(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】洋上風力エネルギーシステム
(51)【国際特許分類】
H02G 9/02 20060101AFI20240328BHJP
H02G 1/10 20060101ALI20240328BHJP
E02D 27/12 20060101ALI20240328BHJP
E02D 27/32 20060101ALI20240328BHJP
E02D 27/52 20060101ALI20240328BHJP
F03D 80/50 20160101ALI20240328BHJP
【FI】
H02G9/02
H02G1/10
E02D27/12 Z
E02D27/32 Z
E02D27/52 A
F03D80/50
(21)【出願番号】P 2023526245
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2021076557
(87)【国際公開番号】W WO2022089858
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】102020128293.1
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521154291
【氏名又は名称】エル・ヴェー・エー リニューワブルズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】RWE Renewables GmbH
【住所又は居所原語表記】RWE Platz 4, 45141 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル バルトミン
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥール チャルネッキ
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-205163(JP,A)
【文献】特開2016-226194(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102019110506(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03696326(EP,A1)
【文献】国際公開第2020/074421(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/157196(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104934920(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/02
H02G 1/10
E02D 27/12
E02D 27/32
E02D 27/52
F03D 80/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)であって、
- 長手方向に延びる周方向の第1の壁(105、205、305、405、505)を有する第1の中空構造要素(106、206、306、406、506)を有する基礎(102、202、302、402、502)を備え、
- 前記第1の壁(105、205、305、405、505)にはケーブルブッシング(126、226、326、426、526)が配置されており、前記ケーブルブッシング(126、226、326、426、526)は前記第1の壁(105、205、305、405、505)を貫通しており、
前記洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)はさらに、
- 径方向に延び、前記第1の中空構造要素(106、206、306、406、506)の前記第1の壁(105、205、305、405、505)のシェル外面に配置された、少なくとも1つのケーブル案内機構(104、204、304、404、504)であって、前記ケーブルブッシング(126、226、326、426、526)を出る海底ケーブル(118、218、318、418、518)を、前記ケーブルブッシング(126、226、326、426、526)から水底面(122、222、322、422、522)に案内するように構成された、少なくとも1つのケーブル案内機構(104、204、304、404、504)を備え、
- 前記ケーブル案内機構およびその少なくとも1つの要素は、前記第1の中空構造要素の前記シェル外面に直接的に接触せず、前記シェル外面から0.25mと3mとの間の径方向距離の位置に配置されている、
洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項2】
前記基礎(102、202、302、402、502)の設置状態における前記第1の中空構造要素(106、206、306、406、506)の前記ケーブルブッシング(126、226、326、426、526)は、水底面(122、222、322、422、522)の上方に少なくとも5m超、特に6m超、特に好ましくは8mと12mとの間の位置にあることを特徴とする、請求項1に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項3】
前記基礎(102、202、302、402、502)は、
- 前記第1の中空構造要素(106、206、306、406、506)の端部分(246、346、446、546)を越えて突出する重複部分(242、342、442、542)を有し、水底(120、220、320、420、520)に少なくとも部分的に埋込み可能な埋込み部分(244、344、444、544)を有する、第2の中空構造要素(240、340、440、540)を備え、
- 前記第1の中空構造要素(106、206、306、406、506)の前記ケーブルブッシング(126、226、326、426、526)は、前記重複部分(242、342、442、542)の少なくとも上方に配置される
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項4】
- 前記第2の中空構造要素(240、340、440、540)のシェル内面(250、350、450、550)と、前記第1の中空構造要素(106、206、306、406、506)の前記シェル外面(108、208、308、408、508)との間の環状空間(252、352、452、552)は、少なくとも部分的にグラウト注入され、
かつ/または
- 前記第2の中空構造要素(240、340、440、540)のシェル外面(258、358、458、558)と、前記第1の中空構造要素(106、206、306、406、506)のシェル内面(110、210、310、410、510)との間の環状空間(252、352、452、552)は、少なくとも部分的にグラウト注入される
ことを特徴とする、請求項3に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項5】
前記ケーブル案内機構(104、204、304、404、504)は、前記海底ケーブル(118、218、318、418、518)を少なくとも垂直方向に支持するように構成された、少なくとも1つの支持要素(138、238、338、438、538)を備えることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの支持要素(138、238、338、438、538)の高さは、径方向において段階的にまたは連続して小さくなることを特徴とする、請求項5に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの支持要素(138、238、338、438、538)は、プレキャストコンクリート要素(138、238、338、438)であることを特徴とする、請求項5または6に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの支持要素(138、238、338、438、538)は
、水底(120、220、320、420、520)にアンカリング可能なケーブル張力機構(338)であることを特徴とする、請求項5または6に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項9】
- 前記少なくとも1つの支持要素(138、238、338、438、538)は、前記海底ケーブル(118、218、318、418、518)を案内するためのケーブル受け部(260、360、460)を備え、
- 前記ケーブル受け部(260、360、460)の形状は、前記海底ケーブル(118、218、318、418、518)の形状に対応する
ことを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項10】
- 前記ケーブル受け部(260、360、460)は、前記少なくとも1つの支持要素(118、218、318、418、518)の上面を径方向に延びるチャネル様の凹所(260、460)であり、
- 前記凹所(260、460)の直径は、前記海底ケーブル(118、218、318、418、518)の外径よりも少なくとも大きい
ことを特徴とする、請求項9に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項11】
前記ケーブル案内機構(104、204、304、404、504)は、前記海底ケーブル(118、218、318、418、518)を前記ケーブル案内機構(104、204、304、404、504)に固定するように構成された、少なくとも1つのケーブル固定モジュール(266、582)を備えることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのケーブル固定モジュール(266、582)は、クリップ機構(266)であることを特徴とする、請求項11に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのケーブル固定モジュール(266、582)は、裏込め材(582)、具体的には、ケーブルセメントであることを特徴とする、請求項11に記載の洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)。
【請求項14】
- 請求項1~13の何れか一項に記載の少なくとも1つの洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)と、
- 前記洋上風力エネルギーシステム(100、200、300、400、500)の基礎(102、202、302、402、502)によって支持されている少なくとも1つの洋上デバイス(116)と
を備える、洋上構造物(114)、具体的には、洋上風力エネルギー構造物(114)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、長手方向に延びる周方向の第1の壁を有する第1の中空構造要素を有する基礎を備えた洋上風力エネルギーシステムに関する。さらに、本願は、洋上構造物、ケーブル案内機構、およびケーブル案内機構の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
洋上構造物が、具体的には海で、ますます建設されつつある。例えば、いわゆる再生可能エネルギー源から、電気エネルギーを生成するかまたは電気エネルギーを供給するために、複数の洋上風力エネルギー構造物を有する洋上風力発電所が設置されている。洋上の地点は通常、比較的風が途切れない状況があることおよび平均風速が高いことを特徴とし、そのため、いわゆる洋上風力発電所の設置が増えつつある。
【0003】
通常は、洋上風力発電所は、複数の洋上風力タービン、メットマストなどの複数の洋上風力エネルギー構造物、および/または少なくとも1つの洋上変電所を備える。洋上変電所によって、洋上風力発電所は、例えば、陸上変電所もしくはさらなる洋上変電所または洋上変換所に電気接続できる。さらに、陸上変電所は公共の電力網に接続することができる。
【0004】
洋上風力タービンは、風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成されている。2つの洋上風力エネルギー構造物の間または洋上風力エネルギー構造物と陸上構造物との間で、発生した電気エネルギーを伝送するために、海底ケーブルの形態の電力ケーブルが敷設されている。具体的には、洋上風力タービンのジェネレーターに海底ケーブルを電気接続することができる。
【0005】
洋上風力発電所だけでなく、さらに他の洋上構造物(例えば、ガスおよび/または石油の探鉱のためのプラットフォーム)についても、基礎(例えば、モノパイル、トリポッド、トリパイルまたはジャケット基礎)によって、それぞれ水底に、具体的には海底に、洋上構造物を直接的にアンカリングする(据え付け(独:gruenden,英:founding)とも呼ばれる)ことが一般的な手法である。
【0006】
基礎は、少なくとも1つのタワー型の、具体的には筒状の、中空構造要素(タワー型基礎構造物とも呼ばれる)を備える。中空構造要素は通常、長手方向に延びる周方向の壁を備え、(基礎の)壁は、下側は下端面によって、上側は上端面によって境界を定めることができる。
【0007】
既に記載したように、洋上風力タービンは、例えば、発生した電力(または電気エネルギー)が海底ケーブルによって例えば風力発電所の、さらなる(洋上)構造物に伝送されること必要とする。
【0008】
先行技術では、洋上構造物が洋上構造物の洋上デバイスに接続された海底ケーブルを、いわゆるJチューブを通して水底面(具体的には、海底面)に案内することが知られている。しかし、Jチューブに関する課題は、波の荷重をさらに引き起こす恐れがあることである。さらに、Jチューブは、船の衝撃によって損傷を受ける可能性があり、定期的に付着物の除去も行わなければならない。
【0009】
このような課題を解決するために、まず海底ケーブルを下向きに、洋上デバイスから、少なくとも1つの中空構造要素の内部空間または中空空間を通して案内する(具体的には、自由に吊り下げられている)ことが先行技術から知られている。水底面の近く(距離が1m未満)において、中空構造要素の壁にケーブルブッシングまたはケーブル凹所が設けられており、それを通して海底ケーブルが、内部空間から外に向かって水底面に案内される。
【0010】
具体的には、互いに差し込まれた第1の中空構造要素および第2の中空構造要素を備える基礎に関して、さらに他の基礎に関して、海底ケーブルを外に案内することは大きな課題である。例えば、2つの中空構造要素が水底面の近くで互いに差し込まれており、環状空間が第2の中空構造要素のシェル内面と第1の中空構造要素のシェル外面との間でグラウト注入され、かつ/または中空構造要素の間でいわゆるスリップジョイントが確立されている場合は、内部空間の外に海底ケーブルを案内することは複雑でありコストがかかる。
【0011】
これは、同心になるように重ね合わされた2つの中空構造要素について同時の貫通が必要になることを意味する。ここで特に問題となるのは、これらの中空構造要素が専ら洋上構造物の設置場所で設置され、中空構造要素が互いに対してわずかに回った状態で設置されることが設置中にたびたび起こることである。その結果、それぞれの中空構造要素のケーブルブッシュは重なることができず、したがって、海底ケーブルを外に案内することができなくなる。これを防止するために、具体的には、中空構造要素の極めて精密な設置が必要になる。しかし、これは設置の労力を増大させる。
【0012】
さらに、中空構造要素の間の環状空間は一様にグラウト注入される。環状空間の領域に配置されたケーブルブッシングを通してグラウト材料が内部に入り込むことを防ぐために、グラウト材料に対するケーブルブッシングの特別なシーリングが必要になる。このようなシーリングは、中空構造要素の設置中に損傷を受けてはならない。このことは、設置の労力をさらに増大させる。
【0013】
基本的には、上述の課題に対する解決策の一つは、重複領域または環状空間の上方で海底ケーブルを内部から導き出すことである。しかし、これは今のところ先行技術においては実現可能であるとは見なされていない。具体的には、そのときの水底面までの距離が大きく5m超であると、海底ケーブルは、その経路に沿って保護なしで強い水流の力にさらされる。これは、海底ケーブルへの過剰なストレスになり、このようなストレスは市販のケーブル保護システムによって吸収することができない。
【0014】
したがって、本願の目的は、上述の欠点が少なくとも軽減された、具体的には、より単純かつ労力を軽減した、基礎から水底面への海底ケーブルの案内が可能な、洋上風力エネルギーシステムを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
その目的は、請求項1に記載の洋上風力エネルギーシステムによって、本願の第1の態様に従って達成される。洋上風力エネルギーシステムは、長手方向に延びる周方向の第1の壁を有する第1の中空構造要素を有する基礎を備える。第1の壁には第1の壁を貫通するケーブルブッシングが配置されている。洋上風力エネルギーシステムは、径方向に延び、第1の中空構造要素の第1の壁のシェル外面に配置された、少なくとも1つのケーブル案内機構を備え、ケーブル案内機構は、ケーブルブッシングを出る海底ケーブルを、ケーブルブッシングから水底面に案内するように構成されている。
【0016】
先行技術とは異なり、本願に従って、ケーブルブッシングを通って出る海底ケーブルを水底面に案内するケーブル案内機構を有する洋上風力エネルギーシステムを提供することによって、先行技術の欠点が少なくとも軽減される。具体的には、単純かつ低コストの手法で、海底ケーブルを基礎から水底面に案内することが可能である。
【0017】
具体的には、ケーブル案内機構は、海底ケーブルに作用することがある水流の力による海底ケーブルへのストレスを低減する。そのことは、(基礎の初期の設置状態において)水底面の上方に5m超の高さでも基礎から出る海底ケーブルを案内することを可能にする。
【0018】
本願による洋上風力エネルギーシステムは、少なくとも1つの基礎および少なくとも1つのケーブル案内機構を備える。
【0019】
基礎は、具体的には、洋上構造物の一部であり、好ましくは、洋上構造物の少なくとも1つの洋上デバイスを支持するように働く。洋上構造物は、好ましくは、洋上風力タービン、洋上メットマストまたは洋上変電所などの洋上風力エネルギー構造物である。具体的には、本願による洋上構造物は、少なくとも1つの海底ケーブルが接続された洋上構造物である。具体的には、洋上構造物の洋上デバイスに海底ケーブルを接続できる。例えば、洋上構造物は、ドリリングプラットフォームもしくはプロダクションプラットフォーム、または、洋上水素生産施設などの、好ましくは、エネルギーを生産、変換および/もしくは蓄積するように構成された他の洋上プラットフォームでもよい(海底ケーブルが洋上構造物に接続されていることを条件とする)。
【0020】
既に記載したように、洋上構造物は、基礎によって水底に、具体的には海底に固定できる洋上デバイスを備えることができる。具体的には、洋上構造物は、洋上デバイス(例えば、プラットフォーム、ナセル、タワー、ジェネレーター、ローター、変電所、および/または同様のもの)および少なくとも1つの基礎によって形成することができる。
【0021】
本願による基礎は、第1の中空構造要素または第1のタワー型基礎構造物を備える。本願による中空構造要素は、好ましくは、筒状である。筒状の中空構造要素は、具体的には、中空のパイルでよい。
【0022】
第1の中空構造要素は、長手方向に(すなわち、中空構造要素の長手方向軸に沿って)延びる周方向の第1の壁を備える。具体的には、本願による中空構造要素は、円形の断面領域を含むことができる。本願の他の変形例では、長円形の断面など、別の断面領域を提供することもできる。
【0023】
中空構造要素の壁は2つの遠位端を備えることができ、遠位端はそれぞれ、反対向きの端面によって境界が定められている。第1の端面は上端面でよく、第2の端面は下端面でよい。上端面および下端面は、最終的な設置状態における中空構造要素の位置によって定めることができる。そうすることによって、設置状態では、下端面は水底の方向に配置される。具体的には、上端面は、水面の方向において水底から少なくとも突出することができる。
【0024】
第1の壁には、海底ケーブルを通すために第1の壁を貫通するケーブルブッシングまたは凹所が配置されている。ケーブルブッシングは、具体的には、海底ケーブルを第1の中空構造要素の内部から外部に案内できるように形成されている。具体的には、海底ケーブルは、第1の壁に形成された空所または内部に配置(自由に吊り下げ)でき、ケーブルブッシングを通して空所から外部に案内されることができる。
【0025】
洋上風力タービンにおいて、例えば、基礎だけでなく、洋上デバイスも、設置された状態に取り付けることができ、洋上デバイスはナセルを有するタワーを備え、ナセルはタービンおよび風車を備える。海底ケーブルは、ナセルに位置するジェネレーターから、タワーおよび第1の中空構造要素を通ってケーブルブッシングまで延在でき、そこで基礎の外に案内される。
【0026】
本願によれば、ケーブル案内機構が第1の中空構造要素の第1の壁のシェル外面または外部側面に配置される場合に、外に向かって案内される海底ケーブルに作用する力を低減できることが認識された。シェル外面に配置されることとは、具体的には、ケーブル案内機構が基礎の外部に配置されることを意味する。好ましくは、シェル外面への配置は、基礎のシェル外面までまたはそこからケーブル案内機構の径方向の間隔を含む。
【0027】
ケーブル案内機構は、第1の中空構造要素から出発して径方向に延びる。好ましくは、ケーブル案内機構は、ケーブルブッシングと位置合わせできる。ケーブル案内機構は、切り離された機構でよく、具体的には、水底面に配置され、例えば、水底に取り付けることができる。
【0028】
定義上、ケーブル案内機構は、中空構造要素のシェル外面に直接的に接触(できるが)している必要はない。ケーブル案内機構およびその少なくとも1つの要素は、シェル外面から、最大5m、好ましくは0.25mと3mとの間の(径方向)距離の位置に配置できる。よって、シェル外面への配置は、海底電気ケーブルを介した間接的な接続を表すことができる。
【0029】
ケーブル案内機構は、出て行く海底ケーブルが径方向にケーブルブッシングから水底の水底面に案内されるように構成されている。本事例において、海底ケーブルを案内することとは、具体的には、水平方向および/または垂直方向における海底ケーブルの動きの自由がケーブル案内機構によって少なくとも制限されることを意味する。このように、水流によって海底ケーブルに掛けられる力を、したがって海底ケーブルへの荷重を軽減することができる。
【0030】
2つ以上ケーブルブッシングを、例えば対応する数の海底ケーブルのために設けてよいことが理解されるものとする。対応する数のケーブル案内機構を設けてよいことがさらに理解されるものとする。
【0031】
本願による洋上風力エネルギーシステムの好ましい実施形態によれば、基礎の設置状態における第1の中空構造要素のケーブルブッシングは、水底面の上方に少なくとも5m超、特に6m超、より好ましくは8mと12mとの間の位置に配置できる。言い換えれば、水底面と、具体的にはケーブルブッシングの下側縁部との間の距離は、5m超、好ましくは6m超、より好ましくは8mと12mとの間でよい。
【0032】
水底面とは、具体的には、基準面LAT(天文最低潮位)未満の水深として、洋上構造物の(具体的には洋上風力発電所の)計画文書に示された垂直面と定義される。水深、したがってケーブルブッシングまでの距離は、洋上構造物の設置後に、例えば堆積物の除去もしくは蓄積および/または研削防止の裏込めによって変わる可能性があることが理解されるものとする。
【0033】
具体的には、ケーブル案内機構の配置は、前述の高さでも海底ケーブルが第1の中空構造要素の外に安全に案内されることを可能にする。これは、複雑かつ高コストの手法で海底ケーブルを案内する必要なく、0mと、5mとの間、好ましくは8mとの間の範囲でシーリング処置および/またはグラウト注入を実行することを可能にする。
【0034】
本願による洋上風力エネルギーシステムの好ましい実施形態によれば、基礎は第2の中空構造要素を備えることができる。第2の中空構造要素は、第1の中空構造要素の端部分(重複部分とも呼ばれる)を越えて(外部にまたは内部に)突出する重複部分と、水底に少なくとも部分的に埋込み可能な埋込み部分とを含むことができる。第1の中空構造要素のケーブルブッシングは、(基礎の設置状態において)重複部分の少なくとも上方(すなわち、第2の中空構造要素の上端の上方)に配置できる。
【0035】
具体的には、第1の中空構造要素と第2の中空構造要素とは、重複部分において互いに挿入できる。好ましくは、互いに挿入された2つの同心チューブを基礎として形成できる。例えば、第1の中空構造要素は、第2の中空構造要素の内径と一致する外径を含むことができる。代替的に、第1の中空構造要素は、第2の中空構造要素の外径と一致する内径を有することができる。
【0036】
第1の中空構造要素は移行部片と呼び、第2の中空構造要素は埋込み要素と呼ぶこともできる。具体的には、基礎の基礎状態では、埋込み要素は、特定の埋込み深さまたは埋込み長さ(例えば、7mと20mとの間)で水底に埋め込まれるかまたは据え付けられる。
【0037】
第2の中空構造要素は、具体的には、長手方向に延びる周方向の第2の壁を備える。好ましくは、第2の壁にはケーブルブッシングが配置されない。
【0038】
具体的には、第1の中空構造要素は、端面において第2の中空構造要素から突出する移行部分を備える。具体的には、(第1および/または第2の)中空構造要素は、好ましくは、一体構造かつ管状になるように形成でき、長手方向に延びることができる。第1の中空構造要素のこの長手方向は、好ましくは、設置状態において第2の中空構造要素の長手方向と同一線上にある。
【0039】
移行部片は、はしごを有する少なくとも1つの船舶接岸デバイスを備えることができる。
【0040】
2つの中空構造要素によって形成され、設置場所で取り付け可能な基礎の利点は、具体的には、輸送される中空構造要素、具体的にはパイルの重量を有意に低減できることである。
【0041】
第1の中空構造要素は、グラウトジョイント法またはスリップジョイント法によって第2の中空構造要素に連結できる。
【0042】
第2の中空構造要素の重複部分の領域において挿入された状態または重ねられた状態にある第1の中空構造要素と第2の中空構造要素との間に、(周方向の)環状空間を設けることができる。本願による洋上風力エネルギーシステムの一実施形態によれば、第2の中空構造要素のシェル内面と、第1の中空構造要素のシェル外面との間の環状空間において、それらのシェル表面に当接するシールを周方向に配置できる。代替的に、第2の中空構造要素のシェル外面と、第1の中空構造要素のシェル内面との間の環状空間において、それらのシェル表面に当接するシールを周方向に配置できる。具体的には、第1の中空構造要素の長手方向において、シールはケーブルブッシングの下方に配置できる。
【0043】
代替的または付加的に、本願による洋上風力エネルギーシステムの好ましい実施形態によれば、第2の中空構造要素のシェル内面と、第1の中空構造要素のシェル外面との間の環状空間は、少なくとも部分的にグラウト注入できる。代替的に、第2の中空構造要素のシェル外面と、第1の中空構造要素のシェル内面との間の環状空間は、少なくとも部分的にグラウト注入できる。グラウト連結の上側縁部は、基礎の長手方向において、少なくともケーブルブッシングの下側縁部の下方に配置できる。グラウト連結は、重複領域においてケーブルブッシングの完全に下方にくるように確立できる。その場合、好ましくはシールを省略できる。
【0044】
シールが設けられる場合は、中空構造要素の取付け後にシールの体積を増大できるように、具体的には、シールが充填材によって空圧的または液圧的に加圧されるように、シールは好ましくは膨張可能とすることができる。環状空間は、具体的にはグラウト連結ではなくスリップジョイントが行われる場合に、比較的狭くすることができる。第1の中空構造要素を第2の中空構造要素の中または外に挿入するときに、小さい公差しか許容できない。シールが中空構造要素への移行部片の挿入に干渉することまたは挿入中に損傷を受けることを防止するために、シールは膨張可能にすることができる。具体的には、シールは、中空構造要素の取付け後にその体積が膨張可能になるような形状である。例えば、シールは、充填材と当たることによって、空圧的または液圧的に増大され得る。シール内には空所としてある体積を維持できる。組立て後に、その体積は、ケーブルブッシングの領域において中空構造要素と移行部片との間でシールが環状の隙間を閉じるように圧力下において充填材で充填できる。代替的に、シールは、水と接触すると膨潤する、膨潤可能な(例えば、粘土含有)材料を有することができる。
【0045】
さらに、中空構造要素の方位角の互いに対する相対的位置合わせが定められるように、第2の中空構造要素の上側の先端に配置された挿入補助具が、第1の中空構造要素の下側の先端に配置された挿入補助具と協働することができる。挿入補助具は、径方向内向きおよび径方向外向きに突出する、互いに噛み合う突起および凹所とすることができる。これは、第1の中空構造要素と第2の中空構造要素との組立てを単純化できる。
【0046】
さらなる実施形態によれば、第2の中空構造要素の埋込み部分において壁のシェル内面に、少なくとも1つの径方向内向きの止め具を形成できる。特にその代替として、第2の中空構造要素の埋込み部分において壁のシェル外面に、少なくとも1つの径方向外向きの止め具を形成できる。挿入された状態では、第1の中空構造要素の下端面は、少なくとも1つの止め具に着座できる。
【0047】
中空構造要素の壁は、金属、具体的には鋼から形成できる。好ましい実施形態によれば、(第1および/または第2の)中空構造要素の(第1および/または第2の)壁は、鉱物性建材から形成できる。
【0048】
本願による洋上風力エネルギーシステムの一実施形態によれば、鉱物性建材は、少なくとも一部にセメントを含有できる。鉱物性建材は、好ましくは、セメント、砂利、砂および水から混合されるコンクリートであり、具体的には、キャスト成形後に硬化する。
【0049】
良好な荷重負担能力のために、鉱物性建材の水セメント比(w/c)を0.45未満、特に0.35未満、より好ましくは0.3未満にできることが見出された。
【0050】
具体的には、風力タービンに生じるモーメントおよびせん断力は、EN206およびEN1992による建材の強度区分が少なくともC40/50、好ましくはC70/85、特にC100/115である場合に、中空構造要素によって十分に吸収できる。
【0051】
具体的には恒久的に水が浸入する場合の、洋上構造物、具体的には洋上風力タービンの耐用年数にわたる基礎の十分な長期安定性は、具体的には、鉱物性建材の空隙率(気泡)が確実に5%未満、好ましくは3%未満、特に2%未満であることで実現できる。水銀圧入式ポロシメーターを用いて測定される全空隙率は、28日後にP28d<12体積%、90日後にP90d<10体積%であるべきである。
【0052】
具体的には、基礎設置中に恒久的に水が浸入する場合は、先に説明したように水銀圧入式ポロシメーターによって測定されるときに鉱物性建材の空隙率が確実にP28d<12体積%であることによって、十分な耐用年数を実現できる。P28dは28日間の測定値である。好ましくは、空隙率も10体積%未満である。90日間の測定値であるP90dについて、空隙率は好ましくは10体積%未満、特に8体積%未満である。
【0053】
基礎の十分な荷重負担能力は、具体的には、鉱物性建材のセメント含有率が少なくとも350kg/m3、好ましくは少なくとも450kg/m3、より好ましくは少なくとも650kg/m3であることによって実現できる。
【0054】
さらに、壁には機械的にプレストレスを与えることができる。プレストレスを与えると、ひび割れを圧締でき、したがって、引張応力がほぼない状態に表面を維持でき、そのことは、トルク荷重が変動する場合に特に有利である。プレストレス力は、基礎壁の圧縮強さよりも好ましくは5%、特に15%超大きい。プレストレス力は、好ましくは、長手方向に加えられる。
【0055】
さらなる実施形態によれば、鉱物性建材は、特に動的な周囲条件下で、さらに大きい安定性のために(金属で)補強することができる。金属製補強材は、具体的には、鋼製補強材である。補強材は繊維または鉄筋によって提供できる。繊維製補強材は、炭素繊維、ガラス繊維または金属繊維によって実現することもできる。
【0056】
補強材は、測定点の90%で、好ましくは測定点の98%で、少なくとも26mm、好ましくは少なくとも40mmのコンクリートカバーを有するように形成できる。
【0057】
鉱物性建材は、フェライト系ステンレス補強鋼で補強できる。補強材のクロム量は18重量%を超えてはならない。補強材はモリブデンを含有できる。
【0058】
鉱物性建材は、オーステナイト系ステンレス補強鋼で補強できる。補強材は、ニッケルを少なくとも5M%、特に5M%~14M%、および/またはクロムを12M%~22M%、特に15M%~20M%有することができる。
【0059】
鉱物性建材は、フェライトオーステナイト系ステンレス補強鋼で補強できる。補強材は、クロムを少なくとも18M%、特に15M%~20M%、ニッケルを2M%~8M%、任意選択でモリブデンを有することができる。
【0060】
安定性を向上させるために、具体的にはシーリングフィルムで、鉱物性建材をシールできることが提案される。このようなシーリングホイルは、例えば、アルミニウム-ブチルシーリングホイルとすることができる。
【0061】
本願による洋上風力エネルギーシステムのさらなる実施形態によれば、ケーブル案内機構は、海底ケーブルを少なくとも垂直方向に支持するように構成された少なくとも1つの(ケーブル)支持要素を備えることができる。少なくとも垂直方向に海底ケーブルを支持する、垂直支持機能を有する少なくとも1つの支持要素を提供することによって、海底ケーブルに対する相当な荷重の軽減を既に実現できる。垂直方向の支持とは、具体的には、海底ケーブルの動きの自由が下向きおよび/または上向きに制限されることを意味する。
【0062】
さらに、本願による洋上風力エネルギーシステムの好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの支持要素の(水底面に対する)高さは、(シェル外面から出発して)径方向に段階的にまたは連続して小さくすることができる。好ましくは、少なくとも1つのウェッジ形または傾斜形状の支持要素を設けることができ、その支持要素は径方向に延びる。ウェッジ形または傾斜形状の支持要素の高さは、好ましくは、連続して小さくすることができる。例えば、ウェッジ形または傾斜形状の支持要素の下面(具体的にはフット部)は、実質的に水平または平坦でよく、上面(具体的にはヘッド部)は、勾配のついた面でよい。設置状態では、下面は、水底面に接触するかまたはさらには水底に埋め込まれていてよい。上面は、海底ケーブルを支持し、少なくとも垂直方向に支持することができる。
【0063】
さらに、複数の個別の支持要素を(例えば、複数のドロップランス(独:Falllanzen,英:drop lance)の形態で)提供でき、ケーブル案内機構の複数の支持要素は径方向に延びる。複数の個別の支持要素の場合は、径方向に配置された支持要素の高さは、徐々にまたは段階的に、すなわち支持要素間で、小さくできる。
【0064】
本事例において、高さとは、具体的には、少なくとも1つの支持要素のうちの海底ケーブルに接触する部分(例えば上面)と、水底面との間の距離を意味する(ケーブル案内機構の径方向の延在範囲全体に水底面がほとんど平坦であると仮定する)。
【0065】
基本的には、少なくとも1つの支持要素が海底ケーブルを、少なくとも垂直方向に支持するようにケーブルブッシングから水底面に確実に案内する限り、少なくとも1つの支持要素はどの材料から形成されてもよく、どの形状を有してもよい。例えば、少なくとも1つの支持要素はバルク材料によって形成できる。バルク材料は、外壁上で傾斜状になるように積み重ねることができる。次に、海底ケーブルは、バルク材料の上に敷設され、バルク材料支持要素の、形成された上面によって案内できる。具体的には、バルク材料は、特に卓越海流によって引き起こされる海底ケーブルの研削および/またはバルク材料支持要素の浸食を防ぐ、十分に大きい(平均)粒度を有することができる。
【0066】
平均粒度は、1mmと5000mmとの間とすることができる。好ましくは、平均粒度は、少なくとも200mmと5000mmとの間、さらに好ましくは、少なくとも1000mmと5000mmとの間とすることができる。
【0067】
本願による洋上風力エネルギーシステムの好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの支持要素は、プレキャストコンクリート構成要素でよい。具体的には、プレキャストコンクリート構成要素は、具体的には上述の鉱物性建材から、予め作製することができる。次に、少なくとも1つのプレキャストコンクリート要素は、基礎に隣接して(ケーブルブッシングと位置合わせされて)配置することができ、具体的には下降させることができる。洋上風力エネルギーシステムの単純な設置が可能である。
【0068】
好ましくは、ウェッジ形または傾斜形状の上述の支持要素は、単一の(1部片の)プレキャストコンクリート構成要素でよい。また、このような支持要素は、複数のプレキャストコンクリート要素から形成することができる。
【0069】
本願の他の変形例では、少なくとも1つの支持要素は、予め作製された鋼製構成要素など、予め作製された金属製構成要素でもよい。
【0070】
本願による洋上風力エネルギーシステムのさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの支持要素は、水底にアンカリング可能なロープ張力機構でよい。具体的には、複数のアンカリング可能なロープ張力機構は、ケーブル案内機構として、径方向に直列に配置できる。
【0071】
ロープ張力機構のロープまたはチェーンは、案内される海底ケーブルの周りに位置決めできる。ロープまたはチェーンの端部は、具体的には、ロープまたはチェーンが海底ケーブルの上方で緊張するように、水底に(例えば、適切なアンカリングによって)アンカリングできる。緊張によって、少なくとも垂直方向に(具体的には、水底面の方向に)作用する力を海底ケーブルに加えることができる。そのことによって、海底ケーブルを少なくとも垂直方向に支持することが可能になる。ケーブル固定モジュール(例えばスリーブ)は、ロープまたはチェーンを海底ケーブルに固定するように、海底ケーブルに配置できる。
【0072】
既に記載したように、ロープ張力機構は複数配置でき、第1の壁のシェル外面から出発するロープまたはチェーンの長さは(アンカリング状態、具体的には張力の掛かった状態で)径方向に小さくできる。具体的には、長さとは、2つのアンカーの間の長さである(いずれのアンカーも同じ深さまで埋められていると仮定する)。
【0073】
本願による洋上風力エネルギーシステムの好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの支持要素は、海底ケーブルを案内するためのケーブル受け部を備えることができる。ケーブル受け部の形状は、具体的には、海底ケーブルの(外側の)形状に対応できる。このようなケーブル受け部を設けることによって、海底ケーブルは、具体的には垂直方向に、好ましくは水平方向にも、安全に案内および支持できる。
【0074】
特に好ましくは、ケーブル受け部は、少なくとも1つの支持要素の上面を径方向に延びるチャネル様の凹所でよい。ケーブル案内機構が複数の支持要素によって形成される場合は、好ましくは各支持要素がそのような凹所を有することができる。支持要素は、それぞれの凹所が互いに位置合わせされるように位置決めできる。
【0075】
具体的には、凹所の(内側の)直径は、海底ケーブルの外径よりも少なくとも大きくすることができる。
【0076】
好ましくは、チャネル様の凹所は、3/4円(断面図)を形成でき、上向きに開いた連続的スロットとしてまたは中空構造要素から離れた方の端部に配置された開口部を有するケーブル開口部を有し、凹所の幅は、ケーブルの直径よりも大きい、好ましくはケーブルの直径に5mm加えた大きさ、より好ましくはケーブルの直径に20mm加えた大きさである。
【0077】
水流が強くても海底ケーブルへの荷重をさらに小さくするために、本願による洋上風力エネルギーシステムの好ましい実施形態によれば、ケーブル案内機構は、少なくとも1つのケーブル固定モジュールを備えることができる。少なくとも1つのケーブル固定モジュールは、海底ケーブルをケーブル案内機構に固定するように構成できる。具体的には、少なくとも1つのケーブル固定モジュールは、海底ケーブルが支持要素に固定され、具体的には、その動きの自由がさらに制限されるように、少なくとも1つの支持要素と協働することができる。
【0078】
好ましくは、少なくとも1つのケーブル固定モジュールは、クリップ機構(具体的には、少なくとも1つのクリップ)でよい。具体的には、クリップ機構は、海底ケーブルが少なくとも1つの支持要素にクランプ固定されることを可能にする。クリップ機構は、具体的には、単純な手法で設置が簡単である。
【0079】
代替的または付加的に、少なくとも1つのケーブル固定モジュールは、裏込め材、具体的にはケーブルセメント(例えば、CableCem(登録商標)とすることができる。鉱物性裏込め材を用いることによって、海底ケーブルをしっかりと固定できる。裏込め材、具体的にはケーブルセメントのさらなる利点は、その良好な熱伝導率である。ケーブルセメントの熱抵抗が低いことは、具体的には、素晴らしい熱放散を保証し、したがってケーブルハーネスのエネルギー損失を下げる。
【0080】
好ましくは、海底ケーブルをしっかりと固定するために、バルク支持要素に(例えば、ねずみ鋳鉄製の)裏込め材を使用できる。
【0081】
本願のさらなる態様は、洋上構造物、具体的には、洋上風力エネルギー構造物である。洋上構造物は、先に説明した少なくとも1つの洋上風力エネルギーシステムを備える。洋上構造物は、洋上風力エネルギーシステムの基礎によって支持された少なくとも1つの洋上デバイスを備える。
【0082】
本願のさらなる態様は、洋上構造物、具体的には、先に説明した洋上構造物のための、ケーブル案内機構である。ケーブル案内機構は、第1の中空構造要素の第1の壁のシェル外面に配置された少なくとも1つの(上述の)支持要素を備え、支持要素は、洋上構造物の第1の中空構造要素の第1の壁のケーブルブッシングを出る海底ケーブルを、ケーブルブッシングから水底面に案内するように構成されている。
【0083】
本願のさらなる態様は、洋上構造物の基礎の第1の中空構造要素の第1の壁のケーブルブッシングを出る海底ケーブルを、ケーブルブッシングから水底面に案内するための、先に説明したケーブル案内機構の使用である。
【0084】
洋上風力エネルギーシステム、洋上構造物、使用およびケーブル案内機構の特徴は、互いに自由に組み合わせ可能である。具体的には、本明細書および/または従属請求項の特徴は単独でもまたは互いに自由に組み合わせても、独立請求項の特徴を完全にまたは部分的に回避しても独立して進歩性を有することができる。
【0085】
今や、本願による洋上風力エネルギーシステム、本願による洋上構造物、本願による使用、本願によるケーブル案内機構を設計し、さらに発展させる可能性が多数存在する。そのために、一方で独立請求項に従属する請求項が、他方で図面に関連する実施形態の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】本願による洋上風力エネルギーシステムの一実施形態を有する、本願による洋上構造物の一実施形態の概略図である。
【
図2】本願による洋上風力エネルギーシステムのさらなる実施形態の概略図である。
【
図2A】本願による
図2による実施形態に使用されるケーブル案内機構の一実施形態の概略図である。
【
図2B】本願による
図2による実施形態に使用されるケーブル案内機構のさらなる実施形態の概略図である。
【
図3】本願による洋上風力エネルギーシステムのさらなる実施形態の概略図である。
【
図4】本願による洋上風力エネルギーシステムのさらなる実施形態の概略図である。
【
図5】本願による洋上風力エネルギーシステムのさらなる実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
以下では、同じ要素には同じ参照符号が用いられている。さらに、以下では、zは縦軸または垂直方向を指し、rは径方向を指す。さらに、本願において、「底(bottom)」、「下側(lower)」などおよび「上(top)」、「上側(upper)」などという表現は、具体的には縦軸zおよび具体的には基礎または洋上構造物の設置状態を基準とする。
【0088】
図1は、本願による洋上風力エネルギーシステム100の一実施形態を有する、本願による洋上構造物114の一実施形態の概略図を示す。
【0089】
洋上構造物114として、ここでは、洋上風力タービン114の形態の洋上風力エネルギー構造物114が例示的に示されている。ここで、洋上構造物114、したがって、洋上構造物114の基礎102が設置状態で示されている。以下の実施形態は、他の洋上構造物に容易に応用できる。
【0090】
洋上構造物114は、少なくとも1つの洋上風力エネルギーシステム100および少なくとも1つの洋上デバイス116(ここでは、例えば、タワー、ローター、ジェネレーターなど)を備える。具体的には発生した電気エネルギーまたは電流をさらなるエンティティに輸送するために、具体的には洋上デバイス116に海底ケーブル118が接続されている。
【0091】
本文脈において、海底ケーブル118とは、具体的には、電力ケーブルであり、具体的には、電力容量が3MWと70MWとの間、好ましくは、9MWと60MWとの間の中電圧ケーブル118、または電力容量が70MWと2.5GWとの間、好ましくは、360MWと1500MWとの間の高電圧ケーブル118である。
【0092】
洋上風力エネルギーシステム100は、基礎102と、基礎102に隣接して配置されたケーブル案内機構104とを備える。
【0093】
本実施形態では、基礎102は、第1の中空構造要素106または第1のタワー型基礎構造物106を備える。第1の中空構造要素106は、長手方向に(すなわち、中空構造要素106の長手方向軸に沿って)延びる周方向の第1の壁105を備える。
【0094】
第1の中空構造要素106の下端では、第1の壁105は下端面によって境界が定められている。第1の中空構造要素106の上端では、第1の壁は上端面によって境界が定められている。
【0095】
好ましくは、第1の中空構造要素106は円形の断面領域を有する。本願の他の変形例では、楕円形または長円形など、別の断面形状が提供され得る。具体的には、第1の中空構造要素106は、内部112を有する中空のパイル106として形成できる。海底ケーブル118は、内部112を通って下向きに案内されてよく、具体的には、内部112内で自由に吊り下げられていてよい。
【0096】
第1の壁105は、シェル内面110または内壁110と、シェル外面108または外壁108とを備える。シェル内面110は内部112を向き、シェル外面108は外を向く。
【0097】
言い換えれば、壁は、具体的には、内壁および外壁によってまたは内径および外径によって境界が定められる。壁は、具体的には、中空構造要素の外側の境界である。
【0098】
上述のように、
図1は、設置状態にある基礎102を示し、設置状態では、少なくとも1つの中空構造要素106の結合端部(独:Einbindeende,英:tie-in end)が水底120に据え付けられ(参照番号122は水底面を表す)、すなわち、一定の深さまたは結合長さ(例えば、7mと20mとの間)が水底120に結合される。本事例では、第1の中空構造要素106は水面124の上方に突出している。
【0099】
第1の壁105は、好ましくは、(先に記載したように)コンクリート製であり、具体的には、コンクリートからキャスト成形される。
【0100】
図1を見ると分かるように、長手方向(z)における壁の強度または壁厚は、第1の中空構造要素106の全長に沿って一定のままであるかまたは変わらないままである。本願の他の変形例において、中空構造要素の壁厚は変えてもよい。例えば、壁厚は、内径が大きくなり外径が一定のままであるかまたは外径が小さくなり内径が一定のままであることなどによって、上端面から下端面に向かってテーパー状になっていてよい。
【0101】
海底ケーブルを内部112から外部に(または反対方向に)案内するために、第1の壁105には第1の壁105を貫通するケーブルブッシング126が配置されている。海底ケーブル118は、ケーブルブッシング126を通って外部に出ることができる。
【0102】
本願によれば、洋上風力エネルギーシステム100は、少なくとも1つのケーブル案内機構104を備え、ケーブル案内機構104は、径方向r(および設置状態における水平方向)に延び、第1の中空構造要素106の第1の壁105のシェル外面108に配置されている。ケーブル案内機構104は、ケーブルブッシング126を出る海底ケーブル118を、ケーブルブッシング126から水底120の水底面122に案内するように構成されている。
【0103】
ケーブル案内機構104は支持要素138を備える。支持要素138は、傾斜路の形態で形成されており、具体的には、海底ケーブル118を垂直に支持するように、すなわち、少なくとも垂直方向zにおいて海底ケーブル118の動きの自由を制限するように構成されている。
【0104】
具体的には、出てきて案内される海底ケーブル118は、支持要素138の上側の(傾いた)面を通って、ケーブルブッシング126から水底120の水底面122に案内され、下向きに支持される。
【0105】
好ましくは、少なくとも1つの支持要素138は、シェル外面108から径方向に離間配置されていてよい。言い換えれば、支持要素は、好ましくは、(基本的には)第1または第2の中空構造要素に接触しない。
【0106】
シェル外面108と、支持要素138のうちのシェル外面を向く面との間の径方向の距離132は、例えば、0.2mと4mとの間、好ましくは、0.5mと2mとの間でよい。
【0107】
さらに見て分かるように、支持要素138の上端は、好ましくは、ケーブルブッシング126の下側縁部から垂直方向に離間配置されている。ケーブルブッシング126の下側縁部と、支持要素138の上端(または垂直方向の最も高い点)との間の垂直距離130は、0.5mと2mとの間でよい。
【0108】
距離130、132の寸法設定は、具体的には、海底ケーブル118の許容できる曲げ半径に応じて変わる。さらに、支持要素138の最大高さ134および/または支持要素138の傾斜路の傾きも、海底ケーブル118の曲げ半径に応じて変わってよい。ここで、支持要素138のうちの外壁108から離れる方を向く端部は、0mから7.5mの範囲にあってよい垂直高さ136を有する。
【0109】
好ましくは、第1の中空構造要素106のケーブルブッシング126は、基礎102の図示の設置状態において水底面122の上方に少なくとも5m超、特に6m超、特に好ましくは8mと12mとの間の位置にある。言い換えれば、水底面122と、ケーブルブッシング126、具体的には、ケーブルブッシング126の下側縁部との間の垂直距離は、5m超、好ましくは6m超、より好ましくは8mと12mとの間でよい。
【0110】
さらに、本実施形態では、少なくとも1つの支持要素238の高さは、径方向に、支持要素238のうちのシェル外面108を向く端部から、支持要素238のうちのシェル外面108から離れる方を向く端部まで絶えず小さくなる。
【0111】
図2から
図2Bは、洋上構造物に関する本願による洋上風力エネルギーシステム200のさらなる実施形態の概略図を示す。繰り返しを避けるために、以下では基本的に先の実施形態との違いだけを説明し、それ以外は
図1の説明を参照する。
【0112】
基礎202は、第1の中空構造要素206および第2の中空構造要素240を備える。第1の(具体的には筒状の)中空構造要素206は、移行部片206と呼ぶこともでき、第2の(具体的には筒状の)中空構造要素240は、埋込み要素240と呼ぶことができる。
【0113】
第2の中空構造要素240は、重複部分242および埋込み部分244を備える。埋込み部分244は、水底220に少なくとも部分的に埋め込まれている。
【0114】
第2の中空構造要素240の重複部分242は、(基礎の重複領域において)第1の中空構造要素206の端部分246またはさらなる重複部分246と重なっている。具体的には、見て分かるように、第1の中空構造要素206は、第2の中空構造要素240に挿入されている。具体的には、第1の中空構造要素206の下端面は、径方向に内向きに突出する少なくとも1つの(周方向の)止め具256に着座している。少なくとも1つの止め具256は、第2の壁(長手方向zに延びる周方向の壁)251の内面250に取り付けでき、例えば、溶接できる。
【0115】
本事例において、第2の中空構造要素240のシェル内面250と、第1の中空構造要素206のシェル外面208との間の重複領域には、環状空間252が形成されている。冒頭で既に説明したように、環状空間252は、図示のグラウト連結の場合は、充填材254、具体的にはグラウト(モルタル)で充填され、具体的にはグラウト注入される。充填材254は、第1の中空構造要素206が中空構造要素240に挿入された後に、環状空間252に導入される。
【0116】
端部分246または重複部分246には移行部分248が隣接している。具体的には、移行部片206は、移行部分248が第2の中空構造要素240から突出している。
【0117】
本願の変形例において、環状空間に、代替的または付加的に(膨張可能な)シールを配置することができる。さらに、本願の変形例において、中空構造要素を互いに対して位置合わせするために、少なくとも1つの挿入補助具、位置合わせ補助具などを設けることができる。
【0118】
さらに、洋上風力エネルギーシステム200はここでは、(単一の)傾斜形状の支持要素238を備えたケーブル案内機構204を備える。支持要素238は、好ましくは、プレキャストコンクリート要素238でよい。ケーブル案内機構204の第1の実施形態の断面図は
図2Aに示されており、ケーブル案内機構204のさらなる実施形態は
図2Bに示されている。
【0119】
支持要素238は、具体的には一体形成されており、フット部233と、上面237を有するヘッド部235と、フット部233とヘッド部235とを接続する接続部231とを備えることができる。具体的には、フット部233によって支持要素238を水底面222上に支持できる。
【0120】
好ましくは、海底ケーブル218を案内するためのケーブル受け部260を、支持要素238に、具体的にはヘッド部235に設けることができる。見て分かるように、ケーブル受け部260の形状は、具体的には、海底ケーブル218の形状に対応する。
【0121】
図示の支持要素238は、少なくとも垂直方向に海底ケーブル218を支持する。具体的には、少なくとも下向きの(水底面222に向かう)動きの自由が、少なくとも1つの支持要素238によって制限される。
【0122】
本実施形態では、ケーブル受け部260はチャネル様の凹所260であり、凹所260は、(好ましくは、支持要素238の全長229に沿って)径方向rに延び、支持要素238の上面237に形成されている。凹所260の直径262は、海底ケーブル218の外径264よりも少なくとも大きくてよい。
【0123】
図2Aと比べて凹所260の直径262は小さく、海底ケーブル218の外径264にほぼ等しい。さらに、断面図では、凹所260は、
図2Bに示す実施形態では、円の3/4の形状をしており、
図2Aでは半円形である。
【0124】
海底ケーブル218をしっかりと固定するために、任意選択で、少なくとも1つのケーブル固定モジュール266を設けることができる(
図2B参照)。ケーブル固定モジュール266は、海底ケーブル218をケーブル案内機構204に、具体的には少なくとも1つの支持要素238に固定するように構成されている。具体的には、
図2Bにおいて、本事例では2つのクリップ266の形態のクリップ機構266が設けられている。
【0125】
例えば、
図2Aによる実施形態では、海底ケーブル218を受け部260に配置した後に(あるいはその前に)、海底ケーブルおよび受け部に裏込め材(図示せず)を、具体的にはケーブルセメントをグラウト注入することも考えられる。
【0126】
図3は、洋上構造物に関する本願による洋上風力エネルギーシステム300のさらなる実施形態の概略図を示す。繰り返しを避けるために、以下では基本的に先の実施形態との違いだけを説明し、それ以外は
図1から
図2Bの検討を参照する。
【0127】
まず、本実施形態では、第2の中空構造要素340のシェル外面358と、第1の中空構造要素306のシェル内面310との間に、環状空間352が形成されている。環状空間352は、一例としてグラウト354(モルタル)で充填されている。見て分かるように、第2の中空構造要素340の埋込み部分344において、第2の壁351のシェル外面358に、少なくとも1つの径方向外向きの止め具356が形成されている。
【0128】
ケーブル案内機構304は、複数の支持要素338.1、338.2を備える(話を簡単にするために、ここでは2つの支持要素338.1、338.2だけが例示的に示されている)。見て分かるように、支持要素338.1、338.2は、異なる高さまたは水底面322までの距離を有する。言い換えれば、本実施形態では、支持要素338.1、338.2の高さは、径方向において最初の支持要素338.1から最後の支持要素338.2まで段階的に小さくなる。具体的には、異なるロープ長さが提供される。
【0129】
本実施形態では、少なくとも1つの支持要素338.1、338.2は、水底320にアンカリング可能なロープ張力機構338.1、338である。ロープ張力機構338.1、338.2は、ロープ370(またはチェーン)を備え、その端部はそれぞれ、水底320に少なくとも部分的に埋められたアンカー372に接続されている。
【0130】
海底ケーブル318が少なくとも1つの垂直方向において支持されるように、ロープ張力機構338.1、338.2のロープ370は、海底ケーブル318の周りに張力が掛けられる。具体的には、張力が掛けられたロープ370によって海底ケーブル318に(矢印で示された)力が加えられる。そうすることによって、海底ケーブル318をケーブルブッシング326から水底面322に安全に案内できる。
【0131】
海底ケーブル318を支持要素338.1、338.2に固定するために、クリップ機構またはステープル機構など、少なくとも1つの(不図示の)ケーブル固定モジュールを任意選択で設けることができる。付加的に、海底ケーブル318は、(等間隔に)離間して固定的に取り付けられた(不図示の)ケーブル固定モジュールを有することができ、そのケーブル固定モジュールにロープを固定できる。例えば、海底ケーブルにスリーブを設けることができる。
【0132】
図4は、洋上構造物に関する本願による洋上風力エネルギーシステム400のさらなる実施形態の概略図を示す。繰り返しを避けるために、以下では基本的に先の実施形態との違いだけを説明し、それ以外は
図1から
図3の説明を参照する。
【0133】
図3とは異なり、ケーブル受け部460としてのチャネル様の凹所460を有する複数の支持要素438.1、438.2(話を簡単にするために、例として2つの支持要素438.1、438.2だけが示されている)が配置されている。支持要素438.1、438.2は、水底420にしっかりとアンカリングできる。
【0134】
見て分かるように、支持要素438.1、438.2は、異なる高さまたは水底面422までの距離を有する。言い換えれば、本実施形態では、支持要素438.1、438.2の高さは、径方向において最初の支持要素438.1から最後の支持要素438.2に段階的に小さくなる。
【0135】
図5は、洋上構造物に関する本願による洋上風力エネルギーシステム400のさらなる実施形態の概略図を示す。繰り返しを避けるために、以下では基本的に先行する実施形態との違いだけを説明し、それ以外は
図1から
図4の説明を参照する。
【0136】
ここでは、少なくとも1つの支持要素538は、バルク材料580によって形成されている。(例えば、岩石580の集合体の形態の)バルク材料580は、好ましくはある距離の位置で、外壁508に対して傾斜を成すことができる。
【0137】
次に、海底ケーブル518は、バルク材料580の上に敷設され、バルク材料支持要素538の、形成された上面(具体的には、十分に幅広い傾いた平坦領域)を通して案内できる。具体的には、バルク材料580は、特に卓越海流によって引き起こされる海底ケーブルの研削および/またはバルク材料支持要素538の浸食を防ぐ、十分に大きい(平均)粒度を有することができる。
【0138】
平均粒度は、1mmと5000mmとの間とすることができる。好ましくは、平均粒度は少なくとも200mmと5000mmとの間、さらに好ましくは少なくとも1000mmと5000mmとの間とすることができる。
【0139】
好ましくは、裏込め材582(例えば、グラウト、ねずみ鋳鉄、ケーブルセメントなど)を、バルク支持要素538の上面に、具体的には、海底ケーブル518を少なくとも部分的に覆うように打設できる。このように、海底ケーブル518はさらにしっかりと固定できる。
【0140】
各実施形態を互いに組み合わせできることが理解されるものとする。例えば、異なる支持要素を互いに組み合わせでき、かつ/または異なるケーブル案内機構を異なる基礎と組み合わせでき、例えば、ケーブル案内機構300は、
図1または
図2による基礎と共に使用できる。