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特許7462255内視鏡用形状計測システムおよび内視鏡用形状計測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】内視鏡用形状計測システムおよび内視鏡用形状計測方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240329BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
A61B1/00 551
A61B1/045 622
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023505052
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(86)【国際出願番号】 JP2021010118
(87)【国際公開番号】W WO2022190366
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510097747
【氏名又は名称】国立研究開発法人国立がん研究センター
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】中村 達哉
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 大智
(72)【発明者】
【氏名】花野 和成
(72)【発明者】
【氏名】松尾 圭悟
(72)【発明者】
【氏名】坂本 琢
(72)【発明者】
【氏名】小田 一郎
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第9412054(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0043188(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110811491(CN,A)
【文献】特開2018-197674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えた内視鏡用形状計測システムであって、
前記プロセッサは、
体腔内の生体組織を内視鏡が撮影した内視鏡画像を表示装置に表示し、
内視鏡画像に注目領域を設定するためのユーザ操作を受け付け、
ユーザ操作にもとづいて、内視鏡画像に注目領域を設定し、
内視鏡が撮影した生体組織の3次元形状情報を取得し、
注目領域とは異なる領域の3次元形状情報から、注目領域における仮想面の3次元形状情報を導出し、
導出した仮想面の3次元形状情報から、仮想面のサイズに関する情報を特定する、
ことを特徴とする内視鏡用形状計測システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
注目領域を取り囲む参照領域を設定し、
参照領域の3次元形状情報から、仮想面の3次元形状情報を導出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
内視鏡画像に参照領域を設定するためのユーザ操作を受け付け、
ユーザ操作にもとづいて、内視鏡画像に参照領域を設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
生体組織の3次元形状情報にもとづいて、生体組織の3次元画像を生成し、
生体組織の3次元画像と、注目領域の位置を示す画像とを合成して表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
生体組織の3次元形状情報にもとづいて、生体組織の3次元画像を生成し、
生体組織の3次元画像と、参照領域の位置を示す画像とを合成して表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
参照領域に除外領域を設定するためのユーザ操作を受け付け、
除外領域の3次元形状情報を除外した参照領域の3次元形状情報から、仮想面の3次元形状情報を導出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
生体組織の3次元画像に、仮想面を合成して表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
注目領域とは異なる領域の3次元形状情報から、3次元形状のフィッティング処理を行うことで、注目領域における仮想面の3次元形状情報を導出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項9】
学習用の内視鏡画像および内視鏡画像に含まれる病変領域に関する情報を教師データとして用いた機械学習により生成された学習済みモデルであって、内視鏡画像を入力すると、病変領域の位置を出力する学習済みモデルをさらに備え、
前記プロセッサは、
学習済みモデルにより出力された病変領域の位置を示す情報を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項10】
学習用の内視鏡画像および内視鏡画像に含まれる病変領域に関する情報を教師データとして用いた機械学習により生成された学習済みモデルであって、内視鏡画像を入力すると、病変領域の位置を出力する学習済みモデルをさらに備え、
前記プロセッサは、
学習済みモデルにより出力された病変領域の位置にもとづいて、撮影中の内視鏡の撮影範囲に関する補助情報を生成し、
補助情報を表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
注目領域にもとづいて、参照領域を設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用形状計測システム。
【請求項12】
体腔内の生体組織を内視鏡が撮影した内視鏡画像を表示装置に表示し、
内視鏡画像に注目領域を設定するためのユーザ操作を受け付け、
ユーザ操作にもとづいて、内視鏡画像に注目領域を設定し、
内視鏡が撮影した生体組織の3次元形状情報を取得し、
注目領域とは異なる領域の3次元形状情報から、注目領域における仮想面の3次元形状情報を導出し、
導出した仮想面の3次元形状情報から、仮想面のサイズに関する情報を特定する、
内視鏡用形状計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡用形状計測システムおよび内視鏡用形状計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)は、専用の処置具を使用して病変を一括切除する治療法であり、従来の外科治療に代わって、侵襲の少ない治療法として注目されている。ESDの対象となる腫瘍は、リンパ節転移リスクのない病変であり、転移率と腫瘍サイズには相関があるため、腫瘍サイズが正確に測定されることが重要である。
【0003】
特許文献1は、レーザ光による計測用パターンの投影像を観察部位に投影し、観察部位に投影された計測用パターンの撮像結果に基づいて、観察部位の3次元形状を算出する3次元形状計測装置を開示する。また特許文献2は、凹み、亀裂、孔食などの異常に近接する物体の表面上の複数点の3次元座標を決定して基準面を決定する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-23562号公報
【文献】特開2017-162452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ESDの実施を検討する際の判断基準としてだけでなく、内視鏡観察による診断において、腫瘍等の病変のサイズを正確に測定することは重要である。しかしながら消化管の内壁面は湾曲した形状を呈しており、従来、そのような内壁面に存在する病変のサイズを正確に測定する手法は確立されていない。本開示はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、内視鏡が撮影した画像に含まれる病変のサイズに関する情報を正確に特定する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の内視鏡用形状計測システムは、プロセッサを備え、プロセッサは、体腔内の生体組織を内視鏡が撮影した内視鏡画像を表示装置に表示し、内視鏡画像に注目領域を設定するためのユーザ操作を受け付け、ユーザ操作にもとづいて内視鏡画像に注目領域を設定し、内視鏡が撮影した生体組織の3次元形状情報を取得し、注目領域とは異なる領域の3次元形状情報から、注目領域における仮想面の3次元形状情報を導出し、導出した仮想面の3次元形状情報から、仮想面のサイズに関する情報を特定する。内視鏡用形状計測システムは、複数のプロセッサを有し、複数のプロセッサが協働して、上記処理を実施してよい。
【0007】
本開示の別の態様の内視鏡用形状計測方法は、体腔内の生体組織を内視鏡が撮影した内視鏡画像を表示装置に表示し、内視鏡画像に注目領域を設定するためのユーザ操作を受け付け、ユーザ操作にもとづいて内視鏡画像に注目領域を設定し、内視鏡が撮影した生体組織の3次元形状情報を取得し、注目領域とは異なる領域の3次元形状情報から、注目領域における仮想面の3次元形状情報を導出し、導出した仮想面の3次元形状情報から、仮想面のサイズに関する情報を特定する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、内視鏡が撮影した画像の一例を示す図であり、(b)は、内視鏡画像撮影時の状況を模式的に示す図である。
図2】内視鏡用形状計測システムの構成を示す図である。
図3】内視鏡用形状計測システムにおける機能ブロックを示す図である。
図4】内視鏡画像の例を示す図である。
図5】病変形状の計測処理のフローチャートを示す図である。
図6】設定された注目領域を示す図である。
図7】設定された参照領域を示す図である。
図8】参照領域をxy平面に配置した状態を示す図である。
図9】(a)および(b)は、参照領域の三次元形状の例を示す図である。
図10】仮想面の3次元形状を導出する手法を説明するための図である。
図11】(a)および(b)は、導出される仮想面の3次元形状を示す図である。
図12】(a)~(c)は、仮想面のサイズを算出する手法を説明するための図である。
図13】注目領域の確認画面の例を示す図である。
図14】参照領域に不連続体が含まれている例を示す図である。
図15】設定された除外領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1(a)は、体腔内の生体組織を内視鏡が撮影した画像の一例を示す。この内視鏡画像において、病変2が中央領域に含まれ、その周囲に、消化管の内壁面である生体面3が含まれている。図1(b)は、内視鏡画像撮影時の状況を模式的に示す。この例で病変2は、湾曲した生体面3から隆起した腫瘍であるが、病変2の中には生体面3から陥没するものも存在する。
【0011】
生体面3が湾曲形状を有するため、病変2における点Aと点Bの間の長さLは、点Aと点Bを直線で結んだ線分の長さではなく、湾曲した生体面3に沿った長さとなる。内視鏡画像には、病変2によって隠されている生体面3は含まれないため、実施例では、病変2により隠された生体面3(以下、「仮想面」と呼ぶ)の3次元形状を推定して、病変2のサイズを計測する。
【0012】
図2は、実施例にかかる内視鏡用形状計測システム1の構成を示す。内視鏡用形状計測システム1は、内視鏡検査を行う病院などの医療施設に設けられる。内視鏡用形状計測システム1において、内視鏡観察装置5、情報処理装置10a、情報処理装置10bおよび画像解析装置8が、LAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワーク4を介して、通信可能に接続されている。
【0013】
内視鏡観察装置5は検査室に設けられ、患者の消化管に挿入される内視鏡7を接続される。内視鏡7は、内視鏡観察装置5から供給される照明光を伝送して、消化管内を照明するためのライトガイドを有し、先端部には、ライトガイドにより伝送される照明光を生体組織へ出射するための照明窓と、生体組織を所定の周期で撮像して撮像信号を内視鏡観察装置5に出力する撮像部が設けられる。内視鏡観察装置5は、観察モードに応じた照明光を内視鏡7に供給する。撮像部は、入射光を電気信号に変換する固体撮像素子(たとえばCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ)を含む。
【0014】
内視鏡観察装置5は、内視鏡7の固体撮像素子により光電変換された撮像信号に対して画像処理を施して内視鏡画像を生成し、表示装置6にリアルタイムに表示する。内視鏡観察装置5は、A/D変換、ノイズ除去などの通常の画像処理に加えて、強調表示等を目的とする特別な画像処理を実施する機能を備えてよい。内視鏡観察装置5が、特別な画像処理機能を搭載することで、内視鏡観察装置5は、同じ照明光を用いて撮像した撮像信号から、特別な画像処理を施していない内視鏡画像と、特別な画像処理を施した内視鏡画像とを生成できる。
【0015】
実施例において内視鏡画像は、通常光(白色光)を用いて撮像した撮像信号から生成したWLI(White Light Imaging)観察画像、通常光を用いて撮像した撮像信号に特別な画像処理を施して生成したTXI(Texture and Color Enhancement Imaging)観察画像、特殊光を用いて撮像した撮像信号から生成したRDI観察画像、NBI(Narrow Band Imaging)観察画像、AFI(Autofluorescence imaging)観察画像であってよい。また内視鏡画像は、被写体の凹凸を擬似カラー化した画像、その他、内視鏡7の撮像信号を画像処理して生成した画像であってよい。
【0016】
医師は、検査手順にしたがって、表示装置6に表示されている内視鏡画像を観察する。医師が内視鏡7のレリーズスイッチを操作すると、内視鏡観察装置5は、レリーズスイッチが操作されたタイミングで内視鏡画像をキャプチャ(保存)して、キャプチャした内視鏡画像を画像蓄積サーバ9に送信する。画像蓄積サーバ9に蓄積される内視鏡画像は、医師による検査レポートの作成に利用される。
【0017】
情報処理装置10aは検査室に設けられ、医師や看護師等のユーザが、内視鏡検査中に内視鏡画像に含まれる病変のサイズに関する情報をリアルタイムに確認するために利用される。情報処理装置10aは、画像解析装置8と協働して、病変のサイズに関する情報をユーザに提供してよい。
【0018】
情報処理装置10bは検査室以外の部屋に設けられ、医師が検査レポートを作成する際に利用される。たとえば医師が、今回の精密検査で撮影した病変が次回検査においてESDの対象となる大きさであるか確認するために、情報処理装置10bによる病変形状計測機能が利用されてよい。医師は、撮影した病変がESDの対象となる大きさであることを確認すると、次回の内視鏡検査においてESDを用いて当該病変を一括切除することを決定してよい。
【0019】
画像解析装置8は、内視鏡画像を入力すると、病変を検出して、病変が存在する領域(病変領域)を出力する画像解析機能を備える。画像解析装置8は、学習用の内視鏡画像および内視鏡画像に含まれる病変領域に関する情報を教師データとして用いた機械学習により生成された学習済みモデルであって、内視鏡画像を入力すると、病変領域の位置を出力する学習済みモデルを利用してよい。内視鏡検査中、画像解析装置8は、内視鏡観察装置5から内視鏡画像を提供されて、画像解析結果を、内視鏡観察装置5または情報処理装置10aに供給してよい。
【0020】
図3は、内視鏡用形状計測システム1における機能ブロックを示す。内視鏡用形状計測システム1は、病変形状計測処理を実行する処理装置20、学習済みモデル保持部60およびユーザインタフェース70を備える。処理装置20は、操作受付部30、領域設定部32、3次元情報取得部38、画像生成部40、画像解析部42、補助情報生成部44、表示処理部46、仮想面導出部48およびサイズ情報特定部50を備え、領域設定部32は、注目領域設定部34および参照領域設定部36を有する。ユーザインタフェース70は、たとえばマウスやタッチペン、キーボードなど、ユーザが操作を入力するためのツールである。
【0021】
図3に示す構成はハードウエア的には、任意のプロセッサ、メモリ、補助記憶装置、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0022】
図3に示す内視鏡用形状計測システム1の機能ブロックは、内視鏡観察装置5、情報処理装置10a、情報処理装置10b、画像解析装置8の少なくとも1つの装置によって実現される。内視鏡用形状計測システム1の機能ブロックは、内視鏡観察装置5、情報処理装置10a、情報処理装置10b、画像解析装置8のそれぞれにより単独で実現されてよいが、2つ以上の装置の組み合わせにより実現されてもよい。そのため処理装置20として示す機能ブロックは、単独の装置に含まれる1以上のプロセッサによって実現されてよいが、2つ以上の装置に含まれる複数のプロセッサによって実現されてもよい。
【0023】
内視鏡検査中、内視鏡観察装置5は、内視鏡7が撮影している消化管内の画像を表示装置6に表示する。医師は、内視鏡7を動かしながら、表示装置6に表示される内視鏡画像を観察し、病変が表示装置6に映し出されると、内視鏡7のレリーズスイッチを操作する。内視鏡観察装置5は、レリーズスイッチが操作されたタイミングで内視鏡画像をキャプチャして、キャプチャした内視鏡画像を、当該内視鏡画像を識別する情報(画像ID)とともに画像蓄積サーバ9に送信する。なお内視鏡観察装置5は、検査終了後に、キャプチャした複数の内視鏡画像をまとめて画像蓄積サーバ9に送信してもよい。画像蓄積サーバ9は、内視鏡検査を識別する検査IDに紐付けて、内視鏡観察装置5から送信された内視鏡画像を記録する。
【0024】
実施例の内視鏡観察装置5は、撮影された内視鏡画像に含まれる生体組織の3次元形状情報を計測する機能を有する。内視鏡観察装置5は、既知の手法によって、撮影された生体組織の3次元形状を計測してよい。内視鏡観察装置5は、キャプチャした内視鏡画像に含まれる生体組織の3次元形状を計測し、内視鏡画像に、計測した3次元形状の情報を付加して、画像蓄積サーバ9に送信する。したがって画像蓄積サーバ9は、内視鏡画像に、撮影された生体組織の3次元形状情報を関連付けて記録する。
【0025】
たとえば内視鏡7がステレオカメラを搭載し、内視鏡観察装置5が、2つのカメラで撮影した画像から三角測距の原理を利用して、生体組織の3次元形状を計測してよい。また内視鏡観察装置5は、特許文献1に開示されたように、レーザ光による計測用パターンの投影像を生体組織に投影し、生体組織に投影された計測用パターンの撮像結果に基づいて、生体組織の3次元形状を計測してもよい。また内視鏡観察装置5は、ステレオカメラで取得した画像と、当該画像に含まれる生体組織の距離情報とを教師データとして機械学習した学習済みモデルを利用して、単眼カメラで撮影した内視鏡画像から、生体組織の3次元形状を計測してもよい。また内視鏡観察装置5は、単眼カメラで撮影した内視鏡画像のフレーム間の特徴量から、生体組織の3次元形状を計測してもよい。このように内視鏡観察装置5は、既知の計測手法を利用して、内視鏡画像の生体組織の3次元形状を計測する。
【0026】
なお、撮影された生体組織の3次元形状計測機能は、内視鏡観察装置5以外の装置に搭載されてもよい。たとえば3次元形状計測機能は、情報処理装置10aに搭載されてもよく、画像解析装置8に搭載されてもよく、または画像蓄積サーバ9に搭載されてもよい。いずれの装置が生体組織の3次元形状を計測してもよいが、画像蓄積サーバ9は、内視鏡観察装置5から送信された内視鏡画像に、撮影された生体組織の3次元形状情報または当該3次元形状情報を算出するためのデータを関連付けて記録する。
【0027】
検査終了後、医師は、情報処理装置10bを操作して検査レポートを作成する。情報処理装置10bは、画像蓄積サーバ9から、検査で撮影した内視鏡画像を読み出して、表示装置12bに表示し、医師は、表示された内視鏡画像に含まれる病変を診断する。実施例の情報処理装置10bは、医師から要求があった場合に、内視鏡画像に含まれる病変に隠された生体面(仮想面)の3次元形状を導出し、仮想面のサイズつまりは病変底面のサイズを特定する処理を実施する。以下、情報処理装置10bが、処理装置20(図3参照)の病変形状計測機能を実現する場合について説明する。
【0028】
図4は、表示装置12bに表示される内視鏡画像の例を示す。表示処理部46は、レポートを作成する検査の検査IDに紐付けられた内視鏡画像を画像蓄積サーバ9から取得して、表示装置12bに表示する。内視鏡画像は、内視鏡7が体腔内の生体組織を撮影した画像であり、図4に示す内視鏡画像には、略円形の病変100と、その周囲に、消化管の内壁面である生体面102とが含まれている。
【0029】
図5は、病変形状計測処理のフローチャートを示す。医師であるユーザは、ユーザインタフェース70を操作して、表示装置12bに表示されている内視鏡画像に、注目領域を設定する(S10)。
【0030】
図6は、設定された注目領域110の例を示す。ユーザは、マウスなどのユーザインタフェース70を操作して、表示装置12bに表示されている内視鏡画像において、病変100と生体面102の境目に境界線を描く。操作受付部30が、内視鏡画像に注目領域を設定するためのユーザ操作を受け付けると、注目領域設定部34が、ユーザ操作にもとづいて、内視鏡画像に注目領域110を設定する。注目領域110は、境界線で囲まれた病変領域である。医師であるユーザは、3次元的形状や色調特性等の医学的所見により病変100と生体面102との境目を認識できるため、注目領域設定部34はユーザ操作にもとづいて、病変領域を示す注目領域110を正確に設定することができる。
【0031】
注目領域設定部34が注目領域110を設定した後、参照領域設定部36が、注目領域110にもとづいて、注目領域110を取り囲む参照領域を設定する(S12)。参照領域120は、少なくとも注目領域110の全てを包含し、注目領域110よりも大きな範囲に設定される。参照領域設定部36が参照領域を設定することで、生体面が複雑な湾曲形状を有していても、後述するように仮想面導出部48が、仮想面の3次元形状情報を高精度に導出できるようになる。
【0032】
図7は、設定された参照領域120の例を示す。参照領域設定部36は、注目領域110の外縁よりも外側に、所定長以上の余白を有するように参照領域120を設定することが好ましい。たとえば参照領域設定部36は、注目領域110の最左端、最右端から、それぞれ所定長l1だけ離れた位置を通る左辺、右辺と、注目領域110の最上端、最下端からそれぞれ所定長l2だけ離れた位置を通る上辺、下辺から構成される矩形領域を、参照領域120として設定してもよい。
【0033】
なおユーザが、ユーザインタフェース70を操作して、表示装置12bに表示されている注目領域110に対して、参照領域120を設定してもよい。操作受付部30が、内視鏡画像に参照領域を設定するためのユーザ操作を受け付けると、参照領域設定部36が、ユーザ操作にもとづいて、内視鏡画像に参照領域120を設定する。設定される参照領域120は、注目領域110の仮想面を導出する際に利用する3次元形状情報の範囲を定めるものであるため、ユーザは、注目領域110の仮想面を好適に導出できる範囲を、参照領域120として決定することが好ましい。
【0034】
参照領域設定部36が参照領域120を設定した後、3次元情報取得部38が、内視鏡が撮影した生体組織の3次元形状情報を取得する(S14)。上記したように、生体組織の3次元形状情報は、内視鏡画像に紐付けて画像蓄積サーバ9に記録されており、3次元情報取得部38は、内視鏡画像に紐付けられた3次元形状情報を取得する。
【0035】
仮想面導出部48は、注目領域110とは異なる領域の3次元形状情報から、注目領域110における仮想面の3次元形状情報を導出する(S16)。仮想面の3次元形状情報は、内視鏡画像における仮想面の各画素の2次元座標と、各画素の距離情報(深さ情報)を含んでよい。具体的に仮想面導出部48は、参照領域120の3次元形状情報から、注目領域110における仮想面の3次元形状情報を導出する。図1に示したように、注目領域110における仮想面とは、病変100の奥側に存在する仮想的な生体面(病変100が存在しないと仮定したときの生体面102)を意味する。
【0036】
図8は、参照領域120をxy平面に配置した状態を示す。図8では、内視鏡画像の横方向の位置をx座標、高さ方向の位置をy座標で表現している。なお各画素の3次元情報のうち、カメラからの距離方向の位置(深さ位置)はz座標で表現されてよい。図8において、ハッチングで示した領域は、xy平面における参照領域120を示し、仮想面導出部48は、参照領域120の3次元形状情報から、注目領域110における仮想面の3次元形状情報を導出する。仮想面の3次元形状情報を導出するとき、仮想面導出部48は、注目領域110の3次元形状情報を利用しない。
【0037】
図9は、参照領域120の三次元形状の例を示す。図9(a)は、参照領域120の三次元形状の斜視図であり、図9(b)は、参照領域120の3次元形状をy軸方向に見た図である。
【0038】
図10は、注目領域110における仮想面の3次元形状を導出する手法を説明するための図である。仮想面導出部48は、x軸方向に所定の間隔を空けたy軸方向の列ごとに、参照領域120の3次元形状情報から、注目領域110の3次元形状のフィッティング処理を行う。具体的に、図10に示すように、y軸方向に延びる列ごとに、参照領域120における三次元の点群データから、多項式近似曲線を求める。仮想面導出部48は、注目領域110をx軸方向にN個に等間隔に分割して、各分割線(列)にフィットする多項式近似曲線を導出する。その後、仮想面導出部48は、N個の多項式近似曲線の点群データをもとに、x軸方向にもフィッティング処理を行って、滑らかな仮想面の3次元形状情報を導出してよい。このように仮想面導出部48は、参照領域設定部36により設定された参照領域120を利用することで、生体面が複雑な湾曲形状を有していても仮想面の3次元形状情報を高精度に導出できる。
【0039】
図11(a)は、図9(b)に示す参照領域120の3次元形状に対して導出される仮想面130の例を示し、図11(b)は、導出される仮想面130の3次元形状の例を示す。なお実施例の仮想面導出部48は、多項式近似曲線を導出する3次元形状のフィッテイング処理を実施したが、他の種類のフィッティング処理を行ってもよい。実施例の仮想面導出部48は、参照領域120の3次元形状の中央に空いた空間を滑らかに繋いで、注目領域110における仮想面130を導出する。このように生成された仮想面130は、注目領域110における病変100の仮想的な底面に相当する。
【0040】
サイズ情報特定部50は、仮想面130の3次元形状情報から、仮想面130のサイズに関する情報を特定する(S18)。たとえばサイズ情報特定部50は、仮想面130の長径および短径を、以下のように導出してよい。
【0041】
図12(a)は、仮想面130の長径を算出する手法を説明するための図である。サイズ情報特定部50は、境界上の全ての2点間の仮想面130に沿った経路距離を算出し、経路距離の最大値を、長径として特定する。
【0042】
図12(b)は、経路距離が最大となった2点の組み合わせを示す。サイズ情報特定部50は、境界上の点Pと点Qの間の経路距離が最大となることを判定すると、点Pと点Qの経路距離を、仮想面130の「長径」として特定する。長径を特定すると、サイズ情報特定部50は、長径に直交する経路のうち、最大の経路距離となる2点の組み合わせを導出する。
【0043】
図12(c)は、長径に交差する方向の経路距離が最大となった2点の組み合わせを示す。サイズ情報特定部50は、境界上の点Rと点Sの間の経路距離が最大となることを判定すると、点Rと点Sの経路距離を、仮想面130の「短径」として特定する。
【0044】
上記したように仮想面130は、病変100の仮想的な底面に相当し、サイズ情報特定部50は、仮想面130の長径および短径を導出することで、病変100の底面の長径および短径を導出する。表示処理部46は、仮想面導出部48が導出した病変底面の長径および短径を表示装置12bに表示してよい。ユーザは、病変底面の長径および短径を知ることで、当該病変がESDの対象となる大きさであるか否かを確認できる。
【0045】
以上、病変形状計測処理の基本的な工程を説明したが、仮想面130の3次元形状情報を高精度に導出するために、各工程における処理をユーザが確認するためのオプションが用意されてもよい。
【0046】
図13は、表示装置12bに表示される注目領域の確認画面の例を示す。S10において、ユーザは、ユーザインタフェース70を操作して注目領域110を設定するが、このとき、設定した注目領域110が適切であるか確認できるようにしてもよい。
【0047】
ユーザが注目領域110を設定すると、画像生成部40は、生体組織の3次元形状情報にもとづいて、生体組織の3次元画像を生成する。表示処理部46は、生体組織の3次元画像と、注目領域110の位置を示す画像とを合成して表示装置12bに表示する。図13においては、注目領域110が、生体組織の3次元画像に対してz軸方向に離れた位置に合成されているが、z軸方向の位置を合わせた位置で合成されてもよい。z軸方向の位置を合わせて、生体組織の3次元画像に注目領域110の外郭線を重畳表示した場合、ユーザは、病変100と生体面102との境界に、注目領域110の外郭線が一致しているか確認できる。一致していなければ、ユーザは、注目領域110が病変100の領域と一致するように、注目領域110を再設定する。
【0048】
S12において表示処理部46は、生体組織の3次元画像と、参照領域120の位置を示す画像とを合成して表示装置12bに表示してもよい。生体組織の3次元画像と、参照領域120の位置を示す画像とを合成表示することで、ユーザは、参照領域120が適切に設定されているか確認できるようになる。
【0049】
また仮想面導出部48が仮想面130を導出した後に、表示処理部46は、生体組織の3次元画像に、仮想面130を合成して表示装置に表示してもよい。本来、仮想面130は、病変100に隠れて視認できるものではないが、生体組織の3次元画像に仮想面130を合成表示することで、ユーザは、仮想面130が適切に導出されているか確認できる。
【0050】
図5に示すS16において、仮想面導出部48は、注目領域110とは異なる参照領域120の3次元形状情報から、仮想面130の3次元形状情報を導出するが、参照領域120内に、生体面の連続性を損なう物体が存在することがある。仮想面導出部48は、不連続な生体面の3次元形状情報から注目領域110の3次元形状のフィッティング処理を行うと、仮想面130の3次元形状情報を高精度に推定できない。
【0051】
図14は、参照領域120に不連続体104が含まれている例を示す。不連続体104は、たとえば参照領域120における生体面の連続性を損なう凸部や凹部であり、病変であってもよい。3次元形状のフィッティング処理を行う際、不連続体104は、フィッティング精度に悪影響を与えるため、フィッティング処理を行う前に、ユーザにより手動で除去されることが好ましい。
【0052】
図15は、設定された除外領域140を示す。ユーザは、ユーザインタフェース70を操作して、表示装置12bに表示されている内視鏡画像に、除外領域140を設定する。操作受付部30は、参照領域120に除外領域140を設定するためのユーザ操作を受け付けると、仮想面導出部48は、除外領域140の3次元形状情報を除外した参照領域120の3次元形状情報から、仮想面130の3次元形状情報を導出する。これにより仮想面導出部48は、仮想面130を高精度に導出できる。
【0053】
このとき仮想面導出部48は、除外領域140の3次元形状情報を除外した参照領域120の3次元形状情報から、除外領域140の3次元形状のフィッティング処理を行って、除外領域140の補正面(仮想面)を導出してもよい。このように仮想面導出部48は、除外領域140の3次元形状情報を補正した後、補正した参照領域120の3次元形状情報から、注目領域110の仮想面130を導出してもよい。
【0054】
以上は、検査終了後、ユーザが検査レポートを作成する際に、情報処理装置10bが、処理装置20の病変形状計測機能を実現する態様である。別の態様として、情報処理装置10aが画像解析装置8と協働して、内視鏡検査中に、処理装置20の病変形状計測機能を実現してもよい。
【0055】
画像解析装置8は、画像解析部42および学習済みモデル保持部60(図3参照)を有し、学習済みモデル保持部60は、学習用の内視鏡画像および内視鏡画像に含まれる病変領域に関する情報を教師データとして用いた機械学習により生成された学習済みモデルを保持している。この学習済みモデルは、内視鏡画像を入力すると、病変領域を検出して、当該病変領域の位置を出力するように構成されている。
【0056】
内視鏡検査中、内視鏡観察装置5は、内視鏡7が撮影している内視鏡画像を、表示装置6からリアルタイム表示するとともに、当該内視鏡画像を情報処理装置10aおよび画像解析装置8に送信する。画像解析装置8において、画像解析部42は、内視鏡画像を取得すると、学習済みモデル保持部60に保持されている学習済みモデルに入力する。学習済みモデルは、内視鏡画像を入力されると、病変領域を検出した場合に、その病変領域の位置情報を出力する。画像解析部42は、学習済みモデルにより出力された病変領域の位置情報を、内視鏡画像を識別する情報(画像ID)とともに、情報処理装置10aに送信する。
【0057】
情報処理装置10aにおいて、表示処理部46は、内視鏡7で撮影されている内視鏡画像を表示装置12aに表示するとともに、画像解析装置8から提供される病変領域の位置情報および画像IDをもとに、内視鏡画像に病変領域の位置を示す情報を表示する。このとき表示処理部46は、画像IDにもとづいて、表示する内視鏡画像と、表示する病変領域の位置を示す情報とを同期させる。表示処理部46は、たとえば図6に示すように、病変100を含む内視鏡画像に、病変100の境界線を重畳して表示してよい。
【0058】
情報処理装置10aを操作するユーザは、学習済みモデルにより出力された病変100の境界線が正しいことを確認すると、ユーザインタフェース70を操作して、注目領域110を設定することを決定してよい。このとき操作受付部30は、内視鏡画像に注目領域を設定するためのユーザ操作を受け付け、注目領域設定部34は、ユーザ操作にもとづいて、内視鏡画像に注目領域を設定する。このように内視鏡用形状計測システム1が、学習済みモデルを用いて、病変領域を検出する機能を有する場合には、ユーザが、検出された病変領域が正しいことを確認するだけで、注目領域が設定されてもよい。注目領域が設定されると、情報処理装置10aは、図5に示すS12、S14、S16、S18の工程を実施して、仮想面130のサイズに関する情報を特定する。この情報は、内視鏡観察装置5に提供されて、表示装置6に表示され、内視鏡7を操作する医師に知らされてよい。
【0059】
仮想面導出部48は、仮想面130の3次元形状情報を、注目領域110の周辺領域の3次元形状から導出するため、当該周辺領域が小さいと、仮想面130の3次元形状を推定するための3次元データが十分ではないために、仮想面130の3次元形状情報を高精度に導出することが困難となる。そのため補助情報生成部44は、画像解析装置8から提供される病変領域の位置にもとづいて、撮影中の内視鏡7の撮影範囲に関する補助情報を生成してよい。たとえば内視鏡画像における病変領域の占める割合が所定の閾値(たとえば60%)を超える場合、病変領域の周囲に十分な大きさの参照領域を確保できないため、補助情報生成部44は、内視鏡7のカメラが病変部位に近すぎることを医師に知らせるための補助情報を生成してよい。補助情報生成部44は、生成した補助情報を内視鏡観察装置5に提供し、内視鏡観察装置5は、表示装置6に当該補助情報を表示して、内視鏡7を操作する医師が確認できるようにしてよい。これにより医師は、内視鏡7のカメラが病変部位に近すぎることを認識して、カメラが病変部位から離れるように内視鏡7を動かすことができる。したがって病変領域の周囲に十分な大きさの周辺領域が確保され、仮想面導出部48が、仮想面130の3次元形状情報を高精度に導出できるようになる。
【0060】
以上、本開示を複数の実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示は、病変部位の形状を計測する技術分野に利用できる。
【符号の説明】
【0062】
1・・・内視鏡用形状計測システム、5・・・内視鏡観察装置、6・・・表示装置、7・・・内視鏡、8・・・画像解析装置、9・・・画像蓄積サーバ、10a,10b・・・情報処理装置、12a,12b・・・表示装置、20・・・処理装置、30・・・操作受付部、32・・・領域設定部、34・・・注目領域設定部、36・・・参照領域設定部、38・・・3次元情報取得部、40・・・画像生成部、42・・・画像解析部、44・・・補助情報生成部、46・・・表示処理部、48・・・仮想面導出部、50・・・サイズ情報特定部、60・・・学習済みモデル保持部、70・・・ユーザインタフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15