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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20240328BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240328BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240328BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/51
A24F40/40
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022547840
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 GB2021050201
(87)【国際公開番号】W WO2021156604
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2001674.7
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シーシャン
(72)【発明者】
【氏名】マロニー、パトリック
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-527266(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0249684(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/53
A24F 40/51
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生材を収容するためのカートリッジを識別するように構成されたカートリッジ識別システムであって、前記システムは、
カートリッジを収容するおよび/またはカートリッジと係合するように構成されたコントロールユニットを含み、前記コントロールユニットはカートリッジに接続するための第1の複数の接触部を有し、カートリッジは第2の複数の接触部を有し、
前記第2の複数の接触部のうちの少なくとも1つは当該第2の複数の接触部の他の接触部の少なくとも1つと電気的に結合し、一対の接触部を形成しており、
前記コントロールユニットは更に電源と当該電源から電力の供給を制御するコントローラとを含み、
前記コントローラは前記第1の複数の接触部の各々に電力を選択的に提供するように構成されており、
前記コントロールユニットは、使用のために前記コントロールユニットにカートリッジを連結させた際に前記第1の複数の接触部のうちのどの接触部が前記第2の複数の接触部のどの接触部と接触しているか、及びどの対の接触部に電流が流れていると判断されるかに基づいてカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別するカートリッジ識別システム。
【請求項2】
前記第1の複数の接触部は、前記第2の複数の接触部と異なることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記コントロールユニットは、使用時にカートリッジに取り外し自在に連結されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、ヒーターを作動させるための電源からの電力の供給を制御し、電源からの電力は、第2の複数の接触部のいくつかの接触部と接触する第1の接触部のいくつかの接触部を介してカートリッジに供給されることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記コントロールユニットは、電流センサと、複数の電流スイッチとを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の複数の接触部は、コントロールユニットから突出した非作動位置から後退可能に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
カートリッジの識別システムに使用するためのカートリッジであって、
該カートリッジは、エアロゾル発生材を収容するための領域を含み、
前記カートリッジは、カートリッジを収容するおよび/またはカートリッジと係合するように構成されたコントロールユニットに接続するための複数のカートリッジ接触部を含み、
前記コントロールユニットは複数のコントロールユニット接触部を有し、
前記複数のカートリッジ接触部のうちの少なくとも1つは当該複数のカートリッジ接触部の他の接触部の少なくとも1つと電気的に結合し、一対の接触部を形成しており、
カートリッジに関連付けられたカートリッジの種類は、使用のためにコントロールユニットにカートリッジを連結させた際に、前記複数のカートリッジ接触部のうちのどの接触部が前記複数のコントロールユニット接触部のうちのどの接触部と接触しているか、及びどの対の接触部に電流が流れていると判断されるかをコントロールユニットによる判断に基づいて識別可能であるように構成されているカートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジは、ヒーターと、エアロゾル発生材とを含み、前記ヒーターは、エアロゾル発生材に熱エネルギーを供してエアロゾルを生成するように配置されていることを特徴とする請求項7記載のカートリッジ。
【請求項9】
カートリッジを収容するおよび/またはカートリッジと係合するように構成されたコントロールユニットであって、
前記コントロールユニットは、
複数のカートリッジ接触部を有するカートリッジに接続するための複数のコントロールユニット接触部を含み、
前記複数のカートリッジ接触部のうちの少なくとも1つは当該複数のカートリッジ接触部の他の接触部の少なくとも1つと電気的に結合し、一対の接触部を形成しており、
前記コントロールユニットは更に電源と当該電源から電力の供給を制御するコントローラとを含み、
前記コントローラは前記複数のコントロールユニット接触部の各々に電力を選択的に提供するように構成されており、
前記コントロールユニットは、使用のためにカートリッジをコントロールユニットに連結させた際に、前記複数のコントロールユニット接触部のうちのどのコントロールユニット接触部が前記複数のカートリッジ接触部のうちのどのカートリッジ接触部と接触しているか、及びどの対の接触部に電流が流れていると判断されるかに基づいてカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別するコントロールユニット。
【請求項10】
電流センサをさらに含むことを特徴とする請求項9記載のコントロールユニット。
【請求項11】
前記複数のコントロールユニット接触部に対応する複数の電流スイッチをさらに含むことを特徴とする請求項9または10記載のコントロールユニット。
【請求項12】
前記複数のコントロールユニット接触部は、当該コントロールユニットから突出した非作動位置から後退可能に配置されていることを特徴とする請求項9乃至11いずれか1項記載のコントロールユニット。
【請求項13】
エアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生材を収容するためのカートリッジの識別方法であって、当該方法は、
コントロールユニットの第1の複数の接触部のうちの少なくとも2つの接触部とエアロゾル供給システム用のカートリッジの第2の複数の接触部のうちの対応する少なくとも2つの接触部を接続することと、
前記第2の複数の接触部のうちの少なくとも1つは当該第2の複数の接触部の他の接触部の少なくとも1つと電気的に結合し、一対の接触部を形成しており、
前記第1の複数の接触部の各々に電力を選択的に提供することと、
前記第1の複数の接触部のうちのどの接触部が前記第2の複数の接触部のうちのどの接触部と接触しているか、及びどの対の接触部に電流が流れていると判断されるかに基づいてカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別することとを含む方法。
【請求項14】
第1の複数の接触部を有するコントロールユニットと、第2の複数の接触部を有するカートリッジとを含むエアロゾル供給システムを使用してエアロゾルを供する方法であって、当該方法は、
請求項13に記載の方法を使用してカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別することと、
前記識別されたカートリッジの種類に基づいて加熱様式を選択することと、
当該加熱様式に従ってヒーターに電力を供給し、エアロゾル発生材からエアロゾルを供することとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給システム、カートリッジ、コントロールユニット、エアロゾルを供する方法およびエアロゾル供給手段に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル供給システム(エアロゾル供給デバイスとしても知られている)は、既に知られている。一般的なデバイスは、ヒーターを使用してエアロゾル発生材からエアロゾルを生じさせ、次にユーザーが吸引する。現代のデバイスは、数々のエアロゾル発生材と互換性がある。しかしながら、異なるエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるための好ましい加熱条件は、異なる場合がある。
【0003】
エアロゾル供給システムにとって使用時にシステム内にあるエアロゾル発生材に好適な加熱様式を供するのが望ましい。したがって、確実に好適な加熱様式を供するために改良されたエアロゾル供給システムを提供することが要求されている。
【0004】
本発明は、上述の課題のいくつかを解決するためのものである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の種々の態様は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0006】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材を収容するためのカートリッジを識別するように構成されたカートリッジ識別システムが提供され、該システムは、カートリッジを収容するおよび/またはカートリッジと係合するように構成されたカートリッジ収容ユニットを含み、このカートリッジ収容ユニットは、カートリッジに接続するための第1の複数の接触部を有し、カートリッジは第2の複数の接触部を有し、前記カートリッジ収容ユニットは、使用のためにカートリッジ収容ユニットにカートリッジを連結させた際に第1の複数の接触部のうちのどの接触部が第2の複数の接触部うちのどの接触部と接触しているかに基づいてカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別する。
【0007】
本明細書で説明する一部の実施態様ではカートリッジ識別システムと使用するためのカートリッジが提供され、該カートリッジは、エアロゾル発生材を収容するための領域を含み、またカートリッジを収容するおよび/またはカートリッジと係合するように構成されたカートリッジ収容ユニットに接続するための複数のカートリッジ接触部を含み、前記カートリッジ収容ユニットは複数のカートリッジ収容ユニット接触部を有し、カートリッジに関連付けられたカートリッジの種類は、使用のためにカートリッジ収容ユニットにカートリッジを連結させた際に複数のカートリッジ接触部のうちのどの接触部が複数のカートリッジ収容ユニット接触部のうちのどの接触部と接触しているかに基づいて識別可能である。
【0008】
本明細書で説明する一部の実施態様ではカートリッジを収容するおよび/またはカートリッジと係合するように構成されたカートリッジ収容ユニットが提供され、該ユニットは、複数のカートリッジ接触部を有するカートリッジに接続するための複数のカートリッジ収容ユニット接触部を含み、カートリッジ収容ユニットは、使用のためにカートリッジをカートリッジ収容ユニットに連結させた際に複数のカートリッジ収容ユニット接触部のうちのどのカートリッジ収容ユニット接触部が複数のカートリッジ接触部のうちのどのカートリッジ接触部と接触しているかに基づいてカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別する。
【0009】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生材を収容するためのカートリッジの識別方法が提供され、該方法は、カートリッジ収容ユニットの第1の複数の接触部のうちの少なくとも2つの接触部とエアロゾル供給システム用のカートリッジの第2の複数の接触部のうちの対応する少なくとも2つの接触部を接続することと、第1の複数の接触部のうちのどの接触部が第2の複数の接触部のうちのどの接触部と接触しているかに基づいてカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別することとを含む。
【0010】
本明細書で説明する一部の実施態様では第1の複数の接触部を有するカートリッジ収容ユニットと、第2の複数の接触部を有するカートリッジとを含むエアロゾル供給システムを使用してエアロゾルを供する方法が提供され、該方法は、カートリッジ収容ユニットの第1の複数の接触部のうちの少なくとも2つの接触部とカートリッジの第2の複数の接触部のうちの対応する少なくとも2つの接触部を接続することと、第1の複数の接触部のうちのどの接触部が第2の複数の接触部のうちのどの接触部と接触しているかに基づいてカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別することと、識別されたカートリッジの種類に基づいて加熱様式を選択することと、その加熱様式に従ってヒーターに電力を供給し、エアロゾル発生材からエアロゾルを供することとを含む。
【0011】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材を収容するためのカートリッジを識別するように構成されたカートリッジ識別システムが提供され、該システムは、カートリッジ収容手段を含み、このカートリッジ収容手段は、カートリッジに接続するための第1の複数の接触手段を有し、カートリッジは第2の複数の接触手段を有し、カートリッジ収容手段は、使用のためにカートリッジ収容手段にカートリッジを連結させた際に第1の複数の接触手段のうちのどの接触手段が第2の複数の接触手段のうちのどの接触手段と接触しているかに基づいてカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別する。
【0012】
本教示を以下の図を参照してあくまで例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一例によるエアロゾル供給システムの斜視図である。
図2】一例によるエアロゾル供給システムの斜視図である。
図3】一例によるエアロゾル供給システムの長手方向断面図である。
図4】一例によるエアロゾル供給システムの長手方向断面図である。
図5】一例によるエアロゾル供給システムの長手方向断面図である。
図6】一例によるエアロゾル供給システムの長手方向断面図である。
図7】一例によるエアロゾル供給システムの長手方向断面図である。
【0014】
本発明は様々な改変及び代替の形態が可能であるが、具体的な実施形態を、図面において例として示しており、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、図面及び図面の詳細な説明は、本発明の範囲を開示された特定の形態に限定するように意図したものではなく、むしろ反対に、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される趣旨及び範囲内に該当する全ての改変例、均等物、及び代替物を包含することは、言うまでもない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特定の例および実施態様の様相および特徴をここで述べ、説明する。特定の例および実施態様の様相および特徴は従来通り実施してもよく、それらについては簡潔にするために詳しく述べたり、説明したりしない。当然のことながら詳しくは説明されないここで述べられる装置および方法の様相および特徴はこのような様相および特徴を実行するための何らかの従来の技術に従って実行してもよい。
【0016】
本開示は、e-タバコなどのエアロゾル供給システムとも言われるエアロゾル供給システムに関する。以下の説明を通して「e-タバコ」または「電子タバコ」なる用語が場合によっては使用されるが、当然のことながらこれらの用語は、エアロゾル供給システム/デバイスおよび電子エアロゾル供給システム/デバイスとほぼ同じ意味で使用される。さらに本技術分野において共通して「エアロゾル」および「蒸気」なる用語および「気化する」、「揮発させる」および「エアロゾル化」なる関連用語もほぼ同じ意味で使われる。
【0017】
図1の例に示すようにカートリッジ収容ユニット120と、カートリッジ140とを含むカートリッジ識別システム100が開示されている。この例ではカートリッジ識別システム100は、カートリッジ140内に設けられたエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル供給システム100である。カートリッジ収容ユニット120は、エアロゾルの発生を制御するように構成されている(および選択的にエアロゾル供給システムの他の機能を制御してもよい)コントロールユニット120(または場合によってはエアロゾル供給デバイスとも言う)であってもよい。コントロールユニット120とカートリッジ140を併せてエアロゾル供給システム100が形成される。
【0018】
図示するようにコントロールユニット120は、カートリッジ140に接続するための複数の第1の接触部124A、124B、124C、124D(124)を有し、カートリッジ140は、第2の複数の接触部144A、144B、144C、144D(144)を有する。コントロールユニット120は、使用のためにカートリッジ140をコントロールユニットに連結した際に第1の複数の接触部124のうちのどの接触部が第2の複数の接触部144のうちのどの接触部に電気的に結合されているかに基づいてカートリッジ140を識別する(例えば、カートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別することによって)。例えば、コントロールユニット120は、第1の複数の接触部124のうちのどの接触部が第2の複数の接触部144の対応する接触部と接触しているかを判断し、次にコントロールユニット120がその判断に基づきカートリッジ140を識別する。本明細書中でコントロールユニット120およびカートリッジ140に関連して使用される「接続する」は、これらの部品間の物理的および電気的接続を意味する。したがって、接触部124、144は電気的に接触している。接触部124、144は、金属または他の好適な導電材で作製してもよい。コントロールユニット120の接触部124は、コントロールユニット接触部124とも言う。カートリッジ140の接触部144は、カートリッジ接触部144とも言う。当然のことながら一部の実行例では電気的接続は、誘導または容量接続を含んでもよい。即ち、接触部124、144は、必ずしも互いに物理的に接触しなくてもよいが、カートリッジ140がコントロールユニット120に物理的に接続されているとき、それぞれの接触部124、144のその接続されている接触部は、電気的に接続されている。
【0019】
エアロゾル供給システム100のコントロールユニット120とカートリッジ140は、取り外し自在に接続可能である。使用前にユーザーは、コントロールユニット120をカートリッジ140に接続してもよい。コントロールユニット120のカートリッジ140への接続においてコントロールユニット120の接触部124が対応するカートリッジ140の接触部144と位置合わせされる。図1の例ではコントロールユニット120は、4つの接触部124A、124B、124C、124Dを有し、カートリッジ140は、4つの接触部144A、144B、144C、144Dを有する。
【0020】
図1に示すコントロールユニット120は、本体122を有する。本体122は、本体122の長尺軸に直交する楕円形の断面を有する。この例では接触部124は、楕円形の断面内で大まかに菱形形状に構成されている。カートリッジ140は、本体142を有する。カートリッジ140の本体142は、コントロールユニット120に対応する断面を有し、従って本体142の長尺軸に直交する楕円形の断面を有する。この例では接触部144も楕円形の断面内で大まかに菱形形状に構成されて、コントロールユニット120の接触部構成に対応している。他の実行例では接触部124、144は、他の形状に構成されてもよく、接触部124および144の形状の構成の少なくとも一部は対応する。
【0021】
コントロールユニット120のカートリッジ140への接続において、
コントロールユニット120の一番左の接触部124Aは、カートリッジ140の一番右の接触部144Aに接続される、
コントロールユニット120の下の接触部124Bは、カートリッジ140の一番下の接触部144Bに接続される、
コントロールユニット120の一番右の接触部124Cは、カートリッジ140の一番左の接触部144Cに接続され、そして
コントロールユニット120の上の接触部124Dは、カートリッジ140の一番上の接触部144Dに接続される。
【0022】
このようにしてコントロールユニット120をカートリッジ140に接続してもよい。
【0023】
図2にエアロゾル供給システム200の一例を示す。図2に示すシステム200は、図1に示したシステム100と同じ特徴を多く有する。図1と類似の特徴を参照している符号は、その特徴の符号に100が加えられている。類似の特徴については効率のためにここでは詳しく考察しない場合がある。
【0024】
図2のカートリッジ240は、図1に示したように上下位置に配置された2つの接触部244B、244D(244)を有する。図2はカートリッジ240が図1に示したような一番左および一番右の位置の接触部を有するように示していない。これらの接触部は、省略され、例えば非導電性材料で覆われてもよい。システム200の使用前にユーザーは、コントロールユニット220をカートリッジ240に接続してもよい。コントロールユニット220の上下接触部224B、224Dは、カートリッジ240の上下接触部244B、244Dに接続する。
【0025】
図1および2で説明した両方の構成においてコントロールユニット120、220は、コントロールユニット120、220の接触部124、224のうちのどの接触部がカートリッジ140、240の接触部144、244のうちのどの接触部が対応して電気的に結合されているかを判断するように構成されている。
【0026】
例えば、接触部124、224のうちの少なくとも1つは、電気入力部である、または電気入力部として設定することができ、即ち、電力がコントロールユニット120、220に設けられたバッテリーなどの電源から接触部124にかけられる。電気入力接触部124、224がカートリッジの接触部144、244(これ自体はカートリッジ140、240の接触部144、244の内の別の接触部およびコントロールユニット120、220の残りの接触部124、224の内の1つに電気的に結合される)に電気的に結合されると、電流が電気入力接触部124、224からカートリッジ140、240を通って流れ、接触部124、224の他の接触部へと戻る。
【0027】
コントロールユニット120、220は、接触部124、224の個々に対して電流が流れているかどうかを判断する(例えば、電流、抵抗または電圧を測定することによって)ように構成されている。これはコントロールユニット上に配置された好適なセンサ(電流センサなどの)を使用して実行される。当然のことながら、1つのカートリッジ140、240の接触部144、244の構成の仕方は、別のカートリッジ140、240の接触部144、244と比較して異なってもよく、したがって、コントロールユニット120、220は、どの接触部124、224に電流が流れるかの判断に基づいてカートリッジ140、240の接触部144、244の構成を決定できる。
【0028】
一部の実施例ではカートリッジ140、240に少なくとも一対の接触部144、244が設けられ、ここでは「一対の接触部」は、カートリッジ140、240内で互いに電気的に結合されている2つの接触部を意味すると理解されるべきである。即ち、第1の接触部144、244は、カートリッジ140、240内の第2の接触部144、244に例えばワイヤなどの導電素子を介して電気的に結合されている。上述したように電力が一対の接触部の1つにかけられると、電気回路がコントロールユニット120、240の接触部124、224の対応する1つの接触部とで完成する。コントロールユニット120、220は、どの対の接触部(または組)124、224に電流が流れているかの判断に基づいてカートリッジ140、240の接触部144、244の構造を判断するように構成される。即ち、特定の数の接触部144、244を有する1セットのカートリッジ140、240の場合、対の接触部の異なる組み合わせ(および/または対になっていない接触部)は、異なるカートリッジ種類(例えば、カートリッジ内に貯蔵されている液体の風味)を特定できる。
【0029】
より詳しくはコントロールユニット120、220はバッテリーなどの電源を有してもよい。コントロールユニット120、220は、電源からの電気の供給を制御するためのコントローラを有してもよい。特にコントローラは、電源からコントロールユニット220の接触部124、224へ送られる電流を制御してもよい。エアロゾル供給システム200の図2に示すようなコントロールユニット220は、カートリッジ240に接続されているとき、コントローラは、接触部224に電流を選択的に導いてもよい。コントローラは、例えば一番左および一番右の接触部224A、224Cに選択的に電力を供給できる。これらは、それぞれ行き信号接触部および帰り信号接触部またはその逆であってもよい。コントローラは、これらの接触部224A、224C間を電流は流れていないことを検知できる。これは接触部224A、224Cがカートリッジ240に電気的に接続されていない(例えばカートリッジ240の接触部244B、244Dが接触部224A、224Cに位置合わせされていないため)ためであり、したがって回路が完成しない。コントローラは、次に一番左および一番右の接触部224A、224Cへの電力の供給を停止できる。
【0030】
コントローラは、次にコントロールユニット220の上下接触部224B、224Dに選択的に電力を供給する。図2のコントロールユニット220は、カートリッジ240に接続されているとき、コントロールユニット220の上下接触部224B、224Dは、カートリッジ240の接触部244B、244Dと電気的に接触している。したがって、コントロールユニット220からカートリッジ240へそしてそこから戻る完全な回路が生じ、そこで当然のことながら接触部244Bおよび244Dは、カートリッジ本体240内で互いに電気的に接続される。コントローラは、これらの接触部224B、224Dを介して電力を案内することができ、コントロールユニット220の電源から接触部224B、224D、244B、244Dを通ってカートリッジ240へ流れ、そしてそこから戻る電流を検知できる。例えば、コントロールユニット220は、コントローラの一部を形成する電流センサ(図示せず)を含んでもよい。またコントローラは、接触部224Bと224D間の電圧を測定してもよく、またはこれとは別に接触部224Bと224D間の電圧を測定してもよい。回路がコントロールユニット220からカートリッジ240そしてそこから戻って形成されれば、予め定められた電圧のみが存在し、したがって検知可能になる。
【0031】
カートリッジ240は、エアロゾル発生材を気化するための気化器(この例ではヒーターである)を有してもよい。コントロールユニット220から供給される電力は、ヒーターに供して、エアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるようにエアロゾル発生材に熱エネルギーを供するようにしてもよい。ヒーターは、例えば抵抗性ヒーターおよび誘導ヒーター、光学/赤外線ヒーターであってもよい。他の実行例では気化器は、圧電メッシュディッシュなどの振動エアロゾル発生器であってもよい。
【0032】
上述のようにコントロールユニット120、220は、コントロールユニット120、220のどの接触部がカートリッジ240に電気的に接続されているかを検出できる。この検出は、カートリッジ240の接触部の空間的および/または電気的配置を示す。カートリッジ240の接触部244の配置は、したがって異なる配置の接触部244を有するカートリッジ240を区別できるようにカートリッジ240の種類を特定するために使用できる。例えば、図2のカートリッジ240は、検出された電流に基づいて図1のカートリッジ140と区別できる。カートリッジの種類はカートリッジの接触部244の配置に直接関連させてもよい。接触部244の配置がさらにカートリッジ内に貯蔵されているエアロゾル発生材に関連している場合、カートリッジ240内のエアロゾル発生材は、カートリッジ240の接触部244の配置によって識別される。本明細書において使用する「カートリッジの種類」なる用語は、カートリッジの特定の構造(例えば、カートリッジの特定の物理的形状またはその一部、例えば容量)、カートリッジに貯蔵されているエアロゾル発生材(例えば、種類または成分)またはカートリッジの部品(例えば、使用されているヒーター/気化器)の内の少なくとも1つを含むカートリッジの特性を包含すると理解されるべきである。
【0033】
したがって、製造者は、コントローラが予めプログラムされて特定のカートリッジの種類、例えば特定のエアロゾル発生材を含むとして認識する選択された接触部の配置を有するカートリッジを製造できる。コントローラは、その時点で好適なエアロゾルがシステム100、200を始動させた際に確実にシステム100、200から供されるようにヒーターからカートリッジ内のエアロゾル発生材へ所定の加熱様式を自動的に設定するまたはユーザーが手動で設定するための選択肢を提供してもよい。このようにしてシステム100、200のコントロールユニット120、220は、複数の異なるエアロゾル発生材を含む複数の異なるカートリッジ140、240と使用でき、ユーザーからのインプットを必要とせず好適なレベルの電力/加熱を供することによって好適なエアロゾルを提供できる。したがって、異なるエアロゾル発生材がそのエアロゾル発生材に適した(即ち、供給される電力が充分に大きい)、しかしながら、その異なるエアロゾル発生材および/または装置部品が過剰な電力により損傷しない(例えば、燃える、変形するまたは崩壊する)加熱様式を使用して加熱される。さらにシステム100、200のユーザーの経験は、著しく改善され、コントロールユニット120、220の再利用の可能性は、システム100、200の寿命を著しく向上させる。
【0034】
カートリッジ140、240は、エアロゾルをカートリッジ140、240からシステム100、200の外側へと通過させるための出口またはマウスピースなどを有してもよい。したがって、複数のユーザーがユーザー自身の個人用カートリッジ140、240を有している場合、単独のコントロールユニット120、220を共有してもよい。システム100、200の部品は、接続が容易なので、ユーザーは、単にコントロールユニット120、220から1つのカートリッジ140、240を取り外し、次に別のカートリッジ140、240を接続すればよい。これは交換を行うための複数のデバイスを必要とせずにそしてコントロールユニット120、220によって供される加熱様式を変えることを必要としないエアロゾル発生材の交換の簡単な方法をユーザーに提供する。
【0035】
このようにして本明細書で図示したコントロールユニット120、220の複数のピンの構成は、コントロールユニット120、220が使用時のカートリッジ140、240の種類を識別することができ、エアロゾル発生材を適切に提供できるように使用される。そしてこれは適当な加熱様式がカートリッジ140、240に含まれるエアロゾル発生材に供されるので、ホットパフおよび乾燥を減少させることに役立つ。供される加熱様式は、次のことを考慮する;エアロゾル発生材の種々の形体(例えば、固体、ゲルまたは液体)、種々のエアロゾル化温度、強調すべきエアロゾル内の種々の感覚およびそのために必要な加熱様式、エアロゾル発生材の量およびしたがって交換が必要になる前にカートリッジを何回使用できるか、種々のヒーター構造(例えば、1つ以上の抵抗性ヒーターまたは1つ以上の誘導性ヒーター)。
【0036】
具体的な例ではコントロールユニット120、220は、4つの接触部124、224を有してもよい。接触部124、224は、2つの行き信号接触部124A、224A、124B、224Bおよび2つの戻り信号接触部124C、224C、124D、224Dを有してもよい。この例では行きおよび戻り接触部124、224の組み合わせは、使用の際にカートリッジ140、240を識別するために使用できる。より多くの接触部を有する構成では接触部対のより多くの組み合わせが提供され、これによってより多くのカートリッジが異なる識別可能な接触部構成を有することができる。
【0037】
図3では一例のエアロゾル供給システム300の長手方向断面が示されている。図3に示すシステム300は、図1および2に示したシステム100、200と多くの類似の特徴を有する。図2と類似の特徴を参照している符号は、その特徴の符号に100が加えられている。類似の特徴については効率のためにここでは詳しく考察しない場合がある。
【0038】
コントロールユニット320の接触部324B、324Dは、コントロールユニット320の本体322から外方に突出して示されている。カートリッジ340の接触部344B、344Dもカートリッジ340の本体342から外方に突出して示されており、これとは別に接触部はカートリッジ340の平坦な接触ポイントであってもよい。接触部324、344のこの突出位置は、接触部324、344の非作動位置にある。コントロールユニット320およびカートリッジ340の接続において、ユーザーは、接触部324B、324D、344B、344Dを押し付けてもよい。接触部324B、324D、344B、344Dは、幾分後退可能または部分的な後退を可能にする弾性材に組み込んでもよい。この部分的な後退は、接触部324、344がそれらに対する力を受ける際に生じる。この構成は、接触部324B、324D、344B、344Dを押し付けた際にこれら接触部が壊れないようにするために接触部324B、324D、344B、344D間の相対移動を可能にする。またこの構成は、接触部324B、324D、344B、344Dを接触した状態に保持することに役立ち、かつ、コントロールユニット320の本体とカートリッジ340の本体342を当接するようにすることに役立つ。さらに本体322、342が当接することによって接触部324B、324D、344B、344D間の電気的接続を確実に提供することに役立つ。
【0039】
図4ではエアロゾル供給システム400の一例の長手方向断面が示されている。図4に示すシステム400は、図1~3に示したシステム100、200、300と多くの類似の特徴を有する。図1図2および図3と類似の特徴を参照している符号は、その特徴の符号に300、200および100がそれぞれ加えられている。類似の特徴については効率のためにここでは詳しく考察しない場合がある。
【0040】
コントロールユニット420は、バッテリーなどの電源421を有する。コントロールユニット420も上述したように接触部424A、424B、424C、424Dを有する。図示のコントロールユニット420は、接触部424への電力の供給を制御するスイッチ425A、425B、425C、425Dを有する。コントロールユニット420は、ポジティブスイッチ425A、425Cを有し、これは対応する接触部424A、424Cへの電力供給の行き経路を制御するためのものである。コントロールユニット420は、ネガティブスイッチ425B、425Dを有し、これは対応する接触部424B、424Dからの電力供給の戻り経路を制御するためのものである。コントロールユニット420は、電源421からの電流の通過を検出するための電流センサ426を有する。これは使用時に電源421からカートリッジ440へ電力が完全な回路を通って良好に移動しているかを確認できる。
【0041】
カートリッジ440は、上述したような接触部444A、444B、444C、444Dを有する。カートリッジ440は、加熱素子446を有し、この例では抵抗性ワイヤー(例えば、ニクロム)で形成されたコイルである。ポジティブ(行き)接触部444A、444Cから加熱素子446への回路が図4に示されているが、2つの接触部444A、444Cの一方から加熱素子446への接続は存在しても存在しなくてもよい。図4に加熱素子446からネガティブ(戻り)接触部444B、444Dへの回路が示されているが、2つの接触部444B、444Dの一方から加熱素子446への接続は存在しても存在しなくてもよい。
【0042】
図4に示す構成は、4つの接触ポイントシステムを有しているが、接触部の数は変わってもよい。加熱素子446に電力を供給するために電源421から加熱素子446そしてそこから電源へと接触部424A、424B、424C、424D、444A、444B、444C、444Dの任意の組み合わせを介した完全な回路が存在する必要がある。最小限の接触配置において対応する対の行き接触部424A、424C、444A、444Cはアクティブであり、戻り接触部424B、424D、444B、444Dの場合も同じである。具体的な例においてこれは接触部424A、444Aおよび接触部424B、444Bである。最大限の接触配置において全ての接触部424、444を2つの平行な接触部間で電流を共有しながら使用してもよい。これら接触部は、平行回路配置にあり、接触部に対応する経路の選択的な稼働を生じさせることができる。
【0043】
当然のことながら4つの接触部対を使用して形成される多くの経路が存在する。これらの経路のそれぞれは、コントロールユニット420が使用時にカートリッジを認識できるようにする特定のカートリッジ440に関連付けできる。図4に示す接触配置ではカートリッジ440に対して9つの選択肢がある、
選択肢1:接触部444Aと444Bを使用する、
選択肢2:接触部444Aと444Dを使用する、
選択肢3:接触部444Cと444Bを使用する、
選択肢4:接触部444Cと444Dを使用する、
選択肢5:接触部444A、444Cおよび444Bを使用する、
選択肢6:接触部444A、444Cおよび444Dを使用する、
選択肢7:接触部444A、444Bおよび444Dを使用する、
選択肢8:接触部444C、444Bおよび444Dを使用する、
選択肢9:接触部444A、444C、444Bおよび444Dを使用する。
【0044】
上述したように図4に示した4つの接触ポイントからなるシステムは、代わりに3つのポジティブ接触ポイントおよび3つのネガティブ接触ポイントを有する6つの接触ポイントからなるシステムにすることも可能であり、これはカートリッジ440の6つの接触部ポイントとで49通りの異なる構成になる。したがって、これは多くの種類のカートリッジ、よって関連するエアロゾル発生材に対応できることになる。当然のことながら3つのポジティブ接触ポイントと2つのネガティブ接触ポイント(またはその逆)を有する5ポイント接触システムも使用してもよい。もちろん3ポイント接触システムも使用可能であるが、可能な組み合わせは著しく減少する。
【0045】
図4の例ではコントロールユニット420は、全ての4つの可能な組み合わせを介して接触部424A、424Cおよび424B、424Dの1つの接続組み合わせへ電流センサ426と4つのスイッチ425A、425B、425C、425D(電流センサ426と接触部424の間に位置する)を使用してカートリッジ440の4つの可能な接触ポイント444A、444B、444C、444Dへの接続のためにテスト信号を送る。したがって、特定の種類のカートリッジ440が電力供給のために接触ポイント配置の9つの選択肢の内の1つだけを使用している限り、そのような配置がシステム400によって識別されると、カートリッジの種類が識別される。
【0046】
所定のカートリッジ440の接続配置は、次の4つのテストを完了した後、識別される、
テスト1:スイッチ425Aおよび425Bだけが入れられた際にテスト信号を送る、
テスト2:スイッチ425Aおよび425Dだけが入れられた際にテスト信号を送る、
テスト3:スイッチ425Cおよび425Bだけが入れられた際にテスト信号を送る、
テスト4:スイッチ425Cおよび425Dだけが入れられた際にテスト信号を送る。
【0047】
これらのテストにおける電流センサ426に電流測定値に基づいてコントロールユニット420は、これら4つのテストの内のどのテストが定義された接続配置を有する所定のカートリッジ440を介して電流(テスト信号)を送ることに成功したかを識別できる。したがって、以下の規則に従ってこのカートリッジで使用される上記9つの接触配置の選択肢の中から正確な選択肢を識別できる、
テスト1だけが成功した場合、その所定のカートリッジは、選択肢1を使用している、
テスト2だけが成功した場合、その所定のカートリッジは、選択肢2を使用している、
テスト3だけが成功した場合、その所定のカートリッジは、選択肢3を使用している、
テスト4だけが成功した場合、その所定のカートリッジは、選択肢4を使用している、
テスト1とテスト3だけが成功した場合、その所定のカートリッジは、選択肢5を使用している、
テスト2とテスト4だけが成功した場合、その所定のカートリッジは、選択肢6を使用している、
テスト1とテスト2だけが成功した場合、その所定のカートリッジは、選択肢7を使用している、
テスト3とテスト4だけが成功した場合、その所定のカートリッジは、選択肢8を使用している、
これら4つのテストのいずれか3つまたは全てが成功した場合、その所定のカートリッジは、選択肢9を使用している。
【0048】
実際には異なる接触ポイント配置を有するカートリッジ440を製造してもよい。これはカートリッジ440に構築された全ての可能な接触ポイントを有し、そのうちの不必要な接触ポイントをプラスチックカバーなどの電気絶縁材料で覆うことによって達成できる。所定の種類のカートリッジ440のために良好なセキュリティを行うために選択された配置用の接触ポイントだけを構築することも可能である。
【0049】
図5および6は、特定の接触部の組み合わせが使用される実施態様を示している。特に図5は、接触部524C、544C、524B、544B(選択肢3)が使用されている例を示している。図6は、接触部624A、644A、624D、644D(選択肢2)が使用されている例を示している。
【0050】
図4~6においてカートリッジ440、540、640には1つの入力と1つの出力があり、複数の入力と1つの出力または1つの入力と複数の出力があってもよい。使用の際、コントローラは、どの接触部がアクティブであり、および/またはそれらの接触部がどこに位置しているかを検出することによってカートリッジ440、540、640のうちのどのカートリッジが取り付けられているかを検出してもよい。種々のカートリッジ440、540、640は、種々の接触部444、544、644配置または種々の入力/出力配置を有してもよい。コントローラは、次にカートリッジ440、540、640の接触部に基づいて好適な加熱様式を供給できる(カートリッジ内のエアロゾル発生材および/またはヒーター(より一般的にはエアロゾル発生器の種類)の観点から)。例えば、図4においてカートリッジ440のすべての接触部は、対に結合してもよい(例えば、444Aは444Dに電気的に結合し、444Cは444Dに電気的に結合する)または接触部は分離させてもよい(例えば、444Aはカートリッジの他の接触部のいずれとも電気的に結合させなくてもよい)。
【0051】
図4では接触部444Cは444Bに接続された状態に示されている。接触部444Cはまたあるいはこれとは別に一部の例では444Dに接続されてもよい。したがって、入力電流が接触部444Cに流されると、測定値が424Bおよび424Dの両方で検出される。プロセッサは、424Bがポジティブ(そして424Dがネガティブ)なら第1のカートリッジ(または第1のカートリッジ種)、424Dがポジティブ(そして424Bがネガティブ)なら第2のカートリッジ(または第2のカートリッジ種)そして424Bおよび424Dがポジティブなら第3のカートリッジを特定するように構成してもよい。即ち、一部の実施態様ではカートリッジの特定の接触部がカートリッジの少なくとも1つの他の接触部に電気的に結合されてもよい。この構成は、したがってより多くの種類のカートリッジをシステム400の接触部の数を増やすことを必要とせずに区別できるようなることの結果として利用可能な組み合わせの数を増加させる。
【0052】
図4および5に示したヒーター446、546は、対の接触部の間に略式に示されている。例示的な構成ではヒーターは、2つの接触部だけの間に配置され、他のいずれかの接触部に接続されない。これは特に電力が直接的なヒーターへの電気的および物理的接続によって供給される場合である(即ち、加熱機構が抵抗性であるシステムにおいて)。したがって、一部の実施態様ではヒーターに電気的に結合されたこの対の接触部と結合されるカートリッジの少なくとも一対の接触部が存在することになる。1つの例ではこれはデバイス上の別の組の接触部を供する(即ち、ヒーターに接続されていない接触部)。一部の実行例ではこれは結果としてヒーターに電力を供給することに特化した一組の接触部(全てのカートリッジで同じ対の接触部であってもよい)および上記の原理に従って識別する組の接触部として作動してもよい別個の組の接触部になる。従って、大まかに言って、本開示は、カートリッジの複数の電気接触部を供すると言ってもよく、これによりカートリッジの電気的接触部は、システムの構成に応じて「ヒーター電力供給機能」、「識別機能」または両方を持っていると言ってもよい。
【0053】
このような実行例において、エアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるためにヒーターが加熱するために充分な電力は、ヒーター電力供給機能を有する組の接触部に供給される一方で、異なる電力(例えば低い度合いの)は、識別機能を有する接触部に供給される。上述のように一組の識別接触部は、好適な組み合わせに結合されてもよく、互いに分離されてもよい。したがって、当然のことながら機能に関係無く電気的接触の観点から本開示の実行例は、互いに電気的に結合され、かつ、ヒーターに電気的に結合された少なくとも一対の接触部と少なくとも1つの他の接触部(カートリッジの別の接触部に電気的に結合されてもされなくてもよい)を有するカートリッジを提供する。ヒーターが誘導加熱され、ヒーターへの物理的接続(より一般的にはエアロゾル発生器)が必要とされないような他の実行例ではカートリッジは少なくとも1つの電気的接触部(カートリッジの別の接触部に電気的に結合されてもされなくてもよい)を含んでもよい。当然のことながらこのような誘導加熱構成は、(サセプタ)が1つ以上の識別接触部に電気的に接続されるヒーターを除外するものではない。
【0054】
図7に示す例では接触部724A、744Aは、コントロールユニット720からの出力およびカートリッジ740への入力を制御する。これはヒーター746を通過し、次に接触部744B、744C、744Dの内の1つ以上へと送られる。これらの接触部744B、744C、744Dは、コントロールユニット720に接続し、接触部724B、724C、724D間を切り替えるスイッチ725に供給される。各接触部724B、724C、724Dは供給を検出するために試験される(即ち電流が接触部724B、724C、724Dの内の1つ以上で検出されるか)。したがって、コントローラ(図示せず)は、接触部724B、724C、724Dからの検出された供給に基づいてカートリッジ740を識別するために使用される。既に述べたようにカートリッジ740の内容物は、接触部744B、744C、744Dのどの接触部が入力接触部744Aに結合されるかによって変わってもよく、カートリッジの判断された識別に基づいて好適な行動がとられる(例えば、好適な加熱様式を適用する)。この例ではカートリッジの出力は切り替えられる。同様に別の構成において入力が僅かに補正された構成で切り替えられてもよい。当然のことながら上述の技術のあらゆる組み合わせを特定のシステムに利用してもよい。
【0055】
一部の例ではダイオードを一組以上の接触部の間に配置して、確実に電力が特定の方向に移動するようにしてもよい。例えば1つの特定の接触部から別の接触部へまたは特定の方向に移動するようにしてもよい。この点に関し接触部744Aが電気的に接触部744Bに結合されていると仮定する。ダイオード無しで電力を接触部744Aに加え、接触部744Bで出力を検出することは電力がいずれの方向にも自由に流れるので電力を接触部744Bに加えて744Aで出力を検出することと同じ結果を与える。ダイオードを挿入することによってこれは接触部を結合させることができる可能な組み合わせの数を変更できる別の要因を加える。言い換えればダイオードを加えることは所定の組の電気的接触のための識別可能な組み合わせの数(そしてしたがってカートリッジの識別可能な種類)を増加させる。図7の例では接触部744Aと加熱素子746との間にダイオード748が配置されている。上述したようにダイオードは、上記システムのいずれかの種々の例において使用、位置およびダイオードの向きの点で異なってもよい。
【0056】
他の例のシステムではカートリッジは、エアロゾル供給デバイスに使用するためのものであってもよいが、必ずしもエアロゾル供給デバイスまたはシステムに使用しなくてもよい。一例ではカートリッジは、特定のバルク液体を含むものとしてコントロールユニットによって(上述のように電気接続部を介して)識別されるバルク液体の容器であってもよい。コントロールユニットは、次にこの情報を例えば特定の加熱様式を使用するためにエアロゾル供給デバイスまたはシステムに伝えることによって利用してもよい。一例ではこの「伝える」は、無線または有線の信号伝達のいずれかであってもよい。
【0057】
上述の実行例はカートリッジ140に供されたエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル供給システム100であるカートリッジ識別システムに着目しているが、本開示の原理は、他のカートリッジ識別システム100にも適用可能である。即ち、カートリッジ収容ユニット120は、カートリッジ140からエアロゾルを発生させるように構成される必要は無く、それでもカートリッジ140を認識するように構成してもよい。即ち、認識されると、カートリッジ収容ユニットは、カートリッジなどのエアロゾル発生材のための適した加熱様式を設定する(これには限定されないが)ことを含む認識されたカートリッジに基づいて好適な作動(カートリッジ収容ユニットの特性に応じて)を行う。
【0058】
システム100、200、300のカートリッジ140、240、340内のエアロゾル発生材は、タバコおよびグリコールの少なくとも一方を含み、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、香味増強剤、苦味受容体部位遮断薬、感覚受容体部位活性化因子または刺激因子、糖および/または糖代替物(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルタム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、またはマンニトール)、および木炭、クロロフィル、ミネラル、植物、または呼吸清涼剤などの他の添加物を含んでもよい。それらは、模倣物、合成または天然の成分またはそれらのブレンドであってもよい。異なるエアロゾル発生材を分離、隣接または重ねてもよい。
【0059】
本明細書ではエアロゾル発生材とも称するエアロゾル化可能な材料は、例えば加熱、照射または他の何らかの方法で活性化されると、エアロゾルを発生させることができる材料である。エアロゾル化可能な材料は、例えばニコチンおよび/または風味剤を含むまたは含まない固体、液体またはゲルの形体であってもよい。本明細書で説明されているエアロゾル発生材は、「非晶質固体」を含み、これはこれとは別に「モノリシック固体」(即ち、非繊維性)または「乾燥ゲル」ととも言われる。非晶質固体は、その内部に液体などの流体を保持する固体材料である。場合によってはエアロゾル発生材は、約50wt%、60wt%または70wt%から約90wt%、95wt%または100wt%の非晶質固体を含む。場合によってはエアロゾル発生材は非晶質固体からなる。
【0060】
エアロゾル形成材は、グリセリン、グリセリロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリトリトール、メソ-エリトリトール、バニリン酸エチル、エチルラウレート、ジエチル基材、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、ベンジルベンゾエート、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸およびプロピレンカーボネートのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0061】
エアロゾル化可能な材料は、活性材、エアロゾル形成材および任意の1つ以上の機能材を含んでもよい。
【0062】
活性材は、ニコチンまたは1つ以上の他の無臭の生理的に活性な材料を含んでもよい。無臭の生理的に活性な材料は、臭覚以外の生理的な反応を達成するためにエアロゾル化可能な材料に含まれる材料である。
【0063】
1つ以上の機能材は、風味料、キャリアー、pHレギュレーター、安定剤および/または酸化防止剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0064】
エアロゾル化可能な材料は、基材上に存在してもよい。基材は、例えば紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生されたエアロゾル化可能な材料、プラスチック材、セラミック材、複合材料、ガラス、金属または金属合金であってもあるいは含んでもよい。
【0065】
カートリッジを識別するように構成されたシステムが記載され、該システムは、カートリッジを収容するおよび/またはカートリッジと係合するように構成されたカートリッジ収容ユニットを含み、このカートリッジ収容ユニットは、カートリッジに接続するための第1の複数の接触部を有し、カートリッジは第2の複数の接触部を有し、前記カートリッジ収容ユニットは、使用のためにカートリッジ収容ユニットにカートリッジを連結させた際に第1の複数の接触部のうちのどの接触部が第2の複数の接触部のどの接触部と接触しているかに基づいてカートリッジに関連付けられたカートリッジの種類を識別する。
【0066】
エアロゾル供給システムは、タバコ産業製品、例えば非燃焼系エアロゾル供給システムに使用してもよい。
【0067】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は、ヒーターおよびエアロゾル化可能な基材などの非燃焼系エアロゾル供給システムの1つ以上の構成部品を含む。
【0068】
1つの実施態様ではエアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスとしても知られている電子タバコである。
【0069】
1つの実施態様では電子タバコは、ヒーターと、ヒーターに電力を供給することができる動力源と、液体またはゲルなどのエアロゾル化可能な基材と、ハウジングと、必要であればマウスピースとを含む。
【0070】
1つの実施態様ではエアロゾル化可能な基材は、基材容器内または上に含まれる。1つの実施態様では基材容器は、ヒーターと組み合わされるまたはヒーターを含む。
【0071】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は、基材を熱するが燃やさずに1つ以上の化合物を放出する加熱製品である。基材は、エアロゾル化可能な材料であり、例えばタバコまたはニコチンを含むまたは含まない他の非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様では加熱製品は、タバコ加熱製品である。
【0072】
1つの実施態様では加熱製品は電子デバイスである。
【0073】
1つの実施態様ではタバコ加熱製品は、ヒーターと、ヒーターに電力を供給することができる動力源と、固体またはゲル材料などのエアロゾル化可能な基材とを含む。
【0074】
1つの実施態様では加熱製品は非電子物品である。
【0075】
1つの実施態様では加熱製品は、固体またはゲル材料などのエアロゾル化可能な基材と、電子手段無しにエアロゾル化可能な基材に熱エネルギーをチャコールなどの燃焼材を燃やすことによって供給できる熱源とを含む。
【0076】
1つの実施態様ではまた加熱製品は、エアロゾル化可能な基材を熱することによって発生するエアロゾルをろ過できるフィルターも含む。
【0077】
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な基材は、エアロゾルまたはエアロゾル発生剤またはグリセロール、プロピレングリコール、トリアセチンまたはジエチレングリコールなどの湿潤剤を含んでもよい。
【0078】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は基材を組あわせたものを燃やさずに加熱することによってエアロゾル発生させるハイブリッドシステムである。基材は、例えば固体、液体またはゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材と固体基材とを含んでもよい。固体基材は、例えばタバコまたはタバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材とタバコを含んでもよい。例えば、ハイブリッドシステムは、液体またはゲルを含有するカートリッジを含み、これはカートリッジのエアロゾル発生領域で液体またはゲルからエアロゾルを発生させ(例えば液体またはゲルに十分な熱を加えて)、固体材料(タバコを含むまたはタバコからなる材料のような)がエアロゾル発生領域の下流に位置し、エアロゾルがこの固体材料内(またはその周囲)を通過するようになっている。
【0079】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた電子エアロゾル供給システムを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7