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特許7462386検出装置、検出方法、生成方法、コンピュータプログラムおよび記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】検出装置、検出方法、生成方法、コンピュータプログラムおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B62J 50/20 20200101AFI20240329BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240329BHJP
【FI】
B62J50/20
G06T7/00 610C
G06T7/00 350C
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2019111495
(22)【出願日】2019-06-14
(65)【公開番号】P2020203547
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】島津 速人
(72)【発明者】
【氏名】中島 康博
(72)【発明者】
【氏名】増田 慎子
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第9928544(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0012802(US,A1)
【文献】特開2015-197376(JP,A)
【文献】国際公開第2018/191435(WO,A1)
【文献】米国特許第7819032(US,B2)
【文献】特開2013-32028(JP,A)
【文献】特開2015-160556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0308751(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0116356(US,A1)
【文献】特開2002-370630(JP,A)
【文献】特開2005-78586(JP,A)
【文献】特開2016-35627(JP,A)
【文献】国際公開第2018/150256(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 50/20
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車の少なくとも一部が含まれる第1イメージから前記人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、前記被検出消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報を出力する制御部を備え、
前記制御部は、前記被検出消耗箇所に関する関連情報を出力し、
前記関連情報は、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り付け方法に関する情報、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り外し方法に関する情報、および前記被検出消耗箇所に関する部品の調整方法に関する情報のうちの少なくとも1つを含む、検出装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1イメージから前記人力駆動車における複数の消耗箇所を複数の被検出消耗箇所として検出し、前記複数の被検出消耗箇所ごとに前記消耗情報を出力する、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記消耗箇所は、前記人力駆動車のコンポーネントを含み、
前記制御部は、前記第1イメージから前記人力駆動車のコンポーネントを前記被検出消耗箇所として検出する、請求項1または2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記コンポーネントは、ブレーキシュー、ブレーキパッド、スプロケット組立体、クランク組立体、チェーン、タイヤ、ディスクブレーキローター、リム、および、ワイヤのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の検出装置。
【請求項5】
前記制御部は、イメージの入力に応じて前記被検出消耗箇所の消耗情報を出力するように学習された学習モデルによって、前記消耗情報を出力する、請求項1から4のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記制御部は、ブレーキシュー、ブレーキパッド、ディスクブレーキローター、およびリムの少なくとも1つを含むイメージに対して摩耗度合をラベル付けした教師データによって、前記学習モデルを学習させる、請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記制御部は、スプロケット組立体およびクランク組立体の少なくとも1つを含む前記イメージに対して摩耗度合をラベル付けした教師データによって、前記学習モデルを学習させる、請求項5または6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記制御部は、チェーンおよびワイヤの少なくとも1つを含むイメージに対して伸び度合いをラベル付けした教師データによって、前記学習モデルを学習させる、請求項5から7のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項9】
前記制御部は、タイヤを含むイメージに対して溝の深さをラベル付けした教師データによって、前記学習モデルを学習させる、請求項5から8のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記消耗箇所を異なる複数の角度から見たときの複数のイメージを含む教師データによって、前記学習モデルを学習させる、請求項5から9のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項11】
前記学習モデルは、入力されたイメージおよび前記人力駆動車の使用者の身体情報または属性情報を含む使用者情報に基づき、前記消耗情報を出力する、請求項5から10のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記被検出消耗箇所が強調された第2イメージを出力する、請求項1から11のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記消耗情報に応じて前記被検出消耗箇所の強調方法を変更する、請求項12に記載の検出装置。
【請求項14】
前記関連情報は、前記被検出消耗箇所の種類に関する情報を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項15】
前記取り付け方法に関する情報は、前記被検出消耗箇所に関する部品を前記被検出消耗箇所に取り付けるための部品に関する情報、および前記被検出消耗箇所に関する部品の取り付けまたは取り外しに必要な工具に関する情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の検出装置。
【請求項16】
前記関連情報は、前記被検出消耗箇所の部品に置き換わる置換部品に関する情報を含む、請求項から15のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項17】
前記置換部品に関する情報は、前記被検出消耗箇所の部品を、前記置換部品に置き換える場合に必要となる他の部品に関する情報を含む、請求項16に記載の検出装置。
【請求項18】
前記関連情報は、前記検出された消耗箇所に関する商品を購入するためのWebサイトへのアクセスするためのリンク情報を含む、請求項から17のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項19】
前記制御部は、文字列およびグラフィックの少なくとも1つによって前記関連情報を出力する、請求項から18のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項20】
前記制御部から出力される情報を表示する表示部をさらに備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項21】
前記表示部は、前記被検出消耗箇所に関する関連情報を、被選択関連情報として選択する入力を受け付け、
前記制御部は、前記被選択関連情報の詳細情報を出力する、請求項20に記載の検出装置。
【請求項22】
前記表示部は、前記被検出消耗箇所が強調された第2イメージにおいて、前記被検出消耗箇所を、被選択消耗箇所として選択可能に構成され、
前記制御部は、前記被選択消耗箇所の関連情報を出力する、請求項20または21に記載の検出装置。
【請求項23】
前記制御部から出力される情報を記憶する記憶部をさらに備える、請求項1から22のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項24】
前記制御部は、前記被検出消耗箇所の識別情報を、前記消耗度合に関する情報と対応付けて前記記憶部に記憶させる、請求項23に記載の検出装置。
【請求項25】
前記制御部は、前記被検出消耗箇所の識別情報を、前記人力駆動車の使用者の識別情報と対応付けて前記記憶部に記憶させる、請求項23または24に記載の検出装置。
【請求項26】
前記制御部は、前記被検出消耗箇所の識別情報を、前記消耗度合に関する情報と対応付けて外部に出力する、請求項1から25のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項27】
前記制御部は、前記被検出消耗箇所の識別情報を、前記人力駆動車の使用者の識別情報と対応付けて外部に出力する、請求項1から26のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項28】
前記制御部は、前記人力駆動車の走行履歴に基づき、前記第1イメージの入力を使用者に促すための情報を出力する、請求項1から27のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項29】
前記制御部は、前記入力された第1イメージを、前記人力駆動車の走行履歴と対応付けて外部に出力する、請求項1から28のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項30】
前記制御部は、前記入力された第1イメージを、前記人力駆動車の走行環境を示す走行環境情報と対応付けて外部に出力する、請求項1から29のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項31】
人力駆動車の少なくとも一部が含まれる第1イメージから前記人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、
前記被検出消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報と、前記被検出消耗箇所に関する関連情報を出力し、
前記関連情報は、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り付け方法に関する情報、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り外し方法に関する情報、および前記被検出消耗箇所に関する部品の調整方法に関する情報のうちの少なくとも1つを含む、検出方法。
【請求項32】
人力駆動車の少なくとも一部を含む複数の第1イメージに対して、人力駆動車における消耗箇所と前記消耗箇所に関する関連情報とを含む教師データを作成し、
イメージを入力すると、前記イメージから前記人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、前記被検出消耗箇所および前記検出消耗箇所に関する関連情報を出力する学習モデルを、前記作成された教師データに基づいて生成し、
前記関連情報は、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り付け方法に関する情報、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り外し方法に関する情報、および前記被検出消耗箇所に関する部品の調整方法に関する情報のうちの少なくとも1つを含む、生成方法。
【請求項33】
コンピュータに、
人力駆動車の少なくとも一部が含まれる第1イメージから前記人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、
前記被検出消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報と、前記被検出消耗箇所に関する関連情報とを出力する、処理を実行させ
前記関連情報は、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り付け方法に関する情報、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り外し方法に関する情報、および前記被検出消耗箇所に関する部品の調整方法に関する情報のうちの少なくとも1つを含む、コンピュータプログラム。
【請求項34】
請求項33に記載のプログラムが記憶された、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車の一部をイメージから検出する検出装置、検出方法、生成方法、コンピュータプログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
フロントディレーラ、リアディレーラ、シートポスト、またはサスペンションを含むコンポーネントを備える人力駆動車が知られている。人力駆動車のコンポーネントに診断装置を接続して診断を行なう技術が知られている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第7819032号明細書
【文献】米国特許第9227697号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車における消耗部分に関する情報を、ユーザがより手軽に取得することができる手段を提供することが求められている。
【0005】
本発明の目的は、ユーザが手軽に人力駆動車における消耗部分の消耗度合に関する情報を得ることを可能にする検出装置、検出方法、生成方法、コンピュータプログラム、および記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の第1側面に従う検出装置は、人力駆動車の少なくとも一部が含まれる第1イメージから前記人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、前記被検出消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報を出力する制御部を備える。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから、人力駆動車の消耗箇所における消耗度合を手軽に取得することができる。
【0007】
(2)本発明の第2側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記第1イメージから前記人力駆動車における複数の消耗箇所を複数の被検出消耗箇所として検出し、前記複数の被検出消耗箇所ごとに前記消耗情報を出力する
このため、ユーザは、検出消耗箇所ごとの消耗情報を手軽に取得することができる。
【0008】
(3)本発明の第3側面に従う検出装置では、前記消耗箇所は、前記人力駆動車のコンポーネントを含み、前記制御部は、前記第1イメージから前記人力駆動車のコンポーネントを前記被検出消耗箇所として検出する。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから、コンポーネントの消耗情報を手軽に取得することができる。
【0009】
(4)本発明の第4側面に従う検出装置では、前記コンポーネントは、ブレーキシュー、ブレーキパッド、スプロケット組立体、クランク組立体、チェーン、タイヤ、ディスクブレーキローター、リム、および、ワイヤのうちの少なくとも1つを含む。
このため、ユーザは、人力駆動車の、ブレーキシュー、ブレーキパッド、スプロケット組立体、クランク組立体、チェーン、タイヤ、ディスクブレーキローター、リム、および、ワイヤのうちの少なくとも1つについて、イメージから消耗度合を取得することができる。
【0010】
(5)本発明の第5側面に従う検出装置では、前記制御部は、イメージの入力に応じて前記被検出消耗箇所の消耗情報を出力するように学習された学習モデルによって、前記消耗情報を出力する。
このため、検出装置は、学習モデルによって消耗情報を出力することができる。
【0011】
(6)本発明の第6側面に従う検出装置では、前記制御部は、ブレーキシュー、ブレーキパッド、ディスクブレーキローター、およびリムの少なくとも1つを含むイメージに対して摩耗度合をラベル付けした教師データによって、前記学習モデルを学習させる。
このため、検出装置は、ブレーキシュー、ブレーキパッド、ディスクブレーキローター、およびリムの少なくとも1つのイメージから、摩耗度合の情報を出力することができる。
【0012】
(7)本発明の第7側面に従う検出装置では、前記制御部は、スプロケット組立体およびクランク組立体の少なくとも1つを含む前記イメージに対して摩耗度合をラベル付けした教師データによって、前記学習モデルを学習させる。
このため、検出装置は、スプロケット組立体およびクランク組立体の少なくとも1つのイメージから、摩耗度合の情報を出力することができる。
【0013】
(8)本発明の第8側面に従う検出装置では、前記制御部は、チェーンおよびワイヤの少なくとも1つを含むイメージに対して伸び度合いをラベル付けした教師データによって、前記学習モデルを学習させる。
このため、検出装置は、チェーンおよびワイヤの少なくとも1つのイメージから、伸び具合の情報を出力することができる。
【0014】
(9)本発明の第9側面に従う検出装置では、前記制御部は、タイヤを含むイメージに対して溝の深さをラベル付けした教師データによって、前記学習モデルを学習させる。
このため、検出装置は、タイヤを含むイメージから溝の深さに対応する消耗度合の情報を出力することができる。
【0015】
(10)本発明の第10側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記消耗箇所を異なる複数の角度から見たときの複数のイメージを含む教師データによって、前記学習モデルを学習させる。
このため、検出装置は、人力駆動車に関する複数のイメージに基づき、人力駆動車の消耗箇所における消耗度合を出力する学習モデルを生成することができる。
【0016】
(11)本発明の第11側面に従う検出装置では、前記学習モデルは、入力されたイメージおよび前記人力駆動車の使用者の身体情報または属性情報を含む使用者情報に基づき、前記消耗情報を出力する。
このため、検出装置は、人力駆動車のイメージおよび人力駆動車の使用者の身体情報に基づき、人力駆動車の消耗箇所における消耗度合を出力する学習モデルを生成することができる。
【0017】
(12)本発明の第12側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記被検出消耗箇所が強調された第2イメージを出力する。
このため、ユーザは、検出された消耗箇所を認識し易い。
【0018】
(13)本発明の第13側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記消耗情報に応じて前記被検出消耗箇所の強調方法を変更する。
このため、ユーザは、検出された消耗箇所の消耗度合を直感的に認識し易い。
【0019】
(14)本発明の第14側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記被検出消耗箇所に関する関連情報を出力する。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから、検出された消耗箇所に関する関連情報を取得することができる。
【0020】
(15)本発明の第15側面に従う検出装置では、前記関連情報は、前記被検出消耗箇所の種類に関する情報、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り付け方法に関する情報、前記被検出消耗箇所に関する部品の取り外し方法に関する情報、および前記被検出消耗箇所に関する部品の調整方法に関する情報のうちの少なくとも1つを含む。
このため、ユーザは、人力駆動車の一部を含むイメージから、人力駆動車の消耗箇所に関する種類、取り付け方法、取り外し方法、および、調整方法の少なくとも1つの情報を取得することができる。
【0021】
(16)本発明の第16側面に従う検出装置では、前記取り付け方法に関する情報は、前記被検出消耗箇所に関する部品を前記被検出消耗箇所に取り付けるための部品に関する情報、および前記被検出消耗箇所に関する部品の取り付けまたは取り外しに必要な工具に関する情報のうちの少なくとも1つを含む。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから、人力駆動車における消耗箇所に対応する部品、および工具の少なくとも1つの情報を取得することができる。
【0022】
(17)本発明の第17側面に従う検出装置では、前記関連情報は、前記被検出消耗箇所の部品に置き換わる置換部品に関する情報を含む。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから、人力駆動車における消耗箇所に対応する置換部品の情報を取得することができる。
【0023】
(18)本発明の第18側面に従う検出装置では、前記置換部品に関する情報は、前記被検出消耗箇所の部品を、前記置換部品に置き換える場合に必要となる他の部品に関する情報を含む。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから、人力駆動車における消耗箇所に対応する置換部品へ置き換える場合に必要な部品の情報を取得することができる。
【0024】
(19)本発明の第19側面に従う検出装置では、前記関連情報は、前記検出された消耗箇所に関する商品を購入するためのWebサイトへのアクセスするためのリンク情報を含む。
このため、ユーザは消耗箇所に関して必要な商品を、簡易な操作で入手することができる。
【0025】
(20)本発明の第20側面に従う検出装置では、前記制御部は、文字列およびグラフィックの少なくとも1つによって前記関連情報を出力する。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから、文字列、グラフィックによって消耗箇所に関する関連情報を得ることができる。
【0026】
(21)本発明の第21側面に従う検出装置は、前記制御部から出力される情報を表示する表示部をさらに備える。
このため、ユーザは、消耗箇所の消耗度合を表示部にて視認することができる。
【0027】
(22)本発明の第22側面に従う検出装置では、前記表示部は、前記被検出消耗箇所に関する関連情報を、被選択関連情報として選択する入力を受け付け、前記制御部は、前記被選択関連情報の詳細情報を出力する。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから検出された消耗箇所の消耗度合に対し、いずれの消耗箇所の情報をより詳細に表示させるかを選択し、詳細な情報を取得することができる。
【0028】
(23)本発明の第23側面に従う検出装置では、前記表示部は、前記被検出消耗箇所が強調された第2イメージにおいて、前記被検出消耗箇所を、被選択消耗箇所として選択可能に構成され、前記制御部は、前記被選択消耗箇所の関連情報を出力する。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージに対して強調表示された第2イメージから、いずれの消耗箇所の情報をより詳細に表示させるかを選択し、詳細な情報を取得することができる。
【0029】
(24)本発明の第24側面に従う検出装置は、前記制御部から出力される情報を記憶する記憶部をさらに備える。
このため、検出装置は、人力駆動車における消耗箇所の消耗度合に関する情報を記憶しておくことができる。
【0030】
(25)本発明の第25側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記被検出消耗箇所の識別情報を、前記消耗度合に関する情報と対応付けて前記記憶部に記憶させる。
このため、検出装置は、人力駆動車における消耗箇所と消耗度合に関する情報を対応付けて記憶しておくことができる。
【0031】
(26)本発明の第26側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記被検出消耗箇所の識別情報を、前記人力駆動車の使用者の識別情報と対応付けて前記記憶部に記憶させる。
このため、検出装置は、人力駆動車における消耗箇所と消耗度合に関する情報と使用者を識別する情報とを対応付けて記憶しておくことができる。
【0032】
(27)本発明の第27側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記被検出消耗箇所の識別情報を、前記消耗度合に関する情報と対応付けて外部に出力する。
このため、検出装置は、人力駆動車における消耗箇所の識別情報と消耗度合に関する情報とを対応付けて外部、たとえばクラウドサーバ、に出力することができる。
【0033】
(28)本発明の第28側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記被検出消耗箇所の識別情報を、前記人力駆動車の使用者の識別情報と対応付けて外部に出力する。
このため、検出装置は、人力駆動車における消耗箇所の識別情報と消耗度合に関する情報と使用者を識別する情報とを対応付けて外部、たとえばクラウドサーバ、に出力することができる
【0034】
(29)本発明の第29側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記人力駆動車の走行履歴に基づき、前記第1イメージの入力を使用者に促すための情報を出力する。
このため、ユーザは、より確実に、消耗箇所の消耗度合に関する情報を取得することができる。
【0035】
(30)本発明の第30側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記入力された第1イメージを、前記人力駆動車の走行履歴と対応付けて外部に出力する。
このため、検出装置は、人力駆動車における消耗箇所を含むイメージと人力駆動車の走行履歴とを対応付けて外部、たとえばクラウドサーバ、に出力することができる。
【0036】
(31)本発明の第31側面に従う検出装置では、前記制御部は、前記入力された第1イメージを、前記人力駆動車の走行環境を示す走行環境情報と対応付けて外部に出力する。
このため、検出装置は、人力駆動車における消耗箇所を含むイメージと人力駆動車が走行した走行環境を示す情報とを対応付けて外部、たとえばクラウドサーバ、に出力することができる。
【0037】
本発明は、上述の特徴的な要素を備える検出装置として実現することができるだけでなく、各特徴的な処理を実行する検出方法、コンピュータに特徴的な処理を実行させるコンピュータプログラム、学習モデルの生成方法、および記憶媒体として実現することができる。
【0038】
(32)本発明の第32側面に従う検出方法は、人力駆動車の少なくとも一部が含まれる第1イメージから前記人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、前記被検出消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報を出力する。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから、人力駆動車の消耗箇所における消耗度合を手軽に取得することができる。
【0039】
(33)本発明の第33側面に従う生成方法は、人力駆動車の少なくとも一部を含む複数の第1イメージに対して、人力駆動車における消耗箇所と消耗度合をラベル付けした教師データを作成し、イメージを入力すると、前記イメージから前記人力駆動車における消耗箇所を検出し、被検出箇所および消耗度合いを出力する学習モデルを、前記作成された教師データに基づいて生成する。
このため、入力したイメージから人力駆動車における消耗箇所および消耗度合を出力する学習モデルを生成することができる。
【0040】
(34)本発明の第34側面に従うコンピュータプログラムは、コンピュータに、人力駆動車の少なくとも一部が含まれる第1イメージから前記人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、前記被検出消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報を出力する、処理を実行させる。
このため、ユーザは、人力駆動車のイメージから、人力駆動車の消耗箇所における消耗度合を手軽に取得することができる。
【0041】
(35)本発明の第35側面に従う記憶媒体は、上述のコンピュータプログラムが記憶された、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体である。
このため、コンピュータプログラムをコンピュータに読み取らせることで、前記コンピュータが、人力駆動車のイメージに基づいて、人力駆動車の消耗箇所の消耗度合を出力する装置になる。
【発明の効果】
【0042】
本開示によれば、検出装置によれば、ユーザは、特別な診断装置を用いずに、人力駆動車のイメージから、人力駆動車における消耗箇所の消耗度合の情報を手軽に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】第1実施形態に係る検出装置の構成を示すブロック図である。
図2】学習モデルの概要を示す図である。
図3】検出装置の検出処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4】検出装置の表示部における消耗情報の出力例を示す。
図5】第2実施形態の検出装置の構成を示すブロック図である。
図6】第2実施形態における学習モデルの概要を示す。
図7】第2実施形態の学習モデルを用いた検出装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態の学習モデルを用いた検出装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態における検出装置の表示部における消耗情報の出力例を示す。
図10】検出装置の表示部における関連情報の出力例を示す。
図11】検出装置の表示部における関連情報の他の出力例を示す。
図12】第3実施形態の学習モデルの概要を示す図である。
図13】第3実施形態の学習モデルの他の構成例を示す図である。
図14】第3実施形態の検出装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15】第4実施形態における検出装置およびサーバ装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
図16】第4実施形態における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17】第4実施形態における処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の各実施形態に関する説明は、本発明に関する出力装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する出力装置は、各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態等のように各実施形態とは異なる形態を取り得る。
【0045】
以下の各実施形態に関する説明において、前、後、前方、後方、左、右、横、上、および、下等の方向を表す言葉は、ユーザが人力駆動車のサドルに着座した状態における方向を基準として用いられる。
【0046】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る検出装置1の構成を示すブロック図である。検出装置1は、第1例ではスマートフォンである。検出装置1は、第2例ではタブレット端末である。検出装置1は、第3例では、ウェアラブルの情報端末であって眼鏡型であってよい。検出装置1は、制御部100、記憶部102、表示部104、通信部108、入出力部110、および撮像部112を備える。
【0047】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit )および/またはGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサである。制御部100は、内蔵するROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のメモリを用いて処理を実行する。制御部100は、人力駆動車の少なくとも一部が含まれる第1イメージから人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、被検出消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報を出力する。後述するように、制御部100は、第1イメージから人力駆動車における複数の消耗箇所を複数の被検出消耗箇所として検出し、複数の被検出消耗箇所ごとに消耗情報を出力する。
【0048】
記憶部102は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。記憶部102には、コンピュータプログラム1Pが記憶されている。制御部100は、コンピュータプログラム1Pを読み出して実行する。コンピュータプログラム1Pは、人力駆動車の部品メーカから提供され、または任意の配信サーバから配信され、汎用コンピュータである検出装置1にインストールされる。コンピュータプログラム1Pは、コンピュータに、人力駆動車の少なくとも一部が含まれる第1イメージから前記人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、前記被検出消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報を出力する、処理を実行させる。コンピュータプログラム1Pは、記憶媒体5に記憶されたコンピュータプログラム5Pを制御部100が読み出して記憶部102に複製したものであってもよい。
【0049】
記憶部102には、学習モデル1Mが記憶されている。学習モデル1Mは、イメージの入力に応じて前記被検出消耗箇所の消耗情報を出力するように学習されている。制御部100は、学習モデル1Mによって消耗情報を出力する。学習モデル1Mは、記憶媒体5に記憶された学習モデル5Mを制御部100が読み出して記憶部102に複製したものであってもよい。
【0050】
消耗箇所は、人力駆動車のコンポーネントを含み、制御部100は、第1イメージから人力駆動車のコンポーネントを被検出消耗箇所として検出する。コンポーネントは、ブレーキシュー、ブレーキパッド、スプロケット組立体、クランク組立体、チェーン、タイヤ、ディスクブレーキローター、リム、および、ワイヤのうちの少なくとも1つを含む。
【0051】
記憶部102にはあらかじめ、人力駆動車における被検出消耗箇所に関する消耗情報が記憶されている。記憶部102には、人力駆動車の消耗箇所の種類に関する情報が記憶されている。種類は例えば、被検出照応箇所すなわちコンポーネントの種類であって、ブレーキシュー、ブレーキパッド、スプロケット組立体、クランク組立体、チェーン、タイヤ、ディスクブレーキローター、リム、および、ワイヤのうちの少なくとも1つを含む。
【0052】
記憶部102には、あらかじめ記憶されている情報に加え、制御部100が出力する情報が記憶される。記憶部102には、使用者の識別情報が記憶される。使用者の識別情報は、名前、ニックネーム、ユーザID、または電子メールアドレスを含む。記憶部102には、使用者に関する使用者情報が記憶される。使用者情報は、人力駆動車の使用者の身体情報および属性情報の少なくとも1つを含む。身体情報は、たとえば、使用者の身長、体重を含む。使用者の属性情報は例えば、性別、または年齢である。使用者の属性情報は、運転の技量に関する情報であってもよい。属性情報は例えば、使用者の好むライディングスタイルや、ライフスタイルに関する情報を含む。
【0053】
表示部104は、液晶パネルまたは有機ELディスプレイ等の表示装置である。表示部104は、制御部100から出力される情報を表示する。第1実施形態では表示部104は、撮像部112で撮像した人力駆動車のイメージと共に、人力駆動車の一部に関する関連情報を表示する。
【0054】
表示部104は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースである操作部106を含む。本実施形態では、操作部106は、表示部104に含まれるタッチパネルデバイスである。操作部106は、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ、およびマイクロフォン等であってもよい。
【0055】
通信部108は、公衆通信網Nへの通信接続を実現する通信モジュールである。制御部100は、通信部108を介して、情報を外部に出力することができる。
【0056】
入出力部110は、外部記憶装置、または通信機器と接続されるインタフェースである。入出力部110は例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェースである。
【0057】
撮像部112は、CMOS(Complementary MOS )イメージセンサ等の撮像素子を含む。撮像部112は起動すると撮像素子にて撮像された画像を出力する。撮像部112は、制御部100の指示に基づいて静止画像または動画像を撮像する。
【0058】
第1実施形態の制御部100は、学習モデル1Mを用いて人力駆動車の消耗箇所を検出する。制御部100は、人力駆動車を撮像した第1イメージを学習モデル1Mへ入力し、写っている人力駆動車、人力駆動車における消耗箇所となるコンポーネントを検出し、検出された消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報を出力する。以下に、学習モデル1Mを用いた検出処理を詳細に説明する。
【0059】
制御部100は、イメージの入力に応じて被検出消耗箇所の消耗情報を出力するように学習された学習モデル1Mによって、消耗情報を出力する。図2は、学習モデル1Mの概要を示す図である。学習モデル1Mは、図2に示すようにニューラルネットワーク(以下NN:Neural Network)を用いた教師ありの深層学習アルゴリズムによって人力駆動車における消耗箇所となるコンポーネントの識別情報を、確度および消耗度合と共に出力する。学習モデル1Mの学習アルゴリズムは教師なしの学習アルゴリズムでもよいし、リカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)でもよい。
【0060】
学習モデル1MのNNは、図2に示すように、定義データによって定義される複数段の畳み込み層、プーリング層および全結合層を含み、入力される第1イメージの特徴量に基づいて、入力された第1イメージに写っている物体を分類し、分類結果を識別する識別情報と確度とを出力する。
【0061】
学習モデル1Mは、検出装置1であらかじめ制御部100によって、インターネットを介して収集された人力駆動車の消耗箇所を含む第1イメージに対し、第1イメージに写っている消耗箇所の識別情報および消耗度合をラベル付けした教師データに基づいて生成されている。学習モデル1Mは、人力駆動車に関する事業者によって管理されるモデル作成装置によって生成され、学習済みのものであってもよい。
【0062】
学習モデル1Mはあらかじめ、人力駆動車に関する事業者によって管理されるモデル作成装置にて、人力駆動車における消耗箇所となるコンポーネントに関する設計用アプリケーションプログラムによって生成されるレンダリングイメージに基づく教師データによって学習されてもよい。
【0063】
本実施形態に係る学習モデル1Mは、人力駆動車の少なくとも一部を含む複数の第1イメージに対して、人力駆動車における消耗箇所と消耗度合をラベル付けした教師データを作成し、イメージを入力すると、イメージから人力駆動車における消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、被検出消耗箇所および消耗度合いを出力する学習モデルを、作成された教師データに基づいて生成する、生成方法によって生成される。
【0064】
教師データのイメージにラベル付けされる消耗箇所のコンポーネントの識別情報は、第1例では、人力駆動車のコンポーネントの種類を区別するための情報である。図2では、ブレーキシューを含む第1イメージは「0」のラベル、ブレーキパッドを含む第1イメージには「1」のラベル、スプロケット組立体を含む第1イメージには「2」のラベルが付けられている。
【0065】
教師データのイメージにラベル付けされる物体の識別情報は第2例では、人力駆動車の各コンポーネントの型番に対応する。この場合、コンポーネントを含む第1イメージに型番別のラベルが付けられて教師データとされる。
【0066】
制御部100は、イメージの入力に応じて被検出消耗箇所の消耗情報を出力するように、学習モデル1Mを学習させる。第1例では、制御部100は、ブレーキシュー、ブレーキパッド、ディスクブレーキローター、およびリムの少なくとも1つを含む第1イメージに対し、各々を区別するコンポーネントの識別情報および摩耗度合をラベル付けした教師データによって学習モデル1Mを学習させる。
【0067】
第2例では、制御部100は、スプロケット組立体およびクランク組立体の少なくとも1つを含む第1イメージに対し、スプロケット組立体およびクランク組立体を識別する識別情報および摩耗度合をラベル付けした教師データによって学習モデル1Mを学習させる。
【0068】
第3例では、制御部100は、チェーンおよびワイヤの少なくとも1つを含む第1イメージに対し、チェーンおよびワイヤを識別する識別情報および伸び度合いをラベル付けした教師データによって学習モデル1Mを学習させる。
【0069】
第4例では、制御部100は、タイヤを含む第1イメージに対してタイヤを溝の深さをラベル付けした教師データによって学習モデル1Mを学習させる。
【0070】
第1例から第4例において、制御部100は、同一の消耗度合の消耗箇所を異なる複数の角度から見たときの複数のイメージを含む教師データによって、学習モデル1Mを学習させてもよい。
【0071】
学習モデル1Mは、上述のブレーキシュー、ブレーキパッド、スプロケット組立体、クランク組立体、チェーン、タイヤ、ディスクブレーキローター、リム、および、ワイヤ全てを識別するように学習されてもよいし、第1例、第2例、第3例および第4例に分別して学習されてもよい。この場合、学習モデル1Mは、第1イメージを分類する分類器と分類ごとの消耗度合を出力するモデルとで構成されてもよい。
【0072】
図2に示した学習モデル1Mを用いた検出処理を、フローチャートを参照して説明する。図3は、検出装置1の検出処理手順の一例を示すフローチャートである。スマートフォンである検出装置1を所持するユーザ、または検出装置1を所持する人力駆動車のメンテナンススタッフが、コンピュータプログラム1Pを起動させると、制御部100は以下の処理を実行する。
【0073】
制御部100は、人力駆動車を含む第1イメージを受け付ける(ステップS101)。ステップS101において、制御部100は、撮像部112を起動させ、画像出力を受け付ける。あらかじめ撮像部112によって取得された第1イメージを記憶部102に記憶しておき、ステップS101において、制御部100が、選択された第1イメージを記憶部102から読み出すことで第1イメージを受け付けてもよい。
【0074】
制御部100は、受け付けた第1イメージを出力する(ステップS103)。ステップS103において制御部100は、第1イメージを表示部104に表示させる。
【0075】
制御部100は、受け付けた第1イメージを学習済みの学習モデル1Mに入力する(ステップS105)。学習モデル1Mは、第1イメージが入力されると、人力駆動車における1または複数の消耗箇所を、1または複数の被消耗箇所として検出し、被検出消耗箇所の識別情報、確度および消耗度合を出力する。制御部100は、学習モデル1Mから出力された確度が所定値以上の識別情報および対応する消耗度合を取得する(ステップS107)。
【0076】
制御部100は、被検出消耗箇所および消耗度合に関する消耗情報を出力する(ステップS109)。ステップS109において制御部100は、消耗情報として、消耗度合を示す文字列又はグラフィックとして表示部104に表示させる。制御部100は、第1イメージ上に、消耗情報を示す文字列を重畳させて表示させてもよい。消耗情報の出力は表示部104への出力に限らず、入出力部110を介した外部装置への出力でも、印刷出力であっても、音声出力であってもよい。
【0077】
ステップS109において制御部100は、消耗情報を消耗箇所ごとに選択可能に出力し、選択された消耗箇所の消耗情報を出力する。消耗情報の出力例は、図4を参照して詳細に説明する。
【0078】
制御部100は、被消耗箇所の識別情報を、消耗度合に関する情報と対応付けて記憶部102に記憶させ(ステップS111)、処理を終了する。
【0079】
図4は、検出装置1の表示部104における消耗情報の表示例を示す。図4には、表示部104に表示されるアプリ画面140の例が示されている。アプリ画面140には、ステップS103で表示部104に出力された第1イメージ142が含まれる。アプリ画面140には、第1イメージ142に重畳して、被検出消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報が、文字列を含むオブジェクト144として表示されている。
【0080】
図4の例では、被検出消耗箇所がブレーキシューであり、消耗情報として、制動面の減少量の推定値が表示されている。被検出消耗箇所がタイヤである場合には、消耗情報として、溝の減少量の推定値が表示される。被検出消耗箇所がディスクブレーキローターである場合には、消耗情報として、ブレーキ面の減少量の推定値が表示される。被検出消耗箇所がワイヤの場合には、消耗情報として、伸び率の推定値が表示される。
【0081】
制御部100は、図4に示したように、消耗度合から特定できる減少量を消耗情報として表示させてもよいし、残量の推定値を表示してもよい。制御部100は、被検出消耗箇所がスプロケット組立体およびクランク組立体のうちの少なくとも1つである場合も同様に推定値を表示してよい。
【0082】
制御部100は、消耗箇所としてチェーンまたはワイヤを検出し、伸び率から推定される推奨交換時期を消耗情報として出力してもよい。制御部100は、消耗箇所としてタイヤを検出し、消耗情報としてタイヤの溝の深さを百分率で表示してもよい。
【0083】
ユーザは、人力駆動車のイメージから、人力駆動車における消耗箇所における消耗度合を手軽に取得することができる。
【0084】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態の検出装置1の構成を示すブロック図である。第2実施形態の検出装置1のハードウェア構成は、記憶部102に被検出消耗箇所の関連情報を記憶していること以外は、第1実施形態と同様であるから、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0085】
第2実施形態の検出装置1の記憶部102には、前記被検出消耗箇所に関する関連情報が記憶されている。制御部100は、被検出消耗箇所に関する関連情報を出力する。関連情報は、被検出消耗箇所の種類に関する情報、被検出消耗箇所に関する部品の取り付け方法に関する情報、被検出消耗箇所に関する部品の取り外し方法に関する情報、および被検出消耗箇所に関する部品の調整方法に関する情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0086】
取り付け方法に関する情報は、被検出消耗箇所に関する部品を被検出消耗箇所に取り付けるための部品に関する情報、および被検出消耗箇所に関する部品の取り付けまたは取り外しに必要な工具に関する情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0087】
関連情報は、被検出消耗箇所に関する関連情報として、消耗箇所の部品に置き換わる置換部品に関する情報を含んでもよい。置換部品に関する情報は、被検出消耗箇所の部品を、前記置換部品に置き換える場合に必要となる他の部品に関する情報を含む。関連情報は、被検出消耗箇所に関する関連情報として、消耗箇所に関する商品を購入するためのWebサイトへのアクセスするためのリンク情報を含んでいてもよい。
【0088】
第2実施形態の検出装置1の制御部100は、学習モデル1Mに基づき、第1イメージに写っている消耗箇所を第1イメージ内の位置と共に検出する。図6は、第2実施形態における学習モデル1Mの概要を示す。第2実施形態における学習モデル1Mは、第1イメージに写っている人力駆動車に関する物体の第1イメージ内での位置も出力するように学習される。学習モデル1Mはこの場合、SSD(Single Shot MultiBox Detector )として学習される。
【0089】
図6に示すように、学習モデル1Mはこの場合、入力された第1イメージを複数チャネルに分解し、畳み込みまたはプーリング処理の後、複数のスケールの特徴マップを段階的に出力する。学習モデル1Mは、複数段階ごとに出力された特徴マップに対して検出範囲を候補と確度とを出力し、段階ごとに出力された検出範囲の候補に対して重複したものを除外しながら、検出範囲候補を集合させ、検出枠のおよび対応する確度(score)を出力する。
【0090】
第2実施形態における学習モデル1Mを学習するための教師データは、第1イメージ内の物体の範囲を示す枠の位置、幅および高さも含む。物体の位置も出力する学習モデル1Mは、SSDに限られずR-CNN、YOLO等に基づくモデルであってよい。
【0091】
図6に示した位置を含めて消耗箇所を検出する学習モデル1Mは、人力駆動車の一部を含む第1イメージに対し、第1イメージに写っている消耗箇所の識別情報および消耗度合いをラベル付けし、第1イメージ内の消耗箇所の位置を指定した教師データによって学習されている。教師データは、人力駆動車のオーナー、人力駆動車のメンテナンススタッフから収集される第1イメージを用いて作成されてもよい。
【0092】
図7および図8は、第2実施形態の学習モデル1Mを用いた検出装置1による処理手順の一例を示すフローチャートである。図7および図8のフローチャートに示す処理手順の内、第1実施形態の図4のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0093】
第2実施形態の検出装置1の制御部100は、使用者の識別情報、および属性情報の入力を受け付け(ステップS121)、第1イメージを受け付ける(S101)。ステップS121における使用者の識別情報の受け付けは、コンピュータプログラム1Pの初回起動のみであってもよいし、検出処理の都度受け付けてもよい。使用者の識別情報は名前、ニックネームであってよい。ステップS121において制御部100は、記憶部102に記憶される複数の使用者の識別情報のいずれか1つの選択によって入力を受け付けてもよい。
【0094】
ステップS105の第1イメージの入力に応じて第2実施形態の学習モデル1Mは、検出された消耗箇所の識別情報、確度、消耗箇所の検出範囲、および消耗度合を出力する。制御部100は、学習モデル1Mから出力された確度が所定値以上の識別情報、対応する検出範囲および消耗度合を取得する(ステップS123)。
【0095】
制御部100は、消耗情報に応じて、被検出消耗箇所の強調方法を変更する。具体的には、制御部100は、取得した検出範囲の情報に含まれる第1イメージ内における検出位置、幅および高さに基づき、被検出消耗箇所が強調された第2イメージを作成する(ステップS125)。
【0096】
ステップS125で作成される第2イメージは例えば、第1イメージ上の消耗箇所のコンポーネントを囲む枠を重畳させて得られる。消耗度合に応じて変更される強調方法は、枠の色、太さ、点滅の有無によって区別される。例えば制御部100は、消耗箇所の消耗度合が大きく消耗箇所に関する部品の交換が必要な場合は、枠の色を赤く、太くまたは点滅させ、消耗度合が小さく部品の交換が不要な場合は枠の色を緑色とし、細く、または点滅させずに第2イメージを作成する。第2イメージは例えば、第1イメージ上の消耗箇所のコンポーネントに輪郭のグラフィックを重畳させて得られる。第2イメージは例えば、消耗箇所のコンポーネントから出る吹き出しのグラフィックである。第2イメージは例えば、第1イメージ上の消耗箇所のコンポーネントの範囲を覆うように半透明のグラフィックを重畳させて得られる。第2イメージは文字列を含んでよい。消耗度合に応じて輪郭、吹き出し、半透明グラフィックまたは文字列の色、太さまたは動きが変更されてよい。
【0097】
制御部100は、被検出消耗箇所が強調された第2イメージを出力する制御部100は、消耗箇所の消耗度合に関する消耗情報を第2イメージとともに出力する(ステップS127)。ステップS127において、制御部100は、消耗情報および第2イメージを表示部104に表示させる。
【0098】
制御部100は、取得した識別情報に対応する消耗箇所に関する関連情報を記憶部102から読み出す(ステップ129)。制御部100は、被検出消耗箇所が強調された第2イメージにおいて、被検出消耗箇所を、被選択消耗箇所とする入力を受け付ける(ステップS131)。制御部100は、被選択消耗箇所に関する関連情報を出力する(ステップS133)。制御部100は、ステップS133において、関連情報を表示部104に表示させる。関連情報の出力は表示部104への表示に限らず、入出力部110を介した外部装置への出力でも、印刷出力であっても、音声出力であってもよい。
【0099】
ステップS133で出力される関連情報は、複数であってよく、制御部100は、消耗箇所に関する関連情報を被選択関連情報として選択する入力を受け付ける(ステップS135)。制御部100は、選択された関連情報の詳細情報を出力する(ステップS137)。ステップS137において制御部100は、関連情報の詳細を表示部104に表示させる。
【0100】
制御部100は、被検出消耗箇所の識別情報を、消耗度合に関する情報と対応付けて記憶部102に記憶させる(S111)。制御部100は、被検出消耗箇所の識別情報を、人力駆動車の使用者の識別情報と対応付けて記憶部102に記憶させ(ステップS139)、処理を終了する。ステップS137において制御部100は、ステップS131で選択された消耗箇所についてのみ記憶してもよい。使用者の識別情報と対応付けて記憶しておくことにより、いずれの消耗箇所が使用者にとって重みがあるか、使用者の嗜好に応じて記憶することができる。
【0101】
図9は、第2実施形態における検出装置1の表示部104における消耗情報の表示例を示す。図9には、表示部104に表示されるアプリ画面140の例が示されている。アプリ画面140には、消耗箇所のブレーキシュー、タイヤおよび消耗箇所を含むコンポーネントが強調された第2イメージ148が含まれる。表示部104は、被検出消耗箇所が強調された第2イメージ148において、被検出消耗箇所を、被選択消耗箇所として選択可能に構成される。表示部104に含まれるタッチパネルデバイスを介して、第2イメージ148に含まれる被検出消耗箇所に対応するオブジェクト150を、選択することができる。図9の例では、検出された2つの消耗箇所およびコンポーネントは、検出枠で囲まれて強調され、選択可能なオブジェクト150は吹き出しである。
【0102】
図10は、検出装置1の表示部104における関連情報の表示例を示す。図10は、図9の例で表示されている2つの消耗箇所のうち、「ブレーキシュー」が選択された場合に、関連情報としてブレーキシューの「取り付け方法」、「取り外し方法」、「調整方法」、「購入Webサイト」および「登録」の内の少なくとも1つを選択可能なメニュー146がオブジェクト150内に表示される。図10に示すように制御部100は、文字列およびグラフィックの少なくとも1つによって関連情報を出力する。
【0103】
図11は、検出装置1の表示部104における関連情報の他の表示例を示す。図11は、図10の例で表示されているメニュー146で「ブレーキシュー」の「取り外し方法」が選択された場合の表示例である。「取り外し方法」が選択された場合、取り外しに必要な工具に関する情報が表示されている。図11に示すように制御部100は、文字列およびグラフィックの少なくとも1つによって関連情報の詳細情報を出力する。
【0104】
ユーザはスマートフォンまたはタブレット端末を用い、コンピュータプログラム1Pを起動させることによって、人力駆動車のイメージから、消耗箇所の消耗度合および照応箇所の関連情報を手軽に得ることができる。第2実施形態では、消耗箇所の位置も検出して消耗箇所が強調された第2イメージを表示するので、ユーザは、検出された消耗箇所と、関連情報とを認識し易い。
【0105】
(第3実施形態)
第3実施形態では、消耗度合に関する消耗情報を出力する学習モデル1Mへの入力情報として、使用者の身体情報または属性情報を用いる。第3実施形態の学習モデル1Mは、消耗度合に関する消耗情報として残量を示す割合を出力するように学習される。第3実施形態の検出装置1の構成は、学習モデル1Mおよび処理内容の詳細以外は、第1実施形態と同様であるから、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0106】
図12は、第3実施形態の学習モデル1Mの概要を示す図である。学習モデル1Mは、第1実施形態の図2の学習モデル1Mと同様に、NNを用いた深層学習アルゴリズムによって学習される。第3実施形態の学習モデル1Mは、入力された第1イメージおよび人力駆動車の使用者の身体情報または属性情報を含む使用者情報に基づき、消耗度合に関する消耗情報を出力する。。身体情報は例えば体重であり、例えば図12に示したように、第1イメージの特徴量を出力する層の段階で入力される。
【0107】
図13は、第3実施形態の学習モデル1Mの他の構成例を示す図である。学習モデル1Mは、第1イメージの入力に応じて消耗箇所および消耗度合を出力するNNによるモデルと、モデルから出力された消耗箇所の識別情報、消耗度合および身体情報とを入力し、消耗箇所の身体情報を加味した消耗度合を出力する別のNNに基づくモデルとを含む構成としてもよい。図13の学習モデル1Mを用いる場合、制御部100は、第1のモデルから消耗箇所の識別情報を取得し、第2のモデルから消耗度合を取得する。
【0108】
図14は、第3実施形態の検出装置1の処理手順の一例を示すフローチャートである。スマートフォンである検出装置1を所持するユーザ、または検出装置1を所持する人力駆動車のメンテナンススタッフが、コンピュータプログラム1Pを起動させると、制御部100は以下の処理を実行する。
【0109】
制御部100は、人力駆動車の使用者の身体情報または属性情報を受け付ける(ステップS301)。制御部100は、表示部104の操作部106を介して使用者の識別情報および使用者情報を受け付けてもよいし、記憶部102に記憶されている使用者の識別情報および使用者情報を読み出してもよい。
【0110】
制御部100は、使用者が乗る人力駆動車を含む第1イメージを受け付ける(ステップS303)。
【0111】
制御部100は、受け付けた第1イメージを、出力する(ステップS305)。ステップS305において制御部100は、第1イメージを表示部104に表示させる。
【0112】
制御部100は、受け付けた使用者の身体情報または属性情報と、第1イメージとを学習済みの学習モデル1Mに入力する(ステップS307)。
【0113】
第3実施形態の学習モデル1Mは、使用者の身体情報または属性情報、および第1イメージの入力に応じて、人力駆動車の消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、被検出消耗箇所の識別情報と、身体情報または属性情報が加味された消耗度合とを出力する。制御部100は、消耗箇所の識別情報および消耗度合を学習モデル1Mから取得する(ステップS309)。ステップS307およびステップS309によって、制御部100は、人力駆動車の消耗箇所を被消耗箇所として検出する。
【0114】
制御部100は、取得した識別情報に対応する消耗箇所および消耗度合に関する消耗情報を出力する(ステップS311)。ステップS311において制御部100は、消耗情報を表示部104に表示させる。ステップS311において制御部100は、第1イメージ上に、消耗情報を示す文字列を重畳させて表示してもよい。消耗情報の出力は表示部104への表示に限らず、入出力部110を介した外部装置への出力でも、印刷出力であっても、音声出力であってもよい。
【0115】
制御部100は、ステップS311で出力した消耗度合に関する情報と対応付けて、被検出消耗箇所の識別情報を記憶部102に記憶させ(ステップS313)、処理を終了する。
【0116】
第3実施形態で検出装置1は、人力駆動車のイメージのみならず、人力駆動車の使用者の身体情報を用いてより精度よく消耗度合を出力できる。
【0117】
(第4実施形態)
第4実施形態では、関連情報は、検出装置1が通信接続可能なサーバ装置2に記憶されており、検出装置1はサーバ装置2から関連情報を取得する。図15は、第4実施形態における検出装置1およびサーバ装置2を含むシステムの構成を示すブロック図である。第4実施形態における検出装置1の構成の一部は、第1実施形態または第2実施形態と同様であるから、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0118】
第4実施形態の検出装置1は、制御部100、記憶部102、表示部104、通信部108、入出力部110、および撮像部112を備える。
【0119】
第4実施形態の検出装置1の記憶部102には、関連情報が記憶されていない。関連情報はサーバ装置2にて記憶されたものが使用される。記憶部102には、スマートフォンである検出装置1のユーザの人力駆動車の走行履歴が記憶されている。記憶部102には、人力駆動車の走行環境を示す走行環境情報が記憶される。走行環境は、位置情報によって特定される走行路面の種類、天候の情報を含む。走行履歴および走行環境は第1例では、人力駆動車のサイクルコンピュータから入出力部110または他の無線通信モジュールによって取得された情報である。走行履歴および走行環境は、検出装置1の制御部100が他のコンピュータプログラムに基づいて測定して得られるものであってもよい。
【0120】
第4実施形態の検出装置1の通信部108は、Wi-Fi に対応する無線通信デバイスを用い、公衆通信網Nへ、アクセスポイントAPを介して接続してもよい。通信部108は、キャリアネットワークN2を介した通信を実現するキャリア通信用モジュールであってよい。
【0121】
サーバ装置2は、サーバコンピュータを用いる。サーバ装置2は、制御部20、記憶部22、および通信部24を備える。サーバ装置2は1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで機能または処理を分散させてもよい。
【0122】
制御部20は、CPUまたはGPUを用いたプロセッサである。制御部20は、内蔵するROMおよびRAM等のメモリを用いて処理を実行する。
【0123】
記憶部22は、例えばハードディスクまたはSSD(Solid State Drive )等の不揮発性メモリを含む。記憶部22には、サーバプログラム2Pが記憶されている。制御部20は、サーバプログラム2Pを読み出して実行する。
【0124】
記憶部22は、関連情報データベースDB1と、使用者識別情報データベースDB2と、イメージデータベースDB3とを含む。関連情報データベースDB1は、検出される消耗箇所に関連する情報を含む。関連情報データベースDB1は、検出される消耗箇所の種類に関する情報、消耗箇所に関する部品の取り付け方法に関する情報、消耗箇所に関する部品の取り外し方法に関する情報、および消耗箇所に関する部品の調整方法に関する情報のうちの少なくとも1つを含む。取り付け方法に関する情報は、検出された消耗箇所に関する部品を消耗箇所に取り付けるための部品に関する情報、および検出された消耗箇所に関する部品の取り付けまたは取り外しに必要な工具に関する情報のうちの少なくとも1つを含んでよい。関連情報データベースDB1は、検出される消耗箇所の部品に置き換わる置換部品に関する情報を含んでよい。置換部品に関する情報は、消耗箇所の部品を、置換部品に置き換える場合に必要となる他の部品に関する情報を含んでもよい。関連情報データベースDB1は、消耗箇所に関する商品を購入するためのWebサイトへのアクセスするためのリンク情報を含む。使用者識別情報データベースDB2は、人力駆動車の使用者の名前、ニックネーム、ユーザID、および電子メールアドレスに関する情報を含む。イメージデータベースDB3は、人力駆動車を含むイメージに関する情報を含む。
【0125】
通信部24は、公衆通信網Nへの通信接続を実現する通信モジュールである。通信部24は、有線接続のためのネットワークカードである。制御部20は、通信部24によって検出装置1との間で情報を送受信する。
【0126】
図16および図17は、第4実施形態における処理手順の一例を示すフローチャートである。スマートフォンである検出装置1を所持するユーザ、または検出装置1を所持する人力駆動車のメンテナンススタッフが、コンピュータプログラム1Pを起動させると、制御部100は以下の処理を実行する。
【0127】
検出装置1の制御部100は、人力駆動車の走行履歴に基づき、第1イメージの入力を使用者に促すための情報を、表示部104に出力する(ステップS401)。ステップS401の出力先は、表示部104に限られず、検出装置1が備える音声入出力部を用いて音声出力してもよい。
【0128】
制御部100は、人力駆動車を含む第1イメージを受け付ける(ステップS403)。ステップS403において制御部100は、撮像部112を起動させ、画像出力を受け付ける。あらかじめ撮像部112によって取得された第1イメージを記憶部102に記憶しておき、ステップS403において制御部100が、選択された第1イメージを記憶部102から読み出すことによって第1イメージを受け付けてもよい。
【0129】
制御部100は、受け付けた第1イメージを出力する(ステップS405)。ステップS405において制御部100は、第1イメージを表示部104に表示させる。
【0130】
制御部100は、受け付けた第1イメージを学習済みの学習モデル1Mに入力する(ステップS407)。第4実施形態における学習モデル1Mは、第1イメージの入力に応じて、消耗箇所を被検出消耗箇所として検出し、被検出消耗箇所に対応する識別情報および消耗度合を出力する。制御部100は、学習モデル1Mから出力された消耗箇所の識別情報および消耗度合を取得する(ステップS409)。
【0131】
制御部100は、取得した識別情報に対応する消耗箇所および消耗度合に関する消耗情報を、出力する(ステップS411)。ステップS411おいて制御部100は、消耗箇所ごとの消耗情報を各々選択可能に表示部104に表示させる。制御部100は、消耗箇所の消耗情報の選択を受け付ける(ステップS413)。
【0132】
制御部100は、選択された消耗箇所の識別情報を含み、消耗箇所に関する関連情報の読み出し依頼を通信部108からサーバ装置2へ送信する(ステップS415)。
【0133】
サーバ装置2では、関連情報の読み出し依頼を通信部24にて受信し(ステップS501)、制御部20は、読み出し依頼に含まれる消耗箇所の識別情報に対応する消耗箇所に関する関連情報を記憶部22から読み出す(ステップS503)。ステップS503において制御部20は、記憶部22に記憶されている消耗箇所に関する商品を購入するためのWebサイトへのアクセスするためのリンク情報を読み出してよい。制御部20は、読み出した関連情報を検出装置1へ送信する(ステップS505)。
【0134】
検出装置1では、サーバ装置2から送信された関連情報を受信し(ステップS417)、制御部100は、被検出消耗箇所の識別情報に対応する消耗箇所について関連情報を、出力する(ステップS419)。
【0135】
制御部100は、被検出消耗箇所のいずれかの選択を受け付け(ステップS421)、選択された消耗箇所の関連情報の詳細を表示部104に出力する(ステップS423)。
【0136】
制御部100は、選択された被検出消耗箇所に対する関連情報であるメニュー146によって登録操作を受け付ける(ステップS425)。制御部100は、被検出消耗箇所の識別情報を、消耗度合に関する情報と対応付けて外部(サーバ装置2)に出力する(ステップS427)。制御部100は、被検出消耗箇所の識別情報を、人力駆動車の使用者の識別情報と対応付けて外部(サーバ装置2)に出力する(ステップS429)。
【0137】
制御部100は、入力された第1イメージを、人力駆動車の走行履歴と対応付けて外部(サーバ装置2)に出力する(ステップS431)。ステップS431において、制御部100は、選択された被検出消耗箇所に対し、ステップS403で受け付けた第1イメージを、記憶部102に記憶してある人力駆動車の走行履歴と対応付けて外部(サーバ装置2)に出力する。
【0138】
制御部100は、第1イメージを、人力駆動車の走行環境と対応付けて外部(サーバ装置2)に出力する(ステップS433)。ステップS433において、制御部100は、選択された被検出消耗箇所に対し、ステップS503で受け付けた第1イメージを、記憶部102に記憶してある人力駆動車の走行環境と対応付けて外部(サーバ装置2)に出力する。
【0139】
ステップS431およびステップS433の処理手順は必須ではなく、いずれか一方のみ実施されてもよい。
【0140】
サーバ装置2では、被検出消耗箇所の識別情報と対応付けられた消耗度合に関する情報を受信し(ステップS507)、制御部20は、被検出消耗箇所の識別情報および消耗度合に関する情報を記憶部22に記憶する(ステップS509)。制御部20は、使用者の識別情報と対応付けられた被検出消耗箇所の識別情報を受信し(ステップS511)、制御部20は、被検出消耗箇所の識別情報を使用者の識別情報に対応付けて記憶部22の使用者識別情報データベースDB2に記憶する(ステップS513)。
【0141】
ステップS513にて制御部20は関連情報との対応付けを記憶してもよい。この場合、制御部20は、関連情報として消耗箇所に関する消耗品の購入サイトへのリンク情報を出力した場合、購入サイトにおける購入履歴および購入時期を使用者の識別情報と対応付けて記憶部22の使用者識別情報データベースDB2に記憶してよい。制御部20は、消耗箇所の置換部品の交換時期を記憶部22の使用者識別情報データベースDB2に記憶してよい。制御部20は、使用者向けに特化した関連情報として、購入履歴を反映させた関連情報を読み出して出力できる。
【0142】
制御部20は、走行履歴と対応付けられた第1イメージを受信し(ステップS515)、走行環境と対応付けられた第1イメージを受信する(ステップS517)。制御部20は、記憶部22のイメージデータベースD3に、走行履歴と対応付けられた第1イメージを、使用者の識別情報と対応付けて記憶し(ステップS518)、走行環境と対応付けられた第1イメージを、使用者の識別情報と対応付けて記憶する(ステップS519)。制御部20は、登録完了を検出装置1へ通知し(ステップS521)、処理を終了する。
【0143】
検出装置1では、登録通知を受信すると(ステップS435)、登録完了を表示部104に出力し(ステップS437)、処理を終了する。
【0144】
ステップS518において、走行履歴即ちどれほど人力駆動車が走行したのかの情報と対応付けて第1イメージがサーバ装置2で記憶される。ステップS518で記憶された情報は、どれほど消耗したかをユーザに知らせるために使用できる。ステップS518で記憶された情報は、消耗したり汚れたりした消耗箇所の第1イメージを、新品の同一箇所の第1イメージとは別に教師データとして用いて学習モデル1Mを再学習させるために使用してもよい。
【0145】
ステップS519において、走行環境即ちどのような環境で人力駆動車が走行したのかの情報と対応付けて第1イメージがサーバ装置2で記憶される。ステップS519で記憶された情報は、コンポーネントの第1イメージを走行環境別の教師データとして用いて学習モデル1Mを再学習させるために使用してもよい。
【0146】
第4実施形態では、サーバ装置2に関連情報が記憶されており、サーバ装置2から関連情報が読み出される構成として説明した。学習モデル1Mもサーバ装置2にて記憶され、検出装置1は学習モデル1Mから出力される識別情報の情報を取得して検出処理に用いてもよい。この場合、サーバ装置2で、複数の検出装置1から収集した第1イメージによって学習モデル1Mを更新し、より精度よく検出することが期待される
【0147】
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0148】
1…検出装置、100…制御部、102…記憶部、104…表示部、106…操作部、108…通信部、110…入出力部、112…撮像部、1P…コンピュータプログラム、1M…学習モデル、2…サーバ装置、20…制御部、22…記憶部、24…通信部、5…記憶媒体、5P…コンピュータプログラム、5M…学習モデル
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