(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】多機能空気汚染低減装置
(51)【国際特許分類】
A61C 1/08 20060101AFI20240329BHJP
A61C 19/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
A61C1/08 F
A61C19/00 J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022108339
(22)【出願日】2022-07-05
【審査請求日】2022-07-07
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504455908
【氏名又は名称】国立成功大学
(73)【特許権者】
【識別番号】505040615
【氏名又は名称】南台科技大學
(73)【特許権者】
【識別番号】507324496
【氏名又は名称】国立中山大学
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL SUN YAT-SEN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 70, Lian-Hai Road, Gu-Shan District, Kaohsiung City, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】リン, ミン・イェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ヨン・チョン
(72)【発明者】
【氏名】リン, ファン・シャン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, チュン・ジュエイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シェン・フー
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0178510(US,A1)
【文献】特開2004-089510(JP,A)
【文献】特開2020-089578(JP,A)
【文献】実公昭47-040151(JP,Y1)
【文献】特開平10-179606(JP,A)
【文献】特開2009-160324(JP,A)
【文献】特開平09-010228(JP,A)
【文献】特開2005-253849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/00-5/00;5/40-5/68;5/90-7/36;19/00-19/10;A61G15/14-15/18
A61B 13/00-18/18,200;A61F2/01;A61N7/00-7/02
A61B 18/20-18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能空気汚染低減装置であって、
工具と、
前記工具に隣接して配置され、又は該工具と一体化される多機能汚染物質除去機と、
を備え、
前記多機能汚染物質除去機が前記工具に隣接して配置される場合、前記多機能汚染物質除去機は前記工具に対して取付け及び取外し可能な取外し可能装置であ
り、
前記多機能汚染物質除去機は空気供給源に接続され、前記空気供給源は前記多機能汚染物質除去機に空気を供給して該多機能汚染物質除去機の末端部を取り囲むエアカーテンを形成することで、空気汚染物質及び/又はスプレー液滴を第1エアカーテン内に閉じ込めることができ、
前記多機能汚染物質除去機は、
前記工具のバー周囲の視認性を向上するため、及び/又は、前記工具のバーの温度を冷却するため、
前記空気供給源から供給される空気の一部に前記第1エアカーテンのカバー領域内に下向きの抑制空気を形成させる1以上の小さな出口をさらに備える、多機能空気汚染低減装置。
【請求項2】
前記空気汚染物質が、前記工具の動作中に生成される、請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項3】
前記工具は、手持式工具又は機械持式工具である、請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項4】
前記工具は、歯科用ハンドピース、空気駆動ハンドピース、電気ハンドピース、超音波歯科用スケーラー、超音波歯科用スケーリングチップ、電気外科手術ペンシル、研磨工具又は動作中に空気汚染及び/若しくは騒音及び/若しくは振動を生成する工具である、請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項5】
前記多機能汚染物質除去機は、前記工具に隣接し、イオンを射出するように構成されたイオン化装置である、請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項6】
スリップ防止及び/又は振動防止表面をさらに備え、該スリップ防止及び/又は振動防止表面は前記イオン化装置のワイヤを完全に又は部分的に封入し、スリップ、騒音及び/又は振動を低減し、前記工具の取扱いをより快適にする、請求項5に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項7】
能動振動制御装置及び/又は受動振動制御装置をさらに備える請求項5に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項8】
前記多機能汚染物質除去機が真空ポン
プに接続され、前記真空ポンプは汚染源で空気を抽出するのに使用され
、前記エアカーテンの形状が円筒形、円錐形又は該エアカーテン内の前記空気汚染物質を閉じ込めるのに役立つ任意の形状である、請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項9】
前記工具に隣接するイオン化装置をさらに備え、該イオン化装置の放出点が、前記エアカーテン内の前記空気汚染物質の濃度を低減するのに役立つように前記エアカーテン内にある、請求項8に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項10】
前記工具に隣接するイオン化装置をさらに備え、該イオン化装置が前記エアカーテンの内部及び/又は外部にイオンを放出する、請求項8に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項11】
前記空気供給源から供給される前記空気の成分が、
(i)無粒子空気、
(ii)圧縮空気、
(iii)陽イオン若しくは陰イオン、
(iv)活性酸素種、
(v)気体、
(vi)粒子、
(vii)水蒸気、又は
(viii)上記の任意の組合せ、
を含む、請求項8に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項12】
スリップ防止及び/又は振動防止表面をさらに備え、該スリップ防止及び/又は振動防止表面
は前記工具に隣接するイオン化装置
のワイヤを完全に又は部分的に封入する、請求項8に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項13】
前記多機能汚染物質除去機が前記工具内にあり
、前記エアカーテンの形状が円筒形、円錐形又は前記空気汚染物質を閉じ込めるのに役立つ任意の形状である、請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項14】
前記工具の内部又は外部に位置する能動振動制御装置及び/又は受動振動制御装置をさらに備える請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項15】
帯電堆積表面をさらに備え、該帯電堆積表面が前記多機能汚染物質除去機の下方に配置される、請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項16】
前記多機能汚染物質除去機及び/又は前記工具に接続された電源をさらに備える請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項17】
前記工具の動作を検出し、前記多機能空気汚染低減装置を動作させる制御信号を送信するように構成されたセンサをさらに備える請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項18】
イオン化装置のイオン生成率、気流生成機の気流、光触媒清浄機のROS生成率及び/又は電源の電力出力を制御するように構成された制御部をさらに備える請求項1に記載の多機能空気汚染低減装置。
【請求項19】
前記制御部がコンピュータ、タブレット、プレートパネル、スマートフォン、遠隔コントローラ及び/又はモノのインターネット(IOT)によって制御される、請求項
18に記載の多機能空気汚染低減装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、米国特許法第119条(e)(1)の下で2021年7月5日に出願された米国仮特許出願第63/218404号の発明の名称「MULTIFUNCTIONAL AIR POLLUTION REDUCTION DEVICE」の出願日の利益を主張する。
【0002】
本発明は、歯科用ハンドピース(dental handpieces)、超音波歯科用スケーラー(ultrasonic dental scalars)、超音波歯科用スケーリングチップ(ultrasonic dental scaling tips)、電気外科手術ペンシル(electrosurgical pencils)及び/又は研磨工具(polishing tools)などの工具に使用可能な多機能空気汚染低減装置(multifunctional air pollution reduction device)に関する。
【背景技術】
【0003】
工具を用いて材料を処理する場合、空気汚染が生じることが多く、ユーザは心血管疾患又は呼吸器疾患を引き起こし得る空気汚染物質を吸入してしまうことがある。さらに、騒音が工具の動作中に生成されることが多く、騒音は難聴の原因となり得る。最終的には、工具を用いる場合、振動も生じ、手腕振動症候群(HAVS)などの疾患を引き起こし得る。
【0004】
歯科業務の場合、歯科医、歯科衛生士及び技工士は、歯科用ハンドピースを使用する。しかし、歯科用ハンドピースを用いて患者を治療し、又は材料を処理する場合、大量の空気汚染が生成され得る。空気汚染物質は、超微粒子、PM2.5、PM10、エアロゾル、スプレー液、ミスト、液滴、バイオエアロゾル、気体及び揮発性有機化合物(VOC)などの有害材料を含む。これらの種類の空気汚染物質は、手術室内の患者及び歯科従業者の双方に影響を与えてしまう。いくつかの研究は、歯科技工士が呼吸器疾患のリスクにあることを示す。
【0005】
歯科用ハンドピース及び超音波スケーリングチップの他の問題は、騒音汚染である。いくつかの研究は、歯科医が作業中に聴力問題のリスクに直面していることを報告している。さらに、歯科用ハンドピース又は歯科用ドリルによる騒音は、患者に不安及び不快感も引き起こしてしまう。
【0006】
歯科用ハンドピースを使用することは、筋骨格障害、小繊維神経又は機械受容器の損傷を含む振動関連疾患にもつながり得る。他の研究は、歯科用ハンドピースを使用する人は、指に関連する症状及び上肢の症状のリスクが高くなることを示している。しかし、歯科用ハンドピース及び超音波スケーリングチップでのそのような振動を低減する有効な方法は、未だにない。したがって、空気汚染、騒音及び振動は、歯科従業者を保護するために、低減される必要がある。
【0007】
一部の歯科業務提供者は、局所排気装置(LEV)を用いて空気汚染物質を除去する。しかし、現在の局所排気装置のほとんどは、かなりの空間を占拠する独立型の装置である。一部の局所排気装置は、それを保持する他の人を必要とすることさえある。
【0008】
最近では、いくつかの特許(例えば、米国特許出願第16/212758号)は、歯科用ハンドピース又は電気外科手術ペンシルなどの工具にイオン化装置及び/又は局所排気装置を取り付けて空気汚染を低減する。しかし、装置は、歯科用ハンドピースから生成される騒音及び振動を未だに低減できていない。さらに、歯科用ハンドピースの外部に取り付けられたイオン化装置の電線は、持ち心地を悪くしてしまう。したがって、歯科用ハンドピース又は超音波スケーリングチップなどの工具による空気汚染に加えて騒音、振動及びグリップ不快感を低減可能な改良された装置を提供することが望まれる。
【0009】
手術室における場合では、サージカルスモークが、外科手術中に電気外科手術ペンシルを使用する場合に生成される。サージカルスモークは、有毒気体及び粒子(エアロゾル)を含む。サージカルスモークへの曝露は、健康に有害となり得る。電気外科手術ペンシルの使用によって騒音及び振動は生じないが、電気外科手術ペンシルは、外科手術工程中に体液に接触した場合にスリップしやすくなることもあり、外科手術に影響を与えることもある。さらに、この種類のスリップしやすさの問題は、歯科用工具の動作中にも起こり得る。なお、前述の米国特許出願第16/212758号は、スリップ防止機能を有していない。したがって、改良された装置がスリップ防止機能を有することも望まれる。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、工具の動作中に生成される空気汚染を低減する多機能空気汚染低減装置を提供することである。
【0011】
目的を達成するために、多機能空気汚染低減装置は、工具及び多機能汚染物質除去機を含むように設計される。多機能汚染物質除去機は、工具に隣接して配置され、又は工具と一体化される。多機能汚染物質除去機が工具に隣接して配置される場合、多機能汚染物質除去機は、工具に対して取付け可能又は取外し可能な取外し可能装置である。多機能空気汚染低減装置は、空気汚染を低減し得るだけでなく、工具を使用する際の以下の、騒音、振動、グリップ不快感及びスリップ問題などの問題のうちの1以上を低減するのにも役立つ。
【0012】
任意選択的に又は好ましくは、工具は、手持式工具(hand-held tool)である。
【0013】
任意選択的に又は好ましくは、工具は、機械持式工具(machine-held tool)である。
【0014】
任意選択的に又は好ましくは、工具は、低速又は高速歯科用ハンドピースである。
【0015】
任意選択的に又は好ましくは、多機能空気汚染低減装置は、陽性又は陰性に帯電したイオンを射出して空気汚染物質の堆積を増強し、空気汚染濃度を低減するイオン化装置を含む。
【0016】
任意選択的に又は好ましくは、多機能空気汚染低減装置は、空気汚染物質を吸い出す真空ポンプに接続される。
【0017】
任意選択的に又は好ましくは、多機能空気汚染低減装置は、粒子堆積を増強する電荷を運ぶ堆積表面を含む。
【0018】
任意選択的に又は好ましくは、多機能空気汚染低減装置は、光触媒空気清浄機又は空気汚染物質と反応してCO2及びH2Oを形成し得る活性酸素種(ROS)を生成する光触媒酸化型空気清浄機に接続される。
【0019】
任意選択的に又は好ましくは、多機能空気汚染低減装置は、バネ及び/又はダンパーを使用して振動を低減する受動振動制御部品を含む。
【0020】
任意選択的に又は好ましくは、多機能空気汚染低減装置は、センサ及び振動を低減するアクチュエータと一体化された制御システムを使用する能動振動制御装置を含む。
【0021】
任意選択的に又は好ましくは、多機能空気汚染低減装置は、工具及び/又は多機能空気汚染低減装置に接続された電源を含む。
【0022】
任意選択的に又は好ましくは、多機能空気汚染低減装置は、工具の動作をモニタリングし、コントローラに信号を送信するセンサを含む。
【0023】
任意選択的に又は好ましくは、多機能空気汚染低減装置は、多機能汚染物質除去機及び/又は工具をオン/オフにするコントローラを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態による多機能空気汚染低減装置の構造を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2の実施形態による多機能空気汚染低減装置の構造を示す概略図である。
【
図2A.2B.2C】
図2Aは、本発明の第2の実施形態による多機能空気汚染低減装置の出口ノズルを示す拡大図である。
図2Bは、本発明の第2の実施形態による多機能空気汚染低減装置及び空気供給源を示す概略図である。
図2Cは、本発明の第2の実施形態による多機能空気汚染低減装置及び真空ポンプを示す概略図である。
【
図2D】
図2Dは、本発明の第2の実施形態の変形による多機能空気汚染低減装置の構造を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の第3の実施形態による多機能空気汚染低減装置の構造を示す概略図である。
【
図3A.3B】
図3Aは、本発明の第3の実施形態による多機能空気汚染低減装置の動作を示す概略図である。
図3Bは、本発明の第3の実施形態による多機能空気汚染低減装置の構造を示す他の概略図である。
【
図4.4A】
図4は、本発明の第4の実施形態による多機能空気汚染低減装置の構造を示す概略図である。
図4Aは、本発明の第4の実施形態による多機能空気汚染低減装置の能動振動制御装置の一部を示す拡大図である。
【
図5】
図5は、本発明の第5の実施形態による多機能空気汚染低減装置の構造を示す概略図である。
【
図6.6A.6B】
図6は、本発明の第6の実施形態による多機能汚染物質除去機の構造を示す概略図である。
図6Aは、本発明の第6の実施形態による多機能汚染物質除去機の構造を示す他の概略図である。
図6Bは、本発明の第6の実施形態による多機能空気汚染低減装置の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の実施は、当業者がそこに含まれる開示を参照することによって本開示の他の利点及び効果を容易に理解することを可能とするように、具体的な実施形態によって説明される。本開示は、他の異なる具体的な実施形態によって実施又は適用される。種々の変形及び変更が、本開示の趣旨から逸脱することなく、異なる観点及び用途に対応してここに開示される詳細に対して行われ得る。
【0026】
本明細書及び特許請求の範囲において、特に指定されない限り、「1つ」の要素を有することは、単一のその要素を有することに限定されず、1以上のその要素が提供され得るということが留意されるべきである。
【0027】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語「隣接した」は、相互の近接性を説明することをいうこともあり、必ずしも相互の接触を意味しない。
【0028】
さらに、本開示における「~する場合」又は「~する間」という説明は、「現時点、その前又はその後」などを意味し、同時での発生に限定されない。本開示では、「~に配置された」などの同様の説明は、2つの構成要素の間の対応する位置関係をいい、特に具体的に制限されない限り、2つの構成要素の間に接触があるか否かを限定しない。さらに、本開示が複数の効果を列挙する場合、単語「又は」が効果の間で使用される場合、それは効果が独立して存在することを意味するが、複数の効果が同時に存在し得ることを排除するものではない。
【0029】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲における用語「接続する」は、他の構成要素との直接接続だけでなく、他の構成要素との間接接続もいい、又は電気接続をいう。さらに、電気接続は、直接接続、間接接続又は2つの構成要素が無線信号を通じて通信するモードを含み得る。
【0030】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲では、用語「ほぼ」「約」「およそ」又は「略」は、通常、所与の値又は範囲の20%、10%、5%、3%、2%、1%又は0.5%内を意味する。所与の値の量はおよその量であり、それは「ほぼ」、「約」、「およそ」又は「略」の意味が、「ほぼ」、「約」、「およそ」又は「略」の具体的な説明がなくてもなお含意され得ることを意味する。さらに、用語「第1の値から第2の値に及ぶ」及び「第1の値から第2の値の間の範囲」は、範囲が第1の値、第2の値及び第1の値と第2の値の間の他の値を含むことを示す。
【0031】
さらに、この開示では、「システム」、「機器」、「装置」、「モジュール」又は「部」などの用語は、電子構成要素若しくは複数の電子構成要素からなるデジタル回路、アナログ回路又は他のより一般化された回路をいい、特に指定されない限り、それらは必ずしも階層関係を有さない。さらに、各構成要素は、単一回路又は適切な態様における集積回路として実現されてもよく、トランジスタ若しくは論理ゲートなどの1以上の能動素子又はレジスタ、キャパシタ若しくはインダクタなどの1以上の受動素子を含んでいてもよいが、これに限定されない。構成要素は、適宜の態様で相互に接続され、例えば、それぞれ入力信号及び出力信号をマッチングさせ、1以上のラインを使用して直列又は並列接続を形成し得る。さらに、各構成要素は入力信号及び出力信号が順次又は並列に出入りするのを可能とし得る。前述の構成は、実際の用途により決定される。
【0032】
さらに、この開示に開示される異なる実施形態の技術的な特徴は、分割され又は組み合わされて他の実施形態を形成し得る。
【0033】
本発明を説明する目的で、いくつかの実施形態は、以下の説明において提供される。一実施形態の特徴及び機能は、適切な態様における変更、変形、分離、選択、組合せ又は変換によって他の実施形態に適用され得る。
【0034】
図面は、一実施形態の必須の要素及び最適又は好適な要素を示し得る。換言すると、それは、図中の全ての要素が実施形態の必須の要素であるということを意味するものではない。
【0035】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態による多機能空気汚染低減装置1の構造を示す概略図である。
【0036】
この実施形態では、多機能空気汚染低減装置1は、歯科用器具である。ただし、他の実施形態では、それは、ネイル又は宝飾品を研磨するのに使用される器具であってもよく、それに限定されない。
【0037】
第1の実施形態では、多機能空気汚染低減装置1は、多機能汚染物質除去機10及び工具20を含む。多機能汚染物質除去機10は、工具20に取り付けられて多機能空気汚染低減装置1を構成することができる。多機能汚染物質除去機10は、ここでは工具20に対して容易に取付け及び取外し可能な取外し可能装置である。任意選択的に、工具20は、手持式工具又は機械持式工具であり得る。工具20は、ここでは歯科において使用可能な空気駆動ハンドピース21である。空気汚染は、空気駆動ハンドピースを歯又は他の加工材料に対して使用する場合に生成される。他の実施形態では、工具20は、歯科用ハンドピース、空気駆動ハンドピース、電気ハンドピース、超音波歯科用スケーラー、超音波歯科用スケーリングチップ、電気外科手術ペンシル、研磨工具又は動作中に空気汚染及び/若しくは騒音及び/若しくは振動を生成する工具であり得る。
【0038】
多機能汚染物質除去機10は、イオン化装置11及び工具20に隣接して位置するゴム状材料部分12を含み、ゴム状材料部分12の材料はゴム及び/又はゴム状材料であり得る。イオン化装置11は、先端111及びワイヤ112を含み、先端111は出口ノズル124に隣接する。空気駆動ハンドピース21は、バー(bur)211を含む。多機能汚染物質除去機10が工具20と組み合わされる場合、イオン化装置11は空気駆動ハンドピース21のバー211に近接し、イオンを放出する。イオン化装置11は、先端111を通じて高濃度の陽イオン及び/又は陰イオンを射出することができ、空気汚染物質の堆積を増強し、それにより空気汚染物質の濃度を低減し、したがって空気汚染を低減することができる。イオン化装置11は、ワイヤ112を通じて電力に接続される。任意選択的に、多機能空気汚染低減装置1は帯電堆積表面30をさらに含み、この場合では帯電堆積表面30は、多機能汚染物質除去機10の下方に配置されて空気汚染物質の除去効率をさらに増加させるエレクトレットフィルタ31であるが、それに限定されない。任意選択的に、ゴム状材料部分12は、工具20を収納する空洞中心128を有する。任意選択的に、ゴム状材料部分12は収納空間(例えば、
図2における空間123a)を有する厚さを有し、イオン化装置11は収納空間に配置され、及び/又は気流は収納空間を通過し得るが、これに限定されない。
【0039】
ゴム状材料部分12は、ユーザが空気駆動ハンドピース21を保持するのに適した位置に位置する。任意選択的に、ゴム状材料部分12は、工具20の取扱いを容易にするように、ユーザが空気駆動ハンドピース21を保持する場合のスリップ及び/又は振動を低減するスリップ防止及び/又は振動防止表面を含む。
【0040】
任意選択的に又は好ましくは、ゴム状材料部分12は、空気駆動ハンドピース21を完全に又は部分的に覆い得る。任意選択的に、ゴム状材料部分12は、手のスリップを低減し、グリップを改善し、騒音及び/又は振動を低減し、工具の取扱いをさらに快適にするように、イオン化装置のワイヤを完全に又は部分的に封入し得る。
【0041】
このようにして、工具に対する多機能空気汚染低減装置1の第1の実施形態が実現可能となる。
【0042】
第2の実施形態
図2は、本発明の第2の実施形態による多機能空気汚染低減装置1の構造を示す概略図である。
図2Aは、本発明の第2の実施形態による多機能空気汚染低減装置1の出口ノズル124を示す拡大図である。
【0043】
第2の実施形態は第1の実施形態と同様であり、多機能空気汚染低減装置1は多機能汚染物質除去機10及び工具20も含み、多機能汚染物質除去機10は、工具20に対して容易に取付け及び取外し可能である。工具20は、歯科において使用可能な空気駆動ハンドピース21である。ただし、多機能汚染物質除去機10は、第1の実施形態と異なる。この場合での多機能汚染物質除去機10は、空気駆動ハンドピース21を取り囲み、内部層121、外部層122、少なくとも支持体123(例えば、1以上の支持体123)及び出口ノズル124を有するゴム状材料部分12を有する。支持体123は、2層が衝突するのを防止するように、内部層121及び外部層122を支持するために内部層121と外部層122の間にある。さらに、内部層121と外部層122の間に、空気を通過させ、出口ノズル124に向けて吹き付けるようにする空間123aが存在する。
【0044】
任意選択的に、
図2及び2Aに示すように、出口ノズル124は、少なくとも広い吸気口(例えば、孔126)及び少なくとも狭い排気口(例えば孔125)を有し、出口ノズル124から出る空気を加速してエアカーテン212を形成する。エアカーテン212は、円錐形状であり得る。エアカーテン212は、エアカーテン内に空気汚染物質、水及び/又は水スプレーミストを含み得る。したがって、空気汚染物質、水スプレーミスト、水及び/又は水スプレー液の周辺領域への拡散を低減する。任意選択的に又は好ましくは、出口ノズル124は中空部分124bを形成する内部表面124aを有し、内部表面124a上に形成された1以上の小孔127が存在し、孔127は、空気の一部が出入りしてエアカーテン212内に下向きの抑制空気213を形成するように、孔125に隣接している。下向きの抑制空気213は、エアカーテン212内の水、スプレーミスト及び/又はエアロゾルを押し下げることができ、これが歯科従業者に明瞭な視界を与えることができる。内部層121及び外部層122は、空気駆動ハンドピース21による騒音及び振動増幅を低減するのに役立ち得るゴム状材料で作製される。任意選択的に、エアカーテン212の形状は、円筒形又は空気汚染物質を閉じ込めるのに役立つ任意の形状であってもよい。
【0045】
任意選択的に、出口ノズル124は、ノズル出口を用いることなく、フランジ又は単純な排気口設計体に置換可能である。
【0046】
任意選択的に、内部層121のみがゴム状材料で作製されて騒音及び振動レベルを低減するのに役立つ。外部層122は、重合体、生体材料、合成材料などの他の材料から作製され得るが、これに限定されない。
【0047】
図2Bは、本発明の第2の実施形態による多機能空気汚染低減装置1及び空気供給源18を示す概略図である。任意選択的に、多機能汚染物質除去機10は、多機能汚染物質除去機10に空気を供給するために空気供給源18に接続され、空気供給源18は光触媒空気清浄機又は光触媒酸化型空気清浄機であり得るが、これに限定されない。さらに、光触媒空気清浄機又は光触媒酸化型空気清浄機は、バー211に向けて気流を生成する。任意選択的に、空気供給源18によって生成された気流は、内部層121と外部層122の間の空間123aを通過し得る。さらに、実施形態では、空気供給源18によって生成された気流は、多機能汚染物質除去機10に接続された送出導管を通じて多機能汚染物質除去機10に送出されてもよく、送出導管の形状は、円筒又は平坦であり得るが、これに限定されない。実施形態では、空気供給源18によって生成された気流がゴム状材料部分12の空洞中心128を通過する場合、送出導管は工具20と一体化されてもよく、例えば、空気供給源18によって生成された気流が半円形構造体及び工具20の筐体20によって形成される封入空間に送出可能となるように、送出導管は半円形構造体のみを有し、工具20の筐体に接続され得る。任意選択的に、空気供給源18によって生成された気流は、空気汚染物質内の微生物又は有機化合物と反応してCO
2及びH
2Oを形成し得る。任意選択的に、空気供給源による供給空気の成分は、無粒子空気、圧縮空気、陽イオン若しくは陰イオン、活性酸素種(ROS)、気体、粒子若しくは水蒸気又は上記の任意の組合せを含み得るが、これに限定されない。任意選択的に、空気供給源18によって供給される空気の一部は、エアカーテン212を形成し得るが、これに限定されない。
【0048】
図2Cは、本発明の第2の実施形態による多機能空気汚染低減装置1及び真空ポンプ19を示す概略図である。
図2Cに示すように、多機能汚染物質除去機10は、汚染源(例えば、バー211の位置)から汚染物質を吸引するために真空ポンプ19に接続され、汚染物質を運ぶ気流はバー211から離れ、空間123aを通じて真空ポンプ19に流れる。任意選択的に、空気供給源18の動作時間及び真空ポンプ19の動作時間は、重複しない。
【0049】
図2Dは、本発明の第2の実施形態の変更による多機能空気汚染低減装置1の構造を示す概略図である。
図2Dの実施形態は、
図1に示す第1の実施形態及び
図2に示す第2の実施形態の特徴の組合せとみなされ得る。
図2Dに示すように、多機能汚染物質除去機10は、
図1の実施形態において説明したイオン化装置11をさらに含む。任意選択的に、イオン化装置11は工具20に隣接し、エアカーテン212における空気汚染物質を除去するのに役立つように、イオン化装置11の放出点がエアカーテン212内にあり、又はイオン化装置11がエアカーテン212の内部及び/若しくは外部にイオンを放出する。
【0050】
任意選択的に、イオン化装置11は、空間123a又は空洞中心128に位置し得るが、これに限定されない。
【0051】
さらに、実施形態では、
図2又は2Dの多機能汚染物質除去機10は、硬質材料(例えば、硬質プラスチック又は金属であり、これに限定されない)又は軟質材料(例えば、ゴム材料又はゴム状材料であり、これに限定されない)である。実施形態では、多機能汚染物質除去機10の外部部分は保持するのに適した軟質材料であり、多機能汚染物質除去機10の内部部分は支持体123をより少なくすることを可能とする硬質材料であるが、これに限定されない。
【0052】
このようにして、第2の実施形態が実現可能となる。
【0053】
第3の実施形態
図3は、本発明の第3の実施形態による多機能空気汚染低減装置1の構造を示す概略図である。第3の実施形態のいくつかの特徴は、第1の実施形態及び第2の実施形態の内容から理解可能である。
【0054】
第3の実施形態の多機能空気汚染低減装置1は、多機能汚染物質除去機10及び工具20を含む。
【0055】
多機能汚染物質除去機10は、この実施形態では歯科において使用可能な歯科用ハンドピース22である工具20に対して容易に取付け又は取外し可能である。
【0056】
多機能汚染物質除去機10は、チューブ131、歯科用ハンドピース22を封入するゴム状材料部分12及びアダプタ15を含む。ゴム状材料部分12は、出口ノズル124を有する。ゴム状材料部分12の詳細は、第1の実施形態及び第2の実施形態の内容から理解可能であり、それにより詳細な説明が不要であると考えられる。アダプタ15は、多くの場合歯科用椅子に位置する電源151に、多機能空気汚染低減装置1を接続するのに使用される。チューブ131は、空気を出口ノズル124に向けて供給するように、空気供給源18に接続される。出口ノズル124を出る空気は、円錐形状(又は他の形状)のエアカーテン212を形成して空気汚染物質、特に歯科用ハンドピース22によって作製される大きな液滴、水スプレーミスト、水及び/又はスプレー液を閉じ込め得る。エアカーテン212の詳細は、第1の実施形態及び第2実施形態の内容から理解可能であり、それにより詳細な説明が不要であると考えられる。任意選択的に、チューブ131によって供給される空気は、多機能汚染物質除去機10の内壁と歯科用ハンドピース22の外壁との間の空間を通過して出口ノズル124に進入してもよいが、これに限定されない。
【0057】
任意選択的に、チューブ131は、(
図2に示すように)空間123a又は(
図2に示すように)空洞中心128に位置し得る。
【0058】
任意選択的に、出口ノズル124は、ノズル出口設計を用いることなく、ベーン又は単純な排気口設計体に置換可能である。
【0059】
ただし、任意選択的に、歯科用ハンドピース22は、電気歯科用ハンドピースに限定されない。
【0060】
任意選択的に又は好ましくは、出口ノズル124から出る供給空気は、任意の他の形状、例えば、円筒形、円錐形状又は空気汚染物質を閉じ込めるのに役立つ任意の形状でエアカーテン212を形成し得る。
【0061】
任意選択的に又は好ましくは、出口ノズル124から出る供給空気は、エアカーテン212内の空気汚染物質を低減する陰イオン又は陽イオンを含む。陽イオン又は陰イオンは、イオン化装置(不図示)から生成可能である。イオン化装置の詳細は、第1の実施形態及び第2の実施形態の内容から理解可能である。
【0062】
任意選択的に又は好ましくは、出口ノズル124から出る供給空気は、空気汚染物質をCO2及びH2Oに分解可能な活性酸素種(ROS)を含む。ROSは、光触媒酸化型空気清浄機から生成可能である。光触媒酸化型空気清浄機の詳細は、第1の実施形態及び第2の実施形態の内容から理解可能である。
【0063】
ゴム状材料部分12は、多機能空気汚染低減装置1をユーザに対してより快適及び人間工学に基づいたものにし得る。それは、歯科用ハンドピース22の騒音及び振動も低減する。
【0064】
図3Aは、本発明の第3の実施形態による多機能空気汚染低減装置1の動作を示す概略図である。
図3Aに示すように、歯科用ハンドピース22が多機能汚染物質除去機10に組み合わされない場合には、歯科用ハンドピース22が動作中の場合、大きな液滴又はエアロゾルが生成され、周辺環境に拡散される。さらに、多機能汚染物質除去機10は、多機能汚染物質除去機10が動作中の場合、エアカーテン212及び陰イオン(又は陽イオン)を生成する。歯科用ハンドピース22が多機能汚染物質除去機10と組み合わされる場合、歯科用ハンドピース22によって生成される液滴又はエアロゾルはエアカーテン212内に遮蔽可能であり、陰イオン(又は陽イオン)はエアカーテン212内の空気汚染物質濃度を低減するのに役立ち得る。
【0065】
さらに、
図3Bは、本発明の第3の実施形態による多機能空気汚染低減装置1の構造を示す他の概略図である。
図3Bに示すように、複数の空気孔40が、歯科用ハンドピース22のバー211の周囲に配置される。空気孔40は下向きの抑制空気213を供給してエアカーテン212内の水、スプレーミスト及び/又はエアロゾルを押し下げることができ、それにより歯科従業者が歯科用ハンドピース22を使用する場合にバー211の明瞭な視界を有し得る。実施形態では、空気孔40は歯科用ハンドピース22上に配置され、下向きの抑制空気213は歯科用ハンドピース22から供給される。他の実施形態では、空気孔40は、下向きの抑制空気213が空間123aから供給されるように、チューブを通じて空間123aに接続可能である。このようにして、第3の実施形態が実現可能となる。
【0066】
第4の実施形態
図4は、本発明の第4の実施形態による多機能空気汚染低減装置1の構造を示す概略図である。
図4Aは、本発明の第4の実施形態による多機能空気汚染低減装置1の能動振動制御装置141の一部を示す拡大図である。
【0067】
この実施形態では、多機能汚染物質除去機10は工具20と一体化され、例えば、多機能汚染物質除去機10は工具20に位置する。工具20は、歯科において使用可能な歯科用ハンドピース22であり得る。多機能汚染物質除去機10は2つの部分を含み、第1の部分はバー211に向けて空気を吹き出すことができる気流を提供する空気汚染低減装置17である。なお、バー211に向けて吹き出された出口ノズル124から出る気流は、円錐形状(又は他の形状)のエアカーテン212を形成して、工具20から出て周辺領域及び人々を汚染する、より大きな液滴などの空気汚染物質を封じ込めるのに役立つ。ある割合の空気が出口ノズル124に進入してそこから出るようにしてエアカーテン212内に下向きの抑制空気213を形成するために、1以上の小さい孔(例えば、
図2Aに示す孔127)も出口ノズル124に存在し、これが歯科従業者に対して視野を明瞭にするのに役立ち得る。
【0068】
多機能汚染物質除去機10の第2の部分は、騒音及び振動低減装置14、例えば、能動振動制御装置141である。能動振動制御装置141は複数の振動制御部16を含み、振動制御部16の各々がエラストマー160、センサ161及びアクチュエータ163を含み、コントローラ162によって制御可能である。エラストマー160、センサ161及びアクチュエータ163は、一体化され得る。振動制御部16は、工具20のモーター164に隣接して配置され、又はモーター164に接続され得る。任意選択的に、振動制御部16は、所定方向に配置される。能動振動制御装置141の振動制御部16を
図4Aに示す。
図4及び
図4Aに示すように、センサ161はモーター164の振動及び/又は動作を検出し、信号をコントローラ162に送信する。コントローラ162は、モーター164の振動及び/又は動作による応答信号を生成し、応答信号をアクチュエータ163に送信してモーター164の振動を調節し、例えば、モーター164の振動を低減する。
【0069】
任意選択的に、能動振動制御装置141は多機能汚染物質除去機10の内部表面上に配置可能であり、多機能汚染物質除去機10が工具20と組み合わされる場合は、能動振動制御装置141の位置はモーター164の位置に隣接する。
【0070】
任意選択的に、出口ノズル124は、ノズル出口設計を用いることなく、ベーン又は単純な排気口設計体に置換可能である。
【0071】
任意選択的に、能動振動制御装置141は、ゴム状材料層によって置換されてもよい。ゴム状材料層は、モーター164を完全に又は部分的に覆って騒音及び振動を低減し得る。さらに、騒音及び振動低減装置14は、能動振動制御装置141及びゴム状材料層を含んでもよく、例えば、ゴム状材料層は能動振動制御装置141の外部に配置されてもよいが、これに限定されない。
【0072】
任意選択的に、能動振動制御装置141は、受動振動制御装置(不図示)によって置換されてもよい。受動振動制御装置はバネ及び/又はダンパーを含んでいてもよく、バネ及び/又はダンパーの自然の特性を用いて振動を低減し、例えば、モーター164又は工具20はバネを通じてダンパーに接続されることもあるが、これに限定されない。任意選択的に、騒音及び振動低減装置14は、能動振動制御装置141及び受動振動制御装置を含み得る。任意選択的に、能動振動制御装置141及び/又は受動振動制御装置は、工具20に配置され得るが、工具20の外部に配置(例えば、多機能汚染物質除去機10のゴム状材料部分12に接続)されてもよい。
【0073】
任意選択的に、コントローラ162は、コンピュータ、タブレット、プレートパネル、スマートフォン、遠隔コントローラ及び/又はモノのインターネット(IOT)によって制御されるように構成されるが、これに限定されない。任意選択的に、コントローラ162は、制御チップであるが、これに限定されない。
【0074】
任意選択的に、歯科用ハンドピースは、空気駆動ハンドピース21又は電気ハンドピースであり得るが、これに限定されない。
【0075】
このようにして、第4の実施形態が実現可能となる。
【0076】
第5の実施形態
図5は、本発明の第5の実施形態による多機能空気汚染低減装置1の構造を示す概略図である。
【0077】
この実施形態では、多機能空気汚染低減装置1は、外科手術用器具である。
【0078】
第5の実施形態では、多機能空気汚染低減装置1は、多機能汚染物質除去機10及び工具20を含む。多機能汚染物質除去機10は、工具20と組み合わされ得る。多機能汚染物質除去機10は、ここでは、工具20に対して容易に取付け及び取外し可能な取外し可能装置である。工具20は、ここでは、外科手術中に使用可能であり、電力線251を通じて外部電力に接続される電気外科手術ペンシル25である。空気汚染は、電気外科手術ペンシル25を使用して患者を治療する場合に生成される。空気汚染源は、通常、電気外科手術ペンシル25の先端252の付近にある。
【0079】
多機能汚染物質除去機10は、イオン化装置11及び工具20に隣接して位置するゴム状材料部分12を含む。イオンは、空気汚染源に近いイオン化装置11の先端111の近くで放出される。イオン化装置11は、空気汚染物質の堆積を増強可能な高濃度の陽イオン又は陰イオンを射出可能であり、したがって、空気汚染が低減可能となる。イオン化装置11は、ワイヤ112を通じて外部電力に接続される。イオン化装置11の詳細は、前述の実施形態の内容から理解可能である。
【0080】
ゴム状材料部分12は、ユーザが電気外科手術ペンシル25を保持可能な位置に位置する。任意選択的に又は好ましくは、ゴム状材料部分12は、電気外科手術ペンシル25の一部又は全部を覆い得る。ゴム状材料部分12の詳細は、前述の実施形態の内容から理解可能である。
【0081】
このようにして、第5の実施形態が実現可能となる。
【0082】
第6の実施形態
図6は、本発明の第6の実施形態による多機能汚染物質除去機の構造を示す概略図である。
図6Aは、本発明の第6の実施形態による多機能汚染物質除去機の構造を示す他の概略図である。
図6Bは、本発明の第6の実施形態による多機能空気汚染低減装置の構造を示す概略図である。
【0083】
多機能汚染物質除去機10は、この実施形態では歯科において使用可能な歯科用ハンドピース22である工具20に対して容易に取付け又は取外し可能である。
【0084】
実施形態では、多機能汚染物質除去機10は、本体部分101及び着脱可能部分102を含み、
図6に示すように、着脱可能部分102は本体部分101と着脱可能に組み立てられる。さらに、本体部分101は、第1の収容部分103及び第2の収容部分104を有し、第1の収容部分103は開口部105を通じて露出され、第1の収容部分103及び第2の収容部分104は相互に接続される。さらに、着脱可能部分102の組立位置は第2の収容部分104に対応し、そのため、着脱可能部分102が本体部分101から分離された場合、
図6Aに示すように、第2の収容部分104が露出可能となる。
【0085】
実施形態では、第1の収容部分103及び第2の収容部分104の形状は工具20の形状に対応しており、そのため、ユーザは、まず本体部分101から着脱可能部分102を分離し、工具20を第1の収納部分103及び第2の収納部分104に配置し、そして着脱可能部分102を本体部分101と組み立て、それにより、
図6Bに示すように、工具20を多機能汚染物質除去機10と組み合わせることができる。この実施形態の構造が容易に組み合わされ得ることが理解可能である。
【0086】
さらに、吸気口107に接続された中空気流経路106は、気流を通過させてバー211の近くにエアカーテンを形成するために、多機能汚染物質除去機10の本体部分101のケーシングの内側(例えば、
図2における空間123a)に設けられてもよい。中空気流経路106は、前述の実施形態によるイオン化装置11のためのワイヤ112を配置するようにも使用可能であるが、これに限定されない。さらに、前述の実施形態による出口ノズル124は、本体部分101及び着脱可能部分102のケーシングの内側(
図6~6Bにおいて不図示)にも配置されてもよく、着脱可能部分102の表面は、前述の実施形態による効果を実現するために(
図3参照)、前述の実施形態による孔125、126、127を有していてもよい(
図6~6Bにおいて不図示)。他の実施形態では、第1の収容部分103の一部及び第2の収容部分104の一部は、中空気流経路106としても使用可能であるが、これに限定されない。
【0087】
さらに、
図6A及び6Bに示すように、実施形態では、着脱可能部分102は外輪部分102a及び内輪部分102bを有し、1以上の支持体102cが外輪部分102aと内輪部分102bの間に接続され、空間102dが支持体102cによって外輪部分102aと内輪部分102bの間に形成される。実施形態では、イオン化装置11は多機能汚染物質除去機10に配置され、ワイヤ112が中空気流経路106に配置され、先端111が空間102dから露出される。
【0088】
さらに、
図6Aに示すように、複数の孔102eが内輪部分102b上に存在する。孔102eは、孔102eが前述の実施形態において示された下向きの抑圧空気を供給可能となるように、チューブを通じて中空気流経路106に接続可能である。
【0089】
さらに、任意選択的に、外輪部分102a、内輪部分102b及び本体部分101は、一体的に形成可能でもある。この設計下で、外輪部分102aと内輪部分102bの間の前述の実施形態における支持体102cが取外し可能となるように、外輪部分102aの一部及び内輪部分102bの一部は本体部分101に接続可能である。
【0090】
このようにして、第6の実施形態が実現可能となる。
【0091】
さらに、前述の実施形態では、多機能空気汚染低減装置1は、センサ(例えば、
図4におけるセンサ161又はさらなるセンサ)をさらに含み得る。センサは、工具20の動作を検出するのに使用され、多機能汚染物質除去機10をオン又はオフにするように、工具20の動作に従って多機能汚染物質除去機10の制御部(例えば
図4におけるコントローラ162又はさらなるコントローラ)に制御信号を送信する。実施形態では、センサが、工具20が動作中であることを検出する場合、センサは、多機能汚染物質除去機10をオンにするために多機能汚染物質除去機10に制御信号を送信する。実施形態では、センサが、工具20が動作を停止したことを検出する場合、センサは、多機能汚染物質除去機10に多機能汚染物質除去機10をオフにするために制御信号を送信する。
【0092】
さらに、前述の実施形態では、多機能空気汚染低減装置1は、制御素子(例えば、
図4におけるコントローラ162又はさらなるコントローラ)をさらに含み得る。制御チップは、イオン化装置11のイオン生成率、気流生成機(例えば、空気清浄機)の気流、光触媒清浄機のROS生成率及び/又は電源の電力出力を制御するように構成されるが、これに限定されない。さらに、制御チップは、コンピュータ、タブレット、プレートパネル、スマートフォン、遠隔コントローラ及び/又はモノのインターネット(IOT)によって制御されるように構成されるが、これに限定されない。さらに、前述の実施形態では、工具20の種類は、歯科用ハンドピース、空気駆動ハンドピース、電気ハンドピース、超音波歯科用スケーラー、超音波歯科用スケーリングチップ、電気外科手術ペンシル、研磨工具又は動作中に空気汚染及び/若しくは騒音及び/若しくは振動を生成する工具を含み得るが、これに限定されない。
【0093】
さらに、前述の実施形態の特徴は、それらが実行可能である限り、相互に組合せて使用され得る。
【0094】
本発明をその実施形態との関連において説明したが、以下に特許請求されるように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多数の他の可能な変形及び変更が行われ得ることが理解されるべきである。