(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】吸着分離プロセスのためのサイドチャンバプロセスモニタ
(51)【国際特許分類】
G01N 30/44 20060101AFI20240328BHJP
B01D 15/00 20060101ALI20240328BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
G01N30/44
B01D15/00 101A
G01N1/00 101G
G01N1/00 101L
(21)【出願番号】P 2022549403
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(86)【国際出願番号】 US2021017586
(87)【国際公開番号】W WO2021167829
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-09-12
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ハリス、ジェームズ ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】フライツ、ヘザー エー.
(72)【発明者】
【氏名】アーネスト、グレゴリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ、チャド エー.
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0368810(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0076243(US,A1)
【文献】特開2010-210624(JP,A)
【文献】特表2012-502993(JP,A)
【文献】特表2008-531274(JP,A)
【文献】米国特許第05457260(US,A)
【文献】特開2015-001529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 -30/96
B01J 20/281-20/292
G01N 1/00
B01D 15/00 -15/42
C07B 31/00 -63/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流れの流体特性を分析するためのプロセスであって、
互いと、並びに1つ以上の選択的に吸着された成分を、前記1つ以上の選択的に吸着された成分及び1つ以上の非選択的に吸着された成分を含む供給物流(11)から分離するための回転バルブ(300)と流体連通する複数の吸着部サブ床を備える、疑似移動床システムを提供することと、
前記回転バルブ(300)を第1のバルブ位置に回転させて、前記供給物流(11)を前記複数の
吸着部サブ床のうちの第1の
吸着部サブ床に方向付けることと、
前記
複数の吸着部サブ床のうちの2つの間のポンプ周辺流(111)の一部分(111A)を、吸着部(625)を含むサイドチャンバ(600)に導入することと、
分析器(610、620)を使用して、前記サイドチャンバ(600)内の前記吸着部
(625)の水分含有量、若しくは前記サイドチャンバ(600)内の前記ポンプ周辺流(111)の前記一部分(111A)の少なくとも1つの流体特性、又はその両方を測定することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの流体特性が、前記ポンプ周辺流(111)の水分含有量、前記ポンプ周辺流(111)の組成、又は前記ポンプ周辺流(111)の炭化水素種の濃度のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
1つ以上の選択的に吸着された成分を、前記選択的に吸着された成分及び1つ以上の非選択的に吸着された成分を含む供給物流
(11)から分離するための疑似移動床システムであって、
互いと流体連通し、ポンプ周辺流(111)を介して互いと直接流体連通する2つの
吸着部サブ床を含む、複数の吸着部サブ床と、
前記複数の
吸着部サブ床の各々と流体連通し、各々が前記供給物流(11)を前記複数の
吸着部サブ床のうちの異なる1つに方向付ける複数のバルブ位置に回転するように構成されている回転バルブ(300)と、
前記ポンプ周辺流(111)と流体連通し、吸着部(625)を有するサイドチャンバ(600)と、
前記サイドチャンバ(600)に接続する特性を有し、前記サイドチャンバ(600)内の前記吸着部(625)の水分含有量または前記ポンプ周辺流(111)の部分(111A)の少なくとも1つの流体特性を測定するようになっている、分析器(610、620)と、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の記載)
本出願は、2020年2月18日に出願された、米国特許出願第16/793,522号からの優先権を主張し、その全体は本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
連続分離プロセスは、一般的に、C8芳香族化合物の混合物からのパラ-キシレンの選択的吸着のために使用される。概して、このプロセスは、パラ-キシレンを残りの混合物から分離するために、好ましくはパラ-キシレンを保持する固体吸着部を使用する。多くの場合、固体吸着部は、疑似移動床の形態であり、固体吸着部の床は静止して保持され、様々な流れが床に入る場所及び床を出る場所が、周期的に移動される。吸着部床自体は通常、一連の固定サブ床又はモジュールである。床を通る流体の流れの方向における液体の投入及び排出の場所のシフトが、反対方向における固体吸着部の移動を疑似する。液体投入及び排出の場所を移動させることは、概して、吸着部サブ床間に位置付けられた分配器と協働する回転バルブとして知られている流体追跡デバイスによって達成される。回転バルブは、まず、液体導入又は引き出しラインを吸着部サブ床間に位置付けられた特定の分配器に方向付けることにより、投入及び排出場所を移動させることを達成する。ステップ時間又は保持期間と呼ばれる、指定された期間の後、回転バルブは、1つのインデックスを次のバルブ位置に前進させ、以前に使用された分配器の直ぐ隣及び下流にある分配器に液体投入及び排出を再度方向付ける。次のバルブ位置への回転バルブの各前進は、概して、バルブステップと呼ばれ、すべてのバルブステップの完了は、バルブサイクルと呼ばれる。一商業的プロセスでは、ステップ時間は、バルブサイクル内のバルブステップの各々について均一であり、概して、60秒程度である。典型的なプロセスは、24の吸着部サブ床、24の吸着部サブ床の間に位置付けられた24の分配器、2つの液体投入ライン、2つの液体排出ライン、及び関連するフラッシュラインを含む。
【0003】
吸着部システムの原理的な液体投入及び排出は、供給物、抽出物、ラフィネート、及び脱着剤である4つの流れからなる。各流れは、特定の流量で吸着部システムの中に、又は吸着部システムから外に流れ、各速度は、独立して制御される。吸着部システムに導入される供給物は、供給物流中の他の成分から分離されるパラ-キシレンを含有する。吸着部システムに導入される脱着剤は、吸着部からの供給成分を変位させることができる液体を含有する。吸着部システムから引き出される抽出物は、吸着部によって選択的に吸着された、分離されたパラ-キシレン、及び脱着液を含有する。吸着部システムから引き出されるラフィネートは、吸着部によって選択的に吸着されることが少ない供給物の他のC8芳香族成分、及び脱着液を含有する。また、吸着部システムに導入され、吸着部システムから引き出される、関連するフラッシュ流も存在し得る。4つの主流は、吸着部システム全体を通して戦略的に離隔され、サブ床を4つのゾーンに分割し、その各々が異なる機能を実施する。
【0004】
ゾーンIは、供給物投入とラフィネート排出との間に位置付けられる吸着部サブ床を収容し、パラ-キシレンの選択的吸着が、このゾーンで行われる。ゾーンIIは、抽出物排出と供給物投入との間に位置付けられる吸着部サブ床を収容し、パラ-キシレン以外の成分の脱着が、このゾーンで行われる。ゾーンIIIは、脱着剤投入と抽出物排出との間に位置付けられる吸着部サブ床を収容し、パラ-キシレンは、このゾーンで脱着される。最終的に、ゾーンIVは、ラフィネート排出と脱着剤投入との間に位置付けられる吸着部サブ床を収容する。ゾーンIVの目的は、他の成分によるパラ-キシレンの汚染を防止することである。
【0005】
吸着部チャンバの水分含有量を監視するために使用される一般的な方法は、バルク流体として供給物、脱着剤、抽出物、及びラフィネート流の水分含有量を監視することである。抽出物及びラフィネートが精製され、これらの流れ中の脱着剤が吸着部チャンバに戻って再循環されるとき、水の一部が戻らないため、吸着部への特定量の水の注入が、水分レベルを維持するために行われる。しかしながら、特定の動作領域のみでバルク液体水分分析器を使用することは、バルク液体中の水分についての一般的なガイドラインしか与えない場合がある。これでは、すべての動作領域におけるバルク液体水分含有量の測定ができない。より重要なことに、これでは、吸着部チャンバ内の吸着部上の水分含有量の測定ができない。
【0006】
業界における別の一般的な慣例は、オンラインガスクロマトグラフィー分析、又はオフライン実験室分析のいずれかによって、パラ-キシレン疑似移動床分離プロセスの組成プロファイルを判定することである。オンラインガスクロマトグラフィー分析は、典型的には、分析当たり10分を必要とし、これは回転バルブの通常のステップ時間よりもかなり長い。したがって、選択されたバルブ位置のみをサンプリング及び分析することができる。概して、抽出物の排出の近くのゾーンII及び脱着剤投入の近くのゾーンIVのみが、サンプリング及び分析される。このオンラインガスクロマトグラフィー手順によって提供されるデータは、いくつかのプロセスの不調を検出するために有用であるが、残念ながら、2つのバルブ位置のみの組成を分析することは、分離プロセスの性能に関する限定された情報しか提供せず、正確な分離プロセス制御に対してわずかな有用性しかない。
【0007】
パラ-キシレン疑似移動床分離プロセスの組成プロファイルのより詳細な判定は、バルブサイクル中の各バルブ位置に関する試料中の成分の濃度の値を判定するための、オフラインの実験室ガスクロマトグラフィー分析を使用して達成される。次いで、測定された濃度は、それらの相対バルブ位置に対してプロットされて、概して、ポンプ周辺プロファイルと呼ばれるものを形成する。ポンプ周辺プロファイルを使用して、パラ-キシレンの回収純度が計算され得、分離の最適化の程度を評価することができる。これから、例えば、ステップ時間及び/又は液体流の流量における必要な変化が、判定及び実装され得る。この様式における分離プロセスの評価に対する欠点は、サンプリングと、プロセス変更を行うべきかどうか、又はどのようなプロセス変更が行われるべきかを判定するために使用される、分析結果の送達との間の時間遅延、流れ試料を手動で収集することに伴う労力、及びプロセスから流れ試料を手動で収集するオペレータの個人曝露である。分析はオフラインで実施されるため、時間遅延は、1日~数日であり得、プラントの中断につながる可能性がある。これらの欠点のために、精製業者は、概して、6ヶ月毎に一度この手順を実施するか、又は分離プロセスに問題がある場合にのみ実施する。
【0008】
したがって、これらのシステムの吸着部及びポンプ周辺プロファイルの水分含有量を判定するためのプロセスを提供して、システムメンテナンスが少なく、オペレータの時間及び労力を最小限しか必要とせず、プラントを中断させない、流体特性の迅速かつ頻繁な分析を提供することが望ましいであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のプロセスの一実施形態の図解である。
【
図2】本発明のサイドチャンバ及び分析器のより詳細な図解である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
吸着性分離は、様々な炭化水素及び他の化学生成物の回収に適用される。開示されたこのアプローチを使用する化学分離は、芳香族化合物の混合物の特定の芳香族異性体への分離、非直鎖状脂肪族及びオレフィン性炭化水素からの直鎖状炭化水素の分離、芳香族化合物及びパラフィンの両方を含む供給混合物からのパラフィン又は芳香族化合物のいずれかの分離、薬剤及び精製化学製品中で使用するためのキラル化合物の分離、アルコール及びエーテルなどの含酸素添加剤の分離、並びに糖などの炭水化物の分離を含む。芳香族化合物の分離は、ジアルキル置換単環式芳香族とジメチルナフタレンの混合物を含む。本発明の先行する参考文献及び以下の説明の焦点を形成する主要な商業的用途は、限定するものではないが、C8芳香族化合物の混合物からのパラ-キシレン及び/又はメタ-キシレンの回収である。
【0011】
本発明は、通常、上で説明されるような吸着部及び周囲の液体の向流移動を疑似する、吸着分離プロセス内で用いられるが、米国特許第4,402,832号及び同第4,478,721号に開示されているような共電流連続プロセスにおいてもまた実施され得る。供給物流の成分を分離するためのプロセスは、参照により本明細書に組み込まれる、Handbook of Petroleum Refining Processes,3d Edition at pages 10.29-10.35のチャプタ10.3内で考察される。
【0012】
吸着部セクションにおけるプロセスの最適化は、多くの変数の厳密なプロセス制御を必要とする。これらの中で特に興味深いものは、吸着部チャンバの水分(水和)及び流れの組成を最適化及び制御するために使用される方法である。本方法は、吸着面での水和レベルのより良好な理解を提供し、これは、プロセスの水和レベルのより正確な制御を可能にする。より厳しい制御では、改善された生産結果、及び吸着部の寿命の延長が可能である。
【0013】
加えて、ポンプ周辺流の組成は、現在、ゾーンII及びIV中でのみGCを使用して監視される。ポンプ周辺流の組成に関する情報の増加は、プロセスのより効率的な動作のためのゾーン流設定点の最適化を可能にする。
【0014】
追加の特性はまた、限定されるものではないが、サイドチャンバ吸着部又は吸着部微粉フィードバック(デルタP情報)の分析試験を含み、サイドチャンバ内で測定され得る。
【0015】
サイドチャンバシステムをポンプ周辺流に追加することは、分析に対する理想的な条件で監視することができる少量の吸着部の設置を可能にする。これは、吸着部の表面におけるIR又は静電容量測定を含み得る。サイドチャンバの状態が更に改良され、組成センサが改善されているため(例えば、マイクロGC、GCxGC、又はスペクトル技術)、各ゾーンの組成分析直接最適化が、増加され、プロセスの全体的な動作を更に改善することができる。
【0016】
サイドチャンバシステムは、循環ポンプ送出において高圧源で位置付けられ得る。サイドチャンバシステムからの出口は、ポンプ吸引又は制御バルブの出口の下流でプロセスに戻すことができる。
【0017】
本発明の一態様は、流れの流体特性を分析するためのプロセスである。一実施形態では、プロセスは、互いと、並びに1つ以上の選択的に吸着された成分及び1つ以上の非選択的に吸着された成分を含む供給物流から1つ以上の選択的に吸着された成分を分離するための回転バルブと流体連通する複数の吸着部サブ床と、を備える疑似移動床システムを提供することと、回転バルブを第1のバルブ位置に回転させて、供給物流を複数のサブ床のうちの第1のサブ床に方向付けることと、吸着部サブ床のうちの2つの間のポンプ周辺流の一部分を、吸着部を含むサイドチャンバに導入することと、分析器を使用して、サイドチャンバ内の吸着部の水分含有量、若しくはサイドチャンバ内のポンプ周辺流の部分の少なくとも1つの流体特性、又はその両方を測定することと、を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体特性は、ポンプ周辺流の水分含有量、ポンプ周辺流の組成、又はポンプ周辺流の炭化水素種の濃度のうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体特性は、ポンプ周辺流の一部分の組成であり、分析器は、ガスクロマトグラフである。
【0020】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体特性は、ポンプ周辺流の一部分における炭化水素種の濃度であり、分析器は分光計を備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体特性は、ポンプ周辺流の水分含有量であり、分析器は、水分分析器を備える。
【0022】
いくつかの実施形態では、吸着部の水分含有量が測定され、ポンプ周辺流の一部分は、吸着部と直接接触している。いくつかの実施形態では、分析器は、水分分析器である。
【0023】
いくつかの実施形態では、プロセスは、少なくとも1つの流体特性を測定した後、ポンプ周辺流の一部分をサイドチャンバからポンプ周辺流の残部に戻すことを更に含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、供給物流は、C8芳香族化合物を含み、選択的に吸着された成分は、パラ-キシレンを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、回転バルブを回転させることは、回転バルブを、各々が供給物流をサブ床のうちの異なる1つに方向付ける複数のバルブ位置に回転させることを含み、少なくとも1つの流体特性を測定することが、各バルブ位置における少なくとも1つの流体特性を評価するために、複数のバルブ位置の各々に対して繰り返される。
【0026】
いくつかの実施形態では、複数のバルブ位置の数は、複数のサブ床の数に対応し、複数のバルブ位置の数は、全バルブサイクルを定義する24であり、回転バルブを回転させることは、全バルブサイクルの間、回転バルブを回転させることを含み、少なくとも1つの流体特性を測定することは、全バルブサイクルが完了するまで繰り返される。
【0027】
本発明の別の態様は、流れの流体特性を分析するためのプロセスである。一実施形態では、プロセスは、互いと、並びに1つ以上の選択的に吸着された成分及び1つ以上の非選択的に吸着された成分を含む供給物流から、1つ以上の選択的に吸着された成分を分離するための回転バルブと流体連通する複数の吸着部サブ床を備える、疑似移動床システムを提供することと、回転バルブを第1のバルブ位置に回転させて、供給物流を複数のサブ床のうちの第1のサブ床に方向付けることと、吸着部サブ床のうちの2つの間のポンプ周辺流の一部分を、吸着部を含むサイドチャンバに導入することであって、ポンプ周辺流の一部分が、吸着部と直接接触している、導入することと、水分分析器を使用して吸着部の水分含有量を測定することと、を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、プロセスは、ポンプ周辺流の一部分の少なくとも1つの追加の流体特性を測定することを更に含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の流体特性は、ポンプ周辺流の水分含有量、ポンプ周辺流の組成、又はポンプ周辺流の炭化水素種の濃度のうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、プロセスは、特性を測定した後、ポンプ周辺流の一部分をサイドチャンバからポンプ周辺流の残部に戻すことを更に含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、供給物流は、C8芳香族化合物を含み、選択的に吸着された成分は、パラ-キシレンを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、回転バルブを回転させることは、回転バルブを、各々が供給物流をサブ床のうちの異なる1つに方向付ける複数のバルブ位置に回転させることを含み、少なくとも1つの流体特性を測定することが、各バルブ位置における少なくとも1つの流体特性を評価するために、複数のバルブ位置の各々に対して繰り返される。
【0033】
本発明の別の態様は、選択的に吸着された成分及び1つ以上の非選択的に吸着された成分を含む供給流から、1つ以上の選択的に吸着された成分を分離するための疑似移動床システムである。一実施形態では、システムは、互いと流体連通し、ポンプ周辺流を介して互いと直接流体連通する2つのサブ床を備える、複数の吸着部サブ床と、複数のサブ床の各々と流体連通し、各々が供給流を複数のサブ床のうちの異なる1つに方向付ける複数のバルブ位置に回転するように構成されている回転バルブと、ポンプ周辺流と流体連通するサイドチャンバと、サイドチャンバと連通する特性に関する分析器と、を備える。
【0034】
いくつかの実施形態では、分析器は、水分分析器、ガスクロマトグラフ、又は分光計から選択される。
【0035】
いくつかの実施形態では、サイドチャンバ内に少なくとも2つの分析器が存在する。
【0036】
図1は、本発明を組み込む疑似移動床吸着プロセスの概略図である。プロセスは、容器内に収容された吸着部を有する供給物入口流11及び脱着剤入口流12に連続して接触して、抽出物出口流14をラフィネート出口流13から分離する。疑似移動床向流システムでは、複数の液体供給の漸進的シフト及び吸着部チャンバを下向きに通る製品アクセスポイントが、チャンバ内に収容される吸着部の上向きの移動を疑似する。疑似移動床吸着プロセスにおける吸着部は、1つ以上の容器内の複数の床内に収容され、直列の2つの容器100及び200が、
図1に示される。各容器は、吸着部の床の数に関連するいくつかのアクセスポイント10を通じて接触された吸着部の複数の床を収容し、供給物入口流11、脱着剤入口流12、抽出物出口流14、及びラフィネート出口流13の位置は、アクセスポイントに沿ってシフトして、移動吸着部床を疑似する。
【0037】
吸着部の固定床を通る投入及び排出流の周期的な前進の1つの方法は、マニホールドシステムであり、ここでは、マニホールド内のバルブが、投入及び排出流のシフトをもたらすために連続的な様式で動作し、それによって、向流様式における固体吸着部に対する流体の流れを可能にする。流体に対する固体吸着部の向流をもたらすための好ましいモードは、回転ディスクバルブの使用を伴い、投入及び排出流が、バルブに接続され、供給物投入、抽出物排出、脱着剤投入、及びラフィネート排出流が通過するラインが、吸着部床を通って同じ方向に前進する。マニホールド配置及びディスクバルブの両方は、当該技術分野で既知である。
図1に示されるような本スキームでは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,040,777号及び米国特許第3,422,848号を特徴とする回転ディスク型バルブ300は、吸着部チャンバに沿った流れのシフトをもたらして、向流を疑似する。
【0038】
固体吸着部のこの疑似された上向き移動と一致するのは、充填された分子ふるいの床の空隙容積を占める液体の動きである。向流接触が維持されるように、吸着部チャンバを下流に流れる液体は、ポンプによって提供され得る。脱着剤、抽出物、及びラフィネートを含む循環液体は、ポンプ110及び210を通して容器を通って循環し、導管111及び211を介してそれぞれ吸着部チャンバに戻る。活性液体アクセスポイントがサイクルを通って移動する際、すなわち、チャンバの上部から底部まで、チャンバ循環ポンプは、異なる流量を必要とする異なるゾーンを通って移動する。プログラムされた流量コントローラは、これらの流量を設定及び調整するために提供され得る。循環する液体の流れを制御するためのシステムは、米国特許第5,595,665号に記載されているが、そのようなシステムの詳細は、本発明に不可欠ではない。
【0039】
図1に例解されるような疑似移動床吸着に関与する主流は、以下のように特徴付けられ得る。「供給物流」は、1つ以上の抽出物成分、及びプロセスによって分離される1つ以上のラフィネート成分を含有する混合物である。「抽出物生成物」は、通常、分留を含む回収後に、定義された純度を有するパラ-キシレン又はメタ-キシレンなどの回収された所望の成分を含む。「抽出物流」は、成分、通常、吸着部によってより選択的に吸着される所望の生成物を、不随する脱着剤材料とともに含む。「ラフィネート生成物」は、抽出物生成物の除去後、選択的に吸着されることが少ない成分を含む。「ラフィネート流」は、分留前に、脱着剤とともに、ラフィネート生成物を含む。「脱着剤」は、概して、供給物流の成分に対して不活性であり、抽出物及びラフィネートの両方から容易に分離可能である抽出物成分を脱着することができる材料を指す。
【0040】
抽出物生成物は、ラフィネート成分に対して概して定義される純度を有する。例えば、パラ-キシレン生成物不純物は、エチルベンゼン、メタ-キシレン、及びオルト-キシレンなどの他のC8の芳香族化合物を、任意選択的に、非芳香族、並びにより軽い成分、及びより重い成分とともに含み得る。それに応じて、メタ-キシレン純度は、エチルベンゼン、パラ-キシレン、及びオルトキシレンの量の合計に関連する。生成物は、この標準に従って少なくとも99重量%の純度、すなわち、少なくとも99の抽出物対1の不純物の比であるべきである。好ましくは、重量比は、少なくとも995の抽出物対5の不純物、多くの場合、少なくとも999対1である。パラ-キシレンを回収するとき、純度は、9999対1以上の他のC8芳香族化合物に対する重量比を反映し得る。
【0041】
例解されたスキームからの抽出物出口流14及びラフィネート出口流13は、0%~100%のプロセスからのそれぞれの生成物に対する濃度における脱着剤を含有する。脱着剤は、概して、
図1に例解されるように、ラフィネートカラム400及び抽出物カラム500における従来の分別によって、ラフィネート及び抽出物成分から分離され、脱着剤入口流12においてプロセスに戻される。ラフィネート及び抽出物カラムの各々は、オーバーヘッド流を凝縮及び分離し、当該技術分野で既知のようにカラムの底部に熱を供給するためのアプリテンス(appurtence)を含む。
【0042】
図1は、それぞれのカラムからの底部として脱着剤を示し、脱着剤が抽出物又はラフィネートよりも重いことを意味する。プロセスからの抽出物生成物16及びラフィネート生成物15は、それぞれのカラムにおいて、抽出物出口流14及びラフィネート出口流13から回収され、C
8芳香族化合物の分離からの抽出物生成物は、通常、主にパラ-キシレン及びメタ-キシレンのうちの一方又は両方を含み、ラフィネートは主に非吸着C
8芳香族化合物及びエチルベンゼンである。
【0043】
投入及び排出流の位置は、本発明を理解するのに有用な動作ゾーンを画定する。吸着ゾーンは、供給物入口流11とラフィネート出口流13との間に位置付けられた吸着部として画定される。このゾーンでは、供給原料が分子ふるいと接触し、抽出物成分が保持され、ラフィネート流が引き出される。このゾーンを通る一般的な流れは、ゾーンに通過する供給物流から、ゾーンから出るラフィネート流へのものであるため、このゾーンにおける流れは、供給物入口流11からラフィネート出口流13に進むとき、下流方向であると見なされる。
【0044】
吸着ゾーンIの流体流に対して直ぐ上流は、抽出物出口流14と供給物入口流11との間の吸着部として画定される、精製ゾーンである。精製ゾーンで行われる基本的な動作は、このゾーンに担持された任意のラフィネート材料の吸着部の非選択的空隙体積からの変位、及び分子ふるいの選択的細孔容積内に保持された任意のラフィネート材料の変位である。精製は、抽出物流材料の一部分を脱着ゾーンから精製ゾーンの上流境界に通過させて、ラフィネート材料の変位をもたらすことによって達成される。精製ゾーン内の液体の流れは、抽出物出口流14から供給物入口流11への下流方向である。
【0045】
流体流に対して精製ゾーンの直ぐ上流は、脱着ゾーンである。脱着ゾーンは、脱着剤入口流12と抽出物出口流14との間の吸着部として画定される。脱着ゾーンの機能は、このゾーンを通過する脱着剤が、吸着部内に保持された抽出物成分を、前の動作サイクルにおいて、吸着ゾーン内の供給物との前の接触中に変位させることを可能にすることである。脱着ゾーン内の流体の流れは、本質的に、前のゾーンの流れと同じ方向である。
【0046】
緩衝ゾーンは、ラフィネート出口流13と脱着剤入口流12との間の吸着部として画定され、脱着ゾーンへの流体の流れに対して直ぐ上流に位置付けられる。このゾーンは、吸着ゾーンから除去されるラフィネート流の一部分が緩衝ゾーンに通過し、そのゾーン内に存在する脱着剤を脱着ゾーンに変位させることができるため、脱着ステップにおいて利用される脱着剤の量を節約するために利用される。このゾーンは、ラフィネート出口流13内に存在するラフィネート材料が、吸着ゾーンから緩衝ゾーンに通過し、更に脱着ゾーンに通過し、それにより、精製ゾーンから除去された抽出物流を汚染することを防止するために十分な脱着剤を含有する。
【0047】
C8芳香族化合物の分離に関する異なる商業的ユニットは、軽質又は重質脱着剤のいずれかを用いる。脱着剤が抽出物又はラフィネートよりも軽い場合、当業者によって理解されるように、抽出物又はラフィネートが底部流である一方で、脱着剤は、上部から回収される。
【0048】
導管111(ポンプ-周辺流)からの脱着剤、抽出物及びラフィネートを含む循環液体の一部分111Aは、吸着部を収容するサイドチャンバ600に送られる。試料組成は、供給物として変化し、他のすべてのポートは、主チャンバ内で変化する。分析されるこの試料は、組成の測定を行うために必要な限り非常に小さい部分であり、典型的には、(1分当たり数千又は数万ガロンの流量の中から)毎分10ガロン未満である。
【0049】
図2は、循環する液体の部分111Aの少なくとも1つの流体特性を測定するために、サイドチャンバ600に接続された分析器610を示す。このようにして、1つ以上の流体特性が、測定され得る。流体特性としては、限定されるものではないが、ポンプ周辺流の部分の水分含有量又は組成(炭化水素濃度)を挙げることができる。第2の水分センサ620が、サイドチャンバ600内の固体吸着部625の水分含有量を監視するために使用され得る。使用される特定の分析器610は、測定される流体特性に依存し、当業者によって判定され得る。好適な分析器610には、限定されるものではないが、水分分析器、ガスクロマトグラフ、及び分光計が挙げられる。吸着部上の水分含有量が測定されるとき、ポンプ周辺流の部分111Aは、吸着部と直接接触している。吸着部性能は、水を有する特定の水和濃度で最適である。この水和は、固体材料がプロセス流体に接触する吸着部上で最もよく測定される。この測定は、バルクプロセス流体中の水分濃度のみの測定と比較して、吸着特性の理解を改善するであろう。
【0050】
循環液体の部分111Aがサイドチャンバ600を通過し、流体特性が測定された後、戻り部分111Bは、ポンプ210吸引で容器200から導管111に戻され得る。代替的に、戻り部分111Bは、容器100の入口で導管111上のチャンバ循環制御バルブ630の出口に送られ得る。
【0051】
この技術の更なる適用は、ポンプ110で導管211からの部分211Aをサイドチャンバ700に送出することによって、容器200に循環する容器100の底部の並列システムにおいて使用することができる。サイドチャンバ700は、サイドチャンバ600に本質的に類似しているが、使用される分析器は異なっていてもよい。戻り部分211Bは、容器100からのポンプ110の吸引で、又は制御バルブ730の下流の容器200の入口に戻る。
【0052】
回転バルブは、各々が供給物流をサブ床の異なるものに方向付ける、複数のバルブ位置に回転される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体特性は、各バルブ位置において測定される。他の実施形態では、少なくとも1つの流体特性は、各バルブ位置において測定されない。いくつかの実施形態では、1つの流体特性が、各位置で測定することができるが、一方で別の特性は、あらゆる位置において測定されない。当業者は、測定される特性及びプロセスの必要性に応じて、適切な測定シーケンスを判定することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、複数のバルブ位置の数は、複数のサブ床の数に対応し、複数のバルブ位置の数は、全バルブサイクルを定義する24であり、回転バルブを回転させることは、全バルブサイクルのための回転バルブを回転させることを含み、少なくとも1つの流体特性を測定することは、全バルブサイクルが完了するまで繰り返される。
【0054】
特許請求されるプロセスは、C8芳香族化合物の混合物を含む供給物流から特定のC8芳香族化合物を分離するプロセスにおいて使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、選択的に吸着された成分は、パラ-キシレンを含み得、他の場合では、メタ-キシレンであり得る。
【0055】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、本明細書は、前述の説明及び添付の特許請求の範囲の範囲を例解するものであり、限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0056】
本発明の第1の実施形態は、互いと、並びに1つ以上の選択的に吸着された成分及び1つ以上の非選択的に吸着された成分を含む供給物流から、1つ以上の選択的に吸着された成分を分離するための回転バルブと流体連通する複数の吸着部サブ床を備える、疑似移動床システムを提供することと、回転バルブを第1のバルブ位置に回転させて、供給物流を複数のサブ床のうちの第1のサブ床に方向付けることと、吸着部サブ床のうちの2つの間のポンプ周辺流の一部分を、吸着部を備えるサイドチャンバに導入することと、分析器を使用して、サイドチャンバ内の吸着部の水分含有量、若しくはサイドチャンバ内のポンプ周辺流の部分の少なくとも1つの流体特性、又はその両方を測定することと、を含む、流れの流体特性を分析するためのプロセスである。本発明の一実施形態は、少なくとも1つの流体特性が、ポンプ周辺流の水分含有量、ポンプ周辺流の組成、又はポンプ周辺流の炭化水素種の濃度のうちの少なくとも1つを含む、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、少なくとも1つの流体特性が、ポンプ周辺流の一部分の組成であり、分析器が、ガスクロマトグラフである、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、少なくとも1つの流体特性が、ポンプ周辺流の一部分における炭化水素種の濃度であり、分析器が、分光計を備える、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、少なくとも1つの流体特性が、ポンプ周辺流の水分含有量であり、分析器が、水分分析器を備える、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、吸着部の水分含有量が、測定され、ポンプ周辺流の一部分が、吸着部と直接接触している、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、分析器が、水分分析器である、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、少なくとも1つの流体特性を測定した後に、ポンプ周辺流の一部分をサイドチャンバからポンプ周辺流の残部に戻すことを更に含む、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、供給物流が、C8芳香族化合物を含み、選択的に吸着された成分が、パラ-キシレンを含む、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、回転バルブを回転させることが、回転バルブを、各々が供給物流をサブ床のうちの異なる1つに方向付ける複数のバルブ位置に回転させることを含み、少なくとも1つの流体特性を測定することが、各バルブ位置における少なくとも1つの流体特性を評価するために、複数のバルブ位置の各々に対して繰り返される、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、複数のバルブ位置の数が、複数のサブ床の数に対応し、複数のバルブ位置の数が、全バルブサイクルを定義する24であり、回転バルブを回転させることが、全バルブサイクルの間、回転バルブを回転させることを含み、少なくとも1つの流体特性を測定することが、全バルブサイクルが完了するまで繰り返される、本項の第1の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。
【0057】
本発明の第2の実施形態は、互いと、並びに1つ以上の選択的に吸着された成分及び1つ以上の吸着されない成分を含む供給物流から、1つ以上の選択的に吸着された成分を分離するための回転バルブと流体連通する複数の吸着部サブ床を備える、疑似移動床システムを提供することと、回転バルブを第1のバルブ位置に回転させて、供給物流を複数のサブ床のうちの第1のサブ床に方向付けることと、吸着部サブ床のうちの2つの間のポンプ周辺流の一部分を、吸着部を含むサイドチャンバに導入することであって、ポンプ周辺流の一部分が、吸着部と直接接触している、導入することと、水分分析器を使用して吸着部の水分含有量を測定することと、を含む。本発明の一実施形態は、ポンプ周辺流の一部分の少なくとも1つの追加の流体特性を測定することを更に含む、本項の第2の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、少なくとも1つの追加の流体特性が、ポンプ周辺流の水分含有量、ポンプ周辺流の組成、又はポンプ周辺流の炭化水素種の濃度のうちの少なくとも1つを含む、本項の第2の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、特性を測定した後に、ポンプ周辺流の一部分をサイドチャンバからポンプ周辺流の残部に戻すことを更に含む、本項の第2の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、供給物流が、C8芳香族化合物を含み、選択的に吸着された成分が、パラ-キシレンを含む、本項の第2の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、回転バルブを回転させることが、回転バルブを、各々が供給物流をサブ床のうちの異なる1つに方向付ける複数のバルブ位置に回転させることを含み、少なくとも1つの流体特性を測定することが、各バルブ位置における少なくとも1つの流体特性を評価するために、複数のバルブ位置の各々に対して繰り返される、本項の第2の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。
【0058】
本発明の第3の実施形態は、選択的に吸着された成分及び1つ以上の非選択的に吸着された成分を含む供給物流から1つ以上の選択的に吸着された成分を分離するための装置であり、システムは、互いと流体連通する複数の吸着部サブ床を備え、ポンプ周辺流を介して互いと直接流体連通する2つのサブ床を備え、複数のサブ床の各々と流体連通し、各々が供給流を複数のサブ床のうちの異なる1つに方向付ける複数のバルブ位置に回転するように構成されている回転バルブと、ポンプ周辺流と流体連通するサイドチャンバと、サイドチャンバと連通する特性に関する分析器と、を備える。本発明の一実施形態は、分析器が、水分分析器、ガスクロマトグラフ、又は分光計から選択される、本項の第3の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。本発明の一実施形態は、少なくとも2つの分析器がサイドチャンバ内に存在する、本項の第3の実施形態までの本項の先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又はすべてである。
【0059】
更に詳述することなく、前述の説明を使用して、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限まで利用し、かつ本発明の本質的な特性を容易に確認することができ、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0060】
上記では、すべての温度は摂氏度で記載され、すべての部及び百分率は、別途記載のない限り、重量基準である。