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特許7462000地図情報作成装置、地図情報作成方法、地図情報作成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】地図情報作成装置、地図情報作成方法、地図情報作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240328BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240328BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
G09B29/00 F
G08G1/09 D
G01C21/26 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022143304
(22)【出願日】2022-09-08
(65)【公開番号】P2024038929
(43)【公開日】2024-03-21
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】松井 寛
(72)【発明者】
【氏名】北原 茂樹
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-020895(JP,A)
【文献】特開2016-170081(JP,A)
【文献】特開2018-031947(JP,A)
【文献】特開2006-105989(JP,A)
【文献】特開2010-107442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 23/00-29/14
G08G 1/09
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路が道路リンクで表現され、道路の接続点がノードで表現される地図情報であって、
道路標識の情報が第1道路リンクに対応付けられている地図情報を取得する第1取得部と、
前記地図情報から、道路標識が規制する内容について当該規制が適用される範囲が所定範囲に及ぶ道路標識を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの当該道路標識が対応付けられている位置から、当該第1道路リンクの車両進行方向において、前記道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、前記道路標識の規制が適用される範囲を延伸して、前記道路標識の規制が適用される範囲を決定する決定部と、
前記決定部が決定した範囲を、前記道路標識の規制が適用される範囲として前記地図情報に登録する登録部と、
を備え
前記決定部は、さらに、前記抽出部が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの車両進行方向の逆方向に、当該道路標識が対応付けられている位置から、前記道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、前記道路標識の規制が適用される範囲を延伸する地図情報作成装置。
【請求項2】
前記所定の位置は、前記道路標識の種別が同一の道路標識であって、前記抽出部が抽出した道路標識とは異なる規制内容を示す道路標識が対応付けられている位置である
ことを特徴とする請求項1に記載の地図情報作成装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記道路標識に対して、始点又は終点を示す補助標識が対応付けられている際には、前記所定の位置として、当該補助標識が対応付けられている位置を、前記道路標識の規制が適用される範囲の始点又は終点として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図情報作成装置。
【請求項4】
前記所定の位置は、三差路以上の交差点である
ことを特徴とする請求項1に記載の地図情報作成装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記第1道路リンクから見て同一の道路または道なりとなる道路である第2道路リンクであって、道路標識が対応付けられていない第2道路リンクについては、前記交差点を超えて、当該第2道路リンクを第1道路リンクとして、前記道路標識の規制が適用される範囲を延伸する
ことを特徴とする請求項に記載の地図情報作成装置。
【請求項6】
コンピュータが、
道路が道路リンクで表現され、道路の接続点がノードで表現される地図情報であって、
道路標識の情報が第1道路リンクに対応付けられている地図情報を取得する第1取得ステップと、
前記地図情報から、道路標識が規制する内容について当該規制が適用される範囲が所定範囲に及ぶ道路標識を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップが抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの当該道路標識が対応付けられている位置から、当該第1道路リンクの車両進行方向において、前記道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、前記道路標識の規制が適用される範囲を延伸して、前記道路標識の規制が適用される範囲を決定する決定ステップと、
前記決定ステップが決定した範囲を、前記道路標識の規制が適用される範囲として前記地図情報に登録する登録ステップと、
を実行し、
前記決定ステップは、さらに、前記抽出ステップにおいて抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの車両進行方向の逆方向に、当該道路標識が対応付けられている位置から、前記道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、前記道路標識の規制が適用される範囲を延伸する地図情報作成方法。
【請求項7】
コンピュータに、
道路が道路リンクで表現され、道路の接続点がノードで表現される地図情報であって、
道路標識の情報が第1道路リンクに対応付けられている地図情報を取得する第1取得機能と、
前記地図情報から、道路標識が規制する内容について当該規制が適用される範囲が所定範囲に及ぶ道路標識を抽出する抽出機能と、
前記抽出機能が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの当該道路標識が対応付けられている位置から、当該第1道路リンクの車両進行方向において、前記道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、前記道路標識の規制が適用される範囲を延伸して、前記道路標識の規制が適用される範囲を決定する決定機能と、
前記決定機能が決定した範囲を、前記道路標識の規制が適用される範囲として前記地図情報に登録する登録機能と、
を実現させ、
前記決定機能は、さらに、前記抽出機能が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの車両進行方向の逆方向に、当該道路標識が対応付けられている位置から、前記道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、前記道路標識の規制が適用される範囲を延伸する地図情報作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報を作成する地図情報作成装置、地図情報作成方法、地図情報作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路には様々な道路標識が設けられており、その中には、当該道路標識による規制が所定範囲に及ぶものがある。一例として、速度制限標識がある。このような速度制限標識は、設置間隔が概ね1kmを超えない範囲の必要な地点に設けることとしているが、設置間隔は一定になっていないことがある。道路標識は、ナビゲーションを行うための地図情報に登録されていることが望ましいが、漏れがあった場合には、実際の現地における規制と、地図情報上の規制の適用範囲がずれるという問題が発生する可能性がある。そこで、特許文献1には、車外を撮像したカメラ画像情報と、カーナビゲーション情報のうち適正なものに基づく運転支援を行う技術が開示されている。また、特許文献2には、車両に搭載されたカメラユニットから取得した車両の近傍画像から道路の最高速度規制などの路上属性を認識し、路上属性の始点と終点とを特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-060631号公報
【文献】特開2007-172495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1や特許文献2に記載の場合、実際の車両が道路上を走行したカメラ画像情報が必要になるため、地図情報上の全ての道路上を走行したカメラ画像を収集しての路上属性の始点と終点の特定は現実的ではないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、車両が走行した際のカメラ画像情報がなくとも、規制範囲のある道路標識の規制が適用される範囲を特定して、地図情報に登録することができる地図情報作成装置、地図情報作成方法、地図情報作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る地図情報作成装置は、道路が道路リンクで表現され、道路の接続点がノードで表現される地図情報であって、道路標識の情報が第1道路リンクに対応付けられている地図情報を取得する第1取得部と、地図情報から、道路標識が規制する内容について当該規制が適用される範囲が所定範囲に及ぶ道路標識を抽出する抽出部と、抽出部が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの当該道路標識が対応付けられている位置から、当該第1道路リンクの車両進行方向において、道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、道路標識の規制が適用される範囲を延伸して、道路標識の規制が適用される範囲を決定する決定部と、決定部が決定した範囲を、道路標識の規制が適用される範囲として地図情報に登録する登録部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る地図情報作成方法は、コンピュータが、道路が道路リンクで表現され、道路の接続点がノードで表現される地図情報であって、道路標識の情報が第1道路リンクに対応付けられている地図情報を取得する第1取得ステップと、地図情報から、道路標識が規制する内容について当該規制が適用される範囲が所定範囲に及ぶ道路標識を抽出する抽出ステップと、抽出ステップが抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの当該道路標識が対応付けられている位置から、当該第1道路リンクの車両進行方向において、道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、道路標識の規制が適用される範囲を延伸して、道路標識の規制が適用される範囲を決定する決定ステップと、決定ステップが決定した範囲を、道路標識の規制が適用される範囲として地図情報に登録する登録ステップと、を実行する。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る地図情報作成プログラムは、コンピュータに、道路が道路リンクで表現され、道路の接続点がノードで表現される地図情報であって、道路標識の情報が第1道路リンクに対応付けられている地図情報を取得する第1取得機能と、地図情報から、道路標識が規制する内容について当該規制が適用される範囲が所定範囲に及ぶ道路標識を抽出する抽出機能と、抽出機能が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの当該道路標識が対応付けられている位置から、当該第1道路リンクの車両進行方向において、道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、道路標識の規制が適用される範囲を延伸して、道路標識の規制が適用される範囲を決定する決定機能と、決定機能が決定した範囲を、道路標識の規制が適用される範囲として地図情報に登録する登録機能と、を実現させる。
【0009】
また、上記地図情報作成装置において、決定部は、さらに、抽出部が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの車両進行方向の逆方向に、当該道路標識が対応付けられている位置から、道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、道路標識の規制が適用される範囲を延伸することとしてもよい。
【0010】
また、上記地図情報作成装置において、所定の位置は、道路標識の種別が同一の道路標識であって、抽出部が抽出した道路標識とは異なる規制内容を示す道路標識が対応付けられている位置であることとしてもよい。
【0011】
また、上記地図情報作成装置において、決定部は、道路標識に対して、始点又は終点を示す補助標識が対応付けられている際には、所定の位置として、当該補助標識が対応付けられている位置を、道路標識の規制が適用される範囲の始点又は終点として決定することとしてもよい。
【0012】
また、上記地図情報作成装置において、所定の位置は、三差路以上の交差点であることとしてもよい。
【0013】
また、上記地図情報作成装置において、決定部は、第1道路リンクから見て同一の道路または道なりとなる道路である第2道路リンクであって、道路標識が対応付けられていない第2道路リンクについては、交差点を超えて、当該第2道路リンクを第1道路リンクとして、道路標識の規制が適用される範囲を延伸することとしてもよい。
【0014】
また、上記地図情報作成装置において、第1道路リンク及び交差点を走行した複数の車両の車両走行情報を取得する第2取得部と、決定部は、車両走行情報に基づき、第1道路リンクから、当該第1道路リンクに交差点を挟んで接続される第2道路リンクへの交通流の変化幅が、所定範囲内となる第2道路リンクを、第1道路リンクに対する同一の道路又は道なりとなる道路であると特定することとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様に係る地図情報作成装置は、地図情報に元々登録されている情報から、道路標識の規制が適用される範囲を特定することができる。これにより、地図情報上での道路標識の規制が適用される範囲と、実際の道路標識が設けられている位置により、車両の運転手等に認識される規制範囲と、がずれることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】地図情報作成装置の構成例を示すブロック図である。
図2】(a)~(c)は、道路標識を適用する範囲の例を説明する図である。
図3】(a)、(b)は、道路標識を適用する範囲の他の例を説明する図である。
図4】(a)、(b)は、道路標識を適用する範囲の更なる他の例を説明する図である。
図5】地図情報作成装置の動作例を示すフローチャートである。
図6】地図情報作成装置の他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一態様に係る地図情報作成装置並びに経路探索装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
<実施の形態>
<地図情報作成装置の構成>
本発明の一態様に係る地図情報作成装置(図1の100参照)は、道路が道路リンクで表現され、道路の接続点がノードで表現される地図情報(図1の141参照)であって、道路標識の情報が第1道路リンクに対応付けられている地図情報を取得する第1取得部(図1の105参照)と、地図情報から、道路標識が規制する内容について当該規制が適用される範囲が所定範囲に及ぶ道路標識を抽出する抽出部(図1の105参照)と、抽出部が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの当該道路標識が対応付けられている位置から、当該第1道路リンクの車両進行方向において、道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、道路標識の規制が適用される範囲を延伸して、道路標識の規制が適用される範囲を決定する決定部(図1の105参照)と、決定部が決定した範囲を、道路標識の規制が適用される範囲として地図情報に登録する登録部(図1の105参照)と、を備える。
【0019】
図1は、地図情報作成装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、地図情報作成装置100は、通信部101と、入力部102と、出力部103と、記憶部104と、CPU105とを備える。
【0020】
地図情報作成装置100は、サーバ装置、PCなどにより実現されるコンピュータシステムであるが、これらに限定するものではなく、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末などにより実現されるものであってもよい。地図情報作成装置100は、一例として、経路案内(ナビゲーション)に用いられる地図情報を作成するものであってよく、地図情報上の規制範囲のある道路標識の場合に、その道路標識の規制範囲を特定し、特定した規制範囲を地図情報に登録する。規制範囲のある道路標識としては、一例として、速度制限標識が挙げられるが、これに限定するものではない。その他にも一例として、規制範囲のある道路標識としては、自動車専用標識、歩行者専用標識、など特定の移動手段を記載した標識であってもよいし、逆に特定の移動手段を禁止する標識(例えば、自転車通行止めなど)であってもよい。また、規制範囲としては、道路のような線的な区間に限定するものではなく、面的な区間に及ぶものであってもよく、一例として、ゾーン30や歩行者天国、スクールゾーンなどの規制であってもよい。
【0021】
通信部101は、他の装置と、有線又は無線の通信により情報を送受信する機能を有する。通信部101は、例えば、外部の装置や走行している車両等から、車両走行情報を受信し、CPU105に伝達することとしてよい。外部の装置は、一例として、車両走行情報を収集するサーバ装置等であってよいが、これに限定するものではない。
【0022】
ここで、車両走行情報は、少なくとも車両が、いつ(日時情報)、どこ(位置情報)を走行したのかを示す情報を含み、プローブ情報やCAN(Control Area Network)情報などによって実現されてよいが、これらに限定するものではない。車両走行情報は、各道路における交通流を特定できる情報であってよい。交通流は、どれだけの車両が、どの方向に進行したかを示す情報であってよい。
【0023】
入力部102は、地図情報作成装置100のユーザからの入力を受け付けて、CPU105に伝達する機能を有する。入力部102は、例えば、地図情報作成装置100に備えられたハードウェアキーや、タッチパネルやタッチキーなどのソフトキーなどにより実現することができる。なお、入力部102に対する入力は音声による入力であってもよく、この場合、入力部102は、マイクロフォンにより実現される。入力部102は、例えば、規制範囲のある道路標識の規制を適用する範囲を道路に対応付けて地図情報に登録することを確定する入力を受け付けてCPU105に伝達してもよい。
【0024】
出力部103は、CPU105からの指示に従って、指示されたデータを出力する機能を有する。出力部103は、例えば、特定した道路標識の記載範囲を示す情報を出力してよい。出力部103による情報の出力は、地図情報作成装置100に付属する、あるいは、接続されたモニタ(表示装置)等に、文字あるいは画像による出力を行うものであってもよいし、地図情報作成装置100に付属する、あるいは、接続されたスピーカから音声を出力するものであってもよいし、通信部110を介して外部の装置に通信による情報の出力を行うものであってもよい。
【0025】
記憶部104は、地図情報作成装置100が動作する上で必要とする各種のプログラム及び各種のデータを記憶する記録媒体である。記憶部104は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0026】
記憶部104は、地図情報141を記憶している。地図情報141は、道路が道路リンクで表現され、道路の接続点がノードで表現される情報を含み、道路標識の情報が道路リンク(第1道路リンク)に対応付けられている地図情報である。また、記憶部104は、複数の車両の車両走行情報を記憶していてもよい。記憶部104は、例えば、地図情報141に登録されている道路標識に対応する道路から、当該道路標識の規制範囲がどこまで及ぶかを特定するプログラムを記憶している。
【0027】
CPU105は、記憶部104に記憶されている各種のプログラム及び各種のデータを利用して、地図情報作成装置100が実行すべき処理を実行するプロセッサである。
【0028】
CPU105は、記憶部104に記憶されているプログラムを実行して、規制範囲のある道路標識の規制が及ぶ範囲を特定して、地図情報141に登録する。CPU105は、第1取得部、抽出部、決定部、登録部として機能する。また、CPU105は、第2取得部として機能してよい。
【0029】
第1取得部は、記憶部104から地図情報141を取得する。第1取得部は、取得した地図情報141を抽出部に伝達する。
【0030】
抽出部は、地図情報141から、道路標識が規制する内容について当該規制が適用される範囲が所定範囲に及ぶ道路標識を抽出する。また、抽出部は、抽出した道路標識が対応する道路リンクを抽出する。抽出部は抽出した道路標識と当該道路標識が対応する道路リンク(第1道路リンク)を決定部に伝達する。
【0031】
決定部は、抽出部が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクの当該道路標識が対応付けられている位置から、当該第1道路リンクの車両進行方向において、道路標識の規制が適用されなくなる所定の位置を特定するまで、道路標識の規制が適用される範囲を延伸して、道路標識の規制が適用される範囲を決定する。決定部は、道路リンク単位、あるいは、道路リンク上の道路標識位置までで、抽出部が抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクから、第1道路リンクとして、規制範囲を延伸するかどうかを延伸してよいか決定する。決定部は、規制範囲を延伸してよいと決定した場合には、延伸先の道路リンクも第1道路リンクとして扱うこととしてよい。
【0032】
また、決定部は、車両進行方向とは逆方向に対しても、道路標識の規制が適用される範囲を延伸する。
【0033】
決定部は、一例として、道路標識が設けられている第1道路リンクにおける設置位置から、当該道路標識と同種の道路標識であって、規制内容が異なる道路標識にはじめて接するまで、道路標識の規制範囲を延伸する。対象となる道路標識と同種の道路標識であって、規制内容が異なる道路標識とは、例えば、速度制限標識や車種制限標識、車高制限標識などであってよい。
【0034】
図2を用いて、具体例で説明する。図2は、地図情報141の一部の道路230における道路リンクと、ノードと、道路標識と、の関係を示している。図2(a)に示すように、地図情報141上で、道路230の一部は、道路リンク210aと、ノード220aと、道路リンク210bと、ノード220bと、道路リンク210cと、ノード220cと、道路リンク210dと、がこの順に接続されて成る道路として記憶されている。また、道路リンク210bには、道路標識201aが対応付けられており、道路リンク210dには、道路標識201bが対応付けられている。地図情報141上では、各道路リンク、ノード、道路標識には、それぞれの位置情報が対応付けられる。図2(a)においては、紙面左側から紙面右側に向かう方向が、車両進行方向であるとする。また、図2(a)に示す例では、道路標識201aは、上限速度50km/hの速度制限標識の例を示している。
【0035】
ここで、抽出部が道路標識201aを抽出した場合、決定部は、道路標識201aが対応する道路リンク210bの、道路標識201aが設けられている位置から、規制が適用される適用範囲を延伸していく。ここで、図2(b)において、決定部は車両進行方向に、規制が適用される適用範囲を延伸しながら、ノード220bを超え、道路リンク210cを超え、ノード220cを超え、道路標識201bに到達する。ここで、道路標識201bは、図2(b)に示されるように、上限速度30km/hの速度制限標識である。即ち、道路標識201bは、対象となっている道路標識201aと同種の道路標識であって、規制内容が異なる道路標識である。したがって、決定部は、道路標識201bの位置が、道路標識201aの規制が適用される車両進行方向側の終端であると特定し、図2(b)に示す規制範囲S1を特定する。なお、決定部は、道路標識201aと、道路標識201aと同種であって規制内容が異なる道路標識201bとの間に設定されているノードまで、道路標識201aの規制範囲を延伸するように構成されていてもよい。即ち、道路標識201aから、ノード220bあるいはノード220cまでの区間がS1となるように構成されてもよい。
【0036】
また、一方で、決定部は、道路標識201aから、車両進行方向逆側にも、規制範囲を延伸することとしてよい。図2(c)は、道路標識201aから、車両進行方向逆側の道路の例を示す図である。図2(c)に示すように、道路230の一部は、更に、車両進行方向逆側に、道路リンク210aから順に、ノード220d、道路リンク210e、ノード220e、道路リンク210fが接続されて成る。そして、道路リンク210eには、道路標識201cが設けられており、道路標識201cは、制限速度が、40km/hの速度制限標識である。決定部は、車両進行方向逆側に規制範囲を延伸する場合には、道路標識201aの同種であって規制内容が異なる道路標識201cに至るまでの間に設定されているノードまで道路標識201aの規制範囲を延伸するように構成してもよい。したがって、図2(c)の場合、決定部は、道路標識201aと、道路標識201aと同種であって規制内容が異なる道路標識201cの間にあるノード220dまで、規制が適用される範囲を延伸する。よって、この場合、決定部が決定する道路標識の規制が適用される範囲は、区間S2となり、図2(b)と併せて、区間S1+S2が適用範囲となる。なお、決定部は、規制範囲のS2はノード220aまでとし、ノード220aとノード220dとの間はグレーゾーン、即ち、どちらともとれない区間として設定することとしてもよい。また、地図情報作成装置100が作成した地図情報を用いて案内を行う場合であって、グレーゾーンとして設定されている区間を車両が走行しているときには、ナビゲーションプログラムの仕様として案内を行わない、あるいは、グレーゾーンを抜けるまで案内を遅らせるように構成してもよい。
【0037】
なお、速度制限規制の場合には、決定部は、道路標識201aから、車両進行方向逆側に規制範囲を延伸して、最初に到達した、同種の道路標識が、同じ制限内容でない道路標識であったとき、即ち、図2(a)~図2(c)に例示する場合には、車両進行方向とは逆方向側には延伸せずに、決定部が決定する道路標識201aの規制の適用範囲は、区間S1であるとして特定してもよい。また、あるいは、道路標識201aと、道路標識201cとの間をS2として区間S1+S2が、道路標識201aの規制が適用される範囲であるとしてもよい。また、決定部は車両進行方向逆側に規制範囲を延伸する場合には、図2(c)のように規制内容が変化する区間(上述のような適用される規制がどちらともとれる区間であるグレーゾーン)においては、地図情報作成装置100が作成する地図情報141を用いて案内を行う際には、ナビゲーション装置のナビゲーションプログラムにおいて、道路標識201aの規制に関する案内は行わないように設定することとしてもよい。
【0038】
決定部は、一例として、抽出部が抽出した道路標識に補助標識として規制の始点または終点を示す情報が対応付けられている場合に、その補助標識に示される始点から終点の間を、道路標識の規制範囲として特定する。道路標識には、その対象となる規制の開始点及び終了点を示す補助標識が対応付けられたものがある。このような補助標識は、規制の開始位置及び終了位置を明示するものであるので、決定部は、このような場合には、補助標識により示される始点と終点との間を、道路標識の規制が適用される範囲として特定する。
【0039】
図3を用いて、具体例で説明する。図3においても、紙面左側から紙面右側に向かう方向が車両進行方向であるとする。図3(a)の例では、道路標識201aには、補助標識202aが対応付けられ、道路標識201bには補助標識202bが対応付けられている例を示している。図3(a)の例では、規制の開始位置及び終了位置を矢印で示す例を示しており、矢印が指し示す向きが、道路標識の規制が適用される方向を示している。したがって、補助標識202aの矢印が示す道路標識201aから見て車両進行方向側が、道路標識201aの規制が適用される方向となる。同様に、補助標識202bの矢印が示す道路標識201bから見て車両進行方向とは逆方向が、道路標識201bの規制が適用される方向となる。したがって、決定部は、抽出部から道路標識201aの情報を伝達された場合には、道路標識201aの車両進行方向で、初めて同じ内容の道路標識であって、車両進行方向とは逆方向を示す補助標識を有する道路標識201bまで、道路標識201aの規制を適用する範囲を延伸し、区間S3が、道路標識201aの規制が適用される範囲であると決定する。
【0040】
また、補助標識には、矢印ではなく、言葉で、規制の開始位置、終了位置を示すものがある。図3(b)の例では、開始位置として、「ここから」との文言が示される補助標識202cが道路標識201cに対応付けられ、終了位置として、「ここまで」との文言が示される補助標識202dが道路標識201dに対応付けられている例を示している。したがって、図3(b)の例では、決定部は、抽出部から道路標識201cを伝達された場合に、道路標識201cから道路標識201dの間の区間S4を、道路標識201cの規制が適用される範囲として特定する。
【0041】
また、決定部は、伝達された道路標識が設けられている位置から、車両進行方向、または、その逆方向に、規制が適用される範囲を延伸していき、三差路以上の交差点に設けられたノードまで延伸することとしてもよい。
【0042】
図4(a)を用いて、具体例で説明する。決定部は、抽出部から道路標識201aを伝達されると、車両進行方向(またはその逆方向)に対して、道路標識201aが設けられている位置から、規制が適用される範囲を延伸する。決定部は、ノード220bを超え、道路リンク210cを超え、ノード220cに至る。ここで、ノード220cは、交差点400に設けられているノードである。交差点は、地図情報141上で区切りになっていることが多い。そこで、決定部は、道路標識201aから、三差路以上の交差点に至るまで、道路標識201aの規制を適用する範囲を延伸してもよい。したがって、図4(a)の場合、決定部は、区間S5を、道路標識201aの規制が適用される範囲として特定してもよい。なお、図4(a)においては、交差点400には、二つのノード220c、220dが設定されている例を示している。このように複数のノードが一つの交差点に設定されているような場合には、上述したように、道路標識201aに近い方のノード220cまで延伸するように構成されていてもよいし、より遠くまで延伸するべく遠い方のノード220dまで延伸するように構成されてもよい。交差点に複数のノードが設定されている場合に道路標識に近い方あるいは遠い方のいずれまで延伸するかについて、いずれの構成を採用するかは、地図情報作成装置100のオペレータの任意としてよい。
【0043】
また、決定部は、三差路の交差点に到達したとしてもそこからさらに、交差点において道なりとなっている道路まで延伸していってもよい。ここでいう道なりの道路とは、地図情報141上の道路形状から特定されてよく、交差点への進入道路から見て、進行方向に対して左右に所定角度(例えば、左右30度であってよいが、これに限定するものではない)以内の退出角度を有する退出道路であってよい。この場合、決定部は、交差点を超えた道なりの道路(図4(b)の場合、道路リンク210d)に異なる道路標識が対応付けられていなかった場合に、交差点を超えて道なりに、規制適用範囲を延伸することとしてもよい。また、あるいは、決定部は、図2を用いて説明したように、決定部は、道路標識201aと同種であって異なる規制内容の道路標識に至るまで、交差点を超えて道なりに、規制範囲を延伸するようにしてもよい。
【0044】
図4(b)を用いて説明すると、決定部は抽出部から道路標識201aの情報を伝達されると、そこから、車両進行方向に、規制が適用される範囲を延伸する。決定部は、道路リンク210b、ノード220b、道路リンク210cを超え、ノード220cに至る。図示の通り、ノード220cは、交差点に設けられている。ここで、決定部は、地図情報141から、交差点400への進入路である道路リンク210cに対して道なりとなる道路は、その道路形状から道路リンク210dであると特定する。そして、その道路リンクには何も道路標識が対応付けられていないことから、決定部は、道路リンク210dまで、道路標識201aの規制が適用される範囲を延伸する。決定部は、道路リンク210dを超え、ノード220fを超え、道路リンク210hに至る。ここで、道路リンク210hには、道路標識201eが対応付けられており、この道路標識201eは、道路標識201aと同種であって同じ規制内容の道路標識となっている。したがって、決定部は、道路標識201aの位置から、道路標識201aの規制が適用される範囲を、道路標識201eの位置にまで延伸する。そして、決定部は、以降においては道路標識201eから更に車両進行方向に規制範囲を延伸することとしてよい。したがって、図4(b)の場合、決定部は、道路標識201aの規制が適用される車両進行方向の範囲を区間S6に決定する。
【0045】
以上に説明したように、決定部は、道路標識の規制を適用できる所定の位置まで、規制の適用範囲を延伸する。ここで、所定の位置は、図2を用いて説明したように、対象の道路標識と同種の道路標識であって規制内容が異なる道路標識が設けられている位置、図3を用いて説明したように、対象の道路標識に設けられている補助標識により定まる開始位置または終了位置、図4を用いて説明したように三差路以上の交差点などが該当する。
【0046】
決定部は、このようにして道路標識の規制範囲を決定する。決定部は、決定した道路標識の規制範囲を登録部に伝達する。
【0047】
登録部は、決定部が決定した規制範囲のある道路標識の規制範囲を地図情報141に登録する。このとき、予め地図情報に規制範囲が登録されていたり、過去に決定部により当該道路標識に対して既に規制範囲が定められていたりする場合であって、決定部が規制範囲を再検討するときにおいて、既存の規制範囲が決定部が決定した規制範囲と異なる場合には、決定部が決定した規制範囲で更新しなくてもよいし、地図情報作成装置100のオペレータにどちらを登録するかを問合わせて、地図情報作成装置100のオペレータが決定した方を地図情報141に登録するようにしてもよい。
【0048】
以上が、地図情報作成装置100の構成例である。
【0049】
<地図情報作成装置の動作>
図5を用いて、地図情報作成装置100の動作例を説明する。図5は、規制範囲のある道路標識の規制が及ぶ範囲を特定して地図情報141に登録する際の動作例を示すフローチャートである。
【0050】
図5に示すように地図情報作成装置100のCPU105の第1取得部は、記憶部104から地図情報141を取得する(ステップS501)。第1取得部は、記憶部104から取得した地図情報141を抽出部に伝達する。
【0051】
抽出部は、地図情報141を伝達されると、地図情報141において規制範囲が所定範囲に及ぶ道路標識を抽出する(ステップS502)。また、抽出部は抽出した道路標識が対応付けられている第1道路リンクを抽出する(ステップS503)。抽出部は、抽出した道路標識と対応する第1道路リンクの情報とを決定部に伝達する。
【0052】
決定部は抽出部から伝達された道路標識と、当該道路標識が対応付けられている第1道路リンクの位置から、車両進行方向及び車両進行方向の逆方向に対して、規制が適用されなくなる位置を特定する(ステップS504)。そして、決定部は道路標識の位置から車両進行方向及びその逆方向に向かって当該道路標識の規制を適用できるところまで、適用範囲を延伸する(ステップS505)。これにより決定部は、道路標識を適用する適用範囲を決定することができる。決定部は決定した適用範囲を登録部に伝達する。
【0053】
登録部は、決定部から伝達された道路標識の適用範囲を地図情報141に登録し(ステップS506)、処理を終了する。
【0054】
<まとめ>
上述したように、地図情報作成装置100は、地図情報141にもともとある情報から、規制範囲のある道路標識の規制範囲を特定することができる。これにより、地図情報作成装置100により特定された規制範囲を登録した地図情報141を用いたナビゲーションを行う場合には、実際の道路における道路標識の設置態様との乖離を少なくすることができ、ナビゲーション装置による案内と道路標識との乖離に基づく運転手の当惑を抑制することができる。
【0055】
<補足>
上記実施の形態に係る地図情報作成装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
【0056】
(1)上記実施の形態において、地図情報作成装置100の決定部は、道路標識の規制範囲を延伸する際に、交差点を超えて、車両進行方向(又は逆方向)に道なりとなっている場合に、その道なりとなっている道路に対して規制範囲を延伸する例を示したが、上記実施の形態では、道なりかどうかを地図情報141に示される地図の道路形状から推定することとしている。しかしながら、交差点を挟んだ道が道なりであるかどうかを推定する手法はこれに限定するものではない。決定部は、以下のようにして交差点を挟んだ道路が道なりになっているか否かを推定してもよい。
【0057】
即ち、決定部は、交差点における交通流に基づいて、道なりとなっている道路がいずれであるかを特定することとしてもよい。交通流は、その道路や交差点において、車両がどちらからどちらに進行しているかを示す情報である。決定部は、通信部110を介して車両の車両走行情報を取得することで、交通流を特定することができる。つまり、決定部は、道路標識の規制の対象となっている第1道路リンクと、その第1道路リンクから進入する交差点と、を通過した形跡のある車両走行情報を複数取得する。ここで取得する車両走行情報は、異なる車両の車両走行情報であり、決定部は交通流を推定可能な数の車両走行情報を取得する。
【0058】
そして、決定部は、取得した複数の車両走行情報から交通流を決定する。具体的には、交差点に進入する第1道路リンクと、交差点から退出する道路との、それぞれにおける交通流(交通量)を算出し、その変化幅を算出する。そして算出した変化幅が、所定範囲内である場合に、当該退出道路を、第1道路リンクから見て道なりの道であると特定してもよい。
【0059】
また、あるいは、仮に、第1道路リンクから交差点に進入した場合に、交差点から退出可能な道路が3本あった場合に、決定部は、各道路に退出した車両の数を計数する。そして、決定部は、計数した車両の数が最も多い道路が、第1道路リンクから見た道なりの道路であると決定してもよい。
【0060】
なお、決定部は、交通流による道なりの道路の決定を、地図情報141を参照した道路形状からだけでは特定しにくい場合に、用いることとしてよい。
【0061】
(2)上記実施の形態においては、決定部は、線的な区間に道路標識の規制を適用する範囲を延伸する例を説明したが、上述したように、道路標識の規制を適用する範囲は、面的なエリアに及ぶ場合もある。道路標識の規制が、線的なエリアに及ぶ規制であるか面的なエリアに及ぶ規制であるかは、予め、道路標識を区分けしたテーブル(情報)を記憶部104に記憶しておくことで特定することができる。そのような道路標識である場合には、決定部は、まずは、上記実施の形態と同様に、道路標識が対応する第1道路リンクから道なり方向で規制が及ぶ範囲を延伸して特定する。そして、線方向の規制範囲を特定した後に、決定部は、その線に対して、直角方向に規制範囲を延伸できるかを特定する。具体的には、決定部は、線方向の規制範囲内に含まれる交差点を特定して、その交差点から当該線方向に対して直角方向(厳密に直角である必要はなく交差点において線方向で特定した規制範囲に対して交差する方向であればよい)に規制範囲を延伸することができるかどうかを特定することで面的なエリアの規制範囲を特定するようにしてもよい。
【0062】
(3)上記実施の形態においては、地図情報作成装置における道路標識の規制が及ぶ範囲を特定して地図情報に登録する手法について、地図情報作成装置のプロセッサが所定のプログラム等を実行することにより、特定することとしているが、これは装置に集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、上記実施の形態に示した複数の機能部の機能は1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。すなわち、図6に示すように、地図情報作成装置100は、通信回路101a、入力回路102a、出力回路103a、記憶回路104a、制御回路105a、とから構成されてよく、それぞれ、通信部101、入力部102、出力部103、記憶部104、CPU105、に相当する。
【0063】
また、上記プログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記プロセッサに供給されてもよい。つまり、例えば、スマートフォン等の情報処理機器を利用して、ネットワーク上からプログラムをダウンロードして実行する構成としてもよい。本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0064】
なお、上記プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)、C++、Python、Rなどのオブジェクト指向プログラミング言語などを用いて実装できるが、これらの言語は一例である。
【0065】
(4)上記実施の形態に示した各種の実施例や、<補足>に示した各種の例は適宜組み合わせることとしてもよい。また、フローチャートに示した各動作は、結果として矛盾がなければその実行順序を入れ替えたり、並列に実行したりすることとしてもよい。例えば、図5に示すステップS501の処理と、ステップS502の処理との実行タイミングは、別に行なわれてよく、例えば、S502以降の処理は、ステップS501の処理の1か月後に実行されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
100 地図情報作成装置
101 通信部
102 入力部
103 出力部
104 記憶部
105 CPU(第1取得部、抽出部、決定部、登録部、第2取得部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6