(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】エアバッグアセンブリのための略完全囲壁
(51)【国際特許分類】
B60R 21/201 20110101AFI20240328BHJP
B60R 21/207 20060101ALI20240328BHJP
B60R 21/2165 20110101ALI20240328BHJP
【FI】
B60R21/201
B60R21/207
B60R21/2165
(21)【出願番号】P 2022554908
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 US2021017991
(87)【国際公開番号】W WO2021194656
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-09-12
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598122843
【氏名又は名称】オートリブ エー・エス・ピー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ディンズデール、チャールズ ポール
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、ドン ラリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィスコム、デレク ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スミス、アダム
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-081188(JP,A)
【文献】特開平11-043001(JP,A)
【文献】米国特許第05897134(US,A)
【文献】特開2000-095055(JP,A)
【文献】特開平09-220994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のシート(12)に取り付けられる膨張可能エアバッグアセンブリ(100)のカバー(110)であって、
前記膨張可能エアバッグアセンブリ(100)を前記車両(1)の前記シート(12)のシートフレーム(28)に取り付けるための取り付けパネル(120)と、
前記取り付けパネル(120)に結合され、外向き面を形成する側面パネル(112)と、
前記側面パネル(112)の縁部に連結された第1の端部(131)と、前記第1の端部と反対側の第2の端部(132)を有し、前記膨張可能エアバッグ(108)の少なくとも一部に巻き付いて解放可能に保持するための可撓性の閉鎖具(122)と、を備え、
前記取り付けパネル(120)と前記側面パネル(112)とは、前記膨張可能エアバッグ(108)
をパッケージ化された状態で前記シート(12)内に保持するための略完全囲壁(110)を形成し、
前記閉鎖具(122)の第2の端部(132)が、前記取り付けパネル(120)及び前記膨張可能エアバッグアセンブリ(100)のインフレータ(102)の取り付け構成要素(104、106)のうちの少なくとも1つに結合するように構成されている、ことを特徴とするカバー(110)。
【請求項2】
前記閉鎖具(122)の前記第1の端部(131)の近傍に、破断可能な領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカバー(110)。
【請求項3】
前記閉鎖具(122)の前記第2の端部(132)が、前記インフレータ(102)のスタッドボルトに連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカバー(110)。
【請求項4】
前記閉鎖具(122)の前記第2の端部(132)には、前記インフレータ(102)のスタッドボルトに連結される開口部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のカバー(110)。
【請求項5】
前記閉鎖具(122)が分離されて、前記側面パネル(112)が前記シート(12)に対して外側方向に関節連結することを可能にするように構成され、
前記側面パネル(112)の外向きの関節連結が、前記膨張可能エアバッグ(108)の展開を可能にする、請求項2~4のいずれか一項に記載のカバー(110)。
【請求項6】
前記側面パネル(112)と前記閉鎖具(122)とが、連続する材料からなる単一構成要素として形成されている、請求項2~5のいずれか一項に記載のカバー(110)。
【請求項7】
前記側面パネル(112)及び前記取り付けパネル(120)が、連続する材料からなる単一構成要素として形成され、
前記側面パネル(112)は、前記連続する材料の可撓性折り目(114f)で前記取り付けパネル(120)に結合し、前記可撓性折り目(114f)は、前記側面パネル(112)が前記取り付けパネル(120)から離れて外向きに関節連結することを可能とするように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のカバー(110)。
【請求項8】
前記側面パネル(112)と前記取り付けパネル(120)との間を結合するための後面パネル(116)をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のカバー(110)。
【請求項9】
前記後面パネル(116)と前記取り付けパネル(120)とが、連続する材料からなる単一構成要素として形成されている、請求項8に記載のカバー(110)。
【請求項10】
前記後面パネル(116)と前記側面パネル(112)とが、連続する材料からなる単一構成要素として形成されている、請求項8又は9に記載のカバー(110)。
【請求項11】
前記側面パネル(112)と後面パネル(116)との間の前記連続する材料の可撓性折り目(114f)が、前記取り付けパネル(120)から離れる前記側面パネル(112)の外向きの関節連結を可能にする、請求項10に記載のカバー(110)。
【請求項12】
前記カバー(110)が、前記膨張可能エアバッグ(108)及びインフレータ(102)を備える膨張可能エアバッグモジュール(101)を備える膨張可能エアバッグアセンブリ(100)を覆うように構成され、
前記取り付けパネル(120)と前記側面パネル(112)とが、前記膨張可能エアバッグモジュールを前記シート(12)内に支持するための略完全囲壁(110)を形成する、請求項1~11のいずれか一項に記載のカバー(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、自動車保護システムの分野に関する。より具体的には、本開示は、サイドエアバッグアセンブリなどのエアバッグアセンブリに関し、さらに具体的には、衝突事象に応答して展開するように構成されたサイドエアバッグアセンブリのためのカバー(又は囲壁)及び取り付けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
衝突事象中に乗員を保護するための保護システムが車両に設置されている。いくつかの保護システムは、膨張可能サイドエアバッグを含む。いくつかの保護システムは、1つ以上の欠点を有する、又は1つ以上の点で最適には機能し得ない可能性がある。本明細書に開示される特定の実施形態は、これらの問題のうちの1つ以上に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本実施形態は、添付の図面と併せて、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになる。添付の図面が、典型的な実施形態のみを示し、したがって本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことを理解した上で、実施形態について、添付の図面を参照して、具体的に詳細に記載及び説明する。
【0004】
【
図1】本開示の一実施形態による、かつ部分的に組み立てられた状態にある、膨張可能サイドエアバッグアセンブリの少なくとも一部分の側面図である。
【
図2A】実質上組み立てられた状態にある
図1の膨張可能サイドエアバッグアセンブリの側面図である。
【
図2B】車両の一部分に取り付けられた
図1及び
図2Aの膨張可能サイドエアバッグアセンブリの上面図である。
【
図2C】車両の一部分に取り付けられた
図1及び
図2Aの膨張可能サイドエアバッグアセンブリの上面図である。
【
図3】本開示の実施形態による膨張可能サイドエアバッグアセンブリを有する車両の一部分の側面図である。
【
図4】車両の一部分及び
図1~
図3の膨張可能サイドエアバッグアセンブリの側面図である。
【
図5】膨張可能エアバッグクッションが展開され、少なくとも部分的に膨張した、
図1~
図4の膨張可能サイドエアバッグアセンブリを有する車両の一部分の側面図である。
【
図6】放物線状パネルを有する、本開示の実施形態による、膨張可能サイドエアバッグアセンブリの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書に概して記載及び図示されている実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成において配置及び設計され得ることが容易に理解されよう。よって、図示されている様々な実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求されている本開示の範囲を限定することは意図されておらず、単に様々な実施形態を示す。実施形態の様々な態様が図面に示されているが、図面は、具体的に示されない限り、必ずしも縮尺とおりに示されていない。
【0006】
膨張可能エアバッグアセンブリなどの乗員保護システムは、衝突事象中の乗員の損傷を低減する又は最小にするために、車両内の様々な場所に設置され得る。膨張可能なエアバッグアセンブリは、衝突事象中に乗員の損傷を低減する又は最小にするために広く使用されている。エアバッグモジュールは、車両内の様々な場所に設置されており、ステアリングホイール内、ダッシュボード及び/又はインストルメントパネル内、サイドドア内、シート内又はシートに隣接して、車両のルーフレールに隣接して、頭上位置、又は膝若しくは脚位置に設置され得るが、これらに限定されない。膨張可能エアバッグアセンブリのための囲壁は、車両内での設置場所を決定づけ得る又は限定し得ると共に、膨張可能エアバッグアセンブリの製造コストと膨張可能エアバッグアセンブリの設置コストのいずれか又は両方に影響を与え得る。以下の開示では、「エアバッグ」は、一般に、衝突事象中に乗員を保護するために展開する膨張可能エアバッグを指す。
【0007】
本開示は、斜め側面衝突事象を含む、側面衝突事象中に乗員を保護するために展開するように構成されたサイドエアバッグアセンブリに関する。より具体的には、本発明は、サイドエアバッグアセンブリをパッケージ化された状態で覆うこと又は囲むこと、及びサイドエアバッグアセンブリを車両に取り付けることに関する。サイドエアバッグアセンブリ用の囲壁又はカバーは、側面衝突事象又は斜め側面衝突事象中のサイドエアバッグアセンブリの適切な機能を確保するために、サイドエアバッグアセンブリが車両に設置され得る場所に大幅な影響を及ぼし得る、又は車両の上を覆う若しくは隣接する構成要素を設計する際に特定の考慮を必要とし得る。
【0008】
取り付け時には、エアバッグは、典型的には、パッケージ化された状態で(例えば、巻かれた状態で、折り畳まれた状態で、及び/又は、他のやり方で圧縮された状態で)、すなわち、コンパクトな構成で、ハウジングの内部に配置され、カバーの背後にパッケージ化された状態で保持され得る。衝突事象中に、インフレータがトリガされ、これにより、エアバッグが膨張ガスで急速に充填される。エアバッグは、パッケージ化された状態(例えば、コンパクトな構成)から、展開状態又は拡張構成へ急速に移行することができる。例えば、膨張するエアバッグは、エアバッグカバーを開放することにより(例えば、破裂シームを引き裂くことにより、あるいは、ドア状構造体を開放することにより)、ハウジングから飛び出すことができる。インフレータは、任意の好適なデバイス又はシステムによってトリガされてもよく、トリガは、1つ以上の車両センサへの応答であってもよく、及び/又は1つ以上の車両センサによって影響されてもよい。エアバッグアセンブリは、車両内の構造体(例えば、ダッシュボード及びドアコラムなど)に対する乗員の衝突(身体-構造体衝突)の影響を低減することによって、衝突事象中の車両の乗員への損傷を軽減することができる。
【0009】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、改善された位置決め、保護、及び/又は安全性を、特定のタイプの衝突に巻き込まれた乗員に提供することができる。ある実施形態が有利となり得る衝突のタイプの例としては、(1)ぶつかった物体が、乗員の車両の構造的長手方向構成要素及び/又はエンジンブロックにかみ合わない衝突、(2)衝撃力が乗員の車両の左長手方向ビーム又は右長手方向ビームのいずれかの外側に主に作用する衝突、(3)FLEE又はFREE等の衝突変形分類(Collision Deformation Classification)スキームで分類される衝突、(4)乗員の車両が車両幅の25%未満でぶつかる前面衝撃衝突、(5)米国道路安全保険協会(Insurance Institute for Highway Safety,IIHS)のスモールオーバーラップ前突試験について規定されている衝突、又は(6)米国運輸省道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration,NHTSA)の斜め衝撃試験について規定されている衝突のうちの1つ以上が挙げられる。IIHSのスモールオーバーラップ前突試験、及びNHTSAの斜め衝撃試験についての条件は、Insurance Institute for Highway Safety,Small Overlap Frontal Crashworthiness Evaluation Crash Test Protocol(Version II)(2012年12月)、及びSaunders,J.,Craig,M.,and Parent,D.,Moving Deformable Barrier Test Procedure for Evaluating Small Overlap/Oblique Crashes,SAE Int.J.Commer.Veh.5(1):5(1):172~195(2012)に開示されている。本明細書で使用されるとき、衝突(衝突(crash)、衝撃など)を説明するために使用される「斜め」という用語は、前述の衝突のいずれか、及び衝撃の結果としての乗員の移動方向が前方方向又は成分と側方方向又は成分との両方を含む任意の他の衝突を包含することが意図されている。本開示では、斜め衝突中又は斜め衝突後の乗員の衝突後軌道の長手方向成分は、車両前方方向に向けられ得る。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態による、かつ部分的に組み立てられた状態にある、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100の少なくとも一部分の平面図である。膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100は、インフレータ102、膨張可能エアバッグクッション108、及びカバー(以下、「略完全囲壁」)110を備える。膨張可能エアバッグクッション108及びインフレータ102のうちの1つ以上は、少なくとも部分的に、略完全囲壁110によって囲まれる膨張可能エアバッグモジュール101を画定し得る。略完全囲壁110は、側面パネル112、後面パネル116、取り付けパネル120、及び閉鎖具122を含む。略完全囲壁110は、側面パネル112、後面パネル116、及び取り付けパネル120が、これらの要素の相対的な相互関係を示すために平坦に(例えば、同じ平面内に)置かれた平面図で示される。これに対して、以下で説明する
図2A、
図2B、及び
図2Cは、これらの要素の互いに対する向きをより完全に示す。第1の結合部114は、側面パネル112と後面パネル116との間を結合する。第2の結合部118は、後面パネル116と取り付けパネル120との間を結合する。第3の結合部124は、側面パネル112と閉鎖具122との間を結合する。
【0011】
本実施形態において、閉鎖具122は、その側面が略「U」(ボウル123bとは反対側のカウンタ123aを含む)の形状を有するパネルによって画定される。「U」形状のボウル123bは、閉鎖具122の遠位端132を画定する。一実施形態では、遠位端132は、さらにタブ132tによって画定されることができ、タブ132tは、略完全囲壁110、インフレータ102、及び膨張可能エアバッグクッション108を一体に組み立てることを容易にするために使用され得る。第3の結合部124は、(「U」形状カウンタ123a(開放部分)によって画定される)第1の端部131を側面パネル112に結合し、それによって、カウンタ123aが側面パネル112に当接し、ボウル123bが側面パネル112から遠位となる。一実施形態では、閉鎖具122は、カウンタ123aがなく、遠位端132とは反対側に第1の端部131を有するパネルであり得る。一実施形態では、遠位端132は、
図1に示されるボウル123bよりも多少丸みを帯びていてもよい。閉鎖具122は犠牲破壊点(sacrificial fail point)126を備えることができ、犠牲破壊点126は、膨張可能エアバッグクッション108の展開中に、閉鎖部122を側面パネル112から、第3の結合部124において又はその近くで、破裂、破断、又は他の方法で分離するように構成される。非限定的な例として、犠牲破壊点126は、穿孔列、脆弱化刻印(weakening impressment)の適用、特定のバイアス布の使用、又は任意の他の適切な手段で形成され得る。犠牲破壊点126は、第3の結合部124において又はその近位に配置され得、第3の結合部124に概ね平行である。犠牲破壊点126は、概して、犠牲破壊点126が配置された閉鎖部122の部分(単数又は複数)の端から端に及ぶ。
【0012】
閉鎖具122は、パッケージ化された状態の膨張可能エアバッグクッション108の少なくとも一部分の周りの可撓性の包囲物として機能し得る。閉鎖具122は、膨張可能エアバッグクッション108を側面パネル112及び取り付けパネル120のうちの少なくとも1つに解放可能に固定するように構成され得る。換言すれば、閉鎖具122は、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100が展開されるまでの間、膨張可能エアバッグクッション108の周囲を包囲して、膨張可能エアバッグクッション108を側面パネル112と取り付けパネル120との間に保持し、かつ少なくとも部分的にその間に保持することができる。閉鎖具122は、犠牲破壊点126で分離して、膨張可能エアバッグクッション108の展開を可能にするように構成され得る。第1の結合部114及び/又は第2の結合部118は、側面パネル112が取り付けパネル120から離れて外向きに関節連結することを可能とするように構成された可撓性折り目を備え得る。
【0013】
一実施形態では、側面パネル112、後面パネル116、取り付けパネル120、及び閉鎖具122は、連続する材料から一体構成要素として形成され得る。そのような実施形態では、第1、第2、及び第3の結合部114、118、124は、折り畳み、曲げ、刻印、又は任意の他の適切な方法によって形成され得る。一実施形態では、パネル112、116、120又は閉鎖具122のうちの1つ以上が第1の材料で形成され、かつパネル112、116、120又は閉鎖具122のうちの1つ以上が第2の材料で形成され得る。例えば、側面パネル112、後面パネル116、及び取り付けパネル120が第1の材料で形成されてもよく、閉鎖具122は第2の材料で形成されてもよい。そのような実施形態では、第1及び第2の結合部114、118が、折り畳み、曲げ、刻印などによって形成されてもよく、第3の結合部124は、縫製、接着剤、無線周波数(RF)溶接、又は別の適切な方法によって形成されてもよい。別の実施形態では、側面パネル112及び閉鎖具122が第1の材料で形成されてもよく、後面パネル116及び取り付けパネル120は第2の材料で形成されてもよい。さらに他の実施形態では、側面パネル112、後面パネル116、取り付けパネル120、及び閉鎖部122の各々について、第1の材料源と第2の材料源の他の組み合わせが、本開示によって予期される。さらに、第1、第2、及び第3の結合部114、118、124の各々は、特定の結合部114、118、124によって結合された2つのパネル/閉鎖部が同じ材料で形成されているか、又は異種材料で形成されているかに関係なく、切断、縫合、接着剤、RF溶接、又は別の好適な方法によって形成され得る。さらに、材料は、好ましい程度の剛性、可撓性、又は柔軟性を提供するため、パネル112、116、120及び閉鎖具122のそれぞれについて選択されてもよい。言い換えれば、パネル112、116、120それぞれが、剛性、可撓性、及び柔軟性が他と異なることを示す性質を有することができ、閉鎖具122は、パネル112、116、120のいずれかの剛性、可撓性、及び柔軟性と同様の程度の剛性、可撓性、及び柔軟性を有し得る、又はより可撓性若しくは柔軟、又はその両方であり得る。一実施形態では、例えば、取り付けパネル120は、後面パネル116、側面パネル112、及び閉鎖具122のうちの1つ以上よりも剛性であり得る。一実施形態では、閉鎖具122は、パネル112、116、120のうちの1つ以上よりも剛性であり得る。
【0014】
さらに、材料の厚さは、パネル112、116、120及び閉鎖具122の間で異なり得る。一実施形態では、全てのパネル112、116、120及び閉鎖具122は、同じ材料で形成され、1つ以上のパネルは、材料のより厚い一例を用いることができる。非限定的な例として、取り付けパネル120及び後面パネル116は、厚さXを有する材料Aで形成されることができ、側面パネル112及び閉鎖具122は、同様に材料Aで形成されるが厚さYを有してもよく、あるいは閉鎖具122の材料Aは厚さZを有してもよい。同様に、非限定的な例として、取り付けパネル120が厚さMを有する材料Aで形成され、後面パネル116は厚さNを有する材料Aで形成され、側面パネル112は厚さPを有する材料Bで形成され、閉鎖具122は厚さQを有する材料Bで形成されてもよい。材料と厚さの他の組み合わせが本開示によって予期される。そのような各組み合わせは、特定の用途において適切であり得るように、各パネル112、116、120及び閉鎖具122の目的を達成するために最小量の材料を使用しながら、特定のパネル112、116、120及び閉鎖具122に特定の程度の剛性を提供するのに役立ち得る。
【0015】
図1に示す実施形態では、インフレータ102は、第1のインフレータスタッド104及び第2のインフレータスタッド106を備える。インフレータスタッド104、106は、取り付け構成要素と呼ばれ得る又は取り付け構成要素として知られ得る。第1及び第2のインフレータスタッド104、106は、インフレータ102を車両(例えば、
図3の車両1)に取り付けるように構成され得る。取り付けパネル120は、第1のインフレータスタッドアパーチャ134及び第2のインフレータスタッドアパーチャ136を備える。閉鎖具122もまた、第1のインフレータスタッドアパーチャ128及び第2のインフレータスタッドアパーチャ130を備える。インフレータ102は略完全囲壁110に、インフレータスタッド104を取り付けパネル120の第1のインフレータスタッドアパーチャ134を通して結合し、かつインフレータスタッド106を取り付けパネル120の第2のインフレータスタッドアパーチャ136を通して結合することによって、嵌合すること109ができる。取り付けパネル120は、インフレータ102の一部に当接するように構成されたスペーサ138をさらに備え、インフレータ102と取り付けパネル120とが互いに対して適切に配置されることを支援する。
【0016】
略完全囲壁110のインフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108との組み立ては、インフレータ102を先に説明したように取り付けパネル120に結合することによって、かつ、膨張可能エアバッグクッション108が
図1に示されるように隣接して配置されている、又は同様に配置されている状態で達成することができる。略完全囲壁110は、第2の結合部118において(ページから
図1の視認者に対して)上方に向かって関節連結され得、それによって、後面パネル116は、取り付けパネル120に実質的に直交する。略完全囲壁110は、第1の結合部114においてさらに関節連結され得、それによって、側面パネル112は、後面パネル116と実質的に直交し、かつ取り付けパネル120に実質的に平行であると同時に、結合されたインフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108を覆っている。略完全囲壁110は、第3の結合部124においてさらに関節連結され得、それによって、閉鎖具122は、膨張可能エアバッグクッション108の外側側方部分108aを越えて引っ張られて、膨張可能エアバッグクッション108の前方部分108bに巻き付けられ、そして、膨張可能エアバッグクッション108の内側側方部分108c及びインフレータ102を越えて引っ張られて、インフレータスタッド104、106における2つのインフレータスタッドアパーチャ128、130の結合をそれぞれ可能とする。閉鎖具122と、インフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108との嵌合109に関して、「外側側方部分」は、膨張可能エアバッグクッション108の展開方向に配置された膨張可能エアバッグクッション108の一部分を指し、「内側側方部分」は、膨張可能エアバッグクッション108の「外側側方部分」とは反対側の部分を指す。インフレータ102、膨張可能エアバッグクッション108及び略完全囲壁110が一体に嵌合109した状態において、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100は、車両への取り付け準備が実質的に整っている。
【0017】
図2Aは、実質上組み立てられた状態にある
図1の膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100の側面図である。インフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108は、カバー又は略完全囲壁110内でパッケージ化された状態にある。
図2Aにおいて見る取り付けパネル120は、
図1で見た位置と同じ位置にある。略完全囲壁110は、前述したような方法でインフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108と嵌合109して示されている。側面パネル112は可視であり、閉鎖具122の一部分及び閉鎖具122の遠位端132が示されている。第1のインフレータスタッド104は、取り付けパネル120の第1のインフレータスタッドアパーチャ134及び閉鎖具122の第1のインフレータスタッドアパーチャ128を貫通して配置されている。第2のインフレータスタッド106は、取り付けパネル120の第2のインフレータスタッドアパーチャ136及び閉鎖具122の第2のインフレータスタッドアパーチャ130を貫通して配置されている。
図2Aに示されるように、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100は、カバー又は略完全囲壁110によってパッケージ化されたかつ/又は保護された、車両に設置する準備が整った状態であり得る。
【0018】
図2Aに示されるように、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100は、車両のシートへ設置(例えば、取り付け)されるための準備が実質的に整った状態であり得る。インフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108は、略完全囲壁110内にある。略完全囲壁110が、インフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108に完全に嵌合109(
図1参照)された状態で、インフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108は両方とも部分的に覆われているだけである。しかしながら、衝突事象などの事象の発生により略完全囲壁110からの膨張可能エアバッグクッション108の展開が開始されるまでの間、インフレータ102と膨張可能エアバッグクッション108とは、車両への設置の間及び車両の動作中、略完全囲壁110によって互いに固定的に結合され得る。
【0019】
図2Bは、車両の一部分に取り付けられた
図1及び
図2Aの膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100の上面図である。インフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108は、参照のために示されており、カバー又は略完全囲壁110内にある。略完全囲壁110は、側面パネル112、後面パネル116、取り付けパネル120、及び閉鎖具122が、インフレータ102及び膨張可能エアバッグアセンブリ108の周りに巻き付けられた状態で示されている。犠牲破壊点126は、側面パネル112の縁部の近くに配置される。すなわち、犠牲破壊点126は、第3の結合部124に隣接している。
図2Bの実施形態では、第1の結合部114は、側面パネル112と後面パネル116と互いに直交(又は略直交)するように配置される曲げ又は折り目である、可撓性折り目114fを画定することができる。
図2Bの実施形態では、インフレータ102の略完全囲壁110への嵌合中に、第1のインフレータスタッド104が最初に取り付けパネル120に嵌合され、次いで、閉鎖具122が第1のインフレータスタッド104に嵌合された。第2のインフレータスタッド(
図1の第2のインフレータスタッド106を参照)もまた、取り付けパネル120と閉鎖具122にそれぞれ嵌合された。次いで、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100は、車両の一部分に取り付けられ得る。本例では、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100は、第1のインフレータスタッド104の一部分及び第2のインフレータスタッド106をフレーム28の対応するアパーチャに通すことによって、車両のシートのフレーム28(
図3のシート12及び車両1を参照)に取り付けることができる。取り付けナット105が第1及び第2のインフレータスタッド104、106の各々に適用されて、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100を車両1に固定する。インフレータ102から取り付けナット105への順序で列記すると、構成要素の順序は、最初に、スペーサ138を有するインフレータ102、取り付けパネル120、閉鎖部122、フレーム28、そして取り付けナット105である。
【0020】
後面パネル116が膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100の展開中ずっとフレーム28に結合されたままであるように構成された状態で、後面パネル116と側面パネル112とは、展開中に互いに結合されたままであるように構成されてもよい。閉鎖部122の第1の部分が側面パネル112に結合されたままであり、かつ閉鎖具122の第2の部分はインフレータ102のスタッドに係合された閉鎖具122のインフレータスタッドアパーチャを介して膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100に結合されたままである状態(
図1及び
図2Aのインフレータスタッドアパーチャ128、130及びインフレータスタッド104、106を参照)で、閉鎖具122は、展開中に犠牲破壊点126で分離するように構成されてもよい。
【0021】
図2Cは、車両の一部分に取り付けられた
図1及び
図2Aの膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100の上面図である。インフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108は、参照のために示されており、カバー又は略完全囲壁110内にある。略完全囲壁110は、側面パネル112、後面パネル116、取り付けパネル120、及び閉鎖具122が、インフレータ102及び膨張可能エアバッグクッション108の周りに巻き付けられた状態で示されている。
図2Cの実施形態では、シート12のフレーム28に取り付けられる前に、インフレータ102がまず閉鎖具122に、次いで取り付けパネル120に嵌合109されるという点を除き、インフレータ102は、
図2Bに関して説明されたのと同様の方法で略完全囲壁110に嵌合109される。したがって、インフレータ102から取り付けナット105まで列記すると、構成要素の順序は、スペーサ138を有するインフレータ102、次いで閉鎖具122、取り付けパネル120、及び取り付けナット105である。取り付けナット105は、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100を車両1のシート12のフレーム28に取り付けるために、第1のインフレータスタッド104に取り付けられることができる。
図2Cの実施形態では、閉鎖具122の犠牲破壊点126は、第3の結合部124から一定距離離れて配置される。
【0022】
図3は、本開示の実施形態による膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100を有する車両1の一部分の側面図である。車両1は、シート12によって画定される車両乗員位置10を備える。車両乗員位置10は、車両1の通常動作(例えば、移動中、駐車中など)の間、車両1の乗員50に対応するように構成され得る。車両乗員位置10は、車両乗員位置10を画定するシート12に着座した乗員50に対応するように構成され得る。シート12は、例えば、シートベース14と、乗員50に対応するように構成されたシートバック20と、を備える。シートバック20は、
図1~
図2Cの膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100などの膨張可能サイドエアバッグアセンブリを受容するための空隙23を備え得る。
図3の右側には、参照の便宜と方向修正のため、かつ車両1のシート12に設置された膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100に対応して拡大された膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100が示されている。略完全囲壁体110が、視認者に向けられた側面パネル112ならびに、インフレータ102及びパッケージ化された状態の膨張可能エアバッグクッション108と共に示されている。矢印は、シート12への膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100の位置決めを示す。側面パネル112は、(
図1に関連して論じたように)一定程度の剛性及び一定程度の弾性を有する材料をからなる外向き表面を画定又は提供するように構成され得る。言い換えれば、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100は、側面パネル112が外向き(
図3の視認者に向かって)の状態でシート12に配置され得る。
【0023】
シート12は、現在の説明の便宜上、断面図で示されている。設置された膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100が、参照のため、インフレータ102、パッケージ化された状態の膨張可能エアバッグクッション108、及び略完全囲壁110(特に側面パネル112)と共に示されている。シートバック20は、発泡充填材22、又は別の材料の充填材22を含み得る。充填材22は、フレーム28の一部分に隣接して配置された、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100を収容するための空隙23を画定する又は他の方法で備え得る。シートバック20は、乗員50を支持するように構成され得るシートバックバネ24をさらに備える。シートバック20はまた、シートバック20、シートバック20の様々な構成要素、及び乗員50を支持するためのフレーム28を備える。シートバック20は、目的に適したシートカバー26で覆われ得る。
図3の場合、シートカバー26は、シートバック20の視認者に面する部分からは省略されている。膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100がシートバック20に取り付けられた又は他の方法で設置された状態で、側面パネル112は、シート12の外側側方面に面して設置され、シート12内の空隙23を覆うことができる。言い換えれば、側面パネル112は、シートカバー26の一部分の内側表面に面し、かつこれを支持し、それによって、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ112の存在の視覚的検出が緩和、低減、又は排除される。さらに、側面パネル112は、取り付けパネル(
図1~
図2Cの取り付けパネル120を参照)から離れて外向きに少なくとも部分的に関節連結して、膨張可能エアバッグクッション108をシートバック20内の空隙23から展開可能とするように構成され得る。
【0024】
図3に関連する説明は、車両1の左側シート12(及び運転席12)に向けられているが、本開示は、本明細書に記載の膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100が、同様に右側シートと共に使用され得ることを予期する。より具体的には、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100は、シート12の右側又はシート12の左側のいずれかに配置され得る。
【0025】
図4は、
図1~3の車両1及び膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100の一部分の側面図である。乗員50が、車両着座位置10を画定するシート12に着座している。シートベース14は、参照のために図示されている。
図4では、シートカバー26はシートバック20を覆っている。膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100は、上述のようにフレーム(
図3のフレーム28を参照)に取り付けることによってシートバック20の空隙23に設置される。シートカバー26は、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100を覆う重なり部分30を備える。重なり部分30は、犠牲破壊ゾーン32を含む又はそれによって囲まれ得る。犠牲破壊ゾーン32は、膨張可能エアバッグクッションの展開を可能にするように構成され得る(
図1~
図3の膨張可能エアバッグクッション108を参照)。非限定的な例として、重なり部分30は、破裂、分離、又は他の方法で下にある膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100を露出させるように構成され得る。重なり部分30は、膨張可能エアバッグクッション108が展開され得るように、例えば、バイアス裁ちされた又は穿孔構成された材料で形成されることができ、それにより、破裂又は当該技術分野で知られている別の手段で重なり部分30を破裂又は破断可能とすることができる。重なり部分30は、犠牲破壊ゾーン32によって囲まれ又は部分的に囲まれてもよい。犠牲破壊ゾーン32は、テアシーム、一連の穿孔、バイアス布、又は当該技術分野で知られている別の手段で構成されてもよく、それによって、膨張可能エアバッグクッション108が重なり部分30の下側に適切な程度の力を及ぼすと犠牲破壊ゾーン32が分離することができ、それによって、膨張可能エアバッグクッション108が、シートカバー26を通って展開することが可能となる。
【0026】
図5は、膨張可能エアバッグクッション108が展開され、少なくとも部分的に膨張した、
図1~
図4の膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100を有する車両1の一部分の側面図である。車両乗員位置10、シート12、シートベース14、シートバック20、及び乗員50は、参照のために示されている。例えば衝突事象などの事象によってインフレータ(
図1~3のインフレータ102を参照)がトリガされ、それによって膨張可能エアバッグクッション108が少なくとも部分的に膨張かつ展開した。インフレータ102から膨張可能エアバッグクッション108への膨張ガスの導入の結果、膨張可能エアバッグクッション108が拡張して、略完全囲壁に対して、犠牲破壊点(
図1の略完全囲壁110の犠牲破壊点126を参照)を破壊させるために十分な力を及ぼし、シートカバー26の重なり部分30に対して、犠牲破壊ゾーン32を破壊させるために十分な力を及ぼし、乗員50と車両1の側部(例えば、ドア、ドアポストなど)との間の領域を占めて、乗員50の損傷を防止又は低減させた。
【0027】
衝突事象などの事象は、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100からの膨張可能エアバッグクッション108の展開をトリガし得る。より具体的には、事象は、インフレータ(
図1~
図3のインフレータ102を参照)をトリガして、膨張可能エアバッグクッション108を膨張させることができる。インフレータは、膨張可能エアバッグクッション108に膨張ガスを送達して、膨張可能エアバッグクッション108を展開かつ膨張させ、トリガ事象から生じる損傷から乗員50を少なくとも部分的に保護することができる。膨張可能エアバッグクッション108が膨張し始めると、膨張可能エアバッグクッション108は、略完全囲壁に対して力を及ぼし得る(
図1~3の略完全囲壁110を参照)。略完全囲壁に対して及ぼされる力は、閉鎖部の犠牲破壊点(
図1の犠牲破壊点126並びに
図1及び
図2Aの閉鎖部122を参照)の破壊を引き起こし得る。膨張可能エアバッグクッション108が膨張し続けるにつれて、膨張可能エアバッグクッション108は、シートカバー26の重なり部分30の内側表面に対して力を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、膨張する膨張可能エアバッグクッション108によって重なり部分30に対して及ぼされる力は、犠牲破壊ゾーン32を破壊させ又はシートカバー26から分離させることができ、シートカバー26の重なり部分30が、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100を少なくとも部分的に露出させることを可能とし、それによって、膨張可能エアバッグクッション108がシートカバー26を通って展開することを可能とし得る。いくつかの実施形態では、シートカバーの重なり部分30に対して及ぼされる力は、シートカバー26の重なり部分30を破断、破壊させ、又は他の方法で分離させて、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ100を少なくとも部分的に露出させ、それによって、膨張可能エアバッグクッション108がシートカバー26を通って展開することを可能とし得る。
【0028】
図6は、特定の点で上述の膨張可能エアバッグアセンブリ100に類似する膨張可能エアバッグアセンブリ600の実施形態を示す。したがって、同様の特徴は、「6」に増分された先頭の桁で同様の参照番号により示されている。例えば、
図6に示す実施形態は、いくつかの点で
図1~
図3のインフレータ102に類似し得るインフレータ602を含む。よって、同様に識別される特徴に関する上述の関連する開示は、以下に繰り返されないことがある。さらに、
図1~
図5に示す膨張可能エアバッグアセンブリ100及び関連の構成要素の具体的な特徴は、図面内の参照番号によって図示若しくは識別されない、又は以下の説明において具体的に説明されていないことがある。しかしながら、このような特徴は、他の実施形態で図示されているかつ/又はこのような実施形態に関して説明されている特徴と明らかに同じ又は実質的に同じであり得る。したがって、このような特徴の関連性のある説明は、
図6に示す膨張可能エアバッグアセンブリ600及び関連の構成要素の特徴に同等に当てはまる。膨張可能エアバッグアセンブリ100に関して説明された特徴の任意の好適な組み合わせ及びその変形形態は、
図6の膨張可能エアバッグアセンブリ600及び関連の構成要素と共に採用されてもよく、逆もまた同様である。開示のこのパターンは、先頭の桁がさらに増分され得る、後続の図に示し以下に説明するさらなる実施形態に同等に当てはまる。
【0029】
図6は、本開示の実施形態による、かつ放物線状パネル611を有する、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ600の上面図である。シートバックのフレーム28(
図3~
図5のシートバック20を参照)、インフレータ602、及びパッケージ化された状態の膨張可能エアバッグクッション608は、参照のために示されている。
図6の実施形態では、略完全囲壁610は、放物線状パネル611、取り付けパネル620、及び閉鎖部622を含む。閉鎖具622の犠牲破壊点626は、参照のために示されている。放物線状パネル611は、側面部612と後部616とを備える。側面部612は、多くの点で
図1~
図3の側面パネル112と同様であり得る。後部616は、多くの点で
図1~
図3の後面パネル116と同様であり得る。放物線状パネル611は、後部616と側面部612との間に配置された湾曲部614をさらに備える。
【0030】
一実施形態では、放物線状パネル611は、全体を通して一般に均一な程度の弾性及び/又は可塑性を有する単一の連続する構成要素として形成され得る。一実施形態では、放物線状パネル611は、複数の材料で形成され得、一般に、均一又は様々な程度の弾性及び/若しくは可塑性を有し得る。放物線状パネル611の湾曲部614は、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ600の作動時に、(膨張可能エアバッグクッション608の拡張によって引き起こされる)犠牲破壊点626の破壊が側面部612に、少なくとも部分的にバネのような方法で外向きに関節連結することを可能にし得る程度の可塑性を可能にし得る。さらに、放物線状パネル611は、膨張可能サイドエアバッグアセンブリ600の存在の目に見える表示(「リードスルー」と呼ばれることもある)を回避するために、シートカバーの重なり部分にある程度の支持を提供するように構成され得る(
図4及び
図5のシートカバー26の重なり部分30を参照)。
【0031】
本開示では、膨張可能サイドエアバッグアセンブリを参照する。しかしながら、これは、本開示の便宜のためであり、限定するものではない。開示された略完全囲壁の実施形態は、車両の様々な場所に設置される膨張可能エアバッグシステムと共に使用されてもよく、膨張可能エアバッグシステムが、一般的にシートカバーと同様の一般的に柔らかい又は柔軟な被覆の後ろ又は下に設置されるとき特に有用である。例えば、略完全囲壁の実施形態は、車両の天井材の後ろに設置される膨張可能エアバッグシステムと共に使用されてもよく、又は、別の車両乗員位置の前方に配置された車両乗員位置のシートのシートカバーの後ろに設置される膨張可能前方エアバッグシステム(例えば、後部シートの乗員保護のために前部シートの後方部分に設置される膨張可能前面エアバッグシステム)などと共に使用されるのに適し得る。
【0032】
本明細書全体を通して、「結合された」という語句は、機械的な、電気的な、磁気的な、電磁的な、流体的な、及び熱的な相互作用を含めて、2つ以上の物体間の、任意の形態での相互作用を指す。2つの構成要素は、2つの構成要素が互いに直接接触していなくても、互いに結合され得る。
【0033】
「a」及び「an」という用語は、単数として記載し得るが、単数に限定されるものではない。例えば、本開示は、「一ラインの縫い目(a line of stitches)」を有するタブを記載し得るが、本開示はまた、タブが、2つ以上のラインの縫い目を有し得ることを企図する。
【0034】
「反対」という用語は、別の関係する特徴又は構成要素に対応する位置における特定の特徴又は構成要素の配置を指すために本明細書で使用される関係用語であり、対応する特徴又は構成要素は、互いに位置的に並置されている。例として、人の右手は、人の左手の反対である。
【0035】
別途記載しない限り、全ての範囲は、端点と、端点間の全ての数値との両方を含む。
【0036】
「車両乗員位置」とは、衝突状態にない車両内で(例えば、駐車中又は通常進行している間)乗員が一般に位置している場所を指す。車両乗員位置は、シート及び足元スペースなどを含む、又はそれによって定義され得る。「乗員」という用語は、車両内の人又は衝突試験ダミーを指す。
【0037】
本明細書全体における「一実施形態(an embodiment)」又は「実施形態(the embodiment)」への言及は、当該実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体において記載されている語句、又は語句の変形は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及してはいない。
【0038】
同様に、実施形態の上記の説明において、本開示を合理化するために、様々な特徴は、これらの特徴の単一の実施形態、図、又は説明に一緒にグループ化されていることがあることを理解されたい。しかしながら、開示のこの方法は、任意の請求項が当該請求項に明示的に記載された特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、いずれの単一の前述の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴の組み合わせにある。よって、この発明を実施するための形態に続く特許請求の範囲は、この発明を実施するための形態に明示的に組み込まれており、請求項のそれぞれは、別個の実施形態としてそれ自体で成立する。本開示は、独立請求項と独立請求項の従属請求項との全ての並べ替えを含む。
【0039】
特徴又は要素に関する「第1の」という用語の特許請求の範囲における記載は、第2の又は追加のこのような特徴又は要素の存在を必ずしも示唆しない。ミーンズ・プラス・ファンクション形式で列挙される要素は、米国特許法第112条第6項に従って解釈されることが意図される。変更が、本発明の根本的な原理から逸脱することなく、上記の実施形態の詳細になされてもよいことが、当業者には明らかである。排他的な所有権又は特権が請求されている本発明の実施形態は、以下のように定義される。