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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】ターボ圧縮機の軸のための軸受装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/057 20060101AFI20240328BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20240328BHJP
【FI】
F04D29/057 A
H01M8/04 N
H01M8/04 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022551304
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2021055892
(87)【国際公開番号】W WO2021180705
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102020203204.1
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ヴェスナー,ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】カッツ,マルティン
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-029008(JP,A)
【文献】特開昭59-175621(JP,A)
【文献】特開2017-194042(JP,A)
【文献】特開2019-154176(JP,A)
【文献】特開平02-212624(JP,A)
【文献】特表2003-511618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/057
H01M 8/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ圧縮機の軸(118)のための軸受装置(200)であって、前記ターボ圧縮機の軸(118)を回転可能に軸受けするために設計された少なくとも1つの水圧式軸受(120)を有しており、前記水圧式軸受(120)は、前記軸(118)の円周方向で該軸(118)を取り囲んでいて、それによって前記水圧式軸受(120)と前記軸(118)との間で軸受ギャップ(156)を形成しており、この場合、前記水圧式軸受(120)は、前記軸(118)を水圧式に軸受けするために、水が前記軸受ギャップ(156)を通って流れることができるように設計されており、
前記軸(118)に対して前記軸受ギャップ(156)をシールするために設計された2つのシールを有しており、前記2つのシールは、前記軸受ギャップ(156)の外側で、前記軸受(120)をシールするために前記ターボ圧縮機のガスで負荷されていて、
前記各シールがそれぞれ2つのシール部材(152,154)を有していて、これらのシール部材は、前記軸受(120)および前記軸(118)と共に中空室を形成しており、前記軸受(120)は、前記中空室を水タンク(130)と流体接続するために、前記2つのシール部材(152,154)間で開口を有している、ターボ圧縮機の軸(118)のための軸受装置(200)。
【請求項2】
前記2つのシールの外側に、前記各シールに対する中間室を有するそれぞれ1つのガスシールが配置されており、該ガスシールは、前記軸受ギャップ(156)を前記軸(118)に対してシールするために設計されており、前記水圧式軸受(120)は、前記中間室を用いて前記軸受ギャップ(156)の外側の前記各シールを前記ターボ圧縮機のガスで負荷するために設計されている、請求項1記載の軸受装置(200)。
【請求項3】
前記軸受ギャップ(156)は、この軸受ギャップ(156)に水を供給するために、前記水タンク(130)と流体接続されるように設計されている、請求項1または2記載の軸受装置(200)。
【請求項4】
前記水タンク(130)は、この水タンク(130)から水を前記軸受ギャップ(156)内にポンプ供給するためのポンプ(132)を有している、請求項記載の軸受装置(200)。
【請求項5】
前記水圧式軸受(120)が流体力学的な軸受であって、前記軸受ギャップ(156)のために水を自動的に吸い込むように設計されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の軸受装置(200)。
【請求項6】
請求項1からまでのいずれか1項記載の軸受装置(200)の使用法において、燃料電池システムの構成部材であるターボ圧縮機の軸(118)を軸受けするために使用する、軸受装置(200)の使用法。
【請求項7】
請求項1からまでのいずれか1項記載の軸受装置(200)を有するターボ圧縮機において、前記ターボ圧縮機が液体冷却回路(122)を有しており、軸受ギャップ(156)に流入および/または軸受ギャップ(156)から流出する水が、前記ターボ圧縮機の電気機械の熱を導出するために、前記液体冷却回路(122)を通ってガイドされる、ターボ圧縮機。
【請求項8】
燃料電池スタックのカソード循環路において、請求項記載のターボ圧縮機とカソード空気を湿らすための給湿機とを有しており、前記カソード循環路は、軸受装置(200)から流出した水を前記給湿機に供給するために設計されている、燃料電池スタックのカソード循環路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックのカソード循環路の構成部材であってよいターボ圧縮機の軸のための軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素をベースとした燃料電池は、将来のモビリティコンセプトのための基礎とみなされている。何故ならば、水素に基づく燃料電池は水だけを排出し、迅速な燃料充填時間を可能にするからである。例えばPEM-燃料電池(PEM、英語:“proton-exchange-membrane”「陽子交換膜」;roton-ustausch―embran)は、高い効率の電気エネルギを提供するために、燃料電池のカソードに供給された、酸素を含有する酸化剤としての空気、および燃料電池のアノードに供給された燃料としての水素によって、電気触媒式の電極プロセスで駆動され得る。
【0003】
このような燃料電池は、一般的に積層されていて燃料電池システム内で燃料電池スタックとして駆動される。燃料電池スタックのカソードに供給された空気はターボ圧縮機によって圧縮される。
【発明の概要】
【0004】
このようなターボ圧縮機の駆動軸の軸受は、転がり軸受または流体力学的な空気軸受によって実行される。転がり軸受は、高い摩擦および相応に短い耐用年数を有しているという欠点があり、また空気軸受は、高い精度を必要とするために製造が高価である。いずれの変化例も同様に、軸受内および/または電気機械内に発生する熱の導出が困難であるという欠点を有している。
【0005】
1態様によれば、ターボ圧縮機の軸のための軸受装置、軸受装置の使用法、ターボ圧縮機および、燃料電池スタックのカソード循環路が、前記課題の少なくとも一部を解決する独立請求項の特徴に従って提案される。好適な実施形態は、従属請求項並びに以下の説明の対象である。
【0006】
1態様に従って、ターボ圧縮機の軸を回転可能に軸受けするために設計された少なくとも1つの水圧式軸受を備えたターボ圧縮機の軸のための軸受装置が提案されており、この場合、水圧式軸受は、軸の円周方向で軸を取り囲んでいて、それによってこの水圧式軸受と軸との間で軸受ギャップを形成している。この場合、水圧式軸受は、軸を水圧式に軸受けするために、水が軸受ギャップを通って流れることができるように設計されている。この軸受装置は、軸に対して軸受ギャップをシールするために設計された2つのシールを有しており、これら2つのシールは、軸受ギャップの外側で、軸受をシールするためにターボ圧縮機のガスで負荷されている。
【0007】
このようなターボ圧縮機は、一般的に2つのターボ機械を有しており、これらのターボ機械は、1つの共通の軸に機械的に堅固に結合されていて、このような軸受装置を2つ有していてよい。空気に対して高い水の粘性によって、このような軸受装置内におけるこのような水圧式軸受の軸受精度は著しく低下し、同じ寸法で軸受の負荷能力は著しく高くなる。軸受内で発生する熱は、このような構造に起因して水と共に導出され、水は、電気機械の熱を導出するためにも使用され得る。特に好適には、燃料電池スタックのシステム内に配置されたターボ圧縮機は、水圧式軸受のために必要な水を、例えば燃料電池スタックから流出する空気流の凝縮によって容易に提供できる。それぞれのシールをターボ圧縮機のガスによって外側から負荷することによって、軸受装置のより高いシール性が得られる。この場合、ガスは好適な形式でこのようなシステム内で自動的に提供される。
【0008】
1態様に従って、各シールがそれぞれ2つのシール部材を有していて、これらのシール部材は、軸受および軸と共に中空室を形成しており、この場合、軸受は、中空室を水タンクと流体接続するために、2つのシール部材間で開口を有していることが提案される。これにより、軸受ギャップから軸受ギャップ内で隣接するシール部材を通過する水は、開口を通ってターボ圧縮機のガスの支援を受けて導出され、これによって軸受はより高いシール性を有することができる。これは追加的に、軸受ギャップに関連してさらに外側に位置するシール部材に作用する、ターボ圧縮機のガスによって支援される。言い換えれば、ターボ圧縮機の圧縮された空気はそれぞれ外側に位置するシール部材の外側に作用するので、外側に位置するシール部材を介して、空気は遮断媒体として、2つのシール間の中空室内に流入する。中空室はタンクに接続されており、このタンクは著しく低い圧力レベルにある。このような形式で、水が駆動機械の作業エアギャップの領域内に達することがないように、保証される。
【0009】
1態様に従って、2つのシールの外側に、各シールに対する中間室を有するそれぞれ1つのガスシールが配置されており、このガスシールは、軸受ギャップを軸に対してシールするために設計されており、水圧式軸受は、中間室を用いて軸受ギャップの外側のそれぞれのシールをターボ圧縮機のガスで負荷するために設計されているように提案される。このような、軸受ギャップに関連してシールの外側に配置されたガスシールにより、それぞれのシールをターボ圧縮機のガスで負荷することが特に効果的に実行され、場合によってはガス圧を上昇させることができる。
【0010】
1態様に従って、軸受ギャップは、この軸受ギャップに水を供給するために、水タンクと流体接続されるように設計されていることが提案される。軸受ギャップ内の水によって、水圧式軸受を備えた軸受装置を有する軸受は、回転可能に支承され得る。
【0011】
1態様に従って、水タンクは、この水タンクから水を軸受ギャップ内にポンプ供給するためのポンプを有していることが提案される。水圧式軸受が流体力学的な軸受として構成されていれば、このようなポンプは軸受ギャップ内で必要な圧力を生ぜしめる。水圧式軸受のために、このようなポンプは、例えばターボ圧縮機の摩耗の少ない始動のために使用され得る。何故ならば、このようなポンプによって初期圧力が提供され得るからである。
【0012】
1態様に従って、水圧式軸受が流体力学的な軸受であって、軸受ギャップのために水を自動的に吸い込むように設計されていることが提案される。好適な形式で、流体力学的な軸受は外からもたらされる水圧を必要としない。何故ならば、水を自動的にタンクから吸い込むことができるからである。この場合、流体力学的な軸受において、軸受の幾何学形状は特に偏心率に関連して適合される。
【0013】
1態様に従って、軸受装置から流出した水は、ターボ圧縮機によって燃料電池システムのカソードに供給される空気を湿らせるために用いられることが提案される。これによって、水が軸受装置の水圧式軸受および/または場合によってはターボ圧縮機の冷却水循環路を貫流した後で、水は燃料電池システムに再び供給され得る。
【0014】
1態様に従って、軸受装置から流出した水が、燃料電池システムの構成部材を冷却するために用いられることが提案される。ターボ圧縮機の他に、燃料電池システムの別の構成部材、例えば電子部品等からも熱を導出する必要があるので、水はそのために使用されてもよい。
【0015】
1態様に従って、流体力学的な軸受のための水が、燃料電池システムの凝縮水であることが提案される。このことはつまり、好適な形式で、例えば冷却目的を達成するために、水を一緒に運ぶ必要があるのではなく、水は燃料電池の運転中に発生される、ということを意味する。このために、このような燃料電池システムには、燃料電池スタックのカソード側の特にアウトレットに水分離機が設けられており、この場合、水分離機により分離された水は水タンクに供給されてよい。
【0016】
前記軸受装置のいずれか1つをターボ圧縮機の軸を軸受けするために使用する使用法が提案されており、この場合、ターボ圧縮機が燃料電池システムの構成部材である。以上記載した、このような燃料電池システムにおいて、運転中に水が発生されるので、このように軸受けされたターボ圧縮機がここでは特に好適に使用され得る。
【0017】
上記軸受装置を備えたターボ圧縮機が提案されており、この場合、ターボ圧縮機は液体冷却回路を有しており、軸受ギャップに流入および/または軸受ギャップから流出する水が、ターボ圧縮機の電気機械の熱を導出するために、液体冷却回路を通ってガイドされる。液圧式軸受のために必要な水は、軸受箇所への途中で電気機械の熱的に高負荷される構成部分を通ってガイドされ、これらの構成部分を冷却する。軸受箇所の間に駆動モータが取り付けられており、この駆動モータの構成部分は冷却されなければならない。液圧式軸受のために必要な水は、軸受箇所への途中で電気機械の熱的に高負荷される構成部分を通ってガイドされ、これらの構成部分を冷却する。
【0018】
上記ターボ圧縮機とカソード空気を湿らすための給湿機とを有する燃料電池スタックのカソード循環路が提案されており、この場合、カソード循環路は、軸受装置から流出した水を給湿機に供給するために設計されている。ターボ圧縮機の圧縮機から圧送される空気質量流量は、湿らされ冷却されなければならない。水圧式軸受から流出する水がこの課題を解決することができる。
【0019】
燃料電池スタックのカソード側に供給されるカソードガスは、燃料電池スタック内の燃料電池の電気触媒反応のための酸化剤を有しており、この場合、酸化剤は特に酸素若しくは空気であってよい。
【0020】
水分離機は、液滴状の水をカソードガスから分離するように設計され、また気体状の水を凝縮するようにも設計されている。水分離機は、特に凝縮器として構成されているか、または水分離機と凝縮器との組み合わせとして構成されていてもよい。したがって、水分離機の用語は、水分離機の概念もまた凝縮器の概念も含んでいる。このように構成された水分離機によって、様々な運転ポイントで運転される燃料電池スタックの生成水が分離され得る。特に流出したカソードガスが水で飽和されていない場合、完全に飽和されている場合、また追加的に例えば霧の形の水滴を含んでいるかまたはシステムのその他の箇所で既に凝縮水を含んでいる場合でも、この水は分離され得る。この場合、このような水分離機は、サイクロンおよび/または凝縮器を有していてよい。
【0021】
言い換えれば、水分離機は、燃料電池スタックの電極室からガス流を受け入れてガス流が水分離機を通る際にガス流から水を分離し、この際に、ガス流が燃料電池スタックの電極室から生成水を一緒に運ぶように設計されている。
【0022】
したがって、前記のように、生成水が燃料電池スタックの運転時に非常に多く発生し、別の目的のために使用することができる。
【0023】
1態様に従って、モバイルプラットフォームが、前記のように、軸受装置を備えたターボ圧縮機を有するように提案される。モバイルプラットフォームは、少なくとも部分的に自動化された可動なシステムおよび/または運転者支援システムであってよい。例えば少なくとも部分的に自動化された車両若しくは運転者支援システムを有する車両であってよい。つまり、これに関連して、少なくとも部分的に自動化されたシステムは、少なくとも部分的に自動化された機能性に関するモバイルプラットフォームを含んでいるが、モバイルプラットフォームは自動車およびその他の、運転者支援システムを含めた移動式機械も含んでいる。このような各システムは、完全にまたは部分的に自律的なシステムであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ターボ圧縮機を示す図である。
図2】ターボ圧縮機のための軸受装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の実施例を図1および図2を用いて詳しく説明する。
【0026】
図1は、水圧式軸受120、燃料電池スタック140のカソード側および水タンク130を備えたターボ圧縮機を有するシステム100を示す。ターボ圧縮機の電気機械の熱を導出するために、ターボ圧縮機は液体冷却回路122を有しており、この液体冷却回路122に、軸受ギャップに流入および/または軸受ギャップから流出する水が供給され得る。
【0027】
燃料電池スタック140のカソード側のインレット接続部に、ターボ圧縮機の圧縮機段112を介して空気142が供給され、燃料電池スタック140のカソード側のアウトレット接続部で、空気質量流量144がターボ圧縮機のタービン114を介してエネルギを再回収され得る。何故ならば、2つのタービン機械は1つの共通の軸118に配置されているからである。
【0028】
ターボ圧縮機の共通の軸118は、2つの水圧式軸受120で軸受けされている。2つの軸受の間に電気式駆動モータ110が配置されており、この電気式駆動モータ110の構成部材は運転中に熱を発生し、この熱は導出させなければならない。水は水タンク130からポンプ132によって流体透過性の接続管路134を介して水圧式軸受120に供給され得る。このポンプ132によって、流体静力学的な水圧式軸受120では、軸の周囲を取り囲む、軸受の軸受ギャップ内に圧力が形成され、それによってターボ圧縮機の軸118が回転可能に軸受けされる。軸受120内に流入する水は、軸受を貫流し、ターボ圧縮機に設けられた冷却用の液体冷却回路122を通って流れ、次いで、燃料電池スタックのカソード側140に供給された空気を供給部124によって供給するために使用され得る。この場合、この供給部124は、空気の供給部内で燃料電池スタックのカソード側41に配置された給湿機に水を供給することができる。ターボ圧縮機の液体冷却回路の通路は、軸受装置の吐出側に配置されていてもよい。水タンク130から取り出される、水圧式軸受のために使用される水は、燃料電池スタック140のカソード側のアウトレット接続部の空気質量流量144からの凝縮水を有していてよい。このために、この空気質量流量144内に凝縮器が配置されており、この凝縮水は流体透過性の管路136を介して水タンク130内にガイドされる。
【0029】
図2は、システム200内の軸受装置120の詳細を示し、このシステム200は、軸受装置120に並んで、ターボ圧縮機の軸118および水タンク130を有している。この場合、水タンク130の水は、流体透過性の接続管路134によって軸受ギャップ156内にガイドされ、ここで、流体力学的な軸受の場合には回転する軸118によって、または接続管路134内に配置されたポンプ132を用いて、ターボ圧縮機の軸118を軸受けするために必要な圧力を形成する。軸受ギャップ156を通ってガイドされた水は、前述のように、軸受ギャップ156の領域内で軸受の開口に接続された接続管路122を介して、カソード空気流142および/またはターボ圧縮機の液体冷却回路122に供給される。
【0030】
軸受ギャップ156は、それぞれ2つのシール部材152,154を有する2つのシールによってシールされている。この場合、軸受をシールするために、それぞれさらに外側に位置するシール部材154がターボ圧縮機のガスによって負荷される。軸118と共に中空室を形成するために、互いに間隔を有する2つのシール部材152,154間に開口が設けられており、この開口は、流体透過性の接続部158によってこの中空室内に場合によっては侵入した水を水タンク130内にガイドする。つまり、それぞれのシールの外側に位置するシール部材154がターボ圧縮機のガスによって負荷されるので、さらに内側に位置するシール部材152を通過する水は、2つのシール部材152,154間の中空室の開口を通って水タンク130内にガイドされる。これによって軸受装置の特に良好なシールが得られ、これは、水圧式軸受の水がタービン内に達しないようにして、液滴打撃を避けるために特に重要である。
【符号の説明】
【0031】
100 ターボ圧縮機を有するシステム
110 電気式駆動モータ
112 圧縮機段
114 タービン
118 共通の軸
120 水圧式軸受、軸受装置
122 液体冷却回路、接続管路
124 供給部
130 水タンク
132 ポンプ
134 接続管路
136 管路
140 燃料電池スタック、カソード側
142 空気、カソード空気流
144 空気質量流量
152,154 シール部材
156 軸受ギャップ
158 流体透過性の接続部
200 システム、軸受装置
図1
図2