(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】採用支援システム、採用支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240328BHJP
【FI】
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2023172410
(22)【出願日】2023-10-04
【審査請求日】2023-10-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】萩野 貴拓
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-032901(JP,A)
【文献】特開2006-031204(JP,A)
【文献】特許第7350206(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行可能に構成され、
第1受付ステップでは、求人票の入力を受け付け、
第1表示制御ステップでは、前記求人票
を仮想求職者抽出モデルに入力し、前記求人票に対応する複数の仮想求職者
を前記仮想求職者抽出モデルに出力させるとともに、複数の前記仮想求職者を特徴抽出モデルに入力し、前記特徴抽出モデルに複数の前記仮想求職者の経歴、経験、スキル、又は資格を表すキーワードである特徴を出力させ、さらに複数の前記仮想求職者の情報及び前記特徴を表示させ、
ここで、前記仮想求職者抽出モデルは、前記求人票と前記仮想求職者のデータベースとを入力とし、前記求人票の内容に合う前記仮想求職者を出力とするように学習された学習モデルであり、前記特徴抽出モデルは、複数の前記仮想求職者を入力とし、前記特徴を出力とするように学習された学習モデルであり、
第2受付ステップでは、前記特徴の修正を受け付け、
修正提示ステップでは、
前記求人票と修正された前記特徴
とを修正モデルに入力し、前記修正モデルに、前記特徴に含まれるキーワード、又は前記キーワードに類似のキーワードが含まれる修正求人票を出力させ、
ここで、前記修正モデルは、前記求人票と前記特徴とを入力とし、前記修正求人票を出力とするように学習された学習モデルである、採用支援システム。
【請求項2】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行可能に構成され、
第1受付ステップでは、求人票の入力を受け付け、
第1表示制御ステップでは、前記求人票を仮想求職者抽出モデルに入力し、前記求人票に対応する複数の仮想求職者を前記仮想求職者抽出モデルに出力させるとともに、前記求人票を特徴抽出モデルに入力し、前記特徴抽出モデルに前記求人票に記載されている経歴、経験、スキル、又は資格を表すキーワードである特徴を出力させ、さらに複数の前記仮想求職者の情報及び前記特徴を表示させ、
ここで、前記仮想求職者抽出モデルは、前記求人票と前記仮想求職者のデータベースとを入力とし、前記求人票の内容に合う前記仮想求職者を出力とするように学習された学習モデルであり、前記特徴抽出モデルは、前記求人票を入力とし、前記特徴を出力とするように学習された学習モデルであり、
第2受付ステップでは、前記特徴の修正を受け付け、
修正提示ステップでは、前記求人票と修正された前記特徴とを修正モデルに入力し、前記修正モデルに、前記特徴に含まれるキーワード、又は前記キーワードに類似のキーワードが含まれる修正求人票を出力させ、
ここで、前記修正モデルは、前記求人票と前記特徴とを入力とし、前記修正求人票を出力とするように学習された学習モデルである、採用支援システム。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記プロセッサは、さらに次のステップを実行可能に構成され、
第2表示制御ステップでは、修正された前記特徴
を検索条件として前記データベースから検索された前記仮想求職者の情報を表示させる、採用支援システム。
【請求項4】
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記第2受付ステップでは、
前記求人票又は前記仮想求職者の情報から抽出されるタグワードを含むタグを予め用意し、前記タグのうち前記タグワードが前記特徴に含まれる特定タグを提示すると共に、前記特定タグの追加、削除又は移動により、前記特徴
に対する前記タグワードの追加又は削除を受け付ける、採用支援システム。
【請求項5】
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記第2受付ステップでは、前記仮想求職者の
経験の量、専門性の高さ、又は年収の数値範囲を示すパラメータ条件の設定により、前記特徴
における前記数値範囲の修正を受け付け
、
前記修正提示ステップでは、前記修正モデルに、修正された前記特徴に含まれる前記数値範囲が募集対象となる前記修正求人票を出力させる、採用支援システム。
【請求項6】
請求項
5に記載の採用支援システムにおいて、
前記パラメータ条件は、スライダ上に配置された下限及び上限をそれぞれ設定する2つのつまみの位置の調整によって設定される、採用支援システム。
【請求項7】
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記仮想求職者の情報は、予め登録された求職者の情報を
仮想求職者作成モデルに入力し、前記仮想求職者作成モデルに出力させたものであ
り、
ここで、前記仮想求職者作成モデルは、予め登録された求職者の情報を入力とし、予め登録された複数の求職者の情報を合成するとともに予め登録された求職者の情報の一部を修正又は削除して前記仮想求職者の情報を生成するように学習された学習モデルである、採用支援システム。
【請求項8】
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
表示される前記仮想求職者の情報には、前記仮想求職者の属性を文章作成モデルに入力することで前記文章作成モデルに作成させたサマリー文章が含まれ
、
ここで、前記属性は、前記仮想求職者の経験した組織、経験した職種、保有スキル、保有資格、年収、又は年齢であり、前記サマリー文章は、前記仮想求職者の経歴、職歴、経験、スキル又は資格を要約した文章であり、前記文章作成モデルは、前記属性を入力とし、前記サマリー文章を出力とするように学習された学習モデルである、採用支援システム。
【請求項9】
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記修正モデルは、第1求人票修正モデルと、求人票作成モデルとを含み、
前記修正提示ステップでは、修正された前記特徴と、前記求人票に含まれる初期条件とを
前記第1求人票修正モデルに入力し、前記第1求人票修正モデルに前記特徴に対応するように前記初期条件を修正した修正初期条件を出力させると共に、前記修正初期条件を
前記求人票作成モデルに入力し、前記求人票作成モデルに
前記修正求人票を出力させ、
ここで、前記初期条件は、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも一方を含
み、前記第1求人票修正モデルは、前記特徴と前記初期条件とを入力とし、前記修正初期条件を出力とするように学習された学習モデルであり、前記求人票作成モデルは、前記修正初期条件を入力とし、前記修正求人票を出力とするように学習された学習モデルである、採用支援システム。
【請求項10】
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記修正モデルは、初期条件推定モデルと、第1求人票修正モデルと、求人票作成モデルとを含み、
前記修正提示ステップでは、
ポジション名、仕事内容、労働条件、応募資格、及びアピールポイントの少なくとも1つを含む前記求人票を
前記初期条件推定モデルに入力し、前記初期条件推定モデルに前記求人票に対応する初期条件を推定させ、
ここで、前記初期条件は、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも一方を含み、
前記初期条件推定モデルは、前記求人票を入力とし、前記初期条件を出力とするように学習された学習モデルであり、
修正された前記特徴と、推定された前記初期条件とを
前記第1求人票修正モデルに入力し、前記第1求人票修正モデルに前記特徴に対応するように前記初期条件を修正した修正初期条件を出力させると共に、前記修正初期条件を
前記求人票作成モデルに入力し、前記求人票作成モデルに
前記修正求人票を出力させ
、
ここで、前記第1求人票修正モデルは、前記特徴と前記初期条件とを入力とし、前記修正初期条件を出力とするように学習された学習モデルであり、前記求人票作成モデルは、前記修正初期条件を入力とし、前記修正求人票を出力とするように学習された学習モデルである、採用支援システム。
【請求項11】
請求項
9に記載の採用支援システムにおいて、
前記プロセッサは、さらに次のステップを実行可能に構成され、
記憶ステップでは、前記第2受付ステップにおける前記特徴の修正履歴を記憶し、
前記修正提示ステップでは、前記特徴と前記
初期条件とに加えて、さらに前記修正履歴を前記第1求人票修正モデルに入力し、前記第1求人票修正モデルに前記特徴及び前記修正履歴に対応するように前記初期条件を修正した前記修正初期条件を出力させ
、
ここで、前記第1求人票修正モデルは、前記特徴と前記初期条件と前記修正履歴とを入力とし、前記修正初期条件を出力とするように学習された学習モデルである、採用支援システム。
【請求項12】
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記修正モデルは、第2求人票修正モデルを含み、
前記修正提示ステップでは、修正された前記特徴と前記求人票とを
前記第2求人票修正モデルに入力し、前記第2求人票修正モデルに前記特徴に対応するように前記求人票を修正した
前記修正求人票を出力させ
、
ここで、前記第2求人票修正モデルは、前記特徴と前記求人票とを入力とし、前記修正求人票を出力とするように学習された学習モデルである、採用支援システム。
【請求項13】
請求項
12に記載の採用支援システムにおいて、
前記プロセッサは、さらに次のステップを実行可能に構成され、
記憶ステップでは、前記第2受付ステップにおける前記特徴の修正履歴を記憶し、
前記修正提示ステップでは、前記特徴と前記求人票とに加えて、さらに前記修正履歴を前記第2求人票修正モデルに入力し、前記第2求人票修正モデルに前記特徴及び前記修正履歴に対応するように前記求人票を修正した前記修正求人票を出力させ
、
ここで、前記第2求人票修正モデルは、前記特徴と前記求人票と前記修正履歴とを入力とし、前記修正求人票を出力とするように学習された学習モデルである、採用支援システム。
【請求項14】
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記修正提示ステップでは、修正前の前記求人票と、修正後の前記求人票とを対比させて表示させる、採用支援システム。
【請求項15】
採用支援方法であって、
請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムが実行する各ステップを備える、採用支援方法。
【請求項16】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1
又は請求項2に記載の採用支援システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採用支援システム、採用支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、特定の文書を特定のルールに基づいて評価することで、文書の改善を支援する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、求人者が求職者を採用する際に作成する文書である求人票は、求める人材に合った内容である必要がある。求人者が求める人材と求人票の内容とに齟齬が生じると、人材の採用が難しくなる場合がある。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、効果的な求人票を用意することができる採用支援システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、採用支援システムが提供される。この採用支援システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、次の各ステップを実行可能に構成される。第1受付ステップでは、求人票の入力を受け付ける。第1表示制御ステップでは、求人票の内容に基づいて、求人票に対応する複数の仮想求職者の情報及び求人票に対応する特徴を表示させる。第2受付ステップでは、特徴の修正を受け付ける。修正提示ステップでは、修正された特徴に基づいた求人票の修正内容を提示する。
【0007】
このような態様によれば、求人者が求める求職者の特徴を、求人票の対象となる仮想求職者の情報に基づいて調整することができる。そのため、求人者が求める求職者を採用し易いように、効果的な求人票を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】求人者端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ装置10(制御部11)、及び求人者端末20(制御部21)によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】初期条件入力画面IDの一例を示す図である。
【
図6】募集背景選択領域BF1が表示された初期条件入力画面IDの一例を示す図である。
【
図8】求人票の一覧画面JLの一例を示す図である。
【
図11】採用支援システム1によって実行される情報処理(求人票の修正処理)の流れを示すアクティビティ図である。
【
図12】他の実施形態におけるサーバ装置10(制御部11)によって実現される機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<採用支援システム1>
図1は、採用支援システム1を表す構成図である。採用支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、複数の求人者端末20とを備える。サーバ装置10と、求人者端末20とは、通信回線2を通じて通信可能に構成されている。サーバ装置10及び求人者端末20との接続は有線でも無線でもよい。
【0015】
採用支援システム1は、複数の求人者(第1求人者U1及び第2求人者U2)が利用する求人・求職システムの一部を構成する。採用支援システム1は、求人票の作成及び修正を主に行う。一実施形態において、採用支援システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。以下、これらの構成要素について説明する。
【0016】
<サーバ装置10>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、通信バス14とを備える。制御部11、記憶部12、及び通信部13は、サーバ装置10の内部において通信バス14を介して電気的に接続されている。
【0017】
<制御部11>
制御部11は、サーバ装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能毎に複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0018】
<記憶部12>
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム、変数等を記憶している。また、記憶部12は、サーバ装置10に接続された外部記憶装置であってよい。
【0019】
<通信部13>
通信部13は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置10は、通信部13及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0020】
サーバ装置10は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置10としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。また、サーバ装置10は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0021】
<求人者端末20>
図3は、求人者端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、求人者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、通信バス26とを備える。制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、及び出力部25は、求人者端末20の内部において通信バス26を介して電気的に接続されている。制御部21、記憶部22及び通信部23の説明は、サーバ装置10における各部の説明と同様のため省略する。なお、求人者端末20は、求人者の代わりに求職者とのやり取りを行う人材仲介業者が操作する端末であってもよい。
【0022】
<入力部24>
入力部24は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス26を介して制御部21に転送される。制御部21は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部24は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部24は、出力部25と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部24がタッチパネルとして実施される場合、ユーザは、入力部24に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部24としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、トラックパッド、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0023】
<出力部25>
出力部25は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。出力部25は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、出力部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施されうる。これらの表示デバイスは、求人者端末20の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0024】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11(採用支援システム1が備えるプロセッサ)に含まれる各機能部として実行されうる。
【0025】
図4は、サーバ装置10(制御部11)、及び求人者端末20(制御部21)によって実現される機能を示すブロック図である。
【0026】
図4Aに示すように、サーバ装置10(制御部11)は、基本表示制御部111と、求人票作成部112と、求人票評価部113と、第1受付部114と、第1表示制御部115と、第2受付部116と、第2表示制御部117と、修正提示部118と、第3受付部119と、人工知能部120とを備える。
図4Bに示すように、求人者端末20(制御部21)は、表示部211と、操作受付部212とを備える。
【0027】
<基本表示制御部111>
基本表示制御部111は、種々の情報を求人者端末20に表示させるように構成される。例えば、基本表示制御部111は、求職者が作成した履歴書及び職務経歴書、求人者が作成した求人票及びスカウト文書、修正提示部118による修正内容等を、求人者端末20の表示部211に表示させる。
【0028】
求人者には、営利法人(例えば企業等)、非営利法人(例えば、協同組合、財団法人等)、公的法人(例えば地方公共団体等)等の組織が含まれる。求人者には、組織の代理人として、求職者と組織とを仲介する人材仲介業者も含まれる。人材仲介業者は、ヘッドハンター、エージェント等とも呼ばれる。
【0029】
<求人票作成部112>
求人票作成部112は、求人者端末20からの求人票を作成するための初期条件の入力に基づいて、求人票を作成するように構成される。初期条件は、ペルソナ及び募集背景の少なくとも一方を含む。ペルソナは、求人者が求める(募集の対象とする)人物像(どのような人材を採用したいか)であり、例えば職務(ポジション)の情報が含まれる。募集背景は、募集する人材やポジションを必要とする理由であり、組織の目標、課題、事業状況(例えば新規プロジェクトの開始)等が含まれる。また、初期条件は、職種、役職、スキル、取扱商品などであってもよく、求人者が求める人物像を定義する情報であればよい。
【0030】
図5は、初期条件入力画面IDの一例を示す図である。
図5Aに示すように、初期条件入力画面IDは、ペルソナ入力欄PFと、第1ボタンB1とを含む。ペルソナ入力欄PFは、ユーザからのペルソナ(ペルソナの内容を示す文章)の入力を受け付ける。ユーザがペルソナの内容を示す文章の全部又は一部を入力すると、
図5Bに示すように、予め用意されているペルソナの中から、入力されたペルソナの内容を示す文章に関連するペルソナが一覧表示される。表示されたペルソナをユーザが選択すると、選択されたペルソナがペルソナ入力欄PFに入力される。ペルソナ入力欄PFにペルソナが入力された状態で第1ボタンB1が入力される(押下される)と、求人票作成部112は、ペルソナ入力欄PFに入力されたペルソナを、初期条件のペルソナとして受け付ける。ペルソナの内容を示す文章は、ユーザが直接入力することなく、予め用意された文章の選択肢が一覧で表示され、その中から、ユーザが選択することで入力されてもよい。また、ペルソナの内容を示す文章の選択肢として、ユーザによって事前に登録されたユーザの情報に関連するものが、予め用意されたペルソナの内容を示す文章から抽出されて、表示されてもよい。
【0031】
図6は、募集背景選択領域BF1が表示された初期条件入力画面IDの一例を示す図である。初期条件入力画面IDにおいて、
図5Aに示す第1ボタンB1が入力されると、
図6に示す募集背景選択領域BF1と、募集背景表示領域BF2と、第2ボタンB2とが表示される。募集背景選択領域BF1には、入力を受け付けたペルソナに関連する募集背景の選択肢が表示される。なお、入力を受け付けたペルソナに限らず、ユーザによって入力されたその他の情報に関連する募集背景の選択肢が表示されてもよい。募集背景表示領域BF2には、選択肢の中からユーザが選択した募集背景が表示される。少なくとも1つの募集背景が選択された状態で、第2ボタンB2が入力されると、人工知能部120の第1求人票作成モデルによって求人票が作成される。なお、ユーザによる募集背景の内容を示す文章の全部又は一部の入力を受けて、予め用意されている募集背景の中から、入力された文章に関連する募集背景が選択しとして表示されてもよい。
【0032】
第1求人票作成モデルは、初期条件を入力とし、求人票を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第1求人票作成モデルは、初期条件と、それに対応する求人票のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第1求人票作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、第1表示制御部115は、求人票の作成指示と求人者によって入力された初期条件とを挿入したプロンプトを第1求人票作成モデルに入力し、求人票を第1求人票作成モデルに出力させる。また、第1表示制御部115は、求人票の作成指示と初期条件とに加え、例えば、1以上の初期条件のサンプルと、それに対応する1以上の求人票のサンプルとを挿入したプロンプトを第1求人票作成モデルに入力してもよい。
【0033】
図7は、求人票JPの一例を示す図である。求人票JPには、募集するポジション名、仕事内容・労働条件、応募資格、アピールポイント等の複数の項目が含まれる。求人票JPには、これら以外の他の項目が含まれてもよい。第1求人票作成モデルは、これらの項目の文章を、初期条件に基づいて生成する。求人票作成部112が作成した求人票は、記憶部12に記憶されたデータベースに追加される。
【0034】
<求人票評価部113>
求人票評価部113は、求人票を評価するように構成される。具体的には、例えば、求人票評価部113は、データベースに含まれる求人票のうち、評価対象となる求人票に対し、2以上の評価要素それぞれのスコアを出力する。評価要素には、求人票に含まれる情報の量及び求人票に含まれる文章の表現の中から選択された1以上の要素が含まれてもよい。評価要素には、求人者が求める人材の職務内容を表す用語が求人票に含まれることに基づいて算定される要素が含まれてもよい。
【0035】
求人票評価部113は、求人票を構成する項目に含まれる情報の量に基づいて、求人票に含まれる情報の量に関するスコアを算定する。例えば、項目に含まれる文字数と予め設定された項目毎の適正な文字数の範囲との比較結果に基づいて項目に関するスコアが算定され、項目毎のスコアに基づいて、求人票全体の情報量に関するスコアが算定されてもよい。また、求人票評価部113は、求人票を構成する項目とこの項目に含まれる文章との整合性に基づいて、求人票に含まれる文章の表現に関するスコアを算定する。例えば、「仕事内容」の項目において、仕事内容以外の文章(例えば、応募資格に関する内容など)が含まれる場合に、表現に関するスコアが低く算定されてもよい。
【0036】
求人票評価部113は、求人票を構成する2以上の項目の各々に含まれる文章間の整合性に基づいて、求人票に含まれる文章の表現に関するスコアを算定してもよい。例えば、「仕事内容」の項目に含まれる文章と「アピールポイント」の項目に含まれる文章とが矛盾する場合に、表現に関するスコアが低く算定されてもよい。さらに、求人票評価部113は、求人者が求める人材の職務内容を表す用語が登録されたデータベースを参照して、求人者が求める人材の専門性に関するスコアを算定してもよい。このような文章の解析やスコアの算定は、人工知能を用いて、形態素解析を含む自然言語処理によって実行されてもよい。
【0037】
求人票評価部113は、上述の各スコアの代表値に基づいて、求人票の修正の要否を判定する。各スコアの代表値としては、例えば、各スコアのうち最小のものや、各スコアの合計値、各スコアの平均値等が挙げられる。求人票評価部113は、例えば、各スコアの代表値の大きさに応じて、求人票に、例えば「修正不要」、「要検討」、「修正必須」等のような段階的な評価を付与する。また、求人票評価部113は、1つのスコアに基づいて、求人票の修正の要否を判定してもよい。なお、求人票評価部113は、上述の方法に限らず、既知の手法によって、求人票の評価を行ってもよい。
【0038】
<第1受付部114>
第1受付部114は、求人者端末20から、修正を行いたい求人票の入力を受け付けるように構成される。修正の対象となる求人票は、求人票作成部112によって作成されたものであってもよいし、採用支援システム1の外部で作成され、採用支援システム1にインポートされたものであってもよい。
【0039】
図8は、求人票の一覧画面JLの一例を示す図である。一覧画面JLには、記憶部12に記憶された複数の求人票がリスト形式で表示される。一覧画面JLには、各求人票の識別符号JS、求人名JN、ペルソナ名PN、求人票評価JV、最終編集者FE、作成日GD、及び最終編集日FDが表示される。識別符号JSは、各求人票のIDである。求人名JNは、求人票のポジション名であり、求人票作成部112において初期条件として入力又は選択されたペルソナの内容を示す文章である。求人票評価JVは、求人票評価部113による評価結果である。ユーザは、一覧画面JLから、修正を行いたい求人票を選択する。
【0040】
<第1表示制御部115>
第1表示制御部115は、求人者端末20によって選択された求人票の内容に基づいて、求人票に対応する複数の仮想求職者の情報及び求人票に対応する求職者特徴を表示させるように構成される。ここで、「仮想求職者」とは、求人票の募集の対象となりうる仮想の人物である。仮想求職者は、求人票の内容に合致する仮想の人物と言い換えられてもよい。「仮想求職者の情報」には、仮想求職者の在籍企業、所属部署、年収、年齢、付加情報等、実在する求職者が登録する求職者情報に対応する情報が含まれる。付加情報には、経歴、経験、スキル、資格等が含まれる。
【0041】
仮想求職者の情報は、予め登録された求職者の情報に基づいて生成されたものであってもよい。つまり、仮想求職者の情報は、実在する求職者が、採用支援システム1に登録した情報(求職者情報)の一部を利用したものであってもよい。第1表示制御部115は、このようにして生成された複数の仮想求職者の情報の中から、求人票に対応する仮想求職者の情報を抽出し、表示させる。これにより、仮想求職者の情報の実在性が高められるため、求人者が、実際に存在する求職者の情報に近い仮想求職者の情報を選択することができ、求める求職者をイメージしやすくなる。また、実際に存在しないような仮想求職者の情報を提示してしまうことを避けることができる。なお、「求職者情報」は、求職者に関する登録情報であり、例えば、求職者の履歴書、職務経歴書、又はその他のプロフィール情報に含まれる情報である。「履歴書」は、主に求職者のプロフィール、現況、学歴、職歴、希望の労働条件等が記載された文書であり、「職務経歴書」は、レジュメとも呼ばれ、求職者が求人者に対して、自身のこれまでの職務に関する経歴、経験、スキル、資格等を伝える文書である。また、求職者情報には、求職者が希望する業種及び職種等の条件が含まれてもよい。
【0042】
仮想求職者の情報は、予め登録された複数の求職者の情報を合成して生成されたものであってもよい。これにより、実在性の高い仮想求職者をさまざまなバリエーションで用意することができるため、求人者が、求める人物像により近い仮想求職者の情報を選択することができるようになると共に、求める求職者をイメージしやすくなる。また、仮想求職者の情報は、例えば、実際の求職者の情報が登録されたデータベースから抽出した複数の求職者の情報を、形態素解析等による自然言語処理や、カテゴリ変数のエンコーディング等の既知の手法によってベクトル化し、各求職者の情報を示す各ベクトルを生成し、それらのベクトルを組み合わせて合成することで生成される。これにより、仮想求職者の実在性を確保しつつ、実際の求職者の情報がそのまま表示されることを確実に避けることができる。
【0043】
仮想求職者の情報は、予め登録された求職者の情報の一部を修正又は削除して生成されたものであってもよい。これによっても、実在性の高い仮想求職者をさまざまなバリエーションで用意することができるため、求人者が、求める人物像により近い仮想求職者の情報を選択することができるようになると共に、求める求職者をイメージしやすくなる。これにより、仮想求職者の実在性を確保しつつ、実際の求職者の情報がそのまま表示されることを確実に避けることができる。例えば、仮想求職者の情報は、上述のようにベクトル合成で生成された情報の一部がマスクによって隠されたものであってもよい。
【0044】
仮想求職者の情報は、例えば、実際の複数の求職者の情報を人工知能部120の仮想求職者作成モデルに入力し、仮想求職者作成モデルに仮想求職者の情報を出力させる。仮想求職者出力モデルは、実際の求職者の情報を入力とし、仮想求職者を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、仮想求職者出力モデルは、実際の求職者の情報と、それに対応する仮想求職者のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、仮想求職者出力モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、仮想求職者を作成する指示と、実際の求職者の情報とを挿入したプロンプトを仮想求職者出力モデルに入力し、仮想求職者を仮想求職者作成モデルに出力させる。また、仮想求職者の出力指示と実際の求職者の情報とに加え、例えば、1以上の求職者の情報のサンプルと、それに対応する1以上の仮想求職者のサンプルとを挿入したプロンプトを仮想求職者出力モデルに入力してもよい。
【0045】
「求職者特徴」は、求人票の記載内容と関連する少なくとも1つのキーワード又はパラメータ条件を含む。求職者特徴は、例えば、求人票に記載されている経歴、経験、スキル、資格等を表すキーワード、又は求人票に記載されている経歴、経験、スキル、資格等に類似のキーワードを含む。また、求職者特徴は、例えば、求人票に記載されている項目(例えば、経験、スキル等)をベクトル化等によって定量化したベクトル値の範囲であるパラメータ条件を含む。パラメータは、複数の項目のベクトル値の和で表現されてもよい。このように、求職者特徴は、仮想求職者のスキル又は経験に関する。これにより、スキル又は経験を重視した求人票の作成が可能となる。
【0046】
第1表示制御部115は、求人票の内容に基づいて、情報を表示させる仮想求職者及び求職者特徴を抽出してもよい。つまり、第1表示制御部115は、求人票に関連する情報を有する仮想求職者を抽出すると共に、求人票の記載から求職者特徴を抽出してもよい。これにより、求人票からそれぞれ導かれる仮想求職者と、求職者特徴とを求人者に提示することができる。
【0047】
第1表示制御部115は、例えば、求人票及び仮想求職者のデータベースを人工知能部120の第1仮想求職者抽出モデルに入力し、第1仮想求職者抽出モデルに求人票の内容に合う仮想求職者を出力させる。第1仮想求職者抽出モデルは、求人票と仮想求職者のデータベースとを入力とし、求人票の内容に合う仮想求職者を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第1仮想求職者抽出モデルは、求人票と、それに対応する仮想求職者のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。ここで、求人票に対応する仮想求職者は、求人票の内容や条件に全部又は一部が合致する仮想求職者や、求人票の募集対象になる可能性のある仮想求職者であってもよい。また、第1仮想求職者抽出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、第1表示制御部115は、仮想求職者のデータベースを参照して求人票の内容に合う仮想求職者を抽出する指示と、求人票とを挿入したプロンプトを第1仮想求職者抽出モデルに入力し、募集対象となる仮想求職者を第1仮想求職者抽出モデルに出力させる。また、第1表示制御部115は、仮想求職者の抽出指示と求人票とに加え、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の仮想求職者のサンプルとを挿入したプロンプトを第1仮想求職者抽出モデルに入力してもよい。
【0048】
第1表示制御部115は、例えば、求人票を人工知能部120の第1特徴抽出モデルに入力し、求職者特徴を出力させる。第1特徴抽出モデルは、求人票を入力とし、求職者特徴を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第1特徴抽出モデルは、求人票と、それに対応する求職者特徴のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第1特徴抽出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、第1表示制御部115は、求職者特徴の抽出指示と、求人票とを挿入したプロンプトを第1特徴抽出モデルに入力し、募集対象となる求職者特徴を第1特徴抽出モデルに出力させる。また、第1表示制御部115は、求職者特徴の抽出指示と求人票とに加え、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の求職者特徴のサンプルとを挿入したプロンプトを第1特徴抽出モデルに入力してもよい。
【0049】
第1表示制御部115は、求人票の内容に基づいて、情報を表示させる仮想求職者を抽出すると共に、抽出された仮想求職者の情報に基づいて求職者特徴をさらに抽出してもよい。つまり、第1表示制御部115は、まず、求人票に関連する情報を有する複数の仮想求職者を抽出し、その後、抽出された仮想求職者の情報に共通するキーワードや特徴を、求職者特徴として抽出してもよい。これにより、表示される仮想求職者と相関性の高い求職者特徴を求人者に提示することができる。
【0050】
第1表示制御部115は、例えば、複数の仮想求職者を人工知能部120の第2特徴抽出モデルに入力し、求職者特徴を出力させる。第2特徴抽出モデルは、複数の仮想求職者を入力とし、求職者特徴を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第2特徴抽出モデルは、仮想求職者と、それに対応する求職者特徴のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第2特徴抽出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、第1表示制御部115は、求職者特徴の抽出指示と、複数の仮想求職者とを挿入したプロンプトを第2特徴抽出モデルに入力し、募集対象となる仮想求職者を第2特徴抽出モデルに出力させる。また、第1表示制御部115は、求職者特徴の抽出指示と仮想求職者とに加え、例えば、1以上の仮想求職者のサンプルと、それに対応する1以上の求職者特徴のサンプルとを挿入したプロンプトを第2特徴抽出モデルに入力してもよい。
【0051】
図9は、求職者表示画面JDの一例である。求職者表示画面JDは、求職者特徴表示領域CFと、求職者表示領域JFとを含む。求職者特徴表示領域CFは、タグ調整エリアTCと、推奨タグ表示エリアRTと、パラメータ調整エリアPCとを含む。求職者表示領域JFは、年収ヒストグラムIHと、仮想求職者リストVLとを含む。
【0052】
タグ調整エリアTCには、求職者特徴に関するタグワードを含むタグが表示される。タグワードとは、タグに記載された(つまり、タグに対応する)ワードであり、典型的には、求職者特徴に含まれる、経歴、経験、スキル、資格等を示すキーワードである。タグ調整エリアTCには、現在の求職者特徴を表すタグ(つまり、求職者特徴として選択されたタグ)と、タグの順位を入れ替えるための移動ボタンBMと、タグを削除するための削除ボタンBDと、タグを追加するための追加ボタンBAとが表示される。推奨タグ表示エリアRTには、第2受付部116が提示する推奨タグが表示される。
【0053】
パラメータ調整エリアPCには、求職者特徴の一部として設定されるパラメータ名とその範囲とがスライダ型のUIとして表示される。パラメータ条件の初期値は、求人票又は仮想求職者リストVLに表示される仮想求職者の情報から抽出されてもよい。
【0054】
年収ヒストグラムIHは、年収の分布がグラフ表示される。年収ヒストグラムIHは、仮想求職者リストVLに含まれる仮想求職者の年収の分布であってもよいし、求職者表示画面JDに表示されている仮想求職者リストVLに含まれる仮想求職者以外に、求人票の内容に合う仮想求職者がデータベースに記憶されていれば、その仮想求職者(仮想求職者リストVLとして表示されていない仮想求職者)を含んだ、仮想求職者の年収の分布であってもよい。また、年収ヒストグラムIHは、実在する求職者のうち、求人票の内容に合う求職者の年収の分布であってもよい。この場合、採用支援システム1は、求職者が自身で登録した求職者情報を、求職者情報データベースに記憶している。
【0055】
仮想求職者リストVLに表示される仮想求職者の情報には、在籍情報I1、年収I2、年齢I3、タグI4、サマリー文章I5等が含まれる。在籍情報I1は、仮想求職者の現在の在籍企業及び部署(チーム)を示す。仮想求職者の在籍企業としては、実在の企業名が使用されてもよく、実際の求職者情報から抽出された企業名が使用されてもよい。これにより、求人者は、仮想求職者のスキルや経験等の人物像を把握しやすくなる。年収I2は、仮想求職者の現在の年収を示す。年齢I3は、仮想求職者の現在の年齢を示す。年齢I3は、実際の求職者情報に基づき算出されてもよく、例えば、複数の求職者の平均年齢であってもよい。
【0056】
タグI4は、仮想求職者に付されたタグを示す。タグI4は、仮想求職者の経歴、経験、スキル、資格等に応じて付される。換言すれば、タグI4は、仮想求職者の経歴、経験、スキル、資格等をキーワード(タグワード)として示す。第1表示制御部115は、求人票に基づいて抽出された仮想求職者の中から、これらの仮想求職者に付されているタグの数が一定数以上の仮想求職者をさらに抽出して表示させてもよい。また、第1表示制御部115は、求人票に基づいて抽出されたタグが付された仮想求職者全体を抽出して、仮想求職者リストVLとして表示させてもよい。なお、タグI4は、テキストを枠で囲ったタグ形態に替えて、仮想求職者の経験、スキル、資格等がテキストのみで表示されたものであってもよい。
【0057】
サマリー文章I5は、仮想求職者の経歴、職歴、経験、スキル、資格等を要約した文章である。サマリー文章I5は、第1表示制御部115が仮想求職者の属性を人工知能部120の文章作成モデルに入力することで文章作成モデルに作成させたものである。「仮想求職者の属性」は、仮想求職者に関する情報であって、仮想求職者の経験した組織、経験した職種、保有スキル、保有資格、年収、及び年齢が含まれる。これにより、求人者が仮想求職者の人物像を把握しやすくなる。また、サマリー文章は、仮想求職者がこれまでに属したことのある企業等の組織(経験組織)名を含んでもよい。これにより、サマリー文章が、仮想求職者の属性である経歴等をユニークに表現した文章とすることができる。
【0058】
文章作成モデルは、仮想求職者の属性を入力とし、サマリー文章を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、文章作成モデルは、仮想求職者の属性と、それに対応するサマリー文章とを教師データとして学習した学習モデルである。また、文章作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、第1表示制御部115は、サマリー文章の作成指示と、仮想求職者の属性とを挿入したプロンプトを文章作成モデルに入力し、サマリー文章を文章作成モデルに出力させる。また、第1表示制御部115は、サマリー文章の作成指示と仮想求職者の属性とに加え、例えば、1以上の仮想求職者の属性のサンプルと、それに対応する1以上のサマリー文章のサンプルとを挿入したプロンプトを文章作成モデルに入力してもよい。また、仮想求職者の経験組織名を含むサマリー文章を出力するように学習された文章作成モデルを用いてもよい。あるいは、大規模言語モデルを含む生成AIに、経験組織名を含むサマリー文章の作成指示を挿入したプロンプトを入力することで、そのようなサマリー文章を出力させてもよい。
【0059】
また、サマリー文章I5は、仮想求職者と重複する属性を有する、実際の求職者の履歴書や職務経歴書の記載から抽出されたものであってもよい。また、サマリー文章I5は、仮想求職者を作成する際に使用された実際の求職者の履歴書や職務経歴書の記載から抽出されたものであってもよい。
【0060】
第1表示制御部115は、求人者端末20から、仮想求職者リストVLに表示された仮想求職者の選択を受けて、選択された仮想求職者の詳細情報(仮想求職者リストVLに表示されていない情報)を表示させてもよい。
【0061】
<第2受付部116>
第2受付部116は、求職者特徴の修正を受け付けるように構成される。求職者特徴の修正には、例えば、求職者特徴に含まれるキーワードの追加又は削除、パラメータ条件の範囲の修正等が含まれる。
【0062】
具体的には、第2受付部116は、予め用意された特徴に対応するタグの追加、削除又は移動により、求職者特徴の修正を受け付ける。これにより、求人者が直感的かつ容易に、自らが求める人物像に沿って、求職者特徴を修正することができる。また、求人者が仮想求職者の情報を見て確認しながら、求人者が採用したい人材のイメージに合う求職者特徴のタグを追加したり、採用したい人材のイメージに合わない求職者特徴のタグを削除したり、イメージに合う順番にタグを移動させたりすることができるため、求人者が求める人物像を明確にすることができ、また、それに沿ったタグの取捨選択や移動が可能となる。求職者特徴を修正するためのタグは、求人票に記載されている経歴、経験、スキル、資格等を表すキーワードに対応している。このタグは、求人票又は仮想求職者の情報から経験、スキル、資格等を表すキーワードをタグワードとして抽出することで生成されてもよいし、予め複数のタグを記述したタグリストを用意し、当該タグリストの中から求人票又は仮想求職者の情報に対応するタグが抽出されたものであってもよい。ここで、タグリストとは、一以上のタグが記載されたリストであり、タグワードとは、タグに記載された(つまり、タグに対応する)ワードである。したがって、タグリストには、一以上のタグワードが記載されている。仮想求職者に付される(仮想求職者の情報の一部である)タグも、タグリストから選択される。ここで、求職者特徴は、必ずしもタグの形式で表示される必要はなく、ボタンやラベルなど、ユーザによる選択や移動といった操作が可能な態様(オブジェクト)で表示されればよい。例えば、求職者特徴は、経歴、経験、スキル、資格等を表すワードを表示したテキストをブロック化し、選択や移動を可能にした態様であってもよい。
【0063】
求職者特徴に関するタグは、求人票又は仮想求職者の情報に含まれるワードとタグワードとが完全一致するものに限られず、これらが部分一致する場合や、求人票又は仮想求職者の情報に含まれるワードがタグワードの同義語、類義語、又は表記揺れしたワードとなっているものであってもよい。
【0064】
図9に示すように、求職者特徴に関するタグは、求職者表示画面JDのタグ調整エリアTCに表示される。追加ボタンBAが入力されると、第2受付部116は、追加するタグの検索欄、又は選択可能なタグの一覧を表示させる。検索されたタグ又は選択されたタグは、タグ調整エリアTCに追加される。また、各タグに付された削除ボタンBDが入力されることで、当該タグはタグ調整エリアTCから削除される。さらに、各タグに付された移動ボタンBMを選択した状態で当該タグをドラッグし、任意の位置に移動させることで、タグの順番が入れ替わる。求職者特徴においては、上方に配置されたタグほど、後述する仮想求職者の検索や求人票の修正内容の提示において、重み付けが大きくされる。つまり、上方に配置されたタグに対応する求職者特徴ほど、求人者が求める人物像に近い求職者特徴であることを意味する。また、記憶部12は、第2受付部116における求職者特徴の修正履歴(具体的には、ユーザによるタグの追加、削除、及び移動の履歴)を記憶する。
【0065】
第2受付部116は、タグ調整エリアTCに表示されている、選択中のタグに含まれるタグワードを上位概念化又は下位概念化したタグワードを含むタグを、推奨タグとして提示する。これにより、求職者特徴に対応する仮想求職者の範囲を広げたり、狭くしたりする調整が可能となる。推奨タグは、求職者表示画面JDの推奨タグ表示エリアRTに表示される。推奨タグをユーザが選択することで、選択された推奨タグがタグ調整エリアTCに追加される。タグの関係は、例えば、ツリー構造で記述される。
図9の例では、「Java(登録商標)エンジニア」のタグに対して、上位概念化したタグとして「ソフトウェアエンジニア」が提示され、下位概念化したタグとして「Javaを使った金融システムエンジニア」が提示される。また、選択中のタグの内容に、別の観点を加えたタグが推奨タグとして表示されてもよく、例えば、「Javaエンジニア」のタグに対して、「エンジニアリングマネジメント」という推奨タグが提示されてもよい。
【0066】
また、第2受付部116は、推奨タグとして、選択中のタグのタグワードに対し、共起度が高いタグワードのタグを提示してもよい。ここで、共起度とは、求人情報又は求職者情報の検索で同時に使用される頻度の高さや、採用支援システム1において、タグとしてユーザに同時に選択される頻度の高さである。つまり、求人情報又は求職者情報の検索で同時に使用される頻度が高いタグや、タグとしてユーザに同時に選択される頻度の高いタグが、推奨タグとして提示される。
【0067】
さらに、第2受付部116は、タグ以外の形態として、求職者特徴に含まれるワードを上位概念化又は下位概念化したワードや、求職者特徴に含まれるワードを具体化したワード又は別の観点を加えたワードを、求職者特徴に追加する推奨ワードとして提示してもよい。
【0068】
修正の対象のデータである求人票と、求人票を修正する元になるデータである求職者情報とが互いに異なる種類の文章のデータであるところ、このように、仮想の求職者情報を見ながら、求人票によって募集したい人材の要件をタグで定義することで、タグを用いて求人票の修正条件を設定することができ、これにより、異なる種類の文章のデータに基づく修正を実現することができる。さらに、タグに置き換える形で求人票の条件を定義することで、元となる求職者情報が少なくても、適切な求人票の修正が可能となる。
【0069】
第2受付部116は、仮想求職者の情報に関するパラメータ条件の設定により、求職者特徴の修正を受け付ける。これにより、定量的に仮想求職者の範囲を調整することが可能となる。パラメータ条件としては、例えば、経験の量、専門性の高さ、年収等が挙げられる。具体的には、パラメータ条件は、スライダ上に配置された下限及び上限をそれぞれ設定する2つのつまみの位置の調整によって設定される。これにより、パラメータ条件の調整を、視覚的に、直感的かつ容易に行うことができる。パラメータ条件を設定するスライダは、求職者表示画面JDのパラメータ調整エリアPCに表示される。これにより、タグで選択された求職者特徴に対し、スライダによるレベル感の設定が可能となる。例えば、「Javaエンジニア」のタグを設定した後、スライダを用いて、経験の量や専門性の高さを設定することで、Javaエンジニアとしての経験が豊富か否か(ベテランかジュニアか)、専門性が高いか否か(スペシャリストかジェネラリストか)を設定することができる。
【0070】
また、第2受付部116は、年収ヒストグラムIHにより設定されたパラメータ条件により、求職者特徴の修正を受け付けてもよい。具体的には、年収ヒストグラムIHに含まれる各区間の柱を1つ以上選択することで、年収に関するパラメータ条件が選択された区間として設定される。これにより、タグでは表現が難しい求職者特徴についても、条件として適切に設定することができる。
【0071】
<第2表示制御部117>
第2表示制御部117は、修正された求職者特徴に対応する仮想求職者の情報を表示させるように構成される。これにより、求人者が、求職者特徴の修正による仮想求職者の変化を確認しながら、求職者特徴を調整することができる。具体的には、第2表示制御部117は、求職者表示画面JDのタグ調整エリアTCに表示されているタグ(求職者特徴に含まれるタグ)と、パラメータ調整エリアPCに表示されているパラメータ条件(求職者特徴に含まれるパラメータ条件)とに基づいて、データベースに登録されている仮想求職者を検索する。
【0072】
第2表示制御部117は、求職者特徴に含まれる少なくとも1つのタグと一致又は類似するタグが付され、かつ、求職者特徴に含まれるパラメータ条件を充足する仮想求職者を抽出する。また、第2表示制御部117は、求職者特徴に含まれる少なくとも1つのタグと一致又は類似するタグが付されているが、求職者特徴に含まれるパラメータ条件を充足しない仮想求職者を抽出してもよく、必ずしも、すべての条件を充足する仮想求職者のみを抽出しなくともよい。ここで、「タグの類似」には、タグワードが部分一致する場合や、一方のタグワードが他方のタグワードの同義語、類義語、又は表記揺れしたワードとなっている場合が含まれる。また、「タグの類似」には、タグワード同士の自然言語処理におけるベクトルが近い場合も含まれる。第2表示制御部117は、元々表示されていた仮想求職者を削除し、抽出された仮想求職者を求職者表示画面JDの仮想求職者リストVLに表示させる。
【0073】
第2表示制御部117は、求職者特徴に含まれるタグの重み付けスコア(タグ調整エリアTCにおける順位)に基づいて、仮想求職者リストVLにおける仮想求職者の表示順を決定する。ここで、タグごとに付与される重み付けスコアは、タグ調整エリアTCにおけるタグの配置によって変化するように設定されてもよく、具体的には、タグ調整エリアTCにおいて上方に配置されたタグほど、重み付けスコアが大きくなるように設定されてもよい。例えば、第2表示制御部117は、求職者特徴に含まれるタグに対応するタグが付された仮想求職者に、当該求職者特徴に含まれるタグの重み付けスコアを優先表示スコアとして付与する。求職者特徴に含まれる複数のタグそれぞれに対応する複数のタグが付された仮想求職者には、当該複数のタグそれぞれの重み付けスコアの合計が優先表示スコアとされる。第2表示制御部117は、優先表示スコアの高い仮想求職者が上位(仮想求職者リストVLの上方)となるように、複数の仮想求職者を表示する。
【0074】
第2表示制御部117は、求職者特徴の修正履歴(ユーザによるタグの追加、削除、及び移動の履歴)に基づいて、タグに基づく仮想求職者の優先表示スコアを調整してもよい。例えば、第2表示制御部117は、タグ調整エリアTCからユーザが削除したタグが付された仮想求職者の優先表示スコアを減点してもよい。また、第2表示制御部117は、例えば、タグ調整エリアTCにユーザが追加したタグ、又はユーザが順位を繰り上げたタグが付された仮想求職者の優先表示スコアに加点をしてもよい。
【0075】
<修正提示部118>
修正提示部118は、修正された求職者特徴に基づいた求人票の修正内容を提示するように構成される。つまり、修正提示部118は、修正された求職者特徴に含まれるタグ(キーワード)及びパラメータ条件に関する記載が含まれるように求人票を修正し、修正内容を求人者端末20に提示する。換言すれば、修正提示部118は、修正された求職者特徴に合う人物に対応する求人票を生成する。つまり、修正提示部118は、現在の求職者特徴に対応する仮想求職者(つまり、第2表示制御部117によって仮想求職者リストVLに表示された仮想求職者)が募集対象となるように、求人票を修正する。
【0076】
例えば、修正提示部118は、求人票の初期条件を修正することで、求人票を修正する。すなわち、修正提示部118は、修正された求職者特徴と、求人票に含まれる初期条件とを人工知能部120の第1求人票修正モデルに入力し、第1求人票修正モデルに求職者特徴に対応するように初期条件を修正した修正初期条件を出力させると共に、修正初期条件を第1求人票作成モデルに入力し、第1求人票作成モデルに修正求人票を出力させる。第1求人票修正モデルは、求職者特徴と初期条件とを入力とし、修正初期条件を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第1求人票修正モデルは、求職者特徴及び初期条件と、それらに対応する修正初期条件とを教師データとして学習した学習モデルである。第1求人票修正モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、修正提示部118は、修正初期条件の作成指示と、修正された求職者特徴と、初期条件とを挿入したプロンプトを第1求人票修正モデルに入力し、修正初期条件を第1求人票修正モデルに出力させる。また、修正提示部118は、修正初期条件の作成指示と、修正された求職者特徴と、初期条件とに加え、例えば、1以上の求職者特徴のサンプルと、1以上の初期条件のサンプルと、それらに対応する1以上の修正初期条件のサンプルとを挿入したプロンプトを第1求人票修正モデルに入力してもよい。これにより、求人票を作成する際の第1求人票作成モデルを利用して、求人票を修正することが可能となる。
【0077】
さらに、修正提示部118は、求職者特徴と求人票とに加えて、さらに修正履歴を第1求人票修正モデルに入力し、第1求人票修正モデルに求職者特徴及び修正履歴に対応するように初期条件を修正した修正初期条件を出力させてもよい。これにより、修正履歴から求人者が重視する事項を予測しつつ、求人票の修正に反映させることができる。この場合、第1求人票修正モデルは、求職者特徴と修正履歴と初期条件とを入力とし、修正初期条件を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第1求人票修正モデルは、求職者特徴、修正履歴、及び初期条件と、それらに対応する修正初期条件とを教師データとして学習した学習モデルである。第1求人票修正モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、修正提示部118は、修正初期条件の作成指示と、修正された求職者特徴と、修正履歴と、初期条件とを挿入したプロンプトを第1求人票修正モデルに入力し、修正初期条件を第1求人票修正モデルに出力させる。また、修正提示部118は、修正初期条件の作成指示と、修正された求職者特徴と、修正履歴と、初期条件とに加え、例として、1以上の求職者特徴のサンプルと、1以上の初期条件のサンプルと、1以上の修正履歴のサンプルと、それらに対応する1以上の修正初期条件のサンプルとを挿入したプロンプトを第1求人票修正モデルに入力してもよい。
【0078】
求人票に初期条件が含まれない場合、つまり、求人票が初期条件及び第1求人票作成モデルによって作成されていない(外部からインポートされた求人票である)場合、修正提示部118は、求人票を人工知能部120の初期条件推定モデルに入力し、初期条件推定モデルに求人票に対応する初期条件を推定させる。その後、修正提示部118は、修正された求職者特徴と、推定された初期条件とを第1求人票修正モデルに入力し、第1求人票修正モデルに求職者特徴に対応するように初期条件を修正した修正初期条件を出力させると共に、修正初期条件を第1求人票作成モデルに入力し、第1求人票作成モデルに修正求人票を出力させる。これにより、初期条件が含まれない求人票に対して、求人票の内容に基づいて初期条件を逆算して推測することで、求人票を作成する際の第1求人票作成モデルを利用して、求人票を修正することが可能となる。また、修正提示部118は、第1求人票作成モデルに、推定された初期条件と修正前の元の求人票とを入力し、推定された初期条件と修正前の求人票とに基づき、修正求人票を出力させるようにしてもよい。
【0079】
修正提示部118は、初期条件を含まない求人票に対して、初期条件を推定する替わりに、初期条件の入力を受け付けてもよい。例えば、修正提示部118は、求人票に初期条件が含まれない場合に、
図5及び
図6の初期条件入力画面IDを表示させ、ユーザに初期条件を入力させてもよい。
【0080】
修正提示部118は、求人票の初期条件を修正することに替えて、求人票を直接修正してもよい。すなわち、修正提示部118は、修正された求職者特徴と求人票とを人工知能部120の第2求人票修正モデルに入力し、第2求人票修正モデルに求職者特徴に対応するように求人票を修正した修正求人票を出力させてもよい。第2求人票修正モデルは、求職者特徴と求人票とを入力とし、修正求人票を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第2求人票修正モデルは、求職者特徴及び元の求人票と、それらに対応する修正された求人票とを教師データとして学習した学習モデルである。第2求人票修正モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。修正提示部118は、修正求人票の作成指示と、修正された求職者特徴と、求人票とを挿入したプロンプトを第2求人票修正モデルに入力し、修正求人票を第2求人票修正モデルに出力させる。また、修正提示部118は、修正求人票の作成指示と、修正された求職者特徴と、求人票とに加え、例えば、1以上の求職者特徴のサンプルと、1以上の求人票のサンプルと、それらに対応する1以上の修正求人票のサンプルとを挿入したプロンプトを第2求人票修正モデルに入力してもよい。これにより、第1求人票作成モデルを備えないシステムにおいて、求人票を修正することが可能となる。
【0081】
さらに、修正提示部118は、求職者特徴と求人票とに加えて、さらに修正履歴を第2求人票修正モデルに入力し、第2求人票修正モデルに求職者特徴及び修正履歴に対応するように求人票を修正した修正求人票を出力させてもよい。これにより、修正履歴から推測される求人者が重視する事項を、求人票の修正に反映させることができる。この場合、第2求人票修正モデルは、求職者特徴と修正履歴と求人票とを入力とし、修正求人票を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第2求人票修正モデルは、求職者特徴、修正履歴、及び求人票と、それらに対応する修正された求人票とを教師データとして学習した学習モデルである。第2求人票修正モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。修正提示部118は、修正求人票の作成指示と、修正された求職者特徴と、修正履歴と、求人票とを挿入したプロンプトを第2求人票修正モデルに入力し、修正求人票を第2求人票修正モデルに出力させる。また、修正提示部118は、修正求人票の作成指示と、修正された求職者特徴と、修正履歴と、求人票とに加え、例として、1以上の求職者特徴のサンプルと、1以上の修正履歴と、1以上の求人票のサンプルと、それらに対応する1以上の修正求人票のサンプルとを挿入したプロンプトを第2求人票修正モデルに入力してもよい。
【0082】
修正求人票の作成後、修正提示部118は、修正前の求人票と、修正後の求人票とを対比させて表示させる。これにより、修正提示部118が提示する修正内容を求人者が容易に確認することができる。
図10は、修正内容表示画面MDの一例である。修正内容表示画面MDには、修正概要MSと、修正前求人票JP1と、修正後求人票JP2とが表示される。修正前求人票JP1と、修正後求人票JP2とは、左右に並んで表示される。
【0083】
修正提示部118は、修正前求人票JP1と修正後求人票JP2との差分(修正後求人票JP2における修正箇所)をハイライト表示させるなど、他の部分と視覚的に区別できるよう、強調して表示させてもよい。また、修正提示部118は、修正箇所のみを提示してもよい。
【0084】
<第3受付部119>
第3受付部119は、求人票の修正を受け付けるように構成される。具体的には、第3受付部119は、求人者端末20から、修正提示部118によって提示された修正内容の全部又は一部を反映させる入力を受け付ける。また、第3受付部119は、求人者端末20からの求人票の記載事項に対する直接の修正入力(編集入力)も受け付ける。修正後の求人票は、データベースに記憶される。また、修正後の求人票に対し、求人票評価部113によって再び評価が実行されてもよい。
【0085】
<人工知能部120>
人工知能部120は、各機能部から入力を受け付け、指示された出力を返すように構成されている。なお、サーバ装置10が各機能部において使用する人工知能は、共通のものであってもよいし、機能部や学習モデル毎に個別に用意されたものであってもよい。
【0086】
人工知能部120は、GPT(Generative Pretrained Transformer、GPT-1、GPT-2、GPT-3を含む)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、BART(Bidirectional and Auto-regressive Transformer)等を含むトランスフォーマ(Transformer)や再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network(RNN))等の言語モデル等を備えるAI(Artificial Intelligence)であって、生成AIを含む。
【0087】
言語モデルは、機械学習アルゴリズムによる学習モデルの一例である。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークを利用した深層学習(ディープラーニング)等が挙げられる。人工知能部120は、上記のアルゴリズムを適宜適用することができる。
【0088】
人工知能部120は、教師あり学習、教師なし学習、又は自己教師あり学習等の既知の学習方法によって構築された学習済みモデルを有する。教師あり学習では、教師データ(学習データ)を用いて機械学習を行う。教師データは、学習用の入力データ(説明変数)及び入力データに対応付けられた出力データ(目的変数、正解ラベル)のペアで構成される。教師あり学習を用いる場合には、教師データは、予め、前処理により機械学習に適した形式に変換される。人工知能部120は、教師データを用いて機械学習の処理を行うことにより、学習モデルの内部のパラメータを決定し、決定したパラメータを学習モデルとして記憶する。人工知能部120は、学習モデル毎に、入力したいデータと出力したいデータとに応じて、必要な教師データを用意し、学習モデルの教師あり学習に用いる。また、言語モデルは、特定のタスクのために訓練されたものだけでなく、幅広いタスクに対して汎用的に用いることができる汎用モデルであってもよい。
【0089】
人工知能部120は、人工知能として、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(Large Language Models(LLM))のような汎用的な自然言語処理の学習モデルを含む。このような汎用的な学習モデルは、One-shot LearningやFew-shot Learning等により、ファインチューニングなしで様々なタスクに対応可能な言語モデルを含む。また、汎用的な学習モデルは、Zero-shot Learningによっても、様々なタスクに対応可能である。この場合、人工知能部120は、入力するデータと出力するデータとに応じたプロンプトを用意し、学習モデルへの指示を行う。制御部11の各機能部において用いられる人工知能は、それぞれ別個の学習モデルであってもよいし、共通した汎用的な学習モデルであってもよい。
【0090】
人工知能部120に含まれる学習モデルは、追加の学習を行うことが可能である。例えば、人工知能部120は、提示した求人票の修正内容が、求人者によって求人票に反映されたか否かを学習する。つまり、人工知能部120は、学習モデルが作成して提示した修正内容に対するフィードバックとして、提示した修正内容に実際の修正結果をラベル付けした教師データセットを用いて、追加の学習を行い、ファインチューニングされる。これにより、学習モデルから出力される修正内容が最適化され、ユーザに提示される。
【0091】
<表示部>
求人者端末20の表示部211は、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す画面を表示する。
【0092】
<操作受付部>
求人者端末20の操作受付部212は、求人者端末20を利用するユーザ(求人者)による操作を受け付ける。
【0093】
3.情報処理方法
本節では、サーバ装置10の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、サーバ装置10の各部が、各ステップとしてコンピュータにより実行される。
【0094】
具体的には、この情報処理方法は、第1受付ステップと、第1表示制御ステップと、第2受付ステップと、第2表示制御ステップと、修正提示ステップとを備える。第1受付ステップでは、求人票の入力を受け付ける。第1表示制御ステップでは、求人票の内容に基づいて、求人票に対応する複数の仮想求職者の情報及び求人票に対応する求職者特徴を表示させる。第2受付ステップでは、求職者特徴の修正を受け付ける。第2表示制御ステップでは、修正された求職者特徴に対応する仮想求職者の情報を表示させる。修正提示ステップでは、修正された求職者特徴に基づいた求人票の修正内容を提示する。
【0095】
図11は、採用支援システム1によって実行される情報処理(求人票の修正処理)の流れを示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0096】
求人票の修正処理は、求人者による、修正する求人票の入力から開始される。求人者は、求人者端末20において、修正する求人票をサーバ装置10によって提示された一覧から選択する(アクティビティA101)。サーバ装置10は、求人者端末20から、求人票の入力を受け付ける(第1受付ステップ、アクティビティA102)。続いて、サーバ装置10は、求人票の内容に基づいて、求人票に対応する複数の仮想求職者の情報及び求人票に対応する求職者特徴を、求人者端末20に表示させる(第1表示制御ステップ、アクティビティA103)。これにより、求人者端末20に仮想求職者及び求職者特徴が表示される(アクティビティA104)。
【0097】
求人者は、仮想求職者及び求職者特徴が表示された求人者端末20において、表示された求職者特徴を修正する(アクティビティA105)。サーバ装置10は、求人者端末20から、求職者特徴の修正を受け付ける(第2受付ステップ、アクティビティA106)。続いて、サーバ装置10は、求職者特徴の修正に基づいて、求人者端末20に表示させる仮想求職者の情報を更新する(第2表示制御ステップ、アクティビティA107)。これにより、求人者端末20に求職者特徴の修正後の仮想求職者が表示される(アクティビティA108)。
【0098】
求人者は、修正後の仮想求職者が表示された求人者端末20において、再度求職者特徴を修正するか(アクティビティA105)、又は現在の求職者特徴にて、求人票の修正を指示する(アクティビティA109)。サーバ装置10は、求人者端末20から修正指示を受け付け、求人票を修正する(アクティビティA110)。続いて、サーバ装置10は、求人票の修正内容を求人者端末20に提示する(修正提示ステップ、アクティビティA111)。これにより、求人者端末20に求人票の修正内容が表示される(アクティビティA112)。
【0099】
4.作用
本実施形態の作用をまとめると、次の通りとなる。すなわち、求人者が求める求職者の特徴を、求人票の対象となる仮想求職者の情報に基づいて調整することができる。そのため、求人者が求める求職者を採用し易いように、効果的な求人票を作成することができる。
【0100】
また、実際の求職者情報を求人者に提示した場合、当該求職者情報の求職者にスカウトメールを送信するアクションには繋がるが、求人票の修正・改善には繋がりにくい。本実施形態のように、仮想の求職者を求人者に提示することで、求職者の個人情報を開示することなく、求職者の具体的なイメージを求人者に提示しながら、求人票の修正を行わせることができる。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0102】
5.その他
上記実施形態では、サーバ装置10が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置10に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。特に、人工知能部120は、サーバ装置10の外部構成であってもよい。その場合、外部構成である人工知能部120は、サーバ装置10の各機能部から入力を受け付け、指示された出力をサーバ装置10に返すように構成される。
【0103】
本実施形態の態様は、採用支援システム1に限定されず、情報処理方法であっても、プログラムであってもよい。採用支援方法は、採用支援システム1の各ステップを備える。プログラムは、コンピュータに、採用支援システム1の各ステップを実行させる。
【0104】
採用支援システム1の制御部11は、必ずしも第2表示制御部117を備えなくてもよい。つまり、制御部11は、求職者特徴の修正を受け付けた後、求人者端末20に表示させる仮想求職者を更新することなく、求人票の修正を行ってもよい。
【0105】
<他の実施形態>
図12は、他の実施形態におけるサーバ装置10(制御部11)によって実現される機能を示すブロック図である。
図12に示されるように、他の実施形態におけるサーバ装置10は、第3表示制御部121をさらに備えてもよい。つまり、サーバ装置10のプロセッサは、第3表示制御ステップをさらに実行してもよい。
【0106】
第3表示制御部121は、求人票を作成するための初期条件に基づいて、初期条件に対応する複数の仮想求職者の情報及び初期条件に対応する特徴を表示させるように構成される。初期条件の入力は、例えば、第1受付部114によって受け付けられる。
【0107】
例えば、第3表示制御部121は、求人票を新規に作成する際に
図9の求職者表示画面JDを求人者端末20に表示させ、表示された仮想求職者の情報及び求職者特徴を、ユーザによる新規の求人票の作成に使用させる。具体的には、例えば、
図5及び
図6の初期条件入力画面IDにおいて初期条件が入力された後、第3表示制御部121は、入力された初期条件に対応する仮想求職者の情報及び求職者特徴を抽出し、求職者表示画面JDに表示させる。また、第3表示制御部121は、
図5及び
図6の初期条件入力画面IDを表示させずに、求職者表示画面JDを求人者端末20に表示させてもよい。
【0108】
第3表示制御部121は、例えば、初期条件及び仮想求職者のデータベースを人工知能部120の第2仮想求職者抽出モデルに入力し、第2仮想求職者抽出モデルに初期条件の内容に合う仮想求職者を出力させる。第2仮想求職者抽出モデルは、初期条件と仮想求職者のデータベースとを入力とし、初期条件の内容に合う仮想求職者を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第2仮想求職者抽出モデルは、初期条件と、対応する仮想求職者とを教師データとして学習した学習モデルである。また、第2仮想求職者抽出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、第3表示制御部121は、仮想求職者のデータベースを参照して初期条件の内容に合う仮想求職者を抽出する指示と、初期条件とを挿入したプロンプトを第2仮想求職者抽出モデルに入力し、初期条件の内容に合う仮想求職者を第2仮想求職者抽出モデルに出力させる。また、第3表示制御部121は、仮想求職者の抽出指示と初期条件とに加え、例えば、1以上の初期条件のサンプルと、それに対応する1以上の仮想求職者のサンプルとを挿入したプロンプトを第2仮想求職者抽出モデルに入力してもよい。
【0109】
また、第3表示制御部121は、例えば、初期条件を人工知能部120の第3特徴抽出モデルに入力し、求職者特徴を出力させる。第3特徴抽出モデルは、初期条件を入力とし、求職者特徴を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第3特徴抽出モデルは、初期条件と、対応する求職者特徴とを教師データとして学習した学習モデルである。また、第3特徴抽出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、第3表示制御部121は、求職者特徴の抽出指示と、初期条件とを挿入したプロンプトを第3特徴抽出モデルに入力し、初期条件の内容に合う求職者特徴を第3特徴抽出モデルに出力させる。また、第3表示制御部121は、求職者特徴の抽出指示と初期条件とに加え、例えば、1以上の初期条件のサンプルと、それに対応する1以上の求職者特徴のサンプルとを挿入したプロンプトを第3特徴抽出モデルに入力してもよい。
【0110】
第3表示制御部121は、抽出された仮想求職者の情報に基づいて求職者特徴をさらに抽出してもよい。つまり、第3表示制御部121は、複数の仮想求職者を人工知能部120の第2特徴抽出モデルに入力し、求職者特徴を出力させてもよい。
【0111】
第2受付部116は、第3表示制御部121が表示した求職者特徴の修正を受け付ける。第2受付部116は、例えば、予め用意され、求職者表示画面JDに表示された求職者特徴の選択肢の中から、ユーザが選択することで、求職者特徴の入力を受け付けてもよい。修正された求職者特徴に対応する仮想求職者の情報は、第2表示制御部117によって表示される。
【0112】
求人票作成部112は、修正された求職者情報に基づいた求人票を作成する。つまり、求人票作成部112は、修正された求職者特徴に含まれるタグ(キーワード)及びパラメータ条件に関する記載が含まれる求人票を作成する。求人票作成部112は、修正された求職者特徴と初期条件とを人工知能部120の第2求人票作成モデルに入力し、第2求人票作成モデルに求人票を出力させる。第2求人票作成モデルは、初期条件と求職者特徴とを入力とし、求人票を出力とするように学習された学習モデルである。また、第2求人票作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。
【0113】
これにより、仮想求職者の情報を確認しながら選択された求職者特徴の情報に基づいて、求人票を新規に作成することができ、求人者が求める人物像に合った求人票を作成することができる。また、初期条件と求職者特徴とに加えて、さらに求職者特徴の修正履歴を第2求人票作成モデルに入力し、初期条件、求職者特徴及び修正履歴に対応する求人票を出力させてもよい。これにより、修正履歴から求人者が重視する事項を予測しつつ、求人票に反映させることができる。この場合、第2求人票作成モデルは、初期条件と求職者特徴と修正履歴とを入力とし、それらに対応する求人票を出力とするように学習された学習モデルである。また、初期条件を入力せず、選択された求職者特徴及び修正履歴(又は求職者特徴のみ)を第2求人票作成モデルに入力し、対応する求人票を出力させてもよい。この場合、第2求人票作成モデルは、求職者特徴と修正履歴とを入力とし(又は求職者特徴のみを入力とし)、対応する求人票を出力とするように学習された学習モデルである。これらの場合も、第2求人票作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、第2求人票作成モデルには、入力するデータと出力するデータに合ったプロンプトが適宜入力される。
【0114】
なお、求職者特徴の修正の受付及び修正された求職者特徴に対応する仮想求職者の情報の表示など、
図4の実施形態で説明した事項は、
図12の実施形態にも適宜適用可能である。また、
図12の実施形態では、第1表示制御部115は、必須の構成ではない。
【0115】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0116】
(1)採用支援システムであって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、次の各ステップを実行可能に構成され、第1受付ステップでは、求人票の入力を受け付け、第1表示制御ステップでは、前記求人票の内容に基づいて、前記求人票に対応する複数の仮想求職者の情報及び前記求人票に対応する特徴を表示させ、第2受付ステップでは、前記特徴の修正を受け付け、修正提示ステップでは、修正された前記特徴に基づいた前記求人票の修正内容を提示する、採用支援システム。
【0117】
(2)上記(1)に記載の採用支援システムにおいて、前記特徴は、前記仮想求職者のスキル又は経験に関する、採用支援システム。
【0118】
(3)上記(1)又は(2)に記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行可能に構成され、第2表示制御ステップでは、修正された前記特徴に対応する前記仮想求職者の情報を表示させる、採用支援システム。
【0119】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記第1表示制御ステップでは、前記求人票の内容に基づいて、情報を表示させる前記仮想求職者及び前記特徴を抽出する、採用支援システム。
【0120】
(5)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記第1表示制御ステップでは、前記求人票の内容に基づいて、情報を表示させる前記仮想求職者を抽出すると共に、抽出された前記仮想求職者の情報に基づいて前記特徴をさらに抽出する、採用支援システム。
【0121】
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記第2受付ステップでは、予め用意された前記特徴に対応するタグの追加、削除又は移動により、前記特徴の修正を受け付ける、採用支援システム。
【0122】
(7)上記(6)に記載の採用支援システムにおいて、前記タグは、前記特徴に関するタグワードを含み、前記第2受付ステップでは、選択中の前記タグに含まれる前記タグワードを上位概念化又は下位概念化した前記タグワードを含む前記タグを、推奨タグとして提示する、採用支援システム。
【0123】
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記第2受付ステップでは、前記仮想求職者の情報に関するパラメータ条件の設定により、前記特徴の修正を受け付ける、採用支援システム。
【0124】
(9)上記(8)に記載の採用支援システムにおいて、前記パラメータ条件は、スライダ上に配置された下限及び上限をそれぞれ設定する2つのつまみの位置の調整によって設定される、採用支援システム。
【0125】
(10)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記仮想求職者の情報は、予め登録された求職者の情報に基づいて生成されたものである、採用支援システム。
【0126】
(11)上記(10)に記載の採用支援システムにおいて、前記仮想求職者の情報は、予め登録された複数の求職者の情報を合成して生成されたものである、採用支援システム。
【0127】
(12)上記(10)に記載の採用支援システムにおいて、前記仮想求職者の情報は、予め登録された求職者の情報の一部を修正又は削除して生成されたものである、採用支援システム。
【0128】
(13)上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、表示される前記仮想求職者の情報には、前記仮想求職者の属性を文章作成モデルに入力することで前記文章作成モデルに作成させたサマリー文章が含まれる、採用支援システム。
【0129】
(14)上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記修正提示ステップでは、修正された前記特徴と、前記求人票に含まれる初期条件とを第1求人票修正モデルに入力し、前記第1求人票修正モデルに前記特徴に対応するように前記初期条件を修正した修正初期条件を出力させると共に、前記修正初期条件を求人票作成モデルに入力し、前記求人票作成モデルに修正求人票を出力させ、ここで、前記初期条件は、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも一方を含む、採用支援システム。
【0130】
(15)上記(1)から(14)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記修正提示ステップでは、前記求人票を初期条件推定モデルに入力し、前記初期条件推定モデルに前記求人票に対応する初期条件を推定させ、ここで、前記初期条件は、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも一方を含み、修正された前記特徴と、推定された前記初期条件とを第1求人票修正モデルに入力し、前記第1求人票修正モデルに前記特徴に対応するように前記初期条件を修正した修正初期条件を出力させると共に、前記修正初期条件を求人票作成モデルに入力し、前記求人票作成モデルに修正求人票を出力させる、採用支援システム。
【0131】
(16)上記(14)又は(15)に記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行可能に構成され、記憶ステップでは、前記第2受付ステップにおける前記特徴の修正履歴を記憶し、前記修正提示ステップでは、前記特徴と前記求人票とに加えて、さらに前記修正履歴を前記第1求人票修正モデルに入力し、前記第1求人票修正モデルに前記特徴及び前記修正履歴に対応するように前記初期条件を修正した前記修正初期条件を出力させる、採用支援システム。
【0132】
(17)上記(1)から(16)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記修正提示ステップでは、修正された前記特徴と前記求人票とを第2求人票修正モデルに入力し、前記第2求人票修正モデルに前記特徴に対応するように前記求人票を修正した修正求人票を出力させる、採用支援システム。
【0133】
(18)上記(17)に記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行可能に構成され、記憶ステップでは、前記第2受付ステップにおける前記特徴の修正履歴を記憶し、前記修正提示ステップでは、前記特徴と前記求人票とに加えて、さらに前記修正履歴を前記第2求人票修正モデルに入力し、前記第2求人票修正モデルに前記特徴及び前記修正履歴に対応するように前記求人票を修正した前記修正求人票を出力させる、採用支援システム。
【0134】
(19)上記(1)から(18)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記修正提示ステップでは、修正前の前記求人票と、修正後の前記求人票とを対比させて表示させる、採用支援システム。
【0135】
(20)採用支援方法であって、上記(1)から(19)のいずれか1つに記載の採用支援システムが実行する各ステップを備える、採用支援方法。
【0136】
(21)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(19)のいずれか1つに記載の採用支援システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0137】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0138】
1 :採用支援システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :通信バス
20 :求人者端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :入力部
25 :出力部
26 :通信バス
111 :基本表示制御部
112 :求人票作成部
113 :求人票評価部
114 :第1受付部
115 :第1表示制御部
116 :修正提示部
117 :第2表示制御部
118 :修正提示部
119 :第3受付部
120 :人工知能部
121 :第3表示制御部
211 :表示部
212 :操作受付部
【要約】
【課題】効果的な求人票を用意することができる採用支援システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、採用支援システムが提供される。この採用支援システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、次の各ステップを実行可能に構成される。第1受付ステップでは、求人票の入力を受け付ける。第1表示制御ステップでは、求人票の内容に基づいて、求人票に対応する複数の仮想求職者の情報及び求人票に対応する特徴を表示させる。第2受付ステップでは、特徴の修正を受け付ける。修正提示ステップでは、修正された特徴に基づいた求人票の修正内容を提示する。
【選択図】
図1