(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】管状物用の吊り治具
(51)【国際特許分類】
B66C 1/10 20060101AFI20240329BHJP
F16L 1/024 20060101ALI20240329BHJP
E04G 21/16 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
B66C1/10 X
B66C1/10 G
F16L1/024
E04G21/16
(21)【出願番号】P 2019234784
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-06-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507157676
【氏名又は名称】株式会社クボタ建設
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】田島 和史
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-126478(JP,U)
【文献】特開2000-169074(JP,A)
【文献】特開2005-067873(JP,A)
【文献】特開平11-217180(JP,A)
【文献】特開2001-138148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0212170(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/10
F16L 1/024
E04G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状物用の吊り治具であって、
クレーンのフックに直接的に又は間接的に玉掛けされるビーム部と、
前記ビーム部に設けられ、管状物を囲むように配置され、その間が前記管状物の収容スペースとなる複数のアーム部と、
前記アーム部に対して着脱自在に設けられ、吊り上げられた前記管状物の荷重を受けるように構成されている爪部と、を有し、
前記アーム部に、前記収容スペースの外方から内方に向けて、かつ、斜め下方に向けて貫通穴が設けられ、
前記爪部は前記貫通穴に対して、前記収容スペースの外方から内方に向けて差し込み自在に構成されている管状物用の吊り治具。
【請求項2】
前記アーム部及び前記爪部に、当該爪部が前記貫通穴に差し込こまれた際に、当該爪部が前記貫通穴から抜け出ることを防止する抜出防止機構が設けられている請求項
1に記載の管状物用の吊り治具。
【請求項3】
前記爪部は、前記アーム部に対する差し込み長さが変更可能に構成されている請求項
2に記載の管状物用の吊り治具。
【請求項4】
前記アーム部は、前記ビーム部に対する取り付け位置が変更可能に構成されている請求項1から
3のいずれか一項に記載の管状物用の吊り治具。
【請求項5】
前記管状物は単一の管材から構成され、
前記ビーム部は当該管材の軸心に沿って配置可能に構成され、
前記ビーム部には当該管材の軸心方向における少なくとも二か所において、前記管材を挟んで対向する前記アーム部が当該管材の外周面を囲み得るように配置され、
前記各アーム部のそれぞれにおいて前記爪部は前記管材の軸心より下方の外周面に接触し得るように配置される請求項1から
4のいずれか一項に記載の管状物用の吊り治具。
【請求項6】
前記管状物は複数の管材が連結された連結管から構成され、
前記ビーム部は当該連結管を構成する当該管材の軸心に沿って配置可能に構成され、
前記ビーム部には当該管材ごとの軸心方向における少なくとも二か所において、前記管材を挟んで対向する前記アーム部が当該管材の外周面を囲み得るように配置され、
前記各アーム部のそれぞれにおいて前記爪部は前記管材の軸心より下方の外周面に接触し得るように配置される請求項1から
4のいずれか一項に記載の管状物用の吊り治具。
【請求項7】
前記管材は、直管又は曲管である請求項
5又は6に記載の管状物用の吊り治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状物用の吊り治具に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼管杭・鋼管矢板や上下水道管などに用いられる管には、数十メートルから数キロメートル以上もの長さが求められることがある。しかし、そのような長尺の管を製作したり運搬したりすることは現実的には困難であるため、数メートル程度の定尺の管材を工場で製作しトラックにより現地に搬入し連結することによって、所望の長さの管を構成することが行われている。
【0003】
ところでこのような管材のトラックの荷台に対する積み下ろしや施工現場における移動はクレーンにより行われる。その際、管材のような管状物用の吊り治具として、特許文献1に開示されるような物品把持具が用いられる。
【0004】
当該物品把持具は、少なくとも1組の開閉可能な爪部と、当該爪部を支持する胴体部と、を有して形成されている。当該物品把持具は、物品を把持するために爪部が支軸まわりに開閉するような複雑な機構を有するため、製作に時間を要し製作費も高価であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、製作が容易で安価な管状物用の吊り治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するための、本発明に係る管状物用の吊り治具の特徴構成は、管状物用の吊り治具であって、クレーンのフックに直接的に又は間接的に玉掛けされるビーム部と、前記ビーム部に設けられ、管状物を囲むように配置され、その間が前記管状物の収容スペースとなる複数のアーム部と、前記アーム部に対して着脱自在に設けられ、吊り上げられた前記管状物の荷重を受けるように構成されている爪部と、を有する点にある。
【0008】
上述の構成によると、管状物の上方から、アーム部の間に管状物が位置するようにビーム部を吊り下ろし、アーム部に爪部を取り付けると、管状物を吊り上げた際に、アーム部に取り付けられた爪部によって荷重を受けることができるため、従来の物品把持具のように胴体部に軸支された爪部の開閉機構のような複雑な構成が不要である。したがって、製作が容易で安価な吊り治具を提供することができるようになった。なお、本発明に係る吊り治具の説明におけるクレーンの用語は、クレーンのみならずデリックや揚貨装置も含む。
【0009】
本発明においては、前記アーム部に、前記収容スペースの外方から内方に向けて、かつ、斜め下方に向けて貫通穴が設けられ、前記爪部は前記貫通穴に対して、前記収容スペースの外方から内方に向けて差し込み自在に構成されていると好適である。
【0010】
上述の構成によると、アーム部に貫通穴を形成し、爪部を当該貫通穴に差し込むだけで、爪部が管状物に当接する。管状物を吊り上げた際には、当該管状物の荷重が爪部にかかり、当該爪部は貫通穴の内周面に対して押し付けられることになるため、爪部が貫通穴に対して大きくずれにくい。
【0011】
なお、管状物に吊りボルトが設けられていない場合に、ワイヤーロープを半掛けやあだ巻き掛けしようとする際には、管状物と当該管状物の載置面との間にまくらを設けるなどして当該ワイヤーロープを通すための空間を確保する必要がある。しかし、上述の構成であれば、爪部は斜め下方に向けて、管状物の外周面の下部に差し込まれ、当該管状物との接触部において当該管状物は保持されるため、上記のような空間の確保が不要となる。
【0012】
本発明においては、前記アーム部及び前記爪部に、当該爪部が前記貫通穴に差し込こまれた際に、当該爪部が前記貫通穴から抜け出ることを防止する抜出防止機構が設けられていると好適である。
【0013】
上述の構成によると、抜出防止機構によって、アーム部の貫通穴に差し込んだ爪部が抜け出ることが防止されるため、爪部が意図せず抜け出す虞が回避される。
【0014】
本発明においては、前記爪部は、前記アーム部に対する差し込み長さが変更可能に構成されていると好適である。
【0015】
上述の構成によると、管状物の大きさに応じて、爪部のアーム部に対する差し込み長さを変更することができるため、管状物を安定的な姿勢で保持することができる。
【0016】
本発明においては、前記アーム部は、前記ビーム部に対する取り付け位置が変更可能に構成されていると好適である。
【0017】
上述の構成によると、管状物の大きさに応じて、アーム部のビーム部に対する取り付け位置を変更することができるため、管状物を安定的な姿勢で保持することができる。
【0018】
本発明においては、前記管状物は単一の管材から構成され、前記ビーム部は当該管材の軸心に沿って配置可能に構成され、前記ビーム部には当該管材の軸心方向における少なくとも二か所において、前記管材を挟んで対向する前記アーム部が当該管材の外周面を囲み得るように配置され、前記各アーム部のそれぞれにおいて前記爪部は前記管材の軸心より下方の外周面に接触し得るように配置されると好適である。その際、前記管材は、直管又は曲管であると好適である。
【0019】
上述の構成によると、管材のような筒状体を、ビーム部の少なくとも二か所にそれぞれ配置された、管材を挟んで対向するアーム部のそれぞれに取り付けられる爪部によって姿勢を安定的に保持することができる。
【0020】
本発明においては、前記管状物は複数の管材が連結された連結管から構成され、前記ビーム部は当該連結管を構成する当該管材の軸心に沿って配置可能に構成され、前記ビーム部には当該管材ごとの軸心方向における少なくとも二か所において、前記管材を挟んで対向する前記アーム部が当該管材の外周面を囲み得るように配置され、前記各アーム部のそれぞれにおいて前記爪部は前記管材の軸心より下方の外周面に接触し得るように配置されると好適である。その際、前記管材は、直管又は曲管であると好適である。
【0021】
例えば二本の管材を連結した状態の連結管を吊り上げる場合には、管材どうしの連結部には、本来想定していない荷重がかかってしまう虞がある。このような荷重は好ましくないため、従来は、複数の管材を連結したまま吊り上げることは困難であった。
【0022】
上述の構成によると、各アーム部が共通のビーム部に相対的な位置が固定されて配置されることから、連結管を構成する各管材を、ビーム部の少なくとも二か所にそれぞれ配置された、管材を挟んで対向するアーム部のそれぞれに取り付けられる爪部によって安定して保持することができ、その際、連結管を構成する管材どうしは相対的な位置が固定的に保持されるため、各管材の相対的な位置ずれが生じない。したがって、連結管のように複数の管材が連結されて構成される連結管であってもその連結部に本来想定していない荷重がかかる虞がない。複数の管材を連結させた状態で吊り上げることができるため、作業時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1には、本発明に係る管状物用の吊り治具の一例として、管状物である単一の管材、具体的には直管1を吊り上げるための吊り治具10が開示されている。
【0026】
吊り治具10は、ビーム部20と、複数のアーム部30と、爪部40とを備えている。ビーム部20、アーム部30及び爪部40の各部はそれぞれ直管1の寸法や重さに応じて、適当な寸法や板厚の鋼材、例えば角鋼管や鋼板を切断や溶接することにより構成されている。その際、各部にはリブが設けられ補強がされている。
【0027】
ビーム部20は、直管1の軸心に沿って配置される主ビーム21と、主ビーム21の長手方向両端に当該主ビーム21と直交するように設けられた副ビーム22とを備えている。
【0028】
主ビーム21は、直管1の全長の半分以上かつ全長以下の長さを有している。主ビーム21には、長手方向の二か所にアイボルト23が設けられている。アイボルト23にワイヤーロープを通してクレーンのフックに引っ掛けることにより、当該吊り治具10が玉掛けされる。
【0029】
図2に示すように、副ビーム22には、下方に向けてアーム部30が設けられている。したがって、同じ副ビーム22に設けられ、直管1を挟んで対向するアーム部30は直管1の外周面を囲み得るように配置されることとなる。副ビーム22は、直管1を挟んで対向するアーム部30の間に形成される直管1の収容スペースに加えて、いくらかのクリアランスを設けることができる程度の長さを有している。
【0030】
アーム部30は、直管1の半径以上かつ直径以下の長さを有している。アーム部30には、収容スペースの外方から内方に向けて、かつ、斜め、例えば垂直と45度前後の角度をなして、下方に向けて貫通穴31が設けられている。各アーム部30の外向き表面には、貫通穴31に連通して、外方かつ斜め上方に延びる案内筒部32が設けられている。
【0031】
爪部40は、アーム部30の案内筒部32を介して貫通穴31に差し込み可能な差込部41と、差込部41の差し込み方向の後端に設けられ、案内筒部32に差し込み不可能な大きさのフランジ部42とを備えている。
【0032】
爪部40の差込部41が、案内筒部32を介して貫通穴31に対して、収容スペースの外方から内方に向けて、かつ、斜め下方に向けて差し込まれた際に、フランジ部42が案内筒部32に当接し、爪部40はそれ以上の差し込みが制限される。
【0033】
このように構成された吊り治具10の、実際の使用態様としては以下のとおりである。クレーンを用いて、
図2に示すように、直管1の上方から、収容スペースに直管1が収容されるように吊り治具10を吊り下ろし、例えば作業員がアーム部30に爪部40を取り付ける。これにより、各アーム部30のそれぞれに差し込まれた爪部40が直管1の軸心より下方の外周面に接触し得るように配置される。
【0034】
この状態で、吊り治具10を吊り上げると、直管1の荷重が各爪部40に均等にかかり、当該各爪部40によって直管1が保持される。その際、当該爪部40は貫通穴31及び案内筒部32の内周面に対して押し付けられるため、爪部40が貫通穴31に対して大きくずれることはない。
【0035】
以上のように、直管1、すなわち管状物である管材を、ビーム部20の二か所にそれぞれ配置された、直管1を挟んで対向する二対のアーム部30のそれぞれに取り付けられる四つの爪部40によって姿勢を安定的に保持することができる。
【0036】
上述の実施形態においては、管状物である単一の管材が直管1である場合の吊り治具10について説明したが、本発明に係る管状物用の吊り治具10は以下のように構成することも可能である。
【0037】
例えば、
図3に示すように、管状物である単一の管材は曲管2であってもよい。この場合は、吊り治具10の主ビーム21は上記と同様に構成され、副ビーム22の延在方向が、当該副ビーム22に設けられた、曲管2を挟んで対向するアーム部30によって保持される曲管2の部分の軸心と直交するように配置される。なお、
図4に示すように、副ビーム22の主ビーム21に対する角度は調節可能に構成されてもよい。
【0038】
また、管状物が曲管2である場合は、主ビーム21を、当該曲管2の軸心の屈曲に応じて屈曲させた形状に構成してもよい。この場合は、副ビーム22は、当該副ビーム22が設けられる位置において主ビーム21と直交して配置される。なお、主ビーム21は、曲管2の軸心に沿って適当に屈曲可能に構成されてもよい。
【0039】
さらに、管状物は、単一の直管1や曲管2である場合に限らない。管状物は、例えば、
図5に示すように、二本の直管1,1が溶接やフランジ継手等によって連結されて構成された連結管3や、
図6に示すように、一本の直管1と一本の曲管2とが溶接やフランジ継手等によって連結された連結管4であってもよい。
【0040】
例えば、
図5に示す連結管3であれば、吊り治具10は、例えば次のように構成される。ここでは、主に、
図1に示された吊り治具10と異なる構成について説明する。
【0041】
ビーム部20は連結管3を構成する直管1,1の軸心に沿って配置される。その際、ビーム部20の主ビーム21は、連結管3の全長の半分以上かつ全長以下の長さを有している。主ビーム21には当該直管1,1ごとの軸心方向における二か所において副ビーム22が設けられ、各副ビーム22にアーム部30が直管1の外周面を囲み得るように配置される。したがって、各直管1は、四本のアーム部30に囲まれる。各アーム部30のそれぞれに設けられた四つの爪部40が当該直管1,1の軸心より下方の外周面に接触し得るように配置される。
【0042】
このような構成により、各アーム部30が共通のビーム部20に相対的な位置が固定されて配置されることから、連結管3を構成する各直管1,1は、ビーム部20に当該直管1,1ごとに二か所に配置されたアーム部30のそれぞれに取り付けられる合計四つの爪部40によって安定して保持される。その際、連結管3を構成する直管1,1どうしは相対的な位置が固定的に保持されるため、各直管1,1の相対的な位置ずれが生じない。
【0043】
したがって、連結管3のように複数の直管1,1が連結されて構成される管状物であってもその連結部、例えば溶接部や継手部に本来想定していない荷重がかかる虞がない。
【0044】
また、
図6に示すように、直管1と曲管2とが溶接やフランジ継手等によって連結して構成された連結管4であれば、吊り治具10は次のように構成される。ここでは、主に、
図5に示された吊り治具10と異なる構成について説明する。この場合は、吊り治具10の主ビーム21を、連結管4のうち曲管2に対応する部分が、曲管2の軸心に沿って適当に屈曲させた形状に構成される。この場合は、副ビーム22は、当該副ビーム22が設けられる位置において主ビーム21と直交して配置される。なお、主ビーム21は、直管1及び曲管2の軸心に沿って適当に屈曲可能に構成されてもよい。
【0045】
なお、連結管3や連結管4を構成する管材の本数は例示である。従って、連結管3は、三本以上の直管1を連結して構成されてもよいし、連結管4は、三本以上の直管1及び曲管2を組み合わせて連結して構成されてもよい。いずれにせよ、連結管3や連結管4を構成する管材の本数が増えるのに応じて、ビーム部20を当該連結管3や連結管4を構成する各管材の軸心に沿った適切な形状に構成する等して、管材ごとに少なくとも四本のアーム部30、したがって四つの爪部40が設けられれば良い。
【0046】
上述のいずれの態様の管状物用の吊り治具10であっても、さらに以下のような構成を採用することが可能である。
【0047】
図7に示すように、アーム部30は、副ビーム22に対してボルト及びナットによって取り付け位置が変更可能に構成されていてもよい。管状物の大きさに応じて、アーム部30のビーム部20に対する取り付け位置を変更することができるため、管状物を安定的な姿勢で保持することができる。
【0048】
また、爪部40は、アーム部30に対する差し込み長さが変更可能に構成されていてもよい。管状物の大きさ、例えば直管1の直径に応じて、爪部40のアーム部30に対する差し込み長さを変更することができるため、管状物を安定的な姿勢で保持することができる。
【0049】
さらに、アーム部30及び爪部40に、当該爪部40が貫通穴31に差し込こまれた際に、当該爪部40が貫通穴31から抜け出ることを防止する抜出防止機構が設けられてもよい。抜止防止機構は、アーム部30及び爪部40を共通に貫通するピン状の部材とこれを保持する部材から構成され、例えば、ボルト及びナットが好ましく例示できる。
【0050】
図8に示すように、爪部40は、その形状が、差し込み方向の先端が細く後端が太い楔形状に構成されてもよい。この場合はアーム部30に設けられる貫通穴31の形状も楔形状に対応させると好ましい。爪部40が貫通穴31に対して収容スペースの外方から内方に向けて、かつ、斜め下方に向けて差し込まれた際に、爪部40は後端ほど太くなるため途中で差し込みが制限される。
【0051】
上述した実施形態は、いずれも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 :直管
2 :曲管
3 :連結管
4 :連結管
10 :吊り治具
20 :ビーム部
21 :主ビーム
22 :副ビーム
23 :アイボルト
30 :アーム部
31 :貫通穴
32 :案内筒部
40 :爪部
41 :差込部
42 :フランジ部