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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】ウエットシート包装体補助具
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20240329BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
B65D83/08 C
A47K7/00 H
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020079776
(22)【出願日】2020-04-28
(65)【公開番号】P2021172406
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】足立 好昭
(72)【発明者】
【氏名】湯田園 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】佐谷 憲生
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-069820(JP,A)
【文献】特開2017-178356(JP,A)
【文献】特開2019-141424(JP,A)
【文献】特開2014-196112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれるとともに一部が互いに重ね合わされた状態から取り出し口を通して順次取り出し可能とされた複数のウエットシートであって一枚のウエットシートが前記取り出し口から取り出されると次のウエットシートが前記取り出し口から突出する複数のウエットシートを収容する収容体と、前記収容体に取り付けられ前記取り出し口の開閉を行う蓋体と、を有するウエットシート包装体に着脱自在に取り付けられるウエットシート包装体補助具であって、
基部と、
前記基部に接続され、復元力を利用することにより前記取り出し口が形成された前記収容体の天面部を平らな状態に維持しつつ前記天面部に対向する前記収容体の底面部に相対的に近づけ前記天面部を介して前記ウエットシートを押圧するウエットシート押圧部と、
を備え
前記ウエットシート押圧部は、
前記基部に対して回転自在に接続されるとともに前記天面部と前記底面部とが互いに接合された第1端部を保持する第1保持部と、
前記復元力を発生させ前記第1端部の外側に向かう方向へ前記第1保持部を回転させて前記第1端部の外側に向かう力を前記第1端部に付与する第1付勢部と、
前記基部に対して回転自在に接続されるとともに前記天面部と前記底面部とが互いに接合され前記第1端部とは反対側に形成された第2端部を保持する第2保持部と、
前記復元力を発生させ前記第2端部の外側に向かう方向へ前記第2保持部を回転させて前記第2端部の外側に向かう力を前記第2端部に付与する第2付勢部と、
を有することを特徴とするウエットシート包装体補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエットシート包装体に着脱自在に取り付けられるウエットシート包装体補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、消毒用アルコール液、洗浄液、および洗顔料などの薬液が含浸されたウエットシートを収容するウエットシート包装体がある。一般的に、ウエットシートは、折り畳まれるとともに、そのウエットシートの下に配置されたウエットシートの一部と重ね合わされた状態でウエットシート包装体に収容され、ウエットシート包装体の取り出し口を通して順次取り出し可能とされている。すなわち、ウエットシート包装体には、利用者がウエットシートを取り出し口から取り出すと、そのウエットシートの下に配置されている次のウエットシートの一部が取り出し口から突出するポップアップ方式が採用されている。
【0003】
ポップアップ方式のウエットシート包装体は、ウエットシートを収容し取り出し口を有する収容体と、収容体に対して接着などにより取り付けられ取り出し口の開閉を行う蓋体と、を有する。そして、利用者がウエットシートを取り出し口から取り出しやすいようにするとともに、取り出し口から取り出されたウエットシートの下に配置されている次のウエットシートを収容体に留めるための一定の摩擦力を次のウエットシートに付与するために、取り出し口の開口面積は、適宜設定されている。また、ウエットシート包装体の携帯性を向上させるため、収容体は、例えば包装袋として設けられ可撓性を有する場合がある。
【0004】
しかし、収容体の取り出し口の開口面積が適宜設定された場合であっても、利用者がウエットシートを取り出し口から取り出したときに、そのウエットシートの下に配置されている次のウエットシートが続けて取り出し口から取り出されるといういわゆる「ズル」が生ずることがある。すなわち、利用者が収容体の取り出し口から取り出したウエットシートの枚数に応じて、収容体の中に残ったウエットシートの枚数が変化し、収容体の取り出し口と収容体の中に残ったウエットシートの上面との距離が変化する。そのため、収容体の中のウエットシートの枚数が相対的に多い「使い始め」のときと、収容体の中のウエットシートの枚数が相対的に少ない「使い終わり」のときと、の間において、収容体の取り出し口からウエットシートに付与される摩擦力が相違する。これにより、収容体の取り出し口の開口面積が適宜設定された場合であっても、利用者が収容体の取り出し口から取り出したウエットシートの枚数に応じて、収容体の取り出し口からウエットシートに付与される摩擦力が減少し、いわゆる「ズル」が生ずることがある。
【0005】
これに対して、特許文献1には、紙様体の使用に従って収納袋体の頂部が底部に向かって順次沈んでゆく様に輪ゴムの様な弾性引張り部材を備えた紙様体の収納袋体が開示されている。特許文献1に記載された紙様体の収納袋体によれば、紙様体は途切れる事なく最後の1枚までスムーズに収納袋体から取り出す事ができる。すなわち、収納袋体の取り出し口は、「使い始め」のときから「使い終わり」のときまで略同程度の摩擦力を紙様体に付与することができる。そのため、ウエットシートが特許文献1に記載された紙様体の収納袋体に収容された場合には、ウエットシートの使用に従って収納袋体の頂部が底部に向かって順次沈んでゆくため、本発明者の得た知見によれば、いわゆる「ズル」の発生を一定の程度までは抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-189983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載された紙様体の収納袋体では、収納袋体の頂部が輪ゴムの様な弾性引張り部材の引張り力により底部に向かって順次沈んでゆくため、収納袋体の上部に皺が生ずるという問題がある。
【0008】
ここで、本発明者の得た知見によれば、ウエットシート包装体の使用者は、ウエットシート包装体を収容していわゆる「ズル」の発生を抑制する特別なケーシングを使用する傾向にあまりなく、蓋体を収容体から取り外すことなく収容体に取り付けたままでウエットシート包装体を単品で使用する傾向にあることが分かった。そして、ウエットシート包装体の使用者は、ウエットシート包装体の使用を一旦終了するときには、取り出し口から突出したウエットシートを収容体の内部に収め、蓋体を収容体に再貼着させて取り出し口を閉じる傾向にあることが分かった。
【0009】
このようなウエットシート包装体の使用方法において、包装袋としての収容体に皺が生じた状態で蓋体が収容体に再貼着されると、蓋体と収容体との間に隙間が生ずる。そうすると、収容体に収められたウエットシートが外気に触れやすくなり乾燥するという問題がある。
【0010】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、比較的簡単な構造でいわゆる「ズル」の発生を抑えることができるとともに、ウエットシートの乾燥を抑えることができるウエットシート包装体補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題は、折り畳まれるとともに一部が互いに重ね合わされた状態から取り出し口を通して順次取り出し可能とされた複数のウエットシートであって一枚のウエットシートが前記取り出し口から取り出されると次のウエットシートが前記取り出し口から突出する複数のウエットシートを収容する収容体と、前記収容体に取り付けられ前記取り出し口の開閉を行う蓋体と、を有するウエットシート包装体に着脱自在に取り付けられるウエットシート包装体補助具であって、基部と、前記基部に接続され、復元力を利用することにより前記取り出し口が形成された前記収容体の天面部を平らな状態に維持しつつ前記天面部に対向する前記収容体の底面部に相対的に近づけ前記天面部を介して前記ウエットシートを押圧するウエットシート押圧部と、を備え、前記ウエットシート押圧部は、前記基部に対して回転自在に接続されるとともに前記天面部と前記底面部とが互いに接合された第1端部を保持する第1保持部と、前記復元力を発生させ前記第1端部の外側に向かう方向へ前記第1保持部を回転させて前記第1端部の外側に向かう力を前記第1端部に付与する第1付勢部と、前記基部に対して回転自在に接続されるとともに前記天面部と前記底面部とが互いに接合され前記第1端部とは反対側に形成された第2端部を保持する第2保持部と、前記復元力を発生させ前記第2端部の外側に向かう方向へ前記第2保持部を回転させて前記第2端部の外側に向かう力を前記第2端部に付与する第2付勢部と、を有することを特徴とするウエットシート包装体補助具により解決される。
【0012】
本発明に係るウエットシート包装体補助具によれば、ウエットシート押圧部は、ウエットシート押圧部自身の復元力を利用することにより、収容体の天面部を平らな状態に維持しつつ収容体の底面部に相対的に近づける。そして、ウエットシート押圧部は、収容体の天面部を介してウエットシートを押圧する。これにより、収容体の天面部が平らな状態で、収容体の天面部と、複数のウエットシートの上面と、の間の隙間が狭くなる。そのため、ウエットシートは、取り出し口を通過するときに取り出し口の内縁に引っ掛かり易くなる。これにより、本発明に係るウエットシート包装体補助具は、収容体の取り出し口の内縁によりウエットシートに抵抗を与えることができる。すなわち、本発明に係るウエットシート包装体補助具は、ウエットシート押圧部が設けられていない場合にウエットシートに与えられる抵抗よりも高い抵抗をウエットシートに与えることができる。これにより、比較的簡単な構造でいわゆる「ズル」の発生を抑えることができる。
【0013】
また、収容体の天面部と、複数のウエットシートの上面と、の間の隙間が狭くなるため、収容体に収められたウエットシートが触れる空気の量を抑えることができる。言い換えれば、収容体の内部の「空気抜き」を行うことができる。これにより、収容体に収められたウエットシートの乾燥を抑えることができる。さらに、ウエットシート押圧部は、収容体の天面部を平らな状態に維持しつつ収容体の底面部に相対的に近づけ、収容体の天面部を介してウエットシートを押圧する。そのため、皺が収容体の天面部に生ずることを抑え、蓋体が収容体に再貼着されたときに蓋体と収容体との間に隙間が生ずることを抑えることができる。これにより、収容体に収められたウエットシートが外気に触れることを抑え、収容体に収められたウエットシートの乾燥を抑えることができる。
また、本発明に係るウエットシート包装体補助具によれば、第1付勢部は、復元力を発生させて、収容体の第1端部を保持した第1保持部を第1端部の外側に向かう方向へ回転させる。そして、第1付勢部は、第1端部の外側に向かう力を第1端部に付与する。第2付勢部は、復元力を発生させて、収容体の第2端部を保持した第2保持部を第2端部の外側に向かう方向へ回転させる。そして、第2付勢部は、第2端部の外側に向かう力を第2端部に付与する。このようにして、第1保持部、第1付勢部、第2保持部および第2付勢部は、収容体の第1端部および第2端部を外側に向かってより一層確実に引っ張ることができ、
収容体の天面部を介してウエットシートを押圧する。これにより、本発明に係るウエットシート包装体補助具は、比較的簡単な構造でいわゆる「ズル」の発生を抑えることができるとともに、ウエットシートの乾燥を抑えることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、比較的簡単な構造でいわゆる「ズル」の発生を抑えることができるとともに、ウエットシートの乾燥を抑えることができるウエットシート包装体補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態に係るウエットシート包装体補助具を表す斜視図である。
図2】本実施形態に係るウエットシート包装体補助具を表す断面図である。
図3】本実施形態の第1変形例に係るウエットシート包装体補助具を表す断面図である。
図4】本実施形態の第2変形例に係るウエットシート包装体補助具を表す断面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係るウエットシート包装体補助具を表す斜視図である。
図6】本実施形態に係るウエットシート包装体補助具を表す断面図である。
図7】本実施形態の第1変形例に係るウエットシート包装体補助具を表す断面図である。
図8】本実施形態の第2変形例に係るウエットシート包装体補助具を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0025】
図1(a)~図2(b)を参照して、本発明の第1実施形態に係るウエットシート包装体補助具を説明する。なお、図1(a)は、蓋体が開口部(取り出し口)を閉じた状態を表している。図1(b)は、蓋体が開口部(取り出し口)を開いた状態を表している。また、図2(a)は、図1(a)に表した切断面A-Aにおける断面図であり、ウエットシートが比較的多い場合を表している。図2(b)は、図1(a)に表した切断面A-Aにおける断面図であり、ウエットシートが比較的少ない場合を表している。
【0026】
本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2は、ウエットシート包装体8に着脱自在に取り付けられ、利用者がウエットシート包装体8に収められたウエットシート9(例えば図2(a)参照)を引き出す動作あるいは操作を補助する。まず、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2に取り付けられるウエットシート包装体8を、図面を参照して説明する。
【0027】
ウエットシート包装体8は、収容体81と、蓋体82と、を有する。収容体81は、複数のウエットシート9を収容する。ウエットシート9は、消毒用アルコール液、洗浄液、および洗顔料などの清拭等のための薬液が含浸された紙あるいは不織布で形成されたシート体である。
【0028】
収容体81は、例えばアルミニウムやポリエチレンラミネートフィルムなどの気密性を有するフィルム素材により形成されており、軟質性あるいは可撓性を有する。そのため、利用者は、ウエットシート包装体8をポケット等に入れても強張らず、携帯性に優れたものとして利用できる。図1に表した収容体81では、第1端部813と第2端部814とのそれぞれが熱圧着により閉じている。具体的には、第1端部813は、収容体81の天面部811と、収容体81の底面部812と、が互いに熱圧着により接合された部分である。第2端部814は、第1端部813とは反対側に形成された部分であり、収容体81の天面部811と、収容体81の底面部812と、が互いに熱圧着により接合された部分である。収容体81は、天面部811と、底面部812と、2つの側面と、を有する全体的に略直方体の袋である。すなわち、収容体81は、例えば、ピローフィルム包装あるいはピロータイプ合掌貼り包装などと呼ばれる。
【0029】
図1(a)および図1(b)に表したように、収容体81は、開口部83を有する。本実施形態の開口部83は、本発明の「取り出し口」の一例である。開口部83は、ウエットシートが通過可能な開口面積を有し、天面部811を形成するフィルムを貫通している。そのため、利用者は、収容体81に収容されたウエットシート9を開口部83から取り出すことができる。
【0030】
開口部83は、天面部811に予め形成されていてもよいし、あるいは利用者がウエットシート包装体8の使用開始時に開口予定部833を除去することにより形成されてもよい。例えば、ウエットシート9に含浸された薬液が使用前の流通時などに蒸発することを抑えるため、利用者が使用時に開口予定部833を除去することにより、開口部83が形成される場合がある。
【0031】
この場合には、使用前の収容体81において、開口部83の輪郭の位置にミシン目等の破断線831が形成されている。利用者が使用時に破断線831を切り取り、破断線831に囲まれた領域(即ち、開口部が形成される予定の部分:「開口予定部」)を除去することで、開口部83が形成される。
【0032】
ウエットシート9は、収容体81の内部に折り畳まれた状態で収容され、折り畳まれた状態から開口部83を通して順次取り出し可能とされている。すなわち、ウエットシート包装体8には、利用者がウエットシート9を開口部83から取り出すと、そのウエットシート9の下に配置されている次のウエットシート9の一部が開口部83から突出するポップアップ方式が採用されている。ウエットシート9の折り畳み方については、公知のポップアップ方式の折り畳み方を採用することができる。ウエットシート9の折り畳み方は、特には限定されない。
【0033】
蓋体82は、可撓性を有するシート状として形成されている。図1(a)および図1(b)に表したように、蓋体82は、収容体81に取り付けられ、収容体81のうちの少なくとも一部を覆う。また、蓋体82は、開口部83を開閉する。すなわち、蓋体82は、開口部83を上から覆い隠したり、開口部83を露出させたりすることができる。
【0034】
具体的には、蓋体82は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂シート等からなる基層(図示せず)を有している。図1(a)に表したように、基層の上には、例えば「OPEN」の文字や図形等が印刷されている。このような印刷を保護するため、基層の上側(外側:収容体81とは反対側)にはコーティング層(図示せず)が設けられている。一方で、基層の下側(内側:収容体81側)には接着部(図示せず)が設けられている。
【0035】
収容体81および蓋体82は、蓋体82の接着部により互いに再貼着および再剥離を可能とされている。蓋体82の接着部としては、例えば、ポリエステル系、アクリル系の感圧接着剤を利用することができる。蓋体82が開口部83を閉じた状態において、蓋体82の接着部は、開口部83の全周囲における蓋体82の基層の裏面(下側の面)に設けられている。但し、図1(a)に表した「OPEN」の文字が印刷された一方の端部821側には、接着部は設けられていない。一方の端部821以外の基層の裏面であって、開口部83の全周囲における裏面に、接着部が設けられている。
【0036】
このようにして、利用者は、蓋体82を収容体81から繰り返して剥がしたり、蓋体82を収容体81に繰り返して貼り付けたりすることができる。また、一方の端部821側には接着部が設けられていないので、利用者は、一方の端部821側から他方の端部822側に向けて蓋体82を容易に剥がすことができる。さらに、利用者は、蓋体82と収容体81との間に隙間が生ずることを抑えた状態で蓋体82を収容体81に再貼着することにより、収容体81に収められたウエットシート9が外気に触れることを抑え、収容体81に収められたウエットシート9の乾燥を抑えることができる。
【0037】
なお、収容体81と蓋体82との互いの再貼着および再剥離を可能とする接着部は、蓋体82ではなく収容体81の天面部811に設けられていてもよい。この場合には、接着部は、一方の端部821以外の収容体81の天面部811であって、開口部83の全周囲における天面部811に設けられる。あるいは、接着部は、収容体81の天面部811と、蓋体82の裏面と、の両方に設けられていてもよい。
【0038】
次に、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2を、図面を参照して説明する。本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2は、基部3と、ウエットシート押圧部4と、を備える。基部3およびウエットシート押圧部4のそれぞれは、弾性を有するシートにより形成されており、材料としては、例えば、金属、形状記憶合金、プラスチック、シリコンおよびゴムなどが挙げられる。
【0039】
ウエットシート押圧部4は、第1引張り部41と、第2引張り部42と、を有する。第1引張り部41は、基部3の一方の端部に一体的に接続されている。第1引張り部41は、第1保持具411を有し、ウエットシート包装体8の収容体81の第1端部813を第1保持具411により保持することができる。第2引張り部42は、基部3の他方の端部に一体的に接続されている。第2引張り部42は、第2保持具421を有し、ウエットシート包装体8の収容体81の第2端部814を第2保持具421により保持することができる。このように、第1引張り部41および第2引張り部42は、基部3の両端部に接続され、基部3と一体的に形成されている。
【0040】
なお、図1(a)~図2(b)に表した例では、第1保持具411、第2保持具421は、任意の物体および部分を挟持可能な構造を有し、それぞれ収容体81の第1端部813、第2端部814を挟んで保持している。但し、これらの保持具の構造および形態は、これだけに限定されるわけではない。例えば、第1保持具411は、鉤形を呈し、収容体81の第1端部813に設けられた複数の孔部(図示せず)に引っ掛かることで収容体81の第1端部813を保持してもよい。これは第2保持具421についても同様である。これらはまた、図3(a)~図4(b)に関して後述する第1保持具411および第2保持具421についても同様である。
【0041】
図1(a)~図2(b)に表した状態において、第1引張り部41は、第1引張り部41自身の復元力に対抗して収容体81の第1端部813を第1保持具411により保持している。そのため、図2(a)および図2(b)に表した矢印Y11のように、第1引張り部41は、元の形状や状態に戻ろうとする復元力により、収容体81の第1端部813を外側に向かって引っ張っている。つまり、第1引張り部41は、収容体81の第1端部813を保持し、第1引張り部41自身の復元力を利用することにより第1端部813の外側に向かう力を第1端部813に付与している。
【0042】
なお、本願明細書において、「収容体の端部の外側に向かう力」および「収容体の端部の外側に向かう方向」とは、例えば図2(a)および図2(b)に表した矢印Y11のように、収容体の端部の外側に向かう成分を有する力および方向をいうものとし、必ずしも収容体の天面部や底面部の表面に平行な力および方向のみに限定されるわけではない。
【0043】
また、第2引張り部42は、第2引張り部42自身の復元力に対抗して収容体81の第2端部814を第2保持具421により保持している。そのため、図2(a)および図2(b)に表した矢印Y12のように、第2引張り部42は、元の形状や状態に戻ろうとする復元力により、収容体81の第2端部814を外側に向かって引っ張っている。つまり、第2引張り部42は、収容体81の第2端部814を保持し、第2引張り部42自身の復元力を利用することにより第2端部814の外側に向かう力を第2端部814に付与している。
【0044】
ここで、利用者が収容体の開口部から取り出したウエットシートの枚数に応じて、収容体の中に残ったウエットシートの枚数が変化し、収容体の天面部と、複数のウエットシートの上面と、の間の距離が変化する。すなわち、収容体の天面部と、複数のウエットシートの上面と、の間の隙間が変化する。そのため、収容体の中のウエットシートの枚数が相対的に多い「使い始め」のときと、収容体の中のウエットシートの枚数が相対的に少ない「使い終わり」のときと、の間において、ウエットシートに付与される抵抗や摩擦が相違する。そうすると、収容体の天面部と、複数のウエットシートの上面と、の間の隙間が適宜設定され、また、収容体の開口部の開口面積が適宜設定された場合であっても、利用者がウエットシートを収容体の開口部(取り出し口)から取り出したときに、そのウエットシートの下に配置されている次のウエットシートが続けて取り出し口から取り出されるといういわゆる「ズル」が生ずることがある。また、利用者がウエットシート包装体を収容する特別なケーシング等を使用することなく、ウエットシート包装体を単品で使用する場合において、収容体に皺が生じた状態で蓋体を収容体に再貼着させると、蓋体と収容体との間に隙間が生ずる。そうすると、収容体に収められたウエットシートが外気に触れやすくなり乾燥することがある。
【0045】
これに対して、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2のウエットシート押圧部4は、ウエットシート押圧部4自身の復元力を利用することにより、収容体81の天面部811を平らな状態に維持しつつ天面部811を底面部812に相対的に近づける。
【0046】
具体的には、図2(a)および図2(b)に表した矢印Y11のように、第1引張り部41は、収容体81の第1端部813を保持し、第1引張り部41自身の復元力を利用することにより第1端部813の外側に向かう力を第1端部813に付与する。また、図2(a)および図2(b)に表した矢印Y12のように、第2引張り部42は、収容体81の第2端部814を保持し、第2引張り部42自身の復元力を利用することにより第2端部814の外側に向かう力を第2端部814に付与する。そうすると、収容体81の天面部811は、平らな状態を維持しつつ底面部812に相対的に近づく。
【0047】
なお、本願明細書において、「天面部を底面部に相対的に近づける」および「天面部が底面部に相対的に近づく」とは、天面部および底面部の少なくとも一方が天面部および底面部の少なくとも他方に向かって移動することにより、天面部と底面部との間の距離が相対的に短くなることをいい、天面部が底面部に向かって移動することだけに限定されるわけではない。
【0048】
このように、収容体81の天面部811が平らな状態を維持しつつ底面部812に相対的に近づくと、図2(a)および図2(b)に表した矢印Y13のように、ウエットシート押圧部4、すなわち第1引張り部41および第2引張り部42は、収容体81の天面部811を介して収容体81に収められたウエットシート9を押圧する。
【0049】
これによれば、収容体81の天面部811が平らな状態で、収容体81の天面部811と、複数のウエットシート9の上面91と、の間の隙間95が狭くなる。そのため、ウエットシート9は、開口部83を通過するときに開口部83の内縁832(図1(a)および図1(b)参照)に引っ掛かり易くなる。これにより、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2は、収容体81の開口部83の内縁832によりウエットシート9に抵抗を与えることができる。すなわち、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2は、ウエットシート押圧部4(本実施形態では第1引張り部41および第2引張り部42)が設けられていない場合にウエットシート9に与えられる抵抗よりも高い抵抗をウエットシート9に与えることができる。これにより、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2は、比較的簡単な構造でいわゆる「ズル」の発生を抑えることができる。
【0050】
あるいは、収容体81の天面部811が平らな状態で隙間95が狭くなることにより、収容体81の天面部811と、複数のウエットシート9の上面91と、の互いの密着面積や接触面積を確保することができる。そのため、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2は、収容体81の天面部811によりウエットシート9に抵抗を与えることができる。これにより、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2は、比較的簡単な構造でいわゆる「ズル」の発生を抑えることができる。
【0051】
また、収容体81の天面部811と、複数のウエットシート9の上面91と、の間の隙間95が狭くなるため、収容体81に収められたウエットシート9が触れる空気の量を抑えることができる。言い換えれば、収容体81の内部の「空気抜き」を行うことができる。これにより、収容体81に収められたウエットシート9の乾燥を抑えることができる。さらに、ウエットシート押圧部4(本実施形態では第1引張り部41および第2引張り部42)は、収容体81の天面部811を平らな状態に維持しつつ収容体81の底面部812に相対的に近づけ、収容体81の天面部811を介してウエットシート9を押圧する。そのため、皺が収容体81の天面部811に生ずることを抑え、蓋体82が収容体81に再貼着されたときに蓋体82と収容体81との間に隙間が生ずることを抑えることができる。これにより、収容体81に収められたウエットシート9が外気に触れることを抑え、収容体81に収められたウエットシート9の乾燥を抑えることができる。
【0052】
次に、本実施形態の変形例に係るウエットシート包装体補助具について説明する。
なお、本変形例に係るウエットシート包装体補助具の構成要素が、図1(a)~図2(b)に関して前述した本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2の構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0053】
図3(a)および図3(b)を参照して、本実施形態の第1変形例に係るウエットシート包装体補助具2Aを説明する。なお、図3(a)は、図1(a)に表した切断面A-Aにおける断面図に相当し、ウエットシートが比較的多い場合を表している。図3(b)は、図1(a)に表した切断面A-Aにおける断面図に相当し、ウエットシートが比較的少ない場合を表している。
【0054】
本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Aは、基部3と、ウエットシート押圧部4Aと、を備える。基部3は、弾性を有する材料により形成されていてもよく、弾性を有しない材料により形成されていてもよい。ウエットシート押圧部4Aは、第1保持部41Aと、第1付勢部412と、第2保持部42Aと、第2付勢部422と、を有する。
【0055】
第1保持部41Aは、基部3に対して回転軸413を中心として回転自在に接続されている。第1保持部41Aは、第1保持具411を有し、ウエットシート包装体8の収容体81の第1端部813を第1保持具411により保持することができる。第1付勢部412は、回転軸413の周囲あるいは近傍に設けられ、復元力を発生させて、図3(a)および図3(b)に表した矢印Y14の方向に第1保持部41Aを付勢している。第1付勢部412としては、例えば「ねじりコイルばね」などが挙げられる。
【0056】
第2保持部42Aは、基部3に対して回転軸423を中心として回転自在に接続されている。第2保持部42Aは、第2保持具421を有し、ウエットシート包装体8の収容体81の第2端部814を第2保持具421により保持することができる。第2付勢部422は、回転軸423の周囲あるいは近傍に設けられ、復元力を発生させて、図3(a)および図3(b)に表した矢印Y15の方向に第2保持部42Aを付勢している。第2付勢部422としては、例えば「ねじりコイルばね」などが挙げられる。
【0057】
図3(a)および図3(b)に表した状態において、第1保持部41Aは、第1付勢部412の復元力(すなわち付勢力)に対抗して収容体81の第1端部813を第1保持具411により保持している。そのため、図3(a)および図3(b)に表した矢印Y14のように、第1保持部41Aは、第1付勢部412の復元力を利用して、収容体81の第1端部813を外側に向かって引っ張っている。つまり、矢印Y14のように、第1付勢部412は、復元力(すなわち付勢力)を発生させ、第1端部813の外側に向かう方向へ回転軸413を中心として第1保持部41Aを回転させ、第1端部813の外側に向かう力を第1端部813に付与している。
【0058】
また、図3(a)および図3(b)に表した状態において、第2保持部42Aは、第2付勢部422の復元力(すなわち付勢力)に対抗して収容体81の第2端部814を第2保持具421により保持している。そのため、図3(a)および図3(b)に表した矢印Y15のように、第2保持部42Aは、第2付勢部422の復元力を利用して、収容体81の第2端部814を外側に向かって引っ張っている。つまり、矢印Y15のように、第2付勢部422は、復元力(すなわち付勢力)を発生させ、第2端部814の外側に向かう方向へ回転軸423を中心として第2保持部42Aを回転させ、第2端部814の外側に向かう力を第2端部814に付与している。
【0059】
本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Aによれば、ウエットシート押圧部4A(第1保持部41A、第1付勢部412、第2保持部42Aおよび第2付勢部422)は、収容体81の第1端部813および第2端部814を外側に向かってより一層確実に引っ張ることができ、収容体81の天面部811を平らな状態に維持しつつ天面部811を底面部812に相対的に近づけることができる。そして、図3(a)および図3(b)に表した矢印Y13のように、ウエットシート押圧部4Aは、収容体81の天面部811を介してウエットシート9を押圧する。これにより、本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Aは、比較的簡単な構造でいわゆる「ズル」の発生を抑えることができるとともに、ウエットシート9の乾燥を抑えることができる。
【0060】
次に、図4(a)および図4(b)を参照して、本実施形態の第2変形例に係るウエットシート包装体補助具2Bを説明する。なお、図4(a)は、図1(a)に表した切断面A-Aにおける断面図に相当し、ウエットシートが比較的多い場合を表している。図4(b)は、図1(a)に表した切断面A-Aにおける断面図に相当し、ウエットシートが比較的少ない場合を表している。
【0061】
本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Bは、基部3Bと、ウエットシート押圧部4Bと、を備える。基部3Bは、弾性を有する材料により形成されていてもよく、弾性を有しない材料により形成されていてもよい。
【0062】
基部3Bは、底部31と、第1側部32と、第2側部33と、を有する。底部31は、ウエットシート包装体8がウエットシート包装体補助具2Bに取り付けられた状態において、収容体81の底面部812に対向する。第1側部32は、底部31に接続されている。図4(a)および図4(b)に表したように、第1側部32は、ウエットシート包装体8がウエットシート包装体補助具2Bに取り付けられた状態において、収容体81の第1端部813に対向する。第2側部33は、第1側部32とは反対側において底部31に接続され、第1側部32に対向している。図4(a)および図4(b)に表したように、第2側部33は、ウエットシート包装体8がウエットシート包装体補助具2Bに取り付けられた状態において、収容体81の第2端部814に対向する。
【0063】
ウエットシート押圧部4Bは、第1保持部41Bと、第1付勢部414と、第2保持部42Bと、第2付勢部424と、を有する。第1保持部41Bは、第1保持具411を有し、ウエットシート包装体8の収容体81の第1端部813を第1保持具411により保持することができる。第1付勢部414は、基部3Bの第1側部32と、第1保持部41Bと、に接続され、復元力を発生させて、図4(a)および図4(b)に表した矢印Y16の方向に第1保持部41Bを付勢している。第1付勢部414としては、例えば「引張りコイルばね」などが挙げられる。
【0064】
第2保持部42Bは、第2保持具421を有し、ウエットシート包装体8の収容体81の第2端部814を第2保持具421により保持することができる。第2付勢部424は、基部3Bの第2側部33と、第2保持部42Bと、に接続され、復元力を発生させて、図4(a)および図4(b)に表した矢印Y17の方向に第2保持部42Bを付勢している。第2付勢部424としては、例えば「引張りコイルばね」などが挙げられる。
【0065】
図4(a)および図4(b)に表した状態において、第1保持部41Bは、第1付勢部414の復元力(すなわち付勢力)に対抗して収容体81の第1端部813を第1保持具411により保持している。そのため、図4(a)および図4(b)に表した矢印Y16のように、第1保持部41Bは、第1付勢部414の復元力を利用して、収容体81の第1端部813を外側に向かって引っ張っている。つまり、矢印Y16のように、第1付勢部414は、復元力(すなわち付勢力)を発生させ、第1端部813の外側に向かう方向へ第1保持部41Bを付勢して、第1端部813の外側に向かう力を第1端部813に付与している。
【0066】
図4(a)および図4(b)に表した状態において、第2保持部42Bは、第2付勢部424の復元力(すなわち付勢力)に対抗して収容体81の第2端部814を第2保持具421により保持している。そのため、図4(a)および図4(b)に表した矢印Y17のように、第2保持部42Bは、第2付勢部424の復元力を利用して、収容体81の第2端部814を外側に向かって引っ張っている。つまり、矢印Y17のように、第2付勢部424は、復元力(すなわち付勢力)を発生させ、第2端部814の外側に向かう方向へ第2保持部42Bを付勢して、第2端部814の外側に向かう力を第2端部814に付与している。
【0067】
本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Bによれば、図4(a)および図4(b)に表した矢印Y16および矢印Y17のように、ウエットシート押圧部4B(第1保持部41B、第1付勢部414、第2保持部42Bおよび第2付勢部424)は、収容体81の第1端部813および第2端部814を外側に向かって水平方向に引っ張ることができる。そのため、ウエットシート押圧部4Bは、より一層確実に、収容体81の天面部811を平らな状態に維持しつつ天面部811と底面部812とを互いに近づけることができる。そして、図4(a)および図4(b)に表した矢印Y13のように、ウエットシート押圧部4Bは、天面部811および底面部812を介してウエットシート9を押圧することができ、収容体81の天面部811が平らな状態で、収容体81の天面部811と、複数のウエットシート9の上面91と、の間の隙間95をより一層確実に狭くすることができる。これにより、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2Bは、より一層確実に、いわゆる「ズル」の発生を抑えることができるとともに、ウエットシート9の乾燥を抑えることができる。
【0068】
次に、本発明の第2実施形態に係るウエットシート包装体補助具について説明する。
なお、第2実施形態に係るウエットシート包装体補助具の構成要素が、図1(a)~図4(b)に関して前述した第1実施形態に係るウエットシート包装体補助具2、2A、2Bの構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0069】
図5図6(b)を参照して、本発明の第2実施形態に係るウエットシート包装体補助具を説明する。なお、図6(a)は、図5に表した切断面B-Bにおける断面図であり、ウエットシートが比較的多い場合を表している。図6(b)は、図5に表した切断面B-Bにおける断面図であり、ウエットシートが比較的少ない場合を表している。
【0070】
本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2Cは、基部3と、ウエットシート押圧部4Cと、を備える。基部3およびウエットシート押圧部4Cのそれぞれは、弾性を有するシートにより形成されており、材料としては、例えば、金属、形状記憶合金、プラスチック、シリコンおよびゴムなどが挙げられる。図5に表したように、基部3は、収容体81の底面部812と略同じあるいは収容体81の底面部812よりも大きいサイズを有し、収容体81の底面部812の全体を覆うことができる。ウエットシート押圧部4Cは、収容体81の天面部811と略同じあるいは収容体81の天面部811よりも大きいサイズを有し、収容体81の天面部811の全体を覆うことができる。
【0071】
ウエットシート押圧部4Cは、基部3の一方の端部34と、基部の一方の端部34とは反対側の他方の端部35と、に接続されている。ウエットシート押圧部4Cは、基部3とは別の部材として基部3の両方の端部34、35に接続されていてもよく、基部3と一体的に形成されていてもよい。図6(a)および図6(b)に表した矢印Y18および矢印Y19に表したように、基部3およびウエットシート押圧部4Cは、元の形状や状態に戻ろうとする復元力により、互いに引き寄せられている。そのため、図6(a)および図6(b)に表したように、基部3およびウエットシート押圧部4Cは、互いの間にウエットシート包装体8の全体を挟持することができる。
【0072】
図5図6(b)に表した状態において、ウエットシート押圧部4Cは、ウエットシート押圧部4C自身の復元力に対抗して、基部3とともにウエットシート包装体8の全体を挟持している。これにより、図6(a)および図6(b)に表した矢印Y13に表したように、ウエットシート押圧部4Cは、蓋体82が設けられた部分を除いた収容体81の天面部811の全体を直接的に押圧する。
【0073】
すなわち、図5に表したように、ウエットシート押圧部4Cは、開口部45を有する。ウエットシート包装体8が基部3とウエットシート押圧部4Cとの間に挟持された状態において、開口部45は、蓋体82の位置に対応して設けられ、蓋体82の表面積よりも大きい開口面積を有する。そのため、利用者は、ウエットシート押圧部4Cの開口部45を通して、蓋体82を収容体81から繰り返して剥がしたり、蓋体82を収容体81に繰り返して貼り付けたりすることができる。また、利用者は、ウエットシート押圧部4Cの開口部45を通して、ウエットシート9を収容体81の開口部83から取り出すことができる。このように、ウエットシート押圧部4Cは、蓋体82の位置に対応して設けられた開口部45を有するため、蓋体82が設けられた部分を除いた収容体81の天面部811の全体を直接的に押圧する。
【0074】
本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2Cによれば、ウエットシート押圧部4Cは、基部3の両方の端部34、35に接続されており、ウエットシート押圧部4C自身の復元力を利用することにより、収容体81の天面部811の全体を直接的に押圧する。そのため、ウエットシート押圧部4Cは、より一層確実に、収容体81の天面部811を平らな状態に維持しつつ収容体81の底面部812に相対的に近づけることができる。そして、ウエットシート押圧部4Cは、収容体81の天面部811を介してウエットシート9を押圧することができ、収容体81の天面部811が平らな状態で、収容体81の天面部811と、複数のウエットシート9の上面91と、の間の隙間95をより一層確実に狭くすることができる。これにより、本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2Cは、より一層確実に、いわゆる「ズル」の発生を抑えることができるとともに、ウエットシート9の乾燥を抑えることができる。また、第1実施形態に係るウエットシート包装体補助具2に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0075】
次に、本実施形態の変形例に係るウエットシート包装体補助具について説明する。
なお、本変形例に係るウエットシート包装体補助具の構成要素が、図5図6(b)に関して前述した本実施形態に係るウエットシート包装体補助具2Cの構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0076】
図7(a)および図7(b)を参照して、本実施形態の第1変形例に係るウエットシート包装体補助具2Dを説明する。なお、図7(a)は、図5に表した切断面B-Bにおける断面図に相当し、ウエットシートが比較的多い場合を表している。図7(b)は、図5に表した切断面B-Bにおける断面図に相当し、ウエットシートが比較的少ない場合を表している。
【0077】
本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Dは、基部3と、ウエットシート押圧部4Dと、を備える。基部3およびウエットシート押圧部4Dのそれぞれは、弾性を有する材料により形成されている。例えば、基部3およびウエットシート押圧部4Dのそれぞれは、弾性を有するゴム材により形成されている。本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Dでは、図5図6(b)に関して前述したウエットシート包装体補助具2Cと同様に、基部3は、収容体81の底面部812と略同じあるいは収容体81の底面部812よりも大きいサイズを有し、収容体81の底面部812の全体を覆うことができる。ウエットシート押圧部4Dは、収容体81の天面部811と略同じあるいは収容体81の天面部811よりも大きいサイズを有し、収容体81の天面部811の全体を覆うことができる。
【0078】
ウエットシート押圧部4Dは、基部3と一体的に形成されている。基部3およびウエットシート押圧部4Dは、弾性を有するゴム材により一体的に形成されているため、図7(a)および図7(b)に表した矢印Y21および矢印Y22に表したように、元の形状や状態に戻ろうとする復元力により、互いに引き寄せられている。そのため、図7(a)および図7(b)に表したように、基部3およびウエットシート押圧部4Dは、互いの間にウエットシート包装体8の全体を挟持することができる。
【0079】
図7(a)および図7(b)に表した状態において、ウエットシート押圧部4Dは、ウエットシート押圧部4D自身の復元力に対抗して、基部3とともにウエットシート包装体8の全体を挟持している。これにより、図7(a)および図7(b)に表した矢印Y13に表したように、ウエットシート押圧部4Dは、蓋体82が設けられた部分を除いた収容体81の天面部811の全体を直接的に押圧する。すなわち、図5に関して前述した開口部45と同様の開口部(図示せず)が、本変形例のウエットシート押圧部4Dに設けられている。
【0080】
本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Dによれば、ウエットシート押圧部4Dは、基部3およびウエットシート押圧部4Dの復元力を利用することにより、収容体81の天面部811の全体を直接的に押圧する。そのため、ウエットシート押圧部4Dは、より一層確実に、収容体81の天面部811を平らな状態に維持しつつ収容体81の底面部812に相対的に近づけることができる。そして、ウエットシート押圧部4Dは、収容体81の天面部811を介してウエットシート9を押圧することができ、収容体81の天面部811が平らな状態で、収容体81の天面部811と、複数のウエットシート9の上面91と、の間の隙間95をより一層確実に狭くすることができる。これにより、本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Dは、より一層確実に、いわゆる「ズル」の発生を抑えることができるとともに、ウエットシート9の乾燥を抑えることができる。
【0081】
なお、図7の変形例では、図5と同様に、ウエットシート押圧部4Dに蓋体82と同じないしやや大きい開口が設けられていることで、蓋体82の開閉を容易にしているが、これに限らず、開口部83とほぼ同様サイズの開口であってもよい。この場合には、ウエットシート押圧部4Dが基部3とともにウエットシート包装体8の全体を挟持し、ウエットシート押圧部4Dと収容体81との間に隙間がないことから、利用者は、蓋体82を収容体81から剥がし、ウエットシート押圧部4Dに貼着させることで、開口部83の密閉性の向上を図りウエットシート9の乾燥を抑えることができるとともに、蓋体82の操作性の向上を図ることができる。
【0082】
次に、図8(a)および図8(b)を参照して、本実施形態の第2変形例に係るウエットシート包装体補助具2Eを説明する。なお、図8(a)は、図5に表した切断面B-Bにおける断面図に相当し、ウエットシートが比較的多い場合を表している。図8(b)は、図5に表した切断面B-Bにおける断面図に相当し、ウエットシートが比較的少ない場合を表している。
【0083】
本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Eは、基部3と、ウエットシート押圧部4Eと、を備える。基部3は、弾性を有する材料により形成されていてもよく、弾性を有しない材料により形成されていてもよい。本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Eでは、図5図6(b)に関して前述したウエットシート包装体補助具2Cと同様に、基部3は、収容体81の底面部812と略同じあるいは収容体81の底面部812よりも大きいサイズを有し、収容体81の底面部812の全体を覆うことができる。ウエットシート押圧部4Eは、押圧体46と、付勢部47と、を有する。押圧体46は、収容体81の天面部811と略同じあるいは収容体81の天面部811よりも大きいサイズを有し、収容体81の天面部811の全体を覆うことができる。
【0084】
図8(a)および図8(b)に表したように、押圧体46は、基部3に対向して設けられ、図5に関して前述した開口部45と同様の開口部(図示せず)を有する。付勢部47は、基部3と、押圧体46と、に接続され、復元力を発生させて、基部3に向かって押圧体46を付勢している。付勢部47としては、例えば「引張りコイルばね」などが挙げられる。つまり、図8(a)および図8(b)に表した矢印Y23および矢印Y24に表したように、基部3およびウエットシート押圧部4Eは、付勢部47の復元力(すなわち付勢力)により、互いに引き寄せられている。そのため、図8(a)および図8(b)に表したように、基部3およびウエットシート押圧部4Eは、互いの間にウエットシート包装体8の全体を挟持することができる。
【0085】
本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Eでは、ウエットシート包装体8の全体が基部3とウエットシート押圧部4Eとの間に挟持された状態において、複数の付勢部47がウエットシート包装体8の両側に設けられている。つまり、ウエットシート包装体8の全体は、複数の付勢部47のうちの任意の付勢部47と、複数の付勢部47のうちの他の任意の付勢部47と、の間に配置される。
【0086】
図8(a)および図8(b)に表した状態において、ウエットシート押圧部4Eは、付勢部47の復元力(すなわち付勢力)に対抗して、基部3とともにウエットシート包装体8の全体を挟持している。これにより、図8(a)および図8(b)に表した矢印Y13に表したように、ウエットシート押圧部4E(本変形例では押圧体46)は、蓋体82が設けられた部分を除いた収容体81の天面部811の全体を直接的に押圧する。
【0087】
本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Eによれば、ウエットシート押圧部4E(本変形例では押圧体46)は、付勢部47の復元力(すなわち付勢力)を利用することにより、収容体81の天面部811の全体を直接的に押圧する。そのため、ウエットシート押圧部4Eは、より一層確実に、収容体81の天面部811を平らな状態に維持しつつ収容体81の底面部812に相対的に近づけることができる。そして、ウエットシート押圧部4Eは、収容体81の天面部811を介してウエットシート9を押圧することができ、収容体81の天面部811が平らな状態で、収容体81の天面部811と、複数のウエットシート9の上面91と、の間の隙間95をより一層確実に狭くすることができる。これにより、本変形例に係るウエットシート包装体補助具2Eは、より一層確実に、いわゆる「ズル」の発生を抑えることができるとともに、ウエットシート9の乾燥を抑えることができる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0089】
2、2A、2B、2C、2D、2E:ウエットシート包装体補助具、 3、3B:基部、 4、4A、4B、4C、4D、4E:ウエットシート押圧部、 8:ウエットシート包装体、 9:ウエットシート、 31:底部、 32:第1側部、 33:第2側部、 34、35:端部、 41:第1引張り部、 41A、41B:第1保持部、 42:第2引張り部、 42A、42B:第2保持部、 45:開口部、 46:押圧体、 47:付勢部、 81:収容体、 82:蓋体、 83:開口部、 91:上面、 95:隙間、 411:第1保持具、 412:第1付勢部、 413:回転軸、 414:第1付勢部、 421:第2保持具、 422:第2付勢部、 423:回転軸、 424:第2付勢部、 811:天面部、 812:底面部、 813:第1端部、 814:第2端部、 821、822:端部、 831:破断線、 832:内縁、 833:開口予定部

図1
図2
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図5
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図8