(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】ゲームを提供するシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/44 20140101AFI20240329BHJP
A63F 13/5375 20140101ALI20240329BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240329BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240329BHJP
A63F 13/814 20140101ALI20240329BHJP
【FI】
A63F13/44
A63F13/5375
A63F13/55
A63F13/58
A63F13/814
(21)【出願番号】P 2022168783
(22)【出願日】2022-10-21
(62)【分割の表示】P 2020156815の分割
【原出願日】2020-09-18
【審査請求日】2022-10-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】竹内 勝
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特許第3691832(JP,B1)
【文献】特開2007-111568(JP,A)
【文献】特開2017-023581(JP,A)
【文献】特許第6380644(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のコンピュータプロセッサを備えた、ゲームを提供するシステムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
第1キャラクタに関連する第1ゲーム画面に、前記第1キャラクタから第2キャラクタへの攻撃に関する第1攻撃アクションと対応付けられており第1基準領域に向かって移動する第1タイミング指標、及び、前記第1キャラクタの防御に関する第1防御アクションと対応付けられており前記第1基準領域に向かって移動する第2タイミング指標を表示し、
前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1攻撃アクションを実行させ、
前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1防御アクションを実行させ
、
前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合に前記第1キャラクタの第1パラメータを第1変化量だけ変化させ、
前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合及び受け付けられた場合のいずれにおいても、前記第1パラメータを変化させない、
システム。
【請求項2】
前記第1攻撃アクションの実行により、前記第2キャラクタに関連する第2ゲーム画面に、前記第2キャラクタの防御に関する第2防御アクションと対応付けられており第2基準領域に向かって移動する第4タイミング指標が表示される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1パラメータを前記第1変化量とは異なる第2変化量だけ変化させる、
請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第4タイミング指標が前記第2基準領域に重なっている間に第2入力インタフェースに対する操作がなされなかった場合に、前記第2キャラクタの第2パラメータが第3変化量だけ変化する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第4タイミング指標が前記第2基準領域に重なっている間に前記第2入力インタフェースに対する操作がなされた場合に、前記第2パラメータが前記第3変化量と異なる第4変化量だけ変化する、
請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1入力インタフェースに対する操作に応じて複数のレーンの中から特定レーンが決定され、
前記第4タイミング指標は、前記特定レーンに沿って前記第2基準領域に向かって移動する、
請求項
4又は
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第1ゲーム画面に前記第1基準領域に向かって移動する第5タイミング指標を表示し、
前記第5タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースに対する操作がなされた場合に、前記第2ゲーム画面における前記第4タイミング指標の少なくとも一方の表示が変更される、
請求項
4から
6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
一又は複数のコンピュータプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することによりゲームの処理を行うゲーム処理方法であって、
第1キャラクタに関連する第1ゲーム画面に、前記第1キャラクタから第2キャラクタへの攻撃に関する第1攻撃アクションと対応付けられており第1基準領域に向かって移動する第1タイミング指標、及び、前記第1キャラクタの防御に関する第1防御アクションと対応付けられており前記第1基準領域に向かって移動する第2タイミング指標を表示する工程と、
前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1攻撃アクションを実行させる工程と、
前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1防御アクションを実行させる工程と、
を備え
、
前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合に前記第1キャラクタの第1パラメータを第1変化量だけ変化させ、
前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合及び受け付けられた場合のいずれにおいても、前記第1パラメータを変化させない、
ゲーム処理方法。
【請求項9】
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
第1キャラクタに関連する第1ゲーム画面に、前記第1キャラクタから第2キャラクタへの攻撃に関する第1攻撃アクションと対応付けられており第1基準領域に向かって移動する第1タイミング指標、及び、前記第1キャラクタの防御に関する第1防御アクションと対応付けられており前記第1基準領域に向かって移動する第2タイミング指標を表示する工程と、
前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1攻撃アクションを実行させる工程と、
前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1防御アクションを実行させる工程と、
を実行させ
、
前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合に前記第1キャラクタの第1パラメータを第1変化量だけ変化させ、
前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合及び受け付けられた場合のいずれにおいても、前記第1パラメータを変化させない、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における開示は、ゲームを提供するシステム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
リズムゲームと呼ばれるゲームが知られている。リズムゲームにおいては、楽曲のリズムに合わせてレーンに沿って動くノーツがゲーム画面に表示され、ノーツが基準位置に重なるタイミングとプレイヤの操作タイミングとを比較することで、楽曲のリズムに対するプレイヤの操作の正確性が評価される。リズムゲームは、タイミングゲームと呼ばれることもある。
【0003】
リズムゲームはビデオゲームの主要なジャンルの一つであり、これまでにリズムゲームに関する多数の発明が特許出願されている。例えば特開2020-22815号公報(特許文献1)は、リズムゲームにおけるプレイヤの操作の評価手法に関する改善を提案している。特開2014-195620号公報(特許文献2)には、リズムゲームと並行してキャラクタ同士が対戦する対戦ゲームを行うことが開示されている。特許文献2では、リズムゲームにおいてプレイヤの操作タイミングの正確性が評価され、その評価に基づいてサブゲームとして提供される対戦での攻撃力が定められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-22815号公報
【文献】特開2014-195620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リズムゲームでは、楽曲のリズムに合わせてノーツを表示し、ノーツが基準位置に重なるタイミングとプレイヤの操作タイミングとを比較することで楽曲のリズムに対するプレイヤの操作の正確性を評価するという独自性の高いゲームメカニクスが確立されている。このため、リズムゲームに対戦ゲーム等のリズムゲーム以外のゲームの特徴を取り入れることが難しい。上記のとおり、特許文献2ではリズムゲームと対戦ゲームとが組み合わされているが、リズムゲームと並行して進行する対戦ゲームにおいてキャラクタの攻撃力を決定する一要素としてリズムゲームにおけるプレイヤの操作の正確性に関する評価が用いられているにすぎず、リズムゲームのゲームメカニクス自体には変更が加えられていない。つまり、特許文献2では、リズムゲームと対戦ゲームとを並行して進行させる際に、対戦ゲームにおいてリズムゲームにおける評価結果を利用しているが、リズムゲームには対戦ゲームの特徴が取り入れられていない。
【0006】
このように、リズムゲームに他の種類のゲームの特徴を取り入れることは難しく、他の種類のゲームの特徴をゲームメカニクスの一部として取り入れたリズムゲームはこれまで知られていない。
【0007】
本出願で開示される発明の目的は、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和することである。本出願で開示される発明のより具体的な目的の一つは、リズムゲームに他の種類のゲームの特徴を取り込んだ新規なゲームを提供することである。本出願で開示される発明のより具体的な目的の一つは、リズムゲームに対戦ゲームの特徴を取り込んだ新規なゲームを提供することである。
【0008】
本出願で開示される発明の上記以外の目的は、明細書全体の記載を通じて明らかにされる。本出願で開示される発明は、「発明を解決しようとする課題」の欄の記載以外から把握される課題を解決するものであってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、ゲームを提供するシステムに関する。当該システムは、一又は複数のコンピュータプロセッサを備える。この一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、第1キャラクタに関連する第1ゲーム画面に、前記第1キャラクタから第2キャラクタへの攻撃に関する第1攻撃アクションと対応付けられており第1基準領域に向かって移動する第1タイミング指標、及び、前記第1キャラクタの防御に関する第1防御アクションと対応付けられており前記第1基準領域に向かって移動する第2タイミング指標を表示する。前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1攻撃アクションを実行させ、前記第2タイミング指標が前記基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1防御アクションを実行させる。
【0010】
本発明の一又は複数の実施形態において、前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合に前記第1キャラクタの第1パラメータを第1変化量だけ変化させる。
【0011】
本発明の一又は複数の実施形態において、前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1パラメータを前記第1変化量とは異なる第2変化量だけ変化させる。
【0012】
本発明の一又は複数の実施形態において、前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合及び受け付けられた場合のいずれにおいても、前記第1パラメータを変化させない。
【0013】
本発明の一又は複数の実施形態において、前記第2キャラクタに関連する第2ゲーム画面に、前記第2キャラクタから前記第1キャラクタへの攻撃に関する第2攻撃アクションと対応付けられており第2基準領域に向かって移動する第3タイミング指標が表示される。前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第3タイミング指標が前記第2基準領域に重なっている間に第2入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に、前記第1ゲーム画面に前記第2タイミング指標を表示する。
【0014】
本発明の一又は複数の実施形態において、前記第1攻撃アクションの実行により、前記第2ゲーム画面に、前記第2キャラクタの防御に関する第2防御アクションと対応付けられており第2基準領域に向かって移動する第4タイミング指標が表示される。
【0015】
本発明の一又は複数の実施形態において、前記第4タイミング指標が前記第2基準領域に重なっている間に前記第2入力インタフェースに対する操作がなされなかった場合に、前記第2キャラクタの第2パラメータが第3変化量だけ変化する。
【0016】
本発明の一又は複数の実施形態において、前記第4タイミング指標が前記第2基準領域に重なっている間に前記第2入力インタフェースに対する操作がなされた場合に、前記第2第2パラメータが前記第3変化量と異なる第4変化量だけ変化する。
【0017】
本発明の一又は複数の実施形態において、前記第1入力インタフェースに対する操作に応じて複数のレーンの中から特定レーンが決定され、前記第4タイミング指標は、前記特定レーンに沿って前記第2基準領域に向かって移動する。
【0018】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第1ゲーム画面に前記第1基準領域に向かって移動する第5タイミング指標を表示し、前記第5タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースに対する操作がなされた場合に、前記第2画面における前記第3タイミング指標及び前記第4タイミング指標の少なくとも一方の表示が変更される。
【0019】
本発明の一態様は、一又は複数のコンピュータプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することによりゲームの処理を行うゲーム処理方法に関する。当該ゲーム処理方法は、第1キャラクタに関連する第1ゲーム画面に、前記第1キャラクタから第2キャラクタへの攻撃に関する第1攻撃アクションと対応付けられており第1基準領域に向かって移動する第1タイミング指標、及び、前記第1キャラクタの防御に関する第1防御アクションと対応付けられており前記第1基準領域に向かって移動する第2タイミング指標を表示する工程と、前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1攻撃アクションを実行させる工程と、前記第2タイミング指標が前記基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1防御アクションを実行させる工程と、を備える。
【0020】
本発明の一態様は、一又は複数のコンピュータプロセッサに、以下の工程を実行させるプログラムに関する。すなわち、本発明の一態様におけるプログラムは、一又は複数のコンピュータプロセッサに、第1キャラクタに関連する第1ゲーム画面に、前記第1キャラクタから第2キャラクタへの攻撃に関する第1攻撃アクションと対応付けられており第1基準領域に向かって移動する第1タイミング指標、及び、前記第1キャラクタの防御に関する第1防御アクションと対応付けられており前記第1基準領域に向かって移動する第2タイミング指標を表示する工程と、前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1攻撃アクションを実行させる工程と、前記第2タイミング指標が前記基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1防御アクションを実行させる工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態によって、対戦ゲームの特徴を取り込んだ新規なリズムゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一又は複数の実施形態によるゲーム処理システムを示すブロック図である。
【
図2】
図1のゲーム処理システムにおいて記憶されるノーツデータを説明する図である。
【
図3】
図1のゲーム処理システムにおいて記憶されるキャラクタデータを説明する図である。
【
図4】
図1のゲーム処理システムにおいて記憶されるユーザデータを説明する図である。
【
図5】
図1のゲーム処理システムにより提供されるゲームのゲーム画面を模式的に示す図である。このゲーム画面は、ユーザ装置10aに表示されている。
【
図6】
図1のゲーム処理システムにより提供されるゲームのゲーム画面を模式的に示す図である。このゲーム画面は、ユーザ装置10bに表示されている。
【
図7】本発明の一又は複数の実施形態によるゲームシステムにより提供されるゲームにおける対戦開始までの処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図8】本発明の一又は複数の実施形態によるゲームシステムにより提供されるゲームにおける対戦処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図9】対戦中に更新されたノーツデータを説明するための図である。
【
図10a】第1キャラクタに関連するゲーム画面を模式的に示す図である。
【
図10b】第2キャラクタに関連するゲーム画面を模式的に示す図である。
【
図11a】第1キャラクタに関連するゲーム画面を模式的に示す図である。
【
図11b】第2キャラクタに関連するゲーム画面を模式的に示す図である。
【
図12a】第1キャラクタに関連するゲーム画面を模式的に示す図である。
【
図12b】第2キャラクタに関連するゲーム画面を模式的に示す図である。
【
図13a】第1キャラクタに関連するゲーム画面を模式的に示す図である。
【
図13b】第2キャラクタに関連するゲーム画面を模式的に示す図である。
【
図14】第1キャラクタに関連するゲーム画面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を適宜参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。複数の図面において同一の又は類似する構成要素には同じ参照符号が付される。
【0024】
図1から
図6を参照して、本発明の一実施形態によるゲームシステム1について説明する。
図1は、ゲームシステム1を示すブロック図であり、
図2から
図4は、ゲームシステム1において記憶される各種データを説明するための図であり、
図5及び
図6は、ゲームシステム1により提供されるゲームのゲーム画面を模式的に示す図である。
【0025】
図示のとおり、本発明の一実施形態によるゲームシステム1は、ユーザ装置10aと、ユーザ装置10bと、サーバ20と、ストレージ30と、を備える。ユーザ装置10a、ユーザ装置10b、サーバ20、及びストレージ30は、ネットワーク40を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク40は、単一のネットワークであってもよく、複数のネットワークが接続されて構成されていてもよい。ネットワーク40は、例えば、インターネット、移動通信網、及びこれらの組み合わせである。ネットワーク40としては、電子機器間の通信を可能とする任意のネットワークが適用され得る。
【0026】
図1に示されているゲームシステム1は、本発明を適用可能なシステムの例であり、本発明を適用可能なゲームシステムは、
図1に示されたものには限定されない。例えば、本発明を適用可能なゲームシステム1は、図示されている構成要素の一部を備えなくてもよい。例えば、ゲームシステム1は、サーバ20やストレージ30を備えなくともよい。ゲームシステム1は、ネットワーク40を備えなくともよい。ユーザ装置10a及びユーザ装置10bは、ネットワーク40を経由せず、互いと直接に情報を送受信するように構成されてもよい。
【0027】
図示されているゲームシステム1は、ネットワーク40に接続された複数の装置を備えているが、本発明を適用可能なゲームシステム1は、単一の装置から構成されてもよい。例えば、ゲーム処理システム1は、ユーザ装置10aのみから構成されていてもよい。この場合、ユーザ装置10aとゲームシステム1とは同義となる。
【0028】
図示の実施形態において、ユーザ装置10a、10bは、スマートフォン、ゲーム用コンソール、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍リーダー、ウェアラブルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、またはこれら以外の各種情報処理装置であってもよい。本明細書においては、ユーザAがユーザ装置10aを使用してゲームシステム1が提供するゲームをプレイし、ユーザBがユーザ装置10bを使用してゲームシステム1が提供するゲームをプレイすることを想定して説明を行う。ユーザAがノンプレイヤキャラクタと対戦する場合には、ゲームシステム1からユーザ装置10bを省略することができる。
【0029】
ゲームシステム1は、対戦ゲームの特徴を取り入れたリズムゲームを提供することができる。ゲームシステム1が提供するリズムゲームにおいては、楽曲のリズムに合わせてレーンに沿って動くノーツがゲーム画面に表示され、ノーツが基準領域に重なるタイミングとプレイヤの操作タイミングとを比較することで、楽曲のリズムに対するプレイヤの操作の正確性が評価される。対戦ゲームの特徴を取り入れたリズムゲームの詳細については後述する。ゲームシステム1により提供されるリズムゲームは、対戦相手と対戦する対戦モードと、対戦を行わずにハイスコアの獲得を目指すソロモードと、を有していてもよい。ユーザA及びユーザBは、リズムゲームの対戦モードにおいて互いと対戦することができる。
【0030】
次に、ユーザ装置10a及びユーザ端末10bについて説明する。ユーザ装置10bは、ユーザ装置10aと同様に構成され得るので、以下では、主にユーザ装置10aについて説明し、ユーザ装置10bについての詳細な説明は省略する。ユーザ装置10aについての説明は、可能な限りユーザ装置10bにも当てはまる。
【0031】
ユーザ装置10aは、コンピュータプロセッサ11、メモリ12、ユーザインタフェース13、スピーカ14、通信インタフェース15、及びストレージ16を備えている。ユーザ装置10bも、同様の構成要素を備えることができる。本明細書においては、コンピュータプロセッサを単にプロセッサと称することがある。
【0032】
プロセッサ11は、オペレーティングシステムやゲームを実行するための様々なプログラムをメモリ12にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する演算装置である。プロセッサ11は、例えば、CPU、MPU、DSP、GPU、これら以外の各種演算装置、又はこれらの組み合わせである。プロセッサ11は、ASIC、PLD、FPGA、MCU等の集積回路により実現されてもよい。
【0033】
メモリ12は、プロセッサ11が実行する命令及びそれ以外の各種データを格納するために用いられる。メモリ12は、プロセッサ11が高速にアクセス可能な主記憶装置(メインメモリ)である。メモリ12は、例えば、DRAMやSRAM等のRAMによって構成される。
【0034】
ユーザインタフェース13は、ユーザの入力を受け付ける入力インタフェースと、プロセッサ11の制御により様々な情報を出力する出力インタフェースと、を備える。入力インタフェースは、例えば、タッチパネルである。出力インタフェースは、例えば、表示パネルである。タッチパネルは、表示パネルの上面又は下面に積層され得る。表示パネルは、液晶パネル、有機ELパネル、無機ELパネル、又はこれら以外の画像を表示可能な任意の表示パネルである。タッチパネルは、ユーザのタッチ操作を検出することができるように構成されている。タッチパネルは、ユーザのタップ、ダブルタップ、ドラッグ等の各種タッチ操作を検出することができるように構成される。
【0035】
スピーカ14は、プロセッサ11の制御に基づいて、楽曲、ゲームの効果音、及びこれら以外の音を発生させる。
【0036】
通信インタフェース15は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装される。ユーザ装置10aは、通信インタフェース15を介して、他の装置とデータを送受信することができる。
【0037】
ストレージ16は、プロセッサ11によりアクセスされる外部記憶装置である。ストレージ16は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ、又はデータを記憶可能な前記以外の各種記憶装置である。ストレージ16には、リズムゲームを提供するための各種処理を実行するためのゲームプログラム等の様々なプログラムが記憶されてもよい。
【0038】
ストレージ16には、ゲームにおいて用いられる各種データが記憶されてもよい。ストレージ16には、例えば、楽曲データ16a、ノーツデータ16b、キャラクタデータ16c、ユーザデータ16d、及びこれら以外のゲームを提供するために用いられる各種データが記憶され得る。ストレージ16に記憶されるデータは、ゲームの進行に応じて更新されてもよい。
【0039】
楽曲データ16aは、デジタル化された楽曲に関するデータである。楽曲データ16aは、例えば、演奏開始からの経過時間を表す発音時刻に対応付けて、演奏される各音のピッチ及び演奏される各音の継続時間を対応付けたデータであり、例えばMIDI形式で表現される。つまり、楽曲データは、演奏される楽曲を時系列的にデジタルデータとして表現したものである。楽曲データ16aは、ゲーム開始前にサーバ20からダウンロードされてもよい。ユーザAは、好みの楽曲を有償又は無償で適宜ユーザ装置10aにダウンロードすることができる。
【0040】
ノーツデータ16bは、ゲーム画面に登場するノーツと呼ばれるタイミング指標に関するデータである。ノーツデータ16bは、ノーツを識別するノーツID、当該ノーツがゲーム画面の基準領域に表示される時刻を表す基準タイミング情報、当該ノーツの種類を識別するノーツ種類情報、当該ノーツが表示されるレーンを識別するレーン情報、当該ノーツがゲーム画面に出現する際の出現位置を示す出現位置情報、当該ノーツの形状・大きさ、当該ノーツの移動速度、及びこれら以外の当該ノーツに関連する各種情報を含み得る。ノーツデータ16bに含まれる情報は、ノーツIDと関連付けてストレージ16に記憶される。
図2にノーツデータ16bの例が示されている。
図2に示されている例においては、ノーツを識別するノーツID(101~103)と対応付けて、当該ノーツの基準タイミング情報、ノーツ種類情報、レーン情報、及び出現位置情報が記憶されている。ノーツの出現位置は、ノーツがゲーム画面に出現する際のゲーム画面における基準領域からの距離を表してもよいし、ゲーム画面における座標を表してもよい。
【0041】
ノーツの基準タイミング情報は、演奏開始からの経過時刻の形式で表現され得る。図示の例では、ノーツIDが「101」で識別されるノーツと対応付けられた基準タイミング情報として、「00:02:12:000」が記憶されている。この基準タイミング情報は、ノーツID「101」で識別されるノーツが、演奏開始から0時間2分12秒経過時にゲーム画面の基準領域に到達されるように表示されることを特定している。
【0042】
ノーツ種類情報は、「1」~「3」の整数で表されている。ノーツ種類情報に「1」が設定されているノーツは、対戦相手のキャラクタへの攻撃アクションを行うための攻撃ノーツである。ノーツ種類情報に「2」が設定されているノーツは、対戦相手からの攻撃を防御する防御アクションを行うための防御ノーツである。ノーツ種類情報に「3」が設定されているノーツは、ゲーム内において対戦機能と関連する攻撃アクション及び防御アクション以外の効果を発生させるためのスキルノーツである。詳しくは後述するが、攻撃ノーツが基準領域に重なっている間に当該攻撃ノーツに対するユーザからの操作が受け付けられた場合に攻撃アクションが実行され、防御ノーツが基準領域に重なっている間に当該防御ノーツに対するユーザからの操作が受け付けられた場合に防御アクションが実行され、スキルノーツが基準領域に重なっている間に当該スキルノーツに対するユーザからの操作が受け付けられた場合に当該スキルノーツに対応するスキルアクションが実行される。ノーツの種類は、上記の3種類に限られない。例えば、リズムゲームにおいて、ユーザが操作に成功してもキャラクタが何もアクションを起こさないダミーノーツが用いられる場合には、ノーツ種類情報によりダミーノーツが識別されてもよい。ゲームシステム1が提供するリズムゲームにおいては、上記の3種類の全てのノーツが使用されなくてもよい。例えば、「スキルノーツ」や「ダミーノーツ」は使用されなくともよい。
【0043】
リズムゲームが複数の楽曲を演奏可能な場合には、ノーツデータ16bは、楽曲ごとに準備されてもよい。楽曲ごとにリズムが異なるため、ノーツデータ16bは、楽曲ごとに準備されること望ましい。ある楽曲に関するノーツデータ16bの基準タイミング情報のより示されるノーツの基準領域への到達時刻は、当該楽曲の拍の位置と一致するように設定されてもよい。これにより、ノーツが基準領域に重なっているときに演奏されている楽曲では拍が現れる。
【0044】
キャラクタデータ16cは、ユーザAがゲームにおいて使用するキャラクタに関するデータであり、当該キャラクタのキャラクタID、当該キャラクタの名称、当該キャラクタを表すアイコン、当該キャラクタに設定された各種パラメータ、及びこれら以外の当該キャラクタに関する情報を含み得る。キャラクタに設定するパラメータには、当該キャラクタのヒットポイント(HP)、当該キャラクタの攻撃力、当該キャラクタの防御力、当該キャラクタの属性、当該キャラクタが使用可能なスキル効果(つまり、後述するスキルノーツへの操作が成功した場合に発動されるスキル効果)を識別するスキル識別データ、及びこれら以外の各種パラメータが含まれ得る。ゲームシステム1が提供するリズムゲームの対戦モードにおいては、ユーザAのキャラクタが他のユーザのキャラクタと対戦することができる。キャラクタに設定されている各種パラメータは、この対戦モードにおいてゲームを進行させるために使用され得る。キャラクタデータ16cには、ユーザAがリズムゲームの対戦モードにおいて使用できる複数のキャラクタに関するデータが含まれてもよい。対戦モードにおいては、複数のキャラクタが同時に使用されてもよいし、一つのキャラクタのみが使用されてもよい。
【0045】
ユーザデータ16dは、ゲームシステム1が提供するリズムゲームにおけるユーザに関連するデータである。ユーザデータ16dは、ユーザを識別するユーザID、当該ユーザが対戦で使用するキャラクタを識別するキャラクタID、リズムゲームにおいて当該ユーザが獲得した得点、リズムゲームにおいて当該ユーザが使用できる楽曲を識別する楽曲ID、当該ユーザのレベル、及びこれら以外のユーザに関連する各種情報を含み得る。
【0046】
次に、サーバ20について説明する。サーバ20は、コンピュータプロセッサ21、メモリ22、ユーザインタフェース23、通信インタフェース24、ストレージ25を備えている。
【0047】
プロセッサ21は、オペレーティングシステムやゲームを提供するための様々なプログラムをメモリ22にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する演算装置である。プロセッサ11に関する説明は、プロセッサ21にも当てはまり、メモリ12に関する説明はメモリ22にも当てはまる。
【0048】
ユーザインタフェース23は、オペレータの入力を受け付けるキーボードやマウス等の情報入力装置と、プロセッサ21の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置とを含む。
【0049】
通信インタフェース24は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装される。サーバ20は、通信インタフェース22を介して、他の装置とデータを送受信することができる。
【0050】
ストレージ25は、プロセッサ21によりアクセスされる外部記憶装置である。ストレージ25は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ、又はデータを記憶可能な前記以外の各種記憶装置である。ストレージ25には、ゲームシステム1によって提供されるゲームのユーザを管理するためのユーザ管理データ25a及びこれら以外のゲームを提供するために必要な各種データが記憶され得る。ユーザ管理データ25aは、ゲームシステム1が提供するゲームのユーザに関するデータをユーザごとに管理する。ユーザ管理データ25aには、ユーザごとに、ユーザID、当該ユーザが保有するアイテム、当該ユーザの獲得ポイント、当該ユーザのレベル、当該ユーザの対戦履歴に関する対戦履歴データ、当該ユーザが友人として登録している他のユーザのユーザID(フレンドユーザID)、及びこれら以外の当該ゲームを提供するために必要な各種のデータが含まれ得る。対戦履歴データには、過去の対戦相手、勝敗、及びこれら以外の対戦に関するデータが含まれ得る。
【0051】
ゲームシステム1において、データの格納場所には特段の制限はない。例えば、ストレージ16に記憶され得る各種データは、ユーザ装置10aとは物理的に別体のストレージ(例えば、ストレージ25又はストレージ30)やデータベースサーバに格納されてもよい。同様に、ストレージ25に記憶され得る各種データは、サーバ20とは物理的に別体のストレージ(例えば、ストレージ16又はストレージ30)やデータベースサーバに格納されてもよい。
図1においては、ストレージ15及びストレージ25はそれぞれが単一のユニットとして図示されているが、ストレージ16、25の少なくとも一方は、複数の物理的に別体のストレージが集合したものであってもよい。つまり、本明細書において、ストレージ16に記憶されるデータ及びストレージ25に記憶されるデータは、単一のストレージに記憶されてもよいし、複数のストレージに分散して記憶されてもよい。また、本明細書及び特許請求の範囲において、単に「ストレージ」という場合には、文脈上許される限り、単一のストレージと複数のストレージの集合のいずれを指し示すこともある。
【0052】
続いて、ゲームシステム1を構成する各装置の機能について説明する。まず、ユーザ装置10aの機能について説明する。ユーザ装置10aのプロセッサ11は、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、画像生成部11a、出力制御部11b、操作受付部11c、操作判定部11d、アクション制御部11e、及び対戦結果判定部11fとして機能する。ユーザ装置10bもユーザ装置10aと同様の機能を実現することができる。
【0053】
画像生成部11aは、リズムゲームのゲーム画面を生成する。ゲーム画面は、ゲーム画面を構成する仮想空間を構築するためのアセットデータ及びノーツデータ16bに基づいて生成されてもよい。
【0054】
出力制御部11bは、ストレージ16から演奏すべき楽曲に対応する楽曲データ16aを読み出し、読み出した楽曲データ16aに基づいてスピーカ14に楽曲を出力させるとともに、画像生成部11aにより生成されたゲーム画面をユーザインタフェース13の表示パネルに表示させる。
【0055】
出力制御部11bの制御によりユーザ装置10aの表示パネルに表示されるゲーム画面の例を、
図5を参照して説明する。
図5に示されているように、プレイヤAがゲームシステム1により提供されるリズムゲームを開始すると、ユーザ装置10aにゲーム画面50が表示される。ゲーム画面50は、演奏される楽曲のリズムに合わせてノーツが表示されるメイン領域51と、ユーザAのキャラクタに関する各種情報が表示される第1キャラクタ領域52と、対戦モードの実行時に対戦相手のキャラクタに関する各種情報が表示される第2キャラクタ領域53と、ユーザAがリズムゲームにおいて獲得した得点を示すスコア領域54と、を含んでいる。ゲーム画面50には、上記の情報以外に、操作メニューを示すためのメニューボタン、各種設定を変更するための設定ボタン、及びこれら以外の様々なボタンやオブジェクトが含まれる。
【0056】
メイン領域51には、複数のレーンが含まれる。図示の例では、レーンL1からレーンL5の5つのレーンが表示されている。説明の便宜上、メイン領域51の左上の角を原点とし、紙面の右方向に延びるX軸と、紙面の下方にX軸と直交する方向に延びるY軸と、を定義する。レーンL1、L2、L3、L4、L5は、X軸方向に沿ってこの順に並んでいる。各レーンは、Y軸方向に延びている。
【0057】
基準領域SR1は、メイン領域51の下端近くに配置されている。図示の例では、基準領域SR1は、レーンL1からレーンL5まで跨がってX軸方向に沿って延びる帯状の領域である。
【0058】
メイン領域51には、ノーツの出現する出現位置が複数配置されてもよい。図示の例では、メイン領域51には、第1出現位置Y11と、第1出現位置Y11よりもY軸方向の正側にある第2出現位置Y12と、第2出現位置Y12よりもY軸方向の正側にある第3出現位置Y13とが配置されている。第2出現位置Y12は、第1出現位置Y11よりも基準領域SR1の近くにあり、第3出現位置Y13は、第2出現位置Y12よりも基準領域SR1の近くにある。ノーツは、ゲーム画面50に登場する際に、第1出現位置Y11~第3出現位置Y13のいずれかに配置される。ノーツが基準領域SR1の近くに配置されるほど、当該ノーツがユーザによって認知されてから基準領域SR1に到達するまでの時間が短くなるので、当該ノーツの操作に成功することが難しくなる。
【0059】
レーンL1からレーンL5の各々には、楽曲のリズムに合わせて一又は複数のノーツが表示される。図示の例では、メイン領域51にノーツN11からノーツN16の6個のノーツが表示されている。ノーツN11、N13はレーンL1上に、ノーツN12はレーンL2上にノーツN14はレーンL3上に、ノーツN15はレーンL4上に、ノーツN16はレーンL5上にそれぞれ配置されている。各ノーツは、レーン内をY軸方向に沿って(紙面の上から下に向かって)移動する。
【0060】
メイン領域51に表示されるノーツは、ノーツデータ16bに基づいて表示されてもよい。ノーツN11~N16は、
図2に示されているノーツID101~106にそれぞれ基づいて表示されている。
図2に示されているように、ノーツIDが「101」のノーツは、レーン情報に「1」が設定され、ノーツ種類情報に「1」が設定されているためているため、レーンL1上に攻撃ノーツとして表示される。当該ノーツの基準タイミング情報は、「00:02:12:000」なので、ノーツN11は、リズムゲームにおいて楽曲の演奏が開始されてから0時間2分12秒経過時に基準領域SR1と重なるように表示される。この基準タイミング情報で指定されている時刻に基準領域SR1に重なっているように、ノーツN11は、基準タイミング情報で特定される時刻よりも少し前(例えば、約2秒前)に出現位置情報「1」で特定される第1出現位置Y11に出現し、その第1出現位置Y11からレーンL1上をY軸に沿って基準領域SR1まで移動する。ノーツN11の移動速度は、基準タイミング情報で指定される時刻にノーツN11が基準領域SR1に重なるように設定される。ノーツN12~N16の表示もノーツN11の表示と同様に、ノーツID「102」~「106」に対応付けられている各情報に基づいて制御される。楽曲データ16aには、テンポ(BPM:beats per minute)が設定されていてもよい。楽曲データ16aにテンポが設定されている場合には、ノーツの移動速度は、このテンポに応じて定められる。
【0061】
ノーツデータ16bにおいて、ノーツID「101」、「104」、及び「105」にはノーツの種類として「1」が対応付けられているので、ノーツN11、N14、N15は攻撃ノーツであり、ノーツID「102」及び「106」にはノーツの種類として「2」が対応付けられているので、ノーツN12、N16は防御ノーツであり、ノーツID「103」にはノーツの種類として「3」が対応付けられているので、ノーツN13はスキルノーツである。ある種類のノーツは、別の種類のノーツと視覚的に区別可能に表示されてもよい。攻撃ノーツ、防御ノーツ、及びスキルノーツは、互いとは異なる形状、模様、色、又はこれら以外の視覚的特徴を有していてもよい。
【0062】
ノーツデータ16bにおいては、異なる2以上のノーツに同じ基準タイミング情報が設定されていてもよい。
図2の例においては、ノーツID「105」及びノーツID「106」に同じ基準タイミング情報「00:02:14:00」が設定されている。また、ノーツID「105」及びノーツID「106」には、同じ出現位置「1」が設定されている。このため、ノーツID「105」に対応するノーツN15とノーツID「106」に対応するノーツN16とは、ゲーム画面50に同時に登場し、基準領域SR1に同時に到達する。ゲームシステム1が提供するリズムゲームにおいては、複数のノーツが互いに異なる種類である場合には当該複数のノーツが同時に基準領域SR1に到達することを許容し、複数のノーツが同じ種類である場合には当該複数のノーツが同時に基準領域SR1に到達しないようにしてもよい。異なる種類の複数のノーツが基準領域SR1に同時に到着する場合、その同時に基準領域SR1に到達した複数のノーツのうち一つのみがユーザによって選択可能とされてもよい。この場合、ユーザは、いずれの種類のノーツを操作するかを選択することになるので、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0063】
ノーツデータ16bは、基準タイミング情報にNULL値が設定されている空レコードを有していてもよい。
図2に示されている例では、ノーツID「107」で特定されるレコードの基準タイミング情報にNULL値が設定されている。基準タイミング情報にNULL値が設定されているノーツIDに対応するノーツは、ゲーム画面50に表示されない。基準タイミング情報のNULL値は、ゲームの進行に応じて、時刻を表すデータで上書きされてもよい。例えば、対戦モードにおいて、相手キャラクタによって攻撃アクションがなされたときに、ノーツデータ16bのうち基準タイミング情報にNULL値が設定されているレコードについて、そのNULL値が、設定されている前後のノーツの基準タイミング情報で特定されている時刻の間にある時刻で上書きされてもよい。ノーツID「107」の1つ前のレコード(ノーツID「106」で特定されるレコード)における基準タイミング情報は「00:02:14:000」であり、ノーツID「107」の1つ後ろのレコード(ノーツID「108」で特定されるレコード)における基準タイミング情報は「00:02:15:000」であるため、ノーツID「107」の基準タイミング情報として、「00:02:14:000」と「00:02:15:000」との間にある時刻が設定され得る。対戦モードにおいて、相手キャラクタによって攻撃アクションがなされたときに、基準タイミング情報に時刻が設定されているレコード以外のレコードが上書きされてもよい。例えば、相手キャラクタによって攻撃アクションがなされたときに、基準タイミング情報に設定されている時刻を別の時刻に変更することができる。相手キャラクタによって攻撃アクションがなされたときに、基準タイミング情報に時刻が設定されているレコードにおいて、ノーツ種類情報が攻撃ノーツを示す「1」又はスキルノーツを示す「3」に設定されている場合、当該ノーツ種類情報を防御ノーツを示す「2」に書き換えることができる。
【0064】
第1キャラクタ領域52には、ユーザAのキャラクタAを示すアイコン52aと、キャラクタAのHPを示すインジケータ52bと、が表示されている。第2キャラクタ領域53には、ユーザAと対戦しているユーザBのキャラクタBを示すアイコン53aと、キャラクタBのHPを示すインジケータ53bと、が表示されている。第1キャラクタ領域52には、キャラクタAに関連する上記以外の情報が表示されてもよく、第2キャラクタ領域53には、キャラクタBに関連する上記以外の情報が表示されてもよい。例えば、第1キャラクタ領域52には、キャラクタAの攻撃力、防御力、属性、所持アイテム、レベル、及びこれら以外の情報が表示され、第2キャラクタ領域53には、キャラクタAの攻撃力、防御力、属性、所持アイテム、レベル、及びこれら以外の情報が表示されてもよい。リズムゲームが対戦モードでない場合には、第2キャラクタ領域53は表示されなくともよい。リズムゲームが対戦モードでない場合には、第1キャラクタ領域52も表示されなくともよい。
【0065】
対戦モードにおいて、ユーザAは、複数のキャラクタを同時に使用してもよい。対戦モードにおいてユーザAによって複数のキャラクタが同時に使用される場合には、第1キャラクタ領域52に当該複数のキャラクタが表示されてもよい。対戦モードにおいて同時に使用される複数のキャラクタの各々は、レーンL1~L5の各々に割り当てられてもよい。例えば、キャラクタA1~A5の5つのキャラクタが同時に使用される場合には、レーンL1~L5の各々にキャラクタA1~A5のうちの1つのキャラクタが割り当てられてもよい。例えば、レーンL1にキャラクタA1を割り当て、他のレーンL2~L5にもキャラクタA2~A5のいずれか1つを割り当てることができる。各レーンに割り当てられたキャラクタの画像は、ゲーム画面50のメイン領域51において、割り当てられているレーンと対応付けて表示されてもよい。例えば、キャラクタA1がレーンA1に割り当てられている場合には、キャラクタA1の画像は、レーンL1の上、下、又は中に表示されてもよい。これにより、ゲーム画面50において、ユーザAに対して、キャラクタとレーンとの対応関係を示すことができる。ユーザAが複数のキャラクタを有する。
【0066】
対戦モードにおいて、複数のキャラクタを入れ替えて使用してもよい。この場合、同時に使用されるキャラクタは1つであるが、例えばユーザAの操作に応じて対戦モードの実行中に、当該対戦モードで使用されるキャラクタが入れ替えられてもよい。例えば、対戦モードの開始時にキャラクタA1を使用し、開始後の所定の時点でキャラクタA1をキャラクタA2に交代させてもよい。
【0067】
メイン領域51には、ユーザの操作を受け付ける操作領域が含まれる。ユーザは、タップ、長押し(ロングタップ)、左フリック、右フリック、又はこれら以外の態様で操作領域を操作することが想定される。図示の例では、各レーンに操作ボタンB1~B5が設けられている。この操作ボタンB1~B5の各々が、対応するレーン上を移動するノーツに対する操作を受け付ける操作領域である。
【0068】
図6を参照して、ユーザAと対戦しているユーザBが使用するユーザ端末10bに表示されるゲーム画面60について説明する。図示されているように、ゲーム画面60は、概ねゲーム画面50と同じ表示要素を含んでいる。具体的には、ゲーム画面60は、演奏される楽曲のリズムに合わせてノーツが表示されるメイン領域61と、ユーザBのキャラクタに関する各種情報が表示される第1キャラクタ領域62と、対戦モードの実行時に対戦相手のキャラクタに関する各種情報が表示される第2キャラクタ領域63と、ユーザBがリズムゲームにおいて獲得した得点を示すスコア領域64と、を含んでいる。メイン領域61は、レーンL1からレーンL5の5つのレーンを含んでいる。メイン領域61の下端近くには、レーンL1からレーンL5まで跨がるようにX軸方向に沿って延びる基準領域SR2が表示されている。メイン領域61には、ノーツの出現する3つの出現位置、すなわち第1出現位置Y21、第2出現領域Y22、及び第3出現領域Y23が配置されている。レーンL1からレーンL5の各々には、楽曲のリズムに合わせてノーツN21からノーツN28の8個のノーツが表示されている。各ノーツは、レーン内をY軸方向に沿って(紙面の上から下に向かって)移動する。ノーツN21、N24、N25、N27は攻撃ノーツであり、N23、N26、N28は防御ノーツであり、N22はスキルノーツである。メイン領域61には、ユーザの操作を受け付ける操作領域が含まれる。図示の例では、各レーンに操作ボタンB1~B5が設けられている。
【0069】
ゲーム画面50には、ゲーム画面60のメイン領域61の少なくとも一部が含まれてもよい。例えば、ゲーム画面50には、ゲーム画面60のメイン領域61がメイン領域51よりも小さく表示される。これにより、ユーザAは、対戦相手のメイン領域61におけるノーツの配置を見て戦略を検討することができるので、リズムゲームのゲーム性を高めることができる。ゲーム画面60には、ゲーム画面50のメイン領域51の少なくとも一部が含まれてもよい。
【0070】
ゲームシステム1が提供するリズムゲームの対戦モードにおけるゲームメカニクスについて説明する。対戦の勝敗は、例えば、ユーザAのキャラクタAのHPとユーザBのキャラクタBのHPに基づいて決定される。例えば、HPが先にゼロになったキャラクタが負けとされる。このため、対戦モードにおいて、ユーザは、自らのキャラクタのHPを減少させないようにプレイすることが想定される。ゲームシステム1が提供するリズムゲームにおいて、ユーザAは、ノーツが基準領域(SR1、SR2)に到達したタイミングで操作領域を操作することが想定されており、基準領域に到達したノーツに対する操作が成功したか否かが判定される。
【0071】
図示の例では、ノーツの種類として、攻撃ノーツ、防御ノーツ、及びスキルノーツの3種類を設定することができる。いずれの種類のノーツに対する操作が行われたかによって、対戦モードにおいて各ユーザのキャラクタに異なるアクションを実行させることができる。まず、防御ノーツへの操作によって起こるゲーム効果について説明する。ユーザが防御ノーツに対する操作に失敗した場合には、当該ユーザのキャラクタがダメージを受け、そのHPが減少する。防御ノーツに対する操作に成功した場合には、当該ユーザのキャラクタが防御アクションを実行することにより、防御ノーツに対する操作が失敗した場合と比べて当該キャラクタが受けるダメージが軽減される(HPの減少量が小さくなる)か、ダメージがゼロとなる(HPが減少しない)。このため、ユーザは、基準領域に到達した防御ノーツに対して適時に操作を行うことで、自らのキャラクタのHPの減少を抑制できる。
【0072】
次に、攻撃ノーツへの操作によって起こるゲーム効果について説明する。攻撃ノーツに対する操作に成功すると、対戦相手のキャラクタに対する攻撃アクションが実行される。例えば、攻撃ノーツに対する操作に成功すると、対戦相手のゲーム画面のメイン領域に防御ノーツを追加的に表示することができる。追加された防御ノーツが基準領域に到達したときに対戦相手のキャラクタはダメージを受けるので、対戦相手のゲーム画面に防御ノーツを追加することが対戦相手のキャラクタへの攻撃となる。攻撃ノーツへの操作に失敗した場合には、対戦相手のキャラクタへの攻撃アクションが行われない。他方、ユーザが攻撃ノーツの操作に失敗しても、防御ノーツの操作に失敗した場合とは異なり、当該ユーザのキャラクタのHPは減少しない。
【0073】
次に、スキルノーツへの操作によって起こるゲーム効果について説明する。ユーザがスキルノーツに対する操作に成功すると、当該ユーザのキャラクタがスキルノーツに対応付けられたスキルアクションを実行する。スキルアクションは、攻撃アクションによって起こる効果や防御アクションによって起こる効果とは異なるスキル効果を発生させるアクションである。スキル効果は、例えば、以下の効果を含むことができる。
(1)対戦相手によるノーツの操作を一定時間(例えば、3秒間)不可能にする効果
(2)対戦相手のノーツの移動速度を一定期間速くする効果
(3)対戦相手のノーツの移動速度を一定期間遅くする効果
(4)対戦相手のゲーム画面においてノーツの種類を判別不能にする効果
(5)対戦相手のノーツの配置をノーツデータ16bによって定められる配置とは異なる配置に変更する効果
(6)対戦相手のゲーム画面において基準領域を移動させる効果
(7)対戦相手のゲーム画面においてユーザの操作を受け付けるための操作領域を小さくする効果
(8)対戦相手のゲーム画面にダミーのノーツを表示する効果
(9)対戦相手のゲーム画面においてノーツを見えなくする効果(例えば、対戦相手のゲーム画面のうちメイン領域の一部(例えば、上半分)を見えなくする効果)
(10)対戦相手のノーツの出現位置をノーツデータ16bによって定められている出現位置よりも基準領域に近い位置に変更する効果
(11)対戦相手の後述するタイミング判定のタイミング閾値を小さくする効果
(12)対戦相手のキャラクタのHPを減少させる効果
(13)対戦相手のキャラクタの攻撃力を低下させる効果
(14)対戦相手のキャラクタの防御力を低下させる効果
【0074】
(2)~(5)に示されているように、キャラクタによってスキルアクションが実行されることにより、そのキャラクタの対戦相手のキャラクタに関連付けられたゲーム画面におけるノーツの表示が変更される効果を生じさせることができる。
【0075】
スキルノーツには、それぞれが異なるスキル効果に関連付けられた複数の種類のノーツが含まれてもよい。この異なる種類のスキルノーツは、ユーザがゲーム画面で識別できるように、互いに異なる外観を呈していてもよい。スキルノーツの操作に成功した場合に発生するスキル効果は、対戦モードにおいて使用されているキャラクタごとに異なってもよい。例えば、同じスキルノーツに対する操作が成功した場合でも、対戦モードにおいてキャラクタA1を使用している場合とキャラクタA2を使用している場合とでは異なるスキル効果が発生してもよい。例えば、あるスキルノーツの操作に成功した場合、対戦ゲームにおいてキャラクタA1が使用されている場合には、対戦相手によるノーツの操作を一定時間不可能にする効果が発動され、同じスキルノーツの操作に成功した場合であっても、キャラクタA2が使用されている場合には、対戦相手のノーツの移動速度を一定期間速くする効果が発動されてもよい。スキルノーツの操作に成功した場合に発生するスキル効果は、例えば、キャラクタデータ16cとして記憶されている使用可能なスキルを参照して決定されてもよい。既述のとおり、対戦ゲームで使用されるキャラクタのキャラクタデータ16cは、当該キャラクタが使用可能なスキルを識別するスキル識別データを含んでもよい。あるキャラクタを使用して対戦モードで対戦を行っている際にスキルノーツの操作により発生するスキル効果は、当該キャラクタのスキル識別データで識別されるスキル効果であってもよい。これによりゲーム開始時にキャラクタA1を使用し、その後にキャラクタA2に切り替えた場合、キャラクタA1の使用時とキャラクタA2の使用時とで異なるスキル効果を発動させることができる。以上のように、対戦ゲームにおいて使用するキャラクタごとに又はキャラクタの属性ごとにスキルノーツへの操作成功時に異なるスキル効果を発動させることにより、対戦ゲームの特徴であるキャラクタの個性や種類に応じたスキル効果の発動をリズムゲームに取り入れることができる。
【0076】
各レーンに異なるキャラクタを関連付けて対戦ゲームを行う場合には、スキルノーツへの操作が成功した場合に、当該スキルノーツが表示されていたレーンに関連付けられているキャラクタに対応するスキル効果が発動されてもよい。例えば、レーンL1にキャラクタA1が関連付けられておりレーンL2にキャラクタA2が関連付けられている場合には、レーンL1上を移動するスキルノーツへの操作が成功した場合にはキャラクタA1に対応するスキル効果が発動され、レーンL2上を移動するスキルノーツへの操作が成功した場合にはキャラクタA2に対応するスキル効果が発動されてもよい。このように、レーンに配置されるキャラクタに応じて当該レーン上を移動するスキルノーツへの操作が成功した場合に発動されるスキル効果を定めることにより、対戦ゲームとしての戦略性を深めることができる。
【0077】
ユーザがスキルノーツの操作に失敗しても、防御ノーツの操作に失敗した場合とは異なり、当該ユーザのキャラクタのHPは減少しない。
【0078】
ノーツへの操作に成功した場合には、ノーツの種類によらずユーザのポイント又はそれ以外のパラメータを増加させてもよい。パラメータの増加量は、ノーツの種類に応じて異なっていてもよいし、ノーツの種類によらず同じであってもよい。ノーツへの操作が成功した場合に、キャラクタのパラメータを変化させてもよい。例えば、ノーツへの操作が成功した場合に、キャラクタ攻撃力、又は防御力のうちの少なくとも一つを増加させてもよい。
【0079】
以上のように、複数種類あるノーツのうち、ユーザが防御ノーツの操作に失敗した場合に当該ユーザのキャラクタのHPが減少するが、それ以外のノーツの操作に失敗しても当該キャラクタのHPは減少しない。従来のリズムゲームにおいては、ユーザがノーツの操作に失敗すると(ノーツが基準領域に到達したときに適時に操作を行わないと)、当該ユーザのキャラクタのHPが減少するかそれと同等のゲーム効果が生じていた。このため、従来のリズムゲームにおいては、ゲームの難易度を高くしすぎないようにするために、ノーツの配置の自由度に制約があった。本発明の実施形態においては、複数種類あるノーツのうち、ユーザが防御ノーツの操作に失敗した場合に当該ユーザのキャラクタのHPが減少するが、それ以外のノーツの操作に失敗しても当該キャラクタのHPは減少しないので、ノーツの配置の自由度が増している。例えば、同時刻に2以上のノーツが基準領域に到達しても、ユーザはそのうちの防御ノーツに対する操作を成功させればキャラクタへのダメージを防ぐことができるため、ゲームの難易度を上げすぎることなくかかるノーツ配置が可能となる。
【0080】
また、ユーザが複数種類のノーツのうち攻撃ノーツ及びスキルノーツ(の少なくとも一部)の操作に成功すると、対戦相手のユーザのノーツの配置や表示に影響を与えることができる。例えば、攻撃ノーツの操作に成功すると、対戦相手のユーザのゲーム画面に防御ノーツを追加的に表示するという方法で、対戦相手のユーザのノーツの表示に影響を与えることができる。
【0081】
上記の実施形態において、攻撃ノーツの操作に成功すると、対戦相手のユーザのゲーム画面に防御ノーツを追加的に表示することができるので、リズムゲームにおいてユーザの操作に応じて対戦相手への攻撃を実行することができる。このように、本発明の実施形態によるリズムゲームには、対戦相手への攻撃を意図したユーザの操作(攻撃ノーツに対する操作)により対戦相手への攻撃を行うという対戦ゲームの要素が組み込まれている。また、本発明の実施形態によるリズムゲームには、キャラクタのダメージを抑えるための防御を意図したユーザの操作(防御ノーツに対する操作)により、自キャラクタへのダメージを抑制するという対戦ゲームの要素が組み込まれている。
【0082】
操作受付部11cは、ユーザインタフェース13のタッチパネルに対するユーザの操作がなされたときに、ユーザが操作した位置を示す座標(以下、「操作位置情報」という。)と、ユーザが操作した時刻を表す操作時刻と、を含む操作情報を生成する。操作情報には、ユーザの操作の種類を含む操作種類情報が含まれてもよい。ユーザの操作の種類には、タップ、長押し(ロングタップ)、左フリック、右フリック、及びこれら以外の操作の種類が含まれ得る。タッチパネルを指で操作する場合には、左フリックは、指でタッチパネルに触れた後、指をタッチパネルに接触させたまま左側に向かってスライドさせた後に指をタッチパネルから離す操作を意味する。右フリックは、指でタッチパネルに触れた後、指をタッチパネルに接触させたまま右側に向かってスライドさせた後に指をタッチパネルから離す操作を意味する。
【0083】
操作判定部11dは、いずれかのノーツが基準領域SR1に重なっているときに、メイン領域51内の操作領域に対してユーザの操作がなされたか否かを判定する。本明細書では、この判定を、操作判定と呼ぶ。ノーツは、基準タイミング情報で示される時刻に基準領域SR1に到達するので、操作判定部11dは、ノーツデータ16bに含まれている基準タイミング情報に示されている時刻が到来する都度、操作判定を行ってもよい。操作判定部11dは、ノーツに設定されている基準タイミング情報、及び、操作受付部11cが生成した操作情報に基づいて、当該ノーツに関する操作判定を行うことができる。例えば、操作判定部11dは、操作情報に含まれている操作位置情報に基づいてユーザの操作が操作領域に対して行われたか否かを判定する操作位置判定と、操作情報に含まれている操作時刻とノーツに関連付けられている基準タイミング情報が示す基準時刻との差が所定の閾値(タイミング閾値)以下か否かを判定するタイミング判定と、を行い、この2つの判定結果がいずれも「成功」である場合に、当該ノーツに対する操作判定は成功とされる。タイミング閾値は、例えば、300ミリ秒とされる。
【0084】
操作判定部11dは、操作位置判定のためにボタンB1~B5のいずれかを操作領域とすることができる。例えば、あるレーン上を移動するノーツに関する操作位置判定においては、ユーザの操作が当該レーン上にあるボタンに対してなされたか否かを判断することで操作位置判定が行われる。
図5に示されている例において、レーンL1上を移動するノーツN11に関する操作位置判定を行う場合には、ユーザの操作がレーンL1上にあるボタンB1に対してなされたか否かを判断することで操作位置判定が行われてもよい。
【0085】
メイン領域51内のボタンB1~B5以外の領域が操作領域とされてもよい。例えば、あるレーン上を移動するノーツについては当該レーン全体を操作領域としてもよい。レーン全体が操作領域とされる場合には、あるレーン上を移動するノーツに関する操作位置判定においては、ユーザの操作が当該レーンに含まれるいずれかの位置に対してなされたか否かを判断することで操作位置判定が行われる。基準領域SR1を操作領域としてもよい。レーン全体や操作領域SR1を操作領域とする場合には、ボタンB1~B5は、表示されなくともよい。
【0086】
アクション制御部11eは、ノーツについて操作判定が行われると、その判定結果及びノーツの種類に応じてユーザAのキャラクタAが実行するアクションを決定し、この決定したアクションを実行するための処理を行う。既述のとおり、ノーツの種類として、攻撃ノーツ、防御ノーツ、及びスキルノーツの3種類を設定することができる。アクション制御部11eは、この3種類のノーツについて、操作判定によりユーザの操作が「成功」と判定された場合と「失敗」と判定された場合に分けた合計6パターンの各々について、キャラクタがアクションを実行するか否か、またいずれのアクションを実行するかを決定することができる。
【0087】
まず、攻撃ノーツの操作判定に応じた処理について説明する。操作判定においてユーザAの攻撃ノーツへの操作が「成功」と判定された場合、アクション制御部11eは、ユーザAが用いるキャラクタAに攻撃アクションを実行させる。攻撃アクションは、対戦相手であるユーザBのキャラクタBを攻撃するアクションである。攻撃アクションが実行されると、例えば、対戦相手のキャラクタBに関連付けられているゲーム画面60のメイン領域61に防御ノーツを追加するための処理が実行される。具体的には、攻撃アクションが実行されると、ユーザ装置10aからユーザ装置10bに対してユーザBのキャラクタBへの攻撃アクションの発生を通知するアクション通知が送信される。アクション通知は、サーバ20を経由して送信されてもよいし、サーバ20を経由せずに送信されてもよい。ユーザ装置10bは、サーバ20からアクション通知を受信したことに応じて、ゲーム画面60に防御ノーツを追加的に表示する。この追加的に表示された防御ノーツによりユーザBのキャラクタBは追加的なダメージを受ける(少なくとも受ける可能性がある)ので、キャラクタBのゲーム画面60に防御ノーツを追加することで、キャラクタAからキャラクタBに対する攻撃を行うことができる。ユーザBのキャラクタBからユーザAのキャラクタAに対する攻撃も同様の手順で行われる。
【0088】
操作判定において攻撃ノーツへの操作が「失敗」と判定された場合、アクション制御部11eは、キャラクタAに攻撃アクションを実行させない。この場合、ユーザAの操作によるキャラクタBのゲーム画面60への防御ノーツの追加は起こらない。
【0089】
次に、防御ノーツの操作判定に応じた処理について説明する。操作判定において防御ノーツへの操作が「成功」と判定された場合には、アクション制御部11eは、キャラクタAに防御アクションを実行させる。キャラクタAによる防御アクションが実行された場合、第1ロジックに従ってキャラクタAへのダメージが算出され、算出されたダメージに基づいて算出される量だけキャラクタAのHPを減少させる。例えば、キャラクタAによる防御アクションが実行された場合、第1ロジックに従って、キャラクタBに設定されている攻撃力とキャラクタAに設定されている防御力を2倍にした値との差をキャラクタAのHPの減少量として算出することができる。
【0090】
操作判定において防御ノーツへの操作が「失敗」と判定された場合、アクション制御部11eは、キャラクタAに防御アクションを実行させない。キャラクタAによる防御アクションが実行されない場合、第2ロジックに従ってキャラクタAへのダメージが算出され、算出されたダメージに基づいて算出される量だけキャラクタAのHPを減少させる。例えば、キャラクタAによる防御アクションが実行されない場合、第2ロジックに従って、キャラクタBに設定されている攻撃力とキャラクタAに設定されている防御力との差をキャラクタAのHPの減少量として算出してもよい。
【0091】
防御ノーツへの操作が成功した場合に用いられる第1ロジックに基づいて算出されるキャラクタへのダメージは、防御ノーツへの操作が失敗した場合に用いられる第2ロジックに基づいて算出されるダメージよりも小さいので、ユーザAは、防御ノーツへの操作を成功させることにより、キャラクタAによる防御が実行されたことになる。第1ロジックに従って算出されるキャラクタAへのダメージが第2ロジックに従って算出されるキャラクタAへのダメージよりも小さくなる限り、第1ロジック及び第2ロジックとして様々なロジックを用いることができる。
【0092】
このように、防御ノーツへの操作が成功してキャラクタAが防御アクションを行うことにより、キャラクタAは防御アクションを行わない場合よりも少ないダメージを受ける。防御ノーツへのアクションが成功した場合には、キャラクタAは全くダメージを受けなくてもよい。キャラクタAが全くダメージを受けない場合、キャラクタAのHPの減少量はゼロである。
【0093】
アクション制御部11eは、防御ノーツの操作判定に応じて算出されたキャラクタAへのダメージ量又はHPの減少量をサーバ20に通知してもよい。これにより、サーバ20においても勝敗判定を行うことができる。
【0094】
次に、スキルノーツの操作判定に応じた処理について説明する。操作判定においてスキルノーツへの操作が「成功」と判定された場合には、アクション制御部11eは、キャラクタAにスキルアクションを実行させる。キャラクタAによるスキルアクションが実行された場合、既述のスキル効果が発生する。具体的には、スキルアクションが実行されると、ユーザ装置10aからユーザ装置10bに対してスキルアクションの発生を通知するスキルアクション通知が送信される。スキルアクションの発生を通知するスキルアクション通知には、発生させるスキルを特定するためのスキル識別コードが含まれてもよい。ユーザ装置10bは、スキルアクション通知を受信したことに応じて、当該アクション通知に含まれているスキル識別コードに基づいてスキル効果を特定し、この特定されたスキル効果を発生させる。例えば、アクション通知に含まれるスキル識別コードにより特定されるスキル効果が、対戦相手によるノーツの操作を一定時間不可能にする効果である場合には、ユーザ装置10bは、ユーザ画面60におけるノーツへの操作を一定時間不能とする。例えば、その一定時間においては、タッチパネルに操作がなされても、その操作を無効とする。ノーツへの操作が不能とされている間、ユーザBは、攻撃ノーツを操作できないためキャラクタAへの攻撃アクションを行うことができず、防御ノーツを操作できないため防御アクションを行うこともできない。このように、スキル効果の発生により、スキル効果を発生させたユーザは、有利に対戦を進めることができる。ユーザBのキャラクタBによるスキルアクションの実行も同様の手順で行われる。
【0095】
攻撃アクションの発生を通知するアクション通知とスキルアクションの発生を通知するアクション通知とを区別する必要がある場合には、攻撃アクションの発生を通知するアクション通知を攻撃アクション通知と呼び、スキルアクションの発生を通知するアクション通知をスキルアクション通知と呼ぶ。
【0096】
各ノーツへの操作は、タップ、長押し、左フリック、右フリック、又はこれら以外の操作を含む。上記のように、ノーツに対してどのような種類の操作がなされたかは、操作受付部11cによって検出され得る。各ノーツへの操作が成功したことに応じて発生する効果は、当該操作の種類に応じて異なってもよい。例えば、攻撃ノーツへの操作がどの種類の操作によりなされたかによって、対戦相手のゲーム画面に追加される防御ノーツの位置を変えることができる。より具体的には、タップ(又は長押し)により攻撃ノーツを操作した場合には、対戦相手のゲーム画面において防御ノーツを中央付近のレーン(
図5や
図6の例ではレーンL3)に表示し、左フリックや右フリックによって攻撃ノーツを操作した場合には、対戦相手のゲーム画面の複数のレーンのうちフリックの方向に応じたレーンに防御ノーツを表示することができる。例えば、左フリックにより攻撃ノーツへの操作がなされた場合には、対戦相手のゲーム画面において中央よりも左側にあるレーンL1又はR2に防御ノーツを表示し、右フリックにより攻撃ノーツへの操作がなされた場合には、対戦相手のゲーム画面において中央よりも右側にあるレーンL4又はL5に防御ノーツを表示することができる。また、防御ノーツへの操作がタップによりなされた場合と長押しによりなされた場合とでは、長押しによって操作がなされた場合の方が高い防御効果を発揮してもよい。具体的には、長押しによって防御ノーツが操作された場合には、タップによって防御ノーツが選択された場合よりも、キャラクタが受けるダメージが小さくなってもよい。
【0097】
対戦結果判定部11fは、対戦モードにおける勝敗の判定を行う。対戦モードにおいては、様々な条件で勝敗を判定することができる。例えば、対戦相手のキャラクタのHPがゼロになったときにHPが残存しているキャラクタが勝利したと判定されてもよい。別の例では、演奏中の楽曲の再生が終了したときにHPが多い方のキャラクタが勝利したと判定してもよい。さらに別の例では、演奏開始から所定時間経過したときにHPが多い方のキャラクタが勝利したと判定してもよい。本発明に適用可能な勝敗の判定基準は、本明細書で明示的に説明したものには限られない。HPの残量に基づいて対戦の勝敗を判定する場合には、対戦しているユーザのユーザ装置間で自らのキャラクタのHPを互いに通知することで、自らのキャラクタのHPと対戦相手のキャラクタのHPとを比較できるようにする。
【0098】
続いて、サーバ20の機能について説明する。サーバ20のプロセッサ21は、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、マッチング部21a及び対戦制御部21bとして機能する。
【0099】
マッチング部21aは、対戦モードでの対戦相手をマッチングすることができる。マッチング部21aは、例えば、ユーザAから対戦相手を探すためのマッチング要求を受け付けたことに応じて、ユーザ管理データ25aに基づいてユーザAの対戦相手の候補を特定することができる。ユーザAの対戦相手の候補は、様々なロジックに従って特定され得る。例えば、ユーザAの対戦相手の候補は、ユーザAの友人として登録されているユーザからランダムに選択されてもよい。ユーザAの対戦相手の候補は、ユーザAと同じレベルのユーザからランダムに選択されてもよい。ユーザAは、マッチング部21aから提示された対戦相手の候補から対戦相手を選択することができる。マッチング部21aは、対戦相手の候補を一人だけ選択してもよい。この場合、ユーザAは、提示された対戦相手との対戦を行うか否かを決定する。
【0100】
対戦制御部21bは、対戦中のユーザの一方が攻撃ノーツへの操作を成功した場合に、当該ユーザのユーザ装置から対戦相手のキャラクタへの攻撃要求を受信し、この攻撃要求を受信したことに応じて対戦相手のユーザ端末に対して攻撃がなされたことを示す攻撃通知を送信する。例えば、ユーザAとユーザBとが対戦中にユーザBが攻撃ノーツへの操作を成功させると、ユーザBのユーザ装置10bから攻撃要求を受信し、この攻撃要求の受信に応じてユーザAのユーザ装置10aに攻撃通知を送信する。ユーザ装置10aは、この攻撃通知を受信したことに応じて、ゲーム画面50に防御ノーツを追加する。
【0101】
ゲームシステム1のいずれかの装置で実行される機能の少なくとも一部は、他の装置で実行されてもよい。例えば、上記の実施形態において、ユーザ装置10aのプロセッサ11により実現されるとして説明された機能の少なくとも一部は、サーバ20のプロセッサ21又はそれ以外の装置のプロセッサにより実現されてもよく、サーバ20のプロセッサ21により実現されるとして説明された機能の少なくとも一部は、ユーザ装置10a及び/もしくはユーザ装置10bのプロセッサ11又はこれら以外の装置のプロセッサにより実現されてもよい。つまり、画像生成部11a、出力制御部11b、操作受付部11c、操作判定部11d、アクション制御部11e、及び対戦結果判定部11fの機能の少なくとも一部は、プロセッサ11以外のプロセッサにより実現されてもよく、マッチング21a及び対戦制御部21bの機能の少なくとも一部はプロセッサ21以外のプロセッサにより実現されてもよい。例えば、ゲーム画像50をサーバ20で生成し、生成した画像をユーザ装置10a(及びユーザ装置10b)に配信してもよい。また、対戦モードで対戦しているキャラクタA及びキャラクタBのそれぞれのHPをサーバ20でモニタリングすることにより、勝敗の判定をサーバ20が行ってもよい。
【0102】
上記の実施形態において、プロセッサ11により実現されるとして説明された機能の少なくとも一部及び/又はプロセッサ21により実現されるとして説明された機能の少なくとも一部は省略可能である。例えば、ユーザ装置10aとユーザ装置10bとの間でアクション通知を直接送受信することにより、対戦制御部21bを省略することができる。
【0103】
続いて、
図7を参照して、ゲームシステム1により提供されるリズムゲームにおける対戦モードでのゲーム開始処理について説明する。
図7に示されている対戦モードでのゲーム開始処理においては、ユーザAがログイン後に対戦モードを選択してユーザBと対戦することが想定されている。
【0104】
図7に示されている対戦モードでのゲーム開始処理においては、ステップS11においてログイン処理を行った後、ステップS12においてユーザAから対戦モードの実行要求があったか否かが判定される。ゲームシステム1により提供されるリズムゲームは、対戦モード以外にソロモードを有していてもよい。ステップS12でソロモードが選択された場合には、ユーザAは、他のユーザとの対戦を行わないソロモードでリズムゲームを開始することができる。ソロモードでは、攻撃や防御といった対戦に関連付けられたアクションを実行するための攻撃ノーツや防御ノーツではなく、攻撃や防御のアクションと関連付けられていない一種類のノーツがゲーム画面50に表示されてもよい。ソロモードにおいては、当該ノーツが基準位置SR1に到達したときに操作領域(例えば、操作ボタンB1~B5のいずれか)に対する操作がなされたか否かが判定され、操作が成功するとユーザAにポイントが付与されてもよい。
【0105】
ステップS12で対戦モードの開始が要求された場合には、ステップS13において対戦相手が決定され、対戦モードでリズムゲームが開始される。対戦相手は、マッチング部21aにより選択された対戦相手の候補の中からユーザAによって選択される。例えば、ユーザBが対戦相手として選択される。対戦モードでゲームを開始する際には、当該対戦で演奏される楽曲がユーザA又は対戦相手であるユーザBによって選択される。対戦モードにおいて、対戦する各ユーザのユーザ装置で演奏される楽曲は、互いと同じものでもよく、異なるものでもよい。ユーザA又はユーザBが対戦に用いることができるキャラクタを複数所持している場合には、この複数のキャラクタの中から対戦に用いるキャラクタが選択される。以上のようにして、リズムゲームが対戦モードで開始される。
【0106】
続いて、
図8を参照して、対戦モードにおける対戦処理について説明する。
図8に示されている対戦処理においては、ユーザAとユーザBとが対戦することが想定されている。
【0107】
まず、ステップS21において、ユーザAとユーザBとの対戦が開始される。
図7を参照して説明したとおり、対戦モードでゲームを開始するために、ユーザBがユーザAの対戦相手としてマッチングされており、また、この対戦に用いる楽曲及びキャラクタが選択されている。
図8の実施形態では、ユーザAはキャラクタAを用い、ユーザBはキャラクタBを用いることが想定されている。ゲーム開始時に、ユーザAのユーザ装置10aにおいてはアセットデータ及びノーツデータ16bに基づいてゲーム画面50が生成され、ユーザBのユーザ装置10bにおいてはアセットデータ及びノーツデータ16bに基づいてゲーム画面60が生成される。ゲーム画面50の生成はユーザ装置10aの画像生成部11aにより実行されてもよく、ゲーム画面60の生成はユーザ装置10aの画像生成部11aにより実行されてもよい。楽曲の演奏が開始すると、ゲーム画面50、60に表示されているノーツは、楽曲のリズムに合わせて基準領域SR1、SR2に向かって移動する。各ノーツは、各々に設定されている基準タイミング情報で特定される時刻に基準領域SR1又は基準領域SR2に到達するように移動する。
【0108】
ステップS22においていずれかのノーツが基準領域に到達すると、対戦処理はステップS23に進む。ステップS23においては、基準領域に到達したノーツに対するユーザの操作が成功したか否かを判定する操作判定が行われる。具体的には、ユーザ装置10aにおいては、いずれかのノーツが基準領域SR1に達すると操作判定が行われ、ユーザ装置10bにおいては、いずれかのノーツが基準領域SR2に到達すると操作判定が行われる。既述のとおり、操作判定においては、ユーザの操作が操作領域に対して行われたか否かを判定する操作位置判定、及び、ユーザが操作を行った操作時刻がノーツに関連付けられている基準タイミング情報が示す時刻から所定時間内にあるか否かを判定するタイミング判定を行い、この2つの判定結果がいずれも「成功」である場合に、当該ノーツに対する操作判定は成功とされる。操作判定は、操作判定部11dにより行われてもよい。
【0109】
ステップS23において、基準領域に到達した判定対象のノーツへの操作が成功と判定されると、対戦処理は、ステップS24に進む。ステップS24では、判定対象のノーツが攻撃ノーツか否かが判定される。判定対象のノーツが攻撃ノーツである場合には、対戦処理はステップS25に進み、ステップS25において当該攻撃ノーツへの操作を成功させたユーザのキャラクタが攻撃アクションを行う。
図10aから
図11bを参照して、ユーザBによる攻撃ノーツへの操作が成功した場合に実行される、ユーザAのキャラクタに対する攻撃アクションについて説明する。
図10a及び
図10bは、楽曲の演奏が開始されてから2分11秒500ミリ秒経過した時刻における、ゲーム画面50のメイン領域51及びゲーム画面60のメイン領域61をそれぞれ示す。
図10aにおけるノーツN11~N16の配置は、ノーツデータ16bに基づいて定められている。
図10bにおけるノーツN21~N28の配置はユーザB用のノーツデータ(不図示)に従って定められている。
図10bに示されているように、ユーザBのキャラクタBに関連付けられているゲーム画面60において、攻撃ノーツN21が基準領域SR2と重複している。
図11bに示されているように、攻撃ノーツN21が基準領域SR2と重複している間に、
図11bに示すようにユーザBが指F2で操作ボタンB2に対して操作を行うと、ユーザBによる操作ボタンB2に対する操作がなされた時刻と攻撃ノーツN21に設定されている基準タイミング情報で特定される基準時刻との差がタイミング閾値以下である場合には攻撃ノーツN21に対する操作は成功と判定され、キャラクタBのキャラクタAに対する攻撃アクションが実行される。具体的には、ユーザBのユーザ装置10bからユーザAのユーザ装置10aに攻撃アクション通知が送信される。攻撃アクション通知は、サーバ20を経由して送信されてもよいし、サーバ20を経由せずに送信されてもよい。
【0110】
ユーザ装置10aは、攻撃アクション通知を受信すると、
図9に示されているように、ノーツデータ16bに含まれている空レコードに防御ノーツを示すデータを追加する。
図9に示されている例では、キャラクタBからの攻撃アクション前に空レコードであったノーツID「107」で特定されるレコードが防御ノーツを表すレコードで置き換えられる。
図9に示されている例では、ノーツID「107」に対応付けて、ノーツ種類情報が防御ノーツを表す「2」であり、基準タイミング情報が「00:02:14:15」であり、レーン情報が「1」であり、出現位置情報が「1」である新しいレコードが記憶される。攻撃アクションにより追加される防御ノーツに対応するデータは、その攻撃アクションに対応する操作がなされた時刻から最も近い空レコードに上書きされてもよい。上記の例では、楽曲の演奏開始から2分11秒500ミリ秒(00:02:11:500)経過した時刻に基準領域SR2に到達した攻撃ノーツN21に対する操作が成功して攻撃アクションが実行されたため、キャラクタAに対応するゲーム画面50用のノーツデータ16bにおいて時刻「00:02:11:500」よりも後で当該時刻に最も近いノーツID「107」に当該攻撃アクションに対応する防御ノーツを表すデータが格納される。
【0111】
攻撃アクションにより追加される防御ノーツを表すデータにおいて、「レーン情報」は、「1」~「3」のいずれかに定められる。例えば、ユーザBによるノーツN21へ左フリック操作がなされた場合にゲーム画面50の中央よりも左側にあるレーンL1に防御ノーツを表示させるために、レーン情報を「1」に定めることができる。ノーツN21へタップ操作がなされた場合には、レーン情報を「3」としてもよく、ノーツN21へ右フリック操作がなされた場合には、レーン情報を「5」としてもよい。レーン情報を指定するレーン指定情報は、攻撃アクション通知に含めて、ユーザ装置10bからユーザ装置10bに伝達されてもよい。
【0112】
攻撃アクションにより追加される防御ノーツを表すデータにおいて、「出現位置情報」は、「1」~「3」のいずれかに設定される。出現位置情報は、ユーザBのノーツN21への操作のタイミングに関する評価に基づいて決定されてもよい。例えば、ノーツN21への操作がなされた時刻とノーツN21の基準タイミング情報で表される基準時刻との差が第1閾値以下である場合に「3」に設定され、その差が第1閾値とその第1閾値よりも大きい第2閾値以下である場合に「2」に設定され、その差が第2閾値とその第2閾値よりも大きい第3閾値以下である場合に「1」に設定されてもよい。第3閾値は、タイミング判定が成功か否かを判定する際に用いられるタイミング閾値と同じであってもよい。第1閾値、第2閾値、第3閾値はそれぞれ100ミリ秒、300ミリ秒、500ミリ秒とされてもよい。このように、ユーザBが攻撃ノーツN21に設定されている基準タイミング情報で特定される時刻により近いタイミングでノーツN21に対する操作を行った場合に、当該操作により対戦相手であるユーザAのゲーム画面50に追加される防御ノーツを基準領域SR1のより近くに出現させることができる。
【0113】
ノーツデータのうち防御ノーツを示すレコードには、その防御ノーツへの操作に失敗した場合にキャラクタが受けるダメージの計算に用いられる「攻撃力情報」(図示略)が設定されてもよい。防御ノーツの「攻撃力情報」に設定されている数値が高いほど、ユーザが当該防御ノーツの操作に失敗した場合に当該ユーザのキャラクタが受けるダメージが大きくなるようにダメージの計算が行われてもよい。ノーツN21への操作が成功した際に発動される攻撃アクションにより追加される防御ノーツに設定される攻撃力情報は、ユーザBのノーツN21への操作のタイミングに関する評価に基づいて決定されてもよい。例えば、ノーツN21への操作がなされた時刻とノーツN21の基準タイミング情報で表される基準時刻との差が小さいほど(つまり、ノーツN21への操作のタイミングに関する評価が高いほど)、ノーツN21への操作が成功したことにより追加される防御ノーツの攻撃力情報として高い値が設定されてもよい。これにより、ユーザによる攻撃ノーツへの操作タイミングが正確であるほど、当該ユーザは対戦ゲームにおいて有利に立つことができる。
【0114】
ゲーム画面50において、防御ノーツは、設定されている攻撃力情報に応じて異なる外観を呈してもよい。例えば、防御ノーツに設定されている攻撃力情報に応じて、当該防御ノーツは異なる色、形状、大きさでゲーム画面50に表示されてもよい。このようにゲーム画面50に表示される防御ノーツの外観を当該防御ノーツに設定されている攻撃力情報に応じて変化させることにより、高い攻撃力を有する防御ノーツに対して優先的に操作を行うなど、ユーザには防御ノーツに設定されている攻撃力情報に応じたゲーム戦略が求められる。このため、リズムゲームの対戦モードにおける戦略性を高めることができる。
【0115】
ノーツデータ16bに防御ノーツを示す防御ノーツのデータが追加されると、そのノーツデータ16bに追加されたデータに応じて、
図11aに示すように、ゲーム画面50に防御ノーツN17が出現する。
図10aと
図11aとを比較すると、攻撃ノーツN21への操作が成功し、キャラクタAに対する攻撃アクションが実行されたことにより、キャラクタAに関連付けられたゲーム画面50に防御ノーツN17が追加されたことが分かる。防御ノーツN17は、ノーツID「107」に対応するノーツであるから、レーンL1の第1出現位置Y11に出現する。ノーツN17は、その基準タイミング情報で示されている時刻「00:02:14:500」に基準領域SR1に到達する。
【0116】
ユーザBによる攻撃ノーツN21への操作が成功した場合の処理と同様に、ユーザAによる攻撃ノーツへの操作が成功した場合には、キャラクタAによるキャラクタBへの攻撃アクションが実行される。ユーザAによる攻撃アクションの実行について、
図12a~
図13bを参照して説明する。
図12a及び
図12bには、
図10a及び
図10bにおける時刻から500ミリ秒(0.5秒)後のゲーム画面50、60をそれぞれ示している。これらの図に示されている時点では、演奏開始から2分12秒経過しているので、ゲーム画面50において、攻撃ノーツN11が基準領域に到達している。
図13aに示されているように、攻撃ノーツN11が基準領域SR1と重複している間にユーザAが指F1で操作ボタンB1に対して操作を行い、このユーザAによる操作ボタンB1に対する操作がなされた時刻と攻撃ノーツN11に設定されている基準タイミング情報で特定される基準時刻との差がタイミング閾値以下である場合には、攻撃ノーツN11に対する操作は成功と判定され、キャラクタAのキャラクタBに対する攻撃アクションが実行される。具体的には、ユーザAのユーザ装置10aからユーザBのユーザ装置10bに攻撃アクション通知が送信される。攻撃アクション通知は、サーバ20を経由して送信されてもよいし、サーバ20を経由せずに送信されてもよい。ユーザ装置10bは、攻撃アクション通知を受信すると、
図13baに示すように、ゲーム画面60に防御ノーツN29を出現させる。
図13bと
図12bとを比較すると、攻撃ノーツN11への操作が成功しキャラクタBに対する攻撃アクションが実行されたことにより、キャラクタBに関連付けられたゲーム画面60に防御ノーツN29が追加されたことが分かる。
【0117】
ステップS24において、判定対象のノーツが攻撃ノーツでないと判定された場合には、対戦処理はステップS26に進み、判定対象のノーツが防御ノーツか否かが判定される。判定対象のノーツが防御ノーツである場合には、対戦処理はステップS27に進む。ステップS27においては、操作を行ったユーザのキャラクタによる防御アクションが実行され、防御アクションが実行された場合の当該キャラクタへのダメージ(HPの減少量)が算出される。防御アクションが実行された場合の当該キャラクタが受けるダメージは、第1ロジックに従って算出される。第1ロジックに従って算出されるダメージは、防御ノーツに対する操作が失敗した場合にキャラクタが受けるダメージを算出するために用いられる第2ロジックによって算出されるダメージよりも小さな値となる。防御アクションを実行したキャラクタは、ダメージを受けなくてもよい。つまり、防御アクションを実行したキャラクタは、HPが減少しなくともよい。
【0118】
ユーザAのキャラクタAによる防御アクションの実行について、
図14を参照して説明する。
図14には、
図12a及び
図12bにおける時刻から300ミリ秒(0.3秒)後のゲーム画面50を示している。図示のとおり、ゲーム画面50において、防御ノーツN12が基準領域SR1に到達している。防御ノーツN12がレーンL2において基準領域SR1と重複している間にユーザAが指F1で操作ボタンB2に対して操作を行い、ユーザAによる操作ボタンB2に対する操作がなされた時刻と防御ノーツN12に設定されている基準タイミング情報で特定される基準時刻との差がタイミング閾値以下である場合には、防御ノーツN12に対する操作は成功と判定され、キャラクタAによる防御アクションが実行される。攻撃アクションが実行された場合と異なり、防御アクションが実行された場合には、対戦相手のキャラクタBに関連するゲーム画面60のメイン領域61にノーツは追加されない。
【0119】
ステップS26において、判定対象のノーツが防御ノーツでないと判定された場合には、対戦処理はステップS28に進む。この場合、判定対象のノーツが攻撃ノーツでも防御ノーツでもないと判定されているため、判定対象のノーツはスキルノーツである。よって、ステップS28では、キャラクタにスキルアクションを実行させる。キャラクタにスキルアクションを実行させると、所定のスキル効果が発生する。例えば、スキルアクションの実行により、対戦相手によるノーツの操作を一定時間不可能にする効果が発生する。ユーザAがスキルノーツの操作に成功した場合には、キャラクタAがスキルアクションを実行する。
【0120】
ステップS23に戻って、ステップS23において基準領域に到達した判定対象のノーツへの操作が失敗と判定された場合の処理について説明する。ステップS23において判定対象のノーツへの操作が失敗と判定されると、対戦処理はステップS29に進む。ステップS29では、判定対象のノーツが防御ノーツか否かが判定される。判定対象のノーツが防御ノーツであった場合には、対戦処理はステップS30に進む。ステップS30においては、防御アクションが実行されない場合のキャラクタへのダメージ(HPの減少量)が算出される。防御アクションが実行されない場合のキャラクタが受けるダメージは、第2ロジックに従って算出される。第2ロジックに従って算出されるダメージは、防御アクションが実行された場合にキャラクタが受けるダメージを算出するために用いられる第1ロジックによって算出されるダメージよりも大きな値となる。ステップS29で判定対象のノーツが防御ノーツでないと判定された場合、対戦処理はステップS31に進む。このように、基準領域に到達したノーツへの操作に成功しなかった場合であっても、そのノーツが防御ノーツ以外であればキャラクタへのダメージは算出されない。言い換えると、ユーザが基準領域に到達したノーツの操作に失敗した場合、その操作に失敗したノーツが複数種類あるノーツのうち防御ノーツである場合にのみ当該ユーザのキャラクタがダメージを受ける。
【0121】
ステップS24~S30の処理は、ステップS23において操作判定が成功と判断された場合に、判定対象のノーツの種類を特定し、特定されたノーツの種類に応じたアクションをキャラクタに実行させる処理である。この処理を実現するためのフローは、図示されたものには限られない。例えば、ステップS24、S25とステップS26、S27とを入れ替えてもよい。また、ステップS24で対象ノーツが攻撃ノーツか否かの判定を行う代わりに、対象ノーツがスキルアクションか否かを判定してもよい。ステップS24~S30の処理は、アクション制御部11eによって行われてもよい。
【0122】
ステップS23、S24、S26、S29での判定結果に応じた処理が実行された後、対戦処理はステップS31に進む。ステップS31では、対戦の終了条件が満たされたか否かが判定される。リズムゲームにおける対戦は、対戦に用いられている楽曲が終了したとき、対戦しているいずれかのキャラクタのいずれかのHPがゼロになったとき、対戦開始から所定時間経過したとき、又はこれら以外の終了条件が満たされた場合に終了すると判定される。対戦の終了条件が満たされていない場合には、対戦処理はステップS22に戻る。対戦の終了条件が満たされている場合には、対戦処理はステップS32に進む。ステップS32では、対戦相手のいずれが勝利したかが判定される。勝利したユーザには、ポイント、アイテム、又はこれら以外の特典が付与されてもよい。
【0123】
以上により、対戦処理は終了する。対戦処理の終了後、ユーザは、別の対戦処理を開始してもよいし、ソロモードでゲームを開始してもよいし、ゲームを終了してもよい。
【0124】
上記の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。本出願に開示されている発明の一又は複数の実施形態によれば、相手キャラクタに対して攻撃する攻撃アクション及び相手キャラクタからの攻撃を防御する防御アクションという対戦ゲームの特徴を取り入れたリズムゲームを提供することができる。
【0125】
本出願に開示されている発明の一又は複数の実施形態によれば、対戦しているキャラクタの一方に対応付けられたゲーム画面で攻撃アクションに対応付けられた攻撃ノーツの選択に成功したことを条件として、他方のキャラクタに対応付けられたゲーム画面に防御ノーツが表示される。このように、一方のキャラクタに関連するゲーム画面における攻撃ノーツの選択によって他方のキャラクタに対して攻撃がなされるので、対戦ゲームの特徴を取り入れたリズムゲームを提供することができる。
【0126】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書中で説明されるデータ、テーブル、又はデータベースが単一の記憶装置(ストレージやメモリ)に格納される旨説明されたとしても、そのようなデータ、テーブル、又はデータベースは、単一の装置に備えられた複数の記憶装置または複数の装置に分散して配置された複数の記憶装置に分散して格納され得る。さらに、本明細書において説明されるソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0127】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図又はシーケンス図を用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれる。
【0128】
以下に、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
一又は複数のコンピュータプロセッサを備えた、ゲームを提供するシステムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
第1キャラクタに関連する第1ゲーム画面に、前記第1キャラクタから第2キャラクタへの攻撃に関する第1攻撃アクションと対応付けられており第1基準領域に向かって移動する第1タイミング指標、及び、前記第1キャラクタの防御に関する第1防御アクションと対応付けられており前記第1基準領域に向かって移動する第2タイミング指標を表示し、
前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1攻撃アクションを実行させ、
前記第2タイミング指標が前記基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1防御アクションを実行させる、
システム。
[2]
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合に前記第1キャラクタの第1パラメータを第1変化量だけ変化させる、
[1]に記載のシステム。
[3]
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第2タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1パラメータを前記第1変化量とは異なる第2変化量だけ変化させる、
[2]に記載のシステム。
[4]
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられなかった場合及び受け付けられた場合のいずれにおいても、前記第1パラメータを変化させない、
[2]又は[3]に記載のシステム。
[5]
前記第2キャラクタに関連する第2ゲーム画面に、前記第2キャラクタから前記第1キャラクタへの攻撃に関する第2攻撃アクションと対応付けられており第2基準領域に向かって移動する第3タイミング指標が表示され、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第3タイミング指標が前記第2基準領域に重なっている間に第2入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に、前記第1ゲーム画面に前記第2タイミング指標を表示する、
[1]から[4]のいずれかに記載のシステム。
[6]
前記第1攻撃アクションの実行により、前記第2ゲーム画面に、前記第2キャラクタの防御に関する第2防御アクションと対応付けられており第2基準領域に向かって移動する第4タイミング指標が表示される、
[5]に記載のシステム。
[7]
前記第4タイミング指標が前記第2基準領域に重なっている間に前記第2入力インタフェースに対する操作がなされなかった場合に、前記第2キャラクタの第2パラメータが第3変化量だけ変化する、
[6]に記載のシステム。
[8]
前記第4タイミング指標が前記第2基準領域に重なっている間に前記第2入力インタフェースに対する操作がなされた場合に、前記第2第2パラメータが前記第3変化量と異なる第4変化量だけ変化する、
[7]に記載のシステム。
[9]
前記第1入力インタフェースに対する操作に応じて複数のレーンの中から特定レーンが決定され、
前記第4タイミング指標は、前記特定レーンに沿って前記第2基準領域に向かって移動する、
[7]又は[8]に記載のシステム。
[10]
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第1ゲーム画面に前記第1基準領域に向かって移動する第5タイミング指標を表示し、
前記第5タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースに対する操作がなされた場合に、前記第2画面における前記第3タイミング指標及び前記第4タイミング指標の少なくとも一方の表示が変更される、
[1]から[9]のいずれかに記載のシステム。
[11]
一又は複数のコンピュータプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することによりゲームの処理を行うゲーム処理方法であって、
第1キャラクタに関連する第1ゲーム画面に、前記第1キャラクタから第2キャラクタへの攻撃に関する第1攻撃アクションと対応付けられており第1基準領域に向かって移動する第1タイミング指標、及び、前記第1キャラクタの防御に関する第1防御アクションと対応付けられており前記第1基準領域に向かって移動する第2タイミング指標を表示する工程と、
前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1攻撃アクションを実行させる工程と、
前記第2タイミング指標が前記基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1防御アクションを実行させる工程と、
を備えるゲーム処理方法。
[12]
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
第1キャラクタに関連する第1ゲーム画面に、前記第1キャラクタから第2キャラクタへの攻撃に関する第1攻撃アクションと対応付けられており第1基準領域に向かって移動する第1タイミング指標、及び、前記第1キャラクタの防御に関する第1防御アクションと対応付けられており前記第1基準領域に向かって移動する第2タイミング指標を表示する工程と、
前記第1タイミング指標が前記第1基準領域に重なっている間に第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1攻撃アクションを実行させる工程と、
前記第2タイミング指標が前記基準領域に重なっている間に前記第1入力インタフェースにより操作が受け付けられた場合に前記第1キャラクタに前記第1防御アクションを実行させる工程と、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0129】
1 ゲーム処理システム
10a、10b ユーザ装置
11a 画像生成部
11b 出力制御部
11c 操作受付部
11d 操作判定部
11e アクション制御部
11f 対戦結果判定部
16b ノーツデータ
20 サーバ