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  • 特許-11種類の癌を検出するプローブ組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】11種類の癌を検出するプローブ組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20240328BHJP
   C12Q 1/6886 20180101ALI20240328BHJP
【FI】
C12N15/11 Z ZNA
C12Q1/6886 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022521064
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 CN2021081276
(87)【国際公開番号】W WO2021185275
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】202010187454.X
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520191868
【氏名又は名称】バイオチェーン(ペキン)サイエンス アンド テクノロジー、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BIOCHAIN (BEIJING) SCIENCE & TECHNOLOGY, INC.
【住所又は居所原語表記】No.18,Hongda South Road,Economic and Technological Development Area, Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】韓暁亮
(72)【発明者】
【氏名】李永君
(72)【発明者】
【氏名】呉寧寧
(72)【発明者】
【氏名】郭媛媛
(72)【発明者】
【氏名】王建銘
【審査官】大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-529619(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0283887(US,A1)
【文献】国際公開第2018/158589(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-90
C12Q 1/00-70
UniProt/GeneSeq
SwissProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌の特異的領域を標的とするプローブ、汎癌特異的領域を標的とするプローブ、及び組織特異的領域を標的とするプローブを含み、
前記癌特異的領域は、Seq ID No.1-62であり、
前記汎癌特異的領域は、Seq ID No.63-64であり、
前記組織特異的領域は、Seq ID No.65-117である、
プローブ組成物。
【請求項2】
前記組織特異的領域におけるSeq ID No.66-67、79、81-82、97-102、116-117が食道の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異的領域におけるSeq ID No.81、82、97-102が胃の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異的領域におけるSeq ID No.83、87-90、110が結腸直腸の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異的領域におけるSeq ID No.65、70-72、76、91-92、103-104が肺の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異性領域におけるSeq ID No.73-74、107が肝臓の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異的領域におけるSeq ID No.111-115が膵臓の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異的領域におけるSeq ID No.80、84、93、95が前立腺の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異的領域におけるSeq ID No.78、84-86が乳腺の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異的領域において、Seq ID No.77、96、105が卵巣の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異的領域におけるSeq ID No.68-69、75、109が子宮頸部の組織特異的標的領域であり、又は
前記組織特異的領域におけるSeq ID No.94、106、108が子宮内膜の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする請求項1に記載のプローブ組成物。
【請求項3】
重亜硫酸塩で変換されたCGがメチル化されない前記特異的領域とハイブリダイズした低メチル化プローブと、重亜硫酸塩で変換されたCG全体がメチル化された前記特異的領域とハイブリダイズした高メチル化プローブとを含む請求項1-2のいずれか1項に記載のプローブ組成物。
【請求項4】
各プローブの長さは、40~60bpである請求項3に記載のプローブ組成物。
【請求項5】
各プローブの長さは45~56bpであり、好ましくは50~56bpであり、さらに好ましくは50bpである請求項4に記載のプローブ組成物。
【請求項6】
前記低メチル化プローブが癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.118-214、汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.215-216、及び組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.217-274を含む、ことを特徴とする請求項3に記載のプローブ組成物。
【請求項7】
前記高メチル化プローブが癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.275-371、汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.372-373、及び組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.374-431を含む、ことを特徴とする請求項3に記載のプローブ組成物。
【請求項8】
請求項1-7のいずれか1項に記載のプローブ組成物を含むキット。
【請求項9】
請求項1-7のいずれか1項に記載のプローブ組成物の食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌を検出するキットの製造における使用。
【請求項10】
食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌の特異的領域を標的とするプローブ;汎癌特異的領域を標的とするプローブ及び組織特異的領域を標的とするプローブを食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌を検出するための用途
ここで、前記癌特異的領域は、Seq ID No.1-62であり、
前記汎癌特異的領域は、Seq ID No.63-64であり、
前記組織特異的領域は、Seq ID No.65-117である
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、癌遺伝子メチル化検出組成物に関し、特に重亜硫酸塩(Bisulfite)処理後のDNA配列を特異的に認識するプローブ組成物、及びハイスループット配列決定(NGS)方法に基づいて食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌等という11種類の腫瘍の遊離DNAメチル化レベルの変化を検出する応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイスループット配列決定(NGS)技術は、現代のゲノム学研究分野の革新的なイノベーションであり、該技術は、数十から数百万個のDNA分子に対して配列分析を同時に行うことができ、これは、ポストゲノム時代の到来を示した。配列決定(シーケンシング)の深さを制御することにより、デノボシーケンシング及びリシーケンシングなどの異なる目標を実現することができると共に、異なる初期処理により、ゲノム、トランスクリプトーム及びメチロームの配列を分析することができる。
【0003】
現在、臨床的遺伝子検出の技術は、主に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、蛍光insituハイブリダイゼーション(FISH)及び遺伝子チップ技術である。PCR機器は、価格が低く、感度が高く、簡単で迅速に操作することができ、臨床の普及度が高いが、技術的に制限されるため、少数の遺伝子を同時に検出することしかできない。FISH感度が高いが、操作難度が高い。遺伝子チップの処理量は、上記両者よりも高く、大量の遺伝子を同時に検出することができる。しかしながら、欠陥は、既知の遺伝子又は変異しか検出できず、正確性が低く、偽陽性が高い。NGS技術は、処理量が大きく(大量の既知及び未知の遺伝子及び変異を同時に検出する)、結果が正確であり(確率が遺伝子チップよりも高い)、検出速度が速く、各遺伝子あたりの検出コストが低いなどという利点を有し、現在、徐々に臨床的疾患の検出及び監視などの分野に応用される。将来の配列決定費用のさらなる低減に伴い、NGSは、必然的に遺伝子チップ等の他のハイスループット技術を徐々に代替する。
【0004】
現在、一般的な全ゲノム配列決定の総価が高く、稀な変異を検出するために配列決定の深さを増加させると、最終価格を消費者が負担しにくい。したがって、標的配列のキャプチャシーケンシングは、主流となり、該技術は、検出の需要に応じて、関心のあるゲノム領域に対して捕捉プローブを設計し、相補的ハイブリダイゼーション原理で標的断片DNAを濃縮し、かつ後にNGS検出を行う。このようなポリシーは、研究又は検出の目的に応じて柔軟に策定することができ、少量の遺伝子領域のみを選択し、配列決定の深さを増加させ、標的領域の変異状況を効果的に発見することができ、非常に高い感度及び正確性を有する。
【0005】
癌の発生及び進行過程において、遺伝情報はDNAの突然変異、挿入/欠失、染色体構造変異、コピー数変動、及びエピジェネティックな情報の変化を含む一連の変化が現れる。癌の進行プロセスにおいて、DNA配列の変異は、ランダムに発生し、変異が重要な成長制御遺伝子に発生する場合にのみ、悪性腫瘍の発生をもたらす。多くの遺伝子発現異常は、エピジェネティックの変化に由来し、一般的には、DNAメチル化レベルの変化に由来する。研究によると、遺伝子メチル化レベルの変化は、遺伝子変異よりも早く、遺伝子メチル化の変化を追跡検出すれば、癌の発生を早期に予測することができる。近年、ゲノム学の発展に伴い、現在、30種類を超える癌のエピゲノムを研究した。結果によると、DNAメチル化は、各種の癌においていずれも支配的ではないが、勿論のことながら、遺伝子メチル化修飾モードの変化が細胞の発展傾向及び腫瘍の表現型を変えて多くの癌の発生及び進行に重要な影響を与える。
【0006】
2018年初に、癌ゲノムプロフィール(TCGA)は、27件の総合的な分析文章を発表し、十年以上の30種類の癌データに対してこれまで最も全面的な汎癌ゲノム解析を行った。染色体変異、DNAメチル化、RNA及びタンパク質等の様々なデータをまとめて分析した後、解剖学的な33種類の癌は、分子的特徴に基づいて28個のサブタイプに分けることができることを発見した。ある分子サブタイプは、従来通りの意味で25種類の癌を含む。この結果は、異なる器官に由来する癌に共通の分子的特徴が存在することを示す。それと同時に、同一の器官に由来する癌は、異なるゲノムプロフィールを有する可能性がある。これから分かるように、近い将来、癌スクリーニング及び診断マーカーの開発は、必然的により多い汎癌の概念を導入することであり、解剖学的な癌を研究するだけでなく、分子レベルで癌を研究し、ある分子的タイピングを網羅することができる汎癌マーカーを開発すべきである。
【0007】
液体生検は、体外診断の1つの方式であり、非侵襲性の血液検査を採用し、腫瘍又は転移病巣が血液に放出する循環腫瘍細胞(CTC)又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を監視することができる。該技術は、侵襲による危害を効果的に低減することができ、かつ腫瘍の各部分と全ての転移病巣へのサンプリングを実現し、腫瘍の不均一性を克服し(しかしながら、現在、用いられた標準組織の生検は、腫瘍のある部分の特徴のみを反映する)、かつリアルタイムな監視を実現することができ、より高い感度を有し、さらに、ゲノム情報により病変が発生する部位を予測することができ、患者の生存期間を効果的に延長することができる可能性がある。これらの利点に基づいて、液体生検は、腫瘍の早期診断、病期補助決定、予後及び再発監視、投薬指導などの方面に用いることができる。現在、最も一般的に液体生検に使用されるのは、遊離DNAである。
【0008】
遊離DNA(cfDNA)は、循環血液中に存在し細胞外に遊離し、部分的に分解される内因性DNAである。研究によると、腫瘍組織が発生及び発展過程において、その腫瘍細胞がアポトーシスした後、血漿中にDNAを放出し、分解された後、遊離腫瘍DNA(ctDNA)を形成する。CtDNAの分子遺伝的特徴(例えば、遺伝子変異、マイクロサテライトの不安定性及び癌抑制遺伝子プロモーターメチル化等)は腫瘍組織DNAに一致する。多重癌の早期スクリーニング及び検出において、末梢血の採取は、他の臨床検出手段よりも簡便であり、基幹病院に普及しやすく、かつその非侵襲的特徴のため、無症候性の人々によって受けられやすい。したがって、血漿中のctDNAメチル化レベルの変化を検出することは、多重癌の早期スクリーニング及び診断の重要な手段の一つとなる。
【0009】
標的配列の捕捉技術をNGSと組み合わせてcfDNAの変異及びメチル化レベルの変化を監視し、腫瘍の早期スクリーニング、感受性遺伝子監視、コンパニオン診断、個別化医療、予後監視等の各方面の応用を実現することができる。現在、中国内外の複数の会社は、いずれも異なる規模の、異なる応用シーンに対する癌検出panelを打ち上げ、一部のpanelがFDA又はCFDAの承認番号を取得した。例えば、Foundation Medicineが打ち出したFoundationOne CDxは、324個の遺伝子を網羅することができるものであり、メモリアルスローンケタリング癌センター(MSK)が打ち出したIMPACTは、468種類の癌関連遺伝子を網羅することができるものであり、バーニングロックバイオテックが打ち出した「ヒトEGFR/ALK/BRAF/KRAS遺伝子突然変異ジョイント検出キット」、ノボジーンが打ち出した「ヒトEGFR、KRAS、BRAF、PIK3CA、ALK、ROS1遺伝子変異検出キット」等がある。Singlera Genomicsも、2018年に結腸直腸癌メチル化レベルを検出する製品「ColonES」を打ち出した。
【発明の概要】
【0010】
しがたって、現在の多重癌の検出製品の欠乏及び技術上の制約に対して、本願は、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌等という11種類の癌の早期スクリーニングに用いることができるプローブ組成物を提供する。該プローブ組成物は、1)非侵襲的な方式で無症候性の人々の早期スクリーニング、及び癌患者の予後検出に用いられ、侵襲性検出による危害を低減し、2)配列決定の深さを増加させ、検出遺伝子の広さが従来の技術及び製品より優れるようにし、処理量が高く、検出速度が速く、各遺伝子の検出コストが低いなどの利点を有し、3)腫瘍の各部分と全ての転移病巣へのサンプリングを実現することができ、腫瘍の不均一性を克服し、4)より高い感度及び正確性を有し、リアルタイムな監視を実現することができ、さらに、ゲノム情報により病変が発生する部位を予測して、患者の生存期間を効果的に延長することができる可能性がある。
【0011】
具体的には、本願は、以下の内容に関する。
1、プローブ組成物であって、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌のうち任意の癌の特異的領域を標的とするプローブを含み、前記癌特異的領域は、Seq ID No.1-62のいずれかから選択される、プローブ組成物。
2、さらに、汎癌特異的領域のいずれかを標的とするプローブを含み、前記汎癌特異的領域は、Seq ID No.63-64のいずれかから選択される、第1項に記載のプローブ組成物。
3、さらに、組織特異的領域のいずれかを標的とするプローブを含み、前記組織特異的領域は、Seq ID No.65-117のいずれかから選択される、第1項に記載のプローブ組成物。
4、前記組織特異的領域におけるSeq ID No.66-67、79、81-82、97-102、116-117が食道の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
5、前記組織特異的領域におけるSeq ID No.81、82、97-102が胃の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
6、前記組織特異的領域におけるSeq ID No.83、87-90、110が結腸直腸の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
7、前記組織特異的領域におけるSeq ID No.65、70-72、76、91-92、103-104が肺の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
8、前記組織特異性領域におけるSeq ID No.73-74、107が肝臓の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
9、前記組織特異的領域におけるSeq ID No.111-115が膵臓の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
10、前記組織特異的領域におけるSeq ID No.80、84、93、95が前立腺の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
11、前記組織特異的領域におけるSeq ID No.78、84-86が乳腺の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
12、前記組織特異的領域において、Seq ID No.77、96、105が卵巣の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする請求項3に記載のプローブ組成物。
13、前記組織特異的領域におけるSeq ID No.68-69、75、109が子宮頸部の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
14、前記組織特異的領域におけるSeq ID No.94、106、108が子宮内膜の組織特異的標的領域である、ことを特徴とする第3項に記載のプローブ組成物。
15、重亜硫酸塩で変換されたCGがメチル化されない前記特異的領域とハイブリダイズした低メチル化プローブと、重亜硫酸塩で変換されたCG全体がメチル化された前記特異的領域とハイブリダイズする高メチル化プローブとを含む、第1-14項のいずれか1項に記載のプローブ組成物。
16、各プローブの長さは、40~60bpである、第15項に記載のプローブ組成物。
17、各プローブの長さは45~56bpであり、好ましくは50~56bpであり、さらに好ましくは50bpである、第16項に記載のプローブ組成物。
18、前記低メチル化プローブが癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.118-214のいずれか、汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.215-216のいずれか、及び組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.217-274のいずれかを含む、ことを特徴とする第15項に記載のプローブ組成物。
19、前記高メチル化プローブが癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.275-371のいずれか、汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.372-373のいずれか、及び組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.374-431のいずれかを含む、ことを特徴とする第15項に記載のプローブ組成物。
20、キットであって、第1-19項のいずれか1項に記載のプローブ組成物を含むキット。
21、第1-19項のいずれか1項に記載のプローブ組成物の食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌を検出するキットの製造における使用。
【0012】
本願は、さらに、前記プローブ組成物を利用して食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌等という11種類の癌を検出する方法を提供する。
【0013】
本願は、また、前記キットを利用して上記11種類の癌のメチル化レベルの変化を同時に検出する方法も提供する。
【0014】
従来の癌検出技術に制限があるため、以下の利点を有するプローブ組成物を開発する必要がある。
1、液体生検は、非侵襲性腫瘍検出に属し、組織サンプルを取得できない無症候性の人々及び患者集団にも適用することができる。
2、中国の一般的な11種類の癌のメチル化レベルの変化を同時に検出することができ、80%を超える癌発症集団を網羅する。
3、検出の正確性を増加させるために、各癌に対して、平均な配列決定の深さが5000Xを超える。
4、被検者に対して、一回限り全ての発病率が高い癌のスクリーニングを完了し、検出効率を向上させることができ、各マーカーの平均価格は、市場の従来の単一マーカーの検出よりも低い。
5、企業に対して、1つのpenalだけを用いて主要な癌のスクリーニングを完了することができ、プローブの合成コストを節約し、実験フローを簡略化し、実験員の操作を容易にすることができる。
6、原則として、癌患者の予後の癌の監視に用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本願の実施操作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願は、癌遺伝子メチル化検出用のプローブ組成物を提供する。ハイスループット配列決定(NGS)方法に基づいて、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌等という11種類の腫瘍遊離DNAメチル化レベルの変化を検出する。それは、非侵襲的な方式で11種類の一般的な癌のメチル化レベルの変化を同時に検出することができ、感度及び正確性が高く、配列決定の深さが深く、かつコストが低く、組織サンプルを取得できない無症候性の人々及び患者集団、及び癌患者の予後の癌の監視に適用する。
【0017】
定義
本明細書の他の箇所で具体的に限定されない限り、本明細書で使用される全ての他の技術及び科学的用語は、本願の属する分野の当業者に一般的に理解されるものである。
【0018】
プローブは、長さが数十から数百ひいては数千の塩基対の一本鎖又は二本鎖DNAであり、分子の変性、アニーリング及び相補的塩基対形成の高精度を利用し、測定対象のサンプルにおける相補的な非標識一本鎖DNA又はRNAと水素結合(ハイブリダイズ)し、二本鎖複合体(ハイブリッド)を形成することができる。対合されないプローブを洗浄した後、オートラジオグラフィー又は酵素結合反応などの検出システムを用いてハイブリダイゼーション反応結果を検出することができる。本願において、プローブと相補的に結合又はハイブリダイズした領域は、特異的標的領域である。複数のプローブは、プローブ組成物に組み合わせる。
【0019】
癌特異的領域とは、少ない癌の種類において、正常な対照組織と比較して、該領域のメチル化レベルに有意差があることを意味する。
【0020】
汎癌特異的領域とは、大部分の癌の種類において、正常な対照組織と比較して、該領域のメチル化レベルに有意差があることを意味する。
【0021】
組織特異的領域とは、該領域の特定組織におけるメチル化レベルが他の組織と比較して有意差があることを意味する。
【0022】
DNAメチル化とは、CpGジヌクレオチドにおけるシトシン上の第5位の炭素原子のメチル化過程の発生を意味し、安定した修飾状態として、DNAメチルトトランスフヱラーゼの作用で、DNAの複製過程に伴って新生の子孫DNAに遺伝することができ、重要なエピジェネティックメカニズムであり、DNAメチル化の時に、遺伝子プロモーター領域のメチル化は、癌抑制遺伝子の転写サイレンシングを引き起こすことができ、したがって、それと腫瘍の発生との関係が密接である。異常メチル化は、癌抑制遺伝子とDNA修復遺伝子の高メチル化、反復配列DNAの低メチル化、いくつかの遺伝子のインプリンティング喪失を含み、それは、多種の腫瘍の発生に関連する。
【0023】
本明細書において、Panelは、本明細書で使用されるプローブ組成物を指す。
【0024】
以下、本願の技術的解決手段を詳細に説明する。
本願の1つの具体的な実施形態において、プローブ組成物は、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌のうち任意の癌の特異的領域を標的とするプローブであって、前記癌特異的領域は、Seq ID No.1-62のいずれかから選択されるプローブと、Seq ID No.63-64のいずれかから選択される汎癌特異的領域のいずれかを標的とするプローブと、Seq ID No.65-117のいずれかから選択される組織特異的領域のいずれかを標的とするプローブとを含む。前記組織特異的領域におけるSeq ID No.66-67、79、81-82、97-102、116-117は、食道の組織特異的標的領域であり、Seq ID No.81、82、97-102は、胃の組織特異的標的領域であり、Seq ID No.83、87-90、110は、結腸直腸の組織特異的標的領域である。
【0025】
本願の1つの具体的な実施形態において、プローブ組成物は、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌のうち任意の癌の特異的領域を標的とするプローブであって、前記癌特異的領域は、Seq ID No.1-62のいずれかから選択されるプローブと、Seq ID No.63-64のいずれかから選択される汎癌特異的領域のいずれかを標的とするプローブと、Seq ID No.65-117のいずれかから選択される組織特異的領域のいずれかを標的とするプローブとを含む。前記組織特異的領域におけるSeq ID No.65、70-72、76、91-92、103-104は、肺の組織特異的標的領域である。
【0026】
本願の1つの具体的な実施形態において、プローブ組成物は、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌のうち任意の癌の特異的領域を標的とするプローブであって、前記癌特異的領域は、Seq ID No.1-62のいずれかから選択されるプローブと、Seq ID No.63-64のいずれかから選択される汎癌特異的領域のいずれかを標的とするプローブと、Seq ID No.65-117のいずれかから選択される組織特異的領域のいずれかを標的とするプローブとを含む。前記組織特異的領域におけるSeq ID No.73-74、107は、肝臓の組織特異的標的領域であり、Seq ID No.111-115は、膵臓の組織特異的標的領域である。
【0027】
本願の1つの具体的な実施形態において、プローブ組成物は、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌のうち任意の癌の特異的領域を標的とするプローブであって、前記癌特異的領域は、Seq ID No.1-62のいずれかから選択されるプローブと、Seq ID No.63-64のいずれかから選択される汎癌特異的領域のいずれかを標的とするプローブと、Seq ID No.65-117のいずれかから選択される組織特異的領域のいずれかを標的とするプローブとを含む。前記組織特異的領域におけるSeq ID No.80、84、93、95が前立腺の組織特異的標的領域である。
【0028】
本願の1つの具体的な実施形態において、プローブ組成物は、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌のうち任意の癌の特異的領域を標的とするプローブであって、前記癌特異的領域は、Seq ID No.1-62のいずれかから選択されるプローブと、Seq ID No.63-64のいずれかから選択される汎癌特異的領域のいずれかを標的とするプローブと、Seq ID No.65-117のいずれかから選択される組織特異的領域のいずれかを標的とするプローブとを含む。前記組織特異的領域におけるSeq ID No.78、84-86は、乳腺の組織特異的標的領域であり、Seq ID No.77、96、105は、卵巣の組織特異的標的領域であり、Seq ID No.68-69、75、109は、子宮頸部の組織特異的標的領域であり、Seq ID No.94、106、108は、子宮内膜の組織特異的標的領域である。
【0029】
本願の1つの具体的な実施形態において、上記プローブ組成物は、重亜硫酸塩で変換されたCGがメチル化されない前記特異的領域とハイブリダイズした低メチル化プローブと、重亜硫酸塩で変換されたCG全体がメチル化された前記特異的領域とハイブリダイズした高メチル化プローブとを含む。前記低メチル化プローブは、癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.118-214のいずれか、汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.215-216のいずれか、及び組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.217-274のいずれかを含む。前記高メチル化プローブは、癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.275-371のいずれか、汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.372-373のいずれか、及び組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.374-431のいずれかを含む。
【0030】
以下の表1に示すように、Seq ID No.118、Seq ID No.119及びSeq ID No.120は、いずれもSeq ID No.1が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.275、Seq ID No.276及びSeq ID No.277は、いずれもSeq ID No.1が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.121及びSeq ID No.122は、いずれもSeq ID No.2が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.278及びSeq ID No.279は、いずれもSeq ID No.2が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.123及びSeq ID No.124は、いずれもSeq ID No.3が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.280及びSeq ID No.281は、いずれもSeq ID No.3が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.125は、Seq ID No.4が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.282は、Seq ID No.4が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.126及びSeq ID No.127は、いずれもSeq ID No.5が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.283及びSeq ID No.284は、いずれもSeq ID No.3が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.128は、Seq ID No.6が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.285は、Seq ID No.6が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.129は、Seq ID No.7が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.286は、Seq ID No.7が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.130及びSeq ID No.130は、いずれもSeq ID No.8が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.287及びSeq ID No.288は、いずれもSeq ID No.8が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.132、Seq ID No.133及びSeq ID No.134は、いずれもSeq ID No.9が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.289、Seq ID No.290及びSeq ID No.291は、いずれもSeq ID No.9が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.135は、Seq ID No.10が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.292は、Seq ID No.10が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.136は、Seq ID No.11が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.293は、Seq ID No.11が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.137は、Seq ID No.12が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.294は、Seq ID No.12が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.138は、Seq ID No.13が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.295は、Seq ID No.13が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.139及びSeq ID No.140は、いずれもSeq ID No.14が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.296及びSeq ID No.297は、いずれもSeq ID No.14が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.141及びSeq ID No.142は、いずれもSeq ID No.15が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.298及びSeq ID No.299は、いずれもSeq ID No.15が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.143及びSeq ID No.144は、いずれもSeq ID No.16が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.300及びSeq ID No.301は、いずれもSeq ID No.16が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.145及びSeq ID No.146は、いずれもSSeq ID No.17が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.302及びSeq ID No.303は、いずれもSeq ID No.17が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.147は、Seq ID No.18が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.304は、Seq ID No.18が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.148及びSeq ID No.149は、いずれもSeq ID No.19が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.305及びSeq ID No.306は、いずれもSeq ID No.19が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.150は、Seq ID No.20が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.307は、Seq ID No.20が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.151は、Seq ID No.21が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.308は、Seq ID No.21が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.152は、Seq ID No.22が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.309は、Seq ID No.22が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.153、Seq ID No.154、及びSeq ID No.155は、いずれもSeq ID No.23が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.310、Seq ID No.311、及びSeq ID No.312は、いずれもSeq ID No.23が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.156及びSeq ID No.157は、いずれもSeq ID No.24が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.313及びSeq ID No.314は、いずれもSeq ID No.24が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.158及びSeq ID No.159は、いずれもSeq ID No.25が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.315及びSeq ID No.316は、いずれもSeq ID No.25が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.160及びSeq ID No.161は、いずれもSeq ID No.26が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.317及びSeq ID No.318は、いずれもSeq ID No.26が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.162は、Seq ID No.27が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.319は、Seq ID No.27が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.163及びSeq ID No.164は、いずれもSeq ID No.28が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.320及びSeq ID No.321は、いずれもSeq ID No.28が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.165及びSeq ID No.166は、いずれもSeq ID No.29が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.322及びSeq ID No.323は、いずれもSeq ID No.29が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.167は、Seq ID No.30が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.324は、Seq ID No.30が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.168及びSeq ID No.169は、いずれもSeq ID No.31が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.325及びSeq ID No.326は、いずれもSeq ID No.31が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.170は、Seq ID No.32が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.327は、Seq ID No.32が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.171及びSeq ID No.172は、いずれもSeq ID No.33が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.328及びSeq ID No.329は、いずれもSeq ID No.33が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.173は、Seq ID No.34が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.330は、Seq ID No.34が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.174及びSeq ID No.175は、いずれもSeq ID No.35が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.331及びSeq ID No.332は、いずれもSeq ID No.35が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.176は、Seq ID No.36が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.333は、Seq ID No.36が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.177及びSeq ID No.178は、いずれもSeq ID No.37が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.334及びSeq ID No.335は、いずれもSeq ID No.37が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.179及びSeq ID No.180は、いずれもSeq ID No.38が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.336及びSeq ID No.337は、いずれもSeq ID No.38が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.181は、Seq ID No.39が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.338は、Seq ID No.39が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.182及びSeq ID No.183は、いずれもSeq ID No.40が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブ
であり、Seq ID No.339及びSeq ID No.340は、いずれもSeq ID No.40が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.184は、Seq ID No.41が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.341は、Seq ID No.41が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.185は、Seq ID No.42が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.342は、Seq ID No.42が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.186は、Seq ID No.43が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.343は、Seq ID No.43が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.187は、Seq ID No.44が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.344は、Seq ID No.44が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.188及びSeq ID No.189は、いずれもSeq ID No.45が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.345及びSeq ID No.346は、いずれもSeq ID No.45が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.190は、Seq ID No.46が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.347は、Seq ID No.46が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.191は、Seq ID No.47が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.348は、Seq ID No.47が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.192は、Seq ID No.48が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.349は、Seq ID No.48が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.193は、Seq ID No.49が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.350は、Seq ID No.49が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.194は、Seq ID No.50が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.351は、Seq ID No.50が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.195及びSeq ID No.196は、いずれもSeq ID No.51が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.352及びSeq ID No.353は、いずれもSeq ID No.51が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.197は、Seq ID No.52が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.354は、Seq ID No.52が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.198及びSeq ID No.199は、いずれもSeq ID No.53が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.355及びSeq ID No.356は、いずれもSeq ID No.53が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.200は、Seq ID No.54が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.357は、Seq ID No.54が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.201及びSeq ID No.202は、いずれもSeq ID No.55が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.358及びSeq ID No.359は、いずれもSeq ID No.55が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.203及びSeq ID No.204は、いずれもSeq ID No.56が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.360及びSeq ID No.361は、いずれもSeq ID No.56が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.205及びSeq ID No.206は、いずれもSeq ID No.57が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.362及びSeq ID No.363は、いずれもSeq ID No.57が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.207及びSeq ID No.208は、いずれもSeq ID No.58が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.364及びSeq ID No.365は、いずれもSeq ID No.58が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.209及びSeq ID No.210は、いずれもSeq ID No.59が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.366及びSeq ID No.367は、いずれもSeq ID No.59が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.211は、Seq ID No.60が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.368は、Seq ID No.60が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.212及びSeq ID No.213は、いずれもSeq ID No.61が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.369及びSeq ID No.370は、いずれもSeq ID No.61が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.214は、Seq ID No.62が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.371は、Seq ID No.62が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.215は、Seq ID No.63が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.372は、Seq ID No.63が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.216は、Seq ID No.64が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.373は、Seq ID No.64が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.217は、Seq ID No.65が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.374は、Seq ID No.65が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.218は、Seq ID No.66が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.375は、Seq ID No.66が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.219は、Seq ID No.67が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.376は、Seq ID No.67が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.220は、Seq ID No.68が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.377は、Seq ID No.68が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.221は、Seq ID No.69が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.378は、Seq ID No.69が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.222は、Seq ID No.70が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.379は、Seq ID No.70が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.223は、Seq ID No.71が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.380は、Seq ID No.71が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.224は、Seq ID No.72が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.381は、Seq ID No.72が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.225は、Seq ID No.73が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.382は、Seq ID No.73が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.226は、Seq ID No.74が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.383は、Seq ID No.74が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.227は、Seq ID No.75が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.384は、Seq ID No.75が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.228及びSeq ID No.229は、いずれもSeq ID No.76が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.385及びSeq ID No.386は、いずれもSeq ID No.76が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.230は、Seq ID No.77が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.387は、Seq ID No.77が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.231は、Seq ID No.78が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.388は、Seq ID No.78が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.232は、Seq ID No.79が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.389は、Seq ID No.79が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.233は、Seq ID No.80が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.390は、Seq ID No.80が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.234は、Seq ID No.81が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.391は、Seq ID No.81が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.235は、Seq ID No.82が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.392は、Seq ID No.82が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.236は、Seq ID No.83が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.393は、Seq ID No.83が示す標的領域を標的とす
る高メチル化プローブである。Seq ID No.237は、Seq ID No.84が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.394は、Seq ID No.84が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.238は、Seq ID No.85が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.395は、Seq ID No.85が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.239は、Seq ID No.86が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.396は、Seq ID No.86が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.240は、Seq ID No.87が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.397は、Seq ID No.87が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.241は、Seq ID No.88が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.398は、Seq ID No.88が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.242は、Seq ID No.89が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.399は、Seq ID No.89が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.243は、Seq ID No.90が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.400は、Seq ID No.90が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.244は、Seq ID No.91が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.401は、Seq ID No.91が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.245は、Seq ID No.92が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.402は、Seq ID No.92が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.246は、Seq ID No.93が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.403は、Seq ID No.93が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.247は、Seq ID No.94が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.404は、Seq ID No.94が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.248は、Seq ID No.95が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.405は、Seq ID No.95が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.249は、Seq ID No.96が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.406はSeq ID No.96が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.250は、Seq ID No.97が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.407は、Seq ID No.97が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.251は、Seq ID No.98が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.408は、Seq ID No.98が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.252は、Seq ID No.99が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.409は、Seq ID No.99が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.253は、Seq ID No.100が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.410は、Seq ID No.100が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.254は、Seq ID No.101が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.411は、Seq ID No.101が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.255及びSeq ID No.256は、いずれもSeq ID No.102が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.412及びSeq ID No.413は、いずれもSeq ID No.102が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.257は、Seq ID No.103が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.414は、Seq ID No.103が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.258は、Seq ID No.104が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.415は、Seq ID No.104が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.259は、Seq ID No.105が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.416は、Seq ID No.105が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.260は、Seq ID No.106が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.417は、Seq ID No.106が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.261は、Seq ID No.107が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.418は、Seq ID No.107が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.262は、Seq ID No.108が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.419は、Seq ID No.108が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.263は、Seq ID No.109が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.420は、Seq ID No.109が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.264、Seq ID No.265、及びSeq ID No.266は、いずれもSeq ID No.110が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.421、Seq ID No.422、及びSeq ID No.423は、いずれもSeq ID No.110が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.267は、Seq ID No.111が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.424は、Seq ID No.111が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.268は、Seq ID No.112が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.425は、Seq ID No.112が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.269は、Seq ID No.113が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.426は、Seq ID No.113が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.270及びSeq ID No.271は、いずれもSeq ID No.114が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.427及びSeq ID No.428は、いずれもSeq ID No.114が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.272は、Seq ID No.115が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.429は、Seq ID No.115が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.273は、Seq ID No.116が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.430は、Seq ID No.116が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。Seq ID No.274は、Seq ID No.117が示す標的領域を標的とする低メチル化プローブであり、Seq ID No.431は、Seq ID No.117が示す標的領域を標的とする高メチル化プローブである。表1にプローブの標的とする標的配列を示す。
【0031】
本願の1つの具体的な実施形態において、上記プローブ組成物における各プローブの長さは、40~60bpであり、好ましくは、45~56bpであり、好ましくは、50~56bpであり、さらに好ましくは、50bpである。
【0032】
本願は、さらに、キットを提供する。
【0033】
本願の1つの具体的な実施形態において、前記キットは、上記いずれかの実施形態に記載のプローブ組成物を含む。
【0034】
本願は、さらに、プローブ組成物の用途を提供する。
【0035】
本願の1つの具体的な実施形態において、上記プローブ組成物は、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌を検出するキットを製造するために用いられる。
【0036】
本願は、さらに、チップを提供する。
【0037】
本願の1つの具体的な実施形態において、前記チップに上記いずれかの実施形態に記載のプローブ組成物が固定される。
【0038】
本願は、さらに、前記プローブ組成物を利用して食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌等という11種類の癌を検出する方法を提供する。
【0039】
本願の1つの具体的な実施形態において、前記検出方法は、ハイブリダイゼーションによる捕捉方式を採用してcfDNAを濃縮し、かつNGS技術を用いて癌に密接に関連するメチル化部位を検出する。中国の発病率が最も高い6つの悪性腫瘍(肺癌、胃癌、結腸直腸癌、肝臓癌、乳癌及び食道癌)、及び悪性度が極めて高い膵臓癌を網羅する。また、他の3種類の女性腫瘍及び男性腫瘍(子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜癌、及び前立腺癌)を含む。最後に、検出された血漿cfDNAにおける遺伝子メチル化の変化レベルに基づいて、多重癌の早期スクリーニング及び早期診断に情報を提供する。
【0040】
本願は、また、前記キットを利用して上記11種類の癌のメチル化レベルの変化を同時に検出する方法も提供する。
【0041】
具体的には、本願は、被験者の11種類の癌のインビトロ検出方法に関し、この方法は、被験者サンプルを採取するステップと、前記サンプルにおけるDNAを抽出し精製するステップと、精製されたDNAサンプルに対して配列決定用のDNAライブラリーを構築するステップと、前記構築されたDNAライブラリーを重亜硫酸塩で変換するステップと、プレPCRにより前記重亜硫酸塩で変換されたDNAライブラリーを増幅するステップと、プローブ組成物を利用してプレPCRにより増幅されたサンプルに対してハイブリダイゼーションによる捕捉を行うステップと、PCRを利用してハイブリダイゼーションにより捕捉された生成物を増幅するステップと、PCR増幅後のハイブリダイゼーションにより捕捉された生成物に対してハイスループット次世代配列決定を行うステップと、配列決定データを分析し、サンプルのメチル化レベルを決定するステップと、前記サンプルのメチル化レベルに基づいて前記患者の罹患状況を判読するステップとを含む。
【0042】
具体的には、前記被験者は癌がかかる疑いがある。具体的には、採取された被験者サンプルは、血漿サンプルである。具体的には、前記変換は、重亜硫酸塩処理を用いる。
【0043】
具体的には、前記プローブ組成物は、汎癌特異的領域を標的とする2つのプローブと、癌特異的領域を標的とするn個のプローブと、組織特異的領域を標的とするm個のプローブとを含む。前記プローブ組成物は、重亜硫酸塩で変換されたCGがメチル化されない前記癌特異的領域、汎癌特異的領域、及び組織特異的領域にハイブリダイズした低メチル化プローブと、重亜硫酸塩で変換されたCG全体がメチル化された前記癌特異的領域、汎癌特異的領域、及び組織特異的領域とハイブリダイズする高メチル化プローブとを含む。前記プローブ組成物における各プローブの長さは、40~60bpである。例えば、前記プローブ組成物における各プローブの長さは、45~56bpであり、好ましくは、50~56bpであり、さらに好ましくは、50bpである。
【0044】
具体的には、前記プローブ組成物におけるn個のプローブは、癌特異的領域を標的とし、nは、1-192から選択される任意の整数であり、前記癌特異的領域は、Seq ID No.1-62のいずれかから選択される。前記プローブ組成物におけるm個のプローブは前記組織特異的領域を標的とし、mは、1-116から選択されるいずれかの整数であり、前記組織特異的領域は、Seq ID No.65-117のいずれかから選択される。前記低メチル化プローブは、癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.118-214のいずれか、汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.215-216のいずれか、及び組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.217-274のいずれかを含む。前記高メチル化プローブは、癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.275-371のいずれか、汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.372-373のいずれか、及び組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.374-431のいずれかを含む。
【0045】
具体的には、前記判読は、(1)汎癌特異的領域データベースを比較し、かつ判読して被験者が癌に罹患しているか否かを確認するステップと、(2)癌特異的領域データベースを比較し、かつ判読して被験者が罹患している癌がいくつかの疑われる癌のうちの1種類であることを確認するステップと、(3)組織特異的領域データベースを比較し、かつ判読して被験者の癌に罹患する部位を確認するステップと、を含む。前記ステップ(1)は、前記汎癌特異的領域Seq ID No.63のメチル化レベルが55%以上であるか否かを判断し、かつ前記汎癌特異的領域Seq ID No.64のメチル化レベルが60%以上であるか否かを判断し、Seq ID No.63のメチル化レベルが55%以上であり、かつSeq ID No.64のメチル化レベルが60%以上であると、前記患者が癌に罹患していると判読することを含む。前記ステップ(2)は、前記癌特異的領域を標的とするn個のプローブにおいて、n1個のプローブの標的とする領域のメチル化レベルがそれぞれの閾値以上であり、かつn1/n≧20%であり、好ましくは、n1/n≧30%であると、患者が組織特異的癌のいずれかに罹患していると判読することを含む。前記ステップ(3)は、前記組織特異的領域を標的とするm個のプローブのうちm1個のプローブの標的とする領域のメチル化レベルがそれぞれの閾値以上である場合、それぞれの閾値以上のm1個のプローブの標的とする組織をさらに分析し、かつ各組織の閾値以上であるプローブの個数をカウントし、患者の癌に罹患している組織が、メチル化レベルが閾値以上である、プローブの数が最も多い組織であると判読することを含む。下記表1には、各標的領域のメチル化の閾値も示される。
【0046】
【表1-1】
【0047】
【表1-2】
【0048】
【表1-3】
【0049】
【表1-4】
【0050】
【表1-5】
【0051】
【表1-6】
【0052】
【表1-7】
【0053】
【表1-8】
【0054】
【表1-9】
【0055】
【表1-10】
【0056】
【表1-11】
【0057】
【表1-12】
【0058】
【表1-13】
【0059】
【表1-14】
【0060】
【表1-15】
【0061】
【表1-16】
【0062】
【表1-17】
【0063】
【表1-18】
【0064】
【表1-19】
【0065】
【表1-20】
【0066】
【表1-21】
【0067】
【表1-22】
【0068】
【表1-23】
【0069】
【表1-24】
【0070】
【表1-25】
【0071】
【表1-26】
【0072】
【表1-27】
【0073】
【表1-28】
【0074】
【表1-29】
【0075】
【表1-30】
【実施例
【0076】
実施例1:
図1に示すように、本願の実施フローは、具体的には以下のとおりである。
【0077】
1.1.cfDNAの抽出精製
1.1.1.血漿サンプルの調製:
4℃、2000gで血液サンプルを10min遠心分離し、血漿を新しい遠心分離管に移した。4℃、16000gで血漿サンプルを10min遠心分離し、使用された収集管タイプに基づいて、次のステップを実行し、本実験で使用された収集管タイプは、他である。
【0078】
【表2】
【0079】
1.1.2.溶解及び結合
1.1.2.1.以下の表に従って結合しようとする溶液/ビーズ混合物を用意し、その後に完全に均一に混合した。
【0080】
【表3】
【0081】
適量の体積の血漿サンプルを添加した。
1.1.2.2.血漿サンプルと結合溶液/ビーズ混合物を完全に均一に混合した。
1.1.2.3.ローティッセリで10min十分に結合し、cfDNAを磁気ビーズに結合した。
1.1.2.4.溶液が清澄になるまで結合管を磁気スタンドに5min置き、磁気ビーズが磁気スタンドに完全に吸着された。
1.1.2.5.ピペットで上澄液を注意深く捨て、管を磁気スタンドに数分間保持し続け、ピペットで残留上澄液を除去した。
【0082】
1.1.3.洗浄
1.1.3.1.ビーズを1mlの洗浄溶液に再懸濁した。
1.1.3.2.再懸濁液を新しい吸着されない1.5mlの遠心分離管に移した。結合管を残した。
1.1.3.3.ビーズ懸濁液を含有する遠心分離管を磁気スタンドに20s置いた。
1.1.3.4.分離して得られた上澄液を、洗浄結合管から吸い出し、洗浄後の残留ビーズを再懸濁液に再収集し、溶解/結合管を捨てた。
1.1.3.5.溶液が清澄になり、ビーズが磁気スタンドに凝集するまで管を磁気スタンドに2min置き、1mlのピペットで上澄液を除去した。
1.1.3.6.管を磁気スタンドに残し、200μLのピペットで残留した液体をできるだけ除去した。
1.1.3.7.管を磁気スタンドから取り外し、1mlの洗浄溶液を添加し、30sボルテックスした。
1.1.3.8.溶液が清澄になり、ビーズが磁気スタンドに凝集するまで磁気スタンドに2minに置き、1mlのピペットで上澄液を除去した。
1.1.3.9.管を磁気スタンドに残し、200μLのピペットで残留液体を完全に除去した。
1.1.3.10.管を磁気スタンドから取り外し、1mlの80%のエタノールを添加し、30sボルテックスした。
1.1.3.11.磁気スタンドに2min置き、溶液が清澄になり、1mlのピペットで上澄液を除去した。
1.1.3.12.管を磁気スタンドに残し、200μLのピペットで残留液体を除去した。
1.1.3.13.80%のエタノールで上記1.1.3.10.-1.1.3.12.のステップを1回繰り返し、上澄液をできるだけ除去した。
1.1.3.14.管を磁気スタンドに残し、空気にビーズを3~5分間乾燥させた。
【0083】
1.1.4.cfDNAの溶離
1.1.4.1.下記表に従って溶離液を加えた。
【0084】
【表4】
【0085】
1.1.4.2.5minボルテックスし、磁気スタンドに2min置き、溶液が清澄になり、上澄液中のcfDNAを吸い取った。
1.1.4.3.精製されたcfDNAを直ちに使用し、又は上澄液を新しい遠心分離管に移し、-20℃で保存した。
【0086】
1.2.gDNAの断片化及び精製:
1.2.1.Qubit濃度に応じて、2μgのgDNAに、水を添加して125μlまで補充し、covarisの130μlの断片化管に加え、プログラムを、50W、20%、200サイクル、250sに設定した。
【0087】
1.2.2.断片化が終了した後に1μlのサンプルに対してAgilent2100を用いて断片を検出し、正常に断片化した後に、サンプルの検出メインピークは、約150bp-200bpであった。
cfDNAサンプルについて、Agilent2100で、断片検出を行い、直接的にQubitを行って後続の実験のために用意した。
【0088】
1.3.末端修復、3’端への「A」テイル化。
1.3.1.20ngの断片化されたgDNA又はcfDNAをPCRチューブに入れ、ヌクレアーゼフリー水を50μlになるまで加え、以下の試薬を加え、ボルテックスして均一に混合した。
【0089】
【表5】
【0090】
1.3.2.以下のプログラムを設定してPCR機器で反応を行った:ホットリッド温度85℃。
【0091】
【表6】
【0092】
1.4.リンカー連結及び精製:
1.4.1.以下の表を参照してリンカーを適切な濃度に予め希釈した。
【0093】
【表7】
【0094】
1.4.2.以下の表に従って以下の試薬を調製し、軽くピペッティングして均一に混合し、短時間遠心分離した。
【0095】
【表8】
【0096】
1.4.3.以下のプログラムを設定してPCR機器で反応を行った:ホットリッドなし。
【0097】
【表9】
【0098】
1.4.4.以下の系に従って、精製された磁気ビーズを加えて実験を行った(Agencourt AMPure XP磁気ビーズを事前に室温にして振盪し均一に混合して使用に備える)。
【0099】
【表10】
【0100】
1.4.4.1.軽くピペッティングして6回均一に混合した。
1.4.4.2.室温で5-15min静置してインキュベートし、PCRチューブを磁気スタンドに3min置いて溶液を清澄化した。
1.4.4.3.上澄液を除去し、PCRチューブを磁気スタンドに置き続け、PCRチューブ内に200μlの80%のエタノール溶液を加え、30s静置した。
1.4.4.4.上澄液を除去し、次にPCRチューブ内に200μlの80%のエタノール溶液を加え、30s静置した後に上澄液を完全に除去した(10μlのピペットを用いて底部に残留するエタノール溶液を除去することを薦める)。
1.4.4.5.室温で3-5min静置し、残留エタノールを完全に揮発させた。
1.4.4.6.22μlのヌクレアーゼフリー水を加え、PCRチューブを磁気スタンドから取り外し、軽くピペッティングし磁気ビーズを再懸濁し、気泡の生成を回避し、室温で2min静置した。
1.4.4.7.PCRチューブを磁気スタンドに2min置いて溶液を清澄化した。
1.4.4.8.ピペットで20μlの上澄液を吸引し、新しいPCRチューブに移した。
【0101】
1.5重亜硫酸塩処理及び精製:
1.5.1.必要な試薬を予め取り出し、かつ溶解した。以下の表に基づいて各試薬を加えた。
【0102】
【表11】
【0103】
1.5.2.DNA保護緩衝液に液体を加えると青色になった。軽くピペッティングして均一に混合し、次に2つの管に分けてPCR機器に置いた。
1.5.3.以下のプログラムを設定し、かつ実行した:ホットリッド105℃。
【0104】
【表12】
【0105】
1.5.4.短時間で遠心分離して2つの管の同じサンプルを同一のきれいな1.5mlの遠心分離管に合わせた。
1.5.5.各サンプルに310μlの緩衝液BLを加え(サンプル量が100ngよりも少ないと、1μlのキャリアRNA(1μg/μl)を加える)、ボルテックスし均一に混合し、短時間で遠心分離した。
1.5.6.250μlの無水エタノールを各サンプルに加え、15sボルテックスし均一に混合し、短時間で遠心分離し、混合液を準備された対応するスピンカラムに入れた。
1.5.7.1min静置し、1min遠心分離し、収集管内の液体をスピンカラムに改めて移し、1min遠心分離し、遠心分離管の液体を捨てた。
1.5.8.500μlの緩衝液BWを加え(無水エタノールを添加するか否かに気をつける)、1min遠心分離し、廃液を捨てた。
1.5.9.500μlの緩衝液BDを加え(無水エタノールを添加するか否かに気をつける)、管にキャップを付けて、室温で15min放置した。1min遠心分離し、遠心分離後の液体を捨てた。
1.5.10.500μlの緩衝液BWを加え(無水エタノールを添加するか否かに気をつける)、1min遠心分離し、遠心分離後の液体を捨て、1回繰り返し、合計2回であった。
1.5.11.250μlの無水エタノールを加え、1min遠心分離し、スピンカラムを新しい2mlの収集管に置き、全ての残りの液体を捨てた。
1.5.12.スピンカラムをきれいな1.5mlの遠心分離管に置き、20μlのヌクレアーゼフリー水をスピンカラム膜の中央に加え、管にキャップを軽く付けて、室温で1min放置し、1min遠心分離した。
1.5.13.収集管中の液体をスピンカラムに改めて移し、室温で1min置き、1min遠心分離した。
【0106】
1.6.ハイブリダイゼーション前のプレ増幅及び精製:
1.6.1.以下の表に従って反応系を調製し、ピペッティングして均一に混合し、短時間で遠心分離した。
【0107】
【表13】
【0108】
1.6.2.以下のプログラムを設定してPCRプログラムを起動した:ホットリッド105℃。
【0109】
【表14】
【0110】
1.6.3.PCRサイクル数は、投入されたDNAの量に応じて調整され、基準データは、以下のように示された。
【0111】
【表15】
【0112】
1.6.4.反応終了後のPCRチューブに50μlのAgencourt AMPure XP磁気ビーズを加え、気泡の生成を避けるように、ピペットでピペッティングして均一に混合した(事前にAgencourt AMPure XPを室温で均一に混合してバランスした)。
1.6.5.室温で5-15minインキュベートし、PCRチューブを磁気スタンドに3min置いて溶液を清澄化した。
1.6.6.上澄液を除去し、PCRチューブを磁気スタンドに置き続け、PCRチューブ内に200μlの80%のエタノール溶液を添加し、30s静置した。
1.6.7.上澄液を除去し、次にPCRチューブ内に200μlの80%のエタノール溶液を加え、30s静置した後に上澄液を完全に除去した(10μlのピペットを用いて底部に残留するエタノール溶液を除去することを薦める)。
1.6.8.室温で5min静置し、残留エタノールを完全に揮発させた。
1.6.9.30μlのヌクレアーゼフリー水を加え、遠心分離管を磁気スタンドから取り外し、ピペットを使用し、軽くピペッティングして磁気ビーズを再懸濁した。
1.6.10.室温で2min静置し、200μlのPCRチューブを磁気スタンドに2min置いて溶液を清澄化した。
1.6.11.ピペットで上澄液を新しい200μlのPCRチューブに移し(アイスボックスに置き)、反応管にサンプル番号をマーク付けし、次の反応に備える。
1.6.12.1μlのサンプルを取ってQubitを用いてライブラリー濃度測定を行い、ライブラリー濃度を記録した。
1.6.13.1μlのサンプルに対してアジレント2100を用いてライブラリー断片の長さを測定し、ライブラリーの長さは、約270bp-320bpの間にあった。
【0113】
1.7.サンプルとプローブとのハイブリダイゼーション:
1.7.1.以下の体系に応じてサンプルライブラリーと様々なHybブロッカーを均一に混合し、Bと表記した:
【0114】
【表16】
【0115】
1.7.2.準備されたサンプルとHybブロッカーの混合物を真空濃縮遠心分離機に入れ、PCRチューブキャップを開き、遠心分離機を起動し、真空ポンプスイッチを開き、濃縮を開始した。
1.7.3.吸引され乾燥したサンプルを改めて約9μlのヌクレアーゼフリー水に溶解し、全体積が10μlであり、軽くピペッティングして均一に混合し、短時間で遠心分離した後に氷に置いて使用に備え、Bと表記した。
1.7.4.Hyb緩衝液を室温で融解し、融解した後に沈殿が出て、均一に混合した後に65℃の水浴槽内に置いて予熱し、完全に溶解した後(沈殿及び濁りがない)、20μlのHyb緩衝液を新しい200μlのPCRチューブ内に置き、チューブにキャップを付けて、Aと表記し、65℃の水浴槽内に置き続けてインキュベートして使用に備えた。
【0116】
1.7.5.iGeneTech Biotech(北京)有限公司により、以下の低メチル化プローブを合成した。
a)癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.118-214のいずれか、b)汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.215-216のいずれか、及びc)組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.217-274のいずれか。
かつ、以下の高メチル化プローブを合成した。
d)癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.275-371のいずれか、e)汎癌特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.372-373のいずれか、及びf)組織特異的領域を標的とするプローブSeq ID No.374-431のいずれか。
かつ、a:b:c:d:e:f=1:1:1:1:1:1の比率でプローブ組成物を調製した。
【0117】
1.7.6.5μlのRNaseブロッカーと2μlのプローブ組成物を200μlのPCRチューブ内に置き、軽くピペッティングして均一に混合し、短時間で遠心分離した後に氷に置いて使用に備え、Cと表記した。
1.7.7.PCR機器パラメータを、ホットリッド100℃、95℃、5min、65℃で保持するように設定した。
1.7.8.PCRチューブBをPCR機器に置き、以上のプログラムを実行した。
1.7.9.PCR機器の温度が65℃に低下する時、PCRチューブAをPCR機器に置いてインキュベートし、PCR機器のホットリッドをつけた。
1.7.10.5min後、CをPCRに置いてインキュベートし、PCR機器のホットリッドを付けた。
1.7.11.PCRチューブCをPCR機器に2min置いた後、ピペットを13μlに調整し、PCRチューブAから13μlのHyb緩衝液を吸引してPCRチューブCに移し、全てのPCRチューブB内のサンプルを吸い取ってPCRチューブCに移し、10回軽くピペッティングし、十分に均一に混合し、大量の気泡の生成を回避し、チューブキャップを密封し、PCR機器にホットリッドをし、65℃で(16-24h)一晩インキュベートした。
【0118】
1.8.標的領域DNAライブラリーの捕捉:
1.8.1.磁気ビーズを捕捉する準備
1.8.1.1.磁気ビーズ(Dynabeads MyOne Streptavidin T1磁気ビーズ)を4℃で取り出し、ボルテックスし振盪し再懸濁した。
1.8.1.2.50μlの磁気ビーズを新しいPCRチューブ内に置き、磁気スタンドに1min置いて溶液を清澄化し、上澄液を除去した。
1.8.1.3.磁気スタンドからPCRチューブを取り外し、200μLの結合緩衝液を加えて複数回軽くピペッティングして均一に混合し、磁気ビーズを再懸濁した。
1.8.1.4.磁気スタンドに1min置き、上澄液を除去した。
1.8.1.5.ステップ3-4を2回繰り返し、磁気ビーズを計3回洗浄した。
1.8.1.6.磁気スタンドからPCRチューブを取り出し、200μLの結合緩衝液を加えて6回軽くピペッティングして磁気ビーズを再懸濁して使用に備えた。
【0119】
1.8.2.標的DNAライブラリーの捕捉
1.8.2.1.ハイブリダイゼーション生成物PCRチューブCをPCR機器に保持し、準備された200μLの捕捉用磁気ビーズをハイブリダイゼーション後の生成物PCRチューブCに加え、ピペットで6回ピペッティングして均一に混合し、ローティッセリに置いて室温で30min結合した(回転速度は、好ましくは10回転/min以下である)。
1.8.2.2.PCRチューブを磁気スタンドに2min置いて溶液を清澄化し、上澄液を除去した。
1.8.2.3.PCRチューブC内に200μLの洗浄緩衝液1を加え、6回軽くピペッティングして均一に混合し、ローティッセリに置いて15min洗浄し(回転速度は、好ましくは10回転/min以下である)、次に短時間で遠心分離し、PCRチューブを磁気スタンドに2min置いて溶液を清澄化し、上澄液を除去した。
1.8.2.4.200μlの65℃で予熱した洗浄緩衝液2を加え、6回軽くピペッティングして均一に混合し、ミキサーに置いて65℃で10minインキュベートし、800回転/minの回転速度で洗浄した。
1.8.2.5.短時間で遠心分離し、PCRチューブを磁気スタンド上に2min置いて、上澄液を除去した。洗浄緩衝液2を用いて洗浄を2回繰り返し、合計3回であった。最後に洗浄緩衝液2を完全に除去した。
1.8.2.6.PCRチューブを磁気スタンドに置き続け、PCRチューブ内に200μlの80%のエタノールを添加し、30s静置した後にエタノール溶液を完全に除去し、室温で2min乾燥させた。
1.8.2.7.PCRチューブに30μLのヌクレアーゼフリー水を加え、磁気スタンドからPCRチューブを取り外し、6回軽くピペッティングして磁気ビーズを再懸濁して使用に備えた。
【0120】
1.9.捕捉後の増幅及び精製
1.9.1.以下の表に基づいて反応系を調製して捕捉ライブラリーの濃縮を行い、軽くピペッティングして均一に混合した後、短時間で遠心分離した。
【0121】
【表17】
【0122】
1.9.2.以下のプログラムを設定し、サンプルをPCR機器に置き、プログラムを実行する:ホットリッド105℃。
【0123】
【表18】
【0124】
1.9.3.PCRが終了した後にサンプルに55μlのAgencourt AMPure XP磁気ビーズを加え、ピペットで軽くピペッティングして均一に混合した。
1.9.4.室温で5minインキュベートし、PCRチューブを磁気スタンドに3min置いて溶液を清澄化した。
1.9.5.上澄液を除去し、PCRチューブを磁気スタンドに置き続け、200μlの80%の無水エタノールを加え、30s静置した。
1.9.6.上澄液を除去し、次にPCRチューブ内に200μlの80%の無水エタノールを添加し、30s静置した後に上澄液を完全に除去した。
1.9.7.室温で5min放置することにより、残留エタノールを完全に揮発させた。
1.9.8.25μlのヌクレアーゼフリー水を加え、PCRチューブを磁気スタンドから取り外し、軽くピペッティングして均一に混合して磁気ビーズを再懸濁し、室温で2min置いた。
1.9.9.PCRチューブを磁気スタンドに2min置いて溶液を清澄化した。
1.9.10.ピペットで23μlの上澄液を吸い取って1.5mlの遠心分離管に移し、サンプル情報を付けた。
1.9.11.1μlのライブラリーを取ってQubitを用いて定量し、ライブラリー濃度を記録した。
1.9.12.サンプルを1μl取り、Agilent2100を用いてライブラリー断片の長さを測定した。
1.9.13.Illuminaハイスループット配列決定プラットフォームを用いて配列決定を行った。
【0125】
1.10.メチル化生体情報の分析フローとして、一般的に、trimmomatic等の品質制御ソフトウェアを使用して配列決定品質をチェックし、低品質のリードを除去し、その後にBismarker等の比較ソフトウェアを用いて品質制御後のクリーンなデータを参照ゲノムと照合し、methykit等のRパッケージを用いて対応するメチル化部位を抽出した。最後に、Panel上の各標的領域のメチル化比率を算出した。
【0126】
実施例2
病理学的に評価されたサンプルを一例として、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、Illuminaプラットフォームにより配列決定する。配列決定データは、生体情報の分析フローにより処理され、メチル化レベルを得て、結果は、以下の表19に示すとおりである(表19は、検出されたメチル化閾値以上の標的領域を示す)。
【0127】
【表19-1】
【0128】
【表19-2】
【0129】
検出サンプルに対してパターン認識分類同定を行い、まず、汎癌特異的マーカーTBX15及びCRYGD遺伝子のメチル化レベルが55%及び60%以上であることを判読すると、該サンプルが、癌に罹患しているサンプルであると予備的に判断し、次に、癌特異的マーカーOTX1、SFRP2、CDO1、TRIM15、ALX4、CCNA1のメチル化レベルがいずれも表1に示されたそれぞれの閾値以上である(上記表19に示すとおりである)と判読すると、該サンプルが、以下の11種類の癌(食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌)における任意の癌に罹患しているサンプルであると判断し、最後に、組織特異的マーカーを判読し、表19におけるそれぞれの閾値以上の標的領域に基づいて、胃組織特異性の6つの標的領域Seq ID No.81、Seq ID No.82、Seq ID No.97、Seq ID No.98、Seq ID No.99及びSeq ID No.100がそれぞれのメチル化レベルの閾値以上であり、他の組織特異的マーカーのメチル化がそのそれぞれの閾値以上ではないことが分かり、したがって、それぞれのメチル化閾値以上の組織特異的マーカーにおいて、胃組織特異的マーカーが最も多い場合、最終的に、該サンプルが胃癌に罹患しているサンプルであると判断する。
該患者は、術後48時間後に、再び採血し、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、かつIlluminaプラットフォームにより配列決定し、配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、パターン認識の方法で、全ての配列決定データを分析し、結果は、上表における遺伝子メチル化レベルが正常なレベルに復帰することを示す。
【0130】
実施例3
結腸直腸癌サンプルを一例として、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、かつIlluminaプラットフォームにより配列決定する。配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、メチル化レベルを得て、結果は、以下の表20に示すとおりである(表20は、検出されたメチル化閾値以上の標的領域を示す)。
【0131】
【表20-1】
【0132】
【表20-2】
【0133】
検出サンプルに対してパターン認識分類同定を行い、まず、汎癌特異的マーカーTBX15及びCRYGD遺伝子のメチル化レベルが55%及び60%以上であることを判読すると、該サンプルが、癌に罹患しているサンプルであると予備的に判断し、次に、癌特異的マーカーTRH、CDO1、ELMO1、GFRA1、CCNA1、SALL1のメチル化レベルがいずれも表1に示されたそれぞれの閾値以上である(上記表20に示すとおりである)と判読すると、該サンプルが、以下の11種類の癌(食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌)における任意の癌に罹患しているサンプルであると判断し、最後に、組織特異的マーカーを判読し、表20におけるそれぞれの閾値以上の標的領域に基づいて、結腸直腸組織特異性の6つの標的領域Seq ID No.63、Seq ID No.64、Seq ID No.87、Seq ID No.88、Seq ID No.89、Seq ID No.90がそれぞれのメチル化レベルの閾値以上であり、他の組織特異的マーカーのメチル化がそのそれぞれの閾値以上ではないことが分かり、したがって、それぞれのメチル化閾値以上の組織特異的マーカーにおいて、結腸直腸組織特異的マーカーが最も多い場合、最終的に、該サンプルが結腸直腸癌に罹患しているサンプルであると判断する。
患者は、術後48時間後に、再び採血し、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、配列決定し、配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、パターン認識の方法で、全ての配列決定データを分析し、結果は、上記表における遺伝子メチル化レベルが正常なレベルに復帰することを示す。
【0134】
実施例4
肺癌サンプルを一例として、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、かつIlluminaプラットフォームにより配列決定する。配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、メチル化レベルを得て、結果は、以下の表21に示すとおりである(表21は、検出されたメチル化閾値以上の標的領域を示す)。
【0135】
【表21】
【0136】
検出サンプルに対してパターン認識分類同定を行い、まず、汎癌特異的マーカーTBX15及びCRYGD遺伝子のメチル化レベルが55%及び60%以上であることを判読すると、該サンプルが、癌に罹患しているサンプルであると予備的に判断し、次に、癌特異的マーカーRUNX3、APC、HOXA11 AS、PHOX2A、GALR1のメチル化レベルがいずれも表1に示されたそれぞれの閾値以上である(上記表21に示すとおりである)と判読すると、該サンプルが、以下の11種類の癌(食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌)における任意の癌に罹患しているサンプルであると判断し、最後に、組織特異的マーカーを判読し、表21におけるそれぞれの閾値以上の標的領域に基づいて、肺臓組織特異性の5つの標的領域Seq ID No.71、Seq ID No.72、Seq ID No.76、Seq ID No.91及びSeq ID No.92がそれぞれのメチル化レベルの閾値以上であり、他の組織特異的マーカーのメチル化がそのそれぞれの閾値以上ではないことが分かり、したがって、それぞれのメチル化閾値以上の組織特異的マーカーにおいて、肺臓組織特異的マーカーが最も多い場合、最終的に、該サンプルが肺癌に罹患しているサンプルであると判断する。
患者は、術後48時間後に、再び採血し、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、配列決定し、配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、パターン認識の方法で、全ての配列決定データを分析し、結果は、上記表における遺伝子メチル化レベルが正常なレベルに復帰することを示す。
【0137】
実施例5
肝臓癌サンプルを一例として、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、かつIlluminaプラットフォームにより配列決定する。配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、メチル化レベルを得て、結果は、以下の表22に示すとおりである(表22は、検出されたメチル化閾値以上の標的領域を示す)。
【0138】
【表22】
【0139】
検出サンプルに対してパターン認識分類同定を行い、まず、汎癌特異的マーカーTBX15及びCRYGD遺伝子のメチル化レベルが55%及び60%以上であることを判読すると、該サンプルが、癌に罹患しているサンプルであると予備的に判断し、次に、癌特異的マーカーRASSF1、APC、TRIM15、HOXA11 AS、CCND2のメチル化レベルがいずれも表1に示されたそれぞれの閾値以上である(上記表22に示すとおりである)と判読すると、該サンプルが、以下の11種類の癌(食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌)における任意の癌に罹患しているサンプルであると判断し、最後に、組織特異的マーカーを判読し、表22におけるそれぞれの閾値以上の標的領域に基づいて、肝組織特異性の2つの標的領域Seq ID No.73及びSeq ID No.74がそれぞれのメチル化レベルの閾値以上であり、他の組織特異的マーカーのメチル化がそのそれぞれの閾値以上ではないことが分かり、したがって、それぞれのメチル化閾値以上の組織特異的マーカーにおいて、肝組織特異的マーカーが最も多い場合、最終的に、該サンプルが肝臓癌に罹患しているサンプルであると判断する。
患者は、術後48時間後に、再び採血し、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、配列決定し、配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、パターン認識の方法で、全ての配列決定データを分析し、結果は、上記表における遺伝子メチル化レベルが正常なレベルに復帰することを示す。
【0140】
実施例6
食道癌サンプルを一例として、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、かつIlluminaプラットフォームにより配列決定する。配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、メチル化レベルを得て、結果は、以下の表23に示すとおりである(表23は、検出されたメチル化閾値以上の標的領域を示す)。
【0141】
【表23】
【0142】
検出サンプルに対してパターン認識分類同定を行い、まず、汎癌特異的マーカーTBX15及びCRYGD遺伝子のメチル化レベルが55%及び60%以上であることを判読すると、該サンプルが、癌に罹患しているサンプルであると予備的に判断し、次に、癌特異的マーカーCPE、TFAP2E、TRH、C11orf21、EDNRBのメチル化レベルがいずれも表1に示されたそれぞれの閾値以上である(上記表23に示すとおりである)と判読すると、該サンプルが、以下の11種類の癌(食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌)における任意の癌に罹患しているサンプルであると判断し、最後に、組織特異的マーカーを判読し、表23におけるそれぞれの閾値以上の標的領域に基づいて、食道組織特異性の4つの標的領域Seq ID No.66、Seq ID No.67、Seq ID No.79及びSeq ID No.80がそれぞれのメチル化レベルの閾値以上であり、他の組織特異的マーカーのメチル化がそのそれぞれの閾値以上ではないことが分かり、したがって、それぞれのメチル化閾値以上の組織特異的マーカーにおいて、食道組織特異的マーカーが最も多い場合、最終的に、該サンプルが食道癌に罹患しているサンプルであると判断する。
患者は、術後48時間後に、再び採血し、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、配列決定し、配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、パターン認識の方法で、全ての配列決定データを分析し、結果は、上記表における遺伝子メチル化レベルが正常なレベルに復帰することを示す。
【0143】
実施例7
膵臓癌サンプルを一例として、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、かつIlluminaプラットフォームにより配列決定する。配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、メチル化レベルを得て、結果は、以下の表24に示すとおりである(表24は、検出されたメチル化閾値以上の標的領域を示す)。
【0144】
【表24-1】
【0145】
【表24-2】
【0146】
検出サンプルに対してパターン認識分類同定を行い、まず、汎癌特異的マーカーTBX15及びCRYGD遺伝子のメチル化レベルが55%及び60%以上であることを判読すると、該サンプルが、癌に罹患しているサンプルであると予備的に判断し、次に、癌特異的マーカーHOPX、SFRP2、GFRA1、HOXB4、SALL1のメチル化レベルがいずれも表1に示されたそれぞれの閾値以上である(上記表24に示すとおりである)と判読すると、該サンプルが、以下の11種類の癌(食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌)における任意の癌に罹患しているサンプルであると判断し、最後に、組織特異的マーカーを判読し、表24におけるそれぞれの閾値以上の標的領域に基づいて、膵臓組織特異性の5つの標的領域Seq ID No.111、Seq ID No.112、Seq ID No.113、Seq ID No.114及びSeq ID No.115がそれぞれのメチル化レベルの閾値以上であり、他の組織特異的マーカーのメチル化がそのそれぞれの閾値以上ではないことが分かり、したがって、それぞれのメチル化閾値以上の組織特異的マーカーにおいて、膵臓組織特異的マーカーが最も多い場合、最終的に、該サンプルが膵臓癌に罹患しているサンプルであると判断する。
患者は、術後48時間後に、再び採血し、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、配列決定し、配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、パターン認識の方法で、全ての配列決定データを分析し、結果は、上記表における遺伝子メチル化レベルが正常なレベルに復帰することを示す。
【0147】
実施例8
乳癌サンプルを一例として、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、かつIlluminaプラットフォームにより配列決定する。配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、メチル化レベルを得て、結果は、以下の表25に示すとおりである(表25は、検出されたメチル化閾値以上の標的領域を示す)。
【0148】
【表25】
【0149】
検出サンプルに対してパターン認識分類同定を行い、まず、汎癌特異的マーカーTBX15及びCRYGD遺伝子のメチル化レベルが55%及び60%以上であることを判読すると、該サンプルが、癌に罹患しているサンプルであると予備的に判断し、次に、癌特異的マーカーTRIM15、RUNX3、TFAP2E、RASSF1、SFRP2、CCND2のメチル化レベルがいずれも表1に示されたそれぞれの閾値以上である(上記表25に示すとおりである)と判読すると、該サンプルが、以下の11種類の癌(食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌)における任意の癌に罹患しているサンプルであると判断し、最後に、組織特異的マーカーを判読し、表25におけるそれぞれの閾値以上の標的領域に基づいて、乳腺組織特異性の3つの標的領域Seq ID No.78、Seq ID No.85及びSeq ID No.86がそれぞれのメチル化レベルの閾値以上であり、他の組織特異的マーカーのメチル化がそのそれぞれの閾値以上ではないことが分かり、したがって、それぞれのメチル化閾値以上の組織特異的マーカーにおいて、乳腺組織特異的マーカーが最も多い場合、最終的に、該サンプルが乳癌に罹患しているサンプルであると判断する。
患者は、術後48時間後に、再び採血し、本願のPanel検出を採用し、実施例1の方法で末梢血を採取する。ライブラリーを構築し、配列決定し、配列決定データは、上記生体情報の分析フローにより処理され、パターン認識の方法で、全ての配列決定データを分析し、結果は、上記表における遺伝子メチル化レベルが正常なレベルに復帰することを示す。
【0150】
当業者にとって、以上の技術的解決手段及び構想に基づいて、様々な対応する変更及び変形を行うことができ、全てのこれらの変更及び変形はいずれも本願の請求項の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
【配列表】
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