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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】リモート操作システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240329BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20240329BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240329BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
H05K13/00 Z
G06Q50/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022129484
(22)【出願日】2022-08-16
(65)【公開番号】P2024026933
(43)【公開日】2024-02-29
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 章
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-068034(JP,A)
【文献】特許第7006631(JP,B2)
【文献】特許第6915279(JP,B2)
【文献】特許第6926427(JP,B2)
【文献】特開2000-353195(JP,A)
【文献】国際公開第2018/020594(WO,A1)
【文献】特許第6911488(JP,B2)
【文献】特許第6904330(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
H05K 13/00
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置と、管理装置と、複数のリモート監視装置と、記憶部と、を備え、前記作業装置にエラーが発生した場合に、前記管理装置が前記複数のリモート監視装置の中から選択したリモート監視装置に前記エラーに対応するよう指示する対応指示を送信し、前記対応指示の送信を受けた前記リモート監視装置からオペレータがエラーの解消操作を行うと前記管理装置を通じて前記作業装置が遠隔操作されて前記作業装置に発生した前記エラーが解消されるように構成されたリモート操作システムであって、
前記記憶部は、前記作業装置に発生した前記エラーに対する前記対応指示をどのような順番で送信するかを示す優先順位の情報を記憶し、
前記管理装置は、
前記エラーが発生した場合に前記記憶部に記憶された前記優先順位の情報に基づいて前記対応指示の送信先となる前記リモート監視装置を選択する送信先選択部と、
前記送信先選択部において選択された前記リモート監視装置に前記対応指示を送信する対応指示送信部と、を備え、
前記送信先選択部は、選択したリモート監視装置からの応答が無い場合、前記記憶部に記憶された前記優先順位が次位のリモート監視装置に対応指示を送信し、
前記送信先選択部は、前記優先順位が最下位のリモート監視装置からの応答が無い場合、前記優先順位が前記最下位のリモート監視装置よりも上位のリモート監視装置に再び対応指示を送信する、リモート操作システム。
【請求項2】
前記優先順位を入力して前記記憶部に記憶させる優先順位入力手段を備えた、請求項1に記載のリモート操作システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記複数のリモート監視装置を操作する複数のオペレータそれぞれのスキルデータが記録されたスキルデータベースと、前記送信先選択部が前記記憶部に記憶された前記優先順位の情報に基づいて前記対応指示の送信先となる前記リモート監視装置を選択する第1モードおよび前記送信先選択部が前記スキルデータベースに記録されたオペレータのスキルデータに基づいて前記対応指示の送信先を選択する第2モードのうちの一方を選択するモード選択手段と、を備えた請求項1に記載のリモート操作システム。
【請求項4】
前記スキルデータベースに記録された前記複数のオペレータそれぞれのスキルデータには各オペレータの作業実績のデータが含まれ、前記オペレータがエラーに対する処理を行った場合にはそのエラー処理の実績がそのオペレータの作業実績の一部として前記スキルデータベースに記録される、請求項に記載のリモート操作システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記エラーの種別ごとに前記優先順位を設定する、請求項1に記載のリモート操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業装置に発生したエラーをリモート監視装置からの操作で解消することができるリモート操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業装置にエラーが発生した場合に、そのエラーをリモート監視装置からの操作(リモート操作)で解消することができるように構成されたリモート操作システムが知られている。このようなリモート操作システムでは、作業装置にエラーが発生した場合には、そのエラーの情報(エラー情報)がリモート監視装置に送信され、その送信されたエラーの情報に基づいてリモート監視装置のオペレータがエラーを解消する操作(エラー解消操作)を行うと、その操作に基づいて作業装置が遠隔操作されて作業装置に発生したエラーが解消されるようになっている(例えば、下記の特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-015469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなリモート操作システムにおいて、リモート監視装置が複数設置されている場合には、作業装置とリモート監視装置の間に管理装置を配置することができる。このようにすれば、オペレータのスキルが蓄積されたデータ(スキルデータ)を作成して管理装置に記憶させておくことで、エラーの解消処理作業をオペレータのスキルに応じて効率的に振り分けることが可能となる。
【0005】
しかしながら、上記のように、発生したエラーに対する解消作業が、オペレータのスキルデータに基づいて機械的に振り分けられてしまうと、オペレータのスキルのデータが蓄積されるまでの間、管理装置を管理する管理者が意図している通りの効率の良いエラーの解消処理作業が行われないケースがあり得る。
【0006】
そこで本発明は、作業装置に発生したエラーの解消処理作業を効率的に行うことができるリモート操作システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のリモート操作システムは、作業装置と、管理装置と、複数のリモート監視装置と、記憶部と、を備え、前記作業装置にエラーが発生した場合に、前記管理装置が前記複数のリモート監視装置の中から選択したリモート監視装置に前記エラーに対応するよう指示する対応指示を送信し、前記対応指示の送信を受けた前記リモート監視装置からオペレータがエラーの解消操作を行うと前記管理装置を通じて前記作業装置が遠隔操作されて前記作業装置に発生した前記エラーが解消されるように構成されたリモート操作システムであって、前記記憶部は、前記作業装置に発生した前記エラーに対する前記対応指示をどのような順番で送信するかを示す優先順位の情報を記憶し、前記管理装置は、前記エラーが発生した場合に前記記憶部に記憶された前記優先順位の情報に基づいて前記対応指示の送信先となる前記リモート監視装置を選択する送信先選択部と、前記送信先選択部において選択された前記リモート監視装置に前記対応指示を送信する対応指示送信部と、を備え、前記送信先選択部は、選択したリモート監視装置からの応答が無い場合、前記記憶部に記憶された前記優先順位が次位のリモート監視装置に対応指示を送信し、前記送信先選択部は、前記優先順位が最下位のリモート監視装置からの応答が無い場合、前記優先順位が前記最下位のリモート監視装置よりも上位のリモート監視装置に再び対応指示を送信する
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業装置に発生したエラーの解消処理作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態におけるリモート操作システムの構成図
図2】本発明の一実施の形態におけるリモート操作システムにおける情報の流れを示す図
図3】本発明の一実施の形態におけるリモート操作システムを構成する作業装置の要部側面図
図4】本発明の一実施の形態におけるリモート操作システムが備える作業装置の一部の斜視図
図5】本発明の一実施の形態におけるリモート操作システムの制御系統を示すブロック図
図6】本発明の一実施の形態におけるリモート操作システムが備える管理装置のディスプレイに表示されるモード選択画面の一例を示す図
図7】本発明の一実施の形態におけるリモート操作システムが備える管理装置のディスプレイに表示される優先順位設定画面の一例を示す図
図8】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるリモート操作システムが備えるリモート監視装置のモニタに表示されるエラー発生箇所の画像の一例を示す図
図9】本発明の一実施の形態におけるリモート操作システムが備える管理装置が対応指示をリモート監視装置に送信する処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1および図2は、本発明の一実施の形態におけるリモート操作システム1を示している。リモート操作システム1は複数の作業装置2、管理装置3および複数のリモート監視装置4を備えて構成されている。各作業装置2と管理装置3の間および各リモート監視装置4と管理装置3の間はそれぞれ、有線または無線によって、相互に通信可能に繋がっている。各リモート監視装置4はそれぞれのリモート監視装置4に対応して配置されたオペレータOPによって操作される。
【0011】
各作業装置2は、本実施の形態では、基板KBに部品BHを装着する作業(部品装着作業)を行う部品装着装置から成る。作業装置2は図3に示すように、基台11、搬送コンベア12、テープフィーダ13、ヘッド移動機構14、装着ヘッド15および基板カメラ16を備えている。
【0012】
図3において、搬送コンベア12は基台11上を水平方向に延びており、一端側から他端側に向けて基板KBを水平方向に搬送する。テープフィーダ13は内蔵したスプロケット13S(図4も参照)により、リールRLに巻き付けられたキャリアテープCTを引き出して搬送する。
【0013】
キャリアテープCTには多数の部品BHが一列に並んだ状態で封入されている。テープフィーダ13はキャリアテープCTを搬送コンベア12側に向けて送ることで、部品供給位置13Kに部品BHを供給する(図3および図4)。
【0014】
ヘッド移動機構14は例えばXYテーブル機構から成り、装着ヘッド15を水平面内で移動させる。装着ヘッド15は下方に延びた複数のノズル15Nを備えている(図3および図4)。
【0015】
図3および図4において、基板カメラ16は撮像光軸を下方に向けた姿勢で装着ヘッド15に取り付けられている。基板カメラ16はヘッド移動機構14によって装着ヘッド15とともに水平面内方向に移動される。
【0016】
各作業装置2の各部、すなわち搬送コンベア12、テープフィーダ13、ヘッド移動機構14、装着ヘッド15および基板カメラ16の各動作は、その制御部である作業装置制御部17(図3)によって制御される(図5)。これにより搬送コンベア12は基板KBの搬送および位置決めを行い、各テープフィーダ13は部品供給位置13Kに部品BHを供給する。ヘッド移動機構14は装着ヘッド15を移動させ、装着ヘッド15はノズル15Nにより部品BHを吸着する(図4)。基板カメラ16は作業装置制御部17からの指令に基づいて撮像動作を行う。基板カメラ16の撮像動作によって得られた画像データは、作業装置制御部17に送られて処理される。
【0017】
作業装置2が部品装着作業を行う場合には先ず、搬送コンベア12を作動させて基板KBを搬入し、作業位置に位置決めする。基板KBが作業位置に位置決めされたらヘッド移動機構14を作動させて装着ヘッド15を基板KBの上方に移動させ、基板カメラ16に基板KBを撮像させる。基板カメラ16が基板KBを撮像したらその画像に基づいて基板KBを認識する。
【0018】
作業装置2は、基板KBを認識したら、テープフィーダ13により部品BHを供給させつつ、装着ヘッド15に部品ピックアップ動作と部品装着動作を行わせる。装着ヘッド15は、部品ピックアップ動作ではテープフィーダ13が供給する部品BHをノズル15Nにより吸着(ピックアップ)し、部品装着動作では基板KB上の所定の位置にピックアップした部品BHを装着する。
【0019】
作業装置2は、装着ヘッド15に部品ピックアップ動作と部品装着動作を繰り返し行うことによって基板KBに装着すべき全ての部品BHを装着したら、搬送コンベア12を作動させて基板KBを作業位置から搬出する。これにより基板KBの1枚当たりの部品装着作業が終了する。
【0020】
作業装置2は上記のような手順で部品装着作業を実行するが、その過程において何らかのエラーが発生することがある。本実施の形態におけるリモート操作システム1では、作業装置2にエラーが発生した場合には、そのエラーをリモート監視装置4からのリモート操作で解消することができるようになっており、以下にその説明を行う。
【0021】
図5において、作業装置制御部17は、エラー検出部21、エラー情報取得部22、エラー情報送信部23および解消操作情報受信部24を備えている。エラー検出部21は、作業装置2内に何らかのエラーが発生した場合にはこれを検出し、作業装置2の全部または一部の動作を中断させる。エラー情報取得部22は、エラー検出部21によって検出されたエラーの発生箇所(エラー発生箇所)を特定し、発生したエラーの情報(種別およびその内容)を「エラー情報」として取得する。
【0022】
エラー情報取得部22は、エラーの発生箇所が基板カメラ16によって撮像可能である場合には、ヘッド移動機構14を作動させて基板カメラ16をエラー発生箇所の上方に移動させ、エラー発生箇所を基板カメラ16に撮像させる。例えば、装着ヘッド15が、或るテープフィーダ13からの部品BHの吸着に一定回数連続して失敗していた場合には、そのテープフィーダ13の部品供給位置13Kをエラー発生箇所として特定し、部品供給位置13Kの静止画像または動画を基板カメラ16に撮像させる。
【0023】
エラー情報送信部23は、エラー情報取得部22が取得したエラー情報を管理装置3に送信する(図2)。エラー発生箇所が基板カメラ16によって撮像された場合には、そのエラー発生箇所の画像データ(静止画あるいは動画データ)は、エラー情報の一部として管理装置3に送信される。
【0024】
図5において、管理装置3は、スキルデータベース31、記憶部32、送信先選択部33および対応指示送信部34を備えている。管理装置3には管理者用入力装置35が接続されている。
【0025】
スキルデータベース31には、複数のリモート監視装置4を操作する複数のオペレータOPそれぞれのスキルデータが記録されている。各オペレータOPのスキルデータには、そのオペレータOPの作業実績(例えば、エラーの解消成功数およびその成功率、1つのエラー処理に要した時間、対応可能なエラー種別等)のデータが含まれている。そして、オペレータOPがエラーに対する処理を行った場合には、そのエラー処理の成否等を含めた実績が、そのオペレータの作業実績の一部としてスキルデータベースに記録されるようになっている。
【0026】
記憶部32には、作業装置2に発生したエラーの対応指示の送信先となり得るリモート監視装置4の優先順位の情報が記憶されている。ここで「対応指示」とは、発生したエラーに対応する指示(指令)する指示のことをいう。また「優先順位の情報」とは、作業装置2に発生したエラーに対する対応指示をどのような順番で送信するかを示す情報をいう。
【0027】
送信先選択部33は、作業装置2にエラーが発生した場合に、記憶部32に記憶された優先順位の情報あるいはスキルデータベース31に記録された各オペレータOPのスキルデータに基づいて、対応指示の送信先となるリモート監視装置4を選択する。対応指示送信部34は、送信先選択部33において選択されたリモート監視装置4に対応指示を送信する。
【0028】
本実施の形態では、各リモート監視装置4とこれを操作するオペレータOPとの組み合わせは固定したものではない。よって、各オペレータOPは任意のリモート監視装置4から操作を行うことができるが、オペレータOPはリモート監視装置4の操作を行う前に自身の識別子と自身が操作するリモート監視装置4の識別子との組み合わせを管理装置3に報告するようになっている。このため管理装置3は常にどのリモート監視装置4がどのオペレータOPによって操作されているかを把握しており、対応指示の送信先をリモート監視装置4に送信することは、そのリモート監視装置4を操作するオペレータOPに送信することを意味する。
【0029】
図5において、管理者用入力装置35は、入力操作部36とディスプレイ37を備えている。入力操作部36は、設定するリモート監視装置4の優先順位を入力してその入力したデータ(優先順位の情報)を記憶部32に記憶させる優先順位入力手段として機能する。
【0030】
管理装置3の管理者は、管理者用入力装置35の入力操作部36から所定の操作をすることによって、例えば図6に示すようなモード選択画面をディスプレイ37に表示させることができる。このモード選択画面には、図6に示すように、モード選択領域R1が設けられている。「モード選択領域R1」とは、送信先選択部33が記憶部32に記憶された優先順位の情報に基づいて対応指示の送信先となるリモート監視装置4を選択するモード(「第1モード」と称する)と、送信先選択部33がスキルデータベース31に記録されたオペレータOPのスキルデータに基づいて対応指示の送信先を選択するモード(「第2モード」と称する)のうちの一方を選択するための領域である。管理者がモード選択領域R1から第1モードと第2のモードの一方を選択したうえで確定ボタンBT1を操作すると、その選択されたモードの情報(選択されたのが第1モードであるか第2モードであるかの情報)が管理装置3に送られて、記憶部32に記憶される。
【0031】
このように本実施の形態において、入力操作部36は、送信先選択部33が記憶部32に記憶された優先順位の情報に基づいて対応指示の送信先となるリモート監視装置4を選択する第1モードと、送信先選択部33がスキルデータベース31に記録されたオペレータOPのスキルデータに基づいて対応指示の送信先を選択する第2モードのうちの一方を選択するモード選択手段としても機能する。
【0032】
図7は、管理者用入力装置35のディスプレイ37に表示された優先順位設定画面の一例を示すものである。ここに示す例では、作業装置2に発生したエラーに対する処理を、図1に示すように3台のリモート監視装置4を操作する3人のオペレータOP(OPA,OPB,OPC)にどのような順序で割り振るかを、エラーの種別(種別「1」、種別「2」,・・・)ごとに割り振ることができるようになっている。なお、図7に示す優先順位設定画面は、図6のモード選択画面で第1モードを選択した後、入力操作部36から所定の操作を行うことで表示させることができる。
【0033】
図7に示す例では、エラーの種別は複数のタブTAB(種別「1」、種別「2」、・・・)から選択することできる。優先順位は図中に示す順位入力ボックスBX1内で各オペレータOP(OPA,OPB,OPC)に対応する優先順位入力欄に「1」,「2」,・・・の数字を入力することによって指定することができる。また、優先順位が上位から下位に移行するタイミング、すなわち次のオペレータOPに移るまでの待ち時間は、図中に示す時間入力ボックスBX2内に時間(例えば図に示すように秒)を数字で入力することによって指定することができる。
【0034】
また、図7に示す例では、優先順位が最下位のオペレータOP、すなわち最後のオペレータOPを呼び出した結果、そのオペレータOPが応答しなかった場合に、優先順位が最上位(優先順位が1位)のオペレータOPに戻って改めて対応信号を送信するのか、戻らずに管理装置3の管理者に通知してエラー処理を終了するのかの処理手順(二巡目の処理手順)を手順選択領域R2から選択することができるようになっている。管理者が最後に設定ボタンBT2を操作すると、優先順位設定画面で入力した内容が確定し、その内容が管理装置3に送られて、記憶部32に記憶される。
【0035】
このように本実施の形態において、管理者用入力装置35は、優先順位を入力して記憶部32に記憶させる優先順位入力手段となっている。
【0036】
管理装置3は、作業装置2にエラーが発生してその作業装置2からエラー情報が送られてきた場合、第1モードが選択されているときには、対応指示の送信先となるリモート監視装置4(オペレータOP)を記憶部32に記憶された優先順位の情報に基づいて選択し、その選択したリモート監視装置4(オペレータOP)に対応指示を送信する。一方、第2モードが選択されているときには、対応指示の送信先となるリモート監視装置4(オペレータOP)をスキルデータベース31に記録された各オペレータOPのスキルデータに基づいて選択し、その選択したリモート監視装置4(オペレータOP)に対応指示を送信する。
【0037】
図1において、複数のリモート監視装置4それぞれは、例えばパーソナルコンピュータから構成されている。各リモート監視装置4は、図5にも示すように、リモート監視制御部41、モニタ42および入力装置43を備えている。
【0038】
図5において、リモート監視制御部41は、対応指示受信部51、エラー情報表示制御部52および解消操作情報送信部53を備えている。対応指示受信部51は管理装置3から送られてきた対応指示を受信し、エラー情報表示制御部52は、対応指示受信部51が受信した対応指示の具体的内容であるエラー情報をモニタ42に表示させる。
【0039】
図8(a)は、エラー情報表示制御部52によってモニタ42に表示されたエラー情報の一例としてのエラー発生箇所の画像GZを示している。図8(a)に示す画像GZは、前述した部品BHの吸着ミスが発生した場合におけるテープフィーダ13の部品供給位置13Kを含む領域を映し出したものであり、エラー発生箇所の画像GZの中心位置は、ノズル15Nの下端の位置(ノズル下端位置KC)に一致している。エラー発生箇所の画像GZがモニタ42に表示されたら、オペレータOPは、その画像GZを見ながら、入力装置43からエラーの解消操作を行う。
【0040】
ノズル下端位置KCは本来、部品供給位置13Kと一致しているべきであるが、エラーが発生した状態の図8(a)の画像GZでは、ノズル下端位置KCと部品供給位置13Kとが一致していない。この場合、オペレータOPは、ノズル下端位置KCがテープフィーダ13の部品供給位置13Kに一致するように、部品吸着時における装着ヘッド15の位置を移動させる操作を行う。具体的には、図8(a)の画像GZにおけるノズル下端位置KCと部品供給位置13Kとの差分がキャンセルされて図8(b)の状態になるように、部品吸着時における装着ヘッド15の位置を移動させるためのオフセット量(移動方向および移動量)を入力装置43から入力する。
【0041】
解消操作情報送信部53は、入力装置43から入力されたエラーの解消操作の情報(解消操作情報)を管理装置3に送信する。管理装置3は解消操作情報を受信したら、その受信した解消操作情報を、エラー情報の送信元である作業装置2に送信(転送)する(図2)。
【0042】
管理装置3から解消操作情報が送信(転送)された作業装置2(エラー情報を管理装置3に送信した作業装置2)は、その解消操作情報を解消操作情報受信部24によって受信する。解消操作情報を受信した作業装置2の作業装置制御部17は、受信した解消操作情報に基づいてエラー発生箇所に関連する部位を作動させることによってエラーを解消する。
【0043】
このように本実施の形態では、管理装置3から対応指示の送信を受けたリモート監視装置4からオペレータOPがエラーの解消操作を行うと、管理装置3を通じて作業装置2が遠隔操作されて作業装置2に発生したエラーが解消されるようになっている。エラーが解消したら、作業装置制御部17は、部品装着作業の中断状態を解除して、部品装着作業を再開させる。
【0044】
このように本実施の形態におけるリモート操作システム1は、作業装置2にエラーが発生した場合に、管理装置3が複数のリモート監視装置4の中から選択したリモート監視装置4にエラーに対応するよう指示する対応指示を送信し、その対応指示の送信を受けたリモート監視装置4からオペレータOPがエラーの解消操作を行うと、管理装置3を通じて作業装置2が遠隔操作されて作業装置2に発生したエラーが解消されるようになっている。管理装置3の記憶部32には、作業装置2に発生したエラーに対する対応指示の送信先となり得るリモート監視装置4の優先順位の情報が記憶されており、送信先選択部33は、エラーが発生した場合に、記憶部32に記憶された優先順位の情報に基づいて対応指示の送信先となるリモート監視装置4を選択するか、あるいは、スキルデータベースに記録された各オペレータOPのスキルデータに基づいて、対応指示の送信先となるリモート監視装置4を選択するようになっている。このため本実施の形態におけるリモート操作システム1によれば、オペレータOPの必ずしもスキルデータに頼ることなく、作業装置2に発生したエラーの解消処理作業を効率的に行うことができる。
【0045】
なお、管理者は、第2モードでは、送信先選択部33が各オペレータOPのスキルデータに基づいてどのようにリモート監視装置4を選択するかを予め設定しておくことができる。このため、例えば、一定期間内の作業量(あるいは作業時間)が少ないオペレータOPが操作するリモート監視装置4を優先的に対応指示の送信先として選択されるようにすることが可能である。
【0046】
図9は、本実施の形態におけるリモート操作システム1において、第1モードが設定されている場合に、送信先選択部33が対応指示をリモート監視装置4に送信する処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
第1モードが設定されている場合において、作業装置2からエラー情報が管理装置3に送られてきたら、送信先選択部33は先ず、そのエラーの種別を認識する(ステップST1)。そして、優先順位Nを最高位の「1」に設定(N=1)したうえで(ステップST2)、優先順位Nのリモート監視装置4を対応指示の送信先に設定し、その送信先に設定したリモート監視装置4のオペレータOPを呼び出す(ステップST3)。
【0048】
優先順位Nのリモート監視装置4のオペレータOPを読み出したら、そのオペレータOPから応答があったかどうかを判断する(ステップST4)。そして、オペレータOPから応答があった場合にはそのオペレータOPが操作するリモート監視装置4に対応指示(具体的にはエラー情報)を送信し(ステップST5)、応答がなかった場合には設定した待ち時間が経過したかどうかを調べる(ステップST6)。待ち時間が経過していなかった場合にはステップST3に戻ってオペレータOPの呼び出しを続行し、待ち時間が経過していた場合には優先順位Nが次位のリモート監視装置4に対応指示を送信すべく、優先順位Nの値に「1」を加えて(N=N+1)、優先順位Nの値を更新する(ステップST7)。
【0049】
優先順位Nの値を更新したら、その更新した優先順位Nの値が最下位の優先順位N(=Max)に相当する値(ここではオペレータOPが3人であるのでMax=3)に当たっているかどうかを調べる(ステップST8)。そして、更新した優先順位Nの値が最下位の優先順位Nに相当する値でなかった場合にはステップST3に戻って、更新した優先順位Nに相当するリモート監視装置4のオペレータOPを呼び出し、更新した優先順位Nの値が最下位の優先順位Nに相当する値であった場合には、優先順位Nが最上位(N=1)であるリモート監視装置4に戻って対応指示を送信するかどうかを判断する(ステップST9)。その結果、優先順位Nが最上位であるリモート監視装置4に戻ると判断した場合にはステップST2に戻り、戻らないと判断した場合には管理者に通知して(ステップST10)、処理を終了する。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態におけるリモート操作システム1は、作業装置2にエラーが発生した場合に複数のリモート監視装置4の中から選択したリモート監視装置4にエラーに対応するよう指示する対応指示を送信する管理装置3を備えている、そして、その管理装置3が、作業装置2に発生したエラーに対する対応指示の送信先となり得るリモート監視装置4の優先順位の情報を記憶しており、作業装置2にエラーが発生した場合には、記憶した優先順位の情報に基づいて対応指示の送信先となるリモート監視装置4を選択し、その選択したリモート監視装置4に対応指示を送信するようになっている(第1モードが設定されている場合)。このため本実施の形態におけるリモート操作システム1では、管理装置3を管理する管理者が自身のポリシーに基づいて優先順位を設定してこれを管理装置3に(詳細には記憶部32に)記憶させておくことで、オペレータOPのスキルデータに頼ることなく、作業装置2に発生したエラーの解消処理作業を効率的に行うことができる。
【0051】
また、本実施の形態におけるリモート操作システム1は、複数のリモート監視装置4を操作する複数のオペレータOPそれぞれのスキルデータが記録されたスキルデータベース31を備えるとともに、記憶された優先順位の情報に基づいて対応指示の送信先となるリモート監視装置4を選択する第1モードと、スキルデータベース31に記録されたオペレータOPのスキルデータに基づいて対応指示の送信先を選択する第2モードのうちの一方を選択することができるようになっている。このためオペレータOPのスキルに基づいて対応指示の送信先が選択されるようにすることもでき(第2モードが設定されている場合)、本実施の形態におけるリモート操作システム1によれば、従来に比して極めて効率よくエラーの解消処理作業を行うことができる。
【0052】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、作業装置2の例として部品装着装置を示したが、作業装置2は部品装着装置以外の作業装置であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
作業装置に発生したエラーの解消処理作業を効率的に行うことができるリモート操作システムを提供する。
【符号の説明】
【0054】
1 リモート操作システム
2 作業装置
3 管理装置
4 リモート監視装置
31 スキルデータベース
32 記憶部
33 送信先選択部
34 対応指示送信部
36 入力操作部(優先順位入力手段)(モード選択手段)
OP オペレータ
図1
図2
図3
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図5
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図9