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  • 特許-検体採取シート、検体採取方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】検体採取シート、検体採取方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
G01N1/10 V
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020202568
(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公開番号】P2022090278
(43)【公開日】2022-06-17
【審査請求日】2023-07-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:令和2年11月1日、掲載アドレス:https://manual.rapidtest.jp/4580372262207/にて掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】520481183
【氏名又は名称】株式会社CopterOne
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】本間 大啓
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/129761(WO,A1)
【文献】特開2003-040752(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0096563(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-37/00
B65D 30/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シートと、
第2シートとを備え、
前記第1シートと前記第2シートは、少なくとも一部が接続した状態で構成され、
前記第1シートの一方の面と、前記第2シートの一方の面とが対向する位置関係で、前記第1シートと前記第2シートとが重ねられ、
前記第1シートの前記第2シートと対向する面と、前記第2シートの前記第1シートと対向する面は、被検者の検体を保持する領域として用いられ、
前記第1シートの前記第2シートと対向する面と、前記第2シートの前記第1シートと対向する面の少なくとも1つには、酸味を有する食べ物の画像を含む酸味食品画像領域が設けられ
前記酸味食品画像領域に含まれる前記食べ物の画像は、レモンと梅干しの少なくとも一方に関する画像である、検体採取シート。
【請求項2】
前記検体は、前記被検者の鼻かみ液若しくは唾液である、請求項1に記載の検体採取シート。
【請求項3】
前記第1シートの前記第2シートと対向する面に、前記酸味食品画像領域が設けられ、
前記第1シートと前記第2シートの接続領域は、前記第1シートと前記第2シートの縁に設けられ、
前記酸味食品画像領域は、前記第1シートと前記第2シートの接続領域と比べて、前記第1シートの縁であって前記接続領域でない部分に近い領域に設けられる、請求項1または請求項2に記載の検体採取シート。
【請求項4】
前記第1シートと前記第2シートは、同じ大きさで、且つ矩形形状を有し、
前記第1シートの縦辺の一方と前記第2シートの縦辺の一方とが接続し、前記第1シートの横辺の一方と前記第2シートの横辺の一方とが接続し、
前記酸味食品画像領域は、前記第1シートの前記縦辺の一方よりも前記第1シートの縦辺の他方に近い側であって、前記第1シートの前記横辺の一方よりも前記第1シートの横辺の他方に近い側に設けられる、請求項3に記載の検体採取シート。
【請求項5】
第1シートと、第2シートとを含む検体採取シートを使った検体採取方法であって、
前記第1シートと前記第2シートは、少なくとも一部が接続した状態で構成され、
前記第1シートの一方の面と、前記第2シートの一方の面とが対向する位置関係で、前記第1シートと前記第2シートとが重ねられ、
前記第1シートの前記第2シートと対向する面と、前記第2シートの前記第1シートと対向する面は、被検者の検体を保持する領域として用いられ、
前記第1シートの前記第2シートと対向する面と、前記第2シートの前記第1シートと対向する面の少なくとも1つには、酸味を有する食べ物の画像を含む酸味食品画像領域が設けられ、
前記酸味食品画像領域に含まれる前記食べ物の画像は、レモンと梅干しの少なくとも一方に関する画像であり、
前記酸味食品画像領域が見える状態で、前記検体採取シートが保持される検体採取シート保持工程と、
前記検体採取シートを前記被検者の鼻に近づけ、前記被検者が鼻かみ液を噴出する、若しくは、前記第1シートと前記第2シートの間に前記被検者が唾液を供給する検体供給工程とを実行する、検体採取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体採取シートなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、唾液などの検体を採取する器具などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3227943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、緊張などにより被検者が唾液などの検体を出しにくい状況が起こりえる。
【0005】
したがって本発明の目的は、検体を出しやすい検体採取シートなどを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る検体採取シートは、第1シートと、第2シートとを備える。
第1シートと第2シートは、少なくとも一部が接続した状態で構成される。
第1シートの一方の面と、第2シートの一方の面とが対向する位置関係で、第1シートと第2シートとが重ねられる。
第1シートの第2シートと対向する面と、第2シートの第1シートと対向する面は、被検者の検体を保持する領域として用いられる。
第1シートの第2シートと対向する面と、第2シートの第1シートと対向する面の少なくとも1つには、酸味を有する食べ物の画像を含む酸味食品画像領域が設けられる。
【0007】
検体採取シートの被検者と向き合う面に、酸味食品画像領域が設けられる。
酸味食品画像領域を見ることで、被検者に酸味がある食べ物を想像させ、唾液、鼻かみ液などを出しやすくすることが可能になる。
【0008】
好ましくは、検体は、被検者の鼻かみ液若しくは唾液である。
酸味食品画像領域に含まれる食べ物の画像は、レモンと梅干しの少なくとも一方に関する画像である。
【0009】
さらに好ましくは、第1シートの第2シートと対向する面に、酸味食品画像領域が設けられる。
第1シートと第2シートの接続領域は、第1シートと第2シートの縁に設けられる。
酸味食品画像領域は、第1シートと第2シートの接続領域と比べて、第1シートの縁であって接続領域でない部分に近い領域に設けられる。
【0010】
第1シートと第2シートの接続箇所に近い領域に酸味食品画像領域を設ける形態に比べて、検体採取シートを被検者が保持した時に、被検者が酸味食品画像領域を視認しやすくなる。
【0011】
さらに好ましくは、第1シートと第2シートは、同じ大きさで、且つ矩形形状を有する。
第1シートの縦辺の一方と第2シートの縦辺の一方とが接続し、第1シートの横辺の一方と第2シートの横辺の一方とが接続する。
酸味食品画像領域は、第1シートの縦辺の一方よりも第1シートの縦辺の他方に近い側であって、第1シートの横辺の一方よりも第1シートの横辺の他方に近い側に設けられる。
【0012】
本発明に係る検体採取方法は、第1シートと、第2シートとを含む検体採取シートを使った検体採取方法である。
第1シートと第2シートは、少なくとも一部が接続した状態で構成される。
第1シートの一方の面と、第2シートの一方の面とが対向する位置関係で、第1シートと第2シートとが重ねられる。
第1シートの第2シートと対向する面と、第2シートの第1シートと対向する面は、被検者の検体を保持する領域として用いられる。
第1シートの第2シートと対向する面と、第2シートの第1シートと対向する面の少なくとも1つには、酸味を有する食べ物の画像を含む酸味食品画像領域が設けられる。
検体採取方法は、酸味食品画像領域が見える状態で、検体採取シートが保持される検体採取シート保持工程を実行する。
検体採取方法は、検体採取シートを被検者の鼻に近づけ、被検者が鼻かみ液を噴出する、若しくは、第1シートと第2シートの間に被検者が唾液を供給する検体供給工程とを実行する。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、検体を出しやすい検体採取シートなどを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態における第1シートと第2シートの内側を含み、第1横辺と第2横辺とが接続せず、開いた状態の検体採取シートの背面図である。
図2】第1シートと第2シートとが対向した状態の検体採取シートの斜視図である。
図3】第1シートの酸味食品画像領域(レモン)を含む領域が外側を向いた状態の検体採取シートの斜視図である。
図4】第1シートの酸味食品画像領域(梅干し)を含む領域が外側を向いた状態の検体採取シートの斜視図である。
図5】鼻かみ液を採取する際の被検者と検体採取シートの正面図である。
図6】唾液を採取する際の被検者と検体採取シートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0016】
(検体採取シート1)
本実施形態における検体採取シート1は、抗原検査などで、被検者の唾液、鼻かみ液を採取するシート状のものである。
検体採取シート1は、第1シート11と第2シート12とを備える。
第1シート11と第2シート12は、略同じ大きさで、且つ略矩形形状を有する。
第1シート11と第2シート12は、少なくとも一部が接続した状態で構成される。
本実施形態では、第1シート11の縦辺の一方(第1縦辺11a)と第2シート12の縦辺の一方(第2縦辺12a)とが接続し、第1シート11の横辺の一方(第1横辺11b)と第2シート12の横辺の一方(第2横辺12b)とが接続する。
すなわち、第1シート11の縁の一部(第1縦辺11aと第1横辺11b)と、第2シート12の縁の一部(第2縦辺12aと第2横辺12b)とが接続する。
【0017】
図1は、第1縦辺11aと第2縦辺12aとが接続し、第1横辺11bと第2横辺12bとが接続する前の状態を示す。
例えば、第1シート11と第2シート12は、1枚のシートで構成され、当該1枚のシートを折り曲げ、折り曲げた部分が第1縦辺11aと第2縦辺12aに相当し、第1横辺11bと第2横辺12bとを接合することで、検体採取シート1が形成される。
また、第1シート11と第2シート12が別体で構成され、第1縦辺11aと第2縦辺12aとを接合し、第1横辺11bと第2横辺12bとを接合することで、検体採取シート1が形成されてもよい。
当該接合は、縫合によるものでもよいし、糊などの接着によるものでもよい。
【0018】
上述の接続及び接合により、第1シート11の一方の面(後述する第1シート11の内側面)と、第2シート12の一方の面(後述する第2シート12の内側面)とが対向する位置関係で、第1シート11と第2シート12とが重ねられる。
第1シート11の内側面、すなわち、第1シート11の第2シート12と対向する面、及び、第2シート12の内側面、すなわち、第2シート12の第1シート11と対向する面は、被検者の検体(唾液、鼻かみ液など)を保持する領域として用いられる。
【0019】
(酸味食品画像領域13)
第1シート11の内側面と第2シート12の内側面の少なくとも一方には、酸味を有する食べ物の画像を含む酸味食品画像領域13が設けられる。
当該画像は、写真であってもよいし、イラストであってもよい。
酸味を有する食べ物としては、レモン(図1図3参照)、梅干し(図4参照)などが考えられるが、他の食べ物であってもよい。
本実施形態では、第1シート11の内側面に酸味食品画像領域13が設けられる例を示す。
【0020】
(酸味食品画像領域13の位置)
酸味食品画像領域13は、第1シート11と第2シート12の接続箇所から離れた領域に設けられるのが望ましい。
具体的には、酸味食品画像領域13は、第1シート11と第2シートの接続領域と比べて、第1シート11と第2シート12の縁であって第1シート11と第2シート12の接続領域でない部分に近い領域に設けられる。
例えば、酸味食品画像領域13が第1シート11に設けられる場合、酸味食品画像領域13は、第1シート11の縦辺の一方(第1縦辺11a)よりも第1シート11の縦辺の他方に近い側であって、第1シート11の横辺の一方(第1横辺11b)よりも第1シート11の横辺の他方に近い側に設けられる。
【0021】
(検体の採取手順)
次に、検体採取シート1を使った検体採取方法を説明する。
被検者は、検体採取シート1の第1シート11と第2シート12の内側面、すなわち酸味食品画像領域13が見える状態で、検体採取シート1を保持する(検体採取シート保持工程)。
具体的には、第1シート11の第1横辺11bと第2シート12の第2横辺12bが下方に位置し、第1シート11と第2シート12の間に空間が形成されるようにして、被検者は検体採取シート1を保持する。
【0022】
検体採取シート1の保持は、被検者が行う形態に限らない。
例えば、被検者の周囲の者(親など)が行ってもよいし、検体採取シート1を保持する機械が行ってもよい。
【0023】
被検者の鼻かみ液を採取する場合、被検者は、鼻紙を使って鼻をかむ要領で、検体採取シート1を被検者の鼻に近づけ、第1シート11と第2シート12の内側面に向けて、鼻かみ液を鼻から噴出する(鼻かみ工程、図5参照)。
これにより、被検者の鼻かみ液が検体採取シート1に付着する。
被検者の唾液を採取する場合は、検体採取シート1を紙コップのように保持し、第1シート11と第2シート12の間の領域に、唾液を垂らす(唾液供給工程、図6参照)。
これにより、被検者の唾液が検体採取シート1に付着する。
【0024】
すなわち、本実施形態では、検体採取方法として、検体採取シート保持工程と、検体供給工程(鼻かみ工程と唾液供給工程のいずれか)を実行する。
検体採取シート1に付着した鼻かみ液、唾液などを使って、抗原検査などが行われる(検査工程)。
【0025】
(酸味食品画像領域13が設けられることの効果)
鼻かみ液、唾液などを採取する際には、緊張などで鼻かみ液、唾液などが出にくい状況が起こりえる。
本実施形態では、検体採取シート1の被検者と向き合う面(第1シート11の内側面など)に、酸味食品画像領域13が設けられる。
酸味食品画像領域13を見ることで、被検者に酸味がある食べ物を想像させ、唾液、鼻かみ液などを出しやすくすることが可能になる。
【0026】
(酸味食品画像領域13を接続箇所から離れた領域に設けることの効果)
第1シート11と第2シート12の接続箇所に近い領域に酸味食品画像領域13を設ける形態に比べて、検体採取シート1を被検者が保持した時に、被検者が酸味食品画像領域13を視認しやすくなる。
【0027】
(第1シート11、第2シート12の形状の応用例)
本実施形態では、第1シート11と第2シート12が略矩形形状を有するものとして説明した。しかしながら、第1シート11と第2シート12の形状は略矩形形状に限るものではなく、略多角形形状、略円形形状、略楕円形状などであってもよい。第1シート11と第2シート12が一体的に袋状に形成されてもよい。
【0028】
(第1シート11と第2シート12の接続の応用例)
本実施形態では、第1シート11と第2シート12の接続は、隣接する2辺で行われる例を説明した。しかしながら、第1シート11と第2シート12の接続は、1辺若しくは3辺で行われてもよい。
【0029】
例えば、第1縦辺11aと第2縦辺12aとが接続し、他の辺の接続が行われない状態で、検体採取シート1が形成されてもよい。
この場合は、1枚のシートを折り曲げるだけで、検体採取シート1が形成されるので、接合を行わずに、検体採取シート1を形成することも出来る。
【0030】
また、第1縦辺11aと第2縦辺12aとが接続し、第1横辺11bと第2横辺12bとが接続し、第1シート11の縦辺の他方と第2シート12の縦辺の他方とが接続し、第1シート11の横辺の他方と第2シート12の横辺の他方との接続が行われない状態で、検体採取シート1が形成されてもよい。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0032】
1 検体採取シート
11 第1シート
11a 第1縦辺
11b 第1横辺
12a 第2縦辺
12b 第2横辺
13 酸味食品画像領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6