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▶ あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240329BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20240329BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q40/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023192169
(22)【出願日】2023-11-10
【審査請求日】2023-11-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592018320
【氏名又は名称】あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】乙黒 彰仁
(72)【発明者】
【氏名】夏目 茂
(72)【発明者】
【氏名】馬詰 健輔
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-510347(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2521185(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末からの住民登録の要求を処理する処理部及び記憶部を備えた情報処理システムであって、
前記処理部は、
前記住民登録の要求に含まれる個人情報と本人確認情報とに基づいて本人確認要求を第1情報処理サーバに送信し、
前記本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信した場合、前記記憶部に記憶された所定の保険の識別情報を取得して契約対象の保険の情報とし、前記個人情報と前記契約対象の保険の情報とを含む契約要求を第2情報処理サーバに送信し、
前記契約要求の応答として肯定的な契約結果を受信した場合、前記ユーザ端末に住民登録の完了を通知する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末で収集したパーソナルデータを前記第1情報処理サーバに送信する転送部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1情報処理サーバは、特定の地域に関係する人の情報が登録されたデータベースに基づいて、前記本人確認要求を処理する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1情報処理サーバは、特定の企業に関係する人の情報が登録されたデータベースに基づいて、前記本人確認要求を処理する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末を使用するユーザに提案する保険の情報を送信するレコメンド部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記ユーザ端末に特典データを配信する配信部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第2情報処理サーバは、前記第1情報処理サーバにリスク関連データを要求し、取得した前記リスク関連データに基づいて前記保険の保険料を算出する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
記憶部を備えたコンピュータが、
ユーザ端末から住民登録の要求を受信することと、
前記住民登録の要求に含まれる個人情報と本人確認情報とに基づいて本人確認要求を第1情報処理サーバに送信することと、
前記本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信した場合、前記記憶部に記憶された所定の保険の識別情報を取得して契約対象の保険の情報とし、前記個人情報と前記契約対象の保険の情報とを含む契約要求を第2情報処理サーバに送信することと、
前記契約要求の応答として肯定的な契約結果を受信した場合、前記ユーザ端末に住民登録の完了を通知することと
を含む方法。
【請求項9】
記憶部を備えた1又は複数のコンピュータに、
ユーザ端末から住民登録の要求を受信する処理と、
前記住民登録の要求に含まれる個人情報と本人確認情報とに基づいて本人確認要求を第1情報処理サーバに送信する処理と、
前記本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信した場合、前記記憶部に記憶された所定の保険の識別情報を取得して契約対象の保険の情報とし、前記個人情報と前記契約対象の保険の情報とを含む契約要求を第2情報処理サーバに送信する処理と、
前記契約要求の応答として肯定的な契約結果を受信した場合、前記ユーザ端末に住民登録の完了を通知する処理と
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル化を推進する各種技術が急速に進展しており、これらの技術をまちづくりに取り入れることで、都市や地域の抱える課題を解決していこうとする取り組みが各地域で展開されている。
【0003】
このような取り組みの一例であるスマートシティ又はスーパーシティの実現に向けて、医療、交通、エネルギー、防災等、様々な側面からのアプローチが進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、保険を通じてスマートシティ又はスーパーシティに新たな付加価値を提供することが可能な情報処理システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、ユーザ端末からの住民登録の要求を処理する処理部を備え、処理部は、住民登録の要求に含まれる個人情報と本人確認情報とに基づいて本人確認要求を第1情報処理サーバに送信し、本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信した場合、個人情報と契約対象の保険の情報とを含む契約要求を第2情報処理サーバに送信し、契約要求の応答として肯定的な契約結果を受信した場合、ユーザ端末に住民登録の完了を通知する。
【0006】
この態様によれば、情報処理システムは、住民登録の要求に応じて、保険を自動契約することを支援することができる。情報処理システムがスマートシティ又はスーパーシティに関わる人々に対して包括的な補償を提供することで、安心・安全な暮らしを担保することができる。
【0007】
上記情報処理システムは、ユーザ端末で収集したパーソナルデータを第1情報処理サーバに送信する転送部をさらに備えてもよい。この態様によれば、第1情報処理サーバはパーソナルデータを効果的に収集し、データの活用に資することができる。
【0008】
第1情報処理サーバは、特定の地域に関係する人の情報が登録されたデータベースに基づいて、本人確認要求を処理してもよい。この態様によれば、スマートシティ又はスーパーシティに住所を有する人や都市に所在する企業の従業員が、当該スマートシティ又はスーパーシティの住民等が等しく必要な保険に自動契約することを可能にすることができる。
【0009】
第1情報処理サーバは、特定の企業に関係する人の情報が登録されたデータベースに基づいて、本人確認要求を処理してもよい。この態様によれば、所定の企業の従業員が、当該企業の従業員が等しく必要な保険に自動契約することを可能にすることができる。
【0010】
上記情報処理システムは、ユーザ端末を使用するユーザに提案する保険の情報を送信するレコメンド部をさらに備えてもよい。この態様によれば、ユーザ端末のユーザに、自動契約の保険に加えて、当該ユーザに適した追加の保険の情報を提供することができる。
【0011】
上記情報処理システムは、ユーザ端末に特典データを配信する配信部をさらに備えてもよい。この態様によれば、ユーザ端末のユーザは、パーソナルデータの提供に協力することで、特典データの付与等、利益を享受することができる。
【0012】
第2情報処理サーバは、第1情報処理サーバにリスク関連データを要求し、取得したリスク関連データに基づいて保険の保険料を算出してもよい。この態様によれば、第2情報処理サーバは、補償対象となる都市の様々なリスク関連データを活用してより合理的な保険料を算出することができる。都市の様々なリスク関連データが保険料に反映されることで、スマートシティ又はスーパーシティに関係する人々の行動変容を促すことができる。
【0013】
本発明の他の態様に係る方法は、コンピュータが、ユーザ端末から住民登録の要求を受信することと、住民登録の要求に含まれる個人情報と本人確認情報とに基づいて本人確認要求を第1情報処理サーバに送信することと、本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信した場合、個人情報と契約対象の保険の情報とを含む契約要求を第2情報処理サーバに送信することと、契約要求の応答として肯定的な契約結果を受信した場合、ユーザ端末に住民登録の完了を通知することとを含む。
【0014】
本発明の他の態様に係るプログラムは、1又は複数のコンピュータに、ユーザ端末から住民登録の要求を受信する処理と、住民登録の要求に含まれる個人情報と本人確認情報とに基づいて本人確認要求を第1情報処理サーバに送信する処理と、本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信した場合、個人情報と契約対象の保険の情報とを含む契約要求を第2情報処理サーバに送信する処理と、契約要求の応答として肯定的な契約結果を受信した場合、ユーザ端末に住民登録の完了を通知する処理とを実行させる。
【0015】
本発明の他の態様に係る、通信ネットワークを介して第1情報処理サーバに接続される第2情報処理サーバは、第1情報処理サーバにリスク関連データを要求し、取得したリスク関連データに基づいて保険の保険料を算出する算出部を備え、保険は、特定の地域又は企業に関係する人を対象とする保険であり、リスク関連データは、特定の地域又は企業に関する情報である。この態様によれば、第2情報処理サーバは、補償対象となる特定の地域又は企業の様々なリスク関連データを活用してより合理的な保険料を算出することができる。特定の地域又は企業の様々なリスク関連データが保険料に反映されることで、特定の地域又は企業に関係する人々の行動変容を促すことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、保険を通じてスマートシティ又はスーパーシティに新たな付加価値を提供することが可能な情報処理システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアプリケーションサーバの構成の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る会員データベース(DB)の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る保険DBの一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る特典DBの一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る都市OSサーバの構成の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る保険会社サーバの構成の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る保険料DBの一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る住民等登録処理の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態に係る住民等登録処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態に係るデータ提供処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に係るレコメンド処理の一例を示すフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態に係る保険料算出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、係る実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0019】
<システム構成>
図1を用いて、本発明の概要について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成を例示する図である。
【0020】
システム1は、アプリケーション販売管理サーバ10と、都市OSサーバ20と、ユーザ端末30と、アプリケーションサーバ40と、保険会社サーバ50とを備える。保険付きアプリシステムは、情報処理システムの一例であり、本実施形態ではアプリケーションサーバ40を含む。アプリケーション販売管理サーバ10と、都市OSサーバ20と、ユーザ端末30と、アプリケーションサーバ40と、保険会社サーバ50とは、通信ネットワークNを介して通信を行うよう構成されている。ネットワークNは、例えば、インターネットや、VPN(Virtual Private Network)、公衆電話網等である。ネットワークNにおける具体的な通信方式や、有線接続及び無線接続のいずれであるか等については、特に限定されない。
【0021】
アプリケーション販売管理サーバ10は、アプリケーション(以下「アプリ」ともいう。)の販売を仲介する業者のサーバ装置である。アプリケーション販売管理サーバ10は、販売対象となる複数のアプリケーションが登録されたアプリケーションDB11(図示せず)を備える。
【0022】
都市OSサーバ20は、第1情報処理サーバの一例であり、本実施形態では所定の都市(特定の地域の一例)に関する様々なデータを集約して管理する行政のサーバ装置である。都市OSサーバ20は、都市に関係する人の情報が登録された住民等DB21を備える。都市に関係する人には、例えば都市に住所を有する人や都市に所在する企業の従業員等が含まれる。
【0023】
ユーザ端末30は、都市に関係する人により使用される端末である。ユーザは、ユーザ端末30を介してアプリケーション販売管理サーバ10にアクセスし、購入可能なアプリケーションの一覧を閲覧することができる。また、ユーザは、ユーザ端末30を介してアプリケーションの購入を依頼することができる。
【0024】
アプリケーションサーバ40は、アプリケーション販売管理サーバ10から購入したアプリケーションを実行し、当該アプリケーションに係る所定の情報処理を実行するサーバ装置である。アプリケーションサーバ40で稼働するサーバアプリケーションとしては、例えば、保険契約データ、移動データ、ヘルスケアデータ等を収集し、情報処理を実行するものが一例として挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0025】
保険会社サーバ50は、第2情報処理サーバの一例であり、本実施形態では保険会社のサーバ装置である。保険会社サーバ50は、保険契約の情報が登録された保険契約DB51を備える。
【0026】
ユーザは、ユーザ端末30を介してアプリケーション販売管理サーバ10にアクセスし、保険付きアプリの購入を依頼することができる。アプリケーション販売管理サーバ10が購入依頼を受信すると、アプリケーション販売管理サーバ10は、アプリケーションDB11からユーザ端末30に保険付きアプリを配信し、ユーザ端末30にダウンロードさせる。
【0027】
ユーザはダウンロードした保険付きアプリを起動して、個人情報、本人確認情報及びアプリの支払い情報を入力し、住民登録の要求(以下「登録要求」ともいう。)をアプリケーションサーバ40に送信する。登録要求の受信に応答して、アプリケーションサーバ40は、ユーザ端末30から受信した個人情報と本人確認情報とに基づいて、都市OSサーバ20に本人確認要求を送信する。本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信すると、アプリケーションサーバ40は、個人情報とアプリの支払い情報とに基づいて、保険会社サーバ50に契約要求を送信する。保険会社サーバ50は、契約要求に応じて、所定の保険契約処理を行うことができる。
【0028】
<機能構成>
(アプリケーションサーバ)
図2は、本発明の一実施形態に係るアプリケーションサーバの構成の一例を示す図である。なお、図2では、単一のアプリケーションサーバ40を想定し、必要な機能構成だけを示しているが、アプリケーションサーバ40を、複数のコンピュータシステムによる多機能の分散システムの一部として構成することもできるし、1以上の情報処理装置で構成されるクラウドコンピューティングがアプリケーションサーバ40における機能構成の一部を実現してもよい。また、図2と後述の図9とで示す保険付きアプリのサーバ側とクライアント側の処理の区分けは一例であり、サーバ側の一部の処理をクライアント側で担ってもよいし、クライアント側の一部の処理をサーバ側で担ってもよい。
【0029】
アプリケーションサーバ40は、入力部410と、制御部420と、記憶部430と、通信インタフェース440と、表示部450とを備えている。
【0030】
入力部410は、アプリケーションサーバ40のユーザからの操作を受け付けるように構成され、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現することができる。
【0031】
制御部420は、プロセッサに相当するCPUやMPU等の演算処理部421及びRAM等のメモリ422を備えている。演算処理部421(プロセッサ)は、各種入力に基づき、記憶部430に記録されたプログラムをメモリ422に展開して実行することで、演算処理部421における後述する機能及び処理を実現する。このプログラムは、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に記憶され、若しくはネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされるものであってもよい。メモリ422は、演算処理部421(プロセッサ)によるプログラム実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0032】
記憶部430は、ハードディスク等の記憶装置によって構成され、制御部420における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記録しておくものである。本実施形態では、記憶部430は、会員DB431、保険DB432、及び特典DB433を有していることが望ましい。
【0033】
会員DB431には、アプリケーションサーバ40の提供する保険付きサービスの会員の基本情報が保存される。一実施形態では、図3に示されるように、会員DB431には、会員ID、氏名、マイナンバー、加入保険情報等が保存される。会員IDは、保険付きサービスの会員を一意に識別するための情報である。本実施形態では、保険付きサービスを利用するユーザは、本発明を用いたサービスの利用契約を行い、当該利用契約を通じて会員IDが付与される。
【0034】
加入保険情報は、加入済みの保険を示す情報である。保険には、傷害保険、賠償保険、携行品保険、家財保険、傷病保険、パーソナルモビリティ保険、ペット保険等が含まれるが、これに限定されない。
【0035】
保険DB432には、保険会社が提供する保険の情報が保存される。一実施形態では、図4に示されるように、保険DB432には、保険ID、企業ID、保険名、保険内容、種別等が保存される。保険IDは、保険を一意に識別するための情報である。保険内容は、保険の内容を示す情報が保存される。企業IDは、企業を一意に識別するための情報であり、保険IDにより特定される保険がある企業の従業員専用の保険である場合、対応する企業IDが保存される。種別には、必須の加入であることを示す「1」又は任意の加入であることを示す「0」が保存される。
【0036】
特典DB433には、保険付きサービスを利用するユーザに提供される特典情報が保存される。一実施形態では、図5に示されるように、特典DB433には、特典ID、特典内容、利用店舗、利用期間等が保存される。特典IDは、特典を一意に識別するための情報である。特典内容は、特典の内容を示す情報が保存される。利用店舗は、当該特典を利用可能な店舗を示す情報が保存される。利用期間は、当該特典を利用可能な期間を示す情報が保存される。
【0037】
通信インタフェース440は、アプリケーションサーバ40をネットワークNに接続し、都市OSサーバ20、ユーザ端末30及び保険会社サーバ50を含むネットワークN上の他の装置と通信を行うためのハードウェアモジュールである。
【0038】
表示部450は、演算処理部421の制御の下で処理された各種の画像を表示するように構成され、ディスプレイ等によって実現することができる。
【0039】
さらに、図2に示すように、演算処理部421は、機能部として、登録要求処理部4211、転送部4212、レコメンド部4213及び特典配信部4214を備えている。
【0040】
登録要求処理部4211は、ユーザ端末30からの登録要求に応じて、本人確認要求を都市OSサーバ20に送信する。本実施形態では、登録要求には、個人情報の一例である氏名、住所、年齢や、本人確認情報、アプリの支払い情報等が含まれ、本人確認要求には、氏名、住所、年齢、本人確認情報等が含まれる。本人確認情報は、例えばマイナンバーカードから読み取り可能な情報が一例として挙げられるが、これに限定されるものではない。具体的には、本人確認情報は、本人確認処理を担う都市OSサーバ20が認証可能な任意の情報とすることができる。
【0041】
登録要求処理部4211は、本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信すると、保険会社サーバ50に契約要求を送信する。一実施形態では、肯定的な本人確認結果には、マイナンバーが含まれる。本実施形態では、契約要求には、個人情報の一例である氏名、住所、年齢や、アプリの支払い情報、保険情報等が含まれる。
【0042】
アプリの支払い情報は、アプリの料金に対する支払方法、支払時期、支払元情報等が含まれる。支払方法は、クレジットカード払い、口座振替等を示す情報が指定され、支払時期は、月払い又は年払いを示す情報が指定され、支払元情報には、支払方法に応じてクレジットカード情報又は口座情報が指定される。また、保険情報には、契約対象の保険の情報が含まれる。本実施形態では、登録要求処理部4211が保険DB432から種別が必須である保険の保険IDを取得して、保険情報に含める。
【0043】
なお、本実施形態では、アプリの料金の一部が保険料として保険会社に支払われるものとするが、これは一例であり、限定されるものではない。
【0044】
登録要求処理部4211は、契約要求の応答として肯定的な契約結果を受信すると、会員DB431に、当該ユーザの会員IDを発行してレコードを登録する。登録の際、登録要求処理部4211は、都市OSサーバ20から受信したマイナンバーも合わせて登録する。また、登録要求処理部4211は、ユーザ端末30に会員IDと共に登録要求の完了を通知する。
【0045】
転送部4212は、ユーザ端末30から受信したパーソナルデータを都市OSサーバ20に送信する。なお、本実施形態では、転送部4212は、パーソナルデータに含まれる会員IDに対応するマイナンバーをパーソナルデータにさらに含めて転送するが、別の実施形態では、転送部4212は、マイナンバーを含めることなく、受信したパーソナルデータを都市OSサーバ20に送信してもよい。
【0046】
レコメンド部4213は、ユーザ端末30からのレコメンド要求に応じて、ユーザ端末30のユーザが任意選択で加入可能な保険の情報を送信する。本実施形態では、レコメンド要求には会員IDが含まれ、レコメンド部4213は、受信した会員IDに基づいて会員DB431からマイナンバーを取得し、マイナンバーを含む住民照会要求を都市OSサーバ20に送信する。
【0047】
住民照会要求の応答として住民データを受信すると、レコメンド部4213は、住民データを含む保険情報要求を保険会社サーバ50に送信する。住民データには、家族情報、ペット情報等が含まれる。保険情報要求の応答として保険会社サーバ50から保険の情報を受信すると、レコメンド部4213は、受信した保険の情報をユーザ端末30に送信する。
【0048】
特典配信部4214は、ユーザ端末30に特典データを配信する。本実施形態では、特典配信部4214は、特典DB433に保存された特典データをユーザ端末30に配信する。特典配信部4214は、ユーザ端末30からの配信要求に応じて特典データを配信してもよいし、2日に1度等、任意のタイミングで特典データを配信してもよい。
【0049】
(都市OSサーバ)
図6は、本発明の一実施形態に係る都市OSサーバの構成の一例を示す図である。都市OSサーバ20は、入力部210と、制御部220と、記憶部230と、通信インタフェース240と、表示部250とを備えている。
【0050】
入力部210は、都市OSサーバ20のユーザからの操作を受け付けるように構成され、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現することができる。
【0051】
制御部220は、プロセッサに相当するCPUやMPU等の演算処理部221及びRAM等のメモリ222を備えている。演算処理部221(プロセッサ)は、各種入力に基づき、記憶部230に記録されたプログラムをメモリ222に展開して実行することで、演算処理部221における後述する機能及び処理を実現する。メモリ222は、演算処理部221(プロセッサ)によるプログラム実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0052】
記憶部230は、ハードディスク等の記憶装置によって構成され、制御部220における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記録しておくものである。本実施形態では、記憶部230は、住民等DB21、移動データDB231、都市データDB232及び企業データDB233を有していることが望ましい。
【0053】
前述したように、住民等DB21には、都市に関係する人の情報が保存される。一実施形態では、住民等DB21には、個人情報、家族情報、ペット情報、ヘルスケア情報等が保存される。個人情報には、氏名、住所、マイナンバー等が含まれる。家族情報には、家族の情報が含まれる。ペット情報には、ペットの有無を示す情報が含まれる。ヘルスケア情報には、ユーザ端末30から収集されたヘルスケアデータが含まれる。
【0054】
移動データDB231には、交通や人流に関する情報が保存される。一実施形態では、移動データDB231には、ユーザ端末30から収集された移動データが保存される。
【0055】
都市データDB232には、都市に関する情報が保存される。企業データDB233には、企業に関する情報が保存される。住民等DB21が個人を特定する情報を記憶するのに対して、都市データDB232及び企業データDB233には、都市又は企業の特性を表す情報が保存される。本実施形態では、都市データDB232及び企業データDB233には、各種保険の保険料の算出に必要なリスク関連情報が保存される。一実施形態では、企業データDBには、企業ID、企業名、リスク関連情報等が保存される。
【0056】
リスク関連情報には、交通事故発生件数、火災発生件数、人口密度、自然災害情報等、各種保険の保険料の算出に使用可能な任意の情報を保存することができる。
【0057】
通信インタフェース240は、都市OSサーバ20をネットワークNに接続し、アプリケーションサーバ40及び保険会社サーバ50を含むネットワークN上の他の装置と通信を行うためのハードウェアモジュールである。
【0058】
表示部250は、演算処理部221の制御の下で処理された各種の画像を表示するように構成され、ディスプレイ等によって実現することができる。
【0059】
さらに、図6に示すように、演算処理部221は、機能部として、本人確認部2211、受信部2212、住民照会部2213及びリスク照会部2214を備えている。
【0060】
本人確認部2211は、アプリケーションサーバ40からの本人確認要求に応じて、本人確認処理を行う。前述したように、本実施形態では、本人確認要求には、氏名、住所、年齢、本人確認情報等が含まれ、本人確認情報には、例えばマイナンバーカードから読み取り可能な情報が含まれる。本実施形態では、本人確認部2211は、住民等DB21に基づいて本人確認に成功した場合、アプリケーションサーバ40にマイナンバーを含む肯定的な本人確認結果を送信する。一方、本人確認に失敗した場合、本人確認部2211は、アプリケーションサーバ40に否定的な本人確認結果を送信する。
【0061】
受信部2212は、アプリケーションサーバ40からパーソナルデータを受信して記憶部230に保存する。本実施形態では、受信部2212は、アプリケーションサーバ40から移動データを含むパーソナルデータを受信すると、移動データDB231に保存する。また、受信部2212は、アプリケーションサーバ40からヘルスケアデータを含むパーソナルデータを受信すると、住民等DB21に保存する。
【0062】
住民照会部2213は、アプリケーションサーバ40からの住民照会要求に応じて、住民データを送信する。本実施形態では、住民照会部2213は、マイナンバーを含む住民照会要求を受信して、マイナンバーに基づいて住民等DB21を参照し、対応する住民データを取得する。一実施形態では、住民照会部2213は、住民等DB21から家族情報、ペット情報を含む住民データを取得してアプリケーションサーバ40に送信する。
【0063】
リスク照会部2214は、保険会社サーバ50からのリスク照会要求に応じて、リスク関連データを送信する。本実施形態では、リスク照会部2214は、保険会社サーバ50から企業IDを含むリスク照会要求を受信すると、受信した企業IDのリスク関連データを企業データDB233から取得して保険会社サーバ50に送信する。また、リスク照会部2214は、企業IDを含まないリスク照会要求を受信すると、都市データDB232からリスク関連データを取得して保険会社サーバ50に送信する。
【0064】
(保険会社サーバ)
図7は、本発明の一実施形態に係る保険会社サーバの構成の一例を示す図である。保険会社サーバ50は、入力部510と、制御部520と、記憶部530と、通信インタフェース540と、表示部550とを備えている。
【0065】
入力部510は、保険会社サーバ50のユーザからの操作を受け付けるように構成され、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現することができる。
【0066】
制御部520は、プロセッサに相当するCPUやMPU等の演算処理部521及びRAM等のメモリ522を備えている。演算処理部521(プロセッサ)は、各種入力に基づき、記憶部530に記録されたプログラムをメモリ522に展開して実行することで、演算処理部521における後述する機能及び処理を実現する。メモリ222は、演算処理部521(プロセッサ)によるプログラム実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0067】
記憶部530は、ハードディスク等の記憶装置によって構成され、制御部520における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記録しておくものである。本実施形態では、記憶部530は、保険契約に関する情報を記憶する保険契約DB51及び保険料DB531を有していることが望ましい。
【0068】
保険料DB531には、各種保険の保険料が保存される。一実施形態では、図8に示されるように、保険料DB531には、保険ID、企業ID、保険名、保険内容、保険料、種別、条件等が保存される。条件には、後述の保険決定部5213が用いる情報が保存される。
【0069】
通信インタフェース540は、保険会社サーバ50をネットワークNに接続し、都市OSサーバ20及びアプリケーションサーバ40を含むネットワークN上の他の装置と通信を行うためのハードウェアモジュールである。
【0070】
表示部550は、演算処理部521の制御の下で処理された各種の画像を表示するように構成され、ディスプレイ等によって実現することができる。
【0071】
さらに、図7に示すように、演算処理部521は、機能部として、契約処理部5211、算出部5212及び保険決定部5213を備えている。
【0072】
契約処理部5211は、アプリケーションサーバ40からの契約要求に応じて、契約処理を行う。本実施形態では、契約処理部5211は、氏名、住所、年齢、アプリの支払い情報等を含む契約要求を受信して、受信した情報に基づいて保険契約DB51に契約データを登録する。保険契約DB51への登録が完了すると、契約処理部5211は、アプリケーションサーバ40に肯定的な契約結果を送信する。本実施形態では、契約処理部5211は、契約が完了した保険IDを含む肯定的な契約結果を送信する。一方、契約情報の登録に失敗した場合、契約処理部5211は、アプリケーションサーバ40に否定的な契約結果を送信する。
【0073】
算出部5212は、各種保険の保険料を算出する。本実施形態では、算出部5212は、都市OSサーバ20に、各種保険の保険料の算出に必要なリスク関連データを要求する。算出部5212は、取得したリスク関連情報に基づいて保険料を算出する。算出部5212は、1年に1度等、任意のタイミングで保険料を算出することができる。
【0074】
保険決定部5213は、アプリケーションサーバ40からの保険情報要求に応じて、ユーザ端末30のユーザが任意選択で加入可能な保険の情報を送信する。本実施形態では、保険情報要求には住民データが含まれ、保険決定部5213は、受信した住民データと保険料DB531の条件に基づいて、ユーザ端末30のユーザに提案する保険を決定する。住民データには、家族情報、ペット情報等が含まれ、保険決定部5213は、住民データが保険料DB531の条件と一致する場合、一致する保険を提案する保険として決定してもよい。
【0075】
(ユーザ端末)
図9は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。本実施形態では、ユーザ端末30としてスマートフォンを想定して説明するが、他の任意のモバイル端末を適宜用いることができる。
【0076】
ユーザ端末30は、入力部310と、制御部320と、記憶部330と、通信インタフェース340と、表示部350とを備えている。
【0077】
入力部310は、ユーザ端末30のユーザからの操作を受け付けるように構成され、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現することができる。
【0078】
制御部320は、プロセッサに相当するCPUやMPU等の演算処理部321及びRAM等のメモリ322を備えている。演算処理部321(プロセッサ)は、各種入力に基づき、記憶部330に記録されたプログラムをメモリ322に展開して実行することで、演算処理部321における後述する機能及び処理を実現する。このプログラムは、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に記憶され、若しくはネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされるものであってもよい。メモリ322は、演算処理部321(プロセッサ)によるプログラム実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0079】
記憶部330は、ハードディスク等の記憶装置によって構成され、制御部320における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記録しておくものである。本実施形態では、記憶部330は、移動データ記憶部331、ヘルスケアデータ記憶部332及び特典データ記憶部333を有していることが望ましい。
【0080】
移動データ記憶部331には、ユーザ端末30の位置情報の履歴が保存される。一実施形態では、移動データ記憶部331には、日時、緯度、経度等が保存される。
【0081】
ヘルスケアデータ記憶部332には、ユーザ端末30のユーザのヘルスケア情報が保存される。一実施形態では、ヘルスケアデータ記憶部332には、日付、歩数、歩行距離等が保存される。
【0082】
特典データ記憶部333には、保険付きサービスを利用するユーザに提供される特典情報が保存される。一実施形態では、特典データ記憶部333には、特典ID、特典内容、利用店舗、利用期間等が保存される。特典IDは、特典を一意に識別するための情報である。特典内容は、特典の内容を示す情報が保存される。利用店舗は、当該特典を利用可能な店舗を示す情報が保存される。利用期間は、当該特典を利用可能な期間を示す情報が保存される。
【0083】
通信インタフェース340は、ユーザ端末30をネットワークNに接続し、アプリケーションサーバ40を含むネットワークN上の他の装置と通信を行うためのハードウェアモジュールである。
【0084】
表示部350は、演算処理部321の制御の下で処理された各種の画像を表示するように構成され、ディスプレイ等によって実現することができる。
【0085】
さらに、図9に示すように、演算処理部321は、機能部として、画面制御部3211、登録要求部3212、取得部3213、送信部3214、レコメンド要求部3215及び特典管理部3216を備えている。
【0086】
画面制御部3211は、ユーザからの入力やアプリケーションサーバ40から受信した情報等に応答して、対応する画面を作成して表示部350に表示する。具体的には、画面制御部3211は、例えば、住民等登録を要求するための住民等登録画面、任意加入の保険を確認するためのレコメンド画面、特典を確認するための特典画面等を作成して表示部350に表示する。
【0087】
登録要求部3212は、アプリケーションサーバ40に登録要求を送信する。本実施形態では、登録要求部3212は、氏名、住所、年齢、本人確認情報、アプリの支払い情報等を含む登録要求をアプリケーションサーバ40に送信する。
【0088】
取得部3213は、都市OSサーバ20に提供するパーソナルデータを取得する。本実施形態では、取得部3213は、ユーザ端末30の位置情報を取得して移動データ記憶部331に保存する。また、取得部3213は、ユーザ端末30の加速度センサ及びジャイロセンサ等の出力を利用して、ユーザの歩数や歩行距離を取得してヘルスケアデータ記憶部332に保存する。
【0089】
送信部3214は、取得部3213により取得されたパーソナルデータをアプリケーションサーバ40に送信する。本実施形態では、送信部3214は、移動データ記憶部331の移動データやヘルスケアデータ記憶部332のヘルスケアデータを、会員IDと共にアプリケーションサーバ40に送信する。送信部3214は、毎日所定の時刻に等、任意のタイミングでパーソナルデータを送信することができる。送信部3214は、送信済みのデータを記憶部330から削除したり、送信済みであることを示す情報を保存したりしてもよい。
【0090】
レコメンド要求部3215は、保険の情報を要求するレコメンド要求をアプリケーションサーバ40に送信する。本実施形態では、レコメンド要求部3215は、会員IDを含むレコメンド要求をアプリケーションサーバ40に送信する。
【0091】
特典管理部3216は、特典データ記憶部333を管理する。本実施形態では、特典管理部3216は、特典の利用状態の管理をしたり、特典の利用期間の管理をしたりする。一実施形態では、特典管理部3216は、アプリケーションサーバ40に配信要求を送信してもよい。
【0092】
<動作>
(住民等登録処理)
図10及び図11を参照して、本発明の一実施形態に係る住民等登録処理を詳細に説明する。本実施形態では、スマートシティの住民であるユーザAが住民等登録を行うものとする。まず、図10を参照して、ユーザ端末30における住民等登録の登録要求を送信するまでの処理について説明する。その後、図11を参照して、ユーザ端末30から登録要求を受信したアプリケーションサーバ40の住民等登録処理について説明する。
【0093】
本実施形態では、図10の処理が開始される前に、アプリケーション販売管理サーバ10のアプリケーションDB11に保険付きアプリが登録されているものとする。ステップS101において、ユーザAはユーザ端末30を操作して、アプリケーション販売管理サーバ10にアクセスする。本実施形態では、ユーザAは、ユーザ端末30にインストール済みの、アプリケーション販売管理サーバ10が提供するアプリケーション販売アプリを起動することで、ユーザ端末30はアプリケーション販売管理サーバ10にアクセスしたものとする。
【0094】
ステップS102において、ユーザ端末30はアプリケーション販売管理サーバ10にアプリケーションの一覧表示要求を送信する。本実施形態では、ユーザ端末30に表示された画面においてユーザAが「アプリケーションの一覧表示」コントロールを選択することで、ユーザ端末30はアプリケーション販売管理サーバ10にアプリケーションの一覧表示要求を送信したものとする。
【0095】
ステップS103において、ユーザ端末30はアプリケーション販売管理サーバ10から送信されたアプリケーションの一覧画面を表示する。ステップS104において、ユーザ端末30は、アプリケーションの一覧画面に表示された保険付きアプリについてダウンロード要求を送信する。本実施形態では、ユーザ端末30に表示された画面においてユーザAが保険付きアプリを選択して「ダウンロード」コントロールを選択することで、ユーザ端末30はアプリケーション販売管理サーバ10に保険付きアプリのダウンロード要求を送信したものとする。
【0096】
ステップS105において、ユーザ端末30はアプリケーション販売管理サーバ10から配信された保険付きアプリをダウンロードする。
【0097】
ユーザAがダウンロードした保険付きアプリをユーザ端末30にインストールし、ステップS106において、保険付きアプリを起動することで、ユーザ端末30はアプリケーションサーバ40にアクセスする。
【0098】
ステップS107において、ユーザ端末30の画面制御部3211は、住民等登録画面を表示する。本実施形態では、画面制御部3211は、氏名、住所、年齢、本人確認情報、アプリの支払い情報の指定を含む住民等登録画面を表示したものとする。ここでは、本人確認情報の指定は、マイナンバーカードからの読み取りにより行われるものとする。アプリの支払い情報は、アプリの料金に対する支払方法、支払時期、支払元情報等が含まれる。支払方法は、クレジットカード払い、口座振替等を示す情報が指定され、支払時期は、月払い又は年払いを示す情報が指定され、支払元情報には、支払方法に応じてクレジットカード情報又は口座情報が指定される。
【0099】
ステップS108において、ユーザ端末30の登録要求部3212は、アプリケーションサーバ40に登録要求を送信する。本実施形態では、住民等登録画面においてユーザAが所定の入力を行い「送信」コントロールを選択することで、登録要求部3212はアプリケーションサーバ40に登録要求を送信したものとする。
【0100】
続いて、図11を参照して、ユーザ端末30から登録要求を受信したアプリケーションサーバ40の住民等登録処理について説明する。
【0101】
ステップS201において、アプリケーションサーバ40の登録要求処理部4211は、ユーザ端末30から登録要求を受信する。本実施形態では、登録要求処理部4211は、氏名、住所、年齢、本人確認情報、アプリの支払い情報を含む登録要求を受信する。
【0102】
ステップS202において、登録要求処理部4211は、本人確認要求を都市OSサーバ20に送信する。本実施形態では、登録要求処理部4211は、氏名、住所、年齢、本人確認情報を含む本人確認要求を都市OSサーバ20に送信する。
【0103】
ステップS203において、登録要求処理部4211は、本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信したか否か判定する。否定的な本人確認結果を受信した場合(ステップS203:No)、ステップS204において、登録要求処理部4211は、ユーザ端末30に住民等登録に失敗したことを示す情報を送信する。
【0104】
一方、肯定的な本人確認結果を受信した場合(ステップS203:Yes)、ステップS205において、登録要求処理部4211は、保険会社サーバ50に契約要求を送信する。ここでは、登録要求処理部4211は、マイナンバーを含む肯定的な本人確認結果を受信し、登録要求処理部4211は、保険会社サーバ50に契約要求を送信したものとする。本実施形態では、契約要求には、個人情報の一例である氏名、住所、年齢や、アプリの支払い情報、保険情報等が含まれ、登録要求処理部4211は、保険情報「N-001,N-002,N-003」を含む契約要求を保険会社サーバ50に送信したものとする。
【0105】
ステップS206において、登録要求処理部4211は、契約要求の応答として肯定的な契約結果を受信したか否か判定する。否定的な契約結果を受信した場合(ステップS206:No)、処理はステップS204に進み、登録要求処理部4211は、ユーザ端末30に住民等登録に失敗したことを示す情報を送信する。
【0106】
一方、肯定的な契約結果を受信した場合(ステップS206:Yes)、ステップS207において、登録要求処理部4211は、会員DB431に、当該ユーザの会員IDを発行してレコードを登録する。ここでは、登録要求処理部4211は、契約が完了した保険ID「N-001,N-002,N-003」を含む肯定的な契約結果を受信し、当該ユーザの会員IDを発行してレコードを登録するものとする。登録の際、登録要求処理部4211は、ステップS203において都市OSサーバ20から受信したマイナンバー及びステップS206において保険会社サーバ50から受信した保険IDも合わせて登録する。
【0107】
ステップS208において、登録要求処理部4211は、ユーザ端末30に登録要求の完了を通知する。本実施形態では、登録要求処理部4211は、ユーザ端末30に会員ID「0001」と共に登録要求の完了を通知する。
【0108】
なお、本実施形態では、スマートシティの住民であるユーザAが住民等登録を行う例について説明したが、スマートシティに所在する企業の従業員も、同様に住民等登録を行うことができる。従業員Bが住民等登録を行う場合、ステップS203において、マイナンバーを含む肯定的な本人確認結果に代えて、企業ID及び従業員IDを含む肯定的な本人確認結果を受信するようにしてもよい。このようにすることで、登録要求処理部4211は、受信した企業IDに基づいて契約対象の保険情報を保険DB432から取得して、ステップS205において、保険会社サーバ50に契約要求を送信することができる。
【0109】
(データ提供処理)
次に、図12を参照して、本発明の一実施形態に係るデータ提供処理を詳細に説明する。なお、本実施形態では、住民等登録が完了したユーザ端末30の取得部3213は、5分毎等の所定のタイミングで随時ユーザ端末30の位置情報を取得して移動データ記憶部331に保存しているものとする。また、取得部3213は、ユーザ端末30の加速度センサ及びジャイロセンサ等の出力を利用して、ユーザの歩数や歩行距離を取得してヘルスケアデータ記憶部332に保存しているものとする。
【0110】
ステップS301において、ユーザ端末30の送信部3214は、取得部3213により取得されたパーソナルデータをアプリケーションサーバ40に送信する。本実施形態では、送信部3214は、移動データ記憶部331の移動データやヘルスケアデータ記憶部332のヘルスケアデータを、会員IDと共にアプリケーションサーバ40に送信する。
【0111】
ステップS302において、アプリケーションサーバ40の転送部4212は、パーソナルデータにマイナンバーを含め、ステップS303において、パーソナルデータを都市OSサーバ20に送信する。
【0112】
ステップS304において、都市OSサーバ20の受信部2212は、アプリケーションサーバ40からパーソナルデータを受信して記憶部230に保存する。本実施形態では、受信部2212は、アプリケーションサーバ40から移動データを含むパーソナルデータを受信すると、移動データDB231に保存する。また、受信部2212は、アプリケーションサーバ40からヘルスケアデータを含むパーソナルデータを受信すると、住民等DB21に保存する。
【0113】
(レコメンド処理)
図13を参照して、本発明の一実施形態に係るレコメンド処理を詳細に説明する。本実施形態では、住民等登録が完了したユーザAに対して、最適な保険をレコメンドする例について説明する。
【0114】
ステップS401において、ユーザ端末30のレコメンド要求部3215は、保険の情報を要求するレコメンド要求をアプリケーションサーバ40に送信する。本実施形態では、ユーザ端末30に表示された画面においてユーザAが「追加の保険を検討」コントロールを選択することで、会員IDを含むユーザ端末30はアプリケーションサーバ40にレコメンド要求を送信したものとする。
【0115】
ステップS402において、アプリケーションサーバ40のレコメンド部4213は、レコメンド要求に含まれる会員IDに基づいて会員DB431からマイナンバーを取得する。そして、ステップS403において、レコメンド部4213は、マイナンバーを含む住民照会要求を都市OSサーバ20に送信する。
【0116】
ステップS404において、都市OSサーバ20の住民照会部2213は、住民照会要求に含まれるマイナンバーに基づいて住民等DB21を参照し、対応する住民データを取得してアプリケーションサーバ40に送信する。本実施形態では、住民照会部2213は、住民等DB21から家族情報「子(10才、8才)」、ペット情報「ペット有り」を含む住民データを取得してアプリケーションサーバ40に送信したものとする。
【0117】
ステップS405において、レコメンド部4213は、都市OSサーバ20から受信した住民データを含む保険情報要求を保険会社サーバ50に送信する。ステップS406において、保険会社サーバ50の保険決定部5213は、住民データと保険料DB531の条件に基づいて、ユーザ端末30のユーザに提案する保険を決定する。ここでは、保険決定部5213は、ペット保険と自転車保険をユーザに提案する保険として決定したものとする。
【0118】
ステップS407において、レコメンド部4213は、保険会社サーバ50から受信した保険の情報をユーザ端末30に送信する。
【0119】
ステップS408において、ユーザ端末30の画面制御部3211は、受信した保険の情報に基づいてレコメンド画面を表示する。
【0120】
(保険料算出処理)
図14を参照して、本発明の一実施形態に係る保険料算出処理を詳細に説明する。本実施形態では、保険会社サーバ50の管理者が保険料の算出を指示することに応じて、図14の処理が開始されるものとする。
【0121】
ステップS501において、保険会社サーバ50の算出部5212は、都市OSサーバ20に、各種保険の保険料の算出に必要なリスク関連データを要求する。ここでは、算出部5212は、企業IDを含まないリスク照会要求を都市OSサーバ20に送信したものとする。
【0122】
ステップS502において、都市OSサーバ20のリスク照会部2214は、リスク照会要求に基づいてリスク関連データを取得する。本実施形態では、リスク照会部2214は、保険会社サーバ50から企業IDを含むリスク照会要求を受信すると、受信した企業IDのリスク関連データを企業データDB233から取得する。また、リスク照会部2214は、企業IDを含まないリスク照会要求を受信すると、都市データDB232からリスク関連データを取得する。ここでは、リスク照会部2214は、都市データDB232からリスク関連データを取得したものとする。
【0123】
ステップS503において、リスク照会部2214は、取得したリスク関連データを保険会社サーバ50に送信する。
【0124】
ステップS504において、算出部5212は、受信したリスク関連情報に基づいて保険料を算出する。
【0125】
以上、本実施形態によれば、システム1は、スマートシティに関係する人々が、等しく必要な保険を自動契約することを支援することができる。スマートシティに関わる人々に対して包括的な補償を提供することで、安心・安全な暮らしを担保することができる。また、ユーザ端末30の送信部3214とアプリケーションサーバ40の転送部4212の機能により、都市OSサーバ20はパーソナルデータを効果的に収集し、都市データの活用に資することができる。
【0126】
ユーザ端末30のユーザは、パーソナルデータの提供に協力することで、特典データの付与等、利益を享受することができる。また、アプリケーションサーバ40のレコメンド部4213と都市OSサーバ20の住民照会部2213が協働することにより、ユーザ端末30のユーザに、自動契約の保険に加えて、当該ユーザに適した追加の保険の情報を提供することができる。
【0127】
さらに、保険会社サーバ50の算出部5212と都市OSサーバ20のリスク照会部2214が協働することにより、保険会社は、補償対象となる都市の様々なリスク関連データを活用してより合理的な保険料を算出することができる。都市の様々なリスク関連データが保険料に反映されることで、スマートシティに関係する人々の行動変容を促すことができる。
【0128】
なお、本実施形態では、都市OSサーバ20が住民等DB21に基づいて本人確認処理を行うことで、スマートシティに住所を有する人や都市に所在する企業の従業員が、当該スマートシティの住民等が等しく必要な保険に自動契約することを可能にする例について説明してきたが、別の実施形態では、所定の企業サーバが従業員DBに基づいて本人確認処理を行うことで、所定の企業の従業員が、当該企業の従業員が等しく必要な保険に自動契約することを可能にしてもよい。
【0129】
<別の実施形態>
上記の実施形態では、アプリケーションサーバ40の登録要求処理部4211が、都市OSサーバ20での本人確認処理及び保険会社サーバ50での保険契約処理の後に、ユーザ端末30に登録要求の完了を通知する例について説明した。一方で、別の実施形態では、アプリケーションサーバ40の登録要求処理部4211が、都市OSサーバ20での本人確認処理の後にユーザ端末30に登録要求の完了を通知し、この通知処理の直後に、あるいはこの通知処理と並行して保険会社サーバ50に契約要求を送信するようにしてもよい。都市OSサーバ20での本人確認処理及び保険会社サーバ50での保険契約処理が一体となって実施されるすべての態様が、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0130】
10…アプリケーション販売管理サーバ、11…アプリケーションDB、20…都市OSサーバ(第1情報処理サーバ)、210…入力部、220…制御部、221…演算処理部、222…メモリ、2211…本人確認部、2212…受信部、2213…住民照会部、2214…リスク照会部、230…記憶部、21…住民等DB、231…移動データDB、232…都市データDB、233…企業データDB、240…通信インタフェース、250…表示部、30…ユーザ端末、310…入力部、320…制御部、321…演算処理部、322…メモリ、3211…画面制御部、3212…登録要求部、3213…取得部、3214…送信部、3215…レコメンド要求部、3216…特典管理部、330…記憶部、331…移動データ記憶部、332…ヘルスケアデータ記憶部、333…特典データ記憶部、340…通信インタフェース、350…表示部、40…アプリケーションサーバ(情報処理システム)、410…入力部、420…制御部、421…演算処理部、422…メモリ、4211…登録要求処理部(処理部)、4212…転送部、4213…レコメンド部、4214…特典配信部(配信部)、430…記憶部、431…会員DB、432…保険DB、433…特定DB、440…通信インタフェース、450…表示部、50…保険会社サーバ(第2情報処理サーバ)、510…入力部、520…制御部、521…演算処理部、522…メモリ、5211…契約処理部、5212…算出部、5213…保険決定部、530…記憶部、51…保険契約DB、531…保険料DB、540…通信インタフェース、550…表示部、N…ネットワーク
【要約】
【課題】保険を通じてスマートシティ又はスーパーシティに新たな付加価値を提供することが可能な情報処理システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザ端末30からの住民登録の要求を処理する処理部4211を備えた情報処理システム40であって、処理部は、住民登録の要求に含まれる個人情報と本人確認情報とに基づいて本人確認要求を第1情報処理サーバ20に送信し、本人確認要求の応答として肯定的な本人確認結果を受信した場合、個人情報と契約対象の保険の情報とを含む契約要求を第2情報処理サーバ50に送信し、契約要求の応答として肯定的な契約結果を受信した場合、ユーザ端末30に住民登録の完了を通知する。
【選択図】図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14