を改善するために、クロマ予測方法及びデバイスを提供する。
【0006】
第1の態様に従って、処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報と、前記処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される第1処理情報と、前記処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される第2処理情報とを取得することと、
前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ情報に基づき、前記処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックを再構成し、該過渡ルーマブロックの解像度は、前記処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット及び前記第1処理情報を使用することによって決定される、ことと、
前記過渡ルーマブロックの前記解像度、前記処理されるべき画像ブロックの前記サンプリングフォーマット、及び前記第2処理情報に基づき、前記処理されるべき画像ブロックの過渡クロマブロックの予測ブロックを取得し、前記過渡ルーマブロックの前記解像度は、前記過渡クロマブロックの解像度と同じであり、前記過渡クロマブロックの該解像度は、前記処理されるべき画像ブロックの前記サンプリングフォーマット及び前記第2処理情報を使用することによって決定される、ことと
を含むクロマ予測方法が提供される。
【0007】
従って、本願では、処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報と、第1処理情報と、第2処理情報とが、最初に取得される。次いで、処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックが、処理されるべき画像ブロックのルーマ情報に基づき再構成される。次いで、処理されるべき画像ブロックの過渡クロマブロックの予測ブロックが、過渡ルーマブロックの解像度、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット、及び第2処理情報に基づき取得される。処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックは、処理されるべき画像ブロックのクロマを予測するために使用され、画像処理法は、画像ブロックレベルで実行される。従って、画像の異なるエリア内の画像ブロック特性はより良く適応され、ビデオ符号化/復号化プロセスにおけるクロマ予測の精度が改善され得るとともに、再構成された画像の品質が改善され得る。
【0008】
任意に、第1の態様の実施で、前記第1処理情報が前記処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用されることは、
前記第1処理情報が、ダウンサンプリングが前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分に対して実行されないことを示すために使用されること、又は前記第1処理情報が、前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタを示すために使用されること
を含む。
【0009】
この場合に、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して使用されるサンプリング方式は、第1処理情報を使用することによって知られ得る。処理されるべき異なる画像ブロックは、異なるルーマ特性を有し得る。画像品質損失を減らすように、異なるサンプリング方式が、処理されるべき異なる画像ブロックのルーマ成分を処理するために選択される。
【0010】
任意に、第1の態様の実施で、前記第2処理情報が前記処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用されることは、
前記第2処理情報が、ダウンサンプリングが前記処理されるべき画像ブロックの前記クロマ成分に対して実行されないことを示すために使用されること、又は前記第2処理情報が、前記処理されるべき画像ブロックの前記クロマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタを示すために使用されること
を含む。
【0011】
この場合に、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるサンプリング方式は、第2処理情報を使用することによって知られ得る。処理されるべき異なる画像ブロックは、異なるクロマ特性を有し得る。画像品質損失を減らすように、異なるサンプリング方式が、処理されるべき異なる画像ブロックのクロマ成分を処理するために選択される。
【0012】
任意に、第1の態様の実施で、前記過渡ルーマブロックの前記解像度、前記処理されるべき画像ブロックの前記サンプリングフォーマット、及び前記第2処理情報に基づき、前記処理されるべき画像ブロックの過渡クロマブロックの予測ブロックを取得することは、
前記処理されるべき画像ブロックの前記サンプリングフォーマット及び前記第2処理情報に基づき、前記過渡クロマブロックの前記解像度を決定することと、
前記過渡クロマブロックの前記解像度が前記過渡ルーマブロックの前記解像度とは異なるときに、前記過渡ルーマブロックの前記解像度を調整して、該調整された過渡ルーマブロックの解像度が前記過渡クロマブロックの前記解像度と同じになるようにし、前記調整された過渡ルーマブロックを前記過渡クロマブロックのターゲットブロックとして使用すること、又は
前記過渡クロマブロックの前記解像度が前記過渡ルーマブロックの前記解像度と同じであるときに、前記過渡ルーマブロックの前記解像度を保持し、前記過渡ルーマブロックを前記過渡クロマブロックのターゲットブロックとして使用することと、
前記過渡クロマブロックの前記ターゲットブロックに基づき、前記過渡クロマブロックの前記予測ブロックを取得することと
を含む。
【0013】
この場合に、過渡クロマブロックの予測ブロックは、過渡クロマブロックのターゲットブロックに基づき取得される。ビデオの空間冗長性を取り除き、それによって、符号化に必要なビットレートを低減するために、ビデオ画像の空間領域補正が使用される。
【0014】
任意に、前記過渡ルーマブロックの前記解像度を調整することは、
前記過渡クロマブロックの前記解像度が前記過渡ルーマブロックの前記解像度よりも低いときには、前記過渡クロマブロックの前記解像度に基づき前記過渡ルーマブロックに対してダウンサンプリングを実行して、前記調整された過渡ルーマブロックの解像度が前記過渡クロマブロックの前記解像度と同じになるようにすること、又は
前記過渡クロマブロックの前記解像度が前記過渡ルーマブロックの前記解像度よりも高いときには、前記過渡クロマブロックの前記解像度に基づき前記過渡ルーマブロックに対してアップサンプリングを実行して、前記調整された過渡ルーマブロックの解像度が前記過渡クロマブロックの前記解像度と同じになるようにすること
を含む。
【0015】
この場合に、アップサンプリング又はダウンサンプリング調整が、過渡クロマブロックの解像度に基づき過渡ルーマブロックに対して実行され、それにより、調整された過渡ルーマブロックの解像度は、過渡クロマブロックの解像度と同じである。
【0016】
任意に、前記過渡クロマブロックの前記解像度が前記過渡ルーマブロックの前記解像度と同じであるときに、前記過渡ルーマブロックの前記解像度を保持し、前記過渡ルーマブロックを前記過渡クロマブロックのターゲットブロックとして使用することは、
前記過渡クロマブロックのサンプリング点の位置が前記過渡ルーマブロックのサンプリング点の位置とは異なるときに、前記過渡クロマブロックのサンプリング点の位置及び前記過渡ルーマブロックのサンプリング点の位置に基づき前記過渡ルーマブロックに対して補間操作を実行して、補正された過渡ルーマブロックを取得することと、
前記補正された過渡ルーマブロックを前記過渡クロマブロックの前記ターゲットブロックとして使用することと
を含む。
【0017】
任意に、第1の態様の実施で、前記過渡ルーマブロックの前記解像度を調整することは、
前記過渡ルーマブロックの水平解像度を調整して、該調整された過渡ルーマブロックの水平解像度が前記過渡クロマブロックの水平解像度と同じになるようにすることと、
前記過渡ルーマブロックの垂直解像度を調整して、該調整された過渡ルーマブロックの垂直解像度が前記過渡クロマブロックの垂直解像度と同じになるようにすることと
を含む。
【0018】
任意に、第1の態様の実施で、前記過渡クロマブロックの前記ターゲットブロックに基づき、前記過渡クロマブロックの前記予測ブロックを取得することは、
前記ターゲットブロックの再構成画素値、前記ターゲットブロックの隣接再構成画素値、及び前記過渡クロマブロックの隣接再構成画素値に基づき、前記過渡クロマブロックの予測画素値を取得すること
を含む。
【0019】
この場合に、過渡クロマブロックの予測画素値は、ターゲットブロックの再構成画素値、ターゲットブロックの隣接再構成画素値、及び過渡クロマブロックの隣接再構成画素値に基づき取得される。ビデオの空間冗長性を取り除き、それによって、符号化に必要なビットレートを低減するために、ビデオ画像の空間領域補正が使用される。
【0020】
任意に、第1の態様の実施で、当該方法は、
前記第1処理情報に基づき前記過渡ルーマブロックに対して第1アップサンプリング処理を実行して、前記処理されるべき画像ブロックの再構成ルーマブロックを取得することを更に含み、
前記第1アップサンプリング処理は、前記第1処理情報によって示されて前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ成分に対して実行されるダウンサンプリング処理の反転処理である。
【0021】
任意に、第1の態様の実施で、当該方法は、
前記処理されるべき画像ブロックの前記クロマ情報及び前記予測ブロックに基づき、前記過渡クロマブロックを再構成することと、
前記第2処理情報に基づき前記過渡クロマブロックに対して第2アップサンプリング処理を実行して、前記処理されるべき画像ブロックの再構成クロマブロックを取得することと
を更に含み、
前記第2アップサンプリング処理は、前記第2処理情報によって示されて前記処理されるべき画像ブロックの前記クロマ成分に対して実行されるダウンサンプリング処理の反転処理である。
【0022】
任意に、第1の態様の実施で、当該方法は、前記処理されるべき画像ブロックを復号するために使用され、
処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報と、第1処理情報と、第2処理情報とを取得することは、
ビットストリームから前記ルーマ情報及び前記クロマ情報を取得することと、
前記ビットストリームから前記第1処理情報及び前記第2処理情報を取得すること、
前記ビットストリームから前記第1処理情報及び前もってセットされた第2処理情報を取得すること、
前記ビットストリームから前記第2処理情報及び前もってセットされた第1処理情報を取得すること、又は
前もってセットされた第1処理情報及び前もってセットされた第2処理情報を取得することと
を含む。
【0023】
任意に、第1の態様の実施で、当該方法は、前記処理されるべき画像ブロックを符号化するために使用され、
処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報と、第1処理情報と、第2処理情報とを取得することは、
少なくとも1つの候補第1処理情報及び少なくとも1つの候補第2処理情報を使用することによって決定される前記処理されるべき画像ブロックの符号化コストを別々に計算することと、
最低符号化コストに対応する候補第1処理情報及び候補第2処理情報を前記取得された第1処理情報及び前記取得された第2処理情報として決定することと、
前記取得された第1処理情報及び前記取得された第2処理情報に基づき前記処理されるべき画像ブロックを符号化して、前記処理されるべき画像ブロックの前記ルーマ情報及び前記クロマ情報を取得することと
を含む。
【0024】
この場合に、少なくとも1つの候補第1処理情報及び少なくとも1つの候補第2処理情報を使用することによって決定される前記処理されるべき画像ブロックの符号化コストが決定され、最低符号化コストに対応する候補第1処理情報及び候補第2処理情報が、取得される第1処理情報及び取得される第2処理情報として決定される。これは、処理されるべき現在の画像ブロックを符号化するために必要なビットレートを低減し、且つ、記憶空間及びネットワーク資源を低減する。
【0025】
任意に、第1の態様の実施で、当該方法は、
前記取得された第1処理情報、前記取得された第2処理情報、前記取得されたルーマ情報、及び前記取得されたクロマ情報をビットストリームに符号化すること
を更に含む。
【0026】
第2の態様に従って、取得モジュール及び再構成モジュールを含むクロマ予測デバイスが提供される。取得モジュール及び再構成モジュールは、第1の態様又は第1の態様のいずれかの任意の実施に従う方法を実行し得る。
【0027】
第3の態様に従って、メモリ、トランシーバ、及びプロセッサを含むクロマ予測デバイスが提供される。メモリは、第1の態様又は第1の態様のいずれかの任意の実施を実行するように指示するために使用され得るプログラムコードを記憶する。トランシーバは、プロセッサによって駆動された後に特定の信号を受信及び送信するよう構成される。コードが実行されるときに、プロセッサは、方法において実行される動作を実装し得る。
【0028】
第4の態様に従って、コンピュータ記憶媒体が提供される。コンピュータ記憶媒体はプログラムコードを記憶し、プログラムコードは、第1の態様又は第1の態様のいずれかの任意の実施における方法の実行を示すために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本願に従うビデオ符号化/復号化システムの略ブロック図である。
図2】本願に従うクロマ予測方法の略フローチャートである。
図3】本願に従うYCbCrサンプリングフォーマット4:4:4に基づく位置の概略図である。
図4】本願に従うYCbCrサンプリングフォーマット4:2:2に基づく位置の概略図である。
図5】本願に従うYCbCrサンプリングフォーマット4:2:0に基づく位置の概略図である。
図6】本願に従う符号化プロシージャの概略図である。
図7】本願に従う復号化プロシージャの概略図である。
図8】本願に従うクロマ予測デバイスの略ブロック図である。
図9】本願に従うクロマ予測デバイスの略ブロック図である。
図10】本願に従うビデオ符号化/復号化装置又は電子デバイスの略ブロック図である。
図11】本願に従うビデオ符号化のための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下は、添付の図面を参照して、本願における技術的解決法について記載する。
【0031】
図1は、本願に従うビデオ符号化/復号化システム100の略ブロック図である。図1に示されるように、ビデオ符号化/復号化システム100は、ソース装置12及びあて先装置14を含む。ソース装置12は、符号化されたビデオデータを生成する。従って、ソース装置12は、ビデオ符号化装置又はビデオ符号化デバイスと呼ばれ得る。あて先装置14は、ソース装置12によって生成された符号化されたビデオデータを復号し得る。従って、あて先装置14は、ビデオ復号化装置又はビデオ復号化デバイスと呼ばれ得る。ソース装置12及びあて先装置14は、ビデオ符号化/復号化装置又はビデオ符号化/復号化デバイスの実施形態であり得る。ソース装置12及びあて先装置14は、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピューティング装置、ノートブック(例えば、ラップトップ)コンピュータ、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、スマートフォンのような携帯電話機、テレビ受像機、カメラ、表示装置、デジタルメディアプレイヤー、ビデオゲーム機、車載コンピュータ、及び同様の装置を含む広範囲の装置を含み得る。
【0032】
あて先装置14は、符号化されたビデオデータをソース装置12からチャネル16を通じて受け取ってよい。チャネル16は、符号化されたビデオデータをソース装置12からあて先装置14へ移動することができる1以上の媒体及び/又は装置を含み得る。実施形態において、チャネル16は、ソース装置12が符号化されたビデオデータをあて先装置14に対して実時間で直接送信することを可能にする1以上の通信媒体を含み得る。この実施形態で、ソース装置12は、符号化されたビデオデータを通信標準(例えば、無線通信プロトコル)に従って変調してよく、そして、変調されたビデオデータをあて先装置14へ送信してよい。1以上の通信媒体には、無線及び/又は有線の通信媒体、例えば、無線周波数(RF)スペクトル又は1以上の物理伝送回線が含まれ得る。1以上の通信媒体は、パケットベースのネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、又はグローバルネットワーク(例えば、インターネット))の部分を形成し得る。1以上の通信媒体には、ソース装置12からあて先装置14への通信を促進するルータ、スイッチ、基地局、又は他のデバイスが含まれ得る。
【0033】
他の実施形態では、チャネル16は、ソース装置12によって生成された符号化されたビデオデータを記憶する記憶媒体を含んでもよい。この実施形態で、あて先装置14は、ディスクアクセス又はカードアクセスを通じて記憶媒体にアクセスし得る。記憶媒体には、ブルーレイディスク、DVD、CD-ROM、フラッシュメモリ、又は符号化されたビデオデータを記憶するよう構成された他の適切なデジタル記憶媒体のような、複数のタイプのローカルアクセス可能なデータ記憶媒体が含まれ得る。
【0034】
他の実施形態では、チャネル16は、ソース装置12によって生成された符号化されたビデオデータを記憶するファイルサーバ又は他の中間記憶装置を含んでもよい。この実施形態で、あて先装置14は、ストリーミング伝送又はダウンロードを通じて、ファイルサーバ又は他の中間記憶装置に記憶されている符号化されたビデオデータにアクセスし得る。ファイルサーバは、符号化されたビデオデータを記憶し、符号化されたビデオデータをあて先装置14へ送信することができる一種のサーバであってよい。この実施形態におけるファイルサーバは、ウェブサーバ(例えば、ウェブサイトに使用される。)、ファイル転送プロトコル(FTP)サーバ、ネットワーク・アタッチト・ストレージ(Network Attached Storage,NAS)装置、及びローカルディスクドライブを含む。
【0035】
あて先装置14は、標準データ接続(例えば、インターネット接続)を通じて、符号化されたビデオデータにアクセスし得る。データ接続のタイプの例として、ファイルサーバに記憶されている符号化されたビデオデータにアクセスするために使用される無線チャネル(例えば、ワイヤレス・フィデリティ(Wireless Fidelity,Wi-Fi)接続)、有線接続(例えば、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line,DSL)、ケーブルモデム)、又はそれらの組み合わせがある。符号化されたビデオデータは、ファイルサーバからストリーミング伝送、ダウンロード伝送、又はそれらの組み合わせを通じて伝送され得る。
【0036】
本願の技術は、無線シナリオに適用されることに限られない。例えば、技術は、次の応用:無線テレビ放送、有線テレビ伝送、及び衛星テレビ伝送、ストリーミングビデオ伝送(例えば、インターネットによる)、データ記憶媒体に記憶されているビデオデータの符号化、データ記憶媒体に記憶されているビデオデータの復号化、又は他の応用のような複数のマルチメディア応用におけるビデオの符号化/復号化をサポートすることに適用され得る。いくつかの実施形態で、ビデオ符号化/復号化システム100は、ストリーミングビデオ伝送、ビデオ再生、ビデオ放送、及び/又はビデオ通話のような応答をサポートするように、一方向又は双方向のビデオ伝送をサポートするよう構成されてよい。
【0037】
図1の例では、ソース装置12は、ビデオソース18、ビデオ符号器20、及び出力インターフェイス22を含む。いくつかの実施形態で、出力インターフェイス22は、変調器/復調器(モデム)及び/又は送信器を含み得る。ビデオソース18は、ビデオ捕捉装置(例えば、ビデオカメラ)、前に捕捉されたビデオデータを含むビデオアーカイブ、ビデオコンテンツプロバイダからビデオデータを受信するよう構成されたビデオ入力インターフェイス、及び/又はビデオデータを生成するよう構成されたコンピュータグラフィクスシステム、あるいは、上記のビデオデータ源の組み合わせを含み得る。
【0038】
ビデオ符号器20は、ビデオソース18からのビデオデータを符号化し得る。いくつかの実施形態で、ソース装置12は、符号化されたビデオデータをあて先装置14へ出力インターフェイス22を通じて直接送信する。代替的に、符号化されたビデオデータは、記憶媒体又はファイルサーバに記憶されてもよく、それにより、あて先装置14は、その後に、復号化及び/又は再生のために、符号化されたビデオデータにアクセスする。
【0039】
図1の例では、あて先装置14は、入力インターフェイス28、ビデオ復号器30、及び表示装置32を含む。いくつかの実施形態で、入力インターフェイス28は、受信器及び/又はモデムを含む。入力インターフェイス28は、符号化されたビデオデータをチャネル16を通じて受信し得る。表示装置32は、あて先装置14と一体化されてよく、あるいは、あて先装置14の外に位置してもよい。表示装置32は、通常は、復号されたビデオデータを表示する。表示装置32は、複数のタイプの表示装置、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode,OLED)ディスプレイ、又は他のタイプの表示装置を含み得る。
【0040】
ビデオ符号器20及びビデオ復号器30は、ビデオ圧縮標準(例えば、高能率ビデオ符号化及び復号化標準H.265)に従って動作し、HEVCテストモデル(HM)に準拠することができる。
【0041】
本願をより良く理解するために、本願は、図1に示されるシステムと同じ又は類似したシステムを例として使用することによって、図2乃至図11を参照して以下で記載される。
【0042】
図2は、本願に従うクロマ予測方法200の略フローチャートである。図2に示されるように、次の内容が方法200に含まれる。
【0043】
210.処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報と、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される第1処理情報と、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される第2処理情報とを取得する。
【0044】
任意に、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分が独立して処理されるときに、方法は、第3処理情報を取得することを更に含む。第2処理情報は、処理されるべき画像ブロックの第1クロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される。第3処理情報は、処理されるべき画像ブロックの第2クロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される。
【0045】
具体的に、処理されるべき画像ブロックの色情報は、YCbCr色空間を使用することによって表現され、このとき、Yはルーマを表し、ルーマ成分とも呼ばれ、Cb及びCrはクロマを表し、画素の色相及び彩度を表すために使用され、Cb及びCrはクロマ成分と総称される。この場合に、ルーマYは、入力信号RGBを使用することによって確立され、方法は、特定の比率に従ってRGB(赤、緑、及び青)信号を重畳することであり、Cbは、入力RGB信号の青部分と信号ルーマ値との間の差を表し、Crは、入力RGB信号の赤部分と信号ルーマ値との間の差を表す。
【0046】
ダウンサンプリング処理がクロマ成分Cb及びCrに対して全体として実行されるときには、1つの処理情報が、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される。例えば、第2処理情報が、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される。ダウンサンプリング処理がクロマ成分Cb及びCrに対して独立して実行されるときには、2つの処理情報が、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分Cbに対して使用されるダウンサンプリング処理方式と、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分Crに対して使用されるダウンサンプリング処理方式とを示すために夫々使用されてよい。例えば、第2処理情報は、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分Cbに対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用され、第3処理情報は、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分Crに対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される。
【0047】
任意に、第1処理情報が、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用されることは、
第1処理情報が、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングが実行されないことを示すために使用されること、又は第1処理情報が、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタを示すために使用されること
を含む。
【0048】
具体的に、第1処理情報は、識別子情報を運ぶ。識別子情報は、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングが実行されるかどうかを示すために使用されてよい。例えば、識別子情報が0であるときには、それは、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングが実行されないことを示し、識別子情報が1であるときには、それは、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングが実行されることを示す。
【0049】
任意に、第1処理情報に含まれる識別子情報が、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングが実行されることを示すときに、第1処理情報はインデックス情報を更に含む。インデックス情報は、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタを示すために使用される。例えば、インデックス情報が1であるときには、それは、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタがフィルタ1であることを示し、インデックス情報が2であるときには、それは、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタがフィルタ2であることを示す。
【0050】
任意に、インデックス情報はまた、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングが実行されないことを示すためにも使用されてよい。インデックス情報が0であるときに、それは、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングが実行されないことを示す。処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して2:1ダウンサンプリングが実行される場合に、インデックス情報は1である。処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して4:1ダウンサンプリングが実行される場合に、インデックス情報は2である。
【0051】
任意に、第1処理情報は、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタを示すために使用される。第1処理情報によって示されて、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタに基づき、処理されるべき画像ブロックに対してアップサンプリングを実行するフィルタは決定される。
【0052】
具体的に、アップサンプリングフィルタとダウンサンプリングフィルタとの間の関係は、予め決められてよい。例えば、ダウンサンプリングフィルタ1がアップサンプリングフィルタ1に対応し、ダウンサンプリングフィルタ2がアップサンプリングフィルタ2に対応している。第1処理情報がダウンサンプリングフィルタ1を示す場合に、処理されるべき画像ブロックに対してアップサンプリングを実行するために、第1処理情報及びアップサンプリングフィルタとダウンサンプリングフィルタとの間の予め決定されていた関係に基づき、アップサンプリングフィルタ1が選択される。代替的に、第1処理情報は、モデル、タップの数、又はフィルタの係数の中の少なくとも1つであってよい。ダウンサンプリングフィルタのモデルは、3ローブ ランチョスフィルタ、双線形フィルタ、ガウスフィルタ、などを示し得る。アップサンプリングフィルタは、DCTIFフィルタ、双線形補間フィルタ、sincフィルタ、などであってよい。
【0053】
この場合に、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して使用されるサンプリング方式は、第1処理情報を使用することによって知られ得る。処理されるべき異なる画像ブロックは、異なるルーマ特性を有し得る。画像品質損失を減らすように、異なるサンプリング方式が、処理されるべき異なる画像ブロックのルーマ成分を処理するために選択される。
【0054】
任意に、第2処理情報が、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用されることは、
第2処理情報が、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングが実行されないことを示すために使用されること、又は第2処理情報が、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタを示すために使用されること
を含む。
【0055】
具体的に、第2処理情報は、識別子情報を運ぶ。識別子情報は、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングが実行されるかどうかを示すために使用されてよい。例えば、識別子情報が0であるときには、それは、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングが実行されないことを示し、識別子情報が1であるときには、それは、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングが実行されることを示す。
【0056】
任意に、第2処理情報に含まれる識別子情報が、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングが実行されることを示すときに、第2処理情報はインデックス情報を更に含む。インデックス情報は、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタを示すために使用される。例えば、インデックス情報が1であるときには、それは、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタがフィルタ1であることを示し、インデックス情報が2であるときには、それは、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタがフィルタ2であることを示す。
【0057】
任意に、インデックス情報はまた、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングが実行されないことを示すためにも使用されてよい。インデックス情報が0であるときに、それは、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングが実行されないことを示す。処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して2:1ダウンサンプリングが実行される場合に、インデックス情報は1である。処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して4:1ダウンサンプリングが実行される場合に、インデックス情報は2である。
【0058】
任意に、第2処理情報は、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタを示すために使用される。第2処理情報によって示されて、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングを実行するフィルタに基づき、処理されるべき画像ブロックに対してアップサンプリングを実行するフィルタは決定される。
【0059】
具体的に、アップサンプリングフィルタとダウンサンプリングフィルタとの間の関係は、予め決められてよい。例えば、ダウンサンプリングフィルタ3がアップサンプリングフィルタ3に対応し、ダウンサンプリングフィルタ4がアップサンプリングフィルタ4に対応している。第2処理情報がダウンサンプリングフィルタ3を示す場合に、処理されるべき画像ブロックに対してアップサンプリングを実行するために、第2処理情報及びアップサンプリングフィルタとダウンサンプリングフィルタとの間の予め決定されていた関係に基づき、アップサンプリングフィルタ3が選択される。代替的に、第2処理情報は、モデル、タップの数、又はフィルタの係数の中の少なくとも1つであってよい。ダウンサンプリングフィルタのモデルは、3ローブ ランチョスフィルタ、双線形フィルタ、ガウスフィルタ、などを示し得る。アップサンプリングフィルタは、DCTIFフィルタ、双線形補間フィルタ、sincフィルタ、などであってよい。
【0060】
この場合に、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるサンプリング方式は、第2処理情報を使用することによって知られ得る。処理されるべき異なる画像ブロックは、異なるクロマ特性を有してよく、画像品質損失を減らすように、異なるサンプリング方式が、処理されるべき異なる画像ブロックのクロマ成分を処理するために選択される。
【0061】
220.処理されるべき画像ブロックのルーマ情報に基づき、処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックを再構成し、このとき、過渡ルーマブロックの解像度は、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット及び第1処理情報を使用することによって決定される。
【0062】
具体的に、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分をパースする量子化係数が取得され、量子化係数に対して逆量子化が実行されて変換係数が得られ、変換係数に対して逆変換が実行されて、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の再構成残差が得られる。処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の予測画素は、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の隣接再構成画素に基づき生成される。予測画素及び再構成残差が加算されて、処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックが得られる。処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックは、処理されるべき画像ブロックの再構成画素である。
【0063】
人間の目は、ルーマ信号よりもクロマ信号に対して鈍感であるから、ダウンサンプリングは、通常は、適用中に画像のクロマに対して実行される。この方法を使用することによって、画像内の色を表現する情報は、データを圧縮するために、人によって知覚されずに取り除かれ得る。一般的なYCbCrサンプリングフォーマットは、4:4:4、4:2:2、及び4:2:0である。
【0064】
図3は、本願に従うYCbCrサンプリングフォーマット4:4:4に基づく位置の概略図である。夫々の画素位置がY、Cb、及びCrを有している。具体的に言えば、水平方向又は垂直方向に関わらず、4つのYルーマサンプリング点ごとに、4つのCbクロマサンプリング点及び4つのCrクロマサンプリング点に対応している。このフォーマットで、クロマ成分及びルーマ成分は、同じ解像度を有している。このフォーマットは、ビデオソースデバイスが高品位ビデオ信号を処理するときに適用される。
【0065】
図4は、本願に従うYCbCrサンプリングフォーマット4:2:2に基づく位置の概略図である。水平方向において、2つのYルーマサンプリング点ごとに、1つのCbクロマサンプリング点及び1つのCrクロマサンプリング点に対応している。画像が表示されるときに、Cb及びCrがないサンプリング点位置は、周囲の隣接するCb及びCrサンプリング点を使用することによって補間計算を通じて取得される。このフォーマットで、クロマ成分及びルーマ成分は、同じ垂直解像度を有している。しかし、クロマ成分の水平解像度は、ルーマ成分の水平解像度の半分しかない。これは、カラーテレビの標準フォーマットである。
【0066】
図5は、本願に従うYCbCrサンプリングフォーマット4:2:0に基づく位置の概略図である。水平及び垂直の両方向においてクロマ成分に対して2:1サンプリングが行われる。具体的に言えば、4つのYサンプリング点ごとに、1つのCbサンプリング点及び1つのCrサンプリング点に対応している。このフォーマットで、水平及び垂直の両方向におけるクロマ成分の解像度は、水平及び垂直の両方向におけるルーマと成分の解像度の1/2である。これは、ビデオ符号化においてしばしば使用されるフォーマットである。
【0067】
例えば、処理されるべき現在の画像ブロックの原解像度が8×8(単に、ここで一例として使用されており、実際の解像度は非常に高い。)である場合に、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマットは4:2:0である。第1処理情報は、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングが実行されることを示し、水平方向及び垂直方向の両方におけるダウンサンプリングレートは2:1である。ダウンサンプリング点は左サンプリング点及び上サンプリング点であり、処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックの解像度は4×4である。
【0068】
230.過渡ルーマブロックの解像度、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット、及び第2処理情報に基づき、処理されるべき画像ブロックの過渡クロマブロックの予測ブロックを取得し、このとき、過渡ルーマブロックの解像度は、過渡クロマブロックの解像度と同じであり、過渡クロマブロックの解像度は、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット及び第2処理情報を使用することによって決定される。
【0069】
任意に、過渡ルーマブロックの解像度、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット、及び第2処理情報に基づき、処理されるべき画像ブロックの過渡クロマブロックの予測ブロックを取得することは、
処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット及び第2処理情報に基づき、過渡クロマブロックの解像度を決定することと、
過渡クロマブロックの解像度が過渡ルーマブロックの解像度とは異なるときに、過渡ルーマブロックの解像度を調整して、調整された過渡ルーマブロックの解像度が過渡クロマブロックの解像度と同じになるようにし、調整された過渡ルーマブロックを過渡クロマブロックのターゲットブロックとして使用すること、又は
過渡クロマブロックの解像度が過渡ルーマブロックの解像度と同じであるときに、過渡ルーマブロックの解像度を保持し、過渡ルーマブロックを過渡クロマブロックのターゲットブロックとして使用することと、
過渡クロマブロックのターゲットブロックに基づき、過渡クロマブロックの予測ブロックを取得することと
を含む。
【0070】
この場合に、過渡クロマブロックの予測ブロックは、過渡クロマブロックのターゲットブロックに基づき取得される。ビデオの空間冗長性を取り除き、それによって、符号化に必要なビットレートを低減するために、ビデオ画像の空間領域補正が使用される。
【0071】
任意に、過渡ルーマブロックの解像度を調整することは、
過渡クロマブロックの解像度が過渡ルーマブロックの解像度よりも低いときには、過渡クロマブロックの解像度に基づき過渡ルーマブロックに対してダウンサンプリングを実行して、調整された過渡ルーマブロックの解像度が過渡クロマブロックの解像度と同じになるようにすること、又は
過渡クロマブロックの解像度が過渡ルーマブロックの解像度よりも高いときには、過渡クロマブロックの解像度に基づき過渡ルーマブロックに対してアップサンプリングを実行して、調整された過渡ルーマブロックの解像度が過渡クロマブロックの解像度と同じになるようにすること
を含む。
【0072】
具体的に、過渡クロマブロックの解像度が8×8であり、過渡ルーマブロックの解像度が16×16である場合に、過渡クロマブロックの解像度は、過渡ルーマブロックの解像度よりも低い。この場合には、過渡クロマブロックの解像度に基づき過渡ルーマブロックに対してダウンサンプリングが実行され、このとき、ダウンサンプリングレートは2:1であり、ダウンサンプリング後の過渡ルーマブロックの解像度は8×8であり、過渡クロマブロックの解像度と同じである。
【0073】
過渡クロマブロックの解像度が16×16であり、過渡ルーマブロックの解像度が8×8である場合に、過渡クロマブロックの解像度は、過渡ルーマブロックの解像度よりも高い。この場合には、過渡クロマブロックの解像度に基づき過渡ルーマブロックに対してアップサンプリングが実行され、このとき、アップサンプリングレートは1:2であり、アップサンプリング後の過渡ルーマブロックの解像度は16×16であり、過渡クロマブロックの解像度と同じである。
【0074】
例えば、処理されるべき画像ブロックのYCbCrサンプリングフォーマットは、4:2:0である。処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して、原解像度符号化が実行され、そして、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対しては、2:1のサンプリングレート(サンプリング点は左サンプリング点及び上サンプリング点である。)を使用することによってダウンサンプリングがクロマ成分に対して実行された後に符号化が実行される。図5から、過渡クロマブロックの解像度は過渡ルーマブロックの解像度とは異なり、過渡クロマブロックの解像度は過渡ルーマブロックの解像度よりも低いことが分かる。この場合に、過渡クロマブロックの解像度に基づき過渡ルーマブロックに対してダウンサンプリングが実行され、このとき、ダウンサンプリングは4:1であり、ダウンサンプリング後の過渡ルーマブロックの解像度は、過渡クロマブロックの解像度と同じである。
【0075】
他の例として、処理されるべき画像ブロックのYCbCrサンプリングフォーマットは、4:2:0である。処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対しては、4:1(サンプリング点は左サンプリング点及び上サンプリング点である。)を使用することによってダウンサンプリングがルーマ成分に対して実行された後に符号化が実行され、そして、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対しては、原解像度符号化が実行される。図5から、過渡クロマブロックの解像度は過渡ルーマブロックの解像度とは異なり、過渡クロマブロック解像度は過渡ルーマブロックの解像度よりも高いことが分かる。この場合に、過渡クロマブロックの解像度に基づき過渡ルーマブロックに対してアップサンプリングが実行され、このとき、アップサンプリングレートは1:2であり、アップサンプリング後の過渡ルーマブロックの解像度は、過渡クロマブロックの解像度と同じである。
【0076】
ダウンサンプリング符号化モードは、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分及びクロマ成分に対して適応的に選択され得ることが理解されるべきである。画像ブロックごとに4つのとり得る符号化モード、すなわち、ルーマ及びクロマ原解像度符号化、ルーマ及びクロマダウンサンプリング、ルーマダウンサンプリング及びクロマ原解像度符号化、並びにルーマ原解像度符号化及びクロマダウンサンプリング、が存在する。
【0077】
任意に、過渡クロマブロックの解像度が過渡ルーマブロックの解像度と同じであるときに、過渡ルーマブロックの解像度を保持し、過渡ルーマブロックを過渡クロマブロックのターゲットブロックとして使用することは、
過渡クロマブロックのサンプリング点の位置が過渡ルーマブロックのサンプリング点の位置とは異なるときに、過渡クロマブロックのサンプリング点の位置及び過渡ルーマブロックのサンプリング点の位置に基づき過渡ルーマブロックに対して補間操作を実行して、補正された過渡ルーマブロックを取得することと、
補正された過渡ルーマブロックを過渡クロマブロックのターゲットブロックとして使用することと
を含む。
【0078】
例えば、処理されるべき画像ブロックのYCbCrサンプリングフォーマットは、4:2:0である。処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対しては、2:1(サンプリング点は左サンプリング点及び上サンプリング点である。)を使用することによってダウンサンプリングがルーマ成分に対して実行された後に符号化が実行され、そして、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対しては、原解像度符号化が実行される。図5から、過渡クロマブロックの解像度は過渡ルーマブロックの解像度と同じであるが、過渡クロマブロックのサンプリング点の位置は過渡ルーマブロックのサンプリング点の位置とは異なることが分かる。
【0079】
補間操作が、過渡クロマブロックのサンプリング点の位置及び過渡ルーマブロックのサンプリング点の位置に基づき過渡ルーマブロックの再構成画素に対して実行されて、補正された過渡ルーマブロックの再構成画素が得られる。補正された過渡ルーマブロックは、過渡クロマブロックのターゲットブロックとして使用される。
【0080】
本願のこの実施形態で、処理されるべき画像ブロックのYCbCrサンプリングフォーマットが4:2:0であることは、単に例として使用されていることが理解されるべきである。代替的に、処理されるべき画像ブロックのYCbCrフォーマットは、4:4:4又は4:2:2であってもよい。処理されるべき画像ブロックのYCbCrフォーマットは、本願において制限されない。
【0081】
本願のこの実施形態で、ダウンサンプリングのためのサンプリングレート2:1又は4:1及びアップサンプリングレートは、単に例として使用されていることが理解されるべきである。代替的に、ダウンサンプリングレート及びアップサンプリングレートは、別のサンプリングレートであってもよい。サンプリングレートは、本願において制限されない。
【0082】
水平方向及び垂直方向におけるダウンサンプリングのためのサンプリングレートが同じであることは、単に例として使用されていることが更に理解されるべきである。水平方向におけるダウンサンプリングレート及び垂直方向におけるダウンサンプリングレートが同じであるかどうかは、本願において制限されない。
【0083】
任意に、過渡ルーマブロックの解像度を調整することは、
過渡ルーマブロックの水平解像度を調整して、調整された過渡ルーマブロックの水平解像度が過渡クロマブロックの水平解像度と同じになるようにすることと、
過渡ルーマブロックの垂直解像度を調整して、調整された過渡ルーマブロックの垂直解像度が過渡クロマブロックの垂直解像度と同じになるようにすることと
を含む。
【0084】
具体的に、過渡ルーマブロックの解像度を調整することは、過渡ルーマブロックの水平解像度及び過渡ルーマブロックの垂直解像度を調整することを含み、それにより、調整された過渡ルーマブロックの水平解像度は過渡クロマブロックの水平解像度と同じであり、且つ、調整された過渡ルーマブロックの垂直解像度は過渡クロマブロックの垂直解像度と同じである。
【0085】
任意に、過渡クロマブロックのターゲットブロックに基づき、過渡クロマブロックの予測ブロックを取得することは、
ターゲットブロックの再構成画素値、ターゲットブロックの隣接再構成画素値、及び過渡クロマブロックの隣接再構成画素値に基づき、過渡クロマブロックの予測画素値を取得すること
を含む。
【0086】
具体的に、次世代のビデオ標準の研究過程で、新しいクロマ予測技術、すなわち、交差成分線形モデル予測(cross-component linear model prediction,CCLM)が提案されている。この技術では、現在の画像ブロックの再構成ルーマ画素を使用することによってクロマ画素が予測され、ルーマ成分とクロマ成分との間の冗長性は取り除かれ得る。CCLMは、最初に、符号化されるべき現在の画像ブロックの隣接再構成ルーマ画素値及び隣接再構成クロマ画素値に基づき、符号化されるべき現在の画像ブロックのルーマ/クロマ相関モデルを確立する。相関モデルは線形モデルであり、パラメータα及びβによって表される。符号化されるべき現在の画像ブロックの予測クロマ画素値は、符号化されるべき現在の画像ブロックの確立されたルーマ/クロマ相関モデルと、符号化されるべき現在の画像ブロックの再構成ルーマ画素値とに基づき、生成される。
【0087】
最初に、符号化されるべき画像ブロックのルーマ/クロマ相関モデルが確立され、すなわち、パラメータα及びβの値が決定され、そして、ターゲットブロックの隣接再構成画素値及び過渡クロマブロックの隣接再構成画素値が取得される。ターゲットブロックの隣接再構成画素値は、ターゲットブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成ルーマ画素値と、ターゲットブロックに対して左の列で隣接する画像ブロックの再構成ルーマ画素値とを含む。過渡クロマブロックの隣接再構成画素値は、過渡クロマブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成クロマ画素値と、過渡クロマブロックに対して左の列で隣接する画像ブロックの再構成クロマ画素値とを含む。
【0088】
ターゲットブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成ルーマ画素のサンプリング点の位置及び解像度は、過渡クロマブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成クロマ画素のサンプリング点の位置及び解像度と同じである。ターゲットブロックに対して左の列で隣接する画像ブロックの再構成ルーマ画素のサンプリング点の位置及び解像度は、過渡クロマブロックに対して左の列で隣接する画像ブロックの再構成クロマ画素のサンプリング点の位置及び解像度と同じである。
【0089】
ターゲットブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成ルーマ画素のサンプリング点の位置及び解像度が、過渡クロマブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成クロマ画素のサンプリング点の位置及び解像度とは異なる場合に、ターゲットブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成ルーマ画素のサンプリング点の位置及び解像度は調整されるべきであり、それにより、ターゲットブロックに対して上の行で隣接する調整された画像ブロックの再構成ルーマ画素のサンプリング点の位置及び解像度は、過渡クロマブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成クロマ画素のサンプリング点の位置及び解像度と同じである。調整は、アップサンプリング、ダウンサンプリング、又はサンプリング点の位置に基づき実行される補間操作であってよい。同様に、ターゲットブロックに対して左の列で隣接する画像ブロックの再構成ルーマ画素のサンプリング点の位置及び解像度は、過渡クロマブロックに対して左の列で隣接する画像ブロックの再構成クロマ画素のサンプリング点の位置及び解像度に基づき調整される。
【0090】
パラメータα及びβの値は、ターゲットブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成ルーマ画素値、及び過渡クロマブロックに対して上の行で隣接する画像ブロックの再構成クロマ画素値と、ターゲットブロックに対して左の列で隣接する画像ブロックの再構成ルーマ画素値、及び過渡クロマブロックに対して左の列で隣接する画像ブロックの再構成クロマ画素値とに基づき決定される。
【0091】
次いで、過渡クロマブロックの予測画素値は、確立されたルーマ/クロマ相関モデルに基づき、且つ、ターゲットブロックの再構成画素値に基づき、取得される。
【0092】
ターゲットブロックの再構成画素値は、参照画素recとして使用され、参照画素rec並びにα及びβの値は、過渡クロマブロックの予測画素値を取得するように式(1)に代入される:

pred=α・rec+β (1)
【0093】
この場合に、過渡クロマブロックの予測画素値は、ターゲットブロックの再構成画素値、ターゲットブロックの隣接再構成画素値、及び過渡クロマブロックの隣接再構成画素値に基づき取得される。ビデオの空間冗長性を取り除き、それによって、符号化に必要なビットレートを低減するために、ビデオ画像の空間領域補正が使用される。
【0094】
任意に、方法は、
第1処理情報に基づき過渡ルーマブロックに対して第1アップサンプリング処理を実行して、処理されるべき画像ブロックの再構成ルーマブロックを取得することを更に含み、
第1アップサンプリング処理は、第1処理情報によって示されて、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して実行されるダウンサンプリング処理の反転処理である。
【0095】
具体的に、第1処理情報は、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示す。処理されるべき画像ブロックの再構成ルーマブロックを取得するために、アップサンプリング処理が過渡ルーマブロックに対して実行される。アップサンプリング処理方式は、ダウンサンプリングの反転処理である。
【0096】
例えば、2:1ダウンサンプリング処理方式が、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して実行される。過渡ルーマブロックが取得された後に、処理されるべき画像ブロックの再構成ルーマブロックを取得するために、1:2のアップサンプリングレートを使用することによってアップサンプリングが過渡ルーマブロックに対して実行される。
【0097】
アップサンプリング中のサンプリング点の位置及びダウンサンプリング中のサンプリング点の位置も反対であることを含め、アップサンプリング処理方式及びダウンサンプリングは逆であることが理解されるべきである。
【0098】
任意に、当該方法は、
処理されるべき画像ブロックのクロマ情報及び予測ブロックに基づき、過渡クロマブロックを再構成することと、
第2処理情報に基づき過渡クロマブロックに対して第2アップサンプリング処理を実行して、処理されるべき画像ブロックの再構成クロマブロックを取得することと
を更に含み、
第2アップサンプリング処理は、第2処理情報によって示されて、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して実行されるダウンサンプリング処理の反転処理である。
【0099】
具体的に、第2処理情報は、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示す。処理されるべき画像ブロックの再構成クロマブロックを取得するために、アップサンプリング処理が過渡クロマブロックに対して実行される。アップサンプリング処理方式は、ダウンサンプリングの反転処理である。
【0100】
任意に、方法は、処理されるべき画像ブロックを復号するために使用され、
処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報と、第1処理情報と、第2処理情報とを取得することは、
ビットストリームからルーマ情報及びクロマ情報を取得することと、
ビットストリームから第1処理情報及び第2処理情報を取得すること、
ビットストリームから第1処理情報及び前もってセットされた第2処理情報を取得すること、
ビットストリームから第2処理情報及び前もってセットされた第1処理情報を取得すること、又は
前もってセットされた第1処理情報及び前もってセットされた第2処理情報を取得することと
を含む。
【0101】
具体的に、第1処理情報及び第2処理情報は、画像エリアの識別子情報を含む。識別子情報は、第1処理情報及び第2処理情報の使用範囲を示すために使用される。範囲は、画像エリアの部分、画像ブロック、又は画像サブブロックを含み得る。
【0102】
任意に、方法は、前記処理されるべき画像ブロックを符号化するために使用され、
処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報と、第1処理情報と、第2処理情報とを取得することは、
少なくとも1つの候補第1処理情報及び少なくとも1つの候補第2処理情報を使用することによって決定される処理されるべき画像ブロックの符号化コストを別々に計算することと、
最低符号化コストに対応する候補第1処理情報及び候補第2処理情報を、取得された第1処理情報及び取得された第2処理情報として決定することと、
取得された第1処理情報及び取得された第2処理情報に基づき、処理されるべき画像ブロックを符号化して、処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報を取得することと
を含む。
【0103】
この場合に、少なくとも1つの候補第1処理情報及び少なくとも1つの候補第2処理情報を使用することによって決定される前記処理されるべき画像ブロックの符号化コストが決定され、最低符号化コストに対応する候補第1処理情報及び候補第2処理情報が、取得される第1処理情報及び取得される第2処理情報として決定される。これは、処理されるべき現在の画像ブロックを符号化するために必要なビットレートを低減し、且つ、記憶空間及びネットワーク資源を低減する。
【0104】
任意に、方法は、
取得された第1処理情報、取得された第2処理情報、取得されたルーマ情報、及び取得されたクロマ情報をビットストリームに符号化すること
を更に含む。
【0105】
従って、本願では、最初に、処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報と、第1処理情報と、第2処理情報とが取得され、次いで、処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックが、処理されるべき画像ブロックのルーマ情報に基づき再構成され、処理されるべき画像ブロックの過渡クロマブロックの予測ブロックが、過渡ルーマブロックの解像度、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット、及び第2処理情報に基づき取得される。処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックは、処理されるべき画像ブロックのクロマを予測するために使用され、画像処理法は、画像ブロックレベルで実行される。従って、画像の異なるエリア内の画像ブロック特性はより良く適応され、ビデオ符号化/復号化プロセスにおけるクロマ予測の精度が改善され得るとともに、再構成された画像の品質が改善され得る。
【0106】
本願のクロマ予測方法をより良く理解するために、以下は、符号器側及び復号器側の視点から、本願のクロマ予測方法について別々に記載する。
【0107】
図6は、本願に従う符号化プロシージャの概略図である。図6に示されるように、以下の内容が主に含まれる。
【0108】
601.画像を入力し、画像を画像ブロックに分け、処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングを実行して初期信号を得る。
【0109】
602.初期信号から予測信号を減じて、処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の残差信号を得る。
【0110】
予測信号は、処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の再構成画素が、処理されるべき現在の画像ブロックの隣接再構成画素に基づき生成されて、参照画素として使用されるときに取得される予測信号であることが、留意されるべきである。次のステップが含まれる:603.処理されるべき現在の画像ブロックの隣接再構成画素に基づき生成された処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の量子化係数に対して逆量子化を実行して、変換係数を取得し、変換係数に対して逆変換を実行して、処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の残差信号を得る。604.予測信号及び残差信号が加算された後にフィルタリングを実行する。605.処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の再構成画素を取得する。
【0111】
606.処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の残差信号に対して空間変換操作を実行して、変換係数を取得し、次いで、変換係数に対して量子化操作を実行して、量子化係数を取得する。
【0112】
607.可変長符号化又はバイナリ符号化のようなエントロピ符号化技術を使用することによって量子化係数に対してエントロピ符号化を実行して、圧縮ビットストリームを得る。
【0113】
符号化中に、上記のプロシージャでは、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリングは実行されないことが理解されるべきである。原解像度符号化コストを得るように、原解像度符号化が実行される。処理されるべき現在の画像ブロックの原解像度符号化コストはダウンサンプリング符号化コストと比較され、符号化コストが小さい符号化方式に対応する圧縮ビットストリームが選択される。
【0114】
処理されるべき画像ブロックのクロマ成分が符号化されるときに、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分は、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の再構成画素を使用することによって予測され得る。予測中に、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分の解像度は、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の解像度と同じであることを確かにされる必要があることが、留意されるべきである。処理されるべき画像ブロックのクロマ成分の解像度が、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の解像度とは異なる場合に、ルーマ成分の解像度は、クロマ成分の解像度に基づき調整されるべきであり、それにより、処理されるべき画像ブロックの調整されたルーマ成分の解像度は、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分の解像度と同じである。更に、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分は、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分の再構成画素に基づき予測され得る。
【0115】
図7は、本願に従う復号器側でのプロシージャの概略図である。図7に示されるように、以下の内容が主に含まれる。
【0116】
701.現在のビットストリームからエントロピ復号化により、処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分に対してダウンサンプリング復号化モードが使用されるかどうか(ここでは、処理されるべき現在の画像ブロックに対してダウンサンプリングモードが使用されると仮定される。)と、変換/量子化係数とを取得する。
【0117】
702.処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の量子化係数に対して逆量子化を実行して、変換係数を取得し、変換係数に対して逆変換を実行して、処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の残差信号を取得する。
【0118】
703.処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の隣接再構成画素に基づき、処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の予測画素を生成する。
【0119】
704.予測信号及び残差信号が加算された後にフィルタリングを実行する。
【0120】
705.処理されるべき現在の画像ブロックのルーマ成分の再構成画素を取得する。ルーマ成分の再構成画素の解像度は低いことが、留意されるべきである。処理されるべき現在の画像ブロックの原解像度ルーマ成分の再構成画素を得るために、ルーマ成分の目下の低解像再構成画素に対してアップサンプリングが更に実行される必要がある。アップサンプリング処理及びダウンサンプリング処理は逆である。
【0121】
処理されるべき現在の画像ブロックのクロマ成分に対してダウンサンプリングが実行されないことが、パーシングを通じてビットストリームから取得されるときに、すなわち、処理されるべき現在の画像ブロックのクロマ成分の解像度が原解像度であるときに、処理されるべき現在の画像ブロックのクロマ成分の残差信号は、同じプロセスにより取得される。次いで、ルーマ/クロマ相関モデルがルーマ成分の低解像度再構成画素に適用されて、処理されるべき画像ブロックの原解像度クロマ成分の予測信号が取得され、そして、処理されるべき現在の画像ブロックの原解像度クロマ成分の予測信号と残差信号とが加算された後に取得される信号に基づき、フィルタリングが実行されて、処理されるべき現在の画像ブロックの原解像度クロマ成分の再構成信号が取得される。
【0122】
図8は、本願に従うクロマ予測デバイス800の略ブロック図である。図8に示されるように、クロマ予測デバイス800は、
処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報と、処理されるべき画像ブロックのルーマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される第1処理情報と、処理されるべき画像ブロックのクロマ成分に対して使用されるダウンサンプリング処理方式を示すために使用される第2処理情報とを取得するよう構成される取得モジュール810と、
処理されるべき画像ブロックのルーマ情報に基づき、処理されるべき画像ブロックの過渡ルーマブロックを再構成するよう構成され、過渡ルーマブロックの解像度は、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット及び第1処理情報を使用することによって決定される、再構成モジュール820と
を含む。
【0123】
取得モジュール810は、過渡ルーマブロックの解像度、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット、及び第2処理情報に基づき、処理されるべき画像ブロックの過渡クロマブロックの予測ブロックを取得するよう更に構成され、このとき、過渡ルーマブロックの解像度は、過渡クロマブロックの解像度と同じであり、過渡クロマブロックの解像度は、処理されるべき画像ブロックのサンプリングフォーマット及び第2処理情報を使用することによって決定される。
【0124】
任意に、取得モジュール810及び再構成モジュール820は、本願のクロマ予測方法200における動作を実行するよう構成される。簡潔さのために、詳細は、ここで再び記載されない。
【0125】
任意に、クロマ予測デバイス800は、処理されるべき画像ブロックを復号するよう構成される。取得モジュール810は、ビットストリームから前記ルーマ情報及び前記クロマ情報を取得するよう、且つ、ビットストリームから第1処理情報及び第2処理情報を取得するか、ビットストリームから第1処理情報及び前もってセットされた第2処理情報を取得するか、ビットストリームから第2処理情報及び前もってセットされた第1処理情報を取得するか、あるいは、前もってセットされた第1処理情報及び前もってセットされた第2処理情報を取得するよう構成される。
【0126】
任意に、クロマ予測デバイス800は、処理されるべき画像ブロックを符号化するよう構成される。取得モジュール810は、
少なくとも1つの候補第1処理情報及び少なくとも1つの候補第2処理情報を使用することによって決定される処理されるべき画像ブロックの符号化コストを別々に計算し、
最低符号化コストに対応する候補第1処理情報及び候補第2処理情報を、取得された第1処理情報及び取得された第2処理情報として決定し、
取得された第1処理情報及び取得された第2処理情報に基づき、処理されるべき画像ブロックを符号化して、処理されるべき画像ブロックのルーマ情報及びクロマ情報を取得する
よう構成される。
【0127】
クロマ予測デバイス800は、方法実施形態におけるクロマ予測デバイスに対応しており、対応するモジュールは、対応するステップを実行する。詳細については、対応する方法実施形態を参照されたい。
【0128】
図9は、本願に従うクロマ予測デバイス900の略ブロック図である。図9に示されるように、クロマ予測デバイス900は、
コードを含むプログラムを記憶するよう構成されるメモリ910と、
他のデバイスと通信するよう構成されるトランシーバ920と、
メモリ910内のプログラムコードを実行するよう構成されるプロセッサ930と
を含む。
【0129】
任意に、コードが実行されるときに、プロセッサ930は、方法200の動作を実装してよい。簡潔さのために、詳細は、ここで再び記載されない。トランシーバ920は、プロセッサ920によって駆動された後に信号を送信及び受信するよう構成される。
【0130】
クロマ予測デバイス900は、方法実施形態におけるクロマ予測デバイスに対応しており、対応するモジュールは、対応するステップを実行する。詳細については、対応する方法実施形態を参照されたい。
【0131】
図10は、ビデオ符号化/復号化装置又は電子デバイス1000の略ブロック図である。装置又は電子デバイスは、本発明の実施形態では、コーデックに一体化されてよい。図11は、本願に従うビデオ符号化のための装置の概略図である。以下は、図10及び図11のユニットについて記載する。
【0132】
電子デバイス1000は、例えば、無線通信システムにおけるモバイル端末又はユーザ装置であってよい。本願の実施形態は、ビデオ画像を符号化及び復号化、又は符号化、又は復号化する必要があり得る任意の電子デバイス又は任意の装置に実装されてよい。
【0133】
装置1000は、デバイスを収容し保護するよう構成される筐体30を含んでよい。装置1000は、液晶ディスプレイの形でディスプレイ32を更に含んでもよい。本願の他の実施形態では、ディスプレイ32は、画像又はビデオを表示するために使用される任意の適切なディスプレイであってよい。装置1000は、スモールキーボード34を更に含んでもよい。本願の他の実施形態では、任意の適切なデータ又はユーザインターフェイスメカニズムが使用され得る。例えば、ユーザインターフェイスは、仮想キーボードとして実装されてよく、あるいは、データ入力システムは、タッチ検知ディスプレイの部分として実装されてもよい。装置は、マイクロホン36又は任意の適切な音声入力部を含んでもよく、音声入力部は、デジタル又はアナログ信号入力であってよい。装置1000は、次の音声出力デバイスを更に含んでもよい。本願のこの実施形態における音声出力デバイスは、ヘッドセット38、ラウドスピーカ、アナログ音声出力接続、又はデジタル音声出力接続の中の任意の1つであってよい。装置1000は、バッテリ40を更に含んでもよい。本願の他の実施形態では、デバイスは、太陽電池、燃料電池、又はクロックメカニズム発生器のような任意の適切なモバイルエネルギデバイスによって給電されてよい。装置は、他のデバイスとの短距離の見通し内通信のために使用される赤外線ポート42を更に含んでよい。他の実施形態では、装置1000は、ブルートゥース無線接続又はUSB/ファイアワイア有線接続のような任意の適切な短距離通信ソリューションを更に含んでもよい。
【0134】
装置1000は、装置1000又はプロセッサを制御するよう構成されるコントローラ56を含んでよい。コントローラ56は、メモリ58へ接続され得る。本願のこの実施形態で、メモリ58は、画像データ及び音声データを記憶してよく、且つ/あるいは、コントローラ56で実装される命令を記憶してよい。コントローラ56は、音声及び/又はビデオデータ符号化及び復号化を実装するか、あるいは、コントローラ56によって実装される補助的な符号化及び復号化を実装するよう構成されるコーデック回路54へ更に接続され得る。
【0135】
装置1000は、ユーザ情報を供給し、且つ、ネットワーク認証及び承認のために使用されるユーザ認証情報を供給するよう構成される、UICC及びUICCリーダーのような、スマートカード46及びカードリーダー48を更に含んでもよい。
【0136】
装置1000は、無線インターフェイス回路52を更に含んでもよい。無線インターフェイス回路52は、コントローラ56へ接続され、セルラー通信ネットワーク、無線通信システム、又は無線ローカル・エリア・ネットワークとの通信に使用される無線通信信号を生成するよう構成される。装置1000は、アンテナ44を更に含んでもよい。アンテナ44は、無線インターフェイス回路52へ接続され、無線インターフェイス回路52によって生成された無線周波数回路を他の(又は複数の)装置へ送信するよう構成され、且つ、他の(又は複数の)装置からの無線周波数信号を受信するよう構成される。
【0137】
本願のいくつかの実施形態で、装置1000は、信号フレームを記録又は検出することができるカメラを含み、コーデック54又はコントローラ56は、信号フレームを受信及び処理する。本願のいくつかの実施形態で、装置は、処理されるべきビデオ画像データを伝送及び/又は記憶の前に他のデバイスから受信してよい。本願のいくつかの実施形態で、装置1000は、画像を符号化/復号化のために無線又は有線接続を通じて受信してよい。
【0138】
当業者であれば、本明細書中で開示される実施形態を参照して記載される例におけるユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって実装され得ると気付き得る。機能がハードウェア又はソフトウェアによって実行されるかどうかは、技術的解決法の具体的な適用及び設計制約条件に依存する。当業者であれば、特定の用途ごとに、種々の方法を使用して、記載される機能を実装し得るが、実施が本願の適用範囲を超えることは、考えられるべきではない。
【0139】
当業者によって明らかに理解され得るように、記載の便宜上及び簡潔さのために、上述されているシステム、装置、及びユニットの具体的な作動プロセスについては、上記の方法実施形態における対応するプロセスを参照されたい。詳細は、ここで再び記載されない。
【0140】
本願で提供されるいくつかの実施形態で、開示されるシステム、装置、及び方法は、他の様態で実装されてもよいことが理解されるべきである。例えば、記載される装置実施形態は、一例にすぎない。例えば、ユニット分割は、単に、論理的な機能分割であり、実際の実施では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントが他のシステムに結合又は一体化されてよく、あるいは、いくつかの特徴は、無視されても又は実行されなくてもよい。その上、表示又は議論される相互結合又は直接的な結合若しくは通信接続は、いくつかのインターフェイスを通じて実装されてもよい。装置又はユニット間の間接的な結合又は通信接続は、電子的な、機械的な、又は他の形式で実装されてよい。
【0141】
分離した部分として記載されるユニットは、物理的に分離していてもしていなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理的なユニットであってもなくてもよく、一箇所に位置しても、又は複数のネットワークユニット上に分配されてもよい。ユニットの一部又は全ては、実施形態の解決法の目的を達成するために実際のニーズに応じて選択されてよい。
【0142】
その上、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに一体化されてよく、あるいは、ユニットの夫々が物理的に単独で存在してもよく、あるいは、2以上のユニットが1つのユニットに一体化されてもよい。
【0143】
機能がソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売又は使用されるとき、機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づき、本願の技術的解決法は本質的に、あるいは、先行技術を構成する部分、又は技術的解決法の一部は、ソフトウェア製品の形で実装されてよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本願の実施形態で記載される方法のステップの全て又は一部を実行するようにコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス、などであってよい。)に指示するいくつかの命令を含む。上記の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブル・ハード・ディスク、リード・オンリー・メモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクのような、プログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0144】
以上の記載は、本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲はそれに制限されない。本願で開示される技術的範囲内で当業者によって容易に想到される如何なる変形又は置換も、本願の保護範囲内に入るはずである。従って、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11