(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20240329BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240329BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20240329BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20240329BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240329BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21V23/00 120
F21V23/04 500
F21S9/02 200
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020074934
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 佐奈
(72)【発明者】
【氏名】森脇 淑也
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩司
(72)【発明者】
【氏名】八木 智史
(72)【発明者】
【氏名】村上 真一
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 朝
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-065076(JP,A)
【文献】特開2018-055840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 23/00
F21V 23/04
F21S 9/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
蓄電池を有する電池ブロックと、
前記蓄電池を充電する充電回路
、前記蓄電池を電源として前記光源を点灯させる点灯回路
、前記充電回路及び前記点灯回路を収容する筐体を有する回路ブロックと、
電波を媒体とした無線通信を行う無線通信ブロックと、
前記光源、前記電池ブロック、前記回路ブロック及び前記無線通信ブロックを内部に収容する器具本体と、
を備え、
前記無線通信ブロックは、アンテナと、前記アンテナを介して無線信号を送受信する無線通信回路と、前記アンテナ及び前記無線通信回路を収容する筐体と、を有し、
前記器具本体は、筒状に形成され、
前記光源は、前記器具本体の前記内部において第1方向の一端に配置され、
前記電池ブロックと前記回路ブロックは、前記器具本体の前記内部において、前記第1方向と交差する第2方向の両端に配置され、
前記無線通信ブロックの少なくとも一部は、前記器具本体の前記内部において、前記第2方向に沿って並ぶ前記電池ブロックと前記回路ブロックの間の空間に配置される、
照明器具。
【請求項2】
前記無線通信ブロックは、前記第2方向に沿って前記電池ブロックよりも前記回路ブロックに近い位置に配置される、
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記器具本体は、金属材料で形成され、前記アンテナと対向する位置に、前記器具本体の前記内部と前記器具本体の外をつなぐ開口部を有する、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記回路ブロックは、前記無線通信ブロックで受信する前記無線信号に応じて前記充電回路及び前記点灯回路を制御する制御回路を有する、
請求項
1-3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記制御回路は、前記無線信号に応じて前記蓄電池の点検を行う、
請求項
4記載の照明器具。
【請求項6】
前記制御回路は、前記蓄電池の点検を行った場合、当該点検の結果を前記無線通信ブロックから前記無線信号で送信させる、
請求項5記載の照明器具
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳細には、蓄電池及び無線通信回路を内蔵した照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の非常用照明装置を例示する。特許文献1記載の非常用照明装置(以下、従来例という。)は、充電可能な非常用電源(蓄電池)と、無線通信を行う無線通信モジュール(無線通信回路)とを有し、非常用電源の点検結果を無線通信モジュールを用いて送信する。さらに、従来例は、カバーと蓋からなる筐体(器具本体)の内部に、非常用電源、無線通信モジュール、非常用ランプ及び回路基板などを配置している。
【0003】
ここで、カバーと蓋は、通常、電波が通りにくい金属で形成されるので、無線通信モジュールでの電波の送受信の感度を高めるために、電波の送受信用の貫通孔が蓋に設けられている。なお、蓋における貫通孔の位置は、無線通信モジュールが設置されるスペース(設置スペース)の直下である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来例では、無線通信モジュールが配置される配置スペースは、カバーと蓋で構成される筐体(器具本体)の内部において、非常用ランプ(光源)を点灯させる制御部などを実装した回路基板(回路ブロック)の下方に設けられている。一方、非常用ランプは、蓋の近傍、つまり、筐体の下端部に配置されている。
【0006】
したがって、上記従来例では、非常用ランプ(光源)と回路基板(回路ブロック)の距離が離れてしまうために非常用ランプ(光源)と回路基板(回路ブロック)を電気的に接続する配線の長さ(配線長)が長くなって耐ノイズ性の低下を招くおそれがあった。
【0007】
本開示の目的は、耐ノイズ性の向上を図ることができる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る照明器具は、光源と、電池ブロックと、回路ブロックと、無線通信ブロックと、器具本体とを備える。前記電池ブロックは、蓄電池を有する。前記回路ブロックは、前記蓄電池を充電する充電回路、前記蓄電池を電源として前記光源を点灯させる点灯回路、前記充電回路及び前記点灯回路を収容する筐体を有する。前記無線通信ブロックは、電波を媒体とした無線通信を行う。前記器具本体は、前記光源、前記電池ブロック、前記回路ブロック及び前記無線通信ブロックを内部に収容する。前記無線通信ブロックは、アンテナと、前記アンテナを介して無線信号を送受信する無線通信回路と、前記アンテナ及び前記無線通信回路を収容する筐体と、を有する。前記器具本体は、筒状に形成される。前記光源は、前記器具本体の前記内部において第1方向の一端に配置される。前記電池ブロックと前記回路ブロックは、前記器具本体の前記内部において、前記第1方向と交差する第2方向の両端に配置される。前記無線通信ブロックの少なくとも一部は、前記器具本体の前記内部において、前記第2方向に沿って並ぶ前記電池ブロックと前記回路ブロックの間の空間に配置される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の照明器具は、耐ノイズ性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1Aは、本開示の実施形態に係る照明器具の上面図である。
図1Bは、同上の照明器具の下面図である。
図1Cは、同上の照明器具の側面図である。
【
図2】
図2は、同上の照明器具のカバーを省略した下面図である。
【
図3】
図3は、同上の照明器具のカバーと光源ユニットを省略した下面図である。
【
図4】
図4は、同上の照明器具のカバー、光源ユニット及び電池ブロックを省略した下面図である。
【
図5】
図5は、同上の照明器具のブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る照明器具の変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(照明器具の全体構成)
本開示の実施形態に係る照明器具1(以下、照明器具1と略す。)は、
図1-
図2に示すように、天井埋込型の非常灯である。なお、以下の説明においては、特に断らない限り、
図2において矢印で示す前後方向及び左右方向を、照明器具1及びその構成要素の前後方向及び左右方向(第2方向)と規定する。また、
図2の紙面の法線方向を照明器具1及びその構成要素の上下方向(第1方向)と規定する。
【0013】
照明器具1は、
図1-
図4に示すように、器具本体10、光源ユニット2、電池ブロック3、回路ブロック4及び無線通信ブロック5を備えている。照明器具1は、さらに、一対の支持具6を備える。照明器具1は、一対の支持具6によって天井に取り付けられる。
【0014】
(光源ユニットの構成)
光源ユニット2は、
図2に示すように、LEDモジュール20、放熱部材21、レンズブロック22、取付部材23及び押さえ部材24を有する。LEDモジュール20は、いわゆる照明用白色LED(Light Emitting Diode)である。レンズブロック22は、例えば、ガラス製であって、概ね円すい台形状のレンズ部220と、レンズ部220の周縁から外向きに突出する円環状の外鍔部221とを有している(
図2参照)。レンズ部220は、LEDモジュール20から放射される照明光の配光を制御する。放熱部材21は、アルミ又はアルミ合金の板材で平板状に形成されている。押さえ部材24は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料によって円盤状に形成されている。押さえ部材24の中央に四角形の穴240が開口している。押さえ部材24の穴240にLEDモジュール20の一部が挿入され、押さえ部材24における穴240の縁でLEDモジュール20の周縁部分が押さえ付けられる。取付部材23は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料によって楕円形状に形成されている。取付部材23の中央に、円形の凹所と、凹所の底に開口する円形の窓穴231とを有している。取付部材23は、レンズブロック22のレンズ部220を窓穴231に挿通し、LEDモジュール20、押さえ部材24及びレンズブロック22の外鍔部221を凹所に収めた状態で放熱部材21の下面にねじ止めされる。
【0015】
(電池ブロックの構成)
電池ブロック3は、複数の蓄電池30と、これら複数の蓄電池30を収容するケース31とを有する。複数の蓄電池30はそれぞれ、円筒形のニッケル水素電池である(
図2参照)。ケース31は、上下両側の底面が馬蹄形(U字形)である筒状に形成されている(
図2及び
図3参照)。複数本の蓄電池30は、軸方向を上下方向とし、径方向に沿って一列に並ぶようにケース31内に収容されている(
図2参照)。
【0016】
(回路ブロックの構成)
回路ブロック4は、点灯装置40(
図5参照)と、点灯装置40を収容する筐体41とを有する。筐体41は、合成樹脂材料によって箱形に形成されている。
【0017】
点灯装置40の回路ブロック図を
図5に示す。点灯装置40は、直流電源回路400、充電回路401、点灯回路402、停電検出回路403、制御回路404、モニタランプ405、押釦スイッチ406、受信部407を備える。
【0018】
直流電源回路400は、例えば、リンギングチョークコンバータなどの自励型のスイッチング電源回路で構成される。直流電源回路400は、外部電源(例えば、商用の電力系統)9から供給される交流電圧を、当該交流電圧の実効値よりも低い直流電圧に変換する。充電回路401は、外部電源9から給電されているときに動作し、直流電源回路400から電池ブロック3へ充電電流を流すように構成される。点灯回路402は、電池ブロック3から供給される直流電流を定電流化して光源ユニット2に供給するように構成される。停電検出回路403は、直流電源回路400の出力電圧から外部電源9の停電を検出して制御回路404に通知するように構成される。モニタランプ405は、例えば、緑色光を放射する発光ダイオードで構成され、充電回路401から電池ブロック3に供給される充電電流によって発光させられる。受信部407は、赤外線を通信媒体とする無線信号を受信し、受信した無線信号から送信フレームを復調して制御回路404に渡すように構成される。この無線信号は、定期点検の作業を行う作業者に操作されるワイヤレス送信器から送信される。なお、定期点検は、法令で定められた期間ごとに実施され、点灯回路402を強制的に動作させて光源ユニット2が規定の時間以上、点灯状態を維持することを確認することを目的として行われる。
【0019】
制御回路404は、停電検出回路403が停電を検出していないとき、充電回路401を動作させ、かつ、点灯回路402を停止させるように構成される。また、制御回路404は、停電検出回路403が停電を検出しているとき、充電回路401を停止させ、かつ、点灯回路402を動作させるように構成される。さらに、制御回路404は、一方の押釦スイッチ406Bが押操作された場合、あるいは、受信部407から送信フレームを受け取った場合、充電回路401を停止させ、かつ、点灯回路402を動作させて点検動作を行うように構成される。ただし、制御回路404は、他方の押釦スイッチ406Aが押操作された場合は、点灯回路402を数秒間動作させた後、再度、点灯回路402を停止させ、かつ、充電回路401を動作させるように構成される。
【0020】
(無線通信ブロックの構成)
無線通信ブロック5は、アンテナ50、無線通信回路51及び筐体52を有する(
図4及び
図5参照)。アンテナ50は、例えば、絶縁基板の表面に形成されたメアンダ構造の導体(銅はく)からなる、いわゆるメアンダラインアンテナである。ただし、アンテナ50は、メアンダラインアンテナに限定されず、半波長ダイポール、4分の1波長ダイポールアンテナ、逆F型アンテナ、マイクロストリップアンテナなどでも構わない。
【0021】
無線通信回路51は、アンテナ50で受信する無線信号、例えば、920MHz帯の電波を媒体とする無線信号を受信し、当該無線信号から制御指令を取得し、当該制御指令を点灯装置40の制御回路404に伝達するように構成される。さらに、無線通信回路51は、制御回路404から受け取るメッセージ(例えば、点検の結果)を無線信号としてアンテナ50から送信するように構成される。なお、無線通信回路51が取得する制御指令は、例えば、制御回路404に点検動作の開始を指示するための指令、及び制御回路404に対して点検の結果を送信するように指示するための指令などである。
【0022】
筐体52は、アンテナ50を収容した第1収容部521と、無線通信回路51を収容した第2収容部522とを有している(
図4参照)。第1収容部521及び第2収容部522はそれぞれ、合成樹脂材料によって箱形に形成されている。ただし、第1収容部521は第2収容部522に比べて小型であり、かつ、第1収容部521と第2収容部522は、一体に結合されている。
【0023】
(器具本体の構成)
器具本体10は、下面が開口した有底筒状に形成される。詳しくは、器具本体10は、12個の平坦な壁を有する角筒状に形成されている。さらに、器具本体10の12個の壁のそれぞれの下端縁には、外向きに突出する複数のフランジ片100が形成されている(
図1A及び
図2参照)。
【0024】
器具本体10の左右両側の壁には、それぞれ支持具6が1つずつ取り付けられている(
図1A及び
図1C参照)。これら一対の支持具6は、長尺の板ばね状に形成されることが好ましい。それぞれの支持具6は、長手方向の一端部で器具本体10の壁に固定され、かつ、長手方向の他端部が器具本体10の天面に近付く向き(上向き)に撓み可能に構成されている。つまり、器具本体10は、埋込孔内に挿入される一対の支持具6と、器具本体10の下端面に設けられる複数のフランジ片100との間で天井材を挟み込むようにして天井材に支持される。
【0025】
(カバーの構成)
カバー11は、器具本体10の外径(複数のフランジ片100の先端縁の外径)よりも大きい円盤状に形成され、中央に円形の窓孔110が設けられている(
図1B参照)。この窓孔110には、光源ユニット2のレンズ部220が挿通される。カバー11は、器具本体10に対して着脱可能に取り付けられ、器具本体10に取り付けられた状態で器具本体10の下面の開口を塞ぐように構成されている。カバー11の上面における前端及び後端には、それぞれ取付ばねが取り付けられている。これら一対の取付ばねは、器具本体10の内周面の前側及び後側にそれぞれ一対ずつ設けられる挿通溝に抜き差し可能に挿通される。つまり、カバー11は、一対の取付ばねがそれぞれ一対の挿通溝に挿通されることにより、器具本体10の下面を閉塞する状態で器具本体10に保持される(
図1C参照)。
【0026】
(照明器具の組立手順)
次に、照明器具1の組立手順を説明する。ただし、一対の支持具6は、既に器具本体10に取り付けられている。
【0027】
まず、組立作業を行う作業者は、器具本体10内に回路ブロック4を収容し、器具本体10の天面に回路ブロック4の筐体41をかしめ固定する。なお、回路ブロック4は、器具本体10内の右寄りの空間に配置される(
図2参照)。
【0028】
次に、作業者は、無線通信ブロック5を器具本体10内に収容する。無線通信ブロック5は、器具本体10内の前後方向の前方寄り、かつ、左右方向の中央付近の空間に配置される(
図4参照)。なお、無線通信ブロック5は、例えば、リード線を介して回路ブロック4の制御回路404と電気的に接続される。
【0029】
それから、作業者は、光源ユニット2を回路ブロック4の筐体41に取り付ける。さらに、作業者は、器具本体10の壁に放熱部材21をねじ止めすることにより、器具本体10と放熱部材21を熱的及び機械的に結合する。
【0030】
続いて、作業者は、器具本体10内の左寄りの空間に電池ブロック3を収容する。このとき、電池ブロック3が器具本体10内に収容される際、電池ブロック3のコネクタ部32と回路ブロック4の受け側のコネクタ409が電気的かつ機械的に接続される(
図3及び
図4参照)。
【0031】
最後に、作業者は、一対の取付ばねを器具本体10の内周面の前側及び後側にそれぞれ一対ずつ設けられる挿通溝に挿通することにより、器具本体10の下面を閉塞するようにカバー11を器具本体10に保持させる(
図1C参照)。以上のようにして、照明器具1の組立が完了する。
【0032】
(実施形態に係る照明器具の特徴)
次に、本開示の実施形態に係る照明器具1の特徴を詳しく説明する。
【0033】
照明器具1の一つの特徴は、無線通信ブロック5の少なくとも一部が、器具本体10の内部において、左右方向(第2方向)に沿って並ぶ電池ブロック3と回路ブロック4の間の空間S1(
図4参照)に配置されていることである。つまり、従来例のように、非常用ランプを点灯させる制御部などを実装した回路基板の下方に無線通信モジュールが配置される場合に比べて、無線通信ブロック5と回路ブロック4の距離を短縮することができる。その結果、照明器具1は、無線通信ブロック5と回路ブロック4を電気的に接続する配線の長さを短縮することにより、耐ノイズ性の向上を図ることができる。なお、照明器具1は、無線通信ブロック5の全部を器具本体10内の空間S1に配置することにより、器具本体10内のデッドスペースを有効活用して器具本体10の大型化の抑制を図ることもできる。また、照明器具1において、無線通信ブロック5は、左右方向(第2方向)に沿って電池ブロック3よりも回路ブロック4に近い位置に配置されている(
図4参照)。その結果、照明器具1は、無線通信ブロック5と回路ブロック4の間の配線長を更に短縮することにより、耐ノイズ性の更なる向上を図ることができる。
【0034】
照明器具1の別の特徴は、無線通信ブロック5の筐体52がアンテナ50と無線通信回路51を収容するように構成されていることである。つまり、照明器具1は、アンテナ50を器具本体10の外に露出させないので、器具本体10の外にアンテナを露出させる場合に比べて、意匠性の向上を図ることができる。
【0035】
ところで、照明器具1の器具本体10は、金属材料で形成されている。そのため、照明器具1においては、器具本体10のアンテナ(第1収容部521)と対向する位置に、器具本体10の内部と器具本体10の外をつなぐ開口部101が設けられている(
図6参照)。開口部101は、上下方向を長手方向とする長方形に形成されている。すなわち、照明具1においては、器具本体10の開口部101を通して無線通信ブロック5のアンテナ50で無線信号を送受信することができる。その結果、照明器具1は、器具本体10を金属材料製としつつも、無線通信ブロック5による無線通信の信頼性の向上を図ることができる。なお、開口部101の長さと幅はそれぞれ、無線通信ブロック5の無線通信で使用される電波の周波数帯(例えば、920MHz帯)に応じて適切な値に設定されることが好ましい。また、開口部101の長手方向は、第1収容部521に収容されているアンテナ50の長さ方向と直交又は略直交することが好ましい。
【0036】
照明器具1の更に別の特徴は、無線通信ブロック5で受信する無線信号に応じて充電回路401及び点灯回路402を制御する制御回路404を有していることである。つまり、照明器具1は、無線信号を利用して充電回路401及び点灯回路402を遠隔から制御可能であるので、使い勝手の向上を図ることができる。また、制御回路404は、無線信号に応じて蓄電池30の点検(既に説明した点検動作)を行うことが好ましい。つまり、制御回路404が無線信号に応じて点検動作を行うことにより、赤外線を媒体とする無線信号を利用して点検動作を行う場合に比べて、作業者の点検作業の負担を軽減することができる。さらに、制御回路404は、蓄電池30の点検を行った場合、点検の結果を無線通信ブロック5から無線信号で送信させることが好ましい。しかして、制御回路404が点検の結果を無線通信ブロック5から無線信号で送信させることにより、作業者の点検作業の負担を更に軽減することができる。
【0037】
(変形例)
次に、実施形態に係る照明器具1の変形例を説明する。変形例の照明器具1は、天井に直付けされる直付け型の非常灯である。
【0038】
変形例の照明器具1は、
図7に示すように、円盤状の本体と、円すい台形状のカバー7とを有する。本体は、天井にねじ止めされて直付けされる。カバー7の底板71の中央に窓孔70が設けられ、光源ユニット2のレンズ部220が窓孔70に挿通される。
【0039】
変形例の照明器具1においても、無線通信ブロックの少なくとも一部が、本体とカバー7からなる器具本体10の内部において、第2方向(水平方向)に沿って並ぶ電池ブロックと回路ブロックの間の空間に配置される。その結果、変形例の照明器具1は、無線通信ブロックと回路ブロックを電気的に接続する配線の長さを短縮することにより、耐ノイズ性の向上を図ることができる。
【0040】
なお、実施形態に係る照明器具は非常灯に限定されず、誘導灯などの非常灯以外の非常用照明器具でもよいし、いわゆるダウンライトなどの一般照明用の照明器具でも構わない。
【0041】
(まとめ)
本開示の第1の態様に係る照明器具(1)は、光源(LEDモジュール20)と、電池ブロック(3)と、回路ブロック(4)と、無線通信ブロック(5)と、器具本体(10)とを備える。電池ブロック(3)は、蓄電池(30)を有する。回路ブロック(4)は、蓄電池(30)を充電する充電回路(401)及び蓄電池(30)を電源として光源を点灯させる点灯回路(402)を有する。無線通信ブロック(5)は、電波を媒体とした無線通信を行う。器具本体(10)は、光源、電池ブロック(3)、回路ブロック(4)及び無線通信ブロック(5)を内部に収容する。器具本体(10)は、筒状に形成される。光源は、器具本体(10)の内部において第1方向(上下方向)の一端(下端)に配置される。電池ブロック(3)と回路ブロック(4)は、器具本体(10)の内部において、第1方向と交差する第2方向(左右方向)の両端に配置される。無線通信ブロック(5)の少なくとも一部は、器具本体(10)の内部において、第2方向に沿って並ぶ電池ブロック(3)と回路ブロック(4)の間の空間(S1)に配置される。
【0042】
第1の態様に係る照明器具(1)は、無線通信ブロック(5)と回路ブロック(4)を電気的に接続する配線の長さを短縮することにより、耐ノイズ性の向上を図ることができる。
【0043】
本開示の第2の態様に係る照明器具(1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(1)において、無線通信ブロック(5)は、第2方向に沿って電池ブロック(3)よりも回路ブロック(4)に近い位置に配置されることが好ましい。
【0044】
第2の態様に係る照明器具(1)は、無線通信ブロック(5)と回路ブロック(4)の間の配線長を更に短縮することにより、耐ノイズ性の更なる向上を図ることができる。
【0045】
本開示の第3の態様に係る照明器具(1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(1)において、無線通信ブロック(5)は、アンテナ(50)と、無線通信回路(51)と、筐体(52)とを有することが好ましい。無線通信回路(51)は、アンテナ(50)を介して無線信号を送受信することが好ましい。筐体(52)は、アンテナ(50)及び無線通信回路(51)を収容することが好ましい。
【0046】
第3の態様に係る照明器具(1)は、アンテナ(50)を器具本体(10)の外に露出させないので、器具本体(10)の外にアンテナを露出させる場合に比べて、意匠性の向上を図ることができる。
【0047】
本開示の第4の態様に係る照明器具(1)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(1)において、器具本体(10)は、金属材料で形成されることが好ましい。器具本体(10)は、アンテナ(50)と対向する位置に、器具本体(10)の内部と器具本体(10)の外をつなぐ開口部(101)を有することが好ましい。
【0048】
第4の態様に係る照明器具(1)は、器具本体(10)の開口部(101)を通して無線通信ブロック(5)のアンテナ(50)で無線信号を送受信することができる。その結果、第4の態様に係る照明器具(1)は、器具本体(10)を金属材料製としつつも、無線通信ブロック(5)による無線通信の信頼性の向上を図ることができる。
【0049】
本開示の第5の態様に係る照明器具(1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明器具(1)において、回路ブロック(4)は、制御回路(404)を有することが好ましい。制御回路(404)は、無線通信ブロック(5)で受信する無線信号に応じて充電回路(401)及び点灯回路(402)を制御することが好ましい。
【0050】
第5の態様に係る照明器具(1)は、無線信号を利用して充電回路(401)及び点灯回路(402)を遠隔から制御可能であるので、使い勝手の向上を図ることができる。
【0051】
本開示の第6の態様に係る照明器具(1)は、第5の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明器具(1)において、制御回路(404)は、無線信号に応じて蓄電池(30)の点検を行うことが好ましい。
【0052】
第6の態様に係る照明器具(1)は、作業者の点検作業の負担を軽減することができる。
【0053】
本開示の第7の態様に係る照明器具(1)は、第6の態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明器具(1)において、制御回路(404)は、蓄電池(30)の点検を行った場合、点検の結果を無線通信ブロック(5)から無線信号で送信させることが好ましい。
【0054】
第7の態様に係る照明器具(1)は、制御回路(404)が点検の結果を無線通信ブロック(5)から無線信号で送信させることにより、作業者の点検作業の負担を更に軽減することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 照明器具
3 電池ブロック
4 回路ブロック
5 無線通信ブロック
10 器具本体
20 LEDモジュール(光源)
30 蓄電池
50 アンテナ
51 無線通信回路
52 筐体
101 開口部
401 充電回路
402 点灯回路
404 制御回路
S1 空間