IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アプリケーションプラネットの特許一覧 ▶ 深▲セン▼市波普生活科技有限公司の特許一覧

特許7462277施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ
<>
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図1
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図2
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図3
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図4
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図5
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図6
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図7
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図8
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図9
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図10
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図11
  • 特許-施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】施錠装置の外側ドアハンドル交換方法、電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20240329BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240329BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240329BHJP
【FI】
E05B1/00 311H
E05B49/00 B
E05B49/00 K
E05B49/00 S
G06Q30/0601 320
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021156379
(22)【出願日】2021-09-27
(65)【公開番号】P2023047454
(43)【公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】510210793
【氏名又は名称】株式会社アプリケーションプラネット
(73)【特許権者】
【識別番号】521421067
【氏名又は名称】深▲セン▼市波普生活科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100148714
【弁理士】
【氏名又は名称】川浪 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100092668
【弁理士】
【氏名又は名称】川浪 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100154232
【弁理士】
【氏名又は名称】幸田 京子
(72)【発明者】
【氏名】備前 直樹
(72)【発明者】
【氏名】王 躍
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-71914(JP,A)
【文献】特開2018-16995(JP,A)
【文献】実開平7-38490(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第111852187(CN,A)
【文献】特開2004-21296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00- 3/10
E05B 49/00-49/04
G06Q 30/00-30/08
G06Q 50/08
G06Q 50/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項6】
ユーザが把持して回転操作を行うドアレバー又はドアノブを構成する把持部と、
前記把持部に固定される回転軸部と、
前記回転軸部を回転可能に支持する固定部と、
ドアの共通回転軸部及び前記回転軸部に連結する軸部アタッチメントと
を有する電子式ドアハンドルであって、
さらに、前記ドアハンドルは、
前記把持部と前記軸部アタッチメントとの間に配置されたクラッチ装置と、
前記クラッチ装置の接続及び非接続を制御するクラッチ制御部と、
ユーザ認証用のユーザ入力を受け付けるユーザ入力部と、
前記ユーザ入力に基づいてユーザ認証を行う認証部と
を備え、
前記クラッチ制御部は、
前記認証部による前記ユーザ認証が不成立の場合、前記クラッチ装置を非接続状態とし、
前記認証部による前記ユーザ認証が成立した場合、前記クラッチ装置を接続状態と
前記ドアハンドルは、前記ドアレバーであり、
前記ユーザ入力部は、
ドアに向かって見た際、前記ドアレバーの根元が左側に、先端が右側にあるとき、前 記ドアレバーの上側に位置する第1タッチパネルと、
前記ドアに向かって見た際、前記ドアレバーの根元が右側に、先端が左側にあるとき 、前記ドアレバーの上側に位置する第2タッチパネルと
を有する
ことを特徴とする電子式ドアハンドル。
【請求項7】
請求項6に記載の電子式ドアハンドルであって、
前記ドアハンドルは、前記ドアレバーであり、
前記ドアレバーの内部には、
電池を収納する電池収納部と、
前記電池から電力が供給されて前記ユーザ認証を行う電子回路基板と
が配置される
ことを特徴とする電子式ドアハンドル。
【請求項8】
ドアハンドルの電子商取引を管理する電子商取引管理サーバであって、
前記電子商取引管理サーバは、
ユーザが現在利用しているドアハンドルの仕様にかかわらず新たなドアハンドルに共 通する前記ドアハンドルの部位である共通部と、
前記ユーザが現在利用しているドアハンドルの仕様に応じて選択される前記新たなド アハンドルの部位である選択部と
を記憶したドアハンドルデータベースを有し、
さらに、前記電子商取引管理サーバは、
ユーザ端末から前記新たなドアハンドルの受注指令を受け付ける受注ステップと、
出荷管理端末に対して前記新たなドアハンドルの仕様を通知する出荷要求ステップと
を実行し、
前記受注ステップでは、受注する前記新たなドアハンドル、及び前記ユーザが現在利用 しているドアハンドルの仕様の情報を受け付け、
前記出荷要求ステップでは、前記ユーザが現在利用しているドアハンドルの仕様に応じ て、前記ドアハンドルデータベースを用いて前記選択部を選択して前記出荷管理端末に通 知する
ことを特徴とする電子商取引管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住居等のドアに用いられる施錠装置における非電子式の外側ドアハンドルを電子式の外側ドアハンドルに交換する交換方法、並びに電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、住居等のドアでは、ドアの外側及び内側の両方にハンドル(ドアレバー、ドアノブ等)を有する施錠装置が設けられる(例えば特許文献1の図1、特許文献2の図1)。そのような施錠装置では、外側ドアハンドル又は内側ドアハンドルの回転動作のいずれによってもドアの開状態と閉状態を切り替えるロック機構がドアの内部に設けられる(例えば特許文献1の図2)。このように外側ドアハンドル又は内側ドアハンドルの回転動作のいずれによってもドアの開状態と閉状態を切り替えるため、ロック機構では、外側ドアハンドルの回転軸及び内側ドアハンドルの回転軸が共通している。換言すると、外側ドアハンドル及び内側ドアハンドルは、共通する回転軸を有している(例えば、特許文献1の図1及び図3、特許文献2の図1)。
【0003】
共通の回転軸を有する外側ドアハンドルと内側ドアハンドルは、それぞれの座板がドアを介して連結されることがある。例えば、ドアには、回転軸用貫通孔の周囲に2つの周囲貫通孔が設けられる(特許文献1の図1、特許文献2の図1)。そして、外側座板及び内側座板の一方(例えば特許文献2の図1の符号7)には、周辺貫通孔に挿通される2つの棒状部(例えば特許文献2の図1の符号8)が設けられる。また、棒状部の先端には、締結部材(例えば特許文献2の図1の符号13)が締結される締結穴が形成される。一方、外側座板又は内側座板の他方(例えば特許文献2の図1の符号12)には、棒状部の位置に対応して配置され締結部材が挿入される締結部材用貫通孔が形成される。このような構成を用いることで、外側ドアハンドル及び内側ドアハンドルの回転位置が調整される。
【0004】
ところで、最近の情報技術(IT: Information Technology)の発展により、施錠装置の電子化(換言すると、電子式施錠装置の導入)が進んでいる(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-051138号公報
【文献】特開2017-008686号公報
【文献】特開2015-226238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、施錠装置の電子化(換言すると、電子式施錠装置の導入)が進んでいる(例えば特許文献3)。従来の電子式施錠装置は、非電子式施錠装置との互換性が考慮されていなかった。そのため、従来の電子式施錠装置をドアに設置するため(又は非電子式施錠装置を電子式施錠装置に交換するため)には、比較的手間が多かった。
【0007】
また、回転軸用貫通孔(中央貫通孔)及び周囲貫通孔の位置や大きさは、ドア又はロック機構の仕様に応じて複数種類が存在する。この点に鑑みれば、非電子式施錠装置同士の交換又は電子式施錠装置同士の交換における互換性の検討が十分とは言えなかった。
【0008】
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、非電子式施錠装置から電子式施錠装置への交換等を簡易に行うことが可能な交換方法、並びにそのような交換方法に適した電子式ドアハンドル及び電子商取引管理サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る交換方法は、ドアの外側に配置される外側ドアハンドルと、前記ドアの内側に配置される内側ドアハンドルと、前記ドアの内部に配置されて前記外側ドアハンドル又は前記内側ドアハンドルの回転操作に応じて前記ドアの開状態と閉状態を切り替えるロック機構とを有する施錠装置について、非電子式の外側ドアハンドルの一部又は全部を電子式の外側ドアハンドルに交換する交換方法であって、
前記ロック機構は、前記外側ドアハンドル及び前記内側ドアハンドルに連結されて前記ドアのハンドル用中央貫通孔に挿通される共通回転軸部を備え、
前記外側ドアハンドルは、前記ドアに面して配置される外側座板を備え、
前記内側ドアハンドルは、前記ドアに面して配置される内側座板を備え、
前記外側座板又は前記内側座板の一方には、前記ドアの周辺貫通孔に挿通される少なくとも1つの棒状部が設けられ、前記棒状部の先端には、第1締結部材が締結される締結穴が形成され、
前記外側座板又は前記内側座板の他方には、前記棒状部の位置に対応して配置され前記第1締結部材が挿入される第1締結部材用貫通孔が形成され、
前記電子式の外側ドアハンドルは、
交換前の前記施錠装置の仕様にかかわらず共通する共通部と、
交換前の前記施錠装置の仕様に応じて選択される選択部と
を有し、
前記共通部は、
ユーザが把持して前記回転操作を行う外側ドアレバー又は外側ドアノブを構成する把持部と、
前記把持部に固定される外側回転軸部と、
前記共通回転軸部及び前記外側回転軸部に連結する軸部アタッチメントと、
前記外側回転軸部を回転可能に支持する固定部と
を有し、
前記固定部は、外側筒状部材を含み、
前記選択部は、前記外側座板を含み、
前記外側筒状部材には、交換前の前記施錠装置の仕様に応じた複数種類の前記外側座板に共通する座板取付部が設けられ、
前記非電子式の外側ドアハンドルを前記電子式の外側ドアハンドルに交換するに際し、前記交換方法は、
交換前の前記施錠装置に対応する前記選択部としての前記外側座板を選択して前記外側筒状部材に取り付けるステップと、
前記外側座板を前記外側筒状部材に取り付けた状態で、前記外側筒状部材を前記ドアに固定することで前記共通部を前記ドアに取り付けるステップと
を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、非電子式の外側ドアハンドルと交換するための電子式の外側ドアハンドルを、交換前の施錠装置(ロック機構、内側ドアハンドル又は非電子式の外側ドアハンドル)の仕様にかかわらず共通の共通部と、交換前の施錠装置の仕様に応じて選択される選択部とに分ける。また、選択部には、交換前の施錠装置の仕様に応じた外側座板を含む一方、共通部には、複数種類の外側座板に共通の座板取付部が設けられた外側筒状部材を含む。これにより、比較的簡易な構成により、電子式の外側ドアハンドルを、複数種類の施錠装置(又はドア)に適用することが可能となる。
【0011】
前記電子式の外側ドアハンドルは、前記把持部と前記軸部アタッチメントとの間に配置されたクラッチ装置と、前記クラッチ装置の接続及び非接続を制御するクラッチ制御部と、ユーザ認証用のユーザ入力を受け付けるユーザ入力部と、前記ユーザ入力に基づいてユーザ認証を行う認証部とを備えてもよい。また、前記クラッチ制御部は、前記認証部による前記ユーザ認証が不成立の場合、前記クラッチ装置を非接続状態とし、前記認証部による前記ユーザ認証が成立した場合、前記クラッチ装置を接続状態としてもよい。
【0012】
これにより、ユーザ認証が不成立の場合、クラッチ装置が非接続状態となることで、ユーザが把持部を回転させても把持部は空転してドアを開くことができなくなる。また、ユーザ認証が成立した場合、クラッチ装置が接続状態となることで、ユーザが把持部を回転させる際の回転力は、共通回転軸部及びロック機構に伝達されてドアを開くことができる。従って、外側ドアハンドルの動作のみでドアの解錠又は施錠を制御可能となる。
【0013】
前記電子式の外側ドアハンドルが前記外側ドアレバーである場合、前記外側ドアレバーは、前記ドアに向かって見た際、前記外側ドアレバーの根元が左側に、先端が右側にあるとき、前記外側ドアレバーの上側に位置する第1タッチパネルと、前記ドアに向かって見た際、前記外側ドアレバーの根元が右側に、先端が左側にあるとき、前記外側ドアレバーの上側に位置する第2タッチパネルとを有してもよい。これにより、非電子式の外側ドアハンドル(外側ドアレバー)の向きに依存しない共通部を設けることで、電子式の外側ドアハンドル(外側ドアレバー)の交換が容易となる。
【0014】
前記電子式の外側ドアハンドルが前記外側ドアレバーである場合、前記外側ドアレバーの内部には、電池を収納する電池収納部と、前記電池から電力が供給されて電子制御を行う電子回路基板とが配置されてもよい。これにより、外側ドアレバー以外の部分に電池収納部又は電子回路基板を配置する必要がなくなり、コンパクトな構成を実現可能となる。
【0015】
前記交換方法は、ユーザ端末から管理サーバに対して前記電子式の外側ドアハンドルの発注情報を送信する発注ステップと、前記管理サーバから出荷管理端末に対して前記電子式の外側ドアハンドルの仕様を通知する出荷要求ステップと、前記出荷要求ステップで指定された仕様の前記電子式の外側ドアハンドルを前記出荷管理端末で表示する出荷内容表示ステップとをさらに備えてもよい。また、前記発注ステップでは、前記ユーザ端末から前記管理サーバに対して、発注する前記電子式の外側ドアハンドル、及びユーザが現在利用している前記施錠装置の仕様の情報を送信してもよい。さらに、前記出荷要求ステップでは、前記管理サーバは、前記ユーザが現在利用している前記施錠装置の仕様に応じて前記選択部を選択して前記出荷管理端末に通知してもよい。これにより、ユーザには、ユーザが現在利用している施錠装置の仕様に応じた1種類の外側座板のみが配送されることとなる。従って、複数種類の外側座板をユーザに配送する場合と比較して、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0016】
本発明に係る電子式ドアハンドルは、
ユーザが把持して回転操作を行うドアレバー又はドアノブを構成する把持部と、
前記把持部に固定される回転軸部と、
前記回転軸部を回転可能に支持する固定部と、
ドアの共通回転軸部及び前記回転軸部に連結する軸部アタッチメントと
を有するものであって、
さらに、前記ドアハンドルは、
前記把持部と前記軸部アタッチメントとの間に配置されたクラッチ装置と、
前記クラッチ装置の接続及び非接続を制御するクラッチ制御部と、
ユーザ認証用のユーザ入力を受け付けるユーザ入力部と、
前記ユーザ入力に基づいてユーザ認証を行う認証部と
を備え、
前記クラッチ制御部は、
前記認証部による前記ユーザ認証が不成立の場合、前記クラッチ装置を非接続状態とし、
前記認証部による前記ユーザ認証が成立した場合、前記クラッチ装置を接続状態とする
ことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る電子商取引管理サーバは、ドアハンドルの電子商取引を管理するものであって、
前記電子商取引管理サーバは、
ユーザが現在利用しているドアハンドルの仕様にかかわらず新たなドアハンドルに共通する前記新たなドアハンドルの部位である共通部と、
前記ユーザが現在利用しているドアハンドルの仕様に応じて選択される前記新たなドアハンドルの部位である選択部と
を記憶したドアハンドルデータベースを有し、
さらに、前記電子商取引管理サーバは、
ユーザ端末から前記新たなドアハンドルの受注指令を受け付ける受注ステップと、
出荷管理端末に対して前記新たなドアハンドルの仕様を通知する出荷要求ステップと
を実行し、
前記受注ステップでは、受注する前記新たなドアハンドル、及び前記ユーザが現在利用しているドアハンドルの仕様の情報を受け付け、
前記出荷要求ステップでは、前記ユーザが現在利用しているドアハンドルの仕様に応じて、前記ドアハンドルデータベースを用いて前記選択部を選択して前記出荷管理端末に通知する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、非電子式施錠装置から電子式施錠装置への交換等を簡易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る電子商取引システムの概略構成図である。
図2】前記実施形態における電子式外側ドアハンドル及びその周辺を示す斜視図である。
図3図2の前記電子式外側ドアハンドル及び非電子式内側ドアハンドルをドアから離した状態を示す斜視図である。
図4】前記実施形態における前記非電子式内側ドアハンドル及びその周辺を示す斜視図である。
図5】前記実施形態に係る前記電子式外側ドアハンドルの分解斜視図である。
図6】前記実施形態の第1タッチパネルの分解斜視図である。
図7】前記実施形態のクラッチ装置の分解斜視図である。
図8】前記実施形態に係る施錠装置の制御系の簡略的な構成を示す図である。
図9】前記実施形態に係る前記非電子式内側ドアハンドルの分解斜視図である。
図10】前記実施形態において電子式施錠装置(電子式外側ドアハンドル)を受発注する際の流れを示す図である。
図11】前記実施形態において前記電子式施錠装置(電子式外側ドアハンドル)を組み立てる際の一状態を示す図である。
図12】前記実施形態において前記電子式施錠装置をドアに取り付ける際の一状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
A.一実施形態
<A-1.本実施形態の構成>
[A-1-1.電子商取引システム10]
図1は、本発明の一実施形態に係る電子商取引システム10の概略構成図である。電子商取引システム10(以下「システム10」ともいう。)は、電子商取引を行うシステムであり、顧客端末100と、電子商取引管理サーバ110(以下「取引サーバ110」ともいう。)と、出荷管理端末120とを有する。顧客端末100、取引サーバ110及び出荷管理端末120は、インターネット等の通信ネットワーク130を介して互いに通信可能である。通信ネットワーク130は、例えば、Wi-Fi、3G、4G又は5G等を用いることができる。
【0021】
システム10では、ユーザ(顧客)の操作に応じて顧客端末100から取引サーバ110に対して電子式施錠装置20の発注が行われる。取引サーバ110は、当該発注に基づいて電子式施錠装置20を特定して出荷管理端末120に出荷指令を送信する。出荷管理端末120は、取引サーバ110から受信した出荷指令を表示装置122に出力する。出荷指令を見た物流倉庫124の作業者は、出荷指令で指定された電子式施錠装置20をユーザに向けて発送する。発送された電子式施錠装置20は、物流網140(配送車142等)を介してユーザに配送される。
【0022】
顧客端末100は、ユーザ(顧客)の操作に応じて発注情報を取引サーバ110に送信する。顧客端末100は、汎用的な情報端末であり、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)、スマートホン又はタブレット端末を用いることができる。顧客端末100は、図示しない入出力装置、通信装置、演算装置、記憶装置等を有する。
【0023】
取引サーバ110は、電子式施錠装置20の電子商取引を管理する。取引サーバ110は、受注データベース1100(以下「受注DB1100」という。)と、ドアハンドルデータベース1102(以下「ハンドルDB1102」という。)とを有する。受注DB1100は、電子式施錠装置20の受注データを記憶し、ハンドルDB1102は、外側ドアハンドル30(図2)及び内側ドアハンドル50(図4)のデータを記憶する。
【0024】
取引サーバ110は、汎用的なサーバ用ハードウェアから構成され、図示しない入出力装置、通信装置、演算装置、記憶装置等を有する。取引サーバ110は、1台の物理的サーバのみから構成されてもよく、或いは、複数台の物理的サーバから構成されてもよい。なお、取引サーバ110は、各機能を単一のサーバで行う代わりに、複数台のサーバで行うものであってもよい。取引サーバ110は、商業用クラウドサービスによるものであってもよい。
【0025】
出荷管理端末120は、電子式施錠装置20を保管する物流倉庫124に配置されて取引サーバ110からの出荷指令を表示装置122に出力する。出荷管理端末120は、汎用的な情報端末であり、例えば、一般的なPC、スマートホン又はタブレット端末を用いることができる。出荷管理端末120は、図示しない入出力装置、通信装置、演算装置、記憶装置等を有する。出荷管理端末120に加えてプリンタ(図示せず)を設け、出荷指令を印刷してもよい。
【0026】
本実施形態の電子式施錠装置20は、ユーザが現在用いている非電子式施錠装置20にかかわらず共通である共通部200と、ユーザが現在用いている非電子式施錠装置20に応じた選択部202を含む(詳細は、図5等を参照して後述する。)。そのため、顧客端末100から取引サーバ110への発注において、ユーザが希望する電子式施錠装置20の仕様(型式)が特定されると共に、ユーザが現在用いている非電子式施錠装置20のメーカー及び型式が取引サーバ110に通知される。取引サーバ110は、顧客端末100からの発注に基づいて電子式施錠装置20(共通部200及び選択部202)を特定して、出荷管理端末120に通知する。電子商取引システム10で実行される電子商取引の流れの詳細は、図10を参照して後述する。
【0027】
[A-1-2.電子式施錠装置20]
(A-1-2-1.概要)
図2は、本実施形態における電子式施錠装置20の外側ドアハンドル30及びその周辺を示す斜視図である。図3は、図2の電子式の外側ドアハンドル30及び非電子式の内側ドアハンドル50をドア40から離した状態を示す斜視図である。図4は、本実施形態における非電子式の内側ドアハンドル50及びその周辺を示す斜視図である。本実施形態の交換方法では、外側ドアハンドル30は、電子式のものに交換されるが、内側ドアハンドル50は、顧客が元々有していた非電子式のものがそのまま用いられる。
【0028】
電子式施錠装置20は、電子式の外側ドアハンドル30と、非電子式の内側ドアハンドル50と、ロック機構60とを有する。ロック機構60は、ドア40の内部に配置されて、外側ドアハンドル30又は内側ドアハンドル50の回転操作に応じてドア40の開状態と閉状態を切り替える。
【0029】
図3に示すように、本実施形態のドア40には、ハンドル用中央貫通孔400と、中央貫通孔400の周辺に配置された2つの周辺貫通孔402とが形成されている。中央貫通孔400は、外側ドアハンドル30及び内側ドアハンドル50に共通する回転軸Xを形成するための貫通孔である。周辺貫通孔402は、外側ドアハンドル30の外側座板3506(図5)の棒状部3516を挿通させるためのものである。中央貫通孔400及び周辺貫通孔402の位置、大きさ等の仕様は、ユーザが従来用いていた非電子式の施錠装置20の仕様に応じて設定されている。例えば、2つの周辺貫通孔402の中心間の距離が、34mmのものや44mmのものが存在する。
【0030】
(A-1-2-2.外側ドアハンドル30)
(A-1-2-2-1.概要)
図2に示すように、外側ドアハンドル30は、ドア40の外側に配置され、ユーザにより回転操作が行われる外側ドアレバー300と、外側ドアレバー300を回転可能に支持する外側固定部350とを有する。外側ドアレバー300には、回転軸X上においてロック機構60の共通回転軸部600(図3)が固定される。
【0031】
図5は、本実施形態に係る電子式外側ドアハンドル30の分解斜視図である。図5に示すように、外側ドアレバー300は、外側レバー本体3000と、外側レバーカバー3002と、外側クラッチ装置3004と、外側回転部材3006と、軸部アタッチメント3008と、外側止め輪3010とを有する。外側固定部350は、外側筒状部材3500と、外側カバーパネル3502と、外側リターンスプリング3504と、外側座板3506とを有する。
【0032】
(A-1-2-2-2.外側ドアレバー300)
(A-1-2-2-2-1.外側ドアレバー300の全体構成)
図5に示すように、外側レバー本体3000は、回転軸X方向に延在する外側回転軸部3020と、外側回転軸部3020に対して垂直な外側把持部3022とを有する。外側把持部3022の外側は開口しており、外側レバーカバー3002により覆われる。換言すると、外側レバー本体3000と外側レバーカバー3002により外側把持部3022が形成される。
【0033】
外側把持部3022には、無線アンテナステー3030と、第1タッチパネル3040a及び第2タッチパネル3040bとが設けられる。無線アンテナステー3030は、無線通信(例えばNFC:Near Field Communication)用の無線アンテナが組み込まれている。第1タッチパネル3040aは、ドア40に向かって見た際、外側ドアレバー300の根元が左側に、先端が右側にあるとき、外側ドアレバー300の上側に位置する。第2タッチパネル3040bは、ドア40に向かって見た際、外側ドアレバー300の根元が右側に、先端が左側にあるとき、外側ドアレバー300の上側に位置する。
【0034】
図6は、本実施形態の第1タッチパネル3040aの分解斜視図である。図6に示すように、第1タッチパネル3040aは、デジタルパネル3042と、ガイドボード3044と、接触検出パネル3046とを有する。デジタルパネル3042は、各文字を示す部位である。ガイドボード3044は、各文字に対応して発光素子が配置されている。接触検出パネル3046は、各文字に対応して接触検出素子が配置されている。第2タッチパネル3040bも第1タッチパネル3040aと同様の構成を有する。第1タッチパネル3040a及び第2タッチパネル3040bは、電子式の施錠装置20を解錠するためのパスワードの入力に用いられる。換言すると、第1タッチパネル3040a及び第2タッチパネル3040bは、ユーザ認証用のユーザ入力を受け付けるユーザ入力部である。
【0035】
図5に戻り、外側把持部3022と外側レバーカバー3002により形成される空間の内部には、指紋センサ3050と、電子回路基板3060と、電池収納部3070とを有する。指紋センサ3050は、ユーザ認証のためにユーザの指紋を検出する。指紋センサ3050は、指紋検出モジュール3052と、指紋コイル3054と、指紋検出モジュールステー3056とを有する。指紋検出モジュール3052は、外側レバーカバー3002に設けられた貫通孔を介して外部に露出している。
【0036】
図5の電子回路基板3060は、施錠装置20の電子制御を行う(詳細は、図8を参照して後述する。)。また、電子回路基板3060には、無線通信(例えばブルートゥース(登録商標))用の通信モジュールが実装されている。電池収納部3070は、外側ドアハンドル30の各部(指紋センサ3050等)に電力を供給する電池3080を収納する。電池収納部3070は、電池固定ステー3072と、電池サポート3074と、電池スプリング3076とを有する。
【0037】
外側レバー本体3000の外側回転軸部3020(図5)は、円筒状であり、その内部には、外側クラッチ装置3004が配置される。クラッチ装置3004は、外側回転軸部3020と常に一緒に回転する部分(入力部)と、クラッチ接続時のみ外側回転軸部3020と一緒に回転する部分(出力部)とを有する(詳細は、図7を参照して後述する。)。クラッチ装置3004は、電子回路基板3060からの制御により、第1タッチパネル3040a若しくは第2タッチパネル3040bを介するパスワード認証成立時、若しくは指紋センサ3050を介する指紋認証成立時、又は顧客端末100との間の無線通信による認証成立時に接続状態となり、それ以外の場合、非接続状態となる。
【0038】
図5におけるクラッチ装置3004の出力部には、外側止め輪3010により軸部アタッチメント3008が固定される。軸部アタッチメント3008は、ロック機構60の共通回転軸部600(図3)と連結する部位であり、共通回転軸部600の種類に応じて交換され得る。
【0039】
従って、クラッチ装置3004が接続状態である場合、外側ドアレバー300の把持部3022が回転操作されると、外側回転軸部3020、クラッチ装置3004及び軸部アタッチメント3008を介してロック機構60の共通回転軸部600に回転力が伝達される。一方、クラッチ装置3004が非接続状態である場合、外側ドアレバー300の把持部3022が回転操作されると、外側回転軸部3020及びクラッチ装置3004の入力部は回転するが、クラッチ装置3004の出力部に回転力が伝達されない。そのため、外側回転軸部3020及びクラッチ装置3004の入力部が空転するため、回転力は、ロック機構60の共通回転軸部600に伝達されない。
【0040】
また、外側回転軸部3020(図5)の先端部は、外側回転部材3006の中央に設けられた挿入孔に嵌め込まれる。当該先端部には、凹部3100が形成され、外側回転部材3006には、凹部3100に対応する凸部3102が形成されている。そのため、挿入孔に嵌め込まれた先端部が回転すると、外側回転部材3006も一緒に回転する。
【0041】
外側回転部材3006(図5)の外周側には、2つの凸部3110が設けられている。これらの凸部3110は、外側回転部材3006が回転した際、外側リターンスプリング3504を付勢する。外側リターンスプリング3504は、外側筒状部材3500の内側に配置されている。そのため、外側回転部材3006に対する回転力が減少すると、外側リターンスプリング3504は、外側ドアレバー300を初期位置に戻す。
【0042】
上記のように、外側回転部材3006(図5)は、外側回転軸部3020に直接連結されている。そのため、クラッチ装置3004が接続状態又は非接続状態のいずれであっても、外側回転部材3006が回転すれば外側回転軸部3020も回転して外側リターンスプリング3504を付勢する。従って、クラッチ装置3004が接続状態又は非接続状態のいずれであっても、外側ドアレバー300は、外側リターンスプリング3504により初期位置に戻される。
【0043】
(A-1-2-2-2-2.クラッチ装置3004)
図7は、本実施形態のクラッチ装置3004の分解斜視図である。図7に示すように、クラッチ装置3004は、電動モータ3200と、クラッチ回転軸部3202と、モータホルダ3204と、モータリターンスプリング3206と、モータ固定ステー3208a、3208bと、昇降偏平軸部3210と、圧縮スプリング3220と、クラッチ装置メインステー3222と、メインステーカバー3224とを有する。電動モータ3200、クラッチ回転軸部3202、モータホルダ3204、モータリターンスプリング3206、モータ固定ステー3208a、3208b、昇降偏平軸部3210及び圧縮スプリング3220は、外側ドアレバー300側の部材であり、クラッチ装置メインステー3222及びメインステーカバー3224は、ドア40側の部材である。
【0044】
電動モータ3200は、初期状態で非作動状態であり、クラッチ装置3004を非接続状態とする。ユーザ認証が成立した場合、電動モータ3200は、回路基板3060からの指令(すなわち、電池3080からの電力供給)により回転してクラッチ回転軸部3202を回転させる。電動モータ3200とクラッチ回転軸部3202の接続部はねじ構造となっており、また、クラッチ回転軸部3202は、ピン3226を有し、このピン3226がモータホルダ3204に形成された上下方向の孔3228内に配置されることでピン3226により回転が規制されている。そのため、電動モータ3200が回転すると、モータ3200の回転軸に対してクラッチ回転軸部3202がモータ3200から離間する方向(図7における下側)に移動する。
【0045】
クラッチ回転軸部3202の下面は、圧縮コイルスプリングであるモータリターンスプリング3206を介して昇降偏平軸部3210に面している。また、昇降偏平軸部3210には、圧縮コイルスプリング3220が挿通されている。圧縮コイルスプリング3220の下部は、クラッチ装置メインステー3222の上部に接している。
【0046】
初期状態の昇降偏平軸部3210の下端は、圧縮コイルスプリング3220の作用により、メインステー3222よりも上側に位置する。そのため、モータ3200とメインステー3222とは連結されない。従って、ユーザが外側ドアレバー300(モータ3200側)を回転させても、その回転力は、メインステー3222に伝達されない(すなわち、外側ドアレバー300は空回りする。)。
【0047】
一方、モータ3200の回転に伴ってクラッチ回転軸部3202が下方に移動すると、これに伴って昇降偏平軸部3210も下方に移動されて、昇降偏平軸部3210の下部がメインステー3222の凹部に入り込む。これにより、昇降偏平軸部3210が回転するとき、昇降偏平軸部3210は、メインステー3222と接触する。従って、ユーザが外側ドアレバー300(モータ3200側)を回転させると、その回転力は、メインステー3222に伝達される。
【0048】
ユーザから外側ドアレバー300への力がなくなると、圧縮スプリング3220の作用により、昇降偏平軸部3210が上方に変位され、昇降偏平軸部3210の下部が、メインステー3222の凹部から抜け出して、昇降偏平軸部3210を初期位置に戻す。また、モータリターンスプリング3206の作用により、クラッチ回転軸部3202が上方に変位されてクラッチ回転軸部3202を初期位置に戻す。
【0049】
モータホルダ3204は、電動モータ3200を固定保持する。また、図7では見えないが、モータホルダ3204には、クラッチ回転軸部3202の上下動を可能にする孔が形成されている。モータ固定ステー3208a、3208bは、互いに結合してモータホルダ3204を固定保持する。また、モータ固定ステー3208a、3208bが結合した状態では、モータ固定ステー3208a、3208bの間に、昇降偏平軸部3210の上下動を可能にする孔が形成される。メインステーカバー3224は、メインステー3222の下方を覆う。
【0050】
(A-1-2-2-2-3.外側ドアレバー300の制御構成)
図8は、本実施形態に係る施錠装置20の制御系70の簡略的な構成を示す図である。制御系70は、第1タッチパネル3040aと、第2タッチパネル3040bと、指紋センサ3050と、無線アンテナ700と、通信回路702と、制御回路704と、記憶装置706と、クラッチ装置3004とを有する。
【0051】
上記のように、第1タッチパネル3040a及び第2タッチパネル3040bは、パスワードの入力用に用いられる。指紋センサ3050は、ユーザの指紋を検出する。無線アンテナ700及び通信回路702は、スマートホン、タブレット端末等の携帯端末である顧客端末100、及び認証管理サーバ150との無線通信用に用いられる。加えて、無線アンテナ700及び通信回路702は、図示しない認証用カードとの無線通信にも用いられる。
【0052】
制御回路704は、電子式外側ドアハンドル30全体を電子的に制御する。制御回路704は、電源制御部710と、パスワード認証部712と、指紋認証部714と、アプリケーション認証部716と、カード認証部718と、クラッチ制御部720とを有する。
【0053】
電源制御部710は、電子式外側ドアハンドル30の電力供給を制御する。例えば、指紋センサ3050の指紋検出モジュール3052がユーザの指による押圧を検出したとき、電源制御部710は、電池3080と第1タッチパネル3040a及び第2タッチパネル3040bとの間の配線上の図示しないオンオフスイッチをオンにし、電池3080から第1タッチパネル3040a及び第2タッチパネル3040bへの電力供給を行わせる。これにより、第1タッチパネル3040a及び第2タッチパネル3040bが点灯し、ユーザは、点灯した文字を見ながらパスワードを入力可能となる。
【0054】
パスワード認証部712は、第1タッチパネル3040a又は第2タッチパネル3040bを介した入力パスワード(ユーザ入力)が、事前設定されたパスワード(基準パスワード)と一致するか否かを判定する。基準パスワードは、記憶装置706に記憶されている。或いは、基準パスワードは、認証管理サーバ150の認証情報データベース1500(以下「認証情報DB1500」という。)に記憶されていてもよい(詳細は後述する。)。
【0055】
入力パスワードと基準パスワードが一致した場合、ユーザ認証が成立し、パスワード認証部712は、クラッチ制御部720を介して、電池3080とクラッチ装置3004のモータ3200との間の配線上の図示しないオンオフスイッチをオンにし、電池3080からモータ3200への電力供給を行わせる。これにより、クラッチ装置3004が接続状態となり、ユーザが外側ドアレバー300を回転させるとその回転力がロック機構60の共通回転軸部600に伝達されて進退部602(図2)がドア40内部に引っ込む。これにより、ドア40が開状態となり、ユーザは、ドア40を開くことが可能となる。
【0056】
指紋認証部714は、指紋センサ3050が検出したユーザの指紋(検出指紋)が、事前設定された指紋(基準指紋)と一致するか否かを判定する。基準指紋は、記憶装置706に記憶されている。或いは、基準指紋は、認証管理サーバ150の認証情報DB1500に記憶されていてもよい(詳細は後述する。)。検出指紋と基準指紋が一致した場合、ユーザ認証が成立し、指紋認証部714は、クラッチ制御部720を介して、電池3080とクラッチ装置3004のモータ3200との間の配線上の図示しないオンオフスイッチをオンにし、電池3080からモータ3200への電力供給を行わせる。これにより、クラッチ装置3004が接続状態となり、ユーザが外側ドアレバー300を回転させるとその回転力がロック機構60の共通回転軸部600に伝達されて進退部602がドア40内部に引っ込む。これにより、ドア40が開状態となり、ユーザは、ドア40を開くことが可能となる。
【0057】
なお、本実施形態では、基準指紋は、記憶装置706に記憶されているが、認証管理サーバ150(図8)の認証情報データベース1500(以下「認証情報DB1500」という。)に記憶しておいてもよい。その場合、指紋認証部714は、通信回路702及び無線アンテナ700を介して検出指紋及びロック機構60の識別情報(ロック機構ID)を認証管理サーバ150に送信する。認証管理サーバ150は、受信した検出指紋と、ロック機構IDに対応する基準指紋が一致するかを判定してその結果を指紋認証部714に送信する。
【0058】
或いは、指紋認証部714は、検出指紋を伴わずにロック機構IDを認証管理サーバ150に送信してもよい。その場合、認証管理サーバ150は、ロック機構IDに対応する基準指紋を認証情報DB1500から読み出して指紋認証部714に送信する。指紋認証部714は、受信した基準指紋を検出指紋と比較して指紋認証を行ってもよい。
【0059】
アプリケーション認証部716は、携帯端末である顧客端末100と通信することでユーザ認証を行う(アプリケーション認証)。ここでの通信には、電子回路基板3060(図5)に実装された通信モジュール(例えば、ブルートゥース(登録商標)用通信モジュール)が用いられる。アプリケーション認証が成立した場合、アプリケーション認証部716は、クラッチ制御部720を介して、電池3080とクラッチ装置3004のモータ3200との間の配線上の図示しないオンオフスイッチをオンにし、電池3080からモータ3200への電力供給を行わせる。これにより、クラッチ装置3004が接続状態となり、ユーザが外側ドアレバー300を回転させるとその回転力がロック機構60の共通回転軸部600に伝達されて進退部602がドア40内部に引っ込む。これにより、ドア40が開状態となり、ユーザは、ドア40を開くことが可能となる。
【0060】
カード認証部718は、ユーザが有する認証用カード(図示せず)と通信することでユーザ認証を行う(カード認証)。ここでの通信には、無線アンテナステー3030(図5)に組み込まれた無線アンテナ(例えば、NFC用アンテナ)が用いられる。カード認証が成立した場合、カード認証部718は、クラッチ制御部720を介して、電池3080とクラッチ装置3004のモータ3200との間の配線上の図示しないオンオフスイッチをオンにし、電池3080からモータ3200への電力供給を行わせる。これにより、クラッチ装置3004が接続状態となり、ユーザが外側ドアレバー300を回転させるとその回転力がロック機構60の共通回転軸部600に伝達されて進退部602がドア40内部に引っ込む。これにより、ドア40が開状態となり、ユーザは、ドア40を開くことが可能となる。
【0061】
クラッチ制御部720は、各認証部712、714、716、718からの指令に基づいてクラッチ装置3004を制御する。
【0062】
記憶装置706は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを有し、制御回路704で用いられる各種のプログラム及びデータを記憶している。
【0063】
認証管理サーバ150は、電子式の施錠装置20の認証を管理する。認証管理サーバ150は、認証情報DB1500を有する。上記のように、認証情報DB1500は、パスワード認証部712、指紋認証部714、アプリケーション認証部716及びカード認証部718の認証に用いるデータを記憶する。認証管理サーバ150は、汎用的なサーバ用ハードウェアから構成され、図示しない入出力装置、通信装置、演算装置、記憶装置等を有する。認証管理サーバ150は、1台の物理的サーバのみから構成されてもよく、或いは、複数台の物理的サーバから構成されてもよい。なお、認証管理サーバ150は、各機能を単一のサーバで行う代わりに、複数台のサーバで行うものであってもよい。認証管理サーバ150は、商業用クラウドサービスによるものであってもよい。
【0064】
(A-1-2-2-3.外側固定部350)
次に、電子式外側ドアレバー300の外側固定部350(図5)を説明する。上記のように、外側固定部350は、外側筒状部材3500と、外側カバーパネル3502と、外側リターンスプリング3504と、外側座板3506とを有する(図5)。外側座板3506は、外側回転部材3006及び外側リターンスプリング3504の露出を防ぐと共に、外側固定部350をドア40に固定する際に用いられる。
【0065】
外側座板3506は、円環状であり、中央に軸部アタッチメント3008が挿入される中央孔3510が設けられる。また、外側座板3506には、外側座板3506を外側筒状部材3500に固定するためのねじ(第1外側ねじ)を挿入する2つのねじ用孔部3512が設けられる。さらに、外側座板3506には、外側筒状部材3500に対して外側座板3506の回転角度を規定する2カ所の凹部3514が形成されている。外側筒状部材3500の内部に設けられた位置決め突起3532(図11)にこれらの凹部3514を位置決めすることで外側筒状部材3500に対して外側座板3506の回転角度を所定角度に調整し易くなる。
【0066】
加えて、外側座板3506には、ドア40の周辺貫通孔402(図3)に挿通される2本の位置決め棒状部3516が形成されている。位置決め棒状部3516は、ドア40の周辺貫通孔402に挿通された状態で、先端に形成されたねじ穴3518(締結穴、図11)に対して内側座板5506(図9)側からねじが螺合される。これにより、内側座板5506と外側座板3506でドア40を挟み込むことで、内側座板5506及び外側座板3506をドア40に対して固定する。
【0067】
(A-1-2-3.内側ドアハンドル50)
(A-1-2-3-1.概要)
図4に示すように、内側ドアハンドル50は、ドア40の内側に配置され、ユーザにより回転操作が行われる内側ドアレバー500と、内側ドアレバー500を回転可能に支持する内側固定部550とを有する。内側ドアレバー500には、回転軸X(図3)上においてロック機構60の共通回転軸部600が固定される。
【0068】
(A-1-2-3-2.内側ドアレバー500)
図9は、本実施形態に係る非電子式内側ドアハンドル50の分解斜視図である。図9に示すように、内側ドアレバー500は、内側レバー本体5000と、内側レバーカバー5002と、ねじスロットパネル5004と、内側回転部材5006と、内側止め輪5008とを有する。内側固定部550は、内側筒状部材5500(飾り筒)と、内側カバーパネル5502と、内側リターンスプリング5504と、内側座板5506とを有する。
【0069】
内側レバー本体5000は、回転軸X方向に延在する内側回転軸部5010と、内側回転軸部5010に対して垂直な内側把持部5012とを有する。内側把持部5012の外側は開口しており、内側レバーカバー5002により覆われる。内側把持部5012と内側レバーカバー5002は、図示しないねじ(第1内側ねじ)により固定される。第1内側ねじの頭が露出する部分には、ねじスロットパネル5004が配置されて第1内側ねじが隠される。
【0070】
内側レバー本体5000の内側回転軸部5010の先端部は、内側回転部材5006の中央に設けられた挿入孔に嵌め込まれる。挿入孔に嵌め込まれた先端部は、内側止め輪5008により固定される。これにより、内側把持部5012の操作により内側回転軸部5010が回転すると、内側回転部材5006も一緒に回転する。内側回転部材5006の外周側には、2つの凸部5020が設けられている。これらの凸部502は、内側回転部材5006が回転した際、内側リターンスプリング5504を付勢する。内側リターンスプリング5504は、内側筒状部材5500の内側に配置されている。そのため、内側回転部材5006に対する回転力が減少すると、内側リターンスプリング5504は、内側ドアレバー500を初期位置に戻す。
【0071】
(A-1-2-3-3.内側固定部550)
内側座板5506は、内側回転部材5006及び内側リターンスプリング5504の露出を防ぐと共に、内側固定部550をドア40に固定する際に用いられる。内側座板5506は、円環状であり、中央にロック機構60の共通回転軸部600が挿入される中央孔5510が設けられる。また、内側座板5506には、内側座板5506を内側筒状部材5500に固定するためのねじ(第2内側ねじ)を挿入する2つのねじ用孔部5512が設けられる。さらに、内側座板5506には、内側座板5506及び内側筒状部材5500をドア40(外側座板3506の棒状部3516)に固定する際のねじ(第3内側ねじ)を挿入する2つのねじ用孔部5514が設けられる。さらにまた、内側座板5506には、内側筒状部材5500に対して内側座板5506の回転角度を規定する2カ所の凹部5516が形成されている。内側筒状部材5500の内部に設けられた凸部(図示せず)にこれらの凹部5516を位置決めすることで内側筒状部材5500に対して内側座板5506の回転角度を所定角度に調整し易くなる。
【0072】
(A-1-2-4.ロック機構60)
ロック機構60(図2図4)は、ドア40の内部に配置されて、外側ドアハンドル30又は内側ドアハンドル50の回転操作に応じてドア40の開状態と閉状態を切り替える。図3に示すように、ロック機構60は、共通回転軸部600と、第1進退部602とを有する。共通回転軸部600は、外側ドアハンドル30及び内側ドアハンドル50に連結されてドア40の中央貫通孔400に挿通される。外側ドアハンドル30又は内側ドアハンドル50の回転操作に伴って共通回転軸部600に加えられた回転力は、図示しない第1伝達機構を介して第1進退部602を進退させる。第1伝達機構としては、例えば、特許文献1に記載のものを用いることができる。
【0073】
なお、本実施形態では、共通回転軸部600を1本の棒として示しているが、非電子式の施錠装置20の仕様に応じてその他の形態も可能である。その他の形態として、共通回転軸部600は、外側ドアハンドル30側の第1棒状部及び内側ドアハンドル50側の第2棒状部を有する2つの部品から構成されてもよい。
【0074】
さらに、ロック機構60は、図示しないキーにより施錠及び解錠が可能なシリンダ装置610を有する。すなわち、ドア40の外側に面する鍵穴にキーを差し込んでキーを回すことで、又はドア40の内側のつまみ614(図4)を回すことで、図示しない第2伝達機構を介して第2進退部612を進退させる。第2伝達機構としては、例えば、特許文献1に記載のものを用いることができる。
【0075】
<A-2.本実施形態の実施方法及び制御>
[A-2-1.電子商取引の流れ]
図10は、本実施形態において電子式施錠装置20(電子式外側ドアハンドル30)を受発注する際の流れを示す図である。非電子式施錠装置20を電子式施錠装置20に交換したいユーザ(顧客)は、顧客端末100を用いて電子商取引管理サーバ110にアクセスする(ステップS11)。取引サーバ110は、電子式施錠装置20の発注画面のデータを顧客端末100に送信する(ステップS12)。なお、ステップS12は、複数画面を切り替える形であってもよい。
【0076】
顧客端末100は、ユーザから発注情報の入力を受け付ける(ステップS13)。ここでの発注情報には、今回発注する電子式施錠装置20の情報(発注施錠装置情報)、及びユーザが現在利用している非電子式施錠装置20の情報(既存施錠装置情報)が含まれる。発注施錠装置情報には、例えば、今回発注する電子式施錠装置20のメーカー、型式が含まれる。さらに、発注する電子式施錠装置20の構成(外部ドアハンドル30のみ、内部ドアハンドル50のみ、又は外部ドアハンドル30及び内部ドアハンドル50の組合せ)を含む。既存施錠装置情報には、例えば、非電子式施錠装置20のメーカー、型式が含まれる。既存施錠装置情報を要するのは、上記のように、非電子式施錠装置20(ロック機構60、非電子式の外側ハンドル30又は非電子式の内側ハンドル50)の仕様に応じて適合する外側座板3506(図5)等が変化するためである。次いで、顧客端末100は、受け付けた発注情報を取引サーバ110に送信する(ステップS14)。
【0077】
発注情報を受信した取引サーバ110は、受注処理を行う(ステップS15)。受注処理は、受注DB1100への発注情報の登録を含む。また、受注処理では、発注施錠装置情報及び既存施錠装置情報を用いて電子式施錠装置20の共通部200及び選択部202(軸部アタッチメント3008及び外側座板3506)を特定する。その際、取引サーバ110は、今回発注された電子式施錠装置20について選択可能な選択部202の中から、ユーザが現在利用している非電子式施錠装置20に対応するものを特定する。
【0078】
次いで、取引サーバ110は、受注確認(画面表示、メール等)を顧客端末100に送信する(ステップS16)。顧客端末100は、受信した受注確認を表示する(ステップS17)。
【0079】
また、取引サーバ110は、出荷管理端末120に対して出荷指令を送信する(ステップS18)。出荷管理端末120は、受信した出荷指令を出力(表示等)して物流倉庫124の作業者がわかるようにする(ステップS19)。ここで出力される出荷指令には、発注された電子式施錠装置20の共通部200及び選択部202が含まれる。作業者は、出荷指令に沿って電子式施錠装置20の組立て、梱包及び発送を行う(ステップS20)。なお、ステップS20は、出荷管理端末120の動作ではなく作業者の作業であるため、図10ではステップS20の枠を破線で表示している。電子式施錠装置20の組立てについては、図11を参照して後述する。
【0080】
電子式施錠装置20の発送が完了すると、作業者は、出荷管理端末120に対して発送完了を入力する。換言すると、出荷管理端末120は、作業者から発送完了の入力を受け付ける(ステップS21)。そして、出荷管理端末120は、発送完了通知を取引サーバ110に送信する(ステップS22)。
【0081】
発送完了通知を受信した取引サーバ110は、発送完了処理を行う(ステップS23)。発送完了処理では、受注DB1100における配送状態を「発送完了」に変更する。また、取引サーバ110は、顧客端末100に対して発送完了通知(メール等)を送信する(ステップS24)。顧客端末100は、受信した発送完了通知を表示する(ステップS25)。
【0082】
[A-2-2.電子式施錠装置20の組立て]
次に、発注された電子式施錠装置20の組立て(図10のステップS20)の詳細について説明する。上記のように、顧客端末100からの発注情報に基づいて、新たな電子式施錠装置20の共通部200及び選択部202が特定されて、作業者に通知される(図10のステップS14~S19)。作業者は、共通部200及び選択部202を用意して、選択部202を共通部200に組み付ける。なお、共通部200に対する選択部202の組付けは、図示しない製造装置で自動化してもよい。
【0083】
図11は、本実施形態において電子式施錠装置20(電子式外側ドアハンドル30)を組み立てる際の一状態を示す図である。図11では、外側ドアハンドル30の外側筒状部材3500(共通部200)に対して、皿ねじ3600により外側座板3506(選択部202)を取り付けている様子を示す。すなわち、外側筒状部材3500の内側には、2カ所のねじ穴3530が形成されている。また、外側座板3506には、ねじ穴3530に対応する2つの位置にねじ締結孔3512が形成されている。そのため、ねじ締結孔3512及びねじ穴3530を位置合わせした状態で、図示しないドライバーを用いて皿ねじ3600を固定することにより、外側座板3506を外側筒状部材3500に固定することができる。
【0084】
なお、外側筒状部材3500の内側には2カ所の位置決め突起3532が形成されている。また、外側座板3506には、位置決め突起3532に対応する2カ所の凹部3514が形成されている。そのため、外側筒状部材3500に対する外側座板3506の位置を簡易に特定することが可能となる。また、外側筒状部材3500の内側には、2カ所の座受け3534が形成されている。そのため、回転軸方向における外側筒状部材3500に対する外側座板3506の位置決めも容易に行うことができる。
【0085】
外側座板3506の種類が異なっていても、外側座板3506の直径、凹部3514の位置及び形状、並びにねじ締結孔3512の直径及び位置は共通である。そのため、複数種類の外側座板3506を外側筒状部材3500に固定することが可能である。
【0086】
なお、軸部アタッチメント3008(特に軸部挿入穴3700)は、共通回転軸部600の仕様に応じて選択される選択部202の一部となり得る。そのため、必要に応じて軸部アタッチメント3008も、受注時に選択されて取り付けられてもよい(ここでは、共通回転軸部600の仕様に対応する軸部アタッチメント3008が取り付けられた外側ドアハンドル30を選択することを想定している。)。
【0087】
外側座板3506が外側回転部材3006に取り付けられると、外側ドアハンドル30が梱包されて発送される。なお、共通部200に対する選択部202は、物流倉庫124からの発送時には行わず、ユーザ側で行ってもよい。
【0088】
[A-2-3.電子式施錠装置20の設置(交換)]
電子式施錠装置20を受領したユーザは、非電子式施錠装置20を電子式施錠装置20に交換する。当該交換は、住民としてのユーザの代わりに、交換業者が行ってもよい。具体的には、ユーザは、従来の方法で、非電子式の外側ドアハンドル30及び非電子式の内側ドアハンドル50をドア40から取り外す。次いで、ユーザは、電子式の外側ドアハンドル30及び非電子式の内側ドアハンドル50をドア40に取り付ける。すなわち、外側座板3506又は内側座板5506に位置決め棒状部3516が設けられている側のハンドル(本実施形態では外側ドアハンドル30)を先にドア40に取り付ける。
【0089】
図12は、本実施形態において電子式施錠装置20(電子式外側ドアハンドル30)をドア40に取り付ける際の一状態を示す図である。図12では、外側ドアハンドル30の軸部アタッチメント3008(選択部202)に対して、いもねじ3800によりロック機構60の共通回転軸部600を取り付けている様子を示す。すなわち、軸部アタッチメント3008には、共通回転軸部600を挿入する穴3700(軸部挿入穴3700)が形成されている。また、軸部アタッチメント3008の側面には、いもねじ3800が配置されている。そのため、いもねじ3800を緩めた状態で、既存の共通回転軸部600を軸部挿入穴3700に嵌め込んだ後、いもねじ3800を締めることで、共通回転軸部600を軸部アタッチメント3008に固定することができる。
【0090】
後の取付け作業は、非電子式の外側ドアハンドル30及び内側ドアハンドル50をドア40に固定する場合と同様である。すなわち、ユーザは、共通回転軸部600を中央貫通孔400に挿通すると共に、位置決め用棒状部3516を周辺貫通孔402に挿通する。次いで、ユーザは、皿ねじ(図示せず)を用いて、非電子式の内側ドアハンドル50の内側座板5506を、外側ドアハンドル30の位置決め用棒状部3516に固定する。取付け後の外側座板3506及び内側座板5506の状態は、特許文献2の図1と同様である。次いで、ユーザは、内側筒状部材5500を内側座板5506に嵌め込んだ後、皿ねじ(図示せず)を用いて、内側筒状部材5500及び内側座板5506をドア40に固定する。
【0091】
<A-3.本実施形態の効果>
本実施形態によれば、非電子式の外側ドアハンドルと交換するための電子式の外側ドアハンドル30を、交換前の施錠装置20(ロック機構60、内側ドアハンドル50又は非電子式の外側ドアハンドル30)の仕様にかかわらず共通の共通部200と、交換前の施錠装置20の仕様に応じて選択される選択部202とに分ける(図10のS15)。また、選択部202には、交換前の施錠装置20の仕様に応じた外側座板3506を含む一方、共通部200には、複数種類の外側座板3506に共通の座板取付部(ねじ穴3530、突起3532及び座受け3534並びに外側筒状部材3500の内径)が設けられた外側筒状部材3500を含む(図11)。これにより、比較的簡易な構成により、電子式の外側ドアハンドル30を、複数種類の施錠装置20(又はドア40)に適用することが可能となる。
【0092】
本実施形態において、電子式の外側ドアハンドル30は、把持部3022と軸部アタッチメント3008との間に配置されたクラッチ装置3004と、クラッチ装置3004の接続及び非接続を制御するクラッチ制御部720と、ユーザ認証用のユーザ入力を受け付ける第1タッチパネル3040a、第2タッチパネル3040b、指紋センサ3050、顧客端末100及び無線アンテナ700(ユーザ入力部)と、ユーザ入力に基づいてユーザ認証を行うパスワード認証部712、指紋認証部714、アプリケーション認証部716及びカード認証部718(認証部)とを備える(図8)。クラッチ制御部720は、各認証部712、714、716、718によるユーザ認証が不成立の場合、クラッチ装置3004を非接続状態とし、いずれかの認証部によるユーザ認証が成立した場合、クラッチ装置3004を接続状態とする。
【0093】
これにより、ユーザ認証が不成立の場合、クラッチ装置3004が非接続状態となることで、ユーザが把持部3022を回転させても把持部3022は空転してドア40を開くことができなくなる。また、ユーザ認証が成立した場合、クラッチ装置3004が接続状態となることで、ユーザが把持部3022を回転させる際の回転力は、軸部アタッチメント3008及びロック機構60に伝達されてドア40を開くことができる。従って、外側ドアハンドル30の動作のみでドア40の解錠又は施錠を制御可能となる。
【0094】
本実施形態において、電子式の外側ドアハンドル30の外側ドアレバー300は、ドア40に向かって見た際、外側ドアレバー300の根元が左側に、先端が右側にあるとき、外側ドアレバー300の上側に位置する第1タッチパネル3040aと、ドア40に向かって見た際、外側ドアレバー300の根元が右側に、先端が左側にあるとき、外側ドアレバー300の上側に位置する第2タッチパネル3040bとを有する(図5)。これにより、非電子式の外側ドアハンドル(外側ドアレバー)の向きに依存しない共通部200を設けることで、電子式の外側ドアハンドル30(外側ドアレバー300)の交換が容易となる。
【0095】
本実施形態において、電子式の外側ドアハンドル30の外側ドアレバー300の内部には、電池3080を収納する電池収納部3070と、電子制御を行う電子回路基板3060とが配置される(図5)。これにより、外側ドアレバー300以外の部分に電池収納部3070又は電子回路基板3060を配置する必要がなくなり、コンパクトな構成を実現可能となる。
【0096】
本実施形態において、電子式施錠装置20の交換方法は、顧客端末100(ユーザ端末)から電子商取引管理サーバ110(管理サーバ)に対して電子式の外側ドアハンドル30の発注情報を送信する発注ステップ(図10のS14)と、取引サーバ110から出荷管理端末120に対して電子式の外側ドアハンドル30の仕様を通知する出荷要求ステップ(S18)と、出荷要求ステップで指定された仕様の電子式の外側ドアハンドル30を出荷管理端末120で表示する出荷内容表示ステップ(S19)とを備える。また、発注ステップでは、顧客端末100から取引サーバ110に対して、発注する電子式の外側ドアハンドル30、及びユーザが現在利用している施錠装置20の仕様を通知する。さらに、出荷要求ステップでは、取引サーバ110は、ユーザが現在利用している施錠装置20の仕様に応じて選択部202を選択して出荷管理端末120に通知する。
【0097】
これにより、ユーザには、ユーザが現在利用している施錠装置20の仕様に応じた1種類の選択部202のみが配送されることとなる。従って、複数種類の選択部202をユーザに配送する場合と比較して、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0098】
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
【0099】
<B-1.適用場面>
上記実施形態では、本発明を、非電子式の外側ドアハンドル30を電子式の外側ドアハンドル30に交換する場面で適用した(図10)。しかしながら、例えば、電子式の外側ドアハンドル30自体の構成又は制御に着目すれば、これに限らない。例えば、本発明は、新しいドア40に電子式の外側ドアハンドル30を設ける場面に適用してもよい。
【0100】
上記実施形態では、非電子式の外側ドアハンドル30を電子式の外側ドアハンドル30に交換し、非電子式の内側ドアハンドル50はそのまま用いる場面に適用した(図10)。しかしながら、その他の場面に適用してもよい。例えば、非電子式の内側ドアハンドル50を電子式の内側ドアハンドルに交換する場面、又は非電子式の外側ドアハンドル30及び内側ドアハンドル50を電子式の外側ドアハンドル30及び内側ドアハンドル50に交換する場面に適用してもよい。
【0101】
<B-2.共通部200及び選択部202>
上記実施形態では、電子式の外側ドアハンドル30の共通部200及び選択部202を設けた(図10のS15等)。しかしながら、例えば、電子式の外側ドアハンドル30自体の構成又は制御に着目すれば、これに限らない。例えば、ユーザが利用している施錠装置20の仕様毎に、専用の電子式の外側ドアハンドル30を設けてもよい。換言すると、外側筒状部材3500又は座板取付部(ねじ穴3530、突起3532及び座受け3534並びに外側筒状部材3500の内径)を共通化しなくてもよい。
【0102】
<B-3.電子式の外側ドアハンドル30>
上記実施形態では、第1タッチパネル3040aと第2タッチパネル3040bの両方を設けた(図5)。しかしながら、例えば、外側筒状部材3500又は座板取付部(ねじ穴3530、突起3532及び座受け3534並びに外側筒状部材3500の内径)の共通化に着目すれば、これに限らず、第1タッチパネル3040a又は第2タッチパネル3040bの一方のみを設けてもよい。或いは、第1タッチパネル3040aと第2タッチパネル3040bの両方を省略することも可能である。
【0103】
上記実施形態では、制御系70の各部を外側ドアレバー300内に設けた(図5及び図8)。しかしながら、例えば、外側筒状部材3500又は座板取付部(ねじ穴3530、突起3532及び座受け3534並びに外側筒状部材3500の内径)の共通化に着目すれば、これに限らず、制御系70の一部を外側ドアレバー300とは別の場所に設けてもよい。例えば、特許文献3の図1Aの室外モジュール(20)のような形式としてもよい。
【0104】
上記実施形態では、図7に示すクラッチ装置3004を用いた。しかしながら、例えば、把持部3022と軸部アタッチメント3008との間に配置されて接続及び非接続を切替え可能とする観点からすれば、クラッチ装置3004の構成は、これに限らない。また、例えば、外側筒状部材3500又は座板取付部(ねじ穴3530、突起3532及び座受け3534並びに外側筒状部材3500の内径)の共通化に着目すれば、クラッチ装置3004を省略することも可能である。
【0105】
上記実施形態では、電池収納部3070を外側ドアレバー300内に設けた(図5)。しかしながら、例えば、外側筒状部材3500又は座板取付部(ねじ穴3530、突起3532及び座受け3534並びに外側筒状部材3500の内径)の共通化に着目すれば、これに限らず、電池収納部3070を外側ドアレバー300とは別の場所に設けてもよい。或いは、例えば、外部電源からの電力供給が可能な場合、電池収納部3070を省略することも可能である。
【0106】
<B-4.ユーザ認証>
上記実施形態では、4種類のユーザ認証(パスワード認証、指紋認証、アプリケーション認証及びカード認証)を可能とした(図8)。しかしながら、例えば、外側筒状部材3500又は座板取付部(ねじ穴3530、突起3532及び座受け3534並びに外側筒状部材3500の内径)の共通化に着目すれば、これに限らない。例えば、パスワード認証、指紋認証、アプリケーション認証及びカード認証の1つのみ若しくは2つのみ又は3つのみを実行可能としてもよい。或いは、その他の認証(例えば音声認証、顔認証)等が可能であってもよい。
【符号の説明】
【0107】
20…施錠装置 30…外側ドアハンドル
40…ドア 50…内側ドアハンドル
60…ロック機構
100…顧客端末(ユーザ入力部、ユーザ端末)
110…電子商取引管理サーバ(管理サーバ)
120…出荷管理端末 200…共通部
202…選択部 300…外側ドアレバー
350…外側固定部 400…ハンドル用中央貫通孔
402…周辺貫通孔 600…共通回転軸部
700…無線アンテナ(ユーザ入力部)
712…パスワード認証部(認証部) 714…指紋認証部(認証部)
716…アプリケーション認証部(認証部)
718…カード認証部(認証部) 720…クラッチ制御部
1102…ハンドルDB(ドアハンドルデータベース)
3004…クラッチ装置 3008…軸部アタッチメント
3020…外側回転軸部 3022…把持部
3040a…第1タッチパネル(ユーザ入力部)
3040b…第2タッチパネル(ユーザ入力部)
3050…指紋センサ(ユーザ入力部) 3060…電子回路基板
3070…電池収納部 3080…電池
3500…外側筒状部材 3506…外側座板
3516…位置決め用棒状部(棒状部) 3518…ねじ穴(締結穴)
3530…ねじ穴(座板取付部) 3532…突起(座板取付部)
3534…座受け(座板取付部) 5506…内側座板
5514…ねじ用孔部(第1締結部材用貫通孔)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12