(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】光源ユニット及びこれを備える表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240329BHJP
G09F 13/04 20060101ALI20240329BHJP
G09F 13/18 20060101ALI20240329BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
F21S2/00 439
G09F13/04 P
G09F13/18 D
F21V19/00 213
F21S2/00 436
(21)【出願番号】P 2020059101
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陣内 猛
(72)【発明者】
【氏名】金井 教郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亜矢子
(72)【発明者】
【氏名】宮田 美香
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-035724(JP,A)
【文献】特開平08-235923(JP,A)
【文献】特開2019-215956(JP,A)
【文献】特開2020-004605(JP,A)
【文献】国際公開第2012/066887(WO,A1)
【文献】特開2018-037257(JP,A)
【文献】特開2002-025324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G09F 13/04
G09F 13/18
F21V 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源を有する光源部と、
前記光源から出射された前記光が入射される入射面、及び前記入射面に入射された前記光を出射する出射面を有する導光部材と、
前記光源が前記入射面に対向するように前記導光部材及び前記光源部を収容し、前記光源と前記入射面との間で前記光を通過させる第1通過部と、前記出射面から出射される前記光を通過させる第2通過部とを有するホルダと、
を備え、
前記光源部及び前記ホルダの少なくとも1つは、前記第1通過部及び前記第2通過部とは異なる、前記光源から出射される前記光の一部を通過させる第3通過部を有
し、
前記光源部は、前記光源が実装された基板を更に有し、
前記基板は、
前記第3通過部としての孔と、
前記基板における他の領域より光の反射率が低い低反射部と、
を有し、
前記基板の前記孔は、前記低反射部に形成されている、
光源ユニット。
【請求項2】
前記ホルダは、前記基板において前記光源が実装されていない側の面との間に形成されており、前記孔を通過する前記光を通過させる空間を前記第3通過部として有する、
請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記ホルダは、前記第3通過部を有し、
前記第3通過部は、前記ホルダのうち前記導光部材を覆う部分の一部に設けられている、
請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記第3通過部は開口である、
請求項3に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記第3通過部は、前記光が透過する部材を少なくとも有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記入射面は、入射される前記光を反射させる方向が互いに異なる第1入射面と第2入射面とを有する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の光源ユニットと、
前記光源ユニットにおける前記導光部材の前記出射面から出射された前記光が入射される第1面と、前記第1面に入射された前記光を出射する第2面とを有する導光板と、
透光性を有し、前記導光板の前記第2面に対向して位置する表示パネルと、を備える表示装置。
【請求項8】
前記出射面が露出した状態で前記光源ユニットを収容する外ケースと、
前記出射面から出射された前記光が前記導光板に入射する状態で、前記外ケース、前記光源ユニット、前記導光板、及び前記表示パネルが取り付けられる筐体と、
を更に備え、
前記外ケース及び前記筐体の少なくとも1つは、前記第3通過部から出射される前記光を前記表示装置の外部へ出射する、
請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に光源ユニット及びこれを備える表示装置に関し、より詳細には、導光部材を備える光源ユニット及びこれを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常照明灯の光源としての利用も可能な光源装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の光源装置は、発光ダイオード(光源)と、発光ダイオードから出射された光を導光して線状に発光する線状導光体(導光部材)と、線状導光体から出射された線状の光を導光して面状に発光する面状導光板と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の光源装置を、非常照明灯の光源として用いる場合、非常照明灯の輝度が所定の範囲に収まるようにする必要がある。特許文献1に記載の光源装置は、所望の大きさの電力を供給する電源装置を選定することで非常照明灯の輝度を所定の範囲に収めることができる。しかし、所望の大きさの電力を供給する電源装置を選定する必要があり、汎用性の面で改善の余地がある。
【0006】
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、所定範囲内の輝度を確保しやすい光源ユニット及びこれを備える表示装置を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る光源ユニットは、光源部と、導光部材と、ホルダとを備える。前記光源部は、光を出射する光源を有する。前記導光部材は、前記光源から出射された光が入射される入射面、及び前記入射面に入射された光を出射する出射面を有する。前記ホルダは、前記光源が前記入射面に対向するように前記導光部材及び前記光源部を収容する。また、前記ホルダは、第1通過部と第2通過部とを有する。前記第1通過部は、前記光源と前記入射面との間で光を通過させる。前記第2通過部は、前記出射面から出射される光を通過させる。前記光源部及び前記ホルダの少なくとも1つは、前記第1通過部及び前記第2通過部とは異なる、第3通過部を有する。前記第3通過部は、前記光源から出射される光の一部を通過させる。前記光源部は、前記光源が実装された基板を更に有する。前記基板は、前記第3通過部としての孔と、前記基板における他の領域より光の反射率が低い低反射部と、を有する。前記基板の前記孔は、前記低反射部に形成されている。
【0008】
また、本開示の一態様に係る表示装置は、前記光源ユニットと、導光板と、表示パネルとを備える。前記導光板は、前記光源ユニットにおける前記導光部材の前記出射面から出射された光が入射される第1面と、前記第1面に入射された光を出射する第2面とを有する。前記表示パネルは、透光性を有し、前記導光板の前記第2面に対向して位置する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、所定範囲内の輝度を確保しやすい光源ユニット及びこれを備える表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図2Aは、同上の光源ユニットを示す斜視図であり、
図2Bは、同上の光源ユニットを示す正面断面図である。
【
図4】
図4は、同上の光源ユニットが備える基板を示す側面図である。
【
図5】
図5は、同上の光源ユニットを備える表示装置の一例を示す分解斜視図である。
【
図7】
図7Aは、第2実施形態の光源ユニットを示す斜視図であり、
図7Bは、同上の光源ユニットを示す正面断面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態の光源ユニットを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態の入射面を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、第4実施形態の表示装置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する。
【0012】
(第1実施形態)
(1)光源ユニット
(1-1)概要
図1Aから
図1C及び
図2A,
図2Bに示すように、第1実施形態の光源ユニット1は、発光ダイオード2と、発光ダイオード2を有する光源部3と、棒状の導光部材4と、ケース5と、を備える。本実施形態では、光源ユニット1が備える光源が発光ダイオード2である場合を例示する。なお、光源ユニット1が備える光源は、有機EL(Organic Electro luminescence:OEL)や半導体レーザダイオード(Laser Diode:LD)などの固体発光素子などであってもよい。
【0013】
導光部材4は、発光ダイオード2から出射した光が入射する入射面40、及び入射面40に入射した光が出射する出射面41を有する。ケース5は、導光部材4を収容し、発光ダイオード2が入射面40に対向するように基板30を保持する。
【0014】
基板30は、複数(図示例では2つ)の孔7a(第3通過部7)を含む。孔7aは、発光ダイオード2から出射された光のうち、入射面40で反射された光などを、基板30における発光ダイオード2が実装されていない側の面(第2面331)の方へ通過させる開口である。入射面40で反射された光などを第2面331側へ通過させることで、発光ダイオード2が実装された第1面330で反射する光を低減することができる。孔7aは、本実施形態の光源ユニット1における第3通過部7のうちの一部である。
【0015】
(1-2)詳細
以下、光源ユニット1について更に詳しく説明する。以下の説明では、
図1Aに示す方向を用いて、各構成について説明する。
【0016】
(1-2-1)光源部
図1A及び
図2A,Bに示すように、光源ユニット1は、左右一対の光源部3を備える。光源部3は、発光ダイオード2などの光源が実装される基板30を有する。
【0017】
基板30は、ケース5に保持される第1部分33と、第1部分33から後側に突出した第2部分34とを有する。第1部分33と第2部分34のそれぞれは、略矩形板状である。第2部分34は、第1部分33よりも上下方向の長さが短く、第1部分33の後端の上下方向の中央部から後側に突出している。
【0018】
図3に示すように、発光ダイオード2は、第1部分33の第1面330に実装されている。第1部分33の第1面330は、ケース5に保持された状態で、ケース5の長手方向(左右方向)の端面に接する外周部分330aと、外周部分330aよりも内側に位置する内部分330bと、を有する。内部分330bは、ケース5内に収容された導光部材4の入射面40に対向する。
【0019】
図4に示すように、内部分330bの上下方向及び前後方向の中央部に、発光ダイオード2が実装されている。
図1B及び
図4に示すように、内部分330bのうち、発光ダイオード2を囲む部分330cが、暗色の低反射部31と、複数の高反射部32とを含んでいる。
【0020】
低反射部31の色は、暗色であり、発光ダイオード2からの熱及び紫外線によって変色しにくい色である。また、低反射部31の色は、基板30の周囲の環境によって変色しにくい色である。
【0021】
低反射部31の色は、暗色であればよいが、黒色系が好ましく、黒色が更に好ましい。低反射部31の色が黒色の場合、光の反射率は、10%程度である。
【0022】
高反射部32の色は、低反射部31の色とは異なる。高反射部32の色は、低反射部31の色よりも明るい色である。高反射部32の色は、例えば、緑色や白色である。高反射部32の色は、白色系が好ましく、白色が更に好ましい。高反射部32の色が白色の場合、光の反射率は、70%以上である。
【0023】
基板30の第1面330のうち発光ダイオード2を囲む部分330cには、複数の高反射部32が含まれる。複数の高反射部32は、発光ダイオード2を囲むように、互いに周方向に間隔をあけて配置されている。
【0024】
本実施形態では、複数の高反射部32は、四つの高反射部320,321,322,323で構成されている。四つの高反射部320,321,322,323は、互いに周方向に等間隔に距離をあけて配置されている(
図4参照)。四つの高反射部320,321,322,323のそれぞれは、同一の面積を有する。四つの高反射部320,321,322,323のそれぞれは、同一の形状を有する。つまり、四つの高反射部320,321,322,323は、発光ダイオード2を中心として点対称に設けられている。
【0025】
本実施形態では、四つの高反射部320,321,322,323のそれぞれは、発光ダイオード2から離れる方向に凸の円弧状である(
図4参照)。
【0026】
基板30は、基板30の基材の表面に形成され、発光ダイオード2に電気的に接続される導体(銅はく等)を有する。基板30は、導体を覆う絶縁性のソルダーレジストを更に有する。
【0027】
低反射部31は、例えば、基板30の表面(ソルダーレジストの表面)に暗色(例えば黒色)の塗料を塗布することによって形成されている。また、複数の高反射部32のそれぞれは、例えば、基板30の表面(ソルダーレジストの表面)に明色(例えば白色)の塗料を塗布することによって形成されている。なお、複数の高反射部32のそれぞれは、基板30の表面に塗布された暗色の塗料の上に、明色の塗料を塗布することによって形成してもよい。ここで、明色の塗料は、発光ダイオード2の連続点灯による熱及び紫外線によって変色しにくい耐変色性(耐熱性及び耐紫外線性)を有する塗料であることが好ましい。
【0028】
なお、低反射部31と複数の高反射部32を形成する塗料として電気絶縁性を有する塗料を用いることで、低反射部31と複数の高反射部32が、導体を覆うソルダーレジストを兼ねるようにしてもよい。
【0029】
基板30の製造ロット番号等のサービスマップ35は、第1部分33のうち、外周部分330aに形成され、内部分330bの部分330cには形成されない。これにより、部分330cのサービスマップ35のある部分と無い部分とで、反射の仕方や反射率が変わることを防ぐことができる。また、サービスマップ35の内容の違いによって、基板30毎に、部分330cの反射の仕方や反射率が変わることを防ぐことができる。外周部分330aへのサービスマップ35の形成は、印刷等の周知の手段によって行われる。
【0030】
第2部分34のうち、第1部分33の第1面330と同じ側を向く表面340の後端部には、電源用の端子(電極パッド)8が複数(二極以上)設けられている。端子8は、基板30の基材の表面に形成された導体の端部の、ソルダーレジストに覆われずに露出している部分である。本実施形態では、表面340の色は、第1面330の低反射部31の色と同じであり、暗色(詳しくは黒色)である。表面340は、第1面330の低反射部31と同様に、基板30の表面に暗色の塗料を塗布することによって形成されている。
【0031】
発光ダイオード2及び電源用の端子8のそれぞれは、例えば、リフローはんだ付けによって、基板30の第1面330に実装される。
【0032】
本実施形態では、基板30の基材は、ガラスエポキシ等のガラス系であるが、紙フェノール等の紙系であってもよい。
【0033】
(1-2-2)導光部材
図1A及び
図2Bに示すように、導光部材4は、長手方向の両端面が入射面40であり、下面が出射面41である。
【0034】
本実施形態では、導光部材4は、左右一対の第1導光体42と、その下側に位置する第2導光体43とを備える。導光体42,43のそれぞれは、透明なアクリル樹脂で形成されている。導光体42,43は、前後方向の長さが互いに同じである。
【0035】
左右一対の第1導光体42は、互いに左右対称である。左側の第1導光体42は、左右方向に長尺な棒状であり、右側の部分ほど上下方向の長さが短く、右端が尖っている。左側の第1導光体42では、その左端面420が入射面40である。左側の第1導光体42は、上面421が右側の部分ほど下方に位置するように傾斜した傾斜面であり、下面422が平面であり、上面421と下面422とが、右端部において鋭角をなしている。
【0036】
右側の第1導光体42は、左右方向に長尺な棒状であり、左側の部分ほど上下方向の長さが短く、左端が尖っている。右側の第1導光体42では、その右端面423が入射面40である。右側の第1導光体42は、上面421が左側の部分ほど下方に位置するように傾斜した傾斜面であり、下面422が平面であり、上面421と下面422とが、左端部において鋭角をなしている。
【0037】
左側の第1導光体42の上面421の左端部と、右側の第1導光体42の上面421の右端部のそれぞれには、ケース5に対する位置決めに用いられる突起424が設けられている。
【0038】
第2導光体43は、左右方向に長尺な棒状である。第2導光体43は、第1導光体42のおよそ2倍の左右長さを有する。
【0039】
第2導光体43は、上面430と下面431とが互いに平行である。下面431が、出射面41である。第2導光体43は、左右の端面に、左右方向外側に突出した取付用の突起432を有する。
【0040】
一対の第1導光体42と第2導光体43とは、第2導光体43の上面430の左半部に左側の第1導光体42が設置され、第2導光体43の上面430の右半部に右側の第1導光体42が設置される。
【0041】
導光部材4では、左右の第1導光体42の入射面40に入射した光が、左右の第1導光体42内と第2導光体43内を導光されて、第2導光体43の出射面41の全体から出射される。具体的には、左右の第1導光体42の入射面40に入射した光の大部分は、左右方向に進行し、左右の第1導光体42の上面421で下向きに反射する。左右の第1導光体42の上面421で下向きに反射した光は、左右の第1導光体42の下面422及び第2導光体43の上面430を通過して第2導光体43内に導光される。第2導光体43内に導光された光は、第2導光体43の出射面41の全体から出射される。
【0042】
(1-2-3)ケース
ケース5は、左右方向に長尺な箱状であり、左右の端面と下面のそれぞれに開口58,59を有している。ケース5は、後述する保持部材6と共に、発光ダイオード2が導光部材4の入射面40に対向するように導光部材4と光源部3とを収容するホルダの一部である。本実施形態のケース5は、合成樹脂で形成され、透光性を有さない。
【0043】
ケース5は、上壁50と、上壁50の前端と一体の前壁51と、上壁50の後端と一体の後壁52と、上壁50の左右端と一体の一対の矩形枠状の側壁53と、一対の側壁53のそれぞれから左右方向外側に突出した4つの保持片54と、を有する。
【0044】
上壁50は、右側の部分ほど下方に位置するように湾曲した第1壁部500と、第1壁部500の右端に連続し、右側の部分ほど上方に位置するように湾曲した第2壁部501と、を含む。第1壁部500の左端部の下面と、第2壁部501の右端部の下面のそれぞれには、導光部材4の位置決めに用いる凹部502(
図3参照)が設けられている。
【0045】
前壁51と後壁52は、互いに平行であり、導光部材4の前後方向の長さと同じ距離だけ前後に離れて位置する。
【0046】
保持片54は、各側壁53の4隅から左右方向外側に突出している(
図1C参照)。基板30は、第1部分33の4隅が4つの保持片54によって保持されることで、上下方向及び前後方向の位置ずれが規制される。
【0047】
図3に示すように、一対の側壁53のそれぞれは、上側の枠部分530の下端から左右方向内側の下方に向けて突出した上傾斜壁55と、下側の枠部分531の上端から左右方向内側の上方に向けて突出した下傾斜壁56とを更に有する。下傾斜壁56の左右方向内側の端部からは、左右方向内側に延長壁57が突出している。
【0048】
一対の側壁53のそれぞれは、上側の枠部分530が上傾斜壁55を介して上壁50に連続している。
図1Cに示すように、一対の側壁53のそれぞれは、前側の枠部分532が前壁51に連続し、後側の枠部分533が後壁52に連続している。
【0049】
一対の側壁53のそれぞれは、左右方向に貫通した開口58を有する。開口58は、上傾斜壁55と、下傾斜壁56と左右の枠部分532,533で囲まれた部分である。
【0050】
ケース5は、前壁51の下端部と後壁52の下端部と一対の側壁53の下端部(下側の枠部分531)とで囲まれる開口59を有する。
【0051】
ケース5には、
図2Bに示すように、導光部材4が収容されている。左右一対の第1導光体42のそれぞれは、突起424を上壁50の左右一対の凹部502に挿入することで、左右方向の位置ずれが規制される。第2導光体43は、ケース5に取り付けた保持部材6によって突起432が保持されることで、ケース5内に位置決めされ、ケース5の開口59を塞ぐ。
【0052】
ケース5内に導光部材4を収容した状態で、導光部材4の左右の入射面40が左右の開口58に対向して位置し、導光部材4の出射面41が、下側に露出する。
【0053】
(1-2-4)保持部材
光源ユニット1は、保持部材6を更に備える。保持部材6は、ケース5に取り付けられ、ケース5との間で基板30を挟んで保持する。本実施形態では、光源ユニット1は、保持部材6を左右一対に備える。保持部材6は、ケース5と共に、発光ダイオード2が導光部材4の入射面40に対向するように導光部材4と光源部3を収容するホルダの一部である。
【0054】
図1Bに示すように、保持部材6は、平板部60と、平板部60の上下の端部から左右方向内側に突出した一対の取付片61と、平板部60の上下の端部から左右方向内側に突出した一対の保持片62と、を有する。
【0055】
一対の取付片61のそれぞれの先端部(左右方向内側の端部)には、ケース5の側壁53の上下の枠部分530,531に引掛けるための爪部610が設けられている。
【0056】
一対の保持片62のそれぞれは、平板部60の前後方向の中央部から左右方向内側に突出しており、一対の取付片61のうちの対応する取付片61と連続している。一対の保持片62の先端面(左右方向内側の面)は、平面であり、この面が基板30を保持する保持面である。
【0057】
保持部材6は、
図3に示すように、ケース5の側壁53の上下の枠部分530,531に一対の取付片61の爪部610を引っ掛けることで、ケース5に取り付けられる。保持部材6は、ケース5に保持された基板30の第1部分33の裏面(第2面331)に一対の保持片62が接することで、基板30をケース5との間に挟んで保持する。
【0058】
ケース5に一対の保持部材6を取り付けた状態で、一対の保持部材6の下側の取付片61の爪部610によって導光部材4の第2導光体43の左右の突起432が下側から支持される。これにより、ケース5内に導光部材4が位置決めされる。
【0059】
(1-2-5)第3通過部
図3に示すように、本実施形態の光源ユニット1は、発光ダイオード2及び入射面40の間で光を通過させる開口58(第1通過部)と、出射面41から出射される光を通過させる開口59(第2通過部)とは別に、光を通過させる第3通過部7を備えている。
【0060】
本実施形態の光源部3の基板30は、第3通過部7の一部として、2つの孔7aを有している。
【0061】
2つの孔7aは、基板30の第1部分33を、発光ダイオード2が実装された面である第1面330から、第1面330の反対側の面である第2面331まで貫通する孔である。これにより、発光ダイオード2から出射されて入射面40で反射した光が2つの孔7aを通過させることができるので、入射面40に入射される光を低減させることができる。
【0062】
ところで、本実施形態のように、2つの孔7aのそれぞれは、ケース5の上傾斜壁55の下端より下、かつケース5の下傾斜壁56の上端より上に位置することが好ましい。これにより、入射面40で反射した光が2つの孔7aに入射しやすくなり、入射面40で反射した光が基板30の第1面330で反射して再度入射面40に入射することを低減することができる。
【0063】
さらに、本実施形態では、基板30、導光部材4及びケース5によって形成される空間SP1において、2つの孔7aと入射面40との間に何も存在しない。そのため、入射面40で反射した光が2つの孔7aに更に入射しやすくなり、入射面40で反射した光が基板30の第1面330で反射して再度入射面40に入射することを更に低減することができる。言い換えると、孔7aは、基板30、導光部材4及びケース5によって形成される空間SP1から基板30の第2面331側へ、光を逃がすために形成されている。
【0064】
図4に示すように、内部分330bの上下方向及び前後方向の中央部に、発光ダイオード2が実装されている。内部分330bのうち、発光ダイオード2を囲む部分330cが、暗色の低反射部31と、複数の高反射部32と、2つの孔7aを含んでいる。2つの孔7aは、内部分330bの前後方向の中央部において、2つの孔7aを結ぶ線分の中心に発光ダイオード2が位置するように形成されている。
【0065】
図3に示すように、保持部材6は、基板30において発光ダイオード2が実装されていない第2面331との間に、空間7bを有する。空間7bは、本実施形態の光源ユニット1における第3通過部7のうちの1つである。
【0066】
空間7bは、前後方向おいて開口しており、光源ユニット1の外部空間と連続している。そのため、基板30の孔7aを通過して空間7bに出射された光の一部は、空間7bを介して光源ユニット1の外部へ出ていく。空間7bが存在することにより、基板30の孔7aを通過して第2面331側に出射された光が、入射面40に入射することを低減することができる。言い換えると、空間7bは、光源ユニット1の内部から光源ユニット1の外部空間へ、光を逃がすための空間である。
【0067】
(2)光源ユニットの製造方法
続いて、上述した各構成を組み合わせて、光源ユニット1を製造する方法の一例について説明する。
【0068】
まず、ケース5の下側の開口59から、ケース5内に、左右一対の第1導光体42と第2導光体43を挿入する。左右一対の第1導光体42のそれぞれは、突起424をケース5の凹部502に挿入することで、左右方向の位置ずれが規制される。
【0069】
次いで、ケース5の左右の側壁53のそれぞれに、基板30の第1部分33の外周部分330aを当て、基板30をケース5の4つの保持片54で支持する。
【0070】
次いで、ケース5の左右の側壁53のそれぞれに、保持部材6を取り付ける。保持部材6をケース5に取り付けることで、保持部材6の保持片62とケース5の側壁53とで基板30の第1部分33が挟まれて保持される。またこのとき、左右の保持部材6の下側の取付片61の爪部610によって、導光部材4の第2導光体43の左右の突起432が下側から支持され、これにより、導光部材4がケース5内に位置決めされる。
【0071】
基板30の第1部分33がケース5と保持部材6とで挟まれて保持された状態で、発光ダイオード2と基板30の第1面330の発光ダイオード2を囲む部分330cは、側壁53の開口58内に収まって、ケース5に覆われて保護される。
【0072】
基板30の第1部分33がケース5と保持部材6とで挟まれて保持された状態で、基板30の第2部分34(
図2A参照)は、ケース5よりも外側(後側)に位置して露出する。これにより、第2部分34に実装された電源用の端子8(
図1A参照)が、光源ユニット1の外部の電源装置に対して機械的かつ電気的に接続しやすい。
【0073】
(3)光源ユニットの作用効果
以上説明した光源ユニット1では、光源部3及びホルダ(ケース5と保持部材6)の少なくとも1つは、第1通過部(開口58)及び第2通過部(開口59)とは異なる、第3通過部(孔7a又は空間7b)を有する。
【0074】
ここで、発光ダイオード2から出射された光のうち、直接または間接的に、第1面330の発光ダイオード2を囲む部分330cに入射した光の一部は、孔7aを通過して空間7bへ出ていく。そのため、本実施形態の光源ユニット1では、導光部材4の入射面40に入射する光の量を低減することができる。
【0075】
さらに、本実施形態の光源ユニット1は、基板30の第2面331側に、光源ユニット1の外部空間と連続する空間7bを有している。そのため、孔7aを通過して第2面331側に逃げた光を、空間7bを介して光源ユニット1の外部空間へ逃がすことができる。そのため、第2面331側へ逃げた光のうち、孔7aを通過して第1面330側(空間SP1)へ戻る光の割合を低減することができる。すなわち、本実施形態の光源ユニット1は、空間7bを有することにより、導光部材4の入射面40に入射する光の量を低減することができる。
【0076】
また、本実施形態の光源ユニット1では、部分330cにおける低反射部31と複数の高反射部32の割合を、発光ダイオード2の発光効率に合わせて変えることができ、光源ユニット1の出射光を一定量確保しやすい。
【0077】
(4)表示装置
続いて、上述した光源ユニット1を備える表示装置100の一例について説明する。
【0078】
図5及び
図6A,Bに示すように、表示装置100は、光源ユニット1と、導光板9と、表示パネル10と、を備える。本実施形態では、表示装置100は更に、光源ユニット1を収容する外ケース11と、導光板9及び表示パネル10を支持するパネルケース12と、光源ユニット1を発光させるための各種の電気機器が収容される筐体13と、を備える。各種の電気機器は、例えば、端子台14と電源装置15と制御装置16である。表示装置100は、例えば避難誘導用の誘導灯として用いられる。
【0079】
導光板9は、矩形板状であり、前後方向に厚みを有する。導光板9は、上面が、光源ユニット1からの光が入射される入射面90であり、前面が、導光板9の内部に入射された光が出射される出射面91である。導光板9は、樹脂成型品であり、例えばアクリル樹脂で形成されている。
【0080】
導光板9の後面には、前面の全体から光が略均一に出射されるように、光を反射及び拡散させる拡散機能が付与されている。拡散機能は、後面自体に凹凸状の拡散パターンを形成することによって付与してもよいし、拡散機能を有する他の部材(パネルケース12等)を後面に積層することで付与してもよい。
【0081】
表示パネル10は、樹脂成型品であり、例えばアクリル樹脂で形成されている。表示パネル10の前面には、人物を模したピクトグラムで構成された表示パターン17が付されている。表示パターン17は、印刷等の適宜手段によって、表示パネル10の前面に形成されている。
【0082】
パネルケース12は、重なった状態の導光板9及び表示パネル10を支持するケースである。パネルケース12は、例えば樹脂成型品である。パネルケース12は、透光性を有さない。パネルケース12は、上面及び前面が開口した、前後方向に厚みを有する矩形の箱型である。パネルケース12の後面には、筐体13への取り付けに用いられる取付部120が設けられている。
【0083】
外ケース11は、後面及び下面が開口した、左右方向に長尺な矩形の箱型である。外ケース11は、例えば樹脂成型品である。外ケース11は、透光性を有さない。外ケース11の後面には、筐体13への取り付けに用いられる取付部110が設けられている。外ケース11には、光源ユニット1が着脱可能に収容される。
【0084】
筐体13は、前面が開口した、矩形の箱型である。筐体13には、パネルケース12の取付部120が取り付けられる被取付部130と、外ケース11の取付部110が取り付けられる被取付部131とが設けられている。筐体13に、パネルケース12と外ケース11が取り付けられることで、筐体13の前面の開口の全体が塞がれる。
【0085】
端子台14は、外部電源に接続された電気配線が接続される装置である。電源装置15は、光源ユニット1の発光ダイオード2(
図1A参照)に電力を供給する装置である。電源装置15は、蓄電池を含む。電源装置15は、端子台14に電気的に接続されている。電源装置15は、電気配線を介してソケット18に電気的に接続されている。ソケット18は、筐体13内に左右一対に設けられている。光源ユニット1を収容した状態の外ケース11を、筐体13に取り付けることによって、光源ユニット1の基板30の第2部分34が、ソケット18に差し込まれる。これにより、光源部3における基板30の電源用の端子8(
図1A参照)とソケット18とが電気的に接続されて、発光ダイオード2に、所定の大きさの電力が供給される。
【0086】
制御装置16は、光源ユニット1の発光ダイオード2の点灯・消灯を制御するための装置である。制御装置16は、回路基板と、その上に実装されて、制御回路を構成する回路部品とを有する。制御装置16は、光源部3の発光ダイオード2に対して電気的に接続される。
【0087】
以上説明した表示装置100では、光源ユニット1の出射面41から出射された光が、導光板9の入射面90に入射し、この光が導光板9の後面で反射して導光板9の出射面91(前面)から出射されることで、表示パネル10を発光させることができる。
【0088】
また、表示装置100では、上述のように光源ユニット1の出射面41からの出射光を低減(調整)することができるため、表示パネル10を所望の輝度で安定して発光させることができる。これにより、表示装置100では、誘導灯として必要な所定の範囲の輝度を確保しやすい。
【0089】
また、表示装置100では、発光ダイオード2の寿命により光源ユニット1を交換する際に、発光効率の向上した発光ダイオード2を備える新たな光源ユニット1を採用することもできる。この場合、基板30として、部分330cにおける孔7aの割合(数、面積)を上げた基板を用いる。これにより、以前の光源ユニット1と同様の光量で発光ダイオード2を発光させることができ、表示装置100の輝度を、誘導灯として必要な所定の範囲に収めることができる。
【0090】
(5)変形例
以上説明した本実施形態の光源ユニット1及び表示装置100は、下記の変形例を採用可能である。
【0091】
光源ユニット1は、誘導灯の光源に限らず、避難誘導のための電灯(非常灯)の光源として用いてもよいし、各種の標識や広告を表示するための電灯の光源として用いてもよい。
【0092】
また、光源ユニット1は、
図2Aに示す光源ユニット1の右半部または左半部のみで構成される構造であってもよい。
【0093】
なお、孔7aの大きさ、数、位置、及び形状は適宜変更可能である。本実施形態とは異なり、孔7aの数は2つに限られるものではなく、1つ以上であればよい。また、孔7aは、基板30の内部分330bの範囲内であればどこに配置されていてもよい。また、本実施形態の孔7aは丸形状であるが、孔7aは、楕円形状や多角形状であっても構わない。すなわち、孔7aの数、位置、及び形状は、孔7aを通過させたい光の量に応じて調整可能である。本実施形態の光源ユニット1は、発光ダイオード2の発光効率に合わせて光を逃がす量を調整することができるため、出射光を一定量確保しやすい。
【0094】
また、基板30は、第3通過部7の一部としての孔7aの代わりに、基板30の一部が光を透過させる部材で形成されていてもよい。光を透過させる部材とは、例えば透明なアクリル樹脂などの透光性を有する部材である。透光性を有する部材であれば、当該部材の透過率を変更することで、出射面41から出射される光の量を安定させやすくなる。
【0095】
(第2実施形態)
図7A,Bに示すように、本実施形態に係る光源ユニット1は、ケース5が導光部材4を覆う部分の一部に第3通過部7としての孔7cを有する点で、第1実施形態に係る光源ユニット1と相違する。以下、第1実施形態と同様の要素については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0096】
(1)構成
本実施形態のケース5は、導光部材4を囲う部分の一部である上壁50に、第3通過部7としての複数(図示例では10個)の孔7cを有する。ここで、ケース5における導光部材4を囲う部分とは、上壁50、前壁51、後壁52、及び一対の側壁53(
図1A参照)のことをいう。
【0097】
各孔7cは、導光部材4の上面421で上側に屈折した光を、光源ユニット1の外部へ逃がすための開口である。発光ダイオード2から出射された光の一部は、導光部材4の入射面40へ入射した後に、導光部材4の上面421で上側に屈折されるなどして、導光部材4の上側の領域へ出射される。
【0098】
(2)効果
本実施形態の光源ユニット1は、ケース5の上壁50に複数の孔7cを有する。各孔7cは、導光部材4の上側の領域に出射された光を、光源ユニット1の外部へ逃がすことで、ケース5の上壁50で反射して導光部材4に戻る光を低減する。そのため、本実施形態の光源ユニット1は、所定範囲の輝度を必要とする誘導灯の光源として利用しやすい。
【0099】
(3)変形例
なお、孔7cの大きさ、数、位置、及び形状は、孔7cを通過させたい光の量に応じて適宜変更可能である。孔7cの数は10個に限られるものではなく、1つ以上であればよい。また、孔7cは、ケース5の上壁50の範囲内であればどこに配置されていてもよい。また、本実施形態の孔7cは丸形状であるが、孔7cは、楕円形状や多角形状であっても構わない。例えば、ケース5は、第3通過部7として、矩形状の孔7d(
図8参照)を有していてもよい。すなわち、孔7c(孔7d)の数、位置、及び形状は、孔7cを通過させたい光の量に応じて調整可能である。本実施形態の光源ユニット1は、発光ダイオード2の発光効率に合わせて光を逃がす量を調整することができるため、出射光を一定量確保しやすい。
【0100】
また、ケース5は、第3通過部7の一部としての孔7c(孔7d)の代わりに、ケース5の一部が光を透過させる部材で形成されていてもよい。光を透過させる部材とは、例えば透明なアクリル樹脂などの透光性を有する部材である。透光性を有する部材であれば、当該部材の透過率を変更することで、出射面41から出射される光の量を安定させやすくなる。
【0101】
第2実施形態で説明した種々の構成(変形例を含む)は、第1実施形態で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0102】
(第3実施形態)
図9に示すように、本実施形態に係る光源ユニット1は、導光部材4の入射面40が、入射される光を反射させる方向が互いに異なる第1入射面401と複数(図例では2つ)の第2入射面402とを有する点で、上記実施形態に係る光源ユニット1と相違する。以下、第1実施形態又は第2実施形態と同様の要素については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0103】
(1)構成
本実施形態の第1導光体42は、第1入射面401と2つの第2入射面402とを有する。第1入射面401は、第1又は第2実施形態における入射面40と同様に、左右方向に直交する平面である。
【0104】
2つの第2入射面402は、第2入射面402の垂線が斜め上方向を向く平面であり、面の垂線が左右方向を向く第1入射面401とは面の向く方向が異なる。
【0105】
(2)効果
第2入射面402は、第2入射面402の垂線が斜め上を向くため、図例の矢印AR1のように左右方向を向く光が第2入射面402に入射した場合、光の一部は矢印AR2のように上向きに反射する。そのため、本実施形態の光源ユニット1は、第1導光体42内に導光される光の量を低減することができる。すなわち、出射面41(
図1A参照)から出射される光の量を低減することができる。
【0106】
(3)変形例
本実施形態の第2入射面402は、入射される光を上側に反射させやすい。そのため、第2実施形態で説明したケース5のように、ケース5が上壁50に孔7c(孔7d)を有していることが好ましい(
図7,8参照)。この場合、第2入射面402で上側に反射した光は、ケース5の上壁50に設けられた孔7c(孔7d)を通過して光源ユニット1の外部へ出射される。ケース5の上壁50で反射して導光部材4に再入射する光を低減することで、出射面41から出射される光の量をより低減することができる。
【0107】
第3実施形態で説明した種々の構成(変形例を含む)は、第1実施形態又は第2実施形態で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0108】
(第4実施形態)
図10に示すように、本実施形態に係る表示装置100は、外ケース11及び筐体13の少なくとも1つが、光源ユニット1の第3通過部7(
図1A参照)から出射される光を表示装置100の外部へ出射する点で、上記実施形態に係る表示装置100と相違する。
【0109】
(1)構成
本実施形態の表示装置100の外ケース11は、複数の開口部19aと、複数の開口部19bとを有している。複数の開口部19aは、外ケース11の前面111に形成されている。また、複数の開口部19bは、外ケース11の上面112に形成されている。以下の説明において開口部19aと開口部19bを区別しない場合、単に開口部19という。
【0110】
(2)効果
開口部19は、第3通過部7を通過して光源ユニット1の外部へ逃げた光を、表示装置100の外部へ出射する。そのため、表示装置100の内部で反射することで光源ユニット1の内部に戻り、導光部材4に入射する光を低減することができる。その結果、導光部材4の出射面41から出射される光を低減しやすくなる。
【0111】
(3)変形例
開口部19の配置、大きさ、及び形状等は、デザイン性が考慮されたものであってもよい。開口部19は、光が出射する部位であり、人の注意を惹きやすいためである。また、開口部19から出射される光が、例えば天井や壁等に出射される場合には、デザイン性のある光が天井や壁等に出射されることになる。開口部19から出射される光を、人の注意を惹きやすいようにすることで、光源ユニット1から逃がした光を有効活用することができる。
【0112】
本実施形態では、外ケース11に開口部19が設けられている場合を例示したが、筐体13に開口部19が設けられていてもよい。開口部19は、第3通過部7を通過して光源ユニット1から外部に出た光を表示装置100の外部へ出射できる箇所であって、表示パネル10の輝度に影響を及ぼさない箇所であればどこに設けられてもよい。
【0113】
第4実施形態で説明した種々の構成(変形例を含む)は、第1実施形態から第3実施形態のいずれかで説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0114】
以上、本開示に関する幾つか実施形態について説明した。上記各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0115】
(まとめ)
以上説明したように、第1の形態に係る光源ユニット(1)は、光源部(3)と、導光部材(4)と、ホルダ(ケース5と保持部材6)とを備える。光源部(3)は、光を出射する光源(発光ダイオード2)を有する。導光部材(4)は、光源(発光ダイオード2)から出射された光が入射される入射面(40)、及び入射面(40)に入射された光を出射する出射面(41)を有する。ホルダ(ケース5と保持部材6)は、光源(発光ダイオード2)が入射面(40)に対向するように導光部材(4)及び光源部(3)を収容する。また、ホルダ(ケース5と保持部材6)は、第1通過部(開口58)と第2通過部(開口59)とを有する。第1通過部(開口58)は、光源(発光ダイオード2)と入射面(40)との間で光を通過させる。第2通過部(開口59)は、出射面(41)から出射される光を通過させる。光源部(3)及びホルダ(ケース5と保持部材6)の少なくとも1つは、第1通過部(開口58)及び第2通過部(開口59)とは異なる、第3通過部(7)を有する。第3通過部(7)は、光源(発光ダイオード2)から出射される光の一部を通過させる。
【0116】
この態様によれば、第3通過部(7)から光を出射することで、出射面(41)から出射される光(第2通過部(開口59)を通過する光)の量を低減(調整)することができる。これにより、光源ユニット(1)は、輝度が所定範囲内であることが必要とされる誘導灯のような機器において有効に活用することができる。
【0117】
第2の形態に係る光源ユニット(1)では、第1の態様において、光源部(3)は、光源(発光ダイオード2)が実装された基板(30)を更に有する。基板(30)は、第3通過部(7)として孔(7a)を有する。
【0118】
この態様によれば、入射面(40)で反射される光の一部を、基板(30)に設けられている孔(7a)から基板(30)の裏側へ出射することで、出射面(41)から出射される光の量を低減することができる。
【0119】
第3の形態に係る光源ユニット(1)では、第2の態様において、ホルダ(ケース5と保持部材6)は第3通過部(7)を有する。第3通過部(7)は、基板(30)において光源(発光ダイオード2)が実装されていない側の面(331)との間に形成されており、孔(7a)を通過する光を通過させる空間(7b)である。
【0120】
この態様によれば、基板(30)の孔(7a)を通過して基板(30)の裏側に出た光を、基板(30)の表側(光源がある側)に戻りにくくすることができる。これにより、出射面(41)から出射される光の量を低減することができる。
【0121】
第4の形態に係る光源ユニット(1)では、第1の態様において、ホルダ(ケース5と保持部材6)は、第3通過部(7)を有する。第3通過部(7)は、ホルダのうち導光部材(4)を覆う部分の一部に設けられている。
【0122】
この態様によれば、導光部材(4)に入射した光の一部を、導光部材(4)を覆う部分の一部に設けられた第3通過部(7)から出射することで、出射面(41)から出射される光の量を低減することができる。
【0123】
第5の形態に係る光源ユニット(1)では、第4の態様において、第3通過部(7)は開口である。
【0124】
この態様によれば、第3通過部(7)が開口であるため、開口を通して光を効率的に出射することができる。
【0125】
第6の形態に係る光源ユニット(1)では、第1から4のいずれかの態様において、第3通過部(7)は、光が透過する部材を少なくとも有する。
【0126】
この態様によれば、光が透過する部材の透過率を変更することで、出射する光の量をより調整しやすくなる。
【0127】
第7の形態に係る光源ユニット(1)では、第1から6のいずれかの態様において、光源部(3)は、光源(3)が実装された基板(30)を更に有する。基板(30)は、基板(30)における他の領域より光の反射率が低い低反射部(31)を有する。
【0128】
この態様によれば、低反射部(31)が光を吸収することで出射面(41)から出射される光の量を低減することができる。
【0129】
第8の形態に係る光源ユニット(1)では、第1から7のいずれかの態様において、入射面(40)は、入射される光を反射させる方向が互いに異なる第1入射面(401)と第2入射面(402)とを有する。
【0130】
この態様によれば、入射面(40)に入射する光の反射方向を調整することで、出射面(41)から出射される光の量を調整することができる。
【0131】
第1の態様以外の構成については、光源ユニット(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0132】
第9の形態に係る表示装置(100)は、第1から8のいずれかの態様の光源ユニット(1)と、導光板(9)と、表示パネル(10)とを備える。導光板(9)は、光源ユニット(1)における導光部材(4)の出射面(41)から出射された光が入射される第1面(入射面90)と、第1面(入射面90)に入射された光を出射する第2面(出射面91)とを有する。表示パネル(10)は、透光性を有し、導光板(9)の第2面(出射面91)に対向して位置する。
【0133】
この態様によれば、光源ユニット(1)の出射面(41)からの出射光が安定しやすく、表示パネル(10)の輝度を所定の輝度としやすい。
【0134】
第10の形態に係る表示装置(100)は、第9の態様において、外ケース(11)と、筐体(13)とを更に備える。外ケース(11)は、出射面(41)が露出した状態で光源ユニット(1)を収容する。筐体(13)は、出射面(41)から出射された光が導光板(9)に入射する状態で、外ケース(11)、光源ユニット(1)、導光板(9)、及び表示パネル(10)が取り付けられる。
【0135】
この態様によれば、第3通過部(7)から出射される光を、表示装置(100)の外部へ出射することにより、第3通過部(7)から出射された光が光源ユニット(1)の内部や導光板(9)に入射することを防ぐことができる。
【0136】
第9の態様以外の構成については、表示装置(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 光源ユニット
2 発光ダイオード(光源)
3 光源部
7 第3通過部
7a 孔(3通過部)
7b 空間(第3通過部)
7c 孔(第3通過部)
7d 孔(第3通過部)
9 導光板
10 表示パネル
11 外ケース
13 筐体
30 基板
31 低反射部
4 導光部材
40 入射面
41 出射面
58 開口(第1通過部)
59 開口(第2通過部)
90 入射面(第1面)
91 出射面(第2面)
100 表示装置
401 第1入射面
402 第2入射面