(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】要求されたサービス利用可能性を達成すること
(51)【国際特許分類】
H04L 41/40 20220101AFI20240328BHJP
H04L 41/342 20220101ALI20240328BHJP
【FI】
H04L41/40
H04L41/342
(21)【出願番号】P 2022525991
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(86)【国際出願番号】 IB2020060224
(87)【国際公開番号】W WO2021090133
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-07-01
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】トーレー, マリア
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0173964(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0077031(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03471345(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/40
H04L 41/342
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)によって実行される、ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)を提供するための方法であって、
- 前記NFV-MANOの複数のレイヤの各々において、前記要求されたSALを前記NFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることと、
- 前記マッピングされた要求されたSALを前記NFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)のほうへ伝搬することと、
- VRが前記VIMによって割り当てられた後に、推定されたSAL(SAL’)を前記NFV-MANOの下位レイヤから前記NFV-MANOの上位レイヤのほうへ伝搬することであって、
前記推定されたSAL’を伝搬することは、
前記VIMが、推定された仮想リソースインフラストラクチャ信頼性レベル(VR(IRL’))をVNFマネージャ(VNFM)に提供し、仮想リンク(VL)IRL(VL(IRL’))を前記NFVOに提供すること、または
最小VR(IRL’)および最小VL(IRL’)をそれぞれ前記VNFMおよび前記NFVOに伝搬すること
をさらに含む、ことと、
- 前記要求されたSALを満足するために前記VIMによって割り当てられた仮想リソース(VR)に基づく、前記NSについての
前記推定されたSAL’を受信することと、
- 前記推定されたSAL’を前記要求されたSALと比較することと、
- 前記推定されたSAL’が前記要求されたSALを満足しないと決定すると、前記要求されたSALを満たすためのアクションをとること、または、前記推定されたSAL’が前記要求されたSALを満足すると決定すると、さらなるアクションをとらないことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記要求されたSALを伝搬することが、要求されたインフラストラクチャ信頼性レベル(IRL)を伝搬することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記要求されたSALを伝搬することが、前記NFV-MANOの上位レイヤから受信された前記要求されたIRLを前記NFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるIRLにマッピングすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記NFVOが、前記NSについての前記要求されたSALを達成するために、前記NSを構成する仮想ネットワーク機能(VNF)および仮想リンク(VL)のために必要とされるSALおよびIRL、それぞれVNF(SAL)およびVL(IRL)を決定することと、前記VNF(SAL)をVNFマネージャ(VNFM)に提供し、前記VL(IRL)を前記VIMに提供することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記NFVOが、VNF(SAL)およびVL(IRL)=func
NS(NS(SAL))を使用して、前記VNF(SAL)および前記VL(IRL)を決定し、func
NSが、NSパッケージで提供されたスクリプトを通して規定された関数またはポリシである、あるいは、前記要求されたSALが、前記NFV-MANOの下位レイヤにおける機能エンティティに下方伝搬される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
VNFマネージャ(VNFM)が、前記NSについての前記要求されたSALを達成するために、仮想ネットワーク機能(VNF)を実行するために割り当てられたVRについてのIRL(VR(IRL))を決定することと、前記VR(IRL)を前記VIMに提供することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記VNFMが、VR(IRL)=func
VNF(VNF(SAL))を使用して前記VR(IRL)を決定し、func
VNFが、VNFで提供されたスクリプトを通して規定された関数またはポリシである、あるいは、前記要求されたSALが、前記NFV-MANOの下位レイヤにおける機能エンティティに下方伝搬される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
アクションをとることは、
- 前記NFVオーケストレータ(NFVO)によるスケールアウトと、
- 前記NFVOが、前記推定されたSAL’が前記要求されたSALを満足しないことを、運用サポートシステム(OSS)に報告することと、
- VNFマネージャ(VNFM)によるスケールアウトと、
- 前記VNFMが、さらなるアクションをとるために、前記推定されたSAL’が前記要求されたSALを満足しないことを、エレメントマネージャにまたは1つまたは複数の他のサブスクライブマネージャに報告することと、
- 前記VNFMが、前記推定されたSAL’が前記要求されたSALを満足しないことを、前記NFVOに報告することと、
- 前記VIMからの他のリソースについての要求と、
- 前記VIMによるリソース設定の変更と、
- 前記VIMによる仮想リソースの再配置と、
- 前記VIMによる、異なるホストへの仮想マシン(VM)の移動と
のうちのいずれか1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記推定されたSAL’を前記伝搬するステップと、前記NFV-MANOの前記レイヤの各々において、前記推定されたSAL’を前記要求されたSALと前記比較するステップとが反復的に実行される、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
前記推定されたSAL’を伝搬することは、前記VNFMが、前記提供されたVR(IRL’)に基づいて前記VNFのSAL(VNF(SAL’))を推定することをさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記VNFMが、VNF(SAL’)=rev-func
VNF(VR(IRL’))を使用してVNF(SAL’)を推定し、rev-func
VNFが、VNF記述子において規定された逆関数または逆ポリシである、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記推定されたSAL’を伝搬することは、前記VNFMが、前記推定されたVNF(SAL’)を前記NFVOに提供すること、または最小VNF(SAL’)を前記NFVOに伝搬することをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記推定されたSAL’を伝搬することは、前記NFVOが、VNFマネージャ(VNFM)によって提供された前記VNF(SAL’)と前記VIMによって提供された前記VL(IRL’)とに基づいて、前記NSのSAL(NS(SAL’))を推定することをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記NFVOが、NS(SAL’)=rev-func
NS(VNF(SAL’)&VL(IRL’))を使用してNS(SAL’)を推定し、rev-func
NSが、NS記述子において規定された逆関数または逆ポリシである、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記推定されたSAL’を伝搬することは、前記NFVOが、前記推定されたNS(SAL’)を運用サポートシステム(OSS)/ビジネスサポートシステム(BSS)に提供すること、または最小NS(SAL’)を前記OSS/BSSに伝搬することをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
マッピングすることが、ポリシまたは関数に基づき、前記関数が、式、分類、または分析に基づく、請求項1から
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記分析が、分析モデルであるか、機械学習を使用して事前にまたは経時的に学習されたモデルであるか、あるいは他の人工知能技法に基づく、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)を提供するための、ネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)を稼働するシステムであって、処理回路とメモリとを備え、前記メモリが、前記処理回路によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、前記システムは、
- 前記NFV-MANOの複数のレイヤの各々において、前記要求されたSALを前記NFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることと、
- 前記マッピングされた要求されたSALを前記NFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)のほうへ伝搬することと、
- 前記要求されたSALを満足するために前記VIMによって割り当てられた仮想リソース(VR)に基づく、前記NSについての推定されたSAL’を受信することと、
- 前記推定されたSAL’が前記要求されたSALを満足しないと決定すると、前記要求されたSALを満たすためのアクションをとること、または、前記推定されたSAL’が前記要求されたSALを満足すると決定すると、さらなるアクションをとらないことと
を行うように動作可能である、システム。
【請求項19】
請求項2から
17のいずれか一項に記載の方
法を実行するようにさらに動作可能な、請求項
18に記載のシステム。
【請求項20】
ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)をネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)を通して提供するための命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、
- 前記NFV-MANOの複数のレイヤの各々において、前記要求されたSALを前記NFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることと、
- 前記マッピングされた要求されたSALを前記NFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)のほうへ伝搬することと、
- VRが前記VIMによって割り当てられた後に、推定されたSAL(SAL’)を前記NFV-MANOの下位レイヤから前記NFV-MANOの上位レイヤのほうへ伝搬することであって、
前記推定されたSAL’を伝搬することは、
前記VIMが、推定された仮想リソースインフラストラクチャ信頼性レベル(VR(IRL’))をVNFマネージャ(VNFM)に提供し、仮想リンク(VL)IRL(VL(IRL’))を前記NFVOに提供すること、または
最小VR(IRL’)および最小VL(IRL’)をそれぞれ前記VNFMおよび前記NFVOに伝搬すること
をさらに含む、ことと
- 前記要求されたSALを満足するために前記VIMによって割り当てられた仮想リソース(VR)に基づく、前記NSについての
前記推定されたSAL’を受信することと、
- 前記推定されたSAL’を前記要求されたSALと比較することと、
- 前記推定されたSAL’が前記要求されたSALを満足しないと決定すると、前記要求されたSALを満たすためのアクションをとること、または、前記推定されたSAL’が前記要求されたSALを満足すると決定すると、さらなるアクションをとらないことと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
請求項2から
17のいずれか一項に記載の方
法を実行するための命令をさらに備える、請求項
20に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条(E)および米国特許法施行規則第1.78条に基づく優先権主張
本非仮特許出願は、Maria Toeroeの名義で2019年11月8日に出願された、「ACHIEVING REQUESTED SERVICE AVAILABILITY」と題する先行米国仮特許出願、出願番号第62/932853号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本開示は、ネットワーク機能仮想化のコンテキストにおけるサービス利用可能性レベルに関する。
【背景技術】
【0003】
欧州通信規格協会(ETSI)ネットワーク機能仮想化(NFV)は、それ自体を、NFV技術についての規定およびコンソリデーションのホームとして規定する。欧州通信規格協会(ETSI)ネットワーク機能仮想化(NFV)は、さらに、現代のテレコムネットワークが、絶えず増加する様々なプロプライエタリハードウェアを含んでいると述べている。新しいサービスのローンチは、しばしば、ネットワーク再設定および新しい機器のオンサイトインストールを要求し、これは、追加の、床面積、電力、およびトレーニングされた保守スタッフを必要とする。
【0004】
デジタル世界では、革新サイクルは、加速し、ハードウェアベースのアプライアンスが可能にするよりも大きいフレキシビリティおよびダイナミズムを必要とする。単一機能ボックスをもつハードワイヤードネットワークは、保守するのに冗長であり、発展するのが遅く、サービスプロバイダが動的サービスを提供するのを妨げる。
【0005】
アプリケーションが、動的に設定可能で完全に自動化されたクラウド環境によってサポートされる同じやり方で、仮想化(virtualized)ネットワーク機能は、ネットワークが、トラフィックおよびトラフィックを介して稼働するサービスの必要に自動的に応答することに機敏であり、その必要に自動的に応答することが可能であることを可能にする。
【0006】
このビジョンのための重要な有効な技術は、ソフトウェア規定ネットワーキング(SDN:Software Defined Networking)とネットワーク機能仮想化とを含む。SDNとNFVとは、相補的であるが、ますます相互依存的(co-dependent)である。前者は、ネットワークと、サービスとしてのネットワークのプロビジョニングとを動的に制御するための手段を提供するが、後者は、ネットワーク機能のプロビジョニングのためのリソースの仮想化と上位レイヤネットワークサービスへのそれらのリソースの組成とを管理および編成する能力を提供する。
【0007】
図1は、参照により本明細書にすべて含まれる、関係する仕様を伴うNFVアーキテクチャフレームワークの概略図である。
【0008】
図2は、ETSI仕様において説明されているような、以下のエレメントを備える、参照ポイントをもつNFV-管理およびオーケストレーション(MANO)105アーキテクチャフレームワークの概略図である。
・NFVオーケストレータ(NFVO)110は、2つの主要な責任をもつ機能ブロックである。
- ETSI GS NFV-MAN001[i.4]の節4.2において説明されているリソースオーケストレーション(RO)機能を果たす、複数のVIMにわたるネットワーク機能仮想化インフラストラクチャ(NFVI)リソースのオーケストレーション。
- ETSI GS NFV-MAN001[i.4]の節4.4において説明されているネットワークサービスオーケストレーション機能を果たす、ネットワークサービス(NS)のライフサイクル管理。
・VNFマネージャ(VNFM)120は、ETSI GS NFV-MAN001[i.4]の節4.3において説明されているような、VNFインスタンスのライフサイクル管理に対する主要な責任をもつ機能ブロックである。
・仮想化(virtualised)インフラストラクチャマネージャ(VIM)130は、NFVIコンピュート、ストレージおよびネットワークリソースを制御および管理することに対する主要な責任をもつ機能ブロックである。
・運用サポートシステム(OSS)/ビジネスサポートシステム(BSS)140は、アーキテクチャ図において別段に明示的にキャプチャされない、オペレータの他の動作とビジネスサポート機能との組合せを表す機能ブロックである。
・EM150は、VNFについての障害管理、設定、課金、性能、およびセキュリティ(FCAPS:Fault-management, Configuration, Accounting, Performance, and Security)管理機能に対する主要な責任をもつ機能ブロックである。
・NFVI160は、VNFが展開されるインフラストラクチャリソースを一緒に提供する、すべてのハードウェア(たとえばコンピュート、ストレージ、およびネットワーキング)およびソフトウェア(たとえばハイパーバイザ)構成要素を表す機能ブロックである。
・VNF170は、仮想化ネットワーク機能を表す機能ブロックである。
【0009】
ETSI NFV IFA仕様のリリース3では、サービスプロバイダによってコミットされたサービス利用可能性に従って、リソースが、選択され、要求されたネットワークサービスに割り振られるように、サービス利用可能性レベル(SAL)の特徴が追加された。このソリューションでは、NFVオーケストレータユーザ(たとえばOSS)は、NSのSAL、またはNSの成分、すなわちVNFおよび仮想リンク(VL)のSALのいずれかをNS記述子(NSD)において指定することによって、要求されたNSのSALを要求することができる。この情報に基づいて、要求されたとき、NFVOは、NSについてのSAL(NS(SAL))が満たされ得るように、適切なカテゴリー/タイプのリソースをグラントする。
【発明の概要】
【0010】
ETSI NFV IFA仕様では、ネットワークサービスについて要求されたサービス利用可能性がネットワークサービスの展開全体にわたって満足および維持されることをNFVOがどのように達成するかは、規定されていない。これは、限定はしないが、適切な仮想化リソースをグラントするためのNFVOの判断、VIMが物理リソース上でのそれらの仮想化リソースの配置を判断すること、VIMおよびVNFMが物理リソース障害の後にVNFを修復することなどを含む。
【0011】
ネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)によって実行される、ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)を提供するための方法が提供される。本方法は、NFV-MANOの複数のレイヤの各々において、要求されたSALをNFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることと、マッピングされた要求されたSALをNFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)のほうへ伝搬することと、要求されたSALを満足するためにVIMによって割り当てられた仮想リソース(VR)に基づく、NSについての推定されたSAL’を受信することと、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないと決定すると、要求されたSALを満たすためのアクションをとること、または、推定されたSAL’が要求されたSALを満足すると決定すると、さらなるアクションをとらないこととを含む。
【0012】
処理回路とメモリとを備える、ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)を提供するための、ネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)を稼働するシステムが提供される。メモリは、処理回路によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、本システムは、NFV-MANOの複数のレイヤの各々において、要求されたSALをNFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることと、マッピングされた要求されたSALをNFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)のほうへ伝搬することと、要求されたSALを満足するためにVIMによって割り当てられた仮想リソース(VR)に基づく、NSについての推定されたSAL’を受信することと、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないと決定すると、要求されたSALを満たすためのアクションをとること、または、推定されたSAL’が要求されたSALを満足すると決定すると、さらなるアクションをとらないこととを行うように動作可能である。
【0013】
ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)をネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)を通して提供するための命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。命令は、NFV-MANOの複数のレイヤの各々において、要求されたSALをNFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることと、マッピングされた要求されたSALをNFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)のほうへ伝搬することと、要求されたSALを満足するためにVIMによって割り当てられた仮想リソース(VR)に基づく、NSについての推定されたSAL’を受信することと、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないと決定すると、要求されたSALを満たすためのアクションをとること、または、推定されたSAL’が要求されたSALを満足すると決定すると、さらなるアクションをとらないこととを含む。
【0014】
本明細書で提供される方法およびシステムまたはノードは、ソフトウェア利用可能性レベルがETSI NFVにおいて動作するやり方に対する改善を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】NFVアーキテクチャフレームワークの概略図である。
【
図2】参照ポイントをもつNFV-管理およびオーケストレーション(MANO)アーキテクチャフレームワークを示す、
図1の簡略化されたビューの図である。
【
図3】ETSI NFV IFA仕様において説明されている現在のサービス利用可能性レベルの概略図である。
【
図4】ETSI NFV IFA仕様において説明されている現在のサービス利用可能性レベルの概略図である。
【
図5】ETSI NFV IFA仕様中に含めるために提案される新しいサービス利用可能性レベルの概略図である。
【
図6】ETSI NFV IFA仕様中に含めるために提案される新しいサービス利用可能性レベルの概略図である。
【
図7】要求されたサービス利用可能性を達成するための方法のフローチャートである。
【
図8】要求されたサービス利用可能性を達成するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために、図を参照しながら様々な特徴が説明される。
【0017】
アクションまたは機能のシーケンスが本開示内で使用され得る。いくつかの機能またはアクションは、いくつかのコンテキストにおいて、専用回路によって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されているプログラム命令によって、または両方の組合せによって、実施され得ることを認識されたい。
【0018】
さらに、コンピュータ可読キャリアまたは搬送波が、本明細書で説明される技法をプロセッサに行わせるコンピュータ命令の適切なセットを含んでいることがある。
【0019】
本明細書で説明される機能/アクションは、アクションのシーケンスにおいて言及される順序から外れて、または同時に行われ得る。さらに、いくつかの例示では、いくつかのブロック、機能またはアクションは、随意であり得、実行されることも実行されないこともあり、これらは、破線を使用して示され得る。
【0020】
図3および
図4を参照すると、前述のように、ETSI NFV IFA仕様では、NSについてのSAL(NS(SAL))が満たされ得るように、適切なカテゴリー/タイプのリソースをNFVO110がどのようにグラントするかが規定されていない。
【0021】
NFVO110は、適切なリソースを決定する、ある関数/ポリシ、たとえばfuncIRLに気づいていると仮定される。
【0022】
VNFマネージャ120は、仮想インフラストラクチャマネージャ130とともに、NFVOによってグラントされたリソースを、それらのリソースが提供することができるSAL/インフラストラクチャ信頼性レベル(IRL)に気づいていることなしに割り当てる。VIM130は、割り当て要求に基づいて、要求されたリソースを作成し、これらのリソースが提供することができるIRLに気づいていることも気づいていないこともある。リソースの変更があるときはいつでも、たとえば、VMが別のホストに移行される、ホストが機能しない、などのときはいつでも、VIMは、リソース変更に関する、影響を受ける仮想化リソースについての通知を提供する。
【0023】
現在のソリューションに関していくつかの問題点がある。NFVO110は、SALと、リソースとのSALの関係とに気づいている、唯一のエンティティである。これは、現在、暗示される機能であり、仕様において明記されていない/必要とされない。VIM130は、NFVO110に向かう新しいグラント要求をトリガすることなしに、障害および/または優先度によりリソースを再配置し得る。VIM130は、IRL変更について、リソース変更通知を生成することを義務づけられないが、移行、障害などについて、リソース変更通知を生成することを義務づけられる。これらの通知はまた、IRL値を含む必要がなく、したがって、通知を受信するサブスクライバは、リソース変更がIRL変更の暗示をも有するかどうかを理解する必要がある。NFVO110は、そのような場合にNFVO110が働くことが予想される場合、リソース変更通知にサブスクライブする必要がある。サブスクリプションなしに、および変更のIRL暗示を理解することなしに、リソースがもはや適切でない場合、いかなるアクションもとられ得ない。NFVO110は、低レベルリソース管理を行うことになっていない。NFVO110は、一般に、仮想化リソースのステータスに関する情報を維持するが、これらの仮想化リソースをホストする物理リソースのステータスに関する情報を維持しない。NFVO110は、VNF内部、すなわち、異なるVNF構成要素(VNFC)のVNF組成と、それらのVNFCのインスタンスの数とに気づいていない。NFVOは、ライフサイクル管理(LCM)のNSレベルアクションと、VNFM120が、関係するLCMアクションを行うことを要求される必要があるかどうかとのみに気づいている。たとえば、IRL変更が、冗長を増加させることによって補償され得る場合、NFVO110は、NFVO110がインスタンス化を行うために関係するVNFM120を呼び出す、新しいVNFインスタンスをインスタンス化することによってNSをスケールアウトすることができる。しかし、NFVOは、IRL変更を補償する好ましいやり方であり得る、新しいVNFCインスタンスをインスタンス化することによってVNFをスケールアウトすることを担当しない。NFVOは、これらのVNFCとそれらのVNFCのスケーリング可能性とに気づいていない。
【0024】
図3では、図の上部において開始し、ネットワークサービスについての要求がNFVO110によって受信され、NFVO110は、要求されたNS(SAL)を指定するか、または、それぞれ、その構成する仮想ネットワーク機能VNF(SAL)および仮想リンクVL(IRL)についての、SAL値およびIRL値を指定することができる。IRLは、たとえば、仮想コンピュート、仮想ストレージ、仮想ネットワークリソースであり得る、仮想リソースに関係する。SALは、NS、またはVNFインスタンスについてのものである。
【0025】
次いで、NS設計(たとえばVNF冗長)に応じて、異なる仮想リソース(VR)IRL(VR(IRL))が、要求されたSALを達成するために必要とされ得、ここで、
VR(IRL)=funcIRL(NS(SAL))または
VR(IRL)=funcIRL(VNF(SAL)&VL(IRL))。
【0026】
関数funcIRLは、NS設計者またはサービスプロバイダによって決定される。その関数は、要求されたNS(SAL)を達成するために必要とされる、または所与のVNFおよびVLフレーバーを使用して、要求されたVNF(SAL)およびVL(IRL)を達成するために必要とされる、リソースのインフラストラクチャ信頼性レベルVR(IRL)を決定する。NFVOは、funcIRLに気づいており、それに応じてリソースをグラントする。
【0027】
VNF1(SAL)およびVNF2(SAL)がNS記述子(NSD)において指定されるが、VNF1(SAL)およびVNF2(SAL)は、NFVOがVNFM120に送るインスタンス化要求において、NFVOによってVNFMに提供されない。VNFMは、SAL/IRLに気づいていない。VNFM120は、VNF構成要素のためのリソースをグラントすることをNFVOに要求することによって、VNFのインスタンス化を開始する。NFVO110に知られているfuncIRLによって決定されたIRLは、NFVOリソースによってグラントされたVRを通して暗示され、VNFM120は、次いで、VIM130とともにそれらのVRを割り当てる。
【0028】
次いで、仮想リソースVR11~VR13、VR21およびVR22が、NFVOリソースによってグラントされたVRを示す、VNFM120からの割り当て要求に基づいて、VIM130によって割り当てられる。IRL値は、NFVOのグラント応答において明示的に受け渡されず、したがって、IRLは、VIM130に向かうVNFM120の割り当て要求において示されない。VIMは、要求された仮想リソースのタイプに基づいてVR(IRL)を解釈する。
【0029】
NSの仮想リンク(VL)は、(
図1および
図2のOr-Viインターフェースを介して)VIMとともにNFVOによって直接割り当てられる。この場合も、VIM130は、NFVO110によって要求された仮想リンクのタイプに基づいてVL(IRL)を解釈し、そのような値は割り当て要求において受け渡されない。
【0030】
図4は、下部において開始し、リソース変更通知についてのフローを示す。IRL’は、仮想リソースについての提供されたIRLの推定値である。SAL’は、提供されたSALの推定値である。これらの値は、明示的に通知中に含まれない。これらの値は、通知の他の属性に基づいて暗示される必要がある。
【0031】
各要求されたVRについて、VIM130は、IRL’をもつVRを割り当てる。IRL’は、NFVOによって暗示されたIRLと同じであることも同じでないこともある。最初に、IRL=IRL’が予想されるが、VIM130の内部アクションにより、IRL’は、たとえば、VMが別のホストに移行された場合、変化し得る。そのような場合、VIMは、リソース変更通知を生成するべきである。IRL’は、明示的にこれらの通知においてVIMによって報告されない。通知を受信するサブスクライバは、報告された変更からIRL’を暗示する必要がある。VR(IRL’)は、VR11~VR13、VR21およびVR22の各々について、VNFM120に明示的に提供されない。VNFM120は、通知において提供された他の情報からVR(IRL’)を暗示する必要がある。同様に、VL(IRL’)は、暗示されるが、NFVO110に提供されない。
【0032】
したがって、VNFM120は、グラントされたリソースが常に適切であるという仮定に基づいて動作し、VIM130は、要求された際に、常にそれらのリソースを提供する。VNFM120は、異なるIRL’についてのリソース変更通知を受信することの有意性を知らない。
【0033】
VNFMは、要求および推定されたSAL値およびIRL値にVNFMが気づいていないので、VNF1(SAL’)およびVNF2(SAL’)をNFVOに提供することができない。NFVOは、VIMが発行したリソース変更通知にNFVOがサブスクライブすると仮定すると、これらの通知に基づいてVNF1(SAL’)値およびVNF2(SAL’)値を推定する必要がある。NSDが、要求されたVNF(SAL)を指定した場合、NFVOは、VNF(SAL’)を
VNF(SAL’)=rev-funcNS(VR(IRL’))
として推定し得る。
【0034】
代替的に、すなわち、NS(SAL)がNSDにおいて指定された場合、NFVOは、VIMによって通知されたVR(IRL’)に基づいて、達成可能なNS(SAL’)を推定し得、ここで、
NS(SAL’)=rev-funcNS(VR(IRL’))。
【0035】
NFVO110は、VR(IRL’)に基づいて、達成可能なNS(SAL’)またはVNF(SAL’)を推定する、rev-funcNS関数に気づいている必要がある。NFVO110は、IRL’が、要求されたIRLとは異なるかどうかと、とられる必要があるアクション、たとえばOSSに報告するまたはNSをスケーリングする、とを検出するために、VIM130のリソース変更通知にサブスクライブする必要があり得る。NS(SAL’)は、NFVO110の出力としてOSSに提供され得る。
【0036】
図3および
図4の現在存在するソリューションでは、NFVO110のみが、NS(SAL)またはVNF(SAL)に気づいており、グラント動作において、すなわちリソースをグラントするとき、リソースを割り振る。しかしながら、新しいグラント動作をトリガしないVIMレベル動作があり得、これらのVIMレベル動作の結果が、達成可能なSALに影響を及ぼすことがある。一例として、障害の後に、VIM130は、仮想化リソースを再配置する必要があり得、これらのVRのうちのいくつかは、十分な(物理)リソース上でもはやホストされないことがある。
【0037】
VIM130は、リソース変更通知を発行するが、これらの通知は信頼性/利用可能性情報を含んでいない。NFVO110は、これらの通知にサブスクライブし、IRL変更すなわちIRL’=IRLであるかどうかに関してVIMによって報告された変更を解釈することが可能である必要がある。
【0038】
この点において、VNFレベルの冗長も、達成可能なSALに関する役割を果たす。NFVO110は、異なるVNFCインスタンスの数、すなわち、VNFCインスタンスの冗長など、そのようなVNF内部に気づいていることになっておらず、これはVNFMの責任である。VNFM120は、
図3および
図4に示されているソリューションでは、リソース信頼性/利用可能性と、VNFまたはNS SAとのリソース信頼性/利用可能性の関係とをまったく知らない。これらのすべては、NFVOが今日ハンドリングすることになっていない詳細に、NFVOが気づいていることを必要とする。
【0039】
最終的に、NS設計はサービスプロバイダによって行われ、VNFはVNFベンダーによって設計され、したがって、それらを組み合わせて、NFVO110が使用することができる機能にすることが、簡単でないことがある。
【0040】
識別された問題を解決するために、NFV-MANO機能エンティティのレイヤ間のインターフェース上で、必要とされる利用可能性または信頼性レベルを伝搬することと、NFV-MANO105機能エンティティにおいてフック(hook)を提供することとが提案される。これらのフックは、NFV-MANOエンティティがとる判断およびアクションに関してNFV-MANOエンティティの挙動を調整するために関数またはポリシがプラグインされ得る、プレースホルダーとして働く。フックは、上位レイヤ境界において受信された要求された利用可能性または信頼性レベルを、下位レイヤ境界のほうへ、必要とされる利用可能性または信頼性レベルにマッピングすることができる。フックは、達成可能な利用可能性または信頼性レベルを上位レイヤ境界における要求された利用可能性または信頼性レベルと比較するために、下位レイヤ境界において受信された提供(推定)された利用可能性または信頼性レベルを達成可能な利用可能性または信頼性レベルにマッピングすることができる。フックは、推定された達成可能な利用可能性または信頼性レベルが、要求された利用可能性または信頼性レベルを満足しないときはいつでも、要求されたレベルを達成するのを助けるためのアクションにマッピングすることができる。
【0041】
上位レイヤ境界において受信された要求された利用可能性または信頼性レベルを、下位レイヤ境界のほうへ、必要とされる利用可能性または信頼性レベルにマッピングすることと、達成可能な利用可能性または信頼性レベルを上位レイヤ境界における要求された利用可能性または信頼性レベルと比較するために、下位レイヤ境界において受信された提供(推定)された利用可能性または信頼性レベルを達成可能な利用可能性または信頼性レベルにマッピングすることとの両方が、要求されたレベルが達成されるまで繰り返され得、さもなければ、達成可能なレベルは上位レイヤに報告され、ここで、同様のプロシージャ、たとえばマッピングが適用され得る。
【0042】
フックにおいて、ポリシまたは関数は、両方向における所与のレベルにおいて適宜に含まれ得る。これらは、式、分類、または分析に基づき得る。分析は、分析モデルに基づき、機械学習を使用して事前にまたは経時的に学習されたモデルに基づき、および/あるいは他の人工知能技法に基づき得る。
【0043】
要求が(VIM130のほうへ)下方伝搬され、関数/ポリシが、デフォルトで、所与のレイヤのNFV-MANO機能エンティティに提供されないとき、要求された同じ値が、すべての下位レイヤNFV-MANO機能エンティティに下方伝搬される。
【0044】
推定値が上方伝搬され、関数/ポリシが、デフォルトで、受信レイヤのNFV-MANO機能エンティティに提供されないとき、すべての受信された推定値のうちの最小値が次のレイヤに上方伝搬される。
【0045】
図5および
図6を参照すると、SALを提供するための新しい方法が示されている。要求された/提供されたSAL値/IRL値をインターフェース上で明示的に受け渡すことによってNFV-MANO105エンティティを「利用可能性アウェア(availability aware)」にすることが提案される。状況を評価し、働くために、NFV-MANOエンティティに関数&ポリシのためのフックを提供することが提案される。本明細書では、フックは、NFV-MANOエンティティがとる判断およびアクションに関してNFV-MANOエンティティの挙動を調整するために関数またはポリシがプラグインされ得る、プレースホルダーとして働く。要求経路上で、要求された利用可能性目的(availability objective)について、異なる成分の必要とされる利用可能性/信頼性レベルを計算し、それらの成分の設定に基づいてそれらの成分を(1つまたは複数の)サポートレイヤに要求するために、関数/ポリシにプラグインするためのフックを提供することが提案される。応答/通知経路上で、利用可能性目的が(1つまたは複数の)サポートレイヤによって提供された成分で満たされ得るかどうかを、それらの成分の利用可能性/信頼性レベルとそれらの成分の設定とに基づいて推定するために、関数/ポリシにプラグインするためのフックを提供し、利用可能性目的と推定値との間に不一致がある場合、適用すべきポリシ/アクションにプラグインするためのフックを提供する。
【0046】
SAL/IRLは、9で表されるか、割合で表されるか、または、9として表される範囲に関連するenum値として表され得る。2つの間でマッピングすることが必要であり得、たとえば、VNFベンダーが9を与え、SPが、小さい整数のenumを使用する。
【0047】
要求経路では、funcNS、funcVNFおよびfuncVRが、9で提供され得、これらは、所与のオペレータ/サービスプロバイダによって規定されたレベル(enum)にマッピングされる必要があり得る。関数funcNS、funcVNFおよびfuncVRは、計算、分析、ポリシなどに基づき得る。
【0048】
NFVOでは、等式VNF(SAL)&VL(IRL)=funcNS(NS(SAL))がNS設計者/サービスプロバイダによって規定される。関数funcNSは、分析モデル、または機械学習を使用して構築されたモデル、または人工知能の他の技法に基づき得る。NFVO110は、NSフレーバーにおける各VNFおよびVLについて、要求されたNS(SAL)、すなわち利用可能性目的を達成するために必要とされる、VNF(SAL)およびVL(IRL)を決定する。funcNSが提供されない場合、デフォルト挙動はVNF(SAL)=VL(IRL)=NS(SAL)である。NS(SAL)が要求されない場合、ベストエフォートであるか、またはシステムについて指定されたデフォルト値であることが仮定され得る。
【0049】
計算された値に基づいて、NFVO110は、NFVO110がVNFのインスタンス化を要求するとき、VNF(SAL)をVNFM120に要求する。NFVO110は、VLのインスタンス化要求において、計算されたVL(IRL)をVIM130に受け渡す。
【0050】
VNFM120では、VNFベンダーによって、VR(IRL)=funcVNF(VNF(SAL))が提供される。関数funcVNFは、ポリシに基づくか、あらかじめ規定された分析モデルに基づくか、または機械学習によって構築されたモデルに基づくか、またはランタイム改良が可能な人工知能の他の技法に基づき得る。funcVNFは、VNF、またはVNFのフレーバーのうちの1つについて、要求されたVNF(SAL)を達成するために必要とされる異なるVR(IRL)を決定する。この関数は、VNFまたはVNFフレーバーのVNF/VNFC/VLごとに提供され得る。funcVNFが提供されない場合、デフォルト挙動はVR(IRL)=VNF(SAL)である。VNFM120は、この関数を使用して、VNFM120がVIM130とともに割り当てるために(NFVOによってグラントされるように)NFVOに要求する必要がある仮想化リソースについてのVR(IRL)を計算する。仮想化リソースがNFVO110によってグラントされるとき、VNFM120は、VIM130とともにそれらの仮想化リソースを割り当てる。グラントされた仮想化リソースが要求を満足しない場合、VNFM120は、異なるオプションを有し、たとえば、VIM130が、VR(IRL’)が要求されたものとは異なると報告したかのように、インスタンス化に失敗するか、または応答経路において指定されたポリシに従って働き得る。NFVO110がVR(IRL)をハンドリングしないかまたは示さない場合、グラントされたリソースのVR(IRL)が要求のVR(IRL)に一致していると仮定される。
【0051】
VIM130は、R=funcVRVR(IRL)を有するか、または、VR(IRL)を満たすためにVRをホストする必要があるリソースRを選択するためにオペレータによって提供されたポリシを有する。関数funcVRは、あらかじめ規定された分析モデルに基づくか、または機械学習によって構築されたモデルに基づくか、またはランタイム改良が可能な人工知能の他の技法に基づき得る。関数/ポリシが提供されないか、またはVR(IRL)が要求されない場合、ベストエフォートが仮定される。
【0052】
応答/通知経路では、rev-funcNS、rev-funcVNFおよびrev-funcVRが、9で提供され得、これらは、所与のオペレータ/サービスプロバイダによって規定されたレベル(enum)にマッピングされる必要があり得る。たとえば、オペレータのリソースを知らないベンダーは、提供されたVMが99.95%のIRLを有し、VLが99.99%を有する場合、VNFフレーバーが、funcVNFおよびrev-funcVNFに従って99.995%のSALを保証することができると言うことがある。
【0053】
オペレータは、オペレータが、リソースを、ゴールド99.99%以上のIRLとして、シルバーを99.91~99.98%のIRLとして、およびブロンズ99.98%未満として分類すると言うことがある。NSレベルにおいて、SALについての異なるenum、たとえば超高信頼(>99.9999%)、エンタープライズ(>99.999%)、およびベストエフォート(<99.999%))があり得る。次いで、オペレータのVIMは、ゴールド、シルバーおよびブロンズを使用することになり、VNFMは、割合に従う関数を有する。これらの異なるSAL/IRLメトリックは、各レイヤにおいて互いにマッピングされる。
【0054】
NFVOでは、等式NS(SAL’)=rev-funcNS(VNF(SAL’)&VL(IRL’))がNS設計者/サービスプロバイダによって規定される。この関数を使用して、NFVOは、VNFMによって報告されたVNF(SAL’)とVIMによって提供されたVL(IRL’)とに基づいて、NSフレーバーについての利用可能性を推定する。関数rev-funcNSは、あらかじめ規定された分析モデルに基づくか、または機械学習によって構築されたモデルに基づくか、または人工知能の他の技法に基づき得る。rev-funcNSが提供されない場合、デフォルト挙動はNS(SAL’)=min(VNF(SAL’),VL(IRL’))である。VNF(SAL’)またはVL(IRL’)が受信されない場合、ベストエフォートであると仮定される。
【0055】
VNFM120では、VNFベンダーによって、VNF(SAL’)=rev-funcVNF(VR(IRL’))が提供される。rev-funcVNFは、リソースについてVIMによって提供された(またはVIMから受信された)VR(IRL’)を前提としてVNFフレーバーについてのVNF(SAL’)を推定する。関数rev-funcVNFは、あらかじめ規定された分析モデルに基づくか、または機械学習によって構築されたモデルに基づくか、またはランタイム改良が可能な人工知能の他の技法に基づき得る。rev-funcVNFが提供されない場合、デフォルト挙動はVNF(SAL’)=min(VR(IRL’))である。VR(IRL’)がVIM130から受信されない場合、ベストエフォートであると仮定される。
【0056】
VIM130は、オペレータによって規定されたホスティングリソースのVR(IRL’)=rev-funcVR(R)関数(たとえばそれらのリソースのIRL、または分類)に基づいて、VR(IRL’)を報告する。関数rev-funcVRは、あらかじめ規定された分析モデルに基づくか、または機械学習によって構築されたモデルに基づくか、またはランタイム改良が可能な人工知能の他の技法に基づき得る。デフォルトでは、ベストエフォートであると仮定される。
【0057】
レイヤのうちのいずれかにおける、要求されたSALまたはIRLと受信されたSAL’またはIRL’との間の不一致の場合、可能なアクションは、提供された推定値を上位レイヤに報告/通知する(デフォルト)、および他のリソースを要求し(たとえばVMを異なるホストに移動する)、推定値が目標を満たすようにスケールアウトする、を含む。後者の場合、推定値は、補償アクションが実施され、推定値が再評価された後に、必要な場合、報告される。
【0058】
図5では、図の上部において開始し、ネットワークサービスについての要求NS(SAL)がNFVO110によって受信される。このフローでは、SAL値/IRL値は、サポートマネージャに受け渡される。
【0059】
次いで、NS設計に応じて、異なるVNF(SAL)およびVL(IRL)が必要とされ得、ここで、
VNF(SAL)&VL(IRL)=funcNS(NS(SAL))。
【0060】
関数funcNSは、NS設計者またはサービスプロバイダによって規定される。その関数は、所与のVNF/VLフレーバーを使用して、要求されたNS(SAL)を達成するために必要とされるVNF(SAL)&VR(IRL)を決定する。その関数は、プラグ可能であり、前に説明されたような、デフォルト挙動および値を有する。
【0061】
上記の計算に基づいて、VNF1(SAL)およびVNF2(SAL)が、NFVO110によってVNFM120に提供される。VNFフレーバー(たとえばVNFC冗長)に応じて、異なるVR(IRL)が必要とされ得、ここで、
VR(IRL)=funcVNF(VNF(SAL))。
【0062】
関数funcVNFは、各VNFCを考慮して、たとえば、各VNFフレーバーについて、VNFベンダーによって提供される。その関数は、所与のVNFフレーバーを使用して、要求されたVNF(SAL)を達成するために異なるVRについて必要とされるインフラストラクチャ信頼性レベルを決定する。その関数は、プラグ可能であり、前に説明されたようなデフォルト挙動値を有する。これらに基づいて、VNFM120は、必要とされるリソースを、それらのリソースがNFVO110によってグラントされたという条件で、VIM130に要求する。
【0063】
NFVO110はまた、NFVO110の計算に基づいて、VIM130に、funcNSによって計算されたVL(IRL)をもつVLを割り当てるように要求する。
【0064】
VIM130はVRを割り当てるためのリソースを選択し、NFVO110およびVNFM120から受信されたVR(IRL)が、たとえばfuncVR、または各リソースの分類に基づいて、満たされることを保証する。仮想リソースVR11~VR13、VR21およびVR22が、VIM130によって割り当てられる。その関数は、プラグ可能であり、デフォルト値を有する。
【0065】
図6は、下部において開始し、割り当て要求およびリソース変更通知に対する応答についてのフローを示す。
【0066】
VIM130は、VR(IRL)が、rev-funcVR関数/分類に基づいて満たされるように、リソース上にVRを割り当てる。VIM130は、割り当てにおける応答において、および通知におけるリソース変更においてVR(IRL’)を折り返し報告する。関数/分類は、プラグ可能であり、他の場合、VIM130はデフォルト値を報告する。VR11(IRL’)~VR13(IRL’)、VR21(IRL’)およびVR22(IRL’)がVNFMに提供される。
【0067】
NFVO110によって直接割り当てられたVLでは、VIM130は、同様の様式でNFVO110に直接VL(IRL’)を折り返し報告する。
【0068】
VNFMは、
VNF(SAL’)=rev-funcVNF(VR(IRL’))
を使用して、VIMによって提供されたVR(IRL’)に基づいて達成可能なVNF(SAL’)を推定する。
【0069】
関数rev-funcVNFは、VNFベンダーによって提供される。その関数は、所与のVNFフレーバーについて、提供されたVR(IRL’)に基づいて、達成可能なVNF(SAL’)を決定する。推定値が要求されたVNF(SAL)を満たさない場合、VNFMは、たとえば、ポリシに基づくようなアクションをとり、たとえばスケールアウトし、その後に、VNFMは、達成可能なVNF(SAL’)を再評価する。デフォルトでは、VNFM120は、たとえばVNF1(SAL’)およびVNF2(SAL’)を提供することによって、推定されたVNF(SAL’)をNFVOに報告する。
【0070】
NFVO110において、達成可能なNS(SAL’)は、VNF(SAL’)&VL(IRL’)に基づいて推定され、ここで、
NS(SAL’)=rev-funcNS(VNF(SAL’)&VL(IRL’))。
【0071】
関数rev-funcNSは、NS設計者/サービスプロバイダによって規定される。その関数は、所与のNSフレーバーについて、受信されたVNF(SAL’)およびVL(IRL’)に基づいて、達成可能なNS(SAL’)を決定する。推定値が要求されたNS(SAL)を満たさない場合、NFVOは、たとえば、ポリシに基づくアクションをとり、たとえばスケールアウトする。デフォルトでは、NFVOは、推定されたNS(SAL’)をOSS140に報告する。
【0072】
図7は、ネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)によって実行される、ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)を提供するための方法700であって、
- ステップ701において、要求されたSALをNFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)に伝搬することと、
- ステップ707において、VIMが、要求されたSALを満足する、NSについての仮想リソースを割り当てることと
を含む方法700を示す。
【0073】
要求されたSALを伝搬することが、ステップ702において、上位レイヤから受信された要求されたSALを下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることをさらに含み得る、方法。
【0074】
要求されたSALを伝搬することが、ステップ703において、要求されたインフラストラクチャ信頼性レベル(IRL)を伝搬することをさらに含み得る、方法。
【0075】
要求されたSALを伝搬することが、ステップ704において、上位レイヤから受信された要求されたIRLを下位レイヤによって提供される必要があるIRLにマッピングすることをさらに含み得る、方法。
【0076】
方法は、ステップ705において、NFVOが、NSについての要求されたSALを達成するために、NSを構成する仮想ネットワーク機能(VNF)および仮想リンク(VL)のために必要とされるSALおよびIRL、それぞれVNF(SAL)およびVL(IRL)を決定することと、VNF(SAL)をVNFマネージャ(VNFM)に提供し、VL(IRL)をVIMに提供することとをさらに含み得る。
【0077】
NFVOが、VNF(SAL)およびVL(IRL)=funcNS(NS(SAL))を使用して、VNF(SAL)およびVL(IRL)を決定し、funcNSが、NSパッケージで提供されたスクリプトを通して規定された関数またはポリシであるか、あるいはデフォルトでNS(SAL)に等しい、方法。
【0078】
方法は、ステップ706において、VNFMが、NSについての要求されたSALを達成するために、VNFを実行するために割り当てられたVRについてのIRL(VR(IRL))を決定することと、VR(IRL)をVIMに提供することとをさらに含み得る。
【0079】
VNFMが、VR(IRL)=funcVNF(VNF(SAL))を使用してVR(IRL)を決定し、funcVNFが、VNFで提供されたスクリプトを通して規定された関数またはポリシであるか、あるいはデフォルトでNS(SAL)に等しい、方法。
【0080】
方法は、割り当てるステップの後に、ステップ708において、推定されたSAL(SAL’)を、NFV-MANOの、下位レイヤから上位レイヤのほうへ伝搬することと、推定されたSAL’を要求されたSALと比較することとをさらに含み得る。
【0081】
方法は、ステップ712において、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないと決定すると、要求されたSALを満たすためのアクションをとることをさらに含み得る。
【0082】
アクションをとることは、
- NFVオーケストレータ(NFVO)によるスケールアウトと、
- NFVOが、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないことを、運用サポートシステム(OSS)に報告することと、
- VNFマネージャ(VNFM)によるスケールアウトと、
- VNFMが、さらなるアクションをとるために、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないことを、エレメントマネージャにまたは(1つまたは複数の)他のサブスクライブマネージャに報告することと、
- VNFMが、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないことを、NFVOに報告することと、
- VIMからの他のリソースについての要求と、
- VIMによるリソース設定の変更と、
- VIMによる仮想リソースの再配置と、
- VIMによる、異なるホストへの仮想マシン(VM)の移動と
のうちのいずれか1つまたは複数を含む、方法。
【0083】
推定されたSAL’を伝搬するステップと、推定されたSAL’を要求されたSALと比較するステップとが反復的に実行される、方法。
【0084】
推定されたSAL’を伝搬することは、ステップ709において、VIMが、推定された仮想リソースインフラストラクチャ信頼性レベル(VR(IRL’))をVNFMに提供し、仮想リンク(VL)IRL(VL(IRL’))をNFVOに提供することをさらに含む、方法。
【0085】
推定されたSAL’を伝搬することは、ステップ710において、VNFMが、提供されたVR(IRL’)に基づいてVNFのSAL(VNF(SAL’))を推定することをさらに含む、方法。
【0086】
VNFMが、VNF(SAL’)=rev-funcVNF(VR(IRL’))を使用してVNF(SAL’)を推定し、rev-funcVNFが、VNF記述子において規定された逆関数または逆ポリシである、方法。
【0087】
推定されたSAL’を伝搬することは、ステップ710において、VNFMが、推定されたVNF(SAL’)をNFVOに提供することをさらに含む、方法。
【0088】
推定されたSAL’を伝搬することは、ステップ711において、NFVOが、VNFMによって提供されたVNF(SAL’)とVIMによって提供されたVL(IRL’)とに基づいて、NSのSAL(NS(SAL’))を推定することをさらに含む、方法。
【0089】
NFVOが、NS(SAL’)=rev-funcNS(VNF(SAL’)&VL(IRL’))を使用してNS(SAL’)を推定し、rev-funcNSが、NS記述子において規定された逆関数または逆ポリシである、方法。
【0090】
提案されるソリューションは、各マネージャが、管理しており、気づいているオブジェクトについての利用可能性部分を、そのマネージャがハンドリングすることを可能にする。異なるソリューションが、異なるレイヤにおいて、および異なる成分について適用され得、たとえば、VIMは、リソース分類、およびリソース分類に基づくポリシを使用し得、VNFMは、あるVNFについてヒューリスティックを使用し得、VNFMは、別のVNFについて分析を使用することができ、すなわち、プラグインされる関数を問わない。
【0091】
各レイヤについて、利用可能性が満たされないことがあるとき、そのレイヤ内で問題に対処することが可能である。代替的に、問題は、レイヤにわたって分散されたソリューションにより対処され得、すなわち、VIMは、より良いホストを使用し得るが、これが十分でない場合、VNFMは、スケールアウトすることによって冗長を増加させ得る。
【0092】
図8は、ネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)によって実行される、ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)を提供するための方法800を示す。方法は、ステップ801において、NFV-MANOの複数のレイヤの各々において、要求されたSALをNFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることを含む。マッピングという単語は、変換することまたはトランスレートすることという意味において使用され、また、構成するエレメントから予想されるSALへの分解(decomposition)であるとして理解され得る。方法は、ステップ802において、マッピングされた要求されたSALをNFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)のほうへ伝搬することを含む。方法は、ステップ807において、要求されたSALを満足するためにVIMによって割り当てられた仮想リソース(VR)に基づく、NSについての推定されたSAL’を受信することを含む。方法は、ステップ808において、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないと決定すると、要求されたSALを満たすためのアクションをとること、または、推定されたSAL’が要求されたSALを満足すると決定すると、さらなるアクションをとらないことを含む。
【0093】
要求されたSALを伝搬することは、ステップ803において、要求されたインフラストラクチャ信頼性レベル(IRL)を伝搬することをさらに含み得る。代替的に、要求されたSALを伝搬することは、ステップ804において、NFV-MANOの上位レイヤから受信された要求されたIRLをNFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるIRLにマッピングすることをさらに含み得る。
【0094】
方法は、ステップ805において、NFVOが、NSについての要求されたSALを達成するために、NSを構成する仮想ネットワーク機能(VNF)および仮想リンク(VL)のために必要とされるSALおよびIRL、それぞれVNF(SAL)およびVL(IRL)を決定することと、VNF(SAL)をVNFマネージャ(VNFM)に提供し、VL(IRL)をVIMに提供することとをさらに含み得る。NFVOは、VNF(SAL)およびVL(IRL)=funcNS(NS(SAL))を使用して、VNF(SAL)およびVL(IRL)を決定し得、funcNSは、NSパッケージで提供されたスクリプトを通して規定された関数またはポリシであり得る、あるいは、要求されたSALは、NFV-MANOの下位レイヤにおける機能エンティティに下方伝搬される。
【0095】
方法は、ステップ806において、VNFMが、NSについての要求されたSALを達成するために、VNFを実行するために割り当てられたVRについてのIRL(VR(IRL))を決定することと、VR(IRL)をVIMに提供することとをさらに含み得る。VNFMは、VR(IRL)=funcVNF(VNF(SAL))を使用してVR(IRL)を決定し得、funcVNFは、VNFで提供されたスクリプトを通して規定された関数またはポリシであり得る、あるいは、要求されたSALは、NFV-MANOの下位レイヤにおける機能エンティティに下方伝搬される。
【0096】
方法は、ステップ809において、VRがVIMによって割り当てられた後に、推定されたSAL(SAL’)をNFV-MANOの下位レイヤからNFV-MANOの上位レイヤのほうへ伝搬することと、推定されたSAL’を要求されたSALと比較することとをさらに含み得る。
【0097】
方法において、アクションをとることは、
- NFVオーケストレータ(NFVO)によるスケールアウトと、
- NFVOが、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないことを、運用サポートシステム(OSS)に報告することと、
- VNFマネージャ(VNFM)によるスケールアウトと、
- VNFMが、さらなるアクションをとるために、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないことを、エレメントマネージャにまたは1つまたは複数の他のサブスクライブマネージャに報告することと、
- VNFMが、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないことを、NFVOに報告することと、
- VIMからの他のリソースについての要求と、
- VIMによるリソース設定の変更と、
- VIMによる仮想リソースの再配置と、
- VIMによる、異なるホストへの仮想マシン(VM)の移動と
のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。
【0098】
推定されたSAL’を伝搬するステップと、NFV-MANOのレイヤの各々において、推定されたSAL’を要求されたSALと比較するステップとは反復的に実行され得る。
【0099】
一般的なルールとして、反復は、いくつかのアクションをとった後に行われる。たとえば、VNFMが、IRL=xをもつ10個のVMをVIMに要求し、VIMが、IRL=xをもつ5つのVMとIRL=yをもつ5つのVMとを割り当て、ここで、yがxよりも信頼できない場合、VNFMは、これらのVMにより、VNFMが、VNFについて要求されたSALを満たすことができるかどうかを推定する。満たすことができない場合、VNFMは、11番目のVMを追加する(スケールアウトする)ことを判断し得る。したがって、VNFMは、IRL=xをもつこの追加のVMをVIMに求めるが、IRL=yをもつVMを再び受信する。VNFMは、そのVNFMがSALを満足することができるかどうかを再び推定する。満足することができる場合、VNFMは、この推定されたSAL’をNFVOに報告する。満足することができない場合、VNFMは、一層スケールアウトし得るか、または、VNFMは、それをそのままにし、要求されたSALを満足しないSAL’をNFVOに報告することを判断し得る。
【0100】
NFVOは、次いで、VNFMから受信されたSAL’に基づいてNS SAL’を推定することになる。このSAL’が要求されたNS SALを満足する場合、NFVOは成功を折り返し報告する。満足しない場合、NFVOは、NSをスケーリングし、すなわち、より多くのVNFをインスタンス化し、再び推定し得る。したがって、各レイヤにおいて、受信されたSAL’/IRL’に基づく推定がある。レイヤ1における推定値SAL1’/IRL1’は、レイヤ2において、このレイヤ2が提供することができるSAL2’となるものを推定するために使用され、SAL2’は、要求されたSAL2と比較される。SAL2’<SAL2である場合、レイヤ2は、いくつかのアクションをとり、SAL2’の新しい推定を行う。アクションがそれ以上とられ得ない場合、レイヤ2はSAL2’を報告し、何を行うべきかを判断することは、レイヤ3次第である。もちろん、レイヤ3は、SAL3’推定値となるものの推定を、レイヤ3が受信したすべてのSAL2’推定値を用いて行うことになり、以下同様である。「反復的に」は、このコンテキストにおいて、各レイヤが同じプロセスを適用する、各レイヤ内での反復を意味する。
【0101】
推定されたSAL’を伝搬することは、ステップ810において、VIMが、推定された仮想リソースインフラストラクチャ信頼性レベル(VR(IRL’))をVNFMに提供し、仮想リンク(VL)IRL(VL(IRL’))をNFVOに提供すること、または最小VR(IRL’)および最小VL(IRL’)をそれぞれVNFMおよびNFVOに伝搬することをさらに含み得る。後者の場合、推定を行うための利用可能な機能がなく、たとえば、VLが2つの物理リンクとスイッチとを使用する場合、VRまたはVLが使用するすべてのリソースのうち、提供されるのは最小IRLである。
【0102】
推定されたSAL’を伝搬することは、VNFMが、提供されたVR(IRL’)に基づいてVNFのSAL(VNF(SAL’))を推定することをさらに含み得る。
【0103】
VNFMは、VNF(SAL’)=rev-funcVNF(VR(IRL’))を使用してVNF(SAL’)を推定し得、rev-funcVNFは、VNF記述子において規定された逆関数または逆ポリシであり得る。
【0104】
推定されたSAL’を伝搬することは、ステップ811において、VNFMが、推定されたVNF(SAL’)をNFVOに提供すること、または最小VNF(SAL’)をNFVOに伝搬することをさらに含み得る。VNF(SAL’)は、たとえば、VNFが10個のVMを有し、そのうちの5つがIRL=xを有し、そのうちの他の5つがIRL=yを有し、y<xであるときにVNF(SAL=y)がNFVOに送られる場合、VNFが使用しているVRについてVIMによって与えられた受信されたVR(IRL’)の最小値である。
【0105】
推定されたSAL’を伝搬することは、NFVOが、VNFMによって提供されたVNF(SAL’)とVIMによって提供されたVL(IRL’)とに基づいて、NSのSAL(NS(SAL’))を推定することをさらに含み得る。
【0106】
NFVOは、NS(SAL’)=rev-funcNS(VNF(SAL’)&VL(IRL’))を使用してNS(SAL’)を推定し得、rev-funcNSは、NS記述子において規定された逆関数または逆ポリシであり得る。
【0107】
推定されたSAL’を伝搬することは、ステップ812において、NFVOが、推定されたNS(SAL’)を運用サポートシステム(OSS)/ビジネスサポートシステム(BSS)に提供すること、または最小NS(SAL’)をOSS/BSSに伝搬することをさらに含み得る。
【0108】
マッピングすることは、ポリシまたは関数に基づき得、関数は、式、分類、または分析に基づき得る。
【0109】
分析は、分析モデルであるか、機械学習を使用して事前にまたは経時的に学習されたモデルであり得るか、あるいは他の人工知能技法に基づき得る。
【0110】
再び
図1および
図2を参照すると、本明細書で説明される機能およびステップが実装され得る、仮想化環境が提供される。
【0111】
(
図1および
図2に示されているものをしのぎ得る)仮想化環境は、ワイヤを通してまたは無線でのいずれかで互いと通信している、システム、ネットワーク、サーバ、ノード、デバイスなどを備え得る。本明細書で説明される機能およびステップの一部または全部は、(たとえば、1つまたは複数のアプリケーション、構成要素、機能、仮想マシンまたはコンテナなどを介して)1つまたは複数のネットワーク、システム、環境などにおける1つまたは複数の物理的装置上で実行する、1つまたは複数の仮想構成要素として実装され得る。
【0112】
仮想化環境は、処理回路とメモリとを備えるハードウェアを提供する。メモリは、処理回路によって実行可能な命令を含んでいることがあり、それにより、本明細書で説明される機能およびステップは、本明細書で開示される関連のある特徴および利益のうちのいずれかを提供するために実行され得る。
【0113】
図2は、ネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)105を稼働する、ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)を提供するためのシステム100を示す。システムは、処理回路とメモリとを備え、メモリは、処理回路によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、システムは、NFV-MANOの複数のレイヤの各々において、要求されたSALをNFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることと、マッピングされた要求されたSALをNFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)のほうへ伝搬することと、要求されたSALを満足するためにVIMによって割り当てられた仮想リソース(VR)に基づく、NSについての推定されたSAL’を受信することと、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないと決定すると、要求されたSALを満たすためのアクションをとること、または、推定されたSAL’が要求されたSALを満足すると決定すると、さらなるアクションをとらないこととを行うように動作可能である。
【0114】
システム100は、本明細書で説明される方法のステップのうちのいずれかを実行するようにさらに動作可能である。
【0115】
ハードウェアは、本明細書で説明される機能およびステップを実行するために処理回路によって実行可能なソフトウェアおよび/または命令を記憶した、非一時的、永続的、機械可読記憶媒体をも含み得る。
【0116】
システム、ネットワーク、サーバまたはノードを備える、仮想化環境は、ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)を提供するためのネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)を提供または実行するように動作可能である。システム、ネットワーク、サーバまたはノードは、処理回路とメモリとを備え、メモリは、処理回路によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、システム、ネットワーク、サーバまたはノードは、本明細書で提供されるステップのうちのいずれかを実行するように(個々にまたはまとめて)動作可能である。
【0117】
非一時的コンピュータ可読媒体は、ネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)によって実行するための、ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)を提供するための命令を記憶している。命令は、本明細書で説明されるステップのうちのいずれかを実行するための命令を含む。
【0118】
(示されていない)非一時的コンピュータ可読媒体は、ネットワークサービス(NS)についての要求されたサービス利用可能性レベル(SAL)をネットワーク機能仮想化(NFV)-管理およびオーケストレーション(MANO)を通して提供するための命令を記憶している。命令は、NFV-MANOの複数のレイヤの各々において、要求されたSALをNFV-MANOの下位レイヤによって提供される必要があるSALにマッピングすることと、マッピングされた要求されたSALをNFV-MANOのレイヤ間のインターフェースを通してNFVオーケストレータ(NFVO)から仮想化インフラストラクチャマネージャ(VIM)のほうへ伝搬することと、要求されたSALを満足するためにVIMによって割り当てられた仮想リソース(VR)に基づく、NSについての推定されたSAL’を受信することと、推定されたSAL’が要求されたSALを満足しないと決定すると、要求されたSALを満たすためのアクションをとること、または、推定されたSAL’が要求されたSALを満足すると決定すると、さらなるアクションをとらないこととを含む。
非一時的コンピュータ可読媒体は、本明細書で説明される方法のステップのうちのいずれかを実行するための命令をさらに備え得る。
【0119】
修正が、上記の説明および関連する図面において提示される教示の恩恵を得る当業者に、想到されるであろう。したがって、上記で説明されたもの以外の特定の形態など、修正が、本開示の範囲内に含められるものであることを理解されたい。前の説明は、例示的なものにすぎず、いかなる形でも限定的と見なされるべきではない。特定の用語が本明細書で採用され得るが、それらの用語は、一般的および説明的な意味において使用されるにすぎず、限定の目的で使用されない。