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特許7462117レーダーセンサおよび信号伝達発光モジュールを含む車両アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】レーダーセンサおよび信号伝達発光モジュールを含む車両アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20240328BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20240328BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20240328BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
G01S7/03 246
G01S13/931
H01Q1/32 Z
H01Q1/42
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023533384
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2021082051
(87)【国際公開番号】W WO2022117351
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】2012495
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、アルボー
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、ルノー
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102011115952(DE,A1)
【文献】国際公開第2020/184103(WO,A1)
【文献】特開2020-053918(JP,A)
【文献】特開2005-009922(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0158111(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
H01Q 1/32
H01Q 1/42
B60Q 1/00- 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)向けの車両アセンブリ(1)であって、
- 波長(λ)範囲(Δ1)にわたってレーダー波(R1)を放射するよう構成されているレーダーセンサ(10)と、
- 信号伝達機能(f1)を実行するよう構成されている発光モジュール(13)と、
を含み、
- 前記発光モジュール(13)は、副層(14)とサブ波長構造の誘電体素子を形成するパターン(150)の層(15)とを含み、前記パターン(150)の繰り返し周期(Λ1、Λ2)は前記範囲(Δ1)内の波長(λ)の4分の1未満であることを特徴とし、前記発光モジュール(13)の全厚(e0)は、前記副層(14)と前記パターン(150)の前記層(15)の等価屈折率(neq)の2倍に前記レーダー波(R1)の入射角(θ)に対応する屈折角(r)のコサインを乗じたもので前記範囲内の波長(λ)を割ったもののm倍(mは整数である)と等しいことを特徴とする、車両アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記レーダーセンサ(11)は、ミリ波、極超短波、またはマイクロ波のレーダーセンサである、請求項1に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記レーダー波(R1)は、100MHz~5GHzの範囲の周波数帯域にわたって放射される、請求項2に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記パターン(150)の前記繰り返し周期(Λ1、Λ2)は、前記レーダー波(R1)内の前記波長(λ)の10分の1未満である、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記パターン(150)は、円筒プリズム、直方体プリズム、ピラミッド型プリズム、立方体プリズム、または複数のトーラスから成る部分である、請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記パターン(150)は0.4mm未満の寸法(a1、a2)を有する、請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項7】
前記全厚(e0)は、前記パターン(150)の高さ(h1)および前記副層(14)の厚さ(e2)により形成される、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記入射角(θ)がゼロと等しい場合は、前記全厚(e0)は、前記等価屈折率(neq)の2倍で前記波長(λ)を割ったものと等しい、請求項7に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記全厚(e0)はarctan(d1/(2e4))と等しい入射角(θ)を用いて規定され、e4は前記レーダーセンサ(11)と前記発光モジュール(13)の間の距離であり、d1は前記レーダーセンサ(11)の放射アンテナ(100)と受信アンテナ(101)の間の距離である、請求項1から8のうちのいずれか一項に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項10】
前記発光モジュール(13)は反射層(16)をさらに含み、前記発光モジュール(13)の全厚(e0)は、前記副層(14)と前記パターン(150)の前記層(15)と前記反射層(16)の等価屈折率(neq)の2倍に前記レーダー波(R1)の入射角(θ)に対応する屈折角(r)のコサインを乗じたもので前記範囲内の波長(λ)を割ったもののm倍(mは整数)と等しい、請求項1から9のうちのいずれか一項に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項11】
前記等価屈折率(neq)は、前記レーダーセンサ(10)の視野(FOV)の中心と等しい前記レーダー波(R1)の入射角(θ)に対して算出される、請求項1から10のうちのいずれか一項に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項12】
前記発光モジュール(13)は、昼光発光モジュール、指示灯、再帰反射器、またはハイマウントストップランプである、請求項1から11のうちのいずれか一項に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項13】
波長(λ)範囲(Δ1)にわたってレーダー波(R1)を放射するよう構成されているレーダーセンサ(10)へ向けて配置され、信号伝達機能(f1)を実行するよう構成されて副層(14)とパターン(150)の層(15)とを含む発光モジュール(13)であって、前記パターン(150)の前記層(15)はサブ波長構造の誘電体素子を形成して前記パターン(150)の繰り返し周期(Λ)は前記範囲(Δ1)内の波長(λ)の4分の1未満であることを特徴とし、前記発光モジュール(13)の全厚(e0)は、前記副層(14)と前記パターン(150)の前記層(15)の等価屈折率(neq)の2倍に前記レーダー波(R1)の入射角(θ)に対応する屈折角(r)のコサインを乗じたもので前記波長(λ)を割ったもののm倍(mは整数である)と等しいことを特徴とする、発光モジュール(13)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両向けの車両アセンブリに関する。本発明は自動車において特定の用途があるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
ますます多くのレーダーセンサが、自動車の外部環境にある物体を検出し、自動車の角度位置を推定して、それに応じて自動非常ブレーキ機能、速度制御機能、またはさらに死角検出機能を実行するために用いられている。従来、こうしたレーダーセンサは自動車のバンパーの裏側に取り付けられた。
【0003】
この先行技術の一つの欠点は、バンパー裏への一体化は、バンパーへ塗布される金属化塗料の層および前記バンパーの湾曲形状のためにレーダーセンサの性能を低下させることである。これにより、物体の角度位置の推定が悪化する。
【発明の概要】
【0004】
この文脈においては、本発明の目的は、前述の欠点への対処を可能とする車両アセンブリを提案することである。
【0005】
この目的のため、本発明は車両向けの車両アセンブリを提案し、前記車両アセンブリは、
- 波長範囲にわたってレーダー波を放射するよう構成されているレーダーセンサと、
- 信号伝達機能を実行するよう構成されている発光モジュールと、
を含み、
- 前記発光モジュールは、副層とサブ波長構造の誘電体素子を形成するパターンの層とを含み、パターンの繰り返し周期は前記範囲内の波長の4分の1未満であることを特徴とし、前記発光モジュールの全厚は、前記副層と前記パターンの層の等価屈折率の2倍にレーダー波の入射角に対応する屈折角のコサインを乗じたもので前記範囲内の波長を割ったもののm倍(mは整数である)と等しいことを特徴とする。
【0006】
非限定的な実施形態によれば、車両アセンブリはさらに、以下の中から選択される1つまたは複数の更なる特徴を、単独または任意の技術的に可能な組み合わせで含むことができる。
【0007】
非限定的な一実施形態によれば、前記レーダーセンサはミリ波、極超短波、またはマイクロ波のレーダーセンサである。
【0008】
非限定的な一実施形態によれば、前記レーダー波は100MHz~5GHzの範囲の周波数帯域にわたって放射される。
【0009】
非限定的な一実施形態によれば、パターンの前記繰り返し周期は、レーダー波の前記波長の10分の1未満である。
【0010】
非限定的な一実施形態によれば、前記パターンは円筒プリズム、直方体プリズム、ピラミッド型プリズム、立方体プリズム、または複数のトーラスから成る部分である。
【0011】
非限定的な一実施形態によれば、パターンは0.4mm未満の寸法を有する。
【0012】
非限定的な一実施形態によれば、前記全厚は前記パターンの高さおよび前記副層の厚さから成る。
【0013】
非限定的な一実施形態によれば、入射角がゼロと等しい場合は、全厚は、等価屈折率の2倍で前記波長を割ったものと等しい。
【0014】
非限定的な一実施形態によれば、全厚はarctan(d1/(2e4))と等しい入射角を用いて規定され、e4は前記レーダーセンサと前記発光モジュールの間の距離であり、d1は前記レーダーセンサの放射アンテナと受信アンテナの間の距離である。
【0015】
非限定的な一実施形態によれば、前記発光モジュールは反射層をさらに含み、前記発光モジュールの全厚は、前記副層と前記パターンの層と前記反射層の等価屈折率の2倍にレーダー波の入射角に対応する屈折角のコサインを乗じたもので前記範囲内の波長を割ったもののm倍(mは整数である)と等しい。
【0016】
非限定的な一実施形態によれば、等価屈折率は、前記レーダーセンサの視野の中心と等しいレーダー波の入射角に対して計算される。
【0017】
非限定的な一実施形態によれば、前記発光モジュールは昼光発光モジュール、指示灯、再帰反射器、またはハイマウントストップランプである。
【0018】
また、波長範囲にわたってレーダー波を放射するよう構成されているレーダーセンサへ向けて配置される発光モジュールが提案され、前記発光モジュールは信号伝達機能を実行するよう構成されて、副層とパターンの層とを含み、前記パターンの層はサブ波長構造の誘電体素子を形成してパターンの繰り返し周期は前記範囲内の波長の4分の1未満であることを特徴とし、前記発光モジュールの全厚は、前記副層と前記パターンの層の等価屈折率の2倍にレーダー波の入射角に対応する屈折角のコサインを乗じたもので前記波長を割ったもののm倍(mは整数である)と等しいことを特徴とする。
【0019】
本発明およびその様々な用途は、以下の明細書を読み、添付の図を参照することでより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の非限定的な一実施形態に係る車両アセンブリの概略図であり、前記車両アセンブリはレーダーセンサと発光モジュールとを含む。
図2】非限定的な一実施形態に係る図1のレーダーセンサにより放射され、図1の前記発光モジュールで部分的に反射されるレーダー波の模式図である。
図3】非限定的な一実施形態に係る図1の発光モジュールの模式図であり、前記発光モジュールは副層とパターンの層とを含む。
図4】非限定的な一実施形態に係る図3の発光モジュールのパターンの層のパターンの局所的領域の斜視図である。
図5】非限定的な一実施形態に係る図1のレーダーセンサにより放射され、図1の前記発光モジュールで反射されるレーダー波の模式図であり、前記発光モジュールは反射層である更なる層を含む。
【0021】
様々な図で現れる構造または機能が同一の要素は、特に指定のない限り、同じ参照符号を使用する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る車両2の車両アセンブリ1について、図1図5を参照して説明する。車両アセンブリ1は車両システム1とも呼ばれる。非限定的な一実施形態では、車両2は自動車である。自動車は任意の種類の電動車両を意味すると理解される。この実施形態は、明細書の残りの部分を通して非限定的な例であるとみなされる。したがって、明細書の残りの部分を通して車両2は自動車2とも呼ばれる。非限定的な別の実施形態では、車両アセンブリ1は自動車2の前部または後部にある照明装置または信号装置の中に配置される。
【0023】
図1に示されるように、車両2向けの照明装置は、
- 視野FOVを有し、前記視野FOV内に波長λの範囲Δ1にわたってレーダー波R1を放射するよう構成されているレーダーセンサ10と、
- 機能f1とも呼ばれる信号伝達機能f1を実行するよう構成されている発光モジュール13と、を含む。したがって、この照明装置は、信号伝達発光モジュール13とも呼ばれる。
【0024】
車両アセンブリ1は、外側出力レンズ12をさらに含む。外側出力レンズ12は、発光モジュール13の一部を形成しても、しなくてもよい。
【0025】
レーダーセンサ10について以下で説明する。図1に示されるように、レーダーセンサ10は発光モジュール13へ向けて配置される。非限定的な一実施形態では、レーダーセンサ10はミリ波(24GHz~300GHz)、極超短波(300MHz~81GHz)、またはマイクロ波(1GHz~300GHz)のレーダーセンサである。非限定的な別の一実施形態では、レーダーセンサ10は76GHz~81GHzの範囲内のレーダー周波数で動作する。非限定的な一実施形態では、レーダー波R1は100MHz~5GHzの範囲の周波数帯域にわたって放射される。したがって、非限定的な一例では、センサが77GHzのレーダー周波数、つまり3.95mmの波長λで1GHzの周波数帯域で動作する場合、レーダーセンサ10は76.5GHzから775GHzの周波数帯域にわたって動作する。それゆえ、レーダー波R1は76.5GHzから77.5GHzの周波数範囲、つまり3.87mmから392mmの波長λの範囲Δ1にわたって放射される。したがって、非限定的な別の例では、レーダーセンサ10が78.5GHzのレーダー周波数で5GHzの周波数帯域で動作する場合、レーダーセンサ10は76GHzから81GHzの周波数帯域にわたって動作する。それゆえ、レーダー波R1は76GHzから81GHzの周波数範囲、つまり3.701mmから3.945mmの波長λの範囲Δ1にわたって放射される。
【0026】
図2に示されるように、放射されたレーダー波R1は、入射角θで発光モジュール13に到達する。非限定的な一実施形態では、入射角θは0°~±30°の範囲である。したがって、視野FOVは-30°~+30°の間で変化する。視野FOVの中心は、車両軸とも呼ばれる車両の前後軸に対して0°の角度にある。したがって、非限定的な別の実施形態では、視野FOVは-90°~+45°の間で変化する。視野FOVの中心は車両軸に対して-45°の角度にあり、発光モジュール13へのレーダー波R1の入射角θは0°に近いままである(車両アセンブリ1は車両軸に対して約45°に位置する)。
【0027】
レーダーセンサ10は、レーダー波R1を放射することで自動車2の外部環境を走査するよう構成される。したがって、図1に示されるように、レーダーセンサ10は、
- 一次レーダー波R1とも呼ばれるレーダー波R1を放射するよう構成されている少なくとも1つの放射アンテナ100と、
- 二次レーダー波R2または反射レーダー波R2とも呼ばれるレーダー波R2を受信するよう構成されている少なくとも2つの受信アンテナ101と、
を含む。
【0028】
レーダーセンサ10は、一次レーダー波R1を生成するよう構成されている少なくとも1つの放射器103と、代わりに受信される二次レーダー波R2を処理するよう構成されている少なくとも1つの受信機104とをさらに含む。非限定的な一実施形態では、一つの電子部品を放射機能と受信機能の2つに用いることができる。したがって、1つまたは複数の送受信機が存在する。前記放射器103は、後で放射アンテナ100により放射される一次レーダー波R1を生成し、このレーダー波は、自動車2の外部環境にある物体3(この場合は、図示されている非限定的な例における歩行者)に遭遇すると、前記物体3で反射する。このように反射されたレーダー波は、レーダーセンサ10へと放射されて戻る波である。これらの波は、受信アンテナ101で受信される二次レーダー波R2である。これらの波は、レーダーセンサ10へ向けて再送信されるレーダー波である。非限定的な一実施形態では、一次レーダー波R1および二次レーダー波R2は無線周波数波である。非限定的な一実施形態では、レーダーセンサ10は複数の放射器103および複数の受信機104を含む。
【0029】
アンテナ100とも呼ばれる放射アンテナ100は、放射器103により生成される一次レーダー波R1を放射するよう構成される。アンテナ101とも呼ばれる受信アンテナ101は、二次レーダー波R2を受信して、後でこの二次レーダー波R2を処理する受信機104へこの二次レーダー波R2を送信するよう構成される。自動車2の外部環境に位置する物体3の自動車2に対する角度位置の推測を可能とする位相シフトが受信アンテナ101により受信される複数の二次レーダー波R2の間に存在する。非限定的な実施形態では、アンテナ100、101はパッチアンテナまたはスロットアンテナである。
【0030】
非限定的な一実施形態では、アンテナ100、101、放射器103、および受信機104はプリント基板105上に配置される。非限定的な一実施形態では、プリント基板は、PCBA(プリント基板アセンブリ)とも呼ばれる硬いプリント基板、または「フレックスボード」とも呼ばれるフレキシブルプリント基板である。
【0031】
レーダーセンサ10は、放射器103および受信機104を制御するよう構成されている電子制御装置106をさらに含む。レーダーセンサは当業者には既知であるため、本明細書でより詳細に説明されることはない。
【0032】
発光モジュール13について以下で説明する。発光モジュール13は、信号伝達機能f1を実行するよう構成される。非限定的な実施形態では、前記発光モジュール13は昼光発光モジュール、指示灯、再帰反射器、またはハイマウントストップランプである。
【0033】
発光モジュール13は、波長範囲Δ1内の波長λの程度の等価屈折率neqを有する。n1は信号伝達機能f1の(したがって、以下で説明する、光学層15とも呼ばれる層15の)光学設計のために可変でありえて、これは等価屈折率neqが可変であることを意味することに留意されたい。このことは、以下で説明する厚さe0の計算において考慮する必要がある。
【0034】
図2および図3に示されるように、発光モジュール13は副層14とパターン150の層15とを含む。副層14は、パターン150の層15を保持するよう構成される。副層14はレーダーセンサ10の真向かいに配置される。副層14は屈折率n2を有する。非限定的な実施形態では、副層14はプラスチック、ガラス、またはセラミック材料で作られる。非限定的な一例では、プラスチックはポリカーボネートである。パターン150の層15は、サブ波長構造の誘電体素子を形成する。パターン150の層15は、パターン150およびそれらの間隔により決まる、局所的屈折率n1とも呼ばれる屈折率n1を有する。パターン150は、信号伝達機能f1を実行するための光学設計がなされる際に規定される。非限定的な実施形態では、パターン150は可視光ガイドにおいて光を分離するのに用いられる、または発光モジュール13により放射された光線を整形するのに用いられる。パターン150は、発光モジュール13の光線に対する規則に準拠するよう規定され、機能f1がオンにされた際の目に見えるその外観は美的観点で規定される。したがって、特に光学層15のいくつかのバージョンがレーダーセンサ10の有無を考慮することなしに作り出されることがないような光学設計が強いられる。
【0035】
非限定的な実施形態では、誘電体素子はプラスチック、ガラス、またはセラミック材料で作られる。非限定的な一例では、プラスチックはポリカーボネートである。注意点として、誘電材料は非導電であり、それゆえ、導電材料とは異なりレーダー波R1が通ることができる。したがって、レーダー波R1がレーダーセンサ10により放射される際は、レーダー波R1はまず副層14、次にパターン150の層15に遭遇し、最終的に外側出力レンズ12に遭遇する。
【0036】
「構造化(された)」は、層15は構造物とも呼ばれるパターン150を含む、ということを意味すると理解される。「サブ波長」は、構造化された誘電材料は前記範囲Δ1内の波長λよりも小さな規模である、ということを意味すると理解される。層15のパターン150はサブ波長であるという事実により、層15を可変屈折率の層としてモデル化することが可能となる。さもなければ、層15は回折光学素子であるとみなさなければならなくなるであろう。
【0037】
層15のパターン150の局所的領域Z1の図である図4に示されるように、パターン150は、a1(幅)、a2(幅)、h1(高さ)の寸法を有する。非限定的な実施形態では、パターン150は、円筒プリズム(円柱とも呼ばれる)、直方体プリズム(矩形柱とも呼ばれる)、ピラミッド型プリズム(角錐柱とも呼ばれる)、立方体プリズム(四角柱とも呼ばれる)(後者の場合が図4に示されている)、またはさらに複数のトーラスから成る部分である。また、パターン150は任意の他の平行六面体とみなすこともできる。非限定的な一実施形態では、パターン150は0.4mm未満の寸法a1およびa2を有する。この値は、前記範囲Δ1内の波長λと比べて非常に小さい。たとえば、波長λは、77GHzの周波数に対して4mmであり、この場合はa1およびa2の値はλ/10とほぼ等しい。
【0038】
図3および図4に示されるように、パターン150の層15は、それぞれがパターン150と前記パターン150を取り囲む空気で満たされた部分を含む、個々のセル152から成る。図3に示される非限定的な別の一実施形態では、パターン150は、層15と副層14の間の境界面に近接している(隣接している)。この非限定的な別の実施形態は、形状がピラミッドまたはトーラスから成る部分であるパターン150に対して当てはまる。個々のセル152は、構造物150の繰り返し周期Λにより規定され、この周期はパターン150の繰り返し周期Λ、またはさらに格子周期Λとも呼ばれ、Λ=Λ1×Λ2である。Λ1は(図4に示される)第1方向Axでの格子周期であり、Λ2は(図4に示される)第2方向Ayでの格子周期である。AxおよびAyは、互いに並行ではない任意の方向である。非限定的な一実施形態では、第2方向Ayは第1方向Axに対して垂直である。非限定的な別の例では、個々のセル152は、正方形、六角形、平行四辺形、または層15と副層14の間の境界面を周期的に並べられるようにする任意の他の形状である。第1方向Axおよび第2方向Ayに対して垂直な第3方向はAzと表され、これらの方向は参照フレームAx、Ay、Azを共に形成する。
【0039】
非限定的な第1実施形態では、層15を形成するサブ波長構造の誘電体素子は一定の屈折率n1を有する。この誘電体素子は、周期的なサブ波長構造の誘電体素子である。パターン150の寸法a1およびa2は一定のままであり、Λ1およびΛ2も一定である。つまり、パターン150は、第1方向Axに互いに同一の間隔で離間しており、第2方向Ayに同一の間隔で離間している。つまり、層15は、(図4に示されるように)パターン150間に第1方向Axに同一の間隔151x、第2方向Ayに同一の間隔151yを有する、つまり、パターン150間には同じ量の空気が存在する。
【0040】
非限定的な第2実施形態では、層15を形成するサブ波長構造の誘電体素子は可変屈折率n1を有する。非限定的な別の第1実施形態では、この誘電体素子はサブ波長構造の誘電体素子である周期的なセルである。パターン150の寸法a1およびa2は、層15の屈折率n1を変化させるために層15に沿って変化するが、Λ1およびΛ2は一定である。非限定的な別の第2実施形態では、この誘電体素子はサブ波長構造の誘電体素子である非周期的なセルである。Λ1およびΛ2は、層15の屈折率n1を変化させるために層15に沿って変化するが、パターン150の寸法a1およびa2は一定のままとすることができる。層15は、パターン150間に可変する間隔151xおよび151yを含む、つまり、パターン150間に異なる量の空気が存在する。したがって、この別の第2実施形態では、層15の屈折率を変化させるために、Λ1およびΛ2ならびにパターン150の寸法a1およびa2をも変化させることも可能である。非限定的な一例では、トーラスからなる部分の形のパターン150では、パターン150間の湾曲部の半径は可変である。非限定的な別の例では、角錐形のパターン150では、変化するのは切り取られる部分である。
【0041】
「サブ波長」は、格子周期Λ1およびΛ2が波長λの前記範囲Δ1内の波長λの4分の1未満である、ということを意味すると理解される。非限定的な一例では、考慮される波長λは、前記範囲Δ1内の波長で最短のものである。したがって、Λ1<λ/4であり、Λ2<λ/4である。非限定的な一実施形態では、格子周期Λ1およびΛ2は、前記波長λの10分の1未満である。したがって、Λ1<λ/10であり、Λ2<λ/10である。この波長λは前記範囲Δ1から選択され、以下の式で用いられるものであることに留意されたい。
【0042】
図2に示されるように、レーダー波R1がレーダーセンサ10により放射されると、レーダー波R1は厚さe0を有する発光モジュール13まで進む。レーダー波R1は、屈折角rに対応する入射角θで発光モジュール13に到達する。レーダー波R1は発光モジュール13で反射されて2つの反射波を生成し、そのうちの一つのR11は発光モジュール13の副層14の外面で反射されたもので、他方は発光モジュール13の内側で反射されたものである。2つの反射波R11およびR12は、一次反射波と呼ばれる、レーダーセンサ10へ戻る反射波である。これらは寄生反射である。入射角θが0°とは異なる場合、対応する屈折角rも0°とは異なる。これら2つの反射波R11とR12の間の、位相シフトΔφとも呼ばれる位相差Δφは、以下と等しい。
【数1】
ここで、
- neqは副層14と層15の等価屈折率であり、
- δは2e0/cos(r)と等しい、材料内の反射波R12の進路であり、
- nδ/λは材料を通る進路による位相シフトであり、
- πは副層14およびパターン150の層15内での内部反射による位相シフトであり、
- ((2e0tan(r)sin(θ))/λ)は反射波R11の反射点Pt1と反射波R12の出現点Pt2の間の差による空気中での位相シフトである。
【0043】
sin(θ)=neq×sin(r)なので、以下が得られる。
【数2】
【0044】
すなわち、
【数3】
であり、これは屈折角rの値に関係なく当てはまる。
【0045】
反射波R11およびR12はレーダーセンサ10の方へ戻るので、これらの反射波はレーダーセンサ10に対する外乱を引き起こし、つまり信号対雑音比の減衰を引き起こす。これらの外乱を取り除くため、発光モジュール13の全厚e0は、相殺的干渉が作り出されるように反射波R11およびR12を逆位相とするように規定される。相殺的干渉を得るため、2つの反射波R11とR12の間の位相差Δφは2πを法とするπと等しくなければならない。したがって、Δφ=(2m+1)*πであり、mは自然数である。それゆえ、以下が得られる。
【数4】
【0046】
すなわち、
e0=mλ/(2neqcos(r))
とする。
【0047】
方程式e0=mλ/(2neqcos(r))は角度rの値に関係なく適用されることに留意されたい。したがって、全厚e0は、パターン150の層15と副層14の等価屈折率neqの2倍にレーダー波R1の入射角θに対応する屈折角rのコサインを乗じたもので前記波長λを割ったもののm倍(mは整数)と等しくなるような寸法とされる。それゆえ、等価屈折率neとレーダーセンサ10の動作周波数範囲にわたって用いられる波長λとに基づいて、全厚e0を前記反射波R11およびR12がお互いに打ち消し合うように決定することができる。非限定的な一実施形態では、用いられる波長λは、許容される範囲Δ1の中心にある波長である。
【0048】
理想的な全厚e0は入射角θが0と等しい場合に規定され、mは1と等しい。θ=0の場合、r=0である。その結果、m=1に対して、発光モジュール13の理想的な全厚e0は、それゆえ、e0=λ/(2neq)である。r=0°の場合は、cos(r)=1である。
【0049】
非限定的な一実施形態では、発光モジュール13は、前記理想的な全厚e0の0.8倍~1.2倍の範囲の全厚e0を有する。この値の範囲は、レーダーセンサ10の取り得る放射角度を考慮している。入射角θの値はレーダーセンサ10の取り得る放射角度の中に含まれることに留意されたい。入射角θの取り得る値はレーダーセンサ10の技術仕様において規定され、これは、入射角θの取り得る値はレーダーセンサ10の視野内にあることを意味する。非限定的な一例では、入射角θは0°~±30°の範囲である。この0.8~1.2という値の範囲により、全厚e0の製造上の許容範囲を考慮することが可能となる。
【0050】
反射されたレーダー波R11およびR12がレーダーセンサ10の受信アンテナ101に対して最大の外乱を引き起こす入射角0の値が存在することに留意されたい。この入射角θは、入射の臨界角θと呼ばれる。非限定的な一実施形態では、この値はθ=arctan(d1/(2e4))と等しく、図2に示されるように、d1は放射アンテナ100と受信アンテナ101の間の距離であり、e4はレーダーセンサ10と発光モジュール11の間の距離である。非限定的な一例では、d1を計算するために複数の受信アンテナ101の中点が選ばれることに留意されたい。
【0051】
したがって、局所的屈折率n1の値およびレーダーセンサ10の動作周波数範囲(用いられている非限定的な例では76GHz~81GHz)にわたって用いられる波長λの値に応じて、一次反射波R11およびR12がお互いに打ち消し合うように全厚e0の値を決定することができる。反射されたレーダー波R11およびR12は、限定された領域内で発光モジュール13で反射される。
【0052】
発光モジュール13が可変の等価屈折率neqを有する場合、非限定的な一実施形態では、厚さe0は発光モジュール13の可変等価屈折率neqが見つかる領域で局所的に調整されることに留意されたい。この場合、厚さe0は発光モジュール13の表面に沿って可変である。対照的に、発光モジュール13が一定の等価屈折率neqを有する場合は、厚さe0は発光モジュール13の全表面に対して調整される。その結果、厚さe0は発光モジュール13の表面に沿って一定である。
【0053】
発光モジュール13は、パターン150の高さh1および副層14の厚さe2により形成される全厚e0を有する。全厚e0を出すために、所与のrに対してe0=mλ/(2neqcos(r))となるように、副層14の厚さe2が調整される。このように、光学設計により与えられるパターン150は変更されない。非限定的な一実施形態では、所与のrは入射の臨界角θに対応する。
【0054】
その結果、受信アンテナ101は受けるノイズが少なくなる。より良い信号対雑音比が実現される。
【0055】
等価屈折率neqは以下と等しい。
【数5】
ここで、n1はパターン150の層15の局所的屈折率であり、n2は副層14の屈折率であり、e1はパターン150の高さh1であり、e2は副層14の厚さである。発光モジュール13が屈折率分布型発光モジュールである場合、n1は、計算対象である層15のパターン150の局所的領域Z1の位置により決まることに留意されたい。したがって、等価屈折率neqは、層15の局所的領域Z1の位置により決まる。発光モジュール13が屈折率分布型モジュールではない場合、計算はパターン150の層15、すなわち、任意の領域Z1内の任意の点で行うことができる。
【0056】
パターン150の層15は、層15内の前記パターン150の局所密度τに応じて計算される局所的屈折率n1を有することに留意されたい。発光モジュール13のある点における局所密度τは、用いられる波長範囲Δ1内の波長λのうちの一つのオーダーの所与の値よりも考慮される点から小さい距離に配置される各セル152の空間占有率τr152の加重平均である。局所的屈折率n1は有効屈折率neffとも呼ばれ、入射波、すなわち一次レーダー波R1の偏光により決まる2つの有効屈折率neffTEおよびneffTMから成り、空間占有率τとも呼ばれる局所密度τの関数として表現することができて、低屈折率n0の媒質、すなわち、この場合は空気、とは対照的に高屈折率n1の媒質、すなわち、この場合はパターン150、により占有される材料の量を表す。局所密度τは、用いられる波長範囲Δ1内の波長のうちの一つのオーダーの大きさを有する領域内で高屈折率n1の媒質により占有される材料の量を表すことに留意されたい。これにより、以下が与えられる。
【数6】
【数7】
ここで、項TEは、基板の面、すなわち副層14に対して垂直な入射波、すなわち、この場合は発光モジュール13に到達するレーダー波R1の偏光を指し、TMは基板の面に平行な偏光を指し、εmaxは最も高い屈折率の媒質、すなわちパターン150の誘電率を指し、εminは最も低い屈折率の媒質、すなわち、この場合は空気の誘電率を指す。非限定的な別の実施形態では、空気は非常に低屈折率のプラスチックにより置き換えることができる。
【0057】
入射波、この場合はレーダー波R1が構造化された誘電体素子、すなわち層15に照射されていて、構造物150の繰り返し周期Λ1およびΛ2よりもずっと大きい(λ>>Λ1でλ>>Λ2)(前記範囲Δ1内の)波長λを有している場合、これは静的限界と呼ばれる伝搬形態を含んでいることに留意されたい。
【0058】
図4に示されるもののような二次元構造物150では、二次元構造物の有効屈折率neff2Dは、一次元において2つの偏光TMおよびTEの有効屈折率の平方平均を計算することで、静的限界に対応する0の位まで近似することができる。個々のセル152の空間占有率τr152は、この特定の例では以下のようになる。
【数8】
【数9】
【0059】
より一般的な例では、任意のΛ1およびΛ2を持つ任意の形状のパターン150に対して、矩形状底面の個々のセル152では、個々のセル152の空間占有率τr152は以下のようになる。
【数10】
これは、個々のセル152内の材料の体積(V152)の空の封入される容積(Λ1.Λ2.hmax)に対する比率に対応し、hmaxは個々のセル152におけるパターン150の最大高さ(すなわち、パターン150内で最も高い高さ)である。そして、
【数11】
であり、ここで(X152,Y152,0)は個々のセル152の角C1の座標で、座標(X,Y,Z)の点が材料内に位置する場合はM(X,Y,Z)=1であり、座標(X,Y,Z)の点が材料内に位置しない場合、つまり座標(X,Y,Z)の点が空中に位置する場合はM(X,Y,Z)=0である。材料内に位置する場合はこの点は個々のセル152のパターン150内に位置し、空中に位置する場合は、(非限定的な一例では、パターン150は実際には通気孔を含みうるため)この点はパターン150の内部に位置する、または位置しないことがあることに留意されたい。図4の非限定的な例では、上述されたようにhmax=h1であることに留意されたい。
【0060】
材料の体積(V152)に対するこの式は、矩形状底面の個々のセル152におけるパターン150の形状に関わらず任意の前記個々のセル152に対して当てはまることに留意されたい。したがって、Λ1およびΛ2は一つの個々のセル152から別の個々のセル152で変わることがあり、最大高さhmaxは一つのパターン150から別のパターン150で変わることがあるため、個々のセル152のそれぞれは異なる量の材料を含むことがあって、それゆえ異なる空間占有率τr152を有することがある。発光モジュール13の所与の点におけるパターン150の層15全体の空間占有率τを求めるため、用いられる波長範囲Δ1内の波長λのうちの一つのオーダーの所与の値よりも発光モジュール13上の考慮される点から小さい距離に配置される各セル152の空間占有率τr152の加重平均が計算される。この定義は、発光モジュール13のすべての点に対して当てはまる。非限定的な一実施形態では、点は座標Z=0の副層14の底面に属する。これにより、以下が与えられる。
【数12】
ここで、nは、用いられる波長範囲Δ1内の波長λのうちの一つのオーダーの所与の値よりも発光モジュール13上の考慮される点から小さい距離に配置される個々のセル152のうちのいずれか一つを指定する。
【0061】
図5に示される非限定的な一実施形態では、発光モジュール13は、レーダーセンサ10を透過する、またはわずかに吸収し、レーダー波に対する屈折率n3を有する、可視光領域の反射層16をさらに含む。この場合、前記発光モジュール13の全厚e0は、前記副層14と前記パターン150の層15と前記反射層16の等価屈折率neqの2倍にレーダー波R1の入射角θに対応する屈折角rのコサインを乗じたもので前記範囲内の波長λのm倍(mは整数である)を割ったものと等しい。したがって、前記発光モジュール13の全厚e0は、ゼロと等しい入射角θでは、前記副層14と前記パターン150の層15と前記反射層16の等価屈折率neqの2倍で前記波長λを割ったものと等しい。したがって、等価屈折率neqの計算においては、この反射層16が考慮される。それゆえ以前の計算では、屈折率n3も考慮する必要があった。反射層16は、パターン150の層15を覆う。非限定的な例では、反射層16は、パターン150を覆うインジウムまたは反射塗料の層である。
【0062】
もちろん、本発明の説明は上述された実施形態、および上述された分野に限定されない。したがって、非限定的な別の実施形態では、レーダーセンサ10は2つ以上の放射アンテナ100と3つ以上の受信アンテナ101とを含む。したがって、非限定的な一実施形態では、発光モジュール13は4つ以上の層を含みうる。それゆえ、等価屈折率neqの計算では、発光モジュール13を形成するすべての層が考慮される。したがって、非限定的な一実施形態では、車両アセンブリ1は、照明機能を実行するよう構成されて、筐体を含む更なる発光モジュールをさらに含む。したがって、更なる発光モジュールは照明発光モジュールである。非限定的な例では、前記更なる発光モジュールは前照灯、尾灯、またはフォグランプである。本実施形態では、信号伝達発光モジュール13およびレーダーセンサ10が照明発光モジュールの前記筐体に組み込まれ、信号伝達発光モジュール13は照明発光モジュールの隣に配置される。照明発光モジュールではなく信号伝達発光モジュール13の背後にレーダーセンサ10を一体化することで、照明発光モジュールの背後の空間を限定しがちな製造会社の要求から逃れることが可能となることに留意されたい。照明発光モジュールは、概して信号伝達発光モジュールよりも長手方向にずっとかさ張ることに留意されたい。それゆえ、前記照明発光モジュールの背後にレーダーセンサ10を設置するのに充分な空間はしばしば存在しない。
【0063】
したがって、具体的に説明された本発明は、以下の利点を有する。
- バンパーではなく信号伝達発光モジュール13の背後にレーダーセンサ10を一体化することで、レーダーセンサ10の性能の低下が回避される。
- レーダーセンサ10へ向けて反射する一次反射波R11およびR12を除去することができる。それゆえ、前記レーダーセンサ10の信号対雑音比はもはや低くない。
図1
図2
図3
図4
図5