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特許7462440遊技用装置、遊技用システム及び遊技管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】遊技用装置、遊技用システム及び遊技管理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
A63F5/04 691A
A63F5/04 691B
A63F5/04 699
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020043249
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021142137
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】須貝 美咲
(72)【発明者】
【氏名】岡山 享平
(72)【発明者】
【氏名】竹腰 祐輝
【審査官】温井 脩市
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-187830(JP,A)
【文献】特開2017-196540(JP,A)
【文献】特開2016-112177(JP,A)
【文献】特開2018-198637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機に対応して設けられる遊技用装置であって、
前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を記憶する持遊技媒体数記憶手段と、
前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得手段と、
所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理手段と、
前記持遊技媒体数記憶手段に記憶された前記持遊技媒体数、前記取得手段により取得された前記遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値の和が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定手段と、
前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定手段と、
前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理手段と
を有することを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機に対応して設けられる遊技用装置であって、
前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を記憶する持遊技媒体数記憶手段と、
前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得手段と、
所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理手段と、
前記持遊技媒体数記憶手段に記憶された前記持遊技媒体数が所定数に満たない少価値状態であるか否か、前記取得手段により取得された前記遊技媒体数が所定数に満たない少価値状態であるか否か、又は前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定手段と、
前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定手段と、
前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理手段と
を有することを特徴とする遊技用装置。
【請求項3】
遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機に対応して設けられる遊技用装置であって、
前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を記憶する持遊技媒体数記憶手段と、
前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得手段と、
所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理手段と、
前記取得手段により取得された前記遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値の和が所定数に満たない少価値状態であるか否か、前記持遊技媒体数記憶手段に記憶された前記持遊技媒体数及び前記取得手段により取得された前記遊技媒体数の和が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定手段と、
前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定手段と、
前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理手段と
を有することを特徴とする遊技用装置。
【請求項4】
前記盗難防止処理手段は、
所定の盗難防止操作時に暗証番号の入力又は所定の媒体による操作を受け付けたことを条件として、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止し、
所定の盗難解除操作時に前記暗証番号の入力又は前記所定の媒体による操作を受け付けたことを条件として、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を許容する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の遊技用装置。
【請求項5】
前記盗難防止処理手段による盗難防止処理の開始時刻からの経過時間を計時する計時手段をさらに備え、
前記盗難防止自動解除処理手段は、
前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であり、かつ、前記計時手段により前記所定期間が経過したと判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の遊技用装置。
【請求項6】
前記盗難防止自動解除処理手段による前記盗難防止自動解除処理が行われる場合に、所定の情報を出力する情報出力手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の遊技用装置。
【請求項7】
前記盗難防止自動解除処理手段による前記盗難防止自動解除処理手段の有効/無効を設定する設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の遊技用装置。
【請求項8】
遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機と、該遊技機に対応して設けられる遊技用装置とを含む遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を記憶する持遊技媒体数記憶手段と、
前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得手段と、
所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理手段と
を備え、
前記持遊技媒体数記憶手段に記憶された前記持遊技媒体数、前記取得手段により取得された前記遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値の和が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定手段と、
前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定手段と、
前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理手段と
を有することを特徴とする遊技用システム。
【請求項9】
遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機に対応して設けられる遊技用装置における遊技管理方法であって、
前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を持遊技媒体数記憶部に記憶する記憶工程と、
前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得工程と、
所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理工程と、
前記持遊技媒体数記憶部に記憶された前記持遊技媒体数、前記取得工程により取得された前記遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値の和が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定工程と、
前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定工程と、
前記少価値状態判定工程により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定工程により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理工程による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理工程と
を含むことを特徴とする遊技管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店に設置される遊技用装置、遊技用システム及び遊技管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店では、遊技機での遊技に使用するカード等の記録媒体(以下、単に「カード」と言う)が遊技客に貸与される。遊技客が、遊技機と通信可能に併設された記録媒体処理装置に貨幣を投入して貸出操作を行ったならば、記録媒体処理装置は、貨幣分に相当するプリペイド価値の範囲内で遊技媒体の貸出処理を行う。遊技客がカード返却操作を行ったならば、遊技客が獲得した遊技媒体数が関連付けられたカードが返却される。
【0003】
ここで、遊技客は、何らの対策も講じずに一時的に離席したならば、悪意ある第三者がカード返却操作を行ってカードを盗難する可能性がある。このため、かかる第三者による盗難を防止する技術が知られている。例えば特許文献1には、遊技客が遊技を中断する際に暗証番号を入力させてロック状態とし、遊技客が遊技を再開する場合に、上記の暗証番号を入力させてロック状態を解除する技術が開示されている。かかる技術により、暗証番号を知らない第三者は、遊技媒体数が関連づけられたカードを返却することができず、不正にカードを盗難することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-005207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば遊技客Aが暗証番号を入力してロック状態にした後、遊技機に少量の遊技媒体数を残した状態で退店してしまった場合には、他の遊技客Bは、この遊技機がロック状態になっているため、店員を呼び出して店員によるロック解除を行わないと、遊技することができない。このため、遊技客Bは、遊技を開始するまでに待たねばならず、結果的に遊技機の稼働率が低下するという問題が生ずる。
【0006】
例えば、現物のメダルを装置外部に払い出さない管理スロット機が3枚賭け専用機である場合に、賭けメダル数(BET枚数)が2枚しか存在しない場合には、遊技客Aがスタートレバーを操作したとしてもドラムは回転せず、遊技を行うことができない。このため、遊技客Aは、ロック状態を解除するのを忘れ、賭けメダル数(BET枚数)2枚を残した状態で退店する可能性がある。
【0007】
また、かかる管理スロット機において、メダル数が所定枚数(例えば、5枚)未満である場合には、このメダル数をカードに関連づけて返却できないという仕様を採用する遊技店が存在する。少ないメダル数をカードに関連づけて返却したとしても、このカードが遊技客Aによって廃棄される可能性があるためである。このような場合に、遊技客Aは、ロック状態を解除するのを忘れ、メダル数を所定枚数未満(例えば、4枚)残した状態で退店する可能性がある。
【0008】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、記録媒体の不正な返却を制限する場合における遊技客の利便性の向上を図りつつ、稼働率の低下を抑制することができる遊技用装置、遊技用システム及び遊技管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機に対応して設けられる遊技用装置であって、前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を記憶する持遊技媒体数記憶手段と、前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得手段と、所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理手段と、前記持遊技媒体数記憶手段に記憶された前記持遊技媒体数、前記取得手段により取得された前記遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定手段と、前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定手段と、前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は、遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機に対応して設けられる遊技用装置であって、前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を記憶する持遊技媒体数記憶手段と、前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得手段と、所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理手段と、前記持遊技媒体数記憶手段に記憶された前記持遊技媒体数が所定数に満たない少価値状態であるか否か、前記取得手段により取得された前記遊技媒体数が所定数に満たない少価値状態であるか否か、又は前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定手段と、前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定手段と、前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は、遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機に対応して設けられる遊技用装置であって、前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を記憶する持遊技媒体数記憶手段と、前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得手段と、所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理手段と、前記取得手段により取得された前記遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値の和が所定数に満たない少価値状態であるか否か、前記持遊技媒体数記憶手段に記憶された前記持遊技媒体数及び前記取得手段により取得された前記遊技媒体数の和が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定手段と、前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定手段と、前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記盗難防止処理手段は、所定の盗難防止操作時に暗証番号の入力又は所定の媒体による操作を受け付けたことを条件として、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止し、所定の盗難解除操作時に前記暗証番号の入力又は前記所定の媒体による操作を受け付けたことを条件として、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を許容することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理の開始時刻からの経過時間を計時する計時手段をさらに備え、前記盗難防止自動解除処理手段は、前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であり、かつ、前記計時手段により前記所定期間が経過したと判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記盗難防止自動解除処理手段による前記盗難防止自動解除処理が行われる場合に、所定の情報を出力する情報出力手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記盗難防止自動解除処理手段による前記盗難防止自動解除処理手段の有効/無効を設定する設定手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機と、該遊技機に対応して設けられる遊技用装置とを含む遊技用システムであって、前記遊技用装置は、前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を記憶する持遊技媒体数記憶手段と、前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得手段と、所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理手段とを備え、前記持遊技媒体数記憶手段に記憶された前記持遊技媒体数、前記取得手段により取得された前記遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値の和が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定手段と、前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定手段と、前記少価値状態判定手段により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定手段により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理手段による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理手段とを有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、遊技に用いられる遊技媒体数を遊技媒体数記憶部に記憶し、前記遊技媒体数のうちの所定数を賭遊技媒体数として設定し、該賭遊技媒体数が設定されていることを条件として単位遊技の開始が可能となり、単位遊技の結果に応じて所定数の遊技媒体を前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に加算する遊技機に対応して設けられる遊技用装置における遊技管理方法であって、前記遊技媒体数記憶部に記憶した遊技媒体数に移行可能な持遊技媒体数を持遊技媒体数記憶部に記憶する記憶工程と、前記遊技媒体数記憶部に記憶された遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数を前記遊技機から取得する取得工程と、所定の盗難防止操作に基づいて、前記持遊技媒体数を関連付けた所定の記録媒体の装置外部への排出を防止する盗難防止処理を行う盗難防止処理工程と、前記持遊技媒体数記憶部に記憶された前記持遊技媒体数、前記取得工程により取得された前記遊技媒体数及び前記賭遊技媒体数により特定される遊技価値の和が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する少価値状態判定工程と、前記遊技機での遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する非遊技状態判定工程と、前記少価値状態判定工程により少価値状態であると判定されている状態で、前記非遊技状態判定工程により非遊技状態であることが所定期間継続して判定された場合に、前記盗難防止処理工程による盗難防止処理を自動解除する盗難防止自動解除処理を行う盗難防止自動解除処理工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、記録媒体の不正な返却を制限する場合における遊技客の利便性の向上を図りつつ、稼働率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態に係る遊技用システムの概要を説明するための説明図である。
図2図2は、実施形態に係る遊技用システムのシステム構成を示す図である。
図3図3は、図2に示した管理スロット機及び管理メダルユニットの外観構成を示す図である。
図4図4は、管理メダルユニットの構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、図4に示した有価価値データの一例を示す図である。
図6図6は、図2に示したカード管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図7図7は、図6に示したカード管理データの一例を示す図である。
図8図8は、図6に示した装置管理データの一例を示す図である。
図9図9は、図4に示した管理メダルユニットの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係る遊技用装置、遊技用システム及び遊技管理方法について説明する。なお、本実施の形態では、現物のメダルを装置外部に排出しない回胴式遊技機(以下、「管理スロット機」と言う)に本発明を適用した場合を示すこととする。なお、管理スロット機には管理メダルユニットが併設されており、この管理メダルユニットが、特許請求の範囲の遊技用装置に対応する。
【0024】
<管理スロット機及び管理メダルユニットの説明>
まず、本実施形態に係る管理スロット機及び管理メダルユニットについて説明する。図1に示す管理スロット機20は、メダルを装置外部に払い出さない封入式の回胴式遊技機である。管理メダルユニット10に貨幣を投入したならば、この貨幣の金額分のプリペイド価値がカードIDに関連付けてカード管理装置40にて管理される。
【0025】
遊技客が管理メダルユニット10にてメダル貸し操作を行ったならば、カード管理装置40において管理されたプリペイド価値から所定数(例えば、1000円分)が減算された後に、管理メダルユニット10から管理スロット機20に対して遊技メダルの加算指示が行われ、管理スロット機20の記憶部に遊技メダル数が記憶される。
【0026】
遊技客は、この遊技メダル数を用いて遊技を行うことになる。具体的には、マックスBETボタンと呼ばれるボタンが押下操作されたならば、遊技メダル数から3枚が減算され、賭け数(BET枚数)が設定される。遊技客が、この状態でスタートレバーを操作したならば、3つの回胴すなわちドラムが回転し、各ドラムに対応して設けられたストップボタンが押下操作されたならば、ドラムが順次停止する。回胴上に所定の図柄組み合わせが停止したならば、この図柄組み合わせに応じた賞メダル数が遊技メダル数に加算される。なお、本実施形態では、BET枚数が1枚の一枚賭け、BET枚数が2枚の二枚賭けの場合には、スタートレバーが操作されたとしても、ドラムは回転しないものとする。
【0027】
このようにして、遊技客は、管理スロット機20を用いてパチスロ遊技を行うことが可能であるが、所定の計数操作がなされたならば、管理スロット機20に記憶された遊技メダル数が、管理メダルユニット10に記憶された持メダル数に移行される。なお、管理メダルユニット10上で持メダルの再プレイ操作が行われたならば、管理メダルユニット10に記憶された持メダル数のうちの所定数が管理スロット機20に記憶された遊技メダル数に移行される。
【0028】
そして、遊技客が、この状態でカード返却操作を行ったならば、管理メダルユニット10内に貯留された一般カード(以下、単に「カード」と言う)のカードIDに持メダル数を関連付けてカード管理装置40に記憶して、カードが返却される。この際、管理スロット機20に記憶された遊技メダル数が存在する状態でカード返却操作がなされたならば、管理スロット機20に記憶された遊技メダル数はそのまま残置され、持メダル数をカードIDに関連付けてカード管理装置40に記憶した後にカードが返却される。
【0029】
ただし、管理メダルユニット10に記憶された持メダル数が所定数未満(例えば、5枚未満)である場合には、カード返却操作がなされたとしても、持メダル数はカードIDに関連付けてカード管理装置40に記憶されず、カードも返却されない。遊技店が発行するカードの代金よりも価値が少ないカードを返却した場合に、遊技客が該カードを捨て、遊技店の損失を招いてしまうためである。
【0030】
このように、管理スロット機20でパチスロ遊技が行われる場合には、プリペイド価値(A)、持メダル数(B)、遊技メダル数(C)、BET枚数(D)という有価価値が存在することになる。以下では、説明の便宜上、プリペイド価値(A)は「0」であるものとする。
【0031】
<本実施形態に係る盗難ロックの説明>
次に、本実施形態に係る盗難ロックについて説明する。遊技客が飲料等を購入するために一時的に離席したい場合には、遊技客は、図1に示すように管理メダルユニット10に対してカードの排出を禁止するためのロック操作(以下、「盗難ロック操作」と言う)を行う(S1)。遊技客が盗難ロック操作を行う際には、暗証番号の入力又は所定のカードのタッチを行う。これにより、管理メダルユニット10は盗難ロック状態となる(S2)。なお、この所定のカードとは、管理メダルユニット10の返却対象となる遊技媒体数を関連付けるためのカードではなく、例えば電子マネー等が関連付けられる非接触通信可能なカードである。本実施形態では、かかる所定のカードを認証カードと呼ぶこととする。
【0032】
この盗難ロック状態において、カード返却操作を受け付けたとしても(S3)、暗証番号の入力又は認証カードのタッチが行われていなければ、管理メダルユニット10は、カードを返却しない(S4)。一方、暗証番号の入力又は認証カードのタッチが行われたならば、持メダル数が関連付けられたカードを返却される。
【0033】
この盗難ロック状態において、「BET枚数が2枚以下」であり、かつ、「所定時間(例えば、15分)が経過」したならば(S5)、盗難ロック状態を自動解除する(S6)。遊技客が、2枚のBET枚数だけではパチスロ遊技を行うことができず、遊技を終了した可能性が高いからである。
【0034】
従来、このような場合に、次の遊技客が店員を呼び出して店員操作により盗難ロック状態を解除していたが、その都度店員を呼び出したのでは店員の負担が大きい。その一方で、他の遊技客は、BET枚数が2枚残っている状態で盗難ロックされているならば、前の遊技客が引き続き遊技していると予想し、この管理スロット機20でのパチスロ遊技を避ける可能性が高くなる。このため、本実施形態では、遊技客が管理スロット機20でのパチスロ遊技を終了した可能性が高い状況を察知した時点で、盗難ロックを自動解除するよう構成している。なお、従来の各台計数式のメダルユニットの場合には、スロット機からBET枚数を取得することができないため、この種の自動解除を行うことができない。
【0035】
このように、本実施形態では、BET枚数が2枚以下であり、かつ、非遊技状態が所定時間継続したことを条件として、盗難ロックを自動解除するよう構成したため、盗難ロック状態における遊技客の利便性の向上を図りつつ、稼働率の低下を抑制することができる。
【0036】
ここでは、BET枚数が2枚以下であり、かつ、非遊技状態が所定時間継続したことを条件としたが、BET枚数と管理スロット機20に記憶された遊技メダル数の和が2枚以下であり、かつ、非遊技状態が所定時間継続したことを条件とすることもできる。この場合にも、遊技客はパチスロ遊技を行えず、遊技を終了した可能性が高いためである。
【0037】
また、管理メダルユニット10に記憶された持メダル数が所定枚数(例えば、5枚)未満であり、かつ、非遊技状態が所定時間継続したことを条件として、盗難ロックを自動解除することもできる。持メダル数が所定枚数(例えば、5枚)未満である場合には、たとえ暗証番号を入力したとしてもカードを返却することができないからである。
【0038】
さらに、管理メダルユニット10に記憶された持メダル数、管理スロット機20に記憶された遊技メダル数及びBET枚数の和が所定枚数(例えば、5枚)未満であり、かつ、非遊技状態が所定時間継続したことを条件として、盗難ロックを自動解除することもできる。遊技メダル数及びBET枚数を持メダル数に移行したとしても、カード返却可能なメダル数に至らないからである。
【0039】
また、上記の「2枚」、「5枚」、「所定時間」は、カード管理装置40から全ての管理メダルユニット10に一括設定できるとともに、店員によって管理メダルユニット10ごとに個別に設定することもできる。また、盗難ロックの自動解除を有効にするか無効にするかを、カード管理装置40から管理メダルユニット10に設定することもできる。さらに、盗難ロックを自動解除する場合には、店員のインカム等にその旨を報知することもできる。
【0040】
<システム構成>
次に、本実施形態に係る遊技用システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施形態に係る遊技用システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の管理スロット機20と、各管理スロット機20にそれぞれ対応して設けられた管理メダルユニット10が設置される。管理メダルユニット10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、賞品管理装置60と、精算機70とが接続される。
【0041】
管理スロット機20は、記憶部に記憶した遊技メダル数に基づいてパチスロ遊技を提供する封入式の遊技機であり、装置外部から現物のメダルを受け付けず、装置外部に現物のメダルを払い出さない。この管理スロット機20には、マックスBETボタンが設けられており、このマックスBETボタンが押下操作されたならば、遊技メダル数から3枚が減算され、BET枚数が設定される。遊技客が、この状態でスタートレバーを操作したならば、3つのドラムが回転し、ストップボタンが押下操作されたならばドラムが順次停止する。回胴上に所定の図柄組み合わせが停止したならば、この図柄組み合わせに応じた賞メダル数が遊技メダル数に加算される。
【0042】
管理スロット機20は、管理メダルユニット10に対して遊技メダル数及びBET枚数を通知する。また、管理スロット機20は、管理メダルユニット10に対して、セーフデータ及びアウトデータ、特賞データ等を通知する。セーフデータは、所定枚数の賞メダルが発生した場合に出力されるデータである。アウトデータは、遊技に使用されたBET枚数が所定枚数に達する度に出力されるデータである。特賞データは、大当たりが発生した場合に出力されるデータである。これらのセーフデータ及びアウトデータ、特賞データ等は、管理メダルユニット10から図示しないホールコンピュータに送信される。
【0043】
管理メダルユニット10は、入金の受付、遊技メダル数の貸し出し、カード管理装置40との通信を行う。管理メダルユニット10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定のメダル貸操作がなされたならば、メダル貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数の遊技メダル数を加算するよう管理スロット機20に指示する。
【0044】
また、管理メダルユニット10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。また、管理メダルユニット10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持メダル数を含むデータを受信したならば、受信したプリペイド価値、持玉数を記憶する。そして、持メダル数を記憶したならば、管理メダルユニット10は、カード管理装置40に対して持メダル減算要求データを送信することで、カード管理装置40が管理する持メダル数をゼロにクリアする。
【0045】
また、管理メダルユニット10は、持メダル再プレイ操作を受け付けると、自装置に記憶した持メダル数から所定数を減算し、減算した持メダル数に対応する数の遊技メダル数を加算するよう管理スロット機20に指示する。
【0046】
また、管理メダルユニット10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持メダル数を含む持メダル加算要求データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持メダル数を加算させた後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
【0047】
また、管理メダルユニット10は、遊技客が離席した際のカードの盗難を防止するために、盗難ロック機能が設けられている。遊技客による所定の盗難ロック操作(暗証番号の入力又は認証カードのタッチを含む)を受け付けたならば、盗難ロック状態となる。この盗難ロック状態において第三者がカード返却操作を行ったとしても、暗証番号の入力又は認証カードのタッチが行われないならば、持メダルを関連付けたカードを返却しない。一方、暗証番号の入力又は認証カードのタッチが行われたならば、盗難ロック状態を解除し、遊技客によるカード返却操作に応答してカードが返却される。また、店員による特殊操作によっても、盗難ロック状態を解除することができる。
【0048】
また、管理メダルユニット10は、盗難ロック状態において所定の条件が成立した場合には、盗難ロック状態を自動解除するよう制御する。具体的には、管理スロット機20から通知されたBET枚数が2枚以下であり、かつ、非遊技状態が所定時間(例えば、15分)継続したならば、盗難ロックを自動解除する。遊技客が、2枚のBET枚数だけではパチスロ遊技を行うことができず、パチスロ遊技を終了した可能性が高いからである。これにより、次の遊技客は、店員を呼んで盗難ロックの解除をさせずとも、パチスロ遊技を速やかに行うことができる。
【0049】
このように、管理メダルユニット10は、管理スロット機20から遊技メダル数及びBET枚数を取得し、盗難ロック状態において、遊技客がパチスロ遊技をしていない時間が所定の時間(例えば、15分)以上となり、かつ、管理スロット機20のBET枚数が2枚以下であるならば、盗難ロック状態を自動解除するよう構成している。
【0050】
なお、「BET枚数が2枚以下」である場合だけではなく、「BET枚数と管理スロット機20に記憶された遊技メダル数の和が2枚以下」である場合、「管理メダルユニット10に記憶された持メダル数が所定枚数(例えば、5枚)未満」である場合、「管理メダルユニット10に記憶された持メダル数、管理スロット機20に記憶された遊技メダル数及びBET枚数の和が所定枚数(例えば、5枚)未満」である場合に、前の遊技客が管理スロット機20でのパチスロ遊技を終了した可能性が高いとみなし、盗難ロック状態を自動解除するよう制御することもできる。
【0051】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の管理スロット機20及び管理メダルユニット10を束ねる中継装置である。
【0052】
カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持メダル数等をカードデータとして管理する装置である。カード管理装置40は、管理メダルユニット10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDと管理メダルユニット10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持メダル数を管理メダルユニット10に送信する。また、カード挿入通知データに示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード管理装置40は、カード挿入通知データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを管理メダルユニット10に送信する。
【0053】
また、カード管理装置40は、管理メダルユニット10から持メダル減算要求データを受信した場合には、持メダル数をゼロクリアする。また、カード管理装置40は、管理メダルユニット10から持メダル加算要求データを受信した場合には、持メダル加算要求データに含まれる持メダル数をカード管理装置40が管理する持メダル数に加算する。
【0054】
また、カード管理装置40は、管理メダルユニット10からメダル貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、メダル貸許可データを管理メダルユニット10に送信する。そして、貯メダル再プレイ要求データを受信したならば、該貯メダル再プレイ要求データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯メダル再プレイデータを出力したならば、貯メダル再プレイデータを管理メダルユニット10に送信する。
【0055】
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持メダル数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機70からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機70に対して通知する。
【0056】
また、カード管理装置40は、カード挿入通知データを受信した場合には、送信元の管理メダルユニット10に対応する管理スロット機20の遊技機IDを特定し、遊技機IDとカードIDとを対応付けて、会員管理装置50にカード挿入を通知する。同様に、管理メダルユニット10がカードを排出した場合には、送信元の管理メダルユニット10に対応する管理スロット機20の遊技機IDを特定し、遊技機IDとカードIDとを対応付けて、会員管理装置50にカード排出を通知する。
【0057】
また、カード管理装置40は、入金通知データを受信した場合には、送信元の管理メダルユニット10に対応する管理スロット機20の遊技機IDを特定し、遊技機IDとカードIDとを対応付けて、会員管理装置50に入金を通知する。
【0058】
カード管理装置40から会員管理装置50へのカード挿入の通知、カード排出の通知、入金の通知などは、管理メダルユニット10の動作の履歴として図示しないホールコンピュータに出力される。
【0059】
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連付けて、貯メダル数、ポイント数、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0060】
会員管理装置50は、管理メダルユニット10からカード挿入通知データを受信したならば、カード挿入通知データに示されたカードIDに関連付けられた貯メダル数及び暗証番号を含む貯メダル再プレイデータを管理メダルユニット10に送信する。また、会員管理装置50は、管理メダルユニット10から貯メダル再プレイ要求データを受信したならば、貯メダル再プレイ要求データに示されたカードIDに関連づけられた貯メダル数から所定数を減算し、減算後の貯メダル数を含む貯メダル再プレイデータを管理メダルユニット10に送信する。なお、管理メダルユニット10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
【0061】
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯メダル数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯メダル数を賞品管理装置60に通知する。
【0062】
さらに、会員管理装置50は、カード管理装置40から通知された管理メダルユニット10の入金、カード挿入及びカード排出などの動作の履歴を蓄積し、閉店後など所定のタイミングでホールコンピュータに送信する。また、会員管理装置50は、賞品管理装置60による賞品交換や、精算機70による精算などに係る動作の履歴を蓄積し、閉店後など所定のタイミングでホールコンピュータに送信する。
【0063】
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり持メダル数及び貯メダル数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カード又会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別データを読み出した場合)には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持メダル数を要求する。また、貯メダル数を賞品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯メダル数を要求する。
【0064】
精算機70は、プリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、その応答データを受信することにより、カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に応じて貨幣を払い出す。
【0065】
<管理スロット機20及び管理メダルユニット10の外観構成>
次に、管理スロット機20及び管理メダルユニット10の外観構成について説明する。図3は、図2に示した管理スロット機20及び管理メダルユニット10の外観構成を示す図である。同図に示すように、管理スロット機20は、従前のパチスロ機と異なり、上皿及び下皿が設けられていない。封入式の遊技機であり、メダルが装置外部に払い出されないためである。また、従前のパチスロ機と異なり、50枚貯留するクレジットという概念が存在せず、クレジット表示部が存在しない。クレジットに代えて、50枚という制約の無い遊技メダル数を記憶し、遊技メダル数を表示する表示部が設けられている。
【0066】
管理スロット機20の表面には、ドラム21a、21b、21c(以下、「ドラム21」と総称する)と、遊技メダル数表示部22と、マックスBETボタン23と、スタートレバー24、ストップボタン25a、25b、25c(以下、「ストップボタン25」と総称する)と、BET枚数表示部26と、計数ボタン27とが設けられている。なお、ここでは説明の便宜上図示省略するが、演出等を表示する液晶表示部及び賞メダル数表示部を設けることもできる。
【0067】
ドラム21は、図柄が印刷された回胴であり、BET枚数が3枚賭けられた状態でスタートレバー24が操作されたことを条件に回転制御される。また、ストップボタン25が押下されたことを条件に停止制御される。
【0068】
遊技メダル数表示部22は、管理スロット機20の内部に記憶した遊技メダル数を表示する表示部である。マックスBETボタン23は、3枚の遊技メダル数を賭けるためのボタンである。マックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26にBET枚数が表示される。遊技メダル数が3枚以上存在する状態でマックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26に「3」が表示される。遊技メダル数が2枚存在する状態でマックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26に「2」が表示され、遊技メダル数が1枚存在する状態でマックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26に「1」が表示される。なお、BETを解除するためのBET払出ボタンについては図示省略している。
【0069】
スタートレバー24は、遊技メダル数のうちの3枚がBETされていることを条件として、ドラム21を回転制御するためのレバーである。ここでは、管理スロット機20が3枚賭けの専用機であることとしている。
【0070】
ストップボタン25は、ドラム21を停止させるためのボタンであり、ストップボタン25aが押下されたならばドラム21aが停止制御され、ストップボタン25bが押下されたならばドラム21bが停止制御され、ストップボタン25cが押下されたならばドラム21cが停止制御される。
【0071】
計数ボタン27は、管理スロット機20に記憶された遊技メダル数を管理メダルユニット10に記憶される持メダル数に移行させるためのボタンである。この計数ボタン27が長押しされると、長押しされている間遊技メダル数がインクリメントされ、計数ボタン27が離された時点で特定される遊技メダル数が持メダル数に移行される。
【0072】
次に、管理メダルユニット10について説明する。図3に示すように、管理メダルユニット10の表面には、台ランプ11、紙幣挿入口12、表示操作部13及びカード挿入口14が設けられている。
【0073】
台ランプ11は、管理スロット機20の状態及び管理メダルユニット10の状態を表示する状態表示ランプである。この台ランプ11は、管理メダルユニット10が盗難ロック状態となったならばその旨を示す表示(例えば、赤色点滅)がされる。また、盗難ロック状態が自動解除されたならばその旨を示す表示(例えば、黄色点滅)がされる。なお、各種エラーが発生したならばその旨を示す表示がされる。
【0074】
紙幣挿入口12は、紙幣を投入するための挿入口である。この紙幣挿入口12に投入された紙幣はビルバリと呼ばれる紙幣処理装置に搬送され、収納される。本実施形態では、紙幣に関する説明を省略する。
【0075】
表示操作部13は、表示及び操作入力を行う液晶パネル等からなる入力デバイス兼表示デバイスである。この表示操作部13に対する操作により、持メダル数から遊技メダル数に移行させる持メダル数再プレイ操作などを行うことができる。また、盗難ロック操作(暗証番号の入力を含む)についても、表示操作部13上で行われる。
【0076】
カード挿入口14は、一般カード又は会員カードの挿入を受け付ける挿入口である。なお、紙幣を投入してメダル貸しされた遊技メダルにより持メダル数が獲得された場合には、図示しない装置内部に貯留したカードに持メダル数を関連付けてカード挿入口14から返却される。
【0077】
<管理メダルユニット10の構成>
次に、管理メダルユニット10の構成について説明する。図4は、管理メダルユニット10の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、管理メダルユニット10は、表示操作部13、リーダライタ14a、非接触リーダ14b、通信部15、通信部16、記憶部17及び制御部18を有する。なお、表示操作部13についてはすでに説明したため、ここではその説明を省略する。
【0078】
リーダライタ14aは、カード挿入口14から挿入されたカードに記憶されたカードIDを読み取る処理部である。なお、オフライン運用に備えて、カードにプリペイド価値及び持メダル数を書き込むこともできるが、カード管理装置40に記憶されたデータが正となる。非接触リーダ14bは、認証カード内のデータを非接触通信により読み取る読取部である。
【0079】
通信部15は、通信回線を介してカード管理装置40等と通信するための通信インターフェース部である。通信部16は、SC基板と呼ばれる基板を介して管理スロット機20と通信するためのインターフェース部である。
【0080】
記憶部17は、不揮発性メモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、カードID17a、有価価値データ17b及びパスワードデータ17cを記憶する。カードID17aは、カードを一意に特定するカードIDを示す。
【0081】
有価価値データ17bは、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数、BET枚数を含むデータである。例えば、図5に示すように、プリペイド価値(A)が「0」、持メダル数(B)が「0」、遊技メダル数(C)が「0」、BET枚数(D)が「2」となるデータが含まれる。この有価価値データ17bは、随時更新される。なお、プリペイド価値(A)を有価価値データ17bの一部として記憶するが、管理メダルユニット10に記憶されたプリペイド価値が正ではない。カード管理装置40が正となるプリペイド価値を記憶し、プリペイド価値を用いたメダル貸しを行う場合には、その都度カード管理装置40に問合せ及び減算がなされた後に、管理スロット機20に遊技メダル数の加算通知が行われる。この際、有価価値データ17bに記憶されたプリペイド価値(A)が更新される。また、管理スロット機20から遊技メダル数又はBET枚数を受信したならば、その都度有価価値データ17bの遊技メダル数(C)、BET枚数(D)が更新される。
【0082】
パスワードデータ17cは、盗難ロック操作に伴って入力される暗証番号(例えば、数字4桁)を示すデータである。本実施形態では、暗証番号を入力する場合を中心に説明するが、英数字などの組合せからなるパスワードであってもよい。
【0083】
制御部18は、管理メダルユニット10の全体制御を行う制御部であり、データ管理部18a、メダル貸出処理部18b、持メダル処理部18c、盗難ロック処理部18d、状態判定部18e、計時部18f及び盗難ロック自動解除処理部18gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、データ管理部18a、メダル貸出処理部18b、持メダル処理部18c、盗難ロック処理部18d、状態判定部18e、計時部18f及び盗難ロック自動解除処理部18gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0084】
データ管理部18aは、記憶部17に記憶した有価価値データ17bを用いて、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数、BET枚数等の管理を行う管理部である。ここでは、説明の便宜上その説明を省略したが、実際には、管理メダルユニット10が取り扱わない他の貸出レートの持メダル数についても管理する。なお、データ管理部18aは、持玉、貯玉及び貯メダルのデータを管理することもできる。
【0085】
メダル貸出処理部18bは、新たに紙幣が投入された場合又はプリペイド価値が残存している状態で表示操作部13からメダル貸し操作を受け付けた場合に、メダルの貸出処理を行う処理部である。このメダル貸出処理部18bは、従前のメダル貸し機のように現物のメダルを払い出すのではなく、例えば1000円分に相当するメダル数を遊技メダル数に加算するよう管理スロット機20に指示する。
【0086】
持メダル処理部18cは、持メダルに関する処理を行う処理部である。具体的には、表示操作部13から持メダルの払出操作を受け付けたならば、持メダル数のうちの所定数(例えば、50枚)を減算した後、50枚の遊技メダル数を加算するように管理スロット機20に指示する。
【0087】
盗難ロック処理部18dは、盗難ロック操作(暗証番号の入力又は認証カードのタッチを含む)を受け付けた場合に、管理メダルユニット10を盗難ロック状態となるよう制御する処理部である。この盗難ロック状態において、暗証番号の入力又は認証カードのタッチを受け付けたならば、盗難ロック状態を解除する。また、店員による特殊操作を受け付けた場合にも、盗難ロック状態を解除する。
【0088】
状態判定部18eは、記憶部17に記憶された有価価値データ17bに含まれる持メダル数、遊技メダル数及び/又はBET枚数により特定される遊技価値が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定する。具体的には、BET枚数が2枚以下であるか否か、BET枚数と遊技メダル数の和が2枚以下であるか否か、持メダル数が5枚未満であるか否か、持メダル数、遊技メダル数及びBET枚数の和が5枚未満であるか否かが判定される。
【0089】
また、状態判定部18eは、管理スロット機20が非遊技状態であるか否かを判定する。具体的には、管理スロット機20からアウトデータを受信しない場合には、管理スロット機20が非遊技状態であると判定する。
【0090】
計時部18fは、計時開始時刻からの経過時間の計時を行う処理部である。この計時開始時刻は、遊技客によりパチスロ遊技がされなくなった時刻であり、例えば管理スロット機20からアウトデータを受信しなくなった時刻となる。なお、ここではソフトウエアにより計時を行う場合を示したが、ハードウエアにより計時を行うこともできる。
【0091】
盗難ロック自動解除処理部18gは、盗難ロック状態において、BET枚数が2枚以下であると状態判定部18eにより判定され、かつ、管理スロット機20が非遊技状態である期間が所定時間(例えば、15分)以上となった場合に、盗難ロック状態を自動解除する処理部である。また、BET枚数と遊技メダル数の和が2枚以下、持メダル数が5枚未満、又は、持メダル数、遊技メダル数及びBET枚数の和が5枚未満となり、管理スロット機20が非遊技状態である期間が所定時間(例えば、15分)以上となった場合にも、盗難ロック状態を自動解除する。
【0092】
<カード管理装置40の構成>
次に、カード管理装置40の構成について説明する。図6は、図2に示したカード管理装置40の構成を示す機能ブロック図である。図6に示すように、カード管理装置40は、表示部41及び入力部42と接続され、通信部43、記憶部44及び制御部45を有する。
【0093】
表示部41は、液晶パネル、ディスプレイ装置又は有機EL等の表示デバイスであり、入力部42は、キーボード又はマウス等の入力デバイスである。通信部43は、通信回線を介して管理メダルユニット10と通信を行うための通信インターフェース部である。
【0094】
記憶部44は、不揮発性メモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、カード管理データ44a及び装置管理データ44bを記憶する。カード管理データ44aは、カードIDに対応付けて、プリペイド価値、貸出レート毎の持玉数、貸出レート毎の持メダル数、使用先装置IDを含むデータである。図7は、図6に示したカード管理データ44aの一例を示す図である。ここでは、貸出レート「4円」の玉1、貸出レート「2円」の玉2、貸出レート「1円」の玉3、貸出レート「20円」のメダル1、貸出レート「5円」のメダル2を対応付けた状況を示している。カードID「1001」は、「3002」の管理メダルユニット10で使用され、プリペイド価値が「2500円」、メダル1の持メダル数が「1500枚」である状況を示している。また、カードID「1002」は、「3001」の管理メダルユニット10で使用され、プリペイド価値、持玉数、持メダル数が全て「0」である状況を示している。
【0095】
装置管理データ44bは、装置の状態を管理する管理データであり、装置ID、アドレス、設置場所、遊技機ID、遊技種、機種、状況を含む。図8は、図6に示した装置管理データ44bの一例を示す図である。ここでは、装置「3001」がメダル1で遊技され、装置「3002」がメダル1で遊技される状況を示している。なお、ここでは図示省略したが、遊技機が盗難ロック状態であるか否か、盗難ロック状態が自動解除されたか否かを遊技機から取得し、装置管理データ44bで管理することもできる。
【0096】
制御部45は、カード管理装置40の全体制御を行う制御部であり、カード管理部45aと、装置管理部45bを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部45a、装置管理部45bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0097】
カード管理部45aは、記憶部44に記憶したカード管理データ44aを用いて、カードID毎にプリペイド価値、貸出レート毎の持玉数、貸出レート毎の持メダル数、使用先装置IDを管理する管理部である。
【0098】
装置管理部45bは、記憶部44に記憶した装置管理データ44bを用いて、装置ID、アドレス、設置場所、遊技機ID、遊技種、機種、状況を管理する管理部である。なお、管理スロット機20が、盗難ロック状態であるか否か、盗難ロック状態が自動解除されたか否かについても管理することもできる。盗難ロック状態、盗難ロック状態の自動解除を管理する場合には、自動音声により店員のインカムにその旨を通知することもできる。
【0099】
<管理メダルユニット10の処理手順>
次に、図4に示した管理メダルユニット10の処理手順について説明する。図9は、図4に示した管理メダルユニット10の処理手順を示すフローチャートである。ここでは説明の便宜上、持メダル数、遊技メダル数及びBET枚数の合計枚数が5枚未満である場合、遊技メダル数及びBET枚数の合計枚数が2枚以下である場合に、盗難ロック状態を自動解除する場合の処理手順を示すこととする。
【0100】
図9に示すように、管理メダルユニット10は、盗難ロック操作(暗証番号の入力又は認証カードのタッチを含む)を受付待ちの状態にあり(ステップS101;No)、盗難ロック操作を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、盗難ロック処理を行う(ステップS102)。この盗難ロック処理が行われると、カード返却操作のみではカードは返却されない。
【0101】
その後、盗難ロックの解除操作(暗証番号の入力又は認証カードのタッチを含む)を受け付けたならば(ステップS103;Yes)、盗難ロック状態を解除して(ステップS104)、処理を終了する。
【0102】
これに対して、盗難ロックの解除操作(暗証番号の入力又は認証カードのタッチを含む)を受け付けないならば(ステップS103;No)、非遊技期間が一定期間(例えば、15分)経過したか否かを判定する(ステップS105)。非遊技期間が一定期間経過しない場合には(ステップS105;No)、ステップS102に移行する。
【0103】
非遊技期間が一定期間経過したならば(ステップS105;Yes)、プリペイド価値の残高が存在するか否かを判定する(ステップS106)。プリペイド価値の残高が存在する場合には(ステップS106;Yes)、ステップS102に移行する。プリペイド価値の残高が存在する場合には、盗難ロック状態の自動解除を行わないためである。
【0104】
一方、プリペイド価値の残高が存在しない場合には(ステップS106;No)、持メダル数、遊技メダル数及びBET枚数の合計枚数を算定し(ステップS107)、この合計枚数が5枚未満であるか否かを判定する(ステップS108)。合計枚数が5枚未満である場合には(ステップS108;Yes)、盗難ロック状態を自動解除して(ステップS111)、処理を終了する。
【0105】
合計枚数が5枚以上である場合には(ステップS108;No)、遊技メダル数及びBET枚数の合計枚数を算定し(ステップS109)、この合計枚数が2枚以下であるならば(ステップS110;Yes)、盗難ロック状態を自動解除して(ステップS111)、処理を終了する。これに対して、合計枚数が2枚を超える場合には(ステップS110;No)、ステップS102に移行する。
【0106】
なお、ここでは説明の便宜上、持メダル数、遊技メダル数及びBET枚数の合計枚数が5枚未満である場合、遊技メダル数及びBET枚数の合計枚数が2枚以下である場合に、盗難ロック状態を自動解除する場合の処理手順を示したが、BET枚数が2枚以下である場合にも同様に処理を行うことができる。
【0107】
上述してきたように、本実施形態では、所定の盗難ロック操作に基づき、持メダル数を関連付けたカードの排出しないよう制御する盗難ロック状態とされた場合に、持メダル数、遊技メダル数及び/又はBET枚数により特定される遊技価値が所定数に満たない少価値状態であるか否かを判定し、少価値状態であると判定されている状態で、管理スロット機20が非遊技状態であることと所定期間継続して判定されたならば、盗難ロック状態を自動解除するよう構成したので、遊技客の利便性の向上を図りつつ、稼働率の低下を抑制することができる。
【0108】
なお、上記の実施形態では、盗難ロック状態を自動解除する条件として、「遊技メダル数」と「BET枚数」の合計枚数を算定し、その値を解除条件とする場合を中心に説明したが、(1)「遊技メダル数」のみ、(2)「BET枚数」のみ、(3)「遊技メダル数」と「BET枚数」と「持メダル数」の合計枚数、(4)「遊技メダル数」と「持メダル数」の合計枚数等を盗難ロック状態の自動解除条件となるように設定切替可能にしてもよい。
【0109】
また、盗難ロック状態を自動解除する場合に、管理メダルユニット10からカード管理装置40にその旨を通知し、カード管理装置40から店員のインカムに対して盗難ロック状態を自動解除された旨を通知することもできる。
【0110】
また、カード管理装置40から管理メダルユニット10への指示により、本実施形態で示した「2枚」、「5枚」、「15分」の設定を随時変更することができる。さらに、カード管理装置40から管理メダルユニット10への指示により、盗難ロックの自動解除の有効/無効を設定することもできる。
【0111】
なお、上記の実施形態では、メダルによる遊技を行う管理スロット機に本発明を適用した場合を示したが、遊技玉による遊技を行う管理パチンコ機に本発明を適用することもできる。
【0112】
また、上記の実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明に係る遊技用装置、遊技用システム及び遊技管理方法は、記録媒体の不正な返却を制限する場合における遊技客の利便性の向上を図りつつ、稼働率の低下を抑制する場合に適している。
【符号の説明】
【0114】
10 管理メダルユニット
11 台ランプ
12 紙幣挿入口
13 表示操作部
14 カード挿入口
14a リーダライタ
14b 非接触リーダ
15,16 通信部
17 記憶部
17a カードID
17b 有価価値データ
17c パスワードデータ
18 制御部
18a データ管理部
18b メダル貸出処理部
18c 持メダル処理部
18d 盗難ロック処理部
18e 状態判定部
18f 計時部
18g 盗難ロック自動解除処理部
20 管理スロット機
21、21a、21b、21c ドラム
22 遊技メダル数表示部
23 マックスBETボタン
24 スタートレバー
25、25a、25b、25c ストップボタン
26 BET枚数表示部
27 計数ボタン
30 島コントローラ
40 カード管理装置
41 表示部
42 入力部
43 通信部
44 記憶部
44a カード管理データ
44b 装置管理データ
45 制御部
45a カード管理部
45b 装置管理部
50 会員管理装置
60 賞品管理装置
70 精算機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9