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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】半導体構造及び半導体構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240328BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240328BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240328BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
H10B12/00 601
H01L27/088 H
H01L27/088 D
H01L27/06 102A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022554918
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 CN2021101618
(87)【国際公開番号】W WO2022041981
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】202010878114.1
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン ルー チュン-シェン
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0117492(US,A1)
【文献】特開2015-053447(JP,A)
【文献】特開2016-009788(JP,A)
【文献】特開2015-135885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H01L 21/8234
H01L 27/088
H01L 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
基板、ワード線、ビット線コンタクトプラグ及び第1隔離層を備え、
前記ワード線は前記基板内に位置し、隣接する2つの前記ワード線の間にビット線コンタクトホールを有し、
前記ビット線コンタクトプラグは前記ビット線コンタクトホール内に位置し、
前記第1隔離層は、前記ビット線コンタクトホールの側壁に位置し、前記ビット線コンタクトプラグの側壁を覆い、
前記半導体構造は更に、
第2隔離層及びワード線表面層を備え、
前記第2隔離層は前記ワード線上に位置し、
前記ワード線表面層は前記第2隔離層内に位置し、前記第2隔離層は、前記ワード線表面層の側壁及び底壁を覆い、
前記ビット線コンタクトプラグは、隣接する2つの前記第2隔離層の間に位置することを特徴とする、半導体構造。
【請求項2】
前記第1隔離層は、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を備え、前記酸化シリコン層は、前記ビット線コンタクトホールの側壁と接触し、前記窒化シリコン層は、前記ビット線コンタクトプラグと接触することを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記第1隔離層の底端は、前記ビット線コンタクトプラグの底端と面一であり、及び/又は、前記第1隔離層は、前記基板の上面より低くないことを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記ビット線コンタクトプラグは多層構造であり、前記多層構造の材料は、ポリシリコン及び金属材料を含むことを特徴とする、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記ビット線コンタクトプラグは3層構造であり、2層の前記ポリシリコンの間に前記金属材料が介設されることを特徴とする、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記金属材料は前記基板の上面より高くないことを特徴とする、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記ビット線コンタクトプラグはポリシリコンを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記半導体構造は更に、
窒化物層を備え、前記窒化物層は、前記第2隔離層と前記ワード線との間に位置することを特徴とする、
請求項に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記第1隔離層の底端は前記第2隔離層の底端より高いことを特徴とする、
請求項に記載の半導体構造。
【請求項10】
前記半導体構造は更に、
コンデンサを備え、前記コンデンサは前記基板上に位置することを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項11】
半導体構造の製造方法であって、
基板を提供することと、
前記基板内にワード線を形成し、隣接する2つの前記ワード線の間にビット線コンタクトホールを形成することと、
前記ビット線コンタクトホールの側壁に第1隔離層を形成することと、
前記第1隔離層内にビット線コンタクトプラグを形成することであって、前記第1隔離層は、前記ビット線コンタクトプラグの側壁を覆うことと、を含
第1隔離層を形成する前に、前記半導体構造の製造方法は、
前記ワード線上で第2隔離層を形成することと、
前記第2隔離層内でワード線表面層を形成することであって、前記第2隔離層は、前記ワード線表面層の側壁及び底壁を覆う、ことと、を更に含む、半導体構造の製造方法。
【請求項12】
前記ビット線コンタクトプラグを形成することは、
前記第1隔離層内でポリシリコンを覆設することであって、前記ポリシリコンは前記ビット線コンタクトホールを覆うことと、
前記ポリシリコンを金属材料で覆うことと、
前記金属材料をポリシリコンで覆うことと、を含むことを特徴とする、
請求項11に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項13】
前記第1隔離層を形成することは、
前記第2隔離層を露出するように前記基板上に開口部を形成することであって、前記開口部は前記ビット線コンタクトホールとして使用されることと、
前記開口部の側壁に前記第1隔離層を形成することと、を含むことを特徴とする、
請求項11に記載の半導体構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2020年08月27日に中国特許局に提出された、出願番号が202010878114.1であり、発明の名称が「半導体構造及び半導体構造の製造方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照により本願に援用される。
【0002】
本開示は、半導体技術分野に関し、特に、半導体構造及び半導体構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体の集積度の向上に伴い、回路サイズがだんだん小さくなり、ビット線コンタクトプラグとワード線との間にカップリング現象が発生し、したがって、デバイスの性能に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、半導体構造の性能を改善するために、半導体構造及び半導体構造の製造方法を提供する。
【0005】
本開示の第1態様によれば、半導体構造を提供し、前記半導体構造は、
基板、ワード線、ビット線コンタクトプラグ及び第1隔離層を備え、
ワード線は基板内に位置し、隣接する2つのワード線の間にビット線コンタクトホールを有し、
ビット線コンタクトプラグはビット線コンタクトホール内に位置し、
第1隔離層は、ビット線コンタクトホールの側壁に位置し、ビット線コンタクトプラグの側壁を覆う。
【0006】
本開示の1つの実施例では、第1隔離層は、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を備え、酸化シリコン層は、ビット線コンタクトホールの側壁と接触し、窒化シリコン層は、ビット線コンタクトプラグと接触する。
【0007】
本開示の1つの実施例では、第1隔離層の底端は、ビット線コンタクトプラグの底端と面一であり、及び/又は、第1隔離層は基板の上面より低くない。
【0008】
本開示の1つの実施例では、ビット線コンタクトプラグは多層構造であり、多層構造の材料は、ポリシリコン及び金属材料を含む。
【0009】
本開示の1つの実施例では、ビット線コンタクトプラグは3層構造であり、ここで、2層のポリシリコンの間に金属材料が介設される。
【0010】
本開示の1つの実施例では、金属材料は基板の上面より高くない。
【0011】
本開示の1つの実施例では、ビット線コンタクトプラグはポリシリコンを含む。
【0012】
本開示の1つの実施例では、半導体構造は更に、
第2隔離層及びワード線表面層を備え、
第2隔離層はワード線上に位置し、
ワード線表面層は第2隔離層内に位置し、第2隔離層は、ワード線表面層の側壁及び底壁を覆い、
ここで、ビット線コンタクトプラグは、隣接する2つの第2隔離層の間に位置する。
【0013】
本開示の1つの実施例では、半導体構造は更に、
窒化物層を備え、窒化物層は、第2隔離層とワード線との間に位置する。
【0014】
本開示の1つの実施例では、第1隔離層の底端は第2隔離層の底端より高い。
【0015】
本開示の1つの実施例では、半導体構造は更に、
コンデンサを備え、コンデンサは基板上に位置する。
【0016】
本開示の第2態様によれば、半導体構造の製造方法を提供し、前記半導体構造の製造方法は、
基板を提供することと、
基板内にワード線を形成し、隣接する2つのワード線の間にビット線コンタクトホールを形成することと、
ビット線コンタクトホールの側壁に第1隔離層を形成することと、
第1隔離層内にビット線コンタクトプラグを形成することであって、第1隔離層は、ビット線コンタクトプラグの側壁を覆うことと、を含む。
【0017】
本開示の1つの実施例では、ビット線コンタクトプラグを形成することは、
第1隔離層内でポリシリコンを覆設することであって、ポリシリコンはビット線コンタクトホールを覆うことと、
ポリシリコンを金属材料で覆うことと、
金属材料をポリシリコンで覆うことと、を含む。
【0018】
本開示の1つの実施例では、第1隔離層を形成する前に、前記半導体構造の製造方法は、
ワード線上で第2隔離層を形成することと、
第2隔離層内でワード線表面層を形成することであって、第2隔離層は、ワード線表面層の側壁及び底壁を覆う、ことと、を更に含む。
【0019】
本開示の1つの実施例では、第1隔離層を形成することは、
第2隔離層を露出するように基板上に開口部を形成することであって、開口部はビット線コンタクトホールとして使用されることと、
開口部の側壁に第1隔離層を形成することと、を含む。
【0020】
本開示に係る半導体構造は、ビット線コンタクトホールの側壁を第1隔離層で覆い、つまり、ビット線コンタクトプラグとビット線コンタクトホールの側壁との間に第1隔離層を設けることにより、ビット線コンタクトプラグとワード線との間のカップリング効果を減少することで、半導体構造の性能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】1つの例示的な実施形態で示される半導体構造の概略構造図である。
図2】1つの例示的な実施形態で示される半導体構造の製造方法の例示的なフローチャートである。
図3】1つの例示的な実施形態で示される半導体構造の製造方法で得られた第2隔離層の概略構造図である。
図4】1つの例示的な実施形態で示される半導体構造の製造方法で得られたワード線表面層の概略構造図である。
図5】1つの例示的な実施形態で示される半導体構造の製造方法で得られた第1隔離層の概略構造図である。
図6】1つの例示的な実施形態で示される半導体構造の製造方法で得られたビット線コンタクトプラグの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の各目標、特徴及び利点は、図面を参照して以下の本開示の好ましい実施形態を詳細に説明することにより、より明らかになる。図面は、本開示の例示的な図に過ぎず、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。図面における同じ参照番号は、一貫して同じ又は同様の構成要素を表す。
【0023】
本開示の特徴及び利点を具現する代表的な実施例を、以下の説明で詳細に説明する。理解すべきこととして、本開示は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる実施例に様々な変形があり得、本願における説明及び図面は、本開示を限定するものではなく、例示のみを目的とするものである。
【0024】
本開示の様々な例示的な実施形態の以下の説明は、図面を参照して行われており、図面は本開示の一部となり、図面において、本開示の複数の態様を実現できる様々な例示的な構造、システム及びステップが例示的に表されている。理解すべきこととして、構成要素、構造、例示的な装置、システム及びステップの他の特定の方案を使用することができ、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び機能的な変更を行うことができる。また、本明細書では、「…の上」、「…の間」、「…の内」という用語で本開示の異なる例示的な特徴及び構成要素を説明しているが、本明細書においてこれらの用語は便宜を図るものに過ぎず、例えば、図面の例の方向を表す。本明細書のいかなる内容について、三次元方向が特定された構造しか本開示の範囲内に入らないと解釈されるべきではない。
【0025】
本開示の1つの実施例は半導体構造を提供し、図1を参照すると、半導体構造は、基板10、ワード線20、ビット線コンタクトプラグ30及び第1隔離層40を備え、ワード線20は基板10内に位置し、隣接する2つのワード線20の間にビット線コンタクトホール11を有し、ビット線コンタクトプラグ30はビット線コンタクトホール11内に位置し、第1隔離層40は、ビット線コンタクトホール11の側壁に位置し、ビット線コンタクトプラグ30の側壁を覆う。
【0026】
本開示の1つの実施例に係る半導体構造は、ビット線コンタクトホール11の側壁に第1隔離層40が覆われており、つまり、ビット線コンタクトプラグ30とビット線コンタクトホール11の側壁との間に第1隔離層40を設けることにより、ビット線コンタクトプラグ30とワード線と20の間のカップリング効果を減少することで、半導体構造の性能を向上させることができる。
【0027】
説明すべきこととして、ワード線20は埋め込み型ワード線であり、2つのワード線20の間にビット線コンタクトホール11を有し、ビット線コンタクトホール11の底壁はワード線20の頂面より高く、つまり、ビット線コンタクトプラグ30の底面はワード線20の頂面より高い。
【0028】
1つの実施例では、基板10は半導体基板を含み得る。半導体基板は、シリコン含有材料で形成されてもよい。半導体基板は、例えば、シリコン、単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコン、シリコンゲルマニウム、単結晶シリコンゲルマニウム、ポリシリコンゲルマニウム及び炭素ドープシリコンのうちの少なくとも1つを含む、任意の適切な材料で形成されてもよい。
【0029】
1つの実施例では、ワード線20は金属材料を含み、金属材料は、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化チタン(TIN)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタンシリコン(TiSiN)、窒化タンタルシリコン(TaSiN)又はタングステン(W)のうちの少なくとも1つを含み得る。ここではワード線20の具体的な構造について特に限定せず、関連技術における既知の構造を採用してもよい。
【0030】
1つの実施例では、図1に示すように、半導体構造は更に、ビット線50を備え、ビット線50は、ビット線コンタクトプラグ30上に位置し、つまり、ビット線50は、ビット線コンタクトプラグ30に接続される。
【0031】
1つの実施例では、ビット線50は金属材料を含み、金属材料は、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化チタン(TIN)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタンシリコン(TiSiN)、窒化タンタルシリコン(TaSiN)又はタングステン(W)のうちの少なくとも1つを含み得る。ここではビット線50の具体的な構造について特に限定せず、関連技術における既知の構造を採用してもよい。
【0032】
1つの実施例では、ビット線50は、ビット線コンタクトプラグ30の上面を覆う。
【0033】
1つの実施例では、第1隔離層40は、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を備え、酸化シリコン層は、ビット線コンタクトホールの側壁11と接触し、窒化シリコン層は、ビット線コンタクトプラグ30と接触する。ビット線コンタクトプラグ30内に金属材料が設けられるため、窒化シリコン層の配置は、ビット線コンタクトプラグ30内の金属材料が酸化シリコン層に拡散するのを防ぐことができる。
【0034】
具体的には、例えば、ビット線コンタクトプラグ30は、ポリシリコン31及び金属材料32を含み、この場合、窒化シリコン層は、金属材料32だけを覆ってもよく、ビット線コンタクトプラグ30を完全に覆ってもよい。図1を参照すると、ビット線コンタクトプラグ30は、2層のポリシリコン31及びそれらの間に位置する金属材料32を備え、この場合、窒化シリコン層は、上層のポリシリコン31及び金属材料32のみを覆い、下層のポリシリコン31を覆わなくてもよく、このように配置することで、金属材料と酸化シリコン層を遮断することだけでなく、下層のポリシリコン31と基板10の接触面積を増加させることもでき、電気抵抗を更に低減することができる。
【0035】
説明すべきこととして、ビット線コンタクトプラグ30が金属材料32を含む場合、ビット線コンタクトプラグ30の抵抗値を低減することができ、下層のポリシリコン31が窒化シリコン層を覆わない場合、下層のポリシリコン31と基板10との間の接触面積が増加することができ、したがって、接触抵抗を更に低減することができる。
【0036】
1つの実施例では、窒化シリコン層の厚さは、酸化シリコン層の厚さより小さくてもよく、例えば、窒化シリコン層の厚さは1nm~3nmであってもよく、具体的には、窒化シリコン層の厚さは、1nm、1.5nm、2nm、2.5nm又は3nmである。
【0037】
1つの実施例では、第1隔離層40の底端は、ビット線コンタクトプラグ30の底端と面一であり、及び/又は、第1隔離層40は基板10の上面より低くない。
【0038】
説明すべきこととして、第1隔離層40の上面は、基板10の上面と面一であってもよく、或いは、第1隔離層40の上面は、基板10の上面より高くてもよく、つまり、ビット線コンタクトプラグ30は基板10の上面から突出する。
【0039】
1つの実施例では、ビット線コンタクトプラグ30は多層構造であり、多層構造の材料は、ポリシリコン31及び金属材料32を含む。金属材料32の配置は、ビット線コンタクトプラグ30の抵抗値を低減することができ、金属材料32は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)又はそれらの合金などであってもよく、実際の必要に応じて選択することができ、ここではこれについて更に限定しない。
【0040】
1つの実施例では、図1に示すように、ビット線コンタクトプラグ30は3層構造であり、ここで、2層のポリシリコン31の間に金属材料32が介設される。
【0041】
説明すべきこととして、ポリシリコン31はイオンドーピングされており、ドーピング元素は、ホウ素(B)、リン(P)又は砒素(As)であり得、この実施例では、リン(P)元素がドーピングされてもよい。他の実施例では、他の元素でイオンドーピングされてもよい。1つの実施例では、2層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は等しくてもよい。或いは、2層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は等しくなくてもよく、例えば、下層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は、上層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度より高く、この場合、下層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度が高いため、基板10のアクティブエリアの接触抵抗を低減することができ、上層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は比較的低く、ビット線コンタクトプラグ30とワード線20との間のカップリング効果を更に減少させることができる。
【0042】
具体的には、上層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は1E20~1E21であり得、下層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は5E20~5E21であり得る。
【0043】
1つの実施例では、金属材料32は基板10の上面より高くない。つまり、金属材料32は完全にビット線コンタクトホール11内に位置し、ビット線コンタクトプラグ30の上面は基板10の上面より高くてもよい。
【0044】
1つの実施例では、ビット線コンタクトプラグ30はポリシリコン31を含む。ポリシリコン31は、導電率を満たすために、イオンドーピングされてもよく、ポリシリコン31にはリン(P)がドーピングされてもよい。具体的には、ビット線コンタクトプラグ30は、イオンドーピングされたポリシリコン31で構成される。
【0045】
1つの実施例では、図1に示すように、半導体構造は更に、第2隔離層70及びワード線表面層60を備え、第2隔離層70はワード線20上に位置し、ワード線表面層60は第2隔離層70内に位置し、第2隔離層70は、ワード線表面層60の側壁及び底壁を覆い、ここで、ビット線コンタクトプラグ30は、隣接する2つの第2隔離層70の間に位置する。ワード線表面層60及び第2隔離層70も基板10内に充填され、これによって、ワード線20を基板10内に埋め込み、絶縁隔離を達成する。
【0046】
1つの実施例では、半導体構造は更に、窒化物層を備え、窒化物層は、第2隔離層70とワード線20との間に位置し、これにより、ワード線20の金属材料が第2隔離層70に拡散するのを防ぐ。
【0047】
説明すべきこととして、窒化物層の厚さは第2隔離層70の厚さより小さい。ここで、窒化物層は、窒化シリコンを含み得、第2隔離層70は、酸化シリコンを含み得る。
【0048】
1つの実施例では、ワード線表面層60は窒化シリコンを含み、つまり、第2隔離層70とワード線表面層60によって、酸化シリコン-窒化シリコン-酸化シリコンのONO層構造を形成することができる。
【0049】
1つの実施例では、第1隔離層40の底端は第2隔離層の底端より高い。
【0050】
1つの実施例では、第2隔離層70の厚さは第3隔離層80の厚さより大きい。
【0051】
1つの実施例では、第1隔離層40は、第2隔離層70と接触する。
【0052】
1つの実施例では、図1に示すように、半導体構造は更に、第3隔離層80を備え、第3隔離層80は、基板10内に位置し、ワード線20の側壁及び底壁を覆い、ここで、第3隔離層80の上端は、第2隔離層70の底端と接触する。
【0053】
説明すべきこととして、第3隔離層80は、酸化シリコン層及び仕事関数層を備え、仕事関数層は、ワード線20と接触し、酸化シリコン層は、基板10と接触する。
【0054】
1つの実施例では、図1に示すように、半導体構造は更に、コンデンサ90を備え、コンデンサ90は、基板10上に位置する。コンデンサ90とビット線50は、ワード線20の両側にそれぞれ位置する。
【0055】
本開示の1つの実施例は、半導体構造の製造方法を更に提供し、図2を参照すると、半導体構造の製造方法は、以下のステップを含む。
【0056】
ステップS101において、基板10を提供する。
【0057】
ステップS103において、基板10内にワード線20を形成し、隣接する2つのワード線20の間にビット線コンタクトホール11を形成する。
【0058】
ステップS105において、ビット線コンタクトホールの側壁に第1隔離層40を形成する。
【0059】
ステップS107において、第1隔離層40内にビット線コンタクトプラグ30を形成し、第1隔離層40は、ビット線コンタクトプラグ30の側壁を覆う。
【0060】
本開示の1つの実施例に係る半導体構造の製造方法は、ビット線コンタクトホール11の側壁を第1隔離層40で覆い、第1隔離層40内にビット線コンタクトプラグ30を形成することにより、ビット線コンタクトプラグ30とビット線コンタクトホール11の側壁との間に第1隔離層40を形成し、第1隔離層40は、ビット線コンタクトプラグ30とワード線と20の間のカップリング効果を減少することで、半導体構造の性能を改善することができる。
【0061】
説明すべきこととして、ここではワード線20の具体的な形成方法について特に限定せず、ワード線20は、関連技術における方法で形成されてもよい。
【0062】
例えば、基板10に溝をエッチングし、溝の壁を第3隔離層80で覆った後、導電材料を第3隔離層80に充填して、ワード線20を形成する。ここで、第3隔離層80は、酸化シリコン層及び仕事関数層を含み得、つまり、溝の壁を酸化シリコン層で覆った後、仕事関数層で酸化シリコン層を覆い、最後に、仕事関数層にワード線20を形成する。
【0063】
具体的には、ワード線20は、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化チタン(TIN)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタンシリコン(TiSiN)、窒化タンタルシリコン(TaSiN)又はタングステン(W)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0064】
1つの実施例では、半導体構造の製造方法は、ビット線コンタクトプラグ30上にビット線50を形成することと、基板10上にコンデンサ90を形成することと、を含む。
【0065】
1つの実施例では、ビット線50は、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化チタン(TIN)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタンシリコン(TiSiN)、窒化タンタルシリコン(TaSiN)又はタングステン(W)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0066】
1つの実施例では、ビット線コンタクトプラグ30を形成することは、第1隔離層40内でポリシリコン31を覆設することであって、ポリシリコン31はビット線コンタクトホール11を覆うことと、ポリシリコン31を金属材料32で覆うことと、金属材料32をポリシリコン31で覆うことと、を含む。
【0067】
ビット線コンタクトプラグ30は3層の材料で形成される。先ず、第1隔離層40にポリシリコン31を充填して、下層のポリシリコン31を完全にビット線コンタクトホール11内に位置させるように下層のポリシリコン31を形成し、その後、金属材料32も完全にビット線コンタクトホール11内に位置させるように下層のポリシリコン31を金属材料32で覆い、ここで、金属材料32は基板10の上面より高くない。最後に、金属材料32をポリシリコン31で覆って、上層のポリシリコン31を形成する。
【0068】
説明すべきこととして、形成されたポリシリコン31はイオンドーピングされ、ここで、イオンドーピングされたポリシリコン材料を第1隔離層40に直接に充填してもよく、或いは、イオンドーピングされていないポリシリコンを充填し、ポリシリコンの充填後に、イオンを注入して、イオンドーピングされたポリシリコン31を形成してもよく、具体的な形成方式は、実際の必要に応じて選択することができ、ここではこれについて特に限定しない。
【0069】
1つの実施例では、ポリシリコン31に、リン(P)がドーピングされてもよく、他の実施例では、ドーピング元素は、ホウ素(B)、砒素(As)又は他のイオンであってもよく、2層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は等しくてもよい。或いは、2層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は等しくなくてもよく、例えば、下層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は、上層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度より高く、上層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は1E20~1E21であり得、下層のポリシリコン31のイオンドーピング濃度は5E20~5E21であり得る。
【0070】
1つの実施例では、金属材料32は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)又はそれらの合金などであってもよい。
【0071】
1つの実施例では、ビット線コンタクトプラグ30を形成することは、第1隔離層40内にポリシリコン31を充填し、つまり、ポリシリコン31のみでビット線コンタクトプラグ30を形成することを含み、ポリシリコン31にリン(P)がドーピングされてもよい。
【0072】
1つの実施例では、第1隔離層40を形成する前に、前記半導体構造の製造方法は、ワード線20上で第2隔離層70を形成することと、第2隔離層70内でワード線表面層60を形成することであって、第2隔離層70はワード線表面層60の側壁及び底壁を覆うことと、を更に含む。
【0073】
図3を参照すると、基板10内で溝を形成し、溝の下部に第3隔離層80及びワード線20を形成した後、第3隔離層80及びワード線20の上面に第2隔離層70を形成し、第2隔離層70は、溝の側壁、第3隔離層80及びワード線20の上面を覆う。
【0074】
説明すべきこととして、第2隔離層70を形成する前に、ワード線20の上面に窒化物層を形成した後、窒化物層に第2隔離層70を形成し、第2隔離層70は、第3隔離層80の酸化シリコン層に接続され、第2隔離層70は、酸化シリコンを含み得る。窒化物層は、窒化シリコンを含み得る。ここで、窒化物層は、遠隔プラズマ窒化(RPN:remote plasma nitridition)過程によって形成されてもよい。
【0075】
図4を参照すると、第2隔離層70内にワード線表面層60が形成される。ワード線表面層60は窒化シリコンを含む。
【0076】
説明すべきこととして、第3隔離層80、第2隔離層70及びワード線表面層60は、物理気相堆積(PVD:Physical Vapor Deposition)過程、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)過程又は原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)過程によって形成されてもよい。これらを形成した後、エッチング又は化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)によって、対応する処理を行い、図3及び図4における構造を得ることができ、これらは、実際の必要に応じて選択することができ、ここでは特にこれらについて特に限定しない。
【0077】
1つの実施例では、第1隔離層40を形成することは、第2隔離層70を露出するように基板10上に開口部12を形成することであって、開口部12はビット線コンタクトホール11として使用されることと、開口部12の側壁に第1隔離層40を形成することと、を含む。
【0078】
図5を参照すると、図4に示される状態の上で、2つの第2隔離層70間に開口部12を形成され、開口部12内に第1隔離層40が形成される。
【0079】
具体的、第1隔離層40は、物理気相堆積(PVD:Physical Vapor Deposition)過程、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)過程又は原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)過程によって形成されてもよい。この実施例では、原子層堆積過程によって1つの隔離層がビット線コンタクトホール11に堆積され、エッチングによってビット線コンタクトホール11の底部隔離層及び基板の上面の隔離層を除去し、ビット線コンタクトホール11の側壁の隔離層を残して、第1隔離層40を形成し、これによって、図5に示す構造を形成する。図6を参照すると、ポリシリコン31、金属材料32及びポリシリコン31を第1隔離層40内に順次充填して、ビット線コンタクトプラグ30を形成し、ビット線コンタクトプラグ30上にビット線50を形成し、基板10上にコンデンサ90を形成し、これにより、図1に示す半導体構造を形成する。
【0080】
説明すべきこととして、第1隔離層40は、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含み、つまり、先ず、ビット線コンタクトホール11の側壁(すなわち、開口部12の側壁)上に酸化シリコン層を形成し、その後、酸化シリコン層の側壁上に窒化シリコン層を形成し、最後に、窒化シリコン層内にビット線コンタクトプラグ30を形成する。ここで、窒化シリコン層の厚さは1nm~3nmであり得る。
【0081】
当業者は、本明細書を考慮して、本願に開示された発明を実施した後、本開示の他の実施形態を容易に想到し得るであろう。本開示は、本発明のあらゆる変更、応用又は適応変形を網羅することを意図し、これらの変更、応用又は適応変形は、本開示の一般的な原理に準拠し、本願で開示されていない、当技術分野における公知知識又は従来の技術的手段を含む。本明細書における実施例は、例示的な説明に過ぎず、本発明の真の範囲及び思想は添付の特許請求の範囲によって示される。
【0082】
理解すべきこととして、本開示は、以上で説明し且つ図面に示した正確な構造に限定されるものではなく、その範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を行うことができる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0083】
10 基板
11 ビット線コンタクトホール
12 開口部
20 ワード線
30 ビット線コンタクトプラグ
31 ポリシリコン
32 金属材料
40 第1隔離層
50 ビット線
60 ワード線表面層
70 第2隔離層
80 第3隔離層
90 コンデンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6