(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】非常用設備
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20240328BHJP
G08B 29/06 20060101ALI20240328BHJP
H04B 10/03 20130101ALI20240328BHJP
【FI】
G08B17/00 C
G08B29/06
H04B10/03
(21)【出願番号】P 2023019700
(22)【出願日】2023-02-13
(62)【分割の表示】P 2021126419の分割
【原出願日】2017-08-18
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】杉山 泰周
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-357481(JP,A)
【文献】特開2001-16169(JP,A)
【文献】特開2001-358783(JP,A)
【文献】特開平11-275028(JP,A)
【文献】特開2002-353906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
G08B 29/06
H04B 10/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内の異常に関する監視制御を行う非常用設備であって、
防災受信盤と、
前記トンネル内に設置された端末側の設備機器と前記防災受信盤との間で光信号による通信を行うための常用光回線及び予備用光回線と、
前記常用光回線及び前記予備用光回線の各線路途中に接続された複数の光中継装置と、
前記常用光回線及び前記予備用光回線の各線路終端に接続された終端装置と、
を備え、
前記光中継装置は、
通常時は、前記常用光回線の上り側と下り側の間及び前記予備用光回線の上り側と下り側の間で各々前記光信号を中継し、
前記常用光回線の上り側から受信した前記光信号の強度低下障害を検出した場合は、前記防災受信盤又は上り側に隣接した他の光中継装置に前記予備用光回線を介して光強度低下障害信号を送信して前記常用光回線による前記光信号の送受信を停止させ、前記予備用光回線により前記光信号を送受信させると共に、前記予備用光回線の上り側と前記常用光回線の上り側及び下り側との間で前記光信号を迂回中継し、
下り側に位置する他の光中継装置又は前記終端装置から前記光強度低下障害信号を受信した場合は、前記常用光回線による前記光信号の送受信を停止すると共に、前記常用光回線の上り側と前記予備用光回線の下り側との間で前記光信号を迂回中継し、
前記防災受信盤は、
通常時は、前記常用光回線により前記光信号を送受信し、
下り側に隣接した前記光中継装置から前記光強度低下障害信号を受信した場合は、前記常用光回線による前記光信号の送受信を停止して、前記予備用光回線により前記光信号を送受信し、
前記終端装置は、前記常用光回線から受信した前記光信号の強度低下障害を検出した場合に、上り側に隣接した前記光中継装置に前記予備用光回線を介して光強度低下障害信号を送信して前記常用光回線による前記光信号の送受信を停止させると共に、前記予備用光回線と前記常用光回線との間で前記光信号を迂回中継する、
ことを特徴とする非常用設備。
【請求項2】
請求項1記載の非常用設備に於いて、
前記防災受信盤は、周期的に試験信号を前記常用光回線に送信し、
前記光中継装置及び前記終端装置は、前記試験信号の受信レベルが所定の閾値以下に低下した場合に、前記光信号の強度低下障害を検出することを特徴とする非常用設備。
【請求項3】
請求項1記載の非常用設備に於いて、
前記常用光回線の途中に接続された複数の前記設備機器と、
前記常用光回線に分岐接続されると共に、前記設備機器に信号回線により接続され、前記常用光回線から受信した前記光信号を電気信号に変換して前記設備機器に出力すると共に、前記設備機器から入力した電気信号を前記光信号に変換して前記常用光回線に送信する光変換器と、
を備えたことを特徴とする非常用設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に設置した火災検出器や消火栓装置等の設備機器を監視センターの防災受信盤に光回線により接続してトンネル内の異常を監視する非常用設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路等のトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用設備が設置されている。
【0003】
このような非常用設備としては、火災の監視と通報のため火災検知器、手動通報装置、非常電話が設けられ、また火災の消火や延焼防止のために消火栓装置が設けられ、更にトンネル躯体を火災から防護するために水噴霧ヘッドから消火用水を散水させる水噴霧などが設置され、非常用設備の設備機器を監視センターに設けられた防災受信盤からの伝送回線に接続して監視制御することでトンネル非常用設備を構築している。
【0004】
防災受信盤と設備機器で構成するトンネル非常用設備は、R型伝送方式とP型直送方式に大別される。R型伝送方式は、防災受信盤から引き出された信号線ケーブルによる伝送回線にアドレスを設定した火災検知器等の設備機器を接続し、伝送制御により設備機器単位に検知と制御を行う個別管理を可能とする、P型直送方式は、設備機器の種別に応じて所定の区画単位に分け、区画単位に引き出した信号回線に同一区画に属する複数の設備機器を接続し、信号回線単位に検知と制御を行う。
【0005】
R型伝送方式のトンネル非常用設備は、設備機器による検知や制御が個別にできるため、機能及び管理面で様々な利点があるが、一般的に火災検出器等の設備機器に伝送制御機能を設け、また伝送距離が長くなる場合には中継増幅盤を設ける必要があることから高価になる。
【0006】
一方、P型直送方式のトンネル非常用設備は、火災検出器に伝送制御機能を設ける必要がなく、また、伝送距離が長くなっても中継増幅盤を設ける必要がないことから、R型伝送方式と比較してシステム構成が簡単で安価であるが、設備機器単位に検知と制御を行う個別管理ができないことに加え、火災検出器、手動通報装置等の設備機器の種別と設備機器の区画に分けて専用の信号回線を引き出して設備機器を接続することから、配線数が多くなり、トンネル長が長い場合には、かえってシステムの構成コストが高くなる場合がある。
【0007】
トンネル非常用設備としては、R型伝送方式とP型直送方式のメリットとデメリット、トンネル長や車両の交通量等を考慮して、R型伝送方式又はP型直送方式のトンネル非常用設備を構築するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2002-246962号公報
【文献】特開平11-128381号公報
【文献】特開2001-357481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年のトンネル非常用設備にあっては、防災受信盤から信号線ケーブルを引き出したメタル伝送回線に設備機器を接続しており、メタル伝送回線は電気的なノイズの影響を受けやすく、また、伝送距離が長くなると信号減衰が大きくなることから所定距離毎に中継増幅盤を設置しており、更に、使用期間が長期化すると絶縁劣化等により電気的特性が低下して通信障害を起こす可能性がある。更に、近年にあっては、トンネル長が10キロメートルを超えるといった長大化の傾向にあり、メタル伝送回線での対応が難しい状況にある。
【0010】
このような問題を解決するため、トンネル非常用設備の伝送回線として光ファイバーケーブルを使用した光回線とすることが考えられるが、トンネル非常用設備に光回線を使用した例がなく、光回線を利用したトンネル非常用設備の構築が新たな課題として生じている。
【0011】
また、トンネル非常用設備に光回線を用いた場合には、光回線の断線や光信号の強度低下などの障害が発生した場合に、防災受信盤と端末側との通信接続を維持する確実なリカバリー対応が必要となる。
【0012】
本発明は、メタル回線の問題やトンネル長大化に適切に対応可能な光回線を用いた耐障害性の高い非常用設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(非常用設備の断線障害対応)
本発明は、トンネル内の異常に関する監視制御を行う非常用設備であって、
防災受信盤と、
トンネル内に設置された端末側の設備機器と防災受信盤との間で光信号による通信を行うための常用光回線及び予備用光回線と、
常用光回線及び予備用光回線の各線路途中に接続された複数の光中継装置と、
常用光回線及び予備用光回線の各線路終端に接続された終端装置と、
を備え、
光中継装置は、
通常時は、常用光回線の上り側と下り側の間及び予備用光回線の上り側と下り側の間で各々光信号を中継し、
常用光回線の上り側の断線障害を検出した場合は、防災受信盤又は上り側に隣接した他の光中継装置に予備用光回線を介して断線障害信号を送信して予備用光回線により光信号を送受信させると共に、予備用光回線の上り側と常用光回線の上り側及び下り側との間で光信号を迂回中継し、
下り側に位置する他の光中継装置又は終端装置から断線障害信号を受信した場合は、常用光回線の上り側と下り側との間で光信号を中継すると共に常用光回線の上り側と予備用光回線の下り側との間で光信号を迂回中継し、
防災受信盤は、
通常時は、常用光回線により光信号を送受信し、
下り側に隣接した光中継装置から断線障害信号を受信した場合は、常用光回線に加え、予備用光回線により光信号を送受信し、
終端装置は、常用光回線の断線障害を検出した場合に、上り側に隣接した光中継装置に予備用光回線を介して断線障害信号を送信して予備用光回線により光信号を送受信させると共に、予備用光回線と常用光回線との間で光信号を迂回中継する、
ことを特徴とする。また、本発明の非常用設備は、
常用光回線の途中に接続された複数の設備機器と、
常用光回線に分岐接続されると共に、設備機器に信号回線により接続され、常用光回線から受信した光信号を電気信号に変換して設備機器に出力すると共に、設備機器から入力した電気信号を光信号に変換して常用光回線に送信する光変換器と、
を備える。
【0014】
ここで、上り側とは、防災受信盤に近い側を意味し、下り側とは終端装置に近い側を意味する。
【0015】
(試験信号による断線障害の監視)
防災受信盤は、周期的に試験信号を常用光回線に送信し、
光中継装置及び終端装置は、防災受信盤からの試験信号が断たれた場合に、常用光回線の断線障害を検出する。
【0016】
(非常用設備の光強度低下障害の対応)
本発明の別の形態にあっては、トンネル内の異常に関する監視制御を行う非常用設備であって、
防災受信盤と、
トンネル内に設置された端末側の設備機器と防災受信盤との間で光信号による通信を行うための常用光回線及び予備用光回線と、
常用光回線及び予備用光回線の各線路途中に接続された複数の光中継装置と、
常用光回線及び予備用光回線の各線路終端に接続された終端装置と、
を備え、
光中継装置は、
通常時は、常用光回線の上り側と下り側の間及び予備用光回線の上り側と下り側の間で各々光信号を中継し、
常用光回線の上り側から受信した光信号の強度低下障害を検出した場合は、防災受信盤又は上り側に隣接した他の光中継装置に予備用光回線を介して光強度低下障害信号を送信して常用光回線による光信号の送受信を停止させて予備用光回線により光信号を送受信させると共に、予備用光回線の上り側と常用光回線の上り側及び下り側との間で光信号を迂回中継し、
下り側に位置する他の光中継装置又は終端装置から光強度低下障害信号を受信した場合は、常用光回線による光信号の送受信を停止すると共に常用光回線の上り側と予備用光回線の下り側との間で光信号を迂回中継し、
防災受信盤は、
通常時は、常用光回線により光信号を送受信し、
下り側に隣接した光中継装置から光強度低下障害信号を受信した場合は、常用光回線
による光信号の送受信を停止して、予備用光回線により光信号を送受信し、
終端装置は、常用光回線から受信した光信号の強度低下障害を検出した場合に、上り側に隣接した光中継装置に予備用光回線を介して光強度低下障害信号を送信して常用光回線による光信号の送受信を停止させると共に、予備用光回線と常用光回線との間で光信号を迂回中継する、
ことを特徴とする。また、本発明の非常用設備は、
常用光回線の途中に接続された複数の設備機器と、
常用光回線に分岐接続されると共に、設備機器に信号回線により接続され、常用光回線から受信した光信号を電気信号に変換して設備機器に出力すると共に、設備機器から入力した電気信号を光信号に変換して常用光回線に送信する光変換器と、
を備える。
【0017】
(試験信号による光強度低下障害の監視)
防災受信盤は、周期的に試験信号を常用光回線に送信し、
光中継装置及び終端装置は、試験信号の受信レベルが所定の閾値以下に低下した場合に、光信号の強度低下障害を検出する。
【0018】
(試験信号の巡回による予備用光回線の断線監視)
防災受信盤は、周期的に試験信号を常用光回線に送信し、
光中継装置は、常用光回線の上り側から試験信号を受信した場合に、常用光回線の下り側に試験信号を中継し、予備用光回線の下り側から試験信号を受信した場合に予備用光回線の上り側に試験信号を中継し、
終端装置は、常用光回線から試験信号を受信した場合に、予備用光回線に試験信号を送信する。
【0019】
(試験信号の折り返しによる予備用光回線の断線監視)
光中継装置は、常用光回線の上り側から試験信号を受信した場合に、常用光回線の下り側に試験信号を中継すると共に、予備用光回線の上り側に試験信号を折り返して中継する。
【0020】
(防災受信盤による予備用光回線の断線判断)
防災受信盤は、試験信号を送信してから所定の待ち時間以内に予備用光回線から試験信号の受信がない場合に、予備用光回線の断線を判断し、下り側に隣接した光中継装置に常用光回線を経由した試験信号の送信を指示すると共に、下り側に隣接した光中継装置との間の予備用光回線の断線を報知する。
【0021】
(光中継装置による予備用光回線の断線判断)
光中継装置は、常用光回線の下り側に試験信号を送信してから所定の待ち時間以内に予備用光回線の下り側から試験信号の受信がない場合に、下り側の予備用光回線の断線を判断し、下り側に隣接した他の光中継装置又は下り側に隣接した終端装置に常用光回線を経由した試験信号の送信を指示すると共に、上り側の防災受信盤に予備用光回線を経由して、下り側に隣接した光中継装置との間の予備用光回線の断線又は下り側に隣接した終端装置との間の予備用光回線の断線を示す断線障害信号を送信して報知させる。
【0022】
(防災受信盤と光中継装置の待ち時間)
予備用光回線の断線を判断する待ち時間は、終端装置から防災受信盤に向けて順次長い時間となるように設定される。
【発明の効果】
【0023】
(非常用設備の断線障害対応による効果)
本発明は、所定の設備機器と、設備機器を監視する防災受信盤と、防災受信盤に接続された常用光回線と、防災受信盤に接続された予備用光回線と、常用光回線及び予備用光回線の各線路途中に接続された複数の光中継装置と、常用光回線及び予備用光回線の各線路終端に接続された終端装置と、常用光回線に分岐接続されると共に、設備機器に信号回線により接続され、常用光回線から受信した光信号を電気信号に変換して設備機器に出力すると共に、設備機器から入力した電気信号を光信号に変換して常用光回線に送信する光変換器とを備えた非常用設備であって、設備機器は、常用光回線に接続され、光中継装置は、通常時は、常用光回線の上り側と下り側の間及び予備用光回線の上り側と下り側の間で各々の光信号を中継し、常用光回線の上り側の断線障害を検出した場合は、防災受信盤又は上り側に隣接した他の光中継装置に予備用光回線を介して断線障害信号を送信して予備用光回線により光信号を送受信させると共に、予備用光回線の上り側と常用光回線の上り側及び下り側との間で光信号を迂回中継し、下り側に位置する他の光中継装置又は終端装置から断線障害信号を受信した場合は、常用光回線の上り側と下り側との間で光信号を中継すると共に、常用光回線の上り側と予備用光回線の下り側との間で光信号を迂回中継し、防災受信盤は、通常時は、常用光回線により光信号を送受信し、下り側に隣接した光中継装置から断線障害信号を受信した場合は、常用光回線に加え、予備用光回線により光信号を送受信し、終端装置は、常用光回線の断線障害を検出した場合に、上り側に隣接した光中継装置に断線障害信号を送信して予備用光回線により光信号を送受信させると共に、予備用光回線と常用光回線との間で光信号を迂回中継するようにしたため、例えば防災受信盤と光中継用装置の間で常用光回線が断線した場合、断線箇所の下り側に位置した光中継装置で断線障害が検出され、防災受信盤に予備用光回線を介して断線障害信号を送信することで、防災受信盤は常用光回線に加え予備用光回線に光信号を送受信し、断線障害を検出した光中継装置は、予備用光回線と常用光回線との間で光信号を迂回中継し、このため断線箇所の下り側に接続されている光変換器は光中継装置からの迂回中継により予備用光回線から常用光回線に折り返された光信号を送受信することとなり、常用光回線に断線障害が起きても、防災受信盤と常用光回線に接続されている全ての光変換器との間で光信号の送受信を継続して行うことを可能とする。
【0024】
このような常用光回線の断線障害は、光中継装置のあいだ、または、光中継装置と終端装置との間で起きた場合にも、断線障害を検出した光中継装置または終端装置からの迂回中継により、断線箇所の下り側に接続されている光変換器は、予備用光回線から常用光回線に折り返された光信号を送受信することとなり、常用光回線に断線障害が起きても、常用光回線に接続されている全ての光変換器との間で光信号の送受信を継続して行うことを可能とする。
【0025】
(試験信号による断線障害の監視による効果)
また、防災受信盤は、周期的に試験信号を常用光回線に送信し、光中継装置及び終端装置は、防災受信盤からの試験信号が断たれた場合に、常用光回線の断線障害を検出するようにしたため、通常時に使用している常用光回線の状態が常時監視されており、断線等の回線障害が発生した場合は、断線箇所の下り側に位置する光中継装置または終端装置で断線障害を検出し、光回線の断線障害に対し確実にリカバリーが行われ、耐障害性が向上し、通信の信頼性が確保される。
【0026】
(非常用設備の光強度低下障害の対応による効果)
また、本発明の別の形態にあっては、所定の設備機器と、設備機器を監視する防災受信盤と、防災受信盤に接続された常用光回線と、防災受信盤に接続された予備用光回線と、常用光回線及び予備用光回線各線路途中に接続された複数の光中継装置と、常用光回線及び予備用光回線の各線路終端に接続された終端装置と、設備機器に対応して設けられ、常用光回線に分岐接続されると共に設備機器に信号回線により接続され、常用光回線から受信した光信号を電気信号に変換して設備機器に出力すると共に設備機器から入力した電気信号を光信号に変換して常用光回線に送信する光変換器とを備えた非常用設備であって、設備機器は、常用光回線に接続され、光中継装置は、通常時は、常用光回線の上り側と下り側の間及び予備用光回線の上り側と下り側の間で各々の光信号を中継し、常用光回線の上り側から受信した光信号の強度低下障害を検出した場合は、防災受信盤又は上り側に隣接した他の光中継装置に予備用光回線を介して光強度低下障害信号を送信して常用光回線による光信号の送受信を停止させて、予備用光回線により光信号を送受信させると共に、予備用光回線の上り側と常用光回線の上り側及び下り側との間で光信号を迂回中継し、下り側に位置する他の光中継装置又は終端装置から光強度低下障害信号を受信した場合は、常用光回線による光信号の送受信を停止すると共に、常用光回線の上り側と予備用光回線の下り側との間で光信号を迂回中継し、防災受信盤の盤制御部は、通常時は常用光回線により光信号を送受信させ、下り側に隣接した光中継装置から光強度低下障害信号を受信した場合は、常用光回線による光信号の送受信を停止して、予備用光回線により光信号を送受信し、終端装置は、常用光回線から受信した光信号の強度低下障害を検出した場合に、上り側に隣接した光中継装置に予備用光回線を介して光強度低下障害信号を送信して常用光回線による光信号の送受信を停止させると共に、予備用光回線と常用光回線との間で光信号を迂回中継するようにしたため、例えば防災受信盤における常用光回線の光コネクタなどの接続不良により、防災受信盤に隣接して接続された光中継装置で光信号のレベルが低下する強度低下障害が検出されると、常用光回線に対する防災受信盤からの光信号の送受信が停止され、これに代えて予備用光回線に対する光信号の送受信に切り替えられ、光強度低下障害を検出した光中継装置が予備用光回線から常用光回線の上り側および下り側に光信号を迂回中継し、このため光コネクタの接続不良箇所などの下り側に接続されている光変換器は光中継装置の迂回中継により予備用光回線から常用光回線に折り返された光信号を送受信することとなり、常用光回線に光強度低下障害が起きても、常用光回線に接続されている全ての光変換器との間で光信号の送受信を継続して行うことを可能とする。
【0027】
また、光コネクタの接続不良などを起こした防災受信盤から常用光回線に対する光信号の送受信が停止されるため、光中継装置により予備用光回線から迂回中継された光信号との衝突が起きることはない。
【0028】
(試験信号による光強度低下障害の監視による効果)
また、防災受信盤は、周期的に試験信号を常用光回線に送信し、光中継装置及び終端装置は、試験信号の受信レベルが所定の閾値以下に低下した場合に、光信号の強度低下障害を検出するようにしたため、通常時に使用している常用光回線の光信号の強度低下が常時監視されており、光信号の強度低下障害が発生した場合は、障害箇所の下り側に位置する光中継装置または終端装置で光強度低下障害を検出し、光強度低下障害に対し確実にリカバリーが行われ、耐障害性が向上し、通信の信頼性が確保される。
【0029】
(試験信号の巡回による予備用光回線の断線監視による効果)
また、防災受信盤は、周期的に試験信号を常用光回線に送信し、光中継装置は、常用光回線の上り側から試験信号を受信した場合に常用光回線の下り側に試験信号を中継し、予備用光回線の下り側から前験信号を受信した場合に予備用光回線の上り側に試験信号を中継し、終端装置は、常用光回線から試験信号を受信した場合に、予備用光回線に試験信号を送信するようにしため、試験信号は、防災受信盤から常用光回線により光中継装置を経由して終端装置に送られ、終端装置から予備用光回線により再び光中継装置を経由して防災受信盤に送られることで、常用光回線と予備用光回線の間を巡回しており、巡回している試験信号が断たれることで、常用光回線の断線に加え、予備用光回線の断線が確実に判断できる。
【0030】
(試験信号の折り返しによる予備用光回線の断線監視による効果)
また、光中継装置は、常用光回線の上り側から試験信号を受信した場合に、常用光回線の下り側に試験信号を中継すると共に、予備用光回線の上り側に試験信号を折り返して中継するようにしたため、光中継装置単位及び終端装置単位に、試験信号が常用光回線と予備用光回線の間を巡回しており、巡回している試験信号が断たれることで、常用光回線の断線に加え、予備用光回線の断線が確実に判断できる。
【0031】
(防災受信盤による予備用光回線断線判断の効果)
防災受信盤は、試験信号を送信してから所定の待ち時間以内に予備用光回線から試験信号の受信がない場合に、予備用光回線の断線を判断し、下り側に隣接した光中継装置に常用光回線を経由した試験信号の送信を指示すると共に、下り側に隣接した光中継装置との間の予備用光回線の断線を報知するようにしたため、予備用光回線に断線障害が発生した場合、断線箇所の上り側に位置する防災受信盤が断線箇所の下り側に位置する他の光中継装置に常用光回線を経由した試験信号の送信を指示することで、断線した予備用光回線を迂回した試験信号の巡回が継続されることで断線監視が継続され、同時に、防災受信盤自身で予備用光回線の断線箇所を判断することで、予備用光回線の断線を報知して断線した予備用光回線を修復させる対処を可能とする。
【0032】
(光中継装置による予備用光回線断線判断の効果)
また、光中継装置は、常用光回線の下り側に試験信号を送信してから所定の待ち時間以内に予備用光回線の下り側から試験信号の受信がない場合に、下り側の予備用光回線の断線を判断し、下り側に隣接した他の光中継装置又は下り側に隣接した終端装置に常用光回線を経由した試験信号の送信を指示すると共に、上り側の防災受信盤に予備用光回線を経由して、下り側に隣接した光中継装置との間の予備用光回線の断線又は下り側に隣接した終端装置との間の予備用光回線の断線を示す断線障害信号を送信して報知させるようにしたため、予備用光回線に断線障害が発生した場合、断線箇所の上り側に位置する光中継装置が断線箇所の下り側に位置する他の光中継装置又は終端装置に常用光回線を経由した試験信号の送信を指示することで、断線した予備用光回線を迂回した試験信号の巡回が継続されることで断線監視が継続され、同時に、予備用光回線の断線位置を示す断線障害信号が防災受信盤に送られることで、予備用光回線の断線を報知して断線した予備用光回線を修復させる対処を可能とする。
【0033】
(待ち時間による効果)
また、予備用光回線の断線を判断する待ち時間は、終端装置から防災受信盤に向けて順次長い時間となるように設定されたため、例えば終端装置に対する予備用光回線が断線した場合、断線箇所の上り側に位置する光中継装置の待ち時間が短く、防災受信盤に近づくほど待ち時間が長くなるため、断線箇所の上り側に位置する光中継装置において、試験信号の送信からの経過時間が所定の待ち時間に最初に達し、常用光回線の断線が判断されて予備用光回線の断線箇所を迂回した常用光回線による試験信号の上り送信が行われ、このため上り側に位置する他の光中継装置や防災受信盤は、試験信号の送信からの経過時間が設定されている待ち時間に到達する前に、再び予備用光回線から試験信号が受信され、予備用光回線の断線に対し上り側に位置する複数の光中継装置及び防災受信盤で断線が重複して判断される不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】光回線を用いたトンネル非常用設備の概要を示した説明図
【
図2】
図1に設けられた防災受信盤と設備機器の実施形態を機能構成により示したブロック図
【
図3】
図2に設けられた制御器の実施形態を機能構成により示したブロック図
【
図4】
図2に設けられた光中継増幅器の実施形態を機能構成により示したブロック図
【
図5】
図2に設けられた終端装置の実施形態を機能構成により示したブロック図
【
図6】通常状態における光信号の送受信を示した説明図
【
図7】
図6の通常状態における光中継増幅器のノーマルモードの動作を示したブロック図
【
図8】
図6の通常状態における終端装置のノーマルモードの動作を示したブロック図
【
図9】防災受信盤と光中継増幅器の間の常用光回線で断線障害が起きた場合の光信号の送受信を示した説明図
【
図10】
図9の断線障害に対し迂回中継を行う光中継増幅器の迂回モードの動作を示したブロック図
【
図11】光中継増幅器の間の常用光回線で断線障害が起きた場合の光信号の送受信を示した説明図
【
図12】光中継増幅器と終端装置の間の常用光回線で断線障害が起きた場合の光信号の送受信を示した説明図
【
図13】防災受信盤に隣接した光中継増幅器で光強度低下障害が検出された場合の光信号の送受信を示した説明図
【
図14】光中継増幅器に隣接した光中継増幅器で光強度低下障害が検出された場合の光信号の送受信を示した説明図
【
図15】
図6の光強度低下障害による光中継増幅器のシングルパスモードの動作を示したブロック図
【
図16】光中継増幅器に隣接した終端装置で光強度低下障害が検出された場合の光信号の送受信を示した説明図
【
図17】常用光回線から予備用光回線に試験信号を巡回させる断線監視において、光中継増幅器の間の予備用光回線が断線した場合の試験信号の迂回送信を示した説明図
【
図18】常用光回線から予備用光回線に試験信号を巡回させる断線監視において、光中継増幅器と終端装置の間の予備用光回線が断線した場合の試験信号の迂回送信を示した説明図
【
図19】常用光回線から予備用光回線に試験信号を巡回させる断線監視において、防災受信盤と光中継増幅器の間の予備用光回線が断線した場合の試験信号の迂回送信を示した説明図
【
図20】光中継増幅器単位及び終端装置単位に常用光回線から予備用光回線に試験信号を巡回させる断線監視において、光中継増幅器の間の予備用光回線が断線した場合の試験信号の迂回送信を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0035】
[トンネル非常用設備の概要]
図1は光回線を用いたトンネル非常用設備の概要を示した説明図である。
図1に示すように、トンネル10の内部には、トンネル長手方向に、火災による炎を検知するため火災検知器25が50メートル間隔で設置され、また、火災の消火や延焼防止のためにノズル付きホースを収納した消火栓装置24が50メートル間隔で設置されている。
【0036】
また、トンネル10内には、火災検知器25及び消火栓装置24以外の設備機器として、火災通報のために手動通報装置や非常電話が設けられ、更にトンネル躯体やダクト内を火災から防護するために水噴霧ヘッドから消火用水を散水させる水噴霧などが設置されるが、図示を省略している。
【0037】
一方、監視センター等には防災受信盤12が設置されており、防災受信盤12からはトンネル10に対し常用光回線14-1と予備用光回線14-2が引き出され、常用光回線14-1にはトンネル10内に設置された火災検知器25や消火栓装置24の設備機器やそれ以外の非常設備の機器が光変換器18を介して接続されている。
【0038】
また、常用光回線14-1及び予備用光回線14-2の途中には、所定の伝送距離毎に光中継増幅器20が接続されて光信号を中継増幅している。更に、常用光回線14-1及び予備用光回線14-2の終端には終端装置22が接続されている。
【0039】
常用光回線14-1及び予備用光回線14-2にはFTTH等の光ファイバーケーブルが使用され、例えばIPパケット等を用いた光波長多重通信(WDM)が行われる。
【0040】
また、防災受信盤12からはトンネル内に電源線16が引き出され、トンネル内に設置された光変換器18、光中継増幅器20、終端装置22、火災検知器25及び消火栓装置24に設けられた設備機器に対し電源を供給している。
【0041】
また、防災受信盤12に対しては、消火ポンプ設備26、ダクト用の冷却ポンプ設備27、換気設備28、警報表示板設備29、ラジオ再放送設備30、テレビ監視設備31、照明設備32及びIG子局設備33等を設けており、IG子局設備33をデータ伝送回線で接続する点を除き、それ以外の設備はP型信号回線により防災受信盤12に個別に接続されている。
【0042】
ここで、換気設備28は、トンネル内の天井側に設置されているジェットファンの運転による高い吹き出し風速によってトンネル内の空気にエネルギーを与えて、トンネル長手方向に換気の流れを起こす設備である。
【0043】
警報表示板設備29は、トンネル内の利用者に対して、トンネル内の異常を、電光表示板に表示して知らせる設備である。ラジオ再放送設備30は、トンネル内で運転者等が道路管理者からの情報を受信できるようにするための設備である。テレビ監視設備31は、火災の規模や位置を確認したり、水噴霧設備の作動、避難誘導を行う場合のトンネル内の状況を把握するための設備である。
【0044】
照明設備32はトンネル内の照明機器を駆動して管理する設備である。更に、IG子局設備33は、防災受信盤12と外部に設けた上位設備である遠方監視制御設備35とをネットワーク34を経由して結ぶ通信設備である。
【0045】
[設備の機能構成]
図2は
図1に設けられた防災受信盤と設備機器の実施形態を機能構成により示したブロック図である。
【0046】
(防災受信盤)
図2に示すように、防災受信盤12は盤制御部46を備え、盤制御部46は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0047】
盤制御部46に対しては、2系統の伝送部48と光送受信部50が設けられ、一方の光送受信部50からトンネル内に常用光回線14-1が引き出され、他方の光送受信部50からトンネル内に予備用光回線14-2が引き出され、光分配器15を介して例えば火災検知器25と消火栓装置24に対応して設けられた光変換器18が分岐された光回線に接続されている。
【0048】
なお、盤制御部46に対する2系統の伝送部48と光送受信部50は、必要に応じて複数セットであっても良い。例えば、防災受信盤12で上りトンネルと下りトンネルの防災設備を監視する場合には、盤制御部46に対する2系統の伝送部48と光送受信部50は少なくとも2セット設けられる。
【0049】
盤制御部46に対しては、液晶ディスプレイ、プリンタ等を備えた表示部52、各種スイッチ等を備えた操作部54、スピーカ、警報表示灯等を備えた警報部56、外部監視設備と通信するIG子局設備40を接続するモデム58が設けられ、更に、
図1に示した消火ポンプ設備26、冷却ポンプ設備27、換気設備28、警報表示板設備29、ラジオ再放送設備30、テレビ監視設備31及び照明設備32が接続されたIO部60が設けられている。
【0050】
伝送部48は所定のシリアル通信プロトコルに従ってパケット信号(電気信号)を送受信する。
【0051】
光送受信部50は、伝送部48からのパケット信号を所定の下り波長帯域の光信号に変換して光回線に送信し、また、光回線から受信した所定の上り波長帯域の光信号をパケット信号(電気信号)に変換して伝送部に出力する。
【0052】
例えば、光送受信部50は、電気信号を光信号に変換するレーザーダイオードを備えた電気/光変換器(E/O変換器)と、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードを備えた光/電気変換器(O/E変換器)と、光回線からの上り波長帯域の光信号を分離すると共に光回線に下り波長帯域の光信号を合成して送り込むWDMフィルタとを備える。
【0053】
本実施形態にあっては、伝送部48と光送受信部50により、波長間隔の広い光波長多重通信として知られた例えばCWDM(コアースWDM)伝送を行うことで、10キロメートルを超えるトンネル長であっても、適切に対応できる。
【0054】
盤制御部46は、常用光回線14-1に対応した伝送部48に指示し、光伝送部50を介してトンネル内に設置された設備機器との間でパケット信号を送受信する制御を行う。
【0055】
ここで、トンネル内に設置された設備機器は、盤制御部46に対し検知信号やスイッチ信号を送信する火災検知器25、発信機76、消火栓スイッチ80等の検知系の設備機器と、盤制御部46により制御される赤色表示灯74,応答ランプ78等の制御系の設備機器に分けることができる。
【0056】
このため盤制御部46は、検知系の設備機器となる火災検知器25、発信機76、消火栓スイッチ80に対しては、設備機器に割り当てられた固有のIPアドレスを順次指定したポーリングコマンドを含む呼出パケット信号を繰り返し送信する制御を行っており、検知系の設備機器は自己のIPアドレスに一致する呼出パケット信号を受信すると、火災検知やスイッチオン等の自己の状態情報を含む応答パケット信号を返信する。
【0057】
また、盤制御部46は、制御系の設備機器となる赤色表示灯74,応答ランプ78に対しては、制御を必要とする場合に、固有のIPアドレスを指定した制御コマンドを含む制御パケット信号を送信する制御を行い、検知系の設備機器は自己のIPアドレスに一致する呼出パケット信号を受信すると、表示灯の点灯や点滅といった制御を行わせる。
【0058】
なお、盤制御部46は、制御系の設備機器についても、検知系の設備機器と同様に、IPアドレスを順次指定したポーリングコマンドを含む呼出パケット信号を繰り返し送信し、それぞれの状態を示す応答パケット信号を返信させるようにしても良い。
【0059】
盤制御部46による具体的に制御は次のようになる。盤制御部46は、火災検知器25からの火災情報を含む応答パケット信号(火災信号)の受信により火災を検知した場合は、警報部56により火災警報を出力させると共にIO部60を介し他設備の連動を指示する制御を行う。
【0060】
また、盤制御部46は、消火栓装置24に設けられた発信機76の操作による火災通報情報を含む応答パケット信号(火災通報信号)の受信により火災を検知した場合は、警報部56により火災警報を出力させると共にIO部60を介し他設備の連動を指示する制御を行い、更に、発信機76が操作された消火栓装置24に設けられている応答ランプ78及び赤色表示灯74のIPアドレスを指定した制御コマンドを含む制御パケット信号を送信する制御を行い、応答ランプ78を点灯させると共に、赤色表示灯74を点滅させる制御を行う。
【0061】
一方、盤制御部46は、伝送部48に指示し、光送受信部50を介して常用光回線14-1及び予備用光回線14-2に試験光信号を所定周期毎に送信させる制御を行っており、終端装置22は試験光信号を正常に受信すると試験応答光信号を送り返してくることから、これにより盤制御部46は常用光回線14-1及び予備用光回線14-2が正常に機能していることを確認している。
【0062】
(設備機器側の機能構成)
図2に示すように、火災検知器25及び消火栓装置24が設けられた設備機器側には、光変換器18が設けられる。光変換器18は、常用光回線14-1に対応した光送受信部62を備え、その電気信号の送受信側を信号変換部として機能するゲートウェイ66に接続している。
【0063】
光送受信部62は防災受信盤12に設けられた光送受信部50と同様であり、電気/光変換器(E/O変換器)、光/電気変換器(O/E変換器)及びWDMフィルタを備え、光回線からの下り波長帯域の光信号を電気信号に変換してゲートウェイ66に出力し、また、ゲートウェイ66からの電気信号を上り波長帯域の光信号に変換して光回線に出力する。
【0064】
ゲートウェイ66は、光回線側のIPプロトコルと設備機器側のTCPプロトコル、例えば所定のLANプロトコルとなるイーサネット(登録商標)との間のプロトコル変換を行う。ゲートウェイ66はOSI基本参照モデルでの7層全ての接続機能を持つが、ゲートウェイ66をルーターに替えても良い。ルーターは、OSI基本参照モデルの1~3層までの接続機能を持ち、同様に、光回線側のIPプロトコルと設備機器側の所定のLANプロトコルとの間のプロトコル変換が可能となる。
【0065】
ゲートウェイ66は設備機器側にLAN回線68が接続されており、LAN回線68に対し火災検知器25が直接接続されると共に、制御系の設備機器となる赤色表示灯74と応答ランプ78は制御器70を介してLAN回線68に接続され、また、検知系の設備機器となる発信機76と消火栓スイッチ80が別の制御器72を介してLAN回線68に接続されている。
【0066】
なお、光変換器18に設けられたゲートウェイ66と火災検知器25及び消火栓装置に設けられた制御器70,72との間の伝送はLANプロトコルによる伝送以外に、R型火災報知設備で使用されている火災伝送プロトコルとしても良い。
【0067】
火災伝送プロトコルの場合、ゲートウェイ66の伝送部から火災検知器25及び制御器70,72の伝送部に対する下り信号は電圧モードの伝送であり、伝送路の電圧を所定の電圧範囲で変化させる電圧パルスとして伝送される。これに対し火災検知器25及び制御器70,72の伝送部からのゲートウェイ66の伝送部に対する上り信号は電流モードの伝送であり、伝送路に伝送データのビット1のタイミングで信号電流を流し、いわゆる電流パルス列として上り信号が伝送される。
【0068】
図3は
図2の消火栓装置側に設けられた制御器の実施形態を機能構成により示したブロック図であり、
図3(A)が制御系の設備機器に使用される制御器を示し、
図3(B)が検知系の設備機器に使用される制御器を示している。
【0069】
図3(A)の制御系の設備機器に使用される制御器70は、端末制御部82、LAN伝送部84及び駆動回路部86を備える。端末制御部82はCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0070】
LAN伝送部84には固有のIPアドレスが設定されており、LAN回線68を介して受信したパケット信号のアドレスと自己アドレスが一致した場合、端末制御部82はパケット信号に設定されている制御コマンドに基づく制御信号を駆動回路86に出力し、例えば設備機器として接続されている赤色表示灯74を点滅させる制御を行う。
【0071】
なお、駆動回路部86は通常状態では赤色表示灯74を点灯状態に維持している。また、
図2に示した応答ランプ78に接続された制御器70も
図3(A)と同様となる。
【0072】
図3(B)の検知系に使用すれる制御器72は、端末制御部82、LAN伝送部84及び入力回路部88を備える。LAN伝送部84には固有のIPアドレスが設定されている。入力回路部88には設備機器として例えば発信機76が接続されており、発信機76の押釦操作によりスイッチがオンされると、入力回路部88がスイッチオンを検知して火災通報信号を出力する。
【0073】
端末制御部82は入力回路部88からの火災通報信号を検知すると、LAN伝送部84に指示し、防災受信盤12のIPアドレス及び火災通報情報が設定されたパケット信号を生成して送信させる制御を行う。
【0074】
なお、発信機76に使用するスイッチはノンロック型のスイッチとすることが望ましい。発信機76にノンロック型のスイッチを使用することで、スイッチ操作を行った後の復旧操作が不要となる。
【0075】
また、
図2に示した消火栓スイッチ80に接続された制御器72も
図3(B)と同様となる。また、消火栓スイッチ80は消火栓装置24に設けられた消火栓弁開閉レバーを開放位置に操作した場合にオンするスイッチであり、防災受信盤12に対し消火ポンプ設備のポンプ起動コマンドを含むパケット信号が送信される。更に、消火栓スイッチ80には、消火栓装置24内に設けられた消防隊が使用する消火ポンプ起動スイッチ(図示せず)が並列接続されている。
【0076】
また、
図2の火災検知器25は、LAN伝送部の機能が内蔵されていることから、制御器を外付けする必要はない。また、
図2にあっては、制御器70,72を設備機器に外付けしているが、両者を一体化した設備機器としても良い。
【0077】
また、
図3に示した制御器70,72の電源は、
図1に示したように防災受信盤12から電源線16により供給しているが、発信機76や消火栓スイッチ80等の通常状態ではオフしている
図3(B)の設備機器の制御器72については、電池電源を設け、スイッチがオフしている通常状態では電池電源により制御器72を動作させ、火災時や点検時にスイッチ操作が行われた場合に、防災受信盤12からの電源に切り替えて制御器72を動作させるようにし、これにより設備機器側の電力消費を低減させる。
【0078】
また、
図3(A)(B)の制御器70,72のCPUを備えた端末制御部82について、通常状態ではスリープモードとして消費電力を節減し、表示制御やスイッチ操作が行われた場合にウェイクアップによりスリープモードを解除して通常モードにより動作させるようにしても良い。
【0079】
(光中継増幅器の構成)
図4は
図2に設けられた光中継増幅器の実施形態を機能構成により示したブロック図である。
【0080】
図4に示すように、光中継増幅器20は、常用中継増幅部90、予備用中継増幅部92、迂回用中継増幅部94、中継増幅制御部96及びゲートウェイ98で構成されている。なお、中継増幅制御部96及びゲートウェイ98と常用中継増幅部90、予備用中継増幅部92及び予備用中継増幅部92の間の信号線接続は省略している。
【0081】
常用中継増幅部90は常用光回線14-1の上り側と下り側との間で光信号を中継増幅する。常用中継増幅部90による下り信号の中継増幅は、WDMフィルタ100、光/電気変換器(O/E変換器)102、アンプ104、電気/光変換器(E/O変換器)106及びWDMフィルタ108からなる系統で行われる。
【0082】
また、常用中継増幅部90による上り信号の中継増幅は、WDMフィルタ108、光/電気変換器(O/E変換器)110、アンプ112、切替器114、電気/光変換器(E/O変換器)116及びWDMフィルタ100からなる系統で行われる。
【0083】
予備用中継増幅部92は予備用光回線14-2の上り側と下り側との間で光信号を中継増幅する。予備用中継増幅部92による下り信号の中継増幅は、WDMフィルタ118、光/電気変換器(O/E変換器)120、アンプ122、切替器124、電気/光変換器(E/O変換器)126及びWDMフィルタ128からなる系統で行われる。
【0084】
また、予備用中継増幅部92による上り信号の中継増幅は、WDMフィルタ128、光/電気変換器(O/E変換器)130、アンプ132、電気/光変換器(E/O変換器)134及びWDMフィルタ118からなる系統で行われる。
【0085】
常用中継増幅部90に設けられた切替器114は、アンプ112の出力を自己の電気/光変換器116または予備用中継増幅部92の電気/光変換器134に選択的に接続させる。
【0086】
予備用中継増幅部92に設けられた切替器124は、アンプ122の出力を自己の電気/光変換器126または常用中継増幅部90の電気/光変換器106に選択的に接続させる。
【0087】
迂回用中継増幅部94は常用光回線14-1と予備用光回線14-2との間で光信号を中継増幅させる。迂回用中継増幅部94による常用光回線14-1から予備用光回線14-2への光信号は、WDMフィルタ136、光/電気変換器(O/E変換器)138、アンプ114、電気/光変換器(E/O変換器)142及びWDMフィルタ144からなる系統で中継増幅される。
【0088】
また、迂回用中継増幅部94による予備用光回線14-2から常用光回線14-1への光信号は、WDMフィルタ144、光/電気変換器(O/E変換器)146、アンプ148、電気/光変換器(E/O変換器)150及びWDMフィルタ136からなる系統で中継増幅される。
【0089】
(光中継増幅器の制御)
光中継増幅器20の中継増幅制御部96は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0090】
中継増幅制御部96は、通常状態では光中継増幅器20をノーマルモードで動作させ、常用光回線14-1の断線障害を検出した場合は光中継増幅器20を迂回モードで動作させ、更に、他の光中継増幅器から断線障害信号を受信した場合は光中継増幅器20をデュアルパスモードで動作させる。
【0091】
中継増幅制御部96は、防災受信盤12から常用光回線14-1に下り信号として周期的に送信される試験光信号を例えば光/電気変換器102の出力から電気信号として取り込み、試験光信号が所定時間継続して停止した場合または連続して所定回数受信できなかった場合に、上り側の常用光回線14-1の断線障害を検出する。
【0092】
中継増幅制御部96が上り側の常用光回線14-1の断線障害を検出した場合、ゲートウェイ98に指示し、上り側に位置する防災受信盤12又は他の光中継増幅器20に対し予備用光回線14-2を介して断線障害信号を送信させ、予備用光回線14-2により光信号を送受信させる。
【0093】
また、上り側の常用光回線14-1の断線障害を検出した中継増幅部96は、
迂回モードの動作として、迂回用中継増幅部94を介して上り側の予備用光回線14-2と上り側の常用光回線14-1との間で光信号を迂回中継させると共に、常用中継増幅部90と予備用中継増幅部92の切替器114,124のb側への切り替えにより、上り側の予備用光回線14-1と下り側の常用光回線14-1との間で、光信号を迂回中継させる制御を行う。
【0094】
また、中継増幅部96は、下り側に隣接した他の光中継増幅器20から断線障害信号を受信した場合、デュアルパスモードの動作として、迂回用中継増幅部94、常用中継増幅部90及び予備用中継増幅部92の動作により、上り側の常用光回線14-1と下り側の常用光回線14-1との間で光信号を中継増幅させると共に、上り側の常用光回線14-1と下り側の予備用光回線14-2との間で光信号を中継増幅させる制御を行う。
【0095】
(終端装置の機能構成)
図5は
図2に設けられた終端装置の実施形態を機能構成により示したブロック図である。
図5に示すように、終端装置22には、終端制御部152とゲートウェイ154が設けられる。
【0096】
また、常用光回線14-1から予備用光回線14-2へ光信号を送信するため、WDMフィルタ156、光/電気変換器(O/E変換器)158、アンプ160、電気/光変換器(E/O変換器)162及びWDMフィルタ164からなる系統が設けられる。
【0097】
更に、予備用光回線14-2から常用光回線14-1へ光信号を送信するため、WDMフィルタ164、光/電気変換器(O/E変換器)166、アンプ168、電気/光変換器(E/O変換器)170及びWDMフィルタ156からなる系統が設けられる。
【0098】
終端制御部152は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0099】
終端制御部152は通常状態ではノーマルモードで終端装置22を動作させ、常用光回線14-1の断線障害を検出した場合は終端装置22を迂回モードで動作させる。
【0100】
終端制御部152のノーマルモードの動作は、アンプ160,168の動作を停止させることで、常用光回線14-1と予備用光回線14-2による光信号の送受信を独立に行っており、防災受信盤12から周期的に送信された試験光信号を受信すると、試験応答光信号を送信させる制御を行う。
【0101】
終端制御部152は、防災受信盤12から常用光回線14-1に下り信号として周期的に送信される試験光信号を例えば光/電気変換器158の出力から電気信号として取り込み、試験光信号が所定時間継続して停止した場合または連続して所定回数受信できなかった場合に、常用光回線14-1の断線障害を検出する。
【0102】
終端制御部152は、常用光回線14-1の断線障害を検出した場合、ゲートウェイ154に指示し、上り側に位置する光中継増幅器20に対し予備用光回線14-2を介して断線障害信号を送信させ、予備用光回線14-2により光信号を送受信させる。
【0103】
また、常用光回線14-1の断線障害を検出した終端制御部152は、迂回モードとして、アンプ160,168を動作状態とし、予備用光回線14-2と常用光回線14-1との間で光信号を迂回中継させる制御を行う。
【0104】
[トンネル非常用設備の伝送制御]
(通常状態での伝送制御)
図6は通常状態における光信号の送受信を示した説明図であり、光信号の伝送を破線の矢印で示す。
図7は
図6の通常状態における光中継増幅器のノーマルモードの動作を示したブロック図、
図8は
図6の通常状態における終端装置の動作を示したブロック図である。
【0105】
図6に示すように、通常状態では、防災受信盤12は常用光回線14-1に対する光信号の送受信により、常用光回線14-1に接続された複数の光変換器18との間で光信号を送受信しており、光中継増幅器20-1,20-2は常用光回線14-1の光信号を双方向に中継増幅しており、更に、終端装置22は防災受信盤12から周期的に送信された試験光信号を受信して試験応答光信号を送信している。なお、光中継増幅器20-1,20-2は、以下の説明で区別する必要がない場合は、光中継増幅器20という場合がある。
【0106】
図6の通常状態で、光中継増幅器20は
図7に示すノーマルモードで動作している。光中継増幅器20のノーマルモードの動作は、
図7に示すように、常用中継増幅部90の切替器114及び予備用中継増幅器92の切替器124が、a側に切り替えられており、迂回用中継増幅部94は、光/電気変換器138,146、アンプ140,148及び電気/光変換器138,150が停止状態にあり、迂回中継機能が停止している。
【0107】
このため光中継増幅器20のノーマルモードでは、常用中継増幅部90と予備用中継増幅部92の動作により、光信号の双方向の中継増幅が個別に行われている。
【0108】
また、
図6の状態で終端装置22は、
図8に示すように、ノーマルモードの動作となり、アンプ160,160の動作が停止されており、常用光回線14-1と予備用光回線14-2による光信号の送受信を独立に行っており、防災受信盤12から周期的に送信された試験光信号を受信すると、試験応答光信号を送信させる制御を行う。
【0109】
(防災受信盤と光中継増幅器の間の常用光回線で断線障害)
図9は防災受信盤と光中継増幅器の間の常用光回線で断線障害が起きた場合の光信号の送受信を示した説明図、
図10は
図9の断線障害に対し迂回中継を行う光中継増幅器の迂回モードの動作を示したブロック図である。
【0110】
図9に示すように、防災受信盤12と光中継増幅器20-1の間の常用光回線14-1で断線障害180が発生した場合、下り側に位置する光中継増幅器20-1で断線障害が検出され、防災受信盤12に予備用光回線14-2を介して断線障害信号が送信される。
【0111】
断線障害信号を受信した防災受信盤12は、それまでの常用光回線14-1に対する光信号の送受信に加え、予備用光回線14-2に対して同じ光信号の送受信を開始する。
【0112】
断線障害を検出した光中継増幅器20-1は、迂回モードで動作する。光中継増幅器20-1の迂回モードで動作は、
図10に示すように、中継増幅制御部96の制御により、切替器114,124がb側に切り替えられると共に、常用中継増幅部90の光/電気変換器102、アンプ104及び電気/光変換器116の動作が破線で示すように停止され、また、予備用中継増幅部92の電気/光変換器126、光/電気変換器130及びアンプ132の動作が破線示すように停止される。
【0113】
このため迂回モードで動作した光中継増幅器20-1は、
図9に示すように、備用光回線14-2と断線障害180が起きている上り側の常用光回線14-1との間で光信号を送受信させる迂回中継を行う。また、断線障害を検出した光中継増幅器20は、予備用光回線14-2の下り側の常用光回線14-1との間で光信号を送受信させる迂回中継を行う。それ以外の光中継増幅器20及び終端装置22はノーマルモードで動作している。
【0114】
このため断線障害180の発生箇所の上り側の常用光回線14-1に接続されている光検出器18は、常用光回線14-1により防災受信盤12との間で光信号を送受信し、断線障害180の発生箇所の下り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、迂回モードで動作している光中継増幅器20-1を介して予備用光回線14-2との間で光信号を送受信し、更に、断線障害を検出した光中継増幅器20の下り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、迂回モードで動作している光中継増幅器20-1を介して予備用光回線14-2との間で光信号を送受信し、断線障害180が起きても、防災受信盤12は常用光回線14-1に接続している全ての光変換器18との間で光信号を送受信できる。
【0115】
(光中継増幅器の間の常用光回線で断線障害)
図11は光中継増幅器の間の常用光回線で断線障害が起きた場合の光信号の送受信を示した説明図である。
【0116】
図11に示すように、光中継増幅器20-1,20-2の間の常用光回線14-1で断線障害180が起きた場合、断線障害180の発生箇所の下り側に位置する光中継増幅器20-2は断線障害を検出して光中継増幅器20-1に予備用光回線14-2を介して断線障害信号を送信すると共に、迂回モードで動作する。
【0117】
断線障害180の発生箇所の上り側に位置する光中継増幅器20-1は、断線障害信号の受信によりデュアルパスモードで動作し、上り側の常用光回線14-1と下り側の常用光回線14-1の間で光信号を中継増幅すると共に、上り側の常用光回線14-1と下り側の予備用光回線14-2の間で光信号を中継増幅する。
【0118】
光中継増幅器20-1のデュアルパスモードの動作は、
図4に示した光中継増幅器20の常用中継増幅部90、予備用中継増幅部92及び迂回用中継増幅部94の全てが動作状態となったモードである。
【0119】
断線障害180を検出した光中継増幅器20-2の迂回モードの動作は、
図9及び
図10に示したと同じである。
【0120】
このため断線障害180の発生箇所の上り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、デュアルパスモードで動作している光中継増幅器20-1を介して防災受信盤12と光信号を送受信し、断線障害180の発生箇所の下り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、迂回モードで動作している光中継増幅器20-2を介して予備用光回線14-2との間で光信号を送受信し、更に、断線障害を検出した光中継増幅器20の下り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、迂回モードで動作している光中継増幅器20を介して予備用光回線14-2との間で光信号を送受信し、光中継増幅器20-1,20-2の間で断線障害180が起きても、防災受信盤12は常用光回線14-1に接続している全ての光変換器18との間で光信号を送受信できる。
【0121】
(光中継増幅器と終端装置の間の常用光回線で断線障害)
図12は光中継増幅器と終端装置の間の常用光回線で断線障害が起きた場合の光信号の送受信を示した説明図である。
【0122】
図12に示すように、光中継増幅器20-2と終端装置22の間の常用光回線14-1で断線障害180が起きた場合、終端装置22は断線障害180を検出して断線障害信号を予備用光回線14-2を介して光中継増幅器20-2に送信すると共に、迂回モードで動作する。
【0123】
断線障害180の発生箇所の上り側に位置する光中継増幅器20-2は断線障害信号の受信によりデュアルパスモードで動作し、上り側の常用光回線14-1と下り側の常用光回線14-1の間で光信号を中継増幅すると共に、上り側の常用光回線14-1と下り側の予備用光回線14-2の間で光信号を中継増幅する。
【0124】
終端装置22の迂回モードの動作は、
図5に示した光/電気変換器158,166、アンプ160,168及び電気/光変換器162,170の全てが動作状態となったモードである。
【0125】
このため断線障害180の発生箇所の上り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、デュアルパスモードで動作している光中継増幅器20-2を介して防災受信盤12との間で光信号を送受信し、断線障害180の発生箇所の下り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、迂回モードで動作している終端装置22を介して予備用光回線14-2との間で光信号を送受信し、光中継増幅器20-2と終端装置22の間で断線障害180が起きても、防災受信盤12は常用光回線14-1に接続している全ての光変換器18との間で光信号を送受信できる。
【0126】
[トンネル非常用設備の光強度低下障害の対応]
図1に示した光伝送を用いたトンネル非常用設備にあっては、常用光回線14-1の断線障害以外に、防災受信盤12や光中継増幅器20に常用光回線14-1を接続している光コネクタの接続不良などに起因した光漏れにより、受信される光信号の強度が低下し、光信号の送受信が不能となる光強度低下障害を起こす場合があり、光強度低下障害をリカバリーする制御が必要となる。
【0127】
(防災受信盤に隣接した光中継増幅器で光強度低下障害を検出)
図13は防災受信盤に隣接した光中継増幅器で光強度低下障害が検出された場合の光信号の送受信を示した説明図である。
【0128】
図13に示すように、防災受信盤12に隣接した光中継増幅器20-1で常用光回線14-1から周期的に受信した試験光信号のレベルが所定の閾値以下となった場合、光強度低下障害190が検出される。
【0129】
光強度低下障害190を検出した光中継増幅器20-1は、防災受信盤12に予備用光回線14-2を介して光強度低下障害信号を送信し、光強度低下障害信号を受信した防災受信盤12は、常用光回線14-1による光信号の送受信を停止させると共に、予備用光回線14-2により光信号を送受信させる。
【0130】
また、光強度低下障害190を検出した光中継増幅器20-1は、迂回モードの動作状態となり、予備用光回線14-2と上り側の常用光回線14-1との間で光信号を送受信させる迂回中継を行い、また、上り側の予備用光回線14-2と下り側の常用光回線14-1との間で光信号を送受信させる迂回中継を行う。それ以外の光中継増幅器20-2及び終端装置22はノーマルモードで動作している。
【0131】
このため光強度低下障害190を検出した光中継増幅器20-1の上り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、迂回モードで動作している光中継増幅器20-1を介して予備用光回線14-2との間で光信号を送受信し、また、光強度低下障害を検出した光中継増幅器20-1の下り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、迂回モードで動作している光中継増幅器20-1を介して予備用光回線14-2との間で光信号を送受信し、光強度低下障害が起きても、防災受信盤12は常用光回線14-1に接続している全ての光変換器18との間で光信号を送受信できる。
【0132】
また、防災受信盤12の常用光回線14-1に対する光信号の送受信は停止されているため、光中継増幅器20-1の迂回中継による光信号の衝突は起きない。
【0133】
(光中継増幅器に隣接した光中継増幅器で光強度低下障害を検出)
図14は光中継増幅器に隣接した光中継増幅器で光強度低下障害が検出された場合の光信号の送受信を示した説明図ある。
【0134】
図14に示すように、光中継増幅器20-1の下り側に隣接した光中継増幅器20-2で常用光回線14-1による光信号の光強度低下障害190が検出された場合、光強度低下障害190を検出した光中継増幅器20-2は、上り側に隣接した光中継増幅器20-1に予備用光回線14-2を介して光強度低下障害信号を送信し、光強度低下障害信号を受信した光中継増幅器20-1は、シングルパスモードで動作し、下り側の常用光回線14-1との光信号の送受信を停止すると共に、上り側の常用光回線14-1と下り側の予備用光回線14-2の間で光信号を送受信させる。
【0135】
図15は
図14における光中継増幅器のシングルパスモードで動作を示したブロック図である。
図15に示すように、光中継増幅器20のシングルパスモードの動作では、常用中継増幅部90に設けられた光/電気変換器102,110、アンプ104,112及び電気/光変換器106,116の動作が停止されることで、下り側の常用光回線14-1に対する光信号の送受信が停止されており、迂回用中継増幅部94及び予備用中継増幅部92が動作している。
【0136】
再び
図14を参照するに、光強度低下障害190を検出した光中継増幅器20-2は、迂回モードの動作状態となり、予備用光回線14-2と上り側の常用光回線14-1との間で光信号を送受信させる迂回中継を行い、また、上り側の予備用光回線14-2と下り側の常用光回線14-1との間で光信号を送受信させる迂回中継を行う。終端装置22はノーマルモードで動作している。
【0137】
このため光強度低下障害190を検出した光中継増幅器20-2の上り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、シングルパスモードで動作している光中継増幅器20-1による上り側の常用光回線14-1と下り側の予備用光回線14-2との間の光信号の中継増幅に加え、迂回モードで動作している光中継増幅器20-2を介して予備用光回線14-2との間で光信号を送受信し、また、光強度低下障害190を検出した光中継増幅器20-2の下り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、迂回モードで動作している光中継増幅器20-2を介して予備用光回線14-2との間で光信号を送受信し、光強度低下障害が起きても、防災受信盤12は常用光回線14-1に接続している全ての光変換器18との間で光信号を送受信できる。
【0138】
また、光中継増幅器20-2の上り側の常用光回線14-1に対する光信号の送受信は、シングルバスモードで動作している光中継増幅器20-1により停止されているため、光中継増幅器20-2の迂回中継による光信号の衝突は起きない。
【0139】
(終端装置で光強度低下障害を検出)
図16は終端装置で光強度低下障害が検出された場合の光信号の送受信を示した説明図ある。
【0140】
図16に示すように、終端装置22で常用光回線14-1による光信号の光強度低下障害190が検出された場合、光強度低下障害190を検出した終端装置22は、上り側に隣接した光中継増幅器20-2に予備用光回線14-2を介して光強度低下障害信号を送信し、光強度低下障害信号を受信した光中継増幅器20-2は、シングルパスモードで動作し、下り側の常用光回線14-1との光信号の送受信を停止すると共に、上り側の常用光回線14-1と下り側の予備用光回線14-2の間で光信号を送受信させる。
【0141】
光強度低下障害190を検出した終端装置22は、迂回モードで動作し、予備用光回線14-2と常用光回線14-1との間で光信号を送受信させる迂回中継を行う。
【0142】
このため光強度低下障害190を検出した終端装置22の上り側の常用光回線14-1に接続している光検出器18は、シングルパスモードで動作している光中継増幅器20-2により予備用光回線14-2に中継された光信号が、終端は装置22の迂回モードの動作により常用光回線14-1に迂回中継され、終端装置22で光強度低下障害190が検出されても、防災受信盤12は常用光回線14-1に接続している全ての光変換器18との間で光信号を送受信できる。
【0143】
また、終端装置22の上り側の常用光回線14-1に対する光信号の送受信は、光中継増幅器20-2のシングルパスモードの動作により停止されているため、終端装置22の迂回中継による光信号との衝突は起きない。
【0144】
[予備用光回線の断線監視]
図17は常用光回線から予備用光回線に試験信号を巡回させる断線監視において、光中継増幅器の間の予備用光回線が断線した場合の試験信号の迂回送信を示した説明図である。
【0145】
(通常状態での断線監視制御)
図17の実施形態にあっては、通常状態において、試験信号の巡回により常用光回線14-1と予備用光回線14-2の断線を監視している。このため
図2に示した防災受信盤12の盤制御部46は、周期的に断線監視用の試験信号を常用光回線14-1に送信する。
【0146】
また、
図4に示した光中継増幅器20の中継増幅制御部96は、常用光回線14-1の上り側から試験信号を受信した場合に常用光回線14-1の下り側に試験信号を中継させ、予備用光回線14-2の下り側から試験信号を受信した場合に予備用光回線14-2の上り側に試験信号を中継する。
【0147】
更に、
図5に示した終端装置22の終端制御部152は、常用光回線14-1から試験信号を受信した場合に予備用光回線14-2に試験信号を送信する。
【0148】
また、光中継増幅器20の中継制御部96は、試験信号の送信から所定の待ち時間以内に予備用光回線14-2の下り側から試験信号の受信がない場合に予備用光回線14-2の断線を判断し、下り側に隣接した他の光中継増幅器20又は終端装置22に常用光回線14-1を経由した試験信号の送信を指示すると共に、防災受信盤12に予備用光回線14-1を経由して、隣接した光中継増幅器との間の予備用光回線14-2の断線又は隣接した終端装置22との間の予備用光回線14-2の断線を示す断線障害信号を送信して報知させる制御を行う。
【0149】
また、防災受信盤12の盤制御部46は、試験信号の送信から所定の待ち時間以内に予備用光回線14-2の下り側から試験信号の受信がない場合に予備用光回線14-2の断線を判断し、下り側に隣接した光中継増幅器20に常用光回線14-1を経由した試験信号の送信を指示すると共に、防災受信盤12と隣接した光中継増幅器20との間の予備用光回線14-2の断線を報知させる制御を行う。
【0150】
ここで、防災受信盤12で予備用光回線14-2の断線を判断する待ち時間をTw1及び光中継増幅器20-1,20-2で予備用光回線14-2の断線を判断する待ち時間をTw2,Tw3とすると、終端装置22から防災受信盤12に向けて順次長い時間となるように、
Tw1>Tw2>Tw3
の関係が設定されている。
【0151】
なお、以下の説明では、防災受信盤12の盤制御部46、光中継増幅器20の中継増幅制御部96及び終端装置22の終端制御部152の制御機能は、防災受信盤12、光中継増幅器20及び終端装置22の制御機能として説明する。
【0152】
(光中継増幅器間での予備用光回線の断線障害)
図17に示すように、光中継増幅器20-1と光中継増幅器20-2の間の予備用光回線14-2で断線障害200が発生した場合、断線箇所の上り側に位置する光中継増幅器20-1は、常用光回線14-1に対する試験信号の送信から所定の待ち時間Tw2以内に予備用光回線14-2の下り側から試験信号の受信がない場合に予備用光回線14-2の断線を判断し、下り側に隣接した他の光中継増幅器20-2に常用光回線14-1を経由した試験信号の送信を指示すると共に、防災受信盤12に予備用光回線14-2を経由して、隣接した光中継増幅器20-2との間の予備用光回線14-2の断線障害200を示す断線障害信号を送信して報知させる。
【0153】
なお、防災受信盤12も断線障害200により予備用光回線14-2の上り側から試験信号を受信しなくなるが、断線障害を判断する待ち時間Tw1は、光中継増幅器20-1が断線障害を判断する待ち時間Tw2より長いため、試験信号を受信しない時間が待ち時間Tw1に達する前に、光中継増幅器20-1の迂回中継による試験信号が受信され、防災受信盤12で断線障害200を重複して判断することはない。
【0154】
このため
図17の破線の矢印で示すように、予備用光回線14-2の断線障害200に対し、光中継増幅器20-2は予備用光回線14-2の上り側から受信した試験信号を常用光回線14-1の上り側に中継し、光中継増幅器20-1は常用光回線14-1の下り側から受信した試験信号を予備用光回線14-2の上り側に中継することで故障個所を迂回させ、常用光回線14-1から予備用光回線14-2に試験信号を巡回させることによる断線監視が継続される。
【0155】
ここで、光中継増幅器20-1,20-2による試験信号の迂回中継は、
図4に示した光中継増幅器20の常用増幅部90、予備用増幅部92及び迂回用増幅部94の全てを動作状態とし、受信信号から試験信号であることを判別して迂回中継させる。
【0156】
(光中継増幅器と終端装置の間での予備用光回線の断線障害)
図18は常用光回線から予備用光回線に試験信号を巡回させる断線監視において、光中継増幅器と終端装置の間の予備用光回線が断線した場合の試験信号の迂回送信を示した説明図である。
【0157】
図18に示すように、光中継増幅器20-2と終端装置22の間の予備用光回線14-2で断線障害200が発生した場合、断線箇所の上り側に位置する光中継増幅器20-2は、常用光回線14-1に対する試験信号の送信から所定の待ち時間Tw2以内に予備用光回線14-2の下り側から試験信号の受信がない場合に予備用光回線14-1の断線を判断し、下り側に隣接した終端装置22に常用光回線14-1を経由した試験信号の送信を指示すると共に、防災受信盤12に予備用光回線14-2を経由して、隣接した終端装置22との間の予備用光回線14-2の断線障害200を示す断線障害信号を送信して報知させる。
【0158】
なお、防災受信盤12及び光中継増幅20-1も断線障害200により予備用光回線14-2の下り側から試験信号を受信しなくなるが、断線障害を判断するそれぞれ待ち時間Tw1、Tw2は、光中継増幅器20-2が断線障害を判断する待ち時間Tw3より長いため、試験信号を受信しない時間が待ち時間Tw1、Tw2に達する前に、光中継増幅器20-2の迂回中継による試験信号が受信され、防災受信盤12及び光中継増幅器20-1で断線障害200を重複して判断することはない。
【0159】
このため
図18の破線の矢印で示すように、予備用光回線14-2の断線障害200に対し、終端装置22は常用光回線14-1から受信した試験信号を常用光回線14-1に送信し、光中継増幅器20-2は常用光回線14-1の下り側から受信した試験信号を予備用光回線14-2の上り側に中継することで断線箇所を迂回させ、常用光回線14-1から予備用光回線14-2に試験信号を巡回させることによる断線監視を継続される。
【0160】
(光中継増幅器間での予備用光回線の断線障害)
図19は常用光回線から予備用光回線に試験信号を巡回させる断線監視において、防災受信盤と光中継増幅器の間の予備用光回線が断線した場合の試験信号の迂回送信を示した説明図である。
【0161】
図19に示すように、防災受信盤12と光中継増幅器20-1の間の予備用光回線14-2で断線障害200が発生した場合、断線箇所の上り側に位置する防災受信盤12は、常用光回線14-1に対する試験信号の送信から所定の待ち時間Tw1以内に予備用光回線14-2の下り側から試験信号の受信がない場合に予備用光回線14-2の断線を判断し、下り側に隣接した光中継増幅器20-1に常用光回線14-1を経由した試験信号の送信を指示すると共に、隣接した光中継増幅器20-1との間の予備用光回線14-2の断線障害200を判断して報知する。
【0162】
このため
図19の破線の矢印で示すように、予備用光回線14-2の断線障害200に対し、光中継増幅器20-1は予備用光回線14-2の下り側から受信した試験信号を常用光回線14-1の上り側に中継することで断線箇所を迂回させ、常用光回線14-1から予備用光回線14-2に試験信号を巡回させることによる断線監視が継続される。
【0163】
[試験信号の折り返しによる予備用光回線の断線監視]
図20は光中継増幅器単位及び終端装置単位に常用光回線から予備用光回線に試験信号を巡回させる断線監視において、光中継増幅器の間の予備用光回線が断線した場合の試験信号の迂回送信を示した説明図である。
【0164】
図20の実施形態にあっては、通常状態において、防災受信盤12は、周期的に断線監視用の試験信号を常用光回線14-1に送信させ、光中継増幅器20-1,20-2及び終端装置22は、常用光回線14-1の上り側から試験信号を受信した場合に、予備用光回線14-2の上り側に試験信号を折り返して中継させることで、光中継増幅器20-1,20-2及び終端装置22の各々の単位に、常用光回線14-1から予備用光回線14-2に試験信号を巡回させることで断線を監視している。
【0165】
図20に示すように、光中継増幅器20-1,20-2の間の予備用光回線14-2で断線障害200が発生した場合、断線箇所の上り側に位置する光中継増幅器20-1が試験信号を常用光回線14-1に送信してからの経過時間が待ち時間Tw2に達しても予備用光回線14-2の下り側から試験信号が受信されず、これにより下り側の予備用光回線14-2の断線を判断する。
【0166】
光中継増幅器20-1が予備用光回線14-2の断線障害を判断した場合の制御は
図17の場合と同様であり、下り側に隣接した終端装置22に常用光回線14-1を経由した試験信号の送信を指示すると共に、防災受信盤12に予備用光回線14-2を経由して、隣接した終端装置22との間の予備用光回線14-2の断線障害200を示す断線障害信号を送信して報知させる。
【0167】
また、
図20において、光中継増幅器20-2と終端装置22の間の予備用光回線14-2の断線障害は光中継増幅器20-2が判断し、
図18に示したと同じ制御が行われる。
【0168】
更に、
図20において、防災受信盤12と光中継増幅器20-1の間の予備用光回線14-2の断線障害は防災受信盤12が判断し、
図19に示したと同じ制御が行われる。
【0169】
[本発明の変形例]
(OLTとONU)
上記の実施形態は、防災受信盤12及び設備機器側の光変換器18に、光送受信部50,62の機能を設けているが、防災受信盤12の光変換部50としては、光通信に使用されているOLT(Optical Line Terminal)を使用し、設備機器側の光送受信部62としては、光回線終端装置として知られたONU(Optical Network Unit)を使用しても良い。
【0170】
(ゲートウェイ装置)
上記の実施形態では、設備機器側の光変換器18や終端装置22にゲートウェイ66,92の機能を設けているが、ゲートウェイ66,92としては、市販のゲートウェイ装置を使用しても良い。
【0171】
(設備機器)
上記の実施形態は、光回線により監視制御される設備機器として、火災検知器と消火栓装置に設けられた赤色表示灯、発信機、応答ランプ及び消火栓スイッチを例にとっているが、これ以外の非常用設備の設備機器についても、同様に適用される。
【0172】
(非IP化)
上記の実施形態は、火災検知器及び消火栓装置に設けられた赤色表示灯、発信機、応答ランプ及び消火栓スイッチ等の設備機器の伝送部にIPアドレスを設定することにより、防災受信盤と設備機器との間で光回線を介してIPプロトコルに従った伝送制御を行っているが、これに限定されない。例えば、端末機器にIPアドレス以外のアドレスを設定し、所定の通信プロトコル、例えばR型火災報知設備で使用されている火災伝送プロトコルによる光回線を介した伝送制御としても良い。
【0173】
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0174】
10:トンネル
12:防災受信盤
14-1:常用光回線
14-2:予備用光回線
15:光分配器
16:電源線
18:光変換器
20,20-1,20-2:光中継増幅器
22:終端装置
24:消火栓装置
25:火災検知器
46:盤制御部
48:伝送部
50,62:光送受信部
66,98,154:ゲートウェイ
68:LAN回線
70,72:制御器
74:赤色表示灯
76:発信機
78:応答ランプ
80:消火栓スイッチ
82:端末制御部
84:LAN伝送部
86:駆動回路部
88:入力回路部
90:常用中継増幅部
92:予備用中継増幅部
94:迂回用中継増幅部
96:中継増幅制御部
152:終端制御部
180:断線障害
190:光強度低下障害