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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】USBコンセント
(51)【国際特許分類】
   H01R 25/00 20060101AFI20240329BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20240329BHJP
   H01R 24/62 20110101ALI20240329BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
H01R25/00 G
H01R31/06 A
H01R24/62
H05K7/14 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019203583
(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公開番号】P2021077525
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 修次
(72)【発明者】
【氏名】新倉 栄一郎
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-156260(JP,A)
【文献】特開2013-229259(JP,A)
【文献】特開2011-134716(JP,A)
【文献】特開2015-204294(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101728742(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0012423(US,A1)
【文献】特開2002-042953(JP,A)
【文献】独国実用新案第202018004079(DE,U1)
【文献】特開2014-075349(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1903380(KR,B1)
【文献】登録実用新案第3215706(JP,U)
【文献】特開2011-228221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 25/00
H01R 31/02
H01R 31/06
H01R 27/00
H01R 13/46
H01R 24/62
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数のUSBコネクタ規格にそれぞれ準拠した複数の接続部と、
前記複数の接続部を収容する筐体と、
を備え、
前記筐体は、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有し、
前記複数の形態の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が利用可能な形態であり、
前記筐体は、一面に開口を有し、前記複数の接続部を保持するホルダを複数の位置の間でスライド移動可能に収容し、
前記複数の位置の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が前記開口から露出する位置であり、
前記複数の形態の各々は、前記ホルダが前記複数の位置のうちの対応する位置にある形態であり、
前記複数の接続部は、第1接続部と第2接続部とを含み、
前記複数の形態は、前記第2接続部の代わりに前記第1接続部が利用可能な第1形態と、前記第1接続部の代わりに前記第2接続部が利用可能な第2形態とを含む、
USBコンセント。
【請求項2】
互いに異なる複数のUSBコネクタ規格にそれぞれ準拠した複数の接続部と、
前記複数の接続部を収容する筐体と、
を備え、
前記筐体は、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有し、
前記複数の形態の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が利用可能な形態であり、
前記筐体は、一面に開口を有し、前記複数の接続部を保持するホルダを複数の位置の間で移動可能に収容し、
前記複数の位置の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が前記開口から露出する位置であり、
前記複数の形態の各々は、前記ホルダが前記複数の位置のうちの対応する位置にある形態であり、
前記筐体は、前記ホルダを所定の回転軸の周りに回転可能に収容し
前記所定の回転軸は、前記筐体の前後方向に沿って延び、
前記ホルダは、前記複数の接続部を前記所定の回転軸に沿った方向に向けて保持する、
USBコンセント。
【請求項3】
互いに異なる複数のUSBコネクタ規格にそれぞれ準拠した複数の接続部と、
前記複数の接続部を収容する筐体と、
を備え、
前記筐体は、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有し、
前記複数の形態の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が利用可能な形態であり、
前記複数の接続部は、第1接続部と第2接続部とを含み、
前記複数の形態は、前記第2接続部の代わりに前記第1接続部が利用可能な第1形態と、前記第1接続部の代わりに前記第2接続部が利用可能な第2形態とを含み、
前記筐体は、
前記第1接続部を収容し、取付対象物に設置される第1筐体と、
前記第1筐体とは別体であり、前記第2接続部と、前記第1接続部に接続可能なUSBコネクタと、前記第2接続部と前記USBコネクタとを電気的に接続する接続回路とを収容する第2筐体と、
を含み、
前記第1接続部と前記第1筐体とは、コンセント本体を構成し、
前記第2接続部と、前記USBコネクタと、前記接続回路と、前記第2筐体とは、アダプタを構成し、
前記第1筐体は、前記アダプタの前記第2筐体を取り外し可能に保持する保持部を有し、
前記第1形態は、前記アダプタが、前記コンセント本体に対して、前記アダプタの前記第2筐体が前記コンセント本体の前記第1筐体の保持部で保持される非使用位置にある形態であり、
前記第2形態は、前記アダプタが、前記コンセント本体に対して、前記アダプタの前記USBコネクタが前記コンセント本体の前記第1接続部に接続される使用位置にある形態である、
USBコンセント。
【請求項4】
前記保持部は、前記アダプタを収容する収容空間を有する、
請求項3のUSBコンセント。
【請求項5】
前記収容空間は、前記アダプタの前記第2筐体が嵌る凹部である、
請求項4のUSBコンセント。
【請求項6】
連結具を更に備え、
前記連結具は、
前記第1筐体に設けられる第1連結部と、
前記第2筐体に設けられる第2連結部と、
前記第1連結部と前記第2連結部とを連結する紐状体と、
を有する、
請求項3~5のいずれか一つのUSBコンセント。
【請求項7】
前記紐状体は、前記アダプタが前記非使用位置と前記使用位置との間で移動可能な長さを有する、
請求項6のUSBコンセント。
【請求項8】
前記ホルダを前記複数の位置の間で移動させる駆動部を更に備える、
請求項1又は2のUSBコンセント。
【請求項9】
前記複数の接続部の各々は、USBレセプタクルである、
請求項1~8のいずれか一つのUSBコンセント。
【請求項10】
前記複数のUSBコネクタ規格は、A端子のUSBコネクタの規格と、C端子のUSBコネクタの規格とを含む、
請求項1~9のいずれか一つのUSBコンセント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にUSBコンセントに関し、より詳細には、機器のUSBコネクタを接続可能なUSBコンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、USBプラグが挿入接続されるUSBソケットを有するUSBコンセントが記載されている。このUSBコンセントは、USBソケットが実装されたプリント配線板と、USBプラグが挿通されるプラグ挿通穴を有してプリント配線板を収納するハウジングと、を備えている。ハウジングは、壁面等の施工面に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-154802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
課題は、利便性の向上を図りやすいUSBコンセントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るUSBコンセントは、互いに異なる複数のUSBコネクタ規格にそれぞれ準拠した複数の接続部と、前記複数の接続部を収容する筐体と、を備える。前記筐体は、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有する。前記複数の形態の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が利用可能な形態である。前記筐体は、一面に開口を有し、前記複数の接続部を保持するホルダを複数の位置の間でスライド移動可能に収容する。前記複数の位置の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が前記開口から露出する位置である。前記複数の形態の各々は、前記ホルダが前記複数の位置のうちの対応する位置にある形態である。前記複数の接続部は、第1接続部と第2接続部とを含む。前記複数の形態は、前記第2接続部の代わりに前記第1接続部が利用可能な第1形態と、前記第1接続部の代わりに前記第2接続部が利用可能な第2形態とを含む。
本開示の別の一態様に係るUSBコンセントは、互いに異なる複数のUSBコネクタ規格にそれぞれ準拠した複数の接続部と、前記複数の接続部を収容する筐体と、を備える。前記筐体は、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有する。前記複数の形態の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が利用可能な形態である。前記筐体は、一面に開口を有し、前記複数の接続部を保持するホルダを複数の位置の間で移動可能に収容する。前記複数の位置の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が前記開口から露出する位置である。前記複数の形態の各々は、前記ホルダが前記複数の位置のうちの対応する位置にある形態である。前記筐体は、前記ホルダを所定の回転軸の周りに回転可能に収容する。前記所定の回転軸は、前記筐体の前後方向に沿って延びる。前記ホルダは、前記複数の接続部を前記所定の回転軸に沿った方向に向けて保持する。
本開示の更に別の一態様に係るUSBコンセントは、互いに異なる複数のUSBコネクタ規格にそれぞれ準拠した複数の接続部と、前記複数の接続部を収容する筐体と、を備える。前記筐体は、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有する。前記複数の形態の各々は、前記複数の接続部のうちの対応する接続部が利用可能な形態である。前記複数の接続部は、第1接続部と第2接続部とを含む。前記複数の形態は、前記第2接続部の代わりに前記第1接続部が利用可能な第1形態と、前記第1接続部の代わりに前記第2接続部が利用可能な第2形態とを含む。前記筐体は、第1筐体と、第2筐体と、を含む。前記第1筐体は、前記第1接続部を収容し、取付対象物に設置される。前記第2筐体は、前記第1筐体とは別体であり、前記第2接続部と、前記第1接続部に接続可能なUSBコネクタと、前記第2接続部と前記USBコネクタとを電気的に接続する接続回路とを収容する。前記第1接続部と前記第1筐体とは、コンセント本体を構成する。前記第2接続部と、前記USBコネクタと、前記接続回路と、前記第2筐体とは、アダプタを構成する。前記第1筐体は、前記アダプタの前記第2筐体を取り外し可能に保持する保持部を有する。前記第1形態は、前記アダプタが、前記コンセント本体に対して、前記アダプタの前記第2筐体が前記コンセント本体の前記第1筐体の保持部で保持される非使用位置にある形態である。前記第2形態は、前記アダプタが、前記コンセント本体に対して、前記アダプタの前記USBコネクタが前記コンセント本体の前記第1接続部に接続される使用位置にある形態である。
【発明の効果】
【0006】
本開示の態様によれば、利便性の向上を図りやすいUSBコンセントを提供することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態1に係るUSBコンセントの使用例を示す概略図である。
図2図2は、同上のUSBコンセントの正面図である。
図3図3は、同上のUSBコンセントの取付対象物への取付構造を示す斜視図である。
図4図4は、同上のUSBコンセントの取付対象物への取付状態を示す斜視図である。
図5図5は、同上のUSBコンセントを概念的に示すブロック図である。
図6図6は、実施形態2のUSBコンセントの取付対象物への取付状態を示す斜視図であり、ここで筐体は第1形態である。
図7図7は、同上のUSBコンセントの使用例を示す概略図である。
図8図8は、同上のUSBコンセントの使用例を示す概略図であり、ここで筐体は第2形態である。
図9図9は、同上のUSBコンセントにおいて筐体が第1形態である場合を概念的に示すブロック図である。
図10図10は、同上のUSBコンセントにおいて筐体が第2形態である場合を概念的に示す別のブロック図である。
図11図11は、実施形態3のUSBコンセントの正面図であり、ここで筐体は第1形態である。
図12図12は、同上のUSBコンセントの正面図であり、ここで筐体は第2形態である。
図13図13は、同上のUSBコンセントの部分断面図であり、ここで筐体は第1形態である。
図14図14は、同上のUSBコンセントの部分断面図であり、ここで筐体は第2形態である。
図15図15は、同上のUSBコンセントを概念的に示すブロック図である。
図16図16は、実施形態4のUSBコンセントの正面図であり、ここで筐体は第1形態である。
図17図17は、同上のUSBコンセントの正面図であり、ここで筐体は第2形態である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(1)実施形態1
(1-1)概要
まず、本実施形態に係るUSB(Universal Serial Bus)コンセント(Outlet)10の概要について、図1及び図5を参照して説明する。
【0009】
本実施形態に係るUSBコンセント10は、機器9のUSBコネクタ91を接続可能な装置である。USBコンセント10は、USBコネクタ91が接続された状態で、USBコネクタ91を通して機器9(一例として、スマートフォン等)に電力を供給する装置である。機器9は、USBコンセント10から供給される電力にて、例えば、機器9に含まれている蓄電池92(図5参照)の充電を行う。
【0010】
本実施形態に係るUSBコンセント10は、例えば、建物の壁等の取付対象物81に設置される配線器具である。このようなUSBコンセント10は、100V又は200V等の交流電圧を出力する一般的なコンセント装置(Outlet)と同様に、電源(系統電源等)に対して常時、電気的に接続されており、基本的には、常時、通電状態にある。したがって、ユーザにおいては、USBコンセント10に機器9を接続するだけで、USBコンセント10からUSBコネクタ91経由で機器9に電力を供給することが可能となる。
【0011】
ここで、100V又は200V等の交流電圧を出力する一般的なコンセント装置であれば、例えば、スマートフォン等の機器9を充電する場合、機器9に電力を供給するために交流電圧を直流電圧に変換する電源アダプタを用いる必要がある。これに対して、本実施形態に係るUSBコンセント10であれば、電源アダプタを用いることなく、USBコンセント10に対して機器9のUSBコネクタ91を直接的に接続することで、機器9に電力を供給することが可能である。よって、USBコンセント10によれば、電源アダプタの持ち合わせがなくても、例えば、スマートフォン等の機器9の充電が可能となり、しかも、電源アダプタが不要であるために、USBコンセント10の周辺がすっきりする。
【0012】
本実施形態に係るUSBコンセント10は、図2に示すように、互いに異なる複数のUSBコネクタ規格にそれぞれ準拠した複数の接続部2(第1接続部21及び第2接続部22)と、複数の接続部2を収容する筐体3と、を備える。
【0013】
この構成によれば、1つのUSBコンセント10で、互いに異なる複数のUSBコネクタ規格に準拠したUSBコネクタへの電力の供給が可能となる。したがって、USBコネクタ規格を変換する変換アダプタの持ち合わせがなくても、スマートフォン等の機器9の充電が可能となる。結果的に、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント10を提供することができる。
【0014】
(1-2)詳細
以下、本実施形態に係るUSBコンセント10の詳細な構成について、図1図5を参照して説明する。
【0015】
(1-2-1)前提
本開示でいう「USB」は、シリアルバス規格の1つであるUSB(Universal Serial Bus)の規格を意味する。本開示において、「USB」は、例えば、USB 1.0、USB 1.1、USB 2.0、USB 3.0、USB 3.1、USB 3.2、及びUSB4といった様々な世代(転送速度の規格)のUSBを含む。また、本開示において、USBの端子形状(接続部2の形状、及びUSBコネクタ91の形状)は、様々な形状を含む。USBの端子形状は、例えば、A端子(Type-A)、B端子(Type-B)及びC端子(Type-C)、並びに、ミニUSB(mini USB)及びマイクロUSB(micro USB)等、更にはこれらの組み合わせを含む。つまり、USBの端子形状は、一例として、ミニUSBのA端子(mini USB Type-A)、及びマイクロUSBのB端子(micro USB Type-B)等を含む。本実施形態では特に断りが無い限り、USBの端子形状がA端子(USB Type-A)である場合を例に説明する。本開示では、USBの端子形状の仕様を「USBコネクタ規格」ということもある。また、USBの転送速度の規格を「USB転送規格」ということもある。
【0016】
本開示でいう「機器のUSBコネクタ」は、機器9に一体に設けられているコネクタであってもよいし、機器9に接続可能なUSBケーブルの先端に設けられているコネクタであってもよい。つまり、機器9のUSBコネクタ91は、機器9とは別体であって、機器
9に対してケーブルを介して接続されるコネクタのように、機器9に付帯するコネクタ等を含む。また、本開示でいう「コネクタ」は、レセルに挿入される「プラグ」であってもよいし、プラグが挿入される「レセル」であってもよい。本実施形態では特に断りが無い限り、機器9のUSBコネクタ91が、機器9に接続可能なUSBケーブルの先端に設けられているUSBプラグである場合を例に説明する。
【0017】
同様に、本開示でいう「接続部」は、機器9のUSBコネクタ91を電気的に接続可能な構造であればよく、プラグが挿入される「レセル」であってもよいし、レセルに挿入される「プラグ」であってもよい。本実施形態では特に断りが無い限り、USBコンセント10の接続部2が、レセルである場合を例に説明する。つまり、本実施形態では、機器9のUSBコネクタ91がUSBプラグであるので、USBコンセント10の接続部2は、USBプラグを接続可能なレセルである。
【0018】
本開示でいう「機器」は、USBコンセント10に電気的に接続可能であって、USBコンセント10から電力供給を受ける電気機器(装置、設備及びシステム)である。機器9は、例えば、スマートフォン、タブレット端末若しくはウェアラブル端末等の情報端末、モバイルバッテリ、携帯電話機、カメラ、扇風機、懐中電灯又はテレビジョン受像機等を含む。USBコンセント10は機器9に対して直流の電圧を印加することで直流電力を供給するので、機器9は直流入力に対応した機器である。この種の機器9のうち、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はウェアラブル端末等の機器9は、蓄電池92を備え、USBコンセント10から供給される電力を用いて蓄電池92を充電する機能を有する。以下では、蓄電池92を充電する機能を有する機器9を「充電式の機器」と呼ぶこともある。本実施形態では特に断りが無い限り、USBコンセント10に接続される機器9が、充電式の機器9である場合を例に説明する。
【0019】
本実施形態では、USBコンセント10は、取付対象物81に固定される。本開示でいう「取付対象物」は、USBコンセント10が固定される部材であって、例えば、建物の壁、天井若しくは床等の造営物、又は机、棚、若しくはカウンタ台等の什器(建具を含む)等を含む。USBコンセント10は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、学校、工場、病院若しくは介護施設等の非住宅施設に設置される。本実施形態では一例として、USBコンセント10は、住宅施設の壁からなる取付対象物81に取り付けられる、埋込型の配線器具であると仮定する。特に、USBコンセント10は、建物の内部で使用される屋内用の配線器具であると仮定する。
【0020】
以下、取付対象物81である住宅施設の壁にUSBコンセント10が固定された状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向をUSBコンセント10の「上下方向」として説明する場合がある。また、USBコンセント10を正面から見て下方をUSBコンセント10の「下方」として説明する場合がある。上下方向と直交し、かつ取付対象物81の表面(壁面)に平行な方向をUSBコンセント10の「左右方向」とし、USBコンセント10を正面から見て右方をUSBコンセント10の「右方」、左方をUSBコンセント10の「左方」として説明する場合がある。さらに、上下方向と左右方向との両方に直交する方向、つまり取付対象物81の表面(壁面)に直交する方向をUSBコンセント10の「前後方向」とし、取付対象物81の裏面側(壁裏側)をUSBコンセント10の「後方」として説明する場合がある。ただし、これらの方向はUSBコンセント10の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0021】
また、USBコンセント10における筐体3の前面31は、取付対象物81である住宅施設の壁にUSBコンセント10が固定された状態において、基本的には、前方を向くことになる。ただし、筐体3の前面31が前方に向けられることを限定する趣旨ではない。例えば、USBコンセント10が天井に設置される場合には、筐体3の前面31は下方に向けられることになる。
【0022】
また、本開示において、2値の比較において、「以上」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方を超えている場合との両方を含む。ただし、これに限らず、ここでいう「以上」は、2値の一方が他方を超えている場合のみを含む「より大きい」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「未満」においても「以下」と同義であってもよい。
【0023】
(1-2-2)構成
次に、本実施形態に係るUSBコンセント10の構成について、図1図5を参照して説明する。
【0024】
上述したように、本実施形態では一例として、USBコンセント10は、住宅施設の壁からなる取付対象物81に取り付けられる、埋込型の配線器具である。つまり、USBコンセント10は、取付対象物81に固定され、取付対象物81の裏側を通した配線L1(図5参照)を接続可能に構成された配線器具である。特に、このUSBコンセント10は、取付対象物81に形成されている施工孔82(図3参照)に、筐体3の少なくとも一部が埋め込まれた状態で、筐体3が取付対象物81に固定される、埋込型の配線器具である。
【0025】
図5に示すように、USBコンセント10は、複数(ここでは2つ)の接続部2と、電源回路11と、端子部12とを備える。更に、USBコンセント10は、図1図4に示すように、筐体3を備える。筐体3は、複数(ここでは2つ)の接続部2と、電源回路11と、端子部12とを収容する。
【0026】
複数の接続部2は、各々、機器9のUSBコネクタ91を電気的かつ機械的に接続するために用いられる。複数の接続部2は、各々、金属製のシェル及びコンタクト等を含む。複数の接続部2は、互いに異なる複数のUSBコネクタ規格にそれぞれ準拠している。本実施形態では、互いに異なる複数のUSBコネクタ規格は、A端子のUSBコネクタの規格と、C端子のUSBコネクタの規格とを含む。複数の接続部2の各々は、USBレセプタクルである。複数の接続部2は、第1接続部21と第2接続部22とを含む。ここで、第1接続部21は、C端子のUSBコネクタの規格に準拠している。また、第2接続部22は、A端子のUSBコネクタの規格に準拠している。
【0027】
端子部12は、配線L1を接続するために用いられる。例えば、壁(取付対象物81)内に引き回された配線L1が端子部12に接続されることで、USBコンセント10が配線L1を介して系統電源等の電源に電気的に接続される。配線L1は、電源(系統電源等)に対して、直接的に接続されてもよいし、分電盤等を介して間接的に接続されてもよい。
【0028】
端子部12は、筐体3内に収容されている。ここで、筐体3の背面には、配線L1を接続するための端子孔が形成されている。端子部12は、筐体3内において端子孔に対応する位置に配置されている。端子部12は、端子板等を含み、端子孔に配線L1の先端部(心線)が差し込まれると、配線L1の先端部(心線)を機械的に保持し、かつ配線L1と電気的に接続される。本実施形態では一例として、端子部12は、端子孔から配線L1を差し込むだけで配線L1が接続される、差込式のいわゆる速結端子である。
【0029】
本実施形態では一例として、USBコンセント10は、端子部12に配線L1が接続されることにより、配線L1を介して、単相100V、60Hzの商用の交流電源(系統電源)に電気的に接続される。ここで、USBコンセント10は、分電盤を介して交流電源(系統電源)に接続されており、分電盤のブレーカ(主幹ブレーカ及び分岐ブレーカ)が導通状態にあれば、常時、通電状態にある。そのため、USBコンセント10は、基本的には、常時、機器9に対して電力を供給可能な状態にある。
【0030】
電源回路11は、回路基板(プリント配線板)と、回路基板に実装された種々の電子部品と、を有している。電源回路11は、交流電源(系統電源)から端子部12に印加される交流電圧を、直流電圧に変換し、直流電圧を接続部2に出力する。これにより、電源回路11は、接続部2から機器9に電力を供給する。電源回路11は、回路基板を1枚だけ含んでいてもよいし、複数枚の回路基板を含んでいてもよい。
【0031】
筐体3は、上述したように、取付対象物81に固定される。筐体3は、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。筐体3は、直方体状であって、3個モジュール寸法の配線器具と同程度の寸法に形成されている。筐体3は、筐体3が取付対象物81に取り付けられた状態で前方に露出する前面301を有する。ここでは、筐体3の前面301は、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも大きい長方形状である。筐体3の前面301には、複数(ここでは2つ)の接続口4が配置される。
【0032】
複数の接続口4は、第1接続口41と第2接続口42とを含む。第1接続口41と第2接続口42とは、上下方向において、一定の間隔を空けて並べて配置されている。第1接続口41と第2接続口42との各々は、図2に示すように、正面視において、左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも大きい長方形状である。つまり、第1接続口41と第2接続口42との各々は、横向き(横長)の長孔である。第1接続口41は、第1接続部21に対応する。より詳細には、第1接続口41は、第1接続部21を露出させる。本実施形態では、第1接続部21は、C端子のUSBコネクタの規格に準拠している。したがって、第1接続口41は、第1接続部21にC端子のUSBコネクタを接続可能な大きさの孔である。第2接続口42は、第2接続部22に対応する。より詳細には、第2接続口42は、第2接続部22を露出させる。本実施形態では、第2接続部22は、A端子のUSBコネクタの規格に準拠している。したがって、第2接続口42は、第2接続部22にA端子のUSBコネクタを接続可能な大きさの孔である。
【0033】
本実施形態では、接続口4にUSBコネクタ91が正面からまっすぐ差し込まれることにより、接続部2にUSBコネクタ91が接続される。つまり、差込式のUSBコネクタ91が差込方向である前後方向に沿って接続口4に差し込まれることにより、接続部2に対してUSBコネクタ91が電気的に接続され、かつ機械的に結合されることになる。接続部2とUSBコネクタ91とが接続された状態において、USBコネクタ91が接続部2からまっすぐ引き抜かれることにより、接続部2とUSBコネクタ91との接続が解除される。つまり、USBコネクタ91が差込方向(前後方向)に沿って接続口4から抜去されることにより、接続部2に対するUSBコネクタ91の電気的な接続が解除され、かつ機械的な結合が解除される。要するに、ユーザは、筐体3の前面301に形成された接続口4に対して、USBコネクタ91を挿抜することによって、機器9(USBコネクタ91)の接続部2に対する接続/非接続を切り替えることができる。
【0034】
電源回路11は、交流電圧を直流電圧に変換するAC/DC変換回路を含んでいる。電源回路11は、端子部12と接続部2との間に挿入されており、端子部12から入力される交流電圧を直流電圧に変換して接続部2に出力する。ここでは一例として、電源回路11は、交流電源(系統電源)から端子部12に印加される100Vの交流電圧を5Vの直流電圧に変換する。これにより、端子部12に入力される100Vの交流電圧は電源回路11にて5Vの直流電圧に変換されて、接続部2に5Vの直流電圧が供給される。
【0035】
本実施形態では、1つの電源回路11に対して、複数(ここでは2つ)の接続部2(第1接続部21及び第2接続部22)が接続されている。つまり、電源回路11から出力される直流電圧は、第1接続部21及び第2接続部22の両方に印加される。これにより、電源回路11の出力を、複数(ここでは2つ)の接続部2から、機器9のUSBコネクタ91に対して出力することが可能である。そのため、USBコンセント10は、複数の機器9のUSBコネクタ91が接続された状態で、これら複数の機器9に対して同時に電力供給することが可能である。
【0036】
このような構成においては、複数の接続部2から機器9に出力される電流(及び電力)の合計が、1つの電源回路11の出力電流となる。そのため、例えば、複数の接続部2の定格出力(電流又は電力)は、複数の接続部2の出力電流(又は出力電力)の合計値で規定される。本開示でいう「定格出力」は、電流及び/又は電力の定格値であって、定格電流及び定格電の少なくとも一方である。すなわち、電源回路11の定格出力(電流又は電力)によって、複数の接続部2の合計出力(電流又は電力)の定格値が決定されることになる。一例として、電源回路11の定格出力が4Aであるとすれば、複数(ここでは2つ)の接続部2の出力電流の合計が4Aで定格となる。
【0037】
本実施形態では、筐体3は、図3に示すように、筐体3を取付対象物81に固定するための取付枠84に対して、取外し可能に取り付けられている。さらに、取付枠84には、図3に示すように、コンセントプレート8が取り付けられる。ここで、本実施形態では、取付枠84及びコンセントプレート8を、USBコンセント10の構成要素に含まないこととする。ただし、取付枠84及びコンセントプレート8が、USBコンセント10の構成要素に含まれないことは必須でなく、取付枠84及びコンセントプレート8の少なくとも一方は、USBコンセント10の構成要素に含まれてもよい。
【0038】
本実施形態では、USBコンセント10は、上述したように埋込型の配線器具であるので、例えば、埋込型のスイッチボックス等の取付部材83を用いて取付対象物81(ここでは壁)に取り付けられる。すなわち、取付対象物81には施工孔82が形成されており、取付対象物81の裏側(壁裏)に配置されたスイッチボックス等の取付部材83に対して、USBコンセント10が施工孔82を通して取り付けられる。
【0039】
取付枠84は、例えば、日本工業規格によって規格化された大角形連用配線器具の取付枠である。具体的には、取付枠84は、正面視において矩形枠状に形成されている。この取付枠84の内側に筐体3が位置するように、筐体3が取付枠84に装着されている。
【0040】
取付枠84は、一例として、合成樹脂製である。取付枠84には、一対の取付孔841と、一対のプレート固定孔842と、が形成されている。一対の取付孔841を通して、一対の取付ねじ843がスイッチボックス等の取付部材83に締め付けられることで、取付枠84は、取付対象物81に取り付けられる。
【0041】
コンセントプレート8は、化粧プレート85と、固定プレート86と、を有している。つまり、本実施形態では、コンセントプレート8は、化粧プレート85及び固定プレート86の2部材で構成されている。コンセントプレート8(化粧プレート85及び固定プレート86)は、一例として、合成樹脂製である。
【0042】
固定プレート86は、取付枠84に固定される。化粧プレート85は、固定プレート86の前面を覆うように、固定プレート86に取り付けられる。このように、化粧プレート85は、筐体3が取り付けられている取付枠84に対し、固定プレート86を介して間接的に固定される。化粧プレート85には窓孔801が形成されており、コンセントプレート8が取付枠84に取り付けられた状態では、窓孔801から筐体3の前面301が露出することになる。
【0043】
つまり、コンセントプレート8は、窓孔801を有する枠状の部材であって、その窓孔801から筐体3の前面301を露出させるように、取付枠84と組み合わされる。言い換えれば、取付枠84とコンセントプレート8とが組み合われた状態では、正面視において、コンセントプレート8(化粧プレート85)の内側(窓孔801内)に筐体3の前面301が位置する。これにより、図4に示すように、コンセントプレート8が筐体3と共に取付対象物81に取り付けられた状態で、筐体3の周囲をコンセントプレート8が覆うことになり、取付枠84及び施工孔82等が露出せずに見映えがよくなる。
【0044】
より詳細には、化粧プレート85は、正面視において矩形枠状に形成されている。化粧プレート85の中央部には、化粧プレート85を前後方向に貫通する窓孔801が形成されている。化粧プレート85は、スナップフィット構造により、取外し可能な状態で、固定プレート86と機械的に結合される。すなわち、化粧プレート85及び固定プレート86は、化粧プレート85と固定プレート86との少なくとも一方の弾性を利用して、化粧プレート85及び固定プレート86一方の爪を、他方の孔に引っ掛けることにより、機械的に結合される。
【0045】
また、固定プレート86は、正面視において矩形枠状に形成されている。さらに、固定プレート86には、一対の透孔861が形成されている。一対の透孔861を通して、一対の固定ねじ844が取付枠84の一対のプレート固定孔842に締め付けられることで、固定プレート86は、取付枠84に取り付けられる。
【0046】
(2)実施形態2
本実施形態に係るUSBコンセント10Aについて、図6図10を参照して説明する。USBコンセント10Aは、USBコンセント10と同様に、住宅施設の壁からなる取付対象物81に取り付けられる、埋込型の配線器具である。以下、冗長な説明を避けるため、USBコンセント10AとUSBコンセント10とで実質的に同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
USBコンセント10Aは、図6図8に示すように、筐体3Aを備える。また、USBコンセント10Aは、図9及び図10に示すように、複数の接続部2(第1接続部21及び第2接続部22)と、電源回路11と、端子部12と、USBコネクタ13と、接続回路14とを備える。
【0048】
本実施形態では、筐体3Aは、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有している。複数の形態の各々は、複数の接続部2のうちの対応する接続部2が利用可能な形態である。特に、本実施形態では、複数の接続部2は、第1接続部21と第2接続部22とを含んでいる。そして、複数の形態は、第1形態と第2形態とを含む。第1形態は、図6及び図9に示すように、第2接続部22の代わりに第1接続部21が利用可能な形態である。第2形態は、図8及び図10に示すように、第1接続部21の代わりに第2接続部22が利用可能な形態である。
【0049】
USBコンセント10Aでは、筐体3Aは、別体である第1筐体31Aと第2筐体32Aとを含んでおり、第1筐体31Aはコンセント本体101Aを構成し、第2筐体32Aはアダプタ102Aを構成する。第1形態と第2形態とは、コンセント本体101A(第1筐体31A)とアダプタ102A(第2筐体32A)との配置が異なっており、これによって、第1接続部21と第2接続部22のいずれが利用可能かが異なる。
【0050】
コンセント本体101Aは、USBコンセント10Aにおいて、取付対象物81に設置される部分である。コンセント本体101Aは、図9及び図10に示すように、接続部2(第1接続部21)と、電源回路11と、端子部12と、を含む。また、コンセント本体101Aは、第1筐体31Aを含む。第1筐体31Aは、少なくとも、接続部2(第1接続部21)と、電源回路11と、端子部12とを収容する。
【0051】
第1筐体31Aは、取付対象物81に設置される。第1筐体31Aは、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。第1筐体31Aは、直方体状であって、3個モジュール寸法の配線器具と同程度の寸法に形成されている。第1筐体31Aは、第1筐体31Aが取付対象物81に取り付けられた状態で前方に露出する前面310を有する。ここでは、第1筐体31Aの前面310は、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも大きい長方形状である。
【0052】
第1筐体31Aは、図6図8に示すように、接続口4Aと、保持部312を有する。接続口4Aと保持部312とは前面310で上下に並び、接続口4Aが保持部312より上方にある。
【0053】
接続口4Aは、第1接続部21に対応する。より詳細には、接続口4Aは、第1接続部21を露出させる。本実施形態では、第1接続部21は、C端子のUSBコネクタの規格に準拠している。したがって、接続口4Aは、第1接続部21にC端子のUSBコネクタを接続可能な大きさの孔である。本実施形態では、接続口4Aは、第1筐体31Aの前面310の嵌合凹部311の底面に設けられている。嵌合凹部311は、第1接続部21にアダプタ102AのUSBコネクタ13を接続した際に、アダプタ102Aの第2筐体32Aの長さ方向の第1端が嵌るように形成されている。
【0054】
保持部312は、アダプタ102Aの第2筐体32Aを取り外し可能に保持するために形成されている。本実施形態では、保持部312は、アダプタ102Aを収容する収容空間312aを有している。具体的には、収容空間312aは、アダプタ102Aの第2筐体32Aが嵌る凹部である。本実施形態では、図6に示すように、収容空間312aは、アダプタ102Aの全体を収容する大きさの凹部である。ただし、収容空間312aは、アダプタ102Aを収容空間312a内に収容した際に、第2筐体32Aが収容空間312aに嵌るように、寸法が設計されている。
【0055】
また、図7に示すように、収容空間312aの底面には、収容凹部313が形成されている。収容凹部313の底面には、貫通孔314が形成されている。
【0056】
アダプタ102Aは、USBコンセント10Aにおいて、コンセント本体101Aに取り外し可能に取り付けられる部分である。アダプタ102Aは、図9及び図10に示すように、接続部2(第2接続部22)と、USBコネクタ13と、接続回路14と、を含む。また、アダプタ102Aは、第2筐体32Aを含む。第2筐体32Aは、少なくとも、接続部2(第2接続部22)と、USBコネクタ13と、接続回路14とを収容する。
【0057】
USBコネクタ13は、第1接続部21に接続可能なコネクタである。つまり、USBコネクタ13は、第1接続部21と同じUSBコネクタ規格に準拠している。本実施形態では、第1接続部21はレセプタクルであるから、USBコネクタ13はプラグである。
【0058】
接続回路14は、第2接続部22とUSBコネクタ13とを電気的に接続する回路である。第1接続部21と第2接続部22とは、互いに異なるUSBコネクタ規格に準拠している。そして、USBコネクタ13は、第1接続部21と同じUSBコネクタ規格に準拠している。よって、接続回路14は、異なるUSBコネクタ規格に準拠するコネクタ間の変換を行う回路である。本実施形態では、第2接続部22はA端子のUSBコネクタの規格に準拠し、USBコネクタ13はC端子のUSBコネクタの規格に準拠しているから、接続回路14は、A端子をC端子に変換する。
【0059】
第2筐体32Aは、第1筐体31Aとは別体である。第2筐体32Aは、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。図6に示すように、第2筐体32Aは、直方体状であって、第1筐体31Aの保持部312の収容空間312aに収まる大きさである。第2筐体32Aは、上述したように、第2接続部22と、USBコネクタ13と、接続回路14とを収容する。ここで、USBコネクタ13は、第2筐体32Aの長さ方向の第1端に露出している。これによって、USBコネクタ13をコンセント本体101Aの第1接続部21に接続可能である。また、第2接続部22は、第2筐体32Aの長さ方向の第2端に露出している。これによって、第2接続部22と同じUSBコネクタ規格に準拠しているUSBコネクタ91が第2接続部22に接続可能である。
【0060】
上述したように、USBコンセント10Aの筐体3Aは、少なくとも一部の機械的な配置が異なる第1形態及び第2形態を有している。
【0061】
第1形態は、図6及び図9に示すように、第2接続部22の代わりに第1接続部21が利用可能な形態である。本実施形態では、第1形態は、図6に示すように、アダプタ102Aが、コンセント本体101Aに対して非使用位置にある形態である。非使用位置は、アダプタ102Aの第2筐体32Aがコンセント本体101Aの第1筐体31Aの保持部312で保持される位置である。非使用位置では、アダプタ102Aは、コンセント本体101Aから電気的に分離されている。図9に示すように、アダプタ102Aは、USBコンセント10Aから機器9への電力の供給に寄与しない。また、第2筐体32Aは、第2筐体32Aの厚み方向に沿って収容空間312aに収容される。これによって、第2接続部22は、筐体3Aの前面310に露出しない。よって、第1形態では、第2接続部22を隠すことができて、USBコネクタ91が第1接続部21ではなく第2接続部22に誤って接続される可能性を低減できる。
【0062】
第2形態は、図8及び図10に示すように、第1接続部21の代わりに第2接続部22が利用可能な形態である。本実施形態では、第2形態は、図8に示すように、アダプタ102Aが、コンセント本体101Aに対して使用位置にある形態である。使用位置は、アダプタ102AのUSBコネクタ13がコンセント本体101Aの第1接続部21に接続される位置である。使用位置では、アダプタ102Aは、コンセント本体101Aに電気的に接続されている。図10に示すように、アダプタ102Aは、コンセント本体101Aと機器9との間に介在し、USBコンセント10Aから機器9への電力の供給に寄与する。なお、使用位置では、アダプタ102Aの第2筐体32Aの第2端が第1筐体31Aの嵌合凹部311に嵌っている。
【0063】
USBコンセント10Aにおいて、筐体3Aを第1形態から第2形態にするには、図7に示すように、アダプタ102Aをコンセント本体101Aの第1筐体31Aの保持部312から取り出す。そして、図8に示すように、アダプタ102AのUSBコネクタ13をコンセント本体101Aの第1接続部21に差し込む。第2形態では、第2接続部22が利用可能であるから、第2接続部22と同じUSBコネクタ規格に準拠するUSBコネクタ91をUSBコンセント10Aに接続することができる。
【0064】
一方、筐体3Aを第2形態から第1形態にするには、図7に示すように、アダプタ102AのUSBコネクタ13をコンセント本体101Aの第1接続部21から引き抜く。そして、図6に示すように、アダプタ102Aの第2筐体32Aをコンセント本体101Aの第1筐体31Aの保持部312に収容する。第1形態では、第1接続部21が利用可能であるから、第1接続部21と同じUSBコネクタ規格に準拠するUSBコネクタ91をUSBコンセント10Aに接続することができる。
【0065】
また、USBコンセント10Aは、図7に示すように、連結具5を備える。連結具5は、第1連結部51と、第2連結部52と、紐状体53とを有する。第1連結部51は、第1筐体31Aに収容される。第1連結部51は、紐状体53を巻き取るリールを含む。第1連結部51は、紐状体53が所定長さ以上引き出された際に紐状体53の巻き取りを開始するように構成されているとよい。第2連結部52は、第2筐体32Aの厚み方向の一面に形成されている。図7に示すように、第2連結部52には紐状体53の一端が巻かれる。また、第2連結部52は、収容凹部313に収まる大きさである。これによって、アダプタ102Aの第2筐体32Aを保持部312に保持させる際に第2連結部52が邪魔にならない。紐状体53は、第1連結部51と第2連結部52とを連結する。本実施形態では、第1連結部51は第1筐体31A内にある。紐状体53は、貫通孔314を通して第1筐体31Aの外部に引き出される。紐状体53の例としては、紐、ワイヤが挙げられる。紐状体53は、アダプタ102Aが非使用位置と使用位置との間で移動可能な長さを有している。また、紐状体53は特には限定されないが、少なくともアダプタ102Aの重量に耐え得る強度を持っていることが望まれる。
【0066】
本実施形態では、第2筐体32Aは、第1筐体31Aに連結具5の紐状体53でつながれているから、筐体3Aを第1形態と第2形態とで変える際に、アダプタ102Aの紛失の可能性を低減できる。また、アダプタ102Aの盗難の可能性も低減できる。
【0067】
(3)実施形態3
本実施形態に係るUSBコンセント10Bについて、図11図15を参照して説明する。USBコンセント10Bは、USBコンセント10と同様に、住宅施設の壁からなる取付対象物81に取り付けられる、埋込型の配線器具である。以下、冗長な説明を避けるため、USBコンセント10BとUSBコンセント10,10Aのいずれかとで実質的に同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】
USBコンセント10Bは、図11図14に示すように、筐体3Bを備える。また、USBコンセント10Bは、図15に示すように、複数の接続部2(第1接続部21及び第2接続部22)と、電源回路11と、端子部12と、駆動部15と、操作部16とを備える。複数の接続部2(第1接続部21及び第2接続部22)と、電源回路11と、端子部12と、駆動部15と、操作部16とは、筐体3Bに収容される。
【0069】
筐体3Bは、取付対象物81に設置される。筐体3Bは、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。筐体3Bは、直方体状であって、3個モジュール寸法の配線器具と同程度の寸法に形成されている。筐体3Bは、筐体3Bが取付対象物81に取り付けられた状態で前方に露出する前面301を有する。ここでは、筐体3Bの前面301は、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも大きい長方形状である。
【0070】
筐体3Bは、一面である前面301に接続口4Bを有する。接続口4Bは前面301の上端にある。接続口4Bは、複数の接続部2のいずれか一つを露出させるための開口である。接続口4Bは、複数の接続部2のうち最も大きな接続部2にUSBコネクタ91を接続可能な大きさを有している。
【0071】
筐体3Bは、複数の接続部2(第1接続部21及び第2接続部22)を保持するホルダ61を収容する。ホルダ61は、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。ホルダ61は、図11図14に示すように、所定の回転軸A11の周りに回転可能に構成されている。本実施形態では、ホルダ61は、回転軸A11の周りに回転可能とするための軸部611を有する。ホルダ61は、図13及び図14に示すように、複数の接続部2を回転軸A11に交差する異なる方向に向けて保持する。本実施形態では、複数の接続部2である第1接続部21及び第2接続部22は、回転軸A11に直交する方向であって、互いに直交する方向に向けて保持されている。一例として、第1接続部21が向く方向と第2接続部22が向く方向との間の角度は90度である。
【0072】
筐体3Bは、ホルダ61を複数の位置で移動可能に収容する。ホルダ61の複数の位置の各々は、複数の接続部2のうちの対応する接続部2が接続口4Bから露出する位置である。本実施形態では、ホルダ61の複数の位置は、図11及び図13に示すように第1接続部21が接続口4Bから露出する第1位置と、図12及び図14に示すように第2接続部22が接続口4Bから露出する第2位置とを含む。
【0073】
筐体3Bは、ホルダ61を回転軸A11の周りに回転可能に支持する。一例として、筐体3Bは、ホルダ61の軸部611に対応する軸受けを有し、これによって、ホルダ61を回転軸A11の周りに回転可能に支持する。つまり、ホルダ61が回転軸A11の周りに回転することによって、複数の位置で移動可能である。ここて、回転軸A11は、筐体3Bの前後方向に交差するように設定されている。本実施形態では、回転軸A11は、筐体3Bの前後方向に直交している。より詳細には、回転軸A11は、USBコンセント10Bの左右方向(すなわち、筐体3Bの左右方向)に沿っている。そのため、図13及び図14に関して言えば、第2位置は、第1位置からホルダ61が反時計回り方向に90度回転した位置である。換言すれば、第1位置は、第2位置からホルダ61が時計回り方向に90度回転した位置である。
【0074】
筐体3Bは、駆動部15及び操作部16を収容する。駆動部15は、ホルダ61を回転軸A11の周りに回転させるための装置である。操作部16は、駆動部15によりホルダ61を回転軸A11の周りに回転させるための装置である。操作部16は、筐体3Bの前面301に露出する操作片7を有する。操作片7が操作されると操作部16は駆動部15によりホルダ61を回転軸A11の周りに回転させる。一例として、駆動部15及び操作部16は、操作片7が押し操作される毎に、ホルダ61を第1位置と第2位置との間で回転させるように構成される。なお、駆動部15は、モータを利用してホルダ61を回転軸A11の周りに回転させてもよいし、ばね等を利用してホルダ61を回転軸A11の周りに回転させてもよい。ホルダ61を回転させるための電力は、端子部12を経由して系統電源から得ることが可能である。なお、駆動部15は、操作部16が操作されていない間は、ホルダ61を現在の位置に保持することが望ましい。これによって、USBコネクタ91を接続部2に接続する際にホルダ61が回転する可能性を低減でき、USBコネクタ91の接続の作業性を向上できる。
【0075】
本実施形態では、筐体3Bは、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有している。複数の形態の各々は、複数の接続部2のうちの対応する接続部2が利用可能な形態である。特に、本実施形態では、複数の接続部2を保持するホルダ61が複数の位置で移動可能である。複数の位置の各々は、複数の接続部2のうちの対応する接続部2が筐体3Bの開口(接続口4B)から露出する位置である。複数の形態の各々は、ホルダ61が複数の位置のうちの対応する位置にある形態である。複数の接続部2は、第1接続部21と第2接続部22とを含んでいる。そして、複数の位置は、第1位置と第2位置とを含む。第1位置は、図11及び図13に示すように第1接続部21が接続口4Bから露出する位置である。第2位置は、図12及び図14に示すように第2接続部22が接続口4Bから露出する位置である。
【0076】
第1形態は、図11及び図13に示すように、第2接続部22の代わりに第1接続部21が利用可能な形態である。本実施形態では、第1形態は、ホルダ61が第1位置にある形態である。第2形態は、図12及び図14に示すように、第1接続部21の代わりに第2接続部22が利用可能な形態である。本実施形態では、第2形態は、ホルダ61が第2位置にある形態である。
【0077】
USBコンセント10Bにおいて、筐体3Bを第1形態から第2形態にするには、操作片7を押し操作すればよい。これによって、操作部16及び駆動部15が、ホルダ61を第1位置から第2位置に移動させ、筐体3Bが第2形態になる。第2形態では、第2接続部22が利用可能であるから、第2接続部22と同じUSBコネクタ規格に準拠するUSBコネクタ91をUSBコンセント10Bに接続することができる。一方、筐体3Bを第2形態から第1形態にするには、操作片7を押し操作すればよい。これによって、操作部16及び駆動部15が、ホルダ61を第2位置から第1位置に移動させ、筐体3Bが第1形態になる。第1形態では、第1接続部21が利用可能であるから、第1接続部21と同じUSBコネクタ規格に準拠するUSBコネクタ91をUSBコンセント10Bに接続することができる。
【0078】
(4)実施形態4
本実施形態に係るUSBコンセント10Cについて、図16及び図17を参照して説明する。USBコンセント10Cは、USBコンセント10と同様に、住宅施設の壁からなる取付対象物81に取り付けられる、埋込型の配線器具である。以下、冗長な説明を避けるため、USBコンセント10CとUSBコンセント10,10A,10Bのいずれかとで実質的に同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
【0079】
USBコンセント10Cは、図16及び図17に示すように、筐体3Bを備える。また、USBコンセント10Cは、USBコンセント10Bと同様に、複数の接続部2(第1接続部21及び第2接続部22)と、電源回路11と、端子部12と、駆動部15と、操作部16とを備える。複数の接続部2(第1接続部21及び第2接続部22)と、電源回路11と、端子部12と、駆動部15と、操作部16とは、筐体3Bに収容される。
【0080】
一方で、USBコンセント10Cは、図16及び図17に示すように、USBコンセント10Bのホルダ61とは異なるホルダ62を備える。ホルダ62は、複数の接続部2(第1接続部21及び第2接続部22)を保持する。ホルダ62は、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。ホルダ62は、所定の回転軸A12の周りに回転可能に構成されている。本実施形態では、ホルダ62は、回転軸A12の周りに回転可能とするための軸部621を有する。ホルダ62は、複数の接続部2を回転軸A12に沿った方向(図16及び図17の紙面手前方向)に向けて保持する。本実施形態では、複数の接続部2である第1接続部21及び第2接続部22は、回転軸A12に平行する方向であって、同じ方向に向けて保持されている。一方で、回転軸A12の周りにおいて、第1接続部21と第2接続部22との間の角度は90度である。
【0081】
筐体3Bは、ホルダ62を複数の位置で移動可能に収容する。ホルダ62の複数の位置の各々は、複数の接続部2のうちの対応する接続部2が接続口4Bから露出する位置である。本実施形態では、ホルダ62の複数の位置は、図16に示すように第1接続部21が接続口4Bから露出する第1位置と、図17に示すように第2接続部22が接続口4Bから露出する第2位置とを含む。
【0082】
筐体3Bは、ホルダ62を回転軸A12の周りに回転可能に支持する。一例として、筐体3Bは、ホルダ62の軸部621に対応する軸受けを有し、これによって、ホルダ62を回転軸A12の周りに回転可能に支持する。つまり、ホルダ62が回転軸A12の周りに回転することによって、複数の位置で移動可能である。ここて、回転軸A12は、筐体3Bの前後方向に沿って延びるように設定されている。本実施形態では、回転軸A12は、筐体3Bの前後方向と平行している。より詳細には、そのため、図16及び図17に関して言えば、第2位置は、第1位置からホルダ62が反時計回り方向に90度回転した位置である。換言すれば、第1位置は、第2位置からホルダ62が時計回り方向に90度回転した位置である。
【0083】
筐体3Bは、駆動部15及び操作部16を収容する。駆動部15は、ホルダ62を回転軸A12の周りに回転させるための装置である。操作部16は、駆動部15によりホルダ61を回転軸A12の周りに回転させるための装置である。駆動部15及び操作部16については、実施形態3と同様であるから説明を省略する。
【0084】
本実施形態では、筐体3Bは、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有している。複数の形態の各々は、複数の接続部2のうちの対応する接続部2が利用可能な形態である。特に、本実施形態では、複数の接続部2を保持するホルダ62が複数の位置で移動可能である。複数の位置の各々は、複数の接続部2のうちの対応する接続部2が筐体3Bの開口(接続口4B)から露出する位置である。複数の形態の各々は、ホルダ62が複数の位置のうちの対応する位置にある形態である。複数の接続部2は、第1接続部21と第2接続部22とを含んでいる。そして、複数の位置は、第1位置と第2位置とを含む。第1位置は、図16に示すように第1接続部21が接続口4Bから露出する位置である。第2位置は、図17に示すように第2接続部22が接続口4Bから露出する位置である。
【0085】
第1形態は、図16に示すように、第2接続部22の代わりに第1接続部21が利用可能な形態である。本実施形態では、第1形態は、ホルダ62が第1位置にある形態である。第2形態は、図17に示すように、第1接続部21の代わりに第2接続部22が利用可能な形態である。本実施形態では、第2形態は、ホルダ62が第2位置にある形態である。
【0086】
USBコンセント10Cにおいて、筐体3Bを第1形態から第2形態にするには、操作片7を押し操作すればよい。これによって、操作部16及び駆動部15が、ホルダ62を第1位置から第2位置に移動させ、筐体3Bが第2形態になる。第2形態では、第2接続部22が利用可能であるから、第2接続部22と同じUSBコネクタ規格に準拠するUSBコネクタ91をUSBコンセント10Cに接続することができる。一方、筐体3Bを第2形態から第1形態にするには、操作片7を押し操作すればよい。これによって、操作部16及び駆動部15が、ホルダ62を第2位置から第1位置に移動させ、筐体3Bが第1形態になる。第1形態では、第1接続部21が利用可能であるから、第1接続部21と同じUSBコネクタ規格に準拠するUSBコネクタ91をUSBコンセント10Cに接続することができる。
【0087】
(5)変形例
実施形態1~4は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1~4は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態1~4に係るUSBコンセント10と同等の機能は、方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0088】
以下、実施形態1~4の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0089】
実施形態1~4では、複数のUSBコネクタ規格は、A端子のUSBコネクタの規格と、C端子のUSBコネクタの規格とを含む。しかしながら、複数のUSBコネクタ規格は、例えば、A端子(Type-A)、B端子(Type-B)及びC端子(Type-C)、並びに、ミニUSB(mini USB)及びマイクロUSB(micro USB)等から適宜選択され得る。
【0090】
実施形態1~4では、複数の接続部2は、いずれもレセプタクルである。しかしながら、複数の接続部2は、いずれも、プラグであってもよい。また、複数の接続部2の各々は、プラグとレセプタクルとから選択され得る。
【0091】
実施形態1~4については、接続部2の数は、2つに限定されない。USBコンセントは、3以上の接続部2を有していてよい。特に、実施形態2~4については、筐体は、少なくとも一部の機械的な配置が異なる3以上の形態を有してよい。3以上の形態の各々は、3以上の接続部2のうちの対応する接続部2が利用可能な形態である。また、複数の接続部は、筐体の形態の変化によらず利用可能な接続部を含み得る。一例として、複数の接続部は、第1接続部と、第2接続部と、第3接続部を含む場合に、第1接続部と第2接続部とは筐体の形態の変化に応じて利用可能かどうかが変わるが、第3接続部は筐体の形態の変化に関係なく利用可能であってよい。
【0092】
実施形態1~4では、筐体が3個モジュール寸法の配線器具と同程度の寸法であるが、2個モジュール寸法又は1個モジュール寸法の配線器具と同程度の寸法であってもよい。また、筐体において、接続口は、正面視において、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも大きい長方形状である。つまり、接続口は、縦向き(縦長)に配置されていてもよい。すなわち、接続口の向きは、特に限定されない。
【0093】
さらに、USBコンセントは、筐体が2個モジュール寸法又は1個モジュール寸法の配線器具と同程度の寸法であれば、付加装置とともに取付枠84にて取付対象物81に取り付けられてもよい。付加装置の例としては、コンセント装置、及び、センサ装置が挙げられる。コンセント装置は、例えば、100Vの交流電圧を出力するコンセント装置であってよい。また、センサ装置の例としては、人感センサ、明るさセンサ、振動センサ、近接センサ若しくは音センサ、又はこれらの組み合わせが挙げられる。USBコンセントは、センサ装置の出力に基づいて動作してもよい。例えば、センサ装置が人感センサである場合には、USBコンセントは、周辺に人が存在しなければ、接続部2への通電をオフとする。
【0094】
実施形態1~4では、USBコンセントは、屋内用に限らず屋外用であってもよい。屋外用のUSBコンセントにおいては、防雨(防滴)構造等が適宜採用される。
【0095】
実施形態1~4では、機器9が、充電式の機器である場合を例に説明したが、この例に限らず、USBコンセントには、充電式でない機器(充電式の機器以外の機器)を接続することも可能である。
【0096】
実施形態1~4では、USBコンセントは、埋込型の配線器具に限らない。すなわち、USBコンセントは、その全体が壁等の取付対象物81の表面から露出するように配置される「露出型」の配線器具であってもよい。この場合、USBコンセントは、埋込型ではなく露出型のスイッチボックスを用いて取付対象物81に取り付けられる。また、USBコンセントは、例えば、挟み金具等の、スイッチボックス以外の取付部材を用いて取付対象物81に取り付けられてもよい。
【0097】
実施形態1~4では、筐体3が取付枠84に取り付けられることは、USBコンセントに必須の構成ではなく、例えば、筐体3は取付枠84と一体化されていてもよい。さらに、取付枠84に、コンセントプレート8が取り付けられることも、USBコンセントに必須の構成ではなく、コンセントプレート8は適宜省略されてもよい。
【0098】
実施形態1~4では、1つの電源回路11に対して、複数の接続部2が接続されているが、この構成はUSBコンセントに必須の構成ではなく、複数の接続部2の各々に対して個別の電源回路11が設けられていてもよい。つまり、USBコンセントは、複数の接続部2と、複数の接続部2に一対一に対応する複数の電源回路11と、を備えていてもよい。この場合、複数の接続部2には、それぞれ個別の電源回路11から電力が供給されるので、定格出力(電流又は電力)に関しても、各接続部2について個別に規定される。
【0099】
実施形態2において、保持部312の収容空間312aは、必ずしも、第2筐体32Aが嵌る凹部でなくてもよく、第2筐体32Aを収容できる空間であってよい。つまり、アダプタ102Aは、単に収容空間312aに配置されるだけであってよい。また、保持部312は、収容空間312aに加えて、収容空間312aを閉じる扉を有していてもよい。
【0100】
実施形態2において、保持部312は、必ずしも、収容空間312aを有している必要はない。保持部312は、アダプタ102Aの第2筐体32Aに設けた突起が嵌る凹部であってよい。逆に、保持部312は、アダプタ102Aの第2筐体32Aに設けた凹部に嵌る突起であってもよい。また、保持部312は、永久磁石や粘着剤等によって、アダプタ102Aの第2筐体32Aを保持してもよい。また、保持部312は、アダプタ102Aの第2接続部22又はUSBコネクタ13が接続可能なダミーコネクタを有していてもよい。この場合、ダミーコネクタに、第2接続部22又はUSBコネクタ13を接続することで、アダプタ102Aが保持部312に保持されてもよい。
【0101】
実施形態2において、第1連結部51は、リールを含まなくてもよい。また、紐状体53は、伸縮性を有していてもよい。この場合、紐状体53は、少なくともアダプタ102Aが非使用位置と使用位置との間で移動可能な長さまで伸びるようになっていればよい。なお、実施形態2において、連結具5は必須ではない。
【0102】
実施形態3において、ホルダ61の回転軸A11は、必ずしも、筐体3Bの左右方向に沿った方向ではなく、筐体3Bの前後方向に交差していればよい。
【0103】
実施形態3,4において、ホルダ61,62は、必ずしも、所定の回転軸の周りに回転可能でなくてよく、所定方向にスライド移動可能であってもよい。
【0104】
実施形態3,4において、駆動部15及び操作部16は必須ではない。一例として、実施形態3では、筐体3Bは、ホルダ61をユーザが直接回転させることが可能に構成されていてもよい。
【0105】
(6)態様
第1の態様は、USBコンセント(10;10A;10B;10C)であって、互いに異なる複数のUSBコネクタ規格にそれぞれ準拠した複数の接続部(2,21,22)と、前記複数の接続部(2,21,22)を収容する筐体(3;3A;3B)と、を備える。この態様によれば、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント(10;10A;10B;10C)を提供することができる。
【0106】
第2の態様は、第1の態様に基づくUSBコンセント(10A;10B;10C)である。第2の態様では、前記筐体(3;3A;3B)は、少なくとも一部の機械的な配置が異なる複数の形態を有する。前記複数の形態の各々は、前記複数の接続部(2,21,22)のうちの対応する接続部(2,21,22)が利用可能な形態である。この態様によれば、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント(10;10A;10B;10C)を提供することができる。
【0107】
第3の態様は、第2の態様に基づくUSBコンセント(10A;10B;10C)である。第3の態様では、前記複数の接続部(2,21,22)は、第1接続部(21)と第2接続部(22)とを含む。前記複数の形態は、前記第2接続部(22)の代わりに前記第1接続部(21)が利用可能な第1形態と、前記第1接続部(21)の代わりに前記第2接続部(22)が利用可能な第2形態とを含む。この態様によれば、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント(10;10A;10B;10C)を提供することができる。
【0108】
第4の態様は、第3の態様に基づくUSBコンセント(10A)である。第4の態様では、前記筐体(3A)は、第1筐体(31A)と、第2筐体(32A)とを含む。前記第1筐体(31A)は、前記第1接続部(21)を収容し、取付対象物(81)に設置される。前記第2筐体(32A)は、前記第1筐体(31A)とは別体である。前記第2筐体(32A)は、前記第2接続部(22)と、前記第1接続部(21)に接続可能なUSBコネクタ(13)と、前記第2接続部(22)と前記USBコネクタ(13)とを電気的に接続する接続回路(14)とを収容する。前記第1接続部(21)と前記第1筐体(31A)とは、コンセント本体(101A)を構成する。前記第2接続部(22)と、前記USBコネクタ(13)と、前記接続回路(14)と、前記第2筐体(32A)とは、アダプタ(102A)を構成する。前記第1筐体(31A)は、前記アダプタ(102A)の第2筐体(32A)を取り外し可能に保持する保持部(312)を有する。前記第1形態は、前記アダプタ(102A)が、前記コンセント本体(101A)に対して、前記アダプタ(102A)の第2筐体(32A)が前記コンセント本体(101A)の第1筐体(31A)の保持部(312)で保持される非使用位置にある形態である。前記第2形態は、前記アダプタ(102A)が、前記コンセント本体(101A)に対して、前記アダプタ(102A)のUSBコネクタ(13)が前記コンセント本体(101A)の第1接続部(21)に接続される使用位置にある形態である。この態様によれば、第1形態と第2形態との切り替えが容易になる。
【0109】
第5の態様は、第4の態様に基づくUSBコンセント(10A)である。第5の態様では、前記保持部(312)は、前記アダプタ(102A)を収容する収容空間(312a)を有する。この態様によれば、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント(10A)を提供することができる。
【0110】
第6の態様は、第5の態様に基づくUSBコンセント(10A)である。第6の態様では、前記収容空間(312a)は、前記アダプタ(102A)の第2筐体(32A)が嵌る凹部である。この態様によれば、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント(10A)を提供することができる。
【0111】
第7の態様は、第4~第6の態様のいずれか一つに基づくUSBコンセント(10A)である。第7の態様では、前記USBコンセント(10A)は、連結具(5)を更に備える。前記連結具(5)は、前記第1筐体(31A)に設けられる第1連結部(51)と、前記第2筐体(32A)に設けられる第2連結部(52)と、前記第1連結部(51)と前記第2連結部(52)とを連結する紐状体(53)と、を有する。この態様によれば、アダプタ(102A)の紛失の可能性を低減でき、アダプタ(102A)の盗難の可能性も低減できる。
【0112】
第8の態様は、第7の態様に基づくUSBコンセント(10A)である。第8の態様では、前記紐状体(53)は、前記アダプタ(102A)が前記非使用位置と前記使用位置との間で移動可能な長さを有する。この態様によれば、第1形態と第2形態との切り替えが容易になる。
【0113】
第9の態様は、第2又は第3の態様に基づくUSBコンセント(10B;10C)である。第9の態様では、前記筐体(3B)は、一面(301)に開口(4B)を有し、前記複数の接続部(2,21,22)を保持するホルダ(61;62)を複数の位置の間で移動可能に収容する。前記複数の位置の各々は、前記複数の接続部(2,21,22)のうちの対応する接続部(2,21,22)が前記開口(4B)から露出する位置である。前記複数の形態の各々は、前記ホルダ(61;62)が前記複数の位置のうちの対応する位置にある形態である。この態様によれば、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント(10B;10C)を提供することができる。
【0114】
第10の態様は、第9の態様に基づくUSBコンセント(10B;10C)である。第10の態様では、前記筐体(3B)は、前記ホルダ(61;62)を所定の回転軸(A11;A12)の周りに回転可能に収容する。この態様によれば、筐体(3B)の小型化を図ることが可能となる。
【0115】
第11の態様は、第10の態様に基づくUSBコンセント(10B)である。第11の態様では、前記所定の回転軸(A11)は、前記筐体(3B)の前後方向に交差する。前記ホルダ(61)は、前記複数の接続部(2,21,22)を前記所定の回転軸(A11)に交差する異なる方向に向けて保持する。この態様によれば、筐体(3B)の前後方向に交差する方向の寸法を小さくすることが可能となる。
【0116】
第12の態様は、第11の態様に基づくUSBコンセント(10C)である。第12の態様では、前記所定の回転軸(A12)は、前記筐体(3B)の前後方向に沿って延びる。前記ホルダ(62)は、前記複数の接続部(2,21,22)を前記所定の回転軸(A12)に沿った方向に向けて保持する。この態様によれば、筐体(3B)の前後方向の寸法を小さくすることが可能となる。
【0117】
第13の態様は、第9~第12の態様のいずれか一つに基づくUSBコンセント(10B;10C)である。第13の態様では、前記ホルダ(61;62)を前記複数の位置の間で移動させる駆動部(15)を更に備える。この態様によれば、ホルダ(61;62)を容易に移動させることが可能となる。
【0118】
第14の態様は、第1~第13の態様のいずれか一つに基づくUSBコンセント(10;10A;10B;10C)である。第14の態様では、前記複数の接続部(2,21,22)の各々は、USBレセプタクルである。この態様によれば、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント(10;10A;10B;10C)を提供することができる。
【0119】
第15の態様は、第1~第14の態様のいずれか一つに基づくUSBコンセント(10;10A;10B;10C)である。第15の態様では、前記複数のUSBコネクタ規格は、A端子のUSBコネクタの規格と、C端子のUSBコネクタの規格とを含む。この態様によれば、利便性の向上を図りやすいUSBコンセント(10;10A;10B;10C)を提供することができる。
【0120】
第2~15の態様に係る構成については、USBコンセント(10;10A;10B;10C)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0121】
10,10A,10B,10C USBコンセント
101A コンセント本体
102A アダプタ
13 USBコネクタ
14 接続回路
15 駆動部
2 接続部
21 接続部(第1接続部)
22 接続部(第2接続部)
3,3A,3B 筐体
301 前面(一面)
31A 第1筐体
312 保持部
312a 収容空間
32A 第2筐体
4B 接続口(開口)
5 連結具
51 第1連結部
52 第2連結部
53 紐状体
61,62 ホルダ
A11,A12 回転軸
81 取付対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17