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特許7462067射出成形されたワイヤーハーネス及び成形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】射出成形されたワイヤーハーネス及び成形方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20240328BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20240328BHJP
   H01R 4/18 20060101ALN20240328BHJP
   H01R 4/02 20060101ALN20240328BHJP
   H01R 43/24 20060101ALN20240328BHJP
   H01R 43/20 20060101ALN20240328BHJP
   H01R 43/048 20060101ALN20240328BHJP
   H01R 43/02 20060101ALN20240328BHJP
   H01R 13/405 20060101ALN20240328BHJP
【FI】
H01B7/00 301
B29C45/14
H01R4/18 A
H01R4/02 C
H01R43/24
H01R43/20
H01R43/048 Z
H01R43/02 B
H01R13/405
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022560354
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2021084898
(87)【国際公開番号】W WO2021204054
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】202010283020.X
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208978782(CN,U)
【文献】特開2019-204781(JP,A)
【文献】中国実用新案第204792091(CN,U)
【文献】特開2013-012396(JP,A)
【文献】特開2010-233371(JP,A)
【文献】実開平07-010672(JP,U)
【文献】特開2015-154569(JP,A)
【文献】特開2013-183498(JP,A)
【文献】特開2005-332607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/24
45/46-45/63
45/70-45/72
45/74-45/84
H01B 7/00-7/02
7/38-7/40
H02G 3/22
H01R 3/00-4/22
13/40-13/533
43/00-43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が電気装置の電気回路に接続され、他端が導体に接続される端子と、
少なくとも一本の前記導体とを含み、射出成形されて前記導体の外部に被覆された保護層と、ワイヤーハーネスの位置を固定するための射出成形された少なくとも一つの位置決め装置または/及び防水用の密封装置と、が設置されており、
前記保護層、並びに、前記位置決め装置または/及び前記密封装置は、前記端子と前記導体とともに一体に射出成形されており
前記密封装置は、ワイヤーハーネスに接続された第2の固定装置と、一端が前記第2の固定装置に接続された防水装置とを含み、前記導体と前記端子に対応する部位は前記防水装置であり、前記保護層に対応する部位は前記第2の固定装置であり、
電気装置と相互挿入される少なくとも一つのジャケットがさらに設置されており、前記ジャケットは、少なくとも前記端子に一体的に射出成形され、前記端子が前記ジャケットの対応する孔に組み立てられ、前記ジャケットが湿気領域にある場合、前記ジャケットへの水の進入を防止するために、前記密封装置が前記ジャケットの孔を密封し、前記ジャケットと前記導体との間の接続隙間に防水装置を射出成形して前記ジャケットを密封して防水し、前記防水装置と前記ジャケットの端部に前記第2の固定装置が接続される射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項2】
前記導体の外部に絶縁層がさらに設置されており、前記保護層が前記絶縁層外に射出成形される
請求項1に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項3】
前記位置決め装置は、前記ワイヤーハーネスに接続された第1の固定装置と、前記第1の固定装置に接続され、前記ワイヤーハーネスの取付端部に嵌合して接続された組立装置とを含む
請求項1に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項4】
前記第1の固定装置は、円筒状構造であって、円筒状構造の内壁が前記保護層の外面に嵌合され且つ前記保護層の外面に被覆される
請求項3に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項5】
前記組立装置は、柱状構造であって、前記柱状構造の外周に鋸歯ねじ構造を有する
請求項3に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項6】
前記組立装置は、クリップ状構造を有する
請求項3に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項7】
前記クリップ状構造は溝を有し、前記溝内の両側壁にさかむけが設置される
請求項6に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項8】
前記組立装置は、円環状構造またはC型環状構造を有する
請求項3に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項9】
前記位置決め装置は、射出成形形態で加工されたプラスチック部品である
請求項3に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項10】
前記第2の固定装置は、円筒状構造であって、前記円筒状構造の内壁が前記保護層の外面に嵌合され且つ前記保護層の外面に被覆される
請求項1に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項11】
前記密封装置は、射出成形形態で加工されたゴム部品である
請求項に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項12】
前記導体は中実導体、偏平導体またはマルチリード線の導体である
請求項に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項13】
前記端子は、圧着または溶接の形態で中実導体、偏平導体またはマルチリード線の導体に接続される
請求項1に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項14】
前記導体の導電部分の横断面は、円形、楕円形、多角形、波状または異形構造である
請求項に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項15】
前記導体が二本を超え且つ同一の回路に属される時、圧着または溶接の形態で、前記端子側ではない前記導体を回路のニーズに応じて接続して導体接続点を形成する
請求項1に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項16】
前記導体接続点は一体的に射出成形・被覆・密封される
請求項15に記載の射出成形されたワイヤーハーネス。
【請求項17】
請求項1乃至16の中のいずれか一項に記載のワイヤーハーネスを製造する方法であって、
A.前記導体を一定の長さに切断した後、両端をそれぞれ圧着または溶接の形態で前記端子に接続してワイヤーハーネスの半製品を製造し、
B.必要な原材料を射出成形機器の中に入れて乾燥してからステップAで製造されたワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れ、またはステップAで製造されたワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れてから必要な原材料を射出成形機器の中に入れて乾燥し、
C.射出成形機器を起動して原材料を加熱溶融して射出成形金型に注入して成型することによって、前記保護層、並びに、前記位置決め装置または/及び前記密封装置を、前記端子と前記導体とともに一体に射出成形する、ステップを含み、
前記密封装置は、ワイヤーハーネスに接続された第2の固定装置と、一端が前記第2の固定装置に接続された防水装置とを含み、前記導体と前記端子に対応する部位は前記防水装置であり、前記保護層に対応する部位は前記第2の固定装置であり、
前記ワイヤーハーネスの半製品にジャケットが設置されていると、前記導体に接続された端子を前記ジャケットの対応する孔に挿入した後に射出成形を行い、またはまずワイヤーハーネスの半製品の射出成形を行い、その後、前記導体に接続された端子を前記ジャケットの対応する孔に挿入し、
前記ワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れ、前記ジャケットを少なくとも前記端子に一体的に射出成形する方法
【請求項18】
前記製造されたワイヤーハーネスの半製品が一本導体であると、前記端子を圧着または溶接機器によって前記導体に接続し、ステップB~ステップCに従って保護層または位置決め装置または密封装置を射出成形する
請求項17に記載の方法
【請求項19】
前記製造されたワイヤーハーネスの半製品が一本を超える導体であると、前記端子を圧着または溶接機器によって前記導体に接続し、ステップB~ステップCに従って保護層を射出成形して、複数本の導体を隔離させた後、位置決め装置または密封装置を射出成形する
請求項17に記載の方法
【請求項20】
前記製造されたワイヤーハーネスの半製品が二本を超える前記導体を有し且つ同一の回路に属されると、圧着または溶接の形態で、前記導体を回路ニーズに応じて接続して導体接続点を形成し、ステップB~ステップCに従ってまずワイヤーハーネスの保護装置を射出成形し、その後、保護層を射出成形し、最後に位置決め装置または密封装置を射出成形する
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、特許出願番号が202010283020.X、出願日が2020年04月10日、発明の名称が「射出成形されたワイヤーハーネス及び成形方法」の中国発明特許の優先権を主張する。
(技術分野)
本発明はワイヤーハーネス技術分野に関し、特に、射出成形されたワイヤーハーネス及び成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気接続分野において、ワイヤーハーネスは、電気回路接続の架け橋として、電源と電気機器及びデータ交換を行う各電器間の接続を行い、自動車、飛行機、船舶、各種の家電製品と機器に不可欠な重要な部品である。
【0003】
ワイヤーハーネスは構成形態や材料がさまざまであるが、主な構造は、ケーブル、端子、ジャケット、固定装置、防水装置等からなり、ここで、ケーブルは導体と前記導体の周囲に被覆された絶縁層からなる。現在、ワイヤーハーネスの加工工程は比較的に複雑で、切断、皮剥き、端子の圧着、溶接、管の覆い、プラグの挿入、端子の挿入、ジャケットの挿入、分割包装、配線、カプセル化、分岐固定、位置決め装置の取付、部品の取付、導通、外観検査、包装等の工程を含み、ここで、分割包装、配線、カプセル化、分岐固定、位置決め装置の取付と部品の取付がワイヤーハーネスの生産において主な工数を占め、そして現在はまだ自動化生産機器がなく、すべて人により操作しなければならないので、不合格率が高く、生産コストが高く、製品の一貫性を保証できず、ワイヤーハーネス業界の発展を阻むボトルネックとなっている。伝統的なワイヤーハーネスの加工工程において、ワイヤーハーネスの位置決め装置の取付は、テープを用いた固定とケーブルタイを用いた固定との2種類の形態があるが、当該2種類の方法はいずれも取付寸法が正確ではなく、位置決め装置が離脱しやすい等の問題点を持っている。また、伝統的なワイヤーハーネスの加工工程において、ワイヤーハーネスの密封装置がゴムからなっていて、取り付ける時にケーブルを通過させて固定できるようにまず広げておく必要があって、密封性を保証するために、密封装置とケーブルとの間にクレイとシーラントを添加しなければならず、工程が複雑であって、また密封装置が容易に破損されて密封機能を失ってしまう。
【0004】
そして、伝統的なワイヤーハーネスの各部分は、ケーブルとその上の保護外装管との結合、ケーブルが端子を介してジャケットに接続された結合、位置決め装置がテープまたはケーブルタイを介して固定された結合、防水装置がゴム部品の弾性を介してワイヤーハーネス上に貼り付けられた結合等を含む結合がいずれも緊密に行われず、長期間使用する場合、各パーツの接続が徐々に失効して、ケーブルと保護外装管の摩耗、ケーブルとジャケットの離脱、位置決め装置の位置の不正確または離脱及び防水装置の破損または離脱によって、各パーツの機能を失ってワイヤーハーネスが失効になり、深刻な場合事故を生じうる。
【0005】
従って、現在ワイヤーハーネス業界において、手作業を減少し、製品の一貫性を高め、製品の生産コストを削減することができ、ワイヤーハーネスの組立生産工程を簡略化できる新しい方法が必要である。
【0006】
そこで、中国発明特許出願CN104149770Aに、既存の信号伝送ケーブルに基づいて射出成形された位置決め部品が追加された射出成形型アンチロック・ブレーキ・システムセンサー用ワイヤーハーネスが開示されたが、当該発明はアンチロック・ブレーキ・システムセンサー用ワイヤーハーネスのみに対するもので、使用範囲が限定されている。当該発明によると、依然としてケーブル製品を入手し、その後ワイヤーハーネス本体に加工しなければならなく、ワイヤーハーネスのコストを節約することができない。当該発明はケーブルの保護を行っておらず、取り付けて使用すると、ケーブルの絶縁層が振動によって取付部位を摩擦して破損され、深刻な場合短絡して燃焼事項を引き起こす。そして、当該発明に追加された射出成形部品は、機能が単一で、ワイヤーハーネス上の他の複雑なニーズを満たすことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国発明特許出願CN104149770A
【0008】
従って、ワイヤーハーネス技術分野において、生産工程が簡単で、ワイヤーハーネスの寸法精度が高く、寿命が長く、ワイヤーハーネスのコストを低減させ、防水レベルを向上させ、生産性を向上させ、製品の不良率を低下し、ワイヤーハーネスの寿命を延長することのできるワイヤーハーネス及び成形方法が必要である。
【発明の概要】
【0009】
上記存在している技術課題に対して、既存技術の不足を克服するために、本発明が解決しようとする技術課題は、ワイヤーハーネスの加工プロセスを大幅に減少し、手作業を減少し、製品の一貫性を高め、防水レベルを向上させ、製品の生産コストを削減することのできる新型の射出成形されたワイヤーハーネス及び成形方法を提供することにある。また、複雑に成形したワイヤーハーネスを一度で加工成形することができて、生産性を向上させ、ワイヤーハーネスの適用範囲を広げることが可能なワイヤーハーネス及び成形方法を提供することにある。さらに、密封ニーズのあるワイヤーハーネスを一度で成形して、ワイヤーハーネスの密封性を向上させ、クレイやシーラント等の材料の使用を減少し、防水領域の寿命を延長し、使用安全性能を大幅に向上させることができるワイヤーハーネス及び成形方法を提供することにある。
【0010】
本発明の目的は以下の技術案を介して実現される。
【0011】
本発明は、射出成形されたワイヤーハーネスであって、前記ワイヤーハーネスは、一端が電気装置の電気回路に接続され、他端が導体に接続される端子と、少なくとも一本の前記導体とを含み、射出成形されて前記導体の外部に被覆された保護層と、ワイヤーハーネスの位置を固定するための射出成形された少なくとも一つの位置決め装置または/及び防水用の密封装置とが設置された。なお、本発明のワイヤーハーネスは、伝統的なワイヤーハーネスと異なって、絶縁層付きケーブルを用いることができる以外、直接に導体を用いて射出成形することもできる。ここで、導体の加工形態も様々で、例えばロール状導体の切断、銅箔の裁断、導体プリント、3Dプリント等の形態がある。ワイヤーハーネスの使用環境の違いに従って選択して最適化して、さらに原材料を節約し、加工工数を低下し、製品品質を向上させることができる。
【0012】
本発明の射出成形されたワイヤーハーネスによると、各パーツが加熱によって溶融された後冷却されて一体的に成形され、いわば一体的な構造であって、パーツ間の相互摩耗がなく、相対的な位置決め寸法も精確であって、寿命も伝統的なワイヤーハーネスに比べて大幅に向上され、安全性も保証される。
【0013】
好適には、前記導体の外部に絶縁層がさらに設置されていて、保護層が前記絶縁層外に射出成形される。
【0014】
好適には、前記位置決め装置は、前記ワイヤーハーネスに接続された第1の固定装置と、前記第1の固定装置に接続され、前記ワイヤーハーネスの取付端部に嵌合して接続された組立装置とを含む。
【0015】
なお、通常ワイヤーハーネスの取り付けを行う場合、一定の長さを超えると、すべて位置決め装置と取付端部を接続して、ワイヤーハーネスが例えばエンジン、板金フレームまたは他の管路等の取付端部に固定されるように保証する。位置決め装置がないと、ワイヤーハーネスが取付端部で相互移動してワイヤーハーネスの摩耗を増やし、またワイヤーハーネスの移動によって異音が発生して、自動車、飛行機、船舶または各種の家電気機器の使い心地に影響を与えることになる。
【0016】
好適には、前記第1の固定装置は、円筒状構造であって、円筒状構造の内壁が前記保護層の外面に嵌合され且つ前記保護層の外面に被覆される。前記円筒状構造は、固定装置の強度を強化し、位置決め装置が付勢されてワイヤーハーネスから離脱することを回避するためのものである。
【0017】
好適には、前記組立装置は、柱状構造であって、前記柱状構造の外周に鋸歯ねじ構造を有する。
【0018】
前記鋸歯ねじ構造は、前記柱状構造が取付端部の取付孔に嵌合される時に前記柱状構造が前記取付孔から離脱してしまうことを防止するためのものである。
【0019】
好適には、前記組立装置は、クリップ状構造を有する。
【0020】
好適には、前記クリップ状構造は溝を有し、溝内の両側壁にさかむけが設置される。前記溝内にさかむけを設置したことは、前記クリップ状構造が取付端部の板金の縁部に嵌合される時に板金の縁部を引っかかって、前記クリップ状構造が前記板金の縁部から離脱してしまうことを防止するためである。
【0021】
好適には、前記組立装置は、円環状構造またはC型環状構造を有する。前記円環状構造またはC型環状構造は、前記組立装置が取付端部の他の管路に嵌合される時に、前記組立装置が前記管路から離脱してしまうことを防止するためのものである。
【0022】
好適には、前記位置決め装置は、射出成形形態で加工されたプラスチック部品である。前記位置決め装置がいずれも取付端部にハード接続されるため、ゴム部品を用いると、変形量が大きくなって接続が堅固しない場合があるため、硬性と弾性がいずれも優れたプラスチック部品を用いる。
【0023】
好適には、前記密封装置は、ワイヤーハーネスに接続された第2の固定装置と、一端が前記第2の固定装置に接続された防水装置とを含む。
【0024】
好適には、前記第2の固定装置は、円筒状構造であって、円筒状構造の内壁が前記保護層の外面に嵌合され且つ前記保護層の外面に被覆される。前記円筒状構造は、固定装置の強度を強化し、位置決め装置が付勢されてワイヤーハーネスから離脱することを回避するためのものである。
【0025】
好適には、前記密封装置は、射出成形形態で加工されたゴム部品である。前記密封装置によって前記ワイヤーハーネスの密封端部の密封を行うべきであるため、ゴム部品等の弾性材料を利用して前記ワイヤーハーネスの密封端部を射出成形・密封することで、外部環境の水がワイヤーハーネスの内部へ進入してワイヤーハーネスの導体が腐食されて、ワイヤーハーネスの寿命を著しく低下させ、深刻な場合安全事故につながることを防止する。
【0026】
なお、前記ワイヤーハーネスの密封端部とは、通常ワイヤーハーネスが取り付けられる時、乾燥領域と湿気領域の仕切り板上の通孔を通過し、湿気領域の水が乾燥領域に進入することを回避するために、ワイヤーハーネス上の防水装置が前記仕切り板上の通孔に嵌合されて密封接続を実現しなければならない。そして、ワイヤーハーネスが湿気領域にある場合、ワイヤーハーネスの保護層と端子との間から導体が露出され、密封装置によって露出された導体と端子を密封被覆して外部環境の水によって導体と端子が腐食されることを防止しなければならない。そして、前記ジャケットは、湿気領域にある場合、水がジャケット内に進入して端子と導体が腐食されることを防止するために密封装置によってジャケットの孔を密封しなければならない。
【0027】
好適には、前記ワイヤーハーネスに、電気装置と相互挿入される少なくとも一つのジャケットがさらに設置されていて、前記端子が前記ジャケットの対応する孔に組み立てられる。
【0028】
好適には、前記ジャケットは、少なくとも前記端子に一体的に射出成形される。
前記導体は接続された端子を介して前記ジャケットに接続され、導体とジャケットとの間の接続が堅固であるように、前記保護層を射出成形する時に、前記導体と前記ジャケットを保護層によって1つに固定して、ワイヤーハーネスの寿命を延長させることができる。
好適に、前記導体は中実導体、偏平導体またはマルチリード線の導体である。ワイヤーハーネスの使用環境の違いに応じて、導体は異なる構造を選択することができる。
【0029】
好適には、前記端子は、圧着または溶接の形態で中実導体、偏平導体またはマルチリード線の導体に接続される。
【0030】
一般的に、前記導体と前記端子が同種材料または類似する材料である場合、圧着する形態を用いる。前記導体と前記端子が差異の大きい材料である場合、溶接する形態を用いる。
【0031】
好適には、前記導体の導電部分の横断面は、円形、楕円形、多角形、波状または異形構造である。
【0032】
ワイヤーハーネスにおける導体の構造に応じて、断面積の異なる導電部分を選択して導電回路を構成することができる。
【0033】
好適には、前記導体が二本を超え且つ同一の回路に属される時、圧着または溶接の形態で、前記端子側ではない導体を回路のニーズに応じて接続して導体接続点を形成する。
好適に、前記導体接続点は全体的に射出成形・被覆・密封される。
【0034】
前記導体接続点は、導体材料の使用を大幅に節約でき、電流を適切な位置で異なる導体に分岐させる。圧着または溶接の形態を用いたため、導体接続点の両側の導体に応力が比較的に集中し、後続に使用する場合、付勢されて導体接続点が破断されてワイヤーハーネスが機能を失ってしまうため、全体的に射出成形する形態で導体接続点を保護しなければならない。湿気領域にある導体接続点が全体的に射出成形されると、防水の役割も果たすことができる。
【0035】
本発明による前記ワイヤーハーネスを製造する方法は以下のステップを含む:
A.ワイヤーハーネスの半製品を製造し、
B.必要な原材料を射出成形機器の中に入れて乾燥してからステップAで製造されたワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れ、またはステップAで製造されたワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れてから必要な原材料を射出成形機器の中に入れて乾燥し、
C.射出成形機器を起動して原材料を加熱溶融して射出成形金型に注入して成型する。
【0036】
好適には、前記製造されたワイヤーハーネスの半製品が一本導体であると、前記端子を圧着または溶接機器によって前記導体に接続し、ステップB~ステップCに従って保護層または位置決め装置または密封装置を射出成形する。
【0037】
好適には、前記製造されたワイヤーハーネスの半製品が一本を超える導体であると、前記端子を圧着または溶接機器によって前記導体に接続し、ステップB~ステップCに従ってまず保護層を射出成形して、複数本の導体を隔離させた後、位置決め装置または密封装置を射出成形する。
【0038】
好適には、前記製造されたワイヤーハーネスの半製品が二本を超える前記導体を有し且つ同一の回路に属されると、圧着または溶接の形態で、前記導体を回路ニーズに応じて接続して導体接続点を形成し、ステップB~ステップCに従ってまずワイヤーハーネスの保護装置を射出成形した後保護層を射出成形し、最後に位置決め装置または密封装置を射出成形する。
【0039】
好適には、前記ワイヤーハーネスの半製品にジャケットが設置されていると、前記導体に接続された端子を前記ジャケットの対応する孔に挿入した後射出成形を行い、またはまずワイヤーハーネスの半製品の射出成形を行った後前記導体に接続された端子を前記ジャケットの対応する孔に挿入する。
【0040】
前記ワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れ、前記ジャケットを少なくとも前記端子に一体的に射出成形する。
【0041】
既存技術に比べ、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0042】
1.ワイヤーハーネスの伝統的なデザインコンセプトは、ケーブル、端子、ジャケット、固定装置、防水装置、テープ、配線ダクト等の各種の原材料をそれぞれ購入して加工し、それを組み立ててワイヤーハーネス製品を得て、このような方法によれば原材料メーカーとワイヤーハーネス工場を分業協力させ、それぞれの役割を担わせることができる。しかし、このように生産する工程のプロセスが特に複雑であって、加工工程が多く、生産中の不良率が高く、ワイヤーハーネスの製品の寸法や性能を保証し難い。本願の発明者は、ワイヤーハーネスにおいて導体と端子以外の他の部品は基本的にプラスチック部品やゴム部品であって、現在のプラスチック部品とゴム部品の生産方法はほとんどが射出成形であるため、本発明のように射出成形方法によってワイヤーハーネスの保護層、位置決め装置と防水装置を加工すると、ワイヤーハーネスのコストを低下させ、生産性を向上させ、製品不良率を低減させ、ワイヤーハーネスの寿命を延長させることができることを発現した。
【0043】
2.本発明のワイヤーハーネスは導体を用いて直接に射出成形され、導体の加工形式も多様であることができ、異なるワイヤーハーネスの使用環境に応じて選択して最適化することができて、ワイヤーハーネスの原材料をさらに節約し、加工時間を短縮し、ワイヤーハーネス製品の品質を向上させる。またワイヤーハーネスのデザイナーに様々なデザインオプションを提供して、ワイヤーハーネスのコストをさらに最適化し、ワイヤーハーネス製品の安定性を向上させる。本発明における保護層の射出成形によって、伝統的なワイヤーハーネスにおけるスリーブとカプセル化用織物の手作業を入れ替え、また自動化生産を実現することができ、ワイヤーハーネスの分岐が多いほど多い工数を節約する。そして、射出成形工程によって製造された保護層によると、カプセル化用織物の手動作業の寸法が不精確で接続箇所の保護が不足である問題点を回避し、ワイヤーハーネス製品の品質をさらに保証し、ワイヤーハーネスの寿命を延長させることができる。
【0044】
3.本発明のワイヤーハーネスは全体的に射出成形する加工形態を用いて、保護層、位置決め装置と密封装置がワイヤーハーネスの他の部品と緊密に結合されることができ、ワイヤーハーネスの防水効果はIP67レベルに達することができ、ワイヤーハーネスに塩水噴霧実験、高温低温実験、振動実験と老化実験を行った後、ワイヤーハーネスの導体と端子との間の力学性能と電気学性能は非常に小さい影響を受けていて、ワイヤーハーネス製品の品質をさらに保証し、ワイヤーハーネスの寿命を延長させることができる。同時に、射出成形する材料が多様で、使用環境の違いに応じて異なる射出成形材料を選択することで、ワイヤーハーネスがさらに柔軟になり、耐振動効果が優れて振動環境が比較的に悪い環境に応用することができ、ワイヤーハーネスの寿命を著しく延長させ、ワイヤーハーネスの安全性を向上させる。
【0045】
4.本発明のワイヤーハーネスは絶縁層付きのリード線を用いることもでき、ワイヤーハーネスの回路が少ないか、またはリード線の長さが長く密封性に対する要求が高くない場合、絶縁層付きのリード線を用いると、射出成形金型のコストを削減することができる。
【0046】
5.本発明において射出成形形態で位置決め装置を加工して、テープまたはケーブルタイを用いて位置決め装置を固定することを入れ替えして、位置決め装置の位置寸法の精度が金型によって保証され、寸法が精確で且つ一貫性が優れ、ワイヤーハーネス製品の品質をさらに保証することができる。同時に、位置決め装置がワイヤーハーネスに一体的に射出成形されるので、結合がさらに堅固であって、位置決め装置が離脱し難く、位置決め効果がさらに良く、また振動環境が比較的に悪い環境においても位置決め装置に寸法ずれの発生が極めて少なく、さらにワイヤーハーネスから離脱してワイヤーハーネスの位置決め機能が失効してしまうことも極めて少なく、ワイヤーハーネスの寿命を著しく延長させることができる。前記組立装置も射出成形する加工形態を用いて、前記ワイヤーハーネスの取付端部の形状の違いに応じて、異なる様式に設定することができ、ワイヤーハーネスの取り付けが一層便利であって、ワイヤーハーネスの取り付け効率を著しく向上させる。前記位置決め装置としてプラスチック部品を用いて、射出成形加工がさらに便利であって、ワイヤーハーネスの取付端部に組み立てられる時、プラスチック部品の弾性によって取り付けが一層簡単であり、位置決め装置の取り付け効率を著しく向上させるとともに、プラスチック部品の耐腐食性が高いのでワイヤーハーネスの寿命を大幅に延長させる。
【0047】
6.本発明による射出成形する形態で加工された密封装置を用いると、ワイヤーハーネスの使用環境において、湿気領域と乾燥領域を密封装置によって密封することで、湿気領域の水が乾燥領域にまたは電気回路に進入して乾燥領域の電気線路を損傷し電器機能が失効し深刻な場合安全事故につながることを回避することができる。本発明の射出成形工程によって密封装置を一体的に射出成形することで、通常のワイヤーハーネスの加工のように密封装置を予め広げてからワイヤーハーネスを通過させる必要がなく、即ち密封装置の位置寸法の精確を保証することができ、また密封装置と保護層の結合がさらに緊密になり、クレイやシーラントを利用する必要がなく、材料費と取付工数を節約することができる。一回で定型されるので、密封装置が壊れ難く、ワイヤーハーネスの保護層との結合がさらに緊密になり、また振動環境が比較的に悪い環境において、密封装置は寸法にずれが発生しなくさらにワイヤーハーネスから離脱してワイヤーハーネスの密封機能が失効してしまうことがなく、ワイヤーハーネスの寿命を著しく延長させることができる。同時に、密封装置は端子と導体との間、ジャケットと保護層との間に設置されることもでき、導体をより良好に密封して、外部環境の水によって導体が腐食されることを回避することができ、ワイヤーハーネスの寿命を著しく延長させる。前記密封装置としてゴム部品を用いて、他のパーツとの密着性がより良好であるとともに、ゴム部品の弾性によってワイヤーハーネスの密封性がよく、ワイヤーハーネスの寿命を著しく向上させる。
【0048】
7.本発明のワイヤーハーネスによると、単独のジャケットまたは一体的に射出成形されたジャケットを用いて、電気装置との嵌合及び取り付けをより迅速に行うことができ、取り付け効率を向上させ、また壊れたワイヤーハーネスを迅速に交換してワイヤーハーネスのメンテナンス効率を向上させ、人工コストを削減することができる。一体的に射出成形されたジャケットは、加工がより迅速になり、端子、保護層または絶縁層との密着がより緊密になり、ハーネスの密封レベルを著しく向上させる。
【0049】
8.前記導体は、中実導体、偏平導体、マルチリード線の導体であり、導体の導電部分の横断面は多様であって、ワイヤーハーネスの実際の使用環境に応じて、対応する導体構造を選択することができて、ワイヤーハーネスのコストを節約し、ワイヤーハーネスの取り付け効率を向上させる。同時に、導体構造と導体の導電部分の横断面が異なることによって、接続形態が異なる端子に適応されることができて、ワイヤーハーネスのデザイナーによるワイヤーハーネスに用いられる端子と導体の選択を容易にし、ワイヤーハーネスのコストをさらに最適化し、ワイヤーハーネスの製品の安定性を向上させる。
【0050】
9.本発明のワイヤーハーネスによると、前記導体が二本を超え且つ同一の回路に属される場合、圧着または溶接の形態で、前記端子側ではない導体を回路のニーズに応じて接続して導体接続点を形成して、ワイヤーハーネスをデザインする時に、導体の使用量を減少し、ワイヤーハーネスのコストを著しく低減させる。同時に、前記導体接続点が全体的に射出成形・被覆・密封されて、導体接続点がワイヤーハーネスの取り付けや使用中において破壊されないように保証することができ、悪い振動環境において、全体的に射出成形・被覆・密封された導体接続点が振動によって破断されることがなく、且つ全体的に射出成形・被覆・密封されて、外部環境の水によって導体接続点が腐食されることを防止することができ、ワイヤーハーネスの寿命を著しく延長させる。
【0051】
10.本発明によるとさらに一体的に射出成形されたワイヤーハーネスを製造する方法を提供し、異なるワイヤーハーネスの構造に応じて、異なる工程プロセスを採用して、ワイヤーハーネスの生産性を著しく向上させ、ワイヤーハーネスのコストを低減させることができる。
【0052】
上述した説明は本発明の技術方案の概略にすぎず、本発明の技術手段をさらに明確に把握するためには、明細書に記載の内容に従って実施することができ、また本発明の上記目的、特徴、メリットと他の目的、特徴、メリットがより明確になるように、以下、好適な実施例を用いて図面を参照して詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1図1は、本発明による一本導体で、ジャケットはなく、位置決め装置及び密封装置を具備するワイヤーハーネスを示す図である。
図2図2は、本発明によるマルチ導体で、ジャケット、保護層、位置決め装置、密封装置を具備するワイヤーハーネスを示す図である。
図3A図3Aは、本発明による保護層付きの一本導体のワイヤーハーネスの横断面を示す図である。
図3B図3Bは、本発明による保護層付きのマルチ導体が並列に設置されたワイヤーハーネスの横断面を示す図である。
図3C図3Cは、本発明による保護層付きのマルチ導体が環状に設置されたワイヤーハーネスの横断面を示す図である。
図3D図3Dは、本発明による絶縁層及び保護層を具備するマルチ導体のワイヤーハーネスの横断面を示す図である。
図4図4は、本発明によるマルチ導体で、導体接続点を具備するワイヤーハーネスを示す図である。
図5図5は、本発明による位置決め装置の構造を示す図である。
図6図6は、鋸歯ねじ構造の組立装置を示す図である。
図7図7は、クリップ状構造の組立装置を示す図である。
図8図8は、C環状構造の組立装置を示す図である。
図9A図9Aは、本発明によるワイヤーハーネスが仕切り板上の通孔に嵌合される密封装置を具備する構造を示す図である。
図9B図9Bは、図9Aの一部断面構造を示す図である。
図10図10は、本発明による導体、端子と保護層の密封装置の構造を示す図である。
図11図11は、本発明によるジャケットの密封装置の構造を示す図である。
図12図12は、本発明による一体的に射出成形されたジャケットの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明において所定の発明目的を実現するために採用した技術手段及び効果をさらに説明するため、以下図面と好ましい実施例を結合して、本発明の具体的な実施形態、構造、特徴及びその効果を詳しく説明する。
【0055】
実施例1
図1図3Aに示すように前記ワイヤーハーネスは一本の導体からなり、前記導体2の両端にそれぞれ端子1が接続される。前記端子1は銅端子であって、前記銅端子は銅の含有量が60%である銅合金からなって、銅端子が良好な導電性と加工性を有するように保証する。前記端子1の表面にニッケルがメッキされていて、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛、銅、銀または金の中の1種類がメッキされていてもよく、メッキ層によって端子の腐食を緩和し、端子の寿命を延長させる。前記端子1の一端は前記導体2に接続され、使用する場合、端子1の他端に電気装置の電気回路が接続される。本実施例において、前記導体2は多芯線からなり、前記多芯線の横断面は円形である。他の実施例において、前記導体2は中実導体や偏平導体であることもできる。前記導体2の導電部分の横断面は楕円形、多角形、波状または異形であることもできる。前記ワイヤーハーネスに、プラスチックまたはゴムからなり射出成形されて前記導体2の外部に被覆された保護層7と、射出成形されてワイヤーハーネスの位置を固定するための少なくとも一つの位置決め装置5または/及び防水用の密封装置4と、が設置されていて、本実施例において、前記保護層7の材質はPVCである。
【0056】
ここで、前記導体2は購入した絶縁層3付きの電線であることができ、その絶縁層3外に保護層7を射出成形する。または導体2外に直接保護層7を射出成形してもよい。図3Aに示すように、前記一本導体2が中央に配置され、周辺に保護層7が射出成形される。
【0057】
前記導体2は、一定の長さに切断された後、両端がそれぞれ圧着または溶接の形態で前記端子1に接続される。その後、半製品を射出成形金型に入れ、規定された寸法に応じて、保護層7、位置決め装置5と密封装置4の射出成形を行い、具体的な射出成形方法は以下の通りである:
【0058】
A.ワイヤーハーネスの半製品を製造し、
B.必要な原材料を射出成形機器の中に入れて乾燥してからステップAで製造されたワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れ、またはステップAで製造されたワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れてから必要な原材料を射出成形機器の中に入れて乾燥し、
C.射出成形機器を起動して原材料を加熱溶融して射出成形金型に注入して成型する。
【0059】
前記位置決め装置5の材質はPA66であって、他の実施例において、前記位置決め装置5は射出成形形態で加工されたプラスチック部品である。図5に示すように、前記位置決め装置5は、ワイヤーハーネスに接続される第1の固定装置12と、前記ワイヤーハーネスの取付端部に嵌合して接続される組立装置11と、を含み、前記組立装置11は前記第1の固定装置12に接続され、前記第1の固定装置12は円筒状構造であって、円筒状構造の内壁が前記保護層7の外面に嵌合され、前記保護層7の外面に被覆される。組立装置11の具体的な構造は取付孔と相互挿入する鋸歯ねじ構造であることができ、即ち、前記組立装置は柱状構造で、前記柱状構造の外周に取付孔と相互挿入されて嵌合される鋸歯ねじ構造(図6を参照)を具備する。他の実施例において、前記組立装置は板材と嵌合されて接続されるクリップ状構造(図7を参照)であることもでき、具体的には溝を具備し、溝内の両側壁に前記板材と嵌合されるさかむけが設置される。さらに管状または柱状構造と組み立てられる円環状またはC型環状構造(図8を参照)であることもできる。
【0060】
なお、前記密封装置4の材質はEPDMであって、他の実施例において、前記密封装置4は射出成形形態で加工されたゴム部品である。一般的にワイヤーハーネスは取り付けられる時、乾燥領域と湿気領域の仕切り板上の通孔を通過し、湿気領域の水が乾燥領域に進入することを防止するために、図9A図9Bに示すように、本実施例において前記密封装置4は、ワイヤーハーネスに接続される第2の固定装置10と防水装置9を含み、前記防水装置9は前記第2の固定装置10に接続される。前記第2の固定装置10の構造は円筒状構造であって、円筒状構造の内壁は前記保護層7の外面に嵌合されて前記保護層7の外面に被覆され、防水装置9の構造は、一端が第2の固定装置10に接続される防水カバー13と、防水カバー13の他端に接続されて防水孔に組み立てられるスロット14と、を含む。
【0061】
本実施例におけるワイヤーハーネスは、湿気領域にある時、ワイヤーハーネスの保護層7、導体2及び端子1の間に密封装置を設置して、保護層7、導体2及び端子1を密封被覆し、図10に示すように、密封装置4は導体2、端子1と導体2の接続箇所及び保護層外に射出成形され、導体2と端子1に対応する部位は防水装置9で、保護層7に対応する部位は第2の固定装置10である。
【0062】
実施例2
図2図3B図3Cに示すように、前記ワイヤーハーネスは一本を超える導体2からなり、それぞれの前記導体2は両端がそれぞれ端子1に接続され、端子1の表面に亜鉛がメッキされていて、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、銅、銀または金中の1種がメッキされていいてもよい。前記導体2と前記端子1は実施例1と同様であるため、説明を省略する。ただ、前記ワイヤーハーネスに電気装置と相互挿入される少なくとも一つのジャケット6が設置され、前記導体2が端子1に接続された後、前記端子1が前記ジャケット6に組み立てられ、デザインニーズに応じて異なる前記端子1が前記ジャケット6の異なる孔に対応されて、異なる回路を接続する役割を果たすとともに、端子1が損傷しないように保護する点で実施例1と異なっている。前記ジャケット6は少なくとも前記端子1に一体的に射出成形される。
【0063】
前記マルチ導体2は、一定の長さに切断された後、両端がそれぞれ圧着または溶接の形態で前記端子1に接続される。その後、半製品を射出成形金型に入れ、規定された寸法に応じて、保護層7、位置決め装置5と密封装置4の射出成形を行い、まずワイヤーハーネスの保護層7を射出成形した後、ワイヤーハーネスの保護装置8を射出成形し、最後に位置決め装置5または密封装置4を射出成形する。
【0064】
本実施例のワイヤーハーネスは、湿気領域にある時、ワイヤーハーネスの保護層7、導体2及び端子1の間に密封装置4を設置して、保護層7、導体2及び端子1を密封被覆し、図10に示すように、密封装置4は導体2、端子1と導体の接続箇所及び保護層7外に射出成形され、導体2と端子1に対応する部位は防水装置9で、保護層7に対応する部位は第2の固定装置10である
【0065】
具体的な射出成形方法は以下の通りである:
A.ワイヤーハーネスの半製品を製造し、
B.必要な原材料を射出成形機器の中に入れて乾燥してからステップAで製造されたワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れ、またはステップAで製造されたワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れてから必要な原材料を射出成形機器の中に入れて乾燥し、
C.射出成形機器を起動して原材料を加熱溶融して射出成形金型に注入して成型する。
ここで、射出成形するパラメータは、加熱温度、冷却温度、射出成形圧力、射出成形時間等を含み、既存の射出成形機器によって操作し、通常の操作方法である。射出成形された完成品に異物、凹み、バリ、気孔等の欠陥があってはいけない。
【0066】
図3B図3Cに示すように、前記マルチ導体2は中央に配置され、周辺に保護層7が射出成形され、これにより、前記マルチ導体2を1つに束縛してワイヤーハーネスが取り付けられる時に導体2が散らされることを防止するとともに、前記マルチ導体2を絶縁隔離して保護することで、ワイヤーハーネスが取り付けられた後、前記マルチ導体2が相互短絡及び摩擦等の外力を受けて破損されることを防止する。本実施例において、前記導体2は中実導体または偏平導体であって、前記導体2の導電部分の横断面は異形構造であるが、楕円形または波状であることもできる。前記保護層7の材質はPVCである。前記位置決め装置5と前記密封装置4は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0067】
実施例3
図4に示すように、前記ワイヤーハーネスは、一本を超える導体2からなり、一部の前記導体2の末端は端子1に接続され、その他の部分の導体2の末端は、圧着または溶接の形態で、回路ニーズに応じて接続されて導体接続点を形成する。端子1の表面に銀がメッキされていて、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛または金の中の1種がメッキされることもできる。前記導体2が端子1に接続された後、前記端子1が電気装置と相互挿入するジャケット6に組み立てられ、デザインニーズに応じて異なる前記端子1は前記ジャケット6の異なる孔に対応される。製造する際、前記導体接続点が全体的に密封されてワイヤーハーネスの保護装置8を形成し、前記ワイヤーハーネスの保護装置8は射出成形形態で加工されたゴム部品またはプラスチック部品である。図3Dに示すように、前記導体2外に絶縁層3が設置され、絶縁層3外に保護層7が射出成形され、前記端子1と前記ジャケット6は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0068】
前記マルチ導体2は一定の長さに切断された後、デザインニーズに応じて、一部の導体2はそれぞれ圧着または溶接の形態で前記端子1に接続される。その他の部分の前記導体2は二本を超え且つ同一の回路に属される時、圧着または溶接の形態で、前記端子側ではない導体が回路ニーズに応じて接続されて導体接続点を形成する。その後、半製品を射出成形金型に入れ、規定された寸法に応じて、実施例2に記載の射出成形ステップに従って、まず保護層7の射出成形を行った後、ワイヤーハーネスの保護装置8を射出成形し、最後に位置決め装置5及び/または密封装置4を射出成形する。本実施例において、前記導体2はマルチリード線からなり、前記導体22の導電部分の横断面は多角形構造である。前記ワイヤーハーネスの保護装置8の材質はプラスチックであって、他の応用において、前記ワイヤーハーネスの保護装置8の材質はゴムであることもできる。前記保護層7、位置決め装置5、密封装置4は実施例2と同様であるので、説明を省略する。
【0069】
射出成形されたワイヤーハーネスの製造方法において、前記ワイヤーハーネスの半製品にジャケット6が設置されている場合、前記接続導体2の端子1を前記ジャケット6の対応する孔に挿入した後に射出成形を行い、またはまずワイヤーハーネスの半製品の射出成形を行った後に前記接続導体2の端子1を前記ジャケット6の対応する孔に挿入する。
【0070】
図11に示すように、前記ジャケット6が湿気領域にある場合、ジャケット6への水の進入を防止するために、密封装置4を設置してジャケット6の孔を密封し、前記ジャケット6と導体2との間の接続隙間に防水装置9を射出成形してジャケット6を密封して防水し、防水装置9とジャケット6の端部に第2の固定装置10が接続される。前記防水装置9に射出成形された第2の固定装置10は導体2外の保護層7に嵌合されるスリーブ構造である。
【0071】
図12に示すように、本実施例に記載のジャケット6は一体的に射出成形されることもでき、前記ワイヤーハーネスの半製品を射出成形金型に入れ、前記ジャケット6を少なくとも前記端子1に一体的に射出成形し、他の実施例において、前記ジャケット6は前記端子1と導体2に一体的に射出成形されることもでき、または、前記ジャケット6は前記端子1、導体2と保護層7に一体的に射出成形されることもできる。
【0072】
伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスと本発明の実施例1~3に記載の一体的に射出成形されたワイヤーハーネスによる前記ワイヤーハーネスの端子と導体の力学性能と電気学性能に対する影響を証明するために、本願の発明者は、上述した2種類の異なる方法で加工されたワイヤーハーネスに一連の力学性能、電気学性能と寿命の実験を行った。
【0073】
具体的な実験は以下の通りである。すなわち、ワイヤーハーネスの実際の使用環境をシミュレーションしたが、テスト条件は普通の環境より非常に厳しい程度まで追加して、実際の使用環境で長期にわたってこそ得られるテスト結果を短期間で得た。一連の実験は以下を含む:
1)2種類のワイヤーハーネスの端子1と導体2の初期引抜き力と電圧降下のテスト、ワイヤーハーネスの初期力学と電気学性能を得た。
2)1000時間の塩水噴霧実験、塩水噴霧実験箱を使用して2種類のワイヤーハーネスへ塩水を噴霧し、通常の沿岸環境での10年間の耐塩水噴霧テストの代わりとすることができる。
3)2000時間の高温低温実験、2種類のワイヤーハーネスを使用環境の最高温度と最低温度にそれぞれ一時間置いて、温度切り替え時間は5秒未満であり、100回循環して行っていて、外部の寒暖交替環境での10年間の高温低温テストの代わりとすることができる。
4)120時間振動実験、2種類のワイヤーハーネスを振動実験台上に固定して、使用環境に応じて振動幅を選択し、三つの方向で2種類のワイヤーハーネスを振動させていて、通常の振動環境での10年間の振動テストの代わりとすることができる。
5)6000時間の老化実験、2種類のワイヤーハーネスを老化実験箱に入れて、定格使用条件を超える環境をシミュレーションしていて、20年間の通常の使用環境での老化テストの代わりとすることができる。それぞれの実験を行った後、いずれも2種類のワイヤーハーネスの端子1と導体2の電圧降下値と引抜き力値のテストを行った。実験結果を表1-1、表1-2と表1-3に示す。
【0074】
【表1-1】
【0075】
【表1-2】
【0076】
【表1-3】
【0077】
上記表1-1、表1-2と表1-3の結果によると、伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスと一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの場合、端子1と導体2の初期引抜き力数値と電圧降下数値は比較的に接近する。
【0078】
それぞれ1000時間の塩水噴霧試験、200時間の高温低温実験、120時間の振動実験と6000時間の老化実験を経た後、一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの場合、実験後の端子1と導体2の引抜き力値が伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスの実験後の端子1と導体2の引抜き力値を大幅に超えていて、初期の引抜き力数値に接近する。
【0079】
一方、伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスの場合、実験後の端子1と導体2の引抜き力値は明らかに低下され、力学性能も不安定であって、ワイヤーハーネスの端子1と導体2が離脱してワイヤーハーネスが短絡し機能を失い厳重な場合は燃焼事故につながることもある。
【0080】
一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの場合、実験後の端子1と導体2の電圧降下は、伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスの端子1と導体2の初期電圧降下に基本的に接近する。
【0081】
一方、伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスの場合、実験後の端子1と導体2の電圧降下値も明らかに低下され、電気学性能が不安定であって、ワイヤーハーネスの端子1と導体2の接触抵抗が上昇し、導電時にワイヤーハーネスの端子1と導体2が発熱し赤くなり、深刻な時には温度が高すぎて燃焼し、厳重な事故を引き起こす可能性がある。
【0082】
よって、一体的に射出成形されたワイヤーハーネスは、実験後の端子1と導体2の力学性能と電気学性能が伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスより優れていて、製品の不良率を低減し、ワイヤーハーネスの寿命を延長させることができる。
【0083】
伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスと本発明の実施例1~3に記載の一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの固定装置による振動環境での位置決め効果を証明するために、それぞれ100本の前記2種類のワイヤーハーネスを選択して、ワイヤーハーネスの固定装置の性能に振動試験テストを行った。その結果を下表に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
表に示すように、伝統的なワイヤーハーネスにおいて、ケーブルタイで位置決め装置を固定した場合、位置決め装置5の寸法ずれが発生した数量がワイヤーハーネスの総量の52%を占め、ワイヤーハーネスの離脱の数量がワイヤーハーネスの総量の11%を占め、不良率が非常に高い。伝統的なワイヤーハーネスにおいて、テープで位置決め装置5を固定した場合、位置決め装置5の寸法ずれが発生した数量がワイヤーハーネスの総量の69%を占め、ワイヤーハーネスの離脱の数量がワイヤーハーネスの総量の24%を占め、不良率が非常に高く、ワイヤーハーネスの取り付けや機能の実現に深刻な影響を与え、深刻な場合ワイヤーハーネスが機能を失ってしまう。
【0086】
一方、一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの3種類の位置決め装置5の場合、寸法ずれの数量がワイヤーハーネスの総量でただ0%、1%、1%を占め、ワイヤーハーネスの離脱の数量はすべてワイヤーハーネスの総量で0%を占める。従って、一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの場合、位置決め装置5とワイヤーハーネスの結合がさらに堅固であり、位置決め装置5が離脱し難く、位置決め効果が一層良好であって、また振動環境が比較的に悪い環境において、位置決め装置5に寸法ずれの発生が極めて少なく、さらにワイヤーハーネスから離脱してワイヤーハーネスの位置決め機能が失効してしまうことも極めて少なく、ワイヤーハーネスの寿命を著しく延長させることができる。
【0087】
伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスと本発明の実施例1~3に記載の一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの密封装置4が外部の埃と水によって浸食される場合の保護レベルを証明するために、それぞれ100本の前記2種類のワイヤーハーネスを選択して、ワイヤーハーネスの密封装置4の性能の保護レベルのテストを行った。その結果を下表に示す。
【0088】
【表3】
【0089】
表に示すように、伝統的なワイヤーハーネスの3種類の密封装置4の場合、IP54の保護レベルテストにおいて、保護レベルの通過率はただ89%、92%、88%であって、IP67の保護レベルテストにおいて、保護レベルの通過率はただ68%、75%、71%であって、保護レベルの通過率が低く、ワイヤーハーネスの密封性能を保証できず、外部環境の埃や水による導体2に対する腐食を防止できなく、ワイヤーハーネスが機能を失ってしまうことになる。
【0090】
一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの3種類の密封装置4の場合、IP54の保護レベルテストにおいて、保護レベルの通過率がすべて100%であって、IP67の保護レベルテストにおいて、保護レベルの通過率は99%、100%、100%であって、ワイヤーハーネスの密封性能を完璧に満たすことができて、ワイヤーハーネスの密封性がより良好で、外部環境の埃や水による導体に対する腐食を防止し、ワイヤーハーネスの寿命を著しく向上させる。
【0091】
伝統的な方法で加工されたワイヤーハーネスと本発明の実施例1~3に記載の一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの導体接続点が異なる保護形態で被覆する時の、導体接続点の破断リスクを証明するために、それぞれ100本の前記2種類のワイヤーハーネスを選択して、ワイヤーハーネスに120時間の振動試験テストを行った後、導体接続点の破断割合を測定した。その結果を下表に示す。
【0092】
【表4】
【0093】
表に示すように、伝統的なワイヤーハーネスの2種類の導体接続点の被覆形態によると、ワイヤーハーネスに120時間の振動試験テストを行った後、導体接続点をテープで被覆した導体接続点の破断割合は26%で、導体接続点を熱収縮管で被覆した導体接続点の破断割合は18%である。導体接続点の破断割合が高く、ワイヤーハーネスの悪い振動環境での導通性能を保証できず極めて大きいワイヤーハーネス機能失効リスクが存在する。
【0094】
一体的に射出成形されたワイヤーハーネスの射出成形被覆された導体接続点の場合、導体接続点の破断割合は0%で、ワイヤーハーネスの悪い振動環境での導通性能を保証することができ、ワイヤーハーネスの寿命を著しく向上させる。
【0095】
上記実施形態は本発明の好適な実施形態にすぎず、これらによって本発明の保護範囲が限定されることがなく、当業者が本発明に基づいて行ったすべての非実質的な変形及び入れ替えはいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1 端子
2 導体
3 絶縁層
4 密封装置
5 位置決め装置
6 ジャケット
7 保護層
8 ワイヤーハーネス保護装置
9 防水装置
10 第2の固定装置
11 組立装置
12 第1の固定装置
13 防水カバー
14 スロット
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12