(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】アダプタ及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 21/03 20060101AFI20240329BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20240329BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240329BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20240329BHJP
H01R 33/94 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
F21V21/03 456
F21V23/06
F21S8/04
H01R13/46 303E
H01R33/94
(21)【出願番号】P 2020077996
(22)【出願日】2020-04-27
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】平野 晶裕
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-085716(JP,A)
【文献】特開平06-236718(JP,A)
【文献】特開2015-076390(JP,A)
【文献】実開平07-016320(JP,U)
【文献】米国特許第04929187(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 21/00-21/40
F21V 23/00-99/00
H01R 13/46
H01R 33/94
H01R 33/97
F21Y 105/18
F21Y 113/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引掛シーリングと照明器具とを電気的及び機械的に接続するためのアダプタであって、
前記照明器具に設けられる第一給電端子と電気的に接続する第一給電部と、前記第一給電端子を囲むように前記照明器具に設けられる第二給電端子と電気的に接続する第二給電部とを有するコネクタ部を備え、
前記第一給電部は、前記第一給電端子と電気的に接続される第一接続端子を有し、
前記第二給電部は、
前記第一接続端子の周囲を囲むように形成され、前記第二給電端子と係合する第一係合部と、
前記第一係合部に係合された前記第二給電端子と電気的に接続される第二接続端子とを有し、
前記第一係合部は、前記第二給電端子を支えるように前記第二給電端子と当接する突起部を有
し、
前記第二給電部は、弾性変形可能であり、前記第二給電端子と係合する第二係合部を有し、
前記第二係合部は、一対の弾性爪部であり、前記第二給電端子を挟むように前記第二給電部に設けられる
アダプタ。
【請求項2】
前記照明器具の前記第一給電端子及び前記第二給電端子は着脱方向に延びる凸状の端子であり、かつ、前記アダプタの前記第一給電部及び前記第二給電部は前記第一給電端子及び前記第二給電端子が挿入される凹状の給電部であり、
前記突起部は、前記第二給電端子を前記第二給電部に挿入する挿入方向に向かって前記第二給電部の開口部の隙間を次第に狭める
請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記アダプタの外周面から進退自在に突出することで、前記照明器具を前記アダプタに固定する一対の係止部を備え、
前記コネクタ部と対向するように前記アダプタを平面視した場合、前記第二係合部は、前記第一給電部を通過する直線であって、前記一対の係止部を繋ぐ直線と直交する直線上に配置される
請求項
1又は2に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記コネクタ部と対向するように前記アダプタを平面視した場合、前記突起部は、前記第一給電部を通過する直線であって、前記一対の係止部を繋ぐ直線と直交する直線上に配置される
請求項
3に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記コネクタ部及び前記一対の係止部が設けられる筐体を備え、
前記筐体には、前記筐体の前記コネクタ部が配置された側とは反対側に、前記一対の係止部を露出させる一対の切り欠き部が形成される
請求項
3又は4に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記一対の係止部は、前記一対の切り欠き部に配置される突出部を有する
請求項
5に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記一対の係止部のそれぞれは、前記照明器具が前記アダプタに固定された際に、前記アダプタの外周面から第一量だけ突出する第一状態となる
請求項
3~6のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記一対の係止部のそれぞれは、前記照明器具が前記アダプタに仮止めされた際に、前記アダプタの外周面から前記第一量よりも少ない第二量だけ突出する第二状態となる
請求項
7に記載のアダプタ。
【請求項9】
前記コネクタ部は、
前記第一給電端子及び前記第二給電
端子を有する被コネクタ部に対して着脱自在に設けられ、
前記第一状態において、前記被コネクタ部と電気的に接続され、
前記第二状態において、前記被コネクタ部と電気的に非接続となる
請求項
8に記載のアダプタ。
【請求項10】
(1)前記アダプタの筐体が所定の位置関係で前記引掛シーリングに取付けられている場合に、前記筐体の取付け面から突出して前記引掛シーリングの面に設けられた開口に挿入され、(2)前記筐体が前記所定の位置関係となっていない状態で前記引掛シーリングに取付けられている場合に、前記引掛シーリングの面によって押さえられるロック部と、
前記ロック部が前記引掛シーリングの面によって押さえられることで、第二給電部への前記第二給電端子の電気的な接続を妨げる位置に変位する規制部とを備える
請求項1~
9のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項11】
前記ロック部は、前記引掛シーリングの面によって押さえられることで、第二給電部への前記第二給電端子の電気的な接続を妨げる位置に変位するように前記第二給電部の凹状部の内部に、前記規制部を配置する
請求項
10に記載のアダプタ。
【請求項12】
前記アダプタの外周面から進退自在に突出することで、前記照明器具を前記アダプタに固定する一対の係止部を備え、
前記一対の係止部のそれぞれは、
前記照明器具の被係止部を係止することで、前記照明器具を前記アダプタに固定する固定部と、
前記被係止部と係合することで、前記照明器具を前記アダプタに仮止めする仮止め部とを有し、
前記仮止め部は、前記照明器具が前記アダプタに仮止めされる際に、前記被係止部と当接する当接面を有し、
前記当接面は、
前記引掛シーリングに対する前記アダプタの着脱方向と直交する仮想平面に対して、前記アダプタの外周面から離れる方向に下り傾斜する傾斜面であり、
第一傾斜面と、前記仮想平面に対して前記第一傾斜面と異なる角度の傾斜面である第二傾斜面とを有する
請求項1~
11のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項13】
前記第二傾斜面は、前記第一傾斜面の両側に配置され、
前記仮想平面に対する第一傾斜面の角度は、前記仮想平面に対する前記第二傾斜面の角度よりも大きい
請求項
12に記載のアダプタ。
【請求項14】
請求項1~
13のいずれか1項に記載のアダプタと、
前記アダプタと電気的に接続される照明器具とを備える
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アダプタ及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井に設けられた引掛シーリングに照明器具を電気的及び機械的に接続するためのアダプタが知られている。
【0003】
従来のアダプタの一例である照明器具用アダプタは、照明器具と照明器具用アダプタとを電気的に接続するための照明器具のコネクタが接続される接続部を有する。接続部は、照明器具が照明器具用アダプタと電気的に接続するため照明器具の配線の先端に設けられるコネクタと電気的に接続する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のアダプタよりも、照明器具と引掛シーリングとを電気的及び機械的に接続後、アダプタに対する照明器具の揺れをより抑制したいという要望がある。そこで、引掛シーリングが配置される壁面と当接するパッキン等を照明器具に設けることで、アダプタに対する照明器具の揺れを抑制することも考えられる。しかしながら、パッキン等が見えたりする等の照明器具の外観上の課題が生じる。
【0006】
そこで、本開示では、照明器具の見栄えの低下を抑制するとともに、照明器具の揺れを抑制することができるアダプタ及び照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るアダプタは、引掛シーリングと照明器具とを電気的及び機械的に接続するためのアダプタであって、前記照明器具に設けられる第一給電端子と電気的に接続する第一給電部と、前記第一給電端子を囲むように前記照明器具に設けられる第二給電端子と電気的に接続する第二給電部とを有するコネクタ部を備え、前記第一給電部は、前記第一給電端子と電気的に接続される第一接続端子を有し、前記第二給電部は、前記第一接続端子の周囲を囲むように形成され、前記第二給電端子と係合する第一係合部と、前記第一係合部に係合された前記第二給電端子と電気的に接続される第二接続端子とを有し、前記第一係合部は、前記第二給電端子を支えるように前記第二給電端子と当接する突起部を有し、前記第二給電部は、弾性変形可能であり、前記第二給電端子と係合する第二係合部を有し、前記第二係合部は、一対の弾性爪部であり、前記第二給電端子を挟むように前記第二給電部に設けられる。
【0008】
また、本開示の一態様に係る照明装置は、アダプタと、前記アダプタと電気的に接続される照明器具とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示のアダプタ等は、照明器具の見栄えの低下を抑制するとともに、照明器具の揺れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態において、照明器具とアダプタとを有する照明装置及び引掛シーリングを示す斜視図、及び、筐体の切り欠き部の部分拡大図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線における照明装置の断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態におけるアダプタを示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1のIV-IV線における照明器具がアダプタに正常に固定された第一状態を示す部分拡大断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態におけるアダプタの平面図、及び、アダプタの一対の弾性爪部及び突起部を示す部分拡大図である。
【
図7】
図7は、アダプタの外周面からの第一係止部及び第二係止部の突出量を模式的に示す平面図である。
【
図8】
図8は、第二係止部を側方から見た場合を示す側面図である。
【
図9】
図9は、第二係止部を正面から見た場合を示す側面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態において、ロック解除ボタンが押し込まれた状態を示すアダプタの平面図である。
【
図12】
図12は、
図11のXII-XII線における、ロック解除ボタンが押し込まれた状態を示すアダプタの平面図である。
【
図13】
図13は、実施の形態における照明器具がアダプタに仮止めされた第二状態を示す部分拡大断面図である。
【
図14】
図14は、照明器具とアダプタとを有する照明装置及び引掛シーリングを示す斜視図である。
【
図15】
図15は、照明器具がアダプタに正常に固定された第一状態を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略平行等の表現を用いている。例えば、略平行は、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0013】
以下の説明において、照明装置の鉛直方向をZ軸方向と称し、第一係止部及び第二係止部の並び方向をY軸方向と称す。Z軸方向及びY軸方向のそれぞれに垂直な方向をX軸方向と称す。また、Z軸方向における、鉛直上方をZ軸プラス方向と称し、その反対方向をマイナス方向と称す。
図2以降においても、同様に適用する。
【0014】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
(実施の形態)
<構成>
図1は、実施の形態において、照明器具100とアダプタ10とを有する照明装置1及び引掛シーリング3を示す斜視図、及び、筐体20の切り欠き部21hの部分拡大図である。
図2は、
図1のII-II線における照明装置1の断面図である。
【0016】
図1に示すように、照明装置1は、天井及び壁等に固定され、固定された周囲の空間を照明することができる装置である。照明装置1は、例えば、シーリングライト、ベースライト等である。具体的には、照明装置1は、天井に配設されている引掛シーリング3と電気的及び機械的に接続された状態で、引掛シーリング3に固定される。
【0017】
図3は、実施の形態におけるアダプタ10を示す分解斜視図である。
【0018】
図1~
図3に示すように、照明装置1は、アダプタ10と、照明器具100とを備える。
【0019】
<アダプタ10>
アダプタ10は、天井の引掛シーリング3と照明器具100とを電気的及び機械的に接続する照明器具用アダプタである。アダプタ10は、引掛シーリング3に対して回動されることで、引掛シーリング3に取付けられて、固定される。
【0020】
アダプタ10は、筐体20と、第一係止部31及び第二係止部32と、弾性部材40と、第一端子51及び第二端子52と、第三端子53及び第四端子54と、コネクタ部70と、ロック部80と、ロック解除ボタン90とを備える。第一端子51及び第三端子53は、第一接続端子50aを構成する。第二端子52及び第四端子54は、第二接続端子50bを構成する。
【0021】
[筐体20]
筐体20は、アダプタ10が備える各構成要素を収容する、Z軸方向に扁平な円筒状の収容体である。筐体20には、第一接続端子50aと、第二接続端子50bと、コネクタ部70と、第一係止部31及び第二係止部32とが設けられる。
【0022】
筐体20には、引掛シーリング3に対向する面であり取付け面である表面10aと、表面10aと反対側の裏面10bとが形成される。表面10aは、Z軸プラス方向側の面であり、X-Y平面に対して略平行である。また、裏面10bは、Z軸マイナス方向側の面であり、X-Y平面に対して略平行である。筐体20は、表面10aを有し、表面10aが引掛シーリング3の面に対向した状態で引掛シーリング3に取付けられる。
【0023】
筐体20は、表面10aを構成する本体部21と、裏面10bを構成するカバー22とを有する。
【0024】
本体部21は、絶縁性を有する樹脂材料により形成され、アダプタ10が備える各構成要素を収容する、Z軸方向に扁平な有底円筒状の収容体である。本体部21は、Z軸マイナス方向側の端部を開放する筒状の側壁部21aと、Z軸プラス方向側の端部が筐体20の表面10aを形成する底部21bを有する。
【0025】
図1に示すように、本体部21の表面10aからは、第一端子51の引掛刃51a及び第二端子52の引掛刃52aがZ軸プラス方向に突出する。本体部21の底部21bには、第一端子51及び第二端子52を挿通させる挿通孔がそれぞれ形成される。
【0026】
本体部21の表面10aにおける中央部分には、Z軸プラス方向側の面であり、アダプタ10が
図1の引掛シーリング3に取付けられた際に、引掛シーリング3と接触する接触面である基準面29が形成される。基準面29の平面視形状は、略矩形の枠状である。
【0027】
図4は、
図1のIV-IV線における照明器具100がアダプタ10に正常に固定された第一状態を示す部分拡大断面図である。
【0028】
図3及び
図4に示すように、本体部21の側壁部21aには、第一開口21cと、第二開口21dと、一対の切り欠き部21hとが形成される。側壁部21aは、本体部21の表面10aと裏面10bとの間の外周面部であり、アダプタ10の外周面10cを形成する。第一開口21cからは、第一係止部31が挿通された状態で、本体部21の外周面10cから外側(径方向)に向けて第一係止部31が突出する。第二開口21dからは、第二係止部32が挿通された状態で、本体部21の外周面10cから外側に向けて第二係止部32が突出する。本体部21の外周面10cは、アダプタ10の外周面10cの一部を構成する。
【0029】
一対の切り欠き部21hは、筐体20のコネクタ部70が配置された側とは反対側に、第一係止部31及び第二係止部32を露出させる。一対の切り欠き部21hは、第一係止部31及び第二係止部32と一対一で対応し、かつ、第一開口21c及び第二開口21dとも一対一で対応する。一対の切り欠き部21hは、アダプタ10の裏面10bを平面視した場合、第一係止部31及び第二係止部32を露出させるように、第一開口21c及び第二開口21dから第一挿入口部22aに向かって切り欠かれている。つまり、一対の切り欠き部21hは、アダプタ10の裏面10bにおいて、第一開口21c及び第二開口21dから第一挿入口部22aに向かって切り欠かれている。このため、一対の切り欠き部21hは、第一開口21c及び第二開口21dと連続している。
【0030】
また、
図1及び
図3に示すように、本体部21の側壁部21aには、照明器具100のホルダ120に形成される第一凸部124と係合する第二凸部21eが形成される。第二凸部21eは、アダプタ10の中心軸O周りで回動(照明器具100を所定方向に回動)することによって、ホルダ120の第一凸部124と係合して、照明器具100がアダプタ10に固定された第一状態を解除する。つまり、第二凸部21eは、照明器具100がアダプタ10に固定される第一状態が解除されると、照明器具100に形成される第一凸部124と係合することで、照明器具100がアダプタ10に固定された第一状態を仮止めの第二状態に遷移させて、照明器具100をアダプタ10に仮止めする。第二凸部21eは、側壁部21aの外周面10cから径方向に突出する。第二凸部21eは、Z軸方向に対して傾斜する傾斜面21e1を有する。傾斜面21e1は、照明器具100の回動方向に対して下り傾斜する。本実施の形態では、照明器具100の回動方向は、二方向(時計回り及び反時計回り)しかないため、第二凸部21eは、2つの傾斜面21e1を有する。本実施の形態では、第二凸部21eは、側壁部21aの外周面10cを平面視した場合に略三角形状である。ここで、中心軸Oは、Z軸方向と略平行である。
【0031】
照明器具100が回動すると、照明器具100の第一凸部124が第二凸部21eの傾斜面21e1と当接した状態でスライドすることで、第一凸部124及び第二凸部21eは、照明器具100をZ軸マイナス方向に移動させる付勢力を働かせる。
【0032】
カバー22は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により形成され、本体部21のZ軸マイナス方向側を覆う板状の部材である。カバー22は、本体部21のZ軸マイナス方向側の開口を塞ぎ、筐体20のZ軸マイナス方向側の端部を構成する。カバー22は、ネジ99等の固定部材によって本体部21に固定される。
【0033】
カバー22の中央部分には、第一挿入口部22aと、第二挿入口部22bとが形成される。
【0034】
図2及び
図4に示すように、第一挿入口部22aは、後述するホルダ120の第一給電端子123aが挿入され、平面視で円形状の開口面を形成している凹部である。第一挿入口部22aの開口面は、中心軸Oと直交する。
【0035】
第二挿入口部22bは、後述するホルダ120の第二給電端子123bが挿入され、平面視で円環状の開口面を形成している環状溝である。第二挿入口部22bは、第一挿入口部22aの周囲(囲むように)に形成され、第一挿入口部22aに対して同心円状に形成される。第二挿入口部22bは、第一係合部の一例である。
【0036】
第一挿入口部22a及び第二挿入口部22bの深さ方向、及び、第一給電端子123a及び第二給電端子123bの着脱方向は、Z軸方向と略平行である。
【0037】
図5は、実施の形態におけるアダプタ10の平面図、及び、アダプタ10の一対の弾性爪部22d及び突起部22cを示す部分拡大図である。
図6Aは、
図5のVIA-VIA線におけるアダプタ10の断面図である。
図6Bは、
図5のVIB-VIB線におけるアダプタ10の断面図である。
【0038】
図5に示すように、第二挿入口部22bは、突起部22cと、一対の弾性爪部22dとを有する。
【0039】
突起部22cは、
図5及び
図6Aに示すように、第二挿入口部22bにおける凹状部の内部(内周側面)に形成され、凹状部分の隙間を狭める。このため、第二挿入口部22bに第二給電端子123bが挿入されると、突起部22cは、第二給電端子123bを支える(又は押さえる)ように第二給電端子123bと当接(挟むように第二給電端子123bと接触)する。具体的には、突起部22cは、第二給電端子123bを第二給電部70bに挿入する挿入方向に向かって第二給電部70bの開口部の隙間を次第に狭めるテーパ状である。好ましくは、突起部22cが形成されている第二挿入口部22bの間隔は、第二給電端子123bの厚みと同等であることが好ましい。
【0040】
なお、突起部22cは、第二挿入口部22bに一体的に形成されているが、第二挿入口部22bにおける凹状部の内周側面に貼り付けられたパッキン等の部材であってもよい。つまり、第二挿入口部22bにおける凹状部の内周側面には、パッキン等の部材が突起部22cとして貼り付けられていてもよい。また、パッキン等の部材が第二挿入口部22bにおける凹状部の内周側面の全周に渡って配置されていてもよく、本実施の形態に限定されない。
【0041】
また、
図5に示すように、コネクタ部70と対向するようにアダプタ10を平面視した場合、突起部22cは、第一給電部70aを通過する直線であって、一対の係止部である第一係止部31及び第二係止部32を繋ぐ直線V1と直交(略直交と同義)する直線V2上に配置される。つまり、突起部22cは、第一係止部31及び第二係止部32を支点としてアダプタ10に対して照明器具100が揺れても、照明器具100の揺れを抑制する位置に配置される。本実施の形態では、突起部22cは、一対の弾性爪部22dを挟むように一対の弾性爪部22dの両側に配置されているが、複数個所に渡って配置されていてもよく、第二挿入口部22bにおける凹状部の内周側面の全周に渡って配置されていてもよく、本実施の形態に限定されない。
【0042】
一対の弾性爪部22dのそれぞれは、
図5及び
図6Bに示すように、Z軸方向に延び、第二給電端子123bと係合する長尺の係合部であり、先端(Z軸マイナス方向側の端部)に互いに対向するように突出する爪部22d1を有する。一対の弾性爪部22dは、弾性変形可能であり、第二給電端子123bと係合する。一対の弾性爪部22dは、第二給電端子123bを挟むように第二給電部70bに設けられる。一対の弾性爪部22dは、第二給電端子123bが第二挿入口部22bに挿入されると、
図6Bの二点鎖線で示す状態のように、第二給電端子123bによって互いに離れるように弾性変形することで、それぞれの爪部22d1が第二給電端子123bを挟む。一対の弾性爪部22dは、第二給電端子123bが第二挿入口部22bから離間すると、
図6Bの実線の状態となる。一対の弾性爪部22dは、第二係合部の一例である。なお、一対の弾性爪部22dの間の最短距離は第二挿入口部22bの厚みと同等であればよく、第二給電端子123bが第二挿入口部22bに挿入されても、一対の弾性爪部22dが弾性変形しなくてもよい。つまり、一対の弾性爪部22dのそれぞれは、第二給電端子123bと単に接触する状態であってもよい。また、本実施の形態では、一対の弾性爪部22dを用いているが、1つの弾性爪部22dであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0043】
また、一対の弾性爪部22dのそれぞれの先端側は、第二給電端子123bを第二給電部70bに挿入する挿入方向に向かって一対の弾性爪部22dの隙間を次第に狭める。
【0044】
コネクタ部70と対向するようにアダプタ10を平面視した場合、一対の弾性爪部22dは、第一給電部70aを通過する直線であって、第一係止部31及び第二係止部32を繋ぐ直線V1と直交する直線V2上に配置される。つまり、一対の弾性爪部22dは、第一係止部31及び第二係止部32を支点としてアダプタ10に対して照明器具100が揺れても、照明器具100の揺れを抑制する位置に配置される。本実施の形態では、一対の弾性爪部22dは、突起部22cに隣接して配置されているが、複数個所に渡って配置されていてもよく、第二挿入口部22bにおける凹状部の内周側面の全周に渡って配置されていてもよく、本実施の形態に限定されない。
【0045】
[第一係止部31及び第二係止部32]
図3及び
図4に示すように、第一係止部31及び第二係止部32は、アダプタ10が照明器具100を所定の姿勢で保持するための樹脂製の部材である。つまり、第一係止部31及び第二係止部32は、照明器具100をアダプタ10に係止させるための部材である。第一係止部31及び第二係止部32は、アダプタ10の外周面10cから進退自在に突出することで、照明器具100をアダプタ10に固定する。第一係止部31及び第二係止部32は、互いに同期するように、Y軸方向に沿って移動する。本実施の形態では、2つの係止部を用いているが、係止部は3つ以上であってもよく、1つであってもよい。
【0046】
第一係止部31は、弾性部材40によって筐体20の内側から外側に向けて付勢され、本体部21の第一開口21cから本体部21の外側に向けて突出する。第二係止部32は、弾性部材40によって筐体20の内側から外側に向けて付勢され、本体部21の第二開口21dから本体部21の外側に向けて突出する。
【0047】
第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれは、係止本体33と、係合突部34とを有する。
【0048】
それぞれの係止本体33は、本体部21の第一開口21c及び第二開口21dに設けられ、本体部21の外周面10cから一部が突出する。係止本体33と係合突部34とは、一体に形成される。
【0049】
第一係止部31の係止本体33は、一対の切り欠き部21hのうちの一方の切り欠き部21hから一部が露出し、第二係止部32の係止本体33は、一対の切り欠き部21hのうちの他方の切り欠き部21hから一部が露出する。
【0050】
それぞれの係止本体33は、
図1に示すように、上面部(Z軸プラス方向側の面)から突出する突出部33aを有する。突出部33aは、一対の切り欠き部21hにそれぞれ配置され、Z軸プラス方向に突出する。例えば、アダプタ10だけを照明器具100のホルダ120に取付けた場合、ユーザが突出部33aを摘まみながら、又は、一対の切り欠き部21hを介してそれぞれの係止本体33を摘まみながら、第一係止部31及び第二係止部32を筐体20の内部に移動させる(収納される)。これにより、アダプタ10を照明器具100のホルダ120から取外せる。
【0051】
図3及び
図4に示すように、それぞれの係止本体33は、Z軸方向に扁平な矩形平板状である。本体部21の外周面10cから突出する係止本体33の突出部分は、本体部21の外周面10cの形状に沿った円弧状である。それぞれの係止本体33の突出部分は、アダプタ10の外周面10cの一部を形成する部分でもある。それぞれの係止本体33の突出部分は、ホルダ120と係合することで、照明器具100をアダプタ10に固定する部分となる。それぞれの係止本体33の突出部分は、階段状に形成される。
【0052】
具体的には、それぞれの係止本体33は、係止本体33の突出部分に形成される、固定部35と仮止め部36とを有する。
【0053】
図7は、アダプタ10の外周面10cからの第一係止部31及び第二係止部32の突出量を模式的に示す平面図である。
【0054】
固定部35は、
図4及び
図7に示すように、照明器具100のホルダ120の被係止部122bを係止することで、照明器具100をアダプタ10に固定する。この場合、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれは、照明器具100がアダプタ10に固定された際に、アダプタ10の外周面10cから第一量A1だけ突出する第一状態となる。ここで、第一状態は、照明器具100のホルダ120にアダプタ10が挿入されて固定された、正常に取付けられた状態を意味する。正常に取付けられた状態とは、Z軸方向に照明器具100を移動させようとしても、照明器具100の移動を規制する状態(固定部35の第一当接面35aと被係止部122bの当接面122a1とが当接する状態)であり、かつ、第三端子53及び第四端子54がコネクタ部70に接続されている状態である。
【0055】
図3及び
図4に示すように、固定部35は、本体部21の外周面10cに沿って、本体部21の外周面10cから突出する円弧状の部分である。固定部35は、アダプタ10を側面から見た場合に、本体部21の側壁部21aから径方向の外側に突出している。固定部35は、係止本体33の突出部分の一部である。また、固定部35と仮止め部36との間の係止本体33の突出方向の端面は、アダプタ10の外周面10cの一部を構成し、固定部35の外周面37又は係止本体33の外周面37ということがある。
【0056】
固定部35は、アダプタ10を側面から見た場合に、本体部21の表面10aに対して段状に形成される。固定部35には、本体部21の表面10aよりも下段の第一当接面35aが形成される。第一当接面35aは、第一係止部31及び第二係止部32が第一状態でホルダ120の被係止部122bを係止する際に、被係止部122bと当接する面である。具体的には、固定部35は、第一状態の場合に、ホルダ120の被係止部122bと対向した状態で、第一当接面35aがホルダ120の被係止部122bと当接することで、ホルダ120の被係止部122bを係止する。
【0057】
また、
図4及び
図7に示すように、第一状態において、固定部35の外周面37を含む円S1の径は、本体部21の外周面10cの円S2の径よりも大きい。
【0058】
仮止め部36は、被係止部122bと係合することで、照明器具100をアダプタ10に仮止めする。この場合、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれは、照明器具100がアダプタ10に仮止めされた際に、アダプタ10の外周面10cから第一量A1よりも少ない第二量A2だけ突出する第二状態となる。第二状態において、第二量A2のときのアダプタ10の最外周円S3の径は、第一量A1のときのアダプタ10の最外周の径よりも大きい。ここで、第二状態は、照明器具100のホルダ120にアダプタ10が挿入されて仮止めされた状態であり、仮止め部36の第二当接面36aと被係止部122bの当接面122a1とが当接する状態を意味する。つまり、第二状態は、第一状態ほど照明器具100をアダプタ10に強固に固定しない。例えば、仮止め部36が被係止部122bと係合する場合では、照明器具100がアダプタ10に支持されるものの、Z軸方向に照明器具100を移動させようとZ軸マイナス方向に引下げた場合、照明器具100の移動が許容される場合がある。
【0059】
図3及び
図4に示すように、仮止め部36は、本体部21の外周面10cの形状に沿って、本体部21の外周面10cから突出する円弧状の部分である。仮止め部36は、係止本体33の突出部分の一部である。
【0060】
仮止め部36は、アダプタ10を側面から見た場合に、固定部35の第一当接面35aに対して段状に形成され、固定部35よりもさらに本体部21の側壁部21aから径方向の外側に突出している。仮止め部36には、固定部35の第一当接面35aよりも下段(Z軸マイナス方向側)の第二当接面36aが形成される。つまり、仮止め部36及び固定部35は、係止本体33の突出部分において階段状の構成を形成する。
【0061】
また、
図4及び
図7に示すように、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれの仮止め部36の最外周端縁を含む円S1の径は、本体部21の外周面10cの円S2の径よりも大きく、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれの係止本体33の外周面37を含む円S4の径よりも大きい。
【0062】
図3及び
図4に示すように、第二当接面36aは、第一係止部31及び第二係止部32が第二状態で被係止部122bと係合する際に、被係止部122bと当接する面である。言い換えれば、第二当接面36aは、照明器具100がアダプタ10に仮止めされる際に、被係止部122bと当接する面である。具体的には、仮止め部36は、第二状態の場合に、ホルダ120の被係止部122bと対向した状態で、ホルダ120の被係止部122bと当接することで、ホルダ120の被係止部122bと係合する。第二当接面36aは、仮止め部36の当接面の一例である。
【0063】
図4及び
図8に示すように、第二当接面36aは、
図1の引掛シーリング3に対するアダプタ10の着脱方向と直交する仮想平面W0に対して、アダプタ10の外周面10cから離れる方向(中心軸Oに対する径方向)に下り傾斜する。言い換えれば、第二当接面36aは、外周面10cから離れるにしたがって仮想平面W0からの距離が大きくなる。第二当接面36aは、Z軸方向と略平行なアダプタ10の中心軸Oから離れる方向に下り傾斜する仮止め部36の傾斜面であり、X-Y平面に対して湾曲した傾斜面を構成する。つまり、第二当接面36aは、仮止め部36の傾斜面の一例である。第二当接面36aを含む延長面は、第一当接面35aに対して傾斜し、本体部21の表面10aに対しても傾斜する。
【0064】
より具体的には、第二当接面36aは、第一傾斜面36a1と、一対の第二傾斜面36a2とを有する。
【0065】
第一傾斜面36a1は、仮想平面W0に対して、アダプタ10の外周面10cから離れる方向に下り傾斜する。一対の第二傾斜面36a2のそれぞれは、第一傾斜面36a1の両側に配置される。つまり、一対の第二傾斜面36a2は、第一傾斜面36a1を挟むように配置される。一対の第二傾斜面36a2のそれぞれも仮想平面W0に対して、アダプタ10の外周面10cから離れる方向に下り傾斜する。第二傾斜面36a2は、仮想平面W0に対して第一傾斜面36a1と異なる角度の傾斜面である。仮想平面W0に対する第一傾斜面36a1の角度θ1は、仮想平面W0に対する第二傾斜面36a2の角度よりも大きい。第一傾斜面36a1の角度θ1は、
図8に示すように、アダプタ10を側面から見た場合の第一傾斜面36a1と平行な直線W1と仮想平面W0との角度である。また、第二傾斜面36a2の角度θ2は、
図9に示すように、アダプタ10を正面から見た場合の第二傾斜面36a2と平行な直線W2と仮想平面W0との角度である。
図8は、第二係止部32を側方から見た場合を示す側面図である。
図9は、第二係止部32を正面から見た場合を示す側面図である。
【0066】
なお、第一傾斜面36a1及び第二傾斜面36a2に対する被係止部122bの保持力を設定するため、角度θ1及びθ2を適宜変更することができる。
【0067】
係止本体33において、アダプタ10の中心軸Oを含み、引掛シーリング3に対するアダプタ10の着脱方向と平行な平面でアダプタ10を切断した場合に、固定部35の第一当接面35aと、引掛シーリング3に対するアダプタ10の着脱方向(Z軸方向)と平行なアダプタ10の外周面10cとがなす第一角度は、仮止め部36の第二当接面36aと、引掛シーリング3に対するアダプタ10の着脱方向と平行なアダプタ10の外周面10cとがなす第二角度よりも小さい。言い換えれば、係止本体33(又は固定部35)の外周面37と第二当接面36aとのなす第二角度は、第一当接面35aと係止本体33(又は固定部35)の外周面37とのなす第一角度よりも大きい。つまり、係止本体33において、第一係止部31及び第二係止部32が第一状態で照明器具100の被係止部122bを係止する際に、第一角度を形成する固定部35における、第一係止部31及び第二係止部32が第一状態で被係止部122bを係止する際の取外し方向(Z軸マイナス方向)の係止力は、係止本体33の外周面37とで第二角度を形成する仮止め部36における、第一係止部31及び第二係止部32が第二状態で被係止部122bと係合する際の取外し方向の係止力よりも大きい。このため、第二状態の場合では、第一状態の場合よりも照明器具100をアダプタ10から取外し易い。
【0068】
図3及び
図4に示すように、係合突部34は、係止本体33と一体的に形成され、係止本体33から延びるように設けられる。具体的には、係合突部34は、係止本体33の突出部分とは反対側の係止本体33の端縁から、アダプタ10の中心軸O方向(本体部21の径方向の中心)に突出する。
【0069】
係合突部34には、弾性部材40が取付けられる。係合突部34は、弾性部材40の端部と係合することで、係止本体33とともに、弾性部材40によって本体部21の側壁部21aから径方向の外側に付勢される。径方向の外側は、本体部21の径方向の中心から離れる方向である。
【0070】
[弾性部材40]
弾性部材40は、本実施の形態では、ねじりばねであるが、その他の弾性部材であってもよい。弾性部材40は、第一係止部31及び第二係止部32を本体部21の側壁部21aの径方向の外側に付勢する。弾性部材40は、第一係止部31及び第二係止部32を本体部21の側壁部21a(外周面10c)に対して進退自在に突出させる。
【0071】
本実施の形態では、弾性部材40は、第一係止部31をY軸マイナス方向に沿って移動させ、第二係止部32をY軸プラス方向に沿って移動させる。
【0072】
[第一端子51及び第二端子52]
第一端子51及び第二端子52は、電力が供給される配線に電気的に接続される
図1の引掛シーリング3に着脱可能に固定される。第一端子51及び第二端子52は、金属製の板状の部材であり、照明器具100が引掛シーリング3から電力供給を受けるための一対の端子である。第一端子51及び第二端子52は、ネジ等の固定部材によって本体部21の内側底部21bに固定される。なお、本実施の形態では、第一端子51及び第二端子52の2つの端子を例示しているが、アダプタ10は3つ以上の端子を有していてもよい。
【0073】
第一端子51の一端部(L字状の部分)が引掛シーリング3の給電口3aに挿通され、かつ、第二端子52の一端部も引掛シーリング3の給電口3aに挿通されることにより、第一端子51及び第二端子52は、引掛シーリング3内の一対の給電用端子(不図示)に電気的に接続される。照明器具100は、例えば、引掛シーリング3から交流電力の供給を受けるが、直流電力の供給を受けてもよい。
【0074】
図3に示すように、第一端子51の一端部及び第二端子52の一端部は、本体部21の表面10aから突出する引掛刃51a、52aである。第一端子51及び第二端子52の突出した部分である引掛刃51a、52aは、側面視でL字状に形成され、鉤爪状となっている。
【0075】
また、
図1及び
図3に示すように、第一端子51の引掛刃51aを引掛シーリング3の給電口3aに挿通させ、かつ、第二端子52の引掛刃52aも引掛シーリング3の給電口3aに挿通させることで、アダプタ10が引掛シーリング3と機械的に接続される。第一端子51の引掛刃51aを引掛シーリング3の給電口3aに挿通させ、かつ、第二端子52の引掛刃52aを引掛シーリング3の給電口3aに挿通させた状態で、アダプタ10を回動させると、第一端子51、第二端子52及びロック部80が引掛シーリング3に引掛かることで、周り止めされる。
【0076】
図3及び
図4に示すように、第一端子51の他端部は、第三端子53の一端部と電気的及び機械的に接続され、本体部21に収容される。また、第二端子52の他端部は、第四端子54の一端部と電気的及び機械的に接続され、本体部21に収容される。
【0077】
[第三端子53及び第四端子54]
第三端子53及び第四端子54は、金属製の板状の部材であり、照明器具100が
図1の引掛シーリング3から電力供給を受けるための一対の端子である。第三端子53の一端部は、第一端子51の他端部と電気的及び機械的に接続される。また、第四端子54の一端部は、第二端子52の他端部と電気的及び機械的に接続される。第三端子53は、第一端子51がネジ等の固定部材によって本体部21の内側底部21bに固定されることによって、内側底部21bに押さえつけられて固定される。また、第四端子54は、第二端子52がネジ等の固定部材によって本体部21の内側底部21bに固定されることによって、内側底部21bに押さえつけられて固定される。
【0078】
本実施の形態では、第三端子53の一端部及び第四端子54の一端部は、二又形状の端子であり、第一端子51の他端部及び第二端子52の他端部を挟む。
【0079】
第三端子53の他端部53aは、第一挿入口部22a内に配置される。また、第四端子54の他端部54aは、第二挿入口部22b内に配置される。第三端子53の他端部53aは、第一給電端子123aと電気的に接続されるようZ軸方向に延び、第一給電端子123aを挟む二又形状の端子である。また、第四端子54の他端部54aは、第二給電端子123bと電気的に接続されるようZ軸方向に延び、第二給電端子123bを挟む二又形状の端子である。第三端子53の他端部53a及び第四端子54の他端部54aは、Z軸プラス方向への第一給電端子123a及び第二給電端子123bの挿入を受け入れる。
【0080】
なお、第一端子51と第三端子53とが一体化された1つの部材であってもよく、第二端子52と第四端子54とが一体化された1つの部材であってもよい。
【0081】
[コネクタ部70]
コネクタ部70は、アダプタ10において第一端子51及び第二端子52が設けられる側の表面10aと反対側の裏面10bに設けられ、第一端子51及び第二端子52を介して
図1の引掛シーリング3と導通し、照明器具100へ電力を供給する。
【0082】
具体的には、コネクタ部70は、ホルダ120の第一給電端子123aと電気的に接続されるように第一挿入口部22aからZ軸プラス方向側に配置される第三端子53の他端部53aと、ホルダ120の第二給電端子123bと電気的に接続されるように第二挿入口部22bからZ軸プラス方向側に配置される第四端子54の他端部54aと、第一挿入口部22a及び第二挿入口部22bとで構成される。
【0083】
より具体的には、コネクタ部70は、第一給電部70aと、第二給電部70bとを有する。
【0084】
第一給電部70aは、第一給電端子123aが挿入される凹状の給電部である。第一給電部70aは、照明器具100に設けられる第一給電端子123aと電気的に接続される第一接続端子50aを有する。本実施の形態では、第一給電部70aは、カバー22の中央部分に形成される第一挿入口部22aと、第一挿入口部22aに挿入されるホルダ120の第一給電端子123aと電気的に接続される第一接続端子50aとで構成される。
【0085】
第二給電部70bは、第二給電端子123bが挿入される凹状の給電部である。第二給電部70bは、第一接続端子50aの周囲を囲むように形成され、第二給電端子123bと係合する第二挿入口部22bと、第二挿入口部22bに係合された第二給電端子123bと電気的に接続される第二接続端子50bとを有する。本実施の形態では、第二給電部70bは、カバー22の中央部分に形成される第二給電端子123bと、第二給電端子123bと電気的に接続される第二接続端子50bとで構成される。第一給電部70a及び第二給電部70bは、第一給電端子123a及び第二給電端子123bと対応する形状である。
【0086】
また、コネクタ部70は、照明器具100の被コネクタ部123である第一給電端子123a及び第二給電端子123bに対して着脱自在に設けられる。コネクタ部70は、第一状態において照明器具100の被コネクタ部123と電気的に接続され、第二状態において照明器具100の被コネクタ部123と電気的に非接続となる。ここで、被コネクタ部123は、第一給電端子123a及び第二給電端子123bで構成される。
【0087】
[ロック部80]
ロック部80は、(1)筐体20が所定の位置関係で引掛シーリング3に取付けられている場合に、表面10aから突出して引掛シーリング3の面に設けられた給電口3aに挿入され、(2)筐体20が所定の位置関係となっていない状態で引掛シーリング3に取付けられている場合に、引掛シーリング3の面によって押さえられる。つまり、ロック部80は、アダプタ10が
図1の引掛シーリング3に固定された第一状態を維持するために、アダプタ10の引掛シーリング3に対する移動を規制するための部材である。このようなロック部80は、樹脂材料によって形成される。
【0088】
ロック部80は、延出部81と、コイルばね(不図示)と、コイルばねが挿入されるバネ用穴と、ガイド部82とを備える。
【0089】
延出部81は、本体部21の表面10aに設けられた開口から突出し、
図1の引掛シーリング3に設けられた給電口3aに挿通されることにより、引掛シーリング3に対するアダプタ10の移動を規制する。
【0090】
コイルばねは、一端がバネ用穴内の底部21bに当接し、他端がカバー22の内側の面に当接することで、ロック部80をZ軸プラス方向に向けて付勢する。
【0091】
ガイド部82は、後述するロック解除ボタン90のピン91を、スライド自在にガイドする溝部である。ガイド部82は、ピン91の移動方向であるロック解除ボタン90が押し込まれる方向において傾斜した溝を形成している。
【0092】
図1及び
図10に示すように、例えば、ロック部80は、アダプタ10が回動されて、延出部81の位置が引掛シーリング3の給電口3aと重なると、延出部81は、コイルばねの付勢力により、本体部21の表面10aに設けられた開口からさらに突出して引掛シーリング3の給電口3aに挿入される。これにより、引掛シーリング3に対するアダプタ10の回動が規制され、引掛シーリング3に対するアダプタ10の回動がロックされる。
図10は、
図5のX-X線におけるアダプタ10を示す断面図である。
図10では引掛シーリング3を省略している。
【0093】
[ロック解除ボタン90]
図3及び
図10に示すようにロック解除ボタン90は、延出部81を引掛シーリング3の給電口3aから引き抜くために押下されるボタンであり、本体部21の側壁部21aに設けられたボタンである。また、ロック解除ボタン90は、ロック部80が引掛シーリング3の面によって押さえられることで、第二給電部70bへの第二給電端子123bの電気的な接続を妨げる位置に変位する。ロック解除ボタン90は、その一部が本体部21の側壁部21aに設けられた切り欠き部21fを通じて本体部21から外部に露出する樹脂製の部材である。
【0094】
ロック解除ボタン90には、ロック部80に対してスライドするピン91と、ロック解除ボタン90が押し込まれている状態で第二給電部70bへの第二給電端子123bの電気的な接続を妨げる規制部92とを有する。ピン91は、ロック解除ボタン90が本体部21の内側に押し込まれ、ロック部80のガイド部82と係合することで、ガイド部82をスライド自在に移動する。規制部92は、ロック部80が引掛シーリング3の面によって押さえられることで、第二給電部70bへの第二給電端子123bの電気的な接続を妨げる位置に変位するように、第二給電端子123bが挿入される第二給電部70bの凹状部の内部に配置される。
【0095】
例えば、ピン91は、ロック解除ボタン90が押し込まれる方向に移動する際に、ガイド部82の内壁をZ軸マイナス方向に押すことにより、ロック部80をZ軸マイナス方向に移動させる。この結果、コイルばねの付勢力に抗して延出部81が引掛シーリング3の給電口3aから引き抜かれる。これにより、引掛シーリング3に対するアダプタ10の回動の規制が解除される。ロック解除ボタン90を押しながらアダプタ10を引掛シーリング3に対して回動させることが可能となり、引掛シーリング3からアダプタ10が取外せる。
【0096】
一方で、例えば、アダプタ10を引掛シーリング3に取付けるときには、第一端子51の引掛刃51a及び第二端子52の引掛刃52aが給電口3aに挿入されてから回動が完了して、引掛刃51a及び引掛刃52aが給電口3aの終端に達するまでの間、ガイド部82は常に引掛シーリング3に押さえられる。つまり、ガイド部82は、取付け作業の開始後は、アダプタ10が引掛シーリング3に完全に取付けられて初めて筐体20から突出することができる。言い換えれば、引掛シーリング3に対するアダプタ10の回動量が十分でなく、アダプタ10が引掛シーリング3に完全に取付けられていない状態(不完全な取付け状態ともいう)においては、ガイド部82は、突出せず、これに連動してロック解除ボタン90が押し込まれた(筐体20の内側に位置した)ままとなる。
【0097】
これを利用し、第二給電端子123bが挿入される第二給電部70bの凹状部の内部に、規制部92が配置されることで、規制部92は、第二給電部70bへの第二給電端子123bの電気的な接続を妨げる。このため、アダプタ10は、ロック解除ボタン90に設けられた規制部92により、不完全な取付け状態における照明器具100のアダプタ10への取付けを抑制する。具体的には、ロック解除ボタン90が押し込まれている間は、
図11及び
図12に示すように、規制部92が第二挿入口部22bから露出した状態となるように、第二挿入口部22bの凹状部の内部に配置される。つまり、不完全な取付け状態においては、第二給電端子123bが規制部92と接触することで、第二挿入口部22bへの第二給電端子123bの侵入が妨げられるため、照明器具100をアダプタ10に取付けることができない。したがって、不完全な取付け状態のまま照明器具100がアダプタ10に取付けられた結果、照明器具100がアダプタ10ごと脱落してしまうことが抑制される。
図11は、実施の形態において、ロック解除ボタン90が押し込まれた状態を示すアダプタ10の平面図である。
図12は、
図11のXII-XII線における、ロック解除ボタン90が押し込まれた状態を示すアダプタ10の平面図である。
【0098】
<照明器具100>
図1及び
図2に示すように、照明器具100は、光源130を収容する器具本体110と、アダプタ10が着脱自在に取付けられるホルダ120と、光源130と、拡散カバー140と、電源部150とを有する。本実施の形態において、照明器具100は、平面視で円形状をなした、Z軸方向に扁平な有底円筒状の器具である。
【0099】
[器具本体110]
器具本体110は、例えば、アルミニウム並びに鉄等を主成分とした金属、又は、樹脂等で構成され、ホルダ120、光源130、電源部150等を収容する収容体を構成する。器具本体110は、光源130及び電源部150から発生した熱を放熱するヒートシンクとして機能する。
【0100】
また、器具本体110は、ホルダ120、電源部150等を収容し、Z軸マイナス方向側の端縁が開口する容器状の収容部111と、収容部111のZ軸マイナス方向側の端縁から照明器具100の中心軸Oの径方向に延びる鍔状の鍔部112とを有する。
【0101】
収容部111は、平面視で円形状をなした容器である。収容部111には、中央部分にホルダ120を固定するための開口部113が形成される。開口部113は、外部からの商用電力等の入力電力を電源部150に供給するアダプタ10が挿入される挿入孔である。開口部113には、収容部111の開口部113を覆うホルダ120がネジ等の固定部材で固定されることで、アダプタ10が挿入される。
【0102】
また、鍔部112は、収容部111のZ軸マイナス方向側の端縁から、収容部111の径方向に延びる円環状をなしている。鍔部112のZ軸マイナス方向側の面には、光源130がネジ等の固定部材で固定される。鍔部112の外周端縁には、光源130を覆うように拡散カバー140が固定される。
【0103】
[ホルダ120]
ホルダ120は、アダプタ10を収容する、Z軸方向に扁平な有底円筒状の収容体である。ホルダ120は、平面視で円形状をなしている。ホルダ120は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により形成される。
【0104】
ホルダ120は、Z軸プラス方向側の端部を開放する挿入口122aが形成される筒状の外周壁部121と、外周壁部121のZ軸マイナス方向側の端部を塞ぐ底部122と、第一給電端子123aと、第二給電端子123bとを有する。
【0105】
外周壁部121は、外周壁部121の中心軸Oがアダプタ10の中心軸Oと略一致するように、器具本体110の収容部111に固定される。具体的には、外周壁部121は、Z軸プラス方向側の端縁から外径方向に張り出る鍔状の固定片121aを有する。外周壁部121の中心軸Oが収容部111の開口部113の中心軸Oと略一致するように、外周壁部121が収容部111の開口部113に挿入された状態で、固定片121aは、ネジ等の固定部材で固定される。
【0106】
外周壁部121の内周面には、第三凸部125が形成される。
【0107】
第三凸部125は、アダプタ10に対してホルダ120(照明器具100)を中心軸O周りの周方向に回動させる際に、アダプタ10の第一係止部31及び第二係止部32と当接することで、アダプタ10の外周面10cに対する第一係止部31及び第二係止部32の突出量を変化させる。
【0108】
第三凸部125は、第一係止部31及び第二係止部32をアダプタ10の中心軸O方向に移動させる付勢力を働かせる凸状構造体である。より具体的には、第三凸部125は、外周壁部121の内周面の一部から外周壁部121の中心軸Oに沿って突出する凸状構造体である。第三凸部125は、ホルダ120がアダプタ10の中心軸O周りに回動する際に、アダプタ10の第一係止部31及び第二係止部32と当接することで、第一係止部31及び第二係止部32をアダプタ10の中心軸O方向に移動させるだけの突出量を有する。より具体的には、第三凸部125は、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれの固定部35と被係止部122bとの係止を解除させるだけの突出量を有し、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれの仮止め部36と被係止部122bとの係合を解除させるだけの突出量を有さない。
【0109】
外周壁部121は、Z軸プラス方向側の端縁から内周側に向かって、つまり、外周壁部121の挿入口122aの開口面積を狭めるように張り出す被係止部122bを有する。
【0110】
被係止部122bは、照明器具100がアダプタ10に対して正常な状態で固定されている第一状態の場合に、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれにおける係止本体33の固定部35と当接する。より具体的には、第一状態の場合、被係止部122bのZ軸マイナス方向側の面(固定部35と対向する面)である当接面122b1が、固定部35の第一当接面35aと当接する。
【0111】
また、被係止部122bは、照明器具100がアダプタ10に対して仮固定されている第二状態の場合に、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれにおける係止本体33の仮止め部36と当接する。より具体的には、第二状態の場合、被係止部122bのZ軸マイナス方向側の面(仮止め部36と対向する面)である当接面122b1が、仮止め部36の第二当接面36aと当接又は対向する。
【0112】
また、被係止部122bのZ軸プラス方向側の面には、第一凸部124が形成される。第一凸部124は、アダプタ10に対してホルダ120(照明器具100)を中心軸O周りの周方向に回動させる際に、アダプタ10の第二凸部21eと係合することで、照明器具100に固定されたアダプタ10の状態を仮止めの状態に遷移させる。
【0113】
第一凸部124は、ホルダ120を介して照明器具100をZ軸マイナス方向に押下げる付勢力を働かせる凸状構造体である。より具体的には、第一凸部124は、正面視で、略三角形状の凸状構造体であるが、これに限定されない。例えば、アダプタ10の中心軸O周りに回動するホルダ120の第二凸部21eが乗り上げて、ホルダ120を介して照明器具100をZ軸マイナス方向に押下げる付勢力を働かせればよいため、アダプタ10の中心軸O周りの周方向に対して上り傾斜する傾斜面が形成されていればよい。
【0114】
底部122は、X-Y平面と略平行な板状の底板であり、アダプタ10の裏面10bと対向する。底部122の中央部分には、第一給電端子123aと第二給電端子123bとが固定される。
【0115】
[第一給電端子123a及び第二給電端子123b]
第一給電端子123a及び第二給電端子123bは、照明器具100と電気的及び機械的に接続する。
【0116】
第一給電端子123aは、着脱方向に延びる凸状の端子(柱状の端子)であり、
図1の引掛シーリング3からアダプタ10を介して供給された電力を給電するための接続端子であり、雄型のコネクタ部である。第一給電端子123aは、第一給電端子123aの中心軸Oがアダプタ10の中心軸O及び外周壁部121の中心軸Oと略一致するように、ホルダ120の底部122にネジ等の固定部材によって固定される。
【0117】
第二給電端子123bは、着脱方向に延びる凸状の端子(筒状の端子)であり、引掛シーリング3からアダプタ10を介して供給された電力を給電するための接続端子であり、雄型のコネクタ部である。第二給電端子123bは、第一給電端子123aの周囲(囲むように)に形成され、第一給電端子123aに対して同心円状に形成される。第二給電端子123bは、第二給電端子123bの中心軸がアダプタ10の中心軸O及び外周壁部121の中心軸Oと略一致するように、ホルダ120の底部122にネジ等の固定部材によって固定される。なお、第二給電端子123bは、第一給電端子123aを囲んでいればよいため、筒状でなくてもよい。第二給電端子123bが第一給電端子123aと同心円状であれば、アダプタ10に対して照明器具100を回転させることができる。このため、照明器具100を回動させる力が加わったとしても、過度のトルクが照明器具100に加わり難くなるため、照明器具100を構成する部品の損傷を抑制することができる。
【0118】
つまり、アダプタ10をホルダ120に挿入する際に、第一給電端子123aは、カバー22の第一挿入口部22aに挿入され、かつ、第二給電端子123bは、カバー22の第二挿入口部22bに挿入される。
【0119】
本実施の形態では、第一給電端子123aは、円柱状のピンであり、第二給電端子123bは、円環状(円筒状)の端子である。
【0120】
[光源130]
図2に示すように、光源130は、例えば、光を発する発光モジュールであり、例えば部屋全体を明るくする、照明用の発光モジュールである。光源130は、器具本体110の鍔部112におけるZ軸マイナス方向側の面である取付け面に配置され、周囲に光を照射するように、器具本体110に固定される。
【0121】
光源130は、基板131と、複数のLED(Light Emitting Diode)モジュール132とを有する。
【0122】
基板131は、LEDモジュール132を実装するための実装面を有する実装基板である。基板131は、略円板状に形成される。基板131は、Z軸プラス方向に見て、器具本体110の収容体を覆うように、器具本体110の鍔部112の取付け面に、ネジ等の固定部材によって固定される。具体的には、基板131は、実装面がZマイナス方向を向くように、X-Y平面と略平行姿勢で器具本体110に固定される。
【0123】
基板131としては、例えば、アルミニウム又は銅等の金属材料からなる基材に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体であるセラミックス基板、又は、樹脂材料をベースとする樹脂基板等が用いられる。なお、基板131は、プリント配線基板、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。
【0124】
複数のLEDモジュール132は、基板131の実装面に配置される。複数のLEDモジュール132は、基板131によって複数の円環状の列をなして配列され、つまり同心円状に配列される。本実施の形態では、LEDモジュール132は、環状に配置される電源部150を内側と外側から挟むように、環状の電源部150の内側の内部領域と環状の電源部150の外周側の外部領域とに配置される。つまり、内部領域のLEDモジュール132と外部領域のLEDモジュール132とが環状の電源部150を挟むように、同心円状に配置される。
【0125】
複数のLEDモジュール132は、例えば白色光を出射するように構成される。具体的には、複数のLEDモジュール132は、COB(Chip On Board)型LED素子で構成され、基板131上に実装されたベアチップ(LEDチップ)である複数の青色LEDと、それら青色LEDを封止し、黄色蛍光体を含む封止部材とを有する。また、複数のLEDモジュール132は、2色以上の光を出射してもよい。具体的には、複数のLEDモジュール132は、RGBの3色LED光源であり、赤色光、青色光及び緑色光の3色の単色光を出射するとともに、これらの3色の単色光を調光することで得られるカラー光又は白色光を出射してもよい。
【0126】
また、複数のLEDモジュール132は、LEDがパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子であってもよく、容器(パッケージ)と、容器内に実装された複数のLEDチップと、複数のLEDチップを封止する封止部材とを有する。封止部材は、シリコーン樹脂等の透光性の絶縁性樹脂材料である。なお、封止部材には、シリカ等の光拡散材及びフィラー等が分散されていてもよい。
【0127】
本実施の形態では、複数のLEDモジュール132は、Z軸マイナス方向と略平行な方向に光を照射する。具体的には、複数のLEDモジュール132の光軸は、光の主たる出射方向であり、Z軸マイナス方向と略平行な方向である。
【0128】
[拡散カバー140]
拡散カバー140は、Z軸マイナス方向に見て光源130を覆い、光源130から入射した光を外側に拡散して出射する光学部材である。拡散カバー140は、光源130に対して所定の距離離れた状態で器具本体110に支持される。具体的には、拡散カバー140は、Z軸方向から見た場合に円形状をなし、器具本体110の鍔部112の外周端縁に支持される。
【0129】
拡散カバー140は、透光性を有する。例えば、拡散カバー140は、アクリル樹脂等の透光性を有する材料で形成されている。例えば、拡散カバー140は、光拡散材が内部に分散された乳白色の拡散パネルを用いてもよい。また、拡散カバー140の表面10aにシボ加工等により、微細な凹凸(シボ)が形成されていてもよい。これにより、光源130の発光によって拡散カバー140に入射した光は、拡散カバー140を透過することで散乱される。これにより、拡散カバー140をZ軸マイナス方向から見たときの拡散カバー140に現れる輝度ムラが低減される。
【0130】
[電源部150]
電源部150は、光源130を点灯させるための電力を供給する点灯回路を有する電源モジュールである。電源部150は、商用電源等の外部電源から引掛シーリング3及びアダプタ10を介して供給された交流電流を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換する。電源部150は、変換した直流電流を、リード線等を介して光源130に供給する。電源部150には、調光回路及び昇圧回路等が組み合わされる。
【0131】
電源部150は、例えば、所定形状の金属配線が形成されたプリント回路基板と、プリント回路基板に実装された複数の回路素子等で構成される。回路素子は、光源130を発光させるための電子部品であり、例えば、容量素子(電解コンデンサ、セラミックコンデンサ等)、抵抗素子(抵抗器等)、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、集積回路素子(IC)、又は、半導体素子(FET等)等である。
【0132】
本実施の形態では、電源部150は、器具本体110の収容部111に収容され、光源130とホルダ120との間に配置される。電源部150は、基板131のZ軸プラス方向側の面に環状に配置される。電源部150の電子部品は、主に基板131のZ軸マイナス方向側の第1面に配置され、電源部150のリード付き部品は、主に基板131のZ軸プラス方向側の第2面に配置される。電子部品はマイクロコンピュータ等であり、リード付き部品はトランス、電解コンデンサ等である。電源部150は、ネジ等の固定部材で収容部111に固定される。
【0133】
<動作>
まず、アダプタ10を引掛シーリング3に取付ける場合について説明する。
【0134】
図1に示すように、引掛シーリング3のそれぞれの給電口3aと、アダプタ10の第一端子51の引掛刃51a及び第二端子52の引掛刃52aとを位置合わせし、それぞれの給電口3aに第一端子51の引掛刃51a及び第二端子52の引掛刃52aを挿入する。ガイド部82は、引掛刃51a及び引掛刃52aが給電口3aの終端に達するまでの間、常に引掛シーリング3の面に押さえられて筐体20の内部に収容される。アダプタ10は、引掛刃51a及び引掛刃52aが給電口3aの終端に達するまで、アダプタ10の中心軸Oの周方向に回動される。これにより、アダプタ10は、引掛シーリング3に電気的及び機械的に接続されて固定される。
【0135】
次に、照明器具100をアダプタ10に取付ける場合について説明する。
【0136】
図1、
図2及び
図4に示すように、照明器具100のホルダ120とアダプタ10とが重なるように位置合わせし、ホルダ120の挿入口122aからアダプタ10を挿入させるように、照明器具100を押し上げる。この際に、アダプタ10の第一係止部31及び第二係止部32とホルダ120の被係止部122bとが当接してスライドしながら、第一係止部31及び第二係止部32が被係止部122bに押圧されることによってアダプタ10の中心軸O方向に移動する。これにより、照明器具100のホルダ120の挿入口122aからアダプタ10を挿入することができる。
【0137】
アダプタ10が照明器具100のホルダ120に挿入されると、第一係止部31及び第二係止部32は、弾性部材40の付勢力によって、アダプタ10の外径方向に移動する。第一係止部31の係止本体33の外周面37及び第二係止部32の係止本体33の外周面37が被係止部122bの内周面に当接し、第一係止部31の仮止め部36の第二当接面36a及び第二係止部32の仮止め部36の第二当接面36aが被係止部122bと当接する。つまり、被係止部122bは、
図13に示すように、第一係止部31の仮止め部36及び第二係止部32の仮止め部36に仮止めされた第二状態であり、照明器具100とアダプタ10とが電気的に接続されていない。ホルダ120の第一給電端子123aが第三端子53の他端部53aと電気的に接続されていなく、ホルダ120の第二給電端子123bが第四端子54の他端部54aと電気的に接続されていない。
図13は、実施の形態における照明器具100がアダプタ10に仮止めされた第二状態を示す部分拡大断面図である。
【0138】
さらに、アダプタ10が照明器具100のホルダ120に挿入されると、
図1、
図2及び
図4に示すように、被係止部122bの内周面と、第一係止部31の係止本体33の外周面37及び第二係止部32の係止本体33の外周面37とがスライドした後に、第一係止部31及び第二係止部32は、弾性部材40の付勢力によって、さらにアダプタ10の外径方向に移動する。つまり、被係止部122bが第一係止部31の固定部35及び第二係止部32の固定部35から離れると、弾性部材40の付勢力によって、第一係止部31及び第二係止部32は元の姿勢に戻る。
図4の二点鎖線で示す第一係止部31及び第二係止部32の位置から、実線で示す第一係止部31及び第二係止部32の位置に変位する。このとき、ホルダ120の第一給電端子123aが第一挿入口部22aに挿入されて、第三端子53の他端部53aと電気的に接続される。また、ホルダ120の第二給電端子123bが第二挿入口部22bに挿入されて、第四端子54の他端部54aと電気的に接続される。
【0139】
照明器具100の重力によって、ホルダ120の被係止部122bのZ軸マイナス側の面と、第一係止部31の固定部35の第一当接面35a及び第二係止部32の固定部35の第一当接面35aとが当接する。これにより、照明器具100は、アダプタ10に正常な状態で固定されて強固に保持されることで、引掛シーリング3からの電力供給を受ける。
【0140】
次に、照明器具100をアダプタ10から取外す場合について説明する。
【0141】
図1及び
図2に示すように、照明器具100を中心軸Oの周方向に回動させると、ホルダ120の第一凸部124とアダプタ10の本体部21の第二凸部21eとが当接し、第二凸部21eが第一凸部124をスライドしながら照明器具100をZ軸マイナス方向に押し下げる。この際、ホルダ120内の第三凸部125が第一係止部31及び第二係止部32と当接してスライドしながら、第一係止部31及び第二係止部32がそれぞれの第三凸部125によって押圧されることによって、第一係止部31及び第二係止部32がアダプタ10の中心軸O方向に移動する。
【0142】
これにより、
図13に示すように、第一係止部31の固定部35の第一当接面35a及び第二係止部32の固定部35の第一当接面35aが、ホルダ120の被係止部122bの当接面122b1から離れ(第一状態が解消)、照明器具100がZ軸マイナス方向に移動するため、被係止部122bは、第一係止部31の仮止め部36の第二当接面36a及び第二係止部32の仮止め部36の第二当接面36aと当接する。
図13の二点鎖線で示す第一係止部31及び第二係止部32の位置から、実線で示す第一係止部31及び第二係止部32の位置に変位する。このとき、ホルダ120の第一給電端子123aが第三端子53の他端部53aから離れて、電気的に非接続となる。また、ホルダ120の第二給電端子123bが第四端子54の他端部54aから離れて、電気的に非接続となる。こうして、照明器具100は、第一係止部31の仮止め部36及び第二係止部32の仮止め部36に仮止めされた第二状態でアダプタ10に保持される。
【0143】
このように、アダプタ10において、照明器具100がアダプタ10に固定される第一状態が解除されると、第二凸部21eは、照明器具100に形成される第一凸部124と係合することで、照明器具100がアダプタ10に固定された第一状態を仮止めの第二状態に遷移させることで、照明器具100がアダプタ10に仮止めする。
【0144】
そして、照明器具100をZ軸マイナス方向に押下げると、被係止部122bが第一係止部31の仮止め部36の第二当接面36aの第一傾斜面36a1及び第二係止部32の仮止め部36の第二当接面36aの第一傾斜面36a1と当接してスライドしながら、被係止部122bに押圧されることによって第一係止部31及び第二係止部32がアダプタ10の中心軸O方向に移動する。これにより、照明器具100をアダプタ10から取外すことができる。
【0145】
なお、照明器具100がアダプタ10に仮止めされた際、照明器具100をアダプタ10から取外すために、照明器具100を水平面に対して傾けた姿勢でZ軸マイナス方向に押下げると、第一傾斜面36a1又は第二傾斜面36a2が被係止部122bの当接面122b1と略平行となる。このため、第一傾斜面36a1又は第二傾斜面36a2が被係止部122bの当接面122b1と面接触することで、被係止部122bが第一傾斜面36a1又は第二傾斜面36a2に対してスライドし難くなる。このため、照明器具100を水平面に対して略平行な姿勢でZ軸マイナス方向に押下げると、被係止部122bが第一傾斜面36a1と当接してスライドすることで、アダプタ10に仮止めされた照明器具100を取外すことができる。
【0146】
<作用効果>
次に、本実施の形態におけるアダプタ10、照明装置1及び照明器具100の作用効果について説明する。
【0147】
以上のように、本実施の形態におけるアダプタ10は、引掛シーリング3と照明器具100とを電気的及び機械的に接続するためのアダプタ10であって、照明器具100に設けられる第一給電端子123aと電気的に接続する第一給電部70aと、第一給電端子123aを囲むように照明器具100に設けられる第二給電端子123bと電気的に接続する第二給電部70bとを有するコネクタ部70を備える。また、第一給電部70aは、第一給電端子123aと電気的に接続される第一接続端子50aを有する。また、第二給電部70bは、第一接続端子50aの周囲を囲むように形成され、第二給電端子123bと係合する第二挿入口部22bと、第二挿入口部22bに係合された第二給電端子123bと電気的に接続される第二接続端子50bとを有する。そして、第二挿入口部22bは、第二給電端子123bを支えるように第二給電端子123bと当接する突起部22cを有する。
【0148】
これによれば、第二挿入口部22bには突起部22cが形成されているため、第二給電端子123bが第二挿入口部22bに係合された際に、突起部22cは第二給電端子123bと接触して係合することができる。このため、照明器具100を所定の姿勢で保持することができるため、照明器具100とアダプタ10とが機械的に強固に接続されるため、アダプタ10に対する照明器具100の揺れを抑制することができる。
【0149】
したがって、このアダプタ10では、照明器具100の見栄えの低下を抑制するとともに、照明器具100の揺れを抑制することができる。
【0150】
特に、この照明装置1では、アダプタ10の外観性を損ない難い。
【0151】
また、本実施の形態における照明装置1は、アダプタ10と、アダプタ10と電気的に接続される照明器具100とを備える。
【0152】
この照明器具100においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0153】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、照明器具100の第一給電端子123a及び第二給電端子123bは着脱方向に延びる凸状の端子であり、かつ、アダプタ10の第一給電部70a及び第二給電部70bは第一給電端子123a及び第二給電端子123bが挿入される凹状の給電部である。そして、突起部22cは、第二給電端子123bを第二給電部70bに挿入する挿入方向に向かって第二給電部70bの開口部の隙間を次第に狭める。
【0154】
これによれば、照明器具100をアダプタ10に取付ける際に、突起部22cは、第二給電端子123bを案内することができる。このため、照明器具100をアダプタ10に容易に取付けることができる。
【0155】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、第二給電部70bは、弾性変形可能であり、第二給電端子123bと係合する第二係合部を有する。
【0156】
これによれば、第二係合部も第二給電端子123bと係合するため、照明器具100を所定の姿勢でより強固に保持することができる。このため、照明器具100とアダプタ10とが機械的により強固に接続されるため、アダプタ10に対する照明器具100の揺れを、より抑制することができる。
【0157】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、第二係合部は、一対の弾性爪部22dであり、第二給電端子123bを挟むように第二給電部70bに設けられる。
【0158】
これによれば、一対の弾性爪部22dによって第二給電端子123bを挟むことができるため、照明器具100をより確実に強固に保持することができる。このため、アダプタ10に対する照明器具100の揺れを、より確実に抑制することができる。
【0159】
また、本実施の形態におけるアダプタ10は、アダプタ10の外周面10cから進退自在に突出することで、照明器具100をアダプタ10に固定する第一係止部31及び第二係止部32を備える。そして、コネクタ部70と対向するようにアダプタ10を平面視した場合、第二係合部は、第一給電部70aを通過する直線であって、第一係止部31及び第二係止部32を繋ぐ直線V1と直交する直線V2上に配置される。
【0160】
例えば、照明器具100に応力が加わると、第一係止部31及び第二係止部32を支点として、アダプタ10に対して照明器具100が揺れるように作用する。しかし、本実施の形態では、第二係合部は、第一係止部31及び第二係止部32を繋ぐ直線V1と直交する直線V2上に配置されるため、第一係止部31及び第二係止部32を支点とする照明器具100の揺れを、より確実に抑制することができる。
【0161】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、コネクタ部70と対向するようにアダプタ10を平面視した場合、突起部22cは、第一給電部70aを通過する直線であって、第一係止部31及び第二係止部32を繋ぐ直線V1と直交する直線V2上に配置される。
【0162】
例えば、照明器具100に応力が加わると、第一係止部31及び第二係止部32を支点として、アダプタ10に対して照明器具100が揺れるように作用する。しかし、本実施の形態では、突起部22cは、第一係止部31及び第二係止部32を繋ぐ直線V1と直交する直線V2上に配置されるため、第一係止部31及び第二係止部32を支点とする照明器具100の揺れを、より確実に抑制することができる。
【0163】
また、本実施の形態におけるアダプタ10は、コネクタ部70及び第一係止部31及び第二係止部32が設けられる筐体20を備える。そして、筐体20には、筐体20のコネクタ部70が配置された側とは反対側に、第一係止部31及び第二係止部32を露出させる一対の切り欠き部21hが形成される。
【0164】
これによれば、ユーザが誤ってアダプタ10だけを照明器具100に取付けた場合であっても、ユーザは、切り欠き部21hを介して第一係止部31及び第二係止部32を摘まみながら、第一係止部31及び第二係止部32を筐体20の内部に移動させることができる。このため、アダプタ10を照明器具100から取外し易くなる。
【0165】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、第一係止部31及び第二係止部32は、一対の切り欠き部21hに配置される突出部33aを有する。
【0166】
これによれば、ユーザは、突出部33aを摘まみながら、第一係止部31及び第二係止部32を筐体20の内部に移動させることができる。このため、アダプタ10を照明器具100から取外し易くなる。
【0167】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれは、照明器具100がアダプタ10に固定された際に、アダプタ10の外周面10cから第一量だけ突出する第一状態となる。
【0168】
これによれば、第一状態では、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれが被係止部122bに係止されるため、照明器具100の鉛直方向の移動を抑制することができる。このため、照明器具100が不意に動かされても、第一係止部31及び第二係止部32が照明器具100をアダプタ10に確実に固定することができる。これにより、アダプタ10では、照明装置1の落下をより抑制することができる。
【0169】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれは、照明器具100がアダプタ10に仮止めされた際に、アダプタ10の外周面10cから第一量よりも少ない第二量だけ突出する第二状態となる。
【0170】
これによれば、第一状態が解除されても、第一状態から第二状態に遷移するため、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれが照明器具100をアダプタ10に所定の姿勢で保持することができる。これにより、アダプタ10では、照明装置1の落下をより抑制することができる。
【0171】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、コネクタ部70は、第一給電端子70a及び第二給電部70bを有する被コネクタ部123に対して着脱自在に設けられ、第一状態において、被コネクタ部123と電気的に接続され、第二状態において、被コネクタ部123と電気的に非接続となる。
【0172】
これによれば、第一状態の場合には照明器具100への電力供給がされるため、照明器具100の点灯によって、照明器具100とアダプタ10とが確実に電気的な接続と機械的な接続とがされていることを、ユーザは認識することができる。また、第二状態の場合には照明器具100への電力供給がされないため、照明器具100が点灯しないことによって、照明器具100とアダプタ10との電気的な接続と機械的な接続とが不完全であることを、ユーザは認識することができる。この場合、ユーザは、照明器具100をアダプタ10に確実に固定するように、照明器具100をアダプタ10に取付ける。その結果、このアダプタ10では、照明器具100の落下が抑制され易くなる。
【0173】
また、本実施の形態におけるアダプタ10は、(1)アダプタ10の筐体20が所定の位置関係で引掛シーリング3に取付けられている場合に、筐体20の表面10aから突出して引掛シーリング3の面に設けられた開口に挿入され、(2)筐体20が所定の位置関係となっていない状態で引掛シーリング3に取付けられている場合に、引掛シーリング3の面によって押さえられるロック部80と、ロック部80が引掛シーリング3の面によって押さえられることで、第二給電部70bへの第二給電端子123bの電気的な接続を妨げる位置に変位する規制部92とを備える。
【0174】
これによれば、ロック部80が引掛シーリング3の面によって押さえられると、規制部92は、第二給電部70bへの第二給電端子123bの電気的な接続を妨げる位置に変位する。このため、照明器具100をアダプタ10に取付けようとしても、第二給電部70bとの電気的な接続が妨げられるため、照明器具100をアダプタ10に取付けることができなくなる。このため、ユーザは、アダプタ10が引掛シーリング3に不完全な状態で取付けられていることに気付くことができる。
【0175】
したがって、アダプタ10では、引掛シーリング3に不完全な状態で接続されることを抑制することができる。その結果、アダプタ10が引掛シーリング3に不完全な状態で接続されることによる、アダプタ10及び照明器具100の落下を抑制することができる。
【0176】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、ロック部80は、引掛シーリング3の面によって押さえられることで、第二給電部70bへの第二給電端子123bの電気的な接続を妨げる位置に変位するように第二給電部70bの凹状部の内部に、規制部92を配置する。
【0177】
これによれば、ロック部80が引掛シーリング3の面によって押さえられると、規制部92は、第二給電端子123bが挿入される第二給電部70bの凹状部の内部に配置される。このため、照明器具100をアダプタ10に取付けようとしても、第二給電端子123bが規制部92と接触することで第二給電部70bとの電気的な接続が妨げられるため、照明器具100をアダプタ10に取付けることができなくなる。このため、本実施の形態のアダプタ10によれば、引掛シーリング3に不完全な状態で接続されることを、より抑制することができる。
【0178】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、アダプタ10の外周面10cから進退自在に突出することで、照明器具100をアダプタ10に固定する第一係止部31及び第二係止部32を備える。また、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれは、照明器具100の被係止部122bを係止することで、照明器具100をアダプタ10に固定する固定部35と、被係止部122bと係合することで、照明器具100をアダプタ10に仮止めする仮止め部36とを有する。また、仮止め部36は、照明器具100がアダプタ10に仮止めされる際に、被係止部122bと当接する第二当接面36aを有する。また、第二当接面36aは、引掛シーリング3に対するアダプタ10の着脱方向と直交する仮想平面W0に対して、アダプタ10の外周面10cから離れる方向に下り傾斜する傾斜面である。そして、第二当接面36aは、第一傾斜面36a1と、仮想平面W0に対して第一傾斜面36a1と異なる角度の傾斜面である第二傾斜面36a2とを有する。
【0179】
例えば、照明器具100がアダプタ10に仮止めされた際、照明器具100をアダプタ10から取外すために、照明器具100の一箇所に鉛直下方への応力を加えると、アダプタ10に対して照明器具100の姿勢が傾く。このとき、第一傾斜面36a1又は第二傾斜面36a2が被係止部122b(本実施の形態では、被係止部122bの当接面122b1)と略平行となる。このため、第一傾斜面36a1又は第二傾斜面36a2が被係止部122bと接触する(本実施の形態では、当接面122b1と面接触する)ことで、被係止部122bが第一傾斜面36a1又は第二傾斜面36a2に対してスライドし難くなるため、第一係止部31及び第二係止部32がアダプタ10の中心方向に移動し難くなる(筐体20に収容されるように移動し難くなる)。このため、照明器具100がアダプタ10に仮止めされた状態でも、照明器具100がアダプタ10から離間し難くなる。
【0180】
また、照明器具100がアダプタ10に仮止めされた際、照明器具100をアダプタ10から取外すために、照明器具100の両端を把持しながら照明器具100が略水平な姿勢の状態で鉛直下方への応力を加えると、第一傾斜面36a1が水平面に対して傾斜しているため、被係止部122bが第一傾斜面36a1をスライドすることができる。このため、第一傾斜面36a1が被係止部122bに押されることで、第一係止部31及び第二係止部32がアダプタ10の中心方向に移動することができる。このため、アダプタ10に仮止めされた照明器具100を取外すことができる。
【0181】
このように、照明器具100がアダプタ10に仮止めされた状態でも、照明器具100を正しくない取外し操作をすることで、照明器具100をアダプタ10に保持するとともに、照明器具100を正しい取外し操作をすることで照明器具100をアダプタ10から容易に取外すことができる。照明器具100の落下を抑制することができるため、このアダプタ10では、照明器具100の安全性を高めることができる。
【0182】
また、本実施の形態におけるアダプタ10において、第二傾斜面36a2は、第一傾斜面36a1の両側に配置される。そして、仮想平面W0に対する第一傾斜面36a1の角度θ1は、仮想平面W0に対する第二傾斜面36a2の角度θ2よりも大きい。
【0183】
これによれば、照明器具100がアダプタ10に仮止めされた際、照明器具100をアダプタ10から取外すために、照明器具100の両端を把持しながら照明器具100が略水平な姿勢の状態で鉛直下方への応力を加えた、照明器具100の正しい取外し操作をすることで、照明器具100をアダプタ10から容易に取外すことができる。
【0184】
なお、本実施の形態におけるアダプタ10において、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれは、照明器具100の被係止部122bを係止することで、照明器具100をアダプタ10に固定する固定部35と、被係止部122bと係合することで、照明器具100をアダプタ10に仮止めする仮止め部36とを有してもよい。また、仮止め部36は、照明器具100がアダプタ10に仮止めされる際に、被係止部122bと当接する当接面122b1を有してもよい。そして、当接面122b1は、引掛シーリング3に対するアダプタ10の着脱方向と直交する仮想平面W0に対して、アダプタ10の外周面10cから離れる方向に下り傾斜する第二当接面36aであってもよい。
【0185】
これによれば、照明器具100を引掛シーリング3から取外す場合、例えば照明器具100を回動させることで、第一係止部31及び第二係止部32のそれぞれの固定部35と被係止部122bとの係止が解除されてもよい。当該係止が解除されるとき、照明器具100は自重によってアダプタ10に対して鉛直下方向に移動するが、被係止部122bと仮止め部36とが係合するため、照明器具100がアダプタ10に引っ掛かり、照明器具100の落下が抑制されてもよい。
【0186】
したがって、このアダプタ10によれば、照明装置1を不意に動かしても、照明装置1の落下を抑制することができてもよい。
【0187】
特に、仮止め部36の当接面は第二当接面36aであるため、被係止部122bと仮止め部36とが係合しても、照明器具100を押し下げれば、第一係止部31及び第二係止部32が移動することで被係止部122bと仮止め部36との係合が解除されてもよい。このため、照明器具100を確実かつ安全に取外すことができてもよい。
【0188】
(その他変形例等)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0189】
例えば、上記実施の形態で説明された照明器具及び照明装置は一例であり、照明装置及び照明器具の具体的態様については特に限定されない。照明装置及び照明器具は、アダプタを用いて引掛シーリングボディに接続されるのであれば、どのような態様であってもよい。
【0190】
また、上記実施の形態で説明されたアダプタ、照明器具及び照明装置において、複数の係止部は、一体化された1つの部材であってもよい。
【0191】
また、上記実施の形態で説明されたアダプタ及び照明装置において、
図14及び
図15に示すように、ホルダ120の底部122には、アダプタ10の裏面10bと当接するパッキン等の緩衝部材191が設けられる。つまり、アダプタ10の裏面10bと対向するホルダ120の底部122の面には、緩衝部材191が設けられる。緩衝部材191は、アダプタ10が正常な状態で照明器具100のホルダ120に取付けられる場合、アダプタ10の裏面10bとホルダ120の底部122とで挟まれて、圧縮される。このとき、アダプタ10がホルダ120に取付けられていない場合に比べて、緩衝部材191の厚みが小さくなる。このように、緩衝部材191がアダプタ10の裏面10bとホルダ120の底部122との間に配置されるため、アダプタ10に対する照明器具100の揺れをより確実に抑制することができる。また、緩衝部材191をホルダ120の内部に設けることとなるため、照明器具100の外観性を損ない難い。
図14は、照明器具100とアダプタ0とを有する照明装置1及び引掛シーリング3を示す斜視図である。
図15は、照明器具100がアダプタ10に正常に固定された第一状態を示す部分拡大断面図である。なお、緩衝部材191は、ホルダ120に設けられるが、アダプタ10(具体的にはアダプタ10の裏面10b)に設けられていてもよい。
【0192】
また、上記実施の形態で説明されたアダプタ及び照明装置において、アダプタのコネクタ部は凹状であるが、凸状のコネクタ部であってもよい。つまり、コネクタ部の第三端子の他端部及び第四端子の他端部が第一挿入口部及び二挿入口部から突出する構成であってもよい。この場合、第一給電端子及び第二給電端子が、ホルダの底部から凹む構成であってもよい。つまり、アダプタのコネクタ部は、雄型のコネクタ部であり、ソケットの給電部は、雌型のコネクタ部であってもよい。アダプタにおいて、照明器具の第一給電端子及び第二給電端子は着脱方向に延びる凸状の端子であり、かつ、アダプタの第一給電部及び第二給電部は第一給電端子及び第二給電端子が挿入される凹状の給電部であるが、照明器具の第一給電端子及び第二給電端子は着脱方向に延びる凹状の端子であり、かつ、アダプタの第一給電部及び第二給電部は第一給電端子及び第二給電端子に挿入する凸状の給電部であってもよい。
【0193】
また、上記実施の形態で説明されたアダプタ及び照明装置において、ホルダの外周壁部は、第一被係止部と、第二被係止部とを有していてもよい。第一被係止部は、第二被係止部よりもZ軸マイナス方向側に形成される環状の凸部であり、外周壁部の内周面から外周壁部の内径を狭めるように張り出していてもよい。第一状態の場合に、第一被係止部は、第一係止部及び第二係止部のそれぞれにおける係止本体の固定部と当接する。第一被係止部は、外周壁部の内周面に形成され、第二被係止部とホルダの底部との間に位置していてもよい。また、第二被係止部は、ホルダの外周壁部におけるZ軸プラス方向側の端縁に形成される環状の凸部であり、外周壁部の内周面から外周壁部の内径を狭めるように張り出していてもよい。第二状態の場合に、第二被係止部は、第一係止部及び第二係止部のそれぞれにおける係止本体の仮止め部と当接する。第二被係止部は、ホルダを平面視して第一被係止部と略同径であるが、第一被係止部よりも大径であってもよく、第一被係止部よりも小径であってもよい。
【0194】
また、上記実施の形態で説明されたアダプタ及び照明装置において、引掛シーリングボディの具体的態様についても特に限定されない。引掛シーリングボディとしては、丸型フル引掛シーリング、フル引掛ローゼット、丸型引掛シーリング、角型引掛シーリング、引掛埋込ローゼット、及び、引掛露出ローゼット等が用いられる。
【0195】
その他、実施の形態及び実施の形態の変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び実施の形態の変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0196】
1 照明装置
3 引掛シーリング
10 アダプタ
20 筐体
22b 第二挿入口部(第一係合部)
22c 突起部
22d 弾性爪部(第二係合部)
21h 切り欠き部
31 第一係止部
32 第二係止部
33a 突出部
36a 第二当接面(当接面)
50a 第一接続端子
50b 第二接続端子
70 コネクタ部
70a 第一給電部
70b 第二給電部
100 照明器具
123 被コネクタ部
123a 第一給電端子
123b 第二給電端子
V1、V2、W1、W2 直線
W0 仮想平面