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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】プレート式熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/08 20060101AFI20240329BHJP
   F28D 9/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
F28F3/08
F28D9/00
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019143547
(22)【出願日】2019-08-05
(65)【公開番号】P2020109345
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】201811632357.6
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505462622
【氏名又は名称】ダンフォス アクチ-セルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ジーフェン,チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,ルオ
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/037354(WO,A1)
【文献】特開2015-155752(JP,A)
【文献】特開2002-181486(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0021904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D9/00
F28F3/00,3/08,9/02
F16L13/00-13/16
B23K1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート式熱交換器であって、
カバープレートであって、本体、前記本体に形成された開口部、および、前記開口部を囲み、前記カバープレートの前記本体から前記プレート式熱交換器の外側に向かう方向に突出するフランジを備えた、カバープレートと、
接続パイプであって、互いに逆側にある第1の端部および第2の端部、および、前記第1の端部と前記第2の端部との間の本体を備えた、接続パイプと、を備え、
前記接続パイプの前記第1の端部と、前記カバープレートの前記フランジとのうちの一方は、前記接続パイプの前記第1の端部と、前記カバープレートの前記フランジとのうちの他方へ挿入され、
前記接続パイプの前記第1の端部は、前記接続パイプの前記本体よりも小さな半径サイズを有し、前記接続パイプはさらに、前記接続パイプの前記本体と前記第1の端部との間に段部を備え、前記接続パイプの前記第1の端部は、前記カバープレートの前記フランジに挿入され、
前記接続パイプの前記本体の内壁および前記第1の端部の内壁は、前記接続パイプの前記本体から前記プレート式熱交換器の外側に向かう前記方向に延在し、
前記段部の内壁は、前記接続パイプの前記本体の内壁と前記第1の端部の内壁とを接続し、前記径方向における内側方向に凸となる、かつ前記接続パイプの前記本体から前記プレート式熱交換器の外側に向かう前記方向に凸となる曲面を含む、プレート式熱交換器。
【請求項2】
前記接続パイプの前記段部は、前記カバープレートの前記フランジの端部に当接する、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項3】
前記プレート式熱交換器はさらに、前記接続パイプに挿入され、前記接続パイプの前記段部の前記曲面の端部に当接する端部を有する熱交換媒体循環パイプを備えた、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項4】
前記接続パイプの前記第2の端部は、テーパ形状を有し、前記接続パイプの前記第1の端部から、前記接続パイプの前記第2の端部に向かう方向に、徐々に増加する半径サイズを有する、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項5】
前記接続パイプの前記本体と前記第2の端部とからなる接続パイプセグメントは、テーパ形状を有し、前記接続パイプの前記第1の端部から、前記接続パイプの前記第2の端部に向かう方向に、徐々に増加する半径サイズを有する、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項6】
プレート式熱交換器であって、
カバープレートであって、本体、前記本体に形成された開口部、および、前記開口部を囲み、前記カバープレートの前記本体から前記プレート式熱交換器の外側に向かう方向に突出するフランジを備えた、カバープレートと、
接続パイプであって、互いに逆側にある第1の端部および第2の端部、および、前記第1の端部と前記第2の端部との間の本体を備えた、接続パイプと、を備え、
前記接続パイプの前記第1の端部と、前記カバープレートの前記フランジとのうちの一方は、前記接続パイプの前記第1の端部と、前記カバープレートの前記フランジとのうちの他方へ挿入され、
前記接続パイプの前記第1の端部は、前記接続パイプの前記本体よりも大きな半径サイズを有し、前記接続パイプはさらに、前記接続パイプの前記本体と前記第1の端部との間に段部を備え、前記カバープレートの前記フランジは、前記接続パイプの前記第1の端部に挿入され、
前記フランジは、前記カバープレートの前記本体から、前記プレート式熱交換器の外側に向かう前記方向に突出する管状部と、前記カバープレートの前記本体から離れる方向に向く前記管状部の側面において、前記管状部から半径方向内側に延び、前記接続パイプの前記段部と接触する段部とを備える、プレート式熱交換器。
【請求項7】
前記接続パイプに挿入された熱交換媒体循環パイプをさらに備え、
前記カバープレートの前記フランジの前記段部の、前記管状部から離れる方向に向く端部は、前記接続パイプの軸方向から見たときに、前記接続パイプの前記本体内に延び、前記熱交換媒体循環パイプは、前記カバープレートの前記フランジの前記段部の前記端部に当接する端部を有する、請求項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項8】
プレート式熱交換器であって、
カバープレートであって、本体、前記本体に形成された開口部、および、前記開口部を囲み、前記カバープレートの前記本体から前記プレート式熱交換器の外側に向かう方向に突出するフランジを備えた、カバープレートと、
接続パイプであって、互いに逆側にある第1の端部および第2の端部、および、前記第1の端部と前記第2の端部との間の本体を備えた、接続パイプと、
前記接続パイプに挿入された熱交換媒体循環パイプと、を備え、
前記接続パイプの前記第1の端部と、前記カバープレートの前記フランジとのうちの一方は、前記接続パイプの前記第1の端部と、前記カバープレートの前記フランジとのうちの他方へ挿入され、
前記カバープレートの前記フランジは、前記接続パイプの前記第1の端部に挿入され、
前記熱交換媒体循環パイプは、前記カバープレートの前記フランジの端部に当接する端部を有する、プレート式熱交換器。
【請求項9】
前記接続パイプの前記第1の端部は、前記カバープレートの前記本体に当接する、請求項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項10】
前記フランジは、円筒形状を有する、請求項1~のうち何れか一項に記載のプレート式熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プレート式熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプレート式熱交換器では、カバープレートに開口部が形成され、開口部に対応する位置において、接続パイプは、はんだ付け、ろう付け、または溶接によりカバープレートに固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態の目的は、たとえば、プレート式熱交換器を提供し、これにより、接続パイプを、カバープレートに、はんだ付け、ろう付け、または溶接するプロセスの困難性を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、カバープレートであって、本体、本体に形成された開口部、および、開口部を囲み、カバープレートの本体から熱交換器の外側に向かう方向に突出するフランジを含む、カバープレートと、接続パイプであって、互いに逆側にある第1の端部および第2の端部、および、第1の端部と第2の端部との間の本体を含む、接続パイプとを含み、接続パイプの第1の端部と、カバープレートのフランジとのうちの一方は、接続パイプの第1の端部と、カバープレートのフランジとのうちの他方へ挿入される、プレート式熱交換器を提供する。
【0005】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの第1の端部は、接続パイプの本体よりも小さな半径サイズを有し、接続パイプはさらに、接続パイプの本体と第1の端部との間に段部を含み、接続パイプの第1の端部は、カバープレートのフランジに挿入される。
【0006】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの段部は、カバープレートのフランジの端部に当接する。
【0007】
本発明の実施形態によれば、プレート式熱交換器はさらに、接続パイプに挿入され、接続パイプの段部に当接する端部を有する熱交換媒体循環パイプを含む。
【0008】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの第2の端部は、テーパ形状を有し、接続パイプの第1の端部から接続パイプの第2の端部に向かう方向に、徐々に増加する半径サイズを有する。
【0009】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの本体と第2の端部とからなる接続パイプセグメントは、テーパ形状を有し、接続パイプの第1の端部から、接続パイプの第2の端部に向かう方向に、徐々に増加する半径サイズを有する。
【0010】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの第1の端部は、接続パイプの第1の端部から接続パイプの第2の端部に向かう方向に、徐々に減少する半径サイズを有するテーパ部を含み、フランジは、テーパ形状を有し、カバープレートの本体から熱交換器の外側に向かう方向に、徐々に減少する半径サイズを有する。
【0011】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの第1の端部はさらに、接続パイプの本体から離れる方向に向くテーパ部の側面において、接続パイプの第1の端部のテーパ部から半径方向外側に延び、カバープレートの本体と接触するフランジを含む。
【0012】
本発明の実施形態によれば、カバープレートのフランジは、接続パイプの第1の端部に挿入される。
【0013】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの第1の端部は、カバープレートのフランジに挿入され、接続パイプのフランジは、フランジから離れる方向に向くカバープレートの本体の表面と接触する。
【0014】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの第1の端部のテーパ部は、フランジと同じテーパを有する。
【0015】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの第1の端部は、接続パイプの本体よりも大きな半径サイズを有し、接続パイプはさらに、接続パイプの本体と第1の端部との間に段部を含み、カバープレートのフランジは、接続パイプの第1の端部に挿入される。
【0016】
本発明の実施形態によれば、フランジは、カバープレートの本体から熱交換器の外側に向かう方向に突出する管状部と、カバープレートの本体から離れる方向に向く管状部の側面において管状部から半径方向内側に延び、接続パイプの段部と接触する段部とを含む。
【0017】
本発明の実施形態によれば、カバープレートのフランジは、接続パイプの第1の端部に挿入される。
【0018】
本発明の実施形態によれば、プレート式熱交換器はさらに、接続パイプに挿入された熱交換媒体循環パイプを含み、カバープレートのフランジの段部の、管状部から離れる方向に向く端部は、接続パイプの軸方向から見たときに、接続パイプの本体内に延び、熱交換媒体循環パイプは、カバープレートのフランジの段部の端部に当接する端部を有する。
【0019】
本発明の実施形態によれば、カバープレートのフランジは、接続パイプの第1の端部に挿入される。
【0020】
本発明の実施形態によれば、接続パイプの第1の端部は、カバープレートの本体に当接する。
【0021】
本発明の実施形態によれば、プレート式熱交換器はさらに、接続パイプに挿入された熱交換媒体循環パイプを含み、熱交換媒体循環パイプは、カバープレートのフランジの端部に当接する端部を有する。
【0022】
本発明の実施形態によれば、フランジは円筒形状を有する。
【0023】
本発明の実施形態によるプレート式熱交換器を用いて、たとえば、接続パイプをカバープレートにはんだ付けし、ろう付けし、または溶接するプロセスの困難性が低減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の実施形態によるプレート式熱交換器の概略斜視図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレート、接続パイプ、および熱交換媒体循環パイプの部分断面図である。
図6図6は、本発明の第2の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図7図7は、本発明の第2の実施形態によるプレート式熱交換器の接続パイプの断面図である。
図8図8は、本発明の第3の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図9図9は、本発明の第4の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図10図10は、本発明の第4の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図11図11は、本発明の第5の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図12図12は、本発明の第5の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレート、接続パイプ、および熱交換媒体循環パイプの部分断面図である。
図13図13は、本発明の第5の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図14図14は、本発明の第5の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレート、接続パイプ、および熱交換媒体循環パイプの部分断面図である。
図15図15は、本発明の第6の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
図16図16は、本発明の第6の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレート、接続パイプ、および熱交換媒体循環パイプの部分断面図である。
図17図17は、本発明の第6の実施形態によるプレート式熱交換器のカバープレートおよび接続パイプの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明のさらなる記載は、添付の図面と併せて本発明の実施形態を参照してなされる。
【0026】
図1から図17を参照して示すように、本発明の実施形態によるプレート式熱交換器100は、複数の熱交換プレート4と、複数の熱交換プレート4の両側で、複数の熱交換プレート4をそれぞれ覆うカバープレート(またはベースプレート、またはそれぞれカバープレートおよびベースプレートと称される)1であって、それぞれ、本体10、本体10に形成された開口部11、および開口部11を囲み、カバープレート1の本体10から熱交換器100の外側に向かう方向に突出しているフランジ12を含むカバープレート1と、互いに逆側にある第1の端部21および第2の端部22、および、第1の端部21と第2の端部22との間の本体20を含む接続パイプ2とを含む。接続パイプ2の第1の端部21と、カバープレート1のフランジ12とのうちの一方は、接続パイプ2の第1の端部21と、カバープレート1のフランジ12とのうちの他方に挿入される。フランジ12は、円筒形状および円錐形状のような管状形状を有し得る。
【0027】
図2から図8を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、接続パイプ2の第1の端部21は、接続パイプ2の本体20よりも小さな半径サイズを有し、接続パイプ2はさらに、本体20と接続パイプ2の第1の端部21との間に段部23を含み、接続パイプ2の第1の端部21は、カバープレート1のフランジ12に挿入される。本発明の例によれば、接続パイプ2の段部23は、カバープレート1のフランジ12の端部に当接する。図5を参照して示すように、本発明の例によれば、プレート式熱交換器100はさらに、接続パイプ2に挿入され、接続パイプ2の段部23に当接する端部31を有する熱交換媒体循環パイプ3を含む。本発明の実施形態によれば、図2を参照して示すように、接続パイプ2およびカバープレート1は、はんだ付け、ろう付け、または溶接される前に、たとえば、拡張接続、スポット溶接などによって、ともに事前固定される。ともに事前固定された後、接続パイプ2とカバープレート1は、はんだ付けまたはろう付けによって(たとえば、ろう付けによって)形成された継ぎ目8(図4図5図6図8図9図10図13、および図14を参照)によって、または、溶接によって(たとえば、レーザ溶接によって)形成された継ぎ目8(図3図11図12図15、および図16を参照)によって、完全に固定され得る。接続パイプ3とカバープレート1とが完全に固定された後、図5図12図14、および図16を参照して示すように、(銅パイプまたは銅合金パイプのような)熱交換媒体循環パイプ3の一部は、接続パイプ2に挿入され、その後、熱交換媒体循環パイプ3と接続パイプとは、はんだ付けまたはろう付けによって(たとえば、ろう付けによって)形成された継ぎ目8によってともに接続される。
【0028】
図6および図7を参照して示すように、本発明の実施形態による接続パイプは、製造性に優れ、製造の困難性が低く、製造応力集中が発生しにくいなどの利点を有する。
【0029】
図3を参照して示すように、接続パイプ2は、溶接によって(たとえば、レーザ溶接によって)カバープレート1に接合される場合、カバープレート1を貫通し、かつ接続パイプ2の第1の端部において一定の深さを有するよう、溶接によって形成された溶融浴が必要とされる。たとえ溶融浴の溶接力が、接続パイプ2のパイプ壁を貫通するほどに大きすぎても、熱交換プレート4は損傷しない。溶融浴の貫通深さの要求は、大幅に低減される。溶融浴の深さは、単純に、最低限の深さよりも深ければよく、溶融浴の深さの変動範囲に対して強い要求はない。
【0030】
図6を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、接続パイプ2は、はんだ付けまたはろう付けによって(たとえば、ろう付けによって)カバープレート1に接合されると、すべての継ぎ目8は熱交換器100の内側に位置するため、外観は、金属をはんだ付けまたはろう付けすることによって損なわれない。
【0031】
図6および図7を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、接続パイプ2の第1の端部21はテーパ形状を有し、接続パイプ2の第1の端部21から、接続パイプ2の第2の端部22に向かう方向に、徐々に増加する半径サイズを有し、これにより、接続パイプ2とカバープレート1のフランジ12との間のギャップを減少させ、はんだ付け、ろう付け、または溶接品質を保証しながら、接続パイプ2をカバープレート1に組み立てる利便性を効果的に確保する。
【0032】
図5から図8および図11から図17を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、接続パイプ2の第2の端部22は、テーパ形状を有し、接続パイプ2の第1の端部21から、接続パイプ2の第2の端部22の方向に、徐々に増加する半径サイズを有する。本発明の例によれば、図8を参照して示すように、接続パイプ2の本体20と第2の端部22とからなる接続パイプセグメントは、テーパ形状を有し、接続パイプ2の第1の端部21から、接続パイプ2の第2の端部22に向かう方向に、徐々に増加する半径サイズを有する。言い換えると、接続パイプ2の第1の端部21を除く残りの部分は、テーパ形状を有する。
【0033】
図8を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、接続パイプ2は、テーパ壁を有する。接続パイプ2の、カバープレート1に隣接する側面における内径は、接続パイプ2の頂部の内径よりも小さい。接続パイプ2は、サイズの異なる熱交換媒体循環パイプ3に適合し得、接続パイプ2と、そこに挿入された熱交換媒体循環パイプ3との間のはんだ付け、またはろう付けギャップがゼロであることが保証され得、はんだ付けまたはろう付け品質を改善する。
【0034】
図9および図10を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、接続パイプ2の第1の端部21は、接続パイプ2の第1の端部21から、接続パイプ2の第2の端部22に向かう方向に、徐々に減少する半径サイズを有するテーパ部210を含み、フランジ12はテーパ形状を有し、カバープレート1の本体10から熱交換器100の外側に向かう方向に、徐々に減少する半径サイズを有する。接続パイプ2の第1の端部21のテーパ部210は、フランジ12と同じテーパを有し得る。図10を参照して示すように、本発明の例によれば、接続パイプ2の第1の端部21はさらに、接続パイプ2の本体20から離れる方向に向くテーパ部210の側面において、接続パイプ2の第1の端部21のテーパ部210から、半径方向外側に延び、カバープレート1の本体10と接触するフランジ211を含む。図9を参照して示すように、本発明の例によれば、カバープレート1のフランジ12は、接続パイプ2の第1の端部21に挿入される。図10を参照して示すように、本発明の例によれば、接続パイプ2の第1の端部21は、カバープレート1のフランジ12に挿入され、接続パイプ2のフランジ211は、フランジ12から離れる方向に向くカバープレート1の本体10の表面と接触する。フランジ211は、熱交換プレート4とカバープレート1との間に位置する。
【0035】
図9および図10を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、接続パイプ2の第1の端部21のテーパ部210と、テーパ形状のフランジ12によって、自己適応型の組み立て構造が形成され、組み立てギャップを効果的に確保し、ロジン接続のような、はんだ付け、ろう付け、または溶接の欠陥を回避し、これにより、継ぎ目の品質を改善する。さらに、図10に示す実施形態のような構造を用いて、はんだ付け、ろう付け、または溶接領域が効果的に確保され、組み立てギャップが減少され、したがって、継ぎ目の品質が改善される。それに加えて、密閉が達成され、製品の強度が高められ、部品点数が減少され得る。
【0036】
図11および図14を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、接続パイプ2の第1の端部21は、接続パイプ2の本体20よりも大きな半径サイズを有し、接続パイプ2はさらに、接続パイプ2の本体20と第1の端部21との間に段部24を含み、カバープレート1のフランジ12は、接続パイプ2の第1の端部21に挿入される。本発明の例によれば、フランジ12は、カバープレート1の本体10から熱交換器100の外側に向かう方向に突出する管状部121と、カバープレート1の本体10から離れる方向に向く管状部121の側面において、管状部121から半径方向内側に延び、接続パイプ2の段部24と接触する段部122とを含む。本発明の例によれば、カバープレート1のフランジ12は、接続パイプ2の第1の端部21に挿入される。図12および図14を参照して示すように、プレート式熱交換器100はさらに、接続パイプ2に挿入された熱交換媒体循環パイプ3を含み、管状部121から離れる方向に向くカバープレート1のフランジ12の段部122の端部は、接続パイプ2の軸方向から見た場合、接続パイプ2の本体20内に延び、熱交換媒体循環パイプ3は、カバープレート1のフランジ12の段部122の端部に当接する端部31を有する。
【0037】
図11および図14を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、カバープレート1のフランジ12と、接続パイプ2の第1の端部21とによって、適応オーバラップ構造が形成され、これにより、カバープレート1のフランジ12と、接続パイプ2の第1の端部21との間のオーバラップ領域を大幅に増加させ、したがって、はんだ付け、ろう付け、または溶接強度を大幅に高める。それに加えて、熱交換媒体循環パイプ3の端部31は、カバープレート1のフランジ12の段部122の端部に当接し、これにより、外部から挿入される熱交換媒体循環パイプ3を位置決めする。
【0038】
図15から図17を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、カバープレート1のフランジ12は、接続パイプ2の第1の端部21に挿入される。接続パイプ2の第1の端部21は、カバープレート1の本体10に当接し得る。図14および図16を参照して示すように、本発明の例によれば、プレート式熱交換器100はさらに、接続パイプ2に挿入された熱交換媒体循環パイプ3を含む。熱交換媒体循環パイプ3は、カバープレート1のフランジ12の端部に当接する端部31を有する。
【0039】
図15から図17を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、接続パイプ2は円柱状の本体20を含み、カバープレート1は、接続パイプ2に適合するフランジ12を有し、接続パイプ2は、はんだ付け、ろう付け、または溶接によってフランジ12に固定される。熱交換媒体循環パイプ3の端部31は、カバープレート1のフランジ12の端部に当接し、カバープレート1のフランジ12の頂部は、熱交換媒体循環パイプ3を位置決めすることができる。それに加えて、接続パイプは、単純な構造を有し、便利に製造され得る。
【0040】
図17を参照して示すように、本発明の実施形態によれば、半径方向において、接続パイプ2の内壁に面するフランジの端面の側面において、カバープレート1のフランジ12の端面にノッチ5が形成される。はんだ付け、またはろう付けの前に、はんだ6がノッチ5に配置される。
【0041】
本発明の実施形態によれば、接続パイプがはんだ付け、またはろう付けにより固定されている場合、熱交換器の表面に、はんだ残渣が存在する危険性が排除され得る一方、接続パイプが溶接によって固定されている場合、熱交換器における溶融浴が深いことによる悪影響は著しく低減されるために、プロセシングデバイスやプロセスパラメータの設定に対する要求は、もはや厳しくはなくなる。それに加えて、本発明の実施形態によれば、接続パイプおよびカバープレートは、自己適応方式で固定され得るので、事前固定プロセスは、もはや必要とされない。本発明の実施形態によれば、接続パイプのプロセシングにおける接続パイプの応力状態および壁厚の変動のようなプロセスパラメータが十分に考慮され、これらのパラメータのための構造設計が最適化され、これにより、接続パイプのプロセシングパフォーマンスが効果的に改善され、接続パイプの疲労強度を増加させる。
【0042】
本発明の実施形態によれば、接続パイプのはんだ付け、ろう付け、または溶接によるプレート式熱交換器の不良率が低減され、接続パイプの疲労強度が高められて製品の耐用年数の増加に大きく貢献し、製造中における接続パイプのための固定デバイス、および、対応するプロセスパラメータの設定に対する要求が低減される。
【符号の説明】
【0043】
1 カバープレート
2 接続パイプ
3 熱交換媒体循環パイプ
4 熱交換プレート
5 ノッチ
6 はんだ
8 継ぎ目
10 本体
11 開口部
12 フランジ
20 本体
21 第1の端部
22 第2の端部
23 段部
24 段部
31 端部
100 プレート式熱交換器
121 管状部
122 段部
210 テーパ部
211 フランジ
図1
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