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特許7462083水性ポリウレタンエマルション及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】水性ポリウレタンエマルション及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20240328BHJP
   C08G 18/22 20060101ALI20240328BHJP
   C08G 18/40 20060101ALI20240328BHJP
   C08G 18/65 20060101ALI20240328BHJP
   A41D 19/04 20060101ALI20240328BHJP
   A41D 19/00 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
C08G18/00 C
C08G18/22
C08G18/40
C08G18/65
A41D19/04 B
A41D19/00 N
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023013815
(22)【出願日】2023-02-01
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】202211211903.5
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523035712
【氏名又は名称】世目特種防護用品科技(江蘇)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戴国達
(72)【発明者】
【氏名】文▲い▼
【審査官】佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108753139(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102504167(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110016251(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112500776(CN,A)
【文献】特開平09-012864(JP,A)
【文献】国際公開第2021/117834(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2349984(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G18/00-18/87
A41D19/04
A41D19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性ポリウレタンエマルションであって、
ポリオール230~250部、イソシアネート50~60部、親水鎖延長剤5~10部、希釈剤60~80部、中和剤5~9部、水500~600部、後鎖延長剤15~20部、触媒0.01~0.05部、セルロース増粘剤3~7部、湿潤剤0.5~1.5部、および分散剤3~5部という重量部の原料を含むことを特徴とする水性ポリウレタンエマルション。
【請求項2】
前記ポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボンポリオール、ポリシロキサンポリオール、およびポリテトラヒドロフランのうちの1種又は複数種であることを特徴とする請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルション。
【請求項3】
前記イソシアネートは、イソホロンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートのうちの1種又は2種であることを特徴とする請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルション。
【請求項4】
前記親水鎖延長剤は2,2-ジメチロールプロピオン酸であることを特徴とする請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルション。
【請求項5】
前記希釈剤は、ジメチルアセトアミド、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、およびN-メチルピロリドンのうちのいずれか一種であることを特徴とする請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルション。
【請求項6】
前記中和剤はトリエチルアミンであることを特徴とする請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルション。
【請求項7】
前記後鎖延長剤は、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、イソホロンジアミンおよび水和ヒドラジンのうちの1種又は2種であることを特徴とする請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルション。
【請求項8】
前記触媒は有機スズ又は有機ビスマスであり、前記セルロース増粘剤はカルボキシメチルセルロースであり、前記湿潤剤はポリエーテル変性オルガノシロキサンであり、前記分散剤はアリールエチルフェニルポリグリコールエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルション。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の水性ポリウレタンエマルションの製造方法であって、
前記ポリオールおよび前記親水鎖延長剤を反応器に入れ、150~200rpmの回転速度で撹拌し、撹拌しながら前記イソシアネートを加え、温度を75~85℃に上昇させた後、前記触媒を追加し、その後、窒素ガスを導入し、3時間保温することによりイソシアネートでキャッピングされたプレポリマーを得るというイソシアネートでキャッピングされたプレポリマーを製造するステップ1と、
前記反応器中の温度を60℃以下に低下させた後、前記希釈剤と前記中和剤を加えて、前記イソシアネートでキャッピングされたプレポリマーに対して中和反応を行い、中和後のプレポリマーを得る中和のステップ2と、
20℃の温度で、前記ステップ2の中和後のプレポリマーを水に添加し、混合物を得て、前記混合物を3000~3500rpmの回転速度で30分間撹拌して分散体を形成する乳化段階のステップ3と、
次に、450~500rpmの回転速度で、前記ステップ3の分散体に後鎖延長剤を添加し、30分間撹拌することにより、鎖延長プロセスにおいてポリウレタン粒子のサイズが20~30μmに制限された水性ポリウレタン分散体を得る後鎖延長のステップ4と、
前記水性ポリウレタン分散体に、前記セルロース増粘剤、前記湿潤剤、および分散剤を追加し、30分間撹拌し、前記水性ポリウレタンエマルションを得るエマルション製造のステップ5と、を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の水性ポリウレタンエマルションを利用してニット手袋に対してディッピング処理を行う方法であって、
ニット手袋の裏地を製造ラインのモールドにかぶせて、30~60℃まで加熱し、スラリースプレーの方法を採用して第1層の前記水性ポリウレタンエマルションを前記ニット手袋の裏地の表面にスプレーし、50~90℃の温度条件で10~20分間初期固化し、次に、100~130℃の温度条件下で10~20分間十分に固化して、一層ディッピングされた手袋を得るスラリースプレーのステップaと、
前記ステップaで完全に固化した後の前記一層ディッピングされた手袋を30~60℃に冷却して、第2~4層の前記水性ポリウレタンエマルションをスラリー浸漬の方法で前記一層ディッピングされた手袋の表面に塗布し、90~110℃の温度条件下で10~20分間十分に固化して、手袋粗製品を得るスラリー浸漬のステップbと、
前記スラリー浸漬後の手袋粗製品を30~60℃に冷却し、前記水性ポリウレタンエマルションを表面にスプレーするかまたはスラリー浸漬方法で塗布し、50~90℃の温度条件で2~10分間初期固化し、次に、100~130℃の温度条件下で10~20分間十分に固化して、冷却して離型する離型のステップcと、を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手袋加工の技術分野、特に水性ポリウレタンエマルション及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラテックス手袋とも呼ばれるディッピング手袋は、手袋の1種であり、通常の手袋とは異なり、ラテックスによって加工されたものであり、家族、工業、医療、美容等の産業で採用でき、必要な手保護用品である。ディッピング手袋製品は、特別な表面処理後に着用が快適であり、工農業生産、医療、日常生活で広く使用されている。
【0003】
従来のディッピング手袋の生産は使用するゴム材料が溶媒であるため、生産プロセス中に揮発しやすい大量の化学補助材料を使用し、作業場の温度が高いため、生産ラインは閉じられておらず、手モデルがゴム材料プールを撹拌し続け、これにより、化学物質は作業場の空気に非常に揮発しやすくなり、生産労働者の健康に深刻な影響があり、たとえば、溶媒型のニット手袋のビスコース作業場では、ベンゼン、メタノール、酢酸の短時間接触濃度はそれぞれ404.1mg/m3、186.5mg/m、45.5mg/mに達し、ベンゼン、メタノール、酢酸の時間重み平均接触濃度はそれぞれ212.2mg/m、76.4mg/m、29.2mg/mに達する。労働者への身体的傷害を減らすために、多くのメーカーは透明なプラスチックボードで生産ラインをカプセル化し、作業場での化学物質の濃度を大幅に削減するが、有機揮発物の汚染問題を根本的に解決せず、さらに、ゴム材料中の40%以上の有機溶媒が、生産プロセス全体中に基本的に処理されず、空気に直接放出され、環境への汚染は非常に深刻である。
【0004】
ヨーロッパと米国の労働保護商品へのグリーン安全基準の高まりにより、主に輸出される労働保護手袋用ゴム材料も徐々に水性化に移され、より一般的なものは、ラテックス手袋(つまり、NRL手袋)とニトリル手袋(つまり、Nitrile手袋)である。しかし、NRL手袋自体に含まれるタンパク質は、人の皮膚アレルギーを引き起こしやすく、Nitrile手袋にはタンパク質が含まれず、着用する人々にアレルギーを与えないが、ニトリルラテックスに含まれる低ポリマーまたは一部のモノマーは、熱硫化プロセス中に完全に重合しにくく、臭気と二次汚染を生成しやすい。近年、科学技術の発展と製品の品質改善が要求されることにより、高性能水性ポリウレタン(WPU)ゴム材料新製品は、海外で発売されるとすぐに広範囲の注目を集めている。水を分散性媒体とするWPUSは、非毒性、環境を汚染せず、燃焼しにくく、安全で信頼でき、被塗装面を損傷しにくく、省エネルギー、操作しやすく及び変性しやすい等の利点を有するだけでなく、また、良好な溶媒耐性、耐摩耗性、柔軟性、熱安定性等の特性もあり、革のコーティング、織物、接着剤及び塗料等の分野で広く使用される。
【0005】
WPUは、高性能のグリーンで環境に優しい材料として、その総合的な性能は優れており、分子構造設計の可能性が高く、製造技術の継続的な改善により、成膜、老化耐性、耐摩耗性、強度などの点で、他の水性ポリマー材料を上回り、通気性、柔軟性、手触り等の点で、他の水性材料の比類のない利点があり、高性能労働保護ビスコース手袋を作るための最も好ましい材料である。このプロジェクトは、WPUプレポリマーの長鎖であるシロキサンを変性し、プレポリマー相のその場の無機ハイブリッド、アクリルのグラフト重合などにより、織物コアビスコース手袋用WPU材料の低い固体含有量、低い固化速度、低い耐水性、低い初期接着性などのコアの技術的な問題を解決し、外国の技術独占を突破して上回り、グリーン生産を達成し、ビスコース手袋製品のグリーン環境保護及び通気性、防水性、高弾性、超手触り、耐水性等の高付加価値性能を改善する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これを考慮して、本発明は、乳化段階中にセルロース増粘剤を添加し、ポリウレタン粒子の形成の初期段階では、セルロース増粘剤を利用して水分子と水素結合を形成し、水分子の動きを制限させて、粒子を衝突させ組み合わせることで得られ、ディッピング手袋の耐摩耗性、柔軟性、寿命を改善する水性ポリウレタンエマルションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明により提供される水性ポリウレタンエマルションは、
ポリオール230~250部、イソシアネート50~60部、親水鎖延長剤5~10部、希釈剤60~80部、中和剤5~9部、水500~600部、後鎖延長剤15~20部、触媒0.01~0.05部、セルロース増粘剤3~7部、湿潤剤0.5~1.5部、および分散剤3~5部という重量部の原料を含む。
【0008】
好ましくは、前記ポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボンポリオール、ポリシロキサンポリオール及びポリテトラヒドロフラン(PTHF)のうちの1種又は複数種である。
【0009】
好ましくは、前記イソシアネートは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)およびヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のうちの1種又は2種である。
【0010】
好ましくは、前記親水鎖延長剤は2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA)である。
【0011】
好ましくは、前記希釈剤は、ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)のうちのいずれか一種である。
【0012】
好ましくは、前記中和剤はトリエチルアミン(TEAM)である。
【0013】
好ましくは、前記後鎖延長剤は、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、イソホロンジアミンおよび水和ヒドラジンのうちの1種又は2種である。
【0014】
好ましくは、前記触媒は有機スズ又は有機ビスマスであり、前記セルロース増粘剤はカルボキシメチルセルロースであり、前記湿潤剤はポリエーテル変性オルガノシロキサンであり、前記分散剤はアリールエチルフェニルポリグリコールエーテルである。
【0015】
本発明で採用されている有機スズは、上海匯化実業有限公司から購入されたT12であるジラウリン酸ジブチルスズであり、有機ビスマスは薪典化学材料(上海)有限公司から購入されたBiCATである有機ビスマス触媒であり、セルロース増粘剤は▲い▼坊▲魯▼▲徳▼化工有限公司から購入されたCMCであるカルボキシメチルセルロースであり、湿潤剤は、畢克化学から購入されたBYK348であるポリエーテル変性オルガノシロキサンであり、分散剤はアリールエチルフェニルポリグリコールエーテルであり、翁開爾(上海)国際貿易有限公司、製品番号Lucramul RLである。
【0016】
本発明のもう一つの目的は、
ポリオール、親水鎖延長剤を反応器に入れ、150~200rpmの回転速度で撹拌し、撹拌しながらイソシアネートを加え、温度を75~85℃に上昇させた後、触媒を追加し、その後、窒素ガスを導入し、3時間保温することにより、イソシアネートでキャッピングされたプレポリマーを得るというイソシアネートでキャッピングされたプレポリマーを製造するステップ1と、
反応器中の温度を60℃以下に低下させた後、希釈剤と中和剤を加えて、イソシアネートでキャッピングされたプレポリマーに対して中和反応を行い、中和後のプレポリマーを得るという中和のステップ2と、
20℃の温度で、ステップ2の中和後のプレポリマーを水に添加し、混合物を得て、混合物を3000~3500rpmの回転速度で30分間撹拌して分散体を形成する乳化段階のステップ3と、
次に、450~500rpmの回転速度で、ステップ3の分散体に後鎖延長剤を添加し、30分間撹拌することにより、鎖延長プロセスにおいて、ポリウレタン粒子のサイズが20~30μmに制限された水性ポリウレタン分散体を得る後鎖延長のステップ4と、
水性ポリウレタン分散体に、セルロース増粘剤、湿潤剤、分散剤を追加し、30分間撹拌し、前記水性ポリウレタンエマルションを得るというエマルション製造のステップ5と、を含む水性ポリウレタンエマルションの製造方法を提供することである。
【0017】
前記水性ポリウレタンエマルションを利用してニット手袋に対してディッピング処理を行う方法は、具体的なステップが、
ニット手袋の裏地を流れラインのモールドにかぶせて、30~60℃まで加熱し、スラリースプレーの方法を採用して第1層の水性ポリウレタンエマルションをニット手袋の裏地の表面にスプレーし、50~90℃の温度条件で10~20分間初期固化し、次に、100~130℃の温度条件下で10~20分間十分に固化して、一層ディッピングされた手袋を得るスラリースプレーのステップaと、
ステップaで完全に固化した後の一層ディッピングされた手袋を30~60℃に冷却して、第2~4層の前記水性ポリウレタンエマルションをスラリー浸漬の方法で一層ディッピングされた手袋の表面に塗布し、90~110℃の温度条件下で10~20分間十分に固化して、手袋粗製品を得るスラリー浸漬のステップbと、
上記のスラリー浸漬後の手袋粗製品を30~60℃に冷却し、前記水性ポリウレタンエマルションを表面にスプレーするかまたはスラリー浸漬方法で塗布し、50~90℃の温度条件で2~10分間初期固化し、次に、100~130℃の温度条件下で10~20分間十分に固化して、冷却して離型する離型ステップcと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
従来技術と比較して、本発明には次の有益な効果がある。
本発明は、水性ポリウレタンエマルション及びその製造方法を提供し、原料を調整し、組成物中のポリウレタン粒子のサイズを制限し、乳化段階中にセルロース増粘剤を添加することにより、ポリウレタン粒子の形成の初期段階で、セルロースを利用して水分子と水素結合を形成し、水分子の動きを制限すると、粒子を衝突させ組み合わせて水性ポリウレタンエマルションを製造する。上記のエマルションを使用して製造されたディッピング手袋は、織物手袋コアと完璧に組み合わせ、耐摩耗性、より良い柔軟性、長い耐用年数という特徴を有し、同時に、シンプルなニット手袋より良い着用快適さを達成し、且つ本発明で製造されたディッピング手袋は、製造プロセスがシンプルで、生産サイクルが短く、生産能力が高く、コストが低く、価格が安い。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0020】
(実施例1)
水性ポリウレタンエマルションは、ポリオール270.74部、イソシアネート50.56部、親水鎖延長剤7.82部、希釈剤36部、中和剤5.9部、水541.66部、後鎖延長剤17.21部、触媒0.02部、セルロース増粘剤3.6部、湿潤剤2.2部、分散剤1.8部という重量部の原料で構成される。
【0021】
前記ポリオールは、PTHF 1000であり、前記イソシアネートは、25.56部のIPDI及び25部のHDIからなり、前記親水鎖延長剤は2,2-ジメチロールプロピオン酸であり、前記希釈剤はアセトンであり、前記中和剤はトリエチルアミンであり、前記後鎖延長剤は、水和ヒドラジンであり、前記触媒はジラウリン酸ジブチルスズであり、前記セルロース増粘剤はカルボキシメチルセルロースであり、前記湿潤剤はポリエーテル変性オルガノシロキサンであり、前記分散剤はアリールエチルフェニルポリグリコールエーテルである。
【0022】
水性ポリウレタンエマルションの製造方法は、
ポリオール、親水鎖延長剤を反応器に入れ、150rpmの回転速度で撹拌し、撹拌しながらイソシアネートを加え、温度が80℃に上昇させた後、触媒を追加し、窒素ガスを導入し、3時間保温し、イソシアネートでキャッピングされたプレポリマーを得るというイソシアネートでキャッピングされたプレポリマーを製造するステップ1と、
反応器中の温度が60℃に低下した後、希釈剤と中和剤を加えて、イソシアネートでキャッピングされたプレポリマーに対して中和反応を行い、中和後のプレポリマーを得る中和のステップ2と、
20℃の温度で、ステップ2の中和後のプレポリマーを水に添加し、混合物を得て、混合物を3200rpmの回転速度(高速撹拌)で30分間撹拌して分散体を形成する乳化段階のステップ3と、
次に、500rpmの回転速度(低速撹拌)で、ステップ3の分散体に後鎖延長剤を添加し、30分間撹拌し、水性ポリウレタン分散体を得て、鎖延長プロセスにおいて、ポリウレタン粒子のサイズを20~30μmに制限する後鎖延長のステップ4と、
水性ポリウレタン分散体に、セルロース増粘剤、湿潤剤、分散剤を追加し、30分間撹拌し、前記水性ポリウレタンエマルションを得るエマルション製造のステップ5と、を含む。
【0023】
上記水性ポリウレタンエマルションを採用してディッピング手袋を製造する方法は、
ニット手袋の裏地を流れラインのモールドにかぶせて、50℃に加熱し、スラリースプレーの方法を採用して第1層の水性ポリウレタンエマルションをニット手袋裏地の表面にスプレーし、80℃の温度条件下で15分間初期固化し、次に、120℃の温度条件下で20分間十分に固化して、一層ディッピングされた手袋を得るスラリースプレーのステップaと、
ステップaで完全に固化した後の一層ディッピングされた手袋を35℃に冷却し、第2~4層の水性ポリウレタンエマルションをスラリー浸漬の方法で一層ディッピングされた手袋の表面に塗布し、各層のエマルションをすべて、100℃の温度条件下で20分間十分に固化して、手袋粗製品を得るスラリー浸漬のステップbと、
上記のスラリー浸漬後の手袋粗製品を35℃に冷却し、水性ポリウレタンエマルションを表面にスプレーするかまたはスラリー浸漬方法で塗布し、60℃の温度条件下で10分間初期固化し、次に、120℃の温度条件下で20分間十分に固化して、冷却して離型する離型ステップcと、を含む。
【0024】
上記は本発明の好ましい実施形態であり、当業者にとって、本発明の原理から分離されていないという前提の下で、いくつかの改善と修正を行うことができ、これらの改善と修正は、本発明の保護範囲とも見なされるべきであると指摘する必要がある。
【要約】
【課題】水性ポリウレタンエマルション及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、水性ポリウレタンエマルション及びその製造方法を提供し、これは手袋加工の技術分野に属する。本発明によって記載されている水性ポリウレタンエマルションは、ポリオール、イソシアネート、親水性鎖延長剤、希釈剤、中和剤、後鎖延長剤、水、触媒、セルロース増粘剤、湿潤剤及び分散剤を使用して製造される。本発明の水性ポリウレタンエマルションを採用して、ニット手袋をディッピング処理し、手袋の耐摩耗性と柔軟性を改善し、手袋のサービス寿命を延ばし、同時に手袋の着用快適さを改善することができる。
【選択図】なし