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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】半導体層のパターニング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240329BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
H01L27/146 C
H01L31/10 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022151777
(22)【出願日】2022-09-22
(65)【公開番号】P2023168195
(43)【公開日】2023-11-24
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】111117724
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522328068
【氏名又は名称】天光材料科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Raynergy Tek Incorporation
【住所又は居所原語表記】2F, NO. 60, PARK AVENUE 2, HSINCHU SCIENCE PARK, HSINCHU, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】張 怡鳴
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-515326(JP,A)
【文献】特表2019-506733(JP,A)
【文献】特開2009-260134(JP,A)
【文献】国際公開第2020/031404(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層をパターニングする方法であって、
基板上に第1の電極と第2の電極を形成するステップと、
前記基板上にパターン化されたポリマー層を形成し、前記パターン化されたポリマー層は、前記第2の電極の一部に位置する第1部分と、前記基板のエッジ部分に位置する第2部分とを有するように構成するステップと
パターン化されたポリマー層、基板、及び前記第1の電極の上に光活性層、キャリア輸送層、又はそれらの組み合わせを含む半導体層を堆積させるステップと、
記パターン化されたポリマー層の前記第1部分及び前記第1部分上に位置する前記半導体層を除去して、前記半導体層に貫通孔を形成し、前記第2の電極の部分を露出させるステップと、
前記半導体層上及び前記貫通孔内に導電ブロックを堆積させるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記パターン化されたポリマー層の前記第1部分及び前記第1部分上に位置する前記半導体層を除去する一方、
記パターン化されたポリマー層の前記第2部分及び前記第2部分上に位置する前記半導体層を除去して基板のエッジ部分を露出させステップを含む、請求項1記載の方法
【請求項3】
以下のステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
前記半導体層及び前記貫通孔上に前記導電ブロックを堆積させた後、
記パターン化されたポリマー層の前記第2部分と、前記第2部分に位置する前記半導体層とを除去して、前記基板のエッジ部分を露出させるステップ。
【請求項4】
前記光活性層の材料が、有機半導体、量子ドット、ペロブスカイト、又はそれらの組み合わせからなる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記パターン化されたポリマー層が、エポキシ樹脂、ポリイミド、アクリル、又はそれらの組み合わせからなる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記パターン化されたポリマー層の第2部分は、上面から見て、前記基板のエッジ部分に位置する連続的な形状を有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記貫通孔内の前記導電ブロックが前記貫通孔を完全に充填する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
記パターン化されたポリマー層の前記第1部分が、機械的に引き剥がされることによって除去される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
記半導体層上及び前記貫通孔内に前記導電ブロックを堆積させた後、前記基板のエッジ部分にパッケージ層を形成するステップを含む、請求項1記載の方法
【請求項10】
記基板上に前記パターン化されたポリマー層を形成する前に、前記基板上に離型層を形成するステップと、
ターン化されたポリマー層の前記第1部分及び前記第1部分上に位置する半導体層を除去する一方、前記第1部分下の離型層を除去するステップとを含む、請求項1~9のいずれか1項記載の方法
【請求項11】
ターン化されたポリマー層の前記第2部分、前記第2部分上の前記半導体層、及び前記第2部分下の離型層を除去して、基板のエッジ部分を露出させるステップを含む、請求項10記載の方法
【請求項12】
前記パターン化されたポリマー層の前記第2部分、前記第2部分上の半導体層、及び前記第2部分の下の離型層を除去して、前記第1部分の下の離型層を除去しながら、前記基板のエッジ部分を露出させるステップを含む、請求項10記載の方法
【請求項13】
記半導体層上及び前記貫通孔内に導電ブロックを堆積させた後、
ターン化されたポリマー層の前記第2部分、前記第2部分上の半導体層、及び前記第2部分の下の離型層去して、前記基板のエッジ部分を露出させるステップを含む、請求項10記載の方法
【請求項14】
前記離型層が、水溶性ポリマー、フッ素含有有機分子、又はそれらの組み合わせからなる、請求項10記載の方法。
【請求項15】
水溶性ポリマーが、ヒドロキシル基、エーテル基、アミン基、又はスルホン酸基を有する、請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体層をパターニングする方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
アクティブマトリクス駆動又は読み出し信号を持つデバイスは、アクティブマトリクス型有機EL(AMOLED)やフォトダイオードを用いたイメージセンサーなど、多くの用途がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、半導体産業におけるフォトダイオードの小型化が徐々に進み、良好なフォトダイオードは、電極と外部配線との接続部の材料を除去して、電流発生に影響を与えないように電極と外部配線との間の高抵抗の形成を避ける必要がある。
さらに、良好なパッケージを形成し、機能デバイスの安定性を維持するためには、フォトダイオードの周囲の材料も除去する必要がある。そのため、フォトダイオードの製造工程では、材料をきれいに除去すること、適切な位置で除去することが非常に重要である。
【0004】
また、フォトダイオード材料の選択も、これまでのシリコン系材料から、有機半導体材料、量子ドット材料、或いはペロブスカイト材料へと発展してきた。また、フォトダイオードの構造も、材料の変化に対応して、下から上へ層状に積み上げる積層構造に変化している。
しかし、この製造工程で使用されるフォトレジスト薬品は、近時開発された有機半導体材料、量子ドット材料、ペロブスカイト材料に使用できない場合がある。例えば、リソグラフィ工程で使用される極性溶媒は、ペロブスカイト材料を分解する可能性があり、ペロブスカイト材料を用いたフォトダイオードのパターニングが困難である。また、電極の接続構造が良好なフォトダイオードを得ることは困難である。
従って、良好な電極接続構造を有し、かつ、現在の技術に適合した製造プロセスを有するフォトダイオードをいかにして得るかは、解決すべき課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、半導体層をパターニングする方法に関する。いくつかの実施形態において、本方法は、以下の操作を含む:基板上に第1の電極(第1電極)及び第2の電極(第2電極)を形成する。基板上にパターン化されたポリマー層を形成し、パターン化されたポリマー層は、第2の電極の一部分に位置する第1部分と、基板のエッジ部分に位置する第2部分とを有する。半導体層は、パターン化されたポリマー層、基板、及び第1の電極上に堆積される。パターン化されたポリマー層の第1部分及び第1部分上に位置する半導体層を除去して、半導体層に貫通孔(スルーホール)を形成し、第2の電極の部分を露出させる。半導体層上及び貫通孔内に導電ブロックを堆積させる。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法は、パターン化されたポリマー層の第2部分及び第2部分上に位置する半導体層を除去して基板のエッジ部分を露出させる一方で、パターン化されたポリマー層の第1部分及び第1部分上に位置する半導体層を除去するステップを含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、半導体層及び貫通孔上に導電ブロックを堆積させた後、第2部分におけるパターン化されたポリマー層及び第2部分上に位置する半導体層を除去して基板の端部を露出させるステップを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、半導体層は、光活性層、キャリア輸送層、又はそれらの組合せを含む。光活性層の材料は、有機半導体、量子ドット、ペロブスカイト、又はそれらの組合せを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、パターン化されたポリマー層は、エポキシ樹脂、ポリイミド、アクリル、又はそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、パターン化されたポリマー層の第2部分は、上面図において基板のエッジ部分に位置する連続的な形状を有する。
【0009】
ある実施形態では、貫通孔内の導電ブロックは、貫通孔を完全に充填する。
【0010】
いくつかの実施形態では、パターン化されたポリマー層の第1部分は、機械的に引き剥がすことによって除去される。
【0011】
いくつかの実施形態において、本方法は、半導体層上及び貫通孔内に導電ブロックを堆積させた後、基板のエッジ部分上にパッケージ層(封止層)を形成するステップをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、方法は、基板上にパターン化されたポリマー層を形成する前に基板上に離型層を形成するステップと、パターン化されたポリマー層の第1部分及び第1部分上に位置する半導体層を除去しながら第1部分の下にある離型層を除去するステップとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、この方法は、パターン化されたポリマー層の第2部分、第2部分上の半導体層、及び第2部分の下の剥離層(リリース層)を除去して、基板の端部を露出させるステップを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、この方法は、パターン化されたポリマー層の第2部分、第2部分上の半導体層、及び第2部分の下の離型層を除去して、第1部分の下の離型層を除去しながら、基板の端部を露出させるステップを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、本方法は、半導体層上及び貫通孔内に導電ブロックを堆積させた後、基板の端部を露出させるために、パターン化されたポリマー層の第2部分、第2部分上の半導体層、及び第2部分の下の離型層を除去するステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、剥離層は、水溶性ポリマー、フッ素含有有機分子、又はそれらの組み合わせを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは、ヒドロキシル基、エーテル基、アミン基、又はスルホン酸基を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面略図
本開示の添付図面を読むとき、本開示の様々な態様の理解が以下の説明から示唆される。標準的な業界慣行に従って、様々な特徴寸法は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。様々な特徴寸法は、議論を明確にするために任意に増加又は減少させることができる。
【0019】
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態に従って形成されたフォトダイオード構造の断面図である。
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする方法のフローチャートである。
図3図3は、剥離層を含む本開示のいくつかの実施形態によるフォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする方法のフロー図である。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階の断面図である。
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階の断面図である。
図6図6は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階の断面図である。
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階の上面図である。
図8図8A~8Bは、本開示のいくつかの実施形態によるフォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階断面図である。
図9図9A~9Cは、本開示のいくつかの実施形態による、フォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階断面図である。
図10図10は、剥離層を含む本開示のいくつかの実施形態によるフォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階断面図である。
図11図11は、剥離層を含む本開示のいくつかの実施形態によるフォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階断面図である。
図12図12は、剥離層を含む本開示のいくつかの実施形態によるフォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階断面図である。
図13図13は、剥離層を含む本開示のいくつかの実施形態によるフォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階上面図である。
図14図14A~14Bは、剥離層を含む本開示のいくつかの実施形態によるフォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階断面図である。
図15図15A~15Cは、剥離層を含む本開示のいくつかの実施形態によるフォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする中間段階断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
本開示の異なる特徴を説明するために、異なる実施形態が以下に提供される。本開示を簡略化するために、要素及び構成の具体例が以下に示される。もちろん、これらは例示に過ぎず、限定することを意図していない。例えば、第1特徴部が第2特徴部の上方に形成されているという以下の説明には、第1特徴部と第2特徴部とが直接接触して形成されている実施形態が含まれてもよく、また、第1特徴部と第2特徴部とが直接接触して形成されないように第1特徴部と第2特徴部の間に他の特徴部が形成されている実施形態が含まれてもよい。
【0021】
さらに、図中のある要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明するために、下及び上などの空間的に相対的な用語が本明細書で使用される場合がある。図に描かれた向きに加えて、空間的に相対的な用語は、使用又は操作における装置の異なる向きを包含することを意図している。装置は、他の向き(90度回転又は他の向き)であってもよく、空間的相対を用いた本明細書の説明も同様に、それに応じて解釈され得る。本明細書における議論において、特に指示しない限り、異なる図における同じ参照番号は、同じ又は類似の材料を用いて同じ又は類似の方法によって形成された同じ又は類似の要素を指す。
【0022】
本開示は、半導体層をパターニングする方法を提供し、本方法は、以下の操作を含む。基板上に第1の電極及び第2の電極を形成する。基板上にパターン化されたポリマー層を形成し、パターン化されたポリマー層は、第2の電極の部分上に第1部分を有し、基板の端部部分上に第2部分を有する。半導体層は、パターン化されたポリマー層、基板、及び第1の電極上に堆積される。第1部分におけるパターン化されたポリマー層と第1部分上の半導体層を除去して、半導体層に貫通孔を形成し、第2の電極の部分を露出させる。半導体層上及び貫通孔内に導電ブロックを堆積させる。以下、本開示の半導体層のパターニング方法について、実施形態に基づき詳細に説明する。
【0023】
図1は、本開示のいくつかの実施形態に従って形成されたフォトダイオード構造の断面図である。図2及び図3は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトダイオード構造を形成するために半導体層をパターニングする方法のフローチャートである。図2図3との違いは、図3の方法は、離型層を形成し除去するステップをさらに含むことである。図1のフォトダイオード構造は、基板101、第1の電極103、第2の電極105、半導体層107、導電ブロック109、パッケージ層111、及び貫通孔H1を含み、半導体層107は、有機半導体、量子ドット、ペロブスカイト、又はそれらの組み合わせなどの、現在のリソグラフィー工程で用いられる化学物質と非相溶で溶液型工程で形成する必要がある物質を含むことができる。すなわち、図1に示す半導体層107は、パターニングが困難であるという特徴を有する。しかし、半導体層107をパターニングする目的は、図2及び図3に示すように、半導体層107をパターン化されたポリマー層(例えば、後述するパターン化されたポリマー層113)上に形成する方法によって達成することが可能である。パターン化されたポリマー層113が形成される位置は、半導体層107がパターン化されようとする位置に相当する。例えば、第2の電極105の部分105aは、半導体層107の貫通孔H1の位置に対応する。このように、基板101上にパターン化されたポリマー層113を形成した状態で半導体層107を形成すると、パターン化されたポリマー層を除去することにより、その下にパターン化されたポリマー層を有する半導体層107も同時に除去でき、基板101上にパターン化されたポリマー層のない半導体層107を残存させて半導体層のパターニングの目的を達成することができる。
【0024】
次に、図2の半導体層をパターニングする方法200によって形成された図1のフォトダイオード構造体を詳細に説明する。図2の動作202において、図4のフォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図を参照して、基板101上に第1の電極103及び第2の電極105を形成する。いくつかの実施形態において、基板101は、フレキシブルなポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)などの透明基板や、例えば、非フレキシブルガラス基板、シリコンウェハ状基板などである。いくつかの実施形態では、基板101は、薄膜トランジスタ(TFT)基板である。いくつかの実施形態では、基板101は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)基板である。いくつかの実施形態では、基板101は、回路を含む。図1及び図4に示す実施形態では、第1の電極103及び第2の電極105は、互いに空間的に分離されている。いくつかの実施形態では、第1の電極103は、単位電極である。図1及び図4に示すように複数あってもよく、それらは互いに分離され、後の工程でその上に形成される半導体層107の画素(図示せず)の位置に対応するアレイのように配置される。いくつかの実施形態では、第2の電極105は、図1に示すように、後続の工程でその上に形成される導電ブロック109を接続し、基板101内の駆動回路又は読み出し回路(図示せず)を接続して電気回路を形成する接続電極とされる。なお、説明のために、本開示の基板101は、素子単位の基板であり、本開示で提供される図面には、単一の素子単位が概略的に描かれているに過ぎないことに留意されたい。しかし、当業者は、実際のプロセスにおいて、基板が複数の要素ユニットの共通の基板であるように、複数の要素ユニットが存在する可能性があることを知るべきである。そして、後述する動作は、共通基板に対して行われる。共通基板上にパターン化されたポリマー層を形成するなどの操作により、各素子ユニットは、後述する貫通孔及びパッケージ層を含む、本開示で提供する図面のようなフォトダイオード構造を形成することができる。
【0025】
次に、図2の動作204において、図5のフォトダイオード構造体を形成する中間段階の断面図も参照する。基板101上にパターン化されたポリマー層113を形成し、パターン化されたポリマー層113は、第2の電極105の部分105A上に第1部分113Aを有し、基板101の縁部分101B上に第2部分113Bを有し、これらは後の工程でその上に半導体層107を形成するパターンの位置を規定する。すなわち、第1部分113Aは、図1のフォトダイオード構造における半導体層107の貫通孔H1の位置を規定し、導電ブロック109が貫通孔H1を充填した後に第2の電極105に接続して電気回路を形成できるようにする。第2部分113Bは、パッケージ層111が凹部H2を覆って、正常な機能に影響を与える可能性のある外部の酸素又は水分の浸入からフォトダイオード構造を保護できるように、図1のフォトダイオード構造における半導体層107の凹部H2の位置を規定する。いくつかの実施形態において、パターン化されたポリマー層113は、エポキシ樹脂、ポリイミド、アクリル、又はそれらの組み合わせを含んでもよく、この場合、ポリイミドは、例えば、一般的なポリイミド又は感光性ポリイミドアミンである。いくつかの実施形態では、パターン化されたポリマー層113は、熱、光、又は化学的手段によって硬化又は架橋することができる他の材料も含んでもよい。パターン化されたポリマー層113は、後続のプロセスで除去(剥離)される際に破損又は破壊されないように機械的な強靱性(mechanical toughness)を有し、リソグラフィプロセス又は必要なエッチングプロセスによってパターン化することもできることに留意されたい。
いくつかの実施形態では、パターン化されたポリマー層113は、スクリーン印刷、インクジェット、又はステンシル印刷などの印刷によって、基板101上に第1部分113A及び第2部分113Bと直接形成される。いくつかの実施形態では、パターン化されたポリマー層113は、基板101上にポリマー層(図示せず)を露光及び現像して、第1部分113A及び第2部分113Bを形成することによって形成される。いくつかの実施形態では、パターン化されたポリマー層113は、基板101上のポリマー層(図示せず)上にドライフィルムフォトレジスト層を積層し、ドライフィルムフォトレジスト層の露光及び現像によって第1部分113A及び第2部分113Bを規定した後にポリマー層をエッチングして第1部分113A及び第2部分113Bを有するパターン化されたポリマー層113を得、最後に、ドライフィルムフォトレジスト層を剥がすことによって形成されている。
いくつかの実施形態では、パターン化されたポリマー層113は、基板101上のポリマー層(図示せず)上にフォトレジスト層(図示せず)をスピンコーティングし、ドライフィルムフォトレジスト層を露光及び現像して第1部分113A及び第2部分113Bを規定した後にポリマー層をエッチングして第1部分113A及び第2部分113Bを有するパターン化されたポリマー層113を得、最後に、ドライフィルムフォトレジスト層を除去して形成される。
【0026】
次に、図2の動作206において、図6及び図7のフォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図及び上面図を参照して、パターン化されたポリマー層113、基板101及び第1の電極103上に半導体層107を成膜する。半導体層107は、光活性層及び必要な複数層のキャリア輸送層(図示せず)を含み、光活性層の材料は、有機半導体、量子ドット、ペロブスカイト、又はそれらの組み合わせを含むことができ、例えば、一般式ABX を有するペロブスカイト鉱物量子ドットは、Aがホルムアミジニウム(FA)、メチルアンモニウム(MA)、セシウム又はその組み合わせであり得る。Bは鉛、スズ、又はそれらの組み合わせ、Xはハロゲン、又は P3HTなどの有機半導体層である。PCBM、PTB7:PCBM、PM6:Y6、共役ポリマー:フラーレン誘導体、共役ポリマー:非フラーレン受容体、共役ポリマー:共役ポリマー、共役低分子:共役低分子、共役低分子:共役ポリマーなどが挙げられるが、これに限定されるものではなく、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、リン化インジウム(InP)、硫化鉛(PbS)等の量子ドット材料、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシロキシ)-1,4-フェニレンビニレン](MEH-SPV)等の発光型の有機半導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない、としている。光活性層の材料は、光電変換効率に優れるが、それ自体の特性から、スピンコートなどの溶液型プロセスで形成されることが多い。いくつかの実施形態では、半導体層107は単層に限定されず、例えば、複数層のスタック構造を有し、それぞれが光活性層の上下にキャリア輸送層を有し、後述する半導体層107上の第1の電極103及び導電ブロック109に電子及び正孔を集めるのに役立っている場合がある。
【0027】
図7の上面図において、線A-Aは図6の断面位置を示し、点線は半導体層107に覆われたパターン化されたポリマー層113の第1部分113A及び第2部分113Bの透視位置を示している。
【0028】
なお、パターン化されたポリマー層113の第2部分113Bは、図7に示す上面図において、基板101の縁部分101Bに連続した形状を有しており、長方形の(基板101の)周囲を連続的に包囲するように、帯状にフォトダイオード構造の基板の端縁部に配置されるものであり、半導体層107の下層の第1の電極103などの内部素子を囲んでいることに注目されたい。
【0029】
次に、図2の操作208Aにおいて、フォトダイオード構造の中間段階における断面図である図8Aも参照する。パターン化されたポリマー層113の第1部分113Aとその上の半導体層107を除去して、半導体層107に凹部H2を形成して基板101の端部部分101Bを露出させる。図7において、パターン化されたポリマー層113の第2部分113Bは、上面視で基板101のエッジ部分101Bに連続した形状を有することが知られており、従って、図6に示すように第2部分113Bの左右部分を除去して図8Aに示すような凹部H2を得ることは、実質的に一体として除去することである。いくつかの実施形態では、パターン化されたポリマー層113は、機械的に引き剥がされる。パターン化されたポリマー層113は機械的靭性を有するので、引き剥がしの際に破損したり、破断したりすることはない。パターン化された半導体層107は、操作208Aによって得られ、その上に残留する半導体層107のない貫通孔H1凹部H2のパターンを実質的に有する。本開示によって提供される半導体層のパターン化方法は、それ自身の特性(リソグラフィ工程で使用される溶媒と混和する、又は化学反応を引き起こすなど)によりリソグラフィ工程と不適合である半導体層107をパターン化するだけではなく、フォトダイオード構造を小型化した後に、所望のパターンに従って半導体層107をパターン化するために使用することも可能である。
【0030】
次に、図2の動作210Aにおいて、フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図である図8Bも参照して、半導体層107上及び貫通孔H1内に導電ブロック109を成膜する。貫通孔H1内の導電ブロック109は、貫通孔H1を完全に充填し、第2の電極105の部分105Aと良好に接続されているので、貫通孔H1内には半導体層107が存在せず、半導体層の高い抵抗値による電流発生への影響はない。
また、半導体層107上の導電ブロック109は、半導体層107によって第1の電極103から空間的に分離されており、第1の電極103との直接接触による短絡を回避することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、半導体層107上の導電ブロック109は、図1に示す第1の電極103のような半導体層107内の画素位置に対応して配置された単位電極と比較して、半導体層107内の画素の共通電極となる。いくつかの実施形態において、導電ブロック109の材料は、アルミニウム、銀、モリブデン、銅、チタン、窒化チタン(TiN)などの金属;酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物;カーボンナノチューブなどの炭素系材料;及び有機導電材料などであってもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1の電極103はアノードとして働き、半導体層107上の導電ブロック109はカソードとして働く、又は、第1の電極103はカソードとして働き、半導体層107上の導電ブロック109はアノードとして働く。いくつかの実施形態では、アノード及びカソードは、半導体層107によって生成された電流を集めるために、電圧源(図示せず)に接続される。
【0033】
いくつかの実施形態では、トランジスタ回路及びキャパシタは、基板101に配置される。いくつかの実施形態において、導電ブロック109を堆積する方法は、以下の操作を含む:導電ブロック109を堆積する前に、半導体層107をその上に有する基板101上にマスク(図示せず)を形成し、従って、マスクは基板101の縁部分101Bを覆い、その中の半導体層107及び貫通孔H1を露出し、次にマスクからの露出部分に導電ブロック109を堆積し、次にマスクを除去して図8の横断面図で示すフォトダイオード構造物を取得することである。
図8Bでは、このとき、マスクで覆われた基板101のエッジ部101Bには、半導体層107の凹部H2のパターンが保持されており、その後の工程でその上にパッケージ層111を形成することが可能である。
【0034】
次に、図2の動作212Aにおいて、図8Bに示すように、基板101のエッジ部101Bにパッケージ層111を形成し、図1に示すようなフォトダイオード構造を得る。いくつかの実施形態では、パッケージ層111の材料は、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化シリコン、エポキシ樹脂等、又はそれらの組み合わせを含む。
【0035】
次に、図2の操作206に戻って、操作208Aを継続してパターン化されたポリマー層113の第1部分113A及び第2部分113B(第1部分113A及び第2部分113Bにおけるパターン化されたポリマー層113)を同時に除去することに加えて、操作208Bを行い、パターン化されたポリマー層113の第1部分113Aのみ(第1部分113Aのみにおけるパターン化されたポリマー層113)を除去することができる。
操作208Bでは、図9A、フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図を参照する。パターニングされたポリマー層113の第1部分113A及びその上の半導体層107を除去して半導体層107に貫通孔H1を形成し、第2の電極105の部分105Aを露出させる。次に、動作210Bにおいて、図9Bを参照する。フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図であり、半導体層107上及び貫通孔H1内に導電ブロック109を蒸着させる。このとき、パターン化されたポリマー層113の第2部分113Bが基板101のエッジ部分101B上に残っているため、第2部分113Bを利用して導電ブロック109を蒸着する位置を規定することができ、これにより、前記動作210Aで導電ブロック109をパターニングするための追加マスクを形成するなどの追加プロセス動作のコスト低減や、導電ブロック109の材料のうちパターニング困難な材料に対してより多様化させることが可能である。次に、動作212Bにおいて、フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図である図9Cを参照する。半導体層107上及び貫通孔H1内に導電ブロック109を堆積した後、パターン化されたポリマー層113の第2部分113B及びその上の半導体層107を除去する。また、半導体層107に凹部H2を形成し、基板101のエッジ部101Bを露出させる。操作208A~210Aとは異なり、操作208B~212Bは、異なるプロセス段階における異なる位置、すなわち、第1部分113Aと第2部分113Bのパターン化されたポリマー層113を選択的に除去できるため、半導体層107のパターン化も選択的に達成でき、プロセス方法がより多様化される。なお、動作208B及び動作212Bは動作208Aと基本的に同じであり、動作210Bは動作210Aと基本的に同じであり、ここでは詳細な説明は繰り返さない。結論として、操作208B~212Bは、半導体層107の貫通孔H1及び凹部H2のパターンを得るための操作208A~210Aと同じであり、フォトダイオード構造の小型化後も本開示が提供する方法を用いて、所望のパターンに従って半導体層107をパターン化することが可能である。操作208B~212Bの後、操作214Bを行い、図9Cに示すように、基板101の端部101Bにパッケージ層111を形成して、図1に示すようなフォトダイオード構造を得る。動作214Bは、基本的に動作212Aと同じであり、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
【0036】
次に、図3の半導体層をパターニングする方法300によって形成された図1のフォトダイオード構造について詳細に説明する。図2とは異なり、図3の方法300は、離型層の形成及び除去をさらに含む。離型層は、低表面エネルギー及び/又は低接着性を有する材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、離型層は、水溶性ポリマー、フッ素含有有機分子、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。具体的には、水溶性ポリマーは、ヒドロキシル基、エーテル基、スルホン酸基、及び/又はアミン基などのカチオン性基、アニオン性基、又は極性非イオン性基を有するポリマー材料を指す。いくつかの実施形態において、水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミド、又はそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、フッ素含有有機分子は、ポリ(1,1,2,2-テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリ(1,1-ジフルオロエチレン)(PVDF)、上記分子の誘導体、又はこれらの組み合わせなどのフッ素系ポリマーを含んでもよい。離型層の目的は、基板上のパターン化されたポリマー層の粘着力を低下させ、その後の工程で基板からのパターン化されたポリマー層の除去を容易にすることであることに留意されたい。詳細には、図2の方法200において、パターン化されたポリマー層113は、基板101と直接接触して形成され、高い粘着性を有する。パターン化されたポリマー層113を基板101から剥離しやすくするために、基板101とパターン化されたポリマー層113との間に剥離性のよい剥離層を形成する。図3の動作302では、図10も参照して、フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図であり、基板101上に第1の電極103及び第2の電極105を形成し、その上に剥離層115を形成してからパターニングされた高分子層を形成している。離型層115を形成する以外の動作302は、基本的に動作202と同じであり、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
【0037】
次に、図3の操作304において、図11のフォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図も参照して、基板101上、より正確には基板101の上の離型層115上にパターン化されたポリマー層113が形成される。離型層115を除き、動作304は基本的に動作204と同様であり、ここでは詳細な説明は繰り返さない。また、剥離層115はパターン化されたポリマー層113よりも基板101から剥離しやすいため、操作204と同様の方法でポリマー層(図示せず)をパターン化する場合、図11に示すように、パターン化された剥離層115(図示せず)を同時に得ることができる。例えば、基板101上にポリマー層(図示せず)を露光・現像して第1部分113A及び第2部分113Bを形成することにより、パターン化されたポリマー層113を形成する実施形態では、剥離層115が基板101から剥離しやすいため、ポリマー層を現像してパターン化されたポリマー層113を形成すると、未硬化ポリマー層の下の剥離層115も現像・除去されることになる。すなわち、操作304では、操作204のようなパターン化されたポリマー層113の形成に加えて、パターン化離型層115の形成も行う。パターン化されたポリマー層113と同様に、パターン化離型層115は、図11に示すように、第2の電極105の部分105A上に第1部分115Aを有し、基板101の縁部分101B上に第2部分115Bを有する。
【0038】
次に、図3の動作306において、図12及び図13のフォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図及び上面図も参照して、パターン化されたポリマー層113、基板101、及び第1の電極103上に半導体層107を成膜する。離型層115を除き、動作306は基本的に動作206と同様であり、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
【0039】
次に、図3の操作308Aにおいて、図14Aも参照して、フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図、パターン化されたポリマー層113の第1部分113A及びその上の半導体層107を除去して、半導体層107に貫通孔H1を形成し、第2の電極105の部分105Aを露出させる。操作208Aと比較して、操作308Aは、さらに、離型層115を含む。離型層115は、その上のパターン化されたポリマー層113及び半導体層107の第1部分113Aを除去するときに、基板101からより容易に剥離されるので、その下の離型層115も同時に除去され、すなわち、離型層115の第1部分115Aが除去される。操作208Aと同様に、操作308Aは、パターン化されたポリマー層113及びその上の半導体層107の第1部分113Aを除去する際に、パターン化されたポリマー層113の第2部分113Bを同時に除去して半導体層107に凹部H2を形成して基板101の縁部分101Bを露出させるステップをさらに含む。同様に、パターン化されたポリマー層113及びその上の半導体層107の第2部分113Bを除去すると、その下の離型層115も同時に除去され、すなわち、離型層115の第2部分115Bが除去される。剥離層115を除いて、操作308Aは基本的に操作208Aと同じであり、詳細はここでは繰り返さない。全体として、操作308Aは、半導体層107における貫通孔H1及び凹部H2のパターンを得るための操作208Aと同じであり、本開示によって提供される方法は、フォトダイオード構造が小型化された後でも所望のパターンに従って半導体層107をパターン化することが可能である。
【0040】
次に、図3の動作310Aにおいて、フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図である図14Bも参照して、半導体層107上及び貫通孔H1内に導電ブロック109を成膜する。貫通孔H1内の導電ブロック109は、貫通孔H1を完全に充填し、第2の電極105の部分105Aに良好に接続される。なお、貫通孔H1内には半導体層107が存在しないため、抵抗値が高くなりすぎて電流の発生に影響を与えることはない。また、半導体層107上の導電ブロック109は、半導体層107によって第1の電極103と空間的に分離されており、第1の電極103との直接接触による短絡を回避している。動作310Aは、基本的に動作210Aと同様であり、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
【0041】
次に、図3の動作132Aにおいて、基板101の端部101Bにパッケージ層111を形成し(図14Bに示すように)、フォトダイオード構造(図1に示すような構造)を得る。動作132Aは、基本的に動作212Aと同じであり、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
【0042】
次に、図3の動作306に戻り、パターン化されたポリマー層113の第1部分113Aと第2部分113Bを同時に除去する動作308Aを継続することに加えて、パターン化されたポリマー層113の第1部分113Aのみを除去する動作308Bを行うことができる。操作308Bでは、図15A、フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図も参照して、パターニングされたポリマー層113の第1部分113A及びその上の半導体層107を除去して半導体層107に貫通孔H1を形成し、第2の電極105の部分105Aを露出させる。なお、動作308Bでは、さらに離型層115を含むので、その上のパターニングされたポリマー層113及び半導体層107の第1部分113Aが除去されると、その下の離型層115も同時に除去され、すなわち、離型層115の第1部分115Aが除去されることになる。
次に、操作310Bにおいて、図15B、フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図も参照して、半導体層107上及び貫通孔H1内に導電ブロック109を堆積させる。離型層115を除き、動作310Bは基本的に動作210Bと同様であり、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
【0043】
次に、動作312Bでは、フォトダイオード構造を形成する中間段階の断面図である図15Cも参照して、半導体層107上及び貫通孔H1内に導電ブロック109を堆積した後、パターン化されたポリマー層113及びその上の半導体層107の第2部分113Bを除去して半導体層107に凹部H2を形成して基板101の縁部分101Bを露出させる。同様に、パターン化されたポリマー層113及びその上の半導体層107の第2部分113Bが除去されると、その下の剥離層115も同時に除去され、すなわち、剥離層115の第2部分115Bが除去される。操作308A~310Aとは異なり、操作308B~312Bは、第1部分113Aと第2部分113Bというように、異なるプロセス段階における異なる位置のパターン化されたポリマー層113を選択的に除去できるので、半導体層107のパターニングも選択的に達成でき、プロセス方法がより多様化される。
【0044】
なお、動作308B及び動作312Bは動作308Aと基本的に同じであり、動作310Bは動作310Aと基本的に同じであり、ここでは詳細な説明は繰り返さない。結論として、操作308B~312Bは、半導体層107の貫通孔H1及び凹部H2のパターンを得るための操作308A~310Aと同じであり、本開示が提供する方法は、フォトダイオード構造を小型化した後でも所望のパターンに従って半導体層107をパターン化することが可能である。操作308B~312Bの後、操作314Bを行い、基板101のエッジ部101B上にパッケージ層111を形成して(図15Cに示すように)フォトダイオード構造(図1に示すような)を取得する。動作314Bは、基本的に動作132Aと同じであり、詳細はここでは繰り返さない。
【0045】
本開示は、半導体層をパターニングする方法を提供する。溶液型プロセスによってのみフォトダイオード構造上に塗布することができる半導体層107は、パターニングされたポリマー層113上に形成される。半導体層107をその上にパターン化されたポリマー層113を有する基板101上に形成する場合、その下のパターン化されたポリマー層113を除去することによって、半導体層107を同時に除去することができる。その下にパターン化されたポリマー層113を有しない半導体層107が残る。これにより、半導体層107における貫通孔H1や凹部H2などの所望のパターンを得ることができ、半導体層107をパターニングする目的を達成するとともに、半導体層107がその特性上リソグラフィー工程で使用する薬品との相性が悪くなるという課題を解決することができる。
【0046】
上記は、当業者が本開示の態様をより良く理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説したものである。当業者は、本明細書に提示された実施形態と同じ目的を遂行し、及び/又は同じ利点を達成するための他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として、いつでも本開示を利用できることを理解すべきである。また、当業者は、そのような同等の構造は、本開示の精神及び範囲から逸脱せず、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、及び修正を行うことができることを理解するべきである。
図1
図2
図3
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