(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240328BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20240328BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2023076992
(22)【出願日】2023-05-09
【審査請求日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2022167352
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509046550
【氏名又は名称】株式会社セブン&アイ・ネットメディア
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 崇之
(72)【発明者】
【氏名】篠原 克宏
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/188197(WO,A1)
【文献】特開2012-014274(JP,A)
【文献】特開2011-145903(JP,A)
【文献】特開2009-070204(JP,A)
【文献】特開2022-139068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ー 99/00
G06Q 30/0207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
持続可能な開発目標(SDGs)の項目毎のポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報と、カーボンオフセット用のプロジェクト毎のクレジットに関するクレジット情報と、を記憶する記憶部と、
前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する取得部と、
前記行動に対応する前記SDGsの項目のポイントについて、前記ポイント情報を更新する更新部と、
前記ポイント情報に基づいて導出されるポイントから所定の変換率を用いて変換されたクレジットであって前記クレジット情報に基づいて前記カーボンオフセットの実行に用いることができると判断されたクレジットを、前記カーボンオフセットの実行に用いるクレジットとして決定する決定部と、
前記クレジットを用いて実行される前記カーボンオフセットに関するカーボンオフセット情報を前記ユーザに対して出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記ユーザによって選択された前記カーボンオフセットのプロジェクトに関するプロジェクト選択情報を取得し、
前記決定部は、前記ポイント情報及び前記プロジェクト選択情報に基づいて、前記クレジットを決定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記ポイント情報、前記プロジェクト選択情報及び前記クレジット情報に基づいて、前記クレジットを決定する、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記カーボンオフセット情報は、前記カーボンオフセットの目標値に関する目標情報、前記カーボンオフセットの実績に関する実績情報、前記目標値の達成率に関する達成率情報、及び、前記ポイント情報の少なくとも一つを含む、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
持続可能な開発目標(SDGs)の項目毎のポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報と、カーボンオフセット用のプロジェクト毎のクレジットに関するクレジット情報と、を記憶する情報処理装置が、
前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する工程と、
前記行動に対応する前記SDGsの項目のポイントについて、前記ポイント情報を更新する工程と、
前記ポイント情報に基づいて導出されるポイントから所定の変換率を用いて変換されたクレジットであって前記クレジット情報に基づいて前記カーボンオフセットの実行に用いることができると判断されたクレジットを、前記カーボンオフセットの実行に用いるクレジットとして決定する工程と、
前記クレジットを用いて実行される前記カーボンオフセットに関するカーボンオフセット情報を前記ユーザに対して出力する工程と、
を有する情報処理方法。
【請求項6】
コンピューターを、
持続可能な開発目標(SDGs)の項目毎のポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報と、カーボンオフセット用のプロジェクト毎のクレジットに関するクレジット情報と、を記憶する記憶部と、
前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する取得部と、
前記行動情報に基づいて決定される前記SDGsの項目について、前記ポイント情報を更新する更新部と、
前記ポイント情報に基づいて導出されるポイントから所定の変換率を用いて変換されたクレジットであって前記クレジット情報に基づいて前記カーボンオフセットの実行に用いることができると判断されたクレジットを、前記カーボンオフセットの実行に用いるクレジットとして決定する決定部と、
前記クレジットを用いて実行される前記カーボンオフセットに関するカーボンオフセット情報を前記ユーザに対して出力する出力部と、
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項7】
持続可能な開発目標(SDGs)の項目毎のポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する取得部と、
前記行動に対応する前記SDGsの項目のポイントについて、前記ポイント情報を更新する更新部と、
前記ポイント情報に基づいて、前記ポイントの還元方法
としての寄付用の金額を決定する制御部と、
前記
寄付用の金額に関する情報を前記ユーザ又は還元先
としての寄付先に出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
持続可能な開発目標(SDGs)の項目毎のポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報を記憶する情報処理装置が、
前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する工程と、
前記行動に対応する前記SDGsの項目のポイントについて、前記ポイント情報を更新する工程と、
前記ポイント情報に基づいて、前記ポイントの還元方法
としての寄付用の金額を決定する工程と、
前記
寄付用の金額に関する情報を前記ユーザ又は還元先
としての寄付先に出力する工程と、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
コンピューターを、
持続可能な開発目標(SDGs)の項目毎のポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する取得部と、
前記行動に対応する前記SDGsの項目のポイントについて、前記ポイント情報を更新する更新部と、
前記ポイント情報に基づいて、前記ポイントの還元方法
としての寄付用の金額を決定する工程と、
前記
寄付用の金額に関する情報を前記ユーザ又は還元先
としての寄付先に出力する工程と、
として機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の推進のための施策の一つとして、カーボンオフセットが知られている。カーボンオフセットとは、CO2などの温室効果ガスの削減量や吸収量に相当するクレジットを購入することで、温室効果ガスの排出量の少なくとも一部を相殺することである。
【0003】
例えば、特許文献1には、温室効果ガス排出枠が付与された消耗品や交換部品をプリンターに使用することによって、その使用証明を自動的に印刷出力し、またはユーザ自らが印刷出力することで、ユーザのカーボンオフセット活動への参加意識を高めることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、単に、温室効果ガス排出枠が付与された商品を購入するものにすぎず、そもそも当該商品を購入しないユーザに対して、SDGs等の地球環境への貢献に対する関心や理解を十分に向上できない恐れがある
【0006】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであって、地球環境への貢献のための、ユーザによる自発的な行動の促進に寄与する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、持続可能な開発目標(SDGs)に関するポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報を記憶する記憶部と、前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する取得部と、前記行動情報に基づいて、前記ポイント情報を更新する更新部と、前記ポイント情報に基づいて、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットを決定する決定部と、前記クレジットを用いて実行される前記カーボンオフセットに関するカーボンオフセット情報を前記ユーザに対して出力する出力部と、を備える。
【0008】
本開示の他の態様に係る情報処理方法は、持続可能な開発目標(SDGs)に関するポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報を記憶する情報処理装置が、前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する工程と、前記行動情報に基づいて、前記ポイント情報を更新する工程と、前記ポイント情報に基づいて、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットを決定する工程と、前記クレジットを用いて実行される前記カーボンオフセットに関するカーボンオフセット情報を前記ユーザに対して出力する工程と、を有する。
【0009】
本開示の他の態様に係る情報処理プログラムは、コンピューターを、持続可能な開発目標(SDGs)に関するポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報を記憶する記憶部と、前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する取得部と、前記行動情報に基づいて、前記ポイント情報を更新する更新部と、前記ポイント情報に基づいて、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットを決定する決定部と、前記クレジットを用いて実行される前記カーボンオフセットに関するカーボンオフセット情報を前記ユーザに対して出力する出力部と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、地球環境への貢献のための、ユーザによる自発的な行動の促進に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1の概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理システム1の各装置の物理構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るプロジェクト情報及びクレジット情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るユーザ情報、目標情報及びポイント情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態の端末20で表示されるユーザの学習用画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態の端末20で表示されるユーザの投稿用画面及びSDGs項目の選択画面の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態の端末20で表示されるユーザの削減アクションの実行の申告画面の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る端末20におけるポイント情報の表示画面の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る端末20における実績情報、目標情報及び達成率情報の表示画面の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る端末20における実績情報、目標情報及び達成率情報の表示画面の他の例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る情報処理システム1における動作の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態における情報処理システムについて、図面を参照して詳細に説明する。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0013】
なお、本実施形態では、ユーザとは、ある組織に属する各ユーザ(例えば、会社の従業員等)であるものとするが、これに限られない。ユーザは、組織とは関係のない一個人であってもよい。以下における「ユーザが属する組織」、「組織に属するユーザ」及び「組織」は、それぞれ、単に「ユーザ」と言い換えられてもよい。
【0014】
(構成)
<概略構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。情報処理システム1は、ユーザの持続可能な開発目標(SDGs)に関する行動に基づいて付与されるポイントを管理し、当該ポイントに基づいてクレジットを利用することで、カーボンオフセットを推進する情報処理システムである。
【0015】
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、ネットワーク30を介して情報処理装置10に接続される端末20と、を備える。
【0016】
情報処理装置10は、上記ポイント及び/又はクレジットを管理する装置であり、一つ又は複数の装置で構成されてもよい。端末20は、ユーザによって利用される端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット等である。ネットワーク30は、例えば、インターネット及び/又はイントラネットであり、無線及び/又は有線のネットワークであればよい。なお、クレジットは、カーボンオフセットのために販売事業者から購入されるクレジット(例えば、jクレジット等)(以下、「実クレジット」ともいう)であってもよいし、又は、当該実クレジットに対応付けれられた仮想的なクレジット(以下、「仮想クレジット」ともいう)であってもよい。当該仮想クレジットは、ユーザの行動に応じて獲得されるポイントから所定の変換率で変換されてもよい。また、当該仮想クレジットは、実クレジットのプロジェクト毎に設けられもよく、ユーザの行動に応じて獲得されるポイントが当該ユーザによって選択されたプロジェクトの仮想クレジットに所定の変換率で変換されてもよい。例えば、当該仮想クレジットは、ユーザが属する組織の保有する各プロジェクトの実クレジットの残数に応じて、ユーザに割り当てられてもよい。以下、実クレジットと仮想クレジットを区別しない場合は、クレジットと総称する。
【0017】
<物理構成>
図2は、本実施形態に係る情報処理システム1を構成する各装置の物理構成の一例を示す図である。各装置(例えば、情報処理装置10及び端末20)は、制御部に相当するプロセッサ10aと、記憶部に相当するRAM(Random Access Memory)10bと、記憶部に相当するROM(Read Only Memory)10cと、通信部10dと、入力部10eと、表示部10fと、を有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、
図2で示す構成は一例であり、各装置はこれら以外の構成を有してもよいし、これらの構成のうち一部を有さなくてもよい。また、情報処理装置10は、単体の装置で構成されてもよいし、複数の装置を含んで構成されてもよい。
【0018】
プロセッサ10aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ10aは、RAM10b又はROM10cに記憶されているプログラムを実行することにより、各装置における各種処理を制御する。プロセッサ10aは、各装置が備える他の構成と、プログラムとの協働により、各装置の機能を実現し、処理の実行を制御する。プロセッサ10aは、入力部10eや通信部10dから種々のデータを受け取り、データの演算結果を表示部10fに表示したり、RAM10bに格納したりする。
【0019】
RAM10b及びROM10cは、各種処理に必要なデータ及び処理結果のデータを記憶する。各装置は、RAM10b及びROM10c以外に、ハードディスクドライブ等の大容量の記憶部を備えてもよい。RAM10b及びROM10cは、例えば、半導体記憶素子で構成されてもよい。
【0020】
通信部10dは、各装置を他の機器に接続するインターフェースである。通信部10dは、他の機器と通信する。通信部10dは、送信部、受信部、又は、送受信部と言い換えられてもよい。
【0021】
入力部10eは、ユーザからデータの入力を受け付けるためのデバイスや、各装置の外部からデータを入力するためのデバイスである。入力部10eは、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル及びカメラ等を含んでよい。表示部10fは、プロセッサ10aによる制御に従って、情報を表示するデバイスである。表示部10fは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されてよい。
【0022】
各装置の機能を実現させるためのプログラムは、RAM10bやROM10c等のコンピューターによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部10dにより接続されるネットワークを介して提供されてもよい。各装置では、プロセッサ10aが当該プログラムを実行することにより、各装置を制御するための様々な機能が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。
【0023】
以上説明した物理構成は一例に過ぎない。情報処理システム1内の各装置は、
図2に記載したハードウェアの一部が省略されていてもよいし、
図2に記載されていないハードウェアを備えていてもよい。また、
図2に示すハードウェアが1又は複数のチップにより構成されていてもよい。
【0024】
<機能構成>
図3は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置10は、算出部101と、設定部102と、記憶部103と、取得部104と、ポイント管理部105(更新部)と、クレジット管理部106(決定部)と、出力部107と、を備える。なお、
図3は、例示にすぎず、情報処理装置10の一部の機能構成(例えば、算出部101等)は省略されてもよい。
【0025】
算出部101は、温室効果ガスの排出量を決定する。具体的には、算出部101は、ユーザが属する組織による温室効果ガスの排出量を決定してもよい。例えば、算出部101は、組織内のユーザ数、当該組織による電力の使用量(又は使用推定量)、及び、当該組織による電力の使用時間(又は使用推定時間)等の少なくとも一つに基づいて、当該排出量を算出してもよい。
【0026】
設定部102は、カーボンオフセットの目標値を設定する。具体的には、設定部102は、算出部101によって算出された排出量に基づいて、組織の目標値を設定してもよい。また、設定部102は、入力部10eからの入力情報(例えば、ある組織による入力情報)に基づいて、組織の目標値を設定してもよい。なお、設定部102は、当該排出量及び入力情報の双方に基づいて、組織の目標値を設定してもよい。
【0027】
設定部102は、設定された目標値を示す情報(以下、「目標情報」という)を後述する記憶部103に記憶させてもよい。また、設定部102は、組織の目標値に基づいて、組織に属するユーザ毎の目標値を設定し、設定したユーザ毎の目標値を示す目標情報を記憶部103に記憶させてもよい。
【0028】
記憶部103は、SDGsに関するポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関する情報(以下、「ポイント情報」という)を記憶する。また、記憶部103は、カーボンオフセットの実行のために用いるクレジットに関する情報(以下、「クレジット情報」という)を記憶してもよい。また、記憶部103は、カーボンオフセットのプロジェクトに関する情報(以下、「プロジェクト情報」という)、ユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」という)及び上記目標情報の少なくとも一つを記憶してもよい。
【0029】
図4は、本実施形態に係るプロジェクト情報及びクレジット情報の一例を示す図である。当該クレジット情報は、ユーザの属する組織が、カーボンオフセットの実行のために、販売事業者から購入された実クレジットに関する情報であってもよいし、又は、当該実クレジットに対応付けられた仮想クレジットに関する情報であってもよい。クレジット情報は、未使用のクレジットに関する情報(以下、「残数情報」という)、クレジットの使用実績に関する情報(以下、「実績情報」という)、及び、クレジットの使用期限に関する情報(以下、「期限情報」という)の少なくとも一つを含んでもよい。なお、
図4は例示にすぎず、クレジット情報は、不図示の情報を含んでもよい。
【0030】
ここで、残数情報は、未使用のクレジットの数を示してもよいし、当該未使用のクレジットの数に対応する温室効果ガスの量(例えば、トン単位の量)を示してもよい。実績情報は、使用済みのクレジットの数を示してよいし、当該使用済みのクレジットに対応する温室効果ガスの量(例えば、トン単位の量)を示してもよい。なお、クレジット情報が仮想クレジットに関する場合、当該クレジット情報は、例えば、残数情報として未使用の実クレジットに対応する仮想クレジットの数を示してもよいし、実績情報としてポイントから変換されたクレジットの数を示してもよいし、期限情報を含まなくともよい。仮想クレジットに関するクレジット情報は、所定のタイミング(例えば、月次)でリセットされてもよい。
【0031】
また、
図4に示すように、クレジット情報は、プロジェクト情報に関連付けられてもよい。プロジェクト情報は、例えば、プロジェクトの識別情報、当該プロジェクトの種別を示す情報(以下、「種別情報」という)、当該プロジェクトの内容に関する情報(以下、「内容情報」という)の少なくとも一つを含んでもよい。
図4に示すように、プロジェクトの種別は、例えば、温室効果ガスの吸収効果を有する森林系、温室効果ガスの排出削減効果を有する省エネ系を含み、種別情報は、当該森林系又は省エネ系のいずれかを示してもよい。
【0032】
図5は、本実施形態に係るユーザ情報、目標情報及びポイント情報の一例を示す図である。
図5に示すように、目標情報及び/又はポイント情報は、ユーザ情報に関連付けて(すなわち、ユーザ毎に)記憶されてもよい。ユーザ情報は、例えば、ユーザの識別情報、氏名等の少なくとも一つを含んでもよい。
【0033】
ポイント情報は、SDGsの項目(以下、「SDG項目」という)毎にユーザによって獲得されたポイントを示してもよい。ここで、SDGs項目は、例えば、以下の17項目を有してもよい。
#1 :貧困をなくそう
#2 :飢餓をゼロに
#3 :すべての人に健康と福祉を
#4 :質の高い教育をみんなに
#5 :ジェンダー平等を実現しよう
#6 :安全な水とトイレを世界中に
#7 :エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
#8 :働きがいも経済成長も
#9 :産業と技術革新の基盤を作ろう
#10:人や国の不平等をなくそう
#11:住み続けられるまちづくりを
#12:つくる責任、つかう責任
#13:気候変動に具体的な対策を
#14:海の豊かさを守ろう
#15:陸の豊かさも守ろう
#16:平和と公正をすべての人に
#17:パートナーシップで目標を達成しよう
【0034】
取得部104は、端末20から、当該ユーザの行動に関する情報(以下、「行動情報」という)を取得する。例えば、行動情報は、ユーザによってある行動が実行されたことを示してもよい。また、行動情報は、ユーザによって実行されたある行動に対応するSDGs項目(例えば、上記#1~#17の少なくとも一つ)を示してもよい。また、ユーザの行動は、例えば、(1)学習、(2)コメントの投稿、(3)温室効果ガスの削減に関するアクション(以下、「削減アクション」という)の実行の少なくとも一つを含んでもよい。
【0035】
(1)学習は、例えば、ユーザによるSDGs学習用のコンテンツの閲覧、ユーザによるSDGsに関するクイズへの参加等を含む。行動情報は、例えば、当該コンテンツの閲覧が完了したことを示してもよいし、又は、当該クイズに正解したことを示してもよい。また、行動情報は、学習の内容(例えば、コンテンツ又はクイズの内容)に対応するSDGs項目を示してもよい。学習の内容に対応するSDGs項目は、端末20から取得される行動情報によって示されなくともよく、行動情報によって示される削減アクションの内容に基づいて後述するポイント管理部105で導出されてもよい。
【0036】
図6は、本実施形態の端末20で表示されるユーザの学習用画面の一例を示す図である。
図6に示す学習用画面I1には、SDGsの学習用のコンテンツが示される。例えば、画面I1には、SDGs項目#1に関するコンテンツが示される。学習用画面I1において、ユーザによるボタンB1の押下が端末20で検出された場合、取得部104は、SDGs項目#1に関するコンテンツの閲覧が完了したこと示す行動情報を端末20から取得してもよい。
【0037】
図6に示す学習用画面I2は、特定のSDGs項目に関するクイズが示される。例えば、学習用画面I2においてユーザによるボタンB2の押下が端末20で検出された場合、端末20の表示部10fにクイズが表示される。取得部104は、ユーザが当該クイズに正解した場合、特定のSDGs項目に関するクイズに正解したことを示す行動情報を取得してもよい。
【0038】
(2)コメントの投稿は、例えば、SDGs項目に即したコメントを所定の投稿欄に対してユーザが投稿することを含む。行動情報は、SDGs項目に即したコメントを投稿したことを示してもよい。また、行動情報は、当該コメントを投稿する際にユーザによって選択された一つ又は複数のSDGs項目を示してもよい。
【0039】
図7は、本実施形態の端末20で表示される投稿用画面及びSDGs項目の選択画面の一例を示す図である。投稿用画面I3においてユーザによるボタンB3の押下が端末20で検出された場合、SDGs項目の指定に用いられる選択画面I4が端末20の表示部10fに表示されてもよい。ユーザは、投稿用画面I3において投稿したコメントに関するSDGs項目を選択画面I4で選択してもよい。
【0040】
例えば、
図7において「今朝はネットで買った売れ残りのロスパンを食べた。美味しかった!!」というコメントを投稿したユーザ#Aは、選択画面I4においてSDGs項目#12を選択する。このため、投稿用画面I3には、ユーザ#Aのコメントとともに、選択画面I4においてユーザ#Aによって指定されたSDGs項目#12「つくる責任、つかう責任」が示される。取得部104は、ユーザ#Aがコメントを投稿したこと、及び、ユーザ#Aによって選択されたSDGs項目#12を示す行動情報を端末20から取得してもよい。
【0041】
なお、選択画面I4においてユーザによって選択されるSDGs項目は一つに限られず、複数であってもよい。例えば、
図7において「マイタンブラーでコーヒーを注文した」というコメントを投稿したユーザ#Bは、選択画面I4においてSDGs項目#12及び#14を選択する。取得部104は、ユーザ#Bがコメントを投稿したこと、及び、ユーザ#Bによって選択されたSDGs項目#12及び#14を示す行動情報を端末20から取得してもよい。
【0042】
(3)削減アクションは、例えば、所定の削減アクションをユーザが実行することである。行動情報は、例えば、当該所定の削減アクションが実行されたことを示してもよい。また、行動情報は、当該削減アクションに対応するSDGs項目を示してもよい。なお、削減アクションに対応するSDGs項目は、端末20から取得される行動情報によって示されなくともよく、行動情報によって示される削減アクションの内容に基づいてポイント管理部105で導出されてもよい。
【0043】
図8は、本実施形態の端末20で表示されるユーザの削減アクションの実行の申告画面の一例を示す図である。例えば、
図8では、削減アクションとして、「マイボトルを持参した」、「マイ箸を持参した」、「エアコンを60分以上節電した」等が示されている。申告画面I5において、ユーザは、自身が実行した一つ又は複数の削減アクション(ここでは、「マイボトルを持参した」)を選択して、ボタンB5を押下する。端末20によってユーザによるボタンB5の押下が検出された場合、取得部104は、申告画面I5で選択された削減アクションが実行されたことを示す行動情報を端末20から取得してもよい。当該削減アクションに対応するSDGs項目は当該行動情報によって示されてもよいし、ポイント管理部105によって導出されてもよい。
【0044】
取得部104は、ユーザによって選択されたカーボンオフセットのプロジェクトに関する情報(以下、「プロジェクト選択情報」という)を取得してもよい。プロジェクト選択情報は、
図4に示すプロジェクト情報が示すプロジェクト(例えば、実プロジェクト又は仮想プロジェクト)であって残数情報が0でないプロジェクト(すなわち、未使用のクレジットが存在するプロジェクト)の中からユーザによって選択されたプロジェクトを示してもよい。
【0045】
ポイント管理部105は、取得部104によって取得された行動情報に基づいて、記憶部103に記憶されたポイント情報を更新する。具体的には、ポイント管理部105は、前記行動情報に基づいて決定されるSDGs項目について、ポイント情報を更新してもよい。
【0046】
例えば、
図6に示す学習用画面I1におけるユーザによるボタンB1の押下をトリガとして、取得部104によって、SDGs項目#1に関するコンテンツの閲覧が完了したこと示す行動情報が取得された場合、ポイント管理部105は、SDGs項目#1のポイントが増加するようにポイント情報を更新してもよい。学習用画面I2におけるボタンB2の押下時にも、同様に、クイズの内容に対応する特定のSDGs項目のポイントが増加するようにポイント情報を更新してもよい。
【0047】
また、
図7の選択画面I4において、「今朝はネットで買った売れ残りのロスパンを食べた。美味しかった!!」というコメントを投稿したユーザ#AがSDGs項目#12を選択した場合、ポイント管理部105は、ユーザ#Aがコメントを投稿したこと、及び、ユーザ#Aによって選択されたSDGs項目#12を示す行動情報に基づいて、SDGs#12のポイントが増加するようにポイント情報を更新してもよい。一方、「マイタンブラーでコーヒーを注文した」というコメントを投稿したユーザ#BがSDGs項目#12及び#14を選択した場合、ポイント管理部105は、ユーザ#Bがコメントを投稿したこと、及び、ユーザ#Bによって選択されたSDGs項目#12及び#14を示す行動情報に基づいて、SDGs#12及び#14のポイントが増加するようにポイント情報を更新してもよい。
【0048】
また、
図8の申告画面I5において、自身が実行した一つ又は複数の削減アクション(ここでは、「マイボトルを持参した」)を選択したユーザによるボタンB5が押下された場合、ポイント管理部105は、申告画面I5で選択された削減アクションが実行されたことを示す行動情報に基づいて、当該削減アクションに対応するSDGs項目のポイントが増加するようにポイント情報を更新してもよい。
【0049】
以上のように、ポイント管理部105は、取得部104によって取得された行動情報がSDGsに貢献する行動に関する場合、ポイントが増加するようにポイント情報を更新する。一方、取得部104によって取得された行動情報がSDGsに貢献しない行動(例えば、電気を消し忘れた、エアコンをつけっぱなしにした等)に関する場合、ポイントが減少するようにポイント情報を更新してもよい。
【0050】
クレジット管理部106は、ポイント管理部105によって更新されたポイント情報に基づいて、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットを決定する。具体的には、クレジット管理部106は、上記ポイント情報及び取得部104によって取得されたプロジェクト選択情報に基づいて、上記クレジットを決定してもよい。また、クレジット管理部106は、上記ポイント情報、上記プロジェクト選択情報、記憶部103において記憶されたクレジット情報に基づいて、上記クレジットを決定してもよい。
【0051】
具体的には、クレジット管理部106は、記憶部103に記憶されたポイント情報(例えば、
図5)と各ユーザのプロジェクト選択情報に基づいて、同一のプロジェクトを選択した一以上のユーザのポイントを合算してもよい。例えば、
図5のユーザ#A及び#Bによって、
図4のプロジェクトPJ#1が選択され、ユーザ#CによってプロジェクトPJ#2が選択されるとする。この場合、クレジット管理部106は、
図5に示されるユーザ#A及び#BのポイントをプロジェクトPJ#1用に合算し、
図5に示されるユーザ#CのポイントをプロジェクトPJ#2用に合算してもよい。
【0052】
また、クレジット管理部106は、各プロジェクト用に合算されたポイントを所定の変換率を用いてクレジットに変換してもよい。変換率は、プロジェクトの種別毎に定められてもよいし、プロジェクト毎に定められてもよい。例えば、森林系のプロジェクトの場合は1000ポイントが1クレジットに変換され、省エネ系のプロジェクトの場合1500ポイントが1クレジットに変換されてもよい。
【0053】
また、クレジット管理部106は、以上のようにポイントから変換された各プロジェクトのクレジットを、カーボンオフセットの実行に用いることができるか否かを、記憶部103に記憶されたクレジット情報(例えば、
図4の残数情報及び/又は期限情報)に基づいて判断してもよい。クレジット管理部106は、カーボンオフセットの実行に用いることができると判断されたクレジットを、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットとして決定してもよい。
【0054】
例えば、プロジェクトPJ#1を選択したユーザの合算ポイント(例えば、ユーザ#A及び#Bなど)がプロジェクトPJ#1の1クレジットに変換された場合、
図4では、プロジェクトPJ#1の残数情報が20クレジットであり、期限情報が示す期限内であるので、クレジット管理部106は、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットとして、当該プロジェクトPJ#1の1クレジットを決定してもよい。
【0055】
一方、プロジェクトPJ#2を選択したユーザの合算ポイント(例えば、ユーザ#Bなど)がプロジェクトPJ#2の3クレジットに変換された場合、
図4では、プロジェクトPJ#2の残数情報が1クレジットであるので、ポイントから変換された3クレジットの全てを利用できない。この場合、クレジット管理部106は、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットとして、当該3クレジットのうちの1クレジットを決定してもよい。
【0056】
出力部107は、クレジットを用いて実行される前記カーボンオフセットに関する情報(以下、「カーボンオフセット情報」という)をユーザに対して出力する。具体的には、出力部107は、カーボンオフセット情報の表示画面に関する情報(以下、「画面情報」という)を生成し、生成された画面情報を、通信部10dを介して端末20に送信してもよい。端末20は、当該画面情報に基づいて端末20の表示部10fに、当該カーボンオフセット情報の表示画面を表示させてもよい。
【0057】
ここで、カーボンオフセット情報は、上記目標情報、上記実績情報、目標値の達成率に関する情報(以下、「達成率情報」という)、及び、上記ポイント情報の少なくとも一つを含んでもよい。
【0058】
図9は、本実施形態に係る端末20におけるポイント情報の表示画面の一例を示す図である。例えば、
図9に示す表示画面I6では、ユーザのポイントがSDGs項目毎に示される。当該表示画面I6は、例えば、
図6-8で説明したように、ユーザによってある行動が実行され、取得部104によって行動情報が取得され、ポイント管理部105によってポイント情報が更新された場合に、出力部107は、表示画面I6に関する画面情報を生成し、生成された画面情報を、通信部10dを介して端末20に送信してもよい。端末20は、情報処理装置10からの画面情報に基づいて、表示部10fに表示画面I6を表示させてもよい。
【0059】
図10は、本実施形態に係る端末20における実績情報、目標情報及び達成率情報の表示画面の一例を示す図である。例えば、
図10に示す表示画面I7には、あるユーザの目標値(ここでは、59.60kg-CO2)を示す目標情報と、当該あるユーザが属する組織全体の目標値に対する達成率を示す達成率情報(ここでは、達成率を示すグラフ、「目標達成まであと940.399kg-CO2」)と、が示される。また、表示画面I7には、実績情報として、所定期間(例えば、2022年10月)に利用されたクレジットの数、当該クレジットのプロジェクト(ここでは、プロジェクトPJ#1及びPJ#2)と、当該クレジットの利用により実行されたオフセットの量が示される。また、表示画面I7には、累計のオフセットの量(ここでは、999.999kg-CO2)が実績情報として示される。出力部107は、端末20からの要求に応じて、表示画面I7に関する画面情報を生成し、生成された画面情報を、通信部10dを介して端末20に送信してもよい。端末20は、情報処理装置10からの画面情報に基づいて、表示部10fに表示画面I8を表示させてもよい。
【0060】
図11は、本実施形態に係る端末20における実績情報、目標情報及び達成率情報の表示画面の他の例を示す図である。例えば、
図11に示す表示画面I8には、ユーザが属する組織全体の目標値(ここでは、30.830kg-CO2)を示す目標情報と、当該組織の目標値に対する達成率を示す達成率情報(ここでは、95.5%)と、が示される。また、表示画面I8には、組織に属するユーザ全体で所定期間内に獲得されたポイントを示すポイント情報(ここでは、28,888ポイント)と、ユーザ数(ここでは、888名)を示す情報(以下、「ユーザ数情報」という)と、が示される。所定のタイミング(例えば、月次のタイミング)又は端末20からの要求に応じて、出力部107は、表示画面I8に関する画面情報を生成し、生成された画面情報を、通信部10dを介して端末20に送信してもよい。端末20は、情報処理装置10からの画面情報に基づいて、表示部10fに表示画面I8を表示させてもよい。
【0061】
また、出力部107は、取得部104が行動情報を取得するための情報を、ユーザに対して出力してもよい。具体的には、出力部107は、行動情報の取得用の画面(例えば、
図6~8)に関する画面情報を生成し、生成された画面情報を、通信部10dを介して端末20に送信してもよい。端末20は、当該画面情報に基づいて端末20の表示部10fに、行動情報の取得用の画面(例えば、
図6~8の画面I1~I5)を表示させてもよい。
【0062】
なお、端末20は、情報処理装置10から出力された情報に基づいて種々の機能を実現する。当該種々の機能(例えば、表示部10fに対する画面の表示、通信部10dを介した情報処理装置10との間の情報の送受信)は、端末20にインストールされたプログラム(アプリケーション)の実行によって実現されてもよい。
【0063】
(動作)
図12は、本実施形態に係る情報処理システム1における動作の一例を示す図である。なお、
図12の一部のステップは省略されてもよいし、不図示のステップが追加されてもよいし、少なくとも二つのステップの順番が入れ替え及び/又は並行して実施されてもよい。
【0064】
ステップS101において、情報処理装置10は、ユーザが属する組織による温室効果ガスの排出量を算出する。なお、ステップS101は省略されてもよく、当該排出量は、情報処理装置10の入力部10eから入力されてもよいし、他の装置から通信部10dを介して取得されてもよい。
【0065】
ステップS102において、情報処理装置10は、上記排出量に基づいて、カーボンオフセットの目標値を設定する。具体的には、情報処理装置10は、上記排出量に基づいて、ユーザが属する組織の目標値を設定してもよい。また、情報処理装置10は、上記排出量に基づいて、ユーザ毎の目標値を設定してもよい。例えば、情報処理装置10は、ユーザ毎の目標値を、上記排出量を組織内のユーザ数による除算結果に基づいて設定してもよい。
【0066】
ステップS103において、情報処理装置10は、各ユーザによって選択されたプロジェクトに関するプロジェクト選択情報を取得する。
図12では、プロジェクト選択情報は、各ユーザの目標値が設定される際に取得されるものとするが、これに限られない。プロジェクト選択情報は、行動情報が取得される毎に取得されてもよい(すなわち、ユーザの行動内容に応じてプロジェクトが選択されてもよい)。又は、プロジェクト選択情報は、所定タイミング毎(例えば、月次で)取得されてもよい。
【0067】
ステップS104において、情報処理装置10は、ユーザの行動に関する行動情報を取得する。当該行動情報は、例えば、
図6~8を参照して説明したように、(1)学習、(2)コメントの投稿、(3)削減アクションの少なくとも一つに関してもよい。当該行動情報は、ユーザによって実行された行動に対応するSDGs項目(例えば、上記#1~#17の少なくとも一つ)を示してもよい。
【0068】
ステップS105において、情報処理装置10は、ステップS104で取得された行動情報に基づいて、ユーザのポイント情報を更新する。具体的には、情報処理装置10は、当該行動情報に基づいて決定されるSDGs項目について、ポイント情報を更新してもよい。
【0069】
ステップS106において、情報処理装置10は、所定のタイミングであるか否かを判定する。当該所定のタイミングは、例えば、月次のタイミングであるが、これに限られない。
【0070】
ステップS107において、情報処理装置10は、プロジェクト選択情報に基づいて、プロジェクト毎のポイントを集計する。例えば、
図5のユーザ#A及び#Bそれぞれのプロジェクト選択情報は、
図4のプロジェクトPJ#1を示し、ユーザ#Cのプロジェクト選択情報は、
図4のプロジェクトPJ#2を示す場合、情報処理装置10は、
図5に示されるユーザ#A及び#BのポイントをプロジェクトPJ#1用に合算し、
図5に示されるユーザ#CのポイントをプロジェクトPJ#2用に合算してもよい。
【0071】
ステップS108において、情報処理装置10は、プロジェクト毎に集計されたポイントを所定の変換率を用いてクレジットに変換する。例えば、プロジェクトPJ#1の種別は森林系であるので、情報処理装置10は、プロジェクトPJ#1用に合算されたポイントを、所定の変換率(例えば、1000ポイントを1クレジット)でプロジェクトPJ#1のクレジットに変換してもよい。一方、プロジェクトPJ#2の種別は省エネ系であるので、情報処理装置10は、プロジェクトPJ#2用に合算されたポイントを、所定の変換率(例えば、1500ポイントを1クレジット)でプロジェクトPJ#2のクレジットに変換してもよい。
【0072】
ステップS109において、情報処理装置10は、クレジット情報に基づいて、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットを決定する。具体的には、情報処理装置10は、
図4に示される各プロジェクトのクレジット情報に基づいて、ステップS108で変換されたクレジットのうち利用可能なクレジットを、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットとして決定してもよい。具体的には、情報処理装置10は、各プロジェクトの残数情報及び/又は期限情報に基づいて、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットを決定してもよい。
【0073】
例えば、ステップS108においてプロジェクトPJ#1用に合算されたポイントが所定の変換率でプロジェクトPJ#1の1クレジットに変換された場合、
図4では、プロジェクトPJ#1の残数情報が20クレジットであり、期限情報が示す期限内であるので、情報処理装置10は、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットとして、当該プロジェクトPJ#1の1クレジットを決定してもよい。
【0074】
また、ステップS108においてプロジェクトPJ#2用に合算されたポイントが所定の変換率でプロジェクトPJ#2の3クレジットに変換された場合、
図4では、プロジェクトPJ#2の残数情報が1クレジットであるので、情報処理装置10は、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットとして、ポイントから変換された3クレジットのうちの1クレジットを決定してもよい。
【0075】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1では、ユーザの行動に応じてSDGsに関するポイントが獲得され、獲得されたポイントに基づいて決定されたクレジットを利用してカーボンオフセットが実行される。このため、ユーザは、興趣性をもってSDGsに関する行動を実行することができ、地球環境への貢献のための、ユーザによる自発的な行動の促進に寄与できる。また、実行されたカーボンオフセットに関するカーボンオフセット情報(例えば、上記目標情報、実績情報、達成率情報及びポイント情報の少なくとも一つ)がユーザに出力されるので、地球環境への貢献のためのモチベーションを向上できる。
【0076】
また、本実施形態に係る情報処理システム1では、ユーザによって選択されたカーボンオフセットのプロジェクトに関するプロジェクト選択情報に基づいて、カーボンオフセットを実行するためのクレジットが決定されるので、ユーザは自身の希望するプロジェクトのために行動を実行することができ、地球環境への貢献のための、ユーザによる自発的な行動の促進に寄与できる。
【0077】
また、本実施形態に係る情報処理システム1では、販売事業者から事前に購入されたプロジェクト毎のクレジットに関するクレジット情報に基づいて、クレジットを決定されるので、利用する組織の利便性を向上でき、地球環境への貢献のための組織の活動を推進できる。
【0078】
(その他の実施形態)
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0079】
例えば、上記実施形態では、プロジェクト選択情報は、販売事業者からクレジットを購入済みのプロジェクト(例えば、
図4)の中から、ユーザによって選択されたプロジェクトを示すものとするが、これに限られない。プロジェクト選択情報は、クレジットを未購入のプロジェクトを含む所定のプロジェクトのセットの中から、ユーザによって選択されたプロジェクトを示してもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、情報処理装置10は、ポイント情報に基づいて、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットを決定し、当該クレジットを用いて実行される前記カーボンオフセットに関するカーボンオフセット情報をユーザに対して出力するものとしたが、これに限られない。情報処理装置10は、ユーザの行動情報に基づいて更新されたポイント情報に基づいて、カーボンオフセットに限らないSDGsに関する制御を行ってもよい。例えば、情報処理装置10は、ポイント情報に基づいて、SDGsに関する景品(日用品や、デジタルコンテンツなど)に交換する仕組みの制御も含まれる。
【0081】
また、情報処理装置10は、SDGsに関するポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報に基づいて、当該ポイントの還元方法を決定し、当該還元方法に関する情報をユーザ又は還元先に出力する。当該還元方法は、例えば、寄付用の金額(以下、「寄付金額」という)、カーボンオフセットの実行に用いるクレジット、景品及びイベントに対する参加権利の少なくとも一つであってもよい。
【0082】
図13は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の他の例を示す図である。
図13に示すように、情報処理装置10は、上記ポイント情報に基づいて、SDGsに関するポイントの還元方法を決定する制御部108を具備する。また、出力部107は、還元方法に関する情報をユーザ又は還元先(ユーザ又は還元先の装置を含む)に出力してもよい。具体的には、制御部108は、当該SDGsに関するポイントの還元方法としての寄付金額を決定してもよい。また、出力部107は、当該寄付金額に関する情報をユーザ又は還元先としての寄付先に出力してもよい。
【0083】
また、制御部108は、SDGsに関するポイントの還元方法を、上記寄付金額及びクレジットを含む複数の還元方法の中から決定してもよい。当該複数の還元方法は、上記寄付金額及びクレジットのほかに、例えば、景品及び/又はイベントに対する参加権利を含んでもよい。なお、還元方法としてカーボンオフセットの実行に用いるクレジットが含まれる場合、制御部108は
図3のクレジット管理部106の機能を含み、記憶部103はクレジット情報を記憶してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…情報処理システム
10…情報処理装置
20…端末
30…ネットワーク
10a…プロセッサ
10b…RAM
10c…ROM
10d…通信部
10e…入力部
10f…表示部
101…算出部
102…設定部
103…記憶部
104…取得部
105…ポイント管理部(更新部)
106…クレジット管理部(決定部)
107…出力部
108…制御部
【要約】
【課題】地球環境への貢献のための、ユーザによる自発的な行動の促進に寄与すること。
【解決手段】情報処理装置は、持続可能な開発目標(SDGs)に関するポイントに関するポイントであってユーザによって獲得されたポイントに関するポイント情報を記憶する記憶部と、前記ユーザの行動に関する行動情報を取得する取得部と、前記行動情報に基づいて、前記ポイント情報を更新する更新部と、前記ポイント情報に基づいて、カーボンオフセットの実行に用いるクレジットを決定する決定部と、前記クレジットを用いて実行される前記カーボンオフセットに関するカーボンオフセット情報を前記ユーザに対して出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図3