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特許7462100プログラム、方法、情報処理装置、システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20240328BHJP
   A63F 13/21 20140101ALI20240328BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240328BHJP
【FI】
A63F13/79 510
A63F13/21
A63F13/65
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023112246
(22)【出願日】2023-07-07
【審査請求日】2023-07-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小杉 要
(72)【発明者】
【氏名】寺田 佑貴
(72)【発明者】
【氏名】米原 善成
(72)【発明者】
【氏名】中畑 虎也
(72)【発明者】
【氏名】塚田 拓実
(72)【発明者】
【氏名】宮川 佳祐
【審査官】清藤 弘晃
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-048911(JP,A)
【文献】特開2007-120815(JP,A)
【文献】特開2003-256944(JP,A)
【文献】特開2020-072800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えて睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、
ユーザの睡眠中における身体の動きに基づく物理量を検出するステップと、
検出された物理量から前記ユーザの前記睡眠情報としての睡眠時間を測定するステップと、
測定された前記睡眠時間に基づいて前記ゲーム内のイベントを発生させるステップと、を実行させ、
前記イベントを発生させるステップでは、検出された物理量が所定の閾値より小さい状態が所定の時間続いた場合を異常状態であると判断し、前記異常状態であると判断した場合、前記睡眠時間のうちの一部である第1睡眠時間に基づいては前記イベントを発生させず、前記睡眠時間のうち前記第1睡眠時間を除いた第2睡眠時間に基づいてイベントを発生させる、プログラム。
【請求項2】
前記異常状態が検出されたことを、ユーザに通知するステップを前記プロセッサに実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
イベントを発生させた睡眠時間をユーザに通知するステップを前記プロセッサに実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記異常状態が検出された場合に、睡眠環境の改善を促すための情報を当該ユーザに通知するステップを前記プロセッサに実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記通知するステップにおいて、前記睡眠環境の改善を促すための情報として、前記物理量を検出するデバイスの載置の態様に関する確認を促す情報を通知する、請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
睡眠計測を開始した後において、睡眠時間の測定状況をユーザに提示させない、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
制御部と、記憶部とを備えて睡眠情報を用いたゲームの進行を管理する情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサと、メモリとを備えて睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、方法。
【請求項9】
睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータを備えるシステムであって、
請求項1から請求項のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの睡眠情報を用いたゲームの開発が進められている。例えば、特許文献1には、ユーザが就寝しているマットレス等に載置され、モーションセンサを備えるデバイスによって、睡眠中のユーザの身体の動きを検出して睡眠情報を測定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-194313
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、例えば、ユーザがデバイスを寝具から離れた場所に放置した場合等に、実際は睡眠中のユーザの身体の動きを検出していないにもかかわらず、睡眠情報が測定されてしまう場合がある。このような状況を看過すると、ゲームを進行するために規則正しい睡眠をしようとする意義が薄れ、ユーザがゲームへの興味を失う可能性もある。一方で、ユーザの睡眠時の環境によっては身体の動きを検出しにくいことも考えられるため、このような状況で単にエラーとしては、ユーザにとって不利益が大きい。
【0005】
本開示の目的はユーザの身体の動きを検出するデバイスを用いた睡眠ゲームにおいて、より適切に睡眠情報をゲームの進行に反映することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、ユーザの睡眠中における身体の動きに基づく物理量を検出するステップと、検出された物理量から前記ユーザの睡眠情報を測定するステップと、測定された前記睡眠情報に基づいてイベントを発生させるステップとを実行させ、前記イベントを発生させるステップでは、検出された物理量が所定の閾値より小さい状態が所定の期間続いた場合を異常状態であるとして、前記睡眠情報のうちの一部である第1睡眠情報に基づいては前記イベントを発生させず、前記睡眠情報のうち前記第1睡眠情報を除いた第2睡眠情報に基づいてイベントを発生させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
このような構成とすることで、ユーザの睡眠情報を測定するためのデバイスが適切な場所に配置されなかった場合には、異常状態であると判定して一部の睡眠情報についてはイベントが発生されないため、ユーザの身体の動きを検出するデバイスを用いた睡眠ゲームにおいて、より適切に睡眠情報をゲームの進行に反映することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】端末装置10の機能構成を表すブロック図である。
図3】サーバ20の機能構成を表すブロック図である。
図4】ユーザデータベース181のデータ構造を示す図である。
図5】オブジェクトデータベース182のデータ構造を示す図である。
図6】ユーザマスタテーブル221のデータ構造を示す図である。
図7】システム1の処理の流れの前半を説明するフロー図である。
図8】システム1の処理の流れの後半を説明するフロー図である。
図9】異常状態判定処理(S220)の流れを説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付しており、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、本実施形態において、「入床」とはユーザが睡眠をとるためにベッドまたは布団などの寝具に入ることをいい、「入眠」とは入床後に睡眠を開始することを意味する。また、「覚醒」とはユーザが睡眠を終了することをいい、「起床」とは覚醒後に寝具から起き出すことを意味する。また、睡眠時間とは、入床(または入眠)から起床(または覚醒)までの時間を意味する。
【0010】
<1.第1実施形態>
(1-1.システム1が提供する機能の概要)
本実施形態におけるシステム1が備える端末装置10は、例えばスマートフォンなどの携帯端末であり、ユーザの睡眠情報を取得して、当該睡眠情報に基づいて進行するゲーム(以下、本睡眠ゲームともいう)を提供する。また、端末装置10は、ユーザが予め設定した時刻に、音声、振動、光等によりユーザが起床するためのアラームを出力する。
【0011】
起床したユーザが端末装置10を操作すると、睡眠情報に基づいて決定されたゲーム内イベントが発生して、ゲームプレイが進行する。ゲーム内イベントとしては、例えば、睡眠情報に基づいて、ゲーム内オブジェクトをユーザが取得するための抽選が行われる。ゲーム内イベントは、ユーザから計測した睡眠情報における睡眠時間および睡眠の質と正の相関があるように、ユーザにとって有利なイベントが発生する仕様とすることができる。
【0012】
システム1では、ユーザの睡眠中における身体の動きに基づく物理量を検出して、検出した物理量から睡眠情報を測定する。さらに、検出された物理量が所定の閾値より小さい状態が所定の期間続いた場合、異常状態であると判定して、測定された睡眠情報の内、少なくとも一部の睡眠情報についてはイベントを発生させない。このような仕様とすることにより、ユーザが睡眠情報を取得するためのデバイスを他の場所に置いてしまっていた場合などにおいて、より適切に睡眠情報をゲームの進行に反映することが可能となる。以下、各構成を詳細に説明する。
【0013】
(1-2.端末装置10のハードウェア構成)
図1は、システム1のハードウェア構成の例を示すブロック図である。システム1は、端末装置10と、サーバ20とを含む。端末装置10およびサーバ20は、例えば、ネットワーク30を介して通信接続する。ネットワーク30は、例えば、インターネット、及び/又は通信事業者が提供する通信網等により実現される。なお、図2において、システム1が端末装置10を1台含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は1台に限定されない。すなわち、端末装置10は2台以上であってもよい。
【0014】
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0015】
端末装置10は、例えば、タブレット端末、又はスマートフォン等の携帯端末により実現される。また、端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、又はラップトップPC等により実現されてもよい。また、端末装置10は、ヘッドマウントディスプレイとして機能してもよく、例えば、透過型、非透過型、またはシースルー型ヘッドマウントディスプレイとして機能してもよい。
【0016】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。
【0017】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0018】
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0019】
出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
【0020】
メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0021】
ストレージ16は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0022】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0023】
睡眠測定デバイス11は、端末装置10のユーザの睡眠に関する情報を取得するためのデバイスである。端末装置10は、1または複数の睡眠測定デバイス11と有線又は無線により接続する。具体的には、端末装置10は、例えば、腕時計型、指輪型、アイマスク型等の、ユーザの身体に装着されるウェアラブルデバイスであってもよく、ユーザが就寝しているベッドの枕元等に載置する置時計型のデバイスであってもよい。また、端末装置10と睡眠測定デバイス11とは、同一の装置であるとしてもよい。
【0024】
なお、ユーザが2以上の異なる種類の睡眠測定デバイス11を同時に使用してもよい。例えば、ユーザが腕時計型の睡眠測定デバイス11を1つ装着して使用しつつ、置時計型の睡眠測定デバイス11を1つ使用してもよいし、ユーザが腕時計型の睡眠測定デバイス11を装着して使用しつつ、端末装置10を睡眠測定デバイス11として使用してもよい。
【0025】
また、睡眠測定デバイス11の種類の相違は必ずしも装置の相違である必要はない。すなわち、同じ装置の睡眠測定デバイス11であっても、睡眠情報をサーバ20に送信するまでに利用したソフトウェアやアプリケーション(以下、アプリともいう)の種類によって、システム1において異なる睡眠測定デバイス11として管理してもよい。
【0026】
例えば、同一の睡眠測定デバイス11を利用して睡眠情報を検出した場合であっても、睡眠情報の修正等のために、睡眠測定アプリAを利用した場合と睡眠測定アプリAとは異なる睡眠測定アプリBを利用した場合とでは、それぞれ異なる「睡眠測定デバイスID」を付与して睡眠情報を管理してもよい。このように、装置構成としてのデバイスの種類と、使用したアプリケーションの組み合わせに応じて、それぞれ異なる「睡眠測定デバイスID」として管理することで、より柔軟な睡眠情報の生成が可能になり、その結果、睡眠情報に基づくゲームの興趣性を十分に発揮することができる。
【0027】
睡眠測定デバイス11は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi等の近距離無線通信により通信し、端末装置10へセンシング結果を送信する。なお、睡眠測定デバイス11等が、5G等の移動体通信システムの通信規格に対応する場合、近距離無線通信によって端末装置10へ送信することなく(または送信することに加えて)、サーバ20にセンシング結果を送信することとしてもよい。この場合、端末装置10は、睡眠測定デバイス11等からセンシング結果を受信したサーバ20から、当該センシング結果を受信し、受信したセンシング結果を用いて睡眠情報を生成して記憶することとしてもよい。
【0028】
サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0029】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置(例えば端末装置10)と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0030】
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0031】
メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。
【0032】
ストレージ26は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDDである。
【0033】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0034】
(1-3.端末装置10の機能構成)
図2は、端末装置10の機能構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、入力装置13と、出力装置14と、通信部150と、撮像部160と、音声処理部170と、記憶部180と、モーションセンサ190と、制御部200を備える。図2において端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0035】
通信部150は、端末装置10が他の装置(例えばサーバ20)と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部150は、制御部200で生成された信号に送信処理を施し、外部へ送信する。通信部150は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部200へ出力する。
【0036】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチセンシティブデバイス131等により実現される。入力装置13は、キーボードまたはマウスを含んでいてもよい。入力装置13は、ユーザから入力される指示、又は情報を電気信号へ変換し、電気信号を制御部200へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0037】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部200の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0038】
撮像部160はカメラを備え、受光素子により光を受光し、撮影信号として入力することで、端末装置10の周囲の撮像を行う。
【0039】
音声処理部170は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部170は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部200へ与える。また、音声処理部170は、音声信号をスピーカ172へ与える。音声処理部170は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部170へ与える。スピーカ172は、音声処理部170から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0040】
記憶部180は、例えば、メモリ15、及びストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータベース(Databese/DBとも記載)、及びプログラムを記憶する。記憶部180は、一例として、ユーザデータベース181と、オブジェクトデータベース182を記憶する。
【0041】
ユーザデータベース181は、ユーザの情報を記憶するためのデータベースである。ユーザデータベース181には、当該端末装置10を利用するユーザに関する情報が記憶される。一例として、端末装置10にインストールされた本機能を提供するソフトウェアを利用して、ユーザがユーザ登録の作業を行ったタイミングで、ユーザデータベース181のレコードが生成される仕様としてもよい。ユーザデータベース181のデータ構造の詳細は後述する。
【0042】
オブジェクトデータベース182は、ユーザとオブジェクトとの関係に関する情報を記憶する。本実施形態において、オブジェクトは、例えば、ゲームプレイに登場させるキャラクタ、又はアイテム等を表す。オブジェクトは、例えば、睡眠情報の程度に基づいてサーバ20で抽選がなされ、ユーザに関連付けられる。ユーザとオブジェクトとの関係は、例えば、睡眠情報に基づいて関連付けられ、関連付けられたオブジェクトがユーザから干渉を受けることで変動する。
【0043】
また、ユーザは、睡眠以外の時間において、すでに関連付けられたオブジェクトを選択し、ゲームプレイを実行することが可能である。一例として、睡眠情報に基づく抽選、及びその後のオブジェクトへの干渉により、ユーザとオブジェクトとの関係が所定の要件を満たすと、ユーザは、睡眠以外の時間でのゲームにおいてオブジェクトを利用可能となる仕様としてもよい。
【0044】
なお、ユーザとオブジェクトとが関連付けられるとの表現は、ユーザとオブジェクトとの関連性の例を表す表現であり、その他の表現で表されてもよい。例えば、ユーザがオブジェクトを購入する、所有する、使用する等、いかなる表現が用いられてもよい。
【0045】
モーションセンサ190は、加速度センサ、角速度センサ(ジャイロセンサ)等を含み、端末装置10の動きを検出しセンシング結果を出力する。例えば、端末装置10を、ユーザが就寝するベッド等の寝具に載置することにより、睡眠中のユーザが寝具の上で動いている場合に、当該動きを検出することができる。
【0046】
制御部200は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部200は、端末装置10の動作を制御する。制御部200は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部201と、送受信部202と、通知制御部203と、時刻設定部204と、睡眠情報測定部206としての機能を発揮する。
【0047】
操作受付部201は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部201は、タッチセンシティブデバイス131等から入力されるユーザの指示に基づく情報を受け付ける。一例として、操作受付部201は、起床したユーザから睡眠計測を終了させるための操作を受け付けることにより、計測していた睡眠情報を確定させる。なお、当該睡眠計測を終了させるための操作は、ユーザが起床するために端末装置10から出力されるアラームを止める操作であってもよい。
【0048】
送受信部202は、端末装置10が、外部の装置と通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。一例として、送受信部202は、睡眠計測を終了させるための操作入力をユーザから受け付けて確定した睡眠情報を、サーバ20へ送信する。
【0049】
通知制御部203は、ユーザへの通知、すなわちユーザに対し情報を提示する処理を制御する。具体的には、通知制御部203は、表示画像をディスプレイ141に表示させる処理、音声を音声処理部170に出力させる処理等を行う。
【0050】
時刻設定部204は、ユーザから、ゲームの進行に関する時刻を設定する操作を受け付ける。例えば、時刻設定部204はユーザが起床するためのアラームを出力する時刻の設定を行う。ユーザは起床を予定する時刻(起床予定時刻)をゲームの進行に関する時刻として設定する。ユーザが設定した起床予定時刻になると、端末装置10はアラームをスピーカ172から出力する。ユーザがアラームを止める操作を行うと、端末装置10はユーザが起床したと判断し、睡眠情報を確定してゲームを進行させる。
【0051】
時刻設定部204は、さらに、ユーザから入床を予定する時刻(入床予定時刻)を設定する操作を受け付けてもよい。ユーザが設定した入床予定時刻が近付くと、端末装置10は、入床予定時刻が近付いていることをユーザに通知する仕様としてもよい。当該通知はディスプレイ141に表示されてもよく、スピーカ172から音声によって出力されてもよい。
【0052】
なお、アラームの設定は、システム1を構成する各装置(端末装置10、サーバ20)が、ゲームを提供するためのソフトウェアにより実現されることとしてもよい。例えば、アラームの設定は、端末装置10にインストールされ、システム1の機能を提供するソフトウェアに組み込まれたものであってもよい。すなわち、ユーザは、端末装置10のOS(Operating System)の機能として提供されるアラーム機能ではなく、端末装置10においてユーザにゲームを提供するためのソフトウェアが構成するアラーム設定部により起床時刻を設定することができる。システム1は、当該アラーム設定における起床時刻に関する操作を受け付けて、ゲームを進行させてもよい。
【0053】
モーション検出部205は、モーションセンサ190が検出した端末装置10の動きについてのセンシング結果に基づいて、睡眠中におけるユーザの身体の動きに基づく物理量(以下、単に物理量ともいう)を検出する。一例として、当該物理量は、睡眠中におけるユーザの身体の揺動に関する値であってもよい。
【0054】
睡眠情報測定部206は、モーション検出部205が検出した物理量に基づいて、睡眠情報を測定する。本実施形態における「睡眠情報」とは、ユーザの睡眠に関する情報であって、具体的には、入床時刻、入眠時刻、覚醒時刻、起床時刻、睡眠時間(入眠時刻から覚醒時刻までの時間)、睡眠の質に関する情報、および睡眠リズムの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されない。
【0055】
具体的には、例えば、睡眠情報測定部206は、モーション検出部205が検出した物理量と、所定の閾値とを比較する。一例として、睡眠情報測定部206は、物理量の値が第1閾値以上である(=ユーザの身体の動きが大きい)ときにユーザが覚醒していると判定し、物理量の値が第1閾値より小さい(=ユーザの身体の動きが小さい)ときにユーザが睡眠中であると判定してもよい。このようにして、睡眠情報測定部206は、モーション検出部205が検出した物理量に基づいて、ユーザの睡眠時間を測定してもよい。
【0056】
また、睡眠情報測定部206は、モーション検出部205が検出した物理量が、第1閾値以下の場合(=睡眠中の場合)であって、第2閾値以上である(=睡眠中のユーザの身体の動きが大きい)ときにユーザの睡眠が浅いと判定し、物理量の値が第2閾値より小さい(=睡眠中のユーザの身体の動きが小さい)ときにユーザの睡眠が深いと判定してもよい。
【0057】
このようにして、睡眠情報測定部206は、睡眠情報の測定結果として、ユーザが睡眠中であるか覚醒中であるか、また、睡眠中のユーザが、浅い睡眠であるか、深い睡眠であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、ユーザの睡眠の質を評価することができる。例えば、良質な睡眠である場合のレム睡眠、ノンレム睡眠の周期が予め設定されており、ユーザの睡眠時のレム睡眠、ノンレム睡眠の周期と比較することで、ユーザの睡眠の質を評価する仕様としてもよい。
【0058】
また、睡眠情報測定部206は、モーション検出部205が検出した物理量に基づいて、ユーザが入床したこと、入床した後に入眠したこと、および覚醒したことを検出する。また、睡眠情報測定部206は、ユーザが入床してから入眠するまでの間に、ユーザが端末装置10に対して入力操作をしていたか、ユーザが端末装置10のディスプレイ141に表示される情報を閲覧していたか等を判定してもよい。すなわち、寝ようとしているユーザが、寝る前に端末装置10を操作しているか否かを判定してもよい。
【0059】
なお、睡眠測定デバイス11を、ユーザの身体に装着されるウェアラブルデバイスとして実現する場合には、モーションセンサ190に加えて生体情報センサ191を備えてもよい。生体情報センサ191は、ユーザの体温、血圧、および心拍数の少なくとも1つといった生体情報を検出する。この場合、睡眠情報測定部206は、生体情報センサ191が検出した生体情報に基づいて、ユーザが睡眠中であるか覚醒中であるか、また、睡眠中のユーザが、浅い睡眠であるか、深い睡眠であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、ユーザの睡眠の質を評価する仕様としてもよい。
【0060】
(1-4.サーバ20の機能構成)
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部210と、記憶部220と、制御部230としての機能を発揮する。
【0061】
通信部210は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0062】
記憶部220は、例えば、メモリ25、及びストレージ26等により実現され、サーバ20が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部220は、一例として、ユーザマスタテーブル221と、オブジェクトマスタテーブル222を記憶する。
【0063】
ユーザマスタテーブル221は、システム1が提供する本睡眠ゲームをプレイするユーザに関する情報をマスタデータとして記憶するテーブルである。一例として、ユーザマスタテーブル221は、本睡眠ゲームをプレイするために登録された全てのユーザの情報を記憶する。ユーザマスタテーブル221のデータ構造は後述する。
【0064】
オブジェクトマスタテーブル222は、ユーザと関連付けることが可能なオブジェクトに関する情報をマスタデータとして記憶するテーブルである。一例として、オブジェクトマスタテーブル222は、本睡眠ゲームにおいてユーザに関連付けられ得るすべてのオブジェクトの情報を記憶する。
【0065】
制御部230は、プロセッサ29が記憶部220に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。一例として、制御部230は、プログラムに従って動作することにより、送受信モジュール231、ゲーム進行モジュール232、通知制御モジュール233として示す機能を発揮する。
【0066】
送受信モジュール231は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送受信する処理を制御する。
【0067】
ゲーム進行モジュール232は、端末装置10から受信したユーザの睡眠情報に基づいて、睡眠ゲーム内でのイベントを発生させてゲームプレイを進行させる。ゲーム内でのイベントとしては、キャラクタ(自身が使用するキャラクタおよび敵キャラクタを含む)またはアイテム等のオブジェクトをゲーム内で進行するシナリオに登場させること、ゲームステージを開放してユーザによるプレイを可能にすること、または、オブジェクトをユーザが取得するための抽選を行って、当該抽選結果を表示すること等が挙げられる。
【0068】
例えば、ゲーム進行モジュール232は、ゲームプレイ内でのイベントとして、ユーザのゲームプレイに登場させるキャラクタ、アイテム等のオブジェクトを睡眠情報に基づく抽選で決定し、抽選によって決定されたオブジェクトをゲームプレイにおいて登場させる。これにより、ユーザは、睡眠情報に基づいて、新たなキャラクタを発見する等の体験をすることができる。
【0069】
ゲーム進行モジュール232は、端末装置10から受信したユーザの睡眠情報に基づいて、ゲーム内オブジェクトの抽選における抽選アルゴリズムを変更する仕様としてもよい。一例として、受信した睡眠情報における睡眠時間および睡眠の質の少なくとも一方が所定の条件を満たした場合に、抽選において取得できるゲーム内オブジェクトを変更してもよいし、抽選回数を変更してもよい。このような構成とすることで、睡眠情報に基づいて起床後のゲーム進行が変化することとなり、ユーザに起床後の楽しみを提供することができる。
【0070】
ゲーム進行モジュール232は、ユーザから計測した睡眠情報における睡眠時間と正の相関があるように、ユーザにとって有利なイベントが発生する仕様としてもよい。すなわち、計測した睡眠情報における睡眠時間が長いほど、ユーザによって有利なイベントが発生しやすくなる仕様としてもよい。
【0071】
また、ゲーム進行モジュール232は、ユーザから計測した睡眠情報における睡眠の質と正の相関があるように、ユーザにとって有利なイベントが発生する仕様としてもよい。すなわち、計測した睡眠情報における睡眠時間の質が良好なほど、ユーザによって有利なイベントを発生しやすくなる仕様としてもよい。
【0072】
さらに、ゲーム進行モジュール232は、端末装置10のモーション検出部205が検出した物理量が、第2閾値より小さい場合(=深い睡眠中の場合)であって、第3閾値より小さい(=睡眠中のユーザの身体の動きがあまりにも小さい)状態が第1の期間続いた場合、異常状態であると判定して、ユーザから計測した睡眠情報のうちの一部である第1睡眠情報についてイベントを発生させず、ユーザから計測した睡眠情報のうち第1睡眠情報を除いた第2睡眠情報に基づいてイベントを発生させる。ここで、「一部の睡眠情報」とは、その日の睡眠において測定された睡眠情報の内の一部を意味する。なお、「その日の睡眠」とは、入床(通常は夜)から起床(通常は翌日の朝)までに行われる睡眠を意味する。また、第1の期間は適宜設定すればよく、例えば4時間としてもよい。また、計測された睡眠情報のうち、第1睡眠情報、第2睡眠情報をどのように決定するかは適宜設定可能である。例えば、ユーザから計測した睡眠情報における睡眠時間が7時間である場合に、第1睡眠情報における睡眠時間が1時間とすると、第2睡眠情報における睡眠時間は6時間となる。この場合、ゲーム進行モジュール232は、6時間分の第2睡眠情報に基づいて、イベントを発生させることになる。
【0073】
また、ゲーム進行モジュール232は、異常状態であると判定した場合に、その日の睡眠の睡眠時間において第2の期間を超えた時間における睡眠情報を第1睡眠情報として、イベントを発生させず、残りの睡眠情報を第2睡眠情報としてイベントを発生させる仕様としてもよい。当該第2の期間は、上述した第1の期間と同じ値(例えば4時間)としてもよく、または第1の期間よりも短い期間(例えば3時間)としてもよい。
【0074】
例えば、ユーザから計測した睡眠情報における睡眠時間が8時間であって、第1の期間が4時間、第2の期間が2時間、モーション検出部205が検出した物理量が第3閾値より小さい状態が5時間続いたとする。この場合、ゲーム進行モジュール232は、異常状態であると判定して、睡眠時間の8時間のうち、第2の期間の2時間を超えた6時間に相当する睡眠情報を第1睡眠情報としてイベントを発生させず、残りの2時間を第2睡眠情報としてイベントを発生させる。このようにすることで、ユーザが就寝前に端末装置10を寝具に載置して入床したにもかかわらず、寝具の材質等によって正しく計測されなかった等の睡眠環境が影響した場合において、一定時間分の睡眠情報に基づくイベントを発生させることで、当該ユーザが本睡眠ゲームを続ける意欲を減退することを防ぐことができる。
【0075】
また、ゲーム進行モジュール232は異常状態であると判定した場合に、モーション検出部205が検出した物理量が、第4閾値より大きい状態が発生した場合、異常状態が解除されたとして、それ以降に計測された睡眠情報について、イベントを発生させる仕様としてもよい。このようにすることで、上述したような睡眠環境が影響した場合において、適切に計測されたと判断された睡眠情報を睡眠ゲームに反映させることが可能となり、ユーザが本睡眠ゲームを続ける意欲を減退することを防ぐことができる。なお、第4閾値は、第3閾値と同じ値であってもよく、異なる値としてもよい。
【0076】
通知制御モジュール233は、異常状態が検出されたことを、ユーザに通知するための制御を行う。具体的には、通知制御モジュール233は、異常状態が検出されたことを示すメッセージ(以下、異常メッセージともいう)を生成して、端末装置10へ送信する。
【0077】
当該異常メッセージは、イベントを発生させた睡眠情報の時間についての情報が含まれていてもよい。このようにすることで、ユーザは、自身の実際の睡眠時間と、イベントを発生させた睡眠情報の時間との差分を認識することができ、異常状態が発生したことによる不利益(すなわち、ゲーム内のイベントに反映されなかった睡眠時間)を認識することができる。あるいは、通知制御モジュール233は、異常状態であった時間を異常メッセージに含めてもよい。すなわち、ユーザの身体の動きがあまりにも小さいと判定された時間をユーザに通知することで、異常状態が発生した理由に関する気付きを与えることができる。
【0078】
また、通知制御モジュール233は、睡眠環境を改善するための提案に関する情報を、異常メッセージに含めてもよい。このようにすることで、ユーザが適切に睡眠を行っていたにもかからず、端末装置10を載置した寝具等の影響によって異常状態であると判断された場合などにおいて、睡眠環境の改善を図ることが可能となる。
【0079】
例えば、睡眠環境を改善するための提案としては、端末装置10の載置の態様(載置する場所、載置する寝具等の材質、載置する際の端末装置10の向き等)に関する確認を促すための情報を含んでもよい。
【0080】
(1-5.データ構造)
図4図6を参照して、システム1で使用されるデータベースのデータ構造について説明する。なお、図4図6はあくまでも一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、同じ項目についての説明は繰り返さない。
【0081】
図4および図5は、端末装置10の記憶部180が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。図4は、ユーザデータベース181のデータ構造の一例を示す。ユーザデータベース181は、ユーザIDをキーとして、氏名、年齢、住所、生年月日、登録年月日、起床予定時刻、保持アイテム、睡眠情報、確認ステータス等のカラムを有する。
【0082】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。氏名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。年齢は、ユーザの年齢を記憶する項目である。住所は、ユーザが住んでいる場所を記憶する項目である。生年月日は、ユーザが生まれた日付を記憶する項目である。登録年月日は、ユーザが本実施形態に係るゲームの利用を開始した日付を記憶する項目である。
【0083】
起床予定時刻は、起床することを予定する時刻を記憶する項目である。起床予定時刻は、例えば、ユーザからの入力に基づき設定される。保持アイテムは、ユーザが保持している、ゲーム内で使用可能なアイテムに関する情報を記憶する項目である。ユーザが保持しているアイテムは、例えば、ユーザと関連付けられているアイテムと換言可能である。アイテムは、例えば、育成アイテム、又は付与アイテム等を含む。項目「保持アイテム」には、例えば、ユーザが保持しているアイテムの名称、及び個数が記憶される。
【0084】
睡眠情報は、ユーザに関する睡眠情報を記憶する項目である。項目「睡眠情報」には、例えば、前日の夜の睡眠情報が記憶される。また、項目「睡眠情報」には、例えば、過去における所定の日数分の睡眠情報が記憶されてもよい。
【0085】
確認ステータスは、イベントの内容を確認したか否かのステータスを記憶する項目である。項目「確認ステータス」には、例えば、「保留中」、又は「確認済み」等、ユーザがイベントの内容を確認したか否かを判断可能な情報が記憶される。イベントの内容の確認を先送りした場合には、項目「確認ステータス」に、例えば、「保留中」が記憶される。
【0086】
図5は、オブジェクトデータベース182のデータ構造の一例を示す。オブジェクトデータベース182は、オブジェクトIDをキーとして、名称、レベル、パラメータ、元気度、種別、属性、詳細情報等のカラムを有する。
【0087】
オブジェクトIDは、オブジェクトを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。名称は、オブジェクトの名称を記憶する項目である。レベル及びパラメータは、ユーザとオブジェクトとの関係の一例を記憶する項目である。項目「レベル」及び項目「パラメータ」は、ユーザとオブジェクトとの係りの深さを表す指標である。項目「レベル」は、例えば、0以上の整数が記憶される。項目「パラメータ」は、例えば、0から所定値(例えば、100)までの数値が記憶される。項目「パラメータ」の値が最大値である所定値に達すると、項目「パラメータ」の値が0となり、項目「レベル」の値が1だけインクリメントされる。項目「パラメータ」の値は、ユーザがオブジェクトに対して干渉すると増加する。具体的には、例えば、項目「パラメータ」は、オブジェクトに対して付与した付与オブジェクトの数、種類に応じて増加する。
【0088】
元気度は、個体としてのオブジェクトを睡眠以外の時間でのゲームに使用可能な程度を記憶する項目である。項目「元気度」は、例えば、0から所定値(例えば、100)までの数値が記憶される。例えば、所定値に近いほど、ユーザは、長い時間個体をゲームで使用することが可能であり、0である場合には、ゲームで使用できない。項目「元気度」は、ユーザの起床が検出されると回復する。回復量は、所定量であってもよいし、睡眠情報に応じた量であってもよいし、オブジェクトに応じた量であってもよいし、全快してもよい。項目「元気度」が、ユーザによりイベントが確認されていなくても、ユーザの起床が検知されると変動するパラメータである。
【0089】
種別は、オブジェクトの種類を記憶する項目である。本実施形態において、オブジェクトの種類は、例えば、キャラクタ、育成アイテム、付与アイテムを含む。属性は、キャラクタとしてのオブジェクトが属する性質を記憶する項目である。本実施形態において、属性は、例えば、炎、水、雷、草、超、鋼、悪、闘等を含む。属性には、相対すると有利になる属性、及び不利になる属性が存在する。
【0090】
詳細情報は、例えば、ユーザと関連付けられている態様を記憶する項目である。項目「詳細情報」では、各オブジェクトに設定されている複数の態様のいずれと関連付けられているかが記憶されている。項目「詳細情報」では、例えば、関連付けられている態様に「1」が設定され、関連付けられていない態様に「0」が設定されている。また、詳細情報として、個体としてのオブジェクトが有する有利な効果を記憶してもよい。有利な効果は、例えば、睡眠以外の時間でのゲーム要素で発揮される効果である。有利な効果には、例えば、育成アイテムを多く取得できる効果、又はよりレア度の高い育成アイテムを取得できる効果等が存在する。また、詳細情報として、レアリティに関する情報等を有していてもよい。
【0091】
図6は、サーバ20の記憶部220が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。図6は、ユーザマスタテーブル221のデータ構造を示す図である。ユーザマスタテーブル221は、ユーザIDをキーとして、氏名、年齢、住所、生年月日、登録年月日、起床予定時刻、関連オブジェクト、睡眠情報等のカラムを有するテーブルである。
【0092】
関連オブジェクトは、ユーザと関係づけられているキャラクタ等のオブジェクトに関する情報を記憶する項目である。項目「関連オブジェクト」には、例えば、ユーザと関連付けられている個体としてのオブジェクトに関する情報が記憶されている。オブジェクトに関する情報には、例えば、管理ID、オブジェクトID、名称、レベル、パラメータ、元気度、種別、属性、詳細情報等が含まれ得る。また、項目「関連オブジェクト」には、例えば、ユーザと関連付けられているアイテムに関する情報が記憶されている。アイテムに関する情報には、例えば、ユーザが保持しているアイテムの名称、及び個数等が含まれ得る。
【0093】
睡眠情報は、ユーザに関する睡眠情報を記憶する項目である。項目「睡眠情報」には、ユーザから取得してから所定の期間が経過するまでの睡眠情報が記憶される。例えば、ユーザの起床後のイベントの確認要求と関連付けて睡眠情報がサーバ20へ送信される場合、ユーザからイベントの確認が要求されないと、前日の夜の睡眠情報がユーザマスタテーブル221に記憶されない仕様としてもよい。このように、前日の夜の睡眠を評価しない状態では、次の日の睡眠情報を受け付けることができないため、イベントが確認されていないと、次の日の睡眠情報が受け付けられない状態としてもよい。すなわち、項目「睡眠情報」で記憶される睡眠情報は、ユーザによりイベントが確認されると次の日の睡眠情報を記憶可能となる。
【0094】
また、ユーザマスタテーブル221で記憶される過去の睡眠情報は、ユーザデータベース181で記憶される過去の睡眠情報よりも古い睡眠情報が記憶されてもよい。つまり、ユーザデータベース181には、ユーザマスタテーブル221で記憶される所定の期間を経過するまでの睡眠情報のうちの一部が記憶されるようにしてもよい。
【0095】
(1-6.処理の流れ)
以下、図7図9を参照して、システム1の処理の流れの一例を説明する。
【0096】
図7のステップS100において、端末装置10は、ユーザの操作に基づいて、本睡眠ゲームを起動する。ステップS105において、端末装置10ユーザの睡眠情報の計測(以下、睡眠計測ともいう)を開始する。一例として、端末装置10は、操作受付部201がユーザによる睡眠開始の操作を受け付けたことをトリガーとして、睡眠計測を開始する仕様としてもよい。当該操作は、ディスプレイ141に表示された所定のアイコンを、ユーザが入床する直前に押下する操作であってもよい。または、端末装置10は、当該操作を受け付けることなく、本睡眠ゲームの起動後にユーザが入床したことを検知して、睡眠測定を開始する仕様としてもよい。
【0097】
ステップS110において、端末装置10のモーション検出部205は、ユーザの睡眠中における身体の動きに基づく物理量を検出する。一例として、モーション検出部205は、モーションセンサ190が検出したセンシング結果に基づいて、ユーザの身体の揺動に関する値を検出する。
【0098】
ステップS115において、端末装置10の睡眠情報測定部206は、ユーザの睡眠情報を測定する。一例として、睡眠情報測定部206は、モーション検出部205が検出した物理量に基づいて、ユーザの睡眠時間および睡眠の質についての情報を測定する。
【0099】
ステップS120において、端末装置10は、ユーザの睡眠計測を終了する。一例として、端末装置10は、操作受付部201がユーザによる睡眠終了の操作を受け付けたことをトリガーとして、睡眠計測を終了する仕様としてもよい。当該操作は、起床予定時刻として予め設定した時刻に出力されるアラームをユーザが止める操作であってもよい。または、端末装置10は、当該操作を受け付けることなく、ユーザが覚醒したことを検知して、睡眠測定を終了する仕様としてもよい。
【0100】
ステップS125において、端末装置10の送受信部202は、睡眠情報をサーバ20へ送信する。なお、送受信部202は睡眠情報と合わせて、モーション検出部205によって検出されたユーザの睡眠中における身体の動きに基づく物理量に関する情報を送信してもよい。ステップS210において、サーバ20の送受信モジュール231は、睡眠情報を端末装置10から受信する。
【0101】
図8のステップS220において、サーバ20のゲーム進行モジュール232は、異常状態判定処理を実行する。
【0102】
図9を参照して、異常状態判定処理(S220)では、端末装置10から受信した睡眠情報に関して、異常状態が含まれていないかを判定する。
【0103】
ステップS221において、ゲーム進行モジュール232は、端末装置10のモーション検出部205が検出した物理量が、第3閾値よりも小さいか否かを判定する。当該物理量が第3閾値よりも小さい場合(ステップS221においてYes)、ステップS223が実行される。一方、物理量が第3閾値以上の場合(ステップS221においてNo)、ステップS220が終了する。
【0104】
ステップS223において、ゲーム進行モジュール232は、当該物理量が第3閾値よりも小さい状態が第1の期間継続しているか否かを判定する。当該物理量が第3閾値よりも小さい状態が第1の期間継続している場合(ステップS223においてYes)、ステップS225が実行される。一方、当該物理量が第3閾値よりも小さい状態が第1の期間継続していない場合(ステップS223においてNo)、ステップS220が終了する。
【0105】
ステップS225において、ゲーム進行モジュール232は、異常状態であると判定する。
【0106】
ステップS227において、ゲーム進行モジュール232は、ゲーム内のイベントを発生させる睡眠情報を調整する。一例として、ゲーム進行モジュール232は、その日の睡眠において計測された睡眠情報のうち、第2の期間を超えた時間における睡眠情報を第1睡眠情報として、イベント発生の対象外とする。そして、その日の睡眠において計測された睡眠情報のうち、第1睡眠情報を除いた第2睡眠情報に基づいて、イベントを発生させる。
【0107】
ステップS229において、通知制御モジュール233は、異常メッセージを生成する。当該異常メッセージには、異常状態が検出されたことを示す情報、イベントを発生させた睡眠情報の時間についての情報、睡眠環境を改善するための提案に関する情報等が含まれ得る。異常メッセージの一例としては、「睡眠計測が正しく行われませんでした。端末装置が載置された寝具が柔らかすぎる可能性があります。」などが挙げられる。
【0108】
図8に戻って、ステップS230において、サーバ20のゲーム進行モジュール232は、睡眠情報に基づいてゲーム内で発生させるイベントを決定する。一例として、ゲーム進行モジュール232は、ゲーム内で発生させるイベントとして、ユーザのゲームプレイによって登場させるキャラクタ、アイテム等のゲーム内オブジェクトを睡眠情報に基づく抽選で決定する。なお、異常状態判定処理(S220)において、異常状態であると判定された場合には、調整された睡眠情報に基づいて、ゲーム内で発生されるイベントが決定される。
【0109】
ステップS235において、サーバ20の送受信モジュール231は、ゲーム進行モジュール232が決定したイベントを、端末装置10へ送信する。なお、異常状態判定処理(S220)において、異常状態であると判定された場合には、通知制御モジュール233が生成した異常メッセージも合わせて送信される。ステップS130において、端末装置10の送受信部202は、サーバ20からイベント(および、異常状態であると判定された場合の異常メッセージ)を受信する。
【0110】
ステップS135において、通知制御部203は、イベントをディスプレイ141に表示することにより、ユーザに提示する。通知制御部203は、ユーザが起床したタイミングに合わせて、イベントの提示を行う仕様としてもよい。具体的には、ユーザが起床したタイミングから可及的速やかにイベントの提示を行う仕様としてもよく、ユーザが起床したタイミングから所定の時間経過後(例えば10分後)にイベントの提示を行う仕様としてもよい。また、通知制御部203は、異常メッセージを受信した場合には、当該メッセージについてもディスプレイ141に表示することによりユーザに通知する。当該異常メッセージの通知は、イベントの提示と同じタイミングであってもよく、異なるタイミング(具体的にはイベントの提示の前後のタイミング)であってもよい。
【0111】
(1-7.小括)
以上のようにして、本実施形態では、システム1は、ユーザの睡眠中における身体の動きに基づく物理量を検出するステップ(S110)と、検出された物理量から前記ユーザの睡眠情報を測定するステップ(S115)と、測定された前記睡眠情報に基づいてイベントを発生させるステップ(S230、S135)とを実行し、前記イベントを発生させるステップでは、検出された物理量が所定の閾値より小さい状態が所定の期間続いた場合を異常状態であるとして、前記睡眠情報のうちの一部である第1睡眠情報に基づいては前記イベントを発生させず、前記睡眠情報のうち前記第1睡眠情報を除いた第2睡眠情報に基づいてイベントを発生させる。このような構成とすることにより、ユーザの身体の動きを検出するデバイスを用いた睡眠ゲームにおいて、より適切に睡眠情報をゲームの進行に反映することが可能となる。
<2 他の実施形態>
以上、本発明における実施形態およびその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。
【0112】
例えば、上記実施形態では、サーバ20のゲーム進行モジュール232によって、モーション検出部205が検出した物理量に基づいて、異常状態が発生していたか否かを判定しているが、この態様に限定されることはない。例えば、端末装置10の睡眠情報測定部206によって、異常状態の判定処理が実行されてもよい。
【0113】
この場合、睡眠情報の測定状況のついての情報(特に、異常状態が発生しているか否かの情報)を、睡眠時間においてユーザに提示しないことが好ましい。このようにすることで、睡眠計測を開始した後において、実際には睡眠をせず、睡眠情報の測定状況を見ながらより好ましい睡眠計測結果となるように、載置場所を変えたり振動を与えたりするといった不正手段を防ぐことが可能となる。
【0114】
また、上記実施形態では、端末装置10は、スマートフォンなどで実現される端末として説明したが、この例に限定されることはない。家庭用のPCなどにソフトウェアをインストールすることにより、端末装置10を実現し、マウスなどの操作を受け付けるようにしてもよい。
【0115】
また、通信回線を介した所定情報の共有は、主にインターネットなどのWANを介して行われるが、情報処理装置間では、WANを介さずにBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等のみを介して行われてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、各機能を端末装置10またはサーバ20が備える態様の一例について説明したが、この形態に限定されることはなく、一部または全部の機能について上記実施形態と異なる態様で端末装置10、サーバ20、又は端末装置10とサーバ20の両方が備える構成としてもよい。
【0117】
さらに、本発明は、上述した端末装置10またはサーバ20が備える機能を情報処理装置に実行させるプログラムとして実現してもよいし、当該プログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現してもよい。
【0118】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、ユーザの睡眠中における身体の動きに基づく物理量を検出するステップと、検出された物理量から前記ユーザの睡眠情報を測定するステップと、測定された前記睡眠情報に基づいてイベントを発生させるステップとを実行させ、前記イベントを発生させるステップでは、検出された物理量が所定の閾値より小さい状態が所定の期間続いた場合を異常状態であるとして、前記睡眠情報のうちの一部である第1睡眠情報に基づいては前記イベントを発生させず、前記睡眠情報のうち前記第1睡眠情報を除いた第2睡眠情報に基づいてイベントを発生させる、プログラム。
(付記2)
前記イベントを発生させるステップでは、一日の睡眠時間において所定の期間を超えた時間についてのみ、前記睡眠情報に基づくイベントを発生させない、付記1に記載のプログラム。
(付記3)
前記異常状態が検出された後に前記物理量が所定の閾値を超えた場合に、それ以降に測定された睡眠情報に基づくイベントを発生させるステップを実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記4)
前記異常状態が検出されたことを、ユーザに通知するステップを実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記5)
イベントを発生させた睡眠情報の時間をユーザに通知するステップを実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記6)
前記異常状態が検出された場合に、睡眠環境の改善を促すための情報を当該ユーザに通知するステップを実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記7)
前記睡眠環境の改善を促すための情報として、前記物理量を検出するデバイスの載置の態様に関する確認を促す情報を通知するステップを実行させる、付記7に記載のプログラム。
(付記8)
前記ユーザの睡眠時間において、睡眠情報の測定状況を当該ユーザに提示させない、付記1に記載のプログラム。
【0119】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0120】
1:システム、10:端末装置、11:睡眠測定デバイス、13:入力装置、14:出力装置、15:メモリ、16:ストレージ、19:プロセッサ、20:サーバ、25:メモリ、26:ストレージ、29:プロセッサ、30:ネットワーク、131:タッチセンシティブデバイス、141:ディスプレイ、150:通信部、160:撮像部、170:音声処理部、171:マイク、172:スピーカ、180:記憶部、181:ユーザデータベース、182:オブジェクトデータベース、190:モーションセンサ、191:生体情報センサ、200:制御部、201:操作受付部、202:送受信部、203:通知制御部、204:時刻設定部、205:モーション検出部、206:睡眠情報測定部、210:通信部、220:記憶部、221:ユーザマスタテーブル、222:オブジェクトマスタテーブル、230:制御部、231:送受信モジュール、232:ゲーム進行モジュール、233:通知制御モジュール。
【要約】
【課題】ユーザの身体の動きを検出するデバイスを用いた睡眠ゲームにおいて、より適切に睡眠情報をゲームの進行に反映する。
【解決手段】本開示によれば、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、ユーザの睡眠中における身体の動きに基づく物理量を検出するステップと、検出された物理量から前記ユーザの睡眠情報を測定するステップと、測定された前記睡眠情報に基づいてイベントを発生させるステップとを実行させ、前記イベントを発生させるステップでは、検出された物理量が所定の閾値より小さい状態が所定の期間続いた場合を異常状態であるとして、前記睡眠情報のうちの一部である第1睡眠情報に基づいては前記イベントを発生させず、前記睡眠情報のうち前記第1睡眠情報を除いた第2睡眠情報に基づいてイベントを発生させる、プログラムが提供される。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9